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Clock(trial)

MMR(御坂美琴の料理教室)第03話 「炊き込みご飯」


――某所クッキングスタジオ

御坂「――はいっ、ってゆう訳で帰って来ましたよ!大人気のお料理教室を!」

御坂「何かもう忘れ去れた感じで危険がピンチだったんだけども!無事にねっ!再開するからっ!」

???「美琴ちゃんは機械工作よりも女子力上げた方がゴールに近付くと思うよ?」

御坂「はいうっさいわねそこっ!今はヒロインだって戦う時代なんだからいいじゃない!」

???「否定はしないけど、スーパーマ○の女性化スーパーウーマ○はどうか思うんだよねぇ」

御坂「あれ戦前(1943年)初出よ?」

???「えっと――そうみたいだねぇ。ていうか余裕ありすぎて戦争負けると思うよ」 ピッ

御坂「ってな訳で!前回講師の雲川鞠亜さんがご都合によって来れなくなったんで新しい先生をお呼びしましたっ!」

???「あれ?鞠亜ちゃんから『今日遊ばないか?何だったら明日でもいいぞ?』ってメール来たんだけど」

御坂「――第三回目の先生は木原円周さんですっ!はくしゅー!」 パチパチパチパチッ

円周(???)「どもー、円周だよっ全国のお兄ちゃん!」

御坂「えっと……」 チラッ

御坂「――円周ちゃんで!」

円周「美琴ちゃん今露骨に視線下げたよね?そして私を格下に配置したよね?」

御坂「いやでも、平均的、よね?あたし達が?」

円周「鞠亜ちゃん達は大分盛ってるか改造している、もしくは世界の流れ的なものに乗ってるだけだと思うよ。好み的に」

御坂「ていうか『木原』?」

円周「なーに美琴ちゃん?珍しい苗字じゃないでしょ?」

御坂「そう……よね。関係無い子なのよね?」

御坂「何かその苗字の名前持ってる奴らには、小学生一人除いていいイメージ持ってなくてさ」

円周「――『木原』が居なくても、『別の誰か』が似たようなことはやってたと思うけどなぁ……」

御坂「なに?」

円周「ううんっ、なんでもないよっ!」

御坂「ていうか、ごめんね?疑う訳じゃないんだけど、歳あたしと同じぐらいよね?」

円周「むしろ美琴ちゃんの方がお姉さんだと思うな」

御坂「あなたは繚乱の子なの?鞠亜の知り合いだけってしか聞いてなくて」

円周「鞠亜ちゃんのお友達だよっ。学校にはあんまり行ってないけど」

御坂「……大丈夫なの?料理以前に、誰か社会福祉施設の人紹介した方がいいのかな?」

円周「美琴ちゃんのイリーガルな交友関係よりは合法的だと思うよ?」

御坂「人の友達を悪く言わないで!みんな良い子なんだから!」

円周「うんっ知ってるっ!みんな『カモ』って言うんだよねっ!」

御坂「ねぇちょっとあなたの親御さんの連絡先教えて貰えるかな?ちょろっと話したい事があるんで」

円周「涙子ちゃん見てもそういう事言えるかなぁ?」

御坂「佐天さんは、ね……うんまぁまぁフリーダムって言うか、そろそろベテランの中一だぞっていうのを心がけてほしいって言うか」

御坂「てか全員いい加減中堅レベルを通り越して、スケジューリングしてイベントするのも困難になって来た感が……」

円周「うん、うんっ!そうだねっ、こんな時『木原』ならこう言うんだよね……ッ!」

円周「『ネ○君はあれかな?UQ HOLDE○でヒドい目に遭ってるのが許せないのかな?』」

御坂「『そんなことないよタカミチ!今クラス全員揃うだけでちょっとしたゲームの予算超えるのってないよ!』」

御坂「――ってなによこの小話は!?中の人繋がりでネタ振らないで!てかタカミチって誰よ!?」

円周「エヴァンジェリ○ちゃんの中の人も、まさか新作でヒロインやるとは思ってなかったんじゃないかなぁ」

御坂「あのぶん投げ方で編集がよく許したと思うけど……うんっ、UQ HOLD○R面白いですよねっ!とっても!」

円周「美琴ちゃん、準レギュラーで出るの確定してるからってそこまで必死にならなくても」

御坂「うっさいわね!こっちにはこっちの事情があるのよ!」

円周「でもきっと第三期よりもそっちに出る方が早いし、売り上げ的に電磁砲三期が」

円周「主役の人気だよね、ぶっちゃけ」

御坂「同意――は、しないけどっ!」

円周「あぁうん、当麻お兄ちゃんがどうのってお話じゃなくて集客力の問題っていうか、営業力?」

円周「関係者全員が膝をついた、アク○さん()の銀幕デビューはある意味爆笑したしねっ!」

御坂「――はい、っていうか訳でね!今日の講師は木原円周さんをお呼びしましたんですがっ!」

円周「編集点作って誤魔化すの良くない思うよ?」

