”第一回学園都市大プレゼン大会!〜第六位を探せ!〜”
――プレゼン会場
青ピ「『――さあぁっ!盛り上がってきたプレゼン企画もとうとう中盤戦っ!』」
青ピ「『ボクらのためのボクらが決めるボク達のための学園生活プレゼン大会!誰も得はせぇへんけども!』」
青ピ「『んだが諦めるなかれっちゅー話や若人よ!なせばなる!押してもダメなら叩き壊しぃよ!』」
青ピ「『行動を起こさんでウジウジしとぉよりも、ま・ず・は!やってみぃや!青春とはブルー・スプリング!』」
スポンサー『面白い、やってみたまえ』
青ピ「……」
スポンサー『何かね?』
青ピ「……や、あのですね。こう、今までの流れ、っつーか控え室でボクが見とぉたヤツと違くない?こんなんでしたっけ?」
青ピ「なんかこう、柵中の制服来とぉたJCに『おいでませ!次のチャレンジャーよ!』みたいにジングル流されて登場するのと違いますのん?」
青ピ「そいでボクが出てきて一発お約束カマしとぉたらカミやんが『なんでだよ!?どうしてだよ!?待て待て待て待て!?』みたいにツッコむんとちゃうかったん……?」
青ピ「扱い雑……うんなんか、アレやんね。ツッコまれたコメントまで用意しとったのに!」
スポンサー『ふむ、君がセーラー服を見ただけでどこの中学か判別できるのはある種の才能だと言えなくもないのだが』
青ピ「いやぁそれほどでも」
スポンサー『”教育に悪い”とね、彼が言ったものだから』
青ピ「なんでですのんっ!?ボクみたいな人畜無害な人ぉ捕まえて”教育に悪い”て!?」
青ピ「今年なんか職質48回受けてるのに逮捕はまだ一回もされてへんし!見ぃやこのボクの潔白ぶりを!」
上条「順調にカウント増えてるじゃねぇか。こないだ確か43回っつってただろ」
上条「てかもうご時世的に捕まえられたって文句言えないからな!不審行動してっと全国の俺らに迷惑かかるんだから弁えて!」
青ピ「カミやん……ッ!!!」
上条「いや違う違う。ここ目ぇキラキラさせて『来てくれたね!』みたいに感動するシーンじゃないから。そんな要素一個もなかったから」
上条「俺はただステージの袖から『い、行きなさいよ!アンタの友達なんでしょ!?』って押されただけなんだからねっ!」
青ピ「よっツンデレっ!」
上条「まぁお前を現役アイドルとか、柵中のちょっと大きすぎる護衛艦いずも型に会わせる訳にもいかないだろ!常識的に考えて!」
青ピ「あの艦船、どう見ても空母にしか――」
上条「違うよ?あれは護衛艦つってんだから、誰が何を言ってもただの護衛艦だよ?」
青ピ「ヘリ空母と何が違うん?」
上条「あー……勇者ってのはだな、勇者になろうと思ってなるもんじゃない!気がついたらなっているものなんだ!」
上条「何故ならば勇者ってのは生き様であり、畏敬であって単純な職業じゃないんだよ……ッ!」
青ピ「それつまり『既成事実作っとけ』って話ですやんか?」
スポンサー『ヘリ空母は通常空母と違って外征と継戦能力に欠ける。災害時に海へ浮かべて臨時の拠点にするのが精々さ』
上条「言っとくけどその”精々”すら出来ない国がほとんどだっつー現実を憶えとけ」
青ピ「災害多い国やからねぇ……人災も含めて――」
青ピ「――って、ちゅー話はどうでもいいんよ!なんで!?なんでボクにあまキャワイ子ちゃん(死語)紹介してくれへんのよ!?」
青ピ「ボクやって分別ぐらいもっとぉよ!ツレのダチ見境なく迫ったりせーへんって!」
上条「AIRSA、こっちが俺の知り合いで――」
青ピ「100年前から愛してましたっ!どうかボクと結婚して下さい……ッ!!!」
上条「……」
青ピ「あれ……ARISAさんいぃへんな……?あれ?」
上条「カマかけただがせめて一秒ぐらいは信用させてくれよ!マッハで前言翻しやがって!」
青ピ「お笑い的には?」
上条「アリ、だな」
