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Clock(trial)

”第一回学園都市大プレゼン大会!〜みんなで盛り上げよう学園生活〜!”


――学園都市XX学区 特設会場

ザワザワ

上条「あーっと……」 キョロキョロ

上条(今日もまた朝一で土御門に連れ出され、タクシーに連れ込まれ謎の学園施設へとやって来たんだが)

上条(会場ついた瞬間に土御門は「じゃっ!あとはヨロシク!」つって姿をくらますわ、相変わらず訳が分からん)

上条(てかここ、何するところだろ?デッカイホールに、見た感じ俺の他にも数百人ぐらいの人が)

上条(学校の体育館を超巨大にしたような……えっと、某コミケのイベントブース――分かりづらいわ!行った人の方が少ないわ!)

上条(……まぁとにかく、人イッパイ、ザワザワしてる、顔見知りは居ない、の三点セットでお届けしています)

上条(てか他の客、かは分からないけど、年齢層は俺よりも上世代から中堅リーマンまで幅広い。男女比は半々か)

上条(服はスーツやカジュアルなのが殆どで、かといって俺みたいな学生服も珍しくはない。てか何やんだろ?発表会――ハッ、まさか!?)

上条(某シリーズの新作スピンオフ発表会!?俺の出番がまた減っていくぜ!まぁ慣れたけどな!)

上条(……なんつー話はないだろうし、てか原作がねー……うん)

上条(ビリビリに一方通行にアイマ○化……次はアレか。魔法少女、は、やってたな。何か四コマで)

上条(次は、あーうん、パワードスーツ着るかフィギュアが戦ったりすんのかなー。俺もちょっとは覚悟しておこう)

