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Clock(trial)

土御門「『はるるんの突撃お隣っぽい晩ご飯シリーズ延長戦!』」 〜土御門家の楽しい没落の歴史〜

 
――上条家のアパート

土御門「『――はい、っていう訳ではるるんの突撃お隣っぽい晩ご飯シリーズ!延長戦だぜぃ!』」

土御門「『先週はまさかのご本人登場でコメント欄が荒れるに荒れたけど、お宝回収ターンは定期的にすっから心配すんなお前ら!ご本人の許可も出たし!』」

土御門「『そういっと禁書目録の分は……まぁステイルに送ればいっか。カミやん名義で』」

土御門「『ちゅー訳で今日は途中で終わっちまった続きだぜぃ。本丸であるお風呂場がまだだからな!』」

土御門「『……あん?何か水の音がする……?カミやんは別宅に帰ったはずなのに――』」 バサッ

上条「きゃーーーーーーーーーーーーーーーえっちーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー――」

上条「――じゃ、ねぇよ!?シャワー使ってのは分かるだろ音すんだから!?『俺汗流してから帰るわ』って五分前に言ったばっかだし!?」

土御門「『気をつけろ上条当麻!邪悪な陰陽師の攻撃を受けている……!』」

上条「だからお前だよ。俺のシャワーシーン生配信して稼ごうと思ってるアホは」

上条「てゆうか悪いけど需要ねぇよそんなもん!佐天さんぐらいだった話別だけど!」

土御門「『凄いよなあの子。某大御所エ×作家さんについこないだも取り上げられてたにゃー』」

上条「俺は買ってないけど驚愕したわ。俺は入手してないがなだって18歳未満なのだから!」

土御門「『ある意味”クラスの女の子があんなことを……!”的な話だせぃ。ロマンはある、ただし性癖が歪むデメリットはあるが』」

上条「ノーコメントだよ!だってフィクションの話なんだからねっ!」

土御門「『あ、もうちっとつめて貰える?じゃないと俺が入れないにゃー』」

上条「ホ×ネタで配信数稼ぐんじゃねぇよ。そういう人たまーにいっけど、ファッションやマウント取るためには違うわ」

土御門「『今から五分間に何があったのは――有料チャンネルにて後追い配信するぜぃ!』」

上条「させねぇよ?実の息子がシャワーシーンを有料で提供してるって父さん母さんになんて言ったらいいのか分からんねぇからな?」

土御門「『”当麻、すっかり大きくなって――まぁ二重の意味でね!”』」

上条「やかましいわ!?確かに父さんは言いそうだけども!」

土御門「『”当麻さん、すっかり精悍になって――まぁ当麻さんの当麻さん的な意味でね!”』」

上条「母さんも言うわー。だってロシアで北極海ダイブして帰ってきても説教12時間で許してくれるんだぜ?」

土御門「『カミやんもだけど良い意味で狂ってるにゃー。良い意味で』」

上条「自分の子供が死にそうになってんのにフリーハンドを貫くのは当事者の俺もどうかと思うが……」

土御門「『てか気になってたんだけど、カミやんあんときどうやってご両親に説明したん?”ちょっくらフィアンマぶっ飛ばしてきた!”じゃないよな?』」

上条「『友達が攫われてロシアまで行ってそげふしてきた』」

土御門「『……反応はなんて?』」

上条「『やっぱり血なのよねぇ……』って」

土御門「『カミやんの血族ってそろそろお家断絶させても良くね?子孫が苦しい思いをするだけだぜぃ?』」

上条「やかましいわ。勝手に人の家系を打ち止めにすんなよ――」

上条「――まっでも、このままだったら結果的にはそうなるんですけどね!結果的にはね!あは、あはははははははははははははははっ!」

土御門「『気を落とすなにゃー。きっとカミやんも何でも言う事を聞いてくれるチョロい彼女が出来る筈だにゃー』」

上条「男の夢ではある――だが実際にそんなんいたら、ただただ怖いわ!つーかお前何やっんての?帰るんじゃなかったの?」

土御門「うんまぁ前回の補足っちゅーか伝え忘れた事があったていうか」

上条「まさかの『土御門家=安倍晴明の子孫』……ッ!サインください!『上条当麻君へ』って書いて!」

土御門「任せろぃ!【上条当麻君へ、かまどたんじろ○】っと!」 キュッキュッ

上条「あれお前そんな名前だったっけ?”ど”ぐらいしか合ってなくね?」

土御門「『土の呼吸――ソモサンせっぱ……ッ!!!』」

上条「ヤダ本物かも……!バーチャロンが意味もなく巨大化しそう……!」

土御門「俺もあれビックリしたんだにゃー。『俺の機体?え、ドリル?俺ドリルっぽいって周囲から思われてんの?』ってツッコんだにゃー」

上条「あぁ実はあれは伏線でムーンゲートつまり月の遺産が月だけに有るんじゃなくて実は地球にもあってそれが実は魔術に影響しているって要は惑星全てが俺達のバトルスタジタムでありRNAカラーの方がどう見てもカッケーって事なんだ!」

