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Clock(trial)

クリスマスの日ver2023

 
――イギリス某宮殿

ヴィリアン「――ヴィリアン、お召しによって参上致しました」

エリザード「あー、孫の顔が見たいわー。孫って可愛いんだろうなー、だって孫なんだからなー」

エリザード「極東の島国で謳われてるEN-KAにもあるように可愛いんだろうなー孫の顔がー」

エリザード「しかし我が馬鹿娘どもはどいつもこいつもダメな方に育っちまったな!女の幸せはデカい声とデカい態度でマウント取ることじゃねぇぞ!」

エリザード「このままじゃ王朝交代かぁ――と思ったら!こんな所に適齢期ギリ寄りのギリの末娘がいたな!」

ヴィリアン「あらゆる意味で酷いですお母様。あとお姉様方は、その、フォロー的なモノをしてあげてください」

エリザード「で?誰が良い相手でも出来たか?ロンドン塔に足繁く通っているらしいが!」

ヴィリアン「お仕事ですからね?いつの間にか決まってしまった役職が非常に重い……っ!」

エリザード「アレだろ?そんな事言ってオルウェルと会うときには人払いしてるんだろ?」

ヴィリアン「して――なくはないですけど!プライベートな感じですから!」

エリザード「いやな?真面目な話、お前がオルウェルとくっつくのは悪い事じゃないんだよ。どっかのサルと違って女優崩れに騙されるような話でもないし?」

ヴィリアン「お母様?言葉を選びませんと、今ではポリとかコレとか大変な時代ですからね?」

エリザード「お前があの妖怪若作り改め若作り悪魔ババアの後釜に座った以上、オルウェルの後押しがあればな。盤石になるというか」

ヴィリアン「そんな理由で結婚相手を決められたくないです!」

エリザード「いや、お前は恵まれてる方だぞ?一応は想う相手と添い遂げられるチャンスがあるんだからな?」

ヴィリアン「それは……そうですが!」

エリザード「まぁ国のことはアホの姉二人に任せ、お前はお前は為すべき事を為せ!あっち方面の立て直しも急務ではある!」

エリザード「その結果として!たまたまお前が想う相手と結婚させられても、まぁ仕方がないよなって話だよ!」

ヴィリアン「お母様……!」

エリザード「とはいえお前が異常な奥手なのもまた事実――なので今日はアドバイザーを喚んでおいた!」

ヴィリアン「アドバイザー?」

レッサー「――どうも!ブリテンが生んだ戦闘○Dことレッサーちゃんです!」

ヴィリアン「あ、テロリストだ」

レッサー「おぉっと何の事か分かりかねますな!ただ今の私に言えることは密室でババアと素人一人ぐらい容易く葬れるって事ぐらいです!」

ヴィリアン「そういうとこじゃないですかね?反省の色が見られない点とか」

レッサー「全て私にお任せ下さいな!私の手にかかればどんな相手でもエ×い展開間違いないです!」

ヴィリアン「……ちなみにご実績の方を伺っても?」

レッサー「1より先は数えていません!」

ヴィリアン「脳に障害でも?それとも十進法を拒否した一族とか?」

……

キャーリサ「ポーンを6の2へ」

アックア「……ではルークを3の……7へ」

キャーリサ「残念。ビショップを6の3へ寄せてチェックメイトだしー」

アックア「むう……お強いのであるな」

キャーリサ「まー、この分野だけはなー。しかしまさかお前とクリスマスに脳内チェスだけで過ごすとは思わなかったぞ」

アックア「収監されている身故に、また声が届くのが他にいないのであるな」

キャーリサ「せめて今日ぐらいは何かあってもいいんじゃないか?知ってるか、極東の島国りの刑務所ではケーキ出るらしいぞー?」

アックア「殿下は甘いのがお好きなのであるか?」

キャーリサ「前はそうでもなかったがなー。今ではどんなイベントでも歓迎する――と、誰か来たよーだな」

レッサー「この腐れテロリストどもが!エリザード陛下のご温情で生かされているだけとお知りなさい!」

キャーリサ「お前が言うなし。さっさと一抜けしたお前だけが」

レッサー「え、証拠でもあるんですかぁ?私とあなたとは初対面の筈ですけどぉ?」

キャーリサ「クーデター失敗したときのために、お前らとのやりとりは全て記録してある。そして提出済みだアホが」

レッサー「――お久しぶりですねキャーリサ殿下!あ、これ良かったらマフラーとセーターと靴下をどうぞ!私の手編みですから!」

キャーリサ「クロ○ってブランド名、あと生暖かくて今脱いだ感が……あーまー使わせてもらうか。オルウェルにもやってやれよ。パンツとか」

アックア「超お断りなのであるな。錯乱したと思われ――おい確認用の窓から何かを入れようとするな!?」 グッ

レッサー「私のはいたおぱんつを元聖人が履くとか超オイシイじゃないですか……!」

アックア「キャーリサ殿下、あなたが失敗した理由が分かったのである。こいつと組んだからであるな」

キャーリサ「お前らに押しつければよかったな。それで?メッサー某はなんのよーだ?」

レッサー「『あ、どうもメッサーシュミットP.1101です!もうすぐ僕もロールアウトだ!アメリカ軍をやっつけてやるぞ!』」

レッサー「『え、なに?戦争は終わったの!?僕が完成する前に――ってうわやめろお前ら何をするんだ!?』」

レッサー「『なんだって!?アメリカへ連れて行かれるんだって!?僕に、僕に何をするつもりなんだ……ッ!?』」

レッサー「『次回、メッサーシュミットP.1101アメリカへ行く!僕、どうなっちゃうの!?』の巻……ッ!!!」

キャーリサ「オイ誰がカーテナ持って来い!ツッコミがボケに追い付かない!」

アックア「誰が知ってるのであるか。人類史上初の可変翼機メッサーシュミットP.1101が第二次世界大戦に間に合わず、戦後アメリカに持ち去れたとか、誰が知っているのあるか」

レッサー「『第二話、誰コイツ!?ベルX-5ってなんなの!?』」

キャーリサ「悪かった。私が悪かったからその、頭の悪そーな架空少女マンガシリーズはやめて」

アックア「……最終話は?」

キャーリサ「なんで気になってるし。可変翼機なんてどーでもいいわ!」

レッサー「『後部可変翼なんざデカいエンジン積めば解・決☆』ですな。21世紀に後部可変翼機の後継機がF14ぐらいしかないので、まぁお察し下さいとか」

アックア「だったらある程度は成功していると言えなくもないのでは?」

レッサー「あーまぁ私もロマンは感じますし嫌いじゃないんですよ?でもただステルス性や情報戦を考えたら、最初から固定翼の方が遙かに効率が」

キャーリサ「そんなんはどーでもいいわ!暇は暇だけどクリスマスの日に聞かされる話題か!」

レッサー「そうですよクリスマスですよ!エリザード陛下とヴィリアン殿下のお情けにより、あなた達みたいな犯罪者にもプレゼントをくれると言うことです!」

アックア「サンタ役の態度に難があるのであるな」

レッサー「何を仰いますか!?請われれば服や防寒具やおパンツを無償で提供し、子供に異常な関心を持つデブのヒゲよりも人格者でしょう!?」

キャーリサ「言い方に気をつけろ。あとサンタクロースは異常者じゃーない」

レッサー「『サンタクロースが男性なのはジェンダーギャップに反しています!なので女性であるべき!』」

キャーリサ「もーなんか宗教だよなー。その上で『女性は男性が守るべきものである』ってーのは固定していると」

アックア「二人ともいい加減にするのであるな。騎士が婦人を守るのはこの世の理なのである」

レッサー「いい事言いましたね!ではアックアさんには正解したのでこのパンツを!」 ググッ

アックア「絶対に要らないのである。そしてこれはある種のハラスメントであるな」

レッサー「細かいことはいいんですよ!そんなみとよりも今日はクリスマス!陛下と殿下から差し入れですな!オラ喜べ愚民どもが!」

キャーリサ「一応ヒエラルキー的には最上位だしー?」

レッサー「もう古いんですよその考えた方が!王室なんて今はもうゴシップ紙のネタ製造器になり下がったくせに!」

アックア「程度の問題であるな。いやまぁ、実際に醜聞を引き起こしてここにいる王族もいるのであるが」

レッサー「じゃまずお衣装をねっ!折角ハレの日なんですからジャージじゃいけませんよジャージじゃ!」

キャーリサ「これしか差し入れられないんだから選択肢がない――ってまたジャージだろ!せめて私服を持って来い!」

レッサー「え?ベイロープのユニフォームをパチったんですけど?」

キャーリサ「なお悪いわ!?どこの世界にどっかの魔術結社のユニ着てる囚人がいるんだ!?『あぁまたなんかやるつもりだな』とか思われるだろーが!」

レッサー「いいじゃあないですか、かのジャンヌ=ダルクも囚われた際には男装をですね」

キャーリサ「それダメな例えだよな?『女子なのに男装をしていた』って異端審問で詰られたヤツだろー?」
(※ジャンヌが戦後、フランス軍に捕まる→拘留中には男性の服しか与えられない→裁判で「この者は婦人にも関わらず男の服しか着ようとしなかった!」という罪状が加わる)
(※Q.なんで功労者にこんな事をしたんですか?――A.フランスだからです)

