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Clock(trial)

食蜂「潮騒の響く渚で」 プロローグ


――学園都市某路上 夏のある日

ミーンミーンーミーンミーン……

上条「………………あちぃ」 ダラァッ

上条(「都会は虫が少ない」って話は良く聞くけどもだ。実際の所それは正しく間違っていたりもする……どっちだよ)

上条(例えば東京には御苑や上野公園、あと……代々木公園?みたいな、ちょっとした緑は意外にある)

上条(当然そこら辺で育った虫は集まる訳で、また生命力や行動範囲も段違い)

上条(場所によっては耳を澄まさなくても、ウザいぐらいにセミの鳴き声が聞こえるのも都会の醍醐味と言えなくもない、かも知れない)

上条(……そしてまた大量の”G”が人類の有史以前からまとわりついているのも確かな訳で――)

上条(……止そう!彼らは食物の分解においては頑張ってくれている!)

上条(例え衛生害虫呼ばわりしても”G”に罪はないよ!彼らだって生きているんだから!)

上条「……」

上条「……絶滅してくんねぇかなー、ゴキブリ」

女の人「言ってる事違うじゃないですか、てか違うじゃないですか」

上条「だって!俺アイツら嫌いなんだもんっ!」

女の人「好きなのはヘンタイでしょうけど、えぇ断言しちゃいますが」

上条「どうせアレだよ!アイツらが居なくなったらなったで、きっと別の生き物が幅を利かせるようになるから大丈夫だよ!」

上条「有史以来星の数ほど絶滅してる種族が居るのに、地球は回ってるんだから!誰が居なくても穴は埋まるって!」

女の人「そういう場合、大抵より最悪の方向の種族が埋める事になりますけどねぇ。爬虫類が姿を消した後には温度無視の恐鳥類が出て」

女の人「後に『取り敢えず誰の挑戦でも受けたら』の、オールラウンダー肉歯目がと蛆要する訳ですし」

上条「てか夜中にさぁ寝ようって電気消した後、カサカサ、カサカサって動き回られてみろや!」

上条「その後、殺虫剤片手に何時間も粘って!気がつけば朝が来ている!ナウ!」

女の人「割り切って寝ればいいじゃないですか」

上条「テメなに言ってんだぶん殴るぞ?あ?」

女の人「すいません、私はそんな話を聞きたいんじゃなくてですね。今ちょっとお時間いいですか?待ち合わせしてんですよね?」

上条「まぁ一応は」

女の人「良かったー。てっきり『モテない男の人がエア彼女を待っているフリをしてる』だけかと思ってましたー」

上条「その発想怖くないかな?てかこの炎天下の中、ロールプレイで彼女待つフリしてるヤツいんだったら、脳まで茹だってるわ」

女の人「いやですがスタ○でMBA広げて、エア仕事しているドヤラーの方々が着々と増えているようですし」

上条「……あぁなんだろうね、あの人ら。本当の修羅場はス○バまで行く時間すらないんだ……うん、ないんだよね……!」

上条「ビジネスホテルのダブルの部屋へ編集さんと一緒にぶち込まれるから……うん!絆的なものは強くなるけど!」

女の人「ぶっちゃけ安いコーヒーで数時間粘る上、人間観察()が得意らしく」

女の人「店内入ってカウンターに並ぶと、奥の方のドヤラーが昭和のヤンキーの如く、キッ!とガンつけてきますし」

上条「仕事してねぇじゃねぇか。人様見る余裕あんだろ」

女の人「ま、そんな訳でドヤラーばりに暇そうなあなたのお時間、ちょっと頂けないでしょうか?どうせエア待ち合わせしてんでしょ?」

上条「それ人にモノを頼む態度かな?てかその俺でも泣きそうになるようなエア待ち合わせだって決めつけるの、止めて?」

女の人「ちょっと二・三質問させて欲しいんですが、今お時間宜しいですよね」

上条「せめて疑問系で。聞く体裁は取っておこうな?……なに、アンケートみたいなもん?」

女の人「っても高額なアレコレを買わせたり、個人情報抜くようなのじゃないですからねー。安心ですよー」

