『ハピレスチャージプリキュア 第一話 ”誕生!キュアスター!?”』
――放課後
上条「あー疲れた、つーか疲れた」
青ピ「おつかれーカミやん……ってエライ憔悴しとるやん」
上条「……あぁうん、そのね、妖精の国がね」
青ピ「ごめんなカミやん?その馬鹿ワードにボクはどっからツッコんだええのか分からしまへん」
上条「……うん、気にしないでな。色々気苦労が重なっただけだから」
PiPiPi、PiPiPi……
上条「ケータイ?しかも非通知だ?」
青ピ「放っといたらエエんちゃう?なんやまたトラブルに巻き込まれるだけやで」
上条「いやぁ……そうなんだけど。でも一応――もしもし?」 ピッ
ハマッヅラ「あ、お疲れ様で御座います。浜面で御座います」
上条「普通に喋れんの!?つーか携帯で呼び出し!?」
青ピ「ほらやっぱり」
上条「ウルセェよ!つーか俺だって何となくは予想してたもん!」
青ピ「もんて」
ハマッヅラ「助けて欲しいヅラ!ピンチなんだヅラトーマ!」
上条「いやうん、主旨は分かった。分かったんだけどさ」
ハマッヅラ「ありがとうヅラトーマ!頼りになるヅラトーマ!」
上条「その、お前の語尾の直後に俺の名前が入ると、まるで俺がヅラだって言われてる気がしてイラっとするんだが」
上条「故意じゃないよね?偶然だよね?なんかこう、不自然に連呼してっけど」
ハマッヅラ「当然ヅラ・トーマ!」
上条「意図的じゃねぇか!?ネオ・ジオングみたいに言うなや!つーかもっと悪化してるし、人にモノを頼む態度じゃねぇからな!」
ハマッヅラ「そんな事よりもピンチなんだヅラ!助けて欲しいヅラ!」
上条「……何?どうしたの?むしろ助けて欲しいのは俺の方なんだけど」
上条「教えてもないアドレスへ得体の知れない着信が来るのって、そういう映画あったもんね?あーコワイコワイ」
ハマッヅラ「いいから来るヅラ!来ないと魔法の国が大変なんだヅラ!」
上条「ていうかお前、前回ツッコまなかったけど、妖精の国と魔法の国で、設定がブレッブレだよな?どっちかに決めろよ」
上条「どっちもファンシーっちゃファンシーだけど、設定ぐらいは守っていこう、な?」
上条「あと>>954は純粋に誤字だよ!三秒で思い付いて三十分で書いたSSにそんな伏線入れるか!」
上条「ある意味妖精モドキがいるのは陽性の国で合ってるが!」
ハマッヅラ「とにかく!メールで場所を送っといたヅラ!」 ピッ
上条「……切りやがったよ。どうすっかなー……」
上条「あ、そうだ青ピ!お前も一緒に――って居ねーし!?逃げやがったな!」
上条「キュアシスターコンプレックス土御門さんも……居ないと」
上条「他に誰が……」
学年主任「……」
上条「……」
学年主任「被ってない。これはちょっと額が広いだけなんだよ」
上条「オイ今の誰だ?」
――空き地
ハマッヅラ「遅いヅラ・トーマ!」
上条「その悪意のある呼び方止めろ。つーか来てやったんだから必要最低限の敬意を持ちやがれ」
上条「てかここどこだ?学園都市にドラえもんで出てきそうな空き地なんてあったのか?」
上条「PSPの『空き地のカミキリムシ』シナリオでも思ったけどさ、そんなに空き地ってあるか……?」
ハマッヅラ「話の展開ヅラ!仕方がないヅラよ!」
上条「まぁツッコんだら負けそうな気もするし――で、何?今日はどんなBAKAエピソードが起きんの?」
ハマッヅラ「待つヅラ!まだメンバーが揃ってないヅラ!」
上条「メンバー?学園長また来んのか?」
ハマヅラ「キュアスターは出オチヅラから、もう来ないヅラよ」
上条「出オチって言うなや!つーか選んだのお前だろ!?」
ハマッヅラ「キュアシスターとキュアキャプテンもなかった事になるヅラ。大人の事情ヅラ」
ハマッヅラ「言ってみればGディフェンサーが最初のサポートメカとして扱われるの一緒ヅラね」
上条「謝って!気がついたらGジェネから消えたGアーマーに謝って!」
上条「もしかしたらGファルコンDXみたいに合体後だけの機体で出るかもしんないじゃんっ!」
上条「……ん?そうすっと残ってるのって――」
ハマッヅラ「キュアウルフ待ちヅラ」
上条「フェンリルヒマだった!?」
ハマッヅラ「ドヤ顔でオリアナと絡んだ割には、ミサイル奪取失敗してるヅラ」
ハマッヅラ「つーかトールにボコられる前、『こいつなんで居んの?作戦失敗しやがったのに態度デカくね?』的なヅラ」
上条「やめてあげて!『これで俺達が一番乗りだ(ドヤァ)』っつった時に爆笑しそうになった人も居るんだからっ!」
ハマッヅラ「ま、そんな訳でキュア噛ませ犬は先に現場へ行って貰ってるヅラよ」
上条「今さっき『メンバーが揃ってないから待つ』のに、『先に行ってる』はどう考えても矛盾……」
上条「てゆーか名称違くね?そんな名前じゃなかったよね?」
ハマッヅラ「なんせグレムリンはもうないヅラから!本人も乗り気だったヅラ!」
上条「……それでいいのかフェンリル」
ハマッヅラ「で、トーマには予め話しておきたい事があるヅラ。つーかこないだ途中で帰っちゃったヅラし」
上条「あのカオスの中で居残ろうとする方がおかしいと思うが……」
ハマッヅラ「ハマッヅラ達がなんのために戦うか、説明しなかったヅラね?」
上条「妖精の国を救う、だっけ?それとも魔法の国か?」
ハマッヅラ「……この世界は狙われてるんヅラ!」
上条「先週と言ってること違くねぇかな?いつもいつも佐天さんへ言ってるけど、設定決めたら守ろう?なぁ?」
ハマッヅラ「――時にキュアラッキー!最近不思議な事件を体験してないヅラ?」
上条「うん?……あぁ言われてみれば確かに。これとか」
ハマッヅラ「ハマッヅラを指さすのは良くないヅラ。つーかこんなファンシー動物捕まえてなんて事をするヅラ?」
上条「お前ちいさいおっさん的なUMAの類だと思うが……特に無いなぁ」
ハマッヅラ「連日連夜取り上げていた事件が、パタッと取り上げなくなったりはしないヅラ?」
上条「おいテメー、今度はどんな虎の尾を踏みに行くつもりか言ってみろ!」
ハマッヅラ「キリスト教系米国在住の日本国”籍”男性医師が犯人だと分かった瞬間、どうして報道がシャットアウトされたヅラ?」
