初春「怪奇、ハッピーハロウィン団の謎を追え!」
――風紀委員 第177支部詰め所
佐天「――『ハッピーハロウィン団』ってご存じですか?」 ガチャッ
白井「佐天さん人に会ったらまず、『ごきげんよう』ですわよ」
佐天「常盤台のローカルルールですかごきげんよう?」
白井「挨拶の文言はともかく霊長類の普遍的なルールでしてよ、ごきげんよう」
佐天「はぁ、そうですか。流石は常盤台」
白井「理解出来ないからとりあえず常盤台で納得するのはお止めになってくださいまし。で?」
佐天「初春いますかー?遊びに来たんですけど。あ、これ差し入れ」
白井「おりますけど、あの佐天さん?わたくし達は決して遊びや趣味でやっている訳ではなく」
白井「そうちょくちょく暇潰しに来られても、決してウェルカムとはですね」
佐天「――『ハッピーハロウィン団』ってご存じでしょうかっ!?」
白井「依頼風を装ってもダメですわよ。お茶を飲んだらお帰りくださいな」
佐天「あざっす!ゴチになりますっ!」
初春「はい白井さんも甘やかさないでください。お茶飲んだら差し入れ食べ始めて、結局私が帰るまで居座るんですから」
佐天「ふっ!これはもうあたしも風紀委員に入るしかないねっ!」
初春「ナメんな。風紀委員を超ナメないでください」
初春「こう見えても文武両道!体力トレーニングに知力テスト!その狭い関門をくぐり抜けた人だけがなれるんですから!」
白井「一芸特化組も多いですわね。初春はまず腕立て伏せ10回をクリアしてから言うといいですわよ」
佐天「萌え枠だね!流石初春!」
初春「お帰りはあちらとなります。また明日学校でお会いしましょうねー」
佐天「待って!?これ意外と真面目な話だから触りだけでも!なんだったらエピローグだけでもいいから!」
初春「エビローグは終わった後に流れるものでして……はぁ、まぁいいですよ。どうそ、お茶でも出しますから」
佐天「ありがとー初春、愛してるぜー!」
白井「一番甘やかしてるのは初春の方ですわね」
――風紀委員 第177支部詰め所 ちょっとしたスペース
佐天「それでねー、あたしは言ってやったのよ――『地球はオレたちのもんだ!』ってね……ッ!」
初春「言う機会がないですよね?火星ゴキブリとバトルったんですか?」
白井「まぁいつものように脱線しまくりですのね。ですがせめて当初の目的だけは解決しなさいな」
佐天「あ、そうだ聞いてくださいよ!ハッピーハロウィン団!」
白井「随分とご陽気な名前ですのね」
初春「季節限定のスキルアウトトでしょうか。まぁ春になって結成されては夏頃に解散するチームも多いですけど」
佐天「……それがね。スキルアウトじゃないんだよッ!」
白井「何かの能力者チームですの?噂で汚れ仕事をするとかしないとか。ま、眉唾にも程がありますわね」
初春「そうですよねぇ。噂は聞きますけど”絶対に”そんな人達は存在しませんから、”絶対に”首突っ込むのはやめてくださいね?」
佐天「二人としてフラグを回避しろって言ってるように聞こえるけど……」
白井「限定イベント風の名前から察しますと……あー、あれですか。ワールドカップの中継中にスクランブルで痴漢するヘンタイさんの話かしら?」
初春「それはがっつり防犯カメラ付きで取り締まるからいいんですけどねぇ」
佐天「あぁいやいや。チューバーの人なんだよ」
初春「最近少しナリを潜めましたが、不謹慎系動画投稿ですか」
白井「犯罪ならわたくし達の出番ですわね。珍しくまともな情報提供ありがとうございます」
佐天「いえいえどういたしましてー――って珍しく?」
初春「佐天さんは誘蛾灯としてスカウトするか迷いますよねぇ」
佐天「その言葉に引っかかるところしかないけど……その、犯罪でも無くてさ。厳密には、多分?きっと?恐らく?」
白井「要領を得ませんわね、最近ではハラスメントも迷惑条例で違法ですのに」
初春「ちなみに佐天さんの見た感想は?」
佐天「テクニカルにタチ悪い」
白井「相当悪質ですわね」
初春「ですね」
佐天「二人が納得する過程が気に入らないんですけど……まぁ、これ見てくださいよ。QR持って来たんで」
初春「はい。ではこちらのタブレットで読み取りましてーと」
――動画投稿サイト
金髪グラサン・青髪ピアス『ハッピーハロウィーン!』
青ピ『さぁーて暑いんのもどっか行きおった今日この頃!ZON○の夏の終わりがかかろぉなくなりましたな!』
青ピ『刻一刻と近づくハロウィンに向けて今日も突っ走りまんがな!宜しゅう頼まっさ!』
金髪『今日もやります出します見せますぜぃ!チャンネル登録ヨロシク頼むにゃー!』
青ピ『そんなボクらもカップル発見!いざ!ハッピーハロウィン団の登場やね!』
金髪『あぁ行きますたい!小遣い稼ぎ――もとい!再生数稼ぎのために!』
青ピ『ねーねー道行くオニーサンにオネーサン!ちょおおぉっとお時間よろしいでっかー!?』
金髪『フッ、悪いようにはしない!少しだけお時間くださいだにゃー!』
学生男『な、なんだよ急に!誰だよアンタ達!』
学生女『えっと、ケーブルテレビの人?』
青ピ『そーそー!ケーブルテレビの方から来ましたボクら!』
金髪『アレがアレでアレする番組とかやってんだぜぃ?見てくれてるかにゃー?』
学生女『ARISAの見てますよー。MCがアレな感じがいいですよねー』
青ピ『まぁまぁそんな話はさておきぃ――』
金髪・青ピ『ハッピーーーーーハロウィーーーーーーーーーーーーーーンッ!!!』
学生男『……なんの企画だよ?』
金髪『あー、ダメダメだにゃー。そんなローテンションじゃ勝てる勝負も落すんだぜぃ。若人よ!』
青ピ『ハ・ロ・ウィ・ン!近いじゃないですかっ!テンション上げなくていつ上げるっちゅー話やねコレしかし!』
学生男『テンション……いやクリスマスとか夏休みだったら上がるけど、ハロウィンじゃちょっと』
学生女『そーお?あたし好きだよ−、なんか可愛いじゃん?』
学生男『そ、そうかな?』
金髪『――ってカノジョさんも言ってぜぃ』
学生男『か、カノジョじゃねーし!』
学生女『だねー』
学生男『……』
金髪『おおっと!見ましたかっ奥様!?学生男のテンションの下がりっぷりに!』
青ピ『見ましたですわよ奥様!あれ実は肯定するのをちょっとだけ期待してた顔ですやんね!』
学生男『うるっさいな!俺の事なんてなんだっていいだろっ!?』
青ピ『――そんな、そんなあなたに授けて進ぜよう……!』
金髪『その名も――ハロウィンの奇跡だぜぃ……ッ!!!』
学生男『いや、ますます意味が分からない』
金髪『クリスマスの魔法、って知ってるか?』
学生男『知らないし、てか魔法なんてないし』
青ピ『そりゃボクだって知っとぉよ。魔法はない、ないんやけど――』
青ピ『――テンション上がるってありますやん?』
学生男『イベント近くなってワクワクするのは分かるが……』
青ピ『それっ!そっれっですやん!』
学生男『はい?』
金髪『いいか?よく聞けニーチャン、テンション上がってんのはお前だけじゃねぇんだよ』
金髪『みんな浮かれるってことは当然そっちの子もだ!』
学生女『いやー、どーだろーねー?』
学生男『いや、その理屈はおかしい』
