『緊急企画 ハロウインの日ver2016』
――教室
キーンコーンカーンコーン……
上条「……」
青ピ「まいどっ!おおきにっ!どないでっかっ!」
青ピ「さぁさぁやって来ましたハロウィンっ!カボチャにゴーストにスケルトンっ!」
青ピ「昔一回『西洋のお盆』トシテ流行らせようとしたけども!箸にも棒にもかからんかった不遇なイベンツ!(巻き舌)」
青ピ「ていうか一部のお年寄りには『カボチャをくり抜いて遊ぶ日』としか認知されてない謎の日ですやんか!」
青ピ「それが……あぁ、それがっ!なんかこうそれっぽい事をテレビやアニメで見た世代が真に受けて半世紀!雌伏の時は終った!」
青ピ「今じゃ首都圏近郊で堂々とお嬢様がたがコスプレする一大イベントへ早変わりっ!いやぁ時代っちゅーうんは変りますなぁっ!」
青ピ「『ねぇハロウィンって本当はなんのイベントか知ってる?』ってぇヤボな話はいいっこなしやで!楽しんだモノ勝ちっちゅーやつや!」
青ピ「どうせ本場でも誰も知らんかったし!ディズニ×の影響力はハンパ無いでんな!」
(※実話です)
青ピ「なので!今こぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉそっ!溜めに溜めていたボクらも羽ばたく時やっ!華麗にバッサバッサと!」
上条「ごめん、そういうのいいから」
青ピ「ドッサドッサと?」
上条「オノマトペに不満があんじゃねぇよ。ていうか雪かきか」
青ピ「おーやおやカミやんどうしたんでっか?なんや今日は、つーか今日もご機嫌斜めさんでっかー?」
上条「いやぁ……そういうんじゃないんだけども、世の中の無常っていうか、こう残酷だよねって思ってさ」
青ピ「なになに?なんや感動するアニメでも見たん?」
上条「あー……まぁそれに近いかもなぁ」
青ピ「ちょっとお兄さんに言うてみぃよ、うん?恋の相談からストーカーの相談まで幅広くやっとるよ?」
上条「恋と犯罪を並べんな。離せ離せ」
青ピ「どっちも追いかける――やん?」 キリッ
上条「否定はしないがご時世的に拙い――で、映画の話なんだけど」
青ピ「や、あんね?それよかハロウィン企画っちゅーんが……」
上条「俺にとっては大切なんだよっ!ハロウィンなんかよりもずっとなっ!」
青ピ「まぁ聞くけどもやね」
上条「映画ん中でさ、世界全体を敵に回した男が居たんだ」
上条「日本を巻き込んでやらかしたらしく、クラスメイトも散々な目に遭う訳で」
青ピ「あー聞いた事あんなぁそのシチュ。タイトル何やったっけ?」
上条「主人公がクラスメイトに会ったらば問答無用で攻撃されるんだけど……」
青ピ「なんやって!?そんな友達がいのない奴やないのっ!?」
上条「いやそれお前……」
青ピ「ボクがその友達やったら!そして主人公クンと友情結んどったらそんな事無いのにっ!」
上条「……まぁ、実際はともかくとして、そのークラスメイトの気持ちは分かるんだよ」
上条「なんかこうしっちゃかめっちゃかにして、色んな人に迷惑かけて、たかがクラスメイトなら刺そうとして当然っていうか」
青ピ「そんなないわー、それホントに友達ちゃうかったんちゃまいすのん?」
青ピ「マブやったらそんな無碍な扱いしませんて!いやマジで!」
上条「さっきから本音をゲロってありがとう……ま、それは仕方がないと思うし、映画の話だから突っ込むのは止めよう」
上条「……たださぁ?中学時代からつるんできたのに、ポッと出の相手に籠絡されるってどうよ?」
青ピ「……ボクには、何の話か分かりませんなぁ……?」
上条「折角クラスメイトとして!小萌先生の生徒として八ヶ月一緒にやって来たのに!」
青ピ「や、でもカミやん欠席多いし……」
上条「……」
青ピ「ていうか小萌センセに迷惑かけとぉからKKK(可愛い可愛い小萌きゅん)親衛隊から敵扱いされとるし?」
上条「……」
青ピ「ついでに失踪中の土御門と合わしぃの、『アイツらでマジ何なの?小萌先生の敵じゃね?』みたいな?」
上条「――知ってた!やっぱりお前は俺の友達だなっ!」
青ピ「ていうかショッパイ罠仕掛けて調子ぶっこいてた割りにはアッサリやられよるし!」
上条「えーっと……あんまりそこは、なっ?上里君まだこっちの流儀に慣れてないだけだから!」
上条「『調子ぶっこく=負けフラグ』って話に!
