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Clock(trial)

絹旗「――『ARISAvs戦慄のサメ軍団』……ッ!!!」 〜B級サメ映画の世界 〜

 
――オービット・ポータル芸能事務所

マネージャー「――お疲れ様ですARISAさん。前回のドラマの反響は凄かったですよ」

鳴護「あぁはい、良かったんだったらいいんですけど……」

マネージャー「えぇポジティブな反応が8でネガティブな反応が2。これは中々ない数字です」

鳴護「数字を言われても、ちょっと実感ないんですけど……具体的にはどんな感じで?」

マネージャー「はい、こちらの公式掲示板では『ARISA可愛かったー』と」

鳴護「あぁ……ですね。恥ずかしいような、あんなのを見せて申し訳ないような」

マネージャー「褒め言葉ですし、ファンの方は満足されているのですから成功ですよ」

鳴護「ありがたいですけどね。で、他には?」

マネージャー「えっ?」

鳴護「いや、『えっ?』ってなんでですか、えって。他にも『演技もう少し頑張って!』とかあるんじゃないんですか?」

マネージャー「あぁ、他にですか、他――これですね、『ARISA可愛い』とか、『ARISA可愛いよね』というようなものが」

鳴護「いや知ってます。今聞いたばかりじゃないですか、他に何かこう中身に関するご感想的なのは……?」

マネージャー「ないですね」

鳴護「なんでですかっ!?ウチのファンの子達はもっとこう、他にダメ出しとかしなかったんですか!?」

マネージャー「絹旗監督が仰っていたように、基本『ARISAを全肯定する人』しか見てないですし、書き込みに関しても同じようなものでして……」

マネージャー「文句や批判もあるでしょうが、そういう方はわざわざオフィシャルの掲示板まで来られませんし」

鳴護「あー確かに――じゃなく、否定的な意見が2割ってさっき」

マネージャー「……見ます?気を落されても自分のせいではないですからね?」

鳴護「いや見ますよ。中傷だったら嫌ですけど、『演技が下手だね!』みたいに言われてもそうだとしか言えないですし」

ピッ

ピンク髪の名無し1【男邪魔。イラネ】

ピンク髪の名無し2【なんか見切れてるんだけど、編集するの大変なんだよなぁ】

ピンク髪の名無し3【円盤ではモザイク入れてくんねーかな】

ピンク髪の名無し4【いやこれはこれでオイシイ。最後のシーンはラミカにしてバラまいて黒歴史にすべき】

鳴護「全部当麻君へ対する批判だったよ!?2割ってそういう意味で!?」

マネージャー「あくまでも結果的にですが、上条さんが泥を被ってくださったお陰でARISAさんのイメージが悪くならないという事に」

鳴護「……ていうか気になってたんですけど、なんでウチの事務所はあの監督さんのお仕事を受けるんですか?どう考えてもコンセプトからしておかしいですよね?」

マネージャー「面白――ではなく!以前の仕事で交流があったようななかったような方ですので、少しばかり借りがあると言いますか」

鳴護「それは事務所であってあたしではないですよね?あたしが返済する必要性はないですよね?」

マネージャー「――はい、っていう訳でね!ARISAさんには映画のオファーがまた来ましたよ、おめでとうございます!」

鳴護「どうまたあの監督ですよね?なんかもう心霊現象かっていうぐらいへばり憑いてますよね?除霊しませんか、闇咲さんってプロの方から名刺もらったんで」

マネージャー「やだなーARISAさん、オバケや幽霊なんていないんですよ?」

鳴護「あたしの存在を否定するのはやめてください。しかいせん?とかなんとか言われてるんですから」

マネージャー「どうしても嫌ですか?であればお断りもできますが」

鳴護「……はい、できればそうしていただけると。あたしのアイドル人生へこれ以上汚点を残すわけには……」

鳴護「あぁいやアイドル違いますけどねっ!シンガーでソングライターですけどもねっ!」

マネージャー「分かりました。では上条さん一人の出演になりますね、先様にはそう伝えておきます」

鳴護「なんで?なんで当麻君があたしを差し置いて映画に出るの?」

マネージャー「相手役っていいますか、あ、前回犯人役やりましたでしょう?」

鳴護「『実は瀕死のまま倒れていた被害者にそげぶした張本人』ってしょーもない役でしたよね」

マネージャー「その演技を絹旗監督が非常に気に入られまして」

鳴護「なんで?最後の最後で『俺も時代に踊らされた一人なのさ』的な事言ってしましたけど、衝動的にやったって話ですよね?」

マネージャー「そうですか?自分の拝見しましたけど、中々リアリティがあって良い演技だったと思いますよ」

鳴護「そう、かな?」

マネージャー「はい。まるで本当に垣根さんへ殺意を抱いていると錯覚させるような、堂に入ったものだったかと」

鳴護「うんそれ素かなー。主人公として見せちゃいけない一面見せちゃったのかなー」

マネージャー「ですので上条さんも我が事務所の一員として、ARISAさんと共に若手のツートップとしてやっていきたいと思います」

鳴護「一人だけですよね?芸能部門っていうか、ほぼあたしの個人事務所ですよね?」

マネージャー「だけでは『部隊』を維持できませんので、アクティブな警備員のようなお仕事もさせてもらっていますよ」

鳴護「いやそこ深くは聞かないけど……あーそっか、当麻君やる気なんだ?どうしよっかなー?」

マネージャー「なお社長にはコワイので事後報告する予定です。名実共に定着したのち、『今更契約解除もできないですよね』という方向で」

鳴護「お姉ちゃんどうして当麻君に当りが強いんだろう……?」

マネージャー「たった一人の肉親ですからねぇ。近づく異性を警戒しているのかと」

鳴護「当麻君が出るんだったらあたしも出た――い、けど!前回みたいなグダグダにはなりたくいなんですよ!前回みたいなね!」

マネージャー「えぇまぁまるでオチを用意せず、タイトルだけ先に決め、見切り発車で始まったかのような企画でしたからね」

鳴護「なのでもう少し!映画に関する情報をください!阪大材料にしたいと思います!」

マネージャー「自分も詳しくは、というかほぼ全く知らされていないのですが、ジャンルはドキュメンタリーとか」

鳴護「えー……」

マネージャー「ご存じでない?」

鳴護「いや知ってますけど。夜中にやってますよね、孤児院訪ねたり家出してる女の子からお話聞いたり、って感じの」

マネージャー「上条さんを相手役にご指名されたんですから、まぁアレじゃないですかね?この間の『奇跡』で助かった話を聞かれるとか?」

鳴護「えー、もうかなり前の話ですけど。今更ですか?」

マネージャー「お二人の接点があり、かつドキュメンタリーといえばそれぐらいじゃないでしょうか」

鳴護「……ていいますか、”相手役”?その情報小出しにするにどうかなって思うんですけど、どういう意味です?」

マネージャー「あぁすいません、そういう意図はなかったのですが、主役としてオファーいただいたのがARISAさんで。その相方といいますか、準主役的な立ち位置だそうです」

鳴護「あ、だから当麻君単独でも採用されるんですねー……うーん」

マネージャー「まぁARISAさんが出演されなくても、きっと別の方が代役として出られると思いますので」

鳴護「……なんか当麻君と他の女の子が、ってのは嫌かなー。でもうーん、どうしよ」

マネージャー「まぁ自分の意見はこれ自体が監督の罠――」

鳴護「――わっかりました!当麻君と一緒なら万が一もないでしょうし引き受けます!」

マネージャー「……とは、思うのですが。まぁARISAさんがお決めになった事ですので」

鳴護「で、前回の続きなら山奥の旅館でロケですか?それとも学園都市なら近場で済ませる感じで?」

マネージャー「ではなく、海岸でのロケらしいですね。最近暑いから丁度いいかもしれません」

鳴護「……念のために水着持参した方がいいですよね?泳ぐ用じゃなくトンデモ衣装を用意されたときのためにも」

マネージャー「あぁ……立派に成長しましたねARISAさん。純真無垢だった方がすっかり人を疑うようになって」

鳴護「できればピュアままが良かったですけどね!中々そうもいっていられない環境だったもんで!」



――とある海岸近くのペントハウス ロケ当日

絹旗「クソゲーinエロゲ×板超あるある――『執拗にチーズを買いに行こうとする』」

鳴護「なんて?てゆうかなんで監督開幕直後から超必殺技撃ってるんですか?」

絹旗「スタッフの皆さんの緊張を解くために、超軽めのギャグをですね」

鳴護「ちょっと意味も必要性も分からないですけども」

絹旗「今の一言で特定界隈は超どっかんどっかん湧いてんですよ!?『あぁ知能が空(から)の子ね!わかるわかる!』と!」

鳴護「と、意味不明の供述をしており警察は引き続き動機を探っている模様です」

絹旗「『アンインストールしたらHDDも超クラッシュする』」

鳴護「ですから監督?もう少しこう業界の話をするにもしても、こちらへ寄せては頂けないでしょうか?」

絹旗「『ある日出社したらシナリオライターと原画家が超バックレて借金だけが超残った』」

鳴護「業界のカテゴリー違いますよ監督?あたしが言ったのはせめて映画か放送関係でってことであり、なんで制作側に立場変ったんですか?」

鳴護「というか当麻君は!?前回もチラッと思ったけど、と当麻君がいるのにあたしの突っ込みの負担具合が重いと思うな!?」

絹旗「えぇ彼でしたら超スタンバってますよ。見てください!海岸線を!」

……デーデン、デーデン……

鳴護「誰かなジョー○のBGM流したの?撮影でもないのにどうして流そうと思ったの!?」

デデデデデデデーン、デーデン……!!

鳴護「――ってあれっ!?サメの背ヒレじゃないの!?こんな波打ち際まで来てて危ないよ!通報しないと!」

ザパーン、ザザパーン!!!

上条「……」 ヌルッ


※参考画像→



鳴護・絹旗「……」

上条「もう殺せよ。殺してくれよ」

鳴護「待って当麻君!あたしもちゃちな作りの背ビレ見たとき『あ、これ無理にでも盛り上げないとダメなヤツだ!』って頑張ったんだから!当麻君も負けちゃダメだよ!」

上条「おかしいよ監督!これ渡されたときに『サメヘッド』って言われたんだけど、これただの尾びれついてる帽子だろ!?ヘッドですらねぇんだよ!?」

上条「いや俺もね!?頑張るよ!頑張りたいよ!でも撮影初日でこの帽子渡されたら誰だって心折れそうになるだろ!?」

絹旗「ちなみに中等部で使ってる水泳用帽子をベースにしてあります。超リーズナブルな工作ですよね」

上条「だから出オチなんだよ!先週の二時間ドラマもそうだったけど、最初がピークで後はただ下がってるだけだろうが!」

絹旗「まぁ取り敢えず室内へ超どうぞ。今から企画を詰めちゃいますから」

鳴護「詰めてないのに呼ばれたの?そんなデリバリー感覚で人を呼んでもいいのかな?」



――室内

絹旗「『ユウ○ハリケーンで脳髄にダメージを与えてくる』」

上条「だからエロゲ○の話はいいんだよ!今回の企画にまるっきり関係ねぇだろ!?」

絹旗「いえ、危なかったですよ?下手をすればARISAがエロゲ○製作のスタッフ体験になるところでしたから」

鳴護「エッチなのはちょっとアレだけど、普通のゲームだったら作ってみたい、かも?興味はあるよ、あるけど」

絹旗「えぇ難しくないですよ?『出社して最初にするのタイムカードを押すのではなく、自分以外のスタッフが逃げていないかを確認する』ですから」
(※という会社もありました)

上条「借金取りか」

絹旗「なお超一部の会社では履歴書に”実家の住所”という項目が……ッ!!!」
(※という会社もありました)

鳴護「怖いですよね?それもうちょっとJホラーよりも恐怖じゃないですか?」

絹旗「あぁいえ追い込みをかけるのではなく、超逃げ出したときによく向うのが実家なので……」

上条「逃げるってどういう仕事させてんの?一応オフィスワークなのに逃げ出すのってよくあるの?」

絹旗「そんな業界に嘘でもアイドルをお招きするのは超どうかと思いまして、今日は映画撮影となりました!超良かったですね!」

鳴護「五十歩百歩かなー。それとこのままだとその企画にも無理矢理出演させられそうな予感が」

上条「てかここ数ヶ月魔術と科学が出会ってないな!いやまぁ最初っからそうっちゃそうたけど!」

鳴護「なんて自分へ帰ってくるツッコミ」

絹旗「まぁともあれ主演のARISAさんとある意味主役の上条さん、こちらからのオファーを超受けてくださってありがとうございます」

鳴護「うん……あたし以外の子が被害に遭うよりは、まだ慣れてる方が良いかなって」

絹旗「その他のスタッフの皆さんも、こんな早く再集結出来るとは思いもしませんでした。なので私から一言ご挨拶を」

絹旗「――福井青春物○についてですが」

上条「なんでだよ監督。せめて映画撮るっつってんだから映画の話しろや!」

絹旗「ですから映画ですけど、福井青春物○。超ご存知ではない?」

上条「そこそこ見るけど俺は知らない。アリサは?」

鳴護「福井の話なんだよね?知らないかなぁ、ってゆうか監督が話のネタにするってことは」

絹旗「超カルト映画です」

鳴護「ですよねー」

上条「タイトルだけ聞くとご当地映画ぽい。地元の地域振興かなんかで撮りましたー、的な?」

鳴護「えぇまぁその面もあります。監督の方がインディーズながらその筋ではある意味で超有名ですから」

上条「”その筋”で”ある意味”って……」

絹旗「内容は『映画監督がスランプになったらタイムスリップして高校生時代へ戻り、やり直そうとして失敗。現代へ戻ったら凄い脚本が書けちゃったよ』、というものです」

上条「監督監督。一つ一つの要素が重すぎてジワジワと効いてきます」

絹旗「あまり具体的に書いてしまうと、私ですら泣いてしまうので超控えたいと思います」

鳴護「自主製作の映画なんですか?」

絹旗「総制作費が約30万円だったらしいので、まぁそうですね。『名前は出て来ないが顔は超絶対に知っている』ぐらいのレベルの役者さんが出ています」

上条「てゆうか監督が誉めるってことは、やっぱり?」

絹旗「ポジティブに言えば日本公共広告機○のスベった啓発CMを見ている方が超マシ、ですかね」

上条「あれポジティブってそんなにダークな意味ってあったんだ?知らなかったわー」

絹旗「この映画を超誉めるとすれば、『普通の映画は80分から100分ぐらいの上映時間なのに、この作品は53分と地球に優しい』」

絹旗「もしくは『刑事が取調室でこの映画を流したら、レクタ○博士も30分で”なんでも話すから助けてよクラリ○!”』と言い出すレベル」

鳴護「いつも思うんだけど、監督は深く深く刺してくるよね?次から次へと独創的な罵倒の言葉を拾ってきますよね?」

絹旗「まぁ俳優さんのレベルは全体的に悪くはないんです。超普通かそれ以上ぐらいで」

上条「脚本から謎の地雷臭がするけど、それを除けば普通ってぽくないか?ツタ○の隅っこの方に置いてありそうな感じ」

絹旗「撮影企画も実質3日、そしてこの作品は監督の超デビュー作だったので、まぁ最初はこんなもんか、といえなくもないんですが」

絹旗「それどころか資金も低めで早撮りですから、その点だけを見れば優秀な監督だと言っても超過言ではないです」

鳴護「あ、じゃあ次作は評判良かったとか?だから相対的にカルト映画って言われてるみたいな?」

上条「あー、あるよなそういうの。有名な監督が昔イマイチなの撮ってたって」
(※清水○監督の「もうひとりい○」。全体的に残念)

