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Clock(trial)

”第一回学園都市大プレゼン大会!〜ゲコラー再び〜”


――学園都市 プレゼン会場

佐天「『――あぁいっ!って訳で学園生活をよくするためのプレゼン大会!略してSOS団はもうちょっと続きますよーーーっ!』」

御坂「略してない。略すんだったら”GYP”だから一文字たりとも合ってないわね!」

佐天「『いえこれは某涼宮ハル○さん十周年を記念しましてね!深い意味はありませんが何かっ!?』」

御坂「逆ギレされる意味が分からないわ!あと十周年だっつーのにパチンコ化とガチャされた以外に動きがない!」

佐天「『てかですね、その10年中最新巻が出たのが2011年であって計算上半分は休眠中の作品であり』」

佐天「てかもう涼宮ハルヒちゃんの憂○がメインで小説オマケでいいんじゃね?ぐらいに、我々SOS団(ハル○ファン)は割り切っているのですが――』」

御坂「『――ハイって訳で会場も盛り上がって来た訳たわねっ!有頂天だわっ!』」

佐天「誤魔化しきれないところがイイ感じで素敵ですよっ御坂さん!」

御坂「……つーかゴメン、ちょっと気になってたんだけどなんであたしにここにいるの?プレゼン終って控え室にいた筈なんだけど」

御坂「スタッフの人が『すいません御坂さん!ちょっと人手が足りなくってついてきて下さい!お願いします!』って、なんだろってついてきたらステージて!」

御坂「段取り悪いな!もう一人いたじゃない!なんか、こう……幸薄い薄い言っておきながらフラグ立てまくりそうな顔した人が!」

佐天「知り合いなのに未だに気軽に苗字すら呼べない御坂さんのツンデレぶりに驚愕ですが……いえ、これはですね、ちょっとしたハプニングが」

御坂「……何?深刻なの?」

佐天「今ちょっと楽屋に籠城中なんですよ。あ、ツッコミ担当の方がですけど」

御坂「どういう流れで!?一体どんなイジり方をすればそこまで追い詰められるの!?」

佐天「ええっとですね、こちらに犯行声明――もとい、書き置きか残されておりまして。こほん」

佐天「『ツッコミに疲れました。探さないで下さい』」

御坂「分かる。あたしももうこの段階で疲れてる」

佐天「『三巻目にしてフラグを立たてボル○君は死ねばいいと思う。なんか俺は同じ班の子とフラグ立ちそうで怖いです』」

御坂「佐天さんちょっと盛り過ぎじゃないかな?メモ用紙に一行しか書かれてないし、そんな長文見当たらないんだけど」

佐天「『ちなみにサラ○ちゃんとヨ○ちゃん(パーカーの子)の薄い胸が大好きです』」

御坂「だからじゃないかな、うん。そうやって属性盛りすぎだし、そもそもこのご時世的に厳しいし!大人になりなさいよ!」

佐天「と、いうことなんで楽屋に残っていた御坂さんへ再登板を願ったわけですが!」

御坂「いえ帰ろうかなっていうか、もう関わり合いになりたくないっていうかね。初春さんも居るわけだしさ!」

佐天「あぁいえそれがですね、次の方御坂さんのお知り合いらしくってですね。丁度いいかなーと」

御坂「……そっくりさんじゃなくて?」

佐天「えぇその、御坂さんの知り合いの引き出しの少なさにビックリですが、四の五の言わずに見た方がいいと思います――『それでは!ごとーじょー!』」

ファーファーファファファー

御坂「こんなBGM流れなかった!あたしの時には!」

縦ロール「えっと……ごきげんよう、ですか?」

佐天「マジお嬢様来ちゃった!?パチモンと違って!」

御坂「あれあれ佐天さーん?パチモンってどういうことかにゃー?まるで偽物のお嬢様がいるみたいに言うのねー?」

佐天「じゃあ聞きますが、お嬢様は自販機キックするんですかっ?」

御坂「あぁ違う違う。それ多分あたしのコスプレしてる人じゃない?」

佐天「あっさり身内売りましたね――が、その反応が違うんですよ!ホンモノのお嬢様なら、こうっ!」

縦ロール「じは、んき……?炊飯器の新しい種類でしょうか?」

佐天「ねっ!?」

御坂「いや、この反応もおかしいわ。炊飯器知ってんのになんで自販機知らないのよ」

縦ロール「それはやはり、将来わたくしがメイドになるための修行をですね」