青ピ「それはさておき、上里君のオトモダチの子ぉ紹介してくれへんかな?」
上条「アイツらだけは、やめとけ?キャラがブレないお前の姿勢は評価するが、ムリゲー過ぎるから」
青ピ「困難があってこその――愛やん……ッ!!!?」
上条「それシチュエーションに酔ってるだけじゃねぇかな……」
青ピ「てゆーかでっせ!ボクは薄情ォォォォォォォォォォォォォォォォッなっ!クラスメイトの中でも友好的な態度でしたやんっ!?」
上条「まぁな!確かにそん中でもお前は庇ってくれた方だよ!ありがとうなっチクショウッ!」
青ピ「まぁ確かに?『孤立してるカミやんに手ぇ差し伸べて好感度アップ!』とはちょっと思ぉとぉたけど!」
上条「ほーら打算じゃないですかーやだー」
青ピ「いやぁカミやん、それは違いまっせ?いやぁ」
上条「違ってねーだろ」
青ピ「打算言わはりますけど、むしろ逆に打算のないお付き合いなんてあるのかとボクは問いたい!切に!」
上条「まぁ……言わんとする事は分かるが」
青ピ「人類70億を敵に回してフィギュア一個を選んだ変態もいるんやでっ!!!」
上条「ごめん、やっぱ分かんなかった。てかそれもしかして俺の事Disってんか?あぁ?」
青ピ「分かる!分かるで!『アポなしギャルズオリンポ○』でかないみ○さんのニ○にハァハァした世代は!」
上条「セガサター○のゲーム、しかも超ドマイナーな召喚バトルの話をされても……」
青ピ「ヒロインが実妹、しかも一部声優のwikiから外されてる伝説のゲームですやんっ!」
上条「知り合いのメル友がドラマCD持ってて、貴重なのにプレミア価格がついてないって時点でもう、うん」
青ピ「――じゃあ、カミやんっ!下乳魔神を助ける時!打算はなかったんですっかぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
上条「ないけど」
青ピ「やんなっ!ボクもやねっ!」
上条「どっかのラジオのイエスマン構成作家みたいな返しはやめろ」
青ピ「そこに性欲はなかったんでっか!?」
上条「ない――よ?うん、ないな、ないない」
青ピ「ちょっと触ったりは?」
上条「ちょっとだけ、まぁ事故みたいな感じで?」
青ピ「……」
上条「……」
青ピ「――よし、死ね!」
上条「友達に向かって言う言葉じゃねぇだろ!?」
青ピ「カミやんを凹ませたら上里君が女の子紹介してくれるって!」
上条「それ多分ホントの意味での『紹介』だと思うぞ?あの子らは……うーん……?」
――ロンドン
上条「ステえもーーーんっ!上里君が虐めるんだよっ!」
ステイル「帰れよ、そしてもっと虐められればいいさ」
上条「お前酷くない?わざわざイギリスまで来てんのに?」
ステイル「……お互いに友好的な関係じゃないのは今更だけど……せめてあの子を連れてくるとか、そういう配慮をだね」
上条「そんな事よりっ!聞いてよステえもん!」
ステイル「なんだい、君が凹む話は僕も好きだし、聞だけとは聞くが――」
ステイル「――あの『上里勢力』の話なんだよね、察するにさ」
上条「あぁ知ってたんだ?」
ステイル「知らないと思う方がどうかしているよ。あれだけの巨大勢力、しかも隠そうとすらしないだなんて、ね」
上条「どう、思う?」
ステイル「早く帰れよ」
上条「違げーよ!俺の話じゃねーよ!」
ステイル「上里勢力については馬鹿げている、かな。まぁ回りもそんな感じだし」
上条「バカげている?」
ステイル「力もそうだし、存在そのものがまず、そうだね。魔神集団を葬れる時点でどうかしている」
上条「……神裂ぐらいの力持ったヤツも居るしなぁ……科学と魔術がミックスしてるし」
ステイル「ある意味グレムリンよりもタチが悪い。そして始末に負えない」
上条「ってのは?」
ステイル「僕――じゃなく、神裂の場合、そう神裂の場合だけどさ。彼女は”あそこ”へ行くまでに様々な経験をしたよね?」
上条「どこ?あそこってのは?」
ステイル「聖人になって、イギリス清教の一員になるまでの話さ」
上条「……大体は建宮から聞いてる」
ステイル「善し悪しは横へ置くとして、彼女は人生を通して経験し、その場所にいるわけだよ」
ステイル「持ちすぎた力を誇ったり、逆に挫折をしたり」
上条「あんま神裂が誇るのは想像出来ないが……で?それが?」
ステイル「その結果『不殺』で『救いを求めるものには救いの手を』という信念が着いたわけだ」
ステイル「……ま、『必要悪の教会』としちゃ生きづらいかもだが、それは立派な信念だね」
上条「珍しく誉めるな」
ステイル「だが上里勢力には”それ”がない」
ステイル「ある日、突然、唐突に。物語だっけ?……よく分からないが異能を与えられ、行使する立場へ放り込まれたわけだ」