青ピ「で、もう一人の黒髪ストレートの子はヴァンパイアで合っとぉ?」
上条「ひとっつも合ってねぇよ!?つーかどっから引っ張って来たそのトンデモ設定!ご本人様は喜びそうだけどなっ!」
青ピ「え!?やっとぉ黒髪ロング=ヴァンパイア、みたいなご時世ですし!ボクなんか間違ってること言いましたかっ!?」
上条「間違ってるっていうかね、えっと合ってねぇんだわ。正解している部分が一個もない」
上条「てゆうか散々ベテラン中一で売りこんで来た挙げ句、『実はあたしヴァンパイアでした☆』つったらどーよ!?」
上条「今までの経過をギャン無視しやがって『実は物語のキーを担ってました☆』ってドヤ顔で殴り込んできたらっ!?」
青ピ「普通に嬉しい」
上条「うん、俺も実はちょっと嬉しい」
スポンサー『いや違うな。司会の少年よ、ツッコミを間違えてしやいないかね?』
上条「そ、そうじゃないんだ!俺が言いたかったのはそういう事じゃーない!」
上条「今まで科学だ魔術だやって来たのに!ここでポッと出のお気楽極楽JCに盤面をひっくり返されそうになるなんていいのかよっ!?」
上条「頑張ってきただろ、俺達!あるヤツは親友のために世界を敵に回したり、別のヤツは好きな相手のために一番側で見守る道を選んだんだ!」
青ピ「それ、実質的には”好きな相手のためになんか頑張る”って一択ちゃいますのん?」
上条「そんな一人一人の思いを積み重ねてやってきたってのに、後から来た大した信念も主義も持たないWorkin○の山田みたいなバカ可愛い子に
青ピ「むしろそれがいい」
上条「うん、俺も実はテーマ的に薄くなって気が楽かも知れない」
スポンサー『だから違うな。雰囲気に呑まれて適当なことは言わない方がいいと思うぞ』
青ピ「てゆうかヒューマンドラマすっ飛ばしぃの、カミやんを男前&甲斐性持ち&ヤレヤレ系万能超人にアップグレードさせたMarkUさんが……」
上条「言わないで!?本屋行ったら『あれ?このお話の主人公って誰だったっけ?』とか疑問に思うんだからな!主に俺が!」
上条「てかうるさいよ!何かアホアホな空気に呑まれて変な方向へ突っ走ってたが、違う!これは俺の本意じゃない!」
青ピ「や、カミやんはマイルドになってきたけど、本来こっちのキャラだと思うわ−」
上条「黙ぁぁぁぁぁまらっしゃぇぇぇえい!ここでボケ倒しても話が進まねぇつってんだよ!」
上条「スポンサーも淡々とツッコんでないでガツンと言って下さいよ!ガツンと!」
スポンサー『黒髪ストレートの日本美人ヴァンパイアも決して嫌いではない、嫌いではないのだが、やはり金髪ロリババアの方がいいと思うのだよ』
スポンサー『日光に弱い=色素が薄い、という属性を最大限生かすためにも、アルビノの造作は捨てがたい』
上条「呑まれてる、ヘンタイの醸し出す雰囲気に呑まれてるよ理事長の理事長っ!」
青ピ「あとアルビノとロリババア一個も関係あらへん……理事長、恐ろしい子っ!」
上条「おいヘンタイ。いいからプレゼンしろ、なっ?いつまで経っても俺帰れねぇから。俺には家で(※メシを)待ってる人がいるんだよ!」
スポンサー『帰れる場所があるのは、とても良いことだよ』
上条「少しでもそう思うんだったら可及的速やかに俺を解放しろ!さぁプレゼンしてさっさと帰るんだ!」
青ピ「おっと一転してウェルカムな姿勢に戸惑いを隠せへんねっ!例えそれが『あー、さっさと仕事カタして帰りてー』の産物やったとしても!」
青ピ「こぉのボクガプレゼンするんは――『誰が第六位?チキチキ当てっこクイズ』や……ッ!!!」
上条・スポンサー「「……」」
青ピ「――や……ッ!!!」
上条「聞こえてる聞こえてる。もっかい?とかそういうんじゃないから」
青ピ「じゃなんで沈黙してたん?新手のイジメかいな、いちびぃこと言わんといてよぉ!」
