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Clock(trial)

【祝・ゲーム参戦!】ねーちん、事態の深刻さに気づく【今更か】

 
 ――『必要悪の教会』 ロンドン女子寮

神裂「――忘れ去れているかと思って数年。やっと出番がくれば『物理的にミサイルを叩き落とす役』だったり」

神裂「高高度からのパラシュート代わりに使われたかと思えば、その後の音沙汰もなく……」

神裂「尚且つ新作!そう、新しいげぇむが出ると思ったら当選確定までにそこそこかかりました!」

神裂「あの子や学園都市の上位ランカーはともかく、そして未成年っつーか精々14ぐらいなのに水着が予約特典になる子達にも抜かれ!」

神裂「よりにもよって『後方のアックア』のようなアニメにチラッと顔出した程度のポッと出にも抜かれ!」

神裂「いざ当確の花をつけに行きや、振り返ったら後ろにいるのは土御門というご覧な有様でしたが!がっ!」

土御門「ねーちん、実は俺も出番あるとは思ってなかったけど、その言いグサはどーだろうにゃー」

神裂「ですが!今は普通に喜びたいと思います!忘れられなくて良かった……!」

土御門「いや、ねーちんとアックアの場合、アニメ第三期でやるからってむしろタイアップ的な意味で」

神裂「信じていました!えぇ信じていましたとも!」

土御門「落ち着け神裂。握った湯飲みを破壊する前に」

神裂「登場初期は逆立ちしても敵わない圧倒的存在として描かれ、段々ショボくなってもう最近じゃ『聖人レベル!』と分類分けに疲れる始末!」

神裂「そんなには私にも活躍の場が!よく分かりませんが回ってきた訳ですよねっ!」

土御門「あのさ、ねーちん。フラストレーション溜めてたのは理解出来るし、明らかに俺と機体がミスマッチで数合わせだってのは置いておくとしてだ」

土御門「何やるのか、分かってんのかにゃー?」

神裂「えぇ勿論ですよ。アックアを撃退して『騎士派』と戦うのでしょう?」

土御門「まぁそうなんだけど、そうじゃなくってゲームの方」

神裂「げぇむ……前に出たのと同じで、脚本通りに喋るだけでいいのでは?」

土御門「……ねーちんってさ、コンピューターゲームやったことある?」

神裂「バカにしないで下さい土御門。私だって持ってはいませんが、知識としては持っています」

土御門「……ちなみにどんな?」

神裂「ピコピコ、ですよね?」

土御門「――はい、しゅーりょー!心配すんなねーちん!俺今からセガ行って『神裂は一身上の都合で辞退します』って言ってきてやるからっ!」

神裂「待ちなさい土御門っ!?どこをどうすればそのような結論になるのですかっ!?」

土御門「……あのさ、俺たちが何すんのか知ってる?つーかバーチャロイドって知ってる?」

神裂「ば、バカにしないで下さい土御門っ!私だって持ってはいませんが、知識としては持っていますってば!」

土御門「へー?つーかセガとかバーチャロイドとか、ピー音外れてんな」

神裂「初音ミ○、ですよね?」

土御門「ボーカロイドな?あざといっ!間違え方が可愛くてあざといぜぃねーちん!」

土御門「だがそーゆーのカミやんの前でやってるやるにゃー。俺には心に決めたAカップがいるからなんも感じないぜ!」

神裂「名前を。せめて名前の方を呼んで上げませんか?」

土御門「正直に言え。コンピューターゲームをやった経験はっ!?」

神裂「……ない、ですかね」

土御門「無理だな−。これはちっとマジで辞退すれば?」

神裂「も、問題など何もありませんよ!」

土御門「だってねーちん、全自動洗濯機に負けたでしょ?」

神裂「ま、負けてなどいませんよ!そりゃ最初は意見の違いや価値観の相違からにらみ合うこともありましたけど!」

土御門「あれ?ここもしかして範囲型デバフ攻撃受けてる?ねーちんのINT低下してるんだけど」

神裂「今やあの子はウチの子ですからっ!イギリス動乱でも一緒に寮を出た仲なんですよっ!?」

土御門「うん。実は俺もシスターちゃんから――」

土御門「『神裂さん、あのクソ忙しいときに洗濯機持って逃げてたんですけど、アレですかい?やっぱ敗戦がショックで?』って言ってたぜぃ」

神裂「今となっていいは思い出ですね」

土御門「浸ってんじゃねぇよ。シスターちゃんは『そ、そのゴリ――も、もとい聖人パワーでもっと霊装とか持ち出すに使ってほしかったですよ!』っつってんだよ」

神裂「それシスター・アンジェレネですよね?部屋に隠したお菓子の段ボール箱を持って行けずに泣いて渋っていたアンジェレネですよね?」

土御門「シスター・ルチアにシバかれるまでテンプレだがな!」

神裂「あのお二人も仲は良いですし、概ねシスター・ルチアの方が正しいのですが、すぐ体罰に訴えるのもどうかと」

土御門「そうじゃないと言うこと聞かないんじゃね−の?」

神裂「ありそう。ってかそれ正解ですね」

土御門「そんな機械オンチのねーちんに!発売日までには一流のバーチャファイタ○になって貰うぜぃ!」

神裂「多分違うと思います。詳しくは知らないのですが、バーチャロン乗りをファイターつけたら別の格闘ゲームになる気がします」

土御門「……てか真面目な話だ。神裂はどこまでゲームやってことあるんだ?」

神裂「マインスイー……なんでしたっけ?地雷を踏まないようにするのでしたら」

土御門「シンプル!結構意外!」

