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Clock(trial)

『とある素朴な疑問のインタビュアー 上条当麻の疑惑を暴く!?』


――インタビュー

佐天「――はい、という訳で今日は先日に引き続きまして『この人にちょっと聞いてみよう!』、柵中新聞部にお仕事ですよー」

佐天「前回のお客様、常盤台のエースこと御坂美琴さんのぼっち疑惑!綺麗に晴れましたよねっ!」

上条「いやあれ、晴れたっつーよりか確信に変わったの間違いじゃ……?」

佐天「今日もそんな感じでさりげなく真相に迫っていきたいと思います!」

上条「ダメだよね?それ取材対象である俺の前で言ったらダメな台詞だよね?さりげなくないよね?」

上条「なーんか正月早々呼び出されて、『あ、これ喉が枯れるやつだ』って!新年早々これかよ!」

佐天「あーいやいや、上条さんが今回の取材対象になってますけど、それは偶然ですよ、偶然」

佐天「こっちは学園都市240万人から無作為に選出した結果であってたまたまですから」

上条「へー、無作為に?」

佐天「はい、”ツンツン頭・無能力者・ハーレム野郎・右手()・あたしの知り合い”をキーワードに絞り込み、見事一致しました!」

上条「それ作為的じゃないかな?名前出してないだけでほぼ俺を狙撃してきてるよね?」

佐天「と、言う訳ですので!この企画は学校新聞のインタビューですからっ!決してあたしのお友達のMSKさん(仮名)からのご指名なんて事はゼンゼンっ!」

上条「そっかー。この裏にはビリビリが一枚噛んでやがんのかー……今度は俺どこでどんな地雷踏み抜いたんだろ……!」

佐天「まーそんなに深く考えなくても大丈夫ですよっ!軽い気持ちで行きましょう!」

上条「君はもっと色々とヘヴィーな想像力働かせた方が良いと思うな、主に初春さんの胃壁のために」

佐天「問題ありませんって!ヤヴァイ内容でしたらあたし誰にも言いませんからっ!」

上条「これ新聞の取材って体裁なんだよね?だったら最初からする意味無くない?」

佐天「えぇ、ですから誰にも言わずにカチャカチャカチャ、と」

上条「言わないけど書いて暴露か!?余計にタチ悪ぃわ!」

佐天「えー……でしたら記事にはしませんよ!なんでしたら!」

上条「なんでしたらの許容範囲広すぎだろ!?記事にしないインタビューはただのダベって話した以外の何者でもねぇな!」

佐天「まぁそこら辺は多少盛ると言うことでひとつ!」

上条「……あぁうん、俺がやらなくても誰かが犠牲になるんだろうし、やるはやるんだが」



――喫茶店

佐天「では飲み物も来ましたし、さっそく質問の方入らせて貰いますね」

上条「どうぞどうぞ」

佐天「『あなたは一本道を歩いていました。辺りは暗くなってきます』」

上条「いきなり心理テスト!?インタビューですらなかったの!?」

佐天「『前から誰かが歩いて来ました。それは――どんな少女ですか?』」

上条「女の子限定!?」

佐天「答えて下さい!大事なことですから!」

上条「そんな喫茶店へ連れてこられて謎の心理テストで大事なものを計ろうって時点で、もう手抜き感が……あぁいや答える、答えるよ」

佐天「少女……んー、セーラー服の子?かな」

佐天「分かりました!――上は取り敢えず18ぐらいまで許容範囲だ、と。メモメモ」 カキカキ

上条「何?許容範囲って何のこと?」

佐天「『次にあなたがそのまま歩いて行くと突然開けた場所に行き当たります。そこは湖でした』」

佐天「『素敵な景色なので写真を撮ろうとスマフォを出したら、なんと湖へ落としてしまいました!』」

上条「あーあるある。よくあるわー。よくケータイ水ポチャするわー」

佐天「『するとなんて事でしょう!湖から水の精霊さんが出てきて、あなたへこう訊ねます!』」

上条「なんで心理テストで金の斧銀の斧の話になってんだよ」

佐天「『あなたが落としたのはこの”L×(ロ×雑誌)”ですか?それともこちらの”×Q(ペ×雑誌)”ですか?』」

上条「ごめん、ちょっとレコーダー止めって貰ってもいいかな?」

上条「さっきから設問に特定の方向へ誘導するような悪意が見え隠れしてる気がするんだよ、うん」

佐天「『どっちですかっ!?』」

上条「聞かないよねー。君も人の話聞こうとしないよねー。インタビューつってる割に無視だもの」

