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Clock(trial)

ランシス「……『クイズ・レッサー人間性テスト』……おー……」

 
――とある特設スタジオ

チャチャチャーラチャララッチャー、チャーチャーチャチャチャ、チャチチヤッチャチチャッチャー

ランシス「……はい。という訳で急遽始まりました、この企画……」

ランシス「優勝者には……豪華商品が贈られるので、まぁはりきってすればいいと思う……」

上条「――異議がある」

ランシス「……戦う?」

上条「それ意義じゃね?某曲の歌詞で何か急に増えたけどもだ」

ランシス「本日のゲスト、チャレンジャー。上条当麻さんです……」

上条「どうも上条です。学園都市の方から来ました」

ランシス「手元の資料によりますと……好きなゲームは……ゴブリンの巣○……」

上条「名誉毀損にも程があるわ!?需要があんのは否定しねぇけど、つーかあれ何作出てんだよ!?ゴブリンさんってそんなに種類あんの!?」

ランシス「最新作では童話の世界を蹂躙する設定に……なお、某エンディングでは現実っぽい社会に攻め込むもよう……」

上条「オークさんとはどこでどうやって差がついたんだろうなぁ。一時期オークものが流行ったのに」

ランシス「ゴブス○さんの地道な啓蒙活動が功を奏している……」

上条「別の意味で被害者量産してるよなアレ」

ランシス「ね……」

上条「……」

ランシス「……」

上条「話進めろや!?オープニングトークの途中でフリーズしてどうすんだよ!?この先長いんだからな!?」

ランシス「……人には得手不得手がある……そして私も迷惑している」

上条「てか下校途中に拉致られたんですけどぉ!事情を説明しなさいよ事情をね!」 バンバンバンバン

ランシス「大した話ではない……この間、レッサーママンに会った……」

上条「どんな人か興味ある」

ランシス「……守備範囲の広さに戦慄を禁じ得ない……!」

上条「そこまで悪食ではねぇよ。どこの世界に知り合いのかーちゃん相手にhrhrする外道がいるんだ」

上条「あのフリーダムな娘は一体どんな教育受けたらあぁなんのか知り合いって意味でだ」

ランシス「んー……普通のおばさん?優しそうな感じ……」

上条「――まさか、チェンジリング……ッ!?」

ランシス「あぁ……ご家庭によってはそういうシツケを受けなくもない……『あんたは橋の下から拾ってきた子なんよ』的な」

上条「イギリスだと言い方がちょっとファンシーじゃねぇか。少し格好いい」

ランシス「で、まぁレッサーママンと雑談してたら、最後にこう言った――」

ランシス「――『ウチの子って、いつも何やってんの?』って……」

上条「なんで親が把握してねぇんだよ」

ランシス「『……このあいだ、クーデター未遂しましたよ?』って教えてあげた」

上条「ワンクッション挟めや!?自分の娘が国家規模のテロリストって卒倒すんだろ!?」

ランシス「『ランシスちゃんはいつも面白いこと言うわねぇ』と」

上条「あぁまぁそういう反応か!ギャグだと流すわな!」

ランシス「でも微妙に額に汗が……」

上条「可哀想にな。『あの子ならやりかねない』って薄々思ってんだろうが」

ランシス「……で、家に帰ってフロリスとベイロープにも聞いてみた。けど……」

上条「知らなかった、と?」

ランシス「……うん」

上条「あぁまぁ確かに謎は謎だよな。脱法ドラッグをキメたフーリガンみたいな日常かなと思わなくもないが」

上条の「俺の中のイメージだとフランス大使館へ火のついた原付投げ込んだりとか?」

ランシス「……責任問題になるから……誰も敢えて、踏み込んで聞かない……」

上条「君ら友達じゃなかったっけ?命賭けられるぐらいには仲がいい?」

ランシス「ガンボォ(巻き舌)の人格まではちょっと……」

上条「鉄砲玉言うなや!あぁまぁ俺も似たよう感じだけども!」

ランシス「それで……まぁ、一応。うん一応誰かが把握しておいた方がいいのかもしれないねって……」

上条「俺は関係ないだろ」

ランシス「ジャンケンで負けた私が……」