神裂「面白いとは、あまり思いませんでした」

土御門「パズルゲームだしにゃー」

神裂「あぁいえ、適当に何も考えずクリックし続けたらクリアできますし」

土御門「聖人の幸運補正!ちょっとで、ほんのちょっとでいいからカミやんにおすそ分けして上げて!」

神裂「あれって幾何学模様を楽しむゲームじゃないんですかっ!?」

土御門「そこで驚くのはおかしい」

神裂「他にもポケモ○は知っています。似たようなことはしていますし」

土御門「お、ねーちんでも知ってた――て、似たようなことって何だにゃー?」

神裂「あれは私の非番の日なのですが、救われぬ者を救おうと活動してた時のことです……」

土御門「回想入るの?別に俺ねーちんのプライベートはそんなに興味ねーから三行でいいよ?」



――回想 東ヨーロッパ

神裂『――探しましたよ、マリアン=スリンゲナイヤー』

マリアン『……あんたもしつこいなぁ。こうまで追っかけられてると恋してんじゃないかって不安になるんだよね』

ミョル子『ストーカー、こわーい』

神裂『逃げるのはそちらに疚しいところがあるのではないでしょうか?私はただ話し合いに来ているだけなのですが』

マリアン『っいう割にはデカい包み背負ってんじゃんか。クリスマスにはちっと早ぇーし、なんかの霊装だろ?あぁ?』

神裂『”包み”ではなく、これは日本の”フロシキ”と言います』

ミョル子『ピロシキ?』

神裂『風呂敷、ですね。元々は共同浴場に赴く際、衣類をまとめて入れていた袋を指して』

マリアン『いや語源は別にいいっちゅーねん。そん中に物騒な兵器入ってんじゃんか、つってんだよ』

神裂『――私は考えたんです。あなた達には友が必要である、と!』

マリアン『オイ日本人、散々追い回しといてボッチとは失礼なヤツだな!』

ミョル子『でも否定は出来ない。友達少ないしさ』

マリアン『私らはしょーがねーだろ。魔術師がフォロワー数で勝負してんじゃねー』

神裂『……確かに私たちは一般の方々とは遠い立場にあります。有り様も生き様も、時折交差することはあれど共に生きるのは難しい』

神裂『しかし、本当にそうでしょうか?諦めてしまうことが正しいのか――』

神裂『――そう決めつけることこそが早計でしょう!信条を貫く魔術師だからこそ変化に貪欲であるべきなのですっ!』

マリアン『”から・こそ・べき”言うヤツは信用しない主義なんだけどさー。要はなんだっつーんだよぉ』

神裂『あくまでも個人的にですが、あなた方は優れた魔術師であると私は感じます』

マリアン『ありがとー。悪名高き暗殺組織の聖人サマから言われると嬉しくないけどねー』

ミョル子『まぁ、体張ってるし』

神裂『……私の場合は才能にアグラをかいている、と言われても仕方がありません――ですが』

神裂『――なんであろうと力は力。救い手を差し伸べるのに一片の躊躇いもありません』

マリアン『だから』

神裂『あなた方にも信念があり、少なくともそうやって寄り添う仲間がいます。それがそれしかないという道を歩んだけ、であったとしても』

マリアン『……』

ミョル子『んー……』

神裂『だから私は対話を求めたい、理解もしたいのです。何も出会った当日に桃園の誓いを立てよ、と言っているのではなく……そうですね』

神裂『道でバッタリ出会ったとしても即座に霊装を構えるのではなく、嫌な顔をしながら挨拶する程度には、と』

マリアン『ヤな顔してんじゃんか』

ミョル子『まぁそのぐらいだったらいいんじゃない?「必要悪の教会」から追討命令出てるってゆうんじゃないんだし?』

神裂『今日は、非番です!』

マリアン『日付跨いだら襲ってきそうなレスありがとー――で、どうやって私ら友達になろうって。コイバナでもすんの?』

神裂『いえ、それも悪くないかも知れませんが今日は相互理解を高めようかと』

ミョル子『ドドー○でダベる?』

神裂『えぇその前に今日はですね、私の友を連れてきました』 ズシンッ

マリアン『……友?フレンド?今なんっつーかフロシキ置いたらスッゲー音した!』

ミョル子『鉄塊だと思うよ。振動的に』

神裂『……私の友人を好き勝手……まぁいいでしょう、さぁ見て下さい――太郎丸!』 サッ

全自動洗濯機『……』

マリアン・ミョル子『『……』』

神裂『太郎丸です』

太郎丸(全自動洗濯機)『……』

マリアン『えーっと……これは、ジャパニーズジョークか?それとも聖人は脳みそ病んでないとなれない、とかかな?』

ミョル子『』

神裂『太郎丸はですね、最新式のAIが導入され会話もこなすんですよ!……私はやり方を存じませんが』

神裂『他にも洗濯物をスキャンし最も衣類に適した洗い方を無線ダウンロードする賢い子で!……私はやり方を存じませんが』

神裂『また落ち込んだときに主人のテンションを感じ取り、優しい音楽を流してくれる!……私はやり方を存じませんが』

マリアン『あーそりゃメンヘラOLも泣いて喜ぶ高機能だな。ただなんで制作は「ユーザーを自分では選べない」って機能をつけなかったんだか』

神裂『この子であれば!きっと話も弾むに決まっています!さぁ心を開いて!』

マリアン『おい、ご指名だぞミョル子』

ミョル子『――と』

神裂『と?』

ミョル子『トールハンマーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!』 ズガガガガガァァアンッ!!!