土御門「超早口で何言ってるのか分からなかったにゃー。マニアにありがちな罠」

土御門「まぁバーチャロンに関する考察はさておくとして、今回は言い忘れた補足を少しやりたいんだにゃー。決してコソ泥に入ったのを誤魔化すとかそんなんじゃないにゃー」

土御門「その証拠に俺のこの澄み切った目を見るがいいゃー。どうよ?」

上条「なんて説得力だツチミえもん!グラサンが暗すぎてどれだけ濁った目をしてるのか分からないぜ!」

土御門「あと個人的には――そういう事情があるんだったら最初っから言ってくれれば、需要なしDK(男子高校生)二人に喋らせておくんじゃなく華○ちゃんにドヤ顔で語らせたかったぜ、と!!!」

上条「無理だよ。今更無かったことに出来ないもの。あの噂の慈悲のあるドヤ顔見てみたかったけど」

土御門「んで今回の補足事項は『安倍氏土御門家・没落していった詳細☆』だにゃー。憶えてるかにゃー?」

上条「10分前に喋ってた内容だからな。これで忘れてるんだったら、俺がパンチドランカー症候群の重度だって事になるわ」

土御門「ぶっちゃけカミやんは限りなくそれに近いと思うんだけど……まぁ気を取り直して陰陽師の話だぜぃ。俺らがブイブイ言わせてたのはいつだにゃー?」

上条「平安時代と江戸時代って言ってなかったっけ?」

土御門「その通りだにゃー。まずは加茂家が現れて陰陽寮の中で頭一つ抜けて、その弟子である安倍晴明、後の土御門家が現れたのがまず一つ」

土御門「次に江戸時代になって陰陽師宗家()になってからが二回目の絶頂期。ナタデコ○ような再ブレイクともいうにゃー」

上条「その間に何やったんだよお前ら。普通は続くだろ、それなりの規模っていうか現状維持で」

土御門「まぁ前にサラッとやった恵方の話、上条「闇ちゃんねるフラグメント――『闇、恵方から来たりて』……とも多少被るんで、復習すると思ってくれにゃー」

上条「ここ勉強してる人いないよ?『人類って総じてアホなんだなー』ぐらいの確認作業でしかないよ?」

土御門「まず公家、エ×zipを寄越せで有名なやつだぜぃ」

上条「匿名掲示板のネタな?あんな画像だったら何言わせても面白いわ!」

土御門「カミやんはどんなイメージある?超金持ち?」

上条「前はな。でも闇咲が『結構貧乏だった』って言ってた」

土御門「その通りだにゃー。結構端折っていうけど、日本の初期の律令制では国衙(こくが)ってのを地方を設置したんだぜぃ」

上条「コクガ?」

土御門「役人である国司が詰める役所、まぁ県庁だったり役所だったり税務署だったり、そんな機能の満載した場所。そこで租税とかも取り扱ってた訳だにゃー」

上条「国司な。あれ?でもそれって」

土御門「その通りだにゃー。地方豪族が出現して各地に荘園が作られたんだにゃー。所謂『不輸不入』が確立されると」

上条「よくまぁ朝廷が許したよな?」

土御門「単純に、そう単純な事実から言えば抑える力が無かったんだぜぃ。そもそも荘園でいっちゃん稼いだのが藤原氏、望月が欠けたるナンチャラのおっさんだしぃ?」

上条「一応は朝廷の都合だったのな。自分達の勢力が続くことを想定した上での政策っつーか」

土御門「そうそう。ただこれをやっちまったのは下作でもあるにゃー。武装集団の台頭、武士の興りになっちまうんだにゃー」

上条「えぇと……幕府だから頼朝か。鎌倉時代の」

土御門「だにゃー。頼朝は『義経を逮捕するためだから!』って言って全国の荘園や公領に地頭を置いたんだにゃー。朝廷支配から武士の支配に変遷する瞬間だぜぃ」

上条「なんで?役人だろ?」

土御門「荘園や公領での行政・司法・徴税権はそれぞれを支配した連中が持ってたんだぜぃ。それを幕府が管理する代官を任官や罷免する権限を持ったんだにゃー」

上条「あー……よく朝廷がキレなかったよな?」

土御門「いいやキレたぜぃ?それが承久の乱、後鳥羽上皇が起した倒幕運動だにゃー。北条政子の『お前らご恩と奉公忘れてねぇだろうなぁ?』的なアレ」

上条「ヤッてんだろその女。旦那とその一族を族滅されてんだろ」

土御門「こないだの大河ドラマ某グラドルが同シーン現代語でドヤってたのは一見の価値があったぜぃ。『ぁぁここまで落ちてのか』ってむ

土御門「――なお、そん時に朝廷側で北条義時暗殺の加持祈祷をしてたのが陰陽師☆ウケるにゃー」
(※史実です)