ハマッヅラ「ていうか日本人なら普通に『日本人男性〜』なのに、何故『日本”国籍”の男性〜』って言い方をするニカ?」
上条「――よ、よーし!今日もキュアラッキー頑張るぞおぉぉっ!フィクションだから!この世界を守るために頑張るからっ!」
上条「バカの語尾が変わったのにもツッコまないぞ!俺は何の事か分からないんだからな!」
ハマッヅラ「その意気ヅラっキュアラッキースケベ!」
上条「だから人にオプション付けんなや、なぁ?スケベって単語一つでラッキーも台無しだよ!台無し!」
ハマッヅラ「そうヅラねー……例えば、最近誰か知り合いが急に怒りっぽくなったり、攻撃的になったりしてないヅラ?」
上条「あーあるある――って知り合いじゃないけど、キュア関係の導入ってそんな感じだよなー」
上条「アレだろ?それが悪い奴らの仕業だから、なんとかしろー、的な感じか」
ハマッヅラ「中二病ヅラね」
上条「間違ってない!間違ってねぇけどよ!こう、もっと別の言い方あるじゃん!?」
上条「確かにそんな時期は誰にでもあるが!もっと、こう、なんだろ!気を遣って上げてよ!」
ハマッヅラ「それを何とかするのがハピレスチャージプリキュアヅラ!」
上条「……あぁ正式名称決まったんだ。つーかハピレスって『幸福以下』だから、あんま良い意味ねーぞ」
ハマッヅラ「まぁ中二病で困ってる子供達に、ラッキースケベがハピレスを注入するヅラ!」
上条「キュア付けろや。ラッキースケベって現象であって個人名じゃねぇんだからな!?」
上条「あー……うん。まぁやりたい事は分かったし、何となく方向性も見えては来たが……」
ハマッヅラ「よーし!それじゃキュアウルフと合流するヅラ!」
上条「……行きたくねぇ」
――学園都市某所のオープンカフェ
上条「――へ、来たものの」
上条「特に暴れたり、目立って悪さしてるような奴ぁ居ない、よなぁ……?」
フェンリル「おっす、お疲れ!」
上条「あー、はい、どうも。お疲れ」
ハマッヅラ「ホシはどうヅラか?」
フェンリル「……危険だぜ。完全にヤバい所まで来てる!」
ハマッヅラ「そうヅラか……なら、早くしないといけないヅラね!」
上条「待て待て。どこが、つーか何がヤバいんだよ?」
上条「俺が見た感じ、フツーにお茶してる連中しか居ねぇんだが……?」
フェンリル「……あれを見てみろ、キュアスケベ!」
上条「ラッキーは?そこを付けような?じゃないと俺の右手の出番になっちゃうゾっ☆」
上条「――ゾ☆?星?なんで今星が――」
食蜂『だからぁ、わたしは御坂さんに言ってあげたのよぉ」
食蜂『「野蛮力じゃ、オトコノコのハートはキャッチプリキュアできないん・だ・ゾ?」ってぇ』
縦ロール『流石です女王!御坂さんは殿方よりも女性に大人気ですものねっ!』
食蜂『そぉなのよねぇ。御坂さんももう少し落ち着けばいいのに……そうすれば』
食蜂『私のようなオトナの包容力が出るのに☆』
縦ロール『女王にかかれば殿方のハートを掴むのも造作ない事ですのね。流石ですっ!』
縦ロール『それで、その』
食蜂『なぁにぃ?』
縦ロール『女王は、ですね、やはり殿方とお付き合いされてた事がおありなんでしょうねっ!』
食蜂『え?』
縦ロール『えっ?』
食蜂『はァーーーーっ?はァーーーーーーーーっ!?』
縦ロール『……女王?』
食蜂『あ、ごめんなさいねぇ?今ちょっとゼブラの物真似に凝っててぇ』
縦ロール『グルメ四天王かと思いました!女王はステキですっ!』
食蜂『そ、それはいいとしてぇ……当然、でしょお?ほら、私みたいになると男の子が放置力してくれなくてぇ』
縦ロール『では今お付き合いされている方は……』
食蜂『え、ぇっとぉ、それはぁ――』
ハマッヅラ「分かったヅラ?」
上条「分かんねーよ、何一つとしてプリキュア介入する理由がねーよ」
上条「おっぱい大きいけど残念な子の食蜂さんが、色んなで意味で残念になってんのは否定出来ないけどな!」
上条「つーかボケがただ流れになってる……ッ!?ていうかボケが多すぎでどれからツッコめば良いのか分からないよ!」
ハマッヅラ「――そうヅラ!あれがまさにハマッヅラ達の敵ヅラ!」
上条「いやぁ……つーか別に暴れてないじゃん?攻撃的、って言う訳でもないしさ」
上条「まぁ会話の内容自体にアレかなー、と思わなくもねぇが、あのぐらいの歳だったら話盛っちまうも仕方がねーんじゃね?」
フェンリル「ハイジのバカっ!」 バシッ
上条「そげぶっ!?」 ゲフッ
フェンリル「お前っ、お前それでもプリキュアの一員なのかよ!?その程度の考えでプリキュアが勤まるとでも思ってんのかっ!?」
上条「なった憶えはねぇよ!つかお前なんでそんなにプリキュアに入れ込んでたよ!?」
上条「あと『ハイジのバカ』じゃなくて、言ったのはハイジだから『クララのバカ』が正しいんだよ!」
フェンリル「……確かに!初めは些細な嘘かも知れない、他愛のないお喋りから始まった、話を合わせる程度の嘘かも知れない」
フェンリル「だが!嘘は一回吐いちまうと、その嘘を隠すために嘘を吐かなきゃいけなくなるんだよ!」
フェンリル「そうしている間に、ドンドン嘘は大きくなっていく……!」
上条「や、否定はしねぇんだけど、それもうプリキュアの活動関係なくね?個人の問題だよね?」
フェンリル「俺は……俺は!そういう奴らを助けてやりたいためにプリキュアになったんだよ。俺みたいな奴になって欲しくなくて――」
フェンリル「――そう、『オオカミ少年』を産み出したくないんだ……っ!」
上条「え!?お前のフェンリルってそういう由来だったの!?」
上条「ていうかその台詞が正しいんだったら、お前仲間内からも嘘吐き呼ばわりされてるって話じゃねぇかよ!」
ハマッヅラ「……それ以上は言っちゃダメヅラ、トーマ」
上条「ハマッヅラ……」
ハマッヅラ「例えば……トールは雷神トールにちなんだ力を使っていたヅラよ」
ハマッヅラ「全能神トールとしての権能って何かなー、とワクワクしていたら、『相手に勝てる位置に移動』というフワッフワしたものだったヅラ……」
ハマッヅラ「『それ全能神関係なくね?』ってツッコミはしちゃいけないヅラ!」
上条「話、ズレてる」
桂「ズレてない桂だ!」
上条「おい今ノイズ入らなかったか?」
