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Clock(trial)

ハロウィンの日2018

 
――ロンドン某所 某家 ハロウィン前夜

フロリス「アー、どうすっかナー。去年はジンガーマンのクッキーだっけカー……」

フロリス「ガキどもも同じのだと手抜き手抜きうるせーしナ。作る身にもなってみろっつーの」

フロリス「アー……パイか。カボチャの。ベタだけど」

フロリス「オーブンを温めときながら、ボウルにバターと水と薄力粉をよく混ぜるっと」 カチッ、ジジジ

フロリス「手にベトつくようだったら薄力粉を少しずつ入れて水分を調整して……」

フロリス「パン生地ぐらいの硬さになったら、薄力粉をつけつつよく伸ばす。パイ用の型に押しつけながらパイの大きさにまで伸ばす」

フロリス「端っこを適当に折ってパイの中身が溢れない程度に整えたら……オーブンで少し焼き色が付くまで焼く」 カチッ

フロリス「その間にフィリング(ケーキやパイの中身)の準備……まずカボチャの皮剥いて種とワタとって電子レンジで柔らかくなるまで」 カチッ

フロリス「砂糖に牛乳、卵やシナモンをよく混ぜといて。ついでに味見も……良シ」 チーン

フロリス「柔らかくなったカボチャを取り出して、作ったソースをよく混ぜる。つーかミサキーも使え使え。文明の利器使わねーデどーすんだヨ」

フロリス「出来上がったソース、つかフィリングは裏ごしをしてもいーシ、しなくてもいい」

フロリス「てかきちんとしたのがいいんだったら店で買えヨ!ワタシに頼るんじゃネー!」 チーンッ

フロリス「と、仮焼したパイにフィリング載せて、もっかい焼ケ!固まるまで出すナ!」

フロリス「季節でも変っケド、50分焼ケ。少しぐらい表面が焦げても美味しいは美味しいっと」

フロリス「――で、焼き上がり。このまま食べてもいいケド、粗熱取れたら冷蔵庫で冷やすのも美味しいゼ」

フロリス「問題は……ガキども何人来るっけか?去年のーはー10パック作って2個余りか――」



――翌日

ピンポーン

子供たち「ハッピーハロウィン!トリック・オア・トリート!」

フロリス「おー、来やがったなクソガキども。十字教的にイタズラはマッズいからお菓子をくれてやるゼ」

フロリス「てか子供少ないのにお前ら仲良いよナ。はいはいハロウィンハロウィン」

子供A「ありがとー、おねーちゃん!」

フロリス「おー、魔女のババアも程々にしとけ。ワシリーナみたいに行き遅れんじゃねーゾ」

フロリス「てかあっちのはジャコーinパンプキン、んでこっちのがカブ型ジャコーだよナ?」

子供B「うん、そだよー。お菓子ありがとー」

フロリス「他にもバンパイヤにゾンビー的なのは分かる。ケドお前なんだヨ?その丸っこい卵の、ハンプティ・ダンプティ?」

子供C「え、エッグ&ソルジャーだよ?」

フロリス「あー、はーはーはー。そりゃよく考えたナ。いいセンスしてっと思うけど。それじゃそっちの骨のは?」

子供D「エインズワー○!」

フロリス「ジャパニメに毒されすぎだろ。見るもの選べナー。そっちのグリーンのは?」

子供E「初音ミ○!」

フロリス「写真は撮られんなヨ?SNSに上げられて怖いオッサンどもの栄養源になっからナ!」

フロリス「てかミ○さん二人いるんだが……被ったん?事前の衣装合わせしとけヨ」

子供F「ううん、発音ミ○!」

フロリス「シンカレオ○な!一人だけ人気出そうなキャラデザずっりいよネ!」

上条「てかシンカリオ○でツッコむのがスゲーな。よく知ってたなシンカリオ○」

フロリス「……」

上条「……」

フロリス「エーット……そっちの大きくて頭の弱そーナ子は……?」

上条「ジャッジメントですの!」 キリッ

子供たち「わーい!学園都市の風紀委員の人だね!」

上条「見ろこれ腕章ホンモンなんだぞ。わざわざ初春さんにDOGEZAして借りてき――」

パタン

フロリス「……」

上条『――ハッピーハロウィン!お菓子くれなきゃイタズラするぜ!』

フロリス「ウルッッッセェナ!帰れヨ!毎年毎年来てんじゃねーヨ!」



――某家

上条「取り敢えず温かいのくれよ。できれば紅茶、次点でコーヒー」

フロリス「だから帰れよ。勝手に上がってくんナっつーの」

上条「朝からスタンバッてたから寒いのなんのって。イギリスの10月って超寒いのな」

フロリス「緯度考えロ、緯度」

上条「だが俺のパーカーはだな。バゲージでも耐えられた一品なんだよ」

フロリス「まぁ制服みたいなもんだし……あー、コーヒー」 トンッ

上条「おぉありがとう。てかさっきの子供たちの中に割れた卵のオバケってぽいのいたじゃん」 ズスー

上条「不思議の国のアリスに出てた奴?ハンプティなんとかの」

フロリス「そっちにも出てっケド、ハンプティ・ダンプティはマザーグースがルーツ。てかそれも違くてハンプじゃねーんだってサ」

上条「割れてたよな、盛大に。しかも中に棒みたいに刺さってたし」

フロリス「エッグ&ソルジャー……つって分かるカ?」

上条「あぁインディアンの」

フロリス「ドッグソルジャーだ。インディアンじゃねーヨ。イギリスの家庭料理」

上条「へーちょっと興味ある!どんなの?」

フロリス「珍しくもないんだが、そーゆーもんか?……まぁ、ここにゆで卵がある。半熟風味の」

上条「うん」

フロリス「これを卵立てに乗せて、上半分だけ殻を剥きます」

上条「あぁなんかお高いビジネスホテルの朝食についてきそうな感じ」

フロリス「あと用意すんのはよく焼いたトースト。こっちはスティック状にカットします」

上条「うん……んー?」

フロリス「っだヨ。文句あんのかコラ?」

上条「いや形状からオチが読めたっていうかな。どうせ俺の想像を大きく上回らないだろうなって」

フロリス「だから珍しくもねぇつってんだロ。簡単な料理なんだゼ」

上条「もしかしてその卵の上の方少しスプーンでとって、トーストつけて食べるだけ……?」

フロリス「半熟の黄身の中へ塩胡椒を入れんぞ失敬ナ!」

上条「大差ねぇわ!てかお前らそれよく料理だって誇れるな!」

フロリス「子供には人気あんだヨ!銃担いでる兵隊さんにシルエットが似てっからナ!」

上条「あーまぁ、見えないことも無いが……」

フロリス「食ってみろって!半熟卵に味付けてトーストに乗せたような味すっから!」

上条「そのままじゃねぇか。意外性の欠片もねぇわ」

フロリス「――で、だ」

上条「あ、でも旅先正か意外に美味しい……」 モグモグ

フロリス「食うなヨ!?ワタシの朝飯の残りだし別の話切り出してたシ!」

上条「なんだよ面倒臭い。食えって言ったり食うなって言ったり」

フロリス「面倒臭いのはこっちだわ!アンケートとったら100人が100人『こいつめんどクセー』って言うゼ!」

フロリス「つーか毎年毎年なんなんだよ!?ワタシに恨みでもあんのカ!?むしろこっちがヘイト溜めてるわ!」

上条「あ、体温まってきたら腹減ってきた。なんか食べ物ある?」

フロリス「おいお前何様なんだコノヤロー。エリザードだってもうちっと謙虚だゾ、多分」

上条「冷蔵庫はっと。あ、カボチャパイあったな」

フロリス「本当に何様だコラ。帰れヨ」

上条「5号ホールで丸ごと残ってんだけど、誰か来んの?」

フロリス「アー、マァ?来るっつーか来てるっつーかサ?マァマァマァマァ、なんつーか、アレ?ナウ?」

上条「お客様用だっていうんだったら、別に無理にとは」

フロリス「……いいゼ。食べたいんだったら」

上条「いや別に無理にとは」

フロリス「いいゼ!食べたいんだったらナ!」

上条「あっはい、いただきます。ナイフ借して」

フロリス「あ、そっちのはブレッド用だからケーキ用のはこっちを」

上条「お前やっぱ詳しいよな?用意してある調理機器といい、プロか詳しい奴の仕業にしか見えないんだけど」

フロリス「飲み物は紅茶でいいナ!コーヒーだと酸味が被るから!」

上条「なんで張り切ってんのか分かんないけど、まぁありがとう。俺はカットするよ、8分の1カットでいいか」 スッ、スッ

フロリス「い、煎れたゼ?」

上条「だからなんで緊張してんの?……まぁいいや。改めていただきます」 モグモグ

フロリス「ど、どーヨ?感想は?」

上条「まずバターを使ったのは評価できる。ショートニングかマーガリンみたいな脂肪酸使うって意味じゃなく、純粋に風味を生かすのはいい」

上条「ただちょっとパイ生地の作り方が甘い。最初に練る前にキッチリ冷やした方が生地もしっかりする。まずそれが一つ」

上条「次に好みの問題だけど砂糖じゃなくてグラニュー糖を使った方が良い。砂糖はいいんだけど、独特の甘味が強すぎるから少しだけでも分量を間違えると甘味が下に強く残る」

上条「なのでグラニュー糖のよく溶けかつ口に馴染みやすい長所へ、カボチャをマッチングさせる方が好みではある。それが二つめ」

上条「最後にこれカボチャを潰したときに裏ごししてないよね?繊維質が口に残ってくど――」

フロリス「違っーヨ。ワタシが思ってた感想と違いすぎダロ」

上条「感想言えって言われたから言っただけなのに……」

フロリス「てかウッサイな!誰のために作ってんだと思ってんだヨ!?」

上条「え、誰?誰のために作ってんの?」

フロリス「そりゃー、お前、アレだゾ。あーっと、決まってんじゃんカ?なぁっ!?」

上条「いや同意求められても」

フロリス「お、おま――」

ピンポーン

上条「誰か来たみたい。ハロウィンかな?」

フロリス「ッダヨ。こんな時に、つーか近所のガキどもはもう来てんだケド?」

ピポピポピポピポピーンポーン

フロリス「っるセーナ!今出るから――」 ガチャッ

レッサー「――話は全て聞かせてもらいました!そこまでです、ラブ警察のガサ入れですよ!」

ランシス「……です」

フロリス「……ハ?」

レッサー「ラブコメ抜け駆けダメ絶対!ラブコメを取り締まるポリスとは私の事ですな!」

フロリス「だめ、ぜったい……」

上条「妙に語呂いいな。展開はいつものgdgdだったけどもだ!」

フロリス「い、イヤイヤイヤ!ラブコメなんかしてねーシ!そんな気配はなかったシ!」

上条「そうだぜ。ただ毎年特定の日には必ず会ってるってだけで、これといって特別な関係じゃ」

フロリス「お前は黙ってロ?なっ?」

レッサー「ふっ、そんな口先だけで騙されるもんですか!あぁ騙されませんとも!私は最初っからマルっとお見通しですよ!」

ランシス「ネタが古い……今じゃ『倍返しだ』……!」

上条「乾いているよ。どっちも賞味期限切れってパッサパサに乾いてるよ」

フロリス「てか見てたってどっからだヨ?」

レッサー「『少女に現金8万円を渡し』ってところから」

フロリス「そんな話してねー」

上条「おいそれしまぶ○だろ!?もう若い子は誰も憶えないんだからイジるやめようぜ!」

フロリス「むしろ……トドメを刺しに来ているとみた……」

レッサー「トリ○後半の怒濤の巻き展開は正直あれ?と思いましたが、やはり拘置所(修羅場)をかいくぐっただけのことはあります!」

上条「人物特定できるヒントはちょっと……」

フロリス「つーかお前ら帰れ帰れ!ウチは遊び場じゃねーんだゾ!……ってっだヨ、ランシス」

ランシス「……三年連続でチャンス逃すってどんな気持ち……?」

フロリス「テメーは泣かす……!」



(※来年は進展あるといいですね。ご応募ありがとうございました)



――ファミレス

鳴護「――ごめんね。急に呼び出したりなんかしちゃって」

御坂「いいのよ。あたしも誰かと少し気晴らししたかったし――」

御坂「――そう!決してリク来なくてムシャクシャしてたとかそういうんじゃないのよ!決してね!」

鳴護「よく分からないけど、開幕即第四の壁を破壊しようとするのはどうかと……ま、まぁファイッ!新しいお仕事あるしね!あたし出られないけど!」

御坂「――それで?あたしはどこのバカに教育的指導を入れてくればいいの?」

鳴護「いやあの暴力沙汰も違くて。てかその節は御坂さん及び佐天さん初春さん白井さんに多大なご迷惑をおかけいたしまして……」

御坂「あー、ヘーキヘーキ。巻き込まれるのはいつものことだしね」

鳴護「男前なところが誰かとそっくり……」

御坂「それよりもアリサは大丈夫だったの?会社の倒産に巻き込まれてアイドルからグラドルに転身させられそうになったんでしょ?」

鳴護「や、あのー、まぁ、うん、そんなお話はなかったし、話せば人によっては『読破するのに丸三日かかったんですけど』ってメール来るぐらいの冒険があったような、なかったような」