ステイル「そして彼女たちを救い、その中心に居た少年に絶対の信頼と忠誠を尽くすと」
上条「……なんか、悪い話に聞こえるが……?」
ステイル「悪い話だからかな。そこに信念なんてないからね」
上条「いやいや。ないなんて事はないだろ」
ステイル「『上里勢力のためだったら何だってする。それこそ見ず知らずのバカな学生も簡単に殺す』んだろ?」
上条「バカって言ったか?俺の事バカって言ったか?」
ステイル「神裂――の場合、親同然の仲間達を捨て、こっちみたいなろくでなしの集団へ入った」
ステイル「それこそ一人で泣いて、悩んで、苦しんで――そんな”当たり前の道”を通ってきている」
上条「……」
ステイル「だから神裂は命の尊さを知ってる。そして必要とあらばそれを奪うのも……自分の手は穢さないが、選択はする、だろう」
ステイル「そして神裂だけじゃなく、他の魔術師は『覚悟』を決めている」
上条「……だな」
ステイル「しかし彼ら、彼女らには”それ”がない。あったとしても『たった一人の男の好かれるかどうか』かな?」
上条「それは別に……悪い事じゃないだろ!」
ステイル「そうだな……例えば、君が何か悪い事をしようとしたとしよう」
ステイル「その側に君が侍らせてる女友達が居たとして、彼女たちは止めに入るよね?」
上条「内容にも寄るんだろうが……まぁ俺が間違った道へ進むんだったら、ぶん殴ってでも止めてくれるな」
上条「……ありがたい事に」
ステイル「でも、きっと、上里勢力はそれがない。それをしない」
上条「え?」
ステイル「上里が『こう望んだ』とすれば、即座に勢力の人間達は叶えようとするだろう。どんな手を使ってでも」
上条「や、でもっ!」
ステイル「実際に殺されかかった救いようのないバカを僕は一人知ってるけどね」
上条「おい俺のレベル上げてんじゃねぇよ」
ステイル「……彼女らがまだ、修羅場をくぐり、現実に叩きのめされ、狂おしいほど苦悩した人間――で、あればまだ分かる」
ステイル「諫めるなり、曲解するなりして、命令に逆らう事があるだろう」
上条「……」
ステイル「あぁアレかい?なんて言ったのか、『盲目的に従う事が愛の証明』とばかりに従うんじゃないかな?」
ステイル「だって力を持つものの苦悩も、そこへ至るまで苦慮する事なく、一足飛びで強大な力を得たし」
上条「そんな事は」
ステイル「ないといいね――って言うかさ、君」
上条「なんだよ」
ステイル「上里勢力の愚痴を言いにきたんだろ?なのにどうしてそんな嫌そうな顔をしてるんだい?」
上条「上里は気に入らないが……被害者、だろ?む
上条「望んでもないのに、欲しいわけじゃなかったのに力を押しつけられただけの」
ステイル「そういう話だね。ホントかは知らないけど」
上条「だったら『被害者』だろ」
ステイル「そうだね。被害者”だった”のかも知れないね」
上条「うん……?」
ステイル「核弾頭を搭載したロボットが制御を失って人混みへ消えました。さて、どうする?」
上条「見つけてサインを貰う?」
ステイル「――っていう少数意見はさておくとして、普通は即回収か廃棄するんだよバカ野郎。ていうか今までの流れでよくそう思ったね?」
上条「いやぁ」
ステイル「誉めてないよ……まぁ何にせよ、『魔神』を倒した連中としてどこからも危険視されているのは間違いないんだ」
上条「上里なぁ……善良、じゃないが、女の子達にちょっかいかけなきゃ、まず問題はないと思うんだが」
ステイル「ボスは魔神殲滅を楽にこなす能力者で、取り巻きは聖人クラスがゴロゴロいると」
ステイル「そして精神は全員が全員、そこらの感受性の強い青少年レベルで、どう安心しろって……?」
上条「あ、あれ……?上里の愚痴を言いにきたのに、なんで俺が擁護する流れになってんだろ……?」
ステイル「君とはある意味似たもの同士だからね。異能の力を持って戦いへ放り込まれた系の」
ステイル「視点を変えれば、”彼の物語”を読む事が出来れば、それはそれで説得力もあったんだろうが」
上条「ステイル……」
ステイル「もう帰れよ」
上条「お茶の一杯ぐらい出しなさいよっ!?二言目には帰れ帰れって何様のつもりだっ!?」
ステイル「君と友好的な交友関係を結んだ憶えはないと何度言ったら――」
ローラ=スチュアート『ステーーーーーーール!スーーーーテーーーーイーーーールゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーっ!?』
ステイル「……」
上条「……なんか聞こえたな、つーかご指名だぞステイルさん」
ローラ『ステーーーーーーーーーーーーーイルっ!今日は非番なのは分かってるのことなのよっ!ステイル!』 ドンドンドンドンッ!!!