神裂『太郎丸ゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!?』



――回想終わり

神裂「……やはり話し合いだけではどうにもならない。そんな現実の厳しさを思い知りました。私もまだまだですね」

土御門「売りに行ってるよな?超バーゲンでケンカ売りに行ってるよな?」

土御門「てかねーちんも時々カミやんばりのボケを披露するけど、なんやかんやで同族だよな?ボケの方向性っていうかベクトルが」

神裂「まぁ私もついカッとなって鈍器のようなものでフルボッコしたので、痛み分けでしょうが」

土御門「ボケへ対して的確にツッコんどいてその仕打ち!?釣り合ってねーよ!」

土御門「つーか壊れただろ。洗濯機」

神裂「太郎丸です」

土御門「……その子が魔術師のツッコミ電撃喰らったら、ぶっ壊れんだろ」

神裂「いやそれが『第三位の電撃にでも耐える(かもしれない)アース仕様!』とのことでして」

土御門「フルボッコされた元・グレムリンが可哀想!テロリストだって生きてはいるんだから!」

土御門「というかカミやんのおウチに持ってってやれよ。定期的に敵から味方まで襲撃かけてくるんだから、あそこ」

神裂「その隣人であるあなたも相当の被害を被っているはずですが……」

土御門「ある意味、学園都市内で一番ニュートラルな場所だと思うぜぃ――つーか、ねーちん」

土御門「今の小話とポケモ丸どう関係あんだよ。サト○がピカチュ○差し置いて殴りに行ってんじゃねーよ」

神裂「あれもパートナーと絆を深めて戦うゲームでは?」

土御門「主旨は合ってるけどねーちんの認識は激しく間違ってるぜぃ」

神裂「――時に、世の中にはきの○派たけの○派、イヌ派ネコ派、サッカー派バスケットボール派と人の数だけ分かれているとも言います」

土御門「あ、俺義妹派」

神裂「義妹の時点で存在を確認できないぐらいの少数派じゃないですか」

土御門「それが特定の地域でアンケートを取れば3割は行くぜ!だって俺たちだもの!」

神裂「まぁともあれペットにするのであれば犬か猫で分かれるでしょうが、基本的に飼い主は第三者が見れば引くほど愛しますよね?」

土御門「そうですね。ほんの数十秒前の俺の心境を分かって頂ければ!」

神裂「一方、ポケットをモンスターする主人公は特にこれと言った理由もなく、お互いに戦わせるのですが、これのどこに愛があるのでしょうか?」

土御門「ねーちん、マジになって斬り込んでくるの止めない?なんだかんだで20周年だし、あっちはベテランの域に達してんだぜぃ」

神裂「ウチの太郎丸を前線へ送り出すなんてとんでもない!我が子を死地へ赴かせるならば私が逝きましょう!」

土御門「いやそれねーちんが異常だから。第三次世界大戦の激戦区行っても、ほぼ無傷で帰ってこれんのはお前ぐらいしかいないにゃー」

土御門「……なんだろうなー。お一人様を拗らせたお局OLがアイ○を可愛がるみたいな。あ、新型出るらしいけど」

土御門「20万円近い家電が予約開始30分で完売するのも、中々ロックだぜぃ」

神裂「と、いうかですね!今回の企画はおかしいと思うんですよ!明らかに人選が偏ってるじゃないですか!」

神裂「”とある魔術の”ってタイトルなのにどうして11人中6人が科学サイドなんですかっ!?比率おかしいでしょうっ!?」
(※11月2日時点で)