上条「そのジャンケン俺はやってねぇからな?なんだったら敗者決定戦すっか?」

ランシス「……多分、大丈夫だと思う……?少々フリークス的な行動があっても、精々河川敷に長靴を蒔くぐらいで……」

上条「知り合いがそんな奇行してたらむしろ好きになるわ!軍手と一緒で片っぽだけ落ちてるアレな!」

上条「てか大丈夫か?プライベートってのもあるにはあるけど、それ以上にヤバくね?」

上条「俺の中のイメージだとフランス大使館へ火のついた原付投げ込んだりしてんだが……」

ランシス「……『これはバラエティであってフィクションです』……って逃げ道が」

上条「逃げられないよ?レッサーのレベルってそんなんが通用しないじゃん。軽く国際問題まで行くじゃん?」

ランシス「あなたは死なない――私が守るから……ッ!」

上条「あれそれ『死ねばもろとも』って汚い台詞だったっけ?もっとこう感動的なシーンで使われた記憶があんだけど、リメイク版で設定変更しちゃった?」

ランシス「だがしかし……計画は発動中。あなたは大人しくこのクイズゲームを楽しむしか方法はない……!」

上条「レッサーの生態に興味あるっちゃあるんだけどな……まぁいいわ。てかクイズって何?どういう形式ですんの?」

ランシス「……まずフロリスとベイロープは逃げた……」

上条「チームの半分が脱走してる時点でもうおかしいわー。泥船から逃げるネズミのようだわー」

ランシス「そして流石に一人でレッサーの尾行は困難……あぁ見えて野性的な勘は鋭い……」

上条「俺達は幻の野生動物とでも戦ってんのか?経験値も少なくて聖水しか落とさないはぐれメタ○」

ランシス「なので……少ないツテを辿ってプロの方に依頼してみた……」

上条「プロ?人を尾行する――ってお前!?ロンドンの探偵って言ったらアレか!?」

ランシス「現在中継がおります……もしもーし……?」

建宮(中継)『――おうっ任せておくのよ!尾行のプロ略して尾プと呼ばれた建宮さんは伊達じゃないのよな!』

上条「コッテコテの日本人じゃねぇか。せめて探偵っぽい人を用意しろよ」

建宮『おぉっと異な事を仰るのよ!俺が天草式の教皇代理になったのも偏に尾行の腕を買われたといっても過言ではないかもしれないと言い切れないのよな!!!』

上条「ごめん、チェンジってできる?天草式は個人的に信用できるんだけど、どう見ても隠密行動には不向きだと思うんだわ」

ランシス「ノー、ノットチェンジ……そういうシステムではない……」

建宮『まぁまぁ落ち着くのよな少年!困ってる女子を見捨てるようなら男じゃないのよ!』

上条「あぁそういう繋がり出張って来たのな。だったら様子を見てみるか」

ランシス「納得してくれたところで……学校の寄宿舎の前にまで移動してほしい」

建宮『りょーかいなのよ!しゅたたたたたたたたたたたたっ!』

上条「建宮さーん?ターゲットに見つかったらそこで試合終了だからな?」

ランシス「――だがよく見てほしい。台詞がウルサイのに……体からは一切物音が出てない……!」

上条「じゃあトントンじゃね?どんな高等技術だろうが、うるさくしてる時点で収支はトントンだよね?」

建宮『あっという間に着いたのよ!』

ランシス「あっはい……そのまま待機でお願いします……」

建宮『おう!なのよ!』

上条「てか寄宿舎って何?寮ってこと?」

ランシス「『ここはグリーンウッ○』と同じ……」

上条「例えが分かりづらい。『あ、ス○ちゃんと同じだね!』って誰が分かるんだよ、なぁ?」

ランシス「あの主人公は可哀想……最後は好きでもない中×とくっつかされるハメに……」

建宮『読んでた全員が「○君でいいのよな!」って突っ込んだのよ!』

ランシス「あれも今思い返せば公認カップル一組……それでも全くどこも何も騒がれなかった……」

上条「まぁうん、そもそもがそういう業界っちゃ業界だし……あんまコメントすると怒られそうだから控えたいと思うがな!」

ランシス「自然自然……男子校で愛が芽生えるのは当り前なんだ……ッ!」

上条「どんな男子校だよ。つーかお前らって寮生だったのな」

ランシス「……誰か一人、大幅に若返ったせいで……まぁ中学から高校?ぐらいじゃね?って……」