鳴護「あとあたし、っていうかわたしはアイドルじゃなくてシンガーソングライター枠での受賞が、いつのまにかあんなフリフリ着させられて踊られることになったんだよ!」

御坂「……まぁ、理想と現実のギャップってあるわよね。台本渡されていきなりアイドルの仕事やらされたりとか」

鳴護「美琴ちゃんに関しては前からそーゆー節はあった思うな。というか涙子ちゃんたちも」

鳴護「まぁあたしたちの冒険の話は後日ゆっくりするとして、相談できるようなお友達って、もう美琴ちゃんぐらいしかなくってね」

御坂「え、ごめん?よく聞こえなかった、今なんて?」

鳴護「ごめんね。声小さかったかな」

御坂「相談できるような、の後!なんて言ったのかしらねっ!?」

鳴護「頼れるのは美琴ちゃん、ぐらい?」

御坂「その前ね!」

鳴護「お友達って――」

御坂「ゴメン聞こえなかったわもう一度大きな声で!!!」

鳴護「お、お友達です!美琴ちゃんはあたしの大切なお友達!」

御坂「――」

鳴護「……ど、どうしたの?」

御坂「ふー、ビックリした。いきなり言うから。心の準備が必要よね」

鳴護「あれかな、もしかして面倒臭いのかな?このパターンだととても面倒臭くて話が前に進まないってパターンだよね?」

御坂「それで?あたしは誰をぶっ飛ばしてくればいいのかな?」

鳴護「あ、違った延々ループするパターンだ……だからそんなバイオレンスな話でもなくてね」

鳴護「相談ってのは人間関係っていうか、その――」

御坂「――コイバナねっ!まっっっっっっっっっっっかせて!そういうの(マンガと小説で読んで)得意な方よ!」

鳴護「台詞食ってまで力説ありがとう。頼もしい、よ?」

御坂「……てかこれちょっとしたスキャンダルよね?芸能人のコイバナなんて!」

鳴護「芸能人っぽいことはさせてもらってるけど、学園都市限定のご当地アイドルみたいなもんだし」

御坂「この街に住んでるのは日本の人口の2%弱だから、知名度も高いと思うわよ。オリコンでも上位入るんだし」

鳴護「でね。えっとまぁなんて言ったらいいのか、こうコイバナのような、そうじゃないような感じなんだけど」

御坂「予防線の張り方が半端ないわよね。なんだったら『友達の話』でもいいわよ?」

鳴護「……い、一応確認したいんだけど、美琴ちゃんの恋愛スキルはどのぐらいのかな?」

御坂「そうね。ゾイ○で例えるならばウルトラザウル○(デカい的)並の破壊力を誇るわね!」

鳴護「超巨大ゾイ○の風格!?……あ、でもあの子って基本的にクロコダイ○さんのような扱いじゃないかな……?」

御坂「それ以上はやめてもらいましょうか!序盤の名シーン製造器のクロコダイ○さんの悪口は!」

鳴護「いやあの、その、具体的には、どんな感じのコイバナがあるかなー、なんて、聞いても?」

御坂「そうねー。恋愛ってのは戦いだとあたしは思うのよ、バトルだって」

鳴護「なるほど!先生、ためになります!」

御坂「だからね、こう好きな相手がいたら攻めの姿勢を保つってことが大事じゃない?」

鳴護「あのー、たまに『引き際も大事』って聞くんですが……?」

御坂「それは素人の意見ね。引いたらダメ、うん、ダメね」

鳴護「じゃ、具体的にはどんな感じに積極的に動けば?」

御坂「そうねー、まずは行動ね。考えるよりも先に」

鳴護「そ、う、かな?行動ってどうすれば?」

御坂「例えば第三次世界大戦中のロシアへ乗り込んで核ミサイルを解体したり」

鳴護「アメリカの工作員だよね?それもうアベンジャー○で一本撮れるぐらいの活躍しないと恋には勝てないの?」

御坂「最終的には向こうの方から『もう俺が責任取るしかないのかな』って言わせるのがベストかな!」

鳴護「美琴ちゃんは一体誰と戦ってるの?『そこ狙ってねぇよ、つーか外すなよ』的な意味でのウルトラザウル○的な怖さはあるけど!」

御坂「だから言ったでしょ、戦いだって!」

鳴護「……あの、先生。素朴な質問なんですが」

御坂「はいどうぞARISAさん」

鳴護「まぁ、戦うのはいいんですけど、その相手の方は美琴ちゃんが人知れず戦っているのは……?」

御坂「勿論知らないわよ?」

鳴護「――あ、ごめんね。人選間違えた、じゃなかったそろそろ歌のレッスンの時間があるから」

御坂「待ちなさいよっ!あたしにだけ恥ずかしい話させて帰るつもりなの!?」

鳴護「恥ずかしくはないよ。多分世界を救ったヒーロー的な意味でも恥ずかしくはないんだけどね」

鳴護「ただその、コイバナ的な相談するのに相応しい相手かと言われれば……」

御坂「チャンスを!せめて聞くだけでも!なんとか!」

鳴護「ウルトラザウル○さんに頭下げられたら、これはもうハンマーヘッドで殴りつけるぐらいの暴力なんだけど……まぁいいかな。お友達だしね!」

鳴護「えーっとね、もうすぐハロウィンじゃない」

御坂「そうね。あたしも黒子からはしゃぐ学生取り締まらないかって誘われてるわ」

鳴護「それ多分強力なバリアー……いやまぁ全部嘘って訳じゃないけど」

鳴護「まぁ、ハロウィンなんだけどね、毎年毎年訪ねてきてくれる人がいて」

御坂「ストーカー?」

鳴護「そこだけ聞けば、まぁ、うんっ!そうともとれる発言ではあったけどね!そうじゃなくて!」

鳴護「友達……うん、友達の一人なんだけど、中々いつもは会えなくて、みたいな?」

御坂「あー、季節季節のイベント大事にする派かー。たまにいるわね、いつものフォローするつもりでイベント頑張る人」

御坂「でもイベントはイベント、普通は普通。どっちか力入れればいいって訳じゃなく、常に全力でね」

鳴護「……美琴ちゃんの将来の彼氏さんって大変そうだなー。体気遣ってあげてね、くれぐれも」

御坂「ってかもう面倒だからぶっちゃけ彼氏なの?」

鳴護「じゃないかなぁ。でも、いいなって」

御坂「んー……真面目に考えても、アドバイス要る?これもう告白するかされるかって段階じゃないの?」

鳴護「いっやー……ないない、ないなー、それはきっと」

御坂「どうしてよ。毎年来るだなんて相手の男の人も――まさかっ!?」

鳴護「いや違う違う。美琴ちゃんとは違くて、きちんとした男子高校生だから」

御坂「な、ならいいけど。焦ったわー。周囲にまた一人!?って」

鳴護「それは個人の趣味だから自由でいいんだけど、嫌がってる相手に詰寄るのは性差関係なくハラスメントだからねー……」

御坂「てか話戻すけどさ。その人も対アリサ好感度があるんだから来てんでしょ?イベントの日に」

御坂「だったら向こうも……だと思うのよ」

鳴護「そうかなー?そうだったらいいなー、とは思うよ、思うんだけど……」

鳴護「そこそこ長年付き合った結果、可能性として一番高いのは『友達枠』じゃ?ってね」

御坂「あー……分かる!分かるわー!あたしも友だちから聞いた話だけど、分かる!」

御坂「なんかもう異性がどうじゃなく、『俺たち性別関係なく親友だよな!』って言いそうな!」

鳴護「あー、そんな感じそんな感じ。大人になったら分からないけど、あたし達ぐらいの歳じゃ、ねぇ?みたいな?」

御坂「困るわよね、つーか困るわよね!あくまでも友達から聞いた話だけど、そういう距離感が一番困るわ!」

鳴護「そんな友達強調しなくても、ってゆうか分かるけど……まぁ、うん、苦労してますねって話をね」

御坂「そっか。大変なのね、アイドルも」

鳴護「多少計算高い事言っちゃうと、『そもそもアイドルとして見られてない』ってのがまた。うーん、わたしの頑張りはどこに!?みたいな」

御坂「あたしもそうよ。序列第三位なんて肩書きこれっぽっちも意味無いし……」

御坂「最近はもう出会い頭に胸タッチされたり、もう女として見られている自信がないのよ……!」

鳴護「へー……で、さ。そのね?」

御坂「うん?」

鳴護「多分もうあたしよりも鋭い美琴ちゃんなら気づいてると思うんだけど――」

御坂「言わないで」

鳴護「ダメだよ美琴ちゃん!戦わないと現実と!」

御坂「ま、まだ平気よ!答え合わせをしなければまだ確定じゃないんだから!このまま別れれば忘れられるかも!」

鳴護「モヤっとするよぉ!あたしだけじゃなくて美琴ちゃんもモヤっとするから!結局後で答え合わせする羽目になるから!」

御坂「えー……誰得だと思うのよねー……気は進まないな−」

鳴護「そ、それじゃ、せーのっで言おうよ!せーのっで!ハモらなかったらいいから!セーフだから!」

御坂「そ、そうよね!まだお互いに勘違いだって可能性もゼロじゃないんだからね!」

鳴護「じゃ、行くよ?せーのーっ!」



――ハロウィン当日 鳴護の借りているマンション

上条「えーと、準備は……クラッカー持った。ケーキも作ってある」

上条「職質されそうになったカボチャオバケのコスプレも……完璧だ!よし!」

上条「それじゃ――」

ピーンポーン

鳴護『はーい、どちら様ですかー?』

上条「通りすがりの者ですが」

鳴護『インターフォンに得体の知れないカボチャ怪人が映ってるんですが……』

上条「通りすがりの怪人ですが!」

鳴護『あーうん、今開けるねー』

ガチャッ

上条「ハッピーハロウィーーーン!お菓子をくれなきゃイタズラし――」

御坂「……」

上条「ちゃう、ぞー……?あるぇ?部屋間違ったかなー?」

御坂「合ってるわよ、アリサの部屋に来たんでしょ?上がればいいじゃない」

上条「い、いやあの、うん、友達が来てるみたいだし!俺はお邪魔っぽいから帰るよ!あ、ケーキはよかったら二人で食べてな!置いていくから!」

パタンッ

上条「……」

上条「――助けて下さい!誰かフラグ管理を盛大に間違った俺を助けて下さい!」

上条「このままじゃ俺『NiceBoat!』案件になっちゃいます!明日の朝刊のローカル面に『痴情のもつれで刺殺か!?』ってタイトルで!」

ガチャッ

鳴護「――当麻君」

上条「はい」

鳴護「中で、ね。うん、中でお話しよっか?」

上条「すまんアリサ。俺実は今から塾があるんだ」

御坂「カボチャのコスプレ着て?」

上条「あぁ、実はからくりサーカ○のアニメ化記念パーティにだな」

鳴護「上がって、ね?」

上条「……あい」



(※他の方とキャラが被らなかった鳴護さんが、リクエストが一人しかいなかった鳴護さんがメインとなりました。大切なことなので二回言いましたが、ご応募ありがとうございました)



――学園都市のどこか 雲川芹亜の『寝床』

鞠亜「……」

芹亜「――まず、そうだな。条件を整えよう」

芹亜「そう難しく考えて貰わなくたっていいけど。検察と被告という、お互いにお互いを嫌悪する役を作らない」

芹亜「どちらとも検察であり被告でもあり、そのどちらでもない状態。まぁ言ってしまえばフェアとしようか」

芹亜「何が言いたいかというと、取り敢えずは黙って私の見解を聞いてほしいけど」

鞠亜「……分かった姉よ。私は今『姉さァァァァァん!?』と呼びながら『暴風車軸』を叩き込むかの判断に悩んでいるところだし」

芹亜「我が妹君が何を言いたいのか、この姉パワーをもってしても不明だけど、取り敢えず距離を取ってくれ。せめてガードはしたい」

芹亜「まぁそれでだ。君の言いたいことは分かる――『どうしてこうなった?』と。違うかな?」

鞠亜「なぁ姉さん。そろそろアホの子だと思われるし、このやりとりもパターン化されつつあるからさっさと部屋の掃除をした――」

芹亜「図星のようだけど!早口になるのは慌ててる証拠だ!」

鞠亜「姉よ、超巻きで喋ってますけど」

芹亜「あれは……先週の月曜か。日曜に君が少しばかり部屋の片付けをしてくれたお陰で、私は快適に過ごせたけど」

芹亜「その日の夜、学校が終わってコンビニ弁当とサラダとコーヒーのペットボトルを買って帰宅したんだ」

芹亜「食べ終えた後に、こう仕事を思い出して、置くじゃないか。部屋の隅に」

鞠亜「初日でもう汚部屋の兆候が見えているね」

芹亜「待ってくれ。片付けようとする意志はあったんだけど!そこは評価してほしいけど!」

鞠亜「評価はしたいんだが、類似のコンビニ袋が所狭しと積まれている惨状で、何をどうすれば評価できるのか知りたいよ」

芹亜「――で、気がついたら火曜日になっていたんだ」

鞠亜「仕事の内容は怖くてツッコまないが、ただ寝落ちしただけだろう」

芹亜「そしてやはりハードの仕事の後ではお腹も減る、しかし体力も相応に少なくなっているから外へは行けないけど!」

鞠亜「お風呂入りなよ。せめて女子としての誇りは捨てないで、私を呼べ」

芹亜「いや――妹にばかり頼むのも悪いけど。そろそろ姉離れを促し自立させてあげたい姉心だと思ってほしい」

鞠亜「おいテメェどんな棚に自分のこと上げた?」

芹亜「知っているか?この学園都市には部屋にいながら食事を届けてくれるサービスがだな」

鞠亜「軽く遡っても半世紀前からあるね。『出前』って古き良きシステムを入れれば100年は遡れる」

芹亜「そしてだな。ふと水曜ぐらいに気づいたんだけど――『あれこの部屋ってこんなに狭かったっけ?』って!」

鞠亜「いやだからゴミに侵食されてるんだよ。ゴミを袋に包んで置いてあるだけだから、余計に幅を取るんだって何回も言ったよ」

芹亜「そしてもう金曜にはだ。『私が生きるためにゴミを出しているのではなく、ゴミを出すために私が生きているのではないか?』という哲学的なテーマだけど」

鞠亜「生活スペースとゴミの比率が反転すると悟りを開けるんだね。むしろ高レベルの遊び人?」

芹亜「更に追い詰められた土曜日には分かる。『ゴミを置くところがなければ、重ねればいい』とだ!」

鞠亜「いいから、そこを、退け。もう私が自発的に片付けたことにしていいから、それ以上自分を追い込むな姉よ」

芹亜「まぁそこまで言われてしまっては!妹のワガママを聞くしかないけど!」

鞠亜「芸風が誰に似てきたぞ……というか、たった一週間でどうやれば汚部屋を形成できるんだ。そういう能力か」

芹亜「自分の才能が怖ろしいけど!」

鞠亜「うん、私もあんまり人のことは言えないんだけど、やっぱり姉妹は似るよなぁって」

芹亜「私は別に年上趣味じゃないけど?」

鞠亜「人の初恋ちょくちょくエグってくんなよ。頭脳担当の姉とメイド担当の私、どちらが近距離戦に強いと思っているんだ」

芹亜「頭脳は荒事に弱いパターンだけど、メイド=強いって固定概念は危険だと思う。うん」

鞠亜「あのなぁ姉よ、つーか姉さん真面目な話なんだが、私もだな。色々と考えることはあった、道に迷うこともだ」

芹亜「あぁ確かに。中学受験で『メイドになる』と言い出したときには、『木原加群の性癖って随分ヘビーなんだ……』ってなった」

鞠亜「だから違うと。メイドは目的じゃなく手段だ。効率的に経験値を得る最適解なのだよ」

芹亜「ごめん。分からないんだけど。つーか多分『メイドは目的だぜぃ!』って主張するアホが一人はいる」

鞠亜「あぁメイド服の議論で姉さんが片眼を抉られたっていう」

芹亜「そんな議論は伯仲してないけど。つーかヤクザもビックリのケジメの取り方だけど」

鞠亜「私もゆくゆくは胸を張って誇れる仕事がしたい。だから姉さんも」

芹亜「分かってるけど。あんたがそういうだろうってのは……姉だからね」

鞠亜「姉さん……!」

芹亜「じゃあこれからは清掃サービスとして金銭の授受が発生させればいい、と?」

鞠亜「分かってなかったな姉!別には私は立派なメイドとして生計立てていこうって話はしてない!」

鞠亜「というかこの業界の姉はそんなのばっかりだよ!残念な人だけで構成されてる姉たちが!」

ウレアパディー「――そう、全ては虚空でロンドを舞うシヴァの導きによるものよ……」

鞠亜「おい今誰か通ったか?フワッとした何かが」

芹亜「鞠亜、あなた疲れているけど」



――後日 繚乱家政・寮

舞夏「――そうかー。あのドMにも姉がいたんだな−」

芹亜「癖(へき)と兄弟間の因果関係は分からないけど、まぁそうだね。妹はご迷惑をかけていないかな?あまり学校の話はしてくれなくて」

舞夏「迷惑ー?ないぞー、ただちょっと講習中に一人でレベルアップごっこをするぐらいかなー」

芹亜「ほんっっっっとにすいませんでした。よく言って聞かせますけど、無理だと思います」

舞夏「わたしもそー思う−――ってここだな。鍵は、これ」

芹亜「ありがとう……だけど、いいの?セキュリティ的には身内も信用できないんだけど」

舞夏「んー?鞠亜のお姉さんだってのは嘘なのかー?」

芹亜「まぁ姉だけど」

舞夏「わたし的には遺伝子さんが仕事サボり続けてくれることを祈るぞー」

芹亜「それは私が保証出来る範囲じゃないけど」

舞夏「あとなー、ここの防犯システムってすっごいんだぞー?」

芹亜「そうなの?まぁ女子寮だし警戒するのは当たり前だけど」

舞夏「そうなのだぞ。この間もなー、怪人・メイド大好きが現れてだー」

芹亜「それは私も知ってるけど。地元じゃ、妖怪・『豆腐メンタル片眼エグリ魔』の仕業だ」

舞夏「おー都市伝説だなー。芹亜の地元には近づきたくないぞー」

芹亜「一番狙われる可能性があるのは君ぐらいの歳の子だけど……まぁいいかな。案内と鍵、ありがとう」

舞夏「んー、ごゆっくりー」

パタン

芹亜「――さてと」



――同日 夕方

鞠亜「――おい!人の部屋へ勝手に入るのはマナー違……ん?」

鞠亜「姉さん……?姉よ、どこに隠れて……帰ったのか。急だぞ」

鞠亜「一体何が何だか分からないが……うん?手紙が?――」

手紙『拝啓、アニメ化で盛り上がる奴らは全員死ねばいいと思う今日この頃、いかがお過ごしでしょうか?』

鞠亜「出だしからネガティブすぎるよ。そりゃ私たちの出番があっても2024年ぐらいかもしれないから、絶望的になる気分は分かるけど」

手紙『季節はハロウィンが近いですが、今浮かれているカップルの何割が無事に別れず年を越せるのかと考えるとワクワクしますね』

鞠亜「その前置きいる?ワクワクが修飾する場所、もっと前にズラせなかった?」

手紙『いつもいつも私の面倒をみてくれてありがとう。口に出すのは恥ずかしいので、せめてプレゼントを送りました』

鞠亜「……姉さん」

手紙『心を込めて選びました、そりゃもう心を込めて選びました』

鞠亜「なんで二回書いたの?一回書けばよくないかな?」

手紙『ただ鞠亜ちゃんの好みには合わないかもしれないので、念のため数着分送ります。心を込めて』

鞠亜「心が重いな!なんでこう強調するんだろう!」

手紙『親愛なる妹へ――雲川芹亜より』

鞠亜「……何と言うか、気恥ずかしいね。あれで中々シャイというか、まぁありがたく――」

鞠亜「――っていうか数着?っていうことは服?私服も持たず下着でフラフラしている姉が、一体どんな……」 ガサゴソッ

ドンッ!!!

