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Clock(trial)

絹旗「ニンゲン超観察バラエティ ハマヅリング」


――ファミレス 昔(浜面が『アイテム』の下っ端時代……あ、今もか)

絹旗「――超思ったんですけど、いいですかね?」

フレンダ「あい?なーに?」

絹旗「浜面の超超能力ってなんでしょうね?」

フレンダ「ごめん、絹旗。読みづらい、超読みづらい訳」

フレンダ「てか超能力に”超”つける必要ある?もっと別につけたってよくない?」

絹旗「んこたぁ超どうでもよくってですね、浜面――あー、最近入ったチンピラの金髪って知ってます?」

フレンダ「んー…………む?ちょっと、うーん……誰?つーかどいつ?」

フレンダ「スキルアウト上がりの奴らって、大抵しょっぼい格好ときったない金髪入れてるから、どいつもこいつも見分けつかない訳だし」

フレンダ「あれなんだろう、こう量産型チンピラのテンプレでもあるって訳かなー?うーん?」

絹旗「まぁアレじゃないですがね?都市迷彩的な感じで、街に溶け込むように超没個性な格好をしているのでは?」

絹旗「逃亡する際に似たような格好の集団へ紛れ込んでしまえば、とっさに超見分けはつかない訳ですし」

フレンダ「あー……そう考えると意外と考えられてる訳かー。いやさ、こないだジャージ着たシタッパーの金髪をパシリにした訳」

絹旗「超すいません。それ多分浜面だと思います」

フレンダ「てか話聞いてビックリしたのよ!どう見ても20代後半にしか見えないのに高校生だって言い張って!」

フレンダ「『麦野かっ!アンタ麦野の血族かっ!?』って思わずツッコんだ訳よ!」

麦野「……」

絹旗「ふれんだー、超うしろうしろー」

フレンダ「へ」


〜暫くお待ち下さい〜


フレンダ「――ハッ!?今あたしに何がっ!?」

絹旗「いや別に超気にしないで下さい。お約束と言う名の制裁が入っただけですから、特には」

絹旗「ですから今のフレンダが三人目だとか、超いい加減にしてくださいねっ!」

フレンダ「あれ……?あたしの知らない所で科学と魔術が交差してる訳、か……ッ!?」

絹旗「まぁともあれ、その超浜面の能力が何かなーと思いまして」

フレンダ「待って!?本気であたしがどうなってるのかが心配なんですけど!」

絹旗「ちなみに本心申告では無能力者だそうです」

フレンダ「もう話終ってる訳よね、それ」

絹旗「超甘いですよフレンダ!そんな訳ないじゃないですか!?」

フレンダ「あると思うんだけど……てか、むしろ無能力者だからこそスキルアウトなんてしょーもないチンピラやってたんじゃ?」

フレンダ「そういう残念な子に『お前能力見せてみろよー、何隠してんだよー』とか、イジメよくない訳だし」

絹旗「それはそれで超楽しいじゃないですか」

フレンダ「誰かー!?このドSの性根治してあげてー!?」

絹旗「……いや、案外超バカにはできないかもですよ」

フレンダ「案外と超って相性よくないと思う訳。凄いんだか凄くないんだか」

絹旗「なんてーか、レベルと能力って微妙に超合ってない感じしません?なんかこう、戦闘向けの方が高く出やすいって言いましょうか」

フレンダ「あー、うん何となく分かる訳けど」

絹旗「『相手のささくれが捲れる程度の能力!』……とか?」

フレンダ「痛い痛い痛い痛いっ!?破壊力と致命傷には程遠いけど、地っ味ーに痛い訳!ヤな能力だな!」

絹旗「戦闘中にそんな攻撃食らったら、私は相手が超死ぬまで殴るのを止めない自信があります」

フレンダ「ショッボイけど!確かにそれだったらレベル1あるないかだけど!恐ろしい能力な訳!」

絹旗「もしくは見ただけで相手のカップ数を当てる事ができる超能力が……ッ!」

フレンダ「痛いは痛いけど、イタイの意味が違う訳ね、うん」

フレンダ「てかその能力だったら下着屋さんで就職できるっていうか、むしろそれ以外では変質者っていう訳よね」

バイト店員「いいじゃねぇかよ!そんな能力男だったら誰でも欲しいわっ!」

絹旗・フレンダ「「……」」

バイト店員「あ、コーヒーのおかわりいかがっすか?」

フレンダ「アッハイ、ください」

バイト店員「ただいまお持ちしまーす」 ダッ

絹旗「……なんでしょうね、超なんでしょうね。今の」

フレンダ「狂気を感じる訳だけど、別にカップサイズ知られた所で、ねぇ?」

絹旗「ですよねぇ。精々両足の皿を超念入りに割るぐらいで」

フレンダ「罰ゲームが重い!一生引きずるのは良くないと思う!」

絹旗「なんでですかっ!?人の嫌がる事は超よくないじゃないですか!」

フレンダ「そう、なんだけど、加減ってもんがある訳よ。あたしの住んでる人の国ではね?」

フレンダ「そりゃまぁキヌハターが住んでる修羅の国では、挨拶代わりにDeadRisin○もかくやという部位欠損が飛び交うんでしょうけど!」

フレンダ「謝って!国産メーカーなのに本国発売が遠いゾンビゲームに謝って!」

絹旗「それ海外のスタッフが超作ってるんでCAPCO○超関係無いかと」

フレンダ「あ、なんだ絹旗も知ってんだ?てっきりB級映画にしか興味無いと思ってた訳」

絹旗「そうですけど何か?」

フレンダ「え?じゃなんで――」

絹旗「DeadRisi○gが超めでたく、この度映画化致しまして――」

フレンダ「やめてっ来ないで!?絹旗が喜びそうな映画にはならない訳!」

絹旗「一作目はそこそこのデキで超上手く逃げやがりましたが、二作目は『これ何がしたいん?』と、次回作でのコケっぷりが期待させる一品です☆」

フレンダ「よぉし!それ以上言ったら結局戦争になる訳よ!こっちにだってプライドってもんがあるんだからね!」

絹旗「――そうです、フレンダ今超良い事言いました!まさにプライドですよ!」

フレンダ「な、なにがよ?」

絹旗「浜面にだって超いっちょ前にプライド的なものはある筈なのです!」

絹旗「『俺、こう見えてもスキルアウトのリーダーやってたんだけど……』みたいな、超聞きませんでしたかっ!?」

フレンダ「あー……浜面かどうか忘れたけど、まぁ言ってた子、いた訳か、な?」

フレンダ「でも別に、シタッパーズってスキルアウトまで身持ち崩して、行くところをなくした最底辺連中だから、リーダーの一人や二人珍しくもない訳」

絹旗「えぇですからね、ここは一つ社会的な超実験をし、それとなく私達が浜面能力を把握するのが大切だと思うんです」

絹旗「それが超ショッボイものでしたらあまりイジるのもよくないですし、ですからこう偶然を装ってそれとなく探ろうじゃないですか、と」

フレンダ「いやぁ……そこまでする必要なくない?死ぬ目に遭って自己申告無いって事は、結局どーでもいー能力だって」

絹旗「フレンダのバカっ!」 ボスッ

フレンダ「久々の腹パゲフッ!?」

絹旗「何言ってんですか!?可能性は浜面にだってあるんですよ!浜面にだって!」

バイト店員「あ、コーヒーお持ちしましたー」

絹旗「超すいません。追加でザッハトルテセットをお願いします」

バイト「はい分かりました。お待ち下さい」

絹旗「私は言いたい!そんな可能性を超摘まないであげて、と!」

フレンダ「間がね!なんか熱く語って誤魔化そうってのは分かる訳だけど、今明らかに要らないやりとりあった訳だ!」

フレンダ「てか店員も今大事な話してるっての分かったはずなのに!もっと空気読みなさいよ!」

絹旗「それにほら、えっと浜面は私達の下っ端件雑用を超任されてるんで」

絹旗「今の内にどんな人間なのかを見極め、場合によってはチェンジするのも超大事なんじゃ、と」

フレンダ「あー……まぁ言わんとする事は分かる訳だけどさ」

絹旗「(超チョロっ)」

フレンダ「ん?何か言った?」

絹旗「超気のせいじゃないですかねー、えぇ」



――ニンゲン超観察バラエティ ハマヅリング その一

絹旗「って訳でまず人間の超本性が出るのはどんな時だと思いますか?」

フレンダ「最初から主旨が変わってない?変わってる訳よね?」

絹旗「それはやはり浜面を極限状況下へ置く事により、その秘められた超超能力が発揮するかもじゃないですか!」

フレンダ「そんなんあったら最初からここまで落ちぶれてないと思う……うん」

絹旗「あ、ちなみに実験にはシタッパーズの皆さんの超ボランティアで行われております」

フレンダ「巻き込まないで!?それタダでこき使うって事じゃない!」

絹旗「タダでなんて失敬な。一応超ギブアンドテイクですってば」

フレンダ「いやでも今ボランティアって……」

絹旗「一日だけシタッパーズの皆さんを『お兄ちゃん☆』と超呼ぶ約束をですね」

フレンダ「やだなんかこわい」

絹旗「――フレンダが」

フレンダ「無茶振りがっ!なんであたしに全負担がのしかかってくるのっ!?」

絹旗「まぁ超いい歳のおっさんからすれば、私もフレンダもロ×かと思われます」

フレンダ「……あたし、たまーにアンタのキャラを見失う訳だけど……?」

絹旗「なのでモニタリングその一!超はりきって行ってみましょうかっ!」

フレンダ「お、おぅ」

絹旗「果たして浜面は超この先生き残れるかっ!」

フレンダ「主旨やっぱ変わってる訳!生死まで掛かってるとか意味が分からないわ!」

絹旗「まぁタダをこねるフレンダはさておき、人間の本性が垣間超見えるのはどんな時でしょうね?」

フレンダ「……なんか質問ループしそうだから答える訳だけどさ、アレじゃない?やっぱ悪い事する時とか?」

絹旗「超具体的には?」

フレンダ「拾った財布をネコババしたり?」

絹旗「成程、では超検証してみましょうか」 パチッ

フレンダ「あ、どっかのモニタ――ってゆうかファミレスで広げるのは無理がある訳よ」

絹旗「ま、まぁそこはそれノーパソ持ち込んで浜面の動向を超調べるという体で!」

フレンダ「今更だしツッコまないけど……あ、路上映ってるわけ」

絹旗「今からここに浜面が超通ります」

フレンダ「……いや、いいんだけどさ。ここまでするんだったら麦野か絹旗に『教えて☆』って言った方が手っ取り早くね……?」

フレンダ「で、何置く訳?結局気づかれないみたいイヤだし」

絹旗「超落ちてるのは――DVDです!勿論ケースだけじゃなくて円盤も入っています!」

フレンダ「まぁねーヤローはねー、しゃーないっいうか哀れってゆーかーさ?」

フレンダ「ただそこまでして、って結局思ったりするんだけど――」

絹旗「しっフレンダ!超来ましたよ!」

フレンダ「あっごめん!……あれ?別に”しっ!”必要なくない訳?こっちの音声通ってないんだからさ」

浜面『……』

絹旗「今回の主役、浜面シ……なんとかさんです」

フレンダ「あぁコイツねー。なんかイケボだから憶えてた、うん」

浜面『……』

フレンダ「止まって……こっち見てる?」

絹旗「ショーウィンドウの中にカメラがあるんで、恐らくガラスで身だしなみ超チェックしてるんではないかと」

浜面『――よし』 キリッ

絹旗・フレンダ イラッ

フレンダ「……なんだろう、これ、なんだろう……?」

フレンダ「胸の奥が温かくなるようなどす黒い感情、これなんな訳?」

絹旗「世間一般的には”殺意”と超呼ばれるものですが……」

絹旗「確かに身だしなみ整えるのは良いんですが、もっと別に気を遣う所あるでしょうに」

