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Clock(trial)

コラム・楽しい世界史〜天空の城とガリバー旅行記(新大陸開拓編)〜


上条「お前ら何なの?王様追い出してノリで軍人を元首に担いだかと思えば」

上条「他の国の王様招いて政治て!『大英帝国バンザーイ!偉大なる女王陛下のために!』とか言っときながら、大事にしてねぇよ!」

レッサー「まぁ基本的にこんなんばっかですよ。どの国もこの国もそんっっっっっなに変わんないかと」

レッサー「例えば某北欧の社会保障大国()さんが重商主義に染まらなかった理由、そりゃ単純に『重商主義かますだけの国力が残ってなかった』だけですからね」
(※重商主義=商業のためには戦争だってバッチコイ政策)

レッサー「フランス・オランダ・スペイン・ポルトガル、そして我々イギリス等々、海外の飛び地を守るためにはそれ相応の海軍戦力が必要とされます」

レッサー「まぁロシアやポーランドと散々やり合って国が残っているのですから、特筆すべきに値するとは思いますがねぇ」

上条「お前らフランス革命で王政打破→ナポレオン戴冠の流れを笑っちゃダメだよ?人のこと言えないからな?」

レッサー「おぉ心外ですな!征夷する大きな将軍が実権を握る体制の島国があるって聞きましたけどねっ!」

上条「強く否定はしないが、粛正と再構築の無限ジェンガはしてねぇな」

上条「少なくとも金閣寺ぶっ壊した話はない。放火はされてっけど」

レッサー「まぁまぁこんなgdgdを繰り返してきましたが、当然それを否定する声ってのも上がります。これはとても健全なことだと私は思います」

レッサー「とはいえ今じゃガリバー旅行記が児童書として幅をきかせているのを見ると、何とも複雑な気持ちになったりします」

上条「一応評価すべきトコは評価したいとは思うんだけどさ。ガリバー旅行記も当時は結構売れたんだろ?」

レッサー「パチモンの続編が無断で出されるぐらいには、まぁ人気でしたねぇ」

上条「だったらそんだけ昔のイギリスにも共感する人が居て、批判が許されたってことだし、そこは誉めるべきじゃ?」

レッサー「いやぁ……スウィフト、つーか作者ねー左遷されてんですよ。当時の王女と仲良かった貴族クサして」

上条「ないじゃん、言論の自由。議会制政治どこ行ったの?買い物でも行ってた?」

レッサー「スウィフトがトーリー党に近しい方だったので、これ幸いとばかりに便乗する形で」

上条「うーん……当時としちゃ処刑されない分だけマシだった、のかぁ?」

レッサー「ヘンリー8世ん時の大法官トモス・モアも『ユートピア』という旅行記のフリをした批判書書いてます。別件で処刑されましたけども」

上条「ま、まぁでもさ!えっと、ガリバー書いた人はめげなかったワケだろ!?懲りずに匿名で出版するなんて!」

レッサー「そこ私も素直に誉めたいですな。ダブリンの人なんで、微妙にブリテン人かと言われれば、疑問符がつかないでもないですが」

レッサー「――さて!では今日もまた知れば知るほどイヤんなるブリティッシュのお話を!」

上条「うん、実は最初の頃からイヤになってた」

レッサー「では少しばかりの脱線から始めたいと思いますが、清教徒革命っ憶えてますか?」

上条「前回やったばっかじゃんか。イングランド国教会の、厳格な人らが王様処刑したけどクロムウェルに実権握られて失敗したヤツ」

レッサー「そん時の清教徒、ピューリタン達ってどこ行ったと思いますか?」

上条「え、どこ?どこも何も諦めたり、日和ったりしたんじゃないのか?」

レッサー「って方も当然居たのでしょうが――清教徒革命以前からイングランド国教会の中では浮いてましてね。待遇は良くありませんでした」

レッサー「そんな彼らの行き先は”ピューリタン・エクソダス”です」

上条「字面が……うんっ、なんかこう不安を煽る順調な出だしですよねっ!」

レッサー「日本でも『なんとかのExodus』って社会不安を煽る小説流行りましたもんね。その単語の”Exodus”です」

レッサー「意味は出奔や大移動――原義は旧約聖書の出エジプトが最古とされ」

レッサー「ぶっちゃけると”モーセが海割ってグワーッ!”ですな」

上条「分かりやすい説明ありがとう。しかし君はいっぺんモーセさんへ謝った方がいいよ!」

上条「てかもうアレだわ、聖書の出来事と自分らの境遇一緒にしてる時点で、もう嫌な予感しかしねぇわ!」

レッサー「そんな彼らは”ピルグリム・ファーザーズ”とも言われ、つーかそっちの方が有名なんですけどもー」

レッサー「いやぁこっれがまた新大陸(アメリカ)で問題起こす起こす!いやー笑ってしまいますなぁ!」

上条「止めて!アメリカさんの懐にだって限界はあるんだからイロモノばかり寄越すのは止めてあげて!?」

レッサー「我らのイギリスの新大陸での拠点がマサチューセッツ湾植民地でした」

レッサー「まぁボストンの辺り、地図言えばアメリカの東北部で近かったんですね。単純に」

レッサー「なお、同地は一時期私掠船の本拠地(※フランスへの嫌がらせ)だったってぇ過去も……」

上条「お前らのフランスへの執念はもう尊敬するわ。つーかだったら前の大戦で助けなかったよかったのに!」

レッサー「何言ってんですか上条さん、それはいくら何でも意地が悪いってもんですよ」

上条「そうか?そんだけドイツ脅威だったって話か?」

レッサー「あぁいえいえ、『イギリスの支援でどうにか滅ばずにすんだんだよねwwwww』って今後ずっと言い続けた方が、連中にとってはイヤですし?」
(※個人の見解です)