青ピ『理屈なんてどうでもええんよっ!大事なのはハートや、ハート!』
金髪『イベント近づいてんだぜぃ?一人っきりで寂しく過ごすよりか、誰かと一緒に楽しくやりたい、遊びに行きたいってのは誰だって同じなんだぜぃ』
青ピ『オニーサンだってそうですやんか?オネーサンも?』
学生男『否定は……しないよ』
学生女『そだねー』
青ピ『――ならオニーサン!ここまで言って分かりまへんか?ボクらがここまで言っても!』
学生男『だから何の話』
金髪『楽しい楽しいイベントを控えてるのに、過ごす相手のいない男女が二人いるんだぜぃ!これはもう天の配剤ですにゃー!』
学生男『……!』
学生女『いや、あのね?君たちね?』
青ピ『さぁ勇者よ勇気を振り絞らんかい!シングルで過ごすかダブルになるか!』
金髪『それはニーチャンの行動次第だぜぃ!ハッピーなハロウィンのために俺たちが後押しだ!』
青ピ『ノリでいけばいいですやん!テレビ企画であるある!つーか今逃したら機会はないでぇ!』
金髪・青ピ『さっ、告白ターーーーーーーーーーーイム……ッ!!!』
学生女『あのー』
学生男『――あのっ!』
学生女『はい?』
学生男『俺!ずっと前からお前が好きだ――』
学生女『ごっめーん。あたしは別に?嫌いじゃないけど、好きでもないみたいな?』
学生男『った、あ……?』
学生女『うんっ!君は良い人だからあたしなんかよりずっと良い人が見つかるって!良い人だから!』
学生女『良い人だからご飯奢らせたり買い物に付き合わせるフリをしてプレゼントねだったりしたけど!良い人だから!』
学生女『でも君がそういうつもりだったのなら、あたし達、会わない方がいいよね?そうよね?そうしましょうねっ!』
学生男『い、いや、あの?』
学生女『あ、あとあたしがいつもしてた兄貴の話は実は彼氏の話だから!ごめんねっ!今までありがとう!それじゃあねっ!」 ダッ
学生男『……』
金髪『あーやっぱそうだったか。グレード違いすぎたもんなぁ』
青ピ『ですなぁ。ま!これを気に別の恋を探して!』
学生男『……お前ら……ッ!』
金髪・青ピ『――ハッピーハロウィーン!』
学生男『待てよゴラアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!?』
――風紀委員 第177支部詰め所 ちょっとしたスペース
佐天「……ね?」
初春「テクニカルにタチ悪いな!登場人物全員があんまりですよ!」
佐天「んで再生回数が100万回越え。関連する動画まで入れたら、えーっと、これ幾らぐらいになるの?」
初春「今調べ……た、ところ、大体数万円ぐらいですかねぇ。スポンサーさんによっては桁が一個上がりますけど」
佐天「稼いでんだねー。それもあんまいい方法じゃないのに」
初春「うーん……?問題は確実に問題ですけど、どうしましょうか?」
白井「放って置きなさいな。別に誰が困りもしませんし」
佐天「いや困りますよ!純情な男子生徒とかが!」
白井「――唐突なお話ですが、風紀の委員のお仕事をしておりますとそこそこの頻度でカップルに出くわしますのね」
佐天「本当に唐突ですね。いや聞きますけど、カップルさんが何か?」
白井「こう、恥を忍んで申し上げますが、わたくし達も死にそうな目に遭うこともありますわ。怪我をするのも日常茶飯事ですし、かといって得られる報酬もありませんのよ」
白井「あえて言えば学生達がトラブルに巻き込まれることなく、平穏な生活を送るのが対価、ですわね」
佐天「素晴らしいです白井さんっ!」
白井「が、しかし。わたくしも聖人君子ではございませんし、任務の最中にカップルとお話しすることもありますし、危険に巻き込まれたカップルを助けることだってありますの」
白井「そんな時、ふと、こう思うのですわ――」
白井「『――コイツら、人があくせく働いてるのに乳繰りやがって可能な限り惨たらしく死ねばいいのに』って」
佐天「初めて聞きましたけど、白井さんの闇が予想以上にディープすぎます」
白井「――ふっ、佐天さんは意外かも知れませんけれど、わたくしだって人並みの感情はございますわ!」
佐天「いや違うあたし言ってるのそこ違います。むしろ予想通りでした。ただちょっと右肩上がりだったのに驚いただけで」
白井「そしてこの、ここまでオフェンシブな『良い人だけど』は初めて聞きましたわね」
初春「あー、一時期ネタになりましたよねぇ。どんな罵詈雑言も『良い人だけど』をつけるとワンクッション入る的な」
佐天「放置なの?結構凶悪だと思うんですけど?」
白井「これといって犯罪……でも、ないですわよね。初春?」
初春「ですかねぇ?やってることがあまりにもショボイですし、罰そうにも適当な法律も条令もなさそうですけどね」
佐天「『からかうのダメ!』って解散させるのはどうでしょうか?」
白井「対象がカップルでしたら喜んでそうするのですけど。そんな権限はありませんわね」
佐天「えー……頼りにならない!」
初春「なんとかしてあげたいですけどねぇ。一応動画サイトで稼いでいる以上、営利目的なのに無許可で撮影はダメ、ではどうでしょうか?」
白井「少し根拠が薄いですわよ。学区から禁止命令を取るのにどれだけ待たされるか」
佐天「あー、そっか。学区を移動しちゃえばイタチごっごですよね」
初春「せめて被害届のような、苦情が入っていれば『詰め所でO-HANASHIしましょうね☆』と別件逮捕――げふんげふん、できるのですが」
佐天「――そうだ!」
初春「すいません。それは却下で」
佐天「まだ何にも言ってないのに!?」
白井「想像はつきますわよ。大方わたくし達が撮影対象になる、でしょう?オトリ捜査的な」
佐天「いやー、多分あれ成功したのは乗せてないと思うんですよ。なんかこう、妬みを煽ってますし全体的に」
佐天「だもんで成功したケースもあるのに放送してないなんて、みたいな方向で攻めれば白けるんじゃないかって」
白井「取り締まるんじゃなく、白ける、ですの?」
佐天「そうそうこういうのはノリと勢い重視みたいな?ケチがついたら、パって離れて行くもんなんですよね」
白井「……成程。それは試してみる価値はあるかも知れませんわね」
初春「いざという時にはオトリ捜査の人員が被害届けを出せますし」
白井・初春「――で、誰が?」
佐天「えぇっと……」
白井「ちなみにわたくしはお姉様以外の方と嘘でもフリをするのは死んでもゴメンです」
初春「私も、ちょっと」
佐天「あたしだって嫌だし……あ、じゃあじゃああたしが!」
白井「いや、ここでダチョウ的な流れにはなりませんわよ。普通に『どうぞどうぞ』とは」
白井「まぁ……仕方がありませんわよね。死ぬほど気は進みませんが、わたくしがやりましょう」
初春「いいんですか?」
白井「いいも何もお仕事ですしね。好き嫌いでは乗り気ではありませんし、お姉様に一言入れますが」
白井「それでお相手はどなたですの?」
佐天「知り合いのツンツン頭の高校生の方に」
白井「絶ッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ対にお断りだ!!!」
初春「あー、あの人ですか。他に男子の知り合いいるでしょう?」