建宮『分かる分かる!よくあることなのよ、ドラマCD版とアニメ版の中の人が違って「まぁこれはこれで!」って慣れっちまうのよ!』

上条「きゃ、キャストさん一生懸命なんだからなっ!決して中の人に当っちゃダメだぞ!」

ランシス「……プロはプロでも仕事は選べない……ポプ○の中の人も言ってた……」

上条「まぁユニフォーム揃えてたしそうだろうな、とは思ってたが――」

ランシス「……が?」

上条「これ、レッサー待ちなんだよな?タレントのラジオ収録の出待ちのような?」

ランシス「まぁ……普段の行動だし……?」

上条「つまり我々with建宮はその間、具体的にはレッサーさんが行動を起こすまで待機ってことに……?」

ラシンス「………………あぁ!」

上条「暇じゃねぇんだよ俺も!?つーか時差どうなってんのとかリアルタイムでおかしいだろとかツッコミどころが多々あるけどもだ!」

ランシス「……想定外だった……」

建宮『――ふっ!心配ご無用なのよ少年&少女!こんな時こそ建宮さんの出番なのよな!』

上条「マジか建宮!頼もしいぜ!」

建宮『そうでもないのよ!ただ俺はお仕事をしているだけ――って何なのよ!?』 ポンポン

警察官『――パスポート、プリーズ?』

建宮『――って訳で急用を思い出したのよな!ココラでドロンっと!』 ボウンッ

警察官『ワッツ!?ニンジャ!?ニンジャキエタ!?』

上条「……」

ランシス「……」

上条「……そりゃあ……女子寮の前で、タッパのデカい東洋人が騒いでたら、まぁ通報されるよなぁ」

ランシス「――はい、っていう訳で……今日の企画、『レッサー・人間性クイズ』は楽しかった……?」

上条「諦めんなよ!?まだ俺達は坂道を登ってすらいないのにシメようとすんな!?」

上条「あと幾ら何でもここで終わったら面白過ぎるだろ!?レッサー一秒も出番ねぇ――」

上条「……」

上条「――いや、反対にこれはこれでオイシイ、か……?」

ランシス「多分、気のせい……ガキの使○で『ショウヘイヘー○♪』が凄く面白いのに、当人には全く関係無いのと一緒……」

上条「だ、だよな!まだやれることが残ってるはずだ!ファイッ!」

……

五和(セーラー服)『――大変申し訳なくかつお詫びの言葉もなく!ウチのアフロがほぼ出オチ要員という醜態をご覧に入れてしまいまして!』

ランシス「……急遽別の人に来てもらいました……」

上条「あー、もしもし?上条ですがこちらこそアホ企画に巻き込んじまってすいません。つーか建宮は大丈夫?とても綺麗な流れで逮捕されていったんだけど」

五和(セーラー服)『あ、問題ないと思います!建宮さんは迷惑系動画配信者としても有名なんで!』

上条「組織のナンバーツーがそれでいいのか……まぁなんかそれっぽい外見ではあるが」

ランシス「人選がよくなかった……だってアフロの大男なんて超目立つし……?」

上条「魔術で隠れる腕と、どう見ても不審者って格好は別問題だからな」

五和(セーラー服)『一応、はい一応フォローしておきますと、教皇代理は隠行の術ではトップクラスですので……』

上条「できれば活躍しているところを見たかったけども」

五和(セーラー服)『そこは不肖この私が頑張らせて頂きます!どうか大船に乗ったつもりで!』

上条「いや心配はしてない。ただ呑み込めそうにないデッカい違和感があるってだけで」

五和(セーラー服)『はい?何かありますか?』

上条「あー……ツッコミ待ちってんじゃないんだろう、なぁ?」

ランシス「割かし新しい感じなので、誰かのを借りてきたか……もしくは恐怖だけど、自前で買った……?」

上条「ガチかー……あー、なんて言えば傷つけずに済ませられる?」

ランシス「……私に任せてほしい……やんわりと、かつ人間関係をギクシャクさせずに円満解決」

上条本当か?信じていいんだな?」

ランシス「こう見えて、数々のレッサーの奇行へツッコミを入れてきた実績が……」

上条「確かに……!じゃあお願いします先生!」

ランシス「んむ……下がっていたまえよ……!−」

五和(セーラー服)『な、何がです?どうしてそちらで茶番劇が始まったんですか?』