上条「――あ、ごめん。忙しいみたいだし、俺この辺でお暇しようかなって』
ステイル「――待て、今コーヒーでも炒れるから飲んで行きなよ、ねっ?」
上条「ヤダよコノヤロー!?どう考えてもトラブルの足音が聞こえてるじゃないっ!?」
ステイル「ていうかこの部屋の出入り口はドアしかないからね。もうドアの外の妖怪ババアを避けては通れないから」
上条「やだそれ怖い」
神裂『待って下さい最大主教!その格好は幾ら何でも問題があるでしょうっ!?』
ローラ『ほっほっほっ!神裂ともあろうものが異な事を言うたりけるのよなぁ!何を根拠にはべるぬのか!』
ローラ『このな、”ドン○”で注文したのよ!なんとハロウィンに向けての勝負服と言わざりたり候の事なのよ!』
ローラ『”ハロウィン用仮装・小天狗”!由緒正しいオリエンタルなハロウィンよな!』
神裂『ハロウィン日本にありませんから!流行ったのもここ数年ですし!』
神裂『ていうかそのミニスカートは!生足をそこまで出していい聖職者は居ませんっ!』
ローラ『神裂と、お・そ・ろ・い☆』
神裂『ぶっ飛ばすぞこの野郎』
ローラ『キャーーーーーっ!?堕天使メイドが激おこかしりなのよーーーーーーーーーーっ!?』
上条「……なんか外、一周回って面白そうじゃね?」
ステイル「メイド好きには、まぁそうかも知れないね」
上条「あぁお前貧乳シスターにしか興味無いもん――待て待て待て待てっ!?魔女狩りの王出そうとすんな!?室内だぞっ!?」
ステイル「……死ねばいいよ、君は」
上条「ていうか外に出ても中に居ても生命の危機を感じるんだが――」
ガチャッ
上条・ステイル「「あ」」
ローラ「ご覧あれステイルっ!お前はようようバカにしたりけるが、これがヤボンのハロウィーンだと言――」
上条「……」
神裂「んなっ!?上条当麻っ!?どうしてここに――ハッ!?」
神裂「いや違うんですよ!この方は決して必要悪の教会の偉い人でありません!」
神裂「こんなハレンチな格好をした――そう、恥女なんですよ!」
ステイル「……ていうか神裂、君も似たりよったりな格好なんだけどね」
神裂「こ、これは、霊装です!そーゆー!」
上条「――なぁ」
ローラ「は、はい?」
上条「結婚してください」
神裂「なんでこの流れでプロポーズをっ!?」
ローラ「はいっ!」
ステイル「そして受けちゃったよ最高責任者がっ!?」
ローラ「――ふっ、これこそハロウィーンの奇跡であることなのよっ!」
『緊急企画 ハロウインの日ver2016』 −終−
ハロウィン緊急企画ではSSのシチュエーションを募集しています
【誰】が【誰の家】へお菓子を貰いに行く(orイタズラしに行く)かを明記すると、そのSSが出来るかも知れません
基本的な制限は以下の通りとなっております
・とある魔術の禁書目録のキャラクターのみ。含む新約・劇場版
・実家は地球圏内(火星バクテリアは対象外、不明な人物はこっちで適当に設定)
・多くてもトータルで10人(話)ぐらいなので、まぁ早い者勝ちでどうぞ
・募集期間は10月10日ぐらいまで
基本的に分かればオッケーです。例として、
【上条さん】が【フェンリルさんち】へ行く
みたいに。ではではご応募お待ちしています
キーンコーンカーンコーン……
上条「……」
青ピ「まいどっ!おおきにっ!どないでっかっ!」
青ピ「さぁさぁやって来ましたハロウィンっ!カボチャにゴーストにスケルトンっ!」
青ピ「昔一回『西洋のお盆』トシテ流行らせようとしたけども!箸にも棒にもかからんかった不遇なイベンツ!(巻き舌)」
青ピ「ていうか一部のお年寄りには『カボチャをくり抜いて遊ぶ日』としか認知されてない謎の日ですやんか!」