佐天「クラスメイトとかいるけど、中学生に無理言うのはちょっとアレだし」
佐天「それに上条さんならにじみ出る童×臭がこうかはばつぐんだ!」
初春「否定出来る要素が皆無ですね。で、おーい白井さーん?」
白井「……えー……わたくしがやるんですの?本当に?」
初春「超嫌ってますよねぇ。そんなに評価低いんですか?」
白井「いえ、あの方はお姉様の件を抜きにすれば好感は持てましてよ?」
白井「お姉様の件を入れても……まぁ、今のように笑っていられる恩人でもありますし、評価は高いですわ」
佐天「で、本音は?」
白井「上空1kmからベッドバッドしたら入れ替わるんじゃないかと思っている」
初春「死にますね。仮に入れ替わり成功したとしても二人ともお亡くなりですよ」
佐天「エッラい貰い事故だよね。しかも根拠が薄弱だし、傍目には無理心中に見えなくもない」
白井「このわたくしの目が黒いうちはお姉様に手出しはさせませんわ!」
初春「はいはい。白井さんの決意はどうでもいいとしまして、どうします?相手役は風紀委員の方へ頼んでもしてくれるとは思いますが」
白井「いいですわよ。個人的には適度に睨みを利かせておくのもアリだと思いますの」
佐天「その考えもどうかな−。頼んでる立場だしなー」
初春「じゃあ佐天さん、セッティングお願いします。私はハッピーハロウィン団が頻出すスポットを割り出しておきます」
佐天「おけー」
白井「ならわたくしはお姉様に……いえ、しない方がいいかしら?」
初春「それはそれで確実に虎の尾を踏み抜きますから、事前連絡、どうかお忘れなく」
白井「はいはい。気は進みませんの」
――数日後 XX学区 待ち合わせ場所
白井「お仕事である以上、真面目に、とは思いますけど。何か合法的に抹殺できる手段は――」
白井「――と、あれ?あれは誘拐犯御用達の黒いハイエー○……?」
白井「事件の香りが――」
???「――動かないで」
白井「あなたは――!?」
――待ち合わせ場所
佐天「あっれー……?来てませんね」
上条「いや来てるよ?俺実は幽霊って設定なの?見えないの?」
佐天「ちょえっす上条さん。いえ、上条さんがいるのは珍しく、白井さんがいないのが更にレアケースだと」
上条「あぁうん、俺はちょっと待ち合わせとかには向かない体質だからね。主に巻き込まれ関係で」
佐天「あたしもまぁちょっとアレな体質ではありますが。ただ白井さんに限ってはないかと」
上条「基本、ビリビリに関する事以外は極めて真面目だしな。連絡入ってないんだろ?」
佐天「はい。今、近くの詰め所でスタンバってる初春の方にもかけて――」
???「――待った?」
上条「って言ってたら来たな。何かあったのか?緊急の呼び出しでもあったんだったら、今日やんなくてもいいけど」
???「うんまぁ、ちょっとね。意外に暴れたもんだから」
上条「よし!それじゃバカ二人の尻ぬぐい、もといハッピーハロウィン団壊滅に向けて頑張ろうぜ!」
???「おー!」
佐天「すいません上条さん。ツッコミをしないのでボケがただ流れになっています」
上条「え、何が?」
佐天「何が、じゃないですよ!仕事してくださいよ!」
上条「いや、俺が呼ばれたのはアホどもに物理的なツッコミをするのであってだ」
佐天「白井さんじゃないじゃないですか!この人!」
上条「え!?そうなのかっ!?」
???「く、黒子よ!何言ってるの佐天さん!」
佐天「見たら分かりますよね?白井さんと被ってるところ探す方が難しいじゃないですか!」
上条「いや……白井さんじゃないのか?ツインテだし常盤台の制服着てるし、風紀委員の腕章もつけてるし……」
???「ジャッジメントなのよ!」
上条「ほらやっぱり本人じゃないか」
佐天「おい、いい加減にしろ御坂さん」
御坂(???)「よねっ!」
佐天「いいですか御坂さん?あなたの好きな人はこうもチョロくて本当にそれでいいんですかっ!?」
佐天「てゆうか雑ですよ!色々と!御坂さんそんなにボリュームある方じゃないから、髪型もうただのオサゲになってますし!」
上条「あ!なんかおかしいと思ったら髪切ったのか!」
御坂「そ、そんな感じ?かな?」
佐天「おかしいでしょ。受け入れる体制が整い過ぎてますし」
――繁華街
上条「すんませーん。ちょっと聞きたいんですけど、ここら辺で金髪グラサンと青髪ピアスって見たことあります?」
学生「いやぁ、知らないかな」
上条「ありがとうございます。もし見かけたらダッシュで逃げてください。もしくは殴るか、俺が許します」
学生「は、はぁ」
佐天「なんかこの件は妙に上条さんがアグレッシブなんですけど、どうかしちゃったんでしょうか。ねぇ御坂さん?」
御坂「そうね。あんまり積極的に解決する必要はないんじゃないかしらね」
佐天「へぇ、どうしてまた?」
御坂「この案件はきっと恐らく多分フワッと闇の勢力が関わっている以上、何事も慎重に事を運んだ方がベターよ!」
佐天「つまり本音は?」
御坂「このまま未解決なら放課後デートし放題……ッ!!!」
佐天「白井さんって真面目だったんだなぁ。あと御坂さん、一応白井さんって設定なんだから、『御坂さん』って呼ばれても反応しないでください」
御坂「ジャッジメントなのよ!」
佐天「あ、いいですからそういうの。同性には一部の特殊な例外を除いてツンデレとかいいですから」
御坂「てゆうかさ、気になったんだけど初春さんはどこにいるの?」
佐天「打ち合わせでは監視カメラ等をハッキングしつつ、こっちに合流する手はずだったんですが」
佐天「『もういや』というメールを最後に連絡がつかなくなっています」
御坂「へー、ふーん?――あ、そうだ」
佐天「……どうされました?」
御坂「大変よ!例の犯人の狙いは初春さんかもしれないわ!」
佐天「仮にもしそうだとしたら、学園都市中の全風紀委員を敵に回すんですが……」
御坂「えっと……なんだっけ?ハッピーバレンタイン団?」
佐天「設定ぐらい聞いておきましょうよ。どんだけフワッとした動機でいっちょ噛みしようとしてんですか」
御坂「こうしている間にも初春さんはTom-×uckされてるかもしれないじゃない!」
佐天「それ違います。なに動詞っぽく言ってんですか。別に上手くもないですよ」
佐天「てかいい加減忘れましょうよ!?あれから何年経ってると思ってるんですか!」
御坂「実は隠れて付き合っててもモニョるけど、実は破局しててもそれはそれでモニョるわよね」
佐天「御坂さんはそんなこと言わない!正体を現せニセモノめ!」
上条「……君ら何遊んでんの?俺が珍しく大事になる前になんとかしようって頑張ってのにさ!」
御坂「それがね。効率を考えたら二手に分かれた方がいいって話をね」
佐天「それ意味あります?カップルをイジって遊んでる人らにシングルで挑む意義って何です?」
御坂「あたしとコイツは打ち合わせ通り『らぶらぶカップルげっちゅ・ざ・はーと大作戦』を続けるから、佐天さんは探索をメインで」
佐天「その打ち合わせにはあたし出てませんでしたよね?というかしましたっけ?そんな俗い打ち合わせ?」
上条「アルカナハー○の新作みたいなサブタイトルだよな」
御坂「じゃあそれで――ってごめん、ちょっと外すわ」 ピーッピーッピーッピーッ