ランシス「あー……もしもし?……聞こえますか、こちらは日本です……」

五和(セーラー服)『あっはい、明瞭です。ただ内容がやや不明瞭であると言わざるを得ないですが』

ランシス「――セーラー着れる歳じゃねぇだろ何勘違いしてんだババア……」

五和(セーラー服)『――よし殺す!戦争だごらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!』

上条「やっぱりじゃねぇかテメエェェェェェェェェェェッ!?ちょっと俺はも違和感あったっていうか若いは若いけど流石にこれはキツいって思っていたけどもだ!」

ランシス「いやぁ……『どうせもう会わない人だな』って思ったら、つい……」

上条「ダメだコイツ!レッサーの関係者だって事を忘れてた!」

ランシス「そしてあなたもどう考えてもフッてたし……?」

上条「まぁな!『ここは俺が払うぜ!』からのどうぞどうぞの流れだなって自覚はあったが!」

五和(セーラー服)『か、上条さんはどうなんですかっ!?私のこのセーラーがおかしいとでも!?』

上条「いや、それはアレだな?結論を急ぎすぎないのもそれはそれで立派な傍証だし、未来の人達の評価に委ねるのもまた選択肢の一つですよねっ!」

五和(セーラー服)『上条さん、悪いお友達と付き合っていませんか?話の逸らし方が水着のおねーちゃんと飲めるお店に行った建宮さんレベルですよ?』

上条「じゃあ建宮じゃないかな!ちょい前にまで喋ってたし!」

ランシス「総じてレベルが低い……底辺」

五和(セーラー服)『第一セーラー服着るのに年齢制限なんてある筈がないじゃないですか!?多様性を重んじる社会なんですよ!?』

上条「セラム○で世界規模に認知されて月光刑○

ランシス「あとついでに……イギリスの制服はブレザーが多い……アイビールックはアメリカからの逆輸入……」

五和(セーラー服)『――つまり、「五和お姉さんはブレザーの方が似合う」、と?』

警察官『……』 スッ

上条「まぁそう思うんだったらそれでいいんじゃないかな。あと五和さーん、うしろうしろー」

……

ランシス「……はい、っていう訳で長かったこの企画もついに終わりとなります……」

上条「無理だよ。だってレッサー一秒も出てねぇのに!オイシイっちゃオイシイんだろうが!」

ランシス「……後日、ここまでの動画をレッサーに見せてリアクションをもらう……?」

上条「あいつの性格上、『ぐぬぬぬぬ……!どうして私も交ぜてくれなかったんですか!?二人だけで遊んでズルいですよ!』って言いそう」

ランシス「……レッサーはぐぬぬしているのが一番かわいい……」

上条「お前もそこそこ病んでんだよ。あー……誰かロンドンでヒマしてそうなやついっかなぁ?」



――とある特設スタジオ

ランシス「……もうカラオケ行こ……?」

上条「もうちょっとだけ頑張ろう!せめてレッサーが現れるとこまで何とかしよう!」

上条「ここでぶった切ったら『レッサーの寮の前でなんか騒いだだけ』になっちまうから!せめて何かクイズしよう!」

ランシス「では第一問……『ダイアクロ○シリーズの価格設定は強気すぎる……イエス・オア・ノー』……?」

上条「ダイアクロ○ってなに?あとせめてレッサーにかかった質問にしねぇ?」

ランシス「ダイアクロ○……レッサーが集めてる、なんかこう……ゾイ○とフロントミッショ○足した感じ……?」

上条「その二つの立ち位置って遠くね?リアルロボとスーパーロボットぐらいの温度差あるよね?」

ランシス「えーっと写真写真……これ、ダランドダイオ○と肩組んでるレッサー……」

上条「思った以上にデケえなコレ!?頭と腕のないロボットとアホが肩組んでる!?」

ランシス「……戦艦モードで全長52cm、二脚歩行マシンモードで全高45cm……」

ランシス「『これどう考えても立ち上がったらいい的状態』とか……」

上条「男子の夢としては頭と腕生やしてほしかったよな!てか存在感あって興味がちょっと出て来た!」

上条「……てかこれお幾らぐらいするの?一万ぐらいだったらむしろ安い方じゃね?」

ランシス「……税込み63,800円……強気すぎる……」
(※販売中)