上条「やだそれジョークに聞こえない」

レッサー「有名なのはピクォート戦争。インディアンに白人一人殺されたんで、報復に部族数百人を虐殺したりとアグレッシブですなぁ」

上条「世界中どこへ行ってもお前らはお前だよねっ!」

レッサー「当時の植民地は大体これなので悪しからず――てか本題はここではないので話を進めますと、植民は敵対者も減って捗りました」

レッサー「厳しい自然条件や長い船旅、各種伝染病のフルセットを除けば、ですが」

上条「まぁ新天地行ってゼロからやるっつーんだからなぁ。そこは同情しなくもないが」

レッサー「ここで持ち上がってくるのは政治体制です。同植民地ではどんな体制だったと思いますか?」

上条「代官建てて本国の意向に従う、んじゃないのか?順当に考えればそんな感じだろ?」

レッサー「では、ないんですねー。自治権を認めてある程度采配を任せていました」

上条「なんでまた?」

レッサー「私の考えですがコスト的な問題だと考えています。役人派遣して兵士で守らせて社会的インフラ作って――」

レッサー「――なんてのは超難しいですし、本国からの指示待ちでまともな運営が出来るはずもなく」

上条「……もうそれ、独立国と何が違うって?」

レッサー「あぁそのご指摘はドンピシャですなぁ。たまーに核心を突きますよねぇ」

上条「ドンピシャ……悪かないがお前の日本語の教本って一体……?」

レッサー「本国へ対する帰属意識はあり愛国心もそこそこはあったんでしょうが、時代が進むにつれて自分達の暮らす場所にしか興味がなくなってきましてね」

レッサー「第一次世界大戦後から自立心が強くなり、次の大戦にはご覧の有様ってヤツでさぁ。参っちゃいますよねー」

上条「話を聞くに……民主主義の登場?」

レッサー「はい。なんてーかまぁ、原始的な暮らしを余儀なくされていましたんで、偉い人もそうでない人も開拓開拓と」

レッサー「役割が同じなら権利も同じ、つーか”多数派=実際に働く人”ですので、あー……何つったらいいのでしょうか」

上条「土建屋集団が無人島行ってどこを開発するか話し合って決める?」

レッサー「に、ノリは近いんではないでしょうか。極端に単純化すればですけども」

レッサー「ですが!ピューリタンは清教徒神政政治という頭痛い方向へ突っ走りますが何か!」

上条「アレだろ?清教徒以外政治に混ぜないとか、清教徒式を強要するとかそんなんだろ?」

上条「……信仰の自由を求めていった先で、他の宗教への不寛容ってアホかお前ら」

レッサー「ついでに言えばインディアン殲滅のためのありがたーいピューリタン・ジョークの数々が残っています。ググってください、私は口にしたくありません」

レッサー「あぁ流石にこのままだと不公平すぎるので断っておきますが、後に公民権が高まっていく中、いち早くアフロ・アメリカンの権利を認めようとしたのも彼らであり」

レッサー「ハーバードやイェール大学や黒人も学べる学校を作ったのもピューリタン達でありまして、えぇっと日本のジョー・ニイジマ」

上条「誰?」

レッサー「大河ドラマの八重の桜の二番目の旦那さんが留学した――つーかできた学校も彼らの系列です」

上条「そう考えると悪いことばっかじゃないような……?」

レッサー「まっ!悪名高きセイラムの魔女裁判もピューリタンがやったんですけどねっ!」

上条「そのオチ用意してただろ?絶対に落とすために温めただろ、なっ?」