上条「あぁ、別に急ぎじゃないぞビリ――もとい、白井さん」
佐天「認識してますよね?アレが御坂さんだって完全に知ってますよね?」
上条「――なぁ佐天さん」 ポンッ
佐天「はぁ」
上条「世の中にはさっさと諦めるのも大切だと思うんだよ、俺は」
佐天「分かってるじゃないですか!白井さんと違うって!」
上条「じゃあ聞くけどもだ!ここで俺たちが騒いでなんか変るかなっ!?結果かさぁ!」
佐天「諦めるのをやめてツッコミに戻って来て下さい。キャラ的にあたしが全部こなすのも、なんかこう、うん、しっくりこないんですよ」
白井?「――ごっめーん!遅れちゃったぁ☆」
上条「だからいいって――白井、さん?」
白井?「はーい、白井さんよぉ」
佐天「嘘だ……ッ!さっきの御坂白井さんはまだフラットな体型だけは同じだったけど!今はもう性別ぐらいしか共通項がない!」
上条「なんだけろうな。ツインテが歳いった魔法少女に見える」
白井?「そんなぁ。ピチピチの中学生捕まえて酷いわぁ」
上条「君、ホントに白井さんか?どう見ても別の人にしか――」
食蜂(白井?)「ジャッジメント、な・ん・だ・ゾ☆」
上条「ふー、ビックリした。なんだ本物か」
佐天「騙される演技にしても雑すぎます!そしてそっちの御坂さんのお友達の方も同じですよ!」
上条「いいじゃないか!だってホンモノなのだから何の問題も!」
食蜂「そうよねぇ。難しく思考力過ぎるわぁ」
佐天「や、まぁ……解決できればいいっちゃあ、いいんですけどね。できます?」
上条「任せてくれ!誰とは言わないし誰のことかも分からないが、退学になったら洒落にならないから全力で解決する覚悟だ!」
食蜂「勿論よねぇ。決してgdgdが続けばオイシイとか思ってはないわよぉ?いやホントに」
佐天「チーム編成に難がありますよね。まず半数がやる気ないって何なんですか」
食蜂「平気よぉ。きっと今頃問題の動画もアカウントごと消失していると思うわぁ」
佐天「今の白井さん凄い……怖いです」
上条「なら俺の仕事も無駄じゃ……?」
食蜂「ま、数日パトロールは必要よねぇ!数日は!」
佐天「嫌なバーターですよね」
御坂「――ごめん!ちょっと来て!」
上条「ビリビリ?」
佐天「あ、そこはきちんと認識するんですね」
食蜂「無粋じゃないかしらぁ?まだバトンタッチして数分よぉ?」
御坂「デートの件はいいのよ!後日に回すから!」
食蜂「そうねぇ。だったらしょうがないわよねぇ」
上条「あれこれ俺が後日苦労する流れになってないか?」
佐天「心配しないで下さい!どうせ今日するか後日するのか話ですから!」
御坂「てか緊急事態なのよ!いいから早く着いてきて!」
上条「……分かった」
――路地裏
佐天「ここは……さっきのところから微妙に入り組んだとこ、ですかね」
食蜂「ヤンキー力の高い子が好きなそう場所ねぇ」
御坂「……あたしね。一応捜査に加わってんだし、空き時間に調べてはみたのよ」
上条「お前がいつ加わったのかは俺は一切知らないんだが、それで?」
御坂「まぁ、昔みたいにちょっと人通りの少ない方へ入った瞬間。”アレ”がね」
佐天「あれ、ですか?」
土御門・青ピ グッタリ
上条「お前らっ!?」
食蜂「お知り合いかしらぁ?」
上条「超知らないっす。自分初対面っす」
佐天「初めて聞きましたねそのキャラ」
上条「つーかボケはともかく、生きて――るな。誰かにボコられたような跡が。喧嘩か?」
佐天「順当に考えれば、イジる相手を間違えて反撃された、てすかね」
御坂「そうね。あたしも最初はそうだと思ったんだけど……ここ、見てくれる?」
食蜂「電柱が……切断力ねぇ?どんな物騒な能力者よぉ」
上条「切断面も真新しい。でも、喧嘩でここまでするってのかよ!?」
佐天「分からないですよー?よっぽど変な地雷踏み抜いたかもですし」
上条「まっさかー」
土御門「――か、カミやん、か……?」
上条「おいしっかりしろ土御門!傷は浅いぞ!つーか何やってんだよ!?」
土御門「へ、へへ……!笑ってくれよカミやん、ま、舞夏に、新しいメイド服を買ってやろうとしたら、このザマだぜぃ……」
上条「土御門、お前……」
佐天「すいません。感動の要素無いですよね?女の子にメイド服送るのって自分の趣味ですよね?」
御坂「あたしの知り合いと同姓同名だけど……あれ学園から支給されるメイド服だから、個人で買うんじゃないのよね」
食蜂「個人の業が垣間見えるわぁ」
上条「お前らのやったことはいけないけどさ、いくらなんだってここまで痛めつけなくたって!」
上条「教えてくれ!何があったんだ!?お前らは誰にやられたんだよっ!?」
土御門「は、ハロウィンは……ダメ、だったんだ!触れちゃ、ダメ、だ……!」
上条「何?ハロウィンがなんだって!?」
土御門「気軽に、使っ……ちゃ――年増……だぜぃ……ぱたっ」
上条「つち、みかど……?土御門おおぉおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」
御坂「口でパタって言ったじゃない」
食蜂「てゆうかギャグにしか見えないわよねぇ」
上条「誰だ!俺の友達をこんな目に遭わせたヤツは!」
???「――懐かしい声がしたらと思ったら、どーしたの」
上条「この声は――キャーリサ」
佐天「どちら様で?」
御坂「イギリス王室の第三王位継承者……に、似た人よねっ!きっとそっくりさんだわ!」
食蜂「まぁたエラい謎の人脈よねぇ」
キャーリサ(???)「この国じゃ虫が鳴くというけれど、路地裏では男が泣くよーね」
上条「……」
キャーリサ「ま、不用意に『ハロウィン』を弄んだ罰、その身に刻むといーの」
上条「ハロウイン……?ハロウィンが何だっていうんだ!?何が隠されてるって!?」
キャーリサ「――お前は知らないのね。『ハロウィン』に隠れた真実を!」
キャーリサ「まだ本決まりじゃーないけど、多分なくなる『ブリテン・ザ・ハロウィン』のことを!」
上条「な、ナンダッテーーーーーーーーーーーーー!?」
初春『ただのネタ企画のはずが、事態は風雲急を告げる!』
初春『”ハロウィン”に隠された謎とは!?ハッピーハロウィン団に隠れされた真実を追う一行!』
初春『もしかしてポシャった人達の怨嗟がまた新たな悲劇を呼ぶ、次回を待て……ッ!』
御坂「いや、それもう答えよね?アニメ化でムシャクシャしてた人がハロウィンの名前で遊んでたバカ二人をボコっただけよね?」
−以下略−
【※告知】
ハロウィン緊急企画ではSSのシチュエーションを募集しています
今年もやりますネタに詰まったときに読者様参加企画
【誰】が【誰】へ【どんなドッキリをする】のかを明記すると、そのSSが出来るかも知れません
また「普通のハロウィンがいいなー」という方は、【誰】が【誰の家】へお菓子を貰いに行くと書いて頂ければそれなりに
なお基本的な制限は以下の通りとなっております
・とある魔術の禁書目録・超電磁砲のキャラクターのみ。含む新約・劇場版
・トリック・オア・トリートの場合は地球圏内(火星バクテリアは対象外、不明な人物はこっちで適当に設定)
・多くてもトータルで10人(話)ぐらいなので、まぁ早い者勝ちでどうぞ
・募集期間は9月中ぐらいまで?