フレンダ「あたし的には美容院行くお金が勿体ないからって、自前で脱色した髪が!傷みまくってる髪なんとかしなさいよ!」

絹旗「……傷んでボリュームが超減ってるので、なんていうんですかね、こう毛の量?が大分少なくなってるように見えまして」

フレンダ「あー……だからじゃん?なんかコイツがいい歳っぽく見えるのって?」

絹旗「まぁ超面白いので止めませんけどね」

フレンダ「絹旗の愛が分からない」

絹旗「あ、例の場所に通りかかりましたよ!」

フレンダ「お、来た訳かー!」

浜面『……』

絹旗「気づいて、ないですかねぇ?」

フレンダ「失敗?失敗しちゃった訳?」

浜面『………………ん?』 チラッ

フレンダ「見た!」

浜面『んん!?』

絹旗「っていうか超見てますね」

フレンダ「浜面もタダの男かー。まぁ分かってた、分かってた訳だけどさ」

浜面『んー……………………?』

フレンダ「あぁでも拾おうとはしない――てかアレ!」

浜面 スッ

絹旗「あれ……拾わない?……超見なかった事にして立ち去りましたねぇ、これ」

フレンダ「意外と自制心ある訳かー。や、当たり前っちゃ当たり前だけど」

絹旗「私的には超納得行かないです!実験のやり直しを求めます!」

フレンダ「まぁまぁよかった訳よね。人間性もそこそこだって分かっ……あれ?主旨違くない?そんな実験だっけ?」

絹旗「人間性の面で言えば、落とし物を風紀委員へ届けていれば超ベストだったんでしょうが」

フレンダ「まぁねー、でもあんまチンピラ上がりが風紀のお世話になりたくないのも分かるし、まぁスルーも悪い判断じゃない訳よ」

絹旗「……ぬぅ。私としては超不満が残る展開ですけどね」 

フレンダ「ちなみに……あの円盤、タイトルはなんだった訳?エロエロしいの?」

絹旗「”かにゴールキーパ○”です」
(※超B級映画)

フレンダ「待て!浜面に跳ばせようとするハードルが高すぎる訳!あぁいや低い訳か!?どっちかわっかんないけどさ!」

絹旗「幻と言われるほどの名作でもなく、超中途半端に出回っているためこれといってプレミアついてる訳でもない円盤なのに……!」

フレンダ「それ責められるの浜面なの?もっと別に戦犯居る訳よね?具体的にはあたしの目の前に」

フレンダ「ねぇ正解は何?どんな事をすれば絹旗的にはオッケーだった訳か?」

絹旗「そうですねぇ……まず拾って中を確認し、かにゴールキー○ーの円盤が入ってるのを超確認します」

絹旗「次に 『あぁこれ絹旗ちゃんが喜ぶかもな』、と拾いパクするのが最善ではないでしょうか」

フレンダ「ねぇやめて?その前提からゴールを動かすのやめて?そういう企画じゃなかった訳よね?」

フレンダ「まずこれそんな主旨じゃなかったし!その行動が許容されるんだったら全部あんたの腹次第よねぇっ!?」

バイトの店員「補足するとあの映画は紗○が中一時代に出演しててだ、当時からグラドルとしての片鱗を伺わせていたんだ……!」

絹旗・フレンダ「「……」」

バイトの店員「ザッハトルテセットお持ちしました−」 コトッ

絹旗「はい、どーも、です?」

バイトの店員「ではごゆっくりー」

フレンダ「なんか……なんかこう、ちょっとずついっちょカミして来るなあの店員!」

絹旗「まぁマニアというのは超どこにでもおり、その多くが語るのですよ、えぇ」

絹旗「ついこの間もある人の上司が職場でデスクの上に食玩置いてたら、偉い人に超怒られました――『ガンダムを置くんじゃない!』と」
(※ほぼ実話です)

フレンダ「何の話?」

絹旗「ですが!上司は超猛然と抗議したそうです!『その言い方はなんですか、そんな言い方ないんじゃないですか』と!」
(※ほぼ実話です)

フレンダ「唐突に何の話か分からない訳だけど……それで?」

絹旗「『これはガンダムじゃない!ジム・セミストライカ○なんですよっ(`・ω・´)!』と」
(※ほぼ実話です)

フレンダ「抗議する部分違っ!?ツッコミどころを間違えてる!」

絹旗「『見て下さい!陸戦型ジ○よりも全体的にアーマーの量が増えながら、バックパックとスラスターを強化して機動力を高めつつ、ストライカー時代のスパイクシールドを廃してシンプルなシールドへ換装してるんですから!』」
(※ほぼ実話です)

フレンダ「うんごめん。この話聞かなきゃ駄目かな?」

絹旗「どこの世界もマニアというのは超度しがたいですよー、という教訓になりましたねっ!」

フレンダ「……そのトリビアを活用できる日は来ないと思う訳、結局……」



――ニンゲン超観察バラエティ ハマヅリング その二

絹旗「前回浜面がコンプライアンスを守る性格だったのと判明しました。超意外です」

フレンダ「いやぁ、あの円盤落ちてても拾おうって人は、ねぇ?」

絹旗「分かったので、今回はアプローチの方向性を変えたいと思います」

フレンダ「ねぇ大丈夫?これ確か浜面の能力探ろうって主旨だった訳よね?間違ってない訳よね?」

絹旗「なのでそうですね――今度は落ちてる円盤を『中二病でも恋がしたい○』へ変えて、再トライしてみましょうか」

フレンダ「中の人?それアンタ忘年会の一発芸でホンモノと見分けがつかないモノマネ披露してた訳よね?」

絹旗「……では超大負けに負けて、私超秘蔵の『巨乳御手』と思われるカードを……ッ!!!」

フレンダ「すいません。浜面におっぱい大きくなりたい願望はないと思う訳ですけど」

絹旗「なんて酷い事を!超あるかもしれないじゃないですかっ!?浜面にだって可能性はあるんですよっ!」

フレンダ「いやぁ、うん、本人与り知らぬ所で『巨乳になりたい』とか思われてたら、それは引く訳ー」

絹旗「だったら何が良いって言うんですかっ!?どうやって浜面を弄ればと!」

フレンダ「いやだから、主旨……うん!本題がなんだったのか忘れないであげて!

バイトの店員「あれじゃね?本家では心霊ドッキリが定番じゃんか?」

バイトの店員「あとさっきから聞いてると金髪の子のツッコミ忘れが多い。注意しないと」

絹旗・フレンダ「「……」」

バイトの店員「あ、お皿をお下げしまーす」

絹旗「あ、はい、どうも」

バイトの店員「ではごゆっくりー」 タッ

フレンダ「段々絡む感覚が短くなってやがった訳!あの店員!」

絹旗「これはやはり『アイテム』にも超ツッコミ専用の要員を入れた方が良いのかも知れませんね」

フレンダ「麦野いるし。ちょっとバイオレンス過ぎる訳だけどねっ!」

バイトの店員 チラッ、チラチラッ

フレンダ「てんいんが、なかまになりたそうに、こっちを、みている」

絹旗「超暇なんですかね、この店」

フレンダ「ま、まぁさておくとして、早くも頓挫しかかってるこの企画な訳だけど、心霊ドッキリって悪くない訳よ」

絹旗「あぁフレンダってゾンビFPS超好きでしたっけ」

フレンダ「んー……と、まぁ、うんやる方よ?結構」

絹旗「では浜面ドッキリとしてどんなのが超いいでしょうか?」

フレンダ「そうねー、一回流行ったのは地下鉄に乗ったらゾンビの集団が!ってのがあったじゃない?」

絹旗「あれは……ちょっと、超よくないですよね」

フレンダ「あたしもそう思う訳!あんなん来たら誰だってパニクるわ!」

絹旗「あぁいえそっちじゃなく」

フレンダ「”そっち”?うん?」

絹旗「恐らく、私がゾンビドッキリのターゲットになったら超嬉々として立ち向かうんじゃないかな、と」

フレンダ「やだこの子頼もしい」

絹旗「いやいやフレンダだってそうですからね?命の危険性感じたら超反撃するでしょ?」

フレンダ「流石に、ゾンビじゃしない……と、思う訳だけど」

絹旗「なので浜面にゾンビドッキリは超不適切ではないかと思いますよ。ナイフでエキストラ刺されたらドン引きですし」

フレンダ「シタッパーとはいえ、『暗部』の一員としては正しいっちゃあ正しい訳だけどね−」

絹旗「――はい、という事で今からハプニング系ドッキリを超敢行したいと思う訳ですが!」

フレンダ「あ、あれ……?今までの流れは?完全に無視する訳?」

絹旗「まぁドッキリ失敗して傷害事件へ発展したとしても、まぁ超浜面ですしいいんじゃね、と」

フレンダ「鬼っ!悪魔っ!高千穂っ!あんたには人の血が流れてない訳かっ!?冷血かっ!?」

絹旗「てかそもそもドッキリってゾンビに関わらず100%超仕込みですよね?」

絹旗「日本はともかく、海外はもっとバイオレンスなので超フツーに撃たれて終りそうな気がします」

フレンダ「どーだろーなー?つべに素人投稿のジャッカ○上がってるの見るに、死人も出てる気がする訳……」

絹旗「ま、場所が学園都市ですし、今回は穏便な方法を選んでみました――それはっ!」

フレンダ「そ、それは?」

絹旗「『だーれだ?』です……ッ!!!」

フレンダ「水曜日のダウンタウ○よね?それこないだやってたばかりだし?」

絹旗「ちなみに見るのを超忘れました。ですから予告欄以外の内容を知りません」

フレンダ「リスペクトもしてない訳!?」

絹旗「まぁシタッパーズに確認を取ったところ、学生時代には超憧れたシチュらしいですね」

フレンダ「……まぁね。絶滅しかかってるけど、結局少女マンガで生き残ってそう」

フレンダ「てかヤバくない?内容的にロイヤル豚がアレでアレしたばかりなのに!」

絹旗「まぁテレビでやってんですから、いいじゃねぇかなと」

フレンダ「……最初に聞いとくけどさ、今回のは絹旗的にどんな行動を取るのがベストな訳?」

絹旗「超ですね」

フレンダ「そうですね、みたいに言わないで」

絹旗「これに関しては『これが正解だ』というのはないと思います」

絹旗「ただし浜面が超爛れたプライベートをこしらえてた場合、私達の直下での雇用を見直すという方向で……」

フレンダ「なんかもう浜面の能力関係無くなって――あ、最初からか!最初っからそうだった訳だけどねっ!」

絹旗「――超問題ありません!ここで追い詰めれば浜面は能力を使うはずですから!」

フレンダ「そうー、そうよねー――でも、落ち着いて考えて?『だーれだ?』されて追い詰められる人って、どんな人よ?」

絹旗「しっフレンダ!浜面が通ります!」

フレンダ「や、あの、だからそれモニタだし」

浜面『……』 モグモグ

フレンダ「なんか食べてる訳だ」

絹旗「恐らく『歩きながら食べてる俺ワイルドだろ?』を、超演出してんだけど思いますが、一般的にはただの行儀悪い人です」

フレンダ「いる訳ねー、たまーに。コンビニにしろファストフードにしろイートインあんだからそこで食えよっての」

絹旗「歩きながらスイーツ感覚でサバ缶食うヒトに言われたくはないかと超思います――さてでは」

絹旗「『あーもしもし、聞こえますか?……では実験を――はい、よろしくです』」

フレンダ「でもちょっと楽しそうな訳。てかやってみたくはあるし」

絹旗「あ、映りました。今浜面の超後ろから接近しています」

フレンダ「ど――れ?女の子いないんだけど」

絹旗「『――では、やって下さい!』」

フレンダ「ねぇ絹旗、どれよ?だから仕掛け人の子見当たらな――』」

マッチョ『――』 ガシッ

浜面『ムグッ!?』

フレンダ「オッサンにさせてどうすんのよォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!?違う!これ絶対に間違えてる訳!」

