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Clock(trial)

上条「上条家の夏休み」

 
――とある高校夏期”補習”授業

小萌「アメリカへ植民した人間達が七面鳥を『神がくれた鳥』として扱ったのは有名なのですが、実はこれに似たエピソードがあるのですよ」

小萌「それはオランダがモーリシャスに植民した際、現地の固有種であったドードー。不思議の国のアリスでお馴染みのアレなのですね」

小萌「このドードー、肉が硬くて食品に不向きだったため、バルクフォーゲル。直訳すると『不味い鳥』という実に不名誉な名前をつけられたのです」

小萌「ドードーはオランダ人の食糧もしくは狩猟趣味のための狩りの対象、もしくは持って来た猟犬などの被害により100年経たずに絶命してしまったのです」

小萌「そしてこのドードーの悲劇はこれだけに終わらず、あまりにも価値がないと評価されていたため、骨格標本だったり剥製だったりが録に残ってないのでありまして」

小萌「レプリカであったり複数の個体の寄せ集めであったり、『状態が悪い』と処分されてしまったり、おおよそまともな扱いをされていなかったのも事実だったのですよ」

小萌「なので『不思議の国のアリス』でドードーを取り上げたお陰で、ようやく彼らの知名度が上がって日の目を見るようになったのです」

小萌「なお雑な扱われ方の最たる証拠としまして、現代に残っている最も保存状態のいい骨格標本が『2007年にモーリシャスの洞窟で発見された骨』っていうね!」
(※以上、全て実話です)

小萌「――まぁつまり何が言いたいかといえば、『テメーらの先祖のクソみたいな悪行を忘れたフリしてなに綺麗事言ってんだよ?あ?お?あぁ?』と」

上条「先生、飛ばしすぎです。俺以外に生徒が居ないからって心置きなくヘイトを溜めるのはちょっと」

小萌「なお地球に優しい()人達へ『じゃあ悲劇をなくすためにも【ダッチマンはドードーを絶滅させました☆】ってプラカードでも首から提げてなよ?』」

小萌「と、煽ったら、親の敵のような顔で睨まれたことがあるという人が」
(※一部実話です)

上条「どこに行ってもケンカを売るスタイルですよね?」

小萌「クジラでケンカを売ってきたからなのですよ!決して前々からムカついてた訳ではなく!」

上条「人はどうしてマウントを取らずにはいられないんだろうか……?」

小萌「――はい、っていう訳で補習授業は以上となるのですよ。上条ちゃんも大変お疲れさまだったのです」 キーンコーンカーンコーン

上条「超大変ご迷惑をおかけしましたっ!本当に本当にあざっしたっ!」

小萌「気にしなくてもいいのですよ。生徒ちゃんのためであれば先生は全力を尽くす義務があるのです」

上条「せんせー!」

小萌「でも、先生のキャリアの邪魔になるのは生徒ちゃんではないという説もあったり?」

上条「土御門のヤローに騙されてますよ!心を強く持って!連中は俺達の心の隙につけこんでこようとするんです!」

小萌「まぁ本音に限りなく近い冗談はさておくとして、上条ちゃんもよく耐えたのです!一回も逃げたりしなかったじゃないですか!」

上条「やりましたよ先生!俺別にただの一回も自分の意思でサボったことないんですけど!不当な評価ですけど!」

小萌「えぇまぁそれでもやったのですよ!これで何とか他の先生方にも示しがつきますし、新しく着任された統括理事長さんの『どォなってンの?』って胃壁を削るメールボムからも逃れられるのです!」

