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Clock(trial)

佐天「戦え!ネオ・ハッピークリスマス団!」



――某喫茶店

インタビュアー「本日はどうもよろしくお願い致します」

鳴護「あ、どうもです。こちらこそよろしくお願いします」

インタビュアー「なんかすいませんね。季刊むぅなんて怪しい雑誌の仕事を引き受けてもらっちゃいまして」

鳴護「本当に怪しいな!?それ確か同じ名前のオカルト雑誌ありませんでしたっけ!?」

インタビュアー「いえウチは違いますよ。オカルトじゃなくて違いが分かる感じの謎を解き明かす雑誌ですから」

鳴護「……具体的に御社はどのような活動を?」

インタビュアー「先季号の特集が”サト○君(ひぐらのしなく頃に)の『むぅ』とクロコダイ○(ダイの大冒○)の『ムゥ』に違いについて”っていう」

鳴護「むぅはむうだけども!世界でそこに着目して雑誌にしたのって初めてじゃないのかな!?」

鳴護「しかも季刊!?年四回も出てるんですか!?どんな層が買うんですか?!」

インタビュアー「ここだけの話――打ち切り、なんですよ」

鳴護「良かった……!みんな正気だったんだ……!」

インタビュアー「話は変りますが美魔女ってどこ行ったんでしょうね?」

鳴護「ある……は、ありますよ?今度はターゲット層をギャルに変えて、変な雑誌を売ってますけど?」

インタビュアー「まぁそんなわけで!最終号はARISAさんへダメ元で頼んだら快くオッケー頂いたもんでね!」

鳴護「はぁまぁモチベーションは上がらないですけど」

インタビュアー「ではまず水樹奈○さんの電撃入籍&翌月出産からお伺いしたいのですが」

鳴護「何を言わせるつもりですか?disらせようって話ですよね?要は?」

インタビュアー「いや別に『誰も関係者ツッコまなかったのか?』とかは全然思っていませんよ?あのシブゴ○のお天気キャスターさんも同様のルートですからね」

鳴護「『結婚or出産でお休みを頂きます』でいいんじゃないのかなぁ……まぁプライベートなことなんだけど」

インタビュアー「ARISAさんは言葉を濁した、っと」 カキカキ

鳴護「法的な手段に出ますよ?買って読んでチェックしますからね、季刊むぅ」

インタビュアー「あとこれは確認なんですが、どこら辺までプライベートはオッケーなんですか?」

鳴護「あ、そういうのは全然。常識の範疇でしたらこれといって特には」

インタビュアー「分かりました。では今日の下着はどんな感じで?暖色系のレースですか?それとも寒色系のレースですか?」

鳴護「常識の範疇とは。そしてそのレース縛りなんなんですか」

インタビュアー「え!?女友達だったら言いません!?」

鳴護「一部だけですよね!そして雑誌媒体で公表するようなことでもないですし!」

インタビュアー「すいませんね。日本へ来たばっかりなので距離感がこう」

鳴護「うん、それは知ってる。どっか見たようなおそろのラクロス服に一部金髪メッシュだしね。何やってんのレッサーちゃん?」

インタビュアー「下着がダメなら……あ、じゃあアクティビティとかってどうです?流行りのお店に行ったとか行かないとか」

鳴護「あぁ頑なに本人なのは否定するんだ……まぁそれぐらいでしたら」

インタビュアー「分かりました。では最近彼氏と行った観光地やお店はどのようなものを?」

鳴護「インタビュアーさん罠が見えています。トラバサミが地上に露出した状態ですよね」

インタビュアー「え、いいって言ったじゃないですか!?」

鳴護「もう意図が変っていますよねそれ?誘導してから放火するまでの手順が丸わかりっていうか」

インタビュアー「誰にもいいませんから!ここだけの話にしますから!」

鳴護「インタビュアーを名乗る資格はないですよ?そして『じゃあ、だったら話しちゃおっかなー……』みたいな人、過去にいました?いませんよね一人も?」

インタビュアー「すいませんね。インタするのは二人目でして」

鳴護「最初の被害者の方はどちらに?」

インタビュアー「フランスですね。マクロ○が演説してる最中、『コロナ×ピザってはしゃいでたけど今どんな気持ち?』って突撃を」

鳴護「ほんっっっっっっっとにブレないよね!人が嫌がるポイントをクリティカルに撃ち抜くもんね!」

インタビュアー「『人の嫌がることをしましょう』」

鳴護「そろそろ大使館からいい加減にしろってクレーム来るよ?いい加減にしないと?」

インタビュアー「では前向きかつ人類が抱えるテーマについて」

鳴護「あ、嘘吐こうとしている。分かるんだ、だってテーマがもう見出し詐欺のそれだもん」

インタビュアー「それでクリスマスのご予定はどのような?事務所には『入れないでください』と嘆願済みだそうですが」

鳴護「もっと質問を頑張ろうって意志はなかったのかな?だからそれで『予定していまーす☆彼氏と遊びまーす☆』っておバカな子は何人いるの?」

インタビュアー「噂では少子化対策を予定されているそうですが?」

鳴護「うるさいよ!昔は『日本がお祭り騒ぎだけど海外では厳粛なんだろうなクリスマス』とか思ってたけど、実は海外でも大差なかったよね!」

インタビュアー「私が子供の頃はそこそこ厳かだっんだですが、商業主義の波に呑まれて今や無惨な姿になっています。まぁしゃーなしですけど」

インタビュアー「感覚としては『日本でお盆は親戚一同集まって』みたいな感じかと。やってるところはやってますが、全体数としては遊びに行く感じで」

鳴護「レッサーちゃんはいくつなの……?」

インタビュアー「今年はARISAさんにとって飛躍の一年でしたね」

鳴護「あぁまぁ、はい。お仕事を頂けるのはありがたいですよね。どんなヨゴレ仕事であっても」

インタビュアー「”アイドル探偵・ARISAの事件ファイル 『垣根帝督連続殺人事件』”に始まり、私もちょっと気が遠くなったサメマラソン、そして怒濤のお蔵入り心霊企画と色々なお仕事をされてきましたが」