フレンダ「てかそーゆーんじゃない!なんで浜面を後ろからハグ(※拘束)してんのがマッチョのどう見ても堅気に見えないヤローな訳かっ!?」

フレンダ「夢が!夢がない訳!ロマンもへったくれもだけど!」

フレンダ「せめて!まだこれがそこそこのシタッパーだったらB的なLのヒトには需要あったかもだけど!」

フレンダ「なんてマッチョ!?よりにもよってマッチョ選んだ意味がっ!?」

絹旗「ちょっと超何言ってるのか分かんないですね」 フッ

フレンダ「嘘吐くなっ!アンタがドSな笑みを浮かべるときは大抵ロクなもんじゃない訳だ!」

絹旗「や、まぁまぁ超落ち着いてフレンダ。私もね、『これやっぱり私かフレンダが実行した方がよくないですかね?』とは言ったんですよ」

フレンダ「まぁそうよねっ!マッチョにさせるよりかはアンタかあたしが――待て、あたしを巻き込むな」

絹旗「そしたらシタッパーズがですね、超こんな事言ってきまして」

フレンダ「……あいつらが?ダメ出しするんだったら、もうちょっと正気な方へ行くと思う訳だけど……?」

絹旗「『絹旗さんやフレンダさんにさせるだなんてとんでもない!そんなご褒美――もとい、あの新入りになんて!』」

フレンダ「あたしらナメられてんのかな?」

絹旗「『見てて下さい!男の”だーれだ?”みせてやりまさぁ!』と、超熱く熱く語られたので、まぁいいかなと」

フレンダ「……シタッパーズも意外と充実した生活送ってんのかもしんない訳かー……知りたくもなかった!」

絹旗「まぁ、そんな感じなので超続行したいと思います」

フレンダ「許してあげて!?白昼堂々背後から暴漢に抱きつかれてる時点で浜面のHPはもうゼロな訳よ!」

絹旗「『誰だ!?』」

フレンダ「いやそんな色気の欠片もない『だーれだ?』初めて聞いた……そしてあたしの人生で最後だと思う」

浜面『だ、だれ?つーか誰っ!?』

フレンダ「そりゃパニクる訳。大声出して泣かない分だけ、むしろ浜面を評価したいかなー」

浜面『こ、駒場か!?……いやそんな訳ねぇか、あ!だったら半蔵!なにテメふざけてんだよ!離せや!』

フレンダ「意外と心当たりある系――ハッ!?もしや浜面BL疑惑がっ!?」

絹旗「ちなみに今の浜面の状態を細かく解説しますと、後ろからマッチョに腕一本で拘束され、もう一本で視界を超ふさがれています」

絹旗「では少しアレンジして――『お前は誰だっ!?』」

フレンダ「きぬはたー、主旨が変わりすぎて原形留めてないわけよー」

浜面『お、俺?浜面、仕上、だけど……』

絹旗「『本当にか』」

浜面『えっ?』

絹旗「『本当にお前は浜面仕上でいいのかっ……!?』」

浜面『え――うぇっ!?違うの!?俺浜面じゃねぇの!?』

フレンダ「なんでここでちょっと心当たりがある訳……?」

絹旗「『全てはマトリック○の彼方に隠されている……!』」

フレンダ「やめて!最近兄弟から姉妹にジョブチェンジした人たちの話をぶっ込まないで!?」

浜面『マトリッ○ス……?』

絹旗「『京ノ○×貴嶋サ○のカップリングはどうなんだ……!?』」

フレンダ「ちょっと何言ってるのか分かんないけど、そこはスルーした方が良いと思う訳。うん、ちょっと何言ってのかわっかんないけど!」

絹旗「ワタ○NTRwwwwwwwwww」

フレンダ「フィクションだから!お芝居と私生活は関係無いから!」

絹旗「――以上、では超撤収!」

フレンダ「もう終んの!?後半は殆どハヤ○イジってるだけだのに!?」

マッチョ ダッ

浜面『……ぉぉぅっ……?』

絹旗「超呆然としてますねぇ」

フレンダ「うん、しなかったら本気で浜面を心配する訳よ」

フレンダ「てかもうノリノリで手伝ってるシタッパーズの将来が心配で……!」

絹旗「……フレンダ」 ポン

フレンダ「は、はい?」

絹旗「その日その日、一日一日を大事に生きるのって、超大切だと思うんですよね」

フレンダ「言ってる事は分かるんだけど、結局やってる事はしょーもない訳よね?」

バイト店員「フレンダ」 ポン

フレンダ「だから何よ、つーかフレンダ言うな」

バイト店員「ナイスツッコミ☆」

フレンダ「そんな『よく頑張ったね!』みたいに上から目線か!?かアンタ誰よ!?モブのクセに出張って来ないで!」



――ニンゲン超観察バラエティ ハマヅリング その三

バイト店員「――まぁアレだね。前のはナイスとは言ったけどもな、やっぱりツッコミってのは中々奥が深いものでさ」

バイト店員「一言で言うんだったら『人生』?いや違うな人生じゃないな」

バイト店員「なら『バーベル』?いやバーベル違うな、一文字も合ってないな」

バイト店員「まぁとにかく、俺が言いたい事はって言えば、だ」

バイト店員「ツッコミは人生なんだよ、ってね」

フレンダ「……」

バイト店員「何やってんだよ!?これだけボケてんのにツッコミの一つもないだなんて!?」

フレンダ「うん、通報するかぶん殴ってから通報するか迷ってた訳」

バイト店員「てか君はツッコミが甘い!もうちょっと”間”を!”間”をひっぱらないと!」

バイト店員「折角こっちの子がボケてくれるんだから、もっと最大限アシストをしないと!ボケが生きないよ!」

フレンダ「いいから戻れ、なっ?」

バイト店員「大体マッチョが出て時点で直ぐツッコミしたけど、あそこは一回乗る!ボケに乗って――」

バイト店員「『そーそー、”だーれだ?”はやっぱこうじゃないとねー。後ろからマッチョが忍び寄って』」

バイト店員「『――はい確保!マッチョに浜面捕まったよ!まさに”だーれだ?”のテンプレだね――』」

バイト店員「『――ってバカ!?こんな殺伐とした”だーれだ?”無ぇよ!?このそのままお持ち帰りするか絞め落とすやつ!』」

バイト店員「……って感じにだな、緊張→弛緩の流れへ、更にこうツッコミが被せる事によって高度な笑いを――」

フレンダ「すいませーんマネージャーさーん?さっきからこの店員態度悪い訳ですけどー?」

バイト店員「はいっごゆっくりどうぞお嬢様がた!当店ではアットホームな接客をモットーとしています!」

フレンダ「引っ込め!誰もそんなんファミレスに期待してない訳!」 シッシッ

絹旗「ツッコミ……アリ、ですね」

フレンダ「絹旗まで変な事言い出した……」

絹旗「でもそうするとフレンダの超存在価値が」

フレンダ「あれ?あたしってばツッコミ要員で『アイテム』に席置いてたの?やっだそれ初耳ー」

絹旗「あ、でもツッコミ選任ができればフレンダは戦闘要員に超回って貰えればオッケーですし?」

フレンダ「それやってた。今までも戦闘してた訳だし」

絹旗「え?」

フレンダ「え?」

絹旗「――はい、っていう訳で!『超イジって遊ぼう浜面で!』はまだまだ続きますよっ!」

フレンダ「待ってくれない?あたしの存在意義が危険でピンチになってるから、まずはそれを解消するのが先じゃないかって思う訳!」

絹旗「で、超解説のフレンダさん、やはりドッキリ定番といえばなんだと思いますか?」 グッ

フレンダ「ごめんごめんあたし悪かった、悪かった訳だからまずその引き絞った右手を下ろすのが先よね?」

フレンダ「てか文明人なんだから、物事を暴力以外で解決するのが求められる時代だと思うの。結局ね」

バイト店員(カンペ)【ここはノリツッコミでさばくのがベスト!】 サッ

フレンダ「高等技術!?本家の人だって結局スベるからやりたがらないノリツッコミを素人に要求すんの!?」

バイト店員(カンペ)【サバだけに?】 サッ

フレンダ「人が何食おうと勝手でしょうが。あとアンタそんなに上手い事は言えてない訳だからね?」

絹旗「ドッキリの超定番といえば!てーいーばーんーとーいーえーばー」

フレンダ「くっ!絹旗が見た事もないテンションなってる!……いやアンタキャラ守りなさいよ?そんな子じゃなかった!」

フレンダ「えっと……『ドッキリ、ドッキリっていえばあれじゃない?あーっと、水かけるの!』」

フレンダ「『チェーンメールを送られた人が、氷水バケツを被るか募金するの――』」

フレンダ「『――ってそれはAL○プログラムやないかーい!なんでやねーん!』」

絹旗「――はい、では第三弾は『心霊モノ』に超決定しましたー!」

フレンダ「無視かっ!?頑張った!あたし頑張ったのに無視ってどういう訳だっ!?」

フレンダ「てかそっちのアンタも何か言いなさいよ!無茶振りしたんだから!」

バイト店員【評価;☆☆☆☆】

フレンダ「結構評価たっかっ!?頑張ったの誉められたのは嬉しいけど納得行かない訳!」

バイト店員【ツッコミがホームラン、ボケが変化球だとしたら、ノリツッコミはデッドボール】

フレンダ「ごめん、何言ってるのか分かんない訳」

絹旗「ニュアンスとしては、あー、みたいな感想は超ありますけど、まぁおフザケはこのぐらいにしてですね」

フレンダ「全部よね?全部おフザケに徹してる訳よね?」

絹旗「前のドッキリでいい目を見た浜面さんにはちょっと超怖い体験をして貰いましょうと思います」

フレンダ「前回も前々回のも恐怖体験だけだった気がする訳……」

絹旗「まぁこの手のリアクション番組としては超定番でしょうかね。B級映画ファンとしては心躍るシチュエーションだとも」

フレンダ「心霊ドッキリはゾンビん時もそうだけどヤラセ感がハンパ無い訳。特に芸能人」

フレンダ「芸人はリアクションの大きさと変顔を決める競技でもやってんのか、つーぐらいオーバーすぎるし」

絹旗「つまりフレンダは『あたしが体験者だったらもっと華麗なリアクションを決めるぜ!』と?」

フレンダ「……しないわよ?つーかやったら本気で怒る訳よね?」

絹旗「『人間超観察フレンドリング』……悪くないですね」

フレンダ「やめて!?これ以上絹旗へ対する不信感を大きく膨らませないで!?」

絹旗「まぁ実行に移すかどうかは当日を超お楽しみにしていただくとして、フレンダ的には心霊ドッキリ嫌いですか?」

フレンダ「人がやってるのを見て笑う分には全然。ドッキリ全般はノーサンキューかなー」

絹旗「では浜面に超仕掛けるとしたらどんなのがいいでしょうか。旅館モノ?」

フレンダ「悪くないけど……でもそれ、今からパパッとやってなんとかなる訳?無理ゲーくない?」

絹旗「そうなんですがね。一応用意してあるのは『モノが喋る』ってやつですね」

フレンダ「あー……子供のリアクション見る主旨のねー」

フレンダ「でもあれ子供も『なんか分かっててノッてる感!ドッキリだって気を遣ってる感!』凄いっていうかさ」

絹旗「そんな訳で来て貰いました!ドラム子さんです!」

お掃除ロボット『……』

フレンダ「あ、ドラム缶」

絹旗「はじめまして」