女性「――失礼致します。上条当麻様でいらっしゃいますか?」

上条「違います。人違いです」

女性「そうですか。失礼しました」

上条「……」

上条「……よし!帰ろう!」

女性「……あの、やはり上条様じゃ……?」

上条「あぁいや違うんですよ。俺はですね、未来からやってきた人型ロボットがトラックではねられ転生したチート無双ですから」

女性「いいから来いっつってんだよ、な?」

上条「……あい」

女性「――はぁ、欲を言えば5歳、せめてあと3歳若ければよかったのに……」

上条「まだ若いわ!高校生に向かって何言ってんだ!」

女性「どうしてこの世界のショタは歳を取るのかしら……?」

上条「永遠がある世界の方が厄介だろうが。つーかゆうかご時世的に危険だから自制しろよ!全国の俺ら!」

女性「取り敢えず、こちらへ。あ、ピンマイクつけますからジッとしてて下さい」

上条「ホスト側!?俺まだなんも聞かせられてないんですけど!」

バチッ

上条「あ、照明落ちてステージにライトが――」



――ステージ上

司会「『――レッッッッッッディィィィィィィィィィィィィーーーーーーーーーーース、エンッジェントルメンッ!!!』」

司会「『ご来場の淑女諸君と紳士の皆さんコンニチワっ!ようこそいらっしゃいましたいやマジで!あ、帰らないでもうちょっと待って!』」

司会「『人生……そう、誰しもが人生で主役である――それは間違いありません。誰だって生まれながらにして主役なのです!』」

司会「『幼心に憧れた冒険談、物語の中へ入り心を躍らせた昔々。そう、私達は思ったのです――あぁいつか、こんな冒険をしたいのだな、と!』」

司会「『ですが!いざ実際に成長して学校行って社会へ出てみれば!いつしか昔の夢はくすんでいき代わり映えのしない日々に押し潰されそうになる今日この頃!』」

司会「『ラピュ○を見て筆を取った人間がいつしかエロゲ×を書いていたり!よくありますよねっ!あるあるっ!』」

司会「『だ、けれどもだっ!立てよ国民!目の前にやって来たのは人生変える一発逆転チケットォォォォォォォォォォッ!!!』」

司会「『プレゼンやって気に入れられたハイ採用!どんな突飛なアイディアでも我ら学園都市のヒト・モノ・カネで実現します!』」

司会「『題して!””第一回学園都市大プレゼン大会!〜みんなで盛り上げよう学園生活〜!””ですねっ!』」

司会「『ではここでスポンサーの方からのお言葉です!傾聴せよ諸君!』」

スポンサー『フッ、精々頑張ってくれたまえ若人よ。この私を納得せしめた暁には望みのものを与えよう』

司会「『――はーい、なんかこう中二ですねっ!理事長さんの中の理事長さんらしいんでエラい人ですよ!なんかこう浮いてますしねっ物理的にも!』」

佐天(司会)「『なお司会は”棚中のバイアランカスタ○・長距離航行用ブースター付き”でお馴染み佐天涙子の進行、そして――』」

佐天「『”俺の中二が捻って捗る!魔術師(押し)倒せと轟き叫ぶ!”でご存じの上条当麻さんのツッコミでお送り致しまーーーすっ!!!』」

上条「長い。君の紹介にも長い長いフレーズついてたけど、人を勝手にレベルアップさせてんじゃねぇよ」

上条「あとキミ今倒すの前に小声で”押し”ってつけたよね?それやっちゃうと意味合いが全般的に変わるよね?ラッキーなスケベの話になるよな?」

上条「てゆうか統括理事長の扱い悪っ!?ラスボスなんだからもっとこう、うんっ!空気読めよ!何ネタ企画に顔出してんだよ!?」

佐天「――はい、という訳でツッコミ役の上条さんのツッコミが入ったところで主旨説明をしたいと思いますが!」

上条「話聞いてないもの。最初から俺の意志は無視だもの」

佐天「えぇまぁ運営側からの要請でしたし、断るのは断ってもいいと思いますけどね」

上条「え、マジで?だったら今からでも降りようかなー」

佐天「ただこの先、ツッコミ役不在になってボケがただ流しになってる惨状が許容できるのであれば、まぁそれもいいんじゃないですねー。耐えられるかなー?」

上条「なんて斬新な脅し方!?でもちょっと見てみたいなボケしか居なくて進行がグダグダになった企画ってのも!」

佐天「かーらーの?」

上条「いやないから。そういう空気じゃなかったよね?今俺が『じゃあ仕方がないからやろうっかな』みたいな展開なのに、どうしてここからのひっくり返すと思ってんの?」

佐天「あー、アレですね。某To LOV○るがついに完結しましたよっ!おめでとうっ!」

上条「聞いて?ねぇお願いだから俺の話を聞くか進行をまともにやってくるかどっかに集中して?」

佐天「あぁいえ今のは無茶振りじゃなくてですね、リ○さんと創世合○していた褐色ロリの方いましたよね?ネメシ○さんの方」

上条「うん知って――っているらしいな!俺は読んでないから分かんないけどね!そんなエッチなマンガは読んでないから!」

佐天「『完璧超人軍の威光は――俺が護るっ!』」

上条「違う違う、それネメ○ス違い。どう見てもキン肉マ○フェニックスの2Pカラーにしか見えなかったけど、それ別人」

佐天「で、まぁ矢吹先生の方のネ○シスさんは最終巻で自立した肉体を作れるまでに回復したんですよ、えぇ」

上条「ある意味ご褒美状態から突き落とされたとも言えるが……それが何?」

佐天「えぇですから、○メシスさん曰く、『一番の理解者』だそうで」

上条「おおっとそれ以上は止めて貰おうか!魂すり潰してフラグ立てた相手とラブコメの主人公さんと一緒にするのはな!」

佐天「どっちもハーレム系主人公ですし『世界を滅ぼすレベル相手にフラグ立てる』のは、かーなりいい勝負じゃないかと思うんですけど」

上条「――ハイって訳でね!さくさく企画を進めたいと思うんですが!ですがっ!!!」

佐天「今日も良い感じに力業で素敵です。という感じで今回の主旨説明をしたいと思います」

上条「主旨っつてもプレゼン?学園側に?」

佐天「えぇはい。何かですね、ここ最近色々あったじゃないですか?」

上条「最近……あーっと?