キャーリサ「おいアホ傭兵!お前からも何か言って、や、れ……?」

アックア「……スーツ、というか一般的にはタキシード、であるな」

キャーリサ「オイオイ、どーしたーサンタさん?オルウェルの方が上等って差をつけているのはおかしーだろ?」

レッサー「いやぁそれは立場の違いと申しますか、まだキャーリサ様には早いって言いますか。どっちだよ!なんつってね!」

キャーリサ「この謎生物、どーにかならんか?お前鉄格子から手ー伸ばして攻撃とかできるだろー?」

アックア「悪くない生地であるし、サイズもまるで誂えたようにピッタリなのが恐怖であるな……!」

キャーリサ「聞けよ話。あぁでも温かいなジャージ」

レッサー「そしてなんとなんと!クリスマスですのでケーキの差し入れを!ショートケーキ(日本風)とショコラケーキの二つをご用意しております!」

キャーリサ「ショコラ寄越せ」

レッサー「分かりましたショートケーキですね!ではアック○様にはショコラケーキをどうぞ!」 グググッ

キャーリサ「誰がご当地キャラのアッ○マ様だよ。だから聞け、話を。まー日本風ケーキも好きは好きだが」

アックア「あぁ、すまないが私はケーキが苦手なので殿下の方へ――ってだから意にそぐわなかったらパンツを入れようとするな!?どこの世界に囚人にパンツを押しつけようとするのであるか!?」

レッサー「いいからお食べなさい!陛下のお気持ちも理解できないアホと敵に裏切ったアホはね!」

キャーリサ「お前もだよ。お前も両方の意味で入っているからなー?……あ、まー美味しいっちゃ美味しいな。ほぼ囚人食だけだからだが」

アックア「あぁ確かに。まともなケーキなんて何年ぶりなのである――か?」

キャーリサ「おいどーした?毒でも盛ってあったかー?その程度じゃ死なんだろーが」

アックア「……ケーキの下に、ビニールに包まれた紙が……入っていたのであるな」

キャーリサ「ふーん?愚妹からお手紙か何かか?良かったな−」

アックア「ではなく――婚姻届、であるな。しかも受理済みの」

キャーリサ「本当に怖いなそれ!?つーか何だそれ!?これはやってダメな方だろ!?」

レッサー「え?いや私はただの使いっぱなので事情は知りませんけど?」

アックア「……待て、待つのであるな!これは流石にジョークでは済まないのである!」

レッサー「おぉっとこんな所にスマートスピーカーが!一時期持て囃されたのに、微妙に最近話を聞くなくなった商品が!」

キャーリサ「情報端末で聞けばいいだけの話だからな。ていうか置いて行けよそれ。暇すぎて死にそうだし」

レッサー「あぁんじゃこれは私のプレゼントって事にしましょうか。では何かかけて――『オッケー、ブーブル!ラジオ、国内ニュースで!』」

キャーリサ「なんでそれを選んだ。いやまぁスウィフ○とか聞かされても『まぁ歌は上手いよね、歌は』としかな」

国民A『ヴィリアン殿下おめでとうございまーす!末永くお幸せにー!』

国民B『おめでとー!ブリテンばんざーい!ヴィリアン殿下ばんざーい!』

アナウンサー『――と、このように急遽降ってわいた朗報に、バッキンガム前には多くの国民が詰めかけております!スタジオにお返ししまーす!』

キャーリサ「……へー?」

アックア「――って待つのであるな!?超待つのである!これは一体どういう事なのか説明を求めるのである!」

レッサー「あ、すいません。クレームは終わってから聞きますからお静かに」

アックア「待てるか!?具体的に私の人生が終わるのであ――」

司会『――はい、という訳でバッキンガム前からの中継でした。それで、なんですがね今回ヴィリアン殿下のお心を頂いた方はどんな方ですか?』

騎士団長『あー、そうでね。オルウェルは私の同期で同じ釜の飯を食べた間柄でして。ちょっとしたご縁でヴィリアン殿下とお近づきになったんですが』

騎士団長『一時期身分の差と言いますか、色々な葛藤があったんでしょうか。彼は身を引いてイタリアの方へ身を寄せていました』

騎士団長『しかしやはり殿下のことが忘れられず、こちらへ戻って来て改めて、ということになったそうです』

アックア「貴様アァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!?」

司会『やーなんか聞いているだけで素敵なお話ですね!オルウェルさんのお人柄が伝わってくるようで!』

騎士団長『えぇ彼は見た目で損をするタイプと言いますか、中身はかなりひょうきんな方と言いますが』

騎士団長『この間も「参勤交代−、江戸江戸ー♪江戸江戸ー♪」って一発芸をですね!』

アックア「誰がやってもカベリ必至なネタであるか!?」

キャーリサ「いやツッコミどころが違うし。つーかせめてYAS○の裸芸にしてやれよ」

レッサー「あ、それは私のアドバイスです。『どうせだったらご陽気ものってイメージつけましょう!』って事前に相談を」

アックア「………………貴様、覚えているのであるな?」

レッサー「くっくっくっく……!まさかこの私が後先考えて生きているとでもお思いですか!?復讐が怖くてボケを控えるだなんて出来ませんよ!?」

キャーリサ「お前もその刹那的な生き方なんとかしろー。坂道で転ぶ前になー」

司会『ただ残念なのがヴィリアン殿下のお姉様方と言いますか、お二人の方にはまだそういう明るいお話はないんでしょうか?』

騎士団長『あー、今のところないみたいですね。友人としては非常に心苦しい所ではあります』

司会『またまたぁ?あなたとキャーリサ殿下は非常に仲がいいって話がありますよ?』

騎士団長『あっはっはっはー!絶ッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ対にない話ですかね!身の程を知っていますからね私は!!!』

司会『え、でもエリザード陛下が「実はな、キャーリサとあいつも――おっといかん!これ以上はまだ言えん!」ってツイードが』

騎士団長『おいババア今から殺しに行くからな?』 プツッ

アックア・キャーリサ「……」

レッサー「はい、っていう訳でね!本当のクリスマスプレゼントはサプライズだったってお話ですね!」

レッサー「おめでとうございますア゛ーッ!?クアさん改めオルウェルさん!再就職先が早々と決まったようで!」

アックア「これは、これはもう無理なのであるな……ッ!情報が出回った以上、指名手配されているよりも始末が悪い……!」

キャーリサ「愚昧な愚妹に先を越されるのは甚だ遺憾ではあるが、まーおめでとうオルウェル――」

キャーリサ「――もとい、我が義弟殿。くっくっくっく、超笑えるし」

アックア「よりにもよって腹に一物も二物も抱えていそうな連中と身内……!」

レッサー「まぁちゃっちゃと諦めることですな!『結婚とは人生の墓場、でも夫の性欲は妻以外で発散される傾向にある!』って言いますからね!」

キャーリサ「後半は初耳だ。知りたくもなかったがな」

アックア「……主犯が陛下、共犯が殿下なので強くも出られないのである……!」

レッサー「今代の幻想殺しに『敵に回せば面倒臭くて、味方にすれば超面倒臭い』とまで言われた私に任せれば!聖人や右席などこの程度ですな!」

司会『えー、ではここで曲に行きます。テイラー=スウィフ○のアルバムより――「ラヴァー」です』

アックア「やかましいのであるな!?いやまぁ選曲としてはベストかもしれないが!」

レッサー「ガンバレー、どうせ数年後にはスキャンダル起して乾いた笑いの絶えませんよー」

アックア「重ね重ねやかましいのである。確かに王室にはありがちであるが!」

キャーリサ「……ヴィリアン、戴冠したら超面白くね?『騎士派』の連中に冷や飯を食わせるってゆー?」

アックア「キャーリサ殿下も公務が面倒だからってやめるのである!どうせ『騎士団長』に降嫁するのであるし!」


-終-
(※外堀を埋められる典型ですが、原作でもヴィリアンさんが『必要悪』の看板になった事で逃げ場がないっていう……ご応募ありがとうございました)