レッサー「信仰を解釈して現実に当て嵌めるのではなく、現実を解釈して信仰を当て嵌めればこんな感じかと」

レッサー「とはいえ彼らの中からロジャー・ウィリアムズというアメリカ政教分離の父のような方も輩出します」

レッサー「……進捗的し過ぎてイングランド国教会&清教徒の両方から追い払われていますが」

上条「混沌すぎて頭イタイ……」

レッサー「宗教的なイメージとして『カトリックは排他的でプロテスタントは寛容的』と、いうものがありますが、これも正確には違うんですよ」

レッサー「正しくは『同じプロテスタント同士は割かし寛容的だが異教徒には排他的』である感じがします」

レッサー「あぁこれは別に個人の見解ですので鵜呑みにしないで下さい」

上条「根拠はなんかあんの?」

レッサー「知り合いがアメリカでバックパッカー(志村)しているとき、ど田舎でも拾ってくれるのはレッドネックのおっちゃんらばっかでした」

上条「レッドネック?」

レッサー「首の周りを赤く日焼けした白人労働者。主に彼らをバカにするのと自虐ネタで笑う意味でよく使われます」

上条「じゃあお前も使うなや」

レッサー「いえですから自虐なんですよ。文句言い言い親切にしてくれたのは、そうやってネタにされて笑いものにされてる人たちだったそうで」

レッサー「逆にプロテスタントの多い町では宿がないから教会の軒先貸してくれ、と頼みに行ったら断られましたがねっ!」

上条「それ急に言われても困るだろ。そんな無計画にブラつく方が悪いわ」

レッサー「いやでも仕方がないんですよ!乗り合いタクシーやバスなんてだだっ広いアメリカ全土を網羅してるはずないじゃないですか!」

レッサー「日本の過疎地を拡大したようなもんです。電車はなにそれ?スクールバスもないですし、学校は街に一つでクラスも一つ、みたいな」

レッサー「や、勿論閉鎖的は閉鎖的なんですけど、『困ってる人は助けましょう』って徹底されてるもんですから、基本的には善良な方が多いです」

レッサー「てか田舎で質素な暮らしをしている人間がどうしてバカにされなければいけないのか。その思考そのものに歪みがあると思いますよねぇ」

上条「悪い事じゃないもんな。誰かに迷惑かけてるんだったら別だけどさ」

レッサー「”リムジン・リベラル”がようやく市民権を得て批判されてきましたし、いい意味でも転換期だと思います。アメリカさんもいい加減にしないと」

上条「聞くのが怖いんだが、結局清教徒の人らはどうなったの?」

レッサー「大抵はバプテスト派プロテスタントと合流・同化しました。少なくともその名前で現代まで続いているのはほぼ話を聞きません」

上条「聞いたことあるな。近所の教会にあった」

レッサー「ただこの、バプテスト派南北の戦争の折に南北で分派しましてね。お題は『奴隷を持った人間を宣教師に任命するか否か?』」

上条「心情的には反対したくはなるな」

レッサー「当時は賛成派だった南部は北部と袂を分かちましたが、現在のアメリカ信徒数では1,700万人。カトリックの6,800万人に次ぐ規模です」

レッサー「有名どころではカーター、クリントン両大統領なんかでしょうかね――あ、そうそう。かなーり脱線しますが、いいですかね?」

上条「今更過ぎてツッコミどころも追い付かないが、まぁ好きにしなさいよ。どうせ止めても止まんないだろうし」

レッサー「よくご存じで、アイデンティティですからねぇ。えーっと、よくあの『キリストの再来を画策するカトリックは政治的陰謀を張り巡らせているんだ!』的なのありますよね?」