佐天「第三次世界大戦が始まった瞬間に終ったり、なんか東京湾で怪物が目撃されたり、学園都市がスッゲー暑かったり?」

上条「……ありましたねー、そういえば」

佐天「そのどれにもですね、『運営が係わってる!』という噂が一人歩きしてますし、どうにも全体的なイメージダウンらしいんですよ」

上条「そうなんですか、スポンサーさん?」

スポンサー『問題など、何も。私のプランは今もこうして着実に進行しているところだよ。懸念などありはしない』

上条「つってるけど」

佐天「かーらーの?」

上条「いやいやしないしない。”かーらーのー”に乗ったりはしないよ」

スポンサー『ウソごめん。メッチャ親御さんからクレーム来てる……!「お宅へ預けといて大丈夫なんですか!?」って!』

スポンサー『そして願書受付しても去年より減ってるし!私の部下はただのバカか勉強のできるバカしかいない!』

上条「打たれ弱ぇよ!絶望したくなる気持ちは分からないでもないが!」

上条「つーかそりゃ言うわ。ピリビリのかーちゃんだけじゃなくて、まともな神経持った親なら心配するもの」

佐天「あたし的には『類友』という言葉をプレゼントしたいと思います」

スポンサー『――ま、そういう訳で諸君らのプレゼンには期待をしている。精々良いアイディアを出してこの私を救ってみたまえ!』

上条「ここまで上から目線の『助けて!学園都市のHPはもうゼロよ!』は初めて聞いたな。そして最後だろうが」

佐天「では張り切ってやってもらいましょうっ!エントリー1番はこの方だっ!」

初春「あ、どーも」

上条「身内だろ。初手から完全にお馴染みのメンバー来てるな!特に新鮮味もない!」

初春「折角参加したのに酷い言われようでしたっ!?」

上条「まぁ最初は常識人枠と言うことで、軽いジャブから入るみたいな?」

佐天「あたしの親友を様子見扱いするのどうかと――『では!初春さんのプレゼンをどーぞ張り切ってやっちゃって下さいな!』」

初春「あ、はい――マイク入ってます?いい?――『こほん、えぇと私がプレゼンする企画は能力(のうりき)チェッカーです』」

上条「脳力?」

佐天「昔のゲームであったらしいですねぇ」

初春「”能”違いです。頭脳の力ではなくて私達が使う能力の”能”」

初春「まず、ですね。スクリーンに画像出ます?……あぁ、これこれ」 パッ

佐天「これは……どっかのサイトのトップページですね。事務的な感じの」

初春「こちらが学園都市の入学願書受付用の特設サイトです」

上条「企業の新入社員募集っぽいな」

初春「そしてこちらが……カリキュラムを紹介するページになります」

佐天「うっわー、今のとほぼ変わりませんねぇ。つーかより殺風景で」

上条「『生徒一人一人に合わせた適切で安全な指導を徹底しております』。おいスポンサー、嘘吐くにしてももっとマイルドに書けよ!」

初春「まぁ実際のお話ですが、というか風紀委員をやらせて貰っている私の実体験からすれば、夢を持たれてここに来る方は殆どなんですよ。えぇとても良いことでしょうけど」

初春「ですがいざ能力判定したあと、大した能力でない方が殆どで。その中にはショックで悪い道へ入ってしまう方もいます。残念ですが」

上条「なんか話変わってないかな?サイトもうちょっとカネかけろって話だよね?」

初春「えぇはい、ですから『事前の学園の内実がどのようなものかを伝えるために、生徒募集要項ページでやってみては?』という提案をしたいと思います」

佐天「真面目かっ!?」

上条「ツッコミどころ違げぇ。主旨合ってるわ!」

初春「そこでこの、最初にお話した『能力チェッカー』になります。えっと、私のノートパソコンを出力してもらって」

佐天「ブラウザアプリかな」

初春「あくまでも主旨ですので外側だけしか整えてしかいません。では試しに佐天さん、タッチして始めて下さい」

佐天「オッケー!――あ、今日はワイヤーなしだ」 モミモミ

初春「なんで私をタッチしてるんですかっ!?てゆうか公開セクハラですよ!?」

上条 パシャッ、ピロリロリーン

初春「無言で写メ撮らないで下さい。普通に気持ち悪いです」

上条「いやこれはだな、いざという時の備えであって決して!決して邪な目的じゃないんだよ!」

上条「例えば……そうだな、雪山で遭難したとしよう」

佐天「話長くなりそうだから始めちゃいますね、はいタッチっと」 ピッ

上条「君はほんっっっっとに俺のボケを潰しに来るよな!ワガママにも程がある!」

初春「遭難した後にどう使うのか逆に少し興味があります」

アプリ画面【あなたの年齢を教えて下さい】

佐天「ってなってるけど?」

初春「幾つか設問が出るので、それに従って適当に答えて下さい」

佐天「はーい、ポチっとなっ」 ピッ

上条「この質問は固定?てかガチなの?」

初春「いえフレーバー要素ですのでネタ質問も多いですよ。あんまり本気でやると個人情報がー、と騒がれますし」

アプリ画面【あなたの能力は――】 ドコドコドコドコドコドコ……

佐天「あ、結果出そう」

テッテテーン

アプリ画面【土能力者(アッパードホライゾン)・レベル1です。花壇を掘るのに有効な能力。時給789円】

佐天「出た!……時給?なんで時給?」

初春「という感じでですね。一定の確率でランダムな能力が表示されるんですよ」

上条「時給は?時給ってどんな意味があんの?」

初春「お二人ともツッコミどころが違います。その前にですね、こう学園都市の人口って何人ぐらいだと思いますか?」

佐天「210万人だっけ?もっと多かった?」

初春「資料によっても変わりますし、学園側も公式発表を渋るので何とも言えないんですが、まぁ200万人は突破していますね」

初春「その中の何割が『カリキュラム』を受けた能力者は知りませんが、まぁ計算しやすくするため100万人としましょう」

スポンサー『実際にはもっと多いのだが?』

初春「仮にです、プレゼン用なので採用されたら詰めたいと思います――さて、ではその中で最上位とされてるレベル5は何人いるでしょうか?」

佐天「10人ぐらい居るんだっけ?」

上条「一方通行(白)、垣根(白)、ビリビリ、浜面の上司のおねーさん、食蜂さん、僕っ子の成り済まし先、軍覇……で、七人か」

初春・佐天「「……」」

上条「あ、ごめん!ウソウソ!今のはアレだよ、昨日見た学園都市SSの設定だから!俺別に全員知ってるとかそんなんじゃないから!」

佐天「謎だよねぇ、上条さんの人脈。御坂さんと知り合ったのも謎だし」

上条「ビリビリがチンピラに絡まれてるところを助けようとしたら、一緒くたにビリビリさせられましたけど何か?」

佐天「そこからどこをどうしたらあそこまで人間関係を進化させられるんですか」

初春「……まぁ、怖いのでこれ以上の詮索は避けたいと思いますが――仮に10人としましょう。あくまでも仮にですが」

初春「そうすると生徒が100万人中10人がトップ。つまり新入生の方が入ってきたとして、なれる可能性は10万分の1」

初春「確率で表すと0.001%。年末ジャンボの3等100万円が10万分の1(2012年)ですので、ほぼ同じでしょうか」

上条「そう考えると結構いそうだな、レベル5」

初春「10万人に1人ですから。日本人全体を能力調査して、かつカリキュラムを受けさせれば1,250人のレベル5はいる、という計算に」

初春「ただ今回使った数字は(仮)が何個もついているので、試算ですらなりませんが」

佐天「って言ってますけど、どーですか偉い人さん?」

スポンサー『外部の見込みのある人材をスカウトもしている。よってどんなに多くても日本人全体でも三桁には届かないだろう」

初春「と、まぁ脱線しましたが、このようにある程度の数字を打ち込んでおいてですね、学園都市へ来る前に体験させておくのは良いことではないかと」

佐天「あー……そっか、要は下手に夢持って学園来られても困るから、入学前に現実突きつけておけって?やるな初春!」

上条「キレーにまとめてんだからそこはツッコまないであげて!」

スポンサー『学生諸君のプライバシーも鑑みて、あくまでも体感程度に留まるが……良い案だ、悪くない」

初春「あ、ありがとうざいます!」

佐天「ってことは採用ですか?」

スポンサー『そうだな。人的にも予算的にも優れており、多少ネームバリューも上がる』

上条「意外に真面目だな。でもちょっと面白そう」

佐天「あ、じゃあ上条さんもどうぞ」

上条「じゃちょっと試して」 ピッ

アプリ画面【あなたの能力は――】 ドコドコドコドコドコドコ……

上条「来いっ!レベル5とは言わないから3ぐらい来い!」

佐天「……あぁ何か気にしてはいたんですね」

テッテテーン

アプリ画面【暇人殺し(ヒマジンブレイカー)・レベル0です。時給22円】

上条・佐天「「……」」

初春「あ、あれ!?こんな能力入れた憶えが……?」

上条「ご、誤作動誤作動!バグのないプログラムはないって聞いたことある!きっとそれだよ!」

佐天「そ、うですね、はいっ!もっかい、もう一回すれば結果は変わりますよ!」

上条「そうだよな!よーし今度こそ本気でするぞー!」 ピッ

アプリ画面【あなたの能力は――】 ドコドコドコドコドコドコ……

テッテテーン

アプリ画面【料理墜とし(クッキングメイカー)・レベル0です。時給1002円】

上条「……」

佐天「えーっと、初春?」

初春「だから違いますって!こんな色物能力入れてませんし!」

上条「……じ、時給上がってるし!うんっ、ほらきっと料理的な才能が開花するんだよ!そう言う能力さ!」

佐天「無理矢理誉めようとしてますし実用的なのは認めますけど、でもこれ『よし!こんな能力貰えるんだったら受験しよう!』って思います?」

初春「佐天さんマジレス禁止で!上条さんがテンション上げようとしてくれてるんですから!」

上条「……大丈夫だよ、三度目の正直って言うしさ!俺は折角だからこの赤い扉を選ぶぜ!」

佐天「バーイデスクリムゾ○」

初春「完っっっっっ璧にフラグじゃないですか」

アプリ画面【あなたの能力は――】 ドコドコドコドコドコドコ……

チャーラララ、ラララ、ラッララーン……!!!