――

娘々『――おお、あるいみゆうしゃかみじょうよ。なんかこういっしゅうかんでおわるよていのきかくが、としをこしそうとはなさけない』

ネフテュス『まぁ、コロンゾンが秩序側に転じた世界になると歪みも相当大きいからそうなるっちゃなる……』

上条「いい加減俺で遊ぶのやめてくださいよコノヤロー。『この人誰?』っていうぐらいにキャラ変してるだろあっち」

娘々『そんなお前に朗報があるにゃあ。なんと公式じゃないスピンオフ企画が!』

ネフテュス『サンタさんの大盤振る舞い……残りの人生の運を全消費……』

上条「嬉しくはねぇわ!?ただでさえ少ない俺の運を無駄遣いさせんなよ!?」

娘々『公式スピンオフで様々な人間に抜かれ、かつ本編では「全員が主人公だよ☆」とアイマ○っぽいことを神様(※鎌池先生)に公言され』

ネフテュス『つまり主人公でありながらスピンオフの波に乗れなかった可哀想な子……』

上条「おいいい加減にしろよ!それ以上言ったら泣くからな!魔神相手に善戦した俺だってそれ以上言ったら号泣してやっかんな!」

娘々『案じるなよ少年。あーなんかこう今日は魔神パワーで超電磁砲勢よりも上にしてやっから。人気とかな』

ネフテュス『グレンダイザ○……』

上条「それUFOロボでマジ○系ではない。ほぼほぼ兄弟みたいなもんだけどもだ」

上条「そして俺たち禁書系は魔神パワーをもってしないと勝てないのか……ッ!?」

ネフテュス『男子高校生――需要ない説……ッ!!!』

娘々『まぁなー。一応JKキャラで固めとけば男女共に一応の人気は得られっからなー』

上条「この屈辱……!いつか、いつか見返してやるぜ……!」

娘々『20年やってきた結果がコレなんだから……うんまぁ頑張ればいいと思うわ』

ネフテュス『がんばー……わたしはそんな少年を応援している、応援だけは』

上条「で?俺はどんな企画をすればいいんだ?」

娘々『なんでもいんじゃね?別に縛りとかはねーし、お試しで世界創ってやってから』

ネフテュス『あんまり酷いと……その世界に投げ込んで終わり……』

上条「ならば行かせてもらうぜ!俺が前々から温めていた企画!その名も――『上条さんちの今日のごはん』……ッ!!!」

……

上条『――よーし今日は手作りハンバーグだ!美味しいモノを作ってインデックスを喜ばせよう!』

上条『まずは干しシイタケから戻したシイタケをみじん切り!ついでに生シイタケとタマネギも同じようにして、軽くめんつゆをかけておく!』

上条『味が馴染むまで豚と牛の合い挽き肉をよーく混ぜ合わせる!脂がとけるぐらいにな!』

上条『次にシイタケのみじん切りと肉を合わせ、お好みによってつなぎには卵だったり小麦粉だったり!俺はフワッとしたのが好きだから小麦粉を入れるぜ!』

上条『全部入れたのをよーく混ぜて混ぜて混ぜて……これで和風ハンバーグのタネの完成だぜ!』

上条『あとはまぁ簡単だ!フライパンに油を引いてタネを載せる!俺はくっつくのが嫌な派だから、大体10秒に一回ぐらいずつフライパンを振れ!そうすると表面だけが焼けてくっつかない!』

上条『両面3分ぐらい焼いて焼き色がついたら水を入れてフタをする!これで蒸し焼きだな!』

上条『最終的にはつまようじかなんかでプスッと刺すと、透明な脂が出てくれば火は通ったって事だ!』

上条『で、蒸し焼きにしている間に大根下ろしとポン酢を用意して――完成!上条さんちの今日のごはん!「和風ハンバーグ」だぜっ!』

上条『どうだいインデックス!?美味しいだろ!?』

インデックス『あのさ、とうまさ?美味しいよ?美味しいんだけどね?』

インデックス『毎日毎日凝ったお料理を作るんじゃなくてね、もっとこう適度に手を抜いても構わないんだよ?別に常に全力で走れとか求めてないんだし?』

インデックス『そもそもまいかの方が美味しいんだよ――ってとうま、どうしたのかな?スリコギなんか持って、それで一体何を使うつもり――!?』 ポキュッ

……

娘々『――BadEnd4〜誠意が通じない相手〜』

ネフテュス『残念……少年の冒険は終わってしまった…… 」

上条「なんでだよ。なんで俺がインデックスをスリコギ棒で撲殺する展開になってんだよ」

娘々『でも料理を非難されたらキレね?』

上条「あぁキレるさ!つーか誰だってキレるわ!折角作った料理にケチつけるような相手にはな!」

ネフテュス『まぁ、それも正しいんだけど……十字教には彼らの教義というのがあって……』

娘々『まぁ超極論だと「食事を食べられるのは恵みをくださる神様のお陰」であって、あんまり料理人には感謝が薄いっていうね』

上条「マジかよ十字教最低だな」

ネフテュス『あとタイトルとコンセプトがおこがましい……パクリにしても程がある』

上条「異議がありまーす!俺だってメシ上手いキャラでやってんだからアリじゃないですかね!?」

娘々『弁えろやアホ。「衛宮さんちの今日のごは○」の真似だなんて100年早えーよ』

ネフテュス『100年早い……一昨日いらっしゃいな、的な』

上条「てかぶっちゃけ言っていいか?凄く根本的なことなんだが」

娘々『っだよ』

上条「騎士王と同棲生活キャッキャウフフしてるんだったら何作っても何食っても美味くね?」

上条「正直金がなくてコンビニで菓子パン一個買って、それを二人で分けるだけでもうお腹いっぱいだよね?」

娘々『まぁな!それ言ったらオシマイだけどそれはホントそうな!』

上条「どうせカメラの回ってないところで『おいおいアーサー○じゃなくてまるで一人の女の子だな』とか言ってんでしょ!?いやらしい!公式で出しなさいよ!」

ネフテュス『それ個別ルートのメインテーマ……あぁまぁ結局は王様に戻るけど』

上条「俺の個性をもっと重視してほしいですね!何かこうメシ作りが上手い以外にもあるでしょうが!」

娘々『ラッキーなスケベキャラ?』

ネフテュス『お前のとーちゃん……ラキスケー……』

上条「いわれなき冤罪が俺にダメージを……!いやまぁ多少譲ってそういう所がないわけでもないが!そっから話を進めるのは無理があります!」

娘々『あー、あれでよくね?「とあるレビュアーズ」』

上条「純度100%のエ×じゃねぇか?!年齢制限はかかるし、そんなんが超電磁砲より人気あったら日本は終わるわ!?」

ネフテュス『ほぼ全てのハーレムヒロインでロ×枠が最低一つ、もしくは複数ある件について……!』

上条「強いられているんだよ?『ツンデレ、幼馴染み……そうだ!適当にロ×入れとけ!』ってみんながみんな安易にキャラぶっ込むのが楽だからだよ?」

娘々『でもレビュアーズに興味ない訳じゃないんでしょう?』

上条「無い――とは言わないが!だって俺は男子高校生だもの!真っ当な意味での!」

上条「だから!そうだから体験版的な意味でのトライアル的な世界をお願いします!出来れば初日は無料的な感じで!」

娘々『どっかじゃ完全に性欲ゼロだから枯れたかと思ったわー。まぁ行って来ーい☆』

……

上条『ここが学園都市最大の歓楽街、「常盤台」かー――ってヤベェなこの名前!?色々と!』

上条『おおよそ考えられる全てのコンプラに反してるわ!年齢的なモノから道義的なモノまで網羅してんだよ!』

レッサー☆『ラッシャイマセー。お客さぁん、ウチはイイ子いますよー?お買い得ですよー?』

上条『大体オチが読めるんだよ。HAMADURAが待ってるとかそんなんだろ?どうせ?』

レッサー☆『お客さんのスカジーボード拡張しちゃいますよ!』

上条『誰が知ってんだよスカジーボード。USB規格が開発する前の一般的な規格で、電源入れる前から接続してないとぶっ壊れるっていう悪夢の仕様を』
(※30年ぐらい前のパソコンの仕様)