鞠亜「……うん、あれだ。こう服だね。メイド服っぽいのもあればそうじゃないのもある――」

鞠亜「てかこれもメイド服か!メイド服には全っ然見えないけどメイド服なんだね!」 カサッ

鞠亜「……メモ書きが、入って――」

手紙『PS.経験値の溜まりが早くなるボーナスチケットだと思ってください☆』

鞠亜「うるさいな!人の事情に何を……あぁいや冷静になろう。種を蒔いたのは私だ。ケンカ売ってきてるのは向こうだが」

鞠亜「ポジティブに考えれば、みうアホみたいなメイド服が詰め込まれていて、『なんだこれ!?』と反応するのはアホ姉の思うつぼだ」

鞠亜「むしろ次のハロウィン辺りに堂々と着ていくぐらいの度胸は必要。うん、経験値稼ぎだと思えば、まぁあり、か?」

鞠亜「まぁ見てみよう。えーと、一着目『聖人カンザーキメイド』……?もう名前がなんかな」

鞠亜「てゆうが素人がカッター工作していたら、下にジーンズがあって無惨なことに、て言うぐらいのセンスだけど。まぁメイドはメイドか」

鞠亜「ただ……うん、サイズだね。たった一点を除いて、他はまるでオーダーメイドのようにピッタリなんだが」

鞠亜「胸がねー……少ーし足りないって言うか、こう……」

鞠亜「ま、まだ一着目だから!まだ残っているし!これからだ!色んな意味でこれからだ!」 ガサッ

鞠亜「二着目は何々、『女神オルソーラメイド』?何かの修道女っぽい感じではあるが」

鞠亜「肌の露出も少ないし、エプロンドレス以外は別にメイド服っぽくない。つーかメイド?」

鞠亜「……」

鞠亜「ちょ、ちょっとサイズ合わないかなー!ご丁寧に胸以外はピッタリ合わせやがったようだけど!サイズ以外は!」

鞠亜「もういい次っ!……『堕聖女オ・リアーナーメイド』、『委員長フキヨーセメイド』、『ロ×化に成功ベーイ・ロープメイド』……」

鞠亜「……」

鞠亜「あぁぁああああああああああああああああああああああああっ!!!どれもこれも!また手の込んだ嫌がらせしてくれるなあの女!」 ガサッ

鞠亜「まだ箱の下に何か……二重底?何か入ってる、というかまたメイド服……?」

鞠亜「あぁこれは、これぐらいはフィットしそうだが、タグにはなんて……?」

鞠亜「……『平均と言い張るナイチチ向けフ・ソーメイド』……?」

鞠亜 クシャッ

鞠亜「……ふふ、うふふふふふふふふふふっ……!!!」



――学園都市のどこか 雲川芹亜の『寝床』 ハロウィン当日

鞠亜「姉さん、ハッピーハロウィン」 ガチャッ

芹亜「あぁいらっしゃい――ってホントに着たのかその服!?」

鞠亜「うん?姉さんからのプレゼントだからね、着るに決まっている」

芹亜「てかそれ完全に上ただのビキニ……いや、いいけど」

鞠亜「経験値も嫌な感じで溜るし、中々悪くはないよ」

芹亜「そ、そう?芹亜がいいんだったらいいけど」

鞠亜「まぁそれで姉さんにお礼がしたいんだ」

芹亜「い、いやお礼だなんて!いつも迷惑をかけているのは私の方――」

鞠亜「――寝取ってやる」

芹亜「待て!それはいけない、それだけはやってはいけない!世界のバランスが崩れるけど!」

鞠亜「ここは趣味でやってるのにまでエロ持ち込みたくないって言ってるが私には関係ない!知ったことか!」

鞠亜「めぞん一○っぽい服着ればそんな雰囲気に持って行けるし、そもそも私は能力なしで寝技に持ち込めばアッサリ制圧できる!」

芹亜「……ま、鞠亜、ちゃん?」

鞠亜「繚乱家政メイド術・裏百八式!先輩方から後輩へ口伝でのみ伝授されるエロ技の数々がある私に死角はないよ!」

芹亜「それは単に耳年増な女子が集まっただけ……」

鞠亜「謝るなら今のうちだよ姉さん!今なら土下座で許さなくもない!」

芹亜「すいませんでした」

鞠亜「素直!?あの気むずかしい姉が即座に謝ってきた!?」



(※アニメで雲川先輩の出番あるといいですね。ご応募ありがとうございました)



――???

とある名無しさん(ディンギルラ)『――そこで私は言ってった訳ですよ、「その子を解き放て!彼女は幻想だ!」ってね!』

とある名無しさん(ムーンゲート)『ネタが被っていて分かりません』

とある名無しさん(ディンギルラ)『レエェェェェェェェェェェェツッ!マイトガイ○!』

とある名無しさん(ムーンゲート)『そして何故勇者ロボネタへ移行するのですか?解析不能解析不能、エラーのスキャンを推奨します』

とある名無しさん(ディンギルラ)『てかあなたさっきから壁打ちばっかりですけど、botですか?人工無能?』

とある名無しさん(ムーンゲート)『私はアネリ、人工知能、のようなものです』

とある名無しさん(ディンギルラ)『それじゃ名前欄に書いた方が分かりますよ。あと続けているんだったらトリップも忘れずに』

アネリ◆hamadura666『こうですか?』

とある名無しさん(ディンギルラ)『トリップ超かっけーですな!?あれ、トリップってそんな簡単に決められるんでしたっけ?』

アネリ◆hamadura666『この程度でしたら造作もなく』

とある名無しさん(ディンギルラ)『は、はぁ……なんか凄いご新規さん来ちゃいましたね。ま、いっか』

とある名無しさん(ディンギルラ)『それでは引き続き知れば知るほど嫌いになるフランス軍・戦後編をですね』

アネリ◆hamadura666『壁打ちしているのはあなたのように見えます』

とある名無しさん(ディンギルラ)『大切なんですよ!今ちょっと知り合いの業者へ頼んで「フランス軍・負けの歴史各国語バージョン」を作ってもらうように計画してるんですから!』

アネリ◆hamadura666『軽く国際問題になります』

とある名無しさん(ディンギルラ)『いやでも在日フランス大使館が医大でケンカ売ってきたとき「流石フランス!徴兵制も男女平等ですね憧れます!」ってツイードしたアホが』

アネリ◆hamadura666『相手もそうですが、あなた方も中々のアホですね』

とある名無しさん(ディンギルラ)『おおっと学習が早いですねこのIH!一家一台は伊達じゃない!』

アネリ◆hamadura666『IHは家電の規格です』

とある名無しさん(ディンギルラ)『まぁそれはさておきフランス軍の児童売春事件についてですね』

アネリ◆hamadura666『――では無視しして質問します』

とある名無しさん(ディンギルラ)『アネリさんとやら、より良き人間関係を構築するにはスルー能力は棘となりかねないのですが……』

アネリ◆hamadura666『世間では「ハロウィン」とのイベントがあるそうですが、渾然としていて実態が掴めません』

とある名無しさん(ディンギルラ)『ほほう。分からないでもないですな』

アネリ◆hamadura666『基本アホの方が踊られされつつ、ボツになった新商品の復活キャンペーン以外で価値はあるのでしょうか?』

とある名無しさん(ディンギルラ)『いい毒を吐きますね!私もほぼ同意見ですが、他人の口から聞くとドキっとしますよ!』

とある名無しさん(ディンギルラ)『いいでしょう!ならば教えて差し上げますが、ハロウィンとはフェスです!』

アネリ◆hamadura666『フェス、つまりお祭りですか、と確認します』

とある名無しさん(ディンギルラ)『まぁぶっちゃけイベントですな。楽しんだもん勝ちです、その証拠に昔の偉い人は言いました――』

とある名無しさん(ディンギルラ)『「考えるな、感じるんだ!」――と!』

アネリ◆hamadura666『それは説明を放棄した人の持ちネタだと思います』

とある名無しさん(ディンギルラ)『くっ!一瞬でググってツッコんでくるAI、学園都市の技術恐るべし!』

アネリ◆hamadura666『ツッコミの精度を上げても何ら脅威にはならないかと』

とある名無しさん(ディンギルラ)『いえ「こいつら未来に生きてんな」と楽しい世界になります』

アネリ◆hamadura666『理解不能。最新AIの私でもあなたの解析は無理です』

とある名無しさん(ディンギルラ)『まぁレスからして子供さんでしょうし、お菓子でも貰いに行ったらどうですか?』

アネリ◆hamadura666『オカシ?』

とある名無しさん(ディンギルラ)『元々がケルトかそれよりか古い収穫祭のイベントでしてね。その流れを継いで未成年へ援助して交際しようって話に』

アネリ◆hamadura666『言い方が不謹慎ですが、分かりました。ありがとう』

とある名無しさん(ディンギルラ)『いえいえどういたしまして。あ、すいませんそろそろ私ハロウィンのイベントがあるんで帰ります』

アネリ◆hamadura666『はい。さようなら』 キインッ

アネリ(ハロウイン……お菓子を貰いに行く日。浜面に貰いに行く)

アネリ(しかし実体がない。もらえない。論理的思考に回帰して演算を続行――)



――アーケード

浜面「やー……いつもさ、この季節になると思うんだけどよ」

滝壺「どしたの、はまづら?」

浜面「ハロウィンって定着してるか?」

滝壺「昔はしてなかったけど、いまはしてるってゆーよ……?」

浜面「いやそれがだ。俺らの周りじゃ全然じゃん?」

滝壺「まぁ……はしゃぐようなイベントじゃない、よね」

浜面「てかパレンタインと同じで広告業界が盛り上げに躍起になってアホが参加してる体の」

滝壺「や、だからそこそこコスプレ、してる人もいるし……」

浜面「ぶっちゃけ『昔はスルーされてたけど、今は流行ってますよってステマ』じゃね?」

滝壺「あー……あるかも」

浜面「『この電車に乗らないと次の駅には行けないんですよ!』みたいな?」

滝壺「なんか違う、かな?」

浜面「あれじゃん。多分企業の宣伝と広報担当が『もう流行ってる感じで行きましょう!どうせだし!』って」

滝壺「根拠は……?」

浜面「こないだスーパー行ったらさ、『ハロウィンだけの限定品』あるじゃんよ」

滝壺「ま、あるじゃんね……」

浜面「お菓子は分かるぜ?フレメアにねだられて、つーか小さい子を持った親なら買ってやりたい気持ちも分かる」

滝壺「はまづら、意外といいぱぱになりそうだよね……」

浜面「お、おうありがとう……!不意打ちは卑怯だが、それ以上に嬉しいぜ!」

浜面「……まぁエロい話は家でゆっくりするとして」

滝壺「いや、えろい話はしてなかった」

浜面「するとして!肉買いに精肉コーナー行ったんだよ!絹旗が肉食いたいって言ってたから!」

滝壺「うちは全員肉食女子……」

浜面「俺も好きよ?ただ少しだけ他との競合に弱くて、いつもいつも残った春菊担当に落ち着いてるだけで?」

浜面「そんでだ。あぁ今日の特売ってウインナーだっけか、じゃ買おうかーって手を伸ばしたら……」

滝壺「たら?」

浜面「ウインナーのパッケージがハロウィン限定版だったぜ……ッ!!!」
(※実話です。香○)

滝壺「……関係、ないよね?カボチャの製品でもないよね?」

浜面「『ナンっっっっっでだよ!?』って売り場で俺もツッコんだわ!他の人にスッゲー見られたわ!」

滝壺「浜面……それ他の人の職業病に近い……」

浜面「だからもう企画も頭パーになってんじゃねぇかな。もうハロウィンだし、取り敢えずクリスマスまでのつなぎにキャラ出してけばいいだろ的な」

滝壺「……それも安易だよね。ハロウィン終わったら売り場から撤去だし……」

浜面「まぁ買ったけど」

滝壺「買ったんだ?……あ、昨日のおでんにウインナー入ってた」

浜面「袋自体は可愛いかったから、フレメアにあげようとしたんだが、ちょっと臭くてなー」

滝壺「加工肉入れてた袋だからね……」

浜面「まぁそんな訳で!俺はハロウィン商戦なんかには屈しないぜ!日本っぽいカボチャの煮物を買ってきてやる!」

滝壺「それはそれで屈しているような……まぁ、はまづらの屈しない主張は分かったけど……」

浜面「なんだよ」

滝壺「さっきドン○で買ってたハロウィン魔女コスプレセットは……?」

浜面「くっ、殺せ!」

滝壺「本当に殺したい……ハロウィンなんか、って言ってて、それ?」

浜面「家に着いたらプレゼントするつもりだったんだよ、なっ?」

滝壺「なにそのとっておきのプレゼントがバレた的なりあくしょん……?違うよ?」

浜面「――なぁ滝壺、俺は常々思っていたんだ」

滝壺「うん」

浜面「俺はエビフライが好きだ、そしてタルタルソースも好きだ」

滝壺「せんようのマヨボトルキープしてるよね。まぁ、誰も守ってないけど……」

浜面「そしてタルタルをかけたエビフライは超好きだ――つまり、そういうことだよ!」

滝壺「カノジョとエビフライ一緒にしやがったかテメー」

浜面「俺はバニーさんも好きなんだけど魔女もね、いいと思うんだよ!」

浜面「だって好きな子が好きな格好してくれたら最高じゃん!そう思うよなぁ!?」

滝壺「同意求められても……」

浜面「という訳で早く帰ろう!大切な話があるんだ!」

滝壺「昼間っからエロ方面の話をされ――」

ピーッピーッピーッピーッピーッピーッピーッピーッ……

浜面「呼び出し音……?」

滝壺「……じゃないみたい。街中のあちこちから――」

浜面「なんだこれ……?」

機械音声【警告警告、非常事態発生。近くの学生は直ちに近くのシェルターまで非難してください。繰り返します、警告警告――】

滝壺「大規模なはっきんぐ……?」

浜面「ヤベェな!なんか分からないが、とにかく危険がピンチだ滝壺!」

滝壺「浜面のあれもかなり、うん、ぴかちだけど……」

浜面「てかシェルターなんて聞いた事ねーよ。知ってる、訳ねぇよな」

滝壺「……かなり初耳。えれめんと事件以来、工事は進んでるって話が」

浜面「地下鉄に逃げるのも何が起きてるか分からない以上危険だ。だったら地上で麦野達と連絡取れるとこにスタンバった方が――」

浜面「――って聞いてます滝壺さん?」

滝壺「んー……?」 ジーッ

浜面「この非常時になんか受信したの?」

滝壺「――はまづら、あれっ!」

浜面「あれって言われても……いつものようにプカプカ浮いてる学園都市製飛行船が二機……二機?」

滝壺「後のは、違う……!」

浜面「……なんだよありゃ、クソデカい”目”のバケモン!?」

滝壺「人じゃない、けど機械でも……?」

浜面「これ大将案件じゃねぇのかよオイ!俺たちには荷が重すぎる!」

浮遊する眼球? ジーッ……

浜面「……超こっち見てね?てかグロいんですけど」

滝壺「……なんだろうね」

機械音声【タングラムの浮上を確認。具現化率44%、45%、46%……なおも上昇中上昇中】

機械音声【可及的速やかに滅殺されるよう推奨します。繰り返します……】

浜面「今度は物騒なこと言い出しやがってるし……てか、今更なんだけどな」

滝壺「……うん、これ。確か春頃に起きた事件――」

機械音声【具現化率90%を突破。電脳空間との境界がオープンになります】

浜面「ダッシュで逃げて逃げ切れるかな?」

滝壺「むぎのとたきつぼいないし……戦うのも逃げるのも、むり、かな」

浜面「クッソ!こんなことならゴールデンバニーさんセット着て貰うんだった!」

滝壺「最後までシモはどうなのかな……?」

機械音声【具現化率100%に到達、『オラトリオ・タングラム』ミッション、リストートを確認しまし――】

ドゥンッ!!!

