”第一回学園都市大プレゼン大会!〜冥府魔道の四次元昆虫コンビ〜”
――プレゼン会場
上条「よっしゃもう大分ハケてきたぜ!残りラス3!」
佐天「実質的には折り返し地点なんですが、つかまだ半分しか来てないんで」
上条「まぁ追加されない限りはこのままだよなっ!いいか、追加するなよ!絶対に追加するんじゃないぞ!」
佐天「完璧なフリですありがとうございました――ってか前回の青い方、あれ良かったんですかねぇ?」
上条「あぁ……『実は第六位でした←知ってた』、『実はパンピーでした←ウッソ散々引っ張って来て何言ってんだ』って地獄の二択がだな」
上条「そしてIFの世界である程度内面ネタバレしてるんで、後者の方が可能性は高いという残念な結果に……!」
佐天「あぁいえあたしが心配しているのはそっちではなくてですね」
上条「どっち?」
佐天「あのキュロットスカートっぽいの穿いてるボクっ子さんへ、執拗にケータイ番号を聞き出そうとしてましたけど?」
上条「えーっと――うんっ、幸せなら俺が口挟むことじゃないよな!愛は性別も次元も越えるし!」
佐天「今『他の女の子の被害が減るなら、加納君をモルグへ送って大人しくさせとけ』みたいな、ゲスい判断が働きませんでしたか?」
上条「おっとそれ以上言うなよ!それ以上言ったら法廷で再会することになるからな!」
佐天「まぁ一応生放送されてるって体でやってるんで、無茶はしないでしょうが……しないかな?しそうな気がするんですが」
上条「うん、なかった。青ピのプレゼンなんてなかったんだよ、だって俺やった憶えないもの」
佐天「上条さん、現実逃避が過ぎます」
上条「てゆうか青ピって誰だよ!なんで14年(体感数ヶ月)付き合ってんのに本名すら分からないだなんて、もう他人じゃんか!」
佐天「もう存在すらなかったことに!?……っていうかボケ担当のあたしがツッコミ役になってる!?」
上条「――はい、っていう訳でサクサク消化試合を続けて行くぜ!」
佐天「消化試合はそんなに張り切るもんではないと思いますが……『では、お次の刺客はこの方々だーーーっ!』」
チャーチャーチャ、チャーチャーチャチャー
上条「いい加減呼び出しジングル統一させようぜ」
垣根「お久しぶりです、こんにちは」
結標「……どうも」
上条「プレゼンターにはあるまじきテンションだが、まぁ今更か」
佐天「――あ、すいません。あたしちょっと忘れ物しちゃったんで、控え室行ってきますねー」 ダッ
上条「本番中なんだが……てかカブトムシじゃないのな。ビークルモードは?」
垣根「人をトランスするフォーマーみたいな言い方はやめて頂けませんか。まぁ憧れはしますけど」
上条「アレも確かケイ素系ナマモノであって、ある意味お前も炭素系生物体系から逸脱してるよね?」
垣根「『未元物質』はそのどちらでもないのですよ、ふっ」
上条「いやキメ顔使いどころ違ぇ。てか誉めてはない――と、あと、そっちのおねーさんは案内してくれた人だよね?」
結標「残念だけど、ちょっと歳が、ね」
上条「ホンッッッッッッッッッッッッットに残念だな!自己主張の強すぎる性格が特に!」
上条「てか珍しい組み合わせだよな、垣根とテレポーターの子って」
垣根「えぇまぁ何と言いますかね」
上条「やっぱカブトムシとコオロギと節足動物コンビ?」
垣根「チョイスに悪意がありませんかね?特に私を虫扱いする所とかに」
上条「あぁいや俺ん中ではこう、カブトムシのイメージが強くてだな。小学生のランドセルにプラプラついてるヤツの」
垣根「紛れもない悪意じゃないですかね、それ」
上条「イメージだから、あくまでもイメージ。『あれ?間接的にその子のねーちゃん殺したのお前じゃね?』とか思ってないから」
垣根「おっと上条さん不用意な発言は控えて貰いましょうか!敵対組織へ温情かけて見逃したのに私が悪いみたいな言い方は!」
上条「もしかして順番が逆で、最初から合法的に幼女のランドセルへ張り付くのが目的だった……ッ!?」
垣根「レベルの高っかいバカですね。カンストするぐらいの」
佐天「――あ、すいません。ただ今戻りましたー」
垣根「あなたからも言ってやって下さいよ!私はけっしてそんな目、的、じゃ……え?」
佐天(金属バット装備)「はい?目的がどうしましたか?」
垣根「いえあの、その金属バットは一体……?」
佐天(金属バッド装備)「でーで、でんででんでで、でんでんでー、でーで、でんででんでで、でんでんでー!」
上条「なんでどっかの球団の応援歌?」
佐天(金属バット装備)「かっ飛ばせー、モ・ア・ノ!モ・ア・ノーッ!」
ベキッ!!!