レッサー☆『シスターさんもいっぱいいますよ!金髪巨乳から金髪巨乳までよりどりみどりですな!』

上条「一択じゃねぇかそれ。いやまぁ充分と言えば充分だし俺的にもストライクなんだが!』

上条『つーかお前、目の中に☆なんてあったっけ?ドブみたいに汚れてなかった?』

レッサー☆『気のせいじゃないかし――ですかねぇ!ささ、お早く!当店に入ったばかりの新人です!』

上条『まぁそう言われちゃ――あだっ!?なんだこの痛み……っ!?』 プスッ

御坂『ほ、他の女に盗られるぐらいなら……ッ!!!』 ガクガク

上条『なん、でだよ……ッ』 パタッ

……

娘々『BandEnd7〜○死ね〜』

ネフテュス『中途半端に好感度を上げていると起きやすい……』

上条「俺風×行っただけで刺されんの!?」

娘々『「風俗行ったら人生終わったwww」』

ネフテュス『別名、自演』

上条「やかましいわ!?電○が仕掛けてスベった映画なんて誰も覚えてねぇよ!?」

娘々『てゆうかスピンオフでエ×があるのはいただけないにゃあ。そんなんないだろ?』

ネフテュス『エ×は嫌いではないけど……限度というものがあったり、なかったり』

上条「最初っから分かってたことだろ!?だって良い子のお話なのだから僕らはね!」

娘々『いないと思うけどFG○から始まって、種々のエ×コンテンツを目の当たりにしたら癖(へき)歪むじゃん?』

ネフテュス『それもまた人生……そして始まる同人生活』

上条「あっちはね?いい加減に取り締まった方が、うん、ある程度の規制を設けつつゾーニングをだな」

上条「つーかな!?俺にはもっと相応しいスピンオフがあんだよ!どこの誰がエ×を全面に出したスピンオフで流行るんですかあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

娘々『おー、じゃあ言ってみろや?お前に相応しいってメシとエ×以外に何かあったっけか?』

ネフテュス『女運に全振り……』

上条「失敬な!俺にだってあるわ特技の一つや二つ!」

娘々『具体的には?』

上条「………………キャラの声を聞いただけで、中の人の名前が分かる……?」

娘々『それただのアニヲタじゃね?悪いこっちゃねーけど、そっから話膨らますのって無理じゃんよ』

ネフテュス『なんか戦う感じでワンチャン……「○○の声がする――つまり犯人は怪盗キッ○だ!」みたいな』

上条「あんまり大御所にケンカ売るのやめようぜ?映画興行収入長らく一位キープしてたんだからあっちは」

娘々『あーじゃあ視点を変えようぜ。超電磁砲は基本科学サイドだし、少年は魔術サイド側のなんかやりゃいいじゃんね?』

ネフテュス『適材適所……大事』

上条「そっか……そうするとこんな世界に――」

……

上条『……』

女子生徒『あ、あのっ!上条さんですよね!?』

上条『あ、うんそうですけど』

女子生徒『チャンネル見ました!頑張ってください!応援しています!』

上条『あっはい、どう、も?』

女子生徒『病疫神が行き逢い神を兼ねていたところなんか、とっても楽しかったです!失礼しまーす!』 ダッ

上条『あーはい。そう』

青ピ『オウオウカミやん超人気やんな!?全く隅にも置けへんでしかしぃ!』

上条『いやぁどうなんだろうな。俺も正直困惑してるっていうか』

姫神『大丈夫。自信を持っていい。楽しければそれはコンテンツ的には正義』

吹寄『まぁ、いいんじゃない?歴史的にも間違ったことは言ってないんでしょう?』

上条「あぁそれは監修してくれる人がいるから大丈夫、だと思うよ。俺もあんま自信はないけど』

土御門『大体合ってるにゃー。つーか異論傍論も結構ある訳でどれが正しいかとか、、結構曖昧なんだぜぃ』

上条『お前が言うなや。一応総本山ってたんだから――ってごめんごめん!俺もう行かないと!』

姫神『今日も撮影?あんまり無理はしないでほしい』

上条『あぁそれは大丈夫だ。だってほら門の前にお迎えが』

闇咲『――「とあるスピンオフ・上条当麻のオカルト列伝」の撮影に行こうか……ッ!』

……

上条「――って俺が嫌だわ!?ほぼ闇ちゃんねるだよ!魔術サイドを深掘りしたところで埋まってんのは怪談おじさんしかいねぇわ!?」

娘々『あー……本編じゃオカルトっていうか魔術師との死闘がメインだから。スピンオフでも魔術関係になったとしたら――』

ネフテュス『必然的に闇ちゃんねるそのまんま、と……』

上条「そしてあんなんが嘘でも人気出ねぇよ!?一部カルトなマニアの子がいないでもないが!万人受けするかぁ!?」

娘々『普通は小説やゲームにネタにするんだけど、「まぁ出してもいいかな」って手を抜いてないんだにゃあ』

ネフテュス『ボツになった企画とか……まぁそういうのも、なくはない訳で……』

上条「オカルトで喰ってる人もいるんだから!そこら辺は気を遣ってあげようぜ!?」

娘々『業界七不思議の一つ――「霊的な修行をした訳でもない素人たちが、ほぼ全員生存してネタにできるぐらいザルな祟り」』

ネフテュス『謎よね。あれだけ人が多いんだから、数人から数十人は地雷踏み抜いてフェードアウトしててもおしくないのに』

上条「それは地雷が埋まってないからだよ?『ここは危険だ!危険だから素人は来ちゃいけない!』って言いながら反復横跳びして遊ぶ人達だからね?」

娘々『ともかく他になんかねーの?このままだと時間切れになっけどさー?』

ネフテュス『さぁ悩めハマヅラのチンピラ友達……略してビラ友よ……!』

上条「あぁじゃあ一つ、思ってた事があるんだけど――』

……

インデックス「ただいま――ってとうまどうしたんだよ!?ごはんがいっぱい!?」

上条「あーまぁクリスマスも近いし、何となく、かな?たまにはみたいな?」

インデックス「わたし的には『これが最期の食事なんだから、しっかり食べようぜ!』とかじゃないんだったら歓迎するんだよ!」

上条「なんで俺がお前無理心中するんだよ。つーかメシ豪勢にする余裕があったらそのカネで足掻くわ!?」

インデックス「わたしも出来れば信じたいんだよ、って美味しいんだよ!おかわりはあるのかなっ!?」

上条「少し多めに作ったから余裕はあっから!急がないでゅっくり食べなさい!」

インデックス「はーい、なんだよ!」

上条「……ま、普通の日常が一番なんだよな。料理を作りたい人がいて、食ってくれる相手がいるっていう幸せ」

インデッス「あ、でもまいかの方が美味しいのかも」

上条「そんな舞夏舞夏言うんだったら土御門さんの子になりなさい!なんだったら二人でメシをタカリに行こうか!?」

インデックス「あの、軽くボケただけだから、そうていをうわまわるボケ返しをされても、その、困るんだよね」


-終-
(※幸せは身近にあって気づかないらしいですが、つーかよくよく考えたら上条さんスピンオフって闇ちゃんねるっぽくなる以外に選択肢が……ご応募ありがとうございました)