青ピ「それが……あぁ、それがっ!なんかこうそれっぽい事をテレビやアニメで見た世代が真に受けて半世紀!雌伏の時は終った!」
青ピ「今じゃ首都圏近郊で堂々とお嬢様がたがコスプレする一大イベントへ早変わりっ!いやぁ時代っちゅーうんは変りますなぁっ!」
青ピ「『ねぇハロウィンって本当はなんのイベントか知ってる?』ってぇヤボな話はいいっこなしやで!楽しんだモノ勝ちっちゅーやつや!」
青ピ「どうせ本場でも誰も知らんかったし!ディズニ×の影響力はハンパ無いでんな!」
(※実話です)
青ピ「なので!今こぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉそっ!溜めに溜めていたボクらも羽ばたく時やっ!華麗にバッサバッサと!」
上条「ごめん、そういうのいいから」
青ピ「ドッサドッサと?」
上条「オノマトペに不満があんじゃねぇよ。ていうか雪かきか」
青ピ「おーやおやカミやんどうしたんでっか?なんや今日は、つーか今日もご機嫌斜めさんでっかー?」
上条「いやぁ……そういうんじゃないんだけども、世の中の無常っていうか、こう残酷だよねって思ってさ」
青ピ「なになに?なんや感動するアニメでも見たん?」
上条「あー……まぁそれに近いかもなぁ」
青ピ「ちょっとお兄さんに言うてみぃよ、うん?恋の相談からストーカーの相談まで幅広くやっとるよ?」
上条「恋と犯罪を並べんな。離せ離せ」
青ピ「どっちも追いかける――やん?」 キリッ
上条「否定はしないがご時世的に拙い――で、映画の話なんだけど」
青ピ「や、あんね?それよかハロウィン企画っちゅーんが……」
上条「俺にとっては大切なんだよっ!ハロウィンなんかよりもずっとなっ!」
青ピ「まぁ聞くけどもやね」
上条「映画ん中でさ、世界全体を敵に回した男が居たんだ」
上条「日本を巻き込んでやらかしたらしく、クラスメイトも散々な目に遭う訳で」
青ピ「あー聞いた事あんなぁそのシチュ。タイトル何やったっけ?」
上条「主人公がクラスメイトに会ったらば問答無用で攻撃されるんだけど……」
青ピ「なんやって!?そんな友達がいのない奴やないのっ!?」
上条「いやそれお前……」
青ピ「ボクがその友達やったら!そして主人公クンと友情結んどったらそんな事無いのにっ!」
上条「……まぁ、実際はともかくとして、そのークラスメイトの気持ちは分かるんだよ」
上条「なんかこうしっちゃかめっちゃかにして、色んな人に迷惑かけて、たかがクラスメイトなら刺そうとして当然っていうか」
青ピ「そんなないわー、それホントに友達ちゃうかったんちゃまいすのん?」
青ピ「マブやったらそんな無碍な扱いしませんて!いやマジで!」
上条「さっきから本音をゲロってありがとう……ま、それは仕方がないと思うし、映画の話だから突っ込むのは止めよう」
上条「……たださぁ?中学時代からつるんできたのに、ポッと出の相手に籠絡されるってどうよ?」
青ピ「……ボクには、何の話か分かりませんなぁ……?」
上条「折角クラスメイトとして!小萌先生の生徒として八ヶ月一緒にやって来たのに!」
青ピ「や、でもカミやん欠席多いし……」
上条「……」
青ピ「ていうか小萌センセに迷惑かけとぉからKKK(可愛い可愛い小萌きゅん)親衛隊から敵扱いされとるし?」
上条「……」
青ピ「ついでに失踪中の土御門と合わしぃの、『アイツらでマジ何なの?小萌先生の敵じゃね?』みたいな?」
上条「――知ってた!やっぱりお前は俺の友達だなっ!」
青ピ「ていうかショッパイ罠仕掛けて調子ぶっこいてた割りにはアッサリやられよるし!」
上条「えーっと……あんまりそこは、なっ?上里君まだこっちの流儀に慣れてないだけだから!」
上条「『調子ぶっこく=負けフラグ』って話に!