鳴護「来年は絹旗監督と手を切りたいですよね!いやもうホントに別のオモチャを見つけてほしいって言いますか!」

インタビュアー「犬鳴○は衝撃的でしたね。『主人公が実は……!』みたいなのはまぁ許せるとして、謎のタイムスリップ能力を発動させるなどもう収集がつかなくなりましたよね」
(※そして奇しくも11/15日にBSで放送)

鳴護「サイレ○よりも恐怖度は上でしたよ。あれは制作陣の低コスパとやる気の無さが全面に出ていましたが、今度のは本当に玄人が撮ったのかすら怪しいという」
(※監督;清水○)

インタビュアー「ちなみに監督、最近見た映画の中で深い感銘を受けたのが、『ゾンビーバー』だそうですよ?」
(※実在する映画です)

鳴護「この後に及んで数を増やしてる、だと……!?え、てゆうかゾンビ(Zombie)がバー(bar)する展開!?」

インタビュアー「ノー、ではなく”Zombeavers(Zombie+beaver)”。ゾンビ+ビーバー(齧歯目ビーバー科)という新機軸にチャレンジした超ナイスな作品だそうです」
(※盛っていません)

鳴護「チェンジでお願いします!もうそっちの仕事はこりごりなんです!」

インタビュアー「いや、意外と名作らしいですよ?2014年の作品なのに手作り感満載のビーバーのぬいぐるみが襲ってきたり、噛まれるとビーバーっぽいゾンビになったり?」

鳴護「もうその単語だけで不吉じゃないですか!ビーバーっぽいゾンビってなに!?ゾンビはゾンビじゃないの!?」
(※ゾンビーバーに噛まれるとゾンビにはならずゾンビーバーになる)

インタビュアー「私に聞かれても困るので……あぁ!名作なのでしないそうです、代わりに口裂け女全四部作を敢行するとかしないとか」

鳴護「待って?一体どんなニッチな層にアピールしたら四作もできるの?」

インタビュアー「名前が『口裂け女』、『口裂け女2』、『口裂け女3』とシリーズものが続きまして……」

鳴護「しかも同系列!?時代を超えてバカ映画好きが撮ったんじゃなくてシリーズもの!?」

インタビュアー「最新作か『口裂け女inL.A.』です」
(※盛っていません)