――クリスマスの夜

上条「――あー超充実してるわー。インデックスさんはアリサさん達とお泊まりに行ったし、土御門や青ピは合コンで仲良くなった子たちと遊ぶっていうしー」

上条「久しぶりに一人だわー。なんの気兼ねもなく夕食カップ麺で済ませられるわー」

上条「そして!取り出したのが明星一平ちゃ○のラー油ソバ!実は前から気になってた!『あのこってり系カップ麺の代表格が出すソバってどうなんだ?』ってな!」

上条「その答えが、今、出るっ!さぁお湯を入れて三分経ったぞ!」 バリッ、ズズズズッ

上条「…………肉そばだな、普通の。醤油ベースの、これっつって良くある……定番!そう定番の味だぜ!」

上条「だ、だが失望するにはまだ早い!付属の味変用のラー油を入れれば――」 ポトッ、ズズズッズッ

上条「ただ単に、ラー油を入れただけの肉そば味だよな……うんまぁ、美味いは美味いんだが」

上条「ただこれだったら、普通のソバにラー油入れるのと何が違うっていうね……」

上条「……」

上条「――よし!チーム☆ラッキ○先生の本でも読んで寝るか……ッ!!!」

レッサー「すいません上条さん。D×人間の悲しいぼっちクリスマスあるあるはいいですから。そのひのきのぼうを仕舞ってください」

上条「なんだと!?クリスマス以外でも同じ生活パターンのD×がいるかもしれないじゃないか!あと俺のひのきのぼうは+99だ!」

レッサー「実戦で使わないのに改造しすぎですよね。そろそろ上位武器へ乗り換えられては如何ですか?」

上条「俺の父さんはこう言った――『誰だって生まれ持ったひのきのぼうで戦わなくてはいけない。大切なのは誰と戦うかだ』だって!」

レッサー「ひのきのぼう縛りは一体。あと含蓄がない訳でもない話でしょうが、『そこまでしてひのきのぼうを使い倒す意味は?』って疑問が頭にあって入って来ません」

上条「なぁ、そんなことより俺のこのはかいのてっきゅうをどう思う?」

レッサー「すごく……ちんあなごの稚魚です……ッ!」

上条「なんでやねん!どーもありがとうございましたー!」

レッサー「って終わりませんよ!?なんでわざわざ人がサンタコスを着てると思ってんですか!?」

上条「バイト途中にパチッってきた」

レッサー「やりそう!我らながらやりそうですけどもそういうことではなく!」

レッサー「本日はクリスマスの夜に一人寂しく過ごしているD×野郎に救いの手を差し伸べにきました!シャインッ☆」

上条「それがもう救いになってねぇんだよ。こう、俺というか俺たちの繊細なハートを傷つけるっていうか」

レッサー「まずアフォの胃袋を私の手料理でげっと☆した上、ついでにキャンタ×袋もげっと☆しようとしてるんですがそれが何かっ!?」

上条「ムードがない。もつとこうセンシティブな俺らに配慮を求める」

レッサー「20年間D×を死守してきた古いタイプ主人公wwwwwwwwwww」

上条「おいインデックス!スリコギ棒持ってきてくれ!あぁ今日いないんだった!」

レッサー「まーまー上条さん!ここは一つ騙されたと思って!一応あなたに善意で手料理をおみまいしたいのは事実ですし、その後は流れで!」

上条「あぁまぁそこまで言うんだったら頂くが。ぶっちゃけ女子の手料理に夢みたいなモノはあるし」

レッサー「あざっす!ではまず勝ってきたウサギ肉をですね!」

上条「待てや!?それ前にどっかでやったろ!?地獄の『13時間煮込みミートソース』じゃねぇか!?」
(※詳しくはこちら参照。実在するイギリスの家庭料理です)

レッサー「ちっ!余計なことは憶えていましたか!ですがあれは本物のイギリス料理なんですから仕方がないじゃないですか!」

レッサー「むしろそういうのがいけない!多文化強制社会においては他人に合わせて自分を黙らせる忍耐が必要だと愚考致しますが!」

上条「多文化共生な?弁えろテメー?」

レッサー「ではまずイギリス料理から!みんな大好きシチューです!」

上条「おっ、いいんじゃね。シチュー嫌いな人ってあんまいないよな。牛乳苦手とかじゃない限りは」

レッサー「でしょ?私も雑にやってる訳ではなく、定番と言われているのを作っているんですから!」

レッサー「ではまずトマトの皮を剥きます。お湯につけて一分ぐらいしてから剥くと綺麗に取れます。あ、切れ込みを入れているともっといいです」

上条「あぁじゃあ俺も手伝うわ。興味あるし。はい、やりました」

レッサー「次にそのトマトを1cm角に切りつつ、セロリも同じように1cm角。タマネギはくし形、ニンジンは乱切りで」

上条「意外と普通の手順で料理してんのな。うい、やりましたよっと」

レッサー「では鍋に油を引いてタマネギを入れて炒めます。軽く色が変わるぐらいに、個人的には茶色になるぐらいの方が美味しいです」

上条「今日は時間がアレだからな。まぁ万が一、これを見て『イギリス料理したいよ!』って猛者に任せるとする。はい、炒めましたー」

レッサー「で、一回タマネギを取り出し、牛肉を入れて表面の色が変わるぐらいに火を通します。通ったら、トマト以外の食材全部を入れて更に炒めます」

上条「んー……?普通だよな。普通にビーフシチューになんじゃね?この後はハウ○のシチューの素入れてんだろ?」

レッサー「残念!本格的なイギリス料理を馬鹿にしないで頂きたい!シチュー粉なんぞに頼りませんよこっちは!」

上条「んじゃどうすんの?全部に火は通ったみたいだけど」

レッサー「薄力粉を大さじ2杯ほど入れ、全体が馴染むまで混ぜます」

上条「あ、知ってるコレ!小麦粉から本格的にホワイトソース作る……いやいや、待てよ。ホワイトソースって最初に作るんじゃ?」

レッサー「手が止ってますよ!言われたことはちっゃちゃとしなさいこのD×が!」

上条「やっけどさ?……はい、しましたよー−。つーか味付けとかほぼしてねぇんだけど、いいのかこれ?」

レッサー「ではこのシチューの最大の特徴です!取り出しましたるはギネスビールです!アイルランド発祥の黒ヒールですな!」

上条「おい、料理中にアルコール飲んでんじゃねぇよ」

レッサー「――を、全部ぶっ込みます!」 カシュッ、ドポドポドポドポドポドポドポドポドポドポッ

上条「っっっっっっっっっっっっっっっっっっってんだテメー!?折角完成しそうだったのに!?」

レッサー「ここへ水を同じ量だけ足し、トマトも入れて30分煮れば――」

レッサー「『てれれっれれー、ギネスビールのビーフシチュー』」(※デス声で

上条「嘘だろ!?これお前んとこじゃ食ってんのかよ!?」
(※実在するイギリスの、正確にはアイルランドの家庭料理です)