上条「またしょーもない所でいっちょ噛みしてんのなお前ら!?そのハングリーさはARISAさんの芸能活動にも見習わせたいわ!?」

土御門「だってしょうがねぇだろう!?『生死も司るのが泰山府君……!』とか散々ドヤってたんだから!そういうときこそ俺らの出番だよ!」

上条「でも負けたんでしょ?」

土御門「俺達は悪くないんだ……ッ!ただ武士どもが現世利益に染まってたから『朝廷の権威?何それオイシイの?』ってアフォばっかりだったから……!」

上条「地盤が……西日本だったらともかく、東日本で朝廷とか言われても、その、困るっていうか」

土御門「まぁそんな訳で陰陽師が下り坂に入るのが承久の乱!これテストに出るにゃー!」

上条「何のテストだよ。『陰陽師没落認知度テスト』でもあんのか、ちょっと楽しそうだな」

上条「つーかまぁ……政治に関して責任取らされるのはもどうかと」

土御門「仕方がないにゃー。当時では政治も宗教もほぼ一体化してたしぃ?これよりも前の崇徳院上皇の祟りも抑えられないって疑問符がついてたんだぜぃ。飢饉もそこそこあったし」

土御門「んでこのあと鎌倉時代で朝廷及び公家は次第に力を失っていったんだにゃー。カミやん君、理由は分かるかにゃー?」

上条「武士の支配?」

土御門「広義で言えばまぁ正解だにゃー。もっと正しくは地頭が勝手やらかしまくってんのに、直接的武力のない朝廷や公家ではどうしようもなくなっちまったんだにゃー」

土御門「なので何かあったら幕府に要請して、幕府は朝廷に従って正す――ていう形が定着するにゃー。これが鎌倉幕府の最大の特徴かもしれないぜぃ」
(※個人の意見です)

上条「それ以前はどうだったんだ?公家も戦ったの?」

土御門「元々武士って概念が定着する前は武装集団も貴族が殆どだったにゃー。藤原純友(ふじはらのすみとも)って知らない?海賊鎮圧を命じられて、鎮圧した後に海賊になって大暴れした人なんだけど?」

上条「なにそれこわい」

土御門「太宰府とかも襲撃してるし、平安時代では平将門に継いで有名な反逆者だにゃー。場所が瀬戸内海だったから脅威度はこっちが上かも」

土御門「まぁこんな感じで朝廷、主上とその朝臣たちからは武力が削がれていったんだぜぃ。善悪は別にして」

上条「安倍晴明の子孫が主上っていうとなんか格好いい……ッ!」

土御門「俺の人生でそんな誉められ方したのは初めてだが……まぁ、この幕府との関係はそこそこ成功はしてたんだぜぃ。荒事は他人に任せて宮中は、って感じで」

土御門「一部は公家も荘園を保てていたし、武闘派の貴族もいるにはいたにゃー。まぁそれはそれで後から問題になるんだけど」

土御門「ともあれある程度喰えて平和だったら誰も文句はいわないにゃー。まぁ言うのもいるけど――が、しかし。それはあくまでも”””政情が安定していれば”””だけだにゃー」

上条「何かあったっけ?」

土御門「室町幕府で超っっっっっっっっっっ荒れたんだぜぃ。政情不安っつーか幕府が超弱々で幕府成立当時からボロッボロで」

上条「尊氏やっちまったのか」

土御門「室町時代のスタート地点が南北朝時代、まぁ区分が正しいとかそういうのは横に置いておくとして、貴族と武士を巻き込んでの戦争……いやまぁ抗争?」

土御門「その間にも観応の擾乱って、室町幕府の中の内紛が始まって余計に乱れたり、なんつーかまぁ出だしから散々だったんだぜぃ」

上条「『逃げ上手の若○』か。いやまさにそうなんだけど」

土御門「あの子も足利幕府がきちんと機能してればさっさと斬首されて終わりだった筈だぜぃ。どこで終わらすのか不明だが」

土御門「まぁそれでも?室町幕府は頑張って南北朝も内紛も収めたんだにゃー。個人的にも『これもうダメじゃね?だって主上二人ってどういうこと?』って感じなのに、俺は評価したいと思うんだぜぃ」

土御門「ただこの、南北それぞれで争った結果、様々な地方の豪族が大名化していくんだにゃー。ある種のジョブチェンジで」

上条「サムライの上位種だな!エルミナージ○で見た!」
(※盗んで取れる『旗』アクセサリーが凄い便利)

土御門「当然、そう当然の話な?幕府以外にも強い武装集団がいる、当然集権国家とは程遠い存在になっちうまんだ。残念ながら」

上条「じゃあ足利幕府って無視されてた?」

土御門「っていう訳でもない、特に初期は。足利幕府は肥大した地方勢力、大名間の利益配分を差配することで権威を保ってたんだわ」

土御門「少なくとも『一休さん』のアニメに出てくる三代将軍足利義満は超有能で、南北朝を融和させたりした――が、まぁここでピークだったにゃー」

土御門「彼が死ぬとそれはもう下り坂の一途に。幕府が目指してた調停政治も、昵懇にしてた細川など身内に甘いって事から支持されなくなっちまったんだぜぃ」

上条「悲しいまでの先細りだよな」

土御門「あとはご存じの通りに織田信長など有力大名が現れる戦国時代に突入するにゃー。その時点で足利はほぼバラン状態に」

上条「刺身に入ってる青いペラいの……!」

土御門「さて、この頃我らが陰陽師が何をしていたのかと言えば――」

上条「ば?」

土御門「ちょい息を吹き返すんだにゃー!頑張って武士に取り入ったんだぜぃ!」
(※実話)