上条「あー……じゃ、『どっちも落としてません。スマフォなんですけど』って答える」

佐天「『フォッフォッフォッフォッ、正直者の君には両方差し上げよう!』」

上条「スマフォはっ!?そんなん特殊な書店で買える本よりもスマフォ返して!?」

佐天「――ってことでLポイント1アップですね。あ、このペースで上がってしまうと今後のお付き合いを考えるレベルですよ」

上条「……ちなみに聞くけど、どっちかを選んだら?」

佐天「えぇ勿論×リの気があるな、とLポイントがアップしますけど?」

上条「詰んでんじゃねぇかよっどっち選んでも上がんだったらさっ!?」

上条「人里離れた湖の精が×OとL×を迷い人へプレゼントしてる段階で世界観が尖りすぎてる!」

佐天「いえいえそこはそれ、人里離れた山奥へ古紙回収の日に出せないブツを投棄する輩はいるようで」

上条「てか質問が恣意的すぎるわっ!何なんだよさっきから!?」

佐天「では次の質問です。『このインタビューにも飽きたんで、ロ×コンかどうかぶっちゃけてください』」

上条「ザックリきたねー、もう質問の形式すら残ってないもんね――」

上条「――って誰がロ×だよ。なんで俺の性癖を暴くコーナーになってんの?」

佐天「あぁいや一部の常盤台女子の間にですね、そういう疑惑が持ち上がっておりまして」

上条「その一部にスッゲー心当たり……ある、な。うんっ、二択だなっ!」

佐天「そこで詰まってんだから、もう上条さんは割と、本気で、人生を、振り返った方が良いと思います。誰かに刺される前に」

上条「大丈夫!別件だけど地元で一回刺されてるから!」

佐天「……なんで神様は上条さんに数奇な運命をプレゼントしたんでしょうかねぇ……暇潰し?」

上条「何回か会ってるし、今も家帰ったら居るとは思うんだが、まぁその理解で間違ってないと思う」

佐天「ま、そんなこたぁいいんですよ!それよりもあたし的には上条さんの疑惑を晴らすためにお手伝いさせてください!」

上条「佐天さん――いやいや、君さっき無辜の人間を出口のない三択押しつけて冤罪作ろうとしなかったっけ?」

佐天「やっだなー、あれはカミングアウトしやすい空気を作ろう、という気持ちの表れですってば」

上条「佐天さん佐天さん、視線は合わそう?本気でそう思ってんだったら俺の方見れるよな?」

上条「てかあさっての方向いて肩プルプル振るわせてるのは爆笑しているからだよね?心にもない事言って体がビックリしてんだよね?」

佐天「――では、ズバリ聞きます!上条さんは他人様に言えない性癖をお持ちなのでしょーかっ!!!」

上条「なぁ佐天さん俺いつも君に会う度同じ事言ってるけど、君あんま頭良くないよね?」

上条「ここまで元気に声張って今までボケを重ねに重ねつつ、仮に俺がそっちだっとしても張り切って告白なんか無理だもの。誰だってカミングアウトできないもの」

上条「あれだよね、ふなっし○だって『この空気では無理なっしー』って言うレベルの」

佐天「じゃなんかもう面倒になってきたんでアリかナシかってのだけ教えてもらえればいいです。当面の問題として」

上条「アリナシだと生々しくね?てか知り合いの中一の子とするような会話じゃねぇしな!」

佐天「それが無理ならお持ち帰りがアリかナシかで」

上条「佐天さん?君ハードル上げてきてるよね?」

佐天「だったら彼女にしたいかどうかで!」

上条「難易度が上がってるんだけど……いや、下がってんのか?」

佐天「でしたら、あー……『一緒に遊びに行きたいか?』ならどうですっ!軽い気持ちで!」

上条「その質問だったら、まぁ」

佐天「では張り切って答えてもらいましょうっ!『軽い気持ちで一緒に遊びに行きたいか』、を!」

上条「佐天さん佐天さん、君アレかな?あからさまな悪意をもって俺を嵌めに来てるよね?」

上条「お題に不自然な形容詞がぶっ込まれてるし、それだと悪い意味に取られるからな?」



――

佐天「ではでは事前に渡した○×カードを上げて意思表示してくださいねっ」

上条「また手の込んだ長いボケを……」

佐天「では小手調べに――初春飾利さんはどーですかっ!?」

上条 ○

佐天「『――あ、ごめん初春?あたしあたしうん今ちょっと急ぎで』」

佐天「『理由は後から話すけど御坂さんか白井さんの所へ全力ダッシュで!狙われてるからっ!』」

上条「心外にも程がある。てかその反応は傷つくわっ!」