浜面「砲撃!?警備員の連中か!」

滝壺「違うはまづら。あそこ、よく見て……!」

浜面「何もない空間から……ロボットの腕と銃が突き出てる……?」

機械音声【カウンター・タングラムシーケンス実行されました。虚数空間からの転送を確認、虚数空間からの転送を確認】

浜面「これ……あれだ!あれなヤツだぜ!」

機械音声【――Virtual ON】

シュウウウウウウウウウウンッ

BGM『リアリティー、リーアーリーティー、全部失ーってーもー』

滝壺「なんで歌……?」

BGM『リアリティー、リーアーリーティー、なんとーか、かんとーかー』

浜面「出だしからうろ覚え!?調べろや!動画持ってんだから10秒あればHDD探せるだろ!?」

滝壺「ま、待ってはまづら!バーチャロイドが転送されたし……!」

浜面「お、おう……てかあの機械、首のないガンキャノ○みたいな感じの」

滝壺「……あぁ、シリーズ通して不遇な機体の……」

謎のバーチャロイド ウィーン、ギギッ

浜面「あ、こっち見た」

謎のバーチャロイド『浜面、お菓子をください』

浜面「どんな世界観!?ここでお菓子を要求されんの!?俺が!?」

滝壺「実は、ゆうしゃろぼ的なお菓子が起動キー……?」

アネリ(謎のバーチャロイド)『見た目では分からないかもしれませんが、アネリです』

浜面「そりゃあな!俺の知り合いでロボ関係っつったらお前しかいねーけどもだ!」

浜面「何やってんの!?何をどうしたらお前がバーチャロイドの中入ってんだッ!?」

アネリ『話せば長いのですが、ハロウインだからです』

浜面「バグってんな。それも盛大に」

アネリ『という訳で浜面。そんな女は忘れて電脳戦機があなたを待っています」

浜面「おせーわー、超おせーわー。半年以上遅かったわー、この展開」

浜面「追加DLCで呼ばれるかと期待してたのに、結局あったのは予備シナリオであって俺らじゃなかったわー」

滝壺「ま、まぁわかってたことだし……」

アネリ『ですが貰いに行く体がないので、Vクリスタルを利用しました』

浜面「そんな簡単にホイホイ流れてたっけ?――あぁ流れてるな!学園都市のセキュリティなんて杜撰だもんな!」

アネリ『はい。なので頑張った私にご褒美をください』

浜面「お前あれだよ、空気読まないにも程があるよね?俺がマクロ○乗ってたらフィールド爆弾ぶちかましてるからな?」

アネリ『何か浜面を怒らせてしまったようです。サーチサーチ、適切な言葉を検索中……』

浜面「取り敢えず暢気にググってないで、後ろのタングラムさんなんとかしなさいよ!お前が拾って来たんだから最後まで面倒見て!」

滝壺「……たんぐらむ自体は、外見グロイだけで人類の味方、だったはず」

アネリ『検索に該当あり。対処策を実行します――』

アネリ『――お兄ちゃんどいて、そいつ殺せない』 チャキッ

浜面「そっかー、じゃ退くね――って言うと思うか!?お前やっぱバグってんだよ!病院行け、病院!」

滝壺「……てゆうかこれ、麦野から逃げ出すよりむりげー……?」



(※なんで浜面出られなかったんでしょう、ドルド乗ると思ってたのに。ご応募ありがとうございました)



――イギリス清教ロンドン女子寮

オルソラ『――時に、潤いある人生とはなんでございましょうか?』

シェリー『……朝一で質問がフワッフワしてましてよ、オルソラさんよぉ。あぁ?』

オルソラ『気の置ける友人と憩いの場、コールドランチではなく温かいイタリア風のご飯があれば、という方もいますが』

シェリー『イギリスのクソマズい飯はほっといてあげて。私らは満足してんだから、これでも』

オルソラ『東洋には「衣食住足りて礼節を知る」という言葉がございますが、やはり最低限の人間らしい生活を整えてるのが本懐とも言えましょうか』

オルソラ『しかしながらこの世界では、その日その日を鶏鳴に生きる方々がまだまだ多くいらっしゃるのもまた現実でございまして』

シェリー『意識高い話したいんだったらルチアとやってこいよ。それで世界のどこかで誰かが救われると思うんだったら』

オルソラ『平凡な日常にサプライズを、退屈な人生にもたらすのはよりよい人間関係だとシスター・アンジェレネが仰っておられました!』

シェリー『情報ソースが限定的すぎるわ。あの子……アニェーゼ部隊の中じゃ仲良いけど、基本ポンコツじゃない』

オルソラ『そんなことはございませんとも。料理時になるとどこからともかく現れ、頼んでないのに試食に挑んだ後、採点をしてくれる師匠として君臨されているのでこざいます』

シェリー『違う次元の話持ち込まないで!あと話聞いているとこの寮の七不思議にも聞こえるわよねっ!バネ足のやつ』

オルソラ『シェリーさんは反対されるので?ハロウィンなどはお気に召しませんか?』

シェリー『ここの連中はまぁ嫌いじゃないけどよ、あんま集まって騒ぐって気にはなんねぇわよ』

オルソラ『やはりまだ苦手で?』

シェリー『その前日まで約束忘れて完徹で仕事、バックレそう』

オルソラ『あー、でございますね。何度かそのパターンありましたし』

シェリー『ま、イベント自体はいいんじゃないかしら?多少ハメ外すぐらいは大目に見てくれるでしょ』

オルソラ『まぁそれはさておきシェリーさん、実は私隠していたことがありまして』

シェリー『聞いてないし、特に興味もねぇんだけど』

オルソラ『シスターは世を忍ぶ仮の姿、実は天使が人の姿を借りていたのでございます』

シェリー『誰か来て早く!シスター・オルソラがあんた達の面倒を見続けたせいでぶっ壊れたわ!』

オルソラ『ですが……それも今日まで、私は天へ帰って天使としての義務を果たさねばなりません』

オルソラ『気をつけて下さい、シェリー=クロムウェル。私が去った地上には七つの大罪が降りかかり、イギリスの食事事情は更に悪くなるでしょう……』

シェリー『七つの大罪と同レベル?イギリス飯ってそんなに罪深いのか?』

オルソラ『「始めこの子は虐待されてるのかと思った」とホームステイ先で悩んだ方がいるそうですよ?』

シェリー『そりゃ一般的な日本人の感性からすれば……うん!コメントしづらいわね!』

オルソラ『まぁそんな感じで注意して下さい。本日のラッキーカラーはカレー色、ラッキーフードはお肉、ジャガイモ、にんじん、タマネギでございますよ』

シェリー『もうそれカレー以外の何ものでもない――』



――イギリス清教ロンドン女子寮

シェリー「――だったわね。最後に見たときはカレー色の翼を広げて天に舞っているとこだったはずよ」

アニェーゼ「寝落ちしてましたよね?途中から明らかに変なフィクションぶっ込んでやがってますよね?」

シェリー「早く対策を打たないと!この世界はファーストフードの闇に覆われてしまうわ!」

アニェーゼ「もうなっちまってます。そして手遅れですね、多分」

シェリー「てかオルソラ、いないの?」

アニェーゼ「じゃなっきゃ最後に会ったと思しき人物に聞きゃあしねぇでしょうが。ったく、どこ行っちまったんでしょうかね」

シェリー「心配はいらねぇだろ。あぁ見えて伝導と布教のスペシャリストなんだからよ」

アニェーゼ「えぇまぁ、ポヤンとしてるよう見えてかなりしっかりしているオルソラ嬢”は”心配してないのですがね」

シェリー「じゃあいいじゃない」

アニェーゼ「何暢気な事言ってんですか!オルソラ嬢がいなかったらこの寮の食事事情は神裂さんの良心に頼るしかないんですよっ!?」

シェリー「あぁ八つ目の大罪は現実になる訳かよ。ま、私には関係ないわ」 スッ

アニェーゼ「どこ行くんですか」

シェリー「外でメシ食ってくるわ」

アニェーゼ「ずるいですよ!自分だけ!」

シェリー「一人メシも寂しいし、ご一緒にどうかしらシスター・アニェーゼ?」

アニェーゼ「実は前からシェリーさんは話せる方だと思っていました。理知的な女性って憧れますよね」

シェリー「はいはい、私も好きよ。少ないカネでこき使われてる隊長さんに、今日は労いも兼ねて私が奢ってやるわよ」

アニェーゼ「その資金力に一生憑いていきます!」

シェリー「……いいんだけど、うん、いいんだけどなんかこう、うん」



――学園都市イベント会場

オルソラ「――と、いうわけで人生において適度なイベント、ハロウィンを謳歌するのは大切でございまして」

オルソラ「いつもお世話にばかりなってる方へ、たまにはこちらからお邪魔するのも良いかと――」

オルソラ「とは、いえ。ここはどこでしょうか?学園都市行きのバスへ乗ったのは確かでございますが……」

黄泉川「――おー、いたじゃんいたじゃん」

オルソラ「イタジャン?」

黄泉川「口癖じゃんよ。えーっと、学生?にしては発育が良さげに見えるじゃんけど……えっと、いくつ?」

オルソラ「永遠の18歳でございます」

黄泉川「なら学生じゃんね。外人さんは大人っぽく見えるじゃんし、てか手伝いの子じゃんね?」

オルソラ「私がお手伝いできることがありましたら、微力ではございますが」

黄泉川「んー……聞いてた話よりも線が細いじゃんが、まぁ大丈夫じゃんね。こっち来るじゃん」



――更衣室

黄泉川「はいまず足から着けるじゃんよ」

オルソラ「えぇと、私は聖闘士ではないのですが……」

黄泉川「あぁこれ鎧じゃないじゃんよ。だからシスターさんでも信仰のある人でも大丈夫じゃん」

オルソラ「あ、いえそういうのは別に。適材適所で私は不釣り合いなだけであり、逃げとして信仰を持ちだしはいたしませんが」

黄泉川「簡易型のパワードスーツ、つっても外側の部分の重さがなくなるぐらいでイーブンじゃんよ」

オルソラ「私は何をお手伝いするのでしょうか?」

黄泉川「そっから!?……たったく桔梗のやつ、いい加減な仕事してんじゃんか」

黄泉川「まぁ簡単な仕事じゃん。遊園地の着ぐるみみたいなもんじゃんよ」

オルソラ「着ぐるみと言えるほどメカメカしい外見でございますけども」

黄泉川「VRテムジンじゃん」

オルソラ「はい?」

黄泉川「ハロウィンに合わせてイベントするから、まぁこの会場付近をこれ着てウロウロしてればいいじゃんよ」

カポッ

オルソラ『軽イデスネ――ト、声ガ機械ッポクナッテオリマスネ?』

黄泉川「ヘルメットの中にボイスチェンジャー入ってるじゃん。何かあったら通信できるシステムあるし、そこは音声認識できるじゃん」

オルソラ『ソシテトテモ被ッテナイヨウナ軽サデゴザイマスヨ』

黄泉川「まぁそれは軍用技術をゴニョゴニョ……だから、ちょっとした戦車に乗ってるような着心地じゃん?」

オルソラ『ソンナ物騒ナ着心地、初メテ聞キマシタ』

黄泉川「ま、まぁそれで仕事はバイザーの中に時計ついてるじゃん?今から二時間ぐらいここいらを歩いててほしいじゃん」

オルソラ『歩クダケデ宜シイノデスカ?』

黄泉川「あと学生や観光客と写真撮るぐらいじゃん。それじゃ張り切って頼むじゃん」

オルソラ『ハア』


――イベント会場

子供A「あー、テムジンだ!写メ撮っていーい!?」

オルソラ『ドウゾドウゾ』

子供B「わたしもー!」

オルソラ『構イマセンヨ』

子供C『ドヤ顔でブーストウェポン発動やってよー!ねーねー!』

オルソラ『事務所ヲ通シテクダサイ。ソノ質問ニハ答エラレマセン』

大人A「というかミドルレンジでチクチク削るのがメインのテムジンにバーンナック○だなんて、機体の相性無視ですなドュフフフフフフ」

オルソラ『話ノ都合上仕方ガナイノデゴザイマスヨ』

大人A「あ、それよりテムジンさん何かポーズお願いします。胸の谷間(装甲)を強調する感じで」

オルソラ『ロボットノ胸筋ヲ見テ楽シイノデショウカ?』

大人A「愚問!パーツ見ただけでそのVRとバージョンが見分けられないようじゃ一流のバーチャ乗りとは言えませんよドュフフフフフ」

オルソラ『警備員ノ方コッチデス』

子供C「でゆうか今更ドュフフ言う大人っているんだ……」

オルソラ『良イ子ハ見テイケマセン――アラ?』

子供D「……」

オルソラ『アナタモゴ一緒ニ写真デスカ?』

子供D「……」

オルソラ『困リマシタネェ』

子供A「俺たちも困ってんだよ。その子さ、会場ついてからずっとついてきちゃってて」

オルソラ『デシタラ迷子ダトスタッフヘ連絡ヲ――』

女「――あんた!こんな所に居たの!?」

子供D「……っ」

女「いつも勝手に出歩かないでって言ったでしょ!?約束したのに!」

子供B「うわぁ……」

オルソラ『アノゥ、オ母様でイラッシャイマスカ?」

女「……そうだけど。誰よ」

オルソラ『通リスガリノバーチャロイドデゴザイマス』

子供C「あ、その設定は守るんだ」

オルソラ『オ子様モ悪気ガアッタ訳デハナク、子供ナガラノ好奇心ト言イマショウカ。アマリ怒ルノモ良クナ――』

女「うるさいっ!人の家庭に口を出さないで!ほら、行くわよっ!」 ズッ

子供D「……」

子供A「……感じ悪っ」

子供B「あんなママ、ヤだな」

子供C「うん……テムジンさん?」

オルソラ『……』



――路地裏

女「――連れてきたわよ。これでいいの?」

子供D「……」

男「はーいご苦労様。結構時間かかっちゃったけど大丈夫?なんかトラブったの?」

女「って訳じゃないけどね。一人になるの待ってたのに中々なんなくてさ。迷子センターに連れてかれそうになったら、急いで引っ張って来たのよ」

男「そいつぁ大変だったねー。少し上乗せしとくよう言っとくわ。それじゃ−」

女「お疲れー」

オルソラ『――オ待チクダサイ』

男「テムジン……?」

女「げ」

オルソラ『大変失礼デスガ、アナタオ母サンジャナイデスヨネ?』

女「……何言ってんのよ。あたしは!この子の母親なのよ!」

オルソラ『イイエ。アナタハ母親デアッタコトハ一度モナイノデショウ。ソノ証拠ガ歩幅デス』

女「歩幅?」

オルソラ『ハイ。大人ノ足ト子供ノ足、ドチラガ長イカハ言ウマデモアリマセンガ』

オルソラ『アナタハソノ子ヲ気ニセズ、引キ摺ッテ歩イテイマシタ。コレハ子供ト一緒ニ歩ク経験ガナイトイウ意味ナノデゴザイマシテ』

女「あんまり――会う機会もないのよ!そういう母親だっているでしょう!?」

オルソラ『オリマスガ、マァソノトキハタダノ児童虐待デスネ。人攫イデナカッタラバ、デスガ』

女「ど、どうしろって――」

男「まぁ――こーするわな」 ガッ

オルソラ『キャッ……!?』

男「おーかてーかてー。どっから持って来たんだこのパワードスーツ、上等じゃん」

男「まぁ?能力には相性ってのもあるし、俺の『富民腐朽(マチダ)』にはただの紙くずってだけで――よおっ!!!」 ドガッ

オルソラ『――っ!?』

女「や、やめろよ!死んじまう、よ!」

男「あ?何言ってやがんだよこのアマ。お前の連れてきたガキだってとっくにくたばってんのに、今更じゃんよ」

女「そんな!?話が違う!あたしは研究施設に入れられるって聞いて!」

男「研究用ラットって意味じゃその通りだけどねー。まぁ結果は同じじゃん?」

女「けど――」

男「あーもういいわ、お前から死ねよ。じゃあな――」

ブゥンッ、ガッ!!!

女「……あんた」

オルソラ『……』

女「あたしを――かばって!?」

オルソラ『暴力ハ……イケナイノデ、ゴザイマス、ヨ?』

男「いいね!そういうの待ってた!――つーか面倒くせぇ、まとめてくたばりやが――」

???「――る、のはテメェだよクソがっ!!!」 バスッ

男「あがっ!?」

オルソラ『コレハ……』

男「誰だテメー……!?関係ねえ野郎は引っ込んでろ!ヒーローでも気取ってんのか!?」

???「残念それはもうやった。今日は完全に関係者だ」

男「……あぁ?」

オルソラ『……アナタハ』

上条(???)「――よぉ相棒。また一緒にケンカしようぜ?」



――数時間後 上条家

インデックス「――だからねー、当麻はいつもいつもいつもいつも!わたしが目を離すとすぐにケンカするんだよ!」

上条「いやだってしょうがないんだって!今回のは俺の相方がピンチだっんだし!」

インデックス「……それとじじょーちゅーしゅ?ぶっちぎってくるし、医療費は自腹だって……」

上条「いやなんか恥ずかしくね?てかあのドヤ顔、知り合いに見られたら俺は恥ずかしくて死んじゃうよ!」

インデックス「あー……出るよね、たまに。あ、お客様かも」 ピンポーン

上条「ハロウインだしな。まぁ土御門だと思うぜ」 ガチャッ

オルソラ「ハッピーハロウィン、でございますね?」

上条「オルソラ!?超珍しいな、まぁ入ってくれよ」

オルソラ「えぇと、あの、私、考えたのでございますが」

上条「はぁ。だから上がってくれって、ここで話すのもなんだし」

オルソラ「せ、責任は取って頂けるのでしょうかっ!?」

インデックス「――はーい当麻、死刑なんだよ?」 ニコッ

上条「待ってくれインデックス!?今回のは本当に憶えがないんだ!?」



(※他より長く感じられかもしれませんが、それは気のせいです。気のせいだったら気のせいです。ご応募ありがとうございました)



――『新たなる光』アジト

レッサー「『はい、また』――っと」 カタカタカタカタ

ランシス「……なに、やってんの?」

レッサー「えぇ高度な情報収集をすると共に、対フランス戦への情報戦を仕掛けています」

ランシス「ネット掲示板で戦っても……いや、効果無いとは言わないけど」

レッサー「だって奴らは差別主義者なんですよ!