上条「あれ俺小萌先生の胃壁より優先度低い?なんだかんだで自分が可愛いの?」

小萌「査定に……次のボーナスは車の頭金に遣うってもう決まっているのです……!」

上条「俺の感動を返してくれよ。カネじゃねぇかよ」

小萌「それは違うのです!先生はただ腐ったみかんを腐ってないみかん箱に紛れ込ませようとする努力をしているだけであって!」

上条「俺もう帰っていいっすか?じゃないと手を上げそうになるんで」

小萌「授業中はノーリアクションなのに?」

上条「まさに手を上げるだけにね――ってやかましいわ!?先生だろうとツッコむわ!だってこのボケがダダ流れになってダメージ負うのは先生だから!」

小萌「それと同じなのですよ!上条ちゃんのためを思って敢えて厳しい態度を取るのです!」

上条「先生……ッ!」

小萌「まぁそれとは別に査定がどうとか胃壁がどうとかというのもまた現実の一面ではあるのですが……上条ちゃん?話聞いてますか?」

上条「俺――将来教師になりたい!」

小萌「……あのですね上条ちゃん?昔だったらともかく、今の時代は淫の行とか条例とか、非常に厳しく取り締まられる時代なのですよ?」

上条「前置きがまず不穏な単語ばっかっすね!」

小萌「『ネギ○!』……あぁいやいや『地獄先生ぬーべ○』の方がらしいっちゃらしい、のですかね……?」

上条「オイやめろ!なんだかんだで教え子に手を出す作品を出すな!」

小萌「あれは別にクローンであって……マルチバースでは千○ちゃんとゴールインしたっちゃしたのですよね」

上条「あと鵺○先生はフラグを立てただけで手は出してない。『16歳の教え子にはどうなの?』的な疑惑を抱えただけであって!」

小萌「妖怪だから、えぇまぁそういうことで大人は自分を納得させてですね」

上条「言いようじゃないですか。『相手が未成年だとは分からなかった』的な」

小萌「ちなみに知ろうが知るまいが、罪は罪として成立する確率がかなり高いので……」

上条「マジかよ!?『ボク夏休みは遠野行ってザシキワラシ捕まえてくるんよ!』って言ってた青ピが危ない!」

小萌「それもう別の意味でアウトー、なのですよ?あと『そんなことは言ってねぇよ』ともツッコめますけど」

上条「まさか教師にそんな罠があるとは……!」

小萌「罠っていうか、まぁしょーもないお話なのですよね。『性犯罪者二軍』と予備軍から昇格されている感も……」

上条「『――先生のご指導の賜物です』」 ニチャアァッ

小萌「逮捕されたときのコメントが邪悪!?それ先生がショ×食いで仕込んだ的な暗喩になりません?」 

上条「でも小萌先生はロ×枠じゃないですか?」

小萌「やかましいのですよ!こちとら何年そのネタでイジられてると思っているのですか!?」

上条「え、何年なんですか?」

小萌「――まぁその話はいいじゃないですか。それよりも上条ちゃん、残り少ない夏休みのご予定とかあったりするのですか?」

上条「話の切り替えが超強引。一説には黄泉川先生よりも上だって」

小萌「――あ?」

上条「特には予定していませんねっ!だってどいつもこいつも俺を置いて行っちまってるんですから!」

小萌「そうなのですかー?なら丁度良い機会ですし、じっくりと英気を養ってみてはどうなのですよ?」

上条「あぁいや先生。確かに休養も大事だけど、それよりも人間って成長するのも大事だと思うんですよ。むしろこういう時こそチャンスっていうか」

小萌「『余計なことしねぇで大人しくしとけコラ』って言ってんですよコノヤロー?」

上条「そういう……俺が何かやったら呼び出されるからですね――ってメールが」 ピッ

小萌「や、あの補修中……まぁいいのですよ。それじゃ少ないながらも残りの夏休みを楽しむといいのです」

上条「――待ってくれ先生!先生って確か車乗ってたよな!?」

小萌「え、えぇまぁそれなりのはありますけど。諸事情により特注サイズの軽が」

上条「前に紹介した知り合いのシスターから連絡が入った!悪いけど速攻で送ってくれ!」

小萌「いやあのこの後もお仕事がですね。てか連絡ってなのなのです?熱中症で倒れたとか、そういうのだったら面目もつくのですけど……」

上条「じゃあこれを見てくれ!」


メール【へんなひときてるかもまるちょっきぷりーずなんだよびっくり】


小萌「記号変換が思いっきりミスってますね。令和の時代に」

上条「そういうことじゃない!事案発生だろこれ!?」

小萌「いや多分上条ちゃんの謎人脈の誰かが遊びに来てるだけ――って離して下さい!離すのですよ!先生はこのあと他の先生との懇親会という名目での飲み会が!」 グッ

上条「違うんだ――敵の魔術師の攻撃なんですよ……ッ!!!」

小萌「もうギャグじゃないですか、しかも何年使い倒しているかってぐらいの」
(※6年越し)



――上条家のアパート

上条「大丈夫インデックス!?BSSはもう終わっちまったのか!?場合によってはヒロイン交代ってことも!」

インデックス「ちょっと何言ってるのか分からないんだよ。ただただ不愉快だってのは分かるんだけど」

上条「いいか?この世界には新車よりもクラシックカーの愛好家ってのがいてだな?」

インデックス「もっかい言うけど分からないよね。そしてくり返しになるけど中古車扱いもそれはそれで倫理違反にならない?ダメなんだよ?」

インデックス「てかとうま早かったんだよ。もっとかかとる思ってたんだけど」

上条「職員室で号泣して黄泉川先生に送ってきてもらったんだ」

インデックス「手段を選ばないんだよ……!評価は大幅に下がってると思うのに!」

上条「そして人のいない間に登場した間男はどこだ!?近年のエ×ゲーでもライバルキャラが出るだけでアンケートハガキに長文ギッシリ書かれて送られてくる時代だってのに!」