絹旗「……いいえ、超残念ですがその監督が撮ったのはその映画一本ですので……」

上条「……ごめん。事故かなんかで亡くなったのか?」

絹旗「いえ、児童買春法違反でこの業界からお無くなりに」
(※実話です)

上条「なんっっっっっっっっっっっっっっっでだよ!?なんでその監督シモへ走ってんだよ!?アホか!?」

絹旗「ちなみに超容疑は淫行なのですが、それも『終わった後に監督が援交代(3万)を支払わなかった』というね……ッ!!!」
(※しっかり新聞に載りました)

上条「なにそれ超面白い」

絹旗「ちなみに監督ご自身はプロモ超頑張っていたらしく、渋谷・名古屋・岐阜などの映画館と話をつけて上映もしましたし、ご当地のケーブルテレビや中学校でも流しました」

絹旗「しかしながら監督自ら3万円を超ケチったばかりに全てが水泡と超消えました。今までご声援どうもありがとうございました」

鳴護「絹旗監督、コメントに困ります。てゆうか話を聞いただけなのに損をした気分です」

絹旗「なおその監督は名前を変え、書道家として全国を超さすらっているそうです。見たら『3万3万』と言うと超逃げていくという噂が」

上条「都市伝説か。まぁある意味それに近い……?」

鳴護「その監督さんの地元も福岡なんだろうけど、だからこそ帰れなくなったろうしね……」

絹旗「――と、いった具合にですよ!我らが映画界は地獄よりも複雑怪奇、超ネタの宝庫なのです!」
(※ある意味#metooの先駆けです)

絹旗「実はその監督に関してはもう一ネタあったんですが、私ですら超泣きそうになったのでここでは話せません!」

上条「気をつけろ!この監督が言うんだから相当だぞ!絶対にググるんじゃないぞ!絶対だからな!」

鳴護「多分カルトなネタだから出て来ない、よね?WEBの世界でさらし者になってないよね?」

絹旗「なので!今回ARISAさんが超戦ってもらうのは――サメ、です……ッ!!!」

鳴護「嫌です。戦わないです」

上条「それ以前に『なんで?』とか思わないんですか監督。漁師のおっちゃんならともかく、アイドルがどうしてサメと戦うんですか?」

絹旗「いやー、これには深い超事情がありましてね?私は決して超乗り気ではなかったんですよ?ちょ、ぐらいでした」

上条「ほぼやりたがってますよね?」

絹旗「しかしながら!『サメ映画で一ネタやれ』との無茶振りが来ましたのでね!私は超本意ではないのですけど!」

鳴護「”やれ”とは一言もなかったような……」

絹旗「そして演者及びスタッフの皆さんに朗報があります!随分前にフレンダへ語ったような語らなかったような気がしないでもないですが!」

上条「あったなぁ。そんなの」

絹旗「あのときよりもサメ映画のストックは増えています……ッ!!!」
(※20本ぐらい見ました)

上条「なん、だと……!?」

絹旗「様々なサメ映画を見た私が!名場面をちょくちょくパクることによって最高のダメ映画もといサメ映画を作ろうと思います!」

上条「もう本音を隠さなくなったな。最初からだけど。だって邪悪なオーラがにじみ出ているもの」

絹旗「いいですか!B級映画を極めるということはサメ映画を極めると同義だといっても超過言ではありませんよ!?」

上条「だからなんでだよ。どこをどう抉らせたらその面白ロジックに行き着くんだよ」

絹旗「あぁ本当に超ご存じではない?サメ映画はB級映画のルーツとよんでも、まぁそれほど的外れではないんでんすよ」

鳴護「そうなんですか?」

絹旗「まずB級映画というのは昔は二本立てでしてね。AパートBパートと二本を続けて超上映してました」

絹旗「しかしながらAパートがメインであるのに対し、Bパートは尺稼ぎ、ぶっちゃけ予算もスタッフも超ショボイものを量産していまして」

絹旗「その結果超ショッパイ映画全般をB級映画と呼ばれるようになりました。最初はただのカテゴリー分けだったんですね」
(※諸説あります)

絹旗「とはいえそのお陰で、撮影する機会を得られたおかけで後の巨匠や大御所と呼ばれる人員も超育てられると」

上条「インディーズみたいな感じか?それに予算が付いたような」

絹旗「まぁスピルバーグの『ジョーズ』自体は制作費が1千万ドルですから、超最初からB級を作る目的ではなかったのですが」

鳴護「ダメじゃないですか監督」

絹旗「いえですが、彼の成功を受け、サメ映画が量産されたのは超間違いないんですよ」

鳴護「サメ映画って流行ったんですか?シリーズものになったんだよね?」

絹旗「本家のジョーズは、というか英語で”アゴ”は”jaws”ですので、アゴだしも超英語で言えば”ジョーズだし”になります」

上条「聞いてねぇよ。そのミニ知識聞いても披露する場所がない」

鳴護「というかトビウオは違う英語名だと思います」
(※flying fish)

絹旗「サメ映画が流行った理由――それは、適度な緊張感とエ×を入れられるからです……ッ!!!」
(※諸説あります)

上条「もう驚かないよ?いい加減俺たちもこなれてきたから、そのぐらいの話だろうなー、って予想できてたからさ」

鳴護「そして予想はしてたし、その範疇ではあるんだけど酷い答えだよねっ!」

絹旗「取り敢えず鮫の尾ビレをチラチラさせつつ、映画の舞台は基本浜辺なので水着を超大量に動員できます!それ以上何が必要かと!?」
(※諸説あります)

絹旗「しかも大抵同時上映の捨て映画のため、観客もストーリーなんか超気にしませんよ!ARISAさんの映画と同じです!」

鳴護「あれ?これってあたし怒っていいんだよね?」

絹旗「というか真面目な話、映画の黎明期って真面目でテーマ性が超高いものが多かったんですよ。戦争物であったり歴史物であったりしまして」

絹旗「しかしながら『B級映画っていうけど、超派手で分かりやすくて見やすいぜ!』と、今のハリウッドにありがちな娯楽性の強いものの原型でもあるんですねむ
(※諸説あります)

上条「まぁ分かるわ。暗いテーマよりもギャーギャー騒ぐインディージョーン○みたいな方が見てて楽しいし」

絹旗「それが高じてサメ映画はカルト的な人気を呼び、今じゃサメ映画ばっかり量産している映画会社も超あります。特にアメリカ」
(※Syf○)

上条「流石アメリカどうかしてるぜ!」

絹旗「なので今回の映画はARISAの水着姿を不必要に入れつつ、古今東西のダメサメ映画にスポットライトを超当てていこうかと」

鳴護「必要あるかな?あたしが肌色率を上げる要素って盛り込まないとダメかな?今21世紀の日本なんだけど」

絹旗「それでですね、全裸よりも恥ずかしい水着と周囲がドン引きする水着の超どっちがいいですか?」

鳴護「どっちも嫌です」

上条「――なぁARISA、誰だって仕事ってものにはプライドを持っていてだ。この仕事だからダメだとか、あの仕事ならいいとかそういう事じゃないんだ!」

鳴護「当麻君裏切るタイミングが早くなってきてるよ!?なんで説得しようとしてるのかなっ!?」



――Take01 浜辺のロッジ

鳴護『――わ、素敵なロッジですねー!表出たらすぐ海だなんて』

上条(イケメン役)『でしょう?今ちょっとシーズン外れてるし、場所も田舎だから安いんだよねー』

鳴護『まるで普通のプレハブみたいですけど、とても雰囲気があっていいですよねっ!』

上条(イケメン役)『あ、これビデオカメラ!良かったら使ってよ!他意は無いけど宿泊客のみんなにレンタルしてるから!』

鳴護『なんで?なんでここでカメラ勧めてくるの?』

上条(イケメン役)『旅の思い出作り、かな?まぁとにかくテレビと繋げれば見れるから!それじゃゆっくり楽しんでいってねっ!』

鳴護『はぁ、どうも』

ガチャッ

鳴護『……はぁ、なんか変なとこ来ちゃったな。まぁいいっか。着替えて泳いでこよう』

絹旗『ですね。ではカメラは私が超撮影しますので』

鳴護『……あの、監督?』

絹旗『はい?監督とは何の話でしょうか、私たちは一緒に海へ超遊びに来た友達ですけど?』

鳴護『これはこれで安心出来ない……!カメラの外だけてなく中にも敵が……!』

絹旗『超失礼な事言われていますが、まぁさっさと着替えて遊びに行きましょう?折角海へ来たんですから』

鳴護『そ、そうだねっ!せっかくだしね!』

絹旗『では私はカメラで着替える様を超つぶさに撮影してますので』
(※盛っていません)

鳴護『なんで?どこの世界に女友達の着替えを撮影する人がいるの?白井さんかな?』

絹旗『ちなみに窓際ギリギリで超どうぞ』
(※本当に盛っていません)

鳴護『特殊な癖(へき)の人なの?この映画作った人は人生を舐めているのかな?というかなんで?』



――浜辺

鳴護『わーっ、きれー……かな?』

絹旗『シーズンを間違ったらしく、もしくは撮影許可の関係で超灰色に見ますよね』

鳴護『そ、そんなことないよっ!真夏だからね!ちょっと寒めだけど!』

絹旗『ではカメラ役は私がしますので、可能な限り男性の劣情を超煽る感じで』

鳴護『遊びに来てるんですよね?なんでカメラを意識する必要があるんですか?』

絹旗『いやー超楽しかったですね!ではシャワーを浴びて戻りましょうか!』

鳴護『どういうこと?なにかこう伏線的なものを入れなくていいの?ただ水着になって遊んだけだよね?』

絹旗『ちなみにこの無駄なシーンは二回ほどリピートします。「あれ?巻き戻したかな?」と見てて思いました』
(※本当です)

鳴護『主題は?サメさんの出番はあるの?』



――ロッジ

鳴護『あー……今日は雨だねぇ。泳ぎに行きたかったのに残念だよ』

絹旗『でもないですよ、超見てくださいこれ』

鳴護『昨日借りたカメラだよね。てか主にあたしたちしか映ってないと思うんだけど』

絹旗『いえ、以前の観光客の動画が超残ってますよ。ほら』

鳴護『消さないかな?コンプラ的な意味でも普通は消したりしないのかな?』

絹旗『どいつもこいつも不自然に乳を超強調しやがって……ッ!!!』

鳴護『気持ちは分かるけど、そういう風に持って行ってるのって監督ですよね?自分で誘導してますもんね?』

絹旗『まぁARISAさんも時間があったらどうぞ。超暇潰しにはなるかも知れません』

鳴護『ならないかなー』



――浜辺

絹旗『ふー……浮き輪で浮かぶのは超楽しいですねー』

上条(サメ役)『……』 ザッパーーーン

鳴護『あ、サメの背ビレ――逃げて!?最愛ちゃん逃げてー!?』



――ロッジ

鳴護『――ふう、ビックリした。なーんだ夢か!』

鳴護『……まさかの夢オチ!?サメ映画なのに!?ここまでずっと背ビレしか出てないよ!』

鳴護『……ってあれ?最愛ちゃんは……いないのかな?どこいったんだろう?』

鳴護『あ、ビデオカメラ……もしかしてこの中に真実が……ッ!』

鳴護『なんで?なんで真実がカメラの中に入ってると思ったの?どういう根拠?』

カンペ【話が進まないので、ちゃちゃっと超見てください】

鳴護『理不尽な展開だけど!ここまでずっと薄着で浜辺ウロウロしてた記憶しかないけど!』

鳴護『一体このロッジに泊まった人には何があったの……ッ!?』



――ビデオカメラに残された映像

上条(イケメン役・カメラ片手に)『くくく……!』

フレンダ『きゃーいやー助けてー!?近寄らないでー!?』

上条(イケメン役・カメラ片手に)『くっくっくっ……ッ!』

ブスッ

フレンダ『出番、これ、だけって……訳……よ』 ガクッ



――ロッジ

鳴護『バカなのかな?なんで証拠の動画を宿泊客が泊まるカメラの中に残してるの?』

鳴護『ってゆうか女の殺すときにどうしてカメラ回してるのかな!?いやそういう人もいるけど!意味が分からないよね!』

カンペ【助けに行かないと】

鳴護『全力でノリツッコミしてる場合じゃないよ!こうしている間にも最愛ちゃんが危ない……ッ!!!』

鳴護『……』

鳴護『……危なくないよね?百歩譲って警察へお電話してからの話だよね?』


――浜辺

上条(イケメン役)『やっと二人きりになれたね』

絹旗『ですね。友達を残してくるの超大変だったんですよー。それで?用って何です?』

上条(イケメン役)『それはね――』 チャキッ

鳴護『逃げて最愛ちゃん!?当麻君は女殺しだよ!?』

上条(イケメン役)『脚本。脚本にそんなことあったか?人殺しって書いてあったけど、女殺しっては書いてなかったよね?』

絹旗『何言ってるんですかARISAさん!彼が超そんなことする訳ないじゃないですか!』

上条(イケメン役)『……』 スッ

鳴護『あたしじゃなくて後ろ!ナイフを持っ、て……』

絹旗『えっ?』 クルッ

上条(イケメン役)『おいおい、後ろに何がいるっていうん――』 クルッ

上条(サメ・二役)『サメーーーーーーーッ!!!』

鳴護・絹旗・上条(イケメン役)『ぎゃああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?』

カンペ【終わり】



――休憩中

絹旗「――はい、以上が『Jaws in Japa○』の超あらすじとなります」
(※ほぼ盛っていません)

上条「なんってだよ!?設定はガバガバだわ水着になる意味がねぇわ殺人鬼が人殺す理由は!?」

鳴護「あの……『観光客にレンタルしたビデオカメラの中に犯行記録が残っていた』って、その、正気を疑うガジェットだよね?何かの伏線なのかな?」

絹旗「おぉっと超食いつきがいいですねお二人とも!今のが日本のサメ映画の最底辺に君臨する珠玉のゴミです!出し惜しみしませんでしたからね!」
(※個人の感想です)