ハマッヅラ「他にもフレイヤやドヴェルグ、果てはロキみたいな神話を忠実に再現した幹部に混じって――」
ハマッヅラ「フェンリルはどうヅラ?つーかどんな魔術を使うのか知ってるヅラ?」
上条「知んないけどさ」
フェンリル「涎が川を作ったという伝説を利用して、龍脈や地脈のようななエネルギーを捻じ曲げて溝を造り」
フェンリル「任意の場所へ受け流す。逸らした際に、様々なものを飲み込ませて攻撃出来る……」
上条「おー、ちゃんとしてんじゃん」
ハマッヅラ「……どこかヅラ?」
上条「あぁ?」
ハマッヅラ「オオカミ要素皆無ヅラ!なんでヨダレ?つーかなんでそこ取り上げちゃったヅラ!?」
ハマッヅラ「つーかそれだけでフェンリル()名乗らせるんだったら、どんだけグレムリンは人材不足ヅラ!?」
上条「なぁお前、それ以上言うなとか言っといて、ボロックソに貶してねーかな?」
上条「何となく、お前の説明は擁護を装って真綿で首を絞めるような、俺の友達の弟のメル友の芸風に似てるんだが……?」
フェンリル「……大丈夫だ、キュアラッキー。俺はもう生まれ変わったんだ」
上条「その名で呼ぶな」
フェンリル「俺は悪の秘密結社、『グレムリン』の一員だった。その過去はどうやったって消せねぇ……」
上条「そこだけ聞くとダークヒーローの懺悔っぽいけど、要はお前ら世界レベルのテロリストだからな?」
フェンリル「そう言えばおかしいとは思ってたんだ……だって他のグレムリンのメンバーの本名誰も知らないし!」
上条「魔術結社だから当たり前じゃね?」
フェンリル「仲間なのに経験値とか言って直ぐ絡んでくる奴まで居るしさぁ!なんなんだよもう!?」
上条「おーいトール?お前行動一環してっげと、身内は大切にしてやれー?聞いているかー?」
フェンリル「……俺はもう俺の居場所を失うのが恐いんだ!だから――俺の生き様を見せてやる!」
上条「フェンリル……」
フェンリル「分かってくれたか!」
ハマッヅラ「いい話ヅラ……」
上条「ま、それはそれとして、あの残念な子にプリキュアが介入する理由って、結局なんなの?」
フェンリル「……」
ハマッヅラ「……」
上条「……」
フェンリル「――よし、新入り!お前はまだ経験が浅い!だから俺の仕事をよく見ておくんだ、いいな?」
上条「俺の質問に答えろよ!?何をするのかも不明だし、目的や行き先すらあやふやじゃねーか!?」
ハマッヅラ「大丈夫ヅラ!ここはキュアウルフを信じるヅラよ!」
フェンリル「……行って来る。とおっ!」 シュッ
上条「あぁ行ったよ……つーか何?変身しないの?」
ハマッヅラ「ここはAパートヅラ。取り敢えずは様子を探るヅラね」
上条「あぁあるなぁ」
ハマッヅラ「『どうせ話の展開上、絶対感染してんだから最初からプリキュアモードで殲滅すれば?』とか言っちゃダメヅラね?」
上条「まさにそのダメなのを言ってるのがお前だな?」
フェンリル『あの、すいませんお嬢さん?』
上条「つってる間にフェンリル突っかけたな。その度胸はスゲーが」
ハマッヅラ「外見はウルフカットの青年ヅラし、それなりに好印象ヅラよ」
上条「てか俺達のする事ってナンパなのか?だったら別に俺居なくてもいいんじゃ?」
ハマッヅラ「広義で言えば本家の活動も『因縁付けて半殺し』ヅラし、その意味では同じヅラね」
上条「やめて。本家さんにまで迷惑かけるのだけはやめてあげて!」
ハマッヅラ「――しっ!フェンリルが仕掛けるヅラ!」
上条「お、おう!」
フェンリル『――俺に首輪を付けて飼って下さいっ!!!』
上条「いきなりドMをカミングアウトしやがった!?」
ハマッヅラ「……いけないヅラ!まさかフェンリルの魔術属性がここで足を引っ張るとは……!」
上条「なんでもかんでも魔術のせいにするんじゃねーよ、あ?」
上条「少なくと神話のフェンリルさんは自ら捕われに行かなかったよ。立派なオオカミだったよ」
食蜂・縦ロール『……』
上条「そりゃドン引きだな!つーかリアクションがし難ぇしさ!」
フェンリル『散歩だけでもいい――全裸が好みなら、俺は甘んじて受け入れよう!』
上条「甘んじた方がハードル上がってねぇかな?」
フェンリル『だから――だから!』
食蜂 ピッ
フェンリル『イラッシャイマセー』
上条「……うん、まぁ、そうなるよね。なんでイラッシャイマセーなのかは分からないけど」
フェンリル『イラッシャイマセー、イラッシャイマセー』
食蜂『あっち行って、ねぇ?』
フェンリル『イラッシャイマセー』
ハマッヅラ「互いに互いの言葉を押し付けているだけヅラ、これは会話ではなかったヅラ……!」
上条「俺には何の事が分からないけど、本当に何を言ってるのか分からないが、これもうEx-iTだよね?」
ハマッヅラ「ナイス噛ませ犬ヅラ!」 グッ
上条「犬的な運命は変えられなかった!むしろ進んで受け入れたように見えたが!」
ハマッヅラ「――さぁ、場が温まった所でトーマの出番ヅラ!」
上条「そうかな?俺の目には食蜂さんとお友達が警戒色を浮かべながらこっちを見てるように見えるんだが……」
ハマッヅラ「大丈夫ヅラ!今トーマにハイパージャマーが働いているヅラ!」
上条「あ、その設定生きてたんだ?つーか変身してねぇぞ俺」
ハマッヅラ「正体不明のぬいぐるみと会話してる時点で、周りの人は居ないものとして扱ってくれるヅラよ!」
上条「そうだったよな!つーか確かに見て見ぬフリをしよう的な所あるけどさ!」
ハマッヅラ「心配いらないヅラよ。ハマッヅラがフォローするからトーマは指示に従えば良いだけヅラ!」
上条「指示て……あぁコンパクトで連絡取る、みたいなの?」
ハマッヅラ「けーたいヅラ?トーマは魔法みたいな事をヅラね!」
上条「お前と、お前らの存在全否定だな……あぁイヤホンマイクつけんのな」
ハマッヅラ「さぁ行くヅラ!フェンリルの意志を無駄しないためにも!」
上条「むしろアイツは自滅しに行ったようにしか見えなかったが……」 スッ
上条「――あー、はい、こんにちは」
縦ロール「申し訳ないのですが、お誘いでしたらお断りを――」
食蜂「上条さぁんっ☆」
縦ロール「あ、あら……?お二人はお知り合いでしたのですか、女王?」
上条「まぁ顔見知り程度――うん?」 ギュッ
食蜂「……他の子には言っちゃダ・メ・ダ・ゾっ☆」