上条「その前置きがもう俺的にはフラグとしか……まぁいいや。すぐ終る?だったらいいけど」

女の人「あざーっす――では『問一、あなたは無人島に流れ着きました』」

上条「あー……はいはい。アレな、何か一つ持っていくかとか、どうやって凌ぐかとか、そういう話か」

上条「でもそんな質問、路上アンケートするかぁ?どっちかって言えば身内で盛り上がる小話じゃね?」

女の人「『ご愁傷様でした。来世では人並みの人生を送れるといいですね』」

上条「最初からゲームオーバー!?それも抵抗の余地すらなく強制的にか!?」

女の人「『問二、ってのはヤッパリなしで、何か一つ物を持って行けるとすれば――』」

上条「オイ設問進んでんぞ。しかも内容はだいたい俺の思った通りだし」

女の人「『――修○日めくりがベストだ!』」

上条「ねぇこれ悪質な街頭ステマなのかな?それとも俺限定の嫌がらせかなんか?なんで松岡修○の話になってんの?」

上条「一日何回もイラっとさせてストレス溜めて寿命を縮めようとか、国家規模のプロジェクトでも動いてんの?」

上条「世界規模の犯罪組織のエージェントがアホみたいに目立つ黒服黒コート黒グラサンで観覧車乗るとか、そのレベルの事件が起きてんのかな?」

女の人「『問三、事件は会議室で起きてるんじゃない、現場で起きている』」

上条「それ別に質問する意味なくないかな?事件が起きているのが現場であってさ」

上条「てか有事に管理体制の不備を突いても、それは感情論でしかないし、直ぐさま改善される訳ねーから。自己満足だから」

女の人「あ、すいません。これ違う人用のでした。間違えでした」

上条「使うの!?そのツッコミ養成問答集使う人いたの!?」

女の人「えっと、HAMA――」

上条「どっかで聞いた名前だなオイ」

女の人「クウェンs――」

上条「これっぽっちも聞いた事ない名前だなオイっ!!!全く心当たりはねぇけどよ!!!」

女の人「あ、用紙見つかりました、すいません。じゃあ改めて答えて貰ってもいいですかね?」

上条「あー……まだ知り合い来てないし、いいっちゃいいけど」

上条「てかむしろお前らが何を知りたいのか興味出て来たわ!」

女の人「紙とボールペン、台紙こっちで」

上条「おう、ありがと」

女の人「ボールペン……ぷっ」

上条「オイ今なんで笑った?笑うトコあったかな?ねぇ?」

女の人「全裸にボールペン……ぷっ」

上条「確かに!確かにその絵面は『ぷっ』ってなるけどもだ!服着てるから。俺服着てるからな!」

上条「てか今までの流れで不審な点はなかったろ!?警備員さんや風紀の人らも寄ってこないんだから、着てるよ!服は!」

女の人「『俺がその幻想をボールペン』……ぷっ」

上条「関係なくね?てかそれ誰だ?」

女の人「エア待ち合わせ……ぷっ」

上条「してねぇっつってんでしょーが!見ろこの俺の大荷物!着替えと着替えと着替えと日焼け止め入ってっから!きちんとした待ち合わせだから!」

女の人「リア充は死ねばいい」

上条「……いや、残念ながらそーゆー話じゃないから。事前に聞いた所によるとナンパ避けだから」

女の人「期待してんだろ、なっ?」 グッ

上条「なぁそろそろいい加減、お前の上司の連絡先教えてくれねぇかな?即行クレーム入れっからさ?」

上条「てか気軽に肩組むなや、なんかこう鉄臭いしお前!鉄サビの臭いがすんだよ!」

女の人「かーらーの?」

上条「えっと……アンケートの設問は、っと――」

女の人「スルーしないで……せめて、少しぐらいは遊び心があってもいいじゃないですか!」

上条「知らん。てか無視して行かないだけマシだと思え……と、何々」

【問一,”この世界”にオバケや妖怪、心霊現象はあると思いますか?】

上条「……ナニコレ……?」

女の人「いや私も知りませんよ。てかバイトの身ですし、上司がナニ考えてるかなんて」

上条「いや、そりゃそうかもしんないけどさ。アンケート商法じゃねぇの?壺と印鑑を買わせる的な?」