御坂「ごめんね?そのカミングアウトいらないから。ここでされても絶賛籠城中のあいつしか喜ばないと思う」

縦ロール「そ、そんなことはありませんわよっ!だってもう女王には了承済みですもの!」

御坂「……あのアマが?いやまさかそんな」

縦ロール「本当ですのよ!話をしたら『い、いつかそんな未来が来たらいいかもしれないわねぇ』って!」

御坂「引いてる、それ絶対引いてるわよ!もう、2メートルぐらい!」

佐天「てか常盤台スゲー……!こんな百合が咲き誇る学び舎なら、まぁそりゃ一般公開できませんよねっ!」

御坂「意味が多分違う!そんなキワモノを隔離するような主旨じゃない――と、思うわっ!」

佐天「あぁいえこれは学術的に証明されたことでありまして、メスばかりの集団の中ではオスに変態するヘンタイがいるって初春が言ってました!」

御坂「初春さん!?今の言葉がどんな文脈で使われたか後でじっくり聞くからね!憶えておいて!」

佐天「有名なところではニ○ですね。ネズミのアニメで一躍有名になった」

御坂「おいやめて誰彼構わずケンカ売らないで!」

佐天「最新作では原作ぶっち無視()であちらこちらにぶっ込んでる()らしくて、子供用()は違いますなぁ」

御坂「ちょっと何言ってるのか本気で分からないけど!それ以上はあたしが能力使ってでも言わせないわよ!えぇ面倒臭いからっ!」

佐天「まぁ本邦でも『とりかへばや物語(平安後期)』から成立していたように、やはりHENTAIの国だった、と!」

御坂「とじゃなくてね、えっと」

佐天「えっとじゃないですよ御坂さん!そして本当のお嬢様の反応は、こうっ!」

縦ロール「無名草子の藤原俊成女――てんかさまの書かれたご本にも見られますわよね」

佐天「ねっ!?」

御坂「……うん、多分分かってないと思うから説明するけど、とりかえばえ物語は1180年代に成立したって推測が立てられていて」

御坂「その証拠に藤原俊成女(地元では”てんかさま”と呼ばれる)が作者とされる本の中に、同物語の文芸評論書としての記述があって」

佐天「マジですかっ!?1192作る前にTS本出してたんですかっ!?」

御坂「TS言うな!あたしらの国の歌の偉人達に謝って!」

縦ロール「ちなみに評論書とはされていますが、小旅をする老尼が若い女房との対話形式ですので、当時の風俗も分かる名作ですの」

佐天「ねっ!?」

御坂「……話が噛み合ってないような、いるような……?」

縦ロール「女王のことですもの、きっと深いお考えがあるに決まっていますわ」

御坂「まぁ……うん、いいけど。で?プレゼンって何?」

縦ロール「そうですの!御坂さん、今さっきのプレゼンはよくありませんわよっ!」

御坂「あーゲコ太の学園都市イメージマスコット計画よね」

佐天「いやあれ、そんな生易しいもんじゃなかったですよ?軒先貸して母屋に放火する勢いでしたもん」

縦ロール「ゲコラーの一員として!わたくし達は艱難辛苦を乗り越えてゲコ太を布教させる使命があるのです!」

佐天「無茶苦茶言い出しましたねこの縦ロール」

御坂「……確かに!」

佐天「御坂さん?SAN値減りすぎてませんか?気をしっかり持って下さい!」

佐天「――って上条さんは!?ボイコットしている上条さんのツッコミ成分が足りない!」

縦ロール「学園都市のよからぬ噂はわたくしも耳にいたします――そう、例えば”外”ではお金を払わずにお菓子を食べる方もいるとか!」

縦ロール「正当な対価を支払わずに!そんな殿方がいるって話も聞きますわ!」

佐天「(……あの、この方そーとーズレてません?)」

御坂「(刺激が、ね。うん。強すぎるから、こう)」

スポンサー『(ちなみにツッコミ役が席を外しているのもその関係だよ)』

佐天「(え゛っ!?ラキスケ以外は人畜無害なのに?)」

御坂「(免疫が、っていうか何年も父親以外男を見たことない、って子がチラホラとね)」

佐天「(さっきの『女性比がありすぎてヘンタイが変態してヘンタイになる』って初春の仮説、あながち間違ってないですかねぇ)」

御坂「(人の住処をヘンタイの巣窟みたいに言わないで!例えそれがそんなに的外れじゃなくっても!)」

縦ロール「聞いてらっしゃいますか御坂さん?」

御坂「あ、はい。すいません聞いてます、よ?」