鳴護「ごめんなさい。何を言ってるのか分からないよ」

インタビュアー「まぁARISAさんのファンとしては歌にバエラティにバカ映画と活躍の幅を広げていってほしいものですよね!」

鳴護「バカって言った?誰しもが思っていたのに口にはなるべくしなかった形容詞使っちゃった?」

インタビュアー「最後に少し早いですが、来年の抱負なんか頂けますか?」

鳴護「あー……そうですね。贅沢は言わないからシンガーとしてのお仕事をしたいです」

インタビュアー「寝起きドッキリですね?」

鳴護「ホントにやめてね?警察呼ぶからね?」

インタビュアー「我々は真実のドキュメントを撮りたいのです……ッ!!!」

鳴護「正統性に欠けるかなー。ケンカ売るのに相手を見て売ってる人っているよね、大抵反撃されるんだけど」

インタビュアー「ではプライバシーに配慮して放送しないというのは?」

鳴護「撮影され損だよね!ただただあたしの寝室が記録されて終わるっていう!」

インタビュアー「対魔的なものがあればモザイク入れますから!」

鳴護「なんてタチの悪い誤字!?今まぁそういう事件ばっかりだから注意しないとね!一生をダメにしちゃうよ!」

インタビュアー「”ゲートウェイドラッグ(より強いドラッグへの入り口)”なのでまぁ?最初の一回が大抵、人生最期の一回ですらかね」

鳴護「なんでこんな話してんだろ……!」

インタビュアー「では以上でインタを終わらせて頂きたいと思いますが――くっくっくっく……!ついに最後まで気づきませんでしたね!」

レッサー(インタビュアー)「――何を隠そう!私はレッサーちゃんの変装だったのですよ……!」

鳴護「あ、そうなんだ。特に服も変えないし口調を変える努力すらしなかったから、てっきりボケてたんだと思ってた。実際ボケてたけど」

レッサー「このファミレスは既に我々が占拠しています!無駄な抵抗はお止めなさいな!」

鳴護「『――あ、もしもし当麻君?うん、レッサーちゃんがね、誘拐するって言ってて』」

レッサー「無駄じゃない抵抗も止めてくださいよ!?あのコンチクショー本気で女子供もドツキまわすんですからね!?」

鳴護「当麻君ヘの風当りが強い時代だけど、殴られる方にも原因があるじゃないかなぁって。インデックスちゃん誘拐したり、クローンさん虐めたりとか」

レッサー「えぇい問答無用!嫌だと言ってもついてきてもらえますよ!なぜならばあなたには――」

レッサー「『――ネオ・ハッピークリスマス団』の礎になってもらうのですから……ッ!!!」

上条「――あ、間に合った。よーし、歯ぁ食いしばれよー?10%の二乗の力で行くからなー?」

レッサー「何間に合ってんですか!?普通こういう時は一度誘拐されてから――そげぶっ!?」 ボスッ

鳴護「そして10%の二乗は実質100%な説」



――とある風紀委員詰め所

初春「『――佐天さん、事件です!』」

佐天「ウルサイよ!誰が知ってるのかな30年前のテレビドラマHOTE○を!」

初春「という訳でまぁ、今年もまた暇と時間と嫉妬を持て余した人間達が私たち風紀委員へ迷惑をかける季節がやって来ました」

佐天「暇と時間は一緒……いや別にいいんだけど」

初春「なお前科はこのようになっております」


※ハッピークリスマス・ハロウィン団の前科
2020年10月――犯罪教唆の疑いで逮捕
2019年12月――路上でカップルへブギーポッ○ごっこ。迷惑防止条例で逮捕
2019年10月――三沢塾で勝手にドッキリを仕掛ける。住居不法侵入で逮捕
2018年12月――路上でクイズ番組形式で告白させて失敗させる。迷惑防止条例で逮捕
2018年10月――路上インタビューで告白させて失敗させる。迷惑防止条例で逮捕


佐天「結構やっんてね!そしてあたしらもほぼ大体逮捕に貢献してるし!」

佐天「……てかさ、これだけやってたら本格的に逮捕されないの?あんま言いたくないけど、内申とかにモロ響くでしょ?」

初春「残念ながら風紀委員やあろう事か警備委員の中にもシンパが居るらしく、『いいぞもっとやれ』と注意ぐらいで釈放されているのが現状です」

佐天「あー……まぁね。実際に誰がを殴ったりとかはしてないはずだし」

初春「今動画でご覧に入れたように、今年は学園都市アイドルのARISAさん誘拐未遂まで企みやがったので……まぁ本腰を入れると」

佐天「そっか!お仕事ガンバってね、応援してるよ!ファイッ!」

初春「ありがとうございます。佐天さんも乗り気のようですし、話を進めたいと思うのですが」

佐天「あれあれ?導入が雑じゃないかな?ここはもっとあたしがゴネるのを宥めるところだよね?」

初春「いやぁ……まぁ今回もまたもっとやれ、じゃなかった内容が酷いものでして。放置するわけにはいかないんですよ!」

佐天「ねぇもっとやれっていわなかった?空耳かな?言いたくなる気持ちも分からないでもないけど」

初春「……いいですか、佐天さん?学生の本分は勉強だと思うんですよ、まぁなんといっても学園都市ですしね?」

初春「まぁそこから多少外れたとしても部活にバイト、なんだったら遊ぶのだって否定はしてません、えぇしませんとも」

初春「ですがね!最終的に問題を起こすのは恋愛のもつれや痴情のもつれにストーカー被害!そんなトラブルばっかりですが!」

佐天「ま、まぁまぁ!若いんだから仕方がな――あ、着信、『もしもし?』」……PiPiPiPi――

御坂(電話)『呼んだ?』

佐天「『ちょっと心当たりないですかね。今初春とストーカーの話をしてたんですけど、御坂さんじゃないです。御坂さんではなかったと思います』」

御坂(電話)『そうね!ストーカーなんて卑劣な犯罪許せないわよね!』

佐天「『アッハイ、それじゃそういうことでー、はい、失礼しまーす、はーいどうもー』」 ピッ

初春「自覚出て来たんですかねぇ。啓発週間やった甲斐がありましたよ」

佐天「あれは……ゲコ太のポスターにしか興味無いと思う。そして学内でポスターが盗まれて転売される被害まで」

初春「あ、それは違いますよ?御坂さんには最初に.aiデータを送りましたし、予防済みです」

佐天「予防なんだ……何がどうしてそこまで駆り立てるだろ……?」

初春「と、言うわけで佐天さんには今年も御協力頂ければ幸いです。ゲコ太ステッカーあげますから」

佐天「いらないかな。嫌いじゃないけどね」

初春「では無償でやって頂くと言うことで」

佐天「ブラック企業が外注にまでムリを!?……いやまぁするけどさ。内容があんまりデンジャーだったら出るトコ出るっていうか、ねっ!?」

初春「では今年のハッピークリスマス団の活動はこちらとなります。ぽちっとな」 ピッ



――???