フレンダ「きーぬーはーたー、アンタねぇ自立式AI入ってるけど対話機能のついてないロボット相手に何言ってる訳だ――」

お掃除ロボット『こんにちは』

フレンダ「喋った!?つーか喋んのこの子!?そんな機能ついてたんだっ!?」

絹旗「何か隊長機とかそんなんじゃないですかね?ぱっと見は似てますけど、よく見ると全然違いますか」

お掃除ロボット『照れるし』

フレンダ「いやそんな可愛い女の子の声で言われても……」

絹旗「あれじゃないですかね、お掃除ロボットに治安と対人インターフェースの機能を付加されるための、超先行試作機とか?」

絹旗「もっと超テンション上げないと!フレンダがアニメロボットのテストパイロットだったら、主人公フラグですよっ!」

フレンダ「……あたしがテストパイロットやってて、そんな不吉なモンに乗れって言われたら辞退して脱走する訳かなー、うん」

フレンダ「もしくは何の根拠もないけど、司令部へ『テスト機体が強奪されそうだから注意して!絶対警戒してね!絶対だからね!』ってメール入れる」

お掃除ロボット『そんな戦争後に「なんで知ってたん?」って軍法会議にかけられそうなメール送られても、困る』

絹旗「トドメに『昔の付き合ってた子は今泣いているんだ!』と上司に殴られるという、超超絶ブラックな軍隊」

お掃除ロボット『中の人からも「あんなん(作中での自キャラの行動)じゃ平和にならない」と異例の酷評を受けてたし』

フレンダ「まぁねー、前作で出張ってたザコキャラ全否定だし――てか優秀だな!雑談にも対応済みって訳か!」

お掃除ロボット『それほどでも』

絹旗「という感じでこの方にご協力頂こうと思います。あ、インカムつけてスンバって下さい」

お掃除ロボット『はーい』

フレンダ「あ、インカム丸のみした……いや、なんか、うん、ね?なんかさ?」

フレンダ「てかこの街のHENTAI超技術はどこへ行くんだろう……?いつか『特に目的はないが幼女を造ってみた』なんて事件起きそな訳」

絹旗「私のゴーストが『あ、それもう作成済みだし』って超囁いています」

フレンダ「まっさかぁ!幾ら学園都市でも十字教の逆鱗にハバネロ塗り込むような暴挙をヤラカなさい訳!」

絹旗「充分にフラグです超ありがとうございました――と、準備が整ったようですので、では」

フレンダ「早っ――てかその前に気になったんだけど、いい訳?」

絹旗「はい?なんですか?」

フレンダ「浜面はさっきからフラフラ出歩いてる訳だけど、結局待ち伏せとかどうやってスケジュール管理してんの?」

フレンダ「浜面行く先行き先にスタンバるなんて、シタッパーズの皆さんの負担が……!」

絹旗「あぁそれは超心配無用ですよ。浜面がずっと歩き回ってるのはそういう仕事を『暗部』からさせていまして」

フレンダ「……街を徘徊する仕事?」

絹旗「『学園都市○○学区のポケモ○調査』」

フレンダ「ブラック過ぎる!ちょっとあたしもやってみたいけど普通の人には難度が高すぎる訳!」

絹旗「尚、実際の依頼ではなく超フェイクなので報酬は支払われません」

フレンダ「それが一番浜面にとってダメージ深いと思う。てか払ってあげて?なんだったらあたしも折半するから!」

絹旗「ちなみに今のお掃除ロボ子さん(仮名)には二万円分のクオカードを超前払いしてあります」

フレンダ「……もっとこう、うんシタッパーズにもその優しさをね」

絹旗「ですから皆さんとはフレンダが『お兄ちゃん☆』と一日呼ぶ事で超納得済みですので」

フレンダ「あたしは?あたしは全然これっぽっちも納得してない訳なんですけど?あたしはノーカウントなの?」

絹旗「しっフレンダ!浜面が!」

フレンダ「いやだから緊急っぽい雰囲気出されても」

浜面『……』 ボーッ

絹旗「あ、公園のベンチでコーヒー片手に超休憩中ですね。任務中なのに」

フレンダ「いやまぁ、うん、お疲れって訳だから査定はね、勘弁してあげてほしいかな」

浜面『……』 ブツブツ

絹旗「何か言ってますね、超何でしょうか?」

フレンダ「浜面にマイクとかつけてない訳?」

絹旗「そこまで浜面のプライベートを侵害するのは超良くないですよ?」

フレンダ「こんだけはっちゃけた事してんのに!?」

絹旗「『あー、もしもし今なんか喋って――そうです、マイク遠いんで近付いて貰えますか』」

フレンダ「またなんか原始的な方法な訳だー」

マッチョ『……』 コソコソッ

フレンダ「人選が!超目立つしなんでマッチョな訳!?もっと隠密行動に適した人居なかったの!?」

絹旗「あぁいえこれも『背後からマッチョに超忍び寄られて無反応の浜面』で一笑い撮れますんで」

フレンダ「浜面の能力関係無くない?もうこれ完全に遊びよね?」

絹旗「おっと聞こえてきましたねー、何でしょうか」

浜面『俺はスキルアウトのリーダーやってたのに……今頃はバニーさん』

フレンダ「配線切れてんのかな?スキルアウトのリーダーからどっか遠いとこにジャンプしてってる訳」

絹旗「まぁ浜面です、所詮は超浜面ですから」

フレンダ「なんだろなー、そのボケはツッコまなきゃいけない訳だけど、『まぁ浜面だしね!』で同意したくなるわ」

絹旗「ではお掃除ロボ子さん、超さりげなくターゲットへ近寄って下さい!さりげなくですよ!超さりげなく!」

お掃除ロボット『オーケー』

フレンダ「いや遮蔽物ない訳だし、結局無理ゲーじゃない訳?」

絹旗「いえ、そこはそれお掃除ロボという特性を最大限に生かせば超容易な筈です!」

フレンダ「特性って何よ、特性って」

絹旗「お掃除ロボの存在意義は掃除、つまり汚れがあればそれをお掃除にしに来るのが超自然、ですよね?」

フレンダ「ま、ねぇ」

絹旗「なので”浜面=ヨゴレキャラ”なので、まぁある意味適材適所と言えなくもないかと」

フレンダ「片さないであげて!?浜面だって多分健気に生きてると思う訳だから!」

浜面『おっぱい……バニー……いや、貧乳バニーも……!』

絹旗「基本性欲以外に何もないっぽいですけど?」

フレンダ「……浜面だしねー」

絹旗「てな感じで全く不自然たど疑われずに、浜面にロボ子さんが接触できたもようです」

フレンダ「この絵不自然よね!公園にドラム缶とやさぐれたオッサンっぽい人って不自然!」

お掃除ロボ『どうするー?』

絹旗「ではまず簡単な挨拶から超どうぞ」

フレンダ「いやぁ、うんいっくら浜面でもこれ流石にツッコむでしょ−」

お掃除ロボ『こんにちは。いいお天気ですねー』

浜面『ん?あぁそうだな』

お掃除ロボ『……』

浜面『……』

絹旗「――はい、しゅーりょー!」

フレンダ「早っ!?こんだけ事前に準備しといてこれで終わりな訳かっ!?」

絹旗「いえまぁロボ子さんの対人コミュ力が低いのは想定して然るべきだった、とだけ」

フレンダ「そして浜面も人見知りかっ!?アンタもっと話繋げなさいよ!何クール気取ってる訳!」

絹旗「そりゃまぁお掃除ロボに話しかけられれば、雑なリアクションになりがちなのは超否定出来ません――が!」

絹旗「むしろ平然と会話に応じた浜面、超意外と大物なのかも……!?」

フレンダ「帰ってきて絹旗!根拠はないけど多分『考えるのが面倒臭くなった』とかしょーもない理由だと思う訳!」

絹旗「なんかもう一周回って、浜面凄いんじゃないでしょうか?」

フレンダ「『ロボ子さん頑張って!なんかこう、会話を引き出して!』」

お掃除ロボ『えぇー……あー、っとなー……あ!』

フレンダ「『思いついた!?もうなんだっていい訳!』」

お掃除ロボ『バニーさん、好きなの?』

フレンダ「ないわー、なんでもっつったあたしが言うのもどうか思う訳だけど、これはないわー」

浜面『そうだな、まずバニーさんって概念から説明を始めた方が分かりやすいか』

フレンダ「スッゴイ気持ち悪い話を始めようとしてる!?』

浜面『メジャーリーグでいったらイチロ○、メジャーリーグサッカ○でいったらダビド・ビジ○って事なんだよ!分かるかっ!?』

フレンダ「例えが分かりづらっ!?メジャーはまぁ分かるとして、アメリカのプロサッカーチームなんて誰が知ってんのよ!?」

浜面『バニーさんは――』

浜面『――人生!』 キリッ

お掃除ロボ『ごめん、もう終っていいよね?これ以上ここにいるとミョルニルぶちかましそうで』

フレンダ「『あっうん、お疲れさまでした。イヤホンっっっっっっトに』」



――休憩中

絹旗「……いや、これはかーなり超衝撃的でしたね。まさか浜面が!あの浜面が!」

絹旗「ダメな子だと諦めていたのに!意外な展開を見せましたねっ!」

フレンダ「違う違う。アホの子だから動じなかっただけど思う訳」

絹旗「ノリ半分悪ふざけ半分で超始まったこの企画ですが、我々は真相に近付いてるかも知れません!」

フレンダ「それ100%悪意って訳よね?……真相?なんだっけ?」

絹旗「浜面の能力を調べる的な!」

フレンダ「憶えてる訳だけどさ。なんで今ので分かる訳?」

絹旗「私の予想ですが――『電子機器関係に好かれる』、とか?」

フレンダ「ナ、ナンダッテーーーーーーー!?……うん?”好かれる”?」

絹旗「ロボ子さんは自律運動だか遠隔操作だか知りませんが、機械は機械です!普通は話しかけられたらビックリしますって!」

フレンダ「誰だって驚く訳」

絹旗「んがしかし!浜面は平然と受け入れている――これは、つまり!浜面が常日頃からAIに超好かれる生活を送ってるに違いない、と!」

フレンダ「その発想の飛躍が分かんない」

絹旗「なんでですかっ!?機械にだって心っぽいものがあるかも知れないじゃないですか!」

フレンダ「や、まぁゆくゆくはアト○ができるってあたしは信じてるけど、今はその話じゃなくてね」

フレンダ「だったら無能力者じゃなくない?好かれるの意味もよく分かんないけど、そんなチカラだったらヤサグレる必要なかった訳よ」

絹旗「……フレンダ……いえ、フレ/ンダ」

フレンダ「なんであたし”/”で切られたの?Fat○的なアレ?」

絹旗「そんな酷い事言わなくたっていいじゃないですか!浜面だって超一生懸命に生きてるんですから!」

フレンダ「別に浜面を否定してる訳では」

絹旗「フレンダのバカっ」 ボスッ

フレンダ「おぅふっ!?」

絹旗「よく考えてみて下さいよ!浜面ですよ!?」

絹旗「仮に機械と相性が良い能力があったとしても!浜面に使いこなせる訳ないじゃないですかっ!?」

絹旗「あの浜面にっ!待ち受け画面を日替わりバニーさんにしてる浜面ですよっ!?」

フレンダ「……い、今、世界で一番浜面へ暴言を吐いてるのは、アンタな訳だからね……?」

