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Clock(trial)

アレイスター『お金が、ね。うん、ないんだよ』

 
――とある廃校舎

上条「……」 コンコン、コンコンコン

???『風邪かね?』

上条「ノックしてんだわ。てかボケのペース配分考えろよ。このペースでボケ続けてたらいつまで経っても終わんねぇからな?」

???『合い言葉は?』

上条「あー、なんだっけ」

???『「西葛西は――」』

上条「『――インド人が多い』……ってまだすんのかこのネタ?あれから何年経ってっと思うんだよ」

アレイスター(???)『人を愛する思いが強いというのは、また人に強く愛されたいという心の裏返しといえるだろう――つまり、どういう事だね?』

上条「おじいちゃん大丈夫か?若作りの上にTS&悪魔合体したお陰で曖昧になってんだよな」

アレイスター『問題ないとも。足なんてただの飾りなんだからね』

上条「その人は舐めプしてた最初期にはガンガン敵を蹴りまくってたんだよな。多分その時の恨みが溜まって悲惨なことに……」

上条「あとお前に足りないのは脳だ。良心回路とかそういうの」

アレイスター『ちょっと日本語が難しいかな』

上条「なぁ俺帰っていいか?暇そうに見えっけど、同居人を養うためのバイトをだな」

アレイスター『バイト代は出そうじゃないか!』

上条「――なんでも言ってくれ元理事長先生!流石は子育てに定評があるアレイスターだな!』

アレイスター『うん、心ない台詞は人の心をザクザク傷つけるのだね』

上条「そんな繊細なハートしてねぇだろお前。つーかさっさと用件を言え、用件を。大声出されたくなったら」

アレイスター『今の私はオッサンボディではあるが、マズいのは確実に男子高校生である君の方だと思うがね』

上条「『だとしても――戦姫絶○ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!』」

アレイスター『大声ってそっちかね?まさか真っ昼間にアレがお茶の間に流れているかと思うと、うん、何かこうモニョるよね』

上条「あのシリーズ、予算がふんだんにあるもんだから設定スゲーんだよな。マジハ○も見習ってほしい」

アレイスター『まぁそんなことはどうでもいいのだよ。最近とみに思う事があってね』

上条「いい加減反省したとか?」

アレイスター『ある意味でその通りとも言える。反省というか鋭意改善すべく君を呼んだのだよ』

上条「俺を?」

アレイスター『うん――「学園都市、好感度低すぎないかね?」って』

上条「100%お前の自業自得だわ。法律で取り締まるアホどもを野放しにしてたお前の責任だよ」

アレイスター『挙げ句新・統括理事長殿は即逮捕だろ?イメージに傷なんてレベルではないね』

上条「一方通行の心意気は偉いと思うが……」

アレイスター『でも彼、「暗部」時代にそこそこの数を殺ってんだけど、そっちの方はノーカウントみたいだね』

上条「まぁな!『妹達』だけだったら情状酌量の余地もあっけど、そっちの仕事はフォローできないからな!」

アレイスター『命に貴賤なんてない――作られた命もそうであるならば、普通に生きている命も同等に大切だよね?』

上条「だからお前誰にケンカ売ってんの?お前がまた不祥事起こして吊し上げられんのはザマーミロだけど、俺を巻き込むなよ。お前はそこで渇いていけ」

アレイスター『いや、だから反省したと言ったろう?状況を少しでも改善したいとの親心といっても差し支えない』

アレイスター『まぁ新・統括理事長殿の覚悟を無碍に扱う真似はしない、しないが――こちらから多少フォローしても罰は当たらないだろう?』