A君「……うーん……」

Bちゃん「――きて!ねぇ起きてよA君!」

A君「――はっ、あ、あれ……?カラオケ店にいたはずなのに、どうして……?」

Bちゃん「『こちらは開店100周年サービスドリンクになります』って飲み物、やっぱり何か入ってたんだよ……!」

A君「そっか、そうだよね!学園都市はまだ半世紀だからね!」

???『あーあーマイクテスマイクテスだにゃー、旧ジオ○の新モビルスーツと残党が次から次へと登場して、意外と余裕あったんじゃねぇか説ー』

A組「長い、そしてそう言われると『ジオ○にも兵はいたよな!』ってツッコまれるから!」

Bちゃん「ボケも長いしツッコミも長いよ!」

???『あえて言おう!――しの○さんは俺の嫁だと!』

A君「ボケが散らかってるよ!流行りに乗るんだったらそっちで徹しないと!」

Bちゃん「A君?A君はそれでいいのかな?」

???『ふっ、今日はようこそ被験者の皆さん!睡眠薬っぽい何かだけど決して違法薬物ではない何かが入ったジュースは美味しかったかにゃー?』

A君「なんてコンプライアンスに配慮しているんだ!」

Bちゃん「他人の同意なしに飲ませている時点でダメだと思うよ?」

???『くっくっくっく……!たった一時間の睡眠で元気百倍漢方サプリの味は如何だったろうか!』

A君「被せ方が汚い。汚いよ」

Bちゃん「本当にもうコンプラを守るんだったら戦わないバットマ○とか出そうだよね」

???『それに類似した存在はいるっちゃいるにゃー。俺はヤングのレック○派だけど、まぁいいぜぃ!君たちをここまで運んできたのは理由がある!』

???『我らの名前はネオ・ハッピークリスマス団!地獄の底から一年ぶりに甦った亡者だったのだにゃー……!』

Bちゃん「自己顕示欲、強っ!」

A君「し、静かにしないと!気が違ってる人たちなんだから多分!」

???『まぁアレだぜぃ、君たちには来たるべきクリスマスに向けて我々の贄となってもらう……!』

A君「えっと……ブザーあるっけ?GDPつきのケータイもあるし、通報しないと」

Bちゃん「あ、もうしてるよ」

???『中々賢いなお子様ども!一応ジャマーが出てるから大丈夫だと思うけど、念のため手を止めるんだにゃー!』

Bちゃん「意外と打たれ弱いよ!よーし、この調子で押せば勝てるかも!」

???『――おぉっとお嬢ちゃん、それ以上はダメだにゃー!あんま調子乗ってっとこっちの怪人アオピーが君たちに襲い掛かるぞ!』

A君「こ、怖くなんてないぞ!怪人なんていないんだからな!」

???『あ、いやそうじゃなくて。揺りかごから墓場までなんでもイケる雑食性って意味での怪人。別名エリザベ○』

A君「怖すぎるよ!サタノファ○に出て来そうなマジモンじゃないか!」

???『……ふっふっふ……!まぁ心配は無用だお子様ども!君たちが”ゲーム”をしてもらい、それに勝利すればゲコ太シール一枚をくれた上でおウチへ帰してやろう!』

A君「ゲコ太はいいよ」

Bちゃん「ゲコ太はいいね」

???『あ、ごめん、スポンサーがアレだからムリにでも持って帰ってもらわないと困るんだわ。捨ててもいいから、もらった体で』

A君「……いいけど、ゲームって?」

???『まぁこれだ!――見よ!』

Bちゃん「なにこれ……ギロチンがついたイス?」

???『そうだとも!まずはこのイスに一人が座ってもらい、もう一人がボタンを押す!』

???『その結果次第で帰し』

A君「――分かった!じゃあ僕が座るよ!」

Bちゃん「――うん、そうだね!A君が座るのがいいと思うな!」

A君・???「……」

Bちゃん「なに?」

A君「あ、あぁうん。てっきり『じゃあわたしが!』みたいな言い合いになるのかと思って、うんちょっとビックリしただけだから」

Bちゃん「どうしたの?座らないの?A君のイスだよ?」

A君「あ、うん。座るけど」 ガチャッ

???『よーし座ったか?ならBちゃんはあっちの浮島のへ上へ行くんだにゃー!』

Bちゃん「プールの中に……何か、いるよ……!?」

???『中にはなんでも食べてしまう怪人アオピーが放たれているんだぜぃ!』

怪人アオピー『シャー!なんでも食ったるわー!』

???『今からタイマーがカウントするが、一定時間耐えられれば二人とも解放してるぜぃ!しかし水位は段々下がって怪人アオピーが迫ってくる!』

???『しかしBちゃんが持つギブアップボタンを押せば助かるが――それは一人だけだ!A君は哀れギチロンのサビとなるぜぃ……!』

Bちゃん「な、なんてひどい……!?」

A君「僕のことはいい!だからいつでもボタンを押」

ブーッ

A君・???・怪人アオピー「……」

ブーッ、ブーッ、ブーッ、ブーッ、ブーッ

Bちゃん「あれ?ボタン押してるんですけど、わたしは帰して貰えるんですよね?」

???『あ、はい、そういうルールなんですけど。まだ俺スタート言ってない』

Bちゃん「あ、そっか!失敗しちゃった!頑張ってA君!」

A君「いや、頑張るも何も……Bちゃん、今高速の速さでボタンを押したよね?」

Bちゃん「いいって言ったよね?」

A君「言ったけどね!でももう少しだけ頑張れないかな!?せめてどんな感じで迫ってくるとか!TPOに応じた変化って必要でしょお!?」

Bちゃん「えー、でもけっかは同じじゃない?」

A君「同じだけどさ!もっとこう引っ張ってくれた方が!」

Bちゃん「もういいかな、帰っても?」

A君「話を聞いてよ!?まだ僕のターンだよ!」

???『えーっと、じゃあBちゃんはあっちの通路を行ってな。途中でお姉さんからゲコ太シールもらって、うん。車用意してあるから』