絹旗「『全ての機械と相性がいい(※ただし浜面なので使いこなせていない)』なんて、超主役っぽい!」

フレンダ「うー……ん?可能性はゼロじゃないだろうけども……結局、そんな面白能力だったらもっと、こう、垢抜けてそうな」

絹旗「何の役にも立たない超地味な能力が、実は超能力だったなんて燃える展開ですよ!」

フレンダ「ラノベでありそう――ってあっちで店員が右手抑えてる訳?中二病かな?」

絹旗「と、いうかですね。今まで私はシタッパーズを超底辺だとみていました」

絹旗「一般人にすらなれなかった社会不適合者の群れ、ぐらいにしか超考えてなかったんですけど」

フレンダ「スキルアウトに関しちゃ、まぁその認識で合ってる訳」

絹旗「しかし浜面モニタリングの結果、結構捨てたもんじゃないではないかと超考えます」

フレンダ「いやぁ、まぁどーだろ?買いかぶりすぎだと思うけど」

絹旗「ほら、石の下にダンゴムシっているじゃないですか?超地味な虫の筆頭格」

フレンダ「あたし的にはひっくり返した後の脚ウジャウジャでトラウマしかない訳……」

絹旗「一見『この子達は何で生きているんだろう?』とか思いますけど、実は落ち葉や腐った木を分解して土へ還す役割を持つんですよ!」

フレンダ「それ浜面へ『何で生きるのか分からない』つってんのと同じ訳よね?」

絹旗「ですから!傍目には何やってるのか分からない浜面であっても、実は何か超意味があったりするのかも!」

フレンダ「ない。それは、ない」

絹旗「実はですね、こんな事もあろうかと、ある日の浜面一日の行動を超記録したものがありまして」

フレンダ「あんたさっき浜面のプライバシー云々言ってなかったっけ?」

絹旗「いえ生で流すと映ってはいけないアレやコレが超映り込む危険性があるので、シタッパーズの方に編集してもらいました」

フレンダ「理屈は分かるけど、それだったら口頭かレポート提出で良かった訳……あ、でもさ」

フレンダ「結局興味はあった訳かも。スキルアウトってそんなに羽振りいいの?」

絹旗「羽振り、ですか?」

フレンダ「うん。どこで何やって生活費貰ってんの?的な訳」

絹旗「あーそれは超興味ありますねぇ。てかシタッパーズのお給料ってどのぐらいなんでしょうか?」

フレンダ「スタッフの人ー?いたらメモかなんかで教えてー」

マッチョ ササッ

フレンダ「アンタのスタッフには偏りがある訳よね!」

絹旗「ってあー……これ、普通にアルバイトした方が超稼げるんじゃ……?」

フレンダ「心底ブラックな組織よね!分かってたけどさ!」

フレンダ「仕事がある時だけ拘束されるから、コスパ的には破格……な、訳?」

絹旗「まぁ弱みを握られ超こき使われて捨てられる存在ですから、生かさず殺さずなんでしょうけどね」

フレンダ「……もうちょっと優しくしたけだほうがいい訳かな」

絹旗「では私と滝壺さん、そしてフレンダで『お兄ちゃん』と超呼んであげるとか?」

フレンダ「滝壺をバカ話に巻き込まないで!なんかちょっと楽しそうにやりそうだから!」

絹旗「まぁそんなスキルアウトの一般人の生活を超ご覧頂きます」 ピッ

フレンダ「興味出てきたっちゃあ出てきた訳だけど……怖い気もするような」

浜面『……』 スー

フレンダ「寝てる、訳よね。てか思ったよりも綺麗な部屋」

絹旗「ちなみにシタッパーズが浜面の家へ遊びに行った際、定点カメラを設置したそうです。あ、今は超回収済みですが」

フレンダ「……てかカーテンの外明るくない?今何時よ」

絹旗「はい、えっと……10時過ぎですね」

フレンダ「起きるの遅っ!?休日かっ!?」

絹旗「まぁ学校行ってないんで、てか一人じゃないですね。周りで超雑魚寝しているシタッパーズが居ます」

マッチョ『……オフッ』

フレンダ「逃げてー!?浜面逃げてー!?なんか息荒い変なの映ってる!」

絹旗「私は超子供なのでそこはスルーするとして、中々シタッパーズ同士で超信頼関係を築いているようです」

フレンダ「テーブルの上には雀牌が散乱してる訳だし、これどう見ても酒飲んで徹マンしたとしか……!」

絹旗「絵が地味なので超早送り――と、動きがありましたね」

浜面『……』 ガチャッ

テロップ【AM10:23 浜面、一人で外出】

フレンダ「起きてどっか行く訳」

絹旗「ちなみに複数のクルーにより、浜面の超尾行が始まります」

フレンダ「だからこれ、浜面に直で聞いた方が早い訳……」

絹旗「麦野にも『いざという時の訓練兼オリエンテーション』で許可とってありますんで」

フレンダ「抜け目ないな!」

テロップ【AM10:30 地下鉄へ乗りながら、キオスクで買ったツナマヨおにぎりを食べる】

フレンダ「どこ行く訳……?」

テロップ【AM10:42 ○○学区駅前広場へ到着。ケータイ片手に誰かを待っている様子】

フレンダ「――ハッ!これ、ねぇこれってまさかアレじゃない!恋人的なアレって訳!」

フレンダ「結局浜面があんま働いてないのにやってる行けるのはヒモやってる訳だからよ!」

絹旗「いやぁ超違うと思いますけど」

フレンダ「そうだってば!あたしのゴールドな脳細胞が囁いているわ!」

テロップ【AM11:00 待ち人現れる】

フレンダ「ホぉラやっぱ女……女?あれ?」

絹旗「何か?」

フレンダ「相手の子にモザイクかかってるけど、なんでまた?」

テロップ【プライバシーに配慮してモザイク加工をしています】

フレンダ「別にネットで流す訳じゃないんだし、いいと思うけど」

浜面『おっ、やっと来たか−、待たせんなよー』

???『いえ、超時間通りでしたが何か』

浜面『何かってお前、遅れてきたからには”待った?”、”ううんっ、イマキタサンギョウ!”みたいなね!』

???『キモいから早く行きますよ、超浜面』

浜面『まって?だからお前俺の名前に超つけるのってどういう意味なの?』

フレンダ「……」 ピッ

絹旗「ね、違うって超言ったじゃないですか?」

フレンダ「アンタじゃん!つーかこれ絹旗じゃんっねぇぇっ!?」

絹旗「あ、いえ私も取材の日がいつか聞いていませんでしたし、ぶっちゃけ昨日まで依頼したのを超忘れてたぐらいですし」

フレンダ「……つーか何?絹旗と浜面のデートみせられる訳?」

絹旗「デート言わないで下さい。ただちょっと年齢制限のある超B級映画に付き合って貰っただけですから」

フレンダ「まぁいいんだけど、てかそれデートじゃね?」

絹旗「どうでしょうねぇ。あ、チケット代は折半しましたんで超違うかと!」

フレンダ「そこは出してあげよう?時間を潰される浜面も可哀想だから!」

フレンダ「てか最近あたしに映画のお誘い来なくなったと思ったら、アンタまた新しい犠牲者を見つけてた訳か……!」

絹旗「その言い様は超心外なんですけど……」

テロップ【映画館へ侵入成功☆】

フレンダ「なんかノって来やがった訳ねスタッフ。あ、浜面の金髪が見える、真後ろの席取った訳」

絹旗「私は座高が足りないので超見えませんね」

フレンダ「あ、映画始まる――っとゲト戦×!?」

絹旗「原作レ××の中でも評判が高く、何度見ても超いい感じに眠気を誘う爆笑映画です」

フレンダ「うん、あのね、なんつーかな、良いトコ探しも時には大切だと思う訳ね?てゆーか、慎んで?」

絹旗「ちなみに超豆知識として、この映画の作詞も監督が一枚噛んでるんですが。最初にプロの作詞家が詞を書いて提出したんですよ『こんな感じでどうですか』みたいな」

フレンダ「……わざわざ見せる訳?だったら監督が最初っから作詞すればいいんじゃないの?」

絹旗「えぇですが何故か、主題歌の”作詞”の欄に監督と作詞家の方が連名になってて」

フレンダ「なんでよ」

絹旗「超気になって調べてみたらですね、その作詞家の方が提出した詞が”て・に・を・は(助詞)以外ほぼ全て別のものに書き直されて採用された”っていう」

フレンダ「なんだその自信はっ!?つーか監督よね!?作詞も手ぇ出してる訳かっ!?」

絹旗「そうかなり温厚な作詞家の方が直々に仰ってるんで、超色々あったんじゃねぇかなと映画ファンの中では言われています」

フレンダ「蛙の子は蛙じゃなかった訳か」

絹旗「と、いう映画を超見ました。あ、ちなみにこの後15Rのも上映されるんで」

テロップ【飽きてきた】

フレンダ「うん、わかる。超分かるし」

テロップ【ドキドキ浜・面ゲーム☆】

フレンダ「またなんか主旨から逸れはじめた訳!?つーかこのノリなんなの!?」

テロップ【前の席に座ってる浜面の頭へフリスクが何個載るかやってみよう!】

フレンダ「しょーもなっ!?映画もしょーもないけど暇潰しにこんな事やってるスタッフがしょーもない訳!」

絹旗「まぁここら辺はスキップしてーの」 ピッ

フレンダ「……流石にスクリーンは映せないから、浜面の後頭部延々撮影してるって一体……」

テロップ【PM01:55 映画終わり。対象と別れて単独行動になる】

フレンダ「やっと本題へ戻ってきた……あれ?浜面観察が主旨だったっけ?」

PiPiPiPi……

浜面『――あー、もしもし?え、俺!?今から?速攻で!?』 ピッ

絹旗「おっと浜面が超呼び出し食らってますよ――ってこれもしかして彼女じゃ?」

フレンダ「……」

絹旗「淫乱ゴールド?」

フレンダ「なかった。そんな呼び方あたしの人生において一回もなかった」

絹旗「どうかしましたか?考え込んじゃって」

フレンダ「いや――コレ確かさ、あたしの記憶に寄れば」

テロップ【PM02:12 浜面、レンタカー(のようなもの)で女を迎えに行く】

フレンダ『おっそーーーい!超遅い訳!何やってんの、何やってんの?』

浜面『そんなホイホイ呼び出しやがって!俺にだって都合ってものがあんだよ!』

絹旗「フレンダじゃないですか、てゆうかフレンダじゃないですか」

フレンダ「あー……あ、ははは。あの日はね、大きな買い物があったんで、まぁ荷物持ちが欲しいかなって」

絹旗「や、まぁフレンダの私生活には何も言いませんけど」

テロップ【PM04:30 ショッピング終了。対象と別れて単独行動に】

PiPiPiPi……

浜面『……もしもし……?』

テロップ【PM04:32 なったと思ったら呼び出される】

絹旗「超なんとなーく、ですが」

フレンダ「展開、読める訳よね、これ」

滝壺『ごめんはまづら、いそがしかった……?』

浜面『ん、いやいや全然!暇持て余してたから平気さ!』

フレンダ「あたしらと態度違うのがムカつく訳」

テロップ【PM04:50〜PM05:45 部屋の模様替え】

滝壺『はまづら、ごはん食べてる……?』

浜面『まぁ、それなりには?』

滝壺『……ホントに?』

浜面『……すいません、コンビニばっかです』