上条「キタっ!なんかすっごいエフェクト来た!」

初春「い、いえですからこんなの入れた憶えないんですけど……」

アプリ画面【幼女殺し(フラグライザー)・レベル5です。時給12,989円】

佐天「時給高っ!?これ絶対アレなバイトですってば!」

上条「あーそっかー、アレかな?これは初春さんが俺に対して普段は思ってて言えないことを、このアプリでぶちまけようって企画かな?」

上条「いやでも知ってた!前から初春さんが俺を犯罪者のような目で見てたのは!」

初春「いやすいません被害妄想ですから、てかそもそもよく知りませんし」

初春「ただ、この間上条さんと思しき方が幼女へドリル当てて実弾撃ち込まれた謎の事件がですね」

スポンサー『面白い、採用』

上条「おいテメーあれだぞ、ぷかぷか逆さまに浮いてるからって調子乗ってんじゃねぇぞ?あ?」

佐天「調子に乗ってるって……浮いてるだけに!」

上条「上手いこと言おうとしてスベってるみたいに言うなよ?!そこは別にかけたつもりはないから!」

スポンサー『面白い、採用』

上条「人生楽しそうでよかったですねコノヤロー。俺はこれっぽっちも楽しくねぇけどな!」

初春「てゆうか今の流れで何を採用されたのかが……」



――エントリー2番

佐天「いやぁエントリー1番の方から採用されましたし、幸先の良い出だしですねっ!」

上条「まぁな!俺のテンションも大分下がってもう帰りたいけどなっ!」

佐天「いえあの、マジレスすると初春謹製の能力チェッカーですが、どちらかというと真理を突いていたんではないかな、と」

佐天「むしろ仕込みなしヤラセなし忖度()なしで奇跡を呼べる上条さんのお笑い運は、キテるかと」

上条「うんまぁ落ち着こうか佐天さん、そして考えよう?学費出して貰ってる親へ言えるかな?」

上条「『ねぇ父さん母さん!俺スッゲー能力に目覚めたみたいだ!今までの不幸が報われたんだね!』」

上条「『なんかさ、こうお笑いの神様に愛された能力で、これで将来どんな事務所へ入ってもリアクション芸人として働けるよ!』」

上条「――つってさ、親喜ぶか?ねぇ?」

佐天「あたしだったら涙が止まらないと思います――が、さて!しんみりして来たんで次の方っお入り下さいなっ!」

上条「なんだこの空気超入りづらいよ」

絹旗「あ、超どもです」

上条「鋼鉄の心臓持ったやつ来やがった!?」

絹旗「浜面のチンピラ友達、略してピラ友にそこまで言われる筋合いは超ないんですけど」

上条「何かもう登場した瞬間に何訴えるのか分かっちゃったよ……!」

絹旗「そうです、私が超プレゼンするのは――」

絹旗「――『劇場版とある魔術の禁書目録』です……ッ!!!」

上条「おい誰か!この子にぶぶ漬け的な意味でエンデュミオンの青円盤お見舞いしてやれ!忘れずに初回限定特典の小冊子つけてな!」

佐天「充分に持てなしてるじゃないですか。ウェルカム的な意味ですら」

絹旗「あぁいえ私も何年か前に映画やって、今年になって某動画配信サービスで全国区CM超デビューしたのは知ってますよ」

上条「あれ衝撃だったよなぁ……チラッとだけどアリサが映って――」

上条「……」

上条「……あれ?主役、あるぇ……?」

佐天「考えちゃダメです上条さん!感じて下さい!」

上条「そ、そうだよね?この件に関してはツッコんだら負けだよな!」

絹旗「メンタルの超弱い人にツッコミが務まるのか不安ですが……まぁそれはそれとしまして、最近『劇場版○○!』みたいなの流行じゃないですか」

上条「最近っつーほど最近でもないが、まぁ定番になったよな」

佐天「認知度も上がってきましたしね」

絹旗「ですから、ここは一つ映画でダイジェスト版を超用意しまして宣伝も兼ねる、というのはどうでしょうか」

上条「スゲェ……意外とまともだ!」

絹旗「超心ない暴言を吐かれているような気がしますが、まぁどうも」

佐天「映画、好きですけど。あれですかね、やっぱこう”昔のVをデジタルリマスター版再編集しました!”みたいに一新して?」

絹旗「甘いですね。超甘いですよ。それでは『画質上がってっかもしんねーけど買わないしwww』とファンに叱られますんで、ここは攻めの姿勢で臨みたいと思います」

上条「……編集を?」

絹旗「まぁそこはそれ、私が超責任を持って監督しますから」

上条「地雷跳んで来たァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!?方向性は!途中までは良かっただけに残念だよ!」