垣根「あべしっ!?」
佐天「――いよっし!ナイスバッティング!」
上条「ナイスバッティン!――じゃ、ねぇよ!?何キミ垣根の頭吹っ飛ばしてんだァァァァァァッ!?」
上条「生放送で傷害は流石にマズ――」
上条「……」
上条「――まぁ、いっかな」
垣根「良くないですよ、超良くないですから上条さん!?」
垣根「見たでしょう?私の頭をクリーンヒットで会心の一撃を!『SMASH!!!』ってトゥーン文字入りそうなぐらいに強く!」
上条「頭蓋陥没レベルの衝撃でツッコめるんだから大丈夫!なぁ、知ってるか?腕ってなくなっても生えてくるんだぜ!」
垣根「それ私の知ってる人体と違いますね。節足動物だったら脱皮のたびに再生しますけどっ!」
佐天「あ、成程。だから上条さんは――」
上条「って言わせねぇよ!中学生が傷害に余罪プラスさせるようなことは絶対に!」
上条「てかキミなんでかっ飛ばしたの?確かに『キレイな顔を吹っ飛ばしてやるぜ!』って衝動には駆られるが!」
垣根「僻みですよね、それただの」
佐天「――これはですね、あたしの親友、”U”の話です……!」
上条「狙い撃ちじゃねぇか」
佐天「彼女は大した能力を持つでもなく、またアマゾネス力も低めで逆上がりも体調によってはできないような、そんな萌えキャラです!」
上条「だから控え室でモニタ見てるUさんも忖度してやれよ。こっち乗り込んで来て君にラリアット決める前に」
佐天「そんな、そんな彼女でもですよっ!熱意と努力とハッキング能力を買われて風紀委員で活躍しているんですよ!」
上条「佐天さん佐天さん、最後のはいらない。ボヤかしてた方がお互いのためになる」
佐天「今までもですね、『行動力のあるヘンタイは正義感のあるHENTAIへ任せたほうがいいんじゃ?』と聞きました!」
佐天「えぇ何度もねっ!どう考えても中二女子にはオーバーワーク過ぎて24に出るような、スタントマンのいないアクロバットを要求されるような職場に!」
上条「そこだけ聞いていると……まぁ、俺の知ってる範囲でも合ってるはいるな!」
佐天「ですが!あたしの親友は言いました――HENTAIもなってみれば悪くないですよ、ってね!ねっ!?」
上条「議論超違う。あとそれ本当に初春さん言ったの?言ってないでしょ?100%話盛ったよね?」
垣根「……あのー、ただのヘンタイ談義になってるんですが」
佐天「そんな親友なのですが――あるとき、街で小さな女の子を保護しました。仮に”アホ毛ちゃん”と呼びましょう」
上条「仮にしたって名前が酷すぎる」
佐天「年頃は大体10歳前後、下手すればもっと下にも見えたそうです――が、しかし!」
佐天「なんかそんなアホ毛ちゃんを追ってきたヤバい感じにおにーさんが来たので、その子は逃がしてシラをきったそうですよ。ええもうそりゃあたしの自慢の親友ですよ」
佐天「まぁUさんにも打算がありまして、まっさか街のど真ん中で暴力沙汰はないだろうと。その間に応援は呼んでいたそうですけど」
上条「相変わらず判断力が高いぜ……!」
佐天「……ですがヤバイ感じのおにーさんは態度を一変、初春を腕を折って逃げましたと、さ……ッ!」
垣根「……」
上条「え――垣根、お前もしかして!?」
佐天「許せますか上条さん!?この理不尽を!この不条理をあたしに黙って見てろと仰るんですかっ!?」
上条「つってっけども。そこらへんどうですか、垣根さん」
垣根「……えぇ、以前の私と今の私は別人格に等しい――とはいえ、やったのは事実です。逃げも隠れもしません」
垣根「ここで違うと知らぬ存ぜぬで押し通すのであれば、そちらの方が不誠実です……!」
佐天「ってことは、罪を認めるんですか?」
垣根「――えぇ、私がやりました!」
佐天「……わかりました。あたしの方は完全な八つ当たりなので、これ以上何も言いませんけど――」
佐天「――ただ、できるならば一刻も早く心を入れ替え、更正されることを祈っています!」
垣根「……ありがとう」
佐天「って訳で、『10歳児(ぐらいの)子を追い回していたペ×野郎』でしたー!拍手ー!」
上条「違う。それ違うな佐天さん?君今初春さんの敵討ちの話やってたよね?」
上条「何いつの間にか垣根=×ドの話にすり替わってんだよ!?そそういう話じゃなかったよなぁっ!?」
佐天「やー……あの、お言葉ですが上条さん」
上条「はい?」
佐天「あたしの誘拐未遂(三回目)の首謀者も、どうやらそちらの方らしくてですね」
垣根「違います!?あぁいや確かにそうですけど、決して邪な目的じゃなくて!」
上条「歯ぁ食いしばれよ、最強から二番目――」
垣根「上条さんがそげぶ撃つ体勢へ入ってる!?話だけ聞くと何か最低なヤローに思えますが、目的が違――」
垣根「――ってかこれもしかして、誰かの誘導――?」
佐天 ニヤリ
垣根「ほーら!今今今今今っ!その子が――」
上条「――俺の最弱はちっとばっか痛ぇぞ……ッ!!!」
垣根「そげぶっ!?」
パキイィィンッ……サラサラサラサラ
佐天「悪党でも消えるときは綺麗ですね。仇は討ったぞ、初春っ!」
上条「またつまらないものをそげぶしてしまった……」
結標「あの、相方が白いブタ、もとい砂に変えられた私はどうすれば……?」
上条「勢いに任せてやったが後悔はしてない――って今ブタって言ったか?砂とブタは間違えようがないよな?」