佐天「まぁあたしが言うのもなんなんですけど良い子ですよ。ただちょっと所属がアレなだけで」

上条「初春さんがボコられた事件も犯人捕まってないんだってな……物騒すぎる。今更だが」

佐天「では次は――あたし、なんて聞いちゃってみたり?」

上条 ×

佐天「ためらいもなくっ!?バッサリ切られたし!?」

上条「や、君の人柄がどうとかじゃなくてだ」

佐天「あー……人気ないですもんねー、あたし」

上条「テンション下がったな。なんかあったの?」

佐天「いやこう、クラスの子と話してると『誰々に告白された!』みたいな話、よくするんですけど」

佐天「どーにもあたしと初春に限ってはその手の話とは縁遠いと申しましょうか。えぇ」

上条「君、っていうか君らの場合はクラス男子の大半が片思いしてるタイプだと思う」

上条「修学旅行の夜、『クラスで誰が好きか言い合おうぜ!』っていざ始まったら二人に偏ってる感じの」

佐天「なんで具体的なんですか」

上条「でも一人が抜け駆けしたら即MURA-HACHIへ追い込まれるから、逆に凪ってるだけで」

佐天「やっだなもうっ上条さんったら!そんなワケないですってば!」

上条「多分その証拠に学祭とかでクラスの出し物作るじゃん?そんなで少し困ってたら、まるで待っていたかのように男子のヘルプが入――」

佐天「あぁいやそういう工作大好きなんで、むしろあたしが手伝って回りますが?」

上条「空気読もう、ね?空気読もうぜ?」

上条「男子がいいところ見せるために張り切る場面なのに!君が頑張ってもフラグ潰すだけにしかなってないんだよ!」

佐天「甘いラブコメ良くないと思います!」

上条「くっ!あぁ言えばこう言う!」

佐天「てか意外に評価が高くて嬉しいんですけど、どうしてあたしはNGなんですか?」

佐天「――あ、やっぱり身体的な問題かー、まいったなー」 グッ

上条「佐天さん佐天さん、中学生はその胸を突き出すような腕組みはしちゃダメだよ?なんかそんな法律があったような気がする。ないけど」

上条「てか俺は巨乳派――って後輩の子に断言するようなこっちゃねぇんだけども!それとは別問題だ!」

佐天「では何故に?」

上条「例えば、そうなぁ……君と遊びに行ったとしよう。ちょっと遠目のレジャー施設兼アーケードへだ」

佐天「お、いいですよねー。いつにしましょっか?」

上条「そうだな、次の休みにでも――って行かないよ!?何先の予定決めようとしてんの!?」

上条「てか君のフラグ立てて憶えがないんだが、なんかしたっけ……?」

佐天「そこはそれデートというものに憧れるお年頃と言いましょうか」

上条「あー……分かるっちゃ分かるが」

佐天「なんでも年上が全オゴリで遊び放題!いっぺん豪遊してみたいですっ!」

上条「分からない。君がどんな生き物なのかが分からない」

佐天「あたし的には御坂さんの懐いてる方なので悪い方ではないのかな、と。信頼はしてませんが」

上条「ビリビリも罪っちゃ罪だよな」

佐天「で、あたしがNGな理由はっ!?」

上条「あぁうん、てか脱線させたのは君だが――で、ショッピングモール着いたよね。そしたらどこ行こうか−、みたいな話になるじゃん?」

佐天「現地へ着いてから決めるのは流石にどうかと……」

上条「仮の話だから。でだ、そう俺が話題を振ったら意味もなくチンピラに絡まれたり」

上条「映画見た後には謎の人身売買組織に誘拐されそうになったり」

上条「他にも少し目を離したらとんでもないドラブルに首突っ込んでそうで……!」

佐天「それ上条さんは、上条さんだけは言っちゃいけない台詞のような……」

佐天「あぁでもこの間も誘拐されそうになりましたねぇ。新しい知り合いに助けて貰ったからよかったものの」

上条「危なっ!?君もうちょっと危機感持てよ!?」

佐天「通算で……えっと三回目ぐらい?なんで、まぁ手慣れたもんです!」

上条「悪い事は言わないから初春さんかビリビリに相談して発信器付けて貰いなさい。君のためにも」

佐天「まぁ神様がサイコロ振る的な話はさておき、ミラクルとして白井さんはどうです?」

上条「え、白井さん?白井さんって俺の知ってる白井さんだよな?」

佐天「レベル4の『風紀委員ですの!』で、お馴染みの白井さんだと思います」

上条「……あの子、俺と付き合ったら舌かんで自決しそうじゃないかな……?」

佐天「えぇっと………………はいっ、ではそれは横へ置くとして!」