上条「てかどういう事!?サメってほぼ出てねぇのに三人ともラストで食われて終わりって!?」

鳴護「えっと……フォローすれば、男の人が殺した女の子がサメ幽霊になって、みたいな……?」

絹旗「えぇとでは順番に質問を受け付けます。超挙手制でお願いします」

上条「はい監督。ロッジのオーナーってなんで女の子殺してたの?動機は?」

絹旗「はい、他に超質問はありませんか?」

上条「答えろや!俺の質問に答えなさいよ!」

絹旗「どうせ同じ答えになるんですから、超溜めた方が効率的かと思いまして。ではARISAさんどうぞ」

鳴護「犯人さんがわざわざ犯行をカメラに記憶した意味は何だったんでしょうか?またロッジに残したのはなんで?」

絹旗「はい、超ありがとうございます。また上条さんへハンタ○チャンス」

上条「サメの意味は!?ほぼ登場しなかったサメが三人喰ってはい終わりってオチの意味は!?」

鳴護「あとは水着のシーンの多さとシャワーシーンが二回以上もあったのは……?」

絹旗「はいどうも。他には何かありませんか?超聞いておくのは今だけですよー?」

上条「……細かなツッコミは多々あるんだが、大体はそんな感じかな?」

鳴護「あたしとしては、どうして初日に窓際でカメラ回しながら着替えさせられたのも気にはなるんだけど……それ追加でお願いします」

絹旗「超分かりました。今のご質問の答えは全て共通かつたった一言――『知らねぇよ』、です」

上条「お?やんのかコラ?やったんぞコラ!?いい加減俺も毎週の撮影で精神すり減ってんだからな!」

絹旗「いやいや冗談ではなく。『何で?』といわれても私は超困るんですよ」

絹旗「そもそも超逆に質問したいですね!そんな設定やら伏線をきちんと管理できる人間だったらこんなゴミ映画撮るわけがないでしょうが!」

上条「なんて説得力……ッ!?」

鳴護「いや違う違う、それ違うよ。そこら辺をキッチリできる人じゃないと映画って取っちゃダメだよね?」

上条「むしろその監督さんは何を持っていたんだ?プラス要素が一点でもあったのか?」

絹旗「まぁ色々と謎を未消化のまま映画は終わるのですが、一応名前にも入ってる『ジョーズ』部分」

絹旗「ラストで全員が超問答無用で喰われるシーンなんですが、実はそのシーンも超問題がありまして」

上条「サメキャップ付けた俺だと臨場感もクソもなかったけど、まだ何かB級要素あんの?」

鳴護「埠頭に立ったあたしたち三人(+一人)にサメが迫るシーンだよね?そんな簡単にみんないっぺんに食べられないと思うんだけど……」

絹旗「あぁそれは超簡単です。超デカいんですよ、サメ」


(※イメージ映像・著作権上の絡みでSCは貼りませんが、大体このサイズと縮尺です)


上条「デッカっ!?ゲコ太=人間サイズだったら、サメヘッドだけで10mないとおかしいなコレ!?」

鳴護「水深……体は一体何メートルなんだろう?というこの監督さんは一体サメを何だと……?」

上条「てか被害者にゲコ太持ってくんなよぉ!こんなアレな映画のイメージ映像に使うのは可哀想だろ!?」

絹旗「繰り返しますが盛っていません。超マジでこのサイズのサメが最後の最後に登場するんです、なぜか」

上条「流石は日本最底辺のサメ映画だぜ……ッ!中身はスカッスカなのにツッコミどころは無限大だなんて怖ろしい相手なんだ……ッ!」

鳴護「当麻君気をしっかり!なんかちょっと楽しくなってきてると思っても錯覚だよ!疲れてるだけだよ!」

絹旗「なお――超余談ですが、主役と友達の女の子お二人はグラドルでして」

鳴護「……あぁ、だから妙にカメラアングルが偏ってるのは。うん、そういう理由なんだね」

絹旗「まぁそれ自体は悪くないんですよ。超前に言いましたが、サメ映画は適度にエ×要素入れとけみたいな感じですので」

絹旗「ARISAさんの出演された番組を見ても、ファンの方は内容そっちのけで『あぁ三○さん可愛いなぁhrhr』しか思ってないとの超同じですから」

鳴護「三○さんじゃないです。ARISAです」

絹旗「ですがご本人はそういうお仕事をあまり好きではなかったらしく、いつしか肌を見せるお仕事は超卒業されました」

鳴護「うん、それはまぁできるんだったらあたしもしたいですよね」

絹旗「が、あるときにとある災害が起きまして、そのチャリティーの一環としてまたグラビア超復帰したそうです」

上条・鳴護「なんで?なんでその発想になったの?」

絹旗「いえですから私にツッコまれても超知りませんて。ですが人気のある方なので撮影会を開き集まったお金を募金したり、そこは超いいことでしょう」

上条「あぁまぁ確かに。文句はつけられないよな、なんであれ善意は善意だから」

絹旗「ですがその復帰した円盤第一作の中に、”全裸の男性カメラマンが映り込む”という騒動が起きまして」
(※実話です)

上条・鳴護「ちょっと何言ってるのか分からないですね」

絹旗「何回でも言いますが私にだって超分かりませんよ。てか流石に映画繋がりでそのアイドルさんの円盤買うほど酔狂じゃないですからね」

鳴護「役者さんのその後を調べてる時点で酔狂だと思います」

上条「いや、つーか全裸のカメラマンって何?アイドルってそんな過酷な環境下でグラビア撮ってんの?」

鳴護「絶対ないよそんなの!断言してもいいけど一部の特殊な撮影じゃないとおかしいよそれ!」

絹旗「そしてその方はブログで『映り込んだカメラマンさんは私の夫です!責任取って引退します!』、だそうです」
(※実話です)

上条「すいません監督。映画本編ですら俺たちのSAN値をガリガリ削るのに、補足情報で殴りつけてくるのやめてもらえませんか?」

鳴護「事実を事実として受け入れるのに時間が欲しいんです!次々と衝撃の後付けで消化不良になりますから!」

上条「つーかそれ最初に見つけた人はどんな衝撃だったんだろう……?」

鳴護「アイドルのDVD見ててさ、全裸のカメラマン映ってたら何らかの心霊現象だよね!」
(※2011年・グラドル卒業→2015年・4年ぶりに復帰→2016年・入籍をバラして引退)

絹旗「『超成仏しきれないカメラマンがアイドルを撮影するために映り込む(ただし全裸で)』……!いいですね!誰か映画化してくれませんかね!」

鳴護「『全裸』って部分がネックになると思うな」

上条「てか別に入籍してたのもいいし全裸で撮るのもこの際置いておくとして、なんで責任取るのが引退なんだよ!?最後の最後まで理解できねぇな!」

絹旗「私は――そのグラドルの事例を見て一つの真理へ達しました。まぁ超シンプルかつ答えは最初から出ていたようなものですが」

鳴護「そ、それはっ?」

絹旗「ダメ映画にはダメ人材が惹かれ合う――」

絹旗「――そう、まるでスタン○使いのように……ッ!!!」

上条「おこがましいわ!温厚な荒○先生だって助走を付けて山吹色の波紋疾走(サンライトイエローオーバードライブ)入れて来んぞ!」

絹旗「――どうでしたかARISAさん!我が国のダメ映画もといサメ映画も超捨てたものではないでしょう!?」

鳴護「捨てたっていうか、もう帰りたいです」

上条「それ逆じゃねぇのか。ダメな人達が撮ったからダメな映画が出来上がっただけで」

絹旗「いいえ?父親のスタッフを総動員してもボンク×息子が撮った映画は原作者から超否定されますよ?」

上条「ゲド戦×はいいだろ!その子はただの人間なんだから里で静かに暮らせば!」

絹旗「前半は超じっくりやりましたからね!来週は怒濤のサメ映画の群れが超襲い掛かってきますよ……ッ!」

鳴護「誰か、誰か助けて……!」

上条「てか監督、尺大丈夫か?前半で紹介した映画って結局一本だろ?」

絹旗「超全く問題ありませんとも。なぜならば大体のサメ映画なんて内容は無きに等しい出オチですからね」

上条「そろそろ君たちはサメに謝った方がいい。彼らだって一生懸命生きているんだ」



――浜辺

上条『お前がこのジムのトップブリーダーか!』

絹旗『ふっ!受け付けの女の子とでも超思いましたか?バストアップ画像があるのに、ただの超モブな訳はないでしょう!』

絹旗『うら若き女子がトップだと超なめてかかる人間が超多いものでしてね、世を忍ぶ仮の姿です』

上条『気づかなかったぜ……けど!ハ・マヅーラーは倒した!次はお前を倒す!』

絹旗『受けて立ちますよ、超かかってきなさい』

上条『――ダブルヘッドシャーク!君に決めた!』

双頭鮫『サメ、サメェェェェェェェェェェェッ!!!』

絹旗『中々悪くないチョイスですね。育て方も悪くない上、ブリーダーとの信頼関係もそこそこ』

上条『俺たちの絆を見せてやるんだ!』

絹旗『が、それはあくまでも一般ブリーダーでの話です。上位ランカーでは超物足りませんよ』

絹旗『――超来なさい!トリプルヘッドシャーク!』

三頭鮫『サメ、サメ、サメェェェェェェェェェェェェェェェェッ!!!』

上条『な、なんだって……!?ダブルヘッドシャークの上位種、存在していたのか……!?』

絹旗『さぁ、どうしますか?この超しょーもない実力差、気合いや根性でどうにかなるとでも?』

上条『……いいや、俺は諦めない!絶対に諦めないぞ!』

絹旗『ほう?』

上条『俺とダブルヘッドシャークの間にあるのは”絆”だ!苦しいときも辛いときも一緒に戦ってきたんだ!』

上条『サト○が「お前アホの一つ覚えみたいにピカチュ○ばっか出してんじゃねぇよ、もっと他に相性とか考えろや」と言われ続けるのと同じで!』

上条『「そもそも大事な仲間や友達だったらバトルさせなくね?」って命題がずっとあったとしてもだ!』

絹旗『超いい心がけですね!「ポケモ○って戦略兵器じゃね?」とか「オーキ○博士はどうしていつもママと一緒にいるの?」とかって疑問もありますが!』

上条『だから俺が負けない!負けるはずがない!なぜなら――』

上条『――サメモンマスターに、俺は、なる……ッ!!!』

鳴護「――うん、盛り上がってる所悪いんだけど、ちょっといいかな?」

上条・絹旗「はい?」

鳴護「いや、違うよね?そういう企画じゃなかったよね?ポケモ○マスターみたいに言ってたけど、もっとこうドロっとした展開だったよね?」

鳴護「二人でお弁当食べた後、何かコソコソやってるなー、あたしも混ぜて欲しいなー、なんて思ってたけど、何をやってるのかな?」

上条「いや、これからがいいところだったんだよ。俺とサメとの絆が超進化させてフォースヘッドシャークにだな」

鳴護「それデシモ○かバトス○だよね?最近のポケモ○って戦闘中に進化するの?いや分かんないけど」

絹旗「あぁ超問題ないです。ポケモ○ではなくサメモンですから」

鳴護「サメ限定!?サメだけで一つの世界観を作ろうとしてるの!?」

絹旗「超マジでできます。私が知ってる限り、映画業界では新種珍種合わせて30体ぐらいはいるため、彼らだけでゲームを作るのは可能かと」

上条「乗っといて言うのもなんなんだが、面白いか?それ?」

絹旗「私だったら超課金しますね!どうせ超順当にクソゲーへ落ち着くでしょうか、それを笑うのも楽しいですよねっ!」

鳴護「監督、病んでます」

絹旗「超お言葉ですがARISAさん、洋ゲーの確か格ゲーには『バトル・オブ・ザ・ゴッ○』というものがありまして。タイトルはウロなので『ゴッズオブ〜』かもしれませんけど」

上条「『神様たちの戦い』だな。どうせオーディンさんとかトールさんがメインなんだろうが」

絹旗「モー○”っぽい”人が超戦ってました」
(※実話です)

上条「ハンパねぇな洋ゲー!?踏み込んでいいものと悪いものの区別ができないのか!?」

絹旗「私は興味がないものでそれ以上詳しくは調べていませんが、”ぽい人”なので超悪しからず。○○○○○かもしれません」

鳴護「そっちの方が問題だよね。全伏せ字だからね」

絹旗「また完全に余談なのですが、とある麻雀ゲームの必殺技に『新声○爆破』というネタを入れたところ、本当にその出版社が倒産したという超素敵な逸話が」
(※実話です)

上条「ちょっと俺には分からないかな。対戦ホットギミッ○のネタをぶち込まれても、エッチなゲームは俺しないもんだから」

上条「――さっ、監督!ちゃっちゃと撮っていこうぜ!なんせ倒さなきゃいけないサメ映画はたくさんあるんだからなっ!」

絹旗「超いい心がけですが、その前に座学です。ロッジ戻ってお茶でも飲みながらお話を」

鳴護「浜辺来たのは監督自身じゃないかな……」



――ロッジ

絹旗「ここからはネタではなく少し真面目な話になります。お二人はホラー映画の超テンプレをご存じですか?」

鳴護「日本のだったら少し分かります。井戸からばーっと、あとテレビから」

絹旗「まぁあれもあれで偉大なアイコンといえるでしょうね。超間違いではないのですが、もっとベーシックな骨組みです」

上条「はい、何か人が死にます?」

絹旗「いいえ、超死なないのもあります」
(※そこそこあります)

上条「なんでだよっ!?人が折角ボケたのにスベらせてんじゃねぇよ映画業界!?」

鳴護「フィクションでも被害者がでないホラーってホラーなんだろう……?平和で良いかもだけど」

絹旗「まぁそこら辺はホラーではなくサスペンス映画ですね。奥さんが『この家には何か秘密が……!?』とか超探っていたら、実は何もなかった的な?」

上条「意識過剰か。それはそれで見てみたいわ」

絹旗「旦那さんへ相談しその方は引っ越すのですが、空き家になった家の前で隣人がニヤリと超嫌な笑いを浮かべて終わる、というのもあります。オチ特化型の」

鳴護「えっと……『心を病んじゃった人』って意味でのホラーで?サイコさんの」

絹旗「ですねー。あと他にちょっと面白かったのは『ベッドの下から音がするんだよぉ!兄ちゃん場所変えてよぉ!』って幼い弟さんが超言ってくる、って導入のが」

上条「あーそれなんか嫌かも。ベッドの下の鎌男って都市伝説になるぐらいだしな」

鳴護「オチはどうだったんですか?幽霊的な感じで?」

絹旗「いいえ、『実はベッドの下にはエイリアン(or謎の昆虫人間)の巣に直結していた』って超オチでした」
(※確か『Under the be○ 』。そこそこ面白い)