基本的に分かればオッケーです。例として、
【麦野さん】が【フレンダさん】へ【ずっとサバ缶だと思って食べていたのが実はサケ缶だったと打ち明けるドッキリ】
【風斬さん】が【アイテム】へ【心霊ドッキリ】
【上条さん】が【御坂さんち】へお菓子を貰いに行く
みたいな感じで↓に書いておくとその内容がSS化するかもしれません
なお、あまり人が多かったら無作為に抽選となりますが、残念ながらそんな事態は一度もなく (´・ω・`)
佐天「――『ハッピーハロウィン団』ってご存じですか?」 ガチャッ
白井「佐天さん人に会ったらまず、『ごきげんよう』ですわよ」
佐天「常盤台のローカルルールですかごきげんよう?」
白井「挨拶の文言はともかく霊長類の普遍的なルールでしてよ、ごきげんよう」
佐天「はぁ、そうですか。流石は常盤台」
白井「理解出来ないからとりあえず常盤台で納得するのはお止めになってくださいまし。で?」
佐天「初春いますかー?遊びに来たんですけど。あ、これ差し入れ」
白井「おりますけど、あの佐天さん?わたくし達は決して遊びや趣味でやっている訳ではなく」
白井「そうちょくちょく暇潰しに来られても、決してウェルカムとはですね」
佐天「――『ハッピーハロウィン団』ってご存じでしょうかっ!?」
白井「依頼風を装ってもダメですわよ。お茶を飲んだらお帰りくださいな」
佐天「あざっす!ゴチになりますっ!」
初春「はい白井さんも甘やかさないでください。お茶飲んだら差し入れ食べ始めて、結局私が帰るまで居座るんですから」
佐天「ふっ!これはもうあたしも風紀委員に入るしかないねっ!」
初春「ナメんな。風紀委員を超ナメないでください」
初春「こう見えても文武両道!体力トレーニングに知力テスト!その狭い関門をくぐり抜けた人だけがなれるんですから!」
白井「一芸特化組も多いですわね。初春はまず腕立て伏せ10回をクリアしてから言うといいですわよ」
佐天「萌え枠だね!流石初春!」
初春「お帰りはあちらとなります。また明日学校でお会いしましょうねー」
佐天「待って!?これ意外と真面目な話だから触りだけでも!なんだったらエピローグだけでもいいから!」
初春「エビローグは終わった後に流れるものでして……はぁ、まぁいいですよ。どうそ、お茶でも出しますから」
佐天「ありがとー初春、愛してるぜー!」
白井「一番甘やかしてるのは初春の方ですわね」
――風紀委員 第177支部詰め所 ちょっとしたスペース
佐天「それでねー、あたしは言ってやったのよ――『地球はオレたちのもんだ!』ってね……ッ!」
初春「言う機会がないですよね?火星ゴキブリとバトルったんですか?」
白井「まぁいつものように脱線しまくりですのね。ですがせめて当初の目的だけは解決しなさいな」
佐天「あ、そうだ聞いてくださいよ!ハッピーハロウィン団!」
白井「随分とご陽気な名前ですのね」
初春「季節限定のスキルアウトトでしょうか。まぁ春になって結成されては夏頃に解散するチームも多いですけど」
佐天「……それがね。スキルアウトじゃないんだよッ!」
白井「何かの能力者チームですの?噂で汚れ仕事をするとかしないとか。ま、眉唾にも程がありますわね」
初春「そうですよねぇ。噂は聞きますけど”絶対に”そんな人達は存在しませんから、”絶対に”首突っ込むのはやめてくださいね?」
佐天「二人としてフラグを回避しろって言ってるように聞こえるけど……」
白井「限定イベント風の名前から察しますと……あー、あれですか。ワールドカップの中継中にスクランブルで痴漢するヘンタイさんの話かしら?」
初春「それはがっつり防犯カメラ付きで取り締まるからいいんですけどねぇ」
佐天「あぁいやいや。チューバーの人なんだよ」
初春「最近少しナリを潜めましたが、不謹慎系動画投稿ですか」
白井「犯罪ならわたくし達の出番ですわね。珍しくまともな情報提供ありがとうございます」
佐天「いえいえどういたしましてー――って珍しく?」
初春「佐天さんは誘蛾灯としてスカウトするか迷いますよねぇ」
佐天「その言葉に引っかかるところしかないけど……その、犯罪でも無くてさ。厳密には、多分?きっと?恐らく?」
白井「要領を得ませんわね、最近ではハラスメントも迷惑条例で違法ですのに」
初春「ちなみに佐天さんの見た感想は?」
佐天「テクニカルにタチ悪い」
白井「相当悪質ですわね」
初春「ですね」
佐天「二人が納得する過程が気に入らないんですけど……まぁ、これ見てくださいよ。QR持って来たんで」
初春「はい。ではこちらのタブレットで読み取りましてーと」
――動画投稿サイト
金髪グラサン・青髪ピアス『ハッピーハロウィーン!』
青ピ『さぁーて暑いんのもどっか行きおった今日この頃!ZON○の夏の終わりがかかろぉなくなりましたな!』
青ピ『刻一刻と近づくハロウィンに向けて今日も突っ走りまんがな!宜しゅう頼まっさ!』
金髪『今日もやります出します見せますぜぃ!チャンネル登録ヨロシク頼むにゃー!』
青ピ『そんなボクらもカップル発見!いざ!ハッピーハロウィン団の登場やね!』
金髪『あぁ行きますたい!小遣い稼ぎ――もとい!再生数稼ぎのために!』
青ピ『ねーねー道行くオニーサンにオネーサン!ちょおおぉっとお時間よろしいでっかー!?』
金髪『フッ、悪いようにはしない!少しだけお時間くださいだにゃー!』
学生男『な、なんだよ急に!誰だよアンタ達!』
学生女『えっと、ケーブルテレビの人?』
青ピ『そーそー!ケーブルテレビの方から来ましたボクら!』
金髪『アレがアレでアレする番組とかやってんだぜぃ?見てくれてるかにゃー?』
学生女『ARISAの見てますよー。MCがアレな感じがいいですよねー』
青ピ『まぁまぁそんな話はさておきぃ――』
金髪・青ピ『ハッピーーーーーハロウィーーーーーーーーーーーーーーンッ!!!』
学生男『……なんの企画だよ?』
金髪『あー、ダメダメだにゃー。そんなローテンションじゃ勝てる勝負も落すんだぜぃ。若人よ!』
青ピ『ハ・ロ・ウィ・ン!近いじゃないですかっ!テンション上げなくていつ上げるっちゅー話やねコレしかし!』
学生男『テンション……いやクリスマスとか夏休みだったら上がるけど、ハロウィンじゃちょっと』
学生女『そーお?あたし好きだよ−、なんか可愛いじゃん?』
学生男『そ、そうかな?』
金髪『――ってカノジョさんも言ってぜぃ』
学生男『か、カノジョじゃねーし!』
学生女『だねー』
学生男『……』
金髪『おおっと!見ましたかっ奥様!?学生男のテンションの下がりっぷりに!』
青ピ『見ましたですわよ奥様!あれ実は肯定するのをちょっとだけ期待してた顔ですやんね!』
学生男『うるっさいな!俺の事なんてなんだっていいだろっ!?』
青ピ『――そんな、そんなあなたに授けて進ぜよう……!』
金髪『その名も――ハロウィンの奇跡だぜぃ……ッ!!!』
学生男『いや、ますます意味が分からない』
金髪『クリスマスの魔法、って知ってるか?』
学生男『知らないし、てか魔法なんてないし』
青ピ『そりゃボクだって知っとぉよ。魔法はない、ないんやけど――』
青ピ『――テンション上がるってありますやん?』
学生男『イベント近くなってワクワクするのは分かるが……』
青ピ『それっ!そっれっですやん!』
学生男『はい?』
金髪『いいか?よく聞けニーチャン、テンション上がってんのはお前だけじゃねぇんだよ』