???『A君は……』

A君「……」

???『ちょっとだけ残ってくれるかな?あぁうんすぐ帰すし、勿論安全なまま』

A君「もう殺せよ」

???『ダメだA君!気持ちは分からないでもないが、それは言っちゃいけない!』

A君「でも!」

怪人アオピー『まぁまぁ話を聞きぃや、な?ボクやって君よりかは人生の先輩や、良い事もロクでない事もぎょーさん知っとぉ』

怪人アオピー『人生なんちゅーんはな。アレやで?例えるやったらフェイ○はんみたいなもんや、分かる?』

???『なんでだよ。よりにもよってリりカルなの○出した?なぁ?』

怪人アオピー『遠い場所でhrhrしてる分にはええんやけど、いざこっちに出て来てもぉたらあかんねんよ。倫理的にアウトや!』

???『それ出て来なくても一緒じゃね?』

怪人アオピー『つまり!ボクが何を言いたいのかといえば――』

怪人アオピー『――二次元は、裏切られへんのよ?』



――とある詰め所

初春「なんて、なんて怖ろしいネオ・ハッピークリスマス団……ッ!?」

佐天「違う違う、ていうかデスゲームと違う。ただの人間の本性発揮ゲーム」

佐天「てゆうかフッてるよね?もう登場人物が自らボケを振り始めて来てるよね?」

初春「えぇまぁ学園都市皆さんもこなれてきてましてね。耐性が強いっていいますか、順応力が高いっていいますか」

佐天「エレメント騒ぎの時でも思ったけど、『あれこれ崩壊じゃね?』って思った割りにはしぶとく帰ってきてるよね」

佐天「あとこれ微妙に路線変更してきてない?何かこう低年齢層に夢を売るっていうか、そっちの方向にさ」

初春「思い知るのは現実ですけどね」

佐天「キャスティングを間違えてるよ!もっとこうフワッとした愛の勝利、みたいな感じでシメるんじゃなかったのかなぁ!?」

佐天「あと誰とは言わないけど誰かが暗躍してる!誰とは言わないけどさ!」

……PiPiPiPi――

佐天「『はい、もしもし?』」

御坂(電話)『呼んだ?』

佐天「『呼んでないですかね。今ちょっとクリスマスに向けて怪人を倒すぞーって話をしてた所ですから』」

御坂(電話)『そうね!許せないわねネオ・ハッピークリスマス団!いくらカップルを破壊しようとしても!』

佐天「『アッハイ、今回のはそんな感じですかそうですか。はい、はい、失礼しまーす、さよならー』」

初春「で、どうします?私はこの事件の背後に大きな勢力が見えるんですけど」

佐天「いるね、具体的には一番まともなレベル5が」

佐天「……まぁ、論点を整理しようよ?あたしがボケに走らず年に数回ツッコミに回るのも珍しいっちゃ珍しいけど」

初春「打って走って守る、オールラウンダーですね」

佐天「ボケ倒す初春も珍しいけどね!それよりも風紀委員としては壊滅したいんだよね!?」

初春「えぇ勿論。ただバックが厄介なのとご覧のように、まぁ無届けながらも社会啓発活動と言えなくもないため、優先順位は低いんですよ」

佐天「今回のはハッピー団の人だけの責任じゃなくないかな?チャレンジャーの人選を大いにミスったってだけかもしれないし!」

初春「とはいえ誘拐は誘拐ですし、大変な事件ですよ!」

佐天「あれ?あたしも初春も何回かされてないっけ、誘拐?」

初春「よって――ここは一つ潜入調査以外に手はないかと……ッ!!!」

佐天「100%その結論に行き着くよね?てゆうかもうあたしを呼んだからにはそれしか待ってないよね?」

佐天「ソーナン○を呼んでおいて『カウンター!』しか言わないムサ○さんとどこが違うの?」

初春「えぇとですね、カップルとして件のデスゲーム(人間本性発揮ゲーム)に傘下しつつ、相手の本部を叩き潰すお仕事です」

佐天「ライダ○だよね?改造人間じゃないと一から十までこなせないミッションじゃないかな?」

初春「改造ではないですけど、この度”ぼっち巡洋艦”の名前をもらった方もいないことはないのです」

佐天「あれそんな侮辱的な二つ名だったっけ?”一人巡洋艦”の間違いじゃ?」

初春「が、そのですね」

佐天「が?なに?御坂さんだったら適任じゃないの?」

初春「『我々が依頼を出す→知り合いのツンツン頭へ頼む→ハッピーエンド』、という自作自演の疑いが濃厚なので、頼るのは最終手段にしたいかと」

佐天「うん知ってた。何となくそんな気と気配はしてる、なう」

御坂 チラッ

初春「そして童×力が強いため、カップルのフリすら不可能ではないかというそもそもの疑問が」

佐天「いや別にカップルって言ってもいかがわしいことしながら歩くとかしないし。てか白井さんは?」

初春「白井さんが嘘でも男性とカップルをするとでも?」

佐天「ギャグじゃない白井さんは英雄度が高いんだけどねー……あ、じゃああたしと初春で行く?」

初春「それはそれで一部のユリスキーを喜ばせるのは嫌ですし、本日は助っ人をご用意しました」

美山「やぁこんにちは。涙子、だったかな」

佐天「”ボケ潰しのマジレス美山”……だとっ!?」

美山「それはお姉さんの方じゃないのかな?本題へ入る前にもう今日の課題を終わらせてしまったけれど」

佐天「あと円盤テビューおめでとう美山君!(悪い意味と性的な意味で)大活躍になるよね!」

初春「まぁ少年はいつしかヨゴレを知り、堕ちた上でなお輝きを失わないのがジャスティスだという癖(へき)の方ももいますし」

美山「飾利が何を言っているのか分からないけれど、まぁ人の価値観は色々あっていいと思うな」

佐天「うんまぁ理想論ではそうなんだけどね。現実は同性婚を認めたら『一夫多妻制を認めろ』って一部のアフォが」
(※アメリカで係争中)