御坂「今日のテーマはなんでしょうかっ!?」

円周「『あの作画はどう失敗すればあそこまで汚く画けるのか?』」

御坂「真面目にやりましょ?真面目にねっ!」

円周「真面目にって言われてもなぁ……お料理でしょ?化学実験とかじゃなくて?」

円周「それだったら別に有史以前から人類がフツーにやってることだし、つまんなくないかな?」

御坂「それ言ったら企画終るわよね?てか、弁えて?ねぇ?」

円周「『無人島で生きるサバイバル術!』とかの方が良くない?今だったら災害の時にも応用できるよ?」

御坂「原作の展開的にはありっちゃありだと思うけど……ちなみにどんな感じで?」

円周「『あなたは無人島へ流れ着いてしまいました。しかし手元にはある物が一つだけ残されています』」

御坂「あぁライターとかサバイバルナイフとか選ぶのね」

円周「『高○と稀勢の○、どちらがいいでしょうか?』」

御坂「関取を!?そりゃ頼もしいかも知れないけど、燃費悪っ!?」

円周「え、そうでもないよ?無駄にしなければ一ヶ月ぐらい保つと思うよ?」

円周−「最初の下処理をしっかりして、塩漬けの燻製肉を作れば三ヶ月はイケる!」

御坂「……怖いからこれ以上はツッコまない!あたしは何も聞かなかった!」

円周「てゆーか、あー……んじゃあれかな、炊き込みご飯なんてどうかな?」

御坂「炊き込みご飯……!」

円周「あ、なんかスイッチ入っちゃった」

御坂「ついに……っ!おかずからレベルアップして主食が私の手で作られるのよ……っ!」

円周「ごめん、そのテンションが分からない」

御坂「つまりもうすぐど、同棲しても大丈夫って事なのよ!?」

円周「うん、より一層理解が困難になっちゃったんだけど……まぁ、やる気はあるからいいのかなぁ」

御坂「考えてもみなさいよっ!?今まではサブよ、サブ!あくまでもご飯のオマケみたいなもんだったし!」

御坂「それがメインにまで……頑張ったなぁ、私っ!」

円周「頑張ったも何も、料理のレパートリィが茶碗蒸しと野菜の洗浄しかやってないのに……」

御坂「これでやっとバツ一から逃れられる……!」

円周「落ち着いて美琴ちゃん。戸籍には傷ついてないと思うよ、戸籍には」

円周「あと私が美琴ちゃんのお母さんだったら、料理のレパートリーが二つの時点で殴っても結婚止めるからね?普通のご家庭は?」

御坂「あ、愛があればいいじゃないっ!」

円周「数字で表れない根性論へ逃げても、『離婚率』って数字が追いかけてくるから。やったねっ!」

御坂「……て、ゆうかさ……あれ?大丈夫なの?」

御坂「炊き込みご飯ってアレでしょ?炊飯器使って作るんでしょ?」

御坂「文字通りの主食を作れるようになるのはポイント高いとは思うんだけどさ」

円周「難しいとか?」

御坂「その心配も、だけど……炊飯器さ、こう、いつも空だとは限らないじゃない?」

御坂「炊き込みご飯の材料用意して、作る気満々であいつんチ行ったら、大量のご飯が炊けてたら……!」

御坂「た、例えばよ!?例えばの話でそうなったら気まずいじゃない!」

円周「そうだねっ、こんな時『上条当麻』ならきっとこう言うんだよね……ッ!」

円周「『……ふぅ、今日も朝から幼女拾って少女助けて熟女に迫られたぜ……!』」

御坂「どうしよう……否定したいんだけど説得力さんが頑張り過ぎて!」

円周「『おっ、ビリビリじゃないか。どうしたんだよ俺の家の近くで』」

御坂「『お、おっす!偶然よね!』」

円周「『あぁおはよー』」

御坂「『あ、あのね、偶然なんだけどね!』」

円周「『お、おう?』」

御坂「『たまたま炊き込みご飯用の素材一式持ってたから、あんたに作ってやってもいいのよっ!?』」

円周「美琴ちゃん、愛が、重い。すっごく重いよ」

円周「常人は『あ、ごめんね?』って引き笑いするぐらいに、重い」

御坂「なんでよっ!?完璧な作戦じゃない!?」

円周「それは事前に『行くよっ♪』って言ってない美琴ちゃんが重いと思うし、一般学生はそんなに大量のご飯を炊かないから」

円周「まぁ……当麻お兄ちゃんの場合、賽の河原のようにご飯を作り続ける運命かも、だけど」

御坂「えっ?なんだっけ?」

円周「ううんなんでもないよ美琴ちゃんっ!美琴ちゃんは当麻お兄ちゃんがとっても好きなんだねっ!」

御坂「い、いや別に好きって訳じゃ……ごにょごにょ」

円周「じゃ、心配性な美琴ちゃんのためにお鍋で作ってみよっか」

御坂「ちょっと待ちなさいよ」

円周「え?ここで止めるの?」

御坂「いやいや鍋って何よ鍋って。鍋でご飯できる訳ないでしょーが」

円周「出来るよ?何言ってんの?」