佐天「ま!仕切り直しと言うことでカペド虫は忘れて、プレゼンを始めちゃって下さいなっ!」
結標「空気が悪ににも程があるんだけど……じゃ、始めるわね」
結標「『――世界が憎悪の渦に包まれ、強者が弱者から搾取し続ける』」
結標「『羊飼いの長は濁流へ身を投じ、長兄の供物と転じる狂った世界だわ……ッ!』
上条「美人だけど頭が残念なこと言い始めたよ、この子」 チラッ
佐天「おっと待ちましょうか!どうしてここであたしを見たのかと!」
上条「いや別に『この子もあと四年経ったらこうなるんだなー』とかは、いやホント全然全然?」
結標「『分断……激しい溝が!感情論に動かされた排他主義が私たちを覆っているのよ!』」
佐天「あの、上条さんちょっとあたし思ったんですけど」
上条「佐天さん、しー、で君どうせこの場面ではロクな事ぁ言わねぇから」
佐天「”他人を受け入れろ”と”他人を受け入れるな”って、どっちも感情論ですよね?」
上条「だからお口チャックマン(cキングコングの生活保護詐欺してなかった方)で頼む」
結標「『この学園都市だってそう!能力の大小、頭の善し悪しで差別され、学生達の間ですら差ができてしまっているわ!』」
結標「『そんな、壁を作ってしまうような体制を変えたい――私はそう思うの!』」
佐天「珍しく良いこと仰ってますよねぇ。概ね賛成したいと思いますよ」
上条「壁……できてるか?」
佐天「ですかね」
上条「ビリビリと君らの関係見るに実感はないかなぁ」
佐天「いやぁそれは御坂さんの人格っていうか、気さくな性格に依存しているんだと」
佐天「例えば……学園側から貰ってる奨学金でも能力によってかなり差があるって聞きますし」
佐天「それで調子になったり、他人を低く見るのはあるんじゃないですかね」
上条「それも個人の資質の問題じゃねぇかな。あーっとさ」
上条「学力の大小、財産の有無、年齢とか出身地とか、まぁ人によってステータスは違う訳だけど社会は回ってる訳で」
上条「勉強ができるから、能力が高いからってだけで他人を低く見るヤツは、まぁ最初っからそういうヤツだったんだと俺は思う」
上条「俺が知ってるレベル5もビリビリ入れて4人は他人の痛みに共感できるヤツだし、そう捨てたもんじゃねぇよ」
佐天「だったらいいんですけど――てか相変わらず謎の人脈ですね」
結標「『――だから私は、こう提案します――』」
佐天「あ、シメに入りましたよ」
上条「どんな提案するのかドキドキするな」
結標「『――小学生の写真集の発売許可を学園側へ求めます……ッ!!!』」
上条「待てやゴラアアアアアアアアアアアアアアアアアアアっ!?テメなに言ってんだよ!?」
上条「いい話だったのに!途中までちょっと考えさせられる話だったのによ!台無しだよ!」
上条「つーか何か俺らが雑談している間にどんな方向転換決めてくれやがった!?どこをどうすれば格差や愛の話からペ×の話になんだよ!?」
結標「聞き捨てならないわね!あんなエロカブトムシと一緒しないでほしいわ!」
佐天「いやエロて」
結標「ここら辺には白くなる=×ドって呪いでもかかってるのかって不安だけど!」
上条「おい、一方通行に飛び火させてんじゃない。あとアレは……うんっ、愛であって、邪なもんじゃないと思うんだよ!」
佐天「擁護しようとしたのに、最後の方は自信がなくなってきてインデックスさんみたいになった上条さんでした」
佐天「あとカブトムシさんも、白くなる前から必要にJCJSを狙ってた手前、事実だけを見れば……はい、まぁまぁ!」
結標「私だってそうよ!この愛は疚しいものなんじゃないの!胸を張って主張できる!」
上条「具体的には?」
結標「全ての小学生男子には半ズボンとランドセルの着用を義務化!寮内には24時間モニタして可視化を図るの!」
上条「何そのヘンタイの所業」
結標「疚しいところなんてないわっ!えぇ何一つとしてね!」
上条「違うよね?それ自分の性癖に関してオープンにしているだけで、疚しいところだらけだよね?」
結標「べ、別に疚しくなんてないんだからっ!」
上条「ウルセェよ!超ウルセぇな!何ツンデレっぽく言ったってこの最低の空気からリカバリできないんだよ!」
佐天「えっと……世間様的にもヤヴァイのでこのまま帰って頂きたいぐらいですが、まぁはい」
佐天「あの、虫詰めさんが仰った『小学生の写真集の発売許可』は、一体どんな主旨で?」
結標「結標ね、虫詰めじゃなくて」
上条「ビッシリとコオロギ入ってそう」
結標「話を聞いたなかったようだから、もう一度言うけど――まず、世界は分断の危機に晒されているわよねっ!?」
佐天「あー、別にそれ言ったら冷戦時代や大航海時代も――」
上条「空気読んで黙っておこう?どうせまたすぐツッコむお仕事が待ってるから」
結標「なので傷つき疲れた私たちにはショタの癒やしが必要なの!?わかるかしらっ!?」
上条「ごめんなさいわからないです。あと、帰れ」
佐天「てか電波ソングで有名なみ〜○さんの歌でそんなんあったような……」
上条「なんでそんなストレートなんだよ!どうせだったら、こう、もっとそれっぽく理屈作ってくれよ!1ミリも賛同できる範囲がない!」
佐天「そうですよ!上条さんは幼女に背後からドリル突きつけたんですから、もっとフォロー範囲を広くすべきだと思います!」