上条「古くはMMR、今だとツイッターで平日の早朝から休日の深夜まで毎日見えない敵と戦ってる聖戦士の人らだな」

上条「ネタとして見る分には笑えるんだが、いざ目にすると……うーん」

レッサー「何でも薄い本ではバチカンからの刺客に狙われた高校生がいるらしいですよっ!怖いですねっ!」

上条「オレオレ、それオレだわ。てか薄くないわ!300ページ越えてたわ多分っ!」

レッサー「まぁ年がら年中、つーかちょっとした中二物語で巨悪の根源とされてきたバチカン、てかカトリツクですが」

レッサー「ことアメリカにおいてはキリスト教的右派、聖書の無誤性を唱えて保守的な価値観を持つのは”南部プロテスタント派”ですんで」

上条「……え?あれ、えっと?プロテスタントが、保守?革新じゃなくて?」

レッサー「えぇプロテスタントが、です。ゴリッゴリの保守派」

上条「待て待て待て待て!俺がテレビで見たのはカトリックの至上主義的なのだったぞ!聖書の教えがどーたらで!」

レッサー「その証拠っつーとアレですが、現に南部派は女性の牧師を認めていません」

上条「……バチカンの影響を受けないのに?」

レッサー「受けないからこそ、ですね。カトリックは法王がおり、その都度現実に合わせて聖書を解釈し信徒の軌道修正を図ります」

レッサー「……過去全てが正しいかと言えばそうではないのですが、誤ったものを続けるよりは評価されるべきです」

レッサー「ですがプロテスタントは拠り所が聖書しか持たないため、どうしても原理主義的な罠に嵌まりがちですね」

上条「あんま言いにくいんだけどさ、人工中絶へ強烈に反対してるのってカトリックだけじゃないんだ?」

レッサー「カトリックは勿論プロテスタント”も”反対しています。ただし一枚岩ではなく、賛成する派閥もあります。クリントンさんトコがそうですな」

上条「……なんかもうカトリックとの違いが分かんねぇわ」

レッサー「”保守=カトリック”って構図がまず誤りです。ティーパーティーに参加したプロテスタントも多い」

レッサー「そもそもアレが始めた、始まったのはボストン茶会事件のマネをしており……って知ってます?」

上条「アメリカ独立運動のきっかけになった事件で、イギリス本国の課税に反対する人らがボストン湾へ積み荷の茶葉をぶちまけた?」

レッサー「正解。ではボストン港がある州は?」

上条「えっと、どこ?」

レッサー「マサチューセッツ州ですね」

上条「清教徒の入植地……!」

レッサー「まぁその子孫たちが始めた運動ですので、当然ご先祖様の例に習って、という感じですかね」

レッサー「ですからティーパーティー運動はプロテスタント派が多い反面、必ずしも特定の党を応援したものではなかったのですな」

上条「なんかもう難しいな!」

レッサー「なのでもし、もしもの話ですが聖書復興・キリスト再誕を願う”ぼくがかんがえたあくのそしき”が存在するとすれば、それはプロテスタントである確率が高いですね」