佐天「監督できるんですかっ!?スッゲーですね、あたしと同じぐらいの歳なのに!」

絹旗「え、えぇまぁ。撮ったことはありませんけど、年数十本は(B級)映画を見てますからちょっと自信はありますよ」

上条「騙されるな!その子はカップメンばっか食べただけで食通ぶるブロガーと同じだから!」

絹旗「おっと聞き捨てなりませんね。確かに私はB級映画を超愛していますが、監督としての腕を非難される覚えはありませんよ」

絹旗「素人のところは否定しませんけども、少なくとも映画にかける情熱は超否定させませんから!」

佐天「ぶーぶー、上条さんのオニーアクマータカチホー。事件が起きるたびにいなくなりやがってー」

上条「ちょっと君が何のネタ言ってるのかわっかんないけど、いやだからそれ飲み屋で野球ファンが監督ぶるのとどう違うんだ……?」

絹旗「いえいえ超明確に違いますとも。何故ならばB級映画を熟知しているのであれば、当然その失敗をリピートしないように采配できます。違いますか?」

上条「まぁ……うん、そう、かな?」

絹旗「名作を撮る自信は全く全然これっぽっちもありません!が、しかし!B級映画のような産廃を造り出さないとも言えます!」

佐天「って言ってんですけど、どうでしょうスポンサーさん?」

スポンサー『保留。続けたまえ』

絹旗「と、いうかですね。逆説的に私は問いたい――原作そのままなぞった、もしくはテレビ版ダイジェストが超面白いか、とね!」

絹旗「原作――あぁ確かに大事ですよ、そこは否定出来ませんが、リスペクトする余りに神聖化し過ぎるのも超よくない!絶対!」

絹旗「むしろ『原作と違った付加価値』をプラスすることにより、オリジナルの垣根を跳び越えて超広がる世界があるんじゃないですか!?」

佐天「はー……色々と考えてるんですねー。どうです上条――さ、ん?」

上条「騙されるな!あの悪魔はよくあるラノベ原作の実写ドラマの監督が言いそうなことをリピートしてるだけだ!」

絹旗「まずは主役を超変えます。今時説教しながら殴る主人公って古くないですか?」

上条「止めろ!俺のアイデンティティの全否定から入るの止めて下さいお願いします!」

佐天「まぁまぁ。最後まで聞いてから、ねっ?」

上条「君に諭される日が来るとは思いもしなかったが……まぁいいさ、主役変えるって誰にだよ。ビリビリ?一方通行?」

上条「意外なところで浜面はアリはアリだけど、それだと魔術は交差しないだろうし」

絹旗「あ、いえ超オリキャラにします」

上条「ダメだっていやマジで!それもう『原作無視して大失敗するテンプレ』に入ってるから!」

絹旗「えぇですから世界観を壊さない程度に留め、”原作主人公とは対の能力”で”ラッキースケベを起こさないが取り敢えず惚れられる”ことにすればどうでしょうか?」

上条「それもういる。それっぽい人とこないだまで殴り合ってた」

佐天「そして下手にあっちの方が人気出れば、主人公マジ交代のフラグが……!」

上条「はいそこ縁起でもない事言わないで!俺がこの先楽屋に籠城しないためにも!」

絹旗「声優さんは色がつくんでね、やはり演技派()で知られる若手俳優さんから超ピックアップして」

絹旗「他には監督に超新進気鋭の売り出し中の方を呼び、主題歌は某国の歌手に一任してタイアップを謀ります!」

絹旗「日本オリジナル主題歌をごり押しして無理矢理使わせた結果、台風の中で揺れる漁船のラジオから微かに聞こえる扱いをされ!」

絹旗「あぁあと商品のスポンサーも事前に集め、作中で牛乳を飲みまくったりするのも超捗ると思いますよっ!」

上条「ダメ映画じゃねぇか。どれもこれも失敗例忠実にトレースしてるだけだろ」

佐天「ご来場の皆さんはどれがどのネタか分かったかなー?全部分かったら人生もっと考えた方がイ・イ・ゾ☆」

上条「……なぁ、さっきから気になってんだけど、いいかな?」

絹旗「どうぞ?」

上条「キミ結局さ、『自分の手で理想のB級映画作ろう』ってハラじゃないよね?純粋にプレゼンしたいんだけだよね?」

絹旗「……ちっ」

上条「ほぉらやっぱり!そんなこったろうとは思ったよ!もっとまともなプレゼンター呼べよ!」

スポンサー『面白い、採用』

上条「おいNOと言えよNOと!日本人でもNOと言えるようになろうよって啓発本出たでしょうが!?」

佐天「てか日本人はノー言いませんし、『はいそうですね、前向きに善処したいと思います』と表面上同意しておいてお断りというパターンが多いので、前提からして間違ってるんですけど」