土御門「魔術サイドが禁書目録、ねーちん、アックアと一応俺。カミやんは中立……かな?」

神裂「残り一人は五和……いや建宮かも……」

土御門「総選挙で残り一議席を取り合う比例区のような仁義なき戦いが待ってるんだにゃー。つーか恐らくこっち側だし」

土御門「HAMADURAに妹達、アホ毛ちゃんが血で血を洗う抗争をやってると思うぜぃ」

神裂「土御門、あなたのお友達は……?」

土御門「カミやん出てるぜぃ?」

神裂「知らない振りをするのも、まぁ構わないと思いますが――でも、アレですよ。奇矯な服を着せられるかと思いましたが、なくてよかった。本当に……!」

土御門「いやぁ、それはどーかにゃー?安心するのは早いと思うですたい」

神裂「普通に喋れるのは分かってますから、思い出したようにやらなくてもいいんですよ?」

土御門「ゲームに疎いねちーんは知らないかもだが、ダウンロードコンテンツっちゅーのがあるにゃー」

神裂「”ねちーん”って誰ですか。妙に語呂はいいですけど」

神裂「ダウンロード……あぁ、インターネットでデータのみ買うことですか?」

土御門「そりゃデータ販売やストリーム。俺が言ってるのは追加コンテンツですにゃー」

神裂「知ってまいます。シスター・アンジェレネが『か、課金すれば人がゴミのようなんですよっ!』と」

土御門「俗いぜあのシスターちゃん!……いやまぁ課金とはちょい違う――くもないか。完成品の切り売りだしー?」

土御門「例えば普通だったら誰それのこの装備しか使えないとかあるだろ?でもDLCだとカネ払ったヤツは別の装備も使えたりするんだにゃー」

神裂「はい?使えるの意味が分からないのですが、それは最初から誰でも使えなければおかしいのでは?」

土御門「まぁそうなんだが!それは見ないフリするとバーチャロイドにも色変えとか武装変えのが販売されるかもしんねーんだ!」

神裂「はぁ、そうですか」

土御門「他にも追加キャラクターを増やしたり、キャラクターの衣装を変えたり」

神裂「あまり私には関係のな――待ちなさいグラサン。今なんて?」

土御門「もしかしたらねーちんのエロコスプレバージョンが出るかもしれないにゃー」

神裂「はっきり言いましたねっ!?そこはボカすところでしょうっ!?」

土御門「……なんなーく、第三位は通常服の他に常盤台制服版、水着版、御坂妹版と大量に出そうな予感が……!」

海原「よっし自分は予約してきますねっ!」

土御門「あ、バカ。まだ予約特典発表になってな――」

土御門「……ん?今誰が通ったか?」

神裂「誰もいませんでしたよ。えぇ私の目に人間は映りませんでしたとも」

土御門「ある意味しょーもない動機で修羅道に足を踏み入れたアホではあるが……」

神裂「というか中学生の水着姿が特典というのは、ちょっと……」

土御門「ねーちん、それ言ったらエロゲ×はにっちもさっちも行かなくなるぜぃ」

神裂「えろ×ー?」

土御門「ねーちんがバイトでやってる」

神裂「黙りなさい。殺しますよ」

土御門「緒方恵○で二千万だって」

神裂「黙れと言っているでしょうこのド素人がっ!」

土御門「お、俺はカミやんとは違うぜぃ!暴力に屈するような男じゃないにゃー!」

神裂「……ピラニア3○」 ボソッ