縦ロール「学園都市――人が集まる大都市で、そうはもう悪いことをする方も引き寄せてしまうのは仕方のないことです。それはどこの国でも都市でも同じです」

縦ロール「統括理事の方の中にですから、学生達よりもご自分の利益を優先に考える……そういう噂話もあります!わたくしだって存じております!」

佐天「(超浅い陰謀論を唱えだしてましたけど)」

御坂「(あー、なんだろうなーこれ。学園都市の暗部、ここで全部ぶちまけてやろうかしらー)」

スポンサー『(ごめんなさい。それはだけは勘弁して下さい)』

縦ロール「……そんな神をも畏れぬアレコレな不祥事!ゲコ太がイメージキャラクターであったのならば傷がつくに決まっています!」

縦ロール「ですが!ゲコ太のことをよく考えて下さいませ……!」

佐天「あの、すいません。お話長くなるようでしたら楽屋帰って相方引っ張ってきたいんですけど、ダメ?初春だけでも?」

御坂「しっ!佐天さん、今いいところだから!」

佐天「あースタッフさん。さっきの白モヤシ危機一髪持ってきて貰えませんか?できれば短剣と一緒に」

佐天「アレ刺せば一々ツッコミしなくてもセルフでやってくれると――」

縦ロール「『どんな逆境も、キミと一緒なら怖くないよ……!』」

御坂「げ、ゲコ太のゲコゲコ日和・無印第36話のBパートの台詞……っ!?」

佐天「怖いです。本格的に怖いですし、そもそもユル系アニメで一体どうやったらその台詞が出るんですか!?」

スポンサー『しかも無印だから最低二期は出ているということ、かな?』

佐天「超キメ顔でそんなこと仰られても」

縦ロール「ですので!地道に、そして堅実に!ゲコ太を普及させていくのがわたくし達の使命だと思いますわ!」

御坂「なんていう説得力……!」

佐天「いやあの……まぁいいですけど、具体的にどうするんですか?校章全部ゲコ太ファミリーへ変えます?」

縦ロール「素晴らしい案ですわ!……ですが、世の中には少数派でしょうけどゲコ太がお嫌いな方もいらっしゃるのに、そのような無体な真似はできませんわ」

縦ロール「そもそも、お恥ずかしながらゲコ太は低年齢層アニメですので」

佐天「ほー、結構冷静に見ていますねぇ」

縦ロール「なので!ここは一つ風紀委員の皆様方にゲコ太になってもらいます!」

佐天「……はい?なる?」

縦ロール「学園の治安を維持されているのは、学生ボランティアで集った高貴な方々でしょう?わたくしも直接存じてはいないのですけど」

佐天「え、えぇまぁ合ってるは合ってます、ね。体張ってますもんね、皆さん」

縦ロール「えぇですが、やはりここは学生主体の街であり、羽目を外しがちになる若人からすれば、煙たがられることもあるのではないでしょうか?」

佐天「あー、はい。あたしも風紀委員の友達いるんで、そういう愚痴聞きますねぇ。頑張ってる割には邪魔者扱いされるって」

縦ロール「えぇ!ですからここはやはり、風紀委員の方にゲコ太になって頂きまして」

佐天「おっと待ちましょう。『ですから』でいきなり話がジャンプしたなー?んんー?」

縦ロール「そうですわねぇ、『○ーポ君』はご存じでしょうか?」

佐天「変な所にピー入ってますよ!てか別に悪い使い方じゃなかったら伏せなくてもいいですし!」

縦ロール「警察のマスコットでお馴染みですし、今や一定の認知度を誇りマスコットとしては大成されています」

佐天「可愛いかはともかく、人気があるかもさておき、まぁ有名ですよね」

縦ロール「風紀委員の方は一般の学生からはやや疎まれ、反対にゲコ太は万人から好かれるものの実行力はない――」

縦ロール「――この両者が手を組めば!お互いの弱点をフォローできる無敵な関係になれますのよ……ッ!」

佐天「なってないなってない。ゲコ太で払拭できるようなレベルだったら、最初から問題ないってことですから」

御坂「まさに――二人はプリキュ○……ッ!!!」

佐天「『あ、ごめん初春?この放送見てるんだったら、至急こっち来るか上条さん引っ張って来て?なんかもうツッコミが追い付かないから!』」

縦ロール「風紀委員の方々に24時間ゲコ太スーツ(着ぐるみ)を着用させれば!見た目にラヴリー、でも正義の味方!素敵ですわっ!」