青ピ「それはさておき、上里君のオトモダチの子ぉ紹介してくれへんかな?」
上条「アイツらだけは、やめとけ?キャラがブレないお前の姿勢は評価するが、ムリゲー過ぎるから」
青ピ「困難があってこその――愛やん……ッ!!!?」
上条「それシチュエーションに酔ってるだけじゃねぇかな……」
青ピ「てゆーかでっせ!ボクは薄情ォォォォォォォォォォォォォォォォッなっ!クラスメイトの中でも友好的な態度でしたやんっ!?」
上条「まぁな!確かにそん中でもお前は庇ってくれた方だよ!ありがとうなっチクショウッ!」
青ピ「まぁ確かに?『孤立してるカミやんに手ぇ差し伸べて好感度アップ!』とはちょっと思ぉとぉたけど!」
上条「ほーら打算じゃないですかーやだー」
青ピ「いやぁカミやん、それは違いまっせ?いやぁ」
上条「違ってねーだろ」
青ピ「打算言わはりますけど、むしろ逆に打算のないお付き合いなんてあるのかとボクは問いたい!切に!」
上条「まぁ……言わんとする事は分かるが」
青ピ「人類70億を敵に回してフィギュア一個を選んだ変態もいるんやでっ!!!」
上条「ごめん、やっぱ分かんなかった。てかそれもしかして俺の事Disってんか?あぁ?」
青ピ「分かる!分かるで!『アポなしギャルズオリンポ○』でかないみ○さんのニ○にハァハァした世代は!」
上条「セガサター○のゲーム、しかも超ドマイナーな召喚バトルの話をされても……」
青ピ「ヒロインが実妹、しかも一部声優のwikiから外されてる伝説のゲームですやんっ!」
上条「知り合いのメル友がドラマCD持ってて、貴重なのにプレミア価格がついてないって時点でもう、うん」
青ピ「――じゃあ、カミやんっ!下乳魔神を助ける時!打算はなかったんですっかぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
上条「ないけど」
青ピ「やんなっ!ボクもやねっ!」
上条「どっかのラジオのイエスマン構成作家みたいな返しはやめろ」
青ピ「そこに性欲はなかったんでっか!?」
上条「ない――よ?うん、ないな、ないない」
青ピ「ちょっと触ったりは?」
上条「ちょっとだけ、まぁ事故みたいな感じで?」
青ピ「……」
上条「……」
青ピ「――よし、死ね!」
上条「友達に向かって言う言葉じゃねぇだろ!?」
青ピ「カミやんを凹ませたら上里君が女の子紹介してくれるって!」
上条「それ多分ホントの意味での『紹介』だと思うぞ?あの子らは……うーん……?」
――ロンドン
上条「ステえもーーーんっ!上里君が虐めるんだよっ!」
ステイル「帰れよ、そしてもっと虐められればいいさ」
上条「お前酷くない?わざわざイギリスまで来てんのに?」
ステイル「……お互いに友好的な関係じゃないのは今更だけど……せめてあの子を連れてくるとか、そういう配慮をだね」
上条「そんな事よりっ!聞いてよステえもん!」
ステイル「なんだい、君が凹む話は僕も好きだし、聞だけとは聞くが――」
ステイル「――あの『上里勢力』の話なんだよね、察するにさ」
上条「あぁ知ってたんだ?」
ステイル「知らないと思う方がどうかしているよ。あれだけの巨大勢力、しかも隠そうとすらしないだなんて、ね」
上条「どう、思う?」
ステイル「早く帰れよ」
上条「違げーよ!俺の話じゃねーよ!」
ステイル「上里勢力については馬鹿げている、かな。まぁ回りもそんな感じだし」
上条「バカげている?」
ステイル「力もそうだし、存在そのものがまず、そうだね。魔神集団を葬れる時点でどうかしている」
上条「……神裂ぐらいの力持ったヤツも居るしなぁ……科学と魔術がミックスしてるし」
ステイル「ある意味グレムリンよりもタチが悪い。そして始末に負えない」
上条「ってのは?」
ステイル「僕――じゃなく、神裂の場合、そう神裂の場合だけどさ。彼女は”あそこ”へ行くまでに様々な経験をしたよね?」
上条「どこ?あそこってのは?」
ステイル「聖人になって、イギリス清教の一員になるまでの話さ」
上条「……大体は建宮から聞いてる」
ステイル「善し悪しは横へ置くとして、彼女は人生を通して経験し、その場所にいるわけだよ」
ステイル「持ちすぎた力を誇ったり、逆に挫折をしたり」
上条「あんま神裂が誇るのは想像出来ないが……で?それが?」
ステイル「その結果『不殺』で『救いを求めるものには救いの手を』という信念が着いたわけだ」
ステイル「……ま、『必要悪の教会』としちゃ生きづらいかもだが、それは立派な信念だね」
上条「珍しく誉めるな」
ステイル「だが上里勢力には”それ”がない」
ステイル「ある日、突然、唐突に。物語だっけ?……よく分からないが異能を与えられ、行使する立場へ放り込まれたわけだ」