レッサー「マジです!市販のルーも使わずにギネスビールさえあればできる簡単なシチューです!」

上条「俺の思ってるシチューと違うわ!?超黒い!なんか変な匂いするよ兄さん!?」

レッサー「ささ、どうぞどうぞ!女子の手作りですよ!」

上条「行程の8割は俺が作ったわ。途中で『女子の手作り?』って気づいたけど……うん、頂きます」 ズスッ

レッサー「どうです!?邪悪な黒い見た目に比べれば美味しいでしょう!?」

上条「……まぁ、慣れれば。うん、慣れれば美味しいとは思うんだよ。トマトとビールの酸味、あと全体から漂ってくる芳醇なホップの香り」

上条「俺ビールに馴染みないから、飲むのが好きな人ならっては思う」

レッサー「気に入ってくれたようで何よりです!」

上条「気には入ってないんだよ?気を遣ってんだよ?国際問題になりかねないからな?」

レッサー「では引き続きイギリス料理からのエントリで、所謂ヨークシャープディングです!」

上条「あ、聞いた事ある。プディングってプリンだろ?」

レッサー「カスタードプリンもプディングの一種ですけど、元々はバター・牛乳・小麦粉を使用した料理の総称みたいになっていましてね」

レッサー「例えば蒸して仕上げるのもプディングですし、オーブンで焼き上げるマフィンっぽいのもプディングですな」

上条「まぁ伝統料理に違いないわな。バリエが多いっての歴史だし」

レッサー「ではそんなプディングの中から選別したモノをお召し上がりください!」

レッサー「まずは卵・牛乳・薄力粉・バターを適量をボウルでまぜまぜします」

上条「今回も俺が……いやまぁするけど。つーか普通にお菓子の行程なんだよな、どっかで歯車が狂い出すだけで」 ガッシュガッシュ

レッサー「混ぜている間にタマネギを薄切りにし、耐熱皿へバターを塗って、そこへ置きます。具材とくっつかないように」 トントントントンッ

上条「なんかグラタンっぽい……!やりましたー先生」

レッサー「あ、それはそこに置いといてください。次はそのこの耐熱皿にソーセージを数本並べます。下に完全につかないように注意して下さいね?」

上条「あぁだからタマネギ入れんのな。はい、配置しましたー」

レッサー「ではこれを熱したオーブンへ入れ、6〜8分ほど焼いてから取り出します」

上条「え!?俺の作った謎ソースは!?」

レッサー「そちらはステイです。もうしばらくお待ち下さい――で、焼けたら取り出し、そこへ謎ソースを入れてまたオーブンへ入れて10分弱焼きます」

上条「……見た感じはソーセージオンリーのスパニッシュオムレツ……?」

レッサー「生地に焼き色がついたら完成ですな!イギリス料理、『トード・イン・ザ・ホール』です!」

上条「おぉっ!シンプルな料理だが美味しそ――…………ん?」

上条「ねぇねぇレッサーさんレッサーさん、ちょっとお伺いしたいことがあるんですが」

レッサー「最近ツボったゲームは『リオと不思議な洞○』ですな!バージョンアップを期待していたんですが、一向に音沙汰がなく!」

上条「誰も聞いてねぇよ。でも一応後で詳しくレビューは聞かせてもらうけど!後学のためにな!」

上条「じゃなくてお前今なんつった?俺の耳には『トード』って聞こえたんだけど、聞き間違いかな?」

レッサー「言いましたけど?」

上条「トードって……カエルって意味じゃなくて、同音の別の単語、ですよね?」

レッサー「いーえ。フランス人のローカルな呼び方の方のトードです」

上条「それ今だとヘイト。あぁいや昔でも充分ヘイトだが!そうじゃくてお前んとこじゃカエル食わせんの人に!?」

レッサー「流石にそこまではしませんって。この見かけ、ソーセージが生地の上に点々と乗っかっているのが、『わぁ、土の中に居るカエルみたい!』ってイメージでして」
(※という説が有力)

上条「イギリス人の発想おかしくね?カエル、うんカエルかなぁ?」

レッサー「それ言い出すんでしたら『エッグ&ソルジャー』って料理もありますけどね。私は好きです」

上条「半熟英○か。エッグモンスタ○を召喚して戦わせるSLG、隠れたスクエ○の名作」

レッサー「全体的に悪くはなかったんですがねぇ。代理戦争でしたら昨今の召喚獣重視のF○を先取りしていると言えなくも」

上条「ぶっちゃけ『おーでー○』とか出してほしい。いや、そうじゃねぇよ。エッグソルジャーの正体は?」

レッサー「半熟のゆで卵を作って、上半分の皮を剥きます。軽く上部をカットし黄身部分にパンの耳をブッ刺し――完成!『エッグ&ソルジャー』ですな!」

レッサー「塩や胡椒を黄身に振ってパンの耳をスプーンのようにして食べます!」
(※んで殻のついた白身は捨てる場合もあり。どっちかっていえば、ですよねという階級の食べ物)

上条「可愛いは可愛いけどな。『半熟卵に何つけるか問題』は『目玉焼きに何かけるか問題』と同じで荒れやすい……ッ!」

レッサー「まぁ呼び方はアレですけど、美味いんで食ってみて下さい。ささ、どうぞどうぞ!」

上条「あ、はい頂きます。今回も半分ぐらいは俺作ったんだが……あ、ホットケーキ寄りのスパニッシュオムレツ、か?美味しいのは間違いなく美味しい」

上条「ただこれを『穴んの中のカエルプディングです!』って言われた日には、そのリアクションに困る」

レッサー「でしょう!?前にも言いましたが、『手料理を披露した反応が微妙』って国ですからね!我々は!」

上条「自虐もいい加減にしろよ。そして帰れよ。俺は今からその、詰んであるゲームやって寝るんだから」

レッサー「だぁしかぁし!ゲテモノ料理をお見舞いせよと電波がキタ以上このままでは済ませませんよ!最後にはとびきりのを喰らわして差し上げますので!」

上条「やっぱりじゃないですかコノヤロー。俺をイジって遊んでるだけだろテメー」

レッサー「逆に聞きますが――人類の繁殖期にも関わらず、一人寂しく過ごしているD×をイジってあげてるのは、自殺予防のためにいいのでは?」

上条「まぁな!ある意味救済措置ではあるけども!前向きになれるっちゃなれるし!」

レッサー「そしてそもそも『クリスマス?なにそれ俺ワープロ打ってる方がたっのしー!あは、あははははははははははっ!』って悲しい生き方をしているナマモノだっているんですからねっ!?」

上条「もう終わりだろ。つーか何やってんだソイツクリスマス近いのに」

レッサー「年末進行と来年のエイプリルフール企画で、ライネ○さんを主役にするかグレ○たんを主役にするかオークに絞るかで迷っているそうです。プロットは決まったそうですが」

上条「なんでだよ!?俺をしろよ俺を!?」

レッサー「まぁ来年の話はオーガーインザラーフするので止めておきますけど、それでは最後の一品になります!あ、これは私が料理しますんでお構いなく!」

上条「………………料理名は?一応教えてくれよ」

レッサー「『シャン・イウ・シャンユィ』です」

上条「英語ですらない!?多分中国語っぽい響き!?」

レッサー「お嫌いですか?」

上条「嫌いも何も、食材がなんであるのかすら分からない。つーか何?分類は?」

レッサー「ぶっちゃけますとウナギ料理です」

上条「やーだーイギリス人とウナギって最悪の組み合わせじゃないですかー」
(※”イギリス ウナギのゼリー”でググってみましょう)

レッサー「失敬ですな!?悪名高きウナギゼリーだってアレも立派な郷土食ですよ!ヤポン人だって食べるでしょうインクセツっ!」

上条「そう言われると文化としか言いようがないが……まぁいいわ。取り敢えず作ってみ?」

レッサー「お任せを!ではまず食材のタウナギを取り出します!」 シュルシュルシュルシュル

上条「キッッッッッッッッッッッッッッッッッッッモ!?何それお前魔法少女モノに出てくる触手さんじゃねぇか!ミミズ系のヤツ!」

レッサー「さっきから失礼ですよあーた!これはちゃんとした淡水ウナギの一種です!その名もタウナギ(田ウナギ)!」

上条「……ドジョウじゃねぇの?よりグロいデザインになってっけど?」

レッサー「調べたところマジモンでウナギの一種らしいです。味は美味しいらしいんですよ、味は」

上条「だから見た目が最悪なんだわ。黄色のミミズっぽいのがバケツの中にシュルシュルって……」

レッサー「こまけぇことぁいいんですよ!食ってみてから文句言ってください!」

レッサー「まずは鍋でニンニク・ショウガを油で炒め、そこにタウナギをぶっ込みます!」 シャーッ

上条「気のせいかな……エイリアンが死ぬような音を立てて……タウナギの断末魔が」

レッサー「火が通ったら紹興酒や醤油な砂糖に鶏ガラスープをぶっ込みよーく煮ます!更に水溶き片栗粉でとろみを軽くつけてから器に盛る!」

レッサー「そこへ刻んだネギを散らし、上から熱したごま油をかけて――完・成☆『タウナギの煮込み』ですな!」

上条「黄色いミミズっぽいのが土色に変化してよくグロい……!」
(※紹興酒と油の色)

レッサー「さぁ召し上がれ!見た目はアレですが味はきっと美味しいですよ!」

上条「………………まぁ、昆虫食に比べれば、ハードルは低い――逝くぜ!アックアにドツかれた時に比べればどうってことない!」 パクッ

レッサー「……お味は?」

上条「メヒカリのカラアゲを……悪さした感じ?決して不味くはないd
美味しいと思う、思うんだが……見た目が邪神召喚メシ」

レッサー「うわコイツ本当に食いやがったこんなグロいの」

上条「お前が食えって言ったからだよ!?テメー自分でも食わないのを俺に食わせやがったな!?」

上条「つーかなんで俺がクリスマスにゲテモノ料理を食わせられる羽目になるんですかねぇ!?主旨からしておかしいんだよ!?」

レッサー「では最後に私でお口直しを!」

上条「お前が最大のゲテモノなんだわ」

レッサー「上手いこと言いやがりましたねコノヤロー?私も『まぁ確かにな』って納得しましたけど!」

上条「つーかゲテモノ郷土料理なのにイギリス二品って懐の深さを感じるよなっ!」

レッサー「おぉっと言いやがりますねコノヤロー!私も『あれこれイギリス料理紹介すればするほど損するんじゃ?』って思いましたけども!」

レッサー「でも逆に考えれば――オイシイとも言えますな……ッ!!!」

上条「そういうとこだぞ?」

-終-
(※全て実在する郷土料理ですが、タウナギは未食です。食べた人曰くそれなりだそうですが。ご応募ありがとうございました)