上条「いや君、何言って――」
縦ロール「分かりましたわっ!……ってどちらへ?」
食蜂「大事なお話よぉ――と、今日は失礼するわねぇ」
縦ロール「はいっ!お部屋でお待ちしておりますわっ女王!」
上条「――って引っ張――」
――路地裏
食蜂「やだぁ上条さん……路地裏へ連れ込んで、何するつ・も・り?」
食蜂「か弱い私を連れ込んで――まさかっ!?」
上条「食蜂さん前から言おうと思ってたんだけど、会う度にユルくなってるよね?主に頭が?」
上条「ていうか君、俺の知り合いの可愛いけど残念な子とエロくて残念な子と話が合うと思うよ?残念繋がりで」
食蜂「あー、でも助かったわぁ。あの子、良い子なんだけど信仰心が強いっていうかぁ?」
上条「てか話盛るのも勝手だが、程々にしとけ。友達がどうこう以前に、後から後悔すんのはお前だからな?」
食蜂「……はぁーい。上条さんったり、折角二人っきりなのに、イ・ケ・ズ☆」
上条「うん、君これっぽっちも反省してないし、そもそも人の話を聞いてないもんね?」
食蜂「それでぇ?」
上条「うん?」
食蜂「私に何かご御用力だったのかしら?それとも御坂さん関係?」
上条「実は今、プ――」
上条「……」
上条「――なんて、言えるかっ!?イタイにも程があるし!」
食蜂「どぉしたのぉ?」
上条「あーっとな、なんつったらいいのか――」
ハマッヅラ『スケベ、スケベっ!聞こえるヅラか?』
上条「(キュアは付けようか?取り敢えずもうキュアスケベ呼ばわりでもいいけど、ただの悪口に比べれば)」
ハマッヅラ『大体ハマッヅラの考え通りに進んでいるヅラ!流石ワンテンポ溜めた甲斐はあったヅラ』
上条「(あぁうんそうなんだ……それで?俺はこっからどうすればいいの?)」
ハマッヅラ『まず肩を軽く抱くヅラ』
上条「お、おうっ」
食蜂「きゃあっ☆」
ハマッヅラ『次に左手で頭を撫でながら、右手で相手のあごを軽く上へ向けさせるヅラ』
上条「こ、こうか?」
食蜂「……やぁんっ☆」
ハマッヅラ『後はしっぽりと、な?』 ニヤリッ
上条「――ってお前これキスする五秒前じゃねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇヵっ!?」
上条「つーかシモ!?散々引っ張ってきてテメェの目的は下ネタなのっ!?」
ハマッヅラ『や、だから最初に少子高齢化で大変だって言ってるヅラよ?』
上条「嘘吐くなよ!?口から何となく出ただけのクセしやがって!?」
ハマッヅラ『報道規制って騒いでるヤツは、ブラックドラゴンの事件には何を言ってたヅラ?』
上条「マジやめとけ、な?それを書いたら終わりなんだからなっ!」
食蜂「上条さぁん……ま・だ?」
上条「お前も拒否れよ!?つーかさっきから格好が格好だからたゆんたゆんが俺の胸に当たってたゆんたゆんだよっ!?」
ハマッヅラ『――今ヅラ!キュアラッキー!必殺技を使うヅラ!』
上条「……あんの、必殺技?」
ハマッヅラ『あるヅラ、その名も”キュアドリル”――ッ!!!』
上条「待てやコラ?最後の最後で最悪の下ネタ振ってやがった度胸は認めるけどな!」
上条「ドリルってどういう事?股間に的な意味なの?バカなの?」
ハマッヅラ『背後から12歳児へ突きつけた実績もあるヅラ!』
上条「あれは本物な?ていうかお前の言う通りだったら、俺は別の意味で主役降ろされてるよ!絶対にだ!」
ハマッヅラ『さぁ覚悟を決めるヅラ!』
上条「いや、だからな――』
食蜂「……上条さんが、こんな、こんなにっ情熱的だなんて知らなかった☆」
上条「ヤベぇ!?なんかルート確定してエロシーン入る直前のヒロインみてーな事言い出したぞ!?」
食蜂「私も前から――好き、な・ん・だ・ゾ☆」
上条「お前はちったぁ疑えよおおおおおおおおおおおおおおォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォっ!!!?」
――翌日の放課後 空き地
上条「……」
ハマッヅラ「昨日はお楽しみでしたヅラね」
上条「楽しんでねーよ!あの後タイミング良く通りかかったビリビリに見つかってビリビリされたんだからねっ!」
ハマッヅラ「キュアラッキーはそういう能力ヅラね、ラッキースケベは起きるんだけど、最後までは中々行かないヅラ」
ハマッヅラ「まるでティーン向けのラノベのような展開を見せるヅラよ!笑っちゃうヅラ!」
上条「俺の日常DISってんじゃねぇぞコラ」
上条「……つーかお前らなんなの?何がしたいのか分っかんねぇつーかさ」
上条「昨日の……ほら、必殺技とかもあるじゃん?」
ハマッヅラ「ピュアドリルヅラね?」
上条「キュアドリルな?ピュアだと、こう、なんつーかさ!未使用品みたいな響きがするんだからキュアでいいじゃない!」
上条「なんであれが必殺技なんだよ。意味が分からん」
ハマッヅラ「社会的に必殺ヅラ!」
上条「人生の墓場的な意味かっ!?……いや、どちらにしろJCへ手ぇ出したら詰むけどな!」
ハマッヅラ「そんな事よりも今日は新しいプリキュアが登場するヅラ!」
上条「レギュラーの入れ替わり激しいなオイ。実際ほほ全員ゲスト扱いじゃねぇか」
ハマッヅラ「来るヅラ!二代目キュア・スター!」
上条「また学園長呼びやがったのか!?……あん?二代目?」
???「輝く光は☆の光、輝き穢す悪い子は――」
???「――最近薄い本で引っ張りだこ――とうっ!」 シュッ
上条「薄い本……?」
食蜂(キュアスター二代目)「――キュアスター、見・参っ!」 ドヤァッ
上条「出やがったな残念な子その三!?」
食蜂「今日からヨロシクねぇ☆」
ハマッヅラ「皆で仲良くするヅラ!」
上条「ごめん。俺、今日でプリキュアやめるわ」
〜エンディングロール〜
○キャスト
キュアスケベ――上条さん
キュアスター(二代目)――みさきっつぁん
キュアウルフ――殉職
キュアスター(初代)――引退
キュアキャプテン――行方不明
小さいチンピラ――浜面
ハマッヅラ、ハマッヅラ♪
上条「プリッキュアみてーに言うなや。つーか妖精が浜面である必然性も無いしキャラも違ぇし!」
上条「ていうか続かないよ!もう終わるんだからねっ!」