上条「いや、まぁ……やっとく?一応?なんオチは見えてんだけどさ」
――プレゼン会場
青ピ「『――第一回、チキチキ!誰が第六位?チキチキ当てっこクーーーーーーーイズッ!!!』」
青ピ「『学園都市230万人(※超電磁砲一巻参照)の皆さんまいどっ!底辺学校の星ことボクがお送りしますよこの企画!』」
青ピ「『学園都市で公式に発表されとぉレベル5!そのベールは一部を除き隠されている謎の存在!』」
青ピ「『ある第五位はたゆんたゆんで、ある第三位はマニア向け(´・ω・`)という噂が!』」
上条「おいバカ、暗殺されかねないからそのぐらいに」
青ピ「『んまっ!正体は隠匿されとぉまんが、噂は多く語られてますなぁっ!一説には全員がお稚児さん趣味とか!』」
上条「お前本当にいい加減にしとけ?運営に消されっかんな?」
青ピ「『まぁボクらのトップのトップ、どんな能力なんかな?どんな格好しとるんかな?ってのは興味あって当然や!』」
青ピ「『その中でも桁違いで胡散臭い噂が飛び交っとぉ、それは……第六位、藍花悦さんや……!』」
青ピ「『性別不明、年齢不明、能力不明、ただ対外的に名前だけが広く知られてる謎の能力者!それが藍花さんやで!』」
青ピ「『ある人は颯爽てコンビニ強盗を蹴散らし、またある人は銀行強盗を蹴散らして無双プレイ!』」
上条「この街、強盗ばっかでコワイ」
青ピ「『そして先月の集団昏倒事件に際してもォオォォォ!人知れず収めたんは第六位のお陰っちゅー説があるんや!』」
上条「最後の俺なんですけど、あの、騒ぎの半分ぐらいは解決したような……」
青ピ「『神秘のヴェールに包まれつつも、なんかこう噂だけが先行しぃので外野がヤイヤイ言うてる感じで中々正体表しよらへん!』」
青ピ「『そこでえぇぇぇ!今日は何人か目撃された”藍花悦”さんをスタジオへご招待!この中に御本人がいるか分からへんけど、まぁまぁいるという体で!』」
青ピ「『”藍花悦さんだったらこう言うね!”っちゅーリアクション大会をしぃの、御本人かどうかを当てて貰いましょうかっ!』」
上条「話聞くに自己主張したくねーつっんてだから、放っといてやれよ」
青ピ「『――ちゅーわ・け・で☆藍花悦さんの疑いが関わってる皆さんのご登場ですっ!』」
上条「や、だから俺の話をだな。つーか俺なに?何の役割でここに立たせられてんの?ツッコミ?」
青ピ「『回答者そぉの一ぃぃぃぃぃ!学園都市からお越しの黒いジャケットの少年ンンンンンンンンンンンンンンッ!!!』」
黒ジャケ「僕の名前は黒ジャケットって名前じゃない、藍花悦って名前があるんだからさぁっ!」
上条「いいのか?病んでるぞ、あの子かなり病んでるように見えるぞ?中二病的なアレをだ」
青ピ「『次のエントリーはまたまた学園都市からお越しの加納神華きゅんだーーーーーーーーーっ!』」
上条「全員学園都市出身だよ!むしろ違うんだったら頭痛い自称だよ!」
上条「――ってお前神華”きゅん”って言わなかった?」
加納「あ、どうもです上条さん」
上条「アホ企画お疲れ。てかもう帰りたい」
青ピ「……」
上条「おい、どーした司会」
青ピ「――アリ、やね」
上条「逃げてェェェェェェェェェェェェェェッ!?加納クン逃げてーーーーーーーーーーーーーーーーっ!」
加納「……い、いえ結構外見のことでイジられるんで、慣れてるってゆうか」
上条「ガチなんだよ!アイツは誰の挑戦でも受けて立つんだから近寄っちゃダメだ!」
青ピ「あ、そういえばカミやんも最近ショタ系に――」
上条「絵だけだな!神様同士で連携取ってるらしく画風を向こうへ合わせてるだけだから!」
青ピ「まぁそれはさておき神華きゅんは男の娘とTS、どっちがいいと思うん?」
上条「いたいけな子を冥府魔道へ引っ張ってくなヘンタイめ!お前はそこで乾いていけ!」