――学園都市 とある十字教教会

マタイ(――元教皇の朝は早い。まぁ以前は表からも裏からも激務ではあったのだがね、それらから解放されて) ムクッ

マタイ(まさか引退して学園都市へ来た方か休まるとはな。それもまた佳くはあるが) ガチャッ

学園生「おはようございます猊下」

マタイ「おはよう。しかし私は猊下ではないよ。故マタイ氏と似ているだけの他人に過ぎない」

学園生「あぁ忘れていました。お召し物はこちらに」

マタイ「うむ、いつもありがとう。夜の間には誰か来たかね?」

学園生「今日はどなたもいらっしゃいませんでした――が、夜間の告解は避けられては?生徒の保護は専門の機関がありましょう」

マタイ「老体を気遣ってくれるのはありがたいがね、神の家は常に万人に開かれておるのだ。今までも、そしてこれからも」

学園生「……重ねて愚問でございました。心から謝罪を」

マタイ「佳いのだ。ここは子羊を佑く場であり、私もまた羊飼いにはなれぬ身故にな」

学園生「それで……夜半にはどなたもおみえにならなかったのですが」

マタイ「が?」

学園生「朝一で禁書目録様が。現在朝食を取られています」

マタイ「子羊ではないね?迷いもなしにちょくちょく遊びに来ているよね?しかも朝食を?」

……

インデックス「聞いてほしいんだよ、もといくださいんだよまたいさん!教会のごはんオイシイね!」

マタイ「うんまぁ取り敢えずは落ち着こうか?私の分まで朝食を食べたのは、まぁそれほど怒ってもいないし、そもそもシスターとしてどうなんだろうねと思わなくもないんだけれども」

インデクッス「ウチじゃあ常にすーぱーの100円ちょっとで買えるのしか……!」

マタイ「信徒からホームベーカリーを頂いてね。手慰みではあるが作っておるが」

インデックス「え?あなたがそれしちゃうと十字教的には多大な意味があるんじゃないのかな?」

マタイ「ただのマタイだからね。誰に恥じるところもない」

インデックス「それでね!またいさん相談したいことがあるんだよ!」

マタイ「聞くがね。上条少年がまた何か?」

インデックス「そうなんだよ!このあいだとうまののーぱそ?とかってのを起動したんだよ!」

マタイ「――待ちたまえシスター・インデックス。それは、えぇとなんというか、センシティブというか、プライベート的な話にならないかな?」

インデックス「え?とうまにそんなものないんだよ?」

マタイ「君はかなりシスターとしてマズい発言をしているよ?このネタが終わったら少しお話があるからね?」

インデックス「うん、そうしたらね、ですくとっぷに『参考用資料』って名前ののふぉるだがね」

マタイ「それは開いちゃいけないよ?絶対にダメだからね?絶対だからね?」

インデックス「とうまもあぁ見えてお勉強頑張ってたんだね!ふぉるだ容量が50GBを越えてたかも!」

マタイ「中身次第じゃないかな?動画なのか画像なのか、それともexeなのかは分からないけど」

インデックス「それでね、別の所に『ライトニングインデックス』ってリンクがあってね」

マタイ「ライトニング……?海外製のアプリケーションかな?」

インデックス「ううん、普通の電子書籍びゅーわーだった」

マタイ「電撃的なアレだね。なんでそんな難解な名前にしたのかは……まぁ男子の罹る病のようなものだけど」

インデックス「とうまの水臭いんだよ!マンガがあったらわたしにも読ませてほしいし!」

マタイ「それ、契約的にはどうなんだろうね。不特定多数は確実にアウトだろうが」

インデックス「そしたら、そうしたら!十字教のこんぷらてきにはどうなんだろうってお話がいっぱい……!」

マタイ「大体がそうだよ?今の世界基準だとLGBtも時代によっては引っかかるし、そもそも信徒には全面解禁したとは口が裂けても言えないよ?」

インデックス「話を聞いてほしいんだよ!とうまに言っても全然相手にしてくれないし!」

マタイ「あぁまぁ話ぐらいは聞くが……」

インデックス「『令和のダラさ○』ってひどいぼーとく的なのがあってね!」

マタイ「ほう、ダラさ○?私でも知っているあ○さんのような野球マンガかね?」

インデックス「ううん!カンカンダ○が主人公なの!」

マタイ「かんかん……?それは何かの固有名詞かね?」

インデックス「極東の島国のらみあもんすたーなんだよ!腕が六本あるの!」

マタイ「それはさてぞや地獄絵図になりそうだね」

インデックス「それが全然なんだよ!れーのーりょくをもった姉弟とおりなすはーとふるなお話で!」

マタイ「君は説明を間違えてやいないかね?それとも途中から別の物語が入ったとか?」

インデックス「ダ○さんが一番萌えるんだよね……ッ!」

マタイ「自分の立ち位置に疑問はないのかな?君はそういうのを掣肘すべき立場にあるだろう?」

インデックス「え?作者のゆがんだせーへきの煮凝りだって言ってたんだよ?」
(※一巻あとがきより抜粋)

マタイ「そもそも蛇体のモンスターへ対して、一体何をすれば劣情を……?」

インデックス「またいさんそういうのは今はメッなんだよ!たよーせーなんだから!」

マタイ「個人的見解だが、ホヤが嫌いだという人間に無理矢理好きだと言わせる方がどうかしていると思う。嫌うのもまた多様性の一つだと」

インデックス「大変なんだよ!このままだととうまが蛇体六臂のデカ女にしかよくじょうしない体になっちゃうんだよ……ッ!!!」

マタイ「そういうとこだね?多様性を言い出す御仁はそういうとこがあるよね?」

インデックス「とりあえずふるふぉーまっとってのをすればいいのかな?教えてとかいうえーあいに聞いたらそんなようなことを」

マタイ「うん、落ち着こうか?それをやったら君がそげぶされるかもしれないし、私もそれほど擁護が出来ない。すまないが」

インデックス「そんなっ!?とうまかせ道を踏み外そうとしたらとめるのが人の道じゃないのかな!?」

マタイ「その道は結構な轍が出来ているから問題はないよ。日本のHENTAIどもに整備されて国道が通っているから」

インデックス「あとね!『裏バイト・逃亡禁○』っていうのもあってね!」

マタイ「タイトルだけで大体分かるよ。さぞや愉快な話なんだろうねって」

インデックス「主人公の女の子二人はまともなんだよ!ただシャレにならない借金を抱えていたりするだけで!」

マタイ「確かに逃げられないよね。タイトルの通りだけれど」

インデックス「そんな二人が様々なアァイエなアルバイトをしていくんだよ!」

マタイ「その擬音は何?君はやっぱり保護者を変えた方がいいんじゃないかな?」

インデックス「じさつしゃが続出するびるの警備員とか!手袋を蒔いて歩くお仕事とか!」

マタイ「前者はかなり戦慄するんだが、後者は一体?」

インデックス「たいせつなお仕事なんだよ……!しないとこの世界が滅びちゃうんだって!」

マタイ「シスター・インデックス。君もかなり疲れているのだよ」

インデックス「むしろわたしやまたいさんが介入する事案だと思うんだよ!おばけとか超常現象とか!早く裏ばいとに応募しないと!」

マタイ「昨今流行りの闇バイトだね。私は年齢の面でアウトであろうし、君は君で別のジャンルになるよ」

インデックス「あの……やみさかの方は荒らし回ってたよね?現場についた瞬間にねたばれしたりとか、小説一本分のお話を三行で終わらせたりとか」

マタイ「失敬な。祀らわぬ邪神どもに慈悲を与えているだけだね。それが私の生きる意味であるが故に」

マタイ「そもそも次の犠牲者が出る前に終わらせるのは良い事では?何か問題でもあるのかな?」

インデックス「全国の推理小説が好きな人に聞かせてあげたいよねっ!たんてーさんが現場に着いたらご遺体が量産されるたいぷのとか!」

マタイ「これはもしかしてあれかな?インデックス君は結構ハマっているんだよね?」

インデックス「そ、そんなことはないもん!最近はですげーむ系に一家言あるだけだもん!」

マタイ「なんだねその不穏な響きは」

インデックス「不特定多数を集めて?なんかこうよく分からない理由で?ですげーむをする感じの?」

マタイ「……何か意味があるのかね?」

インデックス「……読者が楽しいんだよ?」

マタイ「シスター・インデックス、君はやはりあの女狐に騙されているのだよ」

インデックス「大丈夫なんだよ!あの人はいつもお菓子をくれる良い人なんだからねっ!?」

マタイ「君の未来が多分に心配ではあるのだが……他に、もっと他に何かなかったのかな?」

インデックス「あったんだよ!『出禁のモグ○』!」

マタイ「ハートフルなやつじゃないかな?今までの豪華のラインナップの中じゃかなりの穏健派だと思うよ?」

インデックス「だって死んだ人がいるんだよ!?」

マタイ「死んだというか、死んでもあの世にいけないというか。苦労はしていると思うが」

インデックス「死んだ後に神様の元に行かないだなんてバカにしているんだよ!?これは異端の読み物なんだよね!?」
(※中世ではこの考えがスタンダード。宗教改革前にはやや緩和し、改革後にはもっと酷くなった)