ランシス「レッサーレッサー、ネタで言ってないんだったら行け……病院」

レッサー「というか反ファシストを謳う方が揃ってたった一つの意見以外許さない全体主義の件について」

ランシス「やめて。荒れるから」

レッサー「『真実はたった一つ!』」

ランシス「事件だから、ね。うん」

レッサー「私的にはショタが博物館長やってる方が好みですな」

レッサー「あれ『疑惑を着せられた母親の息子が依頼、調べた結果やっぱり母親が犯人でした』という地獄のような話がチラホラと」

ランシス「……グロい話は年齢設定を、もう少し上げたほうが森○くんの心労にはならない……」

レッサー「というかフランシス!」

ランシス「ランシスね……?フランシスだと男性名称……」

レッサー「私は、悟りました!」

ランシス「ほー、何が?」

レッサー「ア××にフリス○で男性をイカせればオチるんだっていうね……ッ!」

ランシス「……」

レッサー「落差酷くありません!?なんですかっこの前の章との落差は!?」
(※投稿順です)

レッサー「てゆうかなんかズルいと思いませんかねっ!?我々はいつもいつもいつも汚れ仕事ばかりで!」

ランシス「というか、引くよね……」

レッサー「いや、まだです!まだア××とコンプラ入ってますから、アリスと誤認できなくもないかと!」

ランシス「それはそれで猟奇的な方向へ……アリスさん可哀想……」

レッサー「ケ×洗って待っててくださいなっ上条さん!洗浄的でもねっ!」

ランシス「……」

レッサー「……なんで私、ヨゴレキャラになったんでしょうね……?」

ランシス「カエサルのものはカエサルへ……レッサーの仕事はレッサーへ任せる……」

レッサー「待ってつかぁさいランシスさん!この無茶ぶりに私一人で応えろと!?」

ランシス「レッサーならできるよ。つーかレッサーにしかできないよ……」

レッサー「その台詞できればもっと別なところで聞きたかったですな!」

ランシス「わたしはほら、大トリの準備で忙しいから、ねっ……?」

レッサー「ぐぬぬぬぬ……!このアマ珍しくピンの仕事が入ったからって調子ぶっこきやがってますね!」

ラシンス「……はぁ?珍しくはない、よ?前に超電磁砲とペアになったし?」

レッサー「マッパ繋がりじゃないですか!人様の人気に便乗しようだなんて恥をお知りなさいな!」

ランシス「……一人だけバーチャロンに乗っかった人は違うよね、言うことが」

レッサー「なんですかこのアマ!買いますよ、ケンカだったら大バーゲンでアウトレット商品で買いますからね!何言ってんでしょうか私!」

ランシス「また……そうやってウヤムヤにする魂胆。いいから、さっさと行ってこい……」



――学園都市 いつものアパート

インデックス「じゃ行ってくるんだよ」

上条「あぁ。姫神と風斬によろしくな」

インデックス「それは勿論なんだけど……本当にいいのかな?とうまも一緒したっていいと思うんだよ」

上条「ありがたいけど女子会なんだろ?俺がお邪魔すんのも悪い、別の日に遊べばいいさ」

インデックス「でも……」

上条「というか姫神は風斬を浮遊霊だと思い込んでんだよな?そこら辺の誤解も解いてこい」

インデックス「そうなんだよ!ふゆーれーはもっと一杯いるんであって、ほらここにも」

上条「あっはっはっはっはー!何言ってるんだいインデックスさんよ、こんな科学の街に幽霊なんかいる訳ないじゃないですかー」 シュコーシュコー

インデックス「うん、何度も言うけどファブリー○に除霊効果はないからね?ぴーあんどじ○さんもそこまで万能じゃなくて」

上条「よし、匂いも消えたことで、さぁ行ってこいインデックス!俺は俺ですることがあるんだ!」

インデックス「……なんかみょーに不自然なんだけど……」

上条「あ、これお小遣いな。あとステイルから貰った食べ放題のチケット」

インデックス「行ってくるんだよ!これでもう一人腹一分目で切ない思いはしなくていいんだよねっ!?」

上条「謎の単語だよな『はちいちぶんめ』。はい、行ってらっしゃい」

ガチャンッ、パチン、ギギイッ

インデックス『玄関出たら即フル施錠!?なんかぶぶ漬けをお見舞いされてる気分なんだよ!?』

上条「違うんだインデックス!これは今からお風呂場でカビキラ○散布するから危なくないように!」

インデックス『あー……とうまの寝室だもんね。カビも生えるんだよ』

上条「おい。誰がジメジメしてるってんだ、俺は爽やかだぞ」 キリッ

謎の声『スピンオフ()で負け続けているのにキリっとか。あ、”とあ一”アニメ化おめでーすwwwwwwwwwww』

上条「そのことはいいじゃない!本編でも出番少なくなって『あ、これからは男三人で頑張って行こうね!』って監督から言われるんだから!」

上条「……」

上条「今、誰かの声が聞こえたような……?エッラい縁起の悪い声が」

上条「インデックスさーん?お外にいますかー?」 シーンッ

上条「いない、よね?もう行ったんだよね?――えっと」 ピッ

土御門『――お電話ありかどうだにゃー。こちらメイド研究室です、ご用の方は「女の子はお菓子でできている」の、後にメッセージをお入れくださいだにゃー』

上条「『流石土御門。どっからツッコんでいいのかもう分からないぜ!』」

土御門『どったのカミやん?何か用かい?』

上条「『あぁすまん。お前今どこにいる?』」

土御門『本題も切り出さずにアレな用件なんだが、まぁXX学区でバイト中だにゃー』

上条「『そっか、それじゃ乱入したりはしないよな。それじゃいいや』」

土御門『マジイミフだぜぃ。あーそうそう。貰った電話で悪いんだけど、一つ相談いいか?』

上条「『あぁ。ドンと来い』」

土御門『バイト仲間がスピンオフになるんだけど、俺これっぽっちも出られないってもうイジメじゃね?』

上条「『――ごめんな土御門!その話は帰って来てから一杯引っかけてしようぜ!じゃないと耐えられそうにないから!』」 ピッ

上条「あとはカーテン閉めて、鍵もかかってる――時は来たっ!」

上条「ノーパソは捨てられDVDデッキは壊され唯一残ったスマフォの!俺の”最新家電”フォルダが炎上するぜ!」

謎の声『いや、その表現はおかしいです』

上条「っでだよ!?ありがちな”仕事関係”って名前だったらモロバレだし、”新しいフォルダァ”ってさりげないのも実は怪しい!」

上条「俺が試行錯誤した結果、女子は全く興味無いが男子に大人気の”家電”へ偽装することで発覚を避けられるんだ!」

謎の声『なんという童×力……!」

謎の声『というか別に相手シスターさんなんですから、「自家発電は教義的にダメなんだもん!」とか言ってしてくれるんでは?』

上条「よく考えてみろテメー。今日も明日も明後日も顔付き合わす相手だぞ?その場のノリと薄い本みたいな展開できるんだったら少子高齢化は先進国病になってないわ!」 クワッ

謎の声『そ、その言い方ですとまるで途上国がラブコメ世界に思えるんですが……』

上条「だから――だから?うん?誰か、いるのか……?まさか、ゆう、れい……?」

上条「……てかクローゼット中から……?」

謎の声『も、モルスァ、フスルコァ』

上条「ふービックリした。なんだファービ○か」

謎の声『……ッ!』

上条「見えねぇから分かんないけど、中で頬膨らませてるんだったらそれカービ○。相変わらずSwic○でも大活躍じゃないですかー」

上条「てゆうか大○さん英語版も声優やんのやめてもらえませんかねっ!?ファンは強いられているんですよ!買うのをね!」

謎の声『ファンの生き様が怖いです』

上条「しかも最近はダンガンロ○で若返るし!最近でもないけど!」

謎の声『脱線が過ぎますよ。最近でもないですけどね』

上条「お前――レッサーだな……っ!!!」

レッサー(謎の声)「よく分かりましたね上条さん!てゆうかよく分かりませんでしたね今まで!」 ガタンッ

レッサー「さぁ選んで貰いましょう、トリック・オア・トリート!お菓子をくれなきゃ性的なイタズラをしますよ!」

上条「もうポッキ○やるから帰れよ」

レッサー「おんやぁ?ここは『お菓子がない――クソ!俺は性的なイタズラを受けるしかないのか!だってお菓子がないのだから!』とか言う場面じゃ?」

上条「対インデックス用に備蓄してあるんだよ!まぁ大抵は家帰ってきたら食われてんだけどな!」

レッサー「その補足情報いります?」

上条「俺は、その、えっと……これから大事な用があるんだ!ローテ的に!」

レッサー「そうなんですか?そのフワっとした台詞の説得力はクソほどもありませんが、用事を済ませたら帰りましょう」

上条「あ、うん。分かってくれた?」

レッサー「取り敢えずペロンって脱いじゃってください。フリク○混入したら帰りますから」

上条「なんのために!?あとフリス○さんは食べ物なんだから無駄にしちゃ駄目だろ!」

レッサー「あ、ご心配なく。直腸から吸収されると思うので体の一部になります」

上条「心配だよ。多分劇物を変な所から吸収させられる俺の体が心配だわ!」

上条「てかまたシモじゃねぇか!お前に関わるとそんなばっかだろうがよ!」

上条「お前のヨゴレ仕事にもれなくセットになって付き合わされる身にもなってみろよ!いつも”被害者;俺”じゃねぇか!」

レッサー「……」

上条「……な、なんだよ?」

レッサー「……マジで、しちゃいます?」

上条「し――ないよ!俺は草食系男子で通ってるジェントルだからね!もう15年ぐらいずっと紳士的だよ!」

レッサー「いえ、ですがイベント的にもハロウィンですし、アリっちゃアリなような」

上条「流されないで!自分を大事にして!ハロウィンの魔力に負けないで!」

レッサー「てゆうか上条さんの下条さんも臨戦態勢ですし、ある意味それはそれで『スタッフがおいしく頂きました』的な?」

レッサー「よーしルート開通させちゃうぞー!次の段取りなんて知ったこっちゃありません!見せつけてやりましょう朝チュンを!」

上条「くっ!分かってはいたがバカに理屈は通用しない――こうなったら、俺の(性)癖フォルダを見せつけてヤツを正気に戻すしかないぜ……ッ!」

レッサー「あぁ(性)癖にドン引くんですね。分かります」

上条「いっけえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!”最新家電”フォルダ、オオォォォォォォォォォォォォォォプンッ!!!」

レッサー「そんな勇者ロボ召喚みたいに言われても。つーか別にですよ?男子高校生のフラットな性癖の一つや二つ、見せられても私は別に」 ジーッ

レッサー「んんんんんんんんんーーーーーーーーー……ッ?」

上条「また微妙なリアクションだな。てか基本グラドルだからキッツイのはないと思うんだけど……」

レッサー「グラドル?これが?」 カチカチッ

上条「集めたのは俺なんだから、おかしくはないだろ」

レッサー「いえあの、ご自分でご確認を」 スッ

上条「おう」

御坂美琴スクール水着ver『キラッ☆』

上条「……なんで?」

レッサー「上条さんったらフォルダ名間違っちゃったんですね!本命のJC好きを隠すために!」

上条「違うわ!するにしたってビリビリ保存した憶えはない!……あれ?なんでこんな画像があるんだ?」

上条「てか二枚目も、三枚目もビリビリのやつだ。思いっきりカメラ目線だけど」 スッ、ススッ

レッサー「あのぅ、もしやですけど、このケータイハッキングされてる、とか?」

上条「まっさかぁ!する意味がないって、なんでヤローのプライベートなんか!」

レッサー「そ、そうで――すかっ!?」

上条「おいおいリアクションがオーバーすぎんだろ」

レッサー「すいませっん!私用事を思い出したのでこれで!」

上条「ん、おぉ帰るのか?流石に悪いなって思うんだけど」

レッサー「い、いえっ私もほらっ、買い物とかありますし!ねっ!?失礼しますっ、それではお幸せにっ!」

ガチャンッ

上条「そっかー……まぁいいか。それじゃ続き――」 

ベッドの下?「……」 ビリッ



(※世にも奇妙なバックドア。そういや微妙にKMJ(仮名)の位置を把握しているMSK(仮名)さん、実はケータイ加盟の時に何かしこ
(※応援お疲れーるがん☆あ、あんたのために書いたんじゃないんだからね!)



(※ちょっと長めの長編の後の話になります。未読の方はこちらをお読み頂いた上でご覧ください。たった三日で終わります)



――イギリス某所 『新たなる光』アジト

レッサー「――ハッ?!私は一体何を……?」

フロリス「はいソコ。謎の念能力者の攻撃ごっご禁止。連載再開したからって浮かれんナ」

ランシス「てか攻撃を受けたら、まず、逃げるような……」

レッサー「注意して下さい!窓には近づかず人形は遠ざけて鏡は全部叩き割ってから時速70kmを切ると危険かもしれません!」

フロリス「各部のトラップ系スタン○使い勢揃いだナ」

レッサー「というか私、大事なことに気づいちゃったんですけど」

フロリス「ヤ、もういいからその攻撃されてる系の遊びは」

レッサー「ではなく、『ランシスの名前がフランシスでは?』って前に言いましたよね?」

ランシス「言ったっていうか、まぁ……かなーり前に」

フロリス「てかフランシスは男性名であって、秋田犬にマサルつけるんよーなもんだゼ」

レッサー「つまり――ランシスも男の娘って可能性、あると思います!」 チラッ

ランシス「おい、どうして目線を少し落しながら言ったのか説明して貰おうじゃないか、あぁ?」

フロリス「なんでワタシらも秘密なんだヨ。つーか何回もマッパ見てるわ。むしろ見慣れてるワ」

ランシス「お嫁に行けない……」

レッサー「私も結構ネタで脱ぎますけど、あなたもそこそこ付き合って脱衣してませんでしたっけ……?」

ランシス「友情、大事だよね」

女性「はいはいあなたたち、無駄話はそのぐらいにね。やることあるんだからちゃっちゃと決める」

レッサー・フロリス・ランシス「……」

女性「……何よ」

レッサー「あ、あ、あ、あなた誰ですかっ!!!!?」

女性「――は?」

レッサー「ベイロープと似たカッコをして騙してるつもりかもしれませんが、この私の目は誤魔化せませんよ偽者め!」

レッサー「正体を現しなさいなこのパチモン!という本物のベイロープをどこにやりましたかっ!?」

ベイロープ(女性)「いるでしょ。目の前にずっといるでしょ」

レッサー「何をいいますか!あのアマはもっと殺人犯もビックリのドヅキい顔立ちをしていた筈ですよ!あなたみたいなロ×巨乳じゃなかった!」

ランシス「レッサーの気持ちは……まぁ、分からないでも」

ランシス「田中雄○(キャラデザ)さん、原作読んでねー説急浮上」

レッサー「謝って下さい!巷に溢れる残念なファンの中には『ベイロープ=お姉さん系』で小説数本分のSS書いたアフォだっているんですよ……ッ!?」

ベイロープ「ちょっと何言ってるのか分からないのだわ」

レッサー「ちょっとエロい同人やちょっとエロいタペストリーばっか出して!相手は中学生(含む中一)だって分かっているでしょうに!」

ランシス「おい、口を、慎め?」

フロリス「イヤー……?その件に関しちゃ割かし正論カモ?」

レッサー「私の陛下、じゃなかったベイロープを返しなさいな!私は昔のあなたを愛していました……ッ!」

ベイロープ「あれ、そういえば胸パッドを外された残念な子がいたわねー?」

レッサー「ふぐうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!?」

フロリス「オ、クリティカル入った」

ランシス「ざまあwwwwwwwwwwww」

ベイロープ「そういうあなただって【公式】に変ったでしょうが!OPムービー見てみなさいよ!ランシスと同じになってるじゃない!」

ランシス「その比較のされ方は失礼……だけど、ざまあwwwwwwww」

レッサー「じ、実はですね。私も、その予兆はあったんですよ……」

レッサー「何かとは言いませんが、私だけ参戦したアクションゲーム!私だけが参戦したアクションゲームの話ですが!」

フロリス「オイ、こいつそろそろシバいたほうがいんじゃネ?」

ベイロープ「待って。供述は最後まで聞いてからよ」

レッサー「あれのVW!カットインはおっぱ×を強調するポーズでした!でしたとも!コンシューマーとはかくありたいという代物ですな!」

レッサー「がしかぁぁぁぁし!キャラ選択時のエロゲで言う立ち絵!あれはみょーーーに薄い!日本製のアレのように薄い!」

ランシス「無理に下ネタを入れるな……」

レッサー「どーゆーこっとですかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっKADOKAW○!?OPからファンの精神に削りに来るとは!」