土御門「――ま、それはともかく!ねーちんの今のスペックじゃ無理ゲーだぜぃ!あと正味三ヶ月で廃人ひしめくバーチャロンの世界で勝とうなんてな!」

神裂「……どうしても、ですか?」

土御門「……そんな目で見られてもダメですたい。まだ他のゲームガンダ○vsとかやったことあるんだったら、余裕なんだがな」

土御門「ねーちんの場合、『ゲーム?あぁおはじきですね、私結構強いんですよ』から引き上げるのは、ちょっと……」

神裂「私のレベルが現代人じゃないですよね?まぁ確かにおはじきには一家言ありますけど」

土御門「強いん?」

神裂「全力で投げれば軽戦車の装甲ぐらいは、まぁなんとか」

土御門「残念だにゃー。俺の知ってるおはじきとねーちんの使ってる兵器は字面でしか同じじゃなかったにゃー」

神裂「頑張れば音速になりますし、ちょっとした超電磁砲にですね」

土御門「対抗しなくていい。電気能力じゃなく力技で音速の壁に突っ込むのは超電磁砲でもなんでもない」

神裂「本気を出してないとはいえ、聖人相手に互角の戦いをするような人物が今度は一人でパワードスーツ持ち出して来た――」

神裂「この意味が分かりますか、土御門元春!」

土御門「科学サイドの戦力が過剰だぜぃ。世界に数人の『原石』とはいえ、戦いの素人が『聖人』並とは厄介極まりない」

神裂「もう『聖人』としての私の立場はどうすればいいんですかっ!?」

土御門「神裂、お前本格的にどうしたの?」

神裂「折角廻ってきたチャンスを生かさない手はないのです!例えそれが薄い本量産になったとしても!」

土御門「来年の夏は捗るんだぜぃ!サイクルが過ぎたらまた下火になってくんだが!」

神裂「ですから――どうか私にご指導をっ!」

土御門「……ま、そこまで言われるとこの土御門さんもイヤとは言えないにゃー。一肌脱ぐぜぃ」

土御門「だから取り敢えず、用意しておいて『バーチャロン養成ギブス』であるこのコスプ――もとい、トレーニング着にだな」

神裂「――たまに。えぇまぁそれはもうたまになのですが、最大主教はこう呟かれるのですよ」

神裂「『土御門のヤロー、私にアホ日本語を指南し給うとは屈辱であろうことなのよな……!』」

神裂「『いっそのこと暗殺……いや、あのアホにかける手間暇は……だがぶち殺し……ぐぬぬぬ!』、と」

土御門「まだ根に持ってんの、あの金髪ババア」

神裂「一応止めているのは私ですし、事あるたびに奨学金打ち切りを思い止ませているのも……分かりますね?」

土御門「……あーい」

土御門「それじゃこれ、PSPによく似たオリジナルのモバイルでシミュレートすればいいにゃー」

神裂「電源は……すいっち、がないようですけど」

土御門「横のボタンを上にスライドさせて」

ベキッ

神裂「あ、あれ?蓋が取れ――」

ペキペキペキッ

土御門「……ねーちん、グラップラー刃○に出たらそこそこ行けるんじゃないかにゃー?」

神裂「かの暁武蔵と死合えるのならば、と。武人としては誰しもが一度は夢見ることですよねっ」

土御門「そっちは知ってんのかい」

神裂「技も大体は実現可能です」



――2018年2月15日 学園都市

上条「いいかテムジン!お前は人殺しの道具なんかじゃない!俺がそんな風にさせない!」

上条「だから!お前の力を貸してくれ――」

上条「――あの子を助けるために!」

テムジン『――』 ブゥンッ!!!