滝壺『だったら、作ってあげるから、食べていくといい……』

浜面『マジっすか滝壺さんマジ天――』

PiPiPiPi……

浜面『Oh……』

テロップ【PM05:50 麦野さんからの呼び出し】

浜面『ごめんっ!急な仕事入っちゃったみたいだから行くわ!』

滝壺『がんばれー、わたしはそんなはまづらを応援しているかも知れない……』

浜面『そこは断定で良くね?』

絹旗「……なんでしょうね、こう、途中まで滝壺さんの男の趣味の悪さ以外は、まぁそこそこ生暖かく見守っていたんですけど」

フレンダ「急に死亡フラグが舞い込んで来やがった、訳かなー」

テロップ【PM06:00 麦野さん怖いんで尾行中止。浜面の家の前で待機】

絹旗「そう、ですね。それがまぁ超賢明な判断だったと思います。いやマジで」

フレンダ「浜面……不憫すぎて!」

テロップ【PM10:10 浜面帰宅。取材班が接触を謀る】

マッチョ『おぉ浜面、遅かったな。何してたんだよ』

浜面『……あのさ、レベル5ってどう思う?』

マッチョ『どうってお前、それ麦野さんの事じゃ?綺麗だけど怖ぇーなー?』

浜面『――人は、飛行機じゃなくても、飛ぶんだよ……ッ!』

マッチョ『は?』

浜面『……いやゴメン何でもない。寝るわ』

マッチョ『あぁうん、ゆっくり休んで』

テロップ【浜面の一日・終わり】

フレンダ「ねぇ、ウチのスタッフってマッチョしか居ない訳?人材不足に程があるんだけど」

絹旗「や、まぁ手が空いてて『浜面に興味がある!』で、超募集掛けたところ、食い付いてきたのが一人しか居なかったもんで」

フレンダ「結局ストーカー化してる訳だけど――ま、なんも分かんなかった訳だ!結局ねっ!」

絹旗「途中まではラノベの主人公のようなモテっぷりを超披露していましたが、最後の最後でSAN値を大きくすり減らす何かがあった模様で」

フレンダ「何が?何があった訳!?」

絹旗「浜面達がどうやつて食って行けてるのか、謎は超謎のままでした、と」

フレンダ「納得行かない訳!途中までは上手くやってたのに!」

バイト店員「あ、あのちょっといいかな?」

フレンダ「あによ。つーか話にツッコんで来んな」

バイト店員「……その仕事、どこへ行けば斡旋して貰えるかな?」

フレンダ「まず人生を踏み外すところからスタートだから、素人にはお勧めできない訳」

絹旗「一見すると超モテてるように見えますが、これ下手にオイタをすれば冒険の書から破棄されますからね」



――ニンゲン超観察バラエティ ハマヅリング その四

絹旗「さてなんだかんだで超続いてしまっている浜面イジリですが」

フレンダ「絹旗、主旨忘れないであげて?能力調べる訳だったでしょ?」

フレンダ「てか浜面もう段々関係無くなってきてて、あたしらがダベってるだけに……!」

絹旗 ピッ

フレンダ「あれ?電話?新しい指令?」

絹旗「『――あ、もしもし私ですが何か?』」

フレンダ「電話しといてその第一声はおかしい訳よね?」

フレンダ「てか誰に……麦野?滝壺?」

絹旗「『ちょっと超聞きたいことが――えぇまぁ、論争になってしまして』」

絹旗「『先にメール出しておいたと思いますけど――あー……あぁはい、超成程。そういう訳だったんですね』」

フレンダ「……ん?メール?」

絹旗「『分かりました。超ありがとうございます。引き続きポケモ○探しに頑張ってくださいね――』」 ピッ

フレンダ「浜面かっ!?直に連絡してた訳!?」

絹旗「『直接聞いた方が早いヘケ』って言ってませんでしたっけ?」

フレンダ「ヘケ違う、ワケ言ってた訳。てかそれおほっちゃまく○」

フレンダ「てか何聞いてんの!?散々観察する企画やってんのに!?」

絹旗「あぁいえ、そっちじゃなく『お前生活費どうやって稼いでんの?』ってね、素朴な疑問を」

フレンダ「……まぁうん、ちょっと興味あるっちゃあある訳だけど、そこ聞く?もっと根本的な質問ぶつけるべきじゃないかなー」

絹旗「ちなみに浜面曰く、『パチンコ』だと」

フレンダ「うわぁ……うん、うわぁ意外の感想が出て来ない訳」

絹旗「――しかしこれで『浜面が機械系能力者』って可能性は超一段と高まったと言えるでしょう!」

フレンダ「それ違うんじゃないかなー。パチンコ行く人は『貯金してる』みたいなの平気で言っちゃう終わりな人だし」

チャチャーン

フレンダ「ん?」

絹旗「あ、浜面からのメールで『今やってんのはマジハ○ 』だそうです」

フレンダ「それまさにバニーさん出てる訳よね?もう生活費関係無くバニーさんに突っ込んでるだけじゃない!イヤらしい!」

絹旗「私には何の事か超分かりませんが、アレはアレで台にお布施をしないと新作出ないので、まぁファンは大変だそうです」

絹旗「特に最近、とある中堅超大物声優さんに限っては、何故か主役を張る機会が年々減りつつあり、余計お布施が超捗る始末に……!」

フレンダ「やだ超こわい。でもあの中の人の場合は逆に今までが頑張り過ぎじゃないかなっ、て思う訳だけど……」

絹旗「まぁなんにせよ浜面の謎がまた一つ超解けましたねっ!」

フレンダ「分からない。何が絹旗をそこまで駆り立ててるのかが分からない訳」

絹旗「ぶっちゃけ超暇だからですね」

フレンダ「ウン知ってた!そうじゃないかと薄々思ってた訳!」

絹旗「では最大の疑問が解けたところへ次のモニタリングへ超映りたいと思う訳ですが」

絹旗「やはりドッキリと言えば仕掛け人の存在が超大きいと思いません?」

フレンダ「仕掛け人……全員そうじゃない訳?」

絹旗「えぇまぁそういった意味ではシタッパーズの皆さんはそうなんですが、この場合は『身内ドッキリ』的な感じですよ」

絹旗「例えば超見ず知らずの人に『お金貸して!』と言われても鼻で笑いますが、それが友達だったら変わるでしょう?」

フレンダ「まぁ、そうよね」

絹旗「ですから今回はフレンダに超仕掛け人をやってもらおうじゃないかと!」

フレンダ「イヤです。超イヤな訳」

絹旗「……ねぇ、フレンダ」 ポンッ

フレンダ「な、なによ!暴力?また鉄拳振るう訳!?」

フレンダ「アンタがそう来るんだったらあたしにだって考えはあるんだからね!ゴメンナサイする準備がねっ!」

絹旗「超イイ感じに卑屈で素敵ですがそうではなく……私達、いい加減チーム組んで長いじゃないですか?」

フレンダ「んー……?まぁそこそこは経ってる訳、かな?」

絹旗「超具体的には2008年ですから、来年で登場10周年となりますけど」

フレンダ「やめて。そこは超具体的じゃなくていい訳」

絹旗「ですからお互いを思い、そして尊重し合うような『絆』があると思うんですよ。超違いますか?フレンダは私達を仲間だと思っていませんか?」

フレンダ「思ってるわよ!あたしだって友達っては!」

絹旗「ですからここは!フレンダが頑張って我々の絆を超見せつけるべきだと思うのです!」

フレンダ「発揮すべき場面はもっとあると思う訳。てかここで使ったらそれはタダの無駄撃ちな訳よね?意味無くない?」

フレンダ「そもそも暇潰しのネタ企画にその大切なお仲間巻き込む時点で、結局ケンカ売ってんのかと言いたくなる訳だしね!」

絹旗「言葉での会話から拳での会話(暴力)へ移行しても超構わないんですけど」

フレンダ「あ、はい。やらせて頂きます!てかやりたかった訳!仕掛け人って一回なりたかったのよね!」

バイト店員 ジーッ……

フレンダ「……あによ」

バイト店員「女の子同士の友情、いいよねっ!!!」

フレンダ「オイ引っ込んでろ百合厨」

絹旗「ではフレンダさんには超仕掛け人として頑張って貰いましょう−、ぱちぱちぱちぱちー」

フレンダ「……エッチなのはノーサンキューな訳だからね?」

フレンダ「ま、それ以外だったら……ちょっとテンション上がるかも」

絹旗「では内容はなんにしましょうか?超ご要望があればどうぞ」

フレンダ「ノープラン極まりないな!普通もっと選択肢絞ってる訳でしょうが!」

絹旗「今からとなると仕込み数ヶ月の超大作は望めませんし……」

フレンダ「簡単なところじゃ相談系じゃない?」

絹旗「ですかね――あ、じゃ『アイテム』を辞めたがってるフレンダ、的な?」

フレンダ「不自然よね?仮にあたしが脱退考えてたとして、どうしてよりにもよって浜面に相談する訳だ?」

絹旗「ですね。麦野が間違って耳にしたが最期、哀れフレンダは超フレ/ンダに……」

フレンダ「まっさかぁ!何言ってる訳よ!そりゃ確かに麦野はおっかない訳だけど、理由があったらそんな悪魔超人みたいなことしない訳!」

絹旗「……まぁ概ね超同意ですが、裏を返せば『理由があればするよな?』って話に」

フレンダ「やめて。そこは深く考えたら負けだと思うから」

絹旗「しっかし脱退、脱退ですか……仮にそうだとして、超どんなケースがあるんですかねぇ」

フレンダ「まぁ緩いようだけど『暗部』だかんね。そんな簡単にできる訳ないし」

フレンダ「あたしらがせっせと稼いでるキルスコアだって、ジェンガ積んでるだけかも知れない訳」

絹旗「とはいえいつでも超ヨゴレやってる訳にも行きませんし、まぁ今後の課題でしょうか」

フレンダ「そうねー――ってアレよ!寿退社!」

絹旗「まっさか金髪碧眼女からその言葉が超出るとは予想外ですが、フレンダさんおいくつで?」

フレンダ「一番早いので麦野、次は多分あたしかなー」

絹旗「麦野!?麦野に男ですかっ!?」

フレンダ「や、そこまで驚かれてもな……ツッコミどころは『次、お前かよ』だった訳だけど」

絹旗「いやそこは妥当だと思いますけど、麦野とくっつく男……うーん……」

フレンダ「金剛石みたいに硬い能力者、もしくは鋼のような腹筋持った軍人ってイメージが」

絹旗「です、かねぇ。あんま私的なことを聞いたことはないんですけど、超そっちの方へ落ち着きそうです」

フレンダ「ま!あたしらの予想であって、実際はしょーもない男に騙されたりする訳かもね!」

浜面『へっくし!』

絹旗「あれ?浜面花粉症ですかね」

フレンダ「……なんかねー、なんかさぁ?この男に関しては滝壺が『ちょっと気に掛けてますオーラ』感じる訳、どう?」

絹旗「まぁぶっちゃけダメ男と甲斐甲斐しく尽す滝壺さんは、イメージ的に超お似合いだと言えなくもないですが」

フレンダ「とにかく浜面に相談するのだけは有り得ない訳だ。だって無理があるし」

絹旗「無理、ですか?」

フレンダ「いやあたしと接点ほぼないし。こないだ車出して貰ったけど、他にはまぁ……ないかなぁ」

フレンダ「だもんで『あたし、”アイテム”卒業して普通の女の子になる訳!』とか言ったところで、『あぁうん、そうなん?』で終りそう」