佐天「いえあの、アイディア自体は悪くないんですけど。少なくとも視覚的には優しくなりますし」

佐天「その、その蛙スーツを着させられる人の身にもなってほしいって言いましょうか。見世物的な意味で」

佐天「ただでさえ人手足りなくてヒーヒー言ってるんですから、それ以上追い込まないでほしいんですが……」

御坂「……ねぇ佐天さん」

佐天「いやーな予感しかしませんが、なんでしょうか?」

御坂「一人ぐらいレベル5が治安活動やったほうが、学園のイメージ的にはいいわよね?」

佐天「待って下さい!言ってる事ぁ一々ご尤もなんですが!それだけは、それだけは勘弁してあげてつかーさい!」

佐天「今初春からメールがあって『これ以上業務を増やさないでください。死にます』って言ってんですよ!」

御坂「何言ってるのよ。あたしが風紀委員へ入れば、大きな事件だってバンバン解決しちゃうんだから!」

佐天「むしろ凶悪犯罪っていうか学園都市を揺るがすような大事件が頻発しそうで怖いんですってば!フラグ的な意味で!」

佐天「てか御坂さん!あしたら結構遊びに行ってますけど、その悉くでフラグ踏み抜いて事件巻き込まれてるって自覚ありますかっ!?ねぇっ!?」

縦ロール「えぇと、その心配はないかと思いますわ」

佐天「その心は?」

縦ロール「だって御坂さんもゲコ太スーツ着用すれば、正体が誰かも分かりませんもの!」

御坂「いい案だわ……っ!」

スポンサー『面白い、採用』

佐天「あー……はい、っていう訳でね。はい、良かったですね、採用ですって」

佐天「頑張れ風紀委員!この学園の未来は君達の肩に掛かってるし、あと基本着ぐるみ着たままだから恥ずかしくないぞ!多分な!」

佐天「あと上条さんは多分モニタでこの惨状を見てると思うんで、一刻も早く戻って来て下さい!あたし一人じゃ止められません!」



――路地裏

チンピラ「オォイ!金だせよぉ!テメ持ってだろぉ、なぁっ!?」

女の子「い、いやです!持っていません!あっちいって下さい!」

チンピラ「わかってんだぜ!お前そこのコンビニで降ろしてたってことはな!」

女の子「え?!見てたんですかウザっ!キモっ!」

チンピラ「……」

女の子「……あのぅ?」

チンピラ「べ、別に何ともないしぃ!女の子からウザキモ言われて落ち込んでるんじゃないんだからなっ!」

女の子「なんでツンデレ風?」

チンピラ「バっ、これは、ほらアレだよ!ただちょっとコンビニで立ち読みしてたら目に入っただけだしぃ!全然意識なんかしてないんだからねっ!」

女の子「あのすいません。カツアゲ以前に別の危機感を覚えるんで、この話はこのくらいでお願いします」

チンピラ「ならはお金プリーズ!サッサと僕に下さい!」

女の子「だ、ダメですっ!このお金はママから送って貰った大切な仕送りなんですから!」

女の子「あなたのような人にあげるわけにはいきませんっ!」

チンピラ「……へぇ」

女の子「な、なんなんですかっ!?怒りましたか、怒ったんですか!?」

チンピラ「どうしてそれを先に言わなかったんだよ!?」

女の子「えっ?」

チンピラ「そんな大事な仕送りだったら、もっと明るい内に降ろせよ!バイトの帰りとかは狙われっから良くないって!」

チンピラ「あー、んじゃどっか駅の近くか大きな通りまで送ってくから。ホラ急いで」

女の子「違いますね。あたしの持ってる台本とスッゲー違げぇんですけども」

女の子「なんで強盗が説教くれて補導した人みたいになってんですか!?」

チンピラ「なんかこう、いつものクセでつい……」

女の子「台本読み返しましょう、ねっ?そんな展開じゃ話進まみませんから」

チンピラ「い、いやでもこの台本さぁ?そもそもからして悪意が透けて見えるんだよ!」

女の子「いいですから!さぁ早く続きを!スタンバってる人もいるんですからね!」

チンピラ「まぁ、やるけどさぁ――うっへっへっへー!幻想を、その幻想をクッコロしてやろうか!」

チンピラ「――ってゴメン。これやっぱ俺へのヘイトだよね?もろこれ俺ネタにしてんじゃんか!」

女の子「キャーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!誰か、誰か助けてーーーーーーーーーーーーーっ!?」