インデックス「病んでるんだよね。そこまで情熱を使うのも如何なものかと思わなくもないんだよ」

上条「つーか誰来てんの?土御門?ステイル?もしかして大穴でステイル?」

インデックス「どうぞ」

刀夜「――どうも、変な人だよ!」

上条「父親だわ!?お前は会ったこと……一応あるだろ!?『堕天使堕とし』んときに面識は!」

インデックス「知り合いだからって変な人は変な人なんだもん!」

刀夜「おぉっとシスターさん、私をそれ以上変な人呼ばわりすると泣いてしまうかもしれないね……!」

刀夜「息子の前で号泣する姿を見せたいのであればそうすればいい!それでもいいのかい!?」

上条「相変わらず変だよ父さん。インデックスが悪いっちゃ悪いんだが」

上条「てかこっち来るんだったら連絡してくれれば良かったのに。どうしたんだ急に?」

刀夜「ビックリさせたかったからね。あぁこれお土産のケン○のパーティバーレルとダッ○の詰め合わせ」

上条「あぁありがとう。二人暮らしにはキツいが」

刀夜「――が、入ってた紙箱だね。そっちの子が私から強奪して、既に中身はないんだ」

上条「テメ一人で全部食いやがったな!?食うなとは言わないけど少しぐらい残しとけや!?」

インデックス「か、かろりーが必要なんだよ!夏だから汗をかくんだから!」

刀夜「フードファイターが逃げ出そうなレベルの食べっぷりで、つい止めずに見とれた私も悪い……かな?」

上条「あとこの子に高い物を上げないでください!次から『だっ○じゃないとあいすじゃないんだよ!ちゅーぺっ○は何か違うんだもん!』とか言い出すんですよ!?」

刀夜「人んちのペットに高いネコ缶買ってきたような言い方だよね」

上条「つーか父さんなんで来たんだよ?差し入れだったら歓迎するし、現金だったら超歓迎するが」

刀夜「久々に会った息子がやさぐれすぎているのが悲しいよね。まぁアレだよ、たまには家族旅行でもどうかなって思ってさ」

上条「……母さんは?」

刀夜「こっちにまでは来てないよ。父さんが止めたからね」

上条「なんでだよ。観光に来て貰えばいいじゃんか」

刀夜「『問題・自分の息子の部屋へ行ったら年端もいかないシスターコスプレ女子がいました。さぁ、どうでしょう?』」

上条「ありがとう父さん!やっぱなんだかんだで最高の理解者は父さんしかいないよな!」

刀夜「上条家の呪われた血の先輩だからね!気がついたら同棲している事だってあるさ!」

インデックス「あの……本物なんだけど。これ以上ないってぐらい正当な」

刀夜「という訳で時間稼ぎにも限度があるんだよ!さぁ早く行こう!」

上条「待て待て待て待て。行くのはいいし冷蔵庫の中も諸事情により常に空だからいいんだけど」

インデックス「私は?私はいらない子なんだよ?」

刀夜「君はほら、ねっ?家族水入らず、一家そろっての団らんに水を差す的な、ねっ?」

上条「大人げないわー。曲がりなりにも大人なのに圧迫感が凄いわー」

刀夜「生活費、うん。生活費とか、ねっ?女性を囲う甲斐性もないのに、何をやっているのかな、っていう話であって、ねっ?」

上条「それ言い出したら終わるんだよ。魔術と科学が出会わずに、『――よし!児童相談所に相談だ!』って

刀夜「自分の子供と一緒に過ごせる時間、特に高校一年生の夏はもう二度とやってこないんだけど、それでも君はついてくるって言うのかい?」

上条「うん、言ってることは分からないでもないんだが、子供相手に正論で殴りつけてる時点でどうなのって話だからな?」

刀夜「問題ないよ!こんなこともあろうかとお隣のお嬢さんに原付買えるぐらい包んで置いてきたから!」

上条「金額が生々しい。てかいくらするんだ原付」

インデックス「……食事は?待遇事態なんだよ?」

刀夜「別料金でこちらに請求するように言ってあるけど」

インデックス「――さっ、とうま!ぼやぼやしてないでママさんのところへ急ぐんだよ!普段はできない親孝行を少しでもしてくるといいかも!」

上条「お前もすっかり生き汚くなったよな。人生なんてそんなもんかもしれないが」



――学園都市某所のカフェ

店員「――いらっしゃいませこんにちはー!ご予約はおありでしょーかー?」

刀夜「予約していた上条です。連れの者が先に来ているはずですが」

店員「はーい伺っております!奥の席へどうぞー!」

上条「あ、どうも。良い店選んでんだな。しかも予約じゃないと中々入れような穴場って評判の」

刀夜「へーそうなのかい?任せてくれって言っていたから頼んだんだけどね」

上条「任せた?母さんに?」

刀夜「あ−、当麻のお友達に。詩菜さんのって言った方が正しいかもだけど」

上条「俺と母さんの共通の知り合い?ステイルに換装した神裂とか?」

詩菜『――えー、ちょっとこの服派手じゃないかしら?おばさんには厳しいと思うのよ』

御坂『いやいや、そんなことないですよ!よくお似合いですし、ウチのハハも「詩菜さんってどこのエステ通ってるか知りたいわぁ」とかよく言ってますし!』

詩菜『嘘よ、それ。実は美鈴さんの方がモテるのよぉ?いつも一緒にいるとナンパされてるし』

御坂『「あ、なんだよくよく見たらおばさんか」って連中によくキレてるんですが……』

詩菜『照れ隠しじゃない?悪い気はしない、とは思うけど』

上条「――気をつけろ!敵の能力者の攻撃を受けている……ッ!!!」

刀夜「あれ?当麻のお友達じゃないのかい?」

上条「俺にとっての厄介事フラグが服着て歩いてんだよ!」

刀夜「つまり――服は着てない方がいいのかい?」

上条「シモの話はしてなかったよね?てか仮にも父親とそんな話すんの辛いんだけど話聞いてたか?」

刀夜「当麻って好きな子いる?名前と住所教えて?」

上条「修学旅行の男子か。いやなんか違うな、男子にしては湿度高めだな」

刀夜「私はね――詩菜さん!」

上条「それ言いたかっただけじゃねぇか!残機を稼ぐために息子をダシにすんなよ!」

詩菜「あら刀夜さんお帰りなさい。当麻さんも久しぶりね」

上条「あぁうんどうも母さん。ごく近くにニンジャがいる以外は元気そうでよかったよ」