上条「待とうか?今ちょっと”まとう”って入れて”間桐”って変換されて一瞬パニクったけども、まぁ人の話を聞けよ、なっ?」
結標「だからしたじゃない!私たちの対極と言っていいペ×根と手を組んでプレゼンを!」
上条「対極じゃねぇよ。お前らの進んでるベクトルは負だよ」
佐天「あの、垣根さんのお名前が違うってツッコミは……?」
上条「もういいよ面倒臭ぇ!本質的には一緒だろうしな!」
結標「――ふ、こうなったらこっちにも考えがあるわ!来なさいっ!」
垣根(カブトムシ)『イーッ!』
上条「ビートルモードの垣根が!?クソッ!まだ他にも居やがったのか!」
佐天「もう人類ってカウントしない方かいいじゃないでしょうかね。てかムリ」
上条「垣根!お前もそれでいいのか?お前はそんなことするヤツじゃなかったはずだろ!?」
垣根『……いいえ、上条さん。私は思ったんですよ、そして気づいてしまったんだ!』
垣根『カブトムシにも愛を!私たちの人権を守ってほしい!』
上条「ねぇよ。どんな先進的()な意識高い系()でも無脊椎動物に人権認めた国は、ない」
佐天「分裂したり、殺して死なない時点で、もう生物と言っていいのかナー」
結標「なら私たちを止められるものなら止めてみなさい、私たちには覚悟がある――見なさい……ッ!」
上条「こ、これは……ッ!?」
上条「……」
上条「あぁいや別におかしくないだろ。ジャケットめくって白いサラシ着てるだけだろ
上条「まぁオカシイっちゃオカシイけどな!学園都市の中だと『ちょっと奇抜だな』ぐらいの認識でしかないよ!」
佐天「『と言いつつガン見している上条さんに引き気味ですなう』、っと」
上条「おい呟くな。そういうIT的な所はよくない、良くないと思うよ!」
上条「別に俺は『あぁなんか全体的な線は細いけど、外側から締め付けないことにより成長を妨げる存在がないから伸び伸びと育ってまぁ』とは思ってない!」
佐天「語るに落ちてるじゃないですか。こう、下水道までずぼっと」
結標「――まだ、真の恐怖はこれからよ!第二位!」 シュルッ
垣根『合・体!』 パシッ
上条「おぉ――お?」
佐天「いや合体してないですよ。サラシを少し解いてカブトムシに結んだだけじゃないですか」
結標「甘い、考えが甘いわね――こうよっ!」
垣根 シュッ
佐天「んー……?垣根虫さんが一瞬ブレた……?」
上条「これは……な、なんて恐ろしいんだ……ッ!」
佐天「上条さん?」
上条「見ろ!アレを!さっきまで締まっていたサラシが、今は弛んでいるんだ!」
佐天「あ、ホントだ。でもそれが」
上条「今垣根が、高速移動してサラシを少し解いたんだよ……っ!」
佐天「いやですから、それが?」
上条「……まだ気づかないのか!?この恐怖のコンビを!?」
佐天「いやぁコンビっつーかコントって言いますか」
上条「あいつらはな、その気になればいつでも上を解けるんだ……ッ!」
佐天「まぁ、そうです、ねぇ……それで?」
上条「だから!あの虫コンビは自分達の要求を通らなかったら放送事故を起こすって言ってるんだよ!?」
佐天「学園都市で放送事故起こしたら子々孫々高画像データが語り継が――」
結標「――ふ、フゥゥゥゥハハハハハハハハハハハハハハハハッ!甘いわね、お嬢ちゃん!」
結標「そう、確かに私は笑いものにされるかもしれない!汚っさん達の間でいかがわしく使われるかもしれない!」
結標「でも、それは!私にも覚悟がある!それは――」
上条「ま、まさかっ!?」
結標「――そう、この放送を見ているのは大人だけじゃない――ショタだって多いのよ!」
佐天「オイ犯罪者」
結標「そんないたいけな子供達に、華を持たせてあげたい――そんな純粋な考えなのよ」
佐天「要は『子供達に良い意味でのトラウマを与えたい』ってだけですよね?恥女的な意味で」
佐天「てかカメラ切ればいいじゃないですか。こうやってる間にも、ピって」
上条「――くっ!恐ろしい相手だぜ結標!俺が対峙したどんな相手よりも、能力や魔術に頼っていない!」
佐天「あのー、上条さん?アレですよね?何か流れに乗ってるのって、間近でラッキースケベしたいからって訳じゃないですよね?あたし信じていいんですよね?」
結標「さぁ、どうするの学園都市!?私たちの覚悟を越えられるか、し、ら――」
上条「どうした虫詰め、さ、ん……?」
御坂「……」
佐天「あぁナイスタイミングです御坂さん。メール送っといて良かったー」
上条「いや違うんですよビリビリさん、これはですね所謂一つのボケであってノリツッコミ待ちっていうかでして」
上条「俺も好きでボケていた訳じゃなくてましてやエロ目的とかサラシの下はどうなってんだろうなー?とかそういうことじゃない!そんな邪なことは!」
上条「学園都市の閉塞的な管理体制を打破するためにも!ここで誰かが汚れ役を引き受ける必要がですね」
御坂「――さっきから聞いてれば」
上条「……はい?」
佐天「あ、チャンスですよ上条さん!次の選択肢次第では御坂さんを鎮めるチャンスです!」
上条「いや喚んだ君に言われたくないが」
御坂「むね、ムネ、胸胸胸胸胸胸胸胸胸胸胸胸っ!胸の話ばっかり!何よ、何なのよっ!?」
御坂「そんなに胸が大事かっあぁんっ!?」
上条「うん」
御坂「Shi・ne☆」