鳴護「展開が急すぎるよ!?もっとこう、うんっ!適度な落とし所ってあると思うな!」

絹旗「私に超言われましてもね。エイリアンか昆虫人間は特に真相をバラすこともなく、ただ幼い兄弟に狩られて終わりでしたから」

上条「弱いなエイリアン!そしてある意味被害者か!」

絹旗「「あぁすいませんね。超テンプレを話していたつもりが、トンデモ映画になってしまいました。私が言っているのは『ありがちな展開』でしてね」

絹旗「例えばホラー映画でよくあるシリアルキラーや怪物が出て来まして、でまぁ最初の被害者が出ます。それを超偶然にも目撃する主人公」

上条「偶然って時点でもう偶然じゃないと思います」

絹旗「しかし周囲へ『大変!なんか変なのが現れたの!』と言っても信じて貰えず、むしろ主人公が犯行を疑われる始末!そうしてる間にも怪物は第二、第三の犯行を――』

絹旗「――と、いうのがホラー映画にありがちな超導入部分ですね。見た覚えはありませんか?」

鳴護「最近はホラー映画も地上波ではやんないし、あたしも正直率先して見ようとは……」

上条「うん、定番なんだよ。これが」

絹旗「『主役は正しい事を言っているのに聞いてくれない』、と一段下げておきながら観客に感情移入させつつ、最後は大逆転、という感じですね」

絹旗「まぁ主人公が勝つパターンは当初は殆どだったのですが、80年代には『死んだと思ってた相手が謎の理由で復活してガーッとくる』というのが流行りましたけども」

鳴護「本当に人気商売だよね。面白ければ何やったっていい的な」

絹旗「エンタメ業界ですからねぇ。差別やヘイトを煽ったり嘘を宣伝したりするのでなければ、まぁ大体は?」

絹旗「そもそもスピルバーグの撮ったジョーズにしても『サメが来てるんだから海水浴場を封鎖しろ!』と迫る専門家を、警察が超逮捕したりしてます」

絹旗「結果は当然サメ無双が繰り広げられるのですが、というかそれを超楽しむ映画なんですが」

鳴護「……成程。サメ映画と言っても基本は抑えてるってことなんですね」

絹旗「まぁ初期はですけどね?最近は特に超大した意味もなくサメが空から降ってくるのもあります」

上条・鳴護「なんでだよ」

絹旗「まぁなんだかんだいってサメ映画の先駆けになったジョー○シリーズ超最新作、というか最後の作品になっているジョーズ4。87年の映画なんですが」

絹旗「無印の大ヒットでサメ映画が乱造され、本家でも『まぁやっとけ!』と超低予算で作らされるハメになったのは良かったのですが……」

絹旗「アメリカ版のラストでは『襲い掛かるサメに折れたマストを刺したら爆発四散、直前に喰われた人間も助かる』という、今のサメ映画業界を超予見するかのような展開に……!」

上条「安易だからだよ。正当な続編ですらそのトンデモ展開でトドメ刺されたんだから、他のサメたちも忠実に後追いしてんだよ」



――Take02 宇宙船船内

上条(エイリアン役)『よぉ兄弟、こいつを見てくれよ!スッゲー宝石っていうかスッゲーだろ!(※意訳)』

鳴護(エイリアン役)『う、うん、そう、だね?何かよく分からないけどキラキラ光って凄いよね!何なのかは分からないけど(※意訳)』

上条(エイリアン役)『いや、これ手に入れるの大変だったんだよ。掘り出し物市で何日も粘ってさー(※意訳)』

鳴護(エイリアン役)『あぁうんそれはいいんだけど、大丈夫?(※意訳)』

上条(エイリアン役)『大丈夫って何が?(※意訳)』

鳴護(エイリアン役)『今自動航行中なんだよね?手放し運転とか良くないんじゃないかなーって(※意訳)』

上条(エイリアン役)『問題ないって!どうせ太陽系なんて大した文明もないんだしぶつかるようなものもないんだから!(※意訳)』

鳴護(エイリアン役)『あ、それフラグ(※意訳)』

ズドオォォンッ……!!!

上条・鳴護(エイリアン役)『のあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?』



――浜辺

上条「――ってサメ映画じゃねぇのかよ!?後半戦入ってから即エイリアンの着ぐるみだなんて飛ばしすぎだろ!?ペース配分考えろや!?」

鳴護「あたしはちょっと楽しかったけど、あの、監督?サメの概念はどちらに?」

絹旗「この映画は『Raging Shark○』、訳すると『超興奮するサメたち』のオープニング部分が以上となります」
(※会話については予想です)

上条「以上っていうか異常だろ!?だってサメ出て来ないんだから!」

鳴護「あんまり上手い事は言ってないけど……事故起こすんだよね?この宇宙船が?」

絹旗「はい、それでなぜかオープニングでエイリアン二人が囲んでいた宝石が落っこちて地球へ超真っ逆さまで、海にドボン」

絹旗「そしたらその海域一帯のサメが超えっらい凶暴化します」

上条「なにその超迷惑」

鳴護「まぁ……とっかかりがスペース過ぎてもうね。凶暴になるのってそれ、ヤバイやつじゃないかな?」

絹旗「偶然にもその海域の海中にあった深海研究所の施設がサメに超壊されたり、修理しようにも近づけないと」

絹旗「なので超プロのダイバー、主人公を雇ってなんとか原因を解決しようとし――」

絹旗「――最終的に宝石その他が大爆発して海に投げ出されサメに噛まれて潜水艦に助けられて超終わりです」

鳴護「監督!OP以降が完全にやっつけなんですけど!そこあたし達が演技しなくて良いんでしょうかねっ!?」

絹旗「サメは思い出したように超登場します。『あぁこれサメ映画だったっけ!』とその度思い出すような感じでしょうか」

上条「じゃあなんでシャークってタイトルに入れた?もっとこう他に穏当な題名付けられなかったのか?」

絹旗「それについてハリウッド、ひいては彼らから多大な影響を長年に渡って受け続けた映画世界の超慣習とも言えまして」

絹旗「最もネタにされる原題タイトルネタ、『The Mummy』に邦題を付けたのが『ハムナプト○』ですんで、超頭オカシイのか?的な名前がつく場合があります」

絹旗「ただ一応それっぽい理屈を付けるのであれば、”英語圏の人間だからって全員が英語を満足に読み書き聞き話し出来ない”という超前例が」

上条「それこそなんでだよ。アメリカ人だろ?」

絹旗「あくまで俗説の一つですが、長ったらしいタイトルを付けると『なんじゃそりゃ読めるか!』って層が超一定数いるそうです。単語一つ一つの意味は拾えるがそれ以上は、的な」
(※諸説あります)

絹旗「なのでアメリカ映画に関しては簡略なタイトル、ぶっちゃけ簡潔かつ簡単な単語が好まれるようになり、そのスタンダードが全世界へ超広がると」
(※諸説あります)

絹旗「てか『アメリカ人だから英語を自由に話せる』のは幻想ですからね。人気ドラマなんかは多重音声対応で、英語以外の言語にも超同時放送していたりもします」
(※というか多重音声はそのために開発されたようなもんです)

鳴護「てかマミーって聞いたことあるような……あ、この間テレビでやってたよね。トム=クルー○さん主演のザ・マミ○だっけ?」

絹旗「あれのタイトルも『The Mummy』とハムナプト○と全く同じですからね――ですが!実はあの映画は1932年に撮影された映画、『The Mummy』の超リメイクなのですよ……ッ!」

絹旗「っていうか丘サーファーならぬ丘映画通は『ハムナプト○の原題って〜』と超ほざきますけど、実はハムも『The Mummy』のリメイクなんですから同じで当たり前だ!」

上条「すいません監督、ゲシュタルト崩壊して何が何だか分からなくなっています」

鳴護「もっとこう、『それでいいのかな?』って気持ちが強いよね」

絹旗「まぁそれだけ大らかな前例を踏襲していると思ってください。中はドロッドロの欲と金と薬の世界ですけど」

上条「アクが強すぎる!もっとこう、サラっとしたのはないんですかっ!?お腹にもたれないようなスッと入ってくるようなのが!」



――Take03

絹旗『……ふっふっふ!ここであなたも超終わりですね!盗んだ絵画を見られたからには!』

絹旗『さぁ、このまま私に撃たれるか、サメの餌になるかを超選ばせてあげましょう!』

鳴護『や、やだ!来ないで!』

絹旗『もしくはアイドルユニット「アイテム」へ電撃入団するのか、超どっちがいいんですかっ!?』

鳴護『困ります。事務所を通してください』

絹旗『ならば超仕方がないですね、それじゃ――』

上条(サメ役)『サメーーーーーーーーーーーーーーッ!!!』 ブウンッ

絹旗『こいつ……!?大ジャンプして……!』

鳴護『あれ?どうして水側に居たあたしを襲わずにそっち行ったの!?』



――浜辺

絹旗「はい、って訳で『Jurassic Shar○』ですが何か!?」

上条「なんでキレてんだよ!キレたいのはこっちだわ!」

絹旗「え?超サラッとしたのがいいって言いましたよね?」

上条「サラッとし過ぎてんだよ!映画の説明よりも監督の邪悪な思惑の方が目立ってきてるし!」

絹旗「えぇでは順番に超説明しますと、どっかのギャングが多分盗品を運んで島まで来ます。同時に女の子数人と映画を撮りに来たりもします」

絹旗「しかしその島の近くには石油掘削所があり、あまりにも石油を掘り起こしてしまったばかりに、氷の中に居たジュラシック・シャークと呼ばれるサメが超徘徊していたのです……!」
(※正確にはメガロドン)

上条・鳴護「……」

絹旗「――以上!特に大した盛り上がりもなく、『あぁどうせギャングが女の子をエサにしようして逆に喰われるんだろうなぁ』っていう期待が裏切られませんでしたが何か?」

上条「いや、だからな?サラッとした説明の割に内容が皆無ってのは……うん」

絹旗「このサメ映画を超誉めるとすれば……そうですね、総上映時間は約75分30秒です」

鳴護「言われても長いとも短いとも言えないんですけど」

上条「まぁそんなもんだよ。長くもなく短くもなく」

絹旗「そしてARISAさんはこの業界そこそこ長いと超思いますが、エンディングロール、ていうかスタッフロールって大体どのぐらいかご存じで?」

鳴護「そうだねー……大体はタイアップして一曲とか流すから、アニメで90秒から2分くらい。映画でも5、6分かな?」

絹旗「この映画は13分以上です」

上条「エンディング長っ!?なにそんなに流すことあんの!?」

鳴護「13分!?えっと、だったら……映画全体の17%も尺割いてるの!?」

絹旗「なお手持ちの資料と致しまして、ジュラシックワール○が124分中エンディングが10分の長尺ではあります」

上条「何度も言うけど弁えろよ!誰が作ったか分からないようなB級映画とスピルバー○と同列視すんな!」

絹旗「ちなみに理由は不明です。私も超知りたいぐらいですが、まぁ見当はつきますよね」

上条「……と、いうと?」

絹旗「海外の映画を日本で、というかその国で上映する場合、配給会社が映画会社から上映する権利を買います」

絹旗「で、配給会社は買い取った映画フィルムをもって映画館へ超売り込みます。今と違ってシネコンがなかった時代はそんな感じでした」

絹旗「間へ入って超調整する感じで、例えるなら問屋さんですかねー?農家と小売りの間へ入るような感じで」

絹旗「無名の監督が撮った映画を安く買い付けてみたら、超ヒットしたり。また逆だったりと中々大変職業なんです――が」

絹旗「中にはアホの子そのままの配給会社もあります。具体名を出しますとアルバトロ○という配給会社です」

上条「大丈夫?そのうちここの運営訴えられない?」

絹旗「え!?超誉めてるんですけど!?訴えられる要素ないじゃないですか!?」

鳴護「その言葉を信じたいけど……!監督、今までの言動が何一つ信用できません!」

絹旗「信じられないの超心外ですが、そのアホ会社日本でベッカ○が大人気だった頃に『ベッカムに恋し○』って映画を買い付けたんですよ。内容を全く見ずに」

鳴護「へー、恋愛映画っぽい名前だよね。素敵ー」

絹旗「中身は超硬派のスポーツ映画で移民問題とイギリス階級社会も弄ってますが――なお、ベッカ○は一秒も登場していません」

鳴護「タイトルは?ベッカ○さん怒るんじゃないの?」

絹旗「原題が”Bend it like Beckha○”なので、『ベッカ○みたいに(シュートを)曲げたい』だ、そうなので当たらずとも超遠からず?そこそこ面白いですよ?」

絹旗「まぁ、なので?そんなアホな配給会社を超騙すためにも?62分の短編クソ映画を75分映画のクソ映画に水増ししたんじゃないですかね、ってのが私の推測です」

上条「く……ッ!そのアホな例を出されると、絶対にないとは言えないぜ!」

絹旗「トドメとしてはタイトルの”Jurassic”もジュラ紀、もしくはジュラ紀のという意味しかなく、当時流行っていたジュラシッ○シリーズに超偽装しようとしたんじゃ?という疑惑も」
(※メガロドンでもなくただのデカいサメにしか見えない)