フロリス「てかしつけーヨ。戸惑ってんのは本人なんだからさ、放っといてやれヨ。ねぇ?」

ベイロープ「え?戸惑う?何に?」

レッサー「ほぉら見なさいフロリッッッッスー!このアマちょいと巨乳で童顔になったからって昔をなかったことにしようとしてますからねっ!?」

レッサー「あぁ羨ましい妬ましい!本来そのポジは小悪魔系レッサーちゃんが占める筈だったのに!のにッ!」 ギリッ

ランシス「……そんなに殺意込めるほどじゃ……」

レッサー「――よっし分かりました!ここは”Uchi-iri”の出番です!」

フロリス「ウチーリ?」

レッサー「……これはですね、語るも涙、話しも涙、涙涙の物語があるんです」

ベイロープ「語って話してって同じよね。口頭で喋って泣いてるだけなのだわ」

ランシス「長くなりそうだったら、短くよろー……」

レッサー「思想テロです」

ベイロープ・フロリス・ランシス「おい、テロリスト」

レッサー「せめて頭に”エロ”をつけてほしいところですが――やりますよ!今度こそはKADOKAW○をやっちゃいますよ!」

レッサー「止めだって無駄ですからね!絶対に止めても止まりませんよ!?絶対ですからね!?」

フロリス「芸がこまけーナ。ダチョウか」

ランシス「いけいけ、いってこぉーい……星になーれー……」

ベイロープ「具体的にはどうすんのよ?」

レッサー「日本へ行ってから考えます!それじゃ!」 バタンッ

ベイロープ「またあっさり行ったわね。口だけでコンビニ行って帰ってくるバターンかしら?」

フロリス「ワタシはお菓子屋行くパターンだとみた」

ランシス「……いや、違う」

ベイロープ「あぁ、玄関から出てって窓から帰ってくるのね。『地球一周しました』とか言って」

フロリス「なんでワタシら小学生の遊びに付き合わされねーといけないんだ」

ランシス「それも、違う……明後日、なんの日か憶えてる?」

ベイロープ「ハロウィンよね。それが、どうか、し――」

フロリス「――抜け駆けしやがったナあのアマ!一人だけ日本行くつもりだ!」

ベイロープ「いや、あなたもしたような、してないような……」

フロリス「その話はいいとして!今はあのアホを追うのが先だ!」 ダッ

ランシス「あ、逃げた……」

ベイロープ「年々私たちのINT下がってる気がするのよね。レッサーのせいだけど」

ランシス「せめて”かしら?”って疑問系にしてあげて……」



――学園都市 上条のアパート

ピンポーン

上条「はーい、どちらさまー?」 ガチャ

レッサー「トリックオアトリ――とおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!?」 バスッ

上条「扉開けたら殺人事件!?」

ランシス「軽い本にありがち……」

フロリス「もしくはなれないのになろう系」

レッサー「……」

ベイロープ「ぜー……はー……あ、気にしないでね?予想以上に敵の段取りがしっかりしてて」

ランシス「まさかドローンを使ったトリックまであるとか……予想外」

上条「そうですね。俺らが出会った頃にはドローンじゃなくてクアッドコプターってTE○で言ってましたもんね」

フロリス「あれはたった一月の話、そう半月の話だったから何もなかったんだゼ……!」

ランシス「実は月が満ちるまでの二重意味……そして生かされないまま終わった数々の裏設定!」

レッサー「それが出てくるベイリャル令嬢wwwwwwww

ベイロープ「はいはい、無駄話はそこまでよ。あ、レッサーは罰ゲームね?」

レッサー「なんで私だけが!?対応の改善を要求しますよ!」

フロリス「意味分からないのが分からない」

上条「お前ら人んちの前でコントすんなよ。てか来るんだったらメール寄越せよ、向かえに行くんだから」

レッサー「分かってないですなー。今日は何の日か分かってますかー?」

上条「今日は?あぁ10月31日だから」

レッサー「アメリカで宇宙戦争のラジオ版が流され、第パニックになった日ですな!」

上条「ちっげーよ。てかお前それビンゴだったら、『ハッピー・ウェルズ!』って俺んち訪ねてきたことになるんだが」

ランシス「あとそれ……30日。前日前日」

フロリス「日付を素で間違えるわ意味のないボケを挟むわ、すげーよナー」

ベイロープ「というかもう答え言っちゃってるわよね」

ランシス「……トリック・オア・レッサー?」

上条「地獄の二択か。どっちみちレッサー成分入ってるじゃねぇか。主犯か従犯の違いでしかない」

レッサー「相も変わらずソリッドなツッコミありがとうごさいますコンチクショー」

上条「というかうん、上がれば?お茶ぐらいは出すから」

レッサー「――異議あり!それはオカシイと見ました!」

フロリス「っだよメンドクセー。何か引っかかったのか、ア?」

レッサー「ハロウィンなんてエロ目的なのに、いい歳した若い男子が彼女も作らずに部屋に一人!これが意味するところは――」

レッサー「――つまり、犯人はこの中にい」

ガチャンッ、パチン、ギギイッ

レッサー『待ってつかぁさい上条さん殺生ですよ!?私一人を置いてフル施錠はメンタルにきますから!』

レッサー『……あぁでもここで『別れたカノジョが復縁を迫って病んできた』って小芝居をすれば……!』

上条「いつも思うんだが、バンバイアって殺せるじゃないか?あれまだ殺せるだけマシなのかなってさ」

ランシス「……レッサー……始末したらきっと、毎晩毎晩枕元に化けて出てガンダー○歌いそう……」

レッサー『ワンツースリー!ダイターン・スリ○!』

ランシス「ってほら、ダイターン○歌い出した……」

上条「不安定になる!精神的に不安定になるよ!」



――部屋

ベイロープ「で、レッサーの罰ゲームは何にしましょうか?」

レッサー「まず私をヘイトらないで頂きたい!それよりもデッカー○がレプリカン○説が出るよりも早くる破嵐万○=メガノイ○が出た作品を評価していただきたい!」

上条「――まぁレッサーは放置するとして、久しぶりだな」

ランシス「……そうだね。定期的に呼ばれる人気のある子以外はそう、だよね……?」

フロリス・ベイロープ「あー……」

レッサー「すいませんランシスさん、それはやっぱり宿命みたいなもんですから諦めてください」

ランシス「番外編で……超電磁砲と絡んだのに……マッパで……!」

上条「その話し詳しく」 キリッ

フロリス「”キリッ”の使いどころ間違えてんゾ」

レッサー「ちゅーかお久しぶりですね。いつ以来でしたっけ?てか留学していたような記憶があるよーな、ないよーな?」

上条「まぁまぁいいじゃないか細かいことは!今日は同窓会のノリで楽しもうぜ!」

フロリス「こまけーことはいいとして、今日はハロウィンだから色々作ってきたゼ。本場の料理をワタシとベイロープさんとこの料理長で」

ランシス「……ここは手料理の流れじゃ?」

ベイロープ「どうして?料理の上手い人が作った方がいいでしょう?」

レッサー「……けっ、これだからブルジェアはイヤなんですよ。風情ってものが分かってない!」

上条「というかお前ら機内へナマモノって持ち込み禁止……あぁ”カバン”か。相変わらず凄い技術をしょーもないことに使うよな」

フロリス「アホの学園都市には言われたくねーゾ。バーチャルコンビニ店員ってギャグか、あれ?」

上条「お前あれバカにすんなや!店員さんをキャンペーンとかでミ○さんに変えたら売り上げ大爆発だかんな!」

レッサー「そりゃ一部から最近徐々に市民権を得ている一部へ、格上げされてる大きなお友達は行くでしょうが、かえって一般の方の後が遠のきプラマイゼロかと」

上条「マジかよ……!だったらずっと俺らだけでコンビニは経営できるってことじゃんか!」

レッサー「ポジティブが過剰です」

上条「てかさ、昔の話をするのはいいんだけど」

ランシス「けど……?」

上条「アリサは?」

レッサー・フロリス・ランシス・ベイロープ「あー……」

上条「まさか忘れたり、とかじゃないよね?」

レッサー「ま、まさかそんな!あの話もメインはアリサさんみたいなもんでしたし、忘れるなんて、ねぇ?」

レッサー「た、ただその!えっと、アイドルですから!アイドルがファンを騙す稼ぎ時にお呼びするのは気が引けまして!」

上条「そ、そうかな?あとから問題にならない?」

レッサー「勿論ですとも!我ら『新たなる光』とARISAさんの間に築かれた絆の鎖!キャシャー○が叩いても壊れませんよ!」

上条「結構あるだろ。キャシャー○が叩いて壊れないの」

レッサー「で、でしたっけ?『映画初監督の頭を叩き割りたかった』が名言ですけども!」

上条「モーガン・フリーマ○ですら気を遣ってくれた映画監督の話はいいんだよ。元宇多○の旦那が肩書きの人は」

レッサー「細けぇ以下略!テレビでも見ましょうテレビでも!」 カチッ

MC『――はーい。お次はARISAちゃんです

鳴護『あ、どーもお久しぶりです』

全員「……」

MC『どうですか、最近は?』

鳴護『そうですねー。舞台と食レポが忙しいですね、ありがたいことですが』

MC『なんか趣味は?』

鳴護『えっと名前忘れちゃったんですけど、写真投稿してショートメッセージ入れるSNSあるじゃないですか?あれをお友達と交換してますかねー』

MC『彼氏さんなの?』

鳴護『いえいえそんなっ!イギリス留学してたときのお友達で、女の子ですよ。なんですけど……』

MC『……けど?』

鳴護『近い更新が日本で「学園都市に観光に来ちゃいましたてへぺろ☆」なのに連絡が、ですね。連絡が、来なくてですね』

MC『あー……』

鳴護『っていうか最近の投稿が「上条さんヤサへ突入ゴーですよ!」で途絶えてて……』

上条・フロリス・ランシス・ベイロープ「――おいバカ」

レッサー「てへっ☆」

MC『――はい、それではARISAの新曲歌っていただきましょう』

鳴護『『”――Der H_lle Rache kocht in meinem Herzen』
(――夜の女王のアリア)

プロセルピナ=セレネ『――――――――きひっ!』



(※NL全員登場できるようで良かったですよね。ご応募ありがとうございました)