美山「涙子も怪我をしたんだって?女の子なんだからもう少し気を遣わないといけないよ」

佐天「クラスの男子の数世代先を行く紳士レベル……!見習ってほしい!」

初春「まぁ中二になると多かれ少なかれ頭脳レベルが低下しますからねぇ」

美山「黒子もそうだけれど、学園都市の女の子はみんな無茶ばかりする。僕も手伝えることがあればいいんだけど……」

佐天「いえそれはこう話の都合上色々と。一説には逆姫プレイと言えなくもないかなと」

初春「最近のゲームじゃ女子の方がパラメータ高く設定されてまいすし、あながちそうとも言えないような」

美山「ゲームはするけど、僕がするようなのはあまり」

佐天「あ、じゃあ今度不思議の幻想○を」

初春「ゲートウェイドラッグっていご存じですか?あぁいえ別に何がどうとは言いませんけど、初心者向けに偽装した上級者向けですよね、それ」

美山「ともあれよろしく、涙子。三沢塾に引き続いて頑張ろう」

佐天「あっはい、よろしくね」

美山「いいかい?何かあったら僕を置いてでも逃げるんだよ?」

佐天「そしてその圧倒的な主人公力……!見たか世界よ!これがピュアな心だ!」

初春「誰とは言いませんけど、ヨゴレてないだけで輝いて見えますもんね。先週アパートの屋上でUFOならぬ洗脳ドラゴンを呼んでた人がいましたが」

佐天「まぁ協力するのも潜入するのも引き受けるけどさ。でも果たしてあたしらがピエロになって向こうさんがどう動くか、だよね」

初春「佐天さんのご心配ももっともだと思います。ですがネオ・ハッピークリスマス団には黒幕がいると思うんですよ」

佐天「御坂さんだよね?」

初春「なので擦れに擦れまくった学園生じゃなく、『これだ!』というような反応を見れば大人しく納得するのでは」

佐天「うん、その理論もおかしいと思う」

初春「って御坂さんが言ってました」

佐天「だから黒幕と内通している時点でもうね!」



――???