上条「まぁ善行だったらな。俺もそげぶしないですむんだが」

アレイスター『だね。という訳でテーマパークの名前は何にしようか?』

上条「――気をつけろアレイスター!敵の魔術の攻撃で時間がスキップしてるみたいだ!」

アレイスター『私が悪かったからギアをローへ戻したまえ。きちんと順序立てて話すから』

アレイスター『あれはそう、私が深夜にテレビショッピングを見ていたときの話だ』

上条「随分所帯じみたの見てんだな」

アレイスター『「再会系幼馴染みってよくよく考えたら怖いよな?」と益体もないことを考えていたら――CMに移ってね。まぁ番組自体がCMなのだが」

上条「情報量が多すぎる。あと幼馴染みはいいじゃない。大抵行かれてるとしてもだ」

アレイスター『君も知ってるだろう?浦安にある遊園地?』

上条「むしろ知らない人間はどんだけいるんだと。おじいちゃんおばあちゃんぐらい?」

アレイスター『あれはいいものだよね。夢の世界の住人になり、一時現実の厳しさを忘れられる』

上条「過大評価……まぁうん、そういうファンもいるだろうな。ご褒美があるから頑張れる的な」

アレイスター『ガンバレ○ストライカーの我が宿敵と戦ってみたかったがね』

上条「ガンバレ○↑な?俺が言ってんのは頑張れる→だわ、てかお前アレだったな!気持ち悪い悪役の人!」

アレイスター『我が学園都市に足りないもの、それは発信力だと私は思うのだよ』

上条「アレ広告ってバンバン打ってなかったっけ?たまーに父さんからレビュー来んだよ。『ヘリで飛ぶのはどうかと思う』って」

アレイスター『あれは必要経費だね。一人勝ちは恨まれるから羽織ゴロに小銭を掴ませてだね。ほら、サブリース契約が破綻したときも、ねっ?あるだろう?』

上条「ちょっと何言ってるのか分からないな。アホみたいに広告打ってた『余った土地にアパート建てて賃貸契約!』のCMが一瞬で消えたことなんて」

アレイスター『業界の闇の話はともかくとしてだ。ここまで巨大な存在になるとイメージ戦略も重要になると思うのだよ』

アレイスター『なんといっても学園都市の資本は子供たちだからね。彼らを騙して安いギャラで技術開発、これに尽きる』

上条「お前の方がより悪質じゃね?」

アレイスター『しかしながらどちらかといえば悪いイメージが先行しているのも事実ではある。第三次世界大戦にエレメント事件、あとまぁ世界滅ぼそうぜ軍に狙われたりだ』

上条「それもまぁ、大雑把に言えばお前のとばっちりを受けている感じではあるが。結果的には救った視点もないわけでもない」

アレイスター『挙げ句に統括理事長の交代、しかも一方通行が早々と自首したお陰で「えー、どうなの?」みたいな反学園の世論がじわりと増えつつある』

アレイスター『個人的に彼の行動は評価しないでもないが、一国一城の主が潔癖というのもどうかと思うね。清濁併せ吞まずに学園生を心ない人間から守れるのかと』

上条「てかお前どことケンカしてんだ?どこにだってアンチはいるけど、学園都市って異常に多いんだよな」

アレイスター『前はローマ正教が、そして国内では”外”の研究機関だね。大学であったり企業であったり、彼らからは大いに恨まれているよ』

上条「あー、技術力がアホみたいにダンチなんだっけか?」

アレイスター『面子を潰しまくったからねぇ。表向きは共同開発なのに、学園都市では数世代前の技術供与をしている状態だよ』

アレイスター『まぁ彼らの思惑なんかどうでもいいさ。一々付き合うこと自体が時間の無駄だ』

アレイスター『なので下がった好感度を上げるため、アトラクション的なものを解放し、そこへ愚かな一般人を招いて楽しませてやろうという魂胆なのだよ』