ステイル「そして彼女たちを救い、その中心に居た少年に絶対の信頼と忠誠を尽くすと」
上条「……なんか、悪い話に聞こえるが……?」
ステイル「悪い話だからかな。そこに信念なんてないからね」
上条「いやいや。ないなんて事はないだろ」
ステイル「『上里勢力のためだったら何だってする。それこそ見ず知らずのバカな学生も簡単に殺す』んだろ?」
上条「バカって言ったか?俺の事バカって言ったか?」
ステイル「神裂――の場合、親同然の仲間達を捨て、こっちみたいなろくでなしの集団へ入った」
ステイル「それこそ一人で泣いて、悩んで、苦しんで――そんな”当たり前の道”を通ってきている」
上条「……」
ステイル「だから神裂は命の尊さを知ってる。そして必要とあらばそれを奪うのも……自分の手は穢さないが、選択はする、だろう」
ステイル「そして神裂だけじゃなく、他の魔術師は『覚悟』を決めている」
上条「……だな」
ステイル「しかし彼ら、彼女らには”それ”がない。あったとしても『たった一人の男の好かれるかどうか』かな?」
上条「それは別に……悪い事じゃないだろ!」
ステイル「そうだな……例えば、君が何か悪い事をしようとしたとしよう」
ステイル「その側に君が侍らせてる女友達が居たとして、彼女たちは止めに入るよね?」
上条「内容にも寄るんだろうが……まぁ俺が間違った道へ進むんだったら、ぶん殴ってでも止めてくれるな」
上条「……ありがたい事に」
ステイル「でも、きっと、上里勢力はそれがない。それをしない」
上条「え?」
ステイル「上里が『こう望んだ』とすれば、即座に勢力の人間達は叶えようとするだろう。どんな手を使ってでも」
上条「や、でもっ!」
ステイル「実際に殺されかかった救いようのないバカを僕は一人知ってるけどね」
上条「おい俺のレベル上げてんじゃねぇよ」
ステイル「……彼女らがまだ、修羅場をくぐり、現実に叩きのめされ、狂おしいほど苦悩した人間――で、あればまだ分かる」
ステイル「諫めるなり、曲解するなりして、命令に逆らう事があるだろう」
上条「……」
ステイル「あぁアレかい?なんて言ったのか、『盲目的に従う事が愛の証明』とばかりに従うんじゃないかな?」
ステイル「だって力を持つものの苦悩も、そこへ至るまで苦慮する事なく、一足飛びで強大な力を得たし」
上条「そんな事は」
ステイル「ないといいね――って言うかさ、君」
上条「なんだよ」
ステイル「上里勢力の愚痴を言いにきたんだろ?なのにどうしてそんな嫌そうな顔をしてるんだい?」
上条「上里は気に入らないが……被害者、だろ?む
上条「望んでもないのに、欲しいわけじゃなかったのに力を押しつけられただけの」
ステイル「そういう話だね。ホントかは知らないけど」
上条「だったら『被害者』だろ」
ステイル「そうだね。被害者”だった”のかも知れないね」
上条「うん……?」
ステイル「核弾頭を搭載したロボットが制御を失って人混みへ消えました。さて、どうする?」
上条「見つけてサインを貰う?」
ステイル「――っていう少数意見はさておくとして、普通は即回収か廃棄するんだよバカ野郎。ていうか今までの流れでよくそう思ったね?」
上条「いやぁ」
ステイル「誉めてないよ……まぁ何にせよ、『魔神』を倒した連中としてどこからも危険視されているのは間違いないんだ」
上条「上里なぁ……善良、じゃないが、女の子達にちょっかいかけなきゃ、まず問題はないと思うんだが」
ステイル「ボスは魔神殲滅を楽にこなす能力者で、取り巻きは聖人クラスがゴロゴロいると」
ステイル「そして精神は全員が全員、そこらの感受性の強い青少年レベルで、どう安心しろって……?」
上条「あ、あれ……?上里の愚痴を言いにきたのに、なんで俺が擁護する流れになってんだろ……?」
ステイル「君とはある意味似たもの同士だからね。異能の力を持って戦いへ放り込まれた系の」
ステイル「視点を変えれば、”彼の物語”を読む事が出来れば、それはそれで説得力もあったんだろうが」
上条「ステイル……」
ステイル「もう帰れよ」
上条「お茶の一杯ぐらい出しなさいよっ!?二言目には帰れ帰れって何様のつもりだっ!?」
ステイル「君と友好的な交友関係を結んだ憶えはないと何度言ったら――」
ローラ=スチュアート『ステーーーーーーール!スーーーーテーーーーイーーーールゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーっ!?』
ステイル「……」
上条「……なんか聞こえたな、つーかご指名だぞステイルさん」
ローラ『ステーーーーーーーーーーーーーイルっ!今日は非番なのは分かってるのことなのよっ!ステイル!』 ドンドンドンドンッ!!!