マタイ「落ち着け。あとまぁ私にも立場というものがあるのだから、肯定も否定も出来ないようなことは、その、なんというかだね」

インデックス「そしてそもそも――この!どれとは言わないんだけど、大抵のいせかいにてんせいするジャンルの!これはおかしいんだよ!」

マタイ「異世界に……?ベルヌの地下世界探検モノのようなものかね?」

インデックス「ううん、言葉が通じて価値観が通じて性癖が通じて美女は甲斐甲斐しく男性はアホしかいない世界」

マタイ「滅びないかな?チンパンジーが国家を持っているようなものだろう?」

インデックス「――果たして、今がそうじゃないという証拠はあるのかな……ッ!!!」

マタイ「だから君は劇薬に晒されている。宗教の体裁を取っていないだけの宗教だよ、それはね」

インデックス「とらっく一本でなんかこう神様にあって、転生三点せっとを持ってはーれむを構築するんだよ!」

マタイ「すまない。聞くに堪えないので要旨だけ簡潔に」

インデックス「無限ろけらんと数万枚の免罪符をもって大航海時代?」

マタイ「現地の人間にとってたまったものではないな。なんで流行るのかなそれが」

インデックス「神様は、私達の神様はねっ!そんな、余所の世界で虐殺を是とするような神様じゃないんだよ……ッ!?」

マタイ「『出エジプト記』……十の呪い……いや、すまない。なんでもないよ?」
(※旧約聖書、ユダヤ人がエジプトから脱出する際、神はエジプト人の長子だけを皆殺しにした。よく言う「聖書で悪魔が殺した数は一人、神は最低でも数万人」の由来)

インデックス「あと他に魔法とかいうけど!そもそも魔法っていうのは悪魔の技であってわたし達が散々取り締まったんだよ!?だっていうのに使いすぎじゃないのかな!?」

マタイ「それもまぁ、同意しなくもないのだが。相手はフィクションなんだから諦めなさい。ディズニ○がやり出したので、声を上げなかったのが悪かった」
(※『ミッキーの魔術○』。「あれちょっとどうなの?」的な批判が少しあった)

インデックス「そして切り捨てた人達にだって人生が!そして経験があるんだよ?!ごみのような生き方だったとしても!」

マタイ「それは別に異世界だけとは限らないね。どこでもそうだよ、ウクライナでもイスラエルでも。攻撃された側にもした側にもね」

インデックス「あと!ぎょーかい的に許せないのはMOE汚染が酷いんだよね!」

マタイ「話の主旨が変わってきてないかな?そもそもこれクリスマスの話じゃなかったのかい?」

インデックス「中には……女の子が可愛いふりっふりを着て、無双するのもあるんだよ?あるんだけど……」

マタイ「良い事なのでは?私個人としてはご婦人が戦うのを佳しとするのは、紳士として嘆かわしくもあるが。まぁそういう価値観もあるのでは?」

インデックス「その煽りを受けて既存のこんてんつがだめになっているんだよ!」

マタイ「つまり?」

インデックス「『プリンセス・プリンシパ○』を見たあと、あめこ○のだっさい服着た女性ひーろーを見ると涙が溢れて止らなく……!」

マタイ「すまないね。何を言っているのか全く理解出来ない上、なんで泣いているのかすら理解できない」

インデックス「大物映画監督が作った映画なのに、くおりてぃが同人えろ×並の悲しさなんだよ……ッ!」

マタイ「ちょっと待ちたまえシスター・インデックス!君、もしやとは思うがダメ映画マニアと交流があるのかい?それはダメだ、とてもいけないことだ!」

インデックス「あの人は教えてくれたんだよ――『リンクル・イン・タイ○は超凄いんですよ』って!」

マタイ「おぉ主よ!あなたはどうしてこの少女に罰を与えるのか……!」
(※『リンクル・イン・タイ○』、史上初の黒人女性監督の制作費1億ドル超え映画。しかし宣伝費を含め最終的には1.3億ドル以上の赤字を叩き出した上、自身のキャリアから消すような人)

インデックス「――はっ!?わ、わたしは何を言っていたんだよ……?」

マタイ「『あなたは悪を遠ざけねばならない。何故ならば悪とは佳き人、佳き者、そして時にはダメ映画マニアの姿で現れるのだから』」

インデックス「あ、あれ?そんな言葉聖書にあった、かな?」

マタイ「現代風に独自解釈しただけの話さ。えーと、それで君の地獄のような話は終わりなのかな?」

インデックス「――最後に!最後になるんだよ!大事なことだから何回でも言うんだよ!」

インデックス「『こんな神様じゃないよ』っていうわたしのかっとうは横に置くとして、てんせーもので『神様に○○された』ってのがあるんだよ!」

マタイ「神のご意志で?」

インデックス「なんか間違ったりして寿命を縮めちゃって、そのお詫びに別の世界で、みたいなの!」

マタイ「おかしな話だね。いと高き御方は失敗などしないのだから。神の名を騙る悪魔かな?」

インデックス「うん!それに関してはわたしも同意見なんだけど――おわびと称して凄いぱわー的なモノを与えるんだよ!英雄的なの!」

マタイ「まぁ……夢ではあるね。誰しもか宝くじに当りたい願望はある」

インデックス「そのぱわーで悪い人を退治してはーれむを作るんだよ!」

マタイ「その予定調和も如何なものかと思わなくもないね。普通に神の愛を知っていれば一夫一妻が当り前だと分かるだろうに」

インデックス「で、わたしは考えたんだけど、この世界の全ては神様の子供じゃない?」

マタイ「あー……公的な見解としては人類は子で、それ以外も被創造物、だね。役割が架せられているかは異論もあるだろうが」

インデックス「で、そういう物語だとしゅじんこーは他の世界から来るんだよ。他の神様が作った世界のじゅーにんだからね!」

マタイ「様々な意味で異物だね」

インデックス「自分が大切に作ったどーるはうすを、よく分からない条理のおかしい生き物に侵略されて喜んでるのってどこか狂ってるんだよ?」

マタイ「うん、取り敢えず不特定多数にケンカを売るのは止めにしないかね?私でなくとも上条少年が常日頃言っているだろうけれど」

インデックス「うん、ありがとうまたいさん!ドロォッとした感情をぶちまけたらスッキリしたんだよ!」

マタイ「それは佳かった。ただ私が言いようのない感情に苛まれているというか、名状しがたいモヤモヤがだね」

インデックス「じゃあまた遊びに来るんだよ!あとパン美味しかったです!次は甘いのも食べたいのかも!じゃーね!」 パタンッ

マタイ「……」

学園生「どうぞ」 スチャッ

マタイ「ありがとう――『もしもし?上条当麻君かな?あぁうん、今日時間をもらえないだろうか?インデックス君の教育方針について少しね』」

マタイ「『そう君の態度次第では早く終わるよ――忙しい?時間がない?あぁ構わないとも。いつまでも待つよ、なんだったら迎えに行くから』」

マタイ「『嫌なら別に構わないよ――”参考用資料を見てはどうかね”、とこの電話の直後に言うだけだよ』」


-終-
(※インデックスさんご指名なので比較的ソフト&異常な環境だけになりました。ご応募ありがとうございました)


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