上条「スイッ○よりも上か!?いやまぁここまでデカいんだったら、まぁと思わなくもないっちゃないけどやっぱ高いわ!?」

ランシス「幼児向け玩具なのに幼児が買える価格ではない……!」

上条「アレだよ、きっと、あー……幼児向けのプリキュ○商品が特定の男子向けでも売れるってのと一緒だよ!」

ランシス「……まぁ、ダイアクロ○の一般向けロボも税込み8,800円なので……」

上条「エロゲ○か。どっちが生産的っていえば……まぁ甲乙つけがたい訳だが!」

ランシス「……高級嗜好……まぁ、それはそれで買う人もいるてんんれっさーのように……」

上条「あいつの趣味も訳わかんねぇんだよ……!」

ランシス「と、いう訳で……クイズの答えは、『買う人がそここそお金持ってるしいいんじゃない?』でしたー……」

上条「なぁ今のクイズって誰向けなの?そしてなんて答えれば誰のヘイトも買わずに円満に収められるの?」

ランシス「えー……続きまして第二問……『メガテ○でついにJKになったルシファ○様はノリノリである』……○か×か、もしくは×(カケ)でお答えください……」

上条「そこそこ前だろその話。あのオッサンどこの世界線行っても人生謳歌してんだよ。苦しむPC横目に」

ランシス「個人的には……そろそろ、ね?カップル的なモノを見せつけてほしい……BL的なヤツ」

上条「メガテ○の場合、『大抵『ヒロインよりも悪魔の方が可愛いor美人or裏切らない』ってルールがあるから……!」

ランシス「幼馴染みが仲間の彼氏でゾンビ化(真T)……初期ヒロインが途中で死ぬ(真U)……メインヒロインが遺伝的な母親(真U)……っていう地雷が……」
(※マジ設定)

上条「ファンを試しすぎてないか?だからアトラ○あんなビッグネームなのに途中で倒産すんだよ?」

ランシス「えっと……もうレッサーよくない?」

上条「オイシイのは認めるけど人道的に……」

ランシス「……」 ピッ

上条「うん?」

ランシス「『――あ、もしもしレッサー?』」

上条「ここまでやっといて電話一本で済ますの!?諦めんの早すぎだろ!?」

レッサー(電話)『――今……あなたの後ろにいますよ……ッ!!!』

上条「ノリが良すぎる。相変わらずひな壇で出番待ちの若手芸人並に前のめり」

レッサー『なして第一声が私disなんですか!?つーかその声は人気投票上位常連ランカー(笑)の上条さんじゃないですか(笑)』

上条「べ、別に上位で文句ないしぃ!みんなが応援してくれた結果にケチつけようって気持ちの方が卑しいしぃ!」

レッサー『まるで最初イキってたのに段々と出番がなくなってついには別の魔術結社に統合――あれ、涙が?寒暖差アレルギーですかね?』

上条「いいから涙拭けよ。いつションで自虐ネタに走りやがって」

ランシス「……『新たなる光』で誰か一人入るといいよね……」

レッサー『ちゅーかさっきから私んトコの寮前でファンファンうるせーんですけど、あなた達の仕業ですか?』

ランシス「『間接的には……まぁ?ただ……やろうと思ってはいなかった……』」

上条「まぁバレるよな。二連チャンでパトカー来てれば」

ランシス「『て、ゆうか今……何してる……?』」

レッサー『え、私ですか?何してるって訳でもないですけど、ダンジョンが長い割に碌なアイテムもなくて序盤からダルいだけの同人ゲームのデバッグを』

上条「余所様の悪口はやめなさい!最新のバージョンでは何故か二周目機能が停止されてるあのゲームのはな!」

ランシス「『その後、レッサーを見たものはいなかった……!』」

レッサー『っていうのは冗談でして、ゴブリ○の生態系を観察するゲームで周回中です』

上条「もっと、こう別のなかったか?まさかシリーズ化するとは誰も思わなかったアレだろ?」

レッサー『水晶の槍を継承させたゴブリンシャーマ○を作りたいんですよ!?じゃないと巣の防衛が!』

上条「帰って来いやアホ。誰目線だよ」

ランシス「『あれってハチの生態に似ている……元々が規制していた社会性昆虫……』」

レッサー『てかまぁ暇なんでゲームしてたんですが、お二人さんは何を?』

ランシス「『クイズ……レッサー人間性テストー……』」

レッサー『………………あい?』

上条「なんかお前の一日を観察してクイズにするんだって」

レッサー『なんっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっですがその企画!?事前に教えて頂ければそれ相応にやらかしましたのに!?』