上条・結標・虫「「「あばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばっ!?」」」
――プツッ
※放送設備点検のため暫くお待ち下さい
※なおプレゼンターリタイヤにつき今回のプレゼンは中止となります
――医務室
御坂「あぁいやゴメン、なんかこれはアレであって世間話の一環であってこれといって大した話題でないんだけど」
御坂「っていうかまぁまぁあたしも流石に電撃流したのは良くないかなって思わなくもないし気まずいのもある訳で」
御坂「だからこれはあくまでも掴みであって特に社会人同士がお天気みたいな差し障りのない話題から入るのと一緒なんだけど」
御坂「えっと、そのね――」
御坂「――サラシまいた方が成長を妨げないって、マジ?」
結標「帰れ」
−続−
上条「よっしゃもう大分ハケてきたぜ!残りラス3!」
佐天「実質的には折り返し地点なんですが、つかまだ半分しか来てないんで」
上条「まぁ追加されない限りはこのままだよなっ!いいか、追加するなよ!絶対に追加するんじゃないぞ!」
佐天「完璧なフリですありがとうございました――ってか前回の青い方、あれ良かったんですかねぇ?」
上条「あぁ……『実は第六位でした←知ってた』、『実はパンピーでした←ウッソ散々引っ張って来て何言ってんだ』って地獄の二択がだな」
上条「そしてIFの世界である程度内面ネタバレしてるんで、後者の方が可能性は高いという残念な結果に……!」
佐天「あぁいえあたしが心配しているのはそっちではなくてですね」
上条「どっち?」
佐天「あのキュロットスカートっぽいの穿いてるボクっ子さんへ、執拗にケータイ番号を聞き出そうとしてましたけど?」
上条「えーっと――うんっ、幸せなら俺が口挟むことじゃないよな!愛は性別も次元も越えるし!」
佐天「今『他の女の子の被害が減るなら、加納君をモルグへ送って大人しくさせとけ』みたいな、ゲスい判断が働きませんでしたか?」
上条「おっとそれ以上言うなよ!それ以上言ったら法廷で再会することになるからな!」
佐天「まぁ一応生放送されてるって体でやってるんで、無茶はしないでしょうが……しないかな?しそうな気がするんですが」
上条「うん、なかった。青ピのプレゼンなんてなかったんだよ、だって俺やった憶えないもの」
佐天「上条さん、現実逃避が過ぎます」
上条「てゆうか青ピって誰だよ!なんで14年(体感数ヶ月)付き合ってんのに本名すら分からないだなんて、もう他人じゃんか!」
佐天「もう存在すらなかったことに!?……っていうかボケ担当のあたしがツッコミ役になってる!?」
上条「――はい、っていう訳でサクサク消化試合を続けて行くぜ!」
佐天「消化試合はそんなに張り切るもんではないと思いますが……『では、お次の刺客はこの方々だーーーっ!』」
チャーチャーチャ、チャーチャーチャチャー
上条「いい加減呼び出しジングル統一させようぜ」
垣根「お久しぶりです、こんにちは」
結標「……どうも」
上条「プレゼンターにはあるまじきテンションだが、まぁ今更か」
佐天「――あ、すいません。あたしちょっと忘れ物しちゃったんで、控え室行ってきますねー」 ダッ
上条「本番中なんだが……てかカブトムシじゃないのな。ビークルモードは?」
垣根「人をトランスするフォーマーみたいな言い方はやめて頂けませんか。まぁ憧れはしますけど」
上条「アレも確かケイ素系ナマモノであって、ある意味お前も炭素系生物体系から逸脱してるよね?」
垣根「『未元物質』はそのどちらでもないのですよ、ふっ」
上条「いやキメ顔使いどころ違ぇ。てか誉めてはない――と、あと、そっちのおねーさんは案内してくれた人だよね?」
結標「残念だけど、ちょっと歳が、ね」
上条「ホンッッッッッッッッッッッッットに残念だな!自己主張の強すぎる性格が特に!」
上条「てか珍しい組み合わせだよな、垣根とテレポーターの子って」
垣根「えぇまぁ何と言いますかね」
上条「やっぱカブトムシとコオロギと節足動物コンビ?」
垣根「チョイスに悪意がありませんかね?特に私を虫扱いする所とかに」
上条「あぁいや俺ん中ではこう、カブトムシのイメージが強くてだな。小学生のランドセルにプラプラついてるヤツの」
垣根「紛れもない悪意じゃないですかね、それ」
上条「イメージだから、あくまでもイメージ。『あれ?間接的にその子のねーちゃん殺したのお前じゃね?』とか思ってないから」
垣根「おっと上条さん不用意な発言は控えて貰いましょうか!敵対組織へ温情かけて見逃したのに私が悪いみたいな言い方は!」
上条「もしかして順番が逆で、最初から合法的に幼女のランドセルへ張り付くのが目的だった……ッ!?」
垣根「レベルの高っかいバカですね。カンストするぐらいの」
佐天「――あ、すいません。ただ今戻りましたー」
垣根「あなたからも言ってやって下さいよ!私はけっしてそんな目、的、じゃ……え?」
佐天(金属バット装備)「はい?目的がどうしましたか?」
垣根「いえあの、その金属バットは一体……?」
佐天(金属バッド装備)「でーで、でんででんでで、でんでんでー、でーで、でんででんでで、でんでんでー!」
上条「なんでどっかの球団の応援歌?」
佐天(金属バット装備)「かっ飛ばせー、モ・ア・ノ!モ・ア・ノーッ!」
ベキッ!!!