絹旗「『暗部』へ入ってもグチグチぼやくような超小物にはその程度でしょうね」

フレンダ「だからね、話すんだったらまず麦野に彼氏を紹介して頭下げるところから始めたい訳」

絹旗「具体的に寿退社のブランになってません?そんな話でしたっけ?」

フレンダ「引退してもずっと友達だからね!」

絹旗「やめてください、超やめてください。卒業シーズンにはよく聞かれる台詞ですが、それフラグだと思うんですよ」

絹旗「号泣して忘れを惜しんだはいいものの、ある日ケータイ買い換えてアドレス整理してたら、『連絡取ってないなー』と」

フレンダ「それは最初っから友達じゃなかった訳じゃないの、結局ー」

絹旗「お、フレンダさんには何か一家言超おありで?」

フレンダ「ほらっ!あたしみたいに友達1,000人いるのとは格が違うって訳よねっ!」 

絹旗「そのウチ何割がバイトの存在をご存じですか?」

フレンダ「……分かってないなー、友達ってのは相手のことをよく知らなくても良い訳よ」

フレンダ「例えばサバ缶争奪戦から始まるフラグもあるし!」

絹旗「ちょっと超何言ってるのかわっかんないですけど――てかフレンダのずっトモさんではなく、浜面の話ですよ」

フレンダ「まぁ……うん、あたしそんなに浜面と仲良くない訳だし、『アイテム』抜け相談するのはない、ないかなー」

絹旗「じゃあもっとグレードを落として……あ、じゃ彼氏を紹介するのってどうです?」

フレンダ「あがってる!それ明らかにグレードじゃなくハードル上げてる訳だな!」

フレンダ「てか浜面に彼氏報告するってどんな関係!?親かっ!」

絹旗「実はフレンダの父親が浜面だった……っ!?」

フレンダ「金髪繋がりだけでそこまで話広げられてもな……」

フレンダ「あと人種がどう見たって違う訳だし!DNAさんがどう頑張ってもあたしの家系からアレが生まれないなー」

絹旗「まぁそうなんですけどね」

フレンダ「それより絹旗=麦野の隠し子説は――」

絹旗「その話は二度とすんな。ぶっ殺すぞ」

フレンダ「はい」

絹旗「――と、話もまとまったところでフレンダに超頑張って貰いましょう!お題は『彼氏を紹介されたら』で!」

フレンダ「ごめんっあたしが悪かったからそれだけは!その企画だけはゴメンして!」

フレンダ「なんか浜面が素で『あぁうん、それで?』って見下した目をされそうなのだけは!そのやっつけ仕事だけは許せない訳!」

絹旗「てか今回仕込みナシなのとシタッパーズの欠員により手が少なくてですね、超大掛かりなのはムリっぽいです」

フレンダ「あ、それじゃ手持ちの範囲でどうにか――ってもうやめない?そんなに引っ張る企画じゃない訳よね?」

絹旗「浜面の人間性を測るのが主旨ですし、まぁ?」

フレンダ「そうよねっ!大切よね人間性!」

絹旗「『主旨違うよ!』ってさっさと諦めたフレンダ、超嫌いじゃないです」

フレンダ「あ、あぁどう、も?」

絹旗「しかしこの面子かつ仕掛け人込みでやるとすれば――あれですかね?超借金申し込みの?」

フレンダ「だから!彼氏紹介の話でもしたけど、なんで浜面相手にしなきゃなんない訳だし!」

絹旗「超個人的には『お金貸してくれる額=友情の量』だと踏んでいますので、人間性は分かるかと」

フレンダ「その論理式合ってそうな気がするけど……ネタばらしされた時点で人間関係も終る訳」

絹旗「ていうか『浜面へ頭を下げる』時点でもう超台無しですからね。どんだけ人生詰んでんだよと」

フレンダ「まぁねー……シタッパーズも大概だけど、浜面のヒエラルキーも下に近い訳」

絹旗「車を超用意したり一部の偽造スキルのお陰で生き残ってる感じですからね。しぶといのは良い事ですが」

フレンダ「前回までのドッキリで分かったのは……なんかあったっけ?」

絹旗「落とし物や無機物会話ドッキリにも動じず、『だれーだ?』にもエロの超片鱗すら見せなかった男ですからね!」

フレンダ「それ多分、誰がやっても似たり寄ったりなんじゃ……?」

絹旗「では簡単にできる範囲での話であれば……あ、じゃまず私が浜面を超誘拐します」

絹旗「敵のアジトへ超連れてこられて設定で、『アイテム』の能力やアジトを吐かないと沈めるぞ、と脅せば人間性はバッチリ分かるかと」

フレンダ「あー、確かに。でもね絹旗、よく考えて?その計画を実行に移した時点であたしらの人格はマイナス入ってる訳よ」

絹旗「勿論ゲロったらドッキリがドッキリじゃなくなるという超斬新な展開に……!」

フレンダ「ガチよね?それもうエンターテイメントの枠を越えすぎてる訳よね?」

絹旗「私の愛するB級映画では超ありがちですね。むしろ定番過ぎて逆にドキドキします」

フレンダ「やめてあげて!?浜面の人生をギャグで終らせないであげて!」

絹旗「まったくもうフレンダは超ワガママですね。あれもダメこれもダメと」

フレンダ「あのさ、この企画って浜面の人格見る主旨なのよね?決してあたしのSAN値測ろうって企画じゃない訳なのよね?」

絹旗「では超視点を変えまして――ナンパ、なんてどうでしょうか?」

フレンダ「する訳?あたしらが?浜面をぉぉぉぉぉぉぉおお?」

絹旗「うんまぁ超イヤなのは伝わりましたし、私だって死んでもゴメンですが逆です」

絹旗「私達が超強引なナンパ、それも悪質なのをされたらどうします?」

フレンダ「アンタがナンパ男の顔面割る。もしくは麦野に」

絹旗「……あぁいえ、現実でそうなるって話じゃなく、それを浜面が超目撃したらどうする、って事ですよ」

フレンダ「あー……おけおけ、理解した訳」

絹旗「勇気を出して割って入るか、それとも見て見ぬフリをして立ち去るか。ここは超男気を測れるともいいますが!」

フレンダ「んー……どーだろーなー?」

絹旗「おやフレンダは反対ですか?」

フレンダ「アンタと麦野は当然として、あたしも滝壺もタイマンだったら、まぁ負けない訳だし?」

フレンダ「そこら辺の事情を熟知してる浜面が止めに入るかなぁ、と思う訳」

絹旗「まぁそこはそれ浜面の浜面たる由縁ですから。『いざとなったらコイツらが助けてくれる!』と超ええかっこしぃする可能性も高いかと」

フレンダ「ありそう。うん、絹旗それ正解だと思う」

絹旗「まぁこれだったらドッキリ後の傷口も超浅くて済みますし」

フレンダ「……うんまぁ、それもし一般の人で女友達が絡まれてるのスルーしたら、その後フォローできないと思う訳だけど!致命傷だけど!」

絹旗「では今から浜面へ連絡入れますんで――『あー、もしもし?』」

フレンダ「よろ――って待ってよ。ナンパ男の役は誰すんのよ。まさかマッチョに!?」

絹旗「ちょっと待って下さい――『えぇ珍しいポケモ○が見つかったそうなので、こっちへ一回超戻ってきてとのことです』」

フレンダ「……うん、次からもっと浜面に優しくしよう。忘れなかったら、きっと」

絹旗「『名前?ポケモ○の?えぇーっと……』」

フレンダ「なんで詰まる訳。適当言っときゃいいし」

絹旗「『スジモ×?』」

フレンダ「それポケモ○違う!夢も希望もないオッサンの最終進化形態!」

絹旗「『マジです。グリーン車の後ろの方で酒盛りする習性があるんですが、何故かこの近くで目撃情報が!』」

フレンダ「それ仕事じゃないの?ピンポイントでヤク×の話してる訳よね?」

絹旗「『あぁはい、では超大至急戻って来てくださいねー』――と」 ピッ

フレンダ「この呼び方で来る浜面もどうかと思う訳だけど、うん」

浜面「なおナンパ役は暇そうにしているこの方に頼みました」

フレンダ「誰?」

バイト店員「あ、うんよろしく」

フレンダ「また出て来やがった訳ねこのモブが!アンタさっきからなんなのよ!?」

バイト店員「……店長が『取り敢えず、あのお客様の機嫌取っとけ』って……!」

フレンダ「……あ、ごめんしなきゃいけないのはあたしらかー」

バイト店員「『JCはぁはぁ』って……!」

フレンダ「呼んでこい。今すぐそのヘンタイ呼んで来る訳っ!」

マッチョ「オフっ!」

絹旗「しっフレンダ!そろそろ店の前を浜面が超通りかかります!」

フレンダ「分かった訳――って今、マッチョとオノマトペだけで意思疎通しなかった?ねぇ?」

バイト店員「ちなみにここの席は窓側道路沿いで、外からよく見える一番良い場所だな」

フレンダ「とってつけたような説明ありがとう!」

絹旗「ではナンパお願いします。打ち合わせ――は、してませんが、なんかこういつも通り超嫌な感じで!」

バイト店員「分かったぜ!――ねぇ『いつも通り』ってどういう意味?それつまりいつもイヤだって思ってたの?」

浜面『……』

絹旗「来ました!」

バイト店員「あーうん、やるけどもだ。えっとー……あ−、すいません」

絹旗「はい?」

バイト店員「良かったらこれからどっか行かないかな?もうすぐバイト終わりなんで」

絹旗「超すいません。今ちょっと友達と待ち合わせしてる最中ですので」

バイト店員「そっか。んじゃしょうがないよな」

絹旗「ですねー」

バイト店員・絹旗「「……」」

フレンダ「ヘタクソかっ!?アンタ演技下手な訳だし!」

バイト店員「いや、ナンパなんてしたことないしぃ……」 モジモジ

フレンダ「だったら最初っからそう言いなさいよ!てか断れ!」

浜面 ジーッ

絹旗「浜面が超見てますね。もっと頑張ってください!」

バイト店員「や、別にマジで悪質なナンパする必要なくないか?そもそもここから外には声聞こえない訳だしさ」

バイト店員「金髪さんがなんか怒ってんの見れば勘違いすんじゃねぇかな」

絹旗「ですね。店員さんも超ゲスく笑ってますし充分でしょうか」

バイト店員「あれあれー?俺はナチュラルにケンカ売られてんのかなー?」

フレンダ「……あの、さ」

バイト店員「はい?」

フレンダ「良かったら、ツッコミ枠でウチ、来ない訳?今だったら好待遇で迎えるから!む

バイト店員「それ”はい”っつーヤツは頭のおかしいと思う」

フレンダ「あたしツッコミ負担が、減ってる……!」

バイト店員「代わりに俺が増えてるけどな!現在進行形で!」

絹旗「……これ、超マジで勧誘します?ボケモこなせますしツッコミも中々の腕ですよ?む

フレンダ「なんつってよ。『労働条件Dead or Alive・勤務時間いつでも・(乾いた)笑いの絶えない職場です』って誰が応募する訳?」

バイト店員「超絶ブラック以外の何ものでもねぇだろ」

浜面『……』

フレンダ「はまづら、は、ふしんそうに、こっちを、みている」

絹旗「あー超ダメダメですね、これはもっと迫真の演技をして貰わないと」

バイト店員「なんなのこの子達っ!?無茶振りが激しすぎる!」