上条「動機以外は割といいな。一番大切な部分が腐ってはいるが」

アレイスター『あれだね、東京ゲームショ○のもっと内輪的なものだと思ってくれればいい。あくまでも娯楽目的であり、子供たちを騙くらかそうって魂胆だからな』

上条「言葉を選べ?なっ?例えそれが事実であったとしてもだ」

アレイスター『という訳で君を呼んだんだよ』

上条「任せてくれ!一回超科学の無駄遣いってのをやってみたかった!まずは携帯ゲーム機サイズのパソコンをだな!」

アレイスター『もうあるね、それ。PCゲームが遊べるって謳い文句なんだが、ちょっとしたカイロ代わりになるらしいよ。夏でも冬でも』

上条「じゃあ感触が再現できるVR頼むぜ!いや別何を期待してるって訳じゃなくて!ただの学術的好奇心から言ってるだけで!」

アレイスター『そのまま元の世界へ戻れなかったり、異世界へ飛ばれる覚悟があるんだったら構わないが』

上条「あれもタメこれもダメ……!俺が呼ばれた意味は……!?」

アレイスター『流石に素人を制作の段階から入れるのはどうか思うのだよ。よって君は一学生として体験してほしい』

上条「またカナリア役かよ!知ってた!どうせ俺はただの学生だから!」

アレイスター『とはいえ意見は意見としてきちんと反映されるし、バイト代も普通に出る上、仕事内容は遊び感覚だ。悪い話ではないと思うがね』

上条「確かに……!遊んでお金が貰えるんだっらた夢のようだぜ!」

アレイスター『予算の関係上、全てVR空間になっているのだが。まぁそこは目を瞑っていてもらいたいものだ』

上条「逆にカネかかってないか?実際に場所抑えてセット組むよりは安い、のか?」

アレイスター『ブース自体はテンプレートが組んであるから効率的かつ安価ではある。ただそれを再現するデバイスが外の世界では千万単位なだけで』

上条「本当に科学技術の無駄遣いだよな。知らないところで難病とか治してんだろうけど」

アレイスター『それは冥土帰しの分野だね』

上条「このアホには何一つとして尊敬できる要素がない……ッ!」

アレイスター『フッ、伊達に「とある界のフェイスレ○司令」の二つ名を持っちゃいないさ』

上条「改心できただけあのオッサンよりかはマシっちゃマシか、な?」

アレイスター『あれもザッと要約すると「頑張ってる少年にきゅんってして改心した」だからね』

上条「新しい性癖に目覚めたみたいに言うなや」

アレイスター『ともあれ契約に同意するんだったらこのVRメガネをつけてくれたまえ』

上条「スッゲー軽くて線とかついてない!学園都市の技術ってここまで来てんのか!」

アレイスター『では切り替えるから目を瞑った方がいい。酔うからな』

上条「オッケー了解――ん?どこだここ?」 ブゥンッ

上条「夕日が差してる一軒家、その縁側……?周りは山と木ばっかだな。テンプレ的田舎って感じの」

上条「技術はスゲーけどどうしろっつーんだよこの展開。アレイスター?おいこれどっかに移動すんのには――」

デカい女【……】 ジーッ

上条「おぉビックリした!?塀の向こうから誰か、覗いて……」

上条「……」

上条「……おかしい、よな?俺の背よりもずっと高い塀からこっち見るだなんて、脚立かなんかでも使ってない、限りは」

デカい女【……】 ユラッ

上条「あぁこれアレか!都市伝説の八尺様か!再現度高くてキモいわ!?」

アレイスター『――ぽっ!』

上条「って音声お前がやんのかよ!?台無しだろ雰囲気!?」

アレイスター『――ほら、ここを開けてご覧?君の味方のアレイスターだよ?』

上条「全力で戸締まりするわ。もしくは闇咲呼んでお祓いしてもらう。きっとお前には聖属性が特効だから」