――学園都市 某シネマコンプレックス

主演女優『はやく、はやくにげてー(棒)』

主演女優『きぃやぁーーーーーーーあれはなんなのー(棒)』

助演男優『行けぇ!ここは俺に任せるんだ!(名演技)』

助演男優『俺が犠牲になれば、お前が救われるんだ(名演技)』

主演女優『いやー、あなたがぎせいになるだなんてー(棒)』

主演女優『まぁそれはそれとしてジョ○は飲むヨーグルト、発売以来47年経っても新鮮です(CMスマイル)』

主演女優『ここはー、ここはわたしがたたかうわー(棒)』

助演男優『そんなっ!お前一人を行かせるだなんて!(名演技)』

主演女優『わたしはぎせいになるつもりなんてないわー、ないわー、だってわたしは――(棒)』

主演女優『――そのげんそうをぶちころすものー(棒)』

ナレーション『――劇場版とある魔術の禁書目録スピンオフ!近日公開予定!』

ナレーション『科学とオスカ×プロモーションが交差するとき、芸能界に何が起きるのか――』

ナレーション『学園都市は若者の未来を造るクリエイティブな教育機関です!』

土御門「……」

土御門「――よし、学校辞めよう。田舎へ移住して畑耕して暮らそう」



――某プレゼン大会

上条「……なんだろう、うん、コメントしづらい……!」

佐天「やー……はい、なんて言ったらいいんでしょうかね、うんはいっ!某映画の吹き替え版がこんな感じだった、って話は聞いたことあるんですけど!」

上条「……彼女も悪くない、彼女”は”悪くないって擁護する人もいる。俺は同意しないでもないんだ、何故ならばだ!」

上条「共演者が楠大○さん(当時声優歴20年)、深見梨○さん(声優歴33年)、宮本○さん(俳優歴30年・声優歴22年)、納谷六○さん(声優歴44年)」

上条「それに対してあの人は吹き替え(人生初)ってルナティックな難易度からスタートしちゃってるから……!同情の余地は、うんまぁ」

佐天「こうなってくるともう壮大なイジメしてんじゃねぇかなって疑惑すら上がりますよね−、それ」

佐天「――はい、っていう訳で!めでたく前回の劇場版が女オリジナル主人公で大爆死したところで!ハッピー企画の続きをしたいと思います!」

上条「あれ……?初春さんの分はどうだったっけ……?」

佐天「『続きましてーは学園都市が生んだモンスタァァァァァァァァァァ!イロモノばかりのレベル5の中で常識人と称された逸材だ!』」

上条「誰来るかわかったんだけど、あと自販機キックは常識の内なんだ?運営的にはありなんだ?」

佐天「『でもあたし的には周囲がみんな壊れてる中唯一まともってそれどうなの?とか思ったり!』」

上条「余計な事言うな!出づらくなっちゃうだろ!?」

佐天「『常盤台のエースこと、御坂美琴さんの入場だァァァァァァァァァァァァァァッ!!!』」

御坂「出づらい、超やりにくいわね佐天さん!」

佐天「大丈夫ですっ!お友達価格で盛りを増やしておきました!」

上条「嬉しくはないだろ。前口上盛ってどうすんだよ」

佐天「なんでしたら『ゲコ太の大冒険(インストゥルメンタルver)』を流そうかと。あ、初春に止められましたが。流石にゲコ太マズいだろって」

上条「ナイス判断だ初春さん!まぁその気遣いは無駄になる予感がヒシヒシとするが!」

佐天「あ、やっぱそう思います?」

上条「……まぁな。ほぼ出オチだものこれ」

御坂「学園都市――やっぱり潤いが足りないと思うのよ、潤いが」

御坂「やっぱり子供を相手にするんだから、それなりにイメージ戦略も必要だし。全体的に無味無臭なのよね−」

佐天「どういうお話で?」

御坂「ぶっちゃければロゴとかないじゃない?少し前に事件になったオービット・ポータル社はなんかはロゴもあったけど、学園都市自体にはないわよね」

御坂「まぁ校章作れとは言わないけどね、なんかこう『あ、学園都市謹製なんだ!』みたいに、パッと見て分かる感じの」

佐天「おぉ……!なんかまともっぽいですよ!」

上条「落ち着け。こっから怒濤のオチが来っから」

御坂「で、まぁマークっていうかさ、やっぱりある程度認知度もあって広く知られてて人気もある――」

御坂「――そして子供にも大人気!ゲコ太を学園都市のマスコット&イメージキャラクターとして採用するしかないのよねっ!」

佐天「おっと変化球投げてきました!」

上条「むしろ俺にはど真ん中に見えるが……」

御坂「名付けて『Project GKT』!学園都市の総力を挙げてバックアップして貰うわ!」

上条「アニメの○○製作委員会と同じ臭いがする」

御坂「まずは日曜18時30分の東○枠を買い取って全国区でゲコ太アニメを放送するところから始めるのよ!丁度あっちの運営も弱ってたところだし!」

佐天「実際にやってることもまさしく、ですね」

御坂「そして国民に、いいえ!世界に知れ渡った時には学園都市の一部に『ゲコ太ランド』を開設!ネズミなんか目じゃないぐらいにワールドワイド展開を!」

御坂「最終的には学園都市の経営権を乗っ取ってゴールよねっ!」

上条「本末転倒じゃねぇか。葛が親木絞め殺してん・ゾ☆」

佐天「まぁ、ある意味では今の学園都市よりも穏便な組織になるじゃ?とは思いますけど」

御坂「この計画は既に多数の賛同者を得ているのよ!見なさい、この署名の数を!」 ドンッ

上条「へー、アライ○何冊か分ぐらいあんのな」

御坂「ま、ねっ!一万人弱は集まったかしら!」

上条「ここぞとばかりに身内を総動員しやがったな!」

佐天「何言ってるのかちょっと分かんないですけど、それでも1万人を越えないってのが、えぇはい。少数派なんだなぁと」

上条「まぁお子様向けアニメだからなぁ。学園都市の人口比率からすりゃ、小学校低学年層は少なさそうだし」

御坂「うっさいわね!これだけの民意を得たのは事実でしょ!?」

上条「いやまぁそれはいいんだけどさ……お前、マジでするつもり?」

御坂「マジでって、何がよ」

上条「えっと……けものフレン○、知ってる?」

御坂「見てないけど、なんか濃っいいアニメやってたらしいわね」

上条「俺もよく知んないからさ。あくまでも伝聞の伝聞で聞き流して欲しいんだけども、あれってそもそもの母体が販促用だったんだよ」

佐天「あー、ラノベでよくあるパターンですね。深夜アニメorBSでちょろっとやって、円盤と本の売り上げ伸ばそうって」

佐天「大抵はその出来が散々で、中には不買運動起こされて売り上げ落ちるってwwwwwwwwww」

御坂「なんで詳し――あぁ、今更不思議でもないけどねっ!佐天さんだし!」

上条「黒歴史になっても本書いてる人にとっては宣伝になるしいっかー、みたいな感じらしいんだが……まぁ、そのアニメもな、元々はソシャゲーだったんだわ」

御坂「へー、聞いたことない。流行ってるわけ?」

上条「いやそれがアニメ放映中にサービス終了」

御坂「ダメなことこの上ないわね!?よくまぁそんなフワッフワな経営のままでアニメ化したなっ!」

上条「いやだからさ、アニメスタッフが『あ、元が大事故でなくなったし、あとは好き勝手して良くね?』……で、はっちゃけたのがあのアニメらしい」

御坂「なんてーかなぁ……まぁ、そういうこともあるのねー」

佐天「ちなみに今調べたところ、円盤は初回限定版が即売れだそうです。あ、そんなに刷ってはなかったみたいですけども」 ピッ

御坂「あぁうん、けものフレ○ズは分かったけど。それがProject GKTとどう関係あんのよ」

上条「学園都市、なんか不祥事起こしたらゲコ太にまで飛び火するけどいいのか?」

御坂「『――はい、っていうわけでプレゼンテーションのレクチャーは以上で終わりとなります!以後、参考にして役に立てて下さいねっ!』」

佐天「また速攻で逃げましたね。実に賢明な判断だとは思いますが」

上条「まぁなー、ある意味学生で一番ババ引かされてんのがビリビリだしな」

御坂「『べ、別にあんた達のためにお手本見せたわけじゃないんだから!』」

佐天「あーっ!そしてツンデレでなかったことにしようとしている!汚い、御坂さん汚いですよ!」

上条「もう様式美の域になってきてんな」

佐天「直近だとツンデレを越えて中二ヤンデレこと中デレの域へと達してますからねぇ」

上条「あれ?君とビリビリって友達じゃなかったかな?」

スポンサー『面白い、採用』

上条「おい無茶すんなよ無理してボケに絡んで来なくても大丈夫だからな!」

スポンサー『べ、別に君のために採用する憶えはないのだがねっ!』

上条「いっちょ噛みして属性増やしてくんな。てかそれで喜ぶのは一部の腐ったお姉様がただけだ!」

佐天「需要はあると思います!てか一部でもないですし!」



――プレゼン会場

上条「で、結局ビリビリのは採用されたの?なかったことにされたの?」

佐天「分かんないですよー?なんていっても投げっぱなし運営ですからねー、気がついたら予算と人員割かれてた、みたいなオチが待ってるかもですし」

佐天「本人が取り下げてもこっそりプロジェクトは進行中!……でもまぁ学園都市ではよくあることだという……!」

上条「ネトゲーの運営じゃねぇんだから、もっと、うんっ!人情味溢れた采配を期待したいですよねっ!」

佐天「――さて、プレゼンする方もされる方も命懸けのガチマッチ!残念な泥仕合はまだまだ続きますよっ!」

上条「かかってこい!全員やっつけたらぁ!」

佐天「『では続きましてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ、第四の刺客が現れたァァァァァァァァッ!!!』」