上条「だから怖くて無理だったんだよ。そのサービス精神って名前の悪魔がちょいちょい顔出ししてくるから」

ランシス「『ちなみに……何をしようと?』」

レッサー『――大使館前に不審物が……!!!』

上条「あれやっぱお前らの仕業か!?なんかみみっちい忘れ物が多いなって思ったら!?」

レッサー『おそらく活動家気取りのテロリスト未満の連中でしょうな。正攻法で行かないもんですから、そうやって嫌がらせするしかなく』

ランシス「『けど……テロ予行演習としては有意義で……治安機関の経験値を高める効果が……』」

上条「人生張ったギャグなのかな?」

レッサー『まぁテロリストなんてそんなもんですからね!理解しようと思ったって時間の無駄ですよ!』

上条「流石元テロリスト、テロを分析させたら一家言ある」

レッサー『おぉっと言ってくれやがりますねコノヤロー!さぁランシス、我々の無双の友情をツンツン頭へ言っちゃってくださいな!』

ランシス「『知らない人です……レッサー……?パンダ……?』」

レッサー『――どうですか!?これぞガンガンガガンガン○団ですよ!?』

上条「うん、正直そうなるとは思ってた。てかお前もフッてただろ今のは」

ランシス『できれば……ガン○団も拾ってあげてください……』

上条「情報量が多すぎて一々拾ってられねぇんだよ!?拾ってるウチにノドやられっからな!」

レッサー『ぐぎぎぎぎぎ……!こんなことなら声をかけて頂ければ!』

上条「あぁうんまぁその内一緒に遊ぶときあったら連絡する気があるかもしれないなっ!それじゃまたなっ!」 ピッ

ランシス「……塩対応では……?」

上条「――気をつけろ!『来ちゃった☆』とか言ってマンガ的なワープする可能性も!」

ランシス「あぁまぁ……ないとは言えない。謎の説得力」

上条「クイズの答えは『ゲームを売る前にはデバッグしようぜ☆』だな!みんなも注意してくれよなっ!」

ランシス「違う……そうだけどそうじゃない」

上条「しかしこんなんで終わっていいのか……!」

ランシス「あー……じゃあ、オカルトの話しようか……?ちゃんねる、見ている……」

上条「主体は俺じゃねぇからな?主にアリサと闇咲であってだ?」

ランシス「でも本場っちゃ本場……妖精に関しては任せてほしい……」

上条「まぁ撮れ高あればアリサと俺の被害が少なくなるしな!」

ランシス「……任せてほしい。今頃レッサーが『扱いが悪い!――だがしかしこれはこれでオイシイと言えるのでは!?』と葛藤しているお礼……」

上条「ホントに悩むよな。オイシイはオイシイんだが、ハブられた方にしちゃ『どうのかな!?』って悩む」

ランシス「……ではまず簡単なオカルトから――星について」

上条「星座の話か?あー、正直そっちは聖闘士星○ぐらいしか……」

ランシス「カニさんが復活したのに扱いが酷い……ではなく、記号としての星、というか五芒星の話になる……」

上条「陰陽師で有名なアレだな……!」


(※五芒星と六芒星)

ランシス「間違ってはいない……世界のあちこちで護印と使われているけど――でもどうして『星』なのか。分かる……?」

上条「俺よりか土御門の方が詳しいだろうけど……」

ランシス「詳しいなんてもんじゃない……あっちはプロだし……」

上条「サブカル知識だけで語れば、陰陽道って星の知識にも詳しいんじゃなかったっけ?天候とか季節みたいな」

ランシス「という説もある……ただそれだけだけじゃなくて、『一筆書きできる』って神秘性がある、という説がある……」

上条「一筆書きって雑か!」

ランシス「まぁ、そういうもの……珍しい例では、ゲーム盤やスゴロクが聖印とされていた時代もあった……し?」

上条「どこの国の話だよ」

ランシス「うん……?サイコロとスゴロクは日本だけど……?」
(※マシです)

上条「マジで!?一体どんな流行り方すりゃそうなんの!?」

ランシス「マジでマジで……平安時代には将棋の駒で吉兆を……南北朝時代にはスゴロクでが安産祈願に使われたっぽい……」

上条「そんな時代から将棋があったのも驚きだが、意外な所で意外なもんがまた、なぁ?てか『なんで?』って印象が強いわ」

ランシス「まぁ、安産祈願は分かりそうだけども……なお、一番古いのはメソポタミア文明の副葬品にゲーム盤があったり……」
(※『ウル』という名前の)