女の子「BORUT○で準レギュラーが決まったけどポジション的に薄い本には出て来られない人がーーーーーーーーーーーーっ!」

チンピラ「おいそれやめろっつってんでしょ!中の人の悪口はやめなさいよ!イジるんだったら俺だけにしときなさいって!」

???「――そこまでよッ!!!」

チンピラ「だ、誰だー」(※棒読み)

女の子「ここへ来て照れが入りましたが、これはテンションで乗り切ったもん勝ちだと思います」

チャーチャララッチャララチャー、タタタタタタタ……

???「悪を憎んで人を憎まず!正義の名の下に参上する僕らの味方!」

???「学園都市に救う悪の手先は許さない、その名も――とうっ!」

ピコッ

ゲコ太(着ぐるみ)「風紀委員ゲコ太、参――上っ!!!」

チンピラ・女の子「……」

チャーチャララッチャララチャー、タタタタタタタ……

???「気高い心は黄色い光!全てを癒やす輝く力!」

???「ゲコ太愛する力があれば、どなたでもなれます頑張りましょう――てやっ!」

ピコッ

ケロヨン(着ぐるみ)「風紀委員ケロヨン、参上、ですわっ!」

チンピラ「いや、あのさ」

女の子「しっ!待って下さい!まだ後続が!」

チャーチャララッチャララチャー、タタタタタタタ……

???「ゲコ太らぶらぶ、みらぶらぶ」

???「合わせてらぶらぶ。らぶらぶらぶらぶら――だあ、とミサカはヒーローのように飛び降ります」

ピコッ

ピョン吉(着ぐるみ)「風紀委員のぴょん吉参上しましたよ、とミサカは名乗りを上げます」

チンピラ「おい、今の口上の最後で噛んで”ぶら”っつってたぞ」

女の子「ツッコミどころがそこ――あぁいや、もう一人」

チャーチャララッチャララチャー、タタタタタタタ……

???「よく分かりませんか、こうなったら乗りかかった船」

???「お姉様のいるところにわたくしあり、むしろお姉様がわたくしですの――でいっ!」

ピコッ

ピョン子(着ぐるみ)「風紀委員ですの!あ、ピョン子?の!」 ピコッ

チンピラ「最後の子アレだよね?ゲコ太に興味無いのに着ちゃってるよね?モデルケースとしてはあんまりじゃないかな?」

女の子「白井さんですしねぇ。てか初春が……あ、いませんね。はい」

チンピラ「そりゃいねーだろーよ!俺だって辞めるもの、こんなブラックなボランティア!」

ゲコ太「さぁ、かかって来なさい女の敵!学園都市の平和はあたし達が守るのよ!」 ピコッ

チンピラ「台本になかったよね?”女の敵”とは書かれてなかったよね?なんでお前アドリブ入れちゃったの?」

女の子「助けて下さい!この人が『ママから貰って大事にしなさいって言われた大切なものをよこせグヘヘヘ!』って!」

チンピラ「間違ってないけど言い方!」

ゲコ太「あ、それじゃ囲んで、いっせーので攻撃するわね」 ピコッ

チンピラ「そしてまたヒーローにあるまじき戦い方!確かに俺相手には効果的だけどもよ!」

ケロヨン「ごめなんさいゲコ太さん。わたくしの能力は実戦向けではありませんので……」 ピコッ

チンピラ「じゃあなんで来たの!?それ現場に出ちゃいけない人だよね!?」

ゲコ太「くっ!もう一人リタイアさせるだなんて、卑怯よ!」 ピコッ

チンピラ「なぁお前の中での卑怯って単語は理不尽って意味になってんの?」

ゲコ太「ならピョン吉!コンビネーションいくわよ!」 ピコッ

ピョン吉「すいませんお姉様、ミサカinピョン吉はお姉様を裏切って敵対することにします、とミサカは愛のために生きます」 ピコッ

チンピラ「人選間違ってるよ!もしくは前もって主旨教え込んどけや!」

ゲコ太「ならピョン子!後ろへ回り込んで……黒子?」 ピコッ

ピョン子「あの、お姉様……大変申し上げにくいのですが」 ピコッ

ピョン子「わたくしの能力の性質上、このような着ぐるみを着たままだと事故が起きる可能性がですね」 ピコッ

チンピラ「うん、なんとなくそんな気がしてた」

女の子「えぇ確か白井さんの設定で、エロ下着ばっかつけてるのはヒラヒラしないで集中させる、みたいなのがあったような」