上条「――あ、ごめん。忙しいみたいだし、俺この辺でお暇しようかなって』
ステイル「――待て、今コーヒーでも炒れるから飲んで行きなよ、ねっ?」
上条「ヤダよコノヤロー!?どう考えてもトラブルの足音が聞こえてるじゃないっ!?」
ステイル「ていうかこの部屋の出入り口はドアしかないからね。もうドアの外の妖怪ババアを避けては通れないから」
上条「やだそれ怖い」
神裂『待って下さい最大主教!その格好は幾ら何でも問題があるでしょうっ!?』
ローラ『ほっほっほっ!神裂ともあろうものが異な事を言うたりけるのよなぁ!何を根拠にはべるぬのか!』
ローラ『このな、”ドン○”で注文したのよ!なんとハロウィンに向けての勝負服と言わざりたり候の事なのよ!』
ローラ『”ハロウィン用仮装・小天狗”!由緒正しいオリエンタルなハロウィンよな!』
神裂『ハロウィン日本にありませんから!流行ったのもここ数年ですし!』
神裂『ていうかそのミニスカートは!生足をそこまで出していい聖職者は居ませんっ!』
ローラ『神裂と、お・そ・ろ・い☆』
神裂『ぶっ飛ばすぞこの野郎』
ローラ『キャーーーーーっ!?堕天使メイドが激おこかしりなのよーーーーーーーーーーっ!?』
上条「……なんか外、一周回って面白そうじゃね?」
ステイル「メイド好きには、まぁそうかも知れないね」
上条「あぁお前貧乳シスターにしか興味無いもん――待て待て待て待てっ!?魔女狩りの王出そうとすんな!?室内だぞっ!?」
ステイル「……死ねばいいよ、君は」
上条「ていうか外に出ても中に居ても生命の危機を感じるんだが――」
ガチャッ
上条・ステイル「「あ」」
ローラ「ご覧あれステイルっ!お前はようようバカにしたりけるが、これがヤボンのハロウィーンだと言――」
上条「……」
神裂「んなっ!?上条当麻っ!?どうしてここに――ハッ!?」
神裂「いや違うんですよ!この方は決して必要悪の教会の偉い人でありません!」
神裂「こんなハレンチな格好をした――そう、恥女なんですよ!」
ステイル「……ていうか神裂、君も似たりよったりな格好なんだけどね」
神裂「こ、これは、霊装です!そーゆー!」
上条「――なぁ」
ローラ「は、はい?」
上条「結婚してください」
神裂「なんでこの流れでプロポーズをっ!?」
ローラ「はいっ!」
ステイル「そして受けちゃったよ最高責任者がっ!?」
ローラ「――ふっ、これこそハロウィーンの奇跡であることなのよっ!」
『緊急企画 ハロウインの日ver2016』 −終−
ハロウィン緊急企画ではSSのシチュエーションを募集しています
【誰】が【誰の家】へお菓子を貰いに行く(orイタズラしに行く)かを明記すると、そのSSが出来るかも知れません
基本的な制限は以下の通りとなっております
・とある魔術の禁書目録のキャラクターのみ。含む新約・劇場版
・実家は地球圏内(火星バクテリアは対象外、不明な人物はこっちで適当に設定)
・多くてもトータルで10人(話)ぐらいなので、まぁ早い者勝ちでどうぞ
・募集期間は10月10日ぐらいまで
基本的に分かればオッケーです。例として、
【上条さん】が【フェンリルさんち】へ行く
みたいに。ではではご応募お待ちしています