金髪『みんな浮かれるってことは当然そっちの子もだ!』
学生女『いやー、どーだろーねー?』
学生男『いや、その理屈はおかしい』
青ピ『理屈なんてどうでもええんよっ!大事なのはハートや、ハート!』
金髪『イベント近づいてんだぜぃ?一人っきりで寂しく過ごすよりか、誰かと一緒に楽しくやりたい、遊びに行きたいってのは誰だって同じなんだぜぃ』
青ピ『オニーサンだってそうですやんか?オネーサンも?』
学生男『否定は……しないよ』
学生女『そだねー』
青ピ『――ならオニーサン!ここまで言って分かりまへんか?ボクらがここまで言っても!』
学生男『だから何の話』
金髪『楽しい楽しいイベントを控えてるのに、過ごす相手のいない男女が二人いるんだぜぃ!これはもう天の配剤ですにゃー!』
学生男『……!』
学生女『いや、あのね?君たちね?』
青ピ『さぁ勇者よ勇気を振り絞らんかい!シングルで過ごすかダブルになるか!』
金髪『それはニーチャンの行動次第だぜぃ!ハッピーなハロウィンのために俺たちが後押しだ!』
青ピ『ノリでいけばいいですやん!テレビ企画であるある!つーか今逃したら機会はないでぇ!』
金髪・青ピ『さっ、告白ターーーーーーーーーーーイム……ッ!!!』
学生女『あのー』
学生男『――あのっ!』
学生女『はい?』
学生男『俺!ずっと前からお前が好きだ――』
学生女『ごっめーん。あたしは別に?嫌いじゃないけど、好きでもないみたいな?』
学生男『った、あ……?』
学生女『うんっ!君は良い人だからあたしなんかよりずっと良い人が見つかるって!良い人だから!』
学生女『良い人だからご飯奢らせたり買い物に付き合わせるフリをしてプレゼントねだったりしたけど!良い人だから!』
学生女『でも君がそういうつもりだったのなら、あたし達、会わない方がいいよね?そうよね?そうしましょうねっ!』
学生男『い、いや、あの?』
学生女『あ、あとあたしがいつもしてた兄貴の話は実は彼氏の話だから!ごめんねっ!今までありがとう!それじゃあねっ!」 ダッ
学生男『……』
金髪『あーやっぱそうだったか。グレード違いすぎたもんなぁ』
青ピ『ですなぁ。ま!これを気に別の恋を探して!』
学生男『……お前ら……ッ!』
金髪・青ピ『――ハッピーハロウィーン!』
学生男『待てよゴラアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!?』
――風紀委員 第177支部詰め所 ちょっとしたスペース
佐天「……ね?」
初春「テクニカルにタチ悪いな!登場人物全員があんまりですよ!」
佐天「んで再生回数が100万回越え。関連する動画まで入れたら、えーっと、これ幾らぐらいになるの?」
初春「今調べ……た、ところ、大体数万円ぐらいですかねぇ。スポンサーさんによっては桁が一個上がりますけど」
佐天「稼いでんだねー。それもあんまいい方法じゃないのに」
初春「うーん……?問題は確実に問題ですけど、どうしましょうか?」
白井「放って置きなさいな。別に誰が困りもしませんし」
佐天「いや困りますよ!純情な男子生徒とかが!」
白井「――唐突なお話ですが、風紀の委員のお仕事をしておりますとそこそこの頻度でカップルに出くわしますのね」
佐天「本当に唐突ですね。いや聞きますけど、カップルさんが何か?」
白井「こう、恥を忍んで申し上げますが、わたくし達も死にそうな目に遭うこともありますわ。怪我をするのも日常茶飯事ですし、かといって得られる報酬もありませんのよ」
白井「あえて言えば学生達がトラブルに巻き込まれることなく、平穏な生活を送るのが対価、ですわね」
佐天「素晴らしいです白井さんっ!」
白井「が、しかし。わたくしも聖人君子ではございませんし、任務の最中にカップルとお話しすることもありますし、危険に巻き込まれたカップルを助けることだってありますの」
白井「そんな時、ふと、こう思うのですわ――」
白井「『――コイツら、人があくせく働いてるのに乳繰りやがって可能な限り惨たらしく死ねばいいのに』って」
佐天「初めて聞きましたけど、白井さんの闇が予想以上にディープすぎます」
白井「――ふっ、佐天さんは意外かも知れませんけれど、わたくしだって人並みの感情はございますわ!」
佐天「いや違うあたし言ってるのそこ違います。むしろ予想通りでした。ただちょっと右肩上がりだったのに驚いただけで」
白井「そしてこの、ここまでオフェンシブな『良い人だけど』は初めて聞きましたわね」
初春「あー、一時期ネタになりましたよねぇ。どんな罵詈雑言も『良い人だけど』をつけるとワンクッション入る的な」
佐天「放置なの?結構凶悪だと思うんですけど?」
白井「これといって犯罪……でも、ないですわよね。初春?」
初春「ですかねぇ?やってることがあまりにもショボイですし、罰そうにも適当な法律も条令もなさそうですけどね」
佐天「『からかうのダメ!』って解散させるのはどうでしょうか?」
白井「対象がカップルでしたら喜んでそうするのですけど。そんな権限はありませんわね」
佐天「えー……頼りにならない!」
初春「なんとかしてあげたいですけどねぇ。一応動画サイトで稼いでいる以上、営利目的なのに無許可で撮影はダメ、ではどうでしょうか?」
白井「少し根拠が薄いですわよ。学区から禁止命令を取るのにどれだけ待たされるか」
佐天「あー、そっか。学区を移動しちゃえばイタチごっごですよね」
初春「せめて被害届のような、苦情が入っていれば『詰め所でO-HANASHIしましょうね☆』と別件逮捕――げふんげふん、できるのですが」
佐天「――そうだ!」
初春「すいません。それは却下で」
佐天「まだ何にも言ってないのに!?」
白井「想像はつきますわよ。大方わたくし達が撮影対象になる、でしょう?オトリ捜査的な」
佐天「いやー、多分あれ成功したのは乗せてないと思うんですよ。なんかこう、妬みを煽ってますし全体的に」
佐天「だもんで成功したケースもあるのに放送してないなんて、みたいな方向で攻めれば白けるんじゃないかって」
白井「取り締まるんじゃなく、白ける、ですの?」
佐天「そうそうこういうのはノリと勢い重視みたいな?ケチがついたら、パって離れて行くもんなんですよね」
白井「……成程。それは試してみる価値はあるかも知れませんわね」
初春「いざという時にはオトリ捜査の人員が被害届けを出せますし」
白井・初春「――で、誰が?」
佐天「えぇっと……」
白井「ちなみにわたくしはお姉様以外の方と嘘でもフリをするのは死んでもゴメンです」
初春「私も、ちょっと」
佐天「あたしだって嫌だし……あ、じゃあじゃああたしが!」
白井「いや、ここでダチョウ的な流れにはなりませんわよ。普通に『どうぞどうぞ』とは」
白井「まぁ……仕方がありませんわよね。死ぬほど気は進みませんが、わたくしがやりましょう」
初春「いいんですか?」
白井「いいも何もお仕事ですしね。好き嫌いでは乗り気ではありませんし、お姉様に一言入れますが」
白井「それでお相手はどなたですの?」
佐天「知り合いのツンツン頭の高校生の方に」
白井「絶ッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ対にお断りだ!!!」
初春「あー、あの人ですか。他に男子の知り合いいるでしょう?」
佐天「クラスメイトとかいるけど、中学生に無理言うのはちょっとアレだし」