――Take04

絹旗『――超大変です隊長、巨大なオクトパスにサメ!この二つが健在のままでは船の航行などできなくなってしまいます!』

絹旗『片方の足止めをするだけでも海兵隊を総動員しなくてはいけないのに……超どうすれば!」

鳴護『……あたしに考えがあります』

絹旗『隊長?』

鳴護『確かにどちらともを相手にしていたのではもたない――ならば!』

鳴護『両者を戦わせては如何でしょうか……ッ!?』

絹旗『隊長!』

上条「なんでだよ。マイナスにマイナスを足しても負のベクトル大きくなるだけだろ」



――Take05

絹旗「そこのアクターさん、出番が超無いからって本編でツッコまないで下さいね。編集で切らないんですから」

上条「切れよ。さっきのアレなアイドルのカメラマンみたいに放送事故だろ」

鳴護「あの……結局あたしって何の役だったんです?なんか軍人さんの偉い人ですか?」

絹旗「それがよく分ってないんですよね、この『Mega shar○』シリーズは。前の設定が超継承したりしなかったりするような感じで」

上条「あー、よくあるよな。シリーズ重ねるごとにブレっちまうって――」

上条「……」

上条「シリーズ?何作か出てんの?」

絹旗「メガ・シャークvsジャイアント・オクトパ○、 メガ・シャークvsクロコザウル○、メガ・シャークvsメカ・シャー○、メガ・シャークvsグレート・タイタ○」

上条「なにそれすごいこわい」

鳴護「全部対決ものなんだね!暴れん坊なのかなっ!」

上条「みろや監督!アリサもついにコメントに困って心にもない嘘を吐きだしたんだぞ!?あの純真な子が!」

絹旗「えぇまぁ流石の私もちょっと心が痛みますけど、やはり十把一絡げの量産型アイドルから超一皮剥けるには、ある程度の痛みと必要かと」

鳴護「量産型言わないで!みんながオンリーワンだよ!」

絹旗「あらすじも簡単で超2パターンです。『デカいサメがいるね!よーしじゃあ他のモンスターぶつけて共倒れにさせよう!』」

上条「だからなんでだよ。キ×××にキ×××ぶつけたところで、より洗練されたキ×××が爆誕するだけだよ。俺の経験則から言うとな」

絹旗「後半2作が『天然モノじゃ勝てない……そっか人工サメor巨人を戦わせればいいんだ!』、ですね」

鳴護「なんで?既存の兵器を使うんじゃダメなのかな?メガ・シャー○とメカ・シャー○って響きはちょっと面白いけど、魚類の形を守る必要は……」

絹旗「この映画はですねー、ガンダ○一機分ぐらい?18mぐらいのデカいサメが超暴れるのがテーマです。なのでサメCGのシーンも多いんですよ」

絹旗「トンデモ設定が超イイ感じにバカバカしくて笑いを誘うのですが、ただ減点対象なのが一つばかり」

上条「一つなんだ?俺には百も二百もツッコミどころがあるように見えるんだけど」

絹旗「全体的に”ちょっと面白い”ってのが超なければなぁ、と」

上条「いいじゃねぇか面白くっても!?映画を作る人は(多分)『面白い映画を作ろうぜ!』ってやっんてだからな!?」

鳴護「当麻君当麻君、気持ち分かるけど小声で”多分”って言わない方がいいと思うな?あたしも疑問に思えてきてはいるんだけど」

絹旗「いえ超違いますよ、何言ってんですか?映画なんてただの商売ですよ」

絹旗「もしも本当に面白いモノを作ろうしてるんだったら、老×ジ××が老×バ××を主人公に毎年毎年赤字量産してまで映画撮るわけないじゃないですか?」

上条「――で、監督はこの映画の見所ってなんだと思う!?良い子のみんなにオススメのシーンは!?」

絹旗「それは勿論進撃の巨○そっくりのグレート・タイタ○ですね!動きは往年のジャイアント馬○を超彷彿とさせるカクカクとした動き!」

絹旗「コントロールして調子ぶっこいてる人間が逆襲に遭う、『このシーンいるか?サメ関係あるか?』って自己矛盾に超浸る名シーンがですね!」

鳴護「……当麻君、最愛ちゃんの扱いに慣れるのもそれはそれでどうかなって思うよ……?」

上条「そんな目で見ないでくれ!俺はただ東○からの裁判を回避したいだけなんだ!」

絹旗「というか一番重荷かつ超被害者は会社でしょうけどねぇ。ただ映画の出来自体は予算あるだけに悪くはないんですが、それで笑いも起きないんですよ」

鳴護「なんでも笑いに持っていくのはどうかと……」



――休憩中

絹旗「『――ショートコント・悪役令嬢に転生したと思ったらただの町人だった件について』」

上条「無理だよ。そっちから話広げられる自信がないもの。生まれた瞬間に『あ、俺町人か!前と変わらずパンピーかよ!』ってツッコんでチャンチャン、だよ」

鳴護「二人とも仲良くなったよねー。あと町人さんでも頑張って生きてるんだからそれなりのドラマはあると思うよ」

絹旗「ではミルドレッドの魔女学○の話でも」

上条「今度はどこに銃弾撃ち込もうとしてんの?サメの死体蹴りするだけで飽き足らないの?」

絹旗「私の信用は超散々ですね。ただつまらない映画を笑いに昇華してイジろうという優しい企画なんですが」

鳴護「『一周回って見てみたい』、とは思うよね。真に遺憾というか、補足情報まで入れてギブアップっていうか」

絹旗「それでプロが見た感想は?」

上条「ステイルぶち切れると思うわ。『こんなんで魔術使えたら苦労しないんだよ!』って」

絹旗「え、魔術?」

上条「あぁいや誤解しないでくれ!その子は14歳でちょっと大人びてるって言うか!」

絹旗「なんだただの中二ですか」

鳴護「合ってるは、うん、合ってるけど。色々な意味で失礼だよ?」

絹旗「まぁお二人ともまだまだ残ってるわけですから、ノドを超大切にするためにものど飴をどうぞ」

上条「すいません監督。地獄巡りがまだ入り口だって時点で動揺を隠しきれません」

上条「てか撮影始める前に『シーン○○』とかって書いたボードカメラの前に出しますよね?」

絹旗「拍子木と一体化したホワイトボードこと、超カチンコですね」

上条「え、ごめん聞こえなかった?アリサ、もう一回言ってみてくれ!」

鳴護「っていうセクハラに走る単語を言い切った監督凄いです!」

絹旗「恥ずかしがっていては超撮影なんぞできませんからね。それが何か?」

上条「数字んとこあるじゃんか?テイク○○って、ゼロ何番ってとこ」

絹旗「ありますね」

上条「それ頭に0がついてるってことは、二桁行くの……?」

絹旗「――さ、超巻きで行きましょう、巻きで!今日一日で終わらないと後がつかえてますからねっ!」

上条「ちょっと待ってくださいコノヤロー。俺たちにこれ以上どんな苦行を強いるつもりだテメー!?」

フレンダ『――ねー、絹旗ー?テケテケの衣装がない訳だけどさー、バッグに入れたっけー?』

絹旗「あ、すいません。スタッフが超呼んでいるので少し外します」

鳴護「待とうよ!?都市伝説の有名なアレ用意するのって怖い映画以外にないでしょ!?」

上条「本当にすんなよ?サメ映画ですら俺らの手には余ってんだからな?これ以上映画業界の闇を見たくないんだよ!」

絹旗「くっくっくっく……!超どうでしょうね、※欄で食いつきが良かったので、もしかしたら特定のゲーム業界の闇、かもしれませんよ……?」

絹旗「ある日出社したら、オフィスから物が全てなくなってて、私物のザブトンとボールペンだけが超転がってた話を延々聞かせてあげましょうか!」
(※実話です)

絹旗「それとも『赤いクモが出た』と超言った翌日から出社せず、皆でアパート行ってみたら数ヶ月帰った形跡のない部屋だった話でもしましょうか!」
(※実話です。いまだ真相・行方不明)

絹旗「都市伝説なんて超生温い!こっちは実話ですからもっと超怖いんですからね!」

上条「だからその(※実話です)芸ヤメロや!もっとこう参考になるような人生送って来いよ!人と違いすぎて引くんだよ!」



――Take06 砂浜

鳴護『みーんなーーーーっ!今日はビーチパーティーに集まってくれてありがとー!』

絹旗『イエー』

鳴護『この近所じゃ首だけ残されたりバラバラになったり猟奇殺人が続いてるけど気にしないで!盛り上がっていこーーー!』

絹旗『イエー』

鳴護『それじゃまずファーストナンバーは……って、うん?不自然に砂浜が盛り上がって――?』

上条(サメ役in砂地)『サメーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!』

鳴護『きゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!?』



――浜辺

絹旗「という訳で『Sand Shar○』です」

鳴護「絹旗ちゃん?段々再現シーンよりもあたしらがダベってるシーンの方が尺長いんだけど、大丈夫?」

絹旗「はい、私も超残念なのですが全部拾っていたら収集がつかなくなるため、泣く泣くピンポイントでお送りしてます」

鳴護「てゆうかサンド?スナザメ?」

上条「メタルマック○初代からレギュラーのがいるな。スナザメ」

絹旗「超怖いでしょう?普通のサメであれば海から逃げればそれ以上は追ってきません――が、しかし!」

絹旗「サンド・シャー○は砂地であれば浜辺ぐらいまでは追いかけてくるのですよ……ッ!!!」

鳴護「日本の海水浴場だと、大抵護岸がテトラポットがすぐ側にあるから、うん、そんなには怖くはないかな。ね、当麻君?」

上条「……」

鳴護「なに?どうしたの?」

上条「監督、これ……トレマー○だよね?」

絹旗「いいえ、サンドシャー○ですよ?」

鳴護「え、とれまー?」

上条「結構古いホラーっていうか怪物映画でトレマー○ってのがあるんだよ。舌が巨大なミミズっていうか、サメっぽい?」

上条「とにかく地中を高速移動して人を襲う映画がな」

絹旗「ちなみに90年からテレビシリーズも含めて6作ほど超出ています」

鳴護「人気なんだね!なんで人気なのかは分からないけど!」

上条「砂地で襲ってくるってコンセプトもほぼ同じ……うん、いいのか?」

絹旗「トレマール自体が『サメ映画は食傷気味だし……あ、そうか!陸で殺ればいいんだ!』が超コンセプトですからね」

上条「天才かよ」

絹旗「なおトレマー○はこの映画とは別のサメ映画の会社に版権を買い取られたので、メーカー的にも超問題はないかと」

上条「B級映画って需要あんのか……?」

絹旗「あとK条さん」

上条「上条です」

絹旗「一つだけ勘違いを正しておきたいのですが――トレマー○無印は超面白いんですよ!出オチなだけのサメ映画と一緒にするんだなんて失礼だと思います!」

上条「お前だよ。多分日本で漁師さん以外で最もサメさんを虐殺してんのはお前だよ」

鳴護「えっと……カマボコを作る業者さんとかもいるかもしれないよ?」

上条「最近はサメが高級魚だからな!安定供給出来ないからカマボコは別の材料にしてんだよ!」

絹旗「誰が知ってんですかその超ミニ知識」

鳴護「鉄腕ダッシ○でやってたよね。リーダ○さんがメーカーに出張して作ってたよ」

絹旗「なお超余談ですが、この作品のメインヒロインはブルック=ホーガ○さんと言います」

上条「……ホーガ○?いやまさかな……」

絹旗「超その通りです。名プロレスラー、ハルク=ホーガ○さんの長女です」

上条「やっぱりか!」

鳴護「えっと、どちら様ですか?」

絹旗「日本で言えばアントニオ猪○の娘さんですかね、実際にいるかは超知りませんが。最も有名なプロレスラーの子供さんで俳優と歌手デビューしています」

鳴護「お芝居が上手かったらいいんじゃないの?」

絹旗「えぇまぁ否定はしませんし、演技もそこそこなんですが……超問題なのが、アメリカの女優と比べでもタッパがデカいという点がありまして」

絹旗「劇中一番大きい保安官と比べてやや小さく並の男以上、物語では『サメを率先して誘き出して無傷で生還する』など、まぁ……」

絹旗「『この女がタイマンでサメと戦ったら勝てるんじゃね?』と、疑問が」

上条「それは事務所の力だろ。俳優さんは別に、まぁな!悪くはないよ!なんかモニョるけども!」



――Take07 雪山

鳴護『最愛ちゃーん!こっちこっちー!』 スシャッ

絹旗『スキー上手いんですね。超意外でした』

鳴護『うん、なんかよく言われるんだけど運動はできるんだよね。ただあんまり好きじゃないだけで』

絹旗『てゆうか楽しんでいただけているようで超何よりですよ。シーズン的には混むかと思ったんですけど、空いてますしね』

鳴護『だねぇ、最愛ちゃんには感謝しかないよー。よく見つけたよね、こんな穴場』

絹旗『いえそれほどでも。ただこの周囲で猟奇殺人が続いていて、その犯人が未だ逮捕されてないだけですから』

鳴護『問題しかないよね!?よくまぁオープンできたよね!?運営の勇気は凄いな!』

絹旗『おや……?あちらの方で超騒いでますね。事故でもあったのでしょうか?』

鳴護『だったらあんなにギャーギャー言ってないと思うけど。あ、なんか近づいて』

上条(サメ役in雪中)『サメえぇーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!』

鳴護『いやーーーーーーーーーーーっ!?』



――浜辺

絹旗「以上、『Ice Shar○』でした。もしかしたらタイトルスノーだったかもしれませんが」

鳴護「もう意味が分からないよ!?砂地ってのは海繋がりでまぁ分からなくもないけど、雪ってもうそれサメとは別種の何かだよね!?」

上条「映画業界は生物の勉強ってしてねぇの?それとも頭良い人が突き抜けるとアホになるの?」

絹旗「あぁいえこれには超珍しくちゃんとした設定があり、それに沿った綿密な伏線回収がありまして」

上条「監督、一個前のが”特に理由も必然性もなく、設定すらなく砂地に潜るサメ一家”だから説得力が無いです」

絹旗「まぁまぁ聞いてくださいな、まずこの映画はバックカントリースキーの若者がウェーイ!しているシーンから超始まります」

鳴護「ばっくかんとりー?」

上条「えっと山スキーだっけかな?ゲレンデやコースの外の雪山滑る迷惑な人ら」

鳴護「あー、あったねー。なんか聞いたことあるよ」

絹旗「今ググってみましたが、バクカンで事故った場合、救助費用は超全額負担になるらしいですね、まぁ賢くはないなーと」

絹旗「それでその若者がスキー中、何かに躓いて転倒します。仲間が何やってんだよー大丈夫かー?と近寄りますが超幸いにもケガはなく」

絹旗「しかし何にぶつかったのか、と確認すると超謎の祠でした。どうしてこんなところにと、訝しんでいたら――」

絹旗「――『サメーーーー!』と、スノーシャー○が復活します」

上条・鳴護「なんでだよ」

上条「サメを弔うか封印した塚が山頂に設置してあんの?せめて海の近くじゃね?」

鳴護「そもそももうサメじゃないよね。さっきも言ったけどもう別の生き物ですらなくなったよね?」

絹旗「何度でも繰り返しますが『超知らねぇよ』、です。なお劇中で『もしかしてあの祠壊したからじゃね?』と思い至り、超修理に向う女性が出るのですが」

絹旗「超チンタラ修理しつつ、途中でカロリーメイト食べて一服しているため、ゲレンデではサメ無双が中々止りません」

上条「『原因はコレだ!』って向った割には危機感ゼロか。人死んでんだぞ」

絹旗「これ以上は映画を見ての超お楽しみですが、全体的には映像もお話も超悪くないです。名作ではないですが、秀作としてオススメできます」

鳴護「……なんでだろう……?素直に見たいとは思えない……!」



――Take08 岸辺

絹旗『――はーい、超停止してくださーい』

鳴護『はい?何かありましたか?』 キキーッ

絹旗『このトレーラーは何を積んでるんですか?危ない物じゃないですよね?』

鳴護『えー、教えるのはちょっと。次のフェスの見世物なんですよねー』

絹旗『とは言ってもですねぇ。超危ない物だったら、っておや?あそこ結び目がほどけていませんか?』

鳴護『あ、ホントだ。誰かイタズラでもしたのかな』

ガゴンッ!!!