詩菜「そういう当麻さんは――アメリカ行ったりロシア行ったり大活躍よねぇ?詳しいお話聞かせてくれる?」

上条「た、他人じゃないですかねっ!世の中には三人似た人がいるっていうし!『カンピオー○』の草○さんとか!」

御坂「べ、別にあんたのために待ってたんじゃないんだからね!」

上条「もう面倒だもの。これを一日捌き続けるかと思うと目まいがするもの」

詩菜「いいわー美琴ちゃん、天然モノだわー」

刀夜「ツンデレって言葉が流行り出す前のだからね。ポッと出の養殖物とは貫禄か違うよ」

上条「浸ってないで状況説明お願いできるかな?なんつーかほら、俺とは会話が成り立たない状況だから」

御坂「べ、別にあんたと会話したいんじゃないんだからね!」

上条「マナーは?てかそれ『喋りたくもねぇよ』って直訳するとイジメになんねぇ?」

詩菜「あらあら刀夜さんったら。当麻さんには何も言ってないのね」

刀夜「ちゃんと伝えたのになぁ。当麻は忘れん坊さんだな」

上条「違うんだよ……!理不尽な展開すぎてアタマが理解を拒んでいるんだ!」

刀夜「ツンデレ風に言うと?」

上条「ち、違うんだからねっ!こはれただ理不尽過ぎて理解が――ってやかましいわ!?ツンデレ風に言ったところで中身は同じだろうが!?」

詩菜「美琴ちゃん、どうぞ?」

御坂「『違うんだからね!これはちょっと理解力が足りてないだけなんだから!』」

上条「悪口じゃね?せめて前提条件の『理不尽過ぎて』って入れようか?そこ外すと別の意味になっちゃうから」

詩菜「刀夜さん、ゴー」

刀夜「『当麻が展開を理解しないんじゃない――展開が当麻を理解しないだけなんだ……ッ!!!』」

上条「キ○君?ねぇ君キ○でしょ?元気してた?劇場版決まったみたいだけど、敵味方無双プレイってまだするつもりなの?」

詩菜「えぇと……ドロー、かな?」

上条「もうヤダよこのパーティ!?全員遊び人以外全員ボケだから俺のノドが粉砕されるわ!?」

上条「てかビリビリは100歩譲ってツンデレのテンプレだけどオッサンの方はなんだよ!?ツンデレじゃねぇし別のなんかだわ!?」



――とある喫茶店

上条「――よし、まず整理しよう。お互いに混乱してると思うから、特に俺が。ステータスオープンしたらバステにかかってたわ」

刀夜「ステータスをオープンさせたんだったら『状態が屋外』ってことに……」
(※例文曰く)

上条「やかましいわ!オープンカーだってあるだろ!?」

詩菜「和製英語なのよねぇ。『Roadster』とか」

刀夜「当麻の英語の成績は良くないよね。勿論他のもだけど」

上条「俺の話はどうだっていいんだよ!それよりも今は自己紹介!はいまずそこのオッサン!」

刀夜「上条刀夜だ!詩菜さんの愛する旦那であり当麻の愛するパパだね!」

上条「異議あり。事実を捏造した痕跡がある」

詩菜「上条詩菜です。刀夜さんが愛するママで当麻さんのママよ」

上条「微妙に言い回しが……いやまぁ夫婦なんだからいいか」

御坂「上条御坂です――ってなに言わせてんのよ!?外堀から埋めるつもり何なんでしょ――本多康紀のように!」

上条「誰が知ってんだよ本多康紀。家康配下の武将で大阪城埋め立てに頑張った人だって誰が分かるんだよ」

御坂「だ、誰が家族よ!民法改正で女子の年齢が引き上げられたから18歳になるまで待たないといけないんだからね!?」

御坂「あぁでも法的拘束力のある婚約だったらお互い未成年でもできるからそっちを適応するしかないんだけど!」

上条「ノドが攣るわ。長文でボケるのは結構だけど、一々全部拾ってたら俺のノドさんが痙攣するわ」

上条「――だがしかしこの中で一人だけ仲間外れが見つかったようだな!」

刀夜「当麻!なんて事を言い出すんだ!決して、そう決して当麻は仲間外れなんかじゃないよ!父さんと母さんに望まれて生まれたっぽい子なんだからね!」

詩菜「そうよ!仲間外れだなんて誰も思っていないわ!当麻さんが家を出るとき、『全寮制……まぁまぁこれはこれで二人っきりね』とか決して思ってないの!」

御坂「仲間外れなんかじゃないのよ!今はただ近くに誰もいないだけで、どこかに必ず運命の糸が繋がった相手がいるから諦めないで!」

上条「あれ?俺もしかして世界の敵とでも戦ってんの?知り合いと家族二人が仲間じゃなくて」

上条「つーかタイム、全員でボケてっと話が進まねぇんだよ。つーかビリビリさんがなんでここにいるんですか?」

詩菜「美琴ちゃんは何も悪くないわよ?『学園都市つきましたー』って呟いたら」

御坂「『あ、丁度近くにいたから合流しますねー☆』って」

上条「騙されないで母さん!全部予定をキャンセルしてマッハでやってきたに決まっているんだから!」

刀夜「ツンデレ風に言うと?」

上条「変んねぇよ父さん。元々の台詞がそれっぽいからツンデレ風にしたって精々最初の一文字噛むぐらいしかな!」

刀夜「――なぁ当麻。これは父親じゃなく、一人の男としての発言なんだがね」

上条「常にそうだろ。ほぼオスとしてしか発言してねぇだろ」

刀夜「あのタイプの女性は追い詰められると何でもするから、素直に言う事を聞いていた方がまだ被害が少ないよ?」

上条「それやったら終わるからだよ」

刀夜「ちなみに詩菜さんと同じタイプだね。近距離ヤンデレ型」

上条「お前まさか――ループに失敗した俺だったのか……ッ!?」

詩菜「いい美琴ちゃん?最終的に物を言うのは折れない信念と強い決意、そして常在戦場の心よ?」

御坂「はいっ!勉強になりますっ!」

上条「母さん、なんて澄んだ眼を……!?一体どんな死線をかいくぐってきたって言うんだ……?」

詩菜「幼馴染みとクラスメイトはまだしも、メイドロボ・宇宙人・超能力者が現れたときの衝撃に比べれば、ねっ?」

上条「ちょっと何言ってるのか分からないですね」

刀夜「古き良き時代のテンプレだね!各エロ×ーに必ずいた幽霊・ロボット・対魔士!」

御坂「深夜の学校……うん、隠れヒロインとかも大事よね!メインを食うぐらいには!」
(※草○さん)