絹旗「さぁ超強引にナンパしてみてください!この空気の中で出来るものであればねっ!」

バイト店員「これボーナス出ますか店長?……あ、ムリ?てか働け?いや、はい、分かってんですけど」

フレンダ「なんかもうグダグダで収拾が――ってなんた、いつものことな訳よねっ!いつもの!」

バイト店員「……なんだろうな。ここで失敗したら全責任が俺になすりつけられそうな予感がするぜ……!」

絹旗「はい、超頑張ってくださーい。浜面がいい加減不審に思ってますよー!」

バイト店員「この子と同じ職場ってだけでもう無理だわー……あーっと、金髪さん」

フレンダ「あによ」

バイト店員「――結婚しよう!」

フレンダ「……は、はぁっ!?何言ってんのバッカじゃない訳!?ば、ばーかばーかばーかっ!!!」

絹旗「何ちょっとまんざらでもない超リアクションしてんですか淫乱ゴールド……はっ!?私がツッコんでしまった!?」

バイト店員「実は俺、金髪フェチなんだけど、良かったらウエディングドレスの代わりにシスター服着て結婚してくれないか!」

フレンダ「三秒前のあたしのトキメキを返せ。あと人生初のプロポーズをネタで終らせてたあたしに深く深く謝って!さぁ早く!」

絹旗「というよりも結婚式でシスター服着せる時点で、超狂気しか感じませんが」

カランコロンッ

浜面「ちょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっと待ったぁ!!!」

バイト店員「あ、いらっしゃまいませー」

浜面「そのナンパっ!やめて貰おうかっ!」

バイト店員「お客様は何名様ですか?一名様でしたら、お好きな席へおかけください」

浜面「……えっと」

バイト店員「あと店内では他のお客様のご迷惑となるような行為はおやめくださるようお願い申し上げます」

浜面「はい、すいません」

フレンダ「……なんだろ、空気読め的なツッコミした方が良い訳かな?」

絹旗「空気読んでないのは店員なのか、それともテンション下げた浜面なのか興味はありますけど」

浜面「てかテメー何してやがる!何言ってんのか分かってんかよ、アァッ!?」

絹旗「いいですねー、出鼻をボケでくじかれた感じでしたが、リカバリーは中々超イイ感じですよ」

フレンダ「てか怒ってる、訳よね――ってこれまさか!?あたし的にハーレムって訳っ!?」

絹旗「フレンダ()」

フレンダ「せめて、せめて内容は言うべきと思う訳よ?じゃないと拾えないから、ツッコめないから」

フレンダ「だからこうあたしの名前がもうポケみたいになってんのは納得行かない訳なんですけど!」

バイト店員「はァ?なァに言ってンすかァ?全ッ然わっかンないですけどォ!?」

絹旗「ここへ来て露骨にキャラ変えましたね。超寒いです」

フレンダ「てかアレは美形がやるから悪カッコイイんであって、純日本人体型がやった所で、よね」

バイト店員「うっさいな外野!この他に悪キャラは変な四文字熟語連呼する外人しか知らねぇんだよ!」

フレンダ「なんつー引き出しの狭さ……」

浜面「……いいか、お前は間違ってる!そう、誰が言おうとお前は間違ってるんだよ!だって――」

浜面「――結婚式で着るんだったら、バニーさんに決まってんだろうが!」

絹旗・フレンダ「「……はい?」」

浜面「そんなシスター服だなんてウエディングドレスと大して変わらねぇだろえが!何言ってんだ!」

絹旗「その『何言ってんだ』は、店内全員の超総意で浜面へ向けられていると思いますが」

バイト店員「……まぁ、確かにそうとも言える!」

フレンダ「共感する訳っ!?」

絹旗「もう一人いたんですねBAKAが」

バイト店員「……否定は出来ないさ。お前が好きなバニーさん、それはありふれたもんじゃねぇよ」

バイト店員「ドン○のコスプレコーナー行っても、シスター服はあってもバニーさんは滅多にない――そのぐらい、俺だって分かってるさ!」

絹旗「……すいません。今の情報って合ってるんですか?」

フレンダ「あんま真に受けない方が良いと思う訳よ。だってこいつらバカだし」

バイト店員「だがちょっと考えろよ!考えてみろよ!お前は今大切な事を見失ってるんだって事を!」

絹旗「バイト先で性癖を暴露している以上に大切なことは超ないと思うんですけど」

バイト店員「だってバニーさんは――残酷じゃないかっ!!!」

浜面「ンだとテメェ……!バニーさんの、俺のバニーさんのどこが残酷だって言うんだよ!?」

フレンダ「うんそこ食い付くトコ違う訳」

バイト店員「だったら想像してみろ!例えば……そうだな、この子達がバニーさんになった所を!」

絹旗「すいません。超キモいんでやめて貰っていいですか?」

浜面「……なんだよ、バニーさんを着れば誰だって魅力は上がるに決まってんだろ!だってバニーさんなんだからな!」

フレンダ「ちょっと意味がさっきから分からない訳」

バイト店員「……それは本当にか、本当にそうだって言えるのかよ?」

バイト店員「胸を張って、真実その通りだって!お前は誰に向かってでも言えるか言ってみろ!」

浜面「胸を、張って……?――胸」

バイト店員「そうだ」

浜面「う、ウワアァァァァァァァァァァァァァァッ!?」

絹旗「なんで苦しむんですか。超次元カードゲームかクス×でもキメてんですか」

フレンダ「あたしらだけ取り残された感がするんだけど」

バイト店員「分かったか、そう、それは――”胸”だ!」

絹旗「だから、はい?」

バイト店員「バニーさんは――胸の平らな人たちには、似合わない……ッ!!!」

絹旗「――はーい、お疲れ様でした。では今から顔面超割りますんで、大人しくしててくださいねー」

フレンダ「待って絹旗!?流石にここで暴力沙汰はマズい訳!」

バイト店員「……お前の言う事も分かる。バニーさんは素敵さ、俺だってそう思うよ」

バイト店員「でもな!それを着る女の子の気持ちを考えたことがあるか!?胸の平らな種族の子だって居るんだぞ!?」

バイト店員「そんな子に!わざわざお前は強調するような衣装を着せるのかよ?それのどこに愛があるって言うんだ!」

フレンダ「コスプレしてくれる時点で、もう一定値以上の愛はあると思う訳……」

バイト店員「けどシスター服は優しい!お前のバニーさんが人を傷つけるのと違って、シスター服はさ、こう優しく包み込んでくれるんだよ!」

バイト店員「それが胸の平たい種族であってもだ!分かるかっ!?」

浜面「……ぐっ!」

フレンダ「……帰っていいかな?もうこれ収拾がつかないと思う訳!」

絹旗「ちょっと待って下さい。今どうやって超処刑するか考えてるところですから」

バイト店員「むしろ薄い胸が何が悪いかっ!そこを誇るべきだと俺は考えるねっ!」

バイト店員「てゆうかむしろJC以外に考えられないっていうかねっ!」

フレンダ「おい暴走するのもいい加減にする訳。モブのフリしてるKMJさんだっていい加減みんな気づいてるし」

絹旗「てゆうかKMJさんロ×疑惑は明確に否定されてない気が……」

カランコロンッ

バイト店員「あ、いらっしゃい、ま……せ」

常盤台の学生「……」

バイト店員「いや違うんですよビリビリさん。これですね、その流れって言うかドッキリっていうか、話の流れてでしてね」

バイト店員「てゆうか俺も実は本意ではなくてですね、それはもう俺何言ってんだろうアハハン的な感じで、えぇもうそれは」

バイト店員「そもそも『今回はモブでツッコミもしなくて良いしむしろ率先してボケてやれ!』みたいな、見えない何かが働いた予感かで」

バイト店員「まっ、一言で言えば!」

バイト店員「気をつけろ!これは敵の魔術――へぶしっ!?」 ボスッ

絹旗「本場のツッコミ(腹パン)入れときました……あれ?何か超懐かしいような?」

フレンダ「素人の人に絹旗の愛は厳しいと思う訳」

常盤台の学生「……」

バイト店員「ほぉら見て下さいビリビリさぁん!今入ったから!今ツッコミ入ったからこのボケは終わりで!」

バイト店員「もうね、ボケ1に対してツッコミ1は等価交換だから!これ以上ツッコんだらオーバーキルになっちゃうから!」

絹旗「必死()ですね」

常盤台の学生「……ありがとう」

バイト店員「だからですね、これはきっと――ってお前今何言った?」

フレンダ「なんか凄い超展開を見せてる訳だけど、なにこれ?」

絹旗「しっ!フレンダ、他人の修羅場ですから超黙って!」

フレンダ「あんたの面の厚さも能力ばりよね」

常盤台の学生「ずっと……悩んでたのよ」

バイト店員「あっはい……何が?」

常盤台の学生「足りないんじゃないか、って。これはもしかしたらおかしいんじゃないかな、ってね」

常盤台の学生「ずっと――そう、ずっと悩んでたの!」

バイト店員「いやだから何の話よ?」

常盤台の学生「色んな事をやったわ。それはもうお高いエステや健康器具を試したり、自販機をキックして筋力をつけたわ!」

バイト店員「お前、その発想は山賊か格ゲーの主人公だからな?」

常盤台の学生「でも、そうでもあたしの努力は実らなかった!どんなに手を尽しても事態は好転の兆しすら……!」

バイト店員「……よく分からないんだが、具体的に?」

常盤台の学生「大っきくならなかったのよ――胸が」

バイト店員「そっちかい!てかそれしかなかったけどな!」

常盤台の学生「けど、さ。良かったんだと思う、結局はさ、運命みたいなものかもねって。だって――」

常盤台の学生「――アンタは、平たい種族が好きなんでしょう?」

バイト店員「いえ違います」

常盤台の学生「……うん、知ってるわ。この時勢に強く主張するのは難しい、それは理解してるつもりよ?」

常盤台の学生「でもいいのよ!私に嘘をつかないで!」

バイト店員「お前それ寛容さを前面に持ってきてるけど、言ってる事はダメ人間量産するだけだからな?」

ポン

バイト店員「誰だよこの忙しいときに!」

浜面「……」

バイト店員「……うん?」

浜面「おめでとう」

バイト店員「あっテメ裏切りやがったなチクショー!?なんかイイっぽい流れだから乗っとけみたいになってんだろ!?」

絹旗「おめでとうございます」

常盤台の学生「ありがとうっ!あたし、ついにやったわよ!」

バイト店員「いやいや違う違う、これそんな企画じゃねぇから!つーかどんなオチだよこれっ!?」

フレンダ「なんだこれ」

絹旗「では次は『ニンゲン超観察バラエティ フレンドリング』でお目にかかりましょう」

フレンダ「やったら縁切る訳よね?絶対だからね?」


ニンゲン超観察バラエティ ハマヅリング −終−

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