神裂「いいでしょう上条当麻。偉大で無力な勇者よ、あなたが変わらず在ることを喜び、感謝を」

神裂「そして何度でもその挑戦を受けましょう――あなたが教えてくれたことを、返すためにもっ!」

神裂「さぁ、共に戦場を駆ける力を――」

神裂「――『救われぬ者に救いの手』を!」

全自動洗濯機『――』 ズゥンッ

神裂「さぁ正々堂々と――」

上条「待って?超待ってくれないかなかんざきさんじゅうはっさいさん」

神裂「ぶち殺しますよ?」

上条「あぁごめん、ちょっと混乱してて何を言っているのか分からない。つーかいいかな?一つ聞きたいんだけどもだ」

上条「こっちのさ、これ分かる?この子はテムジンっていうバーチャロイドなんだけど」

テムジン『――』

神裂「存じていますとも。ベーシックな性能ながら全ての距離で戦えるために強機体だと数えられる、でしょう?」

上条「うん、よかった。そこは分かってくれるんだな、うんまぁまぁここまでいいとしようや」

上条「でね、もしかしたらなんだけど俺がバーチャロンよく分かってなくてさ?」

上条「可能性としては低いと思うんだけど、隠しキャラorダイモンがこっそり趣味で作ってた機体orオリジナルって可能性もあるんだよ!いいよなっ限定版!」

上条「だからまぁまぁ確認をしておきたいんだが――その機体、名前教えて?」

神裂「太郎丸です」

太郎丸(全自動洗濯機)『――』

上条「違うじゃんっ!?それバーチャロイドじゃないじゃんっ!だってそんな名前の子知らないよ俺っ!」

上条「つーかお前がデッカイ風呂敷包み背負ってた時点でもう嫌な予感しかしなかったもの!またなんか変なの仕込んだの来たなーって!」

神裂「な、何を言うのですかっ!太郎丸だって戦えるかもしれないじゃないですかっ!」

上条「どうやって?確かにちょっと砲台引っぺがしたヤガランテに似てなくもないが、それ昔っからヤガが『洗濯機』呼ばれただけであってだ」

上条「そもそもバーチャロイドの”バーチャル”要素がねぇだろうがよ!直に!登場からずっとお前が背負ってたし、それをただ風呂敷解いて地面に設置しただけで!」

上条「大きさは違うわ貫禄もないわまずなんつっても高速戦闘どころか動く気配すらない!どうやって戦うんだよ!?やってみろアァンっ!?できるもんならなっ!」

神裂「――ここ数ヶ月、私は血の滲むような特訓を繰り返したのです」

神裂「長く出口の見えない道を行くが如く、または道すらない荒野を行くような不毛な日々の果て。私は一つの真実に達しました」

上条「うん、それは?」

神裂「『あれこれ私が直でぶん殴った方が話早くね?』、と!!!」

上条「ぶつちゃけやがったなこのアマ!?確かにそれはお前やアックアや一方通行だったらそうかもしんねぇけど、そこツッコんだら終わりだろ!空気読め!」

神裂「威力もそうですが、一部の戦闘特化型の魔術師は音速並の速度で動き回りますし、ねぇ?」

上条「そのドヤ顔むかつくわー、そげぶしたいわー」

神裂「――と、いう訳で勝負です上条当麻!あなたのテムジンと太郎丸で正々堂々!」

上条「正々堂々の使い方アバウト過ぎねぇかな?アレだろ、これつまり『ファィッ!』ってゴーサイン出たらお前が俺シバきに来るんだよね?」

神裂「ふっ、太郎丸は防御特化ですからね」

上条「家事特化じゃないかな?むしろ洗濯機に何求めてんの?戦闘は一番遠いとこだよ?テロリストだって洗濯機使おうってハラはないもの」

神裂「……」

上条「おいボケ聖人どうした」

神裂「テムジンはマーズでRNAサイドのエース部隊で運用されており、戦いの道具の中でも古参かつメジャーであり限定戦争の代名詞なのでは?」

上条「きっちり理論武装はして来やがってチクショー!俺だってバーチャ歴そこそこ長いから『あれ?これ矛盾してね?』って思ったけど脚本だからそう言ったんだよ!」

上条「てかもうどっかもかかって来いや!バーチャロイドよりもケンカの方が分かりやすいし、いつも通りだわ!」

神裂「よく言いました。では、いざ!」

上条「――勝負!」



――街頭テレビ

アナウンサー『――また本日より始まった限定戦争は大好評のまま初日を終えました』

アナウンサー『しかし一部の学生は何を勘違いしたのか、素手で殴り合いを始めるという一幕もあったとされます』

アナウンサー『事態を重く見た運営は試合の一時停止と対策強化に乗り出――』

土御門「……うん。無理なモノは、無理」



−終−

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