上条「金色の王様の倉ん中には収蔵されてんのかよ」

ランシス「歴史的に正しければ、まぁ……?あと確実に宗教的意義が込められていたのは、エジプトのお墓に収められていた……」

上条「死んでからも遊ぶためか?復活前提で埋められるんだっけ?」

ランシス「ではなく……古代エジプトは徹底的な『決定論』一択だった……」

上条「……もう少し分かりやすく頼む」

ランシス「『ラプラスの悪魔』って知ってる……?」

上条「ゲームの名前だっけ?」

ランシス「それ『ラプラスの○』。弘○先生がキャラデザしてるやつ……」

上条「レッサーの影響だろうが、お前もお前も拾うよな!」

ランシス「そのネタの元になった話……フランスの数学・天文学者のラプラスが提起した思想で……」

ランシス「『過去のデータ全てを持ってて、その原因が全て把握できれば、未来もまた完璧に読めるんじゃない?』……って」

上条「……物理の話か?」

ランシス「……ううん、完全にオカルト。というか今は否定されている……」

上条「でも言い分は分からないでもないんだよな。だって実験とかってデータがあったら、ある程度傾向って絞れるじゃん?」

ラシンス「まぁ、それも正しいんだけど……ラプラスが言ったのは……”全部”」

上条「へー全部……全部?どっからどこまで?」

ランシス「だから過去の全ての動き全部……天体から空気の流れ、重力や張力その他全てを知っていれば、っていう仮定……」

上条「あー……まぁ言わんとすることは分からないでもないが……」

ランシス「現在では否定されている……量子力学で、原子の位置と運動量が……」

上条「分かりやすくお願いしますよ!俺にも理解出来るように!」

ランシス「あー……ニュートンが証明した力学はシンプル……?」

上条「そんぐらいは分かるわ。何かこう最初のプロパティが設定されれば、どれもこれも予想できるって話だろ?」

ランシス「まぁ……量子力学になったら、こう、肝心の量子がデタラメな動きになった……みたいな?」
(※詳しくは二重スリット実験を参照)

上条「まぁ何かニュートンさんがイマイチだったのは分かったぜ!惜しかったなニュートンさん!」

ランシス「まぁエロゲ○にもたまに出てくるし……ではなく、古代エジプトの宗教観の話」

上条「文脈からすると、運命みたいなモノが先にあって、誰も彼もどう生きて死ぬかが決まってるってことか?」

ランシス「そうそう……なのでゲームが強い人間は『神様に愛された運命を持つ』って解釈された……」

上条「え?なんでそこで神様出てくるの?『ゲームに勝つ運命を持つ』じゃね?」

ランシス「そこは”どうして”というクッションが入って……まぁ、神様が贔屓したからあの人はギャンブルが強いんだね、って所に落ち着いていた……」

上条「王権神授真っ只中の時代だからな」

ランシス「だから逆に……運やゲームが強かった人達は、『神様の加護があるよね』って解釈があった……」

上条「おぉ……!やっと副葬品がゲーム盤だって理由に繋がった!」

ランシス「五芒星からは随分離れたけど……まぁ、色々な文化があるし歴史もある……」

上条「脱線させといてなんだけど」

ランシス「星も色々なところが使われている……ダビデの星の六芒星に、オカルトでは多い五芒星……」

ランシス「その中で有名なのが……スイスのシヨン城……凄い古い歴史があるお城」

上条「ほう、歴史?」

ランシス「西暦1,000年ぐらいにシヨン城のあるレマン湖周辺は……サヴォワ伯が治めるサヴォイア伯国だった……」

ランシス「この血統は……後にイタリア王国になる超名門の一つ……いやまぁ、イタリア王室は戦後、イタリアに帰れなかったんだけど……」
(※ムッソリーニ失脚後も国王が戦争継続を訴え続ける→クーデターで放逐→2002年まで帰国もできなかった)

ランシス「余談だけど……今の一応イタリア王(その人の孫)はマネロンで何回か逮捕されているけど……」
(※バチカンの裏銀行というか、カトリック教会の暗部と関わりがあり、マフィアと一緒に逮捕されています)

ランシス「この時期……十字軍とかが絡んで、いっぱい人が死んで……いやまぁ、いっぱい死ななかった時代もないんだけど……」

上条「そのテンドンやめーや。何か楽しくなって不謹慎だから」

ランシス「で、当然のように……シヨン城にも、ね?……幽霊が出るように、ね……?」

上条「その常識は知らんけど、まあ出ちまったのか幽霊さん」

ランシス「悪霊が城の中へ入らないよう……篝火で撃退してたんだけど……まぁコスト的に?」

ランシス「だから五芒星を窓や門、煙突や暖炉とか……外界と繋がる場所に掘って、聖印としていた、って歴史がある……」
(※実話です)