八尺様?(デカい女)【……】 シュッシュッシュッ

上条「あとアクター動かしてるヤツ遊ぶなや!パラパラ踊らせても怖いもんは怖いんだよ生理的に!」

アレイスター『まぁ、予算の都合でね。VR環境は調えたものの、それ以外は人材不足っていうか私が兼用しているんだよ』

上条「……全部一人でやってんの?」

アレイスター『そういう解釈もあるね』

上条「ソロパーティか。RPGで酒場に行く前に表出て全滅するタイプの人間だろお前」

アレイスター『待ってくれたまえ!コンテンツ自体は非常に優れたものなんだよ!』

上条「てか再現する予算すらないんだったら、どうしてこんなことをやってんだよ。趣味か」

アレイスター『あぁそうではなく、こうまとまった計画があれば予算が付きやすいだろう?』

上条「疑似とはいえ体験型テーマパークができたら、まぁそうなるわな」

アレイスター『その予算で豪遊できるとは思わないかい?』

上条「そういやお前って20世紀を代表する詐欺師って言われてんだっけか?ボスがそんな事言ってたわ」

アレイスター『失敬な!私はただ今お金がないからちょっとある所から無理矢理にでも引っ張ろうってだけだよ!』

上条「人の親の資格ねぇなマジで!」

アレイスター『――人の親になるのに、資格がいるのかい?』

上条「いい台詞では、ない。むしろ無計画さとその場の勢いが暴走した結果ともといえる」

アレイスター『まぁまぁ待ちたまえよ上条当麻君。確かに動機は不純だが、私の発想自体はそう悪いものではないだろう?成功すれば結果的に学園都市の地位も上がる』

上条「基礎の部分から腐ってはいるが……まぁ、一般生徒だったらそうだな」

アレイスター『まだ幾つかテーマパーク案はあるので見るだけ見ていってくれたまえよ。損はさせない、かもしれない』

上条「……ちなみに今の八尺様体験VRって誰が考案?」

アレイスター『佐天涙子君だが?』

上条「人選が!人選が大いに不安しか感じねぇ……ッ!」



――

アレイ☆スター『それではやることも分かったと思うので、次のアトラクションに進みたまえ』

上条「名前が『サカナ☆スタ○』みたいになってる。カマキ○先生がエタった影響で、相対的に価値が上がった人」

アレイスター『メニューを表示させたいときには「ステータスオープン!」と大声で叫ぶか、指パッチンするとポップするよ』

上条「やだ、ちょっと言いたくなる……!後日絶対に『あぁ異世界で迷惑かけてる人たちはこんななんだなぁ』って思い出す!」

アレイスター『何人かにモニタリングしてもらったところ、男子は君のような声に出す派が多く、女子は少なかった』

上条「意外と多いのな中二秒患者。デバッグなんだからもっと均等に……あ、出た」 パチッ

アレイスター『メニューの矢印キーで場所移動。終了する特には電源ボタンだね』

上条「あぁこれだったら子供でも分かりやすい」

アレイスター『まぁぶっちゃけると今の子供の方がVR操作には慣れ親しんでいるため、保護者向けの体裁ではある』

上条「それな!カードゲームなんか『こんな数字いっぱいでどうやって戦うの?』ってのが結構あるから!」

アレイスター『ではメニュー画面から「ステージ2」のボタンを押したまえよ』

上条「うい、ポチッとな」 ピッ

ザーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ

上条「……ん?水音?つーか滝かここ?」

メッセージ【特訓その一!滝に打たれてみよう!】

上条「岩肌から水しぶきまで超リアル……あ、これ水も手で掬える!何かこれコワイ!」

アレイスター『いいからそのまま進みたまえよ。ガイドの指示に従って』