上条「設定からして無理筋だろ」

佐天「ならば奥の手っ!我らが御坂さんはどーでしょうかっ!?」

上条

佐天「……あれぇ、即答、じゃないんですねぇ?」

上条「てかなぁ、ビリビリとこないだ会ったんだ、会ったんだけど――」

上条「……あぁいやゴメンゴメン。君に話すようなこっちゃないわ、忘れてくれ」

佐天「や、そこまで言ったら気になるじゃないですか。何があったんですか?」

上条「実は――いやでも、うーん……聞かない方がいいんじゃないかな」

佐天「そのタメがもう『聞いてくれ!』って自己主張してる感じなんですけど、どうしてですか?」

上条「引くから」

佐天「イヤイヤイヤイヤっ!何を仰いますか上条さん!略してNO上条さん!」

上条「それただ俺を拒否してるだけだよね?略してないよな?」

佐天「あたしと御坂さんはお友達ですよっ!そんな引くなんてありえないですから!」

佐天「我ら四人生まれは違えども死ぬ時は一蓮托生!そう誓ったと噂されてるぐらいですから!」

上条「桃園の誓いがただの腐れ縁みたいに言うなや。しかも伝聞調じゃねぇか」

佐天「てか御坂さんにインディアンポーカー吹き込んだのもあたしですし、奇行じゃあ負ける気がしませんなっ!」

上条「ちったぁ反省しなさい!君がドンだけ周囲へ心労をかけてるか!」

佐天「て、のは冗談、でもないですけが、まぁまぁあたしも変人よりなのでどうって事は」

上条「……まぁいいんだったら言うけどさ。こないだビリビリと遭遇したんだわ」

佐天「そりゃまぁストー――偶然ですねっ!やったねっ」

上条「不穏な単語に俺もビックリだが……そうじゃない!」

上条「何か道で会ったら挨拶もそこそこにこう言ったんだよ――」

上条「――『あんたがいつまでもトップを走ってるだなんて思わない事ねっ!』」

佐天「……………………うわぁ」

上条「ホーラ引いたねっ!やっぱり誰だって『うわぁ』って思うわ!」

佐天「い、いやぁ引いてないですよ?ゼンゼン?えぇもう友情に誓っても!」

上条「そんな誓い立てないと証明できないような話かよ」

佐天「ただちょっと御坂さんの闇を垣間見た気がしてなんか怖い……!」

上条「だろっ!?怖いよなっ!?」

佐天「ですねぇ。流石に、うん。言っといた方がいいのかな」

上条「だってレールガン打ち込んでも来ないし、砂鉄の剣で斬りかかっても来ないんだぜ!?」

佐天「やだ怖い人一人増えた」

上条「つーかなんだろう……トップを走るって。学業的な意味じゃないし、体力的な意味でもないだろうし」

佐天「――あ、分かりましたっ!これで万事解決です!」

上条「マジで?」

佐天「それはきっと御坂さんではなく、ドッペルゲンガーじゃないですかねっ」

上条「いねぇよ!ドッペルゲンガーなん、て……」

佐天「いえそれがですね、最近起りつつ都市伝説の一つで『あっちにもこっちにも御坂さん』ってのが

上条「……」

佐天「駅のホームでですね、御坂さんの姿を見かけたのでご挨拶しようと追いかけたんですが」

佐天「人混みに紛れて見失ってしまい、どうしよっかと立ち止まっていたら急に肩を叩かれるんです!」

佐天「驚いて後ろを振り返ると何とそこには御坂さんが!ずっと前に居たはずなのに!……って感じの?」

上条「……」

佐天「あれ?どうしました上条さん、もしもーし?」

上条「……佐天さん!」

佐天「は、はい?」

上条「そうだなっ!俺が見たのはドッペルゲンガーに間違いないな!」

上条「だってホンモノだったらあんなフワっとした事言わないから!偽物だったんだよ!きっと!」

佐天「ですよねっ!」



――常盤台寮 その日の夜

御坂「『――もしもし?』」

佐天『あ、ども佐天です!調べてきましたよ!』」

御坂「『ど、どうだったの?』」

佐天『バッチリです!あたしの見立て通りでしたっ!』

御坂「『そうなのっ!?まさか本気で歪んだ性癖を――』」

佐天『ドッペルゲンガーだったそうです!』

御坂「『そんな答えが欲しかったんじゃないな!てかどんな質問すればその答えになるのよっ!?』」

佐天『あと今度遊びに行く約束も取り付けて来ました!』

御坂「『喫茶店代返せ』」


−終−


※このHPはバカ(私)の妄想であり現実・非現実の上条さんとは一切関係ありません

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