加納「ちょっと意味が分からないんだけど、何?」
青ピ「こんな可愛い子が――げふっ!?」 バスッ
上条「『――はい、っていう訳で!最後のエントリーはこち――ら?』」
上条「え、マジで?これでいいのか、本当に?」
加納「トラブルでも?」
上条「って訳じゃねぇんだが……まぁいいや、えっと――『学園都市からいらしたこの方ですっ!』」
加納「そこやっぱり”学園都市から”って必要なんだ……?」
上条「『あるときは不審者!そしてまたあるときはHENTAIの求道者!しかしてその実態は――』」
上条「『藍花悦さん(自称)三人目へエントリーした、青ピ選手のご入場です!』――つーかもうステージにいたけどな!」
青ピ「まいどー!おおきにっ!」
上条「や、お前これって、さぁ?」
青ピ「ミナまで言わんといてぇよカミやん。ボクにだって隠された事情の一つや二つあるさかいに」
青ピ「まぁ?”親友”であるカミやんや土御門に内緒にしとったんは悪いとは思うけど、まぁ事情があったんよ、うん」
青ピ「それはもう聞くも涙、語るも涙、涙涙の物語が――」
上条「――あぁ、やっとカミングアウトすんだな」
青ピ「ありますよって――に、ってあるぇ?カミやん”やっと”?”やっと”ってどういう意味よ!?」
上条「あぁいやだってほら、さぁ?あるじゃん、こうお約束みたいなのがさ?」
上条「お前みたいなチャラチャラしてて一見ただの賑やかしキャラが、『実は実力キャラでした!』みたいなパターンが!」
上条「”BLAU”ってハンドルも、アレだろ?ドイツ語で”青”だから第六位の暗喩なんだろ?分かってたよ、このー!」
青ピ「お、おぉ……!そうやんね!まいったわー、ボクの演技バレとったんかいな!」
上条「だってこれだけ長々と引っ張っといてだぜ?本名もボカして能力も分からなくて、時々思い出したように登場してだ」
上条「『実はただのモブでしたー、特に意味はありませんでしたー』みたいなオチはないじゃんか?流石に、なぁ?」
青ピ「そっ!……う、やんなぁ!はは、あはははっ!」
上条「つーか土御門とも話し合ったんだが、アイツ酷いんだぜ?『いやでもまだタダのモブの可能性はあるから、触れない方がいいんじゃね?』てさ!」
上条「だってそんな訳ないって!俺は信じてた!そう、信じてたんだよ!」
上条「アレだろ?こう、遠回しにインディアンポーカーで藍花に繋がるワード仕込んでおいてだ、次辺り来るんだろ?」
上条「土御門と一緒に逃げる俺を助けるために!友情のためにお前が活躍してくれるって!俺は信じてるからな!」
加納「すいません上条さん、死体蹴りはそのぐらいで」
――プレゼン会場
佐天「『――はい、という訳でですね、今回のプレゼンはなかったことになりましたっ!残念ですねっ!』」
佐天「『ギャグで参加したのに居たたまれなくなって、こう……はい、スポンサーさんが空気を読んで打ち切りになりましたが、まぁ英断だったと思います!』」
上条「あぁ違うんだよ佐天さん。これはだな、かなーり前からファンの間では囁かれていた説であって」
佐天「『あたしには意味は分かりませんけどっ、その人達はタダの暇人なんですから真に受けないで下さいっ!』」
佐天「『つーか現実を見て下さいよ、現実を!上条さんの通ってるような底辺校にレベル5が行く訳ないですってば!』」
上条「そうだよなぁ、俺の行ってるようななー――って君いま暴言吐いたよね?殴られても文句言えないぐらいの?」
上条「言っとくけどなぁ!確かに学力は高くないかもだが、こちとら開校初めて学校説明会にレベル5来たんだぞ!しかも二人も!」
上条「まっ、その後すぐ校舎ぶった切られてウヤムヤになったんですけどねっ!」
佐天「……なんでしょうねぇ、こう、『それ全部原因お前じゃね?』って台詞が浮かんだんですが……」
−続−