上条(トレーラー役)『……』 ゴロゴロゴロゴロ

上条(トレーラー役)『……』 ドポォンッ

鳴護・絹旗『……』

鳴護『入っちゃいましたね。トレーラーの荷台が。沼に』

絹旗『えぇ超入っちゃいましたね。てゆうかほら、あそこで水面に突き出てるものにデジャブが』

上条(背ビレ役)『……』 スイーッ

鳴護『――うん、見なかった!何も運んでなんか来なかった!それでいいよね!』

絹旗『ですね!それで全員が超ハッピーになるんですから!』



――浜辺

絹旗「はい、てな感じで『Swamp Shar○』です。このあとは勿論死屍累々です」

上条「ねぇ映画もツッコみたいんだけどその前にトレーラー役って何?なにをどうすればトレーラーを人間が代役できるの?」

鳴護「あたしには台車に当麻君が乗って、転がり落ちていったようにしか見えないんだけど」

絹旗「超マルチ配役ですね」

上条「ウルセぇわ!?導入からして雑なんだよこの映画も!」

絹旗「内容自体は超硬派ですね。ダメな人間のやらかしで被害が拡大し、美女が活躍して知恵を使って退治すると王道です」

絹旗「ただまぁ前のとは違い基本に超忠実すぎてあまり面白くはありません。予定調和過ぎて、うーん?でしょうか」

鳴護「テンプレに忠実でもダメなんですか?」

絹旗「起承転結揃った小説でも、あまりにこう同業他者とカブっていては印象も超薄いですよね?」

絹旗「あくまでも私の感想ですけど、少しぐらい矛盾やアホ要素があったとしても、期待を裏切った方がエンタメとしては超嬉しくないですか?」

上条「スワンプだから……”沼”って要素だとダメだったのか?」

絹旗「あぁまぁそこがこの映画最大のウリでありツッコミどころなんですが――」

絹旗「――舞台、沼じゃなくてどう見ても”湖”なんですよね」

上条「前提からして違うじゃねぇかよ!?」

絹旗「日本語としては厳密な境はないらしいんですけど、超広すぎてただの湖としか」

鳴護「もう設定だけじゃなくてタイトルも信じられないよね」



――Take09 夜の海 漁船の上

鳴護『――船長大変です!大きなサメが現れました!』

上条(サメ役)『サメーーーーーーーーッ!』

絹旗『へっ、サメなんて超相手になりませんよ。こっちには銃があるんですから』 パァンッ!!

上条(サメ役)『サメッ、サメーーッ!?』

鳴護『あ、逃げていく……追いかけますか?』

絹旗『ありだけの傷です、どうせ死ぬでしょうから超放置しましょう』



――近くの洞窟

上条(サメ役)『サメ……サメェ』
(意訳;「血が……流れ過ぎちまったな」)

上条(サメ役)『サメ。サメ……サメー』
(意訳;「あぁヤベェ。痛みも感じなくなってきた……俺、ここで死ぬんか」)

上条(サメ役)『……サメ?サメ――』
(意訳;「……なんだ?光が――」)

上条(サメ役)『サメーーーー……ッ!!!』
(意訳;「うわーーーー……ッ!!!」)



――夜の海

鳴護『静かになりましたね。さっきのサメがここら辺の主だっんたでしょうか?』

絹旗『かもしれませんねー。これで獲れ高が超増えるといいんですけど』

鳴護『……うん?あそこ、なんか光ってません?』

絹旗『海蛍でもないでしょうし、この季節で光るイカっていましたっけ?』

上条(サメ役)『――サメーーーーーーーッ!!!』

絹旗『っと来ましたねこのサメ野郎!苦節16年初めてチューされたからって超調子乗ってんですか!』

上条「やめろ!だから俺をイジって来るな!」

絹旗『と、時間を稼いでいる間にパーンと。超お疲れ様でした』 パーンッ

上条(サメ役)『……サメッ』 スルッ

絹旗『この距離で外した!?ならこいつで超仕留めましょう!』 パァンッハパァンッ!!!

上条(サメ役)『サメッ』 スルスルスルッ

絹旗『超効いてない!?そんな、まさかこれって――』

鳴護『ゴースト、シャーク……ッ!!!?』



――浜辺

上条「面白ぇなコレ!続きを見せろよ!」

絹旗「『Ghost Shar○』ですね、と先に言わせてくださいよ」

鳴護「あと先週から誰もツッコんでないから言うけど、サメの鳴き声って『サメーー!』に疑問はないのかな?」

絹旗「これ以上ないぐらいに超分かりやすいですからね。多分サメに発声器官はなく、ロレンチーニ器官だかって電波を感じる臓器があったかと」

鳴護「てか当麻君ほどじゃないけど、これ普通に面白いよね?なんでゴースト?幽霊になっちゃうの?」

絹旗「古代の聖地っぽいところが海岸の洞窟にあり、そこでサメが超息絶えてゴースト化したらしいです。私も知りませんが」

絹旗「そして中々この映画は超良くてですね、逃げ場がないんですよ。今まではテリトリーから逃げればそれ以上は追ってきませんよね?」

上条「雪山は入っちまったら絶望的だと思うが。それ以外は基本水辺の近くだからな」

絹旗「しかしゴースト・シャー○は水のある場所であればプールやバスタブ(エ×シーン用)、更にはコップや蛇口単位で現れてはガブーッと逝きます!」

上条「それ逆に収集つかなくね?次どこに出てくるかとか予想できないよな?」

絹旗「いやでも飲んだ水から体の中を食い破られるシーンは超笑いました。『サメはチェストバスタ○ほどアグレッシブじゃねぇよ』的な」

鳴護「監督監督、笑ってますよね?」

絹旗「そしてその映画超最大のキモは……ッ!」

上条・鳴護「……」

絹旗「キ、モ、はっ!!!」

鳴護「あ、はいすいません。キモはなんですか?」

上条「面倒臭いです監督」

絹旗「なんと続編の2が存在するという……ッ!!!」

上条「嘘だよ。だってこんな映画の続編なんてないもの、出オチの話をそれ以上広げられないもの」

絹旗「いやいや超マジでやりましたとも『Ghost Shar○2』。ただねー、これがクッソ退屈な映画でしてね」

鳴護「あの、最愛ちゃんをもってしても低評価なの?」

絹旗「前回はそこそこ派手に死んでったモブがですね、続編じゃほぼ溺死一択。そしてサメ自体が超全っ然出て来ません」

絹旗「たまーに登場したとかと思えば止った画像を半透明処理にして回転させるか移動させるだけ。フリーソフトで動画に画像を入れる並に超クオリティ低いです」

上条「その分ほかに力入れたとか?」

絹旗「恐らくですが想像はつきますよね。というのもスタッフロールでこういう英文が超流れます」

絹旗「『No Sharks were harmed in the making of this motion picture』」
(この映画では実在のサメに全く危害を加えていません)

絹旗「『However , over 100 million sharks are slaughtered every year for the shark fin trade.』」
(しかし1億匹以上のサメがヒレ目的で虐殺されます)

絹旗「『 To learn more about finning and hew you can stop it, visit stopsharkfinning.net』」
(フカヒレ切除についてあなたは学ぶことができ、同時に止めることもできます。詳しくは以下のサイトまで)

上条「……あぁ、あっちのな」

絹旗「まぁいつものアレですね。『フカヒレの最大消費国である中国には何も言わないのに、なぜか日本にだけ文句を言う企業』的な」

絹旗「作中微妙に『これ日本人ヘイトじゃね?』という場面もあり、正直アレな感じですが。意識高い系バカを抉らせて映画そのものがゴミになった超典型例です」

鳴護「てか監督、スタッフロールまで見てるんですか?」

絹旗「超当然ですとも。正しい評価するためには全部見るのは必須でしょう、それが礼儀です」

絹旗「作品をロクに見ず、またはタイトルぐらいしか知らないのに扱き下ろす方もいますが、それはファンとアンチ両者へ対しての超冒涜ですから」

上条「いい心がけなんですけど、イマイチ信用できないんです」



――Take10 海

鳴護『えぇーっと……わーい海だー!たーのしーなー!』

上条「見ろよ監督。もう似たようなバターンで10本目だから、楽しみ方も引き出しがなくなってきてんだよ」

上条「留学先でゲ×に弄ばれたなかやまきんに○みたいになってる」

絹旗『はいそこキャストは超黙っててください――ARISAさん!後ろを見てください!』

鳴護『え、ごめん?よく聞こえない、なに?』

上条(背ビレ役)『……』 ヌッ

絹旗『超急いで逃げないと!……くっ、間に合わない……ッ!!!』

鳴護『え?きゃーーーーーーーーーーーーーーーーっ!?』

上条(サメ役)『サメーーーーーーーーーーーッ!!!』 ガッ

上条(触手役・二役)『……』 ニュッ

上条(サメ役)『サ、サメ?サメッ!』

上条(触手役・二役)『……』 ニュルニュッ、グググッ!!!

上条(サメ役触)『サッメェーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!?』

鳴護「当麻君、”らめえ”みたいに聞こえる。楽しんでるよね?段々楽しくなって来ちゃってるよね?」

絹旗『はいあなたも脱線しない――だ、大丈夫でしたかARISAさんっ!?』

鳴護『あ、うん。あたしは大丈夫だけど、今の触手は一体……?』



――潜水艦内

絹旗(二役)『くっくっくっく!超見ましたかARISA隊員、アレが我々の新兵器です!』

鳴護(二役)『あ、はい。よく見えなかったですけど、タコの足っぽいのが出てましたけど、あれは一体?』

絹旗(二役)『海の中を高速で移動できるシャーク!そしてなんかあれば役に立つしエ×要員としても超引っ張りだこのタコの足!タコだけに』

鳴護(二役)『その需要は極東の島国の特定のゲーム内だけだと思います、隊長』

絹旗(二役)『その二つを掛け合わせ!史上最強の生物兵器へと消化したのが――』

絹旗(二役)『――シャークトパ○です!』
(※シャーク+オクトパス)

鳴護(二役)『ネーミングセンスが安易です隊長。ポケモ○かデジモ○にいそうです』

鳴護(二役)『てかこれセーフティとかいいんですか?どうやってあの子をコントロールしているんです?』

絹旗(二役)『超問題ないですよ!なぜならばこのコントローラーで彼は我々の言う通りにしか動けませんから!』

上条「ダチョウじゃねぇか。『押すなよ、絶対押すなよ、絶対だからな!』の黄金パターンだろ」

絹旗(二役)『なんか超ウルサイですね?』 ビーッビーッビーッ

鳴護(二役)『えっと、何かの犯罪者と思われる二人組の乗ったボートを発見しました!』

絹旗(二役)『宜しい!ならばシャークトパ○で超ひねり潰してあげましょう!』 ピッ

ドオォォォォォォンッ!!!

絹旗・鳴護(二役)『……』

上条(サメ役)『サメタコおおぉォォォォォォォォーーーーーーーー!!!』 バイバイ

鳴護(二役)『………………逃げて、行きましたね』

絹旗(二役)『そう、ですね。超フリーダムに活動しているようですね』

鳴護(二役)『軍の作った?生物兵器が?』

絹旗(二役)『えぇまぁ本能の超赴くままに、文字通り入れ食い状態の浜辺へGO!的な』

鳴護(二役)『どう、するんですか?』

絹旗(二役)『――作戦、”みんながんばれ”』

鳴護(二役)『いや無責任すぎるよ!?最低でも軍を出すとかせめて避難誘導するとかあるでしょ!?』
(※ないです)



――浜面

上条「いや浜面じゃねぇよ、浜辺だよ。なにシレっと登場させてんだよ」

絹旗「今のがサメ映画界のポプテピピッ○こと『Sharktopu○』です

鳴護「時間軸が、うん。サメの方が早いと思うな?」

上条「てか浜面は?今日まだ見てないんだけど裏方やってんの?」

絹旗「えぇ、浜面はゾン――いいえ特に何も!ふう、危うく超高度な誘導尋問に引っかかるところでしたね!」

上条「フラグを立たせるなや。俺は嫌いじゃないけどアリサには拷問だろ。俺はバイ○好きだからそうでもないけど」

鳴護「サメもこれといって好きではないからね?別に望んでここにいる訳では決して」

鳴護「正直あたしもね、『長編ポシャったんだったらレッサーちゃん達のお話の続きすれば?』とか思うけど。空気を読んで何も言わないだけで」

上条「つーか違くね?普通こういう非常時には『みんな頑張ろうぜ!病魔に負けるな!』的にいっちょ噛みすんのが普通だろ!?」

上条「空気読めよ!なんかこうハートフルな話にシフトするとか!魔術と科学が出会って物語が生まれたりとかな!」

鳴護「何があろうとなかろうと、毎週毎週しょーもない話を何事も無く更新するのって……うん、どうかな」

絹旗「断っておきますが、運営は更新すら危ういかな、と思っていたら意外と大らかで逆に引いていますが。まぁそれはそれとしてシャークトパ○です」

上条「いや噂は聞いてたんだけどスゲーな色々な意味で!」

鳴護「そうなのかな?」

絹旗「中堅の映画会社のCGが当時としては頑張ったおかけでヌルヌル動くと好評でしたよ。大手と比べるのは超酷ですが」

絹旗「なんといっても従来の量産型シャークとは違い、噛みつき一辺倒だったのが触手での遠距離戦もモノにしました!これはサメ映画界にとって超偉大な一歩と言えるでしょう!」

上条「『もしかして;サメじゃない』」

鳴護「途中からあたしもそんな気はしてたんだよね。Take06ぐらいから、『あなたは種族別だよね?サメの皮を被った何かだよね?』って」

絹旗「いやいや!ですから超発明なんですって!海中からタコアーム伸ばして船を超転覆させたりと、既存のサメ映画とは一線を画す作りで!」

上条「だからサメじゃねぇんだよ。普通のサメは砂に潜らないし雪にも入らない!触手ついてんだったら別の生き物だよそれは!」

鳴護「それを言い出しちゃったら『サメ映画って何?ほぼ出てなくてもサメ映画なの?』ってなるよ!」

絹旗「まぁド素人の意見は無視するとしまして、実際に大人気でこの後も同シリーズは超出ています」

絹旗「『シャークトパスvsプテラクー○』。シャークトパ○の稚魚を拾った水族館のお姉さんが、絆を頼って空からの襲撃者、プテラクー○と対決する超感動作!」

上条「なぜすぐ安易なVSモノへと走るのか」

絹旗「B級映画だからですけど?」

上条「あぁそうだよな!知ってたけどな!」

絹旗「なおラストは全員食われる模様」

上条「喰うのかよ」

絹旗「そして三作目が『シャークトパスvsホエールウル○』ですね」

鳴護「プテラクー○もちょっと引っかかるけど、何?」

絹旗「プテラノドン+バラクーダでプテラクー○です。サメ+タコに超対抗できるのはそれぐらいじゃないといけませんね」

上条「じゃあホエールってクジラかよ!アホどもがウルサイのによくやったな!サメですら擁護団体あんのに!」

絹旗「いえ、それがですね。三作目は適当に捕まえた酔っぱらいを、マッドな科学者がホエールウル○へと超改造するんですが」

上条「なんで?人選そんなアバウトで許されるの?」

絹旗「ベースになったのがクジラとオオカミ、なので水陸両用の超ハイブリッド!とか思うじゃないですか?」

絹旗「が、これがまた作中一回も水の中入らないわ、形も不格好な恐竜モドキだわで存在価値が超皆無です」

鳴護「それは監督の期待値が高すぎるだけだと思います。『あぁやっぱり……』って見てる子たちはきっとね」

絹旗「しかもこのシャークトパ○シリーズは回を追うごとにCGが下手になっていく、という謎の超現象が。私も理由は分からないのですが、明らかに劣化して行ってるんですね」