上条「よく出来たな。直ぐにサットゥーマされて終わりだと思ったが」
(※サットゥーマ=「死して屍拾うものなし」)

土御門「いやまぁ朝廷内への影響力はあったから?頼朝と足利に取り入ってワンチャンやったにゃー」

土御門「そしたら連中、田舎者だってコンプレックス持ってたらしく部分的に重用されたり、公卿ってまぁ安倍氏では過去最高位にまで出世したんだぜぃ」

土御門「なのでこの頃には宮中儀式一頭は土御門家、次に加茂家と序列が完全に決まっちまったにゃー。悲しいかなこれも戦いなんだにゃー」

上条「――はい先生!土御門さんちは陰陽師よりも詐欺師の方が合ってると思います!」

土御門「うんまぁ、それはそうな?ホントにマジでそう思うわ」

土御門「でまぁ頑張って頑張って足利にも取り入るんだにゃー、大体それが義満の頃」

土御門「これには義満が『天皇に成り代わろうとしていた』って説もあって、そのために陰陽師も利用していたんだって話もあるにゃー」

上条「へー、そんなんやってたんだ?」

土御門「義満が『俺に太上天皇(譲位した天皇の尊号)ちょーだい☆』って言ってたりしたしぃ?」

上条「無理だろ。つーかよくまぁ言ったなそれ!?色々な人敵に回すに決まってんじゃねぇかよ!」

上条「あぁでも一応復権したって言うんだったらドヤってたんじゃねぇの?やり方もどうかと思うが、まぁ」

土御門「カミやん君なにを聞いていたんだにゃー?義満以降足利は下り坂だって言ったよね?」

上条「フラグじゃねぇか。悲しいけどそれフラグだよ。だって一級フラグ建築士の俺が言うんだから間違いない」

土御門「あーまぁこの後、『応仁の乱』って起きんのな?足利・細川・山名家の内戦、つーか抗争」

上条「回収するスパンが早すぎる……!」

土御門「しかもこれ、何が問題かって当時の足利の本拠地って京都だったんだにゃー。直参っちゅーか幕府衆もなんだけど」

土御門「だもんでよりにもよって主上の足元でやっっっっっっっっっっっっっっっべぇぐらいの騒ぎになったんだにゃー。それぞれの勢力が焼くわ盗むわ×すわって感じに」

土御門「その対象は武家だけじゃなくて寺社や公家まで満遍なく。有名な所も全くお構いなしだったにゃー」
(※含む御所)

上条「あれ、それって公家が力をなくなったからじゃ……」

土御門「そういう側面もあるんだぜぃ。はっきりいって自分達の身を守れないほどに弱体化してたんだにゃー」

土御門「当然荘園からの収入なんてのは入らないし、そこに別の大名が入って横領しまくるのもよくある話だぜぃ。なので禁裏も公家も、この時代は超絶金がなかった」

土御門「その証拠に前にも闇咲が言ってたように、『1,383年から1,625年まで間、皇后不在の時期が300年弱あった』と」
(※史実です)

上条「それも凄い話だよな。正式に奥さん迎えると金かかるからって話で」

土御門「それどころか主上がお隠れになった後の葬式代すらなかった。だから金が工面できるまで放置、というようなことすらままあったんだぜぃ」
(※史実です)

上条「そして当然一番偉い人がそんな状況にあるんだから……」

土御門「公家も『土倉(質屋)に家宝を持ってった』って感じに」

土御門「ただまぁ?家によってはまだマシだったんだにゃー。公家には『相伝』っちゅーか、それぞれに伝授できる学問があったからな」

上条「相伝?一子相伝の?」

土御門「漢字で言えばそうだぜぃ。中身は歌・蹴鞠・書・音楽・作法、とにかくそれぞれが得意としていたものを他家へ教えて稼いでいた家もあったぜぃ」

上条「あー……じゃあ元春さんのご実家も?」

土御門「祈祷でそこそこ食ってたって聞いたぜぃ。少なくとも困らないぐらいには需要もあったって」

上条「いやでも応仁の乱で戦争に巻き込まれてたんだろ?だったら大変だったじゃねぇか」

土御門「あ、大丈夫っす。自分らそんときには疎開してたんで」

上条「………………なんて?」

土御門「いや、戦争じゃん?メンドいじゃん?怖いじゃん?だからうん、所領のあった若狭国(福井県南部)に疎開してたじゃん?」
(※史実です)

上条「お前――お前ホンッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッットそういうとこだからな!?そういうのが悪いんだからな!?」