ゲコ太「アンタってヒトは――ッ!!!」 ピコッ

チンピラ「冤罪だよ。あとそれシ○君は言う権利があるが、お前には、ない」

ゲコ太「みんな!危険だから退いてて!あたしの得意技をお見舞いするわ!」 ピコッ

女の子「よっ!待ってました超電磁砲!」

チンピラ「おい待て!?流石に狭い路地裏でぶっ放したら危な――」

ゲコ太「問答無用!さぁっ!」 ピコッ

スカッ……チャリーン

ゲコ太・チンピラ・女の子「……」

ゲコ太「も、問答無用!」 ピコッ

スカッ……チャリーン、スカッ……チャリーン、スカッ……チャリーン

チンピラ「おいそのぐらいにしとけ。路上のギター弾きに指でコイン弾いてチップ渡すような、感じ悪いオッサンみたいになってんぞ!」

ゲコ太「……クッ!ゲコ太の指が短くてコインを弾けないじゃない……!」 ピコッ

チンピラ「……なぁ、俺の知り合いって頭いいけどアホなやつばっかなんだけど、どうしたらいいと思う?」

女の子「ま、まぁバカの子ほど可愛いっていいますし、ねぇ?」

ゲコ太「す、好きにすればいいじゃない!あたしの負けよ!」 ピコッ

チンピラ「ゲコ太相手に薄い本するほど俺はチャレンジャーじゃない――」

チンピラ「――ってかさっきからピコピコピコピコうっさいわ!?なんだこのSE!?ゲコ太が動くたびにピコピコうっせーんだよ!」

ケロリン「えっと、これはですね。ゲコ太の移動音が公式に決まっていまして」 ピコッ

チンピラ「忠実に再現する必要はねぇだろ。隠密行動皆無じゃんか」

ケロリン「……」 ピコッ

チンピラ「あ、ごめん。強く言い過ぎた?」

ケロリン「あぁいえそんなことは!ただその、ですね」 ピコッ

チンピラ「はぁ」

ケロリン「わたくし、父親以外の殿方とお話しする機会がなくてですね」 ピコッ

女の子「よっ!このフラグメイカー!」

チンピラ「もうお家帰して!?これ以上俺ここにいたら喉が裂けるまでツッコミ続けちゃうから!」

ゲコ太「だ、だめよっ!ケロヨンはピョン子に片思いしてるって設定があるんだから!」 ピコッ

チンピラ「もういい加減ゲコ太の版権持ってる会社は怒った方がいいと思うぞ。うん」



――プレゼン会場

佐天「――ってな感じに」

御坂「相手が悪かっただけで、まぁ大筋は悪くないわよねっ!あたし的にはねっ!」

佐天「いえそんなごり押しされましても――っと、カンペ?運営の方から指示が入って……」

御坂「楽屋に立て籠もってるあのバカに動きでもあったの?」

佐天「あぁいやそうではなくスポンサーの方がですね。以下のように仰っています」

佐天「『風紀委員の活動範囲は”校内だけ”であり、学校外での取り締まりは禁止されています』」
(※超電磁砲一巻・白井さんのデータより)

佐天「『基本的に現行犯は取り押さえることができますが、それは日本の法の範囲内であり全員始末書を書くことになります』……と」

御坂「そんな設定あったの!?学内限定でしか取り締まれなかったって!?」

佐天「まぁよくよく考えれば”風紀委員”ですし、学校の活動の一環としてであれば仕方がないんじゃないかなーと」

御坂「……むしろ学内で取り締まりやってたっけ?」

佐天「――はい、って言うわけでゲコ太in風紀委員プロジェクトプレゼンは以上となりまーす!ありがとうございましたー!はくしゅー!」

縦ロール「こちらこそ、素敵な時間をありがとうございました」

御坂「いやぁ……うんまぁ着ぐるみは着れたし、使わないからくれるっていうから嬉しいけどさ」

佐天「あぁそういえば聞きそびれていましたが、結局のところ今の方とのご関係はお友達なんですよね?」

御坂「そ、そうねっ!ゲコラー友達よ!」

佐天「以前インタビューした中に居ましたっけ――で、お名前は?」

御坂「えっ?」

佐天「いやいや名前。前は”縦ロール”だったでしょう?流石にそれはちょっと」

御坂「えっと………………た、縦ドリル?」

佐天「それもう完全にイジメですよね?」


−続く−

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