――『ハピレスチャージプリキュア 第一話 ”誕生!キュアスター!?”』 −終−
上条「あー疲れた、つーか疲れた」
青ピ「おつかれーカミやん……ってエライ憔悴しとるやん」
上条「……あぁうん、そのね、妖精の国がね」
青ピ「ごめんなカミやん?その馬鹿ワードにボクはどっからツッコんだええのか分からしまへん」
上条「……うん、気にしないでな。色々気苦労が重なっただけだから」
PiPiPi、PiPiPi……
上条「ケータイ?しかも非通知だ?」
青ピ「放っといたらエエんちゃう?なんやまたトラブルに巻き込まれるだけやで」
上条「いやぁ……そうなんだけど。でも一応――もしもし?」 ピッ
ハマッヅラ「あ、お疲れ様で御座います。浜面で御座います」
上条「普通に喋れんの!?つーか携帯で呼び出し!?」
青ピ「ほらやっぱり」
上条「ウルセェよ!つーか俺だって何となくは予想してたもん!」
青ピ「もんて」
ハマッヅラ「助けて欲しいヅラ!ピンチなんだヅラトーマ!」
上条「いやうん、主旨は分かった。分かったんだけどさ」
ハマッヅラ「ありがとうヅラトーマ!頼りになるヅラトーマ!」
上条「その、お前の語尾の直後に俺の名前が入ると、まるで俺がヅラだって言われてる気がしてイラっとするんだが」
上条「故意じゃないよね?偶然だよね?なんかこう、不自然に連呼してっけど」
ハマッヅラ「当然ヅラ・トーマ!」
上条「意図的じゃねぇか!?ネオ・ジオングみたいに言うなや!つーかもっと悪化してるし、人にモノを頼む態度じゃねぇからな!」
ハマッヅラ「そんな事よりもピンチなんだヅラ!助けて欲しいヅラ!」
上条「……何?どうしたの?むしろ助けて欲しいのは俺の方なんだけど」
上条「教えてもないアドレスへ得体の知れない着信が来るのって、そういう映画あったもんね?あーコワイコワイ」
ハマッヅラ「いいから来るヅラ!来ないと魔法の国が大変なんだヅラ!」
上条「ていうかお前、前回ツッコまなかったけど、妖精の国と魔法の国で、設定がブレッブレだよな?どっちかに決めろよ」
上条「どっちもファンシーっちゃファンシーだけど、設定ぐらいは守っていこう、な?」
上条「あと>>954は純粋に誤字だよ!三秒で思い付いて三十分で書いたSSにそんな伏線入れるか!」
上条「ある意味妖精モドキがいるのは陽性の国で合ってるが!」
ハマッヅラ「とにかく!メールで場所を送っといたヅラ!」 ピッ
上条「……切りやがったよ。どうすっかなー……」
上条「あ、そうだ青ピ!お前も一緒に――って居ねーし!?逃げやがったな!」
上条「キュアシスターコンプレックス土御門さんも……居ないと」
上条「他に誰が……」
学年主任「……」
上条「……」
学年主任「被ってない。これはちょっと額が広いだけなんだよ」
上条「オイ今の誰だ?」
――空き地
ハマッヅラ「遅いヅラ・トーマ!」
上条「その悪意のある呼び方止めろ。つーか来てやったんだから必要最低限の敬意を持ちやがれ」
上条「てかここどこだ?学園都市にドラえもんで出てきそうな空き地なんてあったのか?」
上条「PSPの『空き地のカミキリムシ』シナリオでも思ったけどさ、そんなに空き地ってあるか……?」
ハマッヅラ「話の展開ヅラ!仕方がないヅラよ!」
上条「まぁツッコんだら負けそうな気もするし――で、何?今日はどんなBAKAエピソードが起きんの?」
ハマッヅラ「待つヅラ!まだメンバーが揃ってないヅラ!」
上条「メンバー?学園長また来んのか?」
ハマヅラ「キュアスターは出オチヅラから、もう来ないヅラよ」
上条「出オチって言うなや!つーか選んだのお前だろ!?」
ハマッヅラ「キュアシスターとキュアキャプテンもなかった事になるヅラ。大人の事情ヅラ」
ハマッヅラ「言ってみればGディフェンサーが最初のサポートメカとして扱われるの一緒ヅラね」
上条「謝って!気がついたらGジェネから消えたGアーマーに謝って!」
上条「もしかしたらGファルコンDXみたいに合体後だけの機体で出るかもしんないじゃんっ!」
上条「……ん?そうすっと残ってるのって――」
ハマッヅラ「キュアウルフ待ちヅラ」
上条「フェンリルヒマだった!?」
ハマッヅラ「ドヤ顔でオリアナと絡んだ割には、ミサイル奪取失敗してるヅラ」
ハマッヅラ「つーかトールにボコられる前、『こいつなんで居んの?作戦失敗しやがったのに態度デカくね?』的なヅラ」
上条「やめてあげて!『これで俺達が一番乗りだ(ドヤァ)』っつった時に爆笑しそうになった人も居るんだからっ!」
ハマッヅラ「ま、そんな訳でキュア噛ませ犬は先に現場へ行って貰ってるヅラよ」
上条「今さっき『メンバーが揃ってないから待つ』のに、『先に行ってる』はどう考えても矛盾……」
上条「てゆーか名称違くね?そんな名前じゃなかったよね?」
ハマッヅラ「なんせグレムリンはもうないヅラから!本人も乗り気だったヅラ!」
上条「……それでいいのかフェンリル」
ハマッヅラ「で、トーマには予め話しておきたい事があるヅラ。つーかこないだ途中で帰っちゃったヅラし」
上条「あのカオスの中で居残ろうとする方がおかしいと思うが……」
ハマッヅラ「ハマッヅラ達がなんのために戦うか、説明しなかったヅラね?」
上条「妖精の国を救う、だっけ?それとも魔法の国か?」
ハマッヅラ「……この世界は狙われてるんヅラ!」
上条「先週と言ってること違くねぇかな?いつもいつも佐天さんへ言ってるけど、設定決めたら守ろう?なぁ?」
ハマッヅラ「――時にキュアラッキー!最近不思議な事件を体験してないヅラ?」
上条「うん?……あぁ言われてみれば確かに。これとか」
ハマッヅラ「ハマッヅラを指さすのは良くないヅラ。つーかこんなファンシー動物捕まえてなんて事をするヅラ?」
上条「お前ちいさいおっさん的なUMAの類だと思うが……特に無いなぁ」
ハマッヅラ「連日連夜取り上げていた事件が、パタッと取り上げなくなったりはしないヅラ?」
上条「おいテメー、今度はどんな虎の尾を踏みに行くつもりか言ってみろ!」
ハマッヅラ「キリスト教系米国在住の日本国”籍”男性医師が犯人だと分かった瞬間、どうして報道がシャットアウトされたヅラ?」
ハマッヅラ「ていうか日本人なら普通に『日本人男性〜』なのに、何故『日本”国籍”の男性〜』って言い方をするニカ?」