女の人「いやいや違います、そーゆーんではないですってばいやマジでマジで全然全然ゼン?」

上条「ゼン一つ多いよ。否定する所が怪しいわ」

女の人「その通りですよアンケート商法ですが何か?」

上条「肯定したらもっとダメだろ!?それ認めてるだけだから!?」

女の人「否定しようが肯定しようがダメってなんですか!?あなたは私の母親ですかっ!?」

上条「……いやあの、おねーさん俺よりかは年上かと……」

女の人「てか上司の考えなんて知るか!?こっちバイトなんですから!」

上条「す、すいません……?」

女の人「――とはいえ、何となく想像はつきますけどねー、何となくは」

上条「ってのは?」

女の人「一年前ぐらい前……ここでバタバタと集団昏倒事件、ありましたよね」

上条「ありましたねー……そーゆーのも」

女の人「そん時、学園都市とローマ……せいきょう?さんで、それぞれに声明出したの憶えてますか?」

上条「声明……そんなんあったっけか?」

女の人「ありましたよー、それ私聞いて結構ショックだったんですから」

女の人「なんでも学園都市曰く、『ローマには”魔術"のコードネームを持つ超能力集団がいて、ここでテロった』と」

上条「あー……ヴェントん時か」

女の人「逆にローマは『学園都市では”天使”の研究してて、冒涜的だからさっさと止めろ』みたいな感じの」

女の人「……ウチの上もローマの人らも、湧いてんですかね?」

上条「そ、それは色々事情があるかも知れないだろ!?あんまり責めるのは、良くないと思うよっ!」

女の人「で、そっから考えたんですが――意外と超能力的なモノは、世界に有り触れてたりしちゃったり?」

女の人「私らが『心霊現象』や『UFO』なんかで片付けてきたのが、人為的な超能力だったのではーと個人的に」

上条「まぁ……そう、かもな」

上条(魔術師なんかは『原石』と違って、努力さえすればある程度は身に付くって言うし)

女の人「なのでそこら辺の意識調査じゃないんですかね。こう、実際に使う側が何考えてるかー、みたいな?」

上条「使う側が?」

女の人「科学の街で超能力使えるのに、幽霊信じてたら面白いと思いませんか?」

女の人「それが『能力』かもしれないのに」

上条「なんとなく、分かるような……?」

女の人「ま、そこら辺はあまり考えずに答えてください。考えても仕方がないでしょーし」

上条「……はぁ。まぁいいか」

上条(――さて、あんま時間取らせるのもなんだし、ちゃちゃっと答えてみよう。幽霊はいるか、だっけか?)

上条(あー……吸血鬼は居るんだったよな、姫神の話聞くに。だったら似たようなのが居てもおかしくはないな……だからマルっと)

上条(……まさかとは思うけど、俺、関わり合いにならないよね?遠くない未来で吸血鬼のロリババ×のフラグ立てる展開は待ってないよね?)

上条(人は持てるだけのフラグでいいんだよ!勘違いしてあれもこれも手を広げたら全部落とすからな!いや俺の話じゃないけどもだ!)

【問二,では彼らに異能(や、類する能力)は通じると思いますか?】

上条(また変な質問だなー、考えた事もなかった。どうだろ?)

上条(”生きてる”の定義は……横に置くとしても、存在するしないで存在するんだったら、まぁなんとかなるの、かな?)

上条(俺よりか土御門の方が詳しそうだけど、つーか居る居ない含めて知ってそう……どうかなー?)

上条(『これ人類ってカテゴリへ入れちゃっていいんですかね?ホントに?後で怒られない?』的な知り合いがねー、神裂さんとか)

上条(銃で撃たれてもまるで世紀末覇○の如く無傷なボスとか、アックア)

上条(次元スパスパ切ったりぃの、なんかこうオーバーオールやドラム缶の人達みたいな人外魔境も居たり)

上条(最近のフラッシュメモリぐらいの大きさにまでスリムダウンした”人体”を見るに、どっちが健全か分からんわ)

上条(なので――まぁ、これもマル、かな?)