御坂「いや、だからね」

円周「ていうかフライパンでも出来るし、キャンプじゃ”飯ごう”使ってご飯作らなかった?」

御坂「はんごー……?」

円周「美琴ちゃんってば変な所でお嬢様だよねぇ、そっからかー……カマドは知ってる、よね?」

御坂「昔のキッチンでしょ?知ってるわよ」

円周「うん、その昔はね、そのカマドの上へお釜を乗せて火で焙って温めてご飯炊いてたんだよね、ってのは、分かる、よね?」

御坂「お釜……鉄製のでしょ?釜飯弁当でついてるヤツよねっ!」

円周「……まぁそうなんだけど、それが出来るんだったら、お鍋と今のガスなかHキッチンでも出来ると思わないかな?」

御坂「そう、なの?なんか特殊な調理器がないと作れないのかって」

円周「パエリアはフライパンで作るよね?生米を洗ってフライパンで炊く感じなんだけど」

御坂「言われれば……そう、かも?」

円周「まぁ少数派なんだけどー、炊飯器を汚したくないとか洗うのメンドー、もしくは大量に作るためにお鍋で作ってるんだよ」

円周「てゆうか火加減が少しだけ気をつける以外は、炊飯器で作るよりも早いし?」

御坂「そうなの!?へー……」

円周「じゃまぁ今日は炊き込みご飯の中でも難易度が高い、『鶏五目ご飯』にチャレンジしてみましょー」

御坂「高いの……うーん?」

円周「高いって言っても『イージーモードの中で難しい』レベルだから。心配はいらないと思うよー」

円周「――じゃまずは『五目』だからご飯の他に五種類入れる物を準備します」

円周「ちなみに何でしょうか?」

御坂「え?そりゃ鶏肉、にんじん、シイタケ、ゴボウ……と、あとなんだっけ?」

円周「私的には油揚げかなぁ。地域によってはこんにゃくへ変るけど、今日は任せて貰うって事で」

円周「じゃまず初めにシイタケを用意します。出来れば干しシイタケを6〜10時間ぐらい水に浸し、戻しておいてねっ!」

円周「水の分量は300mlぐらい、数は二人前で二つぐらいかな」

御坂「それを用意したのがここにあります」 キリッ

円周「ツッコまないけど――じゃ料理へ入るんだけどぉ、まずお米を二合分よく洗って」

御坂「はーい」 シャッカシャッカシャッカ

円周「水を切ったらお鍋へ入れてから、別の容器へシイタケの戻し汁、ていうか出汁を取ります」

円周「そこへみりん・醤油を大さじ一ずつ、塩を小さじ半分から一ぐらい入れ、よく交ぜてねっ」

御坂「はいっと」

円周「出来た出汁を計って400mlぐらいにまで水を足し、お鍋へ入れて30分放置します」

御坂「水を足してっと」

円周「その間にゴボウを15cmぐらいに切って、皮を剥いて――って包丁の背を立ててゴリゴリと削るんだよ?」

御坂「ピーラー使ったらいいんじゃ?」

円周「まぁそれはお好きにどうぞって感じで。包丁使った方が早くて削る範囲も少なくて済むしぃ?」

円周「ピーラーに頼ってばかりだと、女子力を低く見られるよねぇ?」

御坂「よし!折角だからあたしは包丁を使うわねっ!」 ゴリゴリゴリゴリッ

円周「……まぁここで躓いてたらお料理以前の問題なんだけど……次に、ささがきって知ってる?」

御坂「佐天さんに習ったわ。こう、斜めに切るのよね?」

円周「はい、切ったゴボウは水につけて灰汁を抜きます――っても最近のゴボウは灰汁が少ないから、そのまま使っても平気らしいんだけど」

円周「その間、にんじんを半分ぐらいの皮を剥いて、太めの千切りにしまーす」 トントントントンッ

御坂「早っ!?」

円周「切るだけだったら誰でもできるよ?殺さない加減が難しいだけで」

御坂「……はい?」

円周「次にシイタケはイチョウ切りにねっ!まぁ端から薄く切るだけだから簡単だよねっ!」

御坂「はい先生、質問でーす」

円周「なーに美琴ちゃん?」

御坂「油揚げは?」

円周「湯引きして、切るだけだけど?」

御坂「湯引き、って何?」

円周「油揚げをそのまま入れちゃうと油が強すぎるんだよっ、人によってはそれがいいかもだけど」

円周「だから油揚げに熱湯をかけて、油を少なくしようって調理法だねっ」

御坂「へー、そんなのあるんだ」

円周「私が知ってる範囲で言えば、生魚を炒めたりお鍋へ入れる前とか、臭味を取るために湯引きするかなぁ」

御坂「ゴボウ終りましたっ!」

円周「湯引きした油揚げは私が切るから、美琴ちゃんは鶏肉を切ってみりん・醤油が1:1の汁へ漬けておいてね」

御坂「鶏肉は、やっぱり胸肉がいいの?」

円周「こっちも脂を少なくするんだったら胸肉がいいかなぁ。あ、でも郷土料理の中では脂の風味を楽しむためにもも肉使うところもあるし」