上条「つーか起るだろ偉い人!?『あれ、土御門君はどこ?何か京都大変なんだけどどこに行ってるの?』ってなるだろうがよ……ッ!?」

土御門「実際なったにゃー。つーか土御門家が全く京に出仕しなかったもんだから、『じゃあいいや、加茂氏の子でも』ってなったんだぜぃ」
(※大体11年ぐらい)

上条「もう無理じゃね?そこまでやってんのに、平和になった後で『陛下!我らの祈祷により悪しき足利幕府とかは退散しました!』とか言って帰るの無理じゃね?」

土御門「いやいや待て待てカミやん!まだ底じゃないんだ!これよりももっと深い底が!」

上条「お前らアビ○にでも潜ってんの?度し難い探窟家なの?それとも上昇の呪いを受けてアホになったの?」

土御門「豊臣秀次って知ってっか?秀吉の義理の息子なんだけど」

上条「あー……秀吉に実子が出来たから切腹させられた人、だっけか?センゴ○で見た」

土御門「そうだな。秀吉の思惑はともかく本来後を継ぐはずだった秀次は処刑され、関係者も多く連座の対象となったんだぜぃ」

土御門「まぁ……曲がりなりにも後継者を族滅させる勢いで、ってのは正気とは思えないが――」

土御門「――このとき陰陽師も『お前ら秀次に加担してただろ!』って大量に弾圧された上、宮中でも欠職扱いに……!!!」
(※公的に居場所を失う。それも陰陽師全員が)

上条「スッゲー神様っているんだな!だって罰が当ったんだもの!」

上条「てゆうかツチミえもん、普通そういうときってとてもエライ人が庇ってくれたりは……?」

土御門「取りなそうっちゅー気配すらなかったんだぜぃ!まぁしょうがないぜぃ!相手が無理矢理関白ぶんどった秀吉なんだからしょうがないにゃー!」

上条「涙拭けよ。そして話して聞いてて俺もどうかと思ったんだよ流石にな」

土御門「なおこの時流罪になった土御門を含む陰陽師は後年勅命によって許されてるにゃー」

上条「よく許されたなお前ら!?俺だったら『ツチミカドさん?ちょっと知らない子ですね』って言うわ!」

土御門「まぁそこはこうカミやんのポッケの狭さとは違うにゃー。まぁ殿上で誰かが赦免に動いてくれたんだろうけどにゃー」

土御門「ほいでもって陰陽師が許されたのは関ヶ原の戦いの後にゃー。つーかまぁ流石に頭オカシイ秀吉相手には何もできなかったんだろうけどもー」

上条「それは単純にどうしようもないと思う。なんつったって天下人になってんだしさ」

土御門「ちなみにここまでの流れで大量の陰陽師が民間に流れたんだにゃー。土御門家の一極支配だったり、政治闘争で負けたり、都落ちしたりとか」

土御門「だがしかし土御門家は諦めない!ダリ○さんはうつむいても!」

上条「あの作品を汚すな、なっ?元旦那とその実家への報復が生温いアレとなっ?」

土御門「しかしここで徳川家が全国支配するに至って一つ障害ができるんだにゃー――『あれ?淫祠邪宗多くね?』と!」

上条「お前らだろ。野に下った陰陽師が絶対に助長してるだろ」
(※当然しています)

土御門「いや、違うんだカミやん!俺達は一応被害者なんだ!」

上条「やー、言ってみろや」

土御門「まず野に下った、つーか在野に放逐された陰陽師もやっぱ食っていかなきゃいけないよな?」

上条「そりゃあな。放逐されたのは気の毒だし、正直土御門家のアホがもうちょっと調整しろやと思わなくもないが」

土御門「でも地下家(下位貴族、殿上、つまり昇殿を許されない程度に位の低い貴族)だったら厳しいじゃん?まぁ実際にはカネなかったんだから、一般人とそんなに変わりなかったらしいんだけど」

上条「そういう立場に追い込んだのもお前らだと思うが……大変なのは分かる」

土御門「けどやっぱプライドとか矜持ってあるよな?今まで陰陽師やってきたっていう」

上条「理解は出来る。『あぁこれも前フリなんだろうな』って」

土御門「そう!だから連中は自らの陰陽師の腕を振おうとしたんだ!例えば――」

土御門「『――大変だ!この家には悪霊が憑いている……ッ!!!』ってな……ッ!!!」
(※やらかしました)

上条「今と変んねぇじゃねぇか!?まぁ概ねそんなこったろうとは思ってたけどな!」

土御門「だって仕方がないんだぜぃ!当時の科学の最先端はオカルトだし、実際に不幸があったら悪いモノが憑いているとか誰それの祟りだとか、そういう話になったんだから!」
(※これもまた現実です)