詩菜「それに比べれば美琴ちゃんなんて優良物件じゃない!超能力者ってちょっとアレな属性持ってるけど!」

上条「一応学園都市の顔だよ母さん。他の連中がまぁ揃いもそろって中二病なもんだから」

詩菜「いい、当麻さん?この世界には二種類の人間がいるの――」

詩菜「――一つは刀夜に色目を使うクソビッ×、そしてもう一つは刀夜さんの価値が分からないダメ人間って」

上条「母さんもいい感じに壊れてるよね?壊したのは誰かな?上条家の呪いの連鎖も、俺の世代で断ち切ってた方がいいと思うんだよな。かなりマジで」

刀夜「大丈夫だよ当麻!いつかきっと分かる日が来る――人生とは諦めることだ、ってね……!」

上条「父さんも大丈夫?最近では女性からのDVも裁判になってるし、なんだったら弁護士紹介する?1万弱の殺人容疑で被告になってる知り合いが」

上条「つーかそんなしょーもない理由で俺の未来が!誰か、誰か俺の味方はいない――」

佐天『……』 ジーッ

上条「――ことはないな!さぁ父さん母さんも、なんだったらビリビリさんもそろってお出かけしようじゃないか!これ以上混沌のど真ん中にぶん投げられる前に!」

佐天「――いやー奇遇ですね御坂さんこんな炎天下の日に外はメッチャ暑くてもうどうしようかコンニャローって思ってたんですけどゴチになりまーす!」 カランコロンッ

上条「即断即決!?ビリビリさん以外にも気を配って!?外野の存在にも!?」

刀夜「即タカリに来る行動力は評価できるよね。たくましいって意味で」

御坂「――佐天さん?今ほら、ねっ?あたしは、今、ちょっとだけ、忙しいから、ねっ?分かるわよ、ねっ!?」

上条「キャラは維持しよう?守るべき所は守ろう?じゃないとイタイ子に思われるからね?お前の場合もう手遅れではあるんだけども」

佐天「すいませんそこの方、ツッコミは迷惑ですからボリュームを落として壁際でやってもらえません?」

上条「あ、すいません、じゃああっちの壁でやってきますね――ってなんねぇよ!?あっちで『なんでだよ、どうしてだよ、待て待て待て待て』とかやってたら『お笑いの練習かな?」って思われんだろ!?」

佐天「そのレベルじゃないぐらいの大ケガしますよ?まず出禁食らうと思いますが」

刀夜「――詩菜さん!」

詩菜「えぇ、分かっているわ刀夜さん――あの、あなたお名前は?」

佐天「佐天涙子です!中一です!」

詩菜「刀夜さん、こっちのパパ×してそうなオッサンを見て感想は?」

上条「母さん?ねぇ母さんってもしかして父さんが嫌い?」

刀夜「……当麻、母さんのは信頼なんだよ。父さんがオイタをしてないって確信しているからこそ言えるんだ」

上条「超束縛されてんのに?」

刀夜「もし何か悪さをしていたら――父さんはお星様になってるからね!」

上条「今年一番の説得力だわー。できれば実の父親の口からは聞きたくなかったわー」

刀夜「ならちょっと待ってくれるかい。ゲコ太のぬいぐるみを買ってくるから腹話術でお届けするよ!」

上条「どっちにしろ親父主導だろ。そして変な宴会芸持ってんのな」

佐天「あのハゲる直前のオッサンが何か?」

詩菜「及第点!資格あり!」

佐天「てゆうかお姉さんと一緒にいると、その、疑惑的なものが生じるんじゃねぇかなって。年齢差的に」

詩菜「――お義母さんって呼んでいいのよ?ねっ、一度呼んでみてくれる?一度だけでいいから?」

御坂「詩菜さん!?」

詩菜「……許して美琴ちゃん……!決して、そう決して『あの歳であのスタイルを維持している美鈴さんはどうなの?』とか内心思ってたわけじゃないの……!」

上条「やめろ。女子特有のドロォッとしたアレなヤツを息子の前で見せるのはやめろ」

佐天「あ、すいませんお義母さん。部活帰りなんで水分が足りてない感じで、メロンソーダの大盛りを」

上条「君は君で後先考えてねぇな!?未来を棒に振ろうとしてんだぞ今!?」

刀夜「当麻、その……自己評価が低いのもどうかなって父さん思うんだけど」

詩菜「頼みなさい頼みなさい。あ、御坂さんもどう?良かったら追加で何か注文する?」

御坂「掌を返したように評価が辛く!?あたしが何をしたって言うんですか!?」

上条「今までは時代後れのツンデレっぽいの一択だったのに、外見だけは可愛いがアレな子が来たんだから乗り換えるだろ」

佐天「よっしゃ!可愛いって言われた!」

上条「アレだけどね!中身は!」

詩菜「涙子ちゃん、涙子ちゃんの部活は何?お華道?それともお茶?」

佐天「あぁいえそんな大したもんじゃなくて、午前中は事故物件を少々」

詩菜「――美琴ちゃん、ほら季節のスイーツセットが美味しいんですって!」

上条「母さん母さん、気持ちは良く分かるが多様性を否定しないでやってくれよ。俺だって『あいたたたたたた!』ってたまに思うけど。たまにっつーかオールウェイズっていうか」

佐天「おぉっと擁護するテイで人様の趣味にケチつけてくれやがりますね。あたしは決して半端な気持ちではやっていません!動画配信者デビューすらも視野に入れています!」

上条「お小遣い目的じゃね?あと君デジタルタトゥーって知ってる?今全世界が着々と積み上げてる後戻りのできないジェンガみたいなもんだけど」

刀夜「そうかい?異常なことが普通になってしまえば、普通なことが異常になるってだけだよ」

上条「なってないから炎上するアホが後を絶たないんだよ。見てよ父さん、元ツイッタ○でより中二度が増したSNSには汚い流れ星が次から次へと」

刀夜「知ってるかい当麻?あの汚い流れ星達にも、親がいて兄弟がいて、場合によっては子供や孫もいるんだよ?」

上条「切ないなそれ!?悪い意味でもクローバル化だけどもつーか乗っかってくんなよ話に!」

詩菜「うーん……当麻さん、もっと、うん。もっと選択肢が、ねっ?もっとこう色々な地方を巡った方がいいと思うのよ?じゃないとイベントが起らないし?」

上条「誰が知ってんだよセンチメンタルグラフテ○の話なんて。他のヒロインを登場させて嫉妬させないと個別イベントが皆無なんていう当時の価値観でも地雷ゲー、誰が知ってんだよ」