御坂「地場鶏なんか居そうな所とかか−……て皮も取るのよね?」

円周「うん。あ、火が通りやすくするために一口大に切ってね?二人分100gだからすぐ終るだろうけど」

御坂「終ったー、かな?」

円周「下処理をしたお肉は10分ぐらい寝かせておいて……その間に灰汁抜きをしたゴボウとにんじんを、それぞれ電子レンジにかけるんだよ」

円周「完全に火が通らなくても、軽く柔らかくなるぐらいまでーと」 チーンッ

円周「――はいっ、これで下拵えは終わりだねっ!」

御坂「ここまでは順調……難しくはなかったわよね?これでも難易度高いの?」

円周「これが普通の炊き込みご飯、例えばキノコ作るじゃん?」

御坂「……あー、いいわよねぇ。秋にはシメジとマイタケをいっぱい入れたヤツ」

円周「そしたらお肉を入れないで石突き取ったキノコ入れるだけだから、もっと簡単」

御坂「にゃるほど」

円周「あ、素人がキノコ取るのは”絶対”に止めてね?全国のお兄ちゃんと私の約束だよっ!」

御坂「この季節多いわよねー、間違って食用キノコを、みたいなの」

円周「あ、ごめんね、そっちじゃなくてクマの方」

御坂「いや大事でしょ!?誤食も人の命かかってんだから!?」

円周「あー……そうじゃなくてね、んーっと……あぁこれは私の知り合いの知り合いのメル友から聞いたお話なんだけど」

御坂「なんかもうツッコむも面倒になって来たわ、その人脈」

円周「ぶっちゃけね、山入って山菜なりキノコを採るのは自己責任だと思うんだよ。それはね」

円周「例えそれが自分の土地じゃなくて、フツーに窃盗だったとしても。基本的に迷惑はかけない訳で」

御坂「そのぶっちゃけ方はどうかと思う……」

円周「だからたかが数百円、頑張ったとしても数万円に届かないぐらいの金銭のためにリスクを負うのはちょっと、ねぇ?」

御坂「山入る業者の人居るんだから、そっちへ任せようって発想はなかったのかしら」

円周「まぁそれでも行きたいんだったら私は”面白い”から止めないんだけどぉ……これがねぇ、地元の人に迷惑かけまくりでさぁ」

御坂「迷惑?勝手に人んちの山入って踏み荒らすから?」

円周「ぶっぶー!それだけじゃありませーん!」

御坂「いざ遭難したり滑落して事故が起きて、騒がれて迷惑、みたいな?」

円周「惜しい!もっとクマさんの気持ちになって!」

御坂「クマさん……?え、えっと?」

円周「うん?」

御坂「が、がおー?」

円周「ぶち殺すぞこのアマ?」

御坂「なんでよっ!?確かにちょっと『あ、露骨すぎるなぁ』って思ったけどさぁ!」

御坂「なんかもう初春さんスライムナイトの頃から、やっとけみたいな同調圧力がね!」

円周「、あ、今のカットで――はいっ、ていう訳で答えは『クマさん』です!」

御坂「クマ……あぁ春先ごろ、山入った人がよく襲われてたって聞いたわね」

円周「それも自業自得なんだけど……問題は『どこか』って事になっててさぁ」

御坂「どこか?」

円周「基本ね、そういう『未知の秘境へ入って山菜を採る!』系の人たちって地元じゃやらないんだってさ」

円周「あまり誉められたことじゃないし、競争率の関係で人里から離れた場所の方がいいらしくて」

御坂「まぁそうかもね」

円周「その先で、山の奥でクマさんに襲われると――」

御坂「と?」

円周「――人の味を覚えるんだってさ」

御坂「なにそれまじこわい」

円周「そしてそういう『穴場』みたいなのは人づてに広がって、山菜採りに行く人をハンティングするクマさん……!」
(※ほぼ実話です)

御坂「止めてあげて!?その『人狩り行く?』みたいなノリで言うのは止めてあげて!?」

円周「で、最悪なのがその地元の人達でさぁ」

円周「余所者が、えっと……自然の一部?へ環りに来るのは勝手だけど、そのクマさん達の迷惑被るって地元の人でしょ?」

御坂「野良猫へエサやっときながら姿消す、みたいなもんか……」

円周「でねー、そこまで酷い例じゃないんだけど山菜には群生地?やボーナスポイント?みたいなのもあってさぁ」

御坂「……それ、聞かなきゃ駄目?」

円周「寝る前に思い出して『あ、聞いとけばよかった!』って悶々としないんだったら、別に」

御坂「……んでどうしたのよ?」

円周「こっちはクマさんの時と違って『自分だけの場所だ!』って秘匿しておくんだよ。他の人に知られると物理的に減るから」

御坂「まぁ気持ちは分かるわよね」

円周「知り合いだけじゃなくて親兄弟にも知らせない――で、行った山の中で事故に遭ったらさ?」

円周「『誰も行き先を知らず連絡方法もない山の中で放置』されるんだってさ……」
(※伝聞ですが実話らしいです)