上条「てかそこら辺はどうなんだ?野良陰陽師が嘘ぶっこいてたのか?」

土御門「んー……まぁ、善意って可能性もあるっちゃあるぜぃ。今まで宮中でしか発揮できなかった自分達の知識を、民間で救済のために使った、って可能性もある」

土御門「勿論勿論?その反対に悪意だって可能性もあるし、逆に呪殺とか不幸を呼ぶ祈祷を依頼されて実行するアホどもいたんだにゃー」

上条「あー、そっちの方が需要ありそうだよな。いつの時代も嫉みはあるだろうし」

土御門「そう!そして脱法呪術の濫用によって人心は乱れに乱れるぜぃ!」

上条「脱法ドラッグみたいに言うなや」

土御門「だが心配ご無用だにゃー!そんな野良ザッコ陰陽師どもの前に立ちふさがったのが――」

土御門「『――もう安心だ!俺が、俺達が陰陽師大家の土御門一族だ……ッ!!!』」

上条「なんでだろう……消防士が放火したのをセルフで消しにいってる感が……!」

土御門「これで民間に流れた陰陽師がオカルトを伝播し、それを打ち消すために陰陽寮が動いた!段々とオカルトの側面ばっかが強くなっていった訳だ!」

上条「酒だったら蒸留酒になったのに残念だよな」

土御門「まぁそんな感じで俺達は巷の怪しいオカルトへ対してのカウンターとしての役割を望まれるんだぜぃ!名前あり歴史あり人材あり人望なしの当家に!土御門家が全国の陰陽師を統括するという立場を受けたんだにゃー!」

土御門「その名も『陰陽師宗家』!どっかの和泉元○っぽくて縁起悪いけど!」

上条「今何やってんだろうあの人……チョコプ○のモノマネでしか見ない」

土御門「その権力も絶大で!日本全国の陰陽師を認可できるのも土御門家に一任!ビバ・トクセーン!」

上条「――はい、土御門先生。質問です、はーい!」

土御門「はいどうぞカミやん君!多分視聴者も同じ疑問だって思うから!」

上条「土御門さんはとても偉い人の臣下なの?それとも徳川幕府の配下なの?」

土御門「よぉく言ったカミやん!ここがまさに土御門家の絶頂期その二だったんだにゃー!」

土御門「宮中行事も一手に任され、しかも途中で更にぶっこいて『土御門神道』を起したぜぃ!陰陽だけじゃなくて神道の世界も触手を伸ばす!」
(※何を思ったか本当にやからしました。別名『安倍神道』)

土御門「お伊勢様がなんだ!春日大社がどうした!トクセン家と組んだ我らが全てを一手に担う……ッ!!!」

上条「えーっとな、画面の前のみんなは憶えておいてくれよな!これは専門用語で『ジェン○を詰む』って行為なんだ!」

上条「別名死亡フラグとも言うから、みんなも是どうか注意してくれ!まぁ大体回避できねぇんだけど!俺の経験上は!」

土御門「だがしかし繁栄を極めた土御門家にも暗雲が迫る!異国からは魔の手が迫り、国内からはサットューマ人がチェストすると光って唸る!」

土御門「『葵のご紋?あぁなんか新しいスイーツね』っていう戦闘民族がご維新と称して幕府を倒す!明治維新が成功してしまったぜぃ!」

土御門「が、土御門家は負けない!明治政府に擦り寄って今度は旧幕府側にあった天文・測量部門を吸収したんだぜぃ!」

土御門「勝ち馬に乗り続ける!次は明治政府でブイブイ言わせやるにゃー――と、思ってた矢先」

土御門「明治政府は太陽暦の導入を検討していると一報が!」

上条「太陽暦……あぁそうか。昔は旧暦の太陰暦だったものな。けど何かマズいのか?」

土御門「そりゃあもう。天候や暦を制定して売るのが陰陽師だし、それに関わる宗教行事を統括とかもしてたしぃ?」

土御門「逆に日本政府は諸外国で使われてるのがグレゴリオ暦だったし、あと『給料が旧暦だと13ヶ月になり一ヶ月多く払わないといけない』って説もあるぜぃ」

上条「昔あった閏月だっけ。なんでだよとツッコんだ覚えがあるわ。他の月を増やせよ、もしくは間違ってんだよ」

土御門「土御門家は抵抗した!したんだけど……」

上条「ど?」

土御門「天社禁止令で『土御門家から認可された陰陽師たちが帯刀したり、駅をキセルするのはダ・メ・だ・ゾ☆あと免許は今後一切おりないからね☆』っていう……!!!」

上条「トドメさされてんじゃねぇか土御門さん。しかも狙い撃ちで」

土御門「……まぁ?なんだかんだで公卿の一員だったし?華族としての立場は貰えたんだにゃー。一応はだけど」

上条「面白すぎるだろ土御門家。大河ドラマでやんねぇかな、『安倍晴明〜その子孫達〜』ってタイトルで」

土御門「――だがしかしカミやん知ってるか!?本当の土御門家は今もなお日本魔術師界の超重鎮であり、この社会を裏から支配してるってことを……!」

上条「うん、そうだな。魔術が存在する世界観だったらそうかもしれないよな。魔術が存在する世界だったら」

土御門「あー良かったにゃー魔術が存在する世界で!魔術が存在しなかったらただの千年かけた特大ジェンガだったぜぃ!」
(※旧皇族・華族がその地位を失っても”それなり”の社会的ポジションにあるのに対し……)