上条「映画あるあるで言えば会社変わるとか、一作目ほど予算つけてもらえなかったとか?」

鳴護「……普通の映画ですらそんなのあるんだ?」

絹旗「制作会社は同じですから予算も変わらないか、むしろ超増えていてもおかしくないぐらいなのですが。流石の私も裏話は知りません」

絹旗「この手のB級映画にありがちな、『第一作”だけ”見・よ・う・ZE☆』でいいんじゃないですね。ブレアウィッ○と同じく」

上条「だから余所様に飛び火させんなよ。『確かに続編……うーんこれ続編は続編でもパラノ○じゃね?』って感じだったけども」

絹旗「――では、その世界をどうぞ……ッ!!!」 クワッ

上条「いや行かないよ!?あんな危険な場所だったらステイルと土御門ぐらいじゃないと、俺一人じゃ流石にちょっと!」

絹旗「あの悪夢に連れて行けるメンバーがいる時点で超驚きですけどね」



――Take11 ある海沿いのホテル

ザーーーーーッ……

鳴護『……やまないねー、雨』

絹旗『ですね。流石の私でも台風と竜巻には超勝てません、麦野がいれば何とかなったんですけど』

鳴護『もう映画よりもなんとかなる事実の方が怖いけど。とにかく二階に避難しよう?一階はもう海みたいになっちゃってるから』 ザ゙ーーッ……

絹旗『分かりました。では先に――ん?』

鳴護『どうかした?魚でも入ってきたとか?』

絹旗『かもしれませんね。今濁流の中に超光るものが――』

上条(サメ役)『サメーーーーーーーーーーーーーーッ!!!』

絹旗『そいや』 ボスッ

上条(サメ役)『腹パン、なん、て……聞いてねぇ……ぞ』 ゾプンッ

鳴護『当麻君!じゃなかったサメが!?どうして!?』

絹旗『分かりません、分かりませんが――ほら、超見てください!窓の外を!』

上条(サメ役)『サメッ、サメッ、サメッ、サメッ、サメッ、サメッ』

鳴護『大量のサメが空から降ってくる!?』

絹旗『私の予想ですけどトルネードで海水が巻き上げられ、超たまたまそこにいたサメが竜巻に乗り、落ちてきています……ッ!』

上条「いや、それはない。そこまでトルネードさんはジョバン○ではない」

鳴護「当麻君、あたしはそろそろ諦めるのが一番簡単だと思うんだよ。流れに身を任せる的な意味でも」

絹旗『いや、超違います!これはトルネードなんじゃなく――』

絹旗『――”シャークネー○”ですよ……ッ!!!』

上条「やかましいわ」



――Take12 浜辺

絹旗「という訳でB級サメ映画の中で最も知名度のある『Sharknad○』です」

鳴護「シャークとトルネードを足したって意味なんだろうけど……斬新すぎないかな?誰か企画会議で止めなかったの?」

絹旗「一応擁護しておきますと第一作目”は”超かなりまともな内容になっています。主人公たちのる都市に台風が迫ってきて、どこかへ逃げるか、どうやって逃げるかと」

絹旗「ゲームの絶対な絶命っぽい都市ありますよね?あんな感じのディザスタームービー(災害モノ)と言っても超過言ではありません」

絹旗「ただ障害物の一つにどこからともなく降ってくるサメが超追加されているだけで」

上条「その要素でもうB級ですよね?なにその永久パターン防止で出て来そうな、お邪魔キャラか」

絹旗「いやですから本当に真面目なんですってば。こう主人公たちがホームセンターから凶器を盗み、都市を脱出しようとしますよね?」

絹旗「しかし横から超飛んでくるサメ!可哀想に仲間が一人、また一人とサメのエジキに!」

鳴護「なんだろうなー、うん。もう慣れが先行しちゃってるのか、『タコの足が生えてないだけ良心的かな?』って思うようになったよね」

上条「どうしてくれるんですかテメー。ウチの事務所の先輩をサメ映画慣れさせやがって!」

絹旗「……えーっと、私もネタ話で汚染しすぎたと超後悔していますが……この映画の主人公はイアン=ジーリン○さんがやってまして」

上条「どちらさん?代表作は?」

絹旗「ビバリーヒルズが青春する白書でスティーブ役を長い間勤められた方です」

上条「よくまぁこんなB級映画のオファー受けたな!」

絹旗「作中である乗客で一杯のバスが道路に超取り残されてしまいます。周りで氾濫した河川の水で徐々に水没、しかもその川にはサメがと」

絹旗「しかし主人公はバイパス道路の上からRV車のワイヤーを伸ばし、乗客一人一人を助ける、というシーンが」

鳴護「シチュエーションはちょっと不自然だけどそこだけ聞くと格好良いよね」

絹旗「なのでイロモノだと敬遠されがちなんですが、第一作目”は”超硬派なんですね」

上条「ねぇ監督、なんでさっきから”は”って強調して――あぁいや言わなくていい!大体分かっから!今までの流れで!」

絹旗「――では次作以降の名シーンダイジェストを超お送りします、どうぞ!」

上条「聞きゃあしねぇな人の話!」



――Take13 NASA

絹旗『どうか、どうかあなたに超ご武運を!』

鳴護『どうか任せて下さい!私が宇宙からレーザーを撃ってシャークネー○の壁を焼き払ってみせます!』

上条「どうして?一作目はただのチェーンソーの扱いに長けているだけのサーファーが、何をどうしたら宇宙からレーザー撃つ役になってんの?」
(※盛っていません)



――Take14 東京

鳴護『――しっかり!最愛ちゃん、傷は浅いよ!』

絹旗『……いいんです、よ。ケガの具合は、私が、超分かっています、から……』

鳴護『最愛ちゃん……!』

絹旗『ほら、私なんかに関わっている暇……ないんでしょう?』

絹旗『あなたが手に入れた、秘石を……使って……シャークネー○を止め……』

絹旗『……』 ガクッ

鳴護『……そうだね、世界を救う方が先だよね。だからちょっとだけ待っててくれるかな?』

鳴護『いっぱい、そういっぱいお話をしよう?帰ってきたらあたし、最愛ちゃんに話すことがあるから――』 ブゥンッ

上条「うん、ごめん。ツッコミどころが多すぎて俺じゃ拾いきれないよ。でも一つだけいいかな?」

上条「舞台の一つが東京って!?イアン=ジーリン○そんなしょーもないロケで日本来やがったのかよありがとう!?」
(※マジで来てます)



――浜辺

絹旗「――と、いうように回を追うごとにつれ超はっちゃけるように」

上条「はっちゃけるってレベルじゃないと思うんだよ。俺が知ってる単語の中で一番それっぽいのが、キメてるかキマってる」

鳴護「設定についても問い詰めたいよね。一作目で海岸沿いでサーフ屋さんやってる主人公が、どうしてアルマゲド○のように宇宙に打ち上げられてレーザー撃つの?」

絹旗「新作になればなるだけアホ度が超高まるという、まさに日々の研鑽を忘れないダメ映画の鑑でしょうね!」

上条「てかシャークネー○って何?普通の竜巻にサメが巻き込まれて降ってくるだけなんだろ?」

絹旗「まぁ平たく言えばそれだけなんですが、相手はサメですので落ちながらも人を超ガブーッと」

上条「怖いは怖いし当たったらケガするだろうけど、それ以前にサメが落ちた衝撃で粉々になるんじゃ?」

絹旗「そこを上手くカバーしているんですね。超流石としか言いようがありませんね」

上条「おいこっち見ろ?お前だってフィクションにしたってこれは酷いって思ってんだよなぁ?正直に認めろよ!」

絹旗「さっ!残るサメ映画はあと二作、頑張って行きましょうか!」

鳴護「この長い長いマラソンにもやっとゴールが見えて来たよ……!」

上条「油断するなARISA!この監督だと『じゃあゾンビ(のB級)映画でもう一周』とか言い出しかねないぞ!」

鳴護「何人ついてきてくれてるんだろうね!」

絹旗「――超分かりました。ご所望とあらば『死霊の盆踊り(Orgy of the Dead)』から順を追って、ノイローゼになるぐらい超丁寧に」

上条「次行きましょうぜ、次!どんなサメ映画なのか楽しみで楽しみで仕方がないですよねっ!」

絹旗「もしかしたら誤解をされているかもしれませんが、私が見たサメ映画はこれだけではありませんよ?超厳選したものだけをやってますからね?」

絹旗「中にはまともなものも当然ありますし、普通に掛け値なく面白いのもあります。なので『サメ映画ってハズレしかないのか』、というのは超間違った認識です」

鳴護「……そうなんですか?」

絹旗「ただ!今回の企画ではダメサメ映画を超結集しただけに過ぎませんから!」

上条「だからそれが嫌なんだよ!どうせ一部を演じるんだったらまともなのにさせてくれよ!」



――Take15 どこかのサンゴ礁

鳴護『えぇっと、いい加減楽しいなーパターンも尽きてきたんだけど』

鳴護『てゆうか台本に「※アドリブで楽しそうにして」ってしか書いてないのは、決して台本なんて呼んじゃいけないブツだと思うんだけど……』

絹旗『何言ってんですかARISAさん。他の人たちは超楽しんでるんでしょうに』

鳴護『楽しむっていうかさ?こうやって「うぇーい」してるときには必ずね?』

上条(サメ役)『サメーーーーーーーーーッ!』

鳴護『って来るからね!まぁそりゃ映画だから仕方がないんだけどさ!』

絹旗『と、いうか今のサメ超おかしくなかったですか?』

鳴護『お、おかしいって何が?』

絹旗『頭が、なんと頭が超二つついてたように見えるんですけど……ッ!?』

鳴護『……』

絹旗『ノーリアクションですか?』

鳴護『うん、じゃあ逆に聞くけども、確かに頭二つついてるサメは怖いよ?そして実際に追い詰められてるのはあたしたちだし、当然怖いよね?』

鳴護『でもね!よく考えてほしいの!「別に頭が一つだろうが二つだろうが、お腹を空かせているサメにタゲられてる時点で大差ないよね?」って!!!』

鳴護『というか横並びでついてるし、脅威度が上がりもしないけど下がりもしないよねって!』

絹旗『中々斬新な発想ですね、流石ARISAさん。さすあり』

鳴護『やめて。誉められた気が一ミリもしないから』

絹旗『しかし超参りましたねー。ここから逃げ出すにはツーヘッドシャー○をどうにかしませんと』

上条(二役)『二人ともコイツを見てくれ!』

絹旗『こ、これはっ!?』

上条『(二役)『ガソリンっぽいのを詰めたドラム缶だ!こいつを海中に少しバラまいて、食べさせたところに火をつければ!』

絹旗『そっか……!そうすれば超倒せますね!』

鳴護「ガソリンってそんなに爆発したっけ?」

絹旗『分かりました!では私が時間を稼ぎますので、お二人は海中で準備を!』

上条(二役)『あぁ!任せろ!』

鳴護『気をつけてね!』

上条(二役)『……あん?チーム分け間違って……?あれ?』

鳴護『普通こういうときは当麻君、っていうか男の人が……?』

絹旗『――オォラッ!』 バスッバスッ

上条(サメ役)『サメッ!?サメーーッ!?』

絹旗『お二人とも早く!私が超犠牲になっている間に!』 バスッバスッ

上条(サメ役)『待って!?サメだって生きてるんだよ!?』

鳴護『てゆうか二役の当麻君が面白すぎるんだけど……最愛ちゃんに任せたら、サメ、殺せるよね?』

上条(二役)『サメさんが可哀想だよ!レバーを的確に狙ってくるのやめてあげてよぉ!』

鳴護『まぁとにかく……うん、よし!こっちの準備はオッケ』

上条(サメ役)『――サメーーーーーッ!!!』

鳴護『襲い掛かってる最愛ちゃんを放り出してこっち来たの!?』

ドオォォォォォッ!!!

上条(二役)『……助かった』

絹旗『えぇ本当に。ARISAさんがその身を犠牲にしてくれなかったら、私たちは超ここにはいなかったでしょうね』

上条(二役)『そう、かな?ツーベッドシャー○とのタイマン、割と相手を防戦一方のまま完封寸前まで行きそうだったよね?』

絹旗『私たちはARISAの分まで超生きましょう!それが何よりも供養になりますから!』

上条(二役)『お、おぅ……!そうだね!』



――浜辺

絹旗「――以上、『2Headed Shark Attac○』でした」

上条・鳴護「……」

絹旗「おや何か?ラストまでもう少しだというのにリアクションが超悪いですよ?」

鳴護「や、あのね?なんか不自然な展開がなかった、かな?あったよね?」

絹旗「とは?」

上条「今の再現Vってどれだけ原作に忠実なんだ?監督が無双したのって本編にもあったの?」

絹旗「かなり忠実です。超盛っていません」
(※マジです)

上条「て、ことは……女の人が双頭サメを撲殺寸前までいったのも……?」

絹旗「と、いう風に超見えました」
(※個人の感想です)

鳴護「いやでも感想だったら、うーーーーん……?」

上条「本筋とは関係ない場面だしさ、ただの監督の気のせいじゃないのか?たまたまそういう風に見えただけで?」

絹旗「私の役はブルック=ホーガ○さんだとしても?」

上条「また出やがったなホーガ○娘!?スナザメに引き続いてまたやりやがったのかよ!?」

鳴護「あー……多分制作としては殺したかったのに、余計なシーン入れちゃったかー……」

絹旗「ツッコミどころは演技中にお二人が超言ったように、『別に頭が一頭増えようが変わんねぇよ』なんですが」

絹旗「が、しかし!そのサメ相手に水中で堂々とやり合うホーガ○娘!主題が超ブレてイイ感じですねっ!」

絹旗「あぁ正しくは銛でガンガン突きまくり、『あれこれ出血多量でサメ死んじゃう!?』と観客の方が超不安になります……ッ!」
(※盛っていません)