御坂「聞きたくない聞きたくない聞きたくないっ!っていうか怖いわ!」



――学園都市 某スタジオ

円周「――はい、ってな感じで材料が揃いましたー、ぱちぱちぱちぱちーっ」

円周「ここまでのご感想はどーてすかっ美琴ちゃん?」

御坂「思ったよりも簡単よね。こっから難しくなるのかしら?」

円周「んーん?こっからはもうお料理とは言えないレベルだよ、ぶっちゃけても」

御坂「言えないレベルって……」

円周「お鍋へ入れたお米の上に、鶏肉、ゴボウ、シイタケ、ニンジン、最後に油揚げを載せます」

円周「あ、火が通りにくい順だけど、念のためバランス良く並べてね?間隔を開けて置かないと」

御坂「はい――っと並べました」

円周「忘れ物がないか確かめた後、蓋をして火にかけます。沸騰するまで弱火から中火で5分待ぁつ!」

御坂「なんだそのアバウトな火加減はっ!?」

円周「あぁうんコンロの火力によってかなぁ。IHだと中火でもいいんだけど、ガスは弱火でいいかも?」

御坂「イヤイヤいいかもってアンタ!こっちは離婚がかかってるんだからねっ!?」

円周「うん、うんッ!そうだね、こんな時『上条当麻』だったらこんな風に言うんだよね……ッ!」

円周「『お前のそれは前提からしておかしい、てか結婚できんのは16からだし。あと俺おっぱ×大好き』」

御坂「ツッコミのテンポが悪いわよねっ!間に一回挟んじゃうとちょっとアレだし!」

御坂「あと最後にそれっぽく付け加えてもな!オリジナルははっきりとは言わ……ない、わね?多分、うん、きっと」

円周「当麻お兄ちゃんいつも言ってなかったっけ?『その(巨乳がチヤホヤされる)幻想をぶっ殺す!』って」

御坂「それはちょっと意訳が過ぎると思うわ。主旨には概ね賛同するけど」

円周「ある意味当麻お兄ちゃんは達観してるから、もう下は一桁から上は神話レベルまでバーリトゥードだと思うよ?」

御坂「もっとねっ!上条選手には対戦相手を選んでほしいって思うわ!割とマジで!」

円周「美琴ちゃんも性別の壁を越えて色々とやらかしちゃってるような……」

御坂「それ、あたしに、罪は、ない、わよね?」

円周「うん、そうだねっ!きっときっと当麻お兄ちゃんもそう思ってる筈だよねっ!」

御坂「納得行くかぁ!」

円周「――っていう間に沸騰しましたー。はい、ここで火加減を『中火』にしまーす」

御坂「沸騰――蓋開けて見なくても分かるの?」

円周「取ったらダメだよぉ、てか『始めちょろちょろ中ぱっぱ赤子泣くとも蓋取る』って言葉、知らない?」

御坂「ナチュラルに知らない」

円周「キャンプで飯ごう使う時には……ま、いっか。とにかくダメー、蓋を取ったら中の熱気が逃げちゃうからダメー」

円周「蒸し料理と同じでお鍋が冷えちゃうから、”絶対に”取っちゃダメだからね?」

御坂「難しいわね」

円周「まぁボコボコ音がするようになったらとってもいいし、別に透明なフライパン用の蓋を使ってもいいし?」

円周「ていうか何度も言うけどパエリアなんかはフライパンで作るから、向いてるかも知れないよねぇ」

御坂「まぁ分かったわ。このまま五分だっけ?」

円周「中火でねー、大事だよー――と、一応言っとくけど」

円周「空いた時間で適度に洗い物は片しちゃった方がいーよ、って忠告はしておくねっ!私、優しいなあっ!」

御坂「忠告……?なんでよ?後でまとめて洗えば良くない?」

円周「そうだねっ!きっとこんな時は『テレスティーナおばちゃん』だったらこう言うんだよね……ッ!」

円周「『一人暮らしのシステムキッチンなんてクソ狭ぇに決まってんだろクソビッ×』」

円周「『チンタラやってる暇あるんだったらテキパキ片付けて次の料理出来るようにしとけよクソガキが』」

御坂「知り合い?あのヒスババアとあなたは知り合いなの?」

円周「血縁関係は多分ないけどぉ『木原』だしぃ?」

御坂「なんだろう……不信感がこれ以上ないほど、高まっていくわねっ!」

円周「美琴ちゃん美琴ちゃん」

御坂「な、なによ!そう簡単には誤魔化さないんだからねっ!」

円周「『……幸せな同棲生活』」

御坂「――えっ?」

円周「『両親公認』」

御坂「……」

円周「『学生カップル』」

御坂「………………えへ」

円周「私が言うのもなんだけど、美琴ちゃんはもっと危機意識持った方がいいと思うな、うん。私が言うのもなんなんだけど」