上条「リアルすぎて脳が寒さを感じそう……!滝、えっとここでいいのか?」 ザブンッ

メッセージ【そのまま般若心経を唱えてみよう!】

上条「知らんわ!?せめてカタカナ読みの文字でも出せよ!」

アレイスター『それは盲点だったね。初心者用のキットだから配慮が足りなかった。後で修正しておこう』

上条「自然がリアルで癒されるんだが、代わり映えしないから何か”無”になってきた」

アレイスター『ではクリアしたと見なして、次のフェーズへ移動しよう』 ピッ

上条「ここは――怖っ!?どっかの岩山の山頂で落ちそう!?」

メッセージ【特訓その二!落ちないように歩いてみよう!】

上条「どんな苦行?修行させられてねぇか俺ニンジャでも目指すの?つーかこのVRの名前って何?」

アレイスター『「ザ・山伏体験VR」』

上条「主旨間違ってんだよ!?どこの誰が学園都市まで来て山伏やって『あ、山伏になろう』ってなんだよ!?逆に面白いなコレ!?」

アレイスター『ネコを追体験するゲームが大ヒットするのだから、山伏がヒットしない理由はないだろう?』

上条「猫様だからだよ」

アレイスター『だが現実に修験者として活躍している魔術師が全面監修をだね』

上条「闇咲さんなにやってんすか。つーか暇か」

アレイスター『この間、闇咲君と飲んだときにこぼしていたが、やはり後継者不足だそうだ』

上条「魔術師だからじゃね?ある意味レア職業だから」

アレイスター『目をつけている人間は一人いるらしいのだが、女犯は絶対にするのでイマイチ安定性に欠けるとかなんとか』

上条「ならねぇよ?そりゃ職業欄に『山伏』とか書くのにはちょっと心引かれるが!RPGじゃないんだからネタ職業になれるか!」

アレイスター『ご両親へ説明する光景が超バズりそうだよね。「――父さん、俺山伏になるんだ!」って』

上条「ウチの両親だから『じゃあお世話になる方にご挨拶を……』ってユルーく通ると思う」

アレイスター『私が言うのもなんなんだけど、懐が深いよね。ともあれお気に召さなかったようであるし、次へ行ってみようか』

上条「もっとこう爽快感がほしいわ。非日常の世界なんだから、ライドすんのとかあんじゃん?」

アレイスター『フッ、君がそういうのは想定済だね。次はテーマパークにありがちなライドオン遊具だ!』

上条「お前その”フッ”って鼻で笑うヤツもフラグになってっかんな?ダメな意味でさ?」



――

上条「ここが次のアトラクション?学園都市のビル群だけど、ライド要素ねぇよ」

アレイスター『そのまま屈んでくれたまえ。イスを用意してあるから』

上条「座って……あ、視界が動き出した。チャリかなんかに乗ってる速度だなオイ」

アレイスター『ライドの外観がまだ完成してなくてね。警備委員の特殊装甲車両か、多脚戦車にするか迷っているそうだ』

上条「男子的には嬉しい!……ちょっと待てや。俺は嬉しいけど、そさんなゴツゴツした車両のライドって、テーマ何なの?怪獣でもバスターすんの?」

アレイスター『今移動している最中だね。遠くの方に見えないかな?』

上条「んー……?あ、誰か車道歩いている、か?妙に肌色率が多い」

結標VR『――ッ!』

上条「なんだ野生の痴女か」

アレイスター『それはちょっと酷いね。私もあの子のドレスコードはいかがなものかと思うけれど』

上条「てか服装ぐらい何とでもなるんだから着せてやれよ。一応外部向けなんだから」

アレイスター『その意見は一考に値するね。では課金の有無で服装チェンジできる仕様にする、と』

上条「お前の邪悪な意志が見て取れる……お?何か遠くから飛んで来――」

一方通行VR『はアァァァァァァァァァァァァァァッ!!!』 ガッシャーーーン!!!