上条「なんだろうな、こう……絶滅危惧種の最後の一匹がイキるのは、きっとこんな感じなんだろうなって感想しか」

土御門「以上が土御門家没落の歴史田だぜぃ!次からはフィクションで安倍晴明とか見ても『あぁこいつの子孫って不義理を繰り返した挙げ句、あと数十年経ったら断絶するんだよな』って温かい目で見守ってくれ!」

上条「ある種最大の罰ゲームだよな。大抵どこかしらの雑誌には陰陽師のレギュラーいるし、その中でも安倍晴明は悪役が多いし」

上条「たらればの話になっけどさ、どこでどうしてれば今も土御門家は残ってたと思う?」

土御門「芸能枠で残ればワンチャンあったかもにゃー?大手の神社仏閣が残ってる以上、宗教枠でも生き残るのは可能だった訳だしぃ?」

土御門「権力側に近づきすぎた上、時代の流れで済ませるにはあまりにも不義理が多すぎたんだにゃー。マジで笑える話ですたい」

土御門「まぁカミやんも精々気をつけることだぜぃ……!こうしている間にも第二第三の土御門が虎視眈々とこちらを狙ってるんだにゃー……!」

上条「すっかり妖怪側になっちまったのな。まぁ妖怪側が主人公だと大抵悪役だけど」


-終-


――補足・その二 『泰山府君』

土御門「そういやカミやん知ってる?『天子(てんし)』の語源って知ってるかい?」

上条「天子……一番偉い人か。昔の中国でも、つーか三国志でもそんな呼び方してなかったっけ?」

土御門「三国志だとほぼ死亡フラグだぜぃ。曹操に葬送されられんだけど大抵は」

上条「変な韻を踏むなよ。まぁそんなもんかも知んないけど、語源までは知らない。偉い人の子供?」

土御門「あぁそうそう。意味はそれでほぼ合ってるにゃー。問題はその『偉い人』が誰かって事で」

上条「……王様じゃ?先代の?」

土御門「ではないぜぃ。ここの”天”ってのは『天帝(てんてい)』を指しているぜぃ」

上条「天帝……!北斗の○にいそう……!」

土御門「てかいるぜぃ。リ○きゅんの双子の姉妹。まぁそれは別にどうでもいいんだが」

土御門「元々道教が流行る前から中国では『天』って概念があったんだにゃー。言ってみればまぁ全能神?この世界を作った存在で常に世界を治めているような存在だぜぃ」

土御門「んで、その神様の子であるから天子。そして地上を治める権限と能力を持つ、という解釈がなされているぜぃ」

上条「十字教の神様みたいなもんか」

土御門「あー、それがまぁ微妙?つーのも陰が薄い」

上条「なんでだよ。最高神だろ」

土御門「あー、担当する権能がねぇんだわこれが」

上条「何する人なの?」

土御門「人っつーか神なんだけど、『創造神って概念だけが固定化されて、信仰に至る前に他の神にパクられたっぽい』って注釈だにゃー」

上条「どゆこと?」

土御門「まず大昔の中国だと『天』って思想があったんだにゃー。大体『遍く世界を司る何か』的な?それの擬人化したのが『天帝』。全てを支配する神的存在」

土御門「んでその存在から『天”下”』の統治を委譲されたのが『天子』なんだ。王権神授の一種だな」

上条「それだったら他の一神教も似たようなもんじゃね」

土御門「似てはいる。しかし決定的に違う点は民衆には周知されてなかったんだぜぃ」

上条「神様なのに?」

土御門「なのにだにゃー。昔は天子つまり皇帝だけが奉じることを許されていたんだにゃー」

上条「変った神様だよな」

土御門「誰も困らなかったんだにゃー。だって『天子に統治権を与える』って以外に権能を持たなかったから」

土御門「なので『天』の概念はあっても『天帝』自体はそれほどメジャーでもなかったんだが……後に盛大にパクられる」

上条「何となく想像はつくが……」

土御門「『この世界を想像した最高神』って存在に奉られるんだぜぃ。名前とかそれぞれ与えられたにゃー」

上条「前からあったじゃん『天帝』って。今更別の名前つけられても機能しなくね?」

土御門「いや、権能が足されたんだよ。今度は命や生命の神になった」

上条「またよく分からん話になってきたな」

土御門「元々天帝は天子に統治する力を与え、天子はそれを持って支配していた、っていう設定になってんだにゃ−。つまり天に命令されて為政をやってると」

土御門「これが過大解釈されるようになって、というか個人的には必然だとは思うが、今度は『天帝は万物の運命をも司ってる』って風にな」

上条「また大きく風呂敷拡げやがったな!?」

土御門「元々は『天帝は天子に命令して統治している』、そして『天子は部下に命令して統治を委ねている』ってなって」

上条「待て待て。前者は分かるが後ろは意味不明だよ」

土御門「王一人でできない、だから配下に統治を手伝ってもらう、つまり配下もまた天命を受けた、って解釈だ」