佐天「それに上条さんならにじみ出る童×臭がこうかはばつぐんだ!」
初春「否定出来る要素が皆無ですね。で、おーい白井さーん?」
白井「……えー……わたくしがやるんですの?本当に?」
初春「超嫌ってますよねぇ。そんなに評価低いんですか?」
白井「いえ、あの方はお姉様の件を抜きにすれば好感は持てましてよ?」
白井「お姉様の件を入れても……まぁ、今のように笑っていられる恩人でもありますし、評価は高いですわ」
佐天「で、本音は?」
白井「上空1kmからベッドバッドしたら入れ替わるんじゃないかと思っている」
初春「死にますね。仮に入れ替わり成功したとしても二人ともお亡くなりですよ」
佐天「エッラい貰い事故だよね。しかも根拠が薄弱だし、傍目には無理心中に見えなくもない」
白井「このわたくしの目が黒いうちはお姉様に手出しはさせませんわ!」
初春「はいはい。白井さんの決意はどうでもいいとしまして、どうします?相手役は風紀委員の方へ頼んでもしてくれるとは思いますが」
白井「いいですわよ。個人的には適度に睨みを利かせておくのもアリだと思いますの」
佐天「その考えもどうかな−。頼んでる立場だしなー」
初春「じゃあ佐天さん、セッティングお願いします。私はハッピーハロウィン団が頻出すスポットを割り出しておきます」
佐天「おけー」
白井「ならわたくしはお姉様に……いえ、しない方がいいかしら?」
初春「それはそれで確実に虎の尾を踏み抜きますから、事前連絡、どうかお忘れなく」
白井「はいはい。気は進みませんの」
――数日後 XX学区 待ち合わせ場所
白井「お仕事である以上、真面目に、とは思いますけど。何か合法的に抹殺できる手段は――」
白井「――と、あれ?あれは誘拐犯御用達の黒いハイエー○……?」
白井「事件の香りが――」
???「――動かないで」
白井「あなたは――!?」
――待ち合わせ場所
佐天「あっれー……?来てませんね」
上条「いや来てるよ?俺実は幽霊って設定なの?見えないの?」
佐天「ちょえっす上条さん。いえ、上条さんがいるのは珍しく、白井さんがいないのが更にレアケースだと」
上条「あぁうん、俺はちょっと待ち合わせとかには向かない体質だからね。主に巻き込まれ関係で」
佐天「あたしもまぁちょっとアレな体質ではありますが。ただ白井さんに限ってはないかと」
上条「基本、ビリビリに関する事以外は極めて真面目だしな。連絡入ってないんだろ?」
佐天「はい。今、近くの詰め所でスタンバってる初春の方にもかけて――」
???「――待った?」
上条「って言ってたら来たな。何かあったのか?緊急の呼び出しでもあったんだったら、今日やんなくてもいいけど」
???「うんまぁ、ちょっとね。意外に暴れたもんだから」
上条「よし!それじゃバカ二人の尻ぬぐい、もといハッピーハロウィン団壊滅に向けて頑張ろうぜ!」
???「おー!」
佐天「すいません上条さん。ツッコミをしないのでボケがただ流れになっています」
上条「え、何が?」
佐天「何が、じゃないですよ!仕事してくださいよ!」
上条「いや、俺が呼ばれたのはアホどもに物理的なツッコミをするのであってだ」
佐天「白井さんじゃないじゃないですか!この人!」
上条「え!?そうなのかっ!?」
???「く、黒子よ!何言ってるの佐天さん!」
佐天「見たら分かりますよね?白井さんと被ってるところ探す方が難しいじゃないですか!」
上条「いや……白井さんじゃないのか?ツインテだし常盤台の制服着てるし、風紀委員の腕章もつけてるし……」
???「ジャッジメントなのよ!」
上条「ほらやっぱり本人じゃないか」
佐天「おい、いい加減にしろ御坂さん」
御坂(???)「よねっ!」
佐天「いいですか御坂さん?あなたの好きな人はこうもチョロくて本当にそれでいいんですかっ!?」
佐天「てゆうか雑ですよ!色々と!御坂さんそんなにボリュームある方じゃないから、髪型もうただのオサゲになってますし!」
上条「あ!なんかおかしいと思ったら髪切ったのか!」
御坂「そ、そんな感じ?かな?」
佐天「おかしいでしょ。受け入れる体制が整い過ぎてますし」
――繁華街
上条「すんませーん。ちょっと聞きたいんですけど、ここら辺で金髪グラサンと青髪ピアスって見たことあります?」
学生「いやぁ、知らないかな」
上条「ありがとうございます。もし見かけたらダッシュで逃げてください。もしくは殴るか、俺が許します」
学生「は、はぁ」
佐天「なんかこの件は妙に上条さんがアグレッシブなんですけど、どうかしちゃったんでしょうか。ねぇ御坂さん?」
御坂「そうね。あんまり積極的に解決する必要はないんじゃないかしらね」
佐天「へぇ、どうしてまた?」
御坂「この案件はきっと恐らく多分フワッと闇の勢力が関わっている以上、何事も慎重に事を運んだ方がベターよ!」
佐天「つまり本音は?」
御坂「このまま未解決なら放課後デートし放題……ッ!!!」
佐天「白井さんって真面目だったんだなぁ。あと御坂さん、一応白井さんって設定なんだから、『御坂さん』って呼ばれても反応しないでください」
御坂「ジャッジメントなのよ!」
佐天「あ、いいですからそういうの。同性には一部の特殊な例外を除いてツンデレとかいいですから」
御坂「てゆうかさ、気になったんだけど初春さんはどこにいるの?」
佐天「打ち合わせでは監視カメラ等をハッキングしつつ、こっちに合流する手はずだったんですが」
佐天「『もういや』というメールを最後に連絡がつかなくなっています」
御坂「へー、ふーん?――あ、そうだ」
佐天「……どうされました?」
御坂「大変よ!例の犯人の狙いは初春さんかもしれないわ!」
佐天「仮にもしそうだとしたら、学園都市中の全風紀委員を敵に回すんですが……」
御坂「えっと……なんだっけ?ハッピーバレンタイン団?」
佐天「設定ぐらい聞いておきましょうよ。どんだけフワッとした動機でいっちょ噛みしようとしてんですか」
御坂「こうしている間にも初春さんはTom-×uckされてるかもしれないじゃない!」
佐天「それ違います。なに動詞っぽく言ってんですか。別に上手くもないですよ」
佐天「てかいい加減忘れましょうよ!?あれから何年経ってると思ってるんですか!」
御坂「実は隠れて付き合っててもモニョるけど、実は破局しててもそれはそれでモニョるわよね」
佐天「御坂さんはそんなこと言わない!正体を現せニセモノめ!」
上条「……君ら何遊んでんの?俺が珍しく大事になる前になんとかしようって頑張ってのにさ!」
御坂「それがね。効率を考えたら二手に分かれた方がいいって話をね」
佐天「それ意味あります?カップルをイジって遊んでる人らにシングルで挑む意義って何です?」
御坂「あたしとコイツは打ち合わせ通り『らぶらぶカップルげっちゅ・ざ・はーと大作戦』を続けるから、佐天さんは探索をメインで」
佐天「その打ち合わせにはあたし出てませんでしたよね?というかしましたっけ?そんな俗い打ち合わせ?」
上条「アルカナハー○の新作みたいなサブタイトルだよな」
御坂「じゃあそれで――ってごめん、ちょっと外すわ」 ピーッピーッピーッピーッ
上条「あぁ、別に急ぎじゃないぞビリ――もとい、白井さん」
佐天「認識してますよね?アレが御坂さんだって完全に知ってますよね?」
上条「――なぁ佐天さん」 ポンッ
佐天「はぁ」
上条「世の中にはさっさと諦めるのも大切だと思うんだよ、俺は」