円周「少し前に流行ったチョロインって言葉が霞むぐらいチョロイからね?」

御坂「――ってやってるウチに五分経ったわねっ!そりゃもうあっさりと!」

円周「当麻お兄ちゃんと同じで、取り敢えず声張ったら許されると思わない方が……」

御坂「中火の次は弱火で五分!……弱火?」

御坂「てか今さっき『最後は強火で』みたいに言ってなかったっけ?」

円周「そんな昔の炊飯と今の比べても……というかも、意味があってさ」 ピッ

円周「最初は弱火で米の芯まで火を通し、最後は強火でご飯に水分に吸わせるんだけどー」

円周「まぁ結局『お釜で大量の白米を炊く』んじゃないしぃ、そもそも炊き込みご飯だから気にする必要はないよ?」

御坂「炊き込みご飯と違うんだ?」

円周「なんてーかなー、量のと火力の違いぐらいに思って貰えればいっかなって……って、ゆうかさ」

円周「『絶対にこうしなければいけない!』って決まり事は、基本衛生管理の面以外には無いんだよ」

円周「だからこうやってお鍋やフライパンでお手軽に炊き込みご飯が出来るんだよっ!やったねっ!」

御坂「分かる、わーな……?」

円周「そりゃ『既成概念に囚われちゃダメだ!』とか言って、淡水魚を刺しで食べようとするんだったら、殴ってでも止め――」

円周「――は、ないなー。しないしない。見てて事後観察を楽しむと思うけどねっ!」

御坂「……ツッコんでいいのかな?後悔しない?主にあたしが?」

円周「――うん、そんな事よりもねっ!5分経ったよ美琴ちゃんっ!」

御坂「いやそれごまかし方が一緒……」

円周「ここで火を強火にして数秒……」 カチッ

円周「したら、終わりだね。火を止めまーす」 カチャッ

御坂「やっと終わりかー」

円周「いやいや、調理の行程はお終いなんだけどぉ、このまま30分余熱で蒸らすんだー」

御坂「……ん?火は通ったんじゃ?」

円周「そうじゃなくてねー、今お鍋の中は――って絶対に開けちゃいけないんだけど――ちょっとしたお雑炊みたいに水分が多めなんだ」

御坂「炊き込みご飯と違っ!?」

円周「――わ、ないよ?てゆうかフツーの炊飯器も炊きあがった直後は同じような状態だし?」

円周「最後に『火力を強くする』って言ったけど、それは残った水分を飛ばす効果があるんだ」

御坂「あー……お鍋を使った炊き込みご飯だと、蒸らして吸わせる?」

円周「みたいな感じ?まぁほぼ出来上がるだけどねぇ」

御坂「意外っつっちゃアレだけど、簡単よね?まだ出来てないんだけど」

円周「――で、30分経ったのがここにありますっ!」

御坂「いやあの、なんかね……うんっ!釈然としないなっ!」

円周「なんだったら超科学でお鍋の時間を加速させた、でもいいけど?」

御坂「すっごいわよねっ!学園都市はっ!」

円周「ではでは蓋を取ってみて下さーいっと」

御坂「き、緊張するわ……そいっと!」

パカッ

御坂「……………………お、おぉ!」

円周「出来てるよね、っていうかお料理とは呼べないレベルでむしろ恐縮するって――」

御坂「――完っっっっっっっっっっっっっっっっ璧だわっ!見た感じは文句なし!」

円周「……まぁ美琴ちゃんがいいんだったら、それはそれで。うん」

御坂「てか結構増えてるじゃない!二合ぐらいだったはずなのに!」

円周「最初にも言ったけど四膳分かな。具材を入れると入れただけかさ増しになるから――あれ?言ってなかったっけ?」

円周「てゆうか感動してないでかき混ぜる。ほら早く」

御坂「か、かき混ぜ?」

円周「普通にご飯炊いた時にもするよね?っていうかそのレベルだったのかなぁ?」

御坂「し、知ってるわっ!………………ごめんなさい……」

円周「うん素直で可愛いと思うよ!……ちっ」

御坂「どいつもこいつも口が悪いな!木原ってのはそんなんばっかなのっ!?」

円周「幻生おじーちゃんは丁寧だけど――ってほら、おしゃもじ持って混ぜる混ぜる」

御坂「均等になるように、するの?」

円周「それもあるんだけど、ご飯は炊いた直後は柔らかいんだよねぇ」

円周「でも放置しておくと、そのままで完全に固まっちゃうから――ってまぁ普通の炊飯器で試してみればいいと思うよ。失敗したいんだったら」

御坂「失敗はごめんかなー……」 マッゼマッゼ

円周「そうそう上手い上手い。ご飯を潰さないように」

御坂「むかーしにね。ハハの五目寿司を手伝った記憶があるようなないような?」