佐天「――と言う訳で的にアジトへ乗り込んで来たのだった……!」

美山「バスで一駅だったね。意外と近かった」

佐天「こうなったらもう関係者全員が敵である可能性も……!」

美山「仮に自作自演だったとして一体どんな徳があるんだろうね?僕も知らない何かがあるのかな?」

佐天「ごめん、シリアスになるのやめてもらっていい?どうせもう後半入ってグッダグダになるのが目に見えてるから」

???『にゃーーーーはっはっはっはー!よくぞ来た選ばれた精鋭たちよ!我らは貴君らの参戦を大いに歓迎するですたい!』

佐天「そしてもうそろそろシメなのに名前すら登場してないな!怪人さんの方がまだ出てるって感じだしね!」

???『てゆうかあまりにも酷い参加者ばっかりで、俺たちの心は折れそうなんだぜぃ!頼む!いい加減にしてくれ!』

佐天「あぁまぁ同情はしますけど、このふざけたシチュも悪いですよ。なんて言いますか『学園都市なら本気で殺りに来る!』って警戒感もありますから」

???『俺だって「え、デスゲーム?うんやるやる!そういうの大好き!」って軽い気持ちで受けたのに!』

佐天「受ける気持ち軽すぎません?もっとこう迷った方がいいですよ?」

???『じゃなくて!もっとこうヒューマニズム的なあるんだぜぃ!?「ふっ……これじゃ殺せないな」みたいなの!』

佐天「はぁ、そうですか」

怪人アオピー『コ、コロシテ、ク、クレ……』

佐天「口調そんなんでしたっけ?もっと流暢に喋っていませんでしたか怪人さん?」

美山「改造された人が助けを求める台詞だよね」

???『ま、まぁアレだにゃー!君らにはデスゲームが用意してある!怪人アオピー、準備を!』

怪人アオピー『シャー!』

佐天「えーっと、鎖を足首に……?」 ガシャンッ

美山「僕もだね。あ、でもこれステンレス製だから軽い」 ガシャンッ

???『君たちに結んだ鎖の先には凶暴な肉食獣が繋いである……!』

佐天「あー……目隠しされたオリ、かなー?」

???『今から少しずつ鎖は巻き上げられ、最後には檻の中へと引き摺り込むであろう――が!君たちの鎖は繋がっている!』

???『片方を引けばもう片方が檻の中へ引き寄せられる!つまりパートナーを犠牲にすれば助かる、かも、しれないぜぃ!』

佐天「あ、出たよデスゲームの信頼出来ないとこ。どうせ見捨てても助からないんだよねこれ」

怪人アオピー「ちなみにこのトラップ、カップル21人がトライして全員開始直後に引っ張り合っとぉよ……!」

佐天「人間不信になるなそれ!」

美山「よく分からないけれど……その獣っていうのはどんななんのかな?僕はこう見えて意外と好かれる方だから、無事でいられるかもしれない」

佐天「あー、そうだね。デスっていってもどうせアホ企画なんだし、肉食って言っても全然ヘーキだったり」

怪人アオピー「あ、こうなっとります」 バサッ

結標(肉食獣)「グルルルルルルルルルルルルルルルルルルッ……!!!」

佐天「思った以上に肉食!?でもそれは偏食っちゃあこれ以上ないぐらいの偏食だけとも!」

美山「あ、おねーさん」

佐天「てかこれ大丈夫!?条例的な意味で問題起こしてない!?」

???『うん、本当だったら青ピが入ってる筈だったんだけど、君らが来るちょい前に勝手にキャスティングしやがった』

結標「だ、大丈夫よ?お姉さん肉食じゃないわ!ウール100%よ!」

美山「ちょっと何言ってるのか分からないかな」

佐天「いやあの、どうしよっか?猟銃かなんかで撃てばステージクリアとかにならないかな?」

怪人アオピー「それ完全に対処方法がサイレントヒ○ですやん」

佐天「存在自体も静岡で出るクリーチャーと大差ない気が……業を抉らせた挙げ句出てくる感じで」

結標「いやいや大丈夫よ?その証拠に近づいてご覧なさい、ね?何ともないから」

佐天「あ、これ知ってます。赤ずきんでこんなシーンがあった」

???『あれも初版版は救いのない人喰いの話だにゃー。まぁある意味同じっちゃ同じだけど』

美山「いい加減にしなよ。みんなして酷いじゃないか。というかお姉さんを檻に入れて閉じ込めるだなんて、イジワルもよくないよ」

佐天「え、いやそうじゃなくてね?えーっと」

???『俺らの存在意義全否定だぜぃ』

美山「それにあの姉さんは悪い人じゃないよ、それは僕が証明する」

結標「コ、コロシテ、ク、クレ……!」

佐天「まぁそうなるよね。色々と悔やむ心がまだ残っていればそう感じるよね」

美山「前にお茶をこぼしてしまったときも、『家に来てシャワー浴びない?』って優しく言ってくれたんだよ!」

佐天・???・怪人アオピー「オイ、ヘンタイ」

結標「だってしょうがないでしょ!?誰だって言うわよ!そりゃあね!」

佐天「あのゴミのようなシーンがブルーレイになるかと思うと胸が熱くなりますよね」

???『俺は本放送は見ないで円盤だけ買う派だから楽しみだにゃー……カットされてれば、それはそれでオイシイぜぃ!」

美山「誰だって生まれついた悪人なんていない――って言い切るほど、この世界は優しくはないと思う。僕だってそのぐらいは分かっているよ」

美山「でもね?あのおねーさんは僕に優しくしてくれた、たったそれだけで根っからの悪人じゃないって証明できるよ」

佐天「なんて……ピュアな……!」

???『いやでも結標の場合、善悪を超越した癖(へき)であってだ』

佐天「はいそこ余計な事言わないでください!いいシーンなんですから!」

結標「みやまきゅん……!」

怪人アオピー「みやまきゅん……!」

佐天「美山君逃げてー!?オリの中と外に獣がいるから今すぐここから逃げようぜ!」

???『あ、次のステージはあっちだぜぃ!検討を祈るんだにゃー!』

佐天「あざっす!お疲れさまでーす!」



――ラストステージ

黒マント「――くっくっくっく……!最近”くっくっく”が多すぎて誰が誰だか分からなくなってきたけども!」

佐天「ノリツッコミした時点で正体がバレてます。何やってんですか上条さん」

上条(黒マント)「よくぞ俺の正体を見破った!ラスボスのオーラは隠しきれなかったか……!」

美山「僕たちは第一ステージを突破してきたわけだけど、二戦目で最後というのは子供騙しが過ぎないかい?」

上条「……ここのさ、踏破率ってなんパーぐらいだと思う?」

佐天「全ステージかどれだけあるのか分からないですけど、まぁ運営側も無茶なゲームばかりしないでしょうし30%ぐらい?」

美山「さっきのあれぐらいだったら常識的に誰でもクリアできるよ。だから90%ぐらいかな」

上条「……ううん、0%」

佐天「低っ!?前人未踏!?」

上条「それはその、最初はゲーム五回ぐらいでラストにする予定だったんだ。クリアした数に応じて記念品あげるみたいな?」

美山「まぁ良心的だよね」

上条「でも誰一人としてクリアしないもんだから!四回、三回、二回って段々と少なくなっちまったんだよ……!」

佐天「カリ○の塔か。人来ないもんだからカリ○様降りて来ちゃったのか」

美山「バトルマンガで『この塔の最上階に治療薬が……しかし各階の門番を倒さないと』なのに、一番上の人がエントランスで様子見」