垣根「あべしっ!?」
佐天「――いよっし!ナイスバッティング!」
上条「ナイスバッティン!――じゃ、ねぇよ!?何キミ垣根の頭吹っ飛ばしてんだァァァァァァッ!?」
上条「生放送で傷害は流石にマズ――」
上条「……」
上条「――まぁ、いっかな」
垣根「良くないですよ、超良くないですから上条さん!?」
垣根「見たでしょう?私の頭をクリーンヒットで会心の一撃を!『SMASH!!!』ってトゥーン文字入りそうなぐらいに強く!」
上条「頭蓋陥没レベルの衝撃でツッコめるんだから大丈夫!なぁ、知ってるか?腕ってなくなっても生えてくるんだぜ!」
垣根「それ私の知ってる人体と違いますね。節足動物だったら脱皮のたびに再生しますけどっ!」
佐天「あ、成程。だから上条さんは――」
上条「って言わせねぇよ!中学生が傷害に余罪プラスさせるようなことは絶対に!」
上条「てかキミなんでかっ飛ばしたの?確かに『キレイな顔を吹っ飛ばしてやるぜ!』って衝動には駆られるが!」
垣根「僻みですよね、それただの」
佐天「――これはですね、あたしの親友、”U”の話です……!」
上条「狙い撃ちじゃねぇか」
佐天「彼女は大した能力を持つでもなく、またアマゾネス力も低めで逆上がりも体調によってはできないような、そんな萌えキャラです!」
上条「だから控え室でモニタ見てるUさんも忖度してやれよ。こっち乗り込んで来て君にラリアット決める前に」
佐天「そんな、そんな彼女でもですよっ!熱意と努力とハッキング能力を買われて風紀委員で活躍しているんですよ!」
上条「佐天さん佐天さん、最後のはいらない。ボヤかしてた方がお互いのためになる」
佐天「今までもですね、『行動力のあるヘンタイは正義感のあるHENTAIへ任せたほうがいいんじゃ?』と聞きました!」
佐天「えぇ何度もねっ!どう考えても中二女子にはオーバーワーク過ぎて24に出るような、スタントマンのいないアクロバットを要求されるような職場に!」
上条「そこだけ聞いていると……まぁ、俺の知ってる範囲でも合ってるはいるな!」
佐天「ですが!あたしの親友は言いました――HENTAIもなってみれば悪くないですよ、ってね!ねっ!?」
上条「議論超違う。あとそれ本当に初春さん言ったの?言ってないでしょ?100%話盛ったよね?」
垣根「……あのー、ただのヘンタイ談義になってるんですが」
佐天「そんな親友なのですが――あるとき、街で小さな女の子を保護しました。仮に”アホ毛ちゃん”と呼びましょう」
上条「仮にしたって名前が酷すぎる」
佐天「年頃は大体10歳前後、下手すればもっと下にも見えたそうです――が、しかし!」
佐天「なんかそんなアホ毛ちゃんを追ってきたヤバい感じにおにーさんが来たので、その子は逃がしてシラをきったそうですよ。ええもうそりゃあたしの自慢の親友ですよ」
佐天「まぁUさんにも打算がありまして、まっさか街のど真ん中で暴力沙汰はないだろうと。その間に応援は呼んでいたそうですけど」
上条「相変わらず判断力が高いぜ……!」
佐天「……ですがヤバイ感じのおにーさんは態度を一変、初春を腕を折って逃げましたと、さ……ッ!」
垣根「……」
上条「え――垣根、お前もしかして!?」
佐天「許せますか上条さん!?この理不尽を!この不条理をあたしに黙って見てろと仰るんですかっ!?」
上条「つってっけども。そこらへんどうですか、垣根さん」
垣根「……えぇ、以前の私と今の私は別人格に等しい――とはいえ、やったのは事実です。逃げも隠れもしません」
垣根「ここで違うと知らぬ存ぜぬで押し通すのであれば、そちらの方が不誠実です……!」
佐天「ってことは、罪を認めるんですか?」
垣根「――えぇ、私がやりました!」
佐天「……わかりました。あたしの方は完全な八つ当たりなので、これ以上何も言いませんけど――」
佐天「――ただ、できるならば一刻も早く心を入れ替え、更正されることを祈っています!」
垣根「……ありがとう」
佐天「って訳で、『10歳児(ぐらいの)子を追い回していたペ×野郎』でしたー!拍手ー!」
上条「違う。それ違うな佐天さん?君今初春さんの敵討ちの話やってたよね?」
上条「何いつの間にか垣根=×ドの話にすり替わってんだよ!?そそういう話じゃなかったよなぁっ!?」
佐天「やー……あの、お言葉ですが上条さん」
上条「はい?」
佐天「あたしの誘拐未遂(三回目)の首謀者も、どうやらそちらの方らしくてですね」
垣根「違います!?あぁいや確かにそうですけど、決して邪な目的じゃなくて!」
上条「歯ぁ食いしばれよ、最強から二番目――」
垣根「上条さんがそげぶ撃つ体勢へ入ってる!?話だけ聞くと何か最低なヤローに思えますが、目的が違――」
垣根「――ってかこれもしかして、誰かの誘導――?」
佐天 ニヤリ
垣根「ほーら!今今今今今っ!その子が――」
上条「――俺の最弱はちっとばっか痛ぇぞ……ッ!!!」
垣根「そげぶっ!?」
パキイィィンッ……サラサラサラサラ
佐天「悪党でも消えるときは綺麗ですね。仇は討ったぞ、初春っ!」
上条「またつまらないものをそげぶしてしまった……」
結標「あの、相方が白いブタ、もとい砂に変えられた私はどうすれば……?」
上条「勢いに任せてやったが後悔はしてない――って今ブタって言ったか?砂とブタは間違えようがないよな?」
佐天「ま!仕切り直しと言うことでカペド虫は忘れて、プレゼンを始めちゃって下さいなっ!」
結標「空気が悪ににも程があるんだけど……じゃ、始めるわね」
結標「『――世界が憎悪の渦に包まれ、強者が弱者から搾取し続ける』」