レッサー「てか我が国のグダグダを鑑みても、その場その場でデタラメに解決してきた結果であり」

レッサー「そのような組織があったとしたらもっと上手くやってますよ!歴史を舐めないでくださいよっ!」

上条「俺の立場に、うん、否定も肯定もできないんだが!」

レッサー「陰謀論へ逃げるのは”思考の放棄”です。娯楽としちゃ面白いですがね、歴史へ対する冒涜です」

レッサー「ご自分の現在お持ちの知識だけで説明がつかないこと、解釈が難しいことを神頼みで丸投げしているだけ」

レッサー「そして特にですね、信仰・宗教系は難しいんですよ。前にどこかのヘンタイが言いましたように”進化の系統樹っぽいネズミ講”でして」

レッサー「統一会派を名乗っていても聖書の解釈は正反対であったり、プロテスタントをではないと言い張るプロテスタントだとか」

レッサー「そして神話の時代にカトリックと袂を分った東方正教会も歴史は二千年近いです」

上条「面倒なのな」

レッサー「ちなみに『だからキリスト教は悪い』つってんじゃないですよ?新興宗教のフリしたマジモンのカルトはザラですからね」

レッサー「ピューリタンにしろ、彼らは自然発生したのでは決してなくてですね。これこれこういう時代背景があり、歴史があり、行動をしてきた人たちです」

レッサー「陰謀論なんてチープな言葉で語ってほしくはないですかねぇ。彼らが加害者&被害者どちらだとしても、歴史の一ページであった事実は変わりなく」

上条「……てか脱線しすぎじゃね?」

レッサー「あー、残念ですがね。関係なくないですな、てかもうガリバーの時代に”それ”の兆しは見え始めています」

上条「”それ”?」

レッサー「この後、つーか18世紀に我が国は農業革命と産業革命を成し遂げ、ある程度は社会基盤もしっかりしてきます」

レッサー「先に述べたカントリー・ハウスの経営が成り立たなくなったのもこの世紀ですね。生産性が上がり、労働者の価値が上がったためです」

レッサー「で、労働者の価値が上がれば彼らの政治参画を望むようになり、公民権の思想が広まっていったと」

上条「流れとしちゃ、悪くないんじゃないか?」

レッサー「啓蒙思想がですねー、えぇ言い換えれば偉大なる人間賛歌とも言えなくもないですけどねー」

上条「啓蒙思想いいじゃない。迷信からの脱却っていいことじゃんよ」

レッサー「下地として宗教改革やカトリック・プロテスタントの争いがあって人心が離れてたのも確か。それが理神論へと繋がっちまいますぁ」

上条「りしん……?」

レッサー「『世界は神様が作ったみたいだけど、その後は放ったらかしだから人は理性に従って生きなさい』、ですか」

上条「……間違ったこたぁ、言ってないような?てかこれ多分日本人だったら同意する人多くないか?」

レッサー「……はい、ま、私もこれだけを聞けば悪くないとは思います。思いますが――」

レッサー「フロッグバイターズカントリーで18世紀末に『最高存在の祭典』ってのが行われました」

レッサー「橋の上から空砲を号令に市民を歩かせ、男性は樫の杖、女性は薔薇の花を抱かせてテュイルリー宮殿へ進ませます」

レッサー「そうすると当時の統治者が『最高存在』に敬意を表しと宣言し、中央公園にまで行進」

レッサー「最後は無神論を象った像へ火を放ってこのフェスティバルは終わりとなるのですよ……ッ!!!」

上条「それ、どこの部族のお祭り?土着の人するんだったら厳かなのかもしんないけど、ギャグ?」

レッサー「当時はフランス市民革命→ロベスピエールの恐怖政治でトータルで自国民4万人殺りやがったっつーね」

上条「理性は!?理性さんはどこ行ってんの!?」

レッサー「てか植民地で奴隷使ってのプランテーションは16世紀からやってる訳でしてね、そういうメンタルの人たちの『理性』っつーと、まぁまぁそんなもんじゃ?」

上条「お前ら……18世紀つったら俺らは忠臣蔵やってた頃なのに!もう少しこう、うんっ!」

レッサー「一応今までは聖書によって規制されていたのですが、『俺達は俺達の正義(理性)に従っていればいいんだ!』とついに頭のネジがぶっ飛びます」

レッサー「19世紀初頭にはカエルイーター国が共和制に飽きちゃったんでナポレオン皇帝戴冠、ヨーロッパはナポレオン戦争へとぶち込まれて行きますよ」

上条「市民革命……うんごめんなんでもない。気のせいだったみたいだ」

レッサー「その後はオスマントルコ帝国からのギリシャ独立戦争にスペイン立憲戦争、少し経ってからクリミア戦争で大忙し」

レッサー「西欧列強の植民地争奪戦――へ、加わったのがあなたの国ですね」

上条「よくまぁお前らに攻め込まれなかったよな!」

レッサー「地理的に極東だったのが一点、貿易の要所じゃなかったのも幸いでしたな」

レッサー「しかしながらアメリカ開拓と独立、そして太平洋へと進出するようになったら無視できませんしねぇ」

上条「公民権と社会権が確立されていくのは喜ばしいんだよ、ただ過程がなぁ?」

レッサー「既存の価値観から脱却を計るには自分のママンを断頭台へ送るのが手っ取り早いですから。帰る道を無くせば戻りようもないですし」

レッサー「しかながら金の卵を産むメンドリを割いたところで黄金なぞはなく、ラインの川底を潜ってみなければ分りませんよっと」

上条「それっぽい事言って煙に巻くの禁止。てか内容はほぼないだろ」

レッサー「19世紀に咲いた徒花、優生学に基づいた優性法も非カトリック教国”だけ”で実施されてます。当時がどんな時代だったのかは推して知るべしですな」

上条「おいだからガリバーひとっつも関係な――」

レッサー「――ってのをですな、行き過ぎた啓蒙思想と実用に及ばない自然科学の研究、それらを批判したのが――」

レッサー「――ガリバー旅行記第三篇、『空飛ぶ国ラピュタ』の物語となっております……ッ!!!」

上条「おぉ!」

レッサー「んまっ!長いんで詳しくはまた来週っ!解散っ!」

上条「……もうイヤッ!世界史のグロい話は知りたくないっ!」

レッサー「しっかしこう考えると上条さんトコはイージーモードでやってますなぁ。なんでしたっけ?」

レッサー「チューシングラを題材にしてアナグラム入れて『体制批判プギャーwwww』ってwwww」

上条「いやぁまぁ、でも俺ら江戸時代には外交で失敗したり致命的な失政はやらかさなかった筈、だと思うし……」



−続く−
(※次回で終ります)

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