上条「アメコミか!?スパイダーマッみたいに突っ込んできた!?」

アレイスター『どうだい?これはリアルだろう?』

上条「超怖いけどな!教育にも悪いし、『こんなのが全責任者?』って人離れそうだけどな!」

一方通行VR『ここから先は――一方通行だァっ!!!』 ドーンッ

結標VP『ゆ、ユチキィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィッ!?』

上条「そんな楽しい断末魔じゃねぇよ。えっと、その、まぁいいじゃないか!細かいことは!」

上条「てか、あーあー商店街がグッチャグチャだな。ここはフワッとした描写でいいのに――ん?」

上条「なんだこれ?壊れた家屋の上に地図表示みたいなアイコンがある?」

アレイスター『タッチすると詳細が分かる』

上条「……詳細?まぁ、見てみっか」 ポチッ

メッセージ【――とある商店街・花屋ヒラタ。被害額1,800万円】

メッセージ【平田喜一郎さんが営む花屋であり、四月には奥様に長男が出産予定】

メッセージ【しかし突然の不幸により一家は離れて住むことになり、見舞金は出たものの今までと同じ場所での営業はできなくなった】

メッセージ【現在ヒラタ氏はデイトレーダーとして働いているが、もう少しで破産――】

ピッ

上条「……ナニコレ?超後味悪いんだけど、これのアトラクションって何?」

アレイスター『「一方通行・被害体験ライドVR」だね』

上条「お前もしかして一方通行嫌いか?学園都市全部持っていかれたのを根に持ってる感じ?」

アレイスター『私はただ正確に現実の厳しさを教えようともうちょっと小遣いがほしいのだよ?』

上条「正直に言ってくれてありがとう。ますます軽蔑するわ」



――

上条「なんだろうな、こうもっと穏便なアトラクションを要求するわ。もっと心が疲れない感じのを」

アレイスター『任せてたまえよ。私はアレイスター=クロウリーだぞ?』

上条「だから言ってんだよ。今までことごとく大喜利になってっから言ってんだよ」

アイレスター『ではまずアパートに移動しよう』 ピッ

上条「まぁウチと似たアパートの一室だな。またオバケ出んじゃないだろうな?」

アレイスター『流石に同じネタの使い回しはしないとも。取り敢えずベランダへ移動してくれたまえ』

上条「お、洗濯物でも干せそうないい天気」 ガラガラッ

インデックスVR『……』

上条「……」

アレイスター『ねっ?ほら、分かるだろう?』

上条「言っちゃなんだけど俺のVRなんて流行りもしないですよバカヤロー!?自分で言ってて悲しいが!」

上条「色々な連中と関わり合いになるっちゃなっけども、俺がD×貫いてる時点で嬉しくも何ともないんだわ!」

アレイスター『「上条当麻ハーレム体験VR」』

上条「そんな体験した覚えがねぇ。ラッキースケベはそこそこしてるが、大抵『きゃーえっちードーン!』みたいに喪黒福○タームの報いは受けてるわ!」

アレイスター『でもシスター・オルソラは別だろう?』

上条「天使だからだよ。むしろ女神が降りてきたときには『あ、知ってた』ぐらいの冷めた感想しか出なかったわ」

上条「あとこれはあくまでも俺の一意見ではなく多様性のある世界的な風潮を鑑みた結果であって俺の意志なんて全く介在しないんだが!」

上条「ベランダで洗濯物ってるのは何もインデックスさんじゃなくていいと思うな!ユーザーのニーズに応じたフレキシブルな対応があってもいいと思うよ!」

アレイスター『貴重な意見をありがとう。ではガチャ方式にして、コモンが君と土御門君、アンコモンが青ピ君とエツァリ君、レアがインデックス君と姫神君、ベリーレアが一方通行にシスター・オルソラ』

アレイスター『そしてスーパーレアに御坂君と食蜂君、というのはどうかね?』

上条「天才がここに……ッ!確かにそれだったらオルソラが出るまでみんなガチャ回すな!」

上条「――てか無理がありすぎるだろ。俺の日常やったところで【見せられないよ!】ばっかだし、おおよそプライバシーの関係上公開できるものがない!」

アレイスター『うんまぁ気にしないでくれたまえ。学園都市は生徒諸君の権利を可能な限り尊重すると一部で評価されているのだよ』

上条「イメージ調査か。てかアレ信じる人がいたことに驚いたわ」

アレイスター『信じる者は足元を掬われると昔から決まっているね?』

上条「お前を世界のためにも一回そげぶしておいた方がいいのかも……!」

アレイスター『徐々に二極化が進んでいるよね。「ヒロインに手を出そうとした」で虐殺される貴族もいるのに』

上条「まぁあれはざまぁ執行してスカっとするまでワンセットだから……」

アレイスター『ともあれ、だ。我々のテーマパークの目玉は以上のような施設にする予定なのだが、どうかね?』

上条「もう諦めたら?一方通行って意外と常識あっから、通るとは思わないよ?」

アレイスター『正直に言えば作っている間に段々楽しくなってきてしまったね。悪ノリが悪ノリを生んだ形に。すまない』

上条「だろうな!俺も作ってる側だったらこんなオモチャ手に入れたらネタに走るわ!」

アレイスター『しかしこれで穏当に資金を稼ぐ道も閉ざされた――よし、FXでもしようか』

上条「労働しろよ、どうせ全部融かして電子の海にバラれるんだから」

アレイスター『ある意味、課金制ゲームと同じではないかね?』

上条「どっちもエグいって意味ではな!お前もいい歳なんだから落ち着けや!」


-終-

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