佐天「分かってるじゃないですか!白井さんと違うって!」
上条「じゃあ聞くけどもだ!ここで俺たちが騒いでなんか変るかなっ!?結果かさぁ!」
佐天「諦めるのをやめてツッコミに戻って来て下さい。キャラ的にあたしが全部こなすのも、なんかこう、うん、しっくりこないんですよ」
白井?「――ごっめーん!遅れちゃったぁ☆」
上条「だからいいって――白井、さん?」
白井?「はーい、白井さんよぉ」
佐天「嘘だ……ッ!さっきの御坂白井さんはまだフラットな体型だけは同じだったけど!今はもう性別ぐらいしか共通項がない!」
上条「なんだけろうな。ツインテが歳いった魔法少女に見える」
白井?「そんなぁ。ピチピチの中学生捕まえて酷いわぁ」
上条「君、ホントに白井さんか?どう見ても別の人にしか――」
食蜂(白井?)「ジャッジメント、な・ん・だ・ゾ☆」
上条「ふー、ビックリした。なんだ本物か」
佐天「騙される演技にしても雑すぎます!そしてそっちの御坂さんのお友達の方も同じですよ!」
上条「いいじゃないか!だってホンモノなのだから何の問題も!」
食蜂「そうよねぇ。難しく思考力過ぎるわぁ」
佐天「や、まぁ……解決できればいいっちゃあ、いいんですけどね。できます?」
上条「任せてくれ!誰とは言わないし誰のことかも分からないが、退学になったら洒落にならないから全力で解決する覚悟だ!」
食蜂「勿論よねぇ。決してgdgdが続けばオイシイとか思ってはないわよぉ?いやホントに」
佐天「チーム編成に難がありますよね。まず半数がやる気ないって何なんですか」
食蜂「平気よぉ。きっと今頃問題の動画もアカウントごと消失していると思うわぁ」
佐天「今の白井さん凄い……怖いです」
上条「なら俺の仕事も無駄じゃ……?」
食蜂「ま、数日パトロールは必要よねぇ!数日は!」
佐天「嫌なバーターですよね」
御坂「――ごめん!ちょっと来て!」
上条「ビリビリ?」
佐天「あ、そこはきちんと認識するんですね」
食蜂「無粋じゃないかしらぁ?まだバトンタッチして数分よぉ?」
御坂「デートの件はいいのよ!後日に回すから!」
食蜂「そうねぇ。だったらしょうがないわよねぇ」
上条「あれこれ俺が後日苦労する流れになってないか?」
佐天「心配しないで下さい!どうせ今日するか後日するのか話ですから!」
御坂「てか緊急事態なのよ!いいから早く着いてきて!」
上条「……分かった」
――路地裏
佐天「ここは……さっきのところから微妙に入り組んだとこ、ですかね」
食蜂「ヤンキー力の高い子が好きなそう場所ねぇ」
御坂「……あたしね。一応捜査に加わってんだし、空き時間に調べてはみたのよ」
上条「お前がいつ加わったのかは俺は一切知らないんだが、それで?」
御坂「まぁ、昔みたいにちょっと人通りの少ない方へ入った瞬間。”アレ”がね」
佐天「あれ、ですか?」
土御門・青ピ グッタリ
上条「お前らっ!?」
食蜂「お知り合いかしらぁ?」
上条「超知らないっす。自分初対面っす」
佐天「初めて聞きましたねそのキャラ」
上条「つーかボケはともかく、生きて――るな。誰かにボコられたような跡が。喧嘩か?」
佐天「順当に考えれば、イジる相手を間違えて反撃された、てすかね」
御坂「そうね。あたしも最初はそうだと思ったんだけど……ここ、見てくれる?」
食蜂「電柱が……切断力ねぇ?どんな物騒な能力者よぉ」
上条「切断面も真新しい。でも、喧嘩でここまでするってのかよ!?」
佐天「分からないですよー?よっぽど変な地雷踏み抜いたかもですし」
上条「まっさかー」
土御門「――か、カミやん、か……?」
上条「おいしっかりしろ土御門!傷は浅いぞ!つーか何やってんだよ!?」
土御門「へ、へへ……!笑ってくれよカミやん、ま、舞夏に、新しいメイド服を買ってやろうとしたら、このザマだぜぃ……」
上条「土御門、お前……」
佐天「すいません。感動の要素無いですよね?女の子にメイド服送るのって自分の趣味ですよね?」
御坂「あたしの知り合いと同姓同名だけど……あれ学園から支給されるメイド服だから、個人で買うんじゃないのよね」
食蜂「個人の業が垣間見えるわぁ」
上条「お前らのやったことはいけないけどさ、いくらなんだってここまで痛めつけなくたって!」
上条「教えてくれ!何があったんだ!?お前らは誰にやられたんだよっ!?」
土御門「は、ハロウィンは……ダメ、だったんだ!触れちゃ、ダメ、だ……!」
上条「何?ハロウィンがなんだって!?」
土御門「気軽に、使っ……ちゃ――年増……だぜぃ……ぱたっ」
上条「つち、みかど……?土御門おおぉおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」
御坂「口でパタって言ったじゃない」
食蜂「てゆうかギャグにしか見えないわよねぇ」
上条「誰だ!俺の友達をこんな目に遭わせたヤツは!」
???「――懐かしい声がしたらと思ったら、どーしたの」
上条「この声は――キャーリサ」
佐天「どちら様で?」
御坂「イギリス王室の第三王位継承者……に、似た人よねっ!きっとそっくりさんだわ!」
食蜂「まぁたエラい謎の人脈よねぇ」
キャーリサ(???)「この国じゃ虫が鳴くというけれど、路地裏では男が泣くよーね」
上条「……」
キャーリサ「ま、不用意に『ハロウィン』を弄んだ罰、その身に刻むといーの」
上条「ハロウイン……?ハロウィンが何だっていうんだ!?何が隠されてるって!?」
キャーリサ「――お前は知らないのね。『ハロウィン』に隠れた真実を!」
キャーリサ「まだ本決まりじゃーないけど、多分なくなる『ブリテン・ザ・ハロウィン』のことを!」
上条「な、ナンダッテーーーーーーーーーーーーー!?」
初春『ただのネタ企画のはずが、事態は風雲急を告げる!』
初春『”ハロウィン”に隠された謎とは!?ハッピーハロウィン団に隠れされた真実を追う一行!』
初春『もしかしてポシャった人達の怨嗟がまた新たな悲劇を呼ぶ、次回を待て……ッ!』
御坂「いや、それもう答えよね?アニメ化でムシャクシャしてた人がハロウィンの名前で遊んでたバカ二人をボコっただけよね?」
−以下略−
【※告知】
ハロウィン緊急企画ではSSのシチュエーションを募集しています
今年もやりますネタに詰まったときに読者様参加企画
【誰】が【誰】へ【どんなドッキリをする】のかを明記すると、そのSSが出来るかも知れません
また「普通のハロウィンがいいなー」という方は、【誰】が【誰の家】へお菓子を貰いに行くと書いて頂ければそれなりに
なお基本的な制限は以下の通りとなっております
・とある魔術の禁書目録・超電磁砲のキャラクターのみ。含む新約・劇場版
・トリック・オア・トリートの場合は地球圏内(火星バクテリアは対象外、不明な人物はこっちで適当に設定)
・多くてもトータルで10人(話)ぐらいなので、まぁ早い者勝ちでどうぞ
・募集期間は9月中ぐらいまで?
基本的に分かればオッケーです。例として、
【麦野さん】が【フレンダさん】へ【ずっとサバ缶だと思って食べていたのが実はサケ缶だったと打ち明けるドッキリ】
【風斬さん】が【アイテム】へ【心霊ドッキリ】
【上条さん】が【御坂さんち】へお菓子を貰いに行く
みたいな感じで↓に書いておくとその内容がSS化するかもしれません
なお、あまり人が多かったら無作為に抽選となりますが、残念ながらそんな事態は一度もなく (´・ω・`)