上条「――よ、よーし!今日もキュアラッキー頑張るぞおぉぉっ!フィクションだから!この世界を守るために頑張るからっ!」
上条「バカの語尾が変わったのにもツッコまないぞ!俺は何の事か分からないんだからな!」
ハマッヅラ「その意気ヅラっキュアラッキースケベ!」
上条「だから人にオプション付けんなや、なぁ?スケベって単語一つでラッキーも台無しだよ!台無し!」
ハマッヅラ「そうヅラねー……例えば、最近誰か知り合いが急に怒りっぽくなったり、攻撃的になったりしてないヅラ?」
上条「あーあるある――って知り合いじゃないけど、キュア関係の導入ってそんな感じだよなー」
上条「アレだろ?それが悪い奴らの仕業だから、なんとかしろー、的な感じか」
ハマッヅラ「中二病ヅラね」
上条「間違ってない!間違ってねぇけどよ!こう、もっと別の言い方あるじゃん!?」
上条「確かにそんな時期は誰にでもあるが!もっと、こう、なんだろ!気を遣って上げてよ!」
ハマッヅラ「それを何とかするのがハピレスチャージプリキュアヅラ!」
上条「……あぁ正式名称決まったんだ。つーかハピレスって『幸福以下』だから、あんま良い意味ねーぞ」
ハマッヅラ「まぁ中二病で困ってる子供達に、ラッキースケベがハピレスを注入するヅラ!」
上条「キュア付けろや。ラッキースケベって現象であって個人名じゃねぇんだからな!?」
上条「あー……うん。まぁやりたい事は分かったし、何となく方向性も見えては来たが……」
ハマッヅラ「よーし!それじゃキュアウルフと合流するヅラ!」
上条「……行きたくねぇ」
――学園都市某所のオープンカフェ
上条「――へ、来たものの」
上条「特に暴れたり、目立って悪さしてるような奴ぁ居ない、よなぁ……?」
フェンリル「おっす、お疲れ!」
上条「あー、はい、どうも。お疲れ」
ハマッヅラ「ホシはどうヅラか?」
フェンリル「……危険だぜ。完全にヤバい所まで来てる!」
ハマッヅラ「そうヅラか……なら、早くしないといけないヅラね!」
上条「待て待て。どこが、つーか何がヤバいんだよ?」
上条「俺が見た感じ、フツーにお茶してる連中しか居ねぇんだが……?」
フェンリル「……あれを見てみろ、キュアスケベ!」
上条「ラッキーは?そこを付けような?じゃないと俺の右手の出番になっちゃうゾっ☆」
上条「――ゾ☆?星?なんで今星が――」
食蜂『だからぁ、わたしは御坂さんに言ってあげたのよぉ」
食蜂『「野蛮力じゃ、オトコノコのハートはキャッチプリキュアできないん・だ・ゾ?」ってぇ』
縦ロール『流石です女王!御坂さんは殿方よりも女性に大人気ですものねっ!』
食蜂『そぉなのよねぇ。御坂さんももう少し落ち着けばいいのに……そうすれば』
食蜂『私のようなオトナの包容力が出るのに☆』
縦ロール『女王にかかれば殿方のハートを掴むのも造作ない事ですのね。流石ですっ!』
縦ロール『それで、その』
食蜂『なぁにぃ?』
縦ロール『女王は、ですね、やはり殿方とお付き合いされてた事がおありなんでしょうねっ!』
食蜂『え?』
縦ロール『えっ?』
食蜂『はァーーーーっ?はァーーーーーーーーっ!?』
縦ロール『……女王?』
食蜂『あ、ごめんなさいねぇ?今ちょっとゼブラの物真似に凝っててぇ』
縦ロール『グルメ四天王かと思いました!女王はステキですっ!』
食蜂『そ、それはいいとしてぇ……当然、でしょお?ほら、私みたいになると男の子が放置力してくれなくてぇ』
縦ロール『では今お付き合いされている方は……』
食蜂『え、ぇっとぉ、それはぁ――』
ハマッヅラ「分かったヅラ?」
上条「分かんねーよ、何一つとしてプリキュア介入する理由がねーよ」
上条「おっぱい大きいけど残念な子の食蜂さんが、色んなで意味で残念になってんのは否定出来ないけどな!」
上条「つーかボケがただ流れになってる……ッ!?ていうかボケが多すぎでどれからツッコめば良いのか分からないよ!」
ハマッヅラ「――そうヅラ!あれがまさにハマッヅラ達の敵ヅラ!」
上条「いやぁ……つーか別に暴れてないじゃん?攻撃的、って言う訳でもないしさ」
上条「まぁ会話の内容自体にアレかなー、と思わなくもねぇが、あのぐらいの歳だったら話盛っちまうも仕方がねーんじゃね?」
フェンリル「ハイジのバカっ!」 バシッ
上条「そげぶっ!?」 ゲフッ
フェンリル「お前っ、お前それでもプリキュアの一員なのかよ!?その程度の考えでプリキュアが勤まるとでも思ってんのかっ!?」
上条「なった憶えはねぇよ!つかお前なんでそんなにプリキュアに入れ込んでたよ!?」
上条「あと『ハイジのバカ』じゃなくて、言ったのはハイジだから『クララのバカ』が正しいんだよ!」
フェンリル「……確かに!初めは些細な嘘かも知れない、他愛のないお喋りから始まった、話を合わせる程度の嘘かも知れない」
フェンリル「だが!嘘は一回吐いちまうと、その嘘を隠すために嘘を吐かなきゃいけなくなるんだよ!」
フェンリル「そうしている間に、ドンドン嘘は大きくなっていく……!」
上条「や、否定はしねぇんだけど、それもうプリキュアの活動関係なくね?個人の問題だよね?」
フェンリル「俺は……俺は!そういう奴らを助けてやりたいためにプリキュアになったんだよ。俺みたいな奴になって欲しくなくて――」
フェンリル「――そう、『オオカミ少年』を産み出したくないんだ……っ!」
上条「え!?お前のフェンリルってそういう由来だったの!?」
上条「ていうかその台詞が正しいんだったら、お前仲間内からも嘘吐き呼ばわりされてるって話じゃねぇかよ!」
ハマッヅラ「……それ以上は言っちゃダメヅラ、トーマ」
上条「ハマッヅラ……」
ハマッヅラ「例えば……トールは雷神トールにちなんだ力を使っていたヅラよ」
ハマッヅラ「全能神トールとしての権能って何かなー、とワクワクしていたら、『相手に勝てる位置に移動』というフワッフワしたものだったヅラ……」
ハマッヅラ「『それ全能神関係なくね?』ってツッコミはしちゃいけないヅラ!」
上条「話、ズレてる」
桂「ズレてない桂だ!」
上条「おい今ノイズ入らなかったか?」
ハマッヅラ「他にもフレイヤやドヴェルグ、果てはロキみたいな神話を忠実に再現した幹部に混じって――」