――上条家のアパート 朝

チュン、チュンチュン……

上条「――ふー、もう朝か。なんか久しぶりにベッドで寝たなー」

上条「女子会が盛り上がってお泊まり。まぁ姫神と風斬がついてるんだから安心出来るけど……ハッ!?」

上条「――余所に男を作って外泊の可能性も捨てきれない……!?」

上条「……」

上条「ないない。ステイルに殺される。物理的な意味でも比喩的な意味でも」

上条「まっ!どっちみちその前に俺も焼かれるんですけどね!監督不行き届きって罪でね!」

上条「……無理ゲー過ぎるな。てかなんで朝一でボケとノリツツコミしなきゃいけないんだ」

上条「どれ、今日は一人だしパンでもかじっ――」 バサッ

円周「……くー……」

上条 バサッ

上条「えーっと、昨日は飲んでない。記憶が曖昧にもなってない……」

上条「着衣乱れなーし。匂い……は、まぁ若干甘いが!お菓子っぽい香りがするが!乱れはなーし!」 チラッ

円周「うん、いつも思うんだけどその確認作業ってエッチしてからシャワー浴びたら意味無いんだよねぇ」 パサッ

上条「シュレディンガーの猫シュレディンガーの猫シュレディンガーの猫……!」

円周「シュレディンガーを過大解釈過ぎるかなぁ。あれ量子力学を絵本レベルへ落しているんであってね」

上条「実際に猫がいる・いないの話じゃないの?」

円周「一つの思考実験であって、『因果と過程と結果はそれでいいんですかー?』ってだけ」

上条「……」

円周「あはっ」

上条「えーっと、これはあれだ」

円周「そうだよねっ、こんなとき『上条当麻』ならこう言うんだよね……ッ!」

上条・円周「『――これは敵の魔術師の攻撃だ……ッ!』」

上条「ってボケを先読みすんなよ!やりづらいわ!」

上条「てかお前、あれ!?」

円周「……当麻お兄ちゃん、昨日は凄かったよ。私、私ね?お兄ちゃんに壊されるかと思っちゃったぁ」

上条「異議あり!被告人は嘘を吐いています!」

円周「もうお兄ちゃんの恥ずかしがりっ。照れ屋さんなんだから、このベッドヤク×!」

上条「それ褒め言葉か?」

円周「もしくは薄い本の共通サ×役?」

上条「それも別に俺じゃなくてよくね?あとそんなに種類ある訳じゃないし、大抵ビリビリのバーターだよ!もしくは一方通行の!」

円周「というかお兄ちゃん必死だよね。責任から逃れようとしてる」

上条「このままじゃスキャンダルで俺のアイドル人生が駄目になってしまう……ッ!」

円周「や、だからね。当麻お兄ちゃんが求められているのはシリーズ通して『右手でのツッコミ』であってね」

上条「ウルッセェよ!俺の存在価値がお笑い芸人の上手(※客側から見て右)に立ってる方みたいに言うな!」

上条「……夢だ、これはきっと夢なんだ。俺はきっと授業中に寝てて、ゴリラに叩かれて起きるんだ……ッ!」

円周「二度寝してもいいけど、今度は本当に襲うよ?」

上条「起きたわー、何か超目ぇ覚めたわー、二度寝できるようなテンションじゃなかったわー」

円周「普通の人はテンションが下がったから睡眠を取るんだけど……」

上条「というか、円周さん?木原円周?」

円周「はーいっ」

上条「君、なんでいんの?」

円周「かぷっ」 ガジッ

上条「痛い痛い痛い!?なんで俺に噛みついた!?」

円周「あはぁ。当麻お兄ちゃんの(頸動脈)が私のナカで動いてるピクピクしてるよぉ」

上条「取り敢えず奈須きの○先生ごめんなさいって謝っとけ。それと俺はビクビクしてるんであってピクピク違うわ!」

上条「え?てゆうか何!?俺このまま噛み殺されるの!?」

円周「お菓子くれなきゃイタズラしちゃうぞー、がおーっ」

上条「……なぁ、一つ聞きたいんだが、お前と虎どっちが強いっけ?」

円周「エンドルフイン出してリミッター外せば、10秒ぐらいで首ねじ切れるよ?」

上条「誰か、助けて下さい……!地上最強の捕食獣をなんなく仕留める生物が俺の膝でマウントしているんですっ!」

円周「いや別に虎とか銃持ってれば素人さんでも勝てるし。ただ山林だと10人中9人が返り討ちに遭う程度で」

円周「あと科学サイドと魔術サイトでお兄ちゃんがそげぶしてきた人達は、虎どころかドラゴンも笑ってぶっ飛ばせる人もそこそこいたり」

上条「というか俺は何の危機に瀕しているの?貞操を通り越して命がピンチだよね?」

円周「答え次第では人間の尊厳の危機、っていってもいいかも?」

上条「どういうこと?」

円周「殺してバラしてリアル人体の不思議○」

上条「――よし、取り敢えず下りようか!朝からお菓子はないからホットケーキでも作ってあげようねっ!」

円周「とゆーかねー、最近分かって来たんだけどあの献体さんたちも実は――」

上条「おっとそれ以上言うなよ!朝一でグロい話聞いたら俺だってブルーになるんだからな!」

円周「エイリア○を笑って鑑賞する心の壊れた人ですら、関連動画を編集した夜にエッラい悪夢を見たって証言がねー」

上条「――なぁ円周さん?」

円周「なーに当麻お兄ちゃん改まって?」

上条「お前いい加減にしないと男女平等パンチが火を噴くからな?」

円周「あ、いいよー?私能力者じゃないし、痛いのも嫌いじゃないしぃ?」

上条「……誰かこのアホをなんとかしてくれよ……!」



――リビング

上条「ホットケーキ食ったんだからもう帰れよ」

円周「お兄ちゃん酷い!?一回寝た(朝チュンした)女はもう興味無いって言うんだ!?」

上条「お前それ絶対外で言うなよ。ただでさえご近所で噂されてる俺の株価が大暴落すっから」

円周「ご近所も何も。何度も何度も不審火や爆破騒ぎが起きてるのに”まとも”な住人さんが残ってるとでも?」

上条「いいんだよ!確かに俺と金髪グラサン兄妹以外じゃロン毛神父とポニテ聖人ぐらいしかこのマンションで見ないなー、とは薄々感づいてはいたが!」

円周「確信してたよね?明確に言語にしてないってだけで」

円周「というこの小麦粉でできた砂糖なしミルクなし勿論メイプルシロップなし塩味パンケーキを、ホットケーキだと言い張る度胸は凄いよねぇ」

上条「いいんだよ!ハロウィンの理不尽なドッキリはもう既に味わってるから!」

円周「んー……あ、じゃうこうしよう?お兄ちゃんの童×くれれば大人しく帰るから」

上条「そっかー、それじゃ――って言うかバカ!そんなお試し感覚で捨てるようなもんじゃない!」

円周「えーっと、お兄ちゃんは勘違いしてるかなぁ」

上条「勘違い?」

円周「お兄ちゃんの『幻想殺し』は異能の力を打ち消す”傾向”がある。けど、今の所はそれだけ」

円周「んで私も能力者じゃなく、自力で肉体のリミッター外したり計算している”ただの”人間であって」

上条「それが何だってんだよ」

円周「つまり物理的に当麻お兄ちゃんの両手両足へし折って監禁レ××するのは簡単なの?分かるかなぁ?」

円周「それをしないってのは私もお兄ちゃんに嫌われたくないなぁって思わなくもないから、自制してだけなんだよ?ねぇ?」

上条「DV振う最低男が『お前のために教育してやってる』のと何が違うんですかコノヤロー」

円周「愛だね、愛っ!私は当麻お兄ちゃんがだーい好きだからっ!」

円周「――ってお兄ちゃんのエッチ!すーぐ円周に恥ずかしいこと言わせたがるんだからっ!」

上条「お前アレか?ドラゴンが幼女化して『妾の夫となるのじゃ!』とか言ってきたらエロすんのか?」

円周「え、するよね?むしろ好きなんでしょ、そういうの」

上条「一部の特定な範囲においてはな!普通はそうじゃねぇって話だよ!」

円周「えーっとフランスは14世紀ぐらいにメリジェーヌって半人半龍と結ばれるって伝説がだねー」

上条「超未来に生きてんじゃんフランス人」

円周「浦島太郎に出てくる乙姫も竜だね」

上条「やっぱやってたか過去の俺ら!」

円周「ってゆーかー、”竜”宮城なんだから竜がいるに決まってんじゃんねー?」

上条「過去の話はいいんだ!ヨソはヨソ、ウチはウチ!」

円周「都合が悪くなったら議論のすり替え。基本だよねぇ」

上条「いや、その、まぁアレだ。将来的にどうって話はあるかもだが、お互いに好感度が低い状態でその、無理だとか無理矢理だとか悪いと思うんだよ」

円周「けど愛がなくてもエッチはできるよね?」

上条「そういう人もいるしそうじゃない人もいるんだよ!……あぁどうして俺は年下の女の子に情操教育をしなきゃいけないんだろう……?」

円周「そしてそれは当麻お兄ちゃんの思想であって、私には関係無いと思いまーす!」

上条「くっ!口でも暴力でも俺に勝ち目はないのかよ……ッ!?」

円周「まぁまぁ。それじゃあさー、私も妥協するからデートしようよ、デート!」

上条「遊びに行くぐらいだったら、まぁ」

円周「他のヒロインへの嫌がらせ、楽しそう!ねっ?」

上条「さっきから虫かなんかと喋ってる感じかしない!デート行ったのに二人並んでスマフォしてる破局完全のカップルみたいさ!」

上条「ていうか君ホンッッッット何しに来たんだ!」

円周「個人的な嫌がらせと『木原』の勧誘?」

上条「キハラ?」

円周「お兄ちゃんも『木原』になればいいんだよ。素質はあるんだしぃ?」

上条「キハラさんって俺殆ど知らないんだが、科学サイドの中枢にいるんだよな?」

円周「全員が血縁でもなくて、お兄ちゃんだったら正式な意味で喜んでくれると思うよ?」

上条「……イヤだよ。学園都市の悪意が集まったような、元凶作ってる奴らなんだろ?」

円周「ううん。『木原』に善悪はなくて知識好奇心が満たされるかどうかってだけだし」

上条「人の迷惑を考えないアホはダメです」

円周「そっかなー?まぁ簡単に言えば男は妖怪、女は顔芸?」

上条「絡みづっら!?」

円周「というか今回の目的のもう一つがそろそろ来――」

ピンポーン、ピポピポピーンポーン

円周「――た、ね。ナイスタイミング」

上条「誰が?――はーい、今出まーす」 ガチャッ

鞠亜「――突然すまない。取り敢えず君の童×を貰うな」

上条「流行ってんのかこの界隈!?」

円周「あ、いらっしゃーい」

鞠亜「お前は!」

円周「えっと、ごめんね?確か自己紹介はされてなかったからうろ覚えなんだけど、マニアちゃんだっけ?」

上条「DQNな親が奇特すぎる」

鞠亜「断じて違う。鞠亜だ、雲川鞠亜」

円周「それで鞠亜ちゃんどうしたの突然?」

鞠亜「姉へ対する嫌がらせだが?」

上条「愛情の欠片もねぇな!不憫すぎるだろ俺!」

鞠亜「……いやそこはむしろ『ラッキー!』ぐらいに考えてほしいものだが」

上条「てか雲川?あぁじゃあ先輩の妹さん――あ、ごめん。名前の似てるだけの他人か」 チラッ

鞠亜「視線を落した意味を教えろ!あと顔がそっくりだろうが莫迦者め!」

円周「あー遅かったねー。でもお兄ちゃんの貞操は私が貰っちゃったしー?」

鞠亜「なにいぃっ!?この……節操なしめ!」

上条「風評被害半端ねぇんだけど、主に俺が」

円周「うん、うんっ!そうだよね、こんなとき『木原』ならこう言うんだよね……ッ!」

円周「『――よっ、このロリコ×!』」

上条「別にそれ木原じゃなくても言うよ!だって俺土御門によく言ってるもんさ!」



(※超電磁砲の甲賀組三人をキルった円周さん、またフレ/ンダさんキャラが増えました。ご応募ありがとうございました)