上条「佐天さん佐天さん、それ総合格闘技のリングアナみたいになってるから」

御坂妹「はい、どうも。学園都市出身のミサカです、とミサカは当たり障りのない挨拶をします」

上条「段取り悪ぃな!?ビリビリの直後に御坂妹ってキャラ的にマズいだろ!?」

佐天「あれ……?御坂さん、ですよね?」

上条「あーっと、うんコスプレ?的な?似せてるだけ、だよね?」

御坂妹「はい、その通りです。ミサカはお姉様とは赤の他人ですよ、とミサカは白を切ります」

上条「ゲロってる。最後の文で全部ゲロってる」

佐天「赤の他人だけに――白を切る……ッ!!!」

上条「ふービックリした。佐天さんが残念な子でホントに良かったぜ!」

御坂妹「そのツッコミはどうなのでしょうか、とミサカは内心首を捻りつつツッコみます」

上条「つーかProject GKTの後に同じネタ続くんじゃないかってスッゴイ不安……!」

佐天「『はーい、では御坂妹(仮)さんプレゼンをどーぞー』」

御坂妹「『はい、ミサカが提案するのはノベルティアイテムです、とプレゼンをします』」

上条「ノベルティアイテム?ラノベの景品かなんか?」

御坂妹「違います。”Novelty”ですとミサカはスペルを書いてみます」

佐天「日本語へ訳すと、えーっと販促グッズでしょうかねぇ?」

上条「あーはいはい、あるある、駅前でティッシュやケータイストラップ配ってるやつ」

佐天「だけではなく、コミ○の企業ブースで配ってるのとか、ラジオ局へ投稿して採用されたときなんか、送り返される番組グッズですかね」

御坂妹「ちなみに先んじて断っておきますが、ミサカはお姉様ほどお子様ではないため、『ゲコ太グッズを量産して配ろう』ということではないのですよ、とやせ我慢をします」

上条「してんじゃねぇか。まぁゲコ太ネタに拘るよりは前向きだけどさ」

佐天「いいですねぇグッズ。後からプレミアついたりなんかしちゃったり、マニア的にも抑えておきたいポイントですよっ」

上条「残念ながら学園都市グッズを漁る程のマニアはいねぇんじゃねぇかなと思うんだが」

佐天「ってのは?」

上条「一つの前の人が言ってたようにここの校章がある訳じゃないし、企業のロゴが決まってるとかでもないし」

佐天「常盤台はありますよね、校章――ってこの方も常盤台の制服だっ!?気合い入ったコスプレですねっ!」

御坂妹「外見同じなんだからせめて服で見分けついたがついた方がキャラが立つのに、とミサカは運営をチクリと批判します」

上条「はいそこ、目の前に中の人居るんだから嫌味言わない。それに今更そんなんで揺らぐメンタルでもないだろうし」

スポンサー『フッ、全てはプラン通りだ』

上条「そう言い切ってる割には粗が出まくってるし、そもそも雑なんだよなぁ。大抵が」

御坂妹「ロン毛の言い訳はともかく、何も学園都市”自体”をアピールする必要はないのですよ、とミサカは考えを正します」

佐天「これ宣伝ですよね?でしたらマズいんじゃって思うんですけど」

御坂妹「例えば、こうアニメ化されたラノベでは校章が大人気のアレがありますよね、とミサカは固有名詞を出さずに魔法科高校の劣等生を表現しました」

上条「うん、だからね。お前もお前でキャラ立たせようとするにも必死なんだよね?主にそーゆーとこが」

御坂妹「ですから学園都市としては、変なロゴやペラい校章をピンバッジで売りさばくより、技術力で勝負をかけた方がいい、そうミサカは重ねて言います」

佐天「途中ツッコミが入りそうなワードはスルーするといたしまして、技術力というのは一体どんな感じで?」

御坂妹「はい、既存の製品であっても『学園都市の技術で作れば凄いんだぜ!』、という嫌味な企画をミサカはすべきだと考えます」

上条「イヤミ言うな」

佐天「あー、既存の商品と比べることでアピールですかー。メーカーさん涙目かもしれませんけど、調整すれば良い案だと思いますね」

上条「ある程度外じゃオーパーツだったとしても、『採算が取れないんで!』みたいに逃げも打てるしな」

佐天「そうですねー……そう、ですね?」

上条「あーっとさ、A社から出してる商品を学園都市が魔改造してノベルティアイテムとして配ったとするだろ?」

上条「その後A社へ『学園都市製より性能落ちますね!』みたいに言われても、そん時は『あれは学園都市が採算考えずに作ったヤツであって、ウチは関係無いです!』って」

上条「てか最初から宣伝目的なんだから数も作らないだろうし、あんま損はしないって話だよ」

佐天「成程。話題性を高める反面、限定版にした方がプレミア感が出るって事ですな」

御坂妹「はい。ですからエイプリルフールやイースターでネタ企画として出しても面白いかもしませんよ、とミサカは他人のアイディアに乗っかって意見を出します」

佐天「この方のキャラなんか面白い……っ!」

上条「そこはまぁ……うん、触れない方向で。重度のビリビリファンってことで」

御坂妹「まぁ試してみようと言うことで作ってきました、とミサカはゲコ太トートからブツを取り出します」 ドンッ

佐天「結構重量感が……あれ、これ黒ひげ危機一○ですよね?」

上条「……」

御坂妹「はい、タカラトミ○より42年前から発売されている超ロングトイですね、とミサカは手伝えよ、と専用のナイフを並べながら思います」

佐天「あぁ失礼しました。ナイフ、っていうかプラスチックのゲコ太……?」

御坂妹「特にゲコ太との関係はないのですけど、まぁこうしておけば売り上げが伸びるかな、とミサカは悪い考えを披露します」

佐天「まぁ間違っちゃあないですけどね。商標登録的にアレなんで配布されるときには許可降りるか謎ですが」

佐天「てか上条さんも手伝って下さいよ。なに黒ひげ見て固まってんですか」

上条「黒ひげ……うん、でもこれ黒くないよな?白いよな?」

佐天「え、えぇはい。白いですよね、てかそもそもひげじゃないですし、カジュアルな服した目つきの悪いおにーさんですし」

上条「俺の知り合いの白黒シマシマ服着たやつに似てんだけど、気のせい、だよね……?」

御坂妹「えぇはいまったく全然その通りであって、ミサカに心当たりなんて一つもないとミサカはひゅーひゅーとあさっての方を向いて口笛を吹きます」

上条「吹けてねぇし明後日向いてもねぇし黒ひげは一方通行クリソツだしあぁツッコミどころが多いな!一人じゃ捌き切れない!」

佐天「と、言いつつ全部拾ってんじゃないですか。と、まぁまぁ!黒ひげコラボは結構やってみたいですから!」 ピッ

佐天「今調べたところによればディズニ×や吉×、最近じゃ初音ミ○さんや進撃の巨○ともタイアップしてるようですし!」

上条「てゆうかこれ私怨モロ出しだろ!?自我が固まってきたのは良い事だが、また変な風に着地しやがったなコノヤロー!」

御坂妹「あぁいえそれは誤解ですよ、とミサカは否定します。この白モヤシはあくまでもオブジェであって、変えるのであればどうぞ、と気にもしません」

上条「……じゃ、なんでこの企画を?」

御坂妹「えぇこの黒ひげの大事なところは、自分で好きな台詞を入れられるのですよ、とミサカは趣旨を説明します」