円周「混ぜ終ったら完成だねー、お疲れ様でしたー」

御坂「ちょっと水分が多めな気が?」

円周「炊いた直後だから、まぁ仕方がないし。どうかしたいんだったら蒸す時間を多く取るしかないかなぁー」



――実食

御坂・円周「「いっただっきまーす」」

御坂・円周 モグモグ

御坂「……美味しい……っ!?すっごいわねっ!ちゃんとお鍋で炊き込みご飯が出来てるっ!」

円周「お米の芯も残ってないし……てゆうか失敗しようがないお料理なんだけどなー……」

御坂「何言ってるのよっ!ちょっと具材の見た目がアレだけどもっ!下手なコンビニよりも美味しいじゃない!」

円周「えっと……それはね、好みの問題もあってだねー」

円周「鶏肉の下拵えをする際に皮を切って脂肪も取るけど、好きな人は残しても充分美味しいし」

円周「特に戻しシイタケの汁をベースに出汁を取ってる分、旨味成分は比じゃないってゆうか?」

御坂「これで――夢の同棲生活が!」

円周「「話聞けクソビッ×」

御坂「あ、でも鶏ばっかりじゃ離婚の危機が……!?」

円周「……変えればいいじゃん。なんだったら教え――」

御坂「ありがとうございますっ円周先生っ!」 ガシッ

円周「黒子ちゃんが見たら私、暗殺されそうな図だけど……まぁ、”こっち”にはいないし、いっか」

御坂「こっち?」

円周「何も言ってないよ?正義と真実に誓って私は、何も、言って、ないよ?」

御坂「アンタ、真っ正面から人の顔見てものっそう笑顔で嘘吐くタイプよね?」

円周「――で、キノコご飯だけど、鶏肉の代わりにシメジ・マイタケを入れるだけ。たったそれだけでできるよ」

御坂「ほんっとーーーに簡単よね。それだけでいいの?」

円周「鶏肉に比べ火を通す時間が圧倒的に短いし……そうだねー、石突きをチョンッて取って、適度な大きさに千切るぐらいかなぁ」

御坂「へー……って待ってよ」

円周「何?」

御坂「いや洗いなさいよ、キノコ」

円周「……あのさぁ美琴ちゃんさぁ、大体のスーパーに並ぶキノコは人工栽培してるんだよ、分かる?」

円周「見た事ないかな、『菌床栽培』って言って工場みたいな所で栽培されてるんだけど」

御坂「テレビで見た気が……する、ような?」

円周「キノコが育ちやすい温度・湿度管理を徹底して、害虫や他の菌糸が入り込めないような防疫を徹底してるから、基本衛生的だよ」

円周「っゆうかキノコそのものが菌の塊なのは……知ってる、よね?」

御坂「勿論知ってるわ!」

円周「まぁそりゃ天然のは色々とあるし、素人には見分けがつかないから勝手に拾って取ってくるのはダメ!だけどね」

御坂「てか質問!前々から疑問に思ってたのよ!」

円周「答えられる範囲でいいなら、何だって聞いてもいいよ?」

御坂「うわスッゲー上から目線!……まぁ先生役だしいいんだけどね」

御坂「なんていうの、こう、今だと色んなキノコ栽培してるよね?養殖……栽培?」

円周「まぁ、してるよね」

御坂「でもさ、時々山入ってキノコ取って、中毒になったってニュースするじゃない?」

円周「もう季節の風物詩だよねー。美琴ちゃんも中々やっるぅー」

御坂「いやそんな黒い事は言ってない!……イヤそうじゃなくて。キノコに限らず他の植物でもいいんだけど」

御坂「あれ別に人工栽培なり養殖の食べ物で良くない?別にわざわざ山の中入って取らなくっても、美味しいものあるんだったらさ?」

円周「……」

御坂「……あれ?地雷踏んだのかな?」

円周「……建前と本音、どっが聞きたい?」

御坂「……じゃまず建前からで」

円周「素人が素人の判断で山野の食べ物を口にするのはダメ!ゼッタイ!」

円周「わざわざ山へ入って取るよりも、麓の道の駅かなんかで美味しい食べ物売ってるからそれで我慢しようねっ!」

御坂「……本音は?」

円周「天然のは美味しい……らしいんだよね」

御坂「美味しいって……同じ種類なのに?」

円周「えっとさ、美琴ちゃんは少し前――一ヶ月ぐらい前にお野菜が高騰してたの、憶えてるかな?」

御坂「まぁニュースで小耳に挟んだぐらいは」

円周「その時、思わなかった?――『水耕栽培で良くね?』って」

御坂「水耕栽培……あー、はいはい。あれね、何か野菜工場みたいな、プラントっぽい施設の中で野菜育ててるヤツね」

円周「イメージとしてはまぁ合ってる。まぁ大っきなビニールハウスも含めるんだけど」