【問三,語尾に「りゅん」は有りか無しか?】

上条(はい×と。電波だろ、つーか電波だろ。仙台さんもとんだとばっちりだよ)

上条「――って最後の設問おかしいだろ!?なんでUFO呼ぶ可哀想な子の話になってんだ!?」

女の人「最近見たオカルト番組で、『りゅんりゅんりゅんりゅん』とUFOのモーター音を口で言って呼ぶ人居て、爆笑しました」

上条「俺も見たし!見たけどさ!そもそもUFOにモーターってついてんの?謎パワーで飛んでんじゃないの?」

女の人「つまりあなたはUFO否定派だ、と?」

上条「居たら楽しそうかもだが、対人関係でがんじがらめになってんのに、これ以上柵は嫌なんだよ」

女の人「どこかの国の王位継承者で、実家に封じられていた宇宙海賊(女)を解放したばっかりに……!」

上条「天地無○な?お前、ウチの家系DISってんの?幾ら何でもあそこまで爛れてはねーからな!多分だけども!」

上条「んで?結局これ何の意味があったんだ?」

女の人「いえ大しては別に特に何も。さっき言ったのも私の想像ですからねぇ。まぁ?あえて言うとすれば、これはただの――」

女の人「――『簡単なアンケート』、ですよ」



――学園都市某路上 夏のある日

ミーンミーンーミーンミーン……

上条「簡単なアンケートなぁ?……その割に内容が不穏当なものばっかりだっ――た?あれ?」

上条「……ん?」

上条(どこ行った?あるぇ?今まで話した、ん、だけどさ。あれ?)

上条(まさか夢?幻影系の能力者――な、筈はないか。わざわざする意味がない)

上条(てかボールペン持ってるし、返すの忘れただけだな……と、なんか書いてある)

上条(今時の100均でも見ないようなデザインのキャップ式ボールペン、その透明な側面に明朝体で『今田建設』)

上条(聞いた事あるような、ないような?あー……そういや憶えてるわ。夏休み入る前か)

上条(クラスの誰か、『割のいいバイトが見つかったんだよ!』って自慢してやがったなー……って)

上条(アイツの名前、なんつったんだっけ……?それと……夏休み後に戻って来た、ん、だっけか?)

少女「――スイマセーン、あのー?」

上条(てか去年の夏は、どうした?夏休み前にインデックスと出会って――)

少女「モシモーシ?聞いてますー?シカトですかー?イジメ良くないですよー?」

上条(ロシアへ行って死にかけて帰って来て、バードウェイやアリサと遊んで、だよな?間違ってないよな?)

少女「――せいっ」 ピシッ

上条「――あふんっ!?」

上条「――ど、どうした!?今なんか喉に地獄突きのようなツッコミが入った気が!?」

少女「キノセイジャナイデスカー?」

上条「ってキミ、あれ?」

少女「やっぱ話聞いてないし」

上条「ここはどこ?俺は誰?」

少女「ツッコミで記憶が!?」

上条「は、冗談だけども、やっぱ君か」

少女「だって、オニーサンが話聞いてくれないからー」

上条「……」

少女「オニーサン?」

上条「……ブワッ! 」 (´;ω;`)

少女「なんで泣いた!?」

上条「苦節……そう、始まって結構長いけど!初めて妹キャラが!俺を慕ってくれる方のねっ!」

少女「慕ってない。あと妹キャラ違います」

上条「あ、あぁつい取り乱しちゃってゴメンな」

少女「割と本気で謝れ、私に」

上条「――で、何?何か用かな?またアンケートのテンドンすんの?」

少女「アンケート……アーイエイエ違いますね、じゃなくて」

上条「うん?」

少女「チョットお話でも、と思いまして――ダメ、ですか?」

上条(今度話しかけてきた子、女の子だ……いや違ってたら人間不信になるわ)

上条(やや薄めの、格好良い言い方をすれば夜色、悪い言い方だと――ナス?ナス色の髪をツインテにしてる)

上条(白井さんの同じぐらいだが、こっちの子の方がボリュームはある……いえ髪の話だよ?それ以外の話はしてないんだからね?全然全然?これっぽっちも?)

上条(歳もビリビリぐらいかなー……夏っぽい涼しげな格好……と、旅行用と思われるシンプルな――おっさんが使うような――ボストンバッグを地面へ降ろしている)

上条「俺で良かったら付き合うけど、君も旅行かなんか?」

ナス子?(少女)「ハイ、私のお友達と遊びに行く約束……なん、ですけど」 チラッ

上条「ど?ドタキャンでもされた?」

ナス子「じゃなくってですね、エーットぉ、さっきから声かけられちゃいまして」

上条「……あぁ了解。君、可愛いもんな」

ナス子「マタマター、オニーサンったら口が上手いんですから。みんなにも言ってるんでしょ?」 ペチペチ

上条(照れたように俺の肩を叩いてくる……なんだこの可愛い生き物!俺の周りには居なかったタイプだ!)