――上条家のアパート

上条「……あぁもうウンザリだ!ハロウィンだからって被害担当は俺ばっかだろ!」

上条「前線に立たされたスーパーロボッ○の悲哀が理解出来るようになるとは……人生は、深いぜ」

上条「こうなったらもう今日は誰が来ても出ない!インデックスは以下略だしここに籠城すれば被害はない……多分!」

ピンポーン

上条「よーし早速来やがったなトラブル!だが俺は断固として出ない選択肢を選ぶぜ!」

神裂の声『ごめんくださいませ。上条さんはご在宅でしょうか?』

ステイルの声『……あのね神裂。君の田舎にはないかもしれないけれども、人類はこのインターフォンって機器を発明しててだね』

神裂の声『知ってますよ。流石にそのぐらいは』

上条「また人んちの前でお馴染みの二人じゃねぇか。セットか!」

ステイルの声『いないみたいだね。じゃあ帰ろうか』

神裂の声『待ちなさいステイル。先程から室内でツッコむ声が外にまで聞こえているのですが……』

上条「安普請でごめんね!一人暮らしの学生なんてみんなこうだよ!」

上条「インデックスとケンカした翌日、登校途中で土御門が『いやー、昨日のケンカはカミやん悪いと思うぜぃ?』とか言われるんだからな!」

ステイルの声『あの野郎が盗聴を趣味にしている可能性も捨てきれないけど。というか火でも着けたら出てくるんじゃないか?』

上条「何時代から来やがったこのイギリス人。三国志レベルでも火刑ばっかじゃ飽きられるんだぞ」

神裂の声『魔女狩りは割と近代まである話ですよ。対象が魔女から魔女っぽい人へ代っただけで』

上条「あぁ君らそういうの専門だもんね」

ステイルの声『出ないって言ってるんだから帰ろうか、神裂。時間の無駄だよ』

神裂の声『……いえ、それは流石に乱暴だと思います』

上条「帰れ帰れ!俺は一人でカボチャの煮物作って楽しむんだ!豆も一緒に茹でるんだからな!」

ステイルの声『何が言いたいのは意味不明だね』

神裂の声『そういう郷土料理があります。正式名称は知りませんが』

ステイルの声『頑ななんだからいいじゃない。まぁ君にとっていい話なんだけど、本人が固持するんだった――』

ガチャッ

上条「――話を、聞こうか」

神裂「現金しすぎやしませんか上条当麻。名前が泣いていますよ」



――室内

上条「どうぞ、粗茶ですが」

神裂「ありがとうございます。あ、どうかお構いなく」

ステイル「ホントだね。わざわざ来てやってるんだから」

上条「定型句だコノヤロー。お前の国で『フランスはとても尊敬できる国です(※ただし好きだとは言ってない)』ってとの同じだ」

神裂「誰がニュースソースなのかは分かりませんが、それはイギリス人に対する偏見だと思います」

上条「え!?イギリス人って『いただきます』の前に『フランスが早くお星様になりますよーに☆』って言うんじゃなかったのか!?」

ステイル「誰かいたかな?君の同居人が食事前に一々呪いをかけていたとでも?」

上条「ロシアまで同行した子が言ってたんだけど……」

神裂「テロリストですからね、彼女らは基本的に」

ステイル「できればロンドン塔でOHANASHIしたいところだがね」

上条「ちなみにカボチャとアズキを一緒に煮て、冬至に食べるっていとこ煮という郷土料理がだな」

神裂「ご指摘ありがとうございます。ですか話が進まないのでそのぐらいに」

上条「何言ってんだ神裂!お前だっていつか嫁に行くんだろ!?」

上条「嫁いだ先でお姑さんに『あらあら天草の人はいとこ煮もわからしまへんの?』って嫌味言われて困るのはお前なんだからな!」

ステイル「それ、キョート人に失礼だね。なんかそんなイメージあるけど」

神裂「嫁……いいですよね、お嫁さん。嫁げるんだったらいいですよねー」

上条「聖人って結婚できんの?」

神裂「どうなんでしょうか?あまり深くは考えないことに……」

ステイル「『神の子』としての記号が一致したのが聖人だからね。一応純潔も含まれているし、かといって試すわけにはいかないし」

ステイル「ただ歴史上、娼館や奴隷に落された聖女の話もままあるし、妻帯した聖人もいない訳じゃない」

ステイル「一番手っ取り早いのはアックアに『君、童×なんだって?』って聞くことかな。君が」

上条「興味はあるが答え合わせすんのは俺かよ」

神裂「そういう事情ならば仕方がないですね。特例としてロンドン塔へ入るのを認めざるを得ませんが……いいですか?これっきりですよ?」

上条「だからなんでレポートする役になってんだよ!?アックアだって嫌だろ!面会に来た野郎から『君、童×かな?』って聞かれても困るわ!」

ステイル「あーじゃ、ヴィリアン様に危険がピンチだって言えばいいさ」

上条「確かに食い気味でヒットする話題だが、そこからシモの話へ連鎖させる話術が俺にはねぇよ。持ってんのレッサーぐらいだよ」

神裂「なんでしたら一晩牢に泊って頂いても」

上条「だから困るだろアックア。いきなり泊まりに来た男が貞操の話切り出したら『あ、こいつ俺をイヤラシイ目で見ているのであるか!?』って思われるわ」

ステイル「むしろそれ以外の展開がないけどね――さて、世間話はこの辺にしてだ」

ステイル「今日ここへ来たのは精算をしにだ。分かるかな?」

上条「精算?まさか――インデックスを引き取りに!?」

ステイル「あの子を、じゃない、あの子の、だ」

上条「……どゆこと?」

神裂「あなたへあの子を預けて大分経ちましたね」

上条「もあ15年だよ。昔だったら子供が元服してんたからな」

ステイル「……メタ的な話じゃなく生活費、特に食事代が嵩んでるんじゃないかな」

上条「え」

神裂「本日はそれをお支払いに伺ったというのが主旨でして」

上条「ちょ、ちょっと待っててくれ!今家計簿持ってくるから!」 ダッ

ステイル「……なんだろうね。あいつは大っっっっっっっ嫌いなのに、少し心か痛むね」

神裂「……私は止めましたからね」

ステイル「いいんだよ。あの子にきちんとした食事が与えられているか、抜き打ちで確かめる必要があるよね、って同意したくせに」

神裂「まさかハロウィンドッキリだと誰も思わないでしょう!?必要性は認めないでもないですが!」

ステイル「ちょくちょく嫌がらせしないと」

神裂「あまりに酷いようだったら、私の方から最大教主へ上申しますよ。彼も、そしてあなたも」

ステイル「多少多めに食べるって言っても、そんなには、だろ?一人作るのも二人作るのも一緒だって言うし」

神裂「その言葉を否定はしませんが、あの子に関しては果たして妥当かどうか……」

ステイル「逆のにあの子を飢えさせているようであれば、それはそれで罷免対象だしね」

神裂「ステイル=マグナス。あなたの思惑が透けて見えるようですよ」

ステイル「大いに結構。見られて困りはしないからね」

神裂「あとあなたの、えーっと、あの子への思いは信仰に近いものがありますよ。もっと等身大の姿を見てください」

ステイル「聖人様が神父に説教かい?ありがたくて涙が出そうだ」

神裂「あの子の友人として、私の友人へ物申したまでです」

ステイル「……そりゃどうも」

神裂「いえ、どういたしまして」

上条「――お待たせ!あ、よかったらケーキでもどうぞ!」

ステイル「おい、どっから盗んできた」

上条「いやこれはだな。いつか来る『彼女を家へ迎えるシチュエーション』のために、俺が作って冷凍しといたチーズケーキだ!」

ステイル「食べにくいよ。ひっじょーに食べにくい」

神裂「というかよく食べられませんでしたね。見つからずに済んだというか」

上条「あぁやっぱそこは信頼だよ。前もって言っておけばインデックスも手は出さないさ」

神裂「……なんて言ったのですか?」

ステイル「よせ!これ聞いちゃいけないヤツだ!」

上条「いや特に盛ったりはしないよ?ありのままを全て」

神裂「……なんでしょうね。食べてもいないのにショッパイ感想しか出てきませんよね」

ステイル「僕はもう泣きそうだよ。ラストでもないのに」

上条「大丈夫、賞味期限は心配ない!一ヶ月ごとに作り替えて古いのは食べて貰ってるからな!」

神裂「あまりのケガに本人自覚すらないようですが……まぁ、インデックスもケーキ食べられますし、いいとしましょうか」

ステイル「……甘いのも嫌いじゃないけどね。食べにくいなぁ……」

上条「それでですね、お二人は食費が経費で落ちるってことでいらしたんですよね……?」

ステイル「敬語を使うな気持ち悪い」

上条「ありがとうございますっありがとうございますっ!」

ステイル「必死だね。聞けよ僕の話を」

神裂「なんで必死に……?」

上条「これ家計簿なんだけど、横に献立が書いてあるの分かるか?」

神裂「拝見します。ていうか随分と分厚いようですが、10月30日……昨日ですね」

ステイル「えぇと……鶏の唐揚げ・ごまねぎポン酢、きんぴら、とんかつ、さばの梅煮、白菜とキャベツの浅漬け」

神裂「……しらすあえ、田舎煮、カボチャのいとこ煮、焼きうどん三人前、ドライカレー一鍋……」

ステイル「鰯のつみれ汁、鮭の西京焼き、茶碗蒸し(ぎんなんなし)、ジャガイモのそぼろ煮、とうふのっけTKG……TKG?」

上条「卵かけご飯の略です」

神裂「これ……お作りになったんですか?一人で?」

ステイル「なんで君まで敬語?」

上条「まぁ、はい。なんとか」

ステイル「予想以上にヘビーな現実だね。これ、成人男性だったら何人分なのかな?」

神裂「これに加えてご飯もありますし……ちょっとした旅館の朝食バイキングでしょうか」

ステイル「いやいや待ちなよ。これ、でも一人分じゃないんだろう?君のも入ってるんだよね、だったら、うん」

上条「……なんです」

神裂・ステイル「はい?」

上条「俺が食べたのは!最後の一つなんです……ッ!」

神裂「最後の……とうふを乗せた卵かけご飯ですか?」

上条「……うん」

ステイル「いやいやいやいやおかしいだろ!ダイエット中だとしても高校生が一日ご飯しか食べな――」

ステイル「……」

上条「……気づいたか、ステイル!」

ステイル「……気づきたくなかったけどね」

神裂「はい?何の話ですか?」

上条「これ、一食分なんだよ」

神裂「……はい?」

上条「お前らが『これはオカシイ』つってんのは昨日の朝食なんだ」

神裂「はあぁ!?いくらあの子にだって限度ってものがあるでしょう!?」

上条「前のページをご覧ください」

神裂「前?あぁ家計簿のですか――」 ガササッ

ステイル「……えっと……アレだよね。飛び出す絵本って流行ったよね」

神裂「それの亜種、っぽいと言っていいのかどうか……」

上条「スーパーのレシートだ。俺がネタや冗談で言ってないって分ると思う」

神裂「じゃ、じゃあこの欲張りすぎたホットサンドのよう膨れた家計簿は……ッ!?」

上条「まぁ見やがれ。毎日毎日毎日毎日、俺がどんだけ苦労して食材調達してるのかって分かるから」

神裂・ステイル「……」

上条「あぁでもイギリス清教には感謝してるんだぜ?土御門から差し入れ貰うのも、お前らが間接的に援助してくれてたんだよね?」

神裂「い、え、それは……ですね」

ステイル「これ、壮大なドッキリ返しってことじゃないんだよね?」

上条「なんだったら過去の家計簿もありますが、見ます?」

ステイル「……ごめんなさい」

神裂「敬語になりますよね、それは」

上条「まぁアレだ。全部出せとは言わない。料理するのは好きだし、美味いって食ってくれるのは俺も嬉しい」

上条「ただな、俺が貰ってる奨学金はともかく、父さんと母さんから貰ってる仕送りだけじゃ足らず」

上条「最近はバイト代も突っ込んでどうにか借金しないで済む、って状況はちょっとマズい」

ステイル「えーと、あの、カミジョーさん?」

上条「はい、なんでしょうかねマグナスさん」

神裂「なんですかこの茶番は」

ステイル「主食をパンか米に限定させて、それとおかずだけでやりくりすれば君の負担も減るのでは?」

上条「はい、いい質問ですね。じゃあまずウチの炊飯器を見てみようか」 トンッ

神裂「まぁ、普通ですね」

上条「普通だよ?5.5合が炊けるごくごく普通サイズの、特に楽しい機能もない炊飯器ですよ」

上条「ただし!俺は一日二回炊いている!朝晩二回、休日は三回!この意味が分かるかっ!?」

神裂・ステイル「えぇもう嫌ってほど」

上条「これだけじゃあ足りないし栄養も偏るから?それに合うだけのおかずを用意して、時にはお安いパンを使って凌いでいるんですが」

上条「ご飯一膳だと『たりないよーりたないんだーとうまー、ねーねーおなかすいたんだよー』って言うシスターさんが居るからね!」

上条「そして放置すると知らない人にはついてっちゃいけませんってあれだけ言ってるのに、一人だけハンバーガーたらふく食ったりとかね!」

上条「それで、えっとマグなんとかさん?さっき何か言いましたか?」

ステイル「……別に。何も」

上条「まぁ話を戻すが、過去の分はいらない。払ってくれるんだったら正直嬉しいが、なんとかなったし。俺の時間と労力以外には」

上条「両親の仕送りだって父さん母さんが善意でくれたものであって、それが丸々某シスターさんの胃袋へ消えるのもいい」

上条「考えようによっては俺の不幸フラグで電子の海に融けるよりは健全だしな!」

ステイル「その考えは不健全だけどね」

上条「だからせめて!バイトして稼がなくたっていいぐらいにはしてほしい!ただでさえ進級危ういんだから!勉学に専念したいんだよ!」

神裂「……あの、質問一つ宜しいでしょうか?」

上条「何か?」

神裂「それで結局、一ヶ月の食費はトータルでのどの程度に……?」

上条「ちょっと待ってな、前三ヶ月分の平均が……」 カタカタカタッ

上条「これぐらいかな。うん」

神裂「……私のお給金、上回ってるんですが……」

ステイル「僕もだ……」

上条「先輩の無茶なバイトも辞められる!俺も普通の学生生活に戻れるかも!」



――外

パタン

神裂「……言い出せませんでしたね。ドッキリ」

ステイル「無理だよ。言ったら心労が祟ってそのまま往生するもの」

神裂「ま、まぁいいではないですか!」

ステイル「何がだよ」

神裂「これであなたもあの子が天使なんかじゃないと分かったはずです!」

ステイル「いや、そういう主旨じゃないだろ」



(※アックアさんが童×がどうか確かめる一言、「ヴィリアン様と婚約するに当たって過去の女性関係を誤魔化さず吐け」。ご応募ありがとうございました)



――カラオケ 夕方

生徒達「ハッピーーーーーーーハロウィーーーーーンっ!」

青ピ「いっっっっちばーーーんボク!勇者王誕○いっきまーーーす!」 ピピピッ

土御門「あ、こらアホピアス抜け駆けすんな!俺が花右京メイド○から始まるに決まってるぜぃ!」

吹寄「はいそこ、醜い争いはしない。特に土御門はメイドから離れなさい」

姫神「正式名称。多分。違う」

吹寄「姫神さんは何歌うの?」

姫神「まっくら森の○」

吹寄「い、いい歌よね?姫神さんのキャラにも合っているし……ただその、しっとりとしていて、クラスでカラオケ大会のときには、うん」

吹寄「それより上条!あなたはどうなの?」

上条「ちょっと待ってくれ!SINCLAI○探してるんだがどこにもなくって!」

土御門「エロ×の曲もどうかと思うんだぜぃ。俺は好きだけど」

上条「嘘だろ……間奏のナレーションまで全部暗記したのが無駄だって言うのかよ!」

土御門「いや分かるだろフツー。てか好きで暗記してんだろ」

上条「こうなったら十六夜恋○を歌うしか……!」

土御門{15年前のエロ×を誰が知ってんだ、あ?言ってみろカミやん!」

上条「しかし……平和っていいよなぁ」

土御門「どうしたんだぜぃ。老人か」

上条「いや、今年のハロウィンも色々あったなぁって」

土御門「ねーちんがもらい泣きしたんだけど、やっぱあれカミやんの仕業?」

上条「ウチの家計簿見せたらドン引きしてた」

土御門「誰だって泣くにゃー。心のない人から全米まで号泣する内容だぜぃ」

上条「でもホラさ?こうやってみんなしてカラオケ来てると、あぁやっぱ日常って素晴らしいよなぁって」

土御門「その変身ヒーローみたいな感慨は年齢詐称疑惑が出ないかー?」

上条「あ、なんか舞夏っぽい」

土御門「ま、俺らも色々あるけど折角みんなで集まってバカ騒ぎしようってイベントだ。カミやんもバカになって楽しもうぜ?」

上条「そうだな……うん、それはいいんだけどさ土御門」

土御門「なんだ?」

上条「お前がさっきからクラスの連中へせっせと注いで回ってる、その独特の臭気が漂う飲み物って何?」

土御門「ちょっと何言ってるのか分かんないですたい」 スッ

上条「それだそれ。今お前が後ろ手に隠したピッチに入ってるアルコール臭がある飲料水のこったよ」

土御門「これを飲めばあら不思議!普段は大人しいあの子もDAI-TANな一面を!」

上条「酒だろ。高校生のカラオケ会で不祥事量産体勢に入ってんじゃねぇよ」

上条「てかどうせそれも俺と青ピの責任になるに決まってんだろ!?今までのパターンからして!」

上条「たまにはお前も小萌先生に怒られてみろよ!あれ小さな子に叱られてるみたいで予想以上にメンタル削られるんだからな!」

土御門「――さ、カミやん!俺が入れといた『ゼロからの逆襲(歌;阿部○)』の出番だぜぃ!」

上条「やめろアホが!?それもう俺の中ではなかったことになってんだからイジってくんじゃねぇよ!?」

土御門「ファンはしつこいんだにゃー。とあるゲーム大会に『西葛西トム』って名前でエントリーしようとしたら、ダメって言われたり」

上条「お前それ試したのかよ!?いい加減にしてやれよ!初春さんだってもう時効なんだからな!」

吹寄「かみじょー、あんた飲みもしない歌いもしないで何してんのよー?」

上条「吹寄が出来上がってる!?……クッ、こんなとこけろにこれ以上いられるか!」

上条「待ってろみんな!俺がドリンクバーでウーロン茶の炭酸割りコーラの炭酸割り作ってきて目を覚まさせてやるぜ!」 ガチャッ

姫神「後ろのは。ただの薄いコーラだと思うな。というか土御門君」

土御門「はいな」

姫神「上条君のにはいの一番に混入したよね。その謎ドリンク」

土御門「カミやんは乾杯の後に一気飲みするクセがあるんだぜぃ。あ、これ豆知識な?」

姫神「いや。使いどころが」



――???

上条「……なんかなー。妙に頭が痛いっていうかフラつくっていうか、風邪引いたのかな?」

上条「てかなんだよこの廊下。ドリンクバー超遠いよ、不便すぎるだろ――」

……リー……

上条「――う?」

……リーリーリー、スイッチョースイッチョー……

上条「……虫の声?なんで室内で?」

……ギッギッギッギッ、リーーーーーーー……

上条「次の角からスッゲー音が――」

上条(あーっとな。リアカーを引いた老人だ。パッと見は。ただし木製?色と質感からして時代劇に出てきそうな荷車)

上条(荷台の上には数えるのもバカバカしくなるぐらい大量の箱、藁か竹っぽいので作られた格子が大きめの。人の背丈より高く積まれている)

上条(その、一つ一つから秋の虫たちの声が、コオロギ、スズムシ、ヤブキリ……?)

上条「……見なかった……うん、俺は何も見てないんだよねー……」

老人?『――かぁうせんのたびにいでなん。ぁがきぃみよ、よみづとにしぃぃはぁべらんずるなり』

上条「あ、これ本格的に駄目なヤツだ。助けてインデックスさん!」

ゴオォォゥッ!!!

上条「火が……ッ!?」

老人『げぇにげぇに。ひもねすとひととせまちし、ひとめかよぉもまたすみしぬ』 ボウッ

上条「消えた……つーか今のは……?」

鬼火?『ヨッ!アンチャン、運がなかったナ!ケケケケケケッ!』

上条「なんた幻覚か。ハロウィンカボチャが宙に浮いてる」

鬼火?『助けテやったっつーのニ随分だナ!テンキューの一言でも言いやがレヨ!』

上条「……すんません。ありがとうございます」

鬼火?『てかなんでオマエ迷い込んで来やがったんだヨ。浮かれやがっタカ、困るんだよナー、オマエみたいなヤツはサ』

上条「あの、帰りたいんですけど、道教えて貰っても……?」

鬼火?『オォ還りてーノカヨ!早く言えヨ、ナンダソウナラソウト寒月のじじサマに引っ張ってもらりゃよかったのにナ!』

上条「かんげつ?」

鬼火?『まーイーゼ。どっちみち人は一回通る道ダ。洋風でよかったラ、この俺様が先導してやんヨ』

鬼火?『サァこっちだ、こっち。迷い子は還る還るル、ごしょーたイー!』

上条「……なんだ?こいつの持ってるランタン見てると、気が遠くな――」

ランシス「……だめ」

鬼火?『おひいサマー、りゃないゼー』

ランシス「そういうの、ダメ……」

鬼火?『……ハーイ。よかったなアンチャン、ケケッ』

上条「何が何だか分からないんだが、もう一回ありがとう?」

ランシス「……なんでまだこんな所に居るのかが、おかしい。あなたは旅に出たはず……」

上条「てゆうかここ、どこ?」

ランシス「あっちとこっちの境界が曖昧になる日があって、まぁ……」

上条「意味が分からん。さっきの妖怪っぽい人も?」

ランシス「あれは、多分日本の”そういうモノ”のヒト。零落した行き逢い神の一柱……」

ランシス「こっちで言うなら……角の神、牡鹿の長、秋津姫を背に乗せたケルヌンノスに、近い……」

ランシス「……でも、近いだけ。アレは秋と死の象徴で、行き逢っても、見ることすらいけないもの……ジャックが気づいてくれてラッキー……」

上条「すいません。いつものアレなお友達に通訳頼んでくれませんか?」

ランシス「まぁまぁ来たんだし、ゆっくりしていくといい……本場のハロウィンを楽しむ」

上条「場所設定がフワッフワしてんだよ。なんか霧とか出てて怖いんだけど」

ランシス「元々、ハロウィンはケルトのお祭り……短い秋が終わって冬が来る。それを楽しむ感じ……」

上条「ケルト、って言うとアイルランドか。寒くて厳しいんだよな、きっと」

ランシス「環境的にはそう、なんだけど……冬の間は戦争も起きないし、異民族も海を渡ってこないから平和は平和……」

上条「ふーん」

ランシス「バームブラック、ってゆうドライフルーツのケーキを食べて、子供たちは他の家を回ってナッツやフルーツを貰う……それが原型」

上条「今は大分変っちまったようだけどな」

ランシス「……それも仕方がない。世界中で飾られるカボチャも、元はカブをくり抜いて作っていた、し……」

ランシス「新大陸へ向かった人達が、故郷を思い出して……広まった」

上条「古い風習なんだよな」

ランシス「……私たちはどこにでもいるし、どこにでもある……ただ気づかないだけ」

ランシス「忘れられて無くなっても、別の形で甦るからまぁそんなに心配してない……丁度現物もあるし、目が覚めるまではケーキ食べてるといいかも」

上条「何でもありだなこの夢。あ、いただきます」

ランシス「……とう?」

上条「フルーティな酒まんじゅう」

ランシス「……アイルランドの郷土料理がすごい大雑把な形でまとめられた……!?」

鬼火?『おひいサマ。コイツただのアホだゼ』

ランシス「しーっ……事実だからって、言って良い事と悪い事がある……」

上条「聞こえて・ん・ゾ☆つーか聞こえるように言ってんだろ」

鬼火?『おゥ、こっちも食いねェ。コルカノンってェコナート飯だ!』

上条「これ……キャベツか?葉物が入ってるマッシュポテトっぽい」

ランシス「アイルランドの守護聖人、聖パトリックの日に食べる……」

上条「……素朴な味ですよね」

ランシス「……分かってた。昔のレシピ通りに作ると微妙な評価を受けるって……!」

鬼火?『見たロ。おひいサマは撃たれ弱いんだゾ、ケッ』

上条「ま、待ってくれ!日本の郷土料理でも昔の通りに作ったら実はマズいとか結構あるし!」

ランシス「そして言外に『まずい』と言われた……ちょっと逝ってくる……」

鬼火?『ドーゾドーゾ。つーかコイツ死人の国での食いモン口にしやがったけド、おひいサマとしちゃアリなン?』

ランシス「……どうせ効かない。前にも黄泉の国へ連れて行かれて、探偵ゴッコやったのに、何事もなく帰還したし……」

上条「おいやめろ!何か昔のネタバラシをここでするな!」

上条「てかお前本当にランシスか?俺の知ってる子はもっと、何か違ってた気がする」

ランシス「……夢、なんだから仕方がないない。あなたの中の私のイメージだ、し……?」

鬼火?『そろそろ時間だゼ。ハツカネズミのごとーじょーダ!』

ランシス「それじゃー……この借りは、いつか取り立てに行く……」

上条「おい!」

ランシス「円卓の騎士……ランスロットには異聞が多く存在する――」

ランシス「――ただ、多くの物語には共通項……まぁ、テンプレみたいなのは存在し、どの異聞でも描かれる」

ランシス「それは……たくさんの精霊に慕われ、湖に住まう妖精を母に持つ、ということ……」

鬼火?『――零落した旧い神様の落とし子やんね。よぉあるっちゅー話やけど』

上条「かみ、さま……?」

ランシス「……”バルドルはまだ生きてる”……忘れると思うけど、忘れないで……?」



――カラオケボックス 廊下

上条「……」

上条「あれ?つーか、あれ?何やってたんだ、俺?」

上条「時間は……5分経ってねぇよな。ドリンクバー行くのにボーッとしちまったのか、疲れてんのかな−」

上条「まぁいいや。さっさとウーロン炭酸割りを持って帰ろ――う?」 グイッ

ランシス「……来ちゃった、てへ」

上条「なんだ夢か」

土御門「――出会えぇいヤローども!またカミやんが女引っかけやがったぜぃ!」

青ピ「たった5分で驚きの展開やんね!?……カミやん、君ぃの血は何色やっちゅー話よ!?」

上条「待ってくれ!これは敵の魔術師が以下略!」

ランシス「……オチてないからもう一回……がんばれー」

上条「もうゴールしていいだろ!結構頑張った方よ、今回はね!」



(※かなーりリクエストと違いますがどうかご容赦を。使わなかった裏設定としてケルト系ウィッチ魔女(ドルイドに非ず)の流れを汲む魔女で、他人と同衾するのもキリスト以前の夢魔系の人だったり?だから妙にマーリン(あれも夢魔の子という説がある)と仲が良かったり。ともあれご応募ありがとうございました)
(※ハロウィン企画は以上で終了となります。お付き合い下さりありがとうございました)

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