刀夜「続編では『前作主人公が死んでヒロイン全員が喪中』っていう驚愕の展開だったよね!」

上条「丹念に真心込めてユーザーの心をバッキバキに折るに来るよな」
(※メインライターさん曰く、「一番最初決まってたのが前作主人公の死」。運営が口出してよりダメになった好例)
(※なお「実は生きていた」とプロデューサーの一存では帰ってくるかもしれなかった模様)

佐天「だがしかしヒロイン総勢12名は主人公さんのお葬式で顔合わせした可能性も……!」

御坂「誰かさんには耳が痛い話よね。誰かさんには」

上条「超修羅場ですよね!誰かさんが誰かってのにはちょっと心当たりがないですけども!」

上条「――くっ!このままだと俺に味方はない!誰か、そうここでもう一人ぐらい俺の知り合いがいるはず……!」

闇咲「上条少年――おっと緊急の連絡が」 ピッ

上条「待ってください怪談おじさん二号!?ツッコミが足りてないから良かったら是非ご同席を!」

刀夜「当麻もまぁ謎の人脈を持っているよね。どう見ても反社の方にしか……」

上条「闇咲は反社じゃないぞ!ただちょっと割がいいけど人様に他言できないような内容のアルバイトを斡旋してくれる良い人だ!」

御坂「寄せに行ってるじゃない」

佐天「特殊清掃のお仕事ですよね。もしくは告知義務をアレな事故があった部屋を一ヶ月借りるだけの簡単なお仕事」

上条「ありがとう父さん母さん!幽霊が見えない&効かない体質に育ててくれて!」

詩菜「当麻さんはこれ終わったらお話しがあるわね?主に生活態度について、刀夜さんが『よくやってるよ!』って報告とは食い違うみたいだし」

刀夜「嘘じゃないよ!当麻はよくやっているよ!だって私と違って女子には一回も刺されていないんだからねっ!」

上条「なぁ闇咲?俺の一族にかかった呪いって解除できる?」

闇咲「管轄外だな。そもそもが『フラグ管理を怠った』という人為的な話になっているし」

闇咲「というかだな、えぇと――闇咲逢魔と申します。上条当麻さんには普段から一方ならぬお世話になっておりまして。あ、名刺はこちらに」

刀夜「あぁこれはご丁寧にどうも、当麻の父です。おっぱ×ではない方の」

上条「父さんそのギャグ要るかな?闇咲の顔怖いからって探り探り行かなくたっていいと思うんだよ」

詩菜「当麻さんとはどのようなご縁で?」

闇咲「以前に婚約者を助けて頂きました。今は礼を少しずつ返しているような、溜まっているような間柄でしょうか」

詩菜「BなLのご関係ではないんですかっ!?」

上条「それ大事かな?確かにまぁご時世的には疑われる事案ではあるが」

御坂「年上に翻弄される――いいわね!TLの方でも通用するテッパンだわ!」

佐天「あたし的には騎士団長モノの方が。『あぁこれコミックス版ではエ×表現あるんだ!?』と驚きが。ゼロがサムするやつで」

上条「やかましいわ!話がこれっぽっちも進まな――」

食蜂「――初めましてぇ、お義母様お義父様☆上条さんとぉ、その、色々仲良くさせてもらっている食蜂操折でぇす☆」

上条「また学園都市屈指の面倒臭いのが……!」
(※学園都市外=レッサーさん)