上条「本当に意味が分からないよな。頭増やしてインパクトは相当だけども、ホーガ○娘にボコらせて怖さ半減してんだよ」

鳴護「あのー……まさかとは思うけど、ホーガ○さんはサメ映画のレギュラーなんでしょうか……?」

絹旗「私が知っている限り、彼女の映画キャリアはスナザメと双頭鮫のたった二つ。その両方をご存じのあなたは超ホーガ○通ですね!」

上条「やかましいわ!一本だけ不自然さを感じるんだったらまぁ分からないでもないけど、二本あるってつーことは何らかの形で資金入ってんだろ!?」

鳴護「単純に制作さんが気を遣った可能性も……?下手に変な役をやらせたら、業界干されるかもだしね」

絹旗「――なお、この続編の『3Headed Shark Attac○』にて増えた頭の有効利用法が超明らかになります……ッ!!!」

上条「いいよ!知りたくはないよ!どうせまたしょーもないヤツなんだから!俺知ってんだからな!多いんだこういうの!」

鳴護「『多いんだ』っていうよりは、『大体こんなの』だよね」



――Take16

鳴護『当麻君見て!?あたしたちを助けに来てくれたボートの船長さんに!スリーヘッドシャー○が!』

上条(二役)『なんてこった!?スリーヘッドシャー○が彼らに――って呼びづらいなこの名前!』

絹旗『たぁっ!はぁぁぁぁっ!』 ザシュンッ

上条(サメ役)『……』 コテン

鳴護『サメの首をナタ一本で切り落した!?』

上条(二役)『俺、あの人の方が怖い』

絹旗『ふっ、どうですか坊主ども!これが海に生きる男の超強さですよ!』

上条(サメ役)『……』 ピクピクッ

鳴護『おや……?サメのようすが……』

上条(サメ役+首4本)『サメーーーーーーーーーーーッ!!!』 ヌルッ

上条『なんで切られたところから首復活してんだよ!?どうして計5本にグレードアップしてやがんたぁぁっ!?』



――浜辺

絹旗「もう説明すら不要かなと思わなくもないですが、『3Headed Shark Attac○』です」

上条「首増やしゃいいっつーもんでもねぇよ。なんで増やした?あ?お?あぁ?」

鳴護「制作の人もネタへ走ってるよね?SS書く感覚で映画作っちゃダメだって誰かに教わらなかったのかな?」

絹旗「なおCGのクオリティは超ひっじょーに良く、今まで出した映画の中でも上位です」

上条「その補足説明は決してプラスにはならないからな?」

鳴護「あの、監督?ミニコント前に言ってた首を増やして良いことあった、というのは結局……」

絹旗「あぁそれはですね。映画冒頭浜辺で遊んでたパリピーにスリーヘッドが超襲い掛かるシーンがあるのですが」

絹旗「その際サメは頭一つで一人を超捕食!つまり首を増やせば増やすだけ一度に食べる量が増加するのです!」

鳴護「うん、それに何の意味が?ホラー映画の出オチ以外、生物学的にはどういう利点があるのかなーと」

上条「フツーの生物的には聞いた事無いもんな。フィクションは別にして」

絹旗「見た目が超カッコイイから以外に何か理由が必要でしょうか?」

鳴護「なんて迷いのない目で言い切るんですか監督……ッ!」

上条「君、浜面より男前だよね。てゆうかあっちの女の子たちってみんな基本そうだよね」

絹旗「――さて!ではツーヘッドシャー○三作目、『5Headed Shark Attac○』に行きましょうか!」

絹旗「超ワクワクしませんか?一体どんな変わったサメが出てくるのか、と!」

上条「頭五頭なんだろ?八岐大蛇-3なんだろ?もう少しで超えそうだろ」



――Take17

鳴護『うわー、サメだー、助けてー』

絹旗『あと少しなので超手を抜いてきましたね。まぁいいですけど、頭を数えてみてくれません?』

鳴護『数える?いいけど、タイトルが”5頭サメ”だったら5本じゃないの?』

絹旗『まぁいいですから。私が一時停止超押している間に』 ピッ

鳴護『またそういって理不尽なことを……えっと』

上条(一頭目役)『サメー!』 バシャンッ

上条(二頭目役)『サメーー!』 バシャンッ

上条(三頭目役)『サメーーー!』 バシャンッ

上条(四頭目役)『サメーーーー!』 バシャンッ

鳴護『監督、ラス二で指摘するのもどうかと思うんですが、当麻君への負担がハンパ無いので、もし二周目の地獄があるんだったら考慮してやってください』

絹旗『私も流石に「サメ、飽きた」と※欄で叱られると超思いますので、多分第二弾第三弾はないと思いますが……ではなく』

鳴護『てか、四頭?一人、じゃなかった一頭分足りませんよね?』

絹旗『では後ろ、尻尾というか尾ビレ部分をご覧ください』

鳴護『え、まさか』

上条(五頭目・尾ビレ役)『サメーーーーー!』 バシャンッ

鳴護『尻尾にもサメの頭がついてる!?非効率的っていうかもうこれサメじゃないよ!?』



――浜辺

絹旗「『5Headed Shark Attac○』でしたが……」

上条「スゲー……!俺の予想と全然違ってたな!まさな尻尾に顔追加するって発想はなかったぜ!」

鳴護「いやそんなに楽しそうに語るような事じゃ。でも、あれ?」

絹旗「何か?」

鳴護「撮影の頭では尻尾普通についてませんでしたか?プレっていうか元の動画チラっと見せてもらった感じだと」

絹旗「作中で尻尾に顔ができるんですよ。尻尾に切れ目ができて超パカッと割れる」

上条・鳴護「なんで?」

絹旗「何度でも超言いますが『知らねぇよ』、ですね。ここきて出し惜しみする意味すら私には理解出来ませんでしたし、そもそも伏線なんかは一切ありませんでした」

絹旗「恐らく造形的に『これ以上前に頭持ってきたら胴体が太くなりすぎる』って超判断したのかと」

鳴護「時々なんかあるよね、不自然な展開が。ホーガ○さんの件といい、続編で意識高い系抉らせるとか」

上条「フォアグラになった気分だよな。『もうこれ以上ネタを追加しないで!?』って泣きそうになってるよ俺」

絹旗「なおCGは一番上です。やはり新しいので超ヌルヌル動きます――が、ただ一点欠点が」

上条「なんすか監督。また『意外と面白い』とかそういう?」

絹旗「いいえ。この5頭ザメ、インパクトは超強いんですが、少し引いて見ると『手?』にしか見えない」

鳴護「あー、イメージは同じだよね」

絹旗「そしてラストの倒し方がヒゲが爆弾持ってKAMI-KAZEと、超どうにもCG意外はショボかった感じです。それが残念です」

上条「多分もうファンはどうでもいいんじゃないかな?サメが出てガーッと暴れてるのを見て楽しむ映画なんだから」

絹旗「さぁ……いよいよ次でオーラスとなりますよ!超名残惜しいのは分かりますが、涙を流しながらも我々は前へ進まねばならないのです!」

鳴護「前っていうか、泥沼からやっと助け出されるっていうか」



――Take18

絹旗『ここが……招待された島ですか。気候も暖かいですし、超悪くないところですね』

鳴護『だねー。でも……ドクターは私たちに何を見せたがってるのかな?大発見があった、って噂だけど』

絹旗『学会じゃ超キ×××扱いですからね。胡散臭いのも事実ではあるんですが、そこそこ実績があるだけ始末に悪い』

鳴護『ま、まぁまぁ!豪華なお食事を用意してくれたし、きっと良い人だよ!』



――コンクリ打ちっ放しの部屋

絹旗『と、いう割には超アレな感じですね。私から離れないで下さい』

鳴護『う、うん……』

上条(二役)『ふっふっふっふ!ようこそお嬢さん方、私の偉大な研究発表に立ち会えたことを幸運だと思いたまえ!』

絹旗『あー、ですね。かなり超飛ばしている感じの、あー、です』

鳴護『研究ばっかりしてるから……うん!お医者様に相談しよう?一人で悩まないで!』

上条(二役)『優しい言葉ありがとう!でも私は正気だから大丈夫!』

上条(二役)『そんなことよりも!私の研究の集大成は――これだっ!』 カチッ、ゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ

絹旗『シャッターが超上がっていきますね。その奥にあるのも水槽?生け簀?』

鳴護『なにか、いるね……?なんだろ?』

上条(サメ役)『さぁめぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ……ッ!!!』

絹旗『こ、こいつは……っ!?』

上条(サメ役)『さあぁぁめぇぇぇぇぇ!』

鳴護『人――じゃない!?サメ!?』

上条(二役)『いいや違う、違うんだよコイツは!サメと人間のDNAをミックスした、言わば新たなる生物!』

上条(二役)『その名も――”シャークマ○”だ……ッ!!!」



――浜辺

絹旗「はい、『Shark Ma○』ですね。超お疲れ様でした−、ぱちぱちぱちぱちー」

上条「もう名前にしかサメ残ってねぇじゃないかよぉ!せめて、せめて体裁だけはサメ出せよ!」

上条「お前もサラッと流すなや!最後なんだから!最後の最後でサメ以外ぶち込んで来やがって!鬼か!?」

鳴護「これ……ちょっと見たけど『昭和の仮面ライダーに出そうな着ぐるみ』だよね?21世紀のクオリティとは思えないんだけど……」

絹旗「いやそれが私も調べてはみたんですが……どうもまともな情報が超出て来ませんで」

上条「だからなんでだよ。映画名分かってんだし、スタッフロール見ればさ」

絹旗「何人かの有名な俳優も超出てるんですけど、ご本人の出演履歴から超消されてたりしてましてね」

鳴護「作品が作品だからじゃないかな。消したい過去ってあるよね!」

絹旗「映画もですねー、まぁ超ショッパイですよ。なんといっても『サメである必要性ねぇよ』というツッコミがオールウェイズ頭の中に鳴り響きます」

上条「それだったら大体そうじゃね?さっきも言ったけどスナザメ以降ずっとそうだよな?」

絹旗「サメとのハイブリッドだというのであれば、超潜水シーンも期待していたのにヒト襲うのはもっぱら陸上だけ!もっと頑張れと!」

絹旗「だがしかしある意味サメ映画の古式ゆかしいテンプレっちゃテンプレなんですよねえ。超ある意味」

鳴護「テンプレ?」

絹旗「『特撮で作ったサメ人形は水に弱いため、主に狩猟場が水上に限定される』という」

上条「制作の都合だけど……まぁ分からないでもないな。理屈自体は」

絹旗「なのでCGが一般的になる以前には水中ものはそこそこ鬼門でした。あぁ超名作もありましたがね、全体からすれば少ないですよ」

絹旗「さて――以上でアホサメ映画マラソンは超本当に最後となりました。お二人とも下らない企画にお付き合い頂きありがとうございました」

鳴護「この動画が一体どういう層にどんな売り方をするのか、非常に気になるんですけど……まぁ、無事怪我もなく終わったので良かったです」

絹旗「そこはそれ、後で全裸の上条さんを合成で超付け加えて」

鳴護「あたしのアイドル人生を抹殺しにかかってきたっ!?いやアイドルじゃないけども!」

上条「なんかもうさ、その小話聞いたらアイドルのPV見たいよな。どんだけはっきり映ってるのか」

絹旗「無理です。一応絶版になっていますし、かといってプレミアが超ついてるわけでもなく」

上条「まぁな。オッサン見切れてるだけだからな」

絹旗「なので関係ワードでググり、有志の方がまとめていたのを再現するとこの↓ようになります」


(※イメージ画像です)


上条「思ったよりはっきり映ってんな!?」

絹旗「本当はもっとかなり小さい隙間に映り込んでいます。ただチラッと映った画像を貼り合わせると、超全裸のオッサンがカメラを構えている絵が出来上がりと」

鳴護「パズルかな?」

絹旗「最初に発見した方は超ビビったでしょうね。『あれこれ角度的に映り込むのはグラドルじゃねぇな……?』って」

上条「そしてスローかなんかで確認したら、見切れてたのが全裸のオッサンなんだから救いがないぜ……!」

絹旗「本当にあったとある話のネタにすれば良かったかも、と運営が超後悔しているとしてないとか」

上条「てか再現映像にゲコ太を巻き込むなよ!建御雷がくるでしょーが!どうせ灼かれるのは俺なんだから!」

鳴護「それはその……うん、ゲコ太君だったらフワッとした印象になるけど、それ以外だと生々しくなるからじゃないかな」

絹旗「少なくともクッキリとは映ってなかったそうで。編集の自体で超バッサリ切りますからね、普通は」

鳴護「もう開き直って『動画の中に一瞬だけ当麻君がいるよ!見つけた人は時間を書いて送ってね!抽選で○○人に素敵なプレゼントを!』って企画でもしようかな……」

上条「俺の全裸に需要ねぇだろ。父さん母さんだって殴ってくるよ」

鳴護「まぁともあれ最愛ちゃんもお疲れ様でした――と、最後に聞きたいんですが、最愛ちゃん的にオススメを一つ紹介したらどうかな?」

絹旗「あー、名前出した中からですか?そうですねぇ、何にしましょうか……あ、じゃあアレにしましょう」

絹旗「世の中にはブルーオーシャンとレッドオーシャンという言葉があります。船が多く行き交う海は海底の砂や泥が巻き上げられ、超赤い海に見えます」

絹旗「反対に未だ誰も足を踏み入れていない海は超綺麗な青い海ですが、航路も寄港する港すら超分かりません」

絹旗「これは最近では経済の話をするときに超使われまして、『他にライバルが少ない産業を狙えば儲かる、ただし前例がないから厳しいよ』と」

上条「成功する可能性もあるけど、失敗する可能性も分からないってことか?」

絹旗「他の船という例がない分だけ予想が超難しいんですよね……まぁ同じようなことは映画界にも言えます」

絹旗「新しいスタイルの映画は当たり外れが分からない。しかし先人達の轍を踏むのをよしとせず、超無謀に突っ込んだとある映画」

絹旗「当時スタッフさん達は『怪獣映画として売りたくないから、あえてモンスターが出るのを隠しておこう』とマーケティングに超ぶち込みました」

絹旗「これはかなり珍しかったのですが……まぁ劇場で『なんだこれ!?』と度胆を超抜かれる方が続発、結果映画公開40年近くなった今も根強いファンがいます」

絹旗「決してマイナーではないんですけど、固定ファンがつく。そういう映画は好きですよね」

鳴護「なるほど……で、どの映画なのかな?」

絹旗「トレマー○、超オススメです」
(※非・サメ映画)

上条「サメ映画じゃねぇのかよ!?そこはダメでもサメ映画だろ!?」

絹旗「名前が出た中で、という縛りでしたのでつい素直に。サメの中では最初のですね。世界レベルで最底辺の作りになっていますので、大切な時間をドブに捨てたい方は超ご覧ください」
(※控えめに言っても時間の無駄)

鳴護「アレかな?最愛ちゃんは時間泥棒の被害を拡大させたいだけなのかな?」

上条「そしてアレだよ!監督が何度も何度も全裸のカメラマンの話すっから、そっちのインパクトが強すぎてサメの話が薄まってんだよ!」


-終-

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