佐天「って言ってますけど。台詞は跳ぶ方ですか?跳ばせる側ですか?」

御坂妹「ミサカ、ミサカたちは以前ある人に助けられました、とミサカは述懐します」

御坂妹「それまでは不幸、とは思っていませんでしたが、あまりよいものでもなかったような気がします、とミサカは続けます」

上条「……まぁ、生きてれば色々あるわな」

御坂妹「色々と柵があって、その話は表には決して出せませんし、お姉様にとってもミサカ達にとってもそれが最善です、とミサカは理解を示します」

御坂妹「ですがどんな形であれ、ミサカ達が救われたことが広まってほしい、と考えるのはミサカ達のエゴでしょうか?」

御坂妹「自分達を助けてくれた恩人を、何かの形で知ってほしいと望むのはいけないことでしょうか?」

佐天「あれ?語尾が……?」

上条「……あぁいや、悪いなんてことはねぇよ。そんなわけがねぇさ」

上条「生きた証、つーのもちょっと大げさだけどさ。別にそんくらいは、ネタに混ぜて本音叫んだって構いやしないさ」

御坂妹「……ありがとうございます、とミサカは心の底から感謝を表します」

佐天「な、なんでネタ企画でこんな雰囲気に……?」

御坂妹「では、最初だからこそあなたにやってほしいのです、とミサカはナイフを渡します」

上条「あぁ!任せてくれ!」

プスッ

タル(声;上条)【その幻想は俺がぶち殺す!】

上条「……」

プス、プスッ

タル(声;上条)【その幻想は俺がぶち殺す!】×2

御坂妹「さぁどうぞ、遠慮せずに刺して下さい、とミサカは促します」

プス、プス、プス、プス、プス、プス、プス、プスッ

タル(声;上条)【その幻想は俺がぶち殺す!】×8

佐天「……えーっと、なんでしょうか、てかなんつったらいいんのか――あ、アレですよ!新手のイジメ!」

上条「違うわ!あぁいや多分違うと思うけど!なんだこれ、なんでこれ俺の声入ってんだよ!?」

御坂妹「お姉様の台詞を入れるより適当ではないでしょうか、とミサカは聞き返します」

上条「そう、だけどもな!俺の声が黒歴史として無料で配られる身にもなってくれよ!黒歴史過ぎるんだろ!」

佐天「まぁ、テンション上がったときとフツーのときじゃ、『アレなんで俺あんなこと口走っちゃったんだろ?』って思いますもんね!分かりますっ!」

上条「もうこれ一方通行じゃなくて俺にバツゲームだよ!なんかリスペクトしてくれてんのはありがたいんだが何か違う!」

佐天「てかその台詞どんな時に使うんですか。なんでしたっけ、『その幻想をくっ殺す?』」

上条「”ぶ”ね?”く”じゃなくて”ぶ”、もしもこれが『クッ!殺せ!』だったら大幅に文脈変わるからね?」

上条「てゆうか戦闘中にその言葉出ちゃったらもう試合終了だからな!後が無くなって『エロいことされまくるのよりはまだ殺してよ』って意味だから!」

佐天「中二wwwwwwwwww」

上条「アレだからな。キミ他人事だと思って笑ってっけど、いつかこっちにお呼ばれして巻き込まれても後悔すんなよ!」

上条「最近登場サイクルが短くなってちょいちょい顔出してるって、おっぱい大きいけど残念な子と扱いが近くなってきてるって憶えとけ!」

上条「神様(※鎌池先生)の性格上ハマッヅラー主人公昇格あるぐらいだから、ヒロイン登板もあるかも知れないからな!意味もなく!」

御坂妹「さぁどうでしょうか、とミサカは会心の手応えを隠そうともせずに勝ち誇ります」

上条「エアだからなその手応え?掴んだつもりでなんも握ってないからな?」

スポンサー『その玩具、黒ひげが飛び出すときも台詞は同じなのかね?』

上条「意外に食いつきが良いな!?てかテメーもう嫌がらせだろ!」

御坂妹「いえそこはやはり普通のボイスと変えまして、とても感動的な台詞ですよ、とミサカは答えます」

御坂妹「むしろそのためにこのトイを用意したと言っても過言ではないでしょう、とミサカは大げさな言い方でアピールします」

上条「台詞の前半と後半でバラッバラじゃねぇか」

佐天「ではあたしがプスッと」 プスッ

タル(声;上条)【歯を食いしばれよ、最強(さいじゃく)――】

タル(声;上条)【――俺の最弱(さいきょう)はちっとばっか響くぞ】

タル(声;もっさん)【カキクケコー】 ビョーン

上条「……」

御坂妹「無印屈指のキメ台詞だとミサカは思います」

佐天「えっと……はい、良い台詞ですねっ!」

上条「何か言えよ!なんでフォローする雰囲気になってんだよ!?」

佐天「じゃあ、あの――ルビ指定間違ってません?逆になってますよ」

上条「合ってんだよ!これでな!」

スポンサー『これは、あれだろうか。アホ日本語女を吹き替えたら、人気出ると思わないか?』

上条「何言ってるのか分からないが、多分戦争になりますよコノヤロー」

御坂妹「あとさっきから”とミサカは〜”と打ち込むと”富阪は〜”と誤変換されて非常に鬱陶しいとミサカは断言します」

上条「知らんし共感もできんわっ!神様に言いなさい、神様にねっ!」

上条「てか全員でボケてくんなよ!?ツッコミが間に合わないからな!」



――プレゼン会場

佐天「『――はい、って訳で順調にプレゼンしてきたんですが!ここで残念なお知らせがあります!』」

佐天「『お気づきの方も多いでしょうか、司会進行の相方であるもう一人のツンツン頭の方の姿が見えませんねー、どうしたんでしょうねー』」

佐天「『ってまぁ結論から言えば現在楽屋に立て籠り中です!ゆとり世代はこれだから、えぇはい』」

佐天「『だ、もんで!ここで上条さんがツッコまずにはいられないプレゼンターを募集します!』」

佐天「『出身・国籍・所属を問いません!大事なのは”学園都市生活、こうしたらもっと楽しくなるじゃね?”の一点のみです!』」

佐天「『学園の認知度を上げるプランでも良いですし!またなんでしたらネタ企画、例えば”学生強制参加の鬼ごっこ”とかでも構いません!』」

佐天「『実現するか(SSになるか)は分かりませんが、とにかくプレゼンはするとのことですので、どしどし張り切ってぇぇぇご応募下さ――って、はい?』」 ツンツン

佐天「『たった今楽屋前で説得中の御坂さんからの情報で、”学生寮に寮母さん(独身年上)つけたら出るのを考える”って……』」

ピッ

佐天「『――と、言うような感じで一つ!出オチ上等シュール上等一発ネタかかってこい!』」

佐天「『我々は誰の挑戦でも受けて立つぞっ!!!』」



−続く−



○第一回学園都市大プレゼン大会!〜みんなで盛り上げよう学園生活〜!・募集要項

【誰が】・【どんな(何の)】プレゼンをするのか明記し、下の掲示板へ投稿すると良い事があるかもしれません

例)――
浜面が『全生徒バニー化計画』のプレゼンをする
鳴護さんが『学生対抗食レポ選手権』のプレゼンをする

五月第一週の更新はお休みしますので、まぁゴールデンウィーク中ぐらいまで受付といたします
誰もいなかったら頑張って自演します (´・ω・`)







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