土御門「最終的には『天は全ての人間の運命も支配している』って所に収まっちまった。これが『天命』って概念だにゃー」

上条「その割にはそこそこの頻度で王朝交代してなかったっけ?」

土御門「それは『統治者が徳を失い、天子である資格を失った』って事らしいぜぃ?そんで簒奪者、もとい次に立った王様が『革(あらた)めて天命を絵桁天子』って呼ばれる」

上条「どこまでも下克上上等システムじゃねぇか」

土御門「ちなみにこれが『革命』の元になってる。某宗教でお馴染みだが、面倒臭いからこれ以上は言わないにゃー」

上条「え、つまり天の命令を受けたって自称――」

土御門「――でたカミやん!天帝が一人一人の運命握るようになったらまた新しく信仰が生まれるんだにゃー!やったね!」

上条「後付け設定……いやごめんなんでもない」

土御門「大丈夫だ、少しぐらい聞いたことあっと思うから。『庚申(こうしん)信仰』って知ってる?」

上条「闇咲が大分前に言ってたような……?」

土御門「人間の中には三匹の見えない虫がいて、その虫は特定の日に抜け出してとある神様に告げ口をしに行くんだにゃー」

土御門「その神様の前で『○○は悪い事してますよ』って言われるとその人間の寿命は減る。だから抜け出るとされている日には夜遅くまで起きてて見張る、っていう感じ」

上条「流れからしてその神様が天帝?」

土御門「だぜぃ。いつの間にか随分変った役割をゲットしたぜぃ」

上条「三匹の虫とか告げ口とか、変な宗教だよな。そんなん流行る訳ねぇだろ」

土御門「いやいや逆逆、超流行ったんだらゃー。特に日本では『庚申塔』って庚申信仰の名残があちらこちらに残存するぐらいに大流行したぜぃ」

上条「なんでまた?」

土御門「娯楽として流行ったんだよ。『虫が出ないように見張る』って口実で、村の男子会・女子会で集まって酒飲んで夜更かしした」

上条「やだ、俺らの先祖って俗物的」

土御門「今も昔も大差無いぜぃ。あまりにやり過ぎたんで領主から禁止令喰らったところも結構あるしぃ?」

上条「しかしまた何で虫なんだろな?しかも三匹?何か由来はねぇの?」

土御門「諸説・異説様々だが決め手になってんのは今のところないにゃー。ただ少なくとも『抱朴子』にはそう明記されてるだけで」

上条「そっかー『抱朴子』には――ってお前それトンデモ道教の元になった例の本だろうが!?」
(※虫だけど三匹ではない)

土御門「んでついでにこの虫ども。天帝じゃなくて時代によっては別の神の告げ口をするってされてるにゃー。それが――」

土御門「――『泰山府君』だぜぃ」

上条「またなんか変なところで繋がりやがったな!」

土御門「冥界の神だった泰山府君の権能、『寿命を支配する』ってのは当然あるわな?それをパクったのが天帝なのか、それとも逆にパクられたのかは定かではないぜぃ」

土御門「なお日本で泰山府君は地蔵菩薩とかにも習合されてっから、ただ単にそれだけの絡みかもしんねぇけどにゃー」

上条「混沌として分かりづらいぜ……!」

土御門「何度も言うけど王朝が没落して異民族が入って来て、を繰り返している上、漢民族以外の文化もあるため超混沌としてるぜぃ」

土御門「最近では無理矢理『漢民族統一国家』ってプロパってるけど」

土御門「ちなみに中国系の技名で『泰山○○拳!』みたいなのが出てくる場合、冥属性の即死効果があるから気をつけるんだにゃー?」
(※あの世に送ってやるから裁いてもらえ、的な意味)

上条「何をどうやったらいいのか分からんぜ……!」

土御門「他に補足は……あぁ『○○は××の最高神!』的な話はあるんだぜぃ。道教でも『玉皇大帝』か」

上条「初出か?」

土御門「玉皇大帝は天帝の別名で、世界を創った創造神で最高神――なん、だけど。歴史に出てくるのは7世紀頃?天帝の敬称として使われ始めるんだぜぃ」

土御門「それまでは太上老君などしか信仰を集めてなかったんだけど、天帝が本格的に人気になってくると道教に取り入れられて最高神になった、ちゅー感じで?」

上条「雑じゃねぇのか?」

土御門「玉皇大帝自体は泰山府君や北斗星君と同一視されるのもある、つーかそっちの方の一派では『玉皇大帝はウチの神様が転じた姿である!』って解釈もなされてるしぃ?」

土御門「本邦の仏教でもさ?シャカ自体を崇めるんじゃなくて、それぞれの上人を奉る宗派に分かれてんだろ?そのぐらい混沌としてるにゃー」

上条「出典が不明の夜遊び信仰が日本にまで流れ着いてるぐらいだからな!つーか意外に浸透してんじゃねぇ道教!」

土御門「道教は微妙?ただ道教ベースの陰陽道がチラホラと流れてる感じ?」

上条「それも元を正せばお前らの不始末だろ」


-終-

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