食蜂「もう、上条さんったら女の子にそんな事言っちゃ、ダ・メ・だ・ぞ☆」

御坂「……ぶってんじゃないわよこの年齢詐称疑惑が!」

食蜂「あらぁ?あらあらあらぁ?そこにいるのは御坂さん?御坂さんよねぇ?どっちが正面なのか分からなかったわぁ」

佐天「ミサーカ・バーサス、ショクホー!――ラウンドワン、ファイッ!!!」

上条「やめてあげて!?この子達は本気でするんだからとめてあげてよ!?」

詩菜「あらあら懐かしいわぁ、ねぇ刀夜さん?当麻さんは刀夜さんの若い頃に似たのかしらね?」

詩菜「私が何度ド修羅場をくぐり抜けたのか、誰が優柔不断だったのか思い出すわぁ」

刀夜「コラっ当麻!こっちへ来て父さんをフォローしてください!近くにいるだけで刃傷沙汰には多分ならないと思うから」

詩菜「――でも、えぇと食蜂さん?ちょっといい?」

食蜂「はいお義母様!なんでも伺います!」

詩菜「今家族で大事なお話をしているから、帰ってもらえる?」

食蜂「まさかの塩対応ぉ!?メッチャ気ぃ遣ってるのにぃ!?」

御坂「つーか何やったんだアンタ!?このアホ家族がこうなるだなんて何かやったでしょ!?」

上条「誰がアホ家族だ。否定は……うんまぁ今ちょっと良い例えが出ないから後から書類で出すけど!絶対にな!」

上条「つーか母さんどうしたんだ?ほぼ初対面の相手だと思うんだけど……」

刀夜「――当麻、詩菜さんのことをもっと考えてあげよう、ねっ?」

上条「母さんが何?なんか因縁でもあんの?」

詩菜「当麻さんもそろそろ知っておいた方がいいわね――胸部が大きい女は比例して根性が捻くれてる、って事を……!」

御坂「お義母さま……!――え、でもそうするとウチのハハはどういう判定に」

詩菜「え?長期出張中の旦那様を放って置いてキャンパスライフ()してるんでしょ?」

御坂「えーっと……はい、そうですねっ!娘からするとちょっとキツいっちゃキツいです!」

上条「秒で裏切ったぞ実の母親を。いいのかそれで」

佐天「あー、いえ。以前御坂さん『母親が大学生と集合写真に収まってるのをキツい』と珍しく愚痴を……」

詩菜「と、いう訳で、ねっ?人は家へ、芦は芦原へ、巨乳は地獄へ帰りましょう?」

食蜂「こ、こんな筈じゃ――お、お義父さんは!お父さんはきっと私の味方に!」

刀夜「話しかけないでもらえるかな!当麻がお風呂の天井に隠している快楽○に出てきそうな悪魔は!」

上条「お、俺はそういうんじゃないよ!岩崎ユウ○先生の怖い話が読みたいだけであって!」

佐天「あー分かります分かります。【閲覧注○】・【閲覧禁○】の前二作とはまた別に、今度は視点を霊能力者の女の子に変えたってことですね」

上条「年齢制限を、守れ。なっ?」

闇咲「取り敢えず全員黙ろうか。状況を整理したい。個人的には見なかったフリをして帰りたいところだが」

闇咲「まずは上条夫妻がこちらにいらした理由は?」

刀夜「愚問だね!当麻と一緒に遊びたいからに決まってるよ!」

詩菜「家族旅行です」

闇咲「上条当麻君の保護者としてだな。ではそちらの三人の中学生に関しての扱いは?」

詩菜「当麻さんのお友達だったら、まぁ日帰りでどこかご一緒しませんか、って思ったのだけれど……」

刀夜「ダメだよ!私の目が黒いウチには当麻の貞操は誰にも汚させないからね!」

上条「気持ち悪いよ父さん。ディ・モールト気持ち悪い」

闇咲「まぁ、保護者付きで遊びに行く分にはいいと思うが。時間も勿体ないし、全員で行ってきたらどうだ?」

詩菜「それはそうなんだけど……ねっ?その上条家の呪いというか、そういう感じのアレだから、下手に人数を増やすよりも絞った方が生存率がね?」

闇咲「ふむ。では上条君が決めては――」

上条「俺の意思が介在したら後々刺されるんだよ!」

闇咲「……と、いうのは冗談として。あぁまぁジャンケンで決めたらどうかね?」

御坂「異議あり!運勝負だったらやったら引きが強い子が一人勝ちするに決まってるじゃない!」

食蜂「同じくよぉ!体力勝負だったらバーバリアン力の高い誰かさんがぁ勝つだろうしぃ!」

佐天「いえ、あたしは別に興味ないっすわ。ただファミレスでタカりに来ただけで。メロンソーダコヂになりまーす」

詩菜「うーん……じゃあこうしましょう。今から私が問題を出すから、一番多く正解を出した子を連れて行くのは?」

上条「クイズなぁ?普通のやつじゃ普通に答えられて終わりじゃね?」

詩菜「問題――『当麻さんが初めてお漏らしをしたとき、刀夜さんはなんて言ったでしょうか?』」

上条「問題は問題でも別の問題が発生してんな!?俺だけが損するタイプのクイズじゃねぇか!?」

佐天「はい!『当麻はこの歳からムチャをする子だね!』」

上条「なんで?俺は0歳児からオラついてるって設定なの?」

詩菜「ブッブー、不正解!他には?」

御坂「『当麻は将来大物になるよ』?」

詩菜「不正解。けどニュアンス的には近いかも」

食蜂「はいっ!『ちょっと何やってるのか分からないわぁ』」

詩菜「黙ってなさいこの巨乳」

食蜂「イジられ方が悪質!?せめて正解かどうかは公平にやってほしいわぁ!?」

詩菜「刀夜さん、正解をどうぞ」

刀夜「『当麻がおしっ×を漏らしたんじゃない――おしっ×が当麻を漏らしたんだ……ッ!!!』」

上条「脳がパグってない?その理屈だと俺が尿にしてやられたって事じゃないのかな?」

上条「あと母さんは一々父さんの小ボケも記憶してるの?ぶっちゃけ引くんだけど」

詩菜「という訳で全員不正解!第二問は頑張って!」

上条「ねぇ、父親の面白行動どんだけ続くの?俺を不当に貶める企画だよねこれ?」

詩菜「刀夜さんが学生時代にお友達から相談を受けました。刀夜さんはこう言いました」

刀夜「『彼女の昔の彼氏が気になるのかい?だったらこの言葉を思いだしてほしい――』」

詩菜「さて、この続きは何でしょう?」

上条「俺は?てゆうか父さんの学生時代なんて誰が知ってんの?」

御坂「はい――『過去よりも現在を大事にするべきだ』、です!」

詩菜「あー、惜しいけどハズレ。系統的にはそれかなぁ」

佐天「『そんなことより野球やろうぜ!』」

上条「父さんのことアホだと思ってんの?息子から見てもどうかなぁ的な感じだけど、そこまでじゃないよ?」

詩菜「もう一声!」

上条「やっぱアホだな父さんは!?いつの時代の設問なんだよ!?小学校低学年!?」

食蜂「『気になるんだったら聞いてみればぁ?』」

詩菜「今、ブラジルでは大きな胸を小さくするための美容整形がね?あるっていうんだけど?」

食蜂「当たり外れの判定すらしてくれないのぉ!?なにそれ怖ろしい逆整形!?」
(※一時期話題になった。サンバ的に大きすぎるのはダメ的な価値観があるらしい)