ハマッヅラ「フェンリルはどうヅラ?つーかどんな魔術を使うのか知ってるヅラ?」
上条「知んないけどさ」
フェンリル「涎が川を作ったという伝説を利用して、龍脈や地脈のようななエネルギーを捻じ曲げて溝を造り」
フェンリル「任意の場所へ受け流す。逸らした際に、様々なものを飲み込ませて攻撃出来る……」
上条「おー、ちゃんとしてんじゃん」
ハマッヅラ「……どこかヅラ?」
上条「あぁ?」
ハマッヅラ「オオカミ要素皆無ヅラ!なんでヨダレ?つーかなんでそこ取り上げちゃったヅラ!?」
ハマッヅラ「つーかそれだけでフェンリル()名乗らせるんだったら、どんだけグレムリンは人材不足ヅラ!?」
上条「なぁお前、それ以上言うなとか言っといて、ボロックソに貶してねーかな?」
上条「何となく、お前の説明は擁護を装って真綿で首を絞めるような、俺の友達の弟のメル友の芸風に似てるんだが……?」
フェンリル「……大丈夫だ、キュアラッキー。俺はもう生まれ変わったんだ」
上条「その名で呼ぶな」
フェンリル「俺は悪の秘密結社、『グレムリン』の一員だった。その過去はどうやったって消せねぇ……」
上条「そこだけ聞くとダークヒーローの懺悔っぽいけど、要はお前ら世界レベルのテロリストだからな?」
フェンリル「そう言えばおかしいとは思ってたんだ……だって他のグレムリンのメンバーの本名誰も知らないし!」
上条「魔術結社だから当たり前じゃね?」
フェンリル「仲間なのに経験値とか言って直ぐ絡んでくる奴まで居るしさぁ!なんなんだよもう!?」
上条「おーいトール?お前行動一環してっげと、身内は大切にしてやれー?聞いているかー?」
フェンリル「……俺はもう俺の居場所を失うのが恐いんだ!だから――俺の生き様を見せてやる!」
上条「フェンリル……」
フェンリル「分かってくれたか!」
ハマッヅラ「いい話ヅラ……」
上条「ま、それはそれとして、あの残念な子にプリキュアが介入する理由って、結局なんなの?」
フェンリル「……」
ハマッヅラ「……」
上条「……」
フェンリル「――よし、新入り!お前はまだ経験が浅い!だから俺の仕事をよく見ておくんだ、いいな?」
上条「俺の質問に答えろよ!?何をするのかも不明だし、目的や行き先すらあやふやじゃねーか!?」
ハマッヅラ「大丈夫ヅラ!ここはキュアウルフを信じるヅラよ!」
フェンリル「……行って来る。とおっ!」 シュッ
上条「あぁ行ったよ……つーか何?変身しないの?」
ハマッヅラ「ここはAパートヅラ。取り敢えずは様子を探るヅラね」
上条「あぁあるなぁ」
ハマッヅラ「『どうせ話の展開上、絶対感染してんだから最初からプリキュアモードで殲滅すれば?』とか言っちゃダメヅラね?」
上条「まさにそのダメなのを言ってるのがお前だな?」
フェンリル『あの、すいませんお嬢さん?』
上条「つってる間にフェンリル突っかけたな。その度胸はスゲーが」
ハマッヅラ「外見はウルフカットの青年ヅラし、それなりに好印象ヅラよ」
上条「てか俺達のする事ってナンパなのか?だったら別に俺居なくてもいいんじゃ?」
ハマッヅラ「広義で言えば本家の活動も『因縁付けて半殺し』ヅラし、その意味では同じヅラね」
上条「やめて。本家さんにまで迷惑かけるのだけはやめてあげて!」
ハマッヅラ「――しっ!フェンリルが仕掛けるヅラ!」
上条「お、おう!」
フェンリル『――俺に首輪を付けて飼って下さいっ!!!』
上条「いきなりドMをカミングアウトしやがった!?」
ハマッヅラ「……いけないヅラ!まさかフェンリルの魔術属性がここで足を引っ張るとは……!」
上条「なんでもかんでも魔術のせいにするんじゃねーよ、あ?」
上条「少なくと神話のフェンリルさんは自ら捕われに行かなかったよ。立派なオオカミだったよ」
食蜂・縦ロール『……』
上条「そりゃドン引きだな!つーかリアクションがし難ぇしさ!」
フェンリル『散歩だけでもいい――全裸が好みなら、俺は甘んじて受け入れよう!』
上条「甘んじた方がハードル上がってねぇかな?」
フェンリル『だから――だから!』
食蜂 ピッ
フェンリル『イラッシャイマセー』
上条「……うん、まぁ、そうなるよね。なんでイラッシャイマセーなのかは分からないけど」
フェンリル『イラッシャイマセー、イラッシャイマセー』
食蜂『あっち行って、ねぇ?』
フェンリル『イラッシャイマセー』
ハマッヅラ「互いに互いの言葉を押し付けているだけヅラ、これは会話ではなかったヅラ……!」
上条「俺には何の事が分からないけど、本当に何を言ってるのか分からないが、これもうEx-iTだよね?」
ハマッヅラ「ナイス噛ませ犬ヅラ!」 グッ
上条「犬的な運命は変えられなかった!むしろ進んで受け入れたように見えたが!」
ハマッヅラ「――さぁ、場が温まった所でトーマの出番ヅラ!」
上条「そうかな?俺の目には食蜂さんとお友達が警戒色を浮かべながらこっちを見てるように見えるんだが……」
ハマッヅラ「大丈夫ヅラ!今トーマにハイパージャマーが働いているヅラ!」
上条「あ、その設定生きてたんだ?つーか変身してねぇぞ俺」
ハマッヅラ「正体不明のぬいぐるみと会話してる時点で、周りの人は居ないものとして扱ってくれるヅラよ!」
上条「そうだったよな!つーか確かに見て見ぬフリをしよう的な所あるけどさ!」
ハマッヅラ「心配いらないヅラよ。ハマッヅラがフォローするからトーマは指示に従えば良いだけヅラ!」
上条「指示て……あぁコンパクトで連絡取る、みたいなの?」
ハマッヅラ「けーたいヅラ?トーマは魔法みたいな事をヅラね!」
上条「お前と、お前らの存在全否定だな……あぁイヤホンマイクつけんのな」
ハマッヅラ「さぁ行くヅラ!フェンリルの意志を無駄しないためにも!」
上条「むしろアイツは自滅しに行ったようにしか見えなかったが……」 スッ
上条「――あー、はい、こんにちは」
縦ロール「申し訳ないのですが、お誘いでしたらお断りを――」
食蜂「上条さぁんっ☆」
縦ロール「あ、あら……?お二人はお知り合いでしたのですか、女王?」
上条「まぁ顔見知り程度――うん?」 ギュッ
食蜂「……他の子には言っちゃダ・メ・ダ・ゾっ☆」
上条「いや君、何言って――」