結標「『羊飼いの長は濁流へ身を投じ、長兄の供物と転じる狂った世界だわ……ッ!』
上条「美人だけど頭が残念なこと言い始めたよ、この子」 チラッ
佐天「おっと待ちましょうか!どうしてここであたしを見たのかと!」
上条「いや別に『この子もあと四年経ったらこうなるんだなー』とかは、いやホント全然全然?」
結標「『分断……激しい溝が!感情論に動かされた排他主義が私たちを覆っているのよ!』」
佐天「あの、上条さんちょっとあたし思ったんですけど」
上条「佐天さん、しー、で君どうせこの場面ではロクな事ぁ言わねぇから」
佐天「”他人を受け入れろ”と”他人を受け入れるな”って、どっちも感情論ですよね?」
上条「だからお口チャックマン(cキングコングの生活保護詐欺してなかった方)で頼む」
結標「『この学園都市だってそう!能力の大小、頭の善し悪しで差別され、学生達の間ですら差ができてしまっているわ!』」
結標「『そんな、壁を作ってしまうような体制を変えたい――私はそう思うの!』」
佐天「珍しく良いこと仰ってますよねぇ。概ね賛成したいと思いますよ」
上条「壁……できてるか?」
佐天「ですかね」
上条「ビリビリと君らの関係見るに実感はないかなぁ」
佐天「いやぁそれは御坂さんの人格っていうか、気さくな性格に依存しているんだと」
佐天「例えば……学園側から貰ってる奨学金でも能力によってかなり差があるって聞きますし」
佐天「それで調子になったり、他人を低く見るのはあるんじゃないですかね」
上条「それも個人の資質の問題じゃねぇかな。あーっとさ」
上条「学力の大小、財産の有無、年齢とか出身地とか、まぁ人によってステータスは違う訳だけど社会は回ってる訳で」
上条「勉強ができるから、能力が高いからってだけで他人を低く見るヤツは、まぁ最初っからそういうヤツだったんだと俺は思う」
上条「俺が知ってるレベル5もビリビリ入れて4人は他人の痛みに共感できるヤツだし、そう捨てたもんじゃねぇよ」
佐天「だったらいいんですけど――てか相変わらず謎の人脈ですね」
結標「『――だから私は、こう提案します――』」
佐天「あ、シメに入りましたよ」
上条「どんな提案するのかドキドキするな」
結標「『――小学生の写真集の発売許可を学園側へ求めます……ッ!!!』」
上条「待てやゴラアアアアアアアアアアアアアアアアアアアっ!?テメなに言ってんだよ!?」
上条「いい話だったのに!途中までちょっと考えさせられる話だったのによ!台無しだよ!」
上条「つーか何か俺らが雑談している間にどんな方向転換決めてくれやがった!?どこをどうすれば格差や愛の話からペ×の話になんだよ!?」
結標「聞き捨てならないわね!あんなエロカブトムシと一緒しないでほしいわ!」
佐天「いやエロて」
結標「ここら辺には白くなる=×ドって呪いでもかかってるのかって不安だけど!」
上条「おい、一方通行に飛び火させてんじゃない。あとアレは……うんっ、愛であって、邪なもんじゃないと思うんだよ!」
佐天「擁護しようとしたのに、最後の方は自信がなくなってきてインデックスさんみたいになった上条さんでした」
佐天「あとカブトムシさんも、白くなる前から必要にJCJSを狙ってた手前、事実だけを見れば……はい、まぁまぁ!」
結標「私だってそうよ!この愛は疚しいものなんじゃないの!胸を張って主張できる!」
上条「具体的には?」
結標「全ての小学生男子には半ズボンとランドセルの着用を義務化!寮内には24時間モニタして可視化を図るの!」
上条「何そのヘンタイの所業」
結標「疚しいところなんてないわっ!えぇ何一つとしてね!」
上条「違うよね?それ自分の性癖に関してオープンにしているだけで、疚しいところだらけだよね?」
結標「べ、別に疚しくなんてないんだからっ!」
上条「ウルセェよ!超ウルセぇな!何ツンデレっぽく言ったってこの最低の空気からリカバリできないんだよ!」
佐天「えっと……世間様的にもヤヴァイのでこのまま帰って頂きたいぐらいですが、まぁはい」
佐天「あの、虫詰めさんが仰った『小学生の写真集の発売許可』は、一体どんな主旨で?」
結標「結標ね、虫詰めじゃなくて」
上条「ビッシリとコオロギ入ってそう」
結標「話を聞いたなかったようだから、もう一度言うけど――まず、世界は分断の危機に晒されているわよねっ!?」
佐天「あー、別にそれ言ったら冷戦時代や大航海時代も――」
上条「空気読んで黙っておこう?どうせまたすぐツッコむお仕事が待ってるから」
結標「なので傷つき疲れた私たちにはショタの癒やしが必要なの!?わかるかしらっ!?」
上条「ごめんなさいわからないです。あと、帰れ」
佐天「てか電波ソングで有名なみ〜○さんの歌でそんなんあったような……」
上条「なんでそんなストレートなんだよ!どうせだったら、こう、もっとそれっぽく理屈作ってくれよ!1ミリも賛同できる範囲がない!」
佐天「そうですよ!上条さんは幼女に背後からドリル突きつけたんですから、もっとフォロー範囲を広くすべきだと思います!」
上条「待とうか?今ちょっと”まとう”って入れて”間桐”って変換されて一瞬パニクったけども、まぁ人の話を聞けよ、なっ?」
結標「だからしたじゃない!私たちの対極と言っていいペ×根と手を組んでプレゼンを!」
上条「対極じゃねぇよ。お前らの進んでるベクトルは負だよ」
佐天「あの、垣根さんのお名前が違うってツッコミは……?」
上条「もういいよ面倒臭ぇ!本質的には一緒だろうしな!」
結標「――ふ、こうなったらこっちにも考えがあるわ!来なさいっ!」