上条「なんかこう作った方もテンション下がるし、レッサーに至っては最初しか出番が無く、今頃学園都市で遊び回っているんだろうが――まぁそれは良しとしよう!」

上条「こうやって本来の目的がかなうと思えば、まぁ安いものだ!」

佐天「本来の、目的……?」

上条「ステージへ上がれよ美山君!――さぁ、どちらが真の主人公に相応しいか決めようじゃないか……ッ!!!」

佐天「ダメです上条さん!その台詞がもうニセ主人公の言う負けフラグじゃないですか!」

上条「君を倒して俺はホンモノになるんだ……ッ!」

佐天「あー、ルート確定しましたねー、このままだとロケッ○団ですわー」

美山「主人公?何があったんだい?」

上条「俺はさ――頑張ったと思うんだよ、うん。俺にできること、そしてできないこともやってきた!」

上条「あるときはノコノコとイギリスへ行って戦いに巻き込まれ!あるときはノコノコとフランス行って戦いに巻き込まれて!」

上条「またあるときはロンドンとロシアとまたロンドンやハワイにノコノコ行っては戦闘させられてんだよ!」

佐天「語彙が少ないです。ノコノコ言いたいだけじゃないんですか?」

上条「……まぁ、でもだ。俺が戦うことで誰かが助かるんだったら悪くはない、ありがとうって一言言ってくれるだけでも救われた――なのにだ!」

上条「だけどさ!どいつもこいつも俺を裏切るんだ!具体的には『右手』!テメーのことだよコンチクショー!」

上条「そんなに俺よりも他のヤツの方がいいのかよ!?あっちは俺よりも巨乳でスタイル良くておっぱ×大きい方が宿りやすいのかよ!?」

佐天「全部同じこと言ってますよ?そしてその質問には『ロンドンで乗っ取ったドラゴンはオスだったし、どっち選ぶかって言えばあっち行くよね』としか」

上条「俺が死にそうな思いしてんのに!お前は女の子に憑依していい思いしてやがんのか!俺と替れコノヤロー!」

佐天「おい、本音それか」

上条「俺は考えたんだ、俺に足りないのはストレートパーマと主人公力なんじゃないかって」

佐天「今更そのツンツン頭はアイコンなので変えようが……でぃーフラ○は一巻ぐらいで戻りましたし」

上条「だから俺と戦ってくれ美山君!君と戦って打ち克てば!俺の主人公力が飛躍的に上がりそうな気がする!」

佐天「まぁ……正直、美山君の方が善良かつショタスキーのお姉様がたも読者層に取り込めますし、悪い話ではないですよね」

上条「何かこう主人公に相応しいヒロインを攫おうともしたさ!でもムリだった!俺には主人公力が足りなかったんだ!」

上条「ビリビリにDOZEGAをしてまで作ってもらった舞台ではあるが!俺と」

美山「これは――前にも言ったような気がするけれど」

美山「君の人生において主役というのは他ならぬ君自身だ。誰でもない、君が全てを決め、行動し、その責任を負うんだよ」

佐天「えっと……あの?」

美山「まずは座ろうか、ちょっと落ち着いて話をしたいからね」

上条「いえあの、そういうことじゃないんですけど」

美山「まぁいいから。何か君を駆り立ててしまったのは僕であると君は言うし、責任がないと言えなくもないからね。じゃあまず……そうだね」

美山「いいかいお兄さん?全部が全部アスリートがするような勝負ではないよね?勝ち負けはあるけれど、それが全部ってことはないよ」

美山「スポーツのできるできない、勉強のできるできない、それも明確に点数化されるけれど。それが全ての世界でもまたないんだよ」

美山「君がやっているのは君の価値観を狭める行為であり、それが逆に枷となって縛り付けているのを分からないのかな?」

美山「君にはこのバカバカしい舞台を作ってくれた友達がいるだろう?協力してくれた人たちは自分を卑下する君を見てなんて思うのかな?」

美山「まぁ青い鳥は自宅に居るっていうけれどね。一度初心に戻って全てを振り返り、それでもまだ何も見つからないようであれば、そこからまた探し始めるのが」

佐天「――ごめん、美山君。上条さん泣きそうになってるからこのくらいで」

上条「……思いのほか正論が刺さるな!ボケ殺しの二つ名は伊達じゃないってことかよ……!」

佐天「ある意味あたしや絹旗ちゃんの天敵でもありますが」

上条「あの子は躊躇わないと思う。都合悪くなったら暴力が炸裂するから」

佐天「しかしどうしましょうか。上条さんハートはブロークンしてしまったわけですが」

御坂「――うん、大丈夫!あとはこっちで励ましておくから、ここは解散ね!」

佐天「まさか……御坂さん、この結末が分かって協力を……!?」

御坂「ゲコ太シールセットあげるから、ねっ?」

佐天「いやいらないです」

御坂「僕はちょっとほしい。クラスの子で集めている子がいるんだ」

御坂「――友よ!できればアドレスを……!」

佐天「ダメです御坂さん!流石に小学生のゲコ太友達を作るのは倫理的にちょっとアレな感じです!」

上条「『――こうして、今年もまたネオ・ハッピークリスマス団の野望は潰え、人々は日常を取り戻した』」

上条「『だが忘れてはいけない!彼を生み出したのは現代社会の闇だということを!』」

美山「お兄さんも胸囲の多寡には拘らなければ、二秒後には彼女ができると思うんだよ」

上条「美山君、今シメに入ってるところだからシーで頼む!そしてその提案はその通りなんだが、万が一なんかしてしまった場合、確実に人生が決定されちまうんだよ!」

佐天「それはそれで幸せだと思うんですがねぇ」

上条「俺が何人かに刺されるのを除けばだけどな!」


−終−



【※告知】
クリスマス緊急企画ではSSのシチュエーションを募集しています
今年もやりますネタに詰まったときに読者様参加企画

【誰】が【誰】へ【どんなプレゼントを持っていく】のかを明記すると、そのSSが出来るかも知れません
また「普通のクリスマスがいいなー」という方は、【誰】が【誰の家】へお呼ばれ(※含む自主的に)して遊びに行くと書いて頂ければそれなりに

なお基本的な制限は以下の通りとなっております

・とある魔術の禁書目録・超電磁砲のキャラクターのみ。含む新約・劇場版
・多くてもトータルで10人(話)ぐらいなので、まぁ早い者勝ちでどうぞ
・募集期間は11月いっぱいぐらいまで?今年は12月1日が火曜日なので、その前日から投下するかも

基本的に分かればオッケーです。例として、

【上条さん】が【浜面さん】に【煉○さんおめでとう!映画興行収入トップ狙えるね!】と難癖をつけに行く
【上条さん】が【レッサーさん】に【そういえばロンドンで五輪やるとか言ってなかったっけ?】と難癖をつけに行く
【白井さん】が【クロコダイ○】のコスプレをしていたら、ダイの大冒○の世界へワープする

みたいな感じで↓に書いておくとその内容がSS化するかもしれません
あまり人が多かったら無作為に抽選となりますが、残念ながらそんな事態は一度もなく (´・ω・`)





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