御坂「そう、よね。確かに言われてみれば普通に育てるよりも、そっちの方が安定して育てられそうな感じよね」

円周「……まー、イメージとしてはそんな感じなのかも知れないけどさー、水耕栽培には限界はあって」

円周「例えば――レタスか。レタスを農家から出荷する際、収穫してから集荷場へ送るんだよ」

円周「それで選別と洗浄して、問屋さんへ卸すんだけどぉ……なんか、ベルトコンベアに乗せられて、自動的に洗われる野菜って見た事ない?」

御坂「あーあるある。小学校の家庭科でやったわ」

円周「水耕栽培だと、それが、出来ないんだよ」

御坂「え?どうしてよ?」

円周「普通に畑で育てたのに比べて繊維が弱くて、自動的に洗浄できない。洗ったら崩れる」

御坂「それじゃどうやって出荷してんのよ?」

円周「一枚一枚?職人さんが丁寧に洗いましたー、みたいな?」

御坂「うわっー……単価高くなりそう」

円周「しかも強度弱いからバラして、だし。まぁ他のもそんな感じかな−」

円周「ビニールハウスぐらいだったら下は土だし、畑で作ってるのと実質同じ農作物が採れる訳でー」

円周「でも水耕栽培だと環境の違いか、弱い物になちゃうんだよねぇ」

円周「正しくは”なる傾向が強い”んであって、まぁ絶対じゃないんだけど。最初から強度を問題とされてない三つ葉ぐらいは有名かなー」

円周「必要な土中の菌根菌が得られない、って可能性が指摘されているけどねー」

御坂「じゃ『太陽の光を使わない!完全密室で作られました!』みたいなのは……」

円周「”できなくはない”が、”商業ベースで主力製品たり得ない”、かな」

御坂「にゃるほどなー……って待て待て、つーか待ちなさいよ」

御坂「今の話が天然キノコの、話、に……ってまさか!?」

円周「……美味しいらしいんだよねぇ。天然の、それも環境が厳しければ厳しいほど」

円周「これが動物だったら養殖の方が美味しいだろうけどね。歯触りとか、脂肪の関係もあるし」

円周「でもキノコとかはアミノ酸が豊富で関係無いらしいんだよねぇ。笑っちゃうけど」

御坂「……業が深いわねー、あたし達人間って」

円周「美琴ちゃんが好きそうなイヤな話をするけど、ベニテングダケって知ってるよね?」

御坂「あの『これが毒キノコですよ何かっ!』ってぐらい、自己主張の強い毒キノコよね。確か」

御坂「でも不思議よねー?あんな毒々しい外見なのに、どうして食べる人未だにいるのかしら……?」

円周「……」

御坂「どうしたのよ」

円周「うん、そーなんだけど――」

円周「――美味しい、んだよ。これがまた、すっっっっっごーく」

御坂「……はい?」

円周「ベニテングダケに含まれるイボテン酸ってアミノ酸はねー、えっと……グルタミン酸って知ってる?」

円周「てか今食べたでしょ?シイタケに含まれる旨味成分なんだけどね」

御坂「なんか複雑な気分よ!」

円周「それの十倍なんだってね単純計算で」

御坂「うわぁ……」

円周「しかもね、そのイボテン酸は蝿の殺虫作用もあったり、幻覚剤として歴史的に使われてみたり」

御坂「なんだそのベニテングダケ超とばっちりよね!」

円周「何でもそうだけど自己責任だよっ全国のお兄ちゃん達!美味しいキノコ探してクマさんに食べられちゃっても面白くないし!」

御坂「オイ、その結論出すのはとうなのよ」

円周「ちなみにクマさんの習性として、大きな獲物は『その場で全部食べずに生きたまま土へ埋めて保存する』習性があるよ!やったねっ!」

御坂「それ、簡単には死なせてくれないって話よね?」

円周「と、言う訳で山へ入る時には痴漢撃退スプレーを持ってね!気休めにしかなんないけどっ!」

御坂「ごめん、世話になっといて言うのもなんだけど、もう帰ってくれるかな?」

円周「てゆうかそんなんで追い払われるんだったら、クマさんの被害がもっと減ってるだろうし」

円周「――あ、そうそう。美琴ちゃんにさ、前からさぁ、聞こうって思ってたんだけどいいかな?」

御坂「ん、あたし?まぁ聞かれて困るような事は別にないし、いいけど」

円周「そっかぁ、ありがとー美琴ちゃんっ。大好きだよっ!」

御坂「お、おぅ」

円周「それでさーぁ。前から思ってたんだけどぉ――」

円周「――美琴ちゃん、本当に当麻お兄ちゃんが好きなの?」

(〜第04話へ続く)

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