垣根(カブトムシ)『イーッ!』
上条「ビートルモードの垣根が!?クソッ!まだ他にも居やがったのか!」
佐天「もう人類ってカウントしない方かいいじゃないでしょうかね。てかムリ」
上条「垣根!お前もそれでいいのか?お前はそんなことするヤツじゃなかったはずだろ!?」
垣根『……いいえ、上条さん。私は思ったんですよ、そして気づいてしまったんだ!』
垣根『カブトムシにも愛を!私たちの人権を守ってほしい!』
上条「ねぇよ。どんな先進的()な意識高い系()でも無脊椎動物に人権認めた国は、ない」
佐天「分裂したり、殺して死なない時点で、もう生物と言っていいのかナー」
結標「なら私たちを止められるものなら止めてみなさい、私たちには覚悟がある――見なさい……ッ!」
上条「こ、これは……ッ!?」
上条「……」
上条「あぁいや別におかしくないだろ。ジャケットめくって白いサラシ着てるだけだろ
上条「まぁオカシイっちゃオカシイけどな!学園都市の中だと『ちょっと奇抜だな』ぐらいの認識でしかないよ!」
佐天「『と言いつつガン見している上条さんに引き気味ですなう』、っと」
上条「おい呟くな。そういうIT的な所はよくない、良くないと思うよ!」
上条「別に俺は『あぁなんか全体的な線は細いけど、外側から締め付けないことにより成長を妨げる存在がないから伸び伸びと育ってまぁ』とは思ってない!」
佐天「語るに落ちてるじゃないですか。こう、下水道までずぼっと」
結標「――まだ、真の恐怖はこれからよ!第二位!」 シュルッ
垣根『合・体!』 パシッ
上条「おぉ――お?」
佐天「いや合体してないですよ。サラシを少し解いてカブトムシに結んだだけじゃないですか」
結標「甘い、考えが甘いわね――こうよっ!」
垣根 シュッ
佐天「んー……?垣根虫さんが一瞬ブレた……?」
上条「これは……な、なんて恐ろしいんだ……ッ!」
佐天「上条さん?」
上条「見ろ!アレを!さっきまで締まっていたサラシが、今は弛んでいるんだ!」
佐天「あ、ホントだ。でもそれが」
上条「今垣根が、高速移動してサラシを少し解いたんだよ……っ!」
佐天「いやですから、それが?」
上条「……まだ気づかないのか!?この恐怖のコンビを!?」
佐天「いやぁコンビっつーかコントって言いますか」
上条「あいつらはな、その気になればいつでも上を解けるんだ……ッ!」
佐天「まぁ、そうです、ねぇ……それで?」
上条「だから!あの虫コンビは自分達の要求を通らなかったら放送事故を起こすって言ってるんだよ!?」
佐天「学園都市で放送事故起こしたら子々孫々高画像データが語り継が――」
結標「――ふ、フゥゥゥゥハハハハハハハハハハハハハハハハッ!甘いわね、お嬢ちゃん!」
結標「そう、確かに私は笑いものにされるかもしれない!汚っさん達の間でいかがわしく使われるかもしれない!」
結標「でも、それは!私にも覚悟がある!それは――」
上条「ま、まさかっ!?」
結標「――そう、この放送を見ているのは大人だけじゃない――ショタだって多いのよ!」
佐天「オイ犯罪者」
結標「そんないたいけな子供達に、華を持たせてあげたい――そんな純粋な考えなのよ」
佐天「要は『子供達に良い意味でのトラウマを与えたい』ってだけですよね?恥女的な意味で」
佐天「てかカメラ切ればいいじゃないですか。こうやってる間にも、ピって」
上条「――くっ!恐ろしい相手だぜ結標!俺が対峙したどんな相手よりも、能力や魔術に頼っていない!」
佐天「あのー、上条さん?アレですよね?何か流れに乗ってるのって、間近でラッキースケベしたいからって訳じゃないですよね?あたし信じていいんですよね?」
結標「さぁ、どうするの学園都市!?私たちの覚悟を越えられるか、し、ら――」
上条「どうした虫詰め、さ、ん……?」
御坂「……」
佐天「あぁナイスタイミングです御坂さん。メール送っといて良かったー」
上条「いや違うんですよビリビリさん、これはですね所謂一つのボケであってノリツッコミ待ちっていうかでして」
上条「俺も好きでボケていた訳じゃなくてましてやエロ目的とかサラシの下はどうなってんだろうなー?とかそういうことじゃない!そんな邪なことは!」
上条「学園都市の閉塞的な管理体制を打破するためにも!ここで誰かが汚れ役を引き受ける必要がですね」
御坂「――さっきから聞いてれば」
上条「……はい?」
佐天「あ、チャンスですよ上条さん!次の選択肢次第では御坂さんを鎮めるチャンスです!」
上条「いや喚んだ君に言われたくないが」
御坂「むね、ムネ、胸胸胸胸胸胸胸胸胸胸胸胸っ!胸の話ばっかり!何よ、何なのよっ!?」
御坂「そんなに胸が大事かっあぁんっ!?」
上条「うん」
御坂「Shi・ne☆」
上条・結標・虫「「「あばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばっ!?」」」
――プツッ
※放送設備点検のため暫くお待ち下さい
※なおプレゼンターリタイヤにつき今回のプレゼンは中止となります
――医務室
御坂「あぁいやゴメン、なんかこれはアレであって世間話の一環であってこれといって大した話題でないんだけど」
御坂「っていうかまぁまぁあたしも流石に電撃流したのは良くないかなって思わなくもないし気まずいのもある訳で」
御坂「だからこれはあくまでも掴みであって特に社会人同士がお天気みたいな差し障りのない話題から入るのと一緒なんだけど」
御坂「えっと、そのね――」
御坂「――サラシまいた方が成長を妨げないって、マジ?」
結標「帰れ」
−続−