縦ロール「分かりましたわっ!……ってどちらへ?」
食蜂「大事なお話よぉ――と、今日は失礼するわねぇ」
縦ロール「はいっ!お部屋でお待ちしておりますわっ女王!」
上条「――って引っ張――」
――路地裏
食蜂「やだぁ上条さん……路地裏へ連れ込んで、何するつ・も・り?」
食蜂「か弱い私を連れ込んで――まさかっ!?」
上条「食蜂さん前から言おうと思ってたんだけど、会う度にユルくなってるよね?主に頭が?」
上条「ていうか君、俺の知り合いの可愛いけど残念な子とエロくて残念な子と話が合うと思うよ?残念繋がりで」
食蜂「あー、でも助かったわぁ。あの子、良い子なんだけど信仰心が強いっていうかぁ?」
上条「てか話盛るのも勝手だが、程々にしとけ。友達がどうこう以前に、後から後悔すんのはお前だからな?」
食蜂「……はぁーい。上条さんったり、折角二人っきりなのに、イ・ケ・ズ☆」
上条「うん、君これっぽっちも反省してないし、そもそも人の話を聞いてないもんね?」
食蜂「それでぇ?」
上条「うん?」
食蜂「私に何かご御用力だったのかしら?それとも御坂さん関係?」
上条「実は今、プ――」
上条「……」
上条「――なんて、言えるかっ!?イタイにも程があるし!」
食蜂「どぉしたのぉ?」
上条「あーっとな、なんつったらいいのか――」
ハマッヅラ『スケベ、スケベっ!聞こえるヅラか?』
上条「(キュアは付けようか?取り敢えずもうキュアスケベ呼ばわりでもいいけど、ただの悪口に比べれば)」
ハマッヅラ『大体ハマッヅラの考え通りに進んでいるヅラ!流石ワンテンポ溜めた甲斐はあったヅラ』
上条「(あぁうんそうなんだ……それで?俺はこっからどうすればいいの?)」
ハマッヅラ『まず肩を軽く抱くヅラ』
上条「お、おうっ」
食蜂「きゃあっ☆」
ハマッヅラ『次に左手で頭を撫でながら、右手で相手のあごを軽く上へ向けさせるヅラ』
上条「こ、こうか?」
食蜂「……やぁんっ☆」
ハマッヅラ『後はしっぽりと、な?』 ニヤリッ
上条「――ってお前これキスする五秒前じゃねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇヵっ!?」
上条「つーかシモ!?散々引っ張ってきてテメェの目的は下ネタなのっ!?」
ハマッヅラ『や、だから最初に少子高齢化で大変だって言ってるヅラよ?』
上条「嘘吐くなよ!?口から何となく出ただけのクセしやがって!?」
ハマッヅラ『報道規制って騒いでるヤツは、ブラックドラゴンの事件には何を言ってたヅラ?』
上条「マジやめとけ、な?それを書いたら終わりなんだからなっ!」
食蜂「上条さぁん……ま・だ?」
上条「お前も拒否れよ!?つーかさっきから格好が格好だからたゆんたゆんが俺の胸に当たってたゆんたゆんだよっ!?」
ハマッヅラ『――今ヅラ!キュアラッキー!必殺技を使うヅラ!』
上条「……あんの、必殺技?」
ハマッヅラ『あるヅラ、その名も”キュアドリル”――ッ!!!』
上条「待てやコラ?最後の最後で最悪の下ネタ振ってやがった度胸は認めるけどな!」
上条「ドリルってどういう事?股間に的な意味なの?バカなの?」
ハマッヅラ『背後から12歳児へ突きつけた実績もあるヅラ!』
上条「あれは本物な?ていうかお前の言う通りだったら、俺は別の意味で主役降ろされてるよ!絶対にだ!」
ハマッヅラ『さぁ覚悟を決めるヅラ!』
上条「いや、だからな――』
食蜂「……上条さんが、こんな、こんなにっ情熱的だなんて知らなかった☆」
上条「ヤベぇ!?なんかルート確定してエロシーン入る直前のヒロインみてーな事言い出したぞ!?」
食蜂「私も前から――好き、な・ん・だ・ゾ☆」
上条「お前はちったぁ疑えよおおおおおおおおおおおおおおォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォっ!!!?」
――翌日の放課後 空き地
上条「……」
ハマッヅラ「昨日はお楽しみでしたヅラね」
上条「楽しんでねーよ!あの後タイミング良く通りかかったビリビリに見つかってビリビリされたんだからねっ!」
ハマッヅラ「キュアラッキーはそういう能力ヅラね、ラッキースケベは起きるんだけど、最後までは中々行かないヅラ」
ハマッヅラ「まるでティーン向けのラノベのような展開を見せるヅラよ!笑っちゃうヅラ!」
上条「俺の日常DISってんじゃねぇぞコラ」
上条「……つーかお前らなんなの?何がしたいのか分っかんねぇつーかさ」
上条「昨日の……ほら、必殺技とかもあるじゃん?」
ハマッヅラ「ピュアドリルヅラね?」
上条「キュアドリルな?ピュアだと、こう、なんつーかさ!未使用品みたいな響きがするんだからキュアでいいじゃない!」
上条「なんであれが必殺技なんだよ。意味が分からん」
ハマッヅラ「社会的に必殺ヅラ!」
上条「人生の墓場的な意味かっ!?……いや、どちらにしろJCへ手ぇ出したら詰むけどな!」
ハマッヅラ「そんな事よりも今日は新しいプリキュアが登場するヅラ!」
上条「レギュラーの入れ替わり激しいなオイ。実際ほほ全員ゲスト扱いじゃねぇか」
ハマッヅラ「来るヅラ!二代目キュア・スター!」
上条「また学園長呼びやがったのか!?……あん?二代目?」
???「輝く光は☆の光、輝き穢す悪い子は――」
???「――最近薄い本で引っ張りだこ――とうっ!」 シュッ
上条「薄い本……?」
食蜂(キュアスター二代目)「――キュアスター、見・参っ!」 ドヤァッ
上条「出やがったな残念な子その三!?」
食蜂「今日からヨロシクねぇ☆」
ハマッヅラ「皆で仲良くするヅラ!」
上条「ごめん。俺、今日でプリキュアやめるわ」
〜エンディングロール〜
○キャスト
キュアスケベ――上条さん
キュアスター(二代目)――みさきっつぁん
キュアウルフ――殉職
キュアスター(初代)――引退
キュアキャプテン――行方不明
小さいチンピラ――浜面
ハマッヅラ、ハマッヅラ♪
上条「プリッキュアみてーに言うなや。つーか妖精が浜面である必然性も無いしキャラも違ぇし!」
上条「ていうか続かないよ!もう終わるんだからねっ!」
――『ハピレスチャージプリキュア 第一話 ”誕生!キュアスター!?”』 −終−