ナス子「テーカ、オニーサンも今からどこかへ行くんですよね?だったらナンパしてるヒマなんてないんじゃないかなー、と」

上条「いや普段からもしてないが、まぁ弾よけで良かったら俺なんか幾らでも」

ナス子「やっだなぁオニーサンったら、ナンパしないなんて彼女さん持ちは余裕ですねぇ」

上条「彼女……あぁうん、彼女ね、居たらいいよね、うん、ホントにね」

ナス子「はい?」

上条「てか最近思うようになったんだけどさ、彼女ってアレだ、UMA扱いなんかじゃないかな?ツチノコと一緒で?」

ナス子「言葉の意味はよく分かりませんが、居ないんですか?カノジョー?」

上条「あんなおっぱい大きいけど脳が残念な子は嫌だ」

ナス子「ソーナンデスカー?あ、だったらオニーサン格好いーし、私、立候補しちゃおーかなー、なんて」

上条「そ、そんな事言われての初めてだけど……」

ナス子「ンデ?オニーサンのお名前なんてーんですかー?」

上条「上条、上条当麻です」

ナス子「……」

上条「はい?」

ナス子「……チェー……時間の無駄だったか」

上条「……はい?」

ナス子「テカよくよく考えれば分かったかー。だってこのクソ暑い中、待ち合わせ場所が同じなんてありえないし」

ナス子「イヤー失敗失敗。手っ取り早くコネ作ろうとするもんじゃないねぇ」

上条「あのー……ちょっといいかな?なんで君、露骨に態度変わって――」

プップー

上条「お、車が入って来――」

リムジン(※全長7メートル) ブロロロロロロロッ

上条「――日本の交通事情じゃトラップ扱いのリムジン入って来やがった!?」

ナス子「別名テトリスの『棒』ですね」

ナス子「しかも周囲に停めてあるバスがこぞって道を譲る……アー、なんか能力使ってんなー」

上条「まさか――つーか確定だよ!こんな残念な事するのあの残念な子しか居ないもの!」

ウィーン……

ナス子「ア、窓が開いテー……」

食蜂「上条さぁーん☆かっみっじょーさぁぁぁぁぁぁん☆」

上条「遠くから俺の名前を連呼すんなよ!?関係者だと思われるでしょーが!いや関係者だけどさ!」

ウィーン……

上条「あ、別の窓も開いて――誰?少しビリビリに似た女の子、か?」

茶髪の女の子「みーちゃーーーーーーーーーんっ!なんかスッゴイんだよ!車がおっきくておっきいの!」

茶髪の女の子「ピッってやったらね!星がキラってみさきちゃん凄いんだよ!」

ナス子「ドリーに悪い影響を与えるから能力を使わないで言ってるでしょ!?」

上条「言ってやれ言ってやれ。あのおっぱいに言ってやりなさいよ」

黒髪の女の子「だから人の居ない所でしろってあれだけ注意したのに!」

上条「あれ?君もそっち側の人なの?人として残念な系の子なんだ?」

食蜂「上条さん、お・ま・た☆」

上条「取り敢えず車と運転手さんを元あった所へ捨ててきなさい!何でもかんでも拾って来ちゃダメだってお母さん言ったでしょ!言ったじゃない!」

食蜂「えー、旅行って言ったらこういうのが普通力じゃなーい?」

上条「どこの世界に運転手付きリムジンで遠出する学生が居る!?アラブの富豪じゃあるまいし返してきなさい!」

食蜂「アラブだって私の魅力力でチャームし・ちゃっ・た・ん・だ・ゾ☆」

上条「それ能力的な暴力って事だよね?多分向こうの王族は対策――つーか魔術師雇ってるから、返り討ちに遭うと思うが」

上条「あと魅力に”力”って着ける意味あるかな?最初誤字かと思ったよ」

ナス子「……これは」

上条「な、なに?」

ナス子「天然ボケ×2で間に合わなかったツッコミに光が――!」

上条「え!?俺ってやっぱツッコミ要員なの!?」

食蜂「さぁ――海へ行きましょお!」


プロローグ −終−

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