詩菜「はい、そこまで!刀夜さんが言った一言とは!」

刀夜「――『やっぱ二次元ってクソだわ』ってね……!!!」

上条「ねぇ父さんそれでどう解決してんの?敗北を受け入れろってことか?それとも三次元が人類には早かったって事?」

詩菜「第四問。刀夜さんが小学校の頃、リトルリーグで起きた驚愕の事件とは一体……?」

上条「大喜利になってね?いや決して嫌いじゃないんだけど、これ何?何なの?息子のカノジョ候補には大喜利力が必要とされるの?」

御坂「『少年野球のつもりがサッカーだった』?」

詩菜「惜しい!その感じで!」

佐天「『男子だと思っていた相手が実は女子でビックリ男装のパルトナ○』?」

詩菜「ほぼ正解なんだけど……固有名詞は、ねっ?事案が発生して編集とモメてる的な人は、ねっ?」

上条「誰に言ってんですか母さん。ビッグガンガ○編集部に生息しているであろうゴブリンさんへ対して?」

食蜂「『リトルリーグには入ってなかった』?」

詩菜「――よくお笑いクイズ大会で『近い!』って司会者に返された後に、全然見当違いorつまらない小ボケを言うのはどうかと思うのよね?」
(※売春で捕まった方)

上条「そろそろ小姑みたいなイジリはやめた方がいいと思うよ?なんていうかこう全員が損をするから」

詩菜「答えを刀夜さん、どうぞ」

刀夜「『私以外のリトルリーグ全員が実は女子で、高校生ぐらいになったら告白された』、かな」

上条「それもうどっかで気づくよな?最低でも残り8人いるんだから、一人ぐらい私服スカート履いてるとか絶対にあったよな?」

詩菜「問題!当麻さんが彼女さんを家へ連れてきた時、用意している台詞とは何?」

上条「抽象的過ぎねぇかな?あとここでこの子らにそれを言うのも、うん、なんか外堀埋められてるっていうか。『あ、あのとき言いましたね!』的な」

御坂「はい!――『当麻をよろしくお願いします!』」

詩菜「んー、惜しい!」

上条「あと母さん、微妙にビリビリを贔屓してない?さっきからそんなに近くもないのに『惜しい!』って言ってる疑惑が」

佐天「『当麻をお嫁さんにしたければ――まずはこの私を倒してからにしてもらおうか!』」

上条「誰目線だよ。そしてこれがもし事実なら気持ち悪いわ。いやまぁもう既に気持ち悪いんだけども」

詩菜「それは私が止めました」

上条「止めたって何?言うプランはもうあったの?」

食蜂「えっと」

詩菜「はい、じゃあ正解をどうぞ」

食蜂「ヘイトじゃない?巨○がここまでデメリットになったのって人生初……!」

刀夜「『……そっか、当麻もいつのまにか一人前になってたんだね』」

刀夜「『お前はこれから全てのものから彼女さんを守らなくてはいけないよ?それは人の悪意であったり、天災であったり、時間の流れであったり』」

刀夜「『男だから女だからとか今の時代では鬱陶しく思われるかもしれないけれど、それが男ってもんだからね』」

上条「ヤベーな普通だなコレ!まとも父親だったら言いそうだわ!」

刀夜「『――無論、この私からもね……ッ!!!』」

上条「息子の彼女に何するつもりだコノヤロー。死んでも紹介しねぇよ。絶縁するわ」

刀夜「いやいや、私は何もしないしそんなつもりも毛頭ないんだけど、友達に彼女さんを紹介されてこう、うん……何度修羅場った事か」

上条「上条家の呪いの方な!そりゃ父さんは悪くねぇわ!俺だって少なからず苦しんでっから!」

詩菜「……そういう意味では、ここにいる三人は信頼出来るんだけど。そういう意味では」

刀夜「詩菜さんの友達を紹介されて……ストーカー、うん、まぁ、うん」

佐天「上条家って過去に村一つぐらい滅ぼしてません?そういう呪いありましたよね?ナントカ村の?」

闇咲「S沢村であれば、実はあれの元ネタになった殺人犯は無罪で釈放された後、2001年に事故で亡くなっている」
(※一応実話。普通に釈放されて結婚して子孫もいる)

詩菜「――それでは最終問題!ここで正解者が出なかったら刀夜さんと当麻さんの三人でお出かけします!」

上条「それが目的じゃねぇか。このクソ超難易度の足切りは」

詩菜「問題――刀夜さんがプロポーズしてくれた台詞とは……!」

上条「だからそれ目的かな母さん?息子としちゃ両親のそういう話一番キッツいわ」

詩菜「それでは正解を刀夜さん!」

上条「話を聞け、なっ?あと俺この子らに謝るんだからね?」

刀夜「そう……あれは高校卒業を控えたある日、私は詩菜さんを部室へと呼び出してこう言ったよ――」

刀夜「『高校生活ももう終わりだけど、僕達はずっとこの先も一緒にいないかい』ってね……ッ!!!」

上条「意外と普通っぽいな。

詩菜「――え、それ私聞いてない……」

刀夜「――っていうのは冗談で!いやアハハハハハハイヤだなぁ詩菜さん冗談だよ冗談紳士がかっ飛ばす心憎いジョークじゃないかAHAHAHAHAAHAHAHHA!!!」

刀夜「だからそのフォークは降ろそうかフォークは!だってそれは食事用であって実戦に使うものではないのだから――ア゛ッーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!?」

詩菜「――ごめんなさい当麻さん。お友達の皆さんもちょっと用事が入っちゃったからまた今度遊びましょうね?」

上条・御坂・佐天・食蜂「……」

闇咲「あー……プールでも行くか?幸い仕事用の車で来ているし、少し遠目のところにでも」

上条「いいんじゃないかな!もしかしたら明日の朝刊を飾ることになるかもだから!楽しかった夏休みの思い出を作ろうじゃないか!」


-終-

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