上条「いつ頃の話?」

ランシス「12世紀から12世紀ぐらい……?その当時に改装された場所の柱にも、きちんと残っている……」

ランシス「よってスイスでは魔除けとして伝わっている……神秘性に加えて、五つの矢が交わるように見える、とかって」

上条「あー、成程な」

ランシス「しかし……逆にスイスのドイツ語圏の方だと……五芒星は『魔女の足』とか……『悪魔の足跡』って呼ばれて不人気……」

上条「お守りなのにそこまで違うもんかな……?」

ランシス「歴史的な問題……サヴォイア伯国は15世紀になると神聖ローマ帝国から公爵位を授爵してサヴォイア公国になった……」

ランシス「スイス自体は公国と同盟結んで……まぁ神聖ローマ帝国から独立したんだけど……ドイツ系住民は、ね?どっかって言ったら負け組……」
(※これは推測。ルターの関係で在スイスのドイツ系住民がルター派へ乗り換え→カトリックと文化的な軋轢が起きた、という可能性もそこそこ)

上条「仲良くケンカしてほしいもんだな!」

ランシス「また五芒星・六芒星はユダヤ教の中ではどちらも魔除けのシンボルとして使われてるから……まぁ多分最大の理由は?」

ランシス「反シオニズムっていうか……ユダヤ人は元より、その文化を蔑む風潮が長く続いてて……その影響で『悪魔の印』ってなっている可能性も……」
(※「同じ人間なんだ!」は精々ここ半世紀ぐらい。またぶっちゃけ言うほど改善はされていない)

ランシス「ただ同じドイツの『ファウスト』の逸話の中に……『五芒星を描かれた部屋からメフィストが出られなくなって困る』、ってエピソードがある」

上条「つーことはドイツでも一応魔除け的な意味で使われてもいたのか。どっちだよ、って話だが」

ランシス「なのでスイス、イタリアでは聖印として使われつつ……ドイツでは、ねぇ?みたいな使われ方をしている……」

上条「あー……言われてみれば、だけどの話なんだが。一応、ほんのちょっとだけ引っかかっていたんだよな」

ランシス「……なにが?」

上条「悪魔を召喚するアレだったりとかだと、六芒星と一緒にデビルがサマナーする人らのシンボルになっててだ」

上条「でも逆に某ラノベとかじゃ『悪いものを退ける!』とかって出てたから、『どっちだよ、効果真逆じゃねぇか』って」

ラシンス「まぁ……色々ある。映画のハムナプト○……知ってる?」

上条「古代の神官が現代に甦って、みたいなのだったっけか」

ランシス「あれに出てくる小悪党の役の人……イムホテッ○に命乞いするとき、六芒星を見せると……」

ランシス「――『なんだ、奴隷の証じゃないか』ってシーンがあったり……」

上条「そのエジプトのファラオがいた時代だとそうなんだろうな。今やったら騒がれそうだが」

ランシス「時代や地域によって価値観が違うのはよくある話……あぁ五芒星の話はイギリスにもある」

上条「時計塔の魔術師たちだな!俺知ってんだ!何かちょっとアレな感じの魔術師達がいるって!」

ランシス「ノー……世界軸が違う……できればアニメ第二期は、CDドラマ版をそのままやってほしい……」

上条「この世界だとステイルんちだっけ?一回連れて行かれて拷問されたわ」

ランシス「……またサラッと凄い事を……まぁ、それは横に置くとして。実は……ロンドン塔にも多くの五芒星、六芒星が刻まれている……」

上条「いいな!流石は魔術の本場だぜ!俺知ってんだ!カレッジとか若い魔術師がキャッキャウフフしてるって!」

ランシス「魔法使いの○はそういう話ではない……と、思う。ただ……あれだけ好感度低い保護者も中々……」

上条「まだ一応意思疎通ができるだけマシ、だとは思う。まだな」

ランシス「まぁそんな感じのロンドン塔……実は、ここにも多くの星印が刻まれてるのが確認できる……」

上条「いいね!やっぱり魔術師の結界って意味でか!」

ランシス「……ううん、歩合制」

上条「だよな!やっぱり歩合制……何ブアイセイって?俺の知らない英単語?」

ランシス「でなくて日本語の、『歩合制』……やればやっただけお金が貰えるよ、ってシステムのこと……」

上条「つまりどういうこと?」

ランシス「ロンドン塔を建てたとき……また増改築の際、石工さんが『これは自分の作った石だ』って星印を刻んだってだけ」

上条「またしょーもないオチだったわー。それだったら魔術師のアレだとか信じておきたかったわー」

ランシス「なんでも20種類ぐらいがあるらしい……あと、ロンドン塔は牢獄としても使われていた時期があって……」

ランシス「その時、収監されてた囚人が彫った 『恨みの刻印』というものがある……」

上条「お、いいじゃない!そういうオカルトの話がほしかった!」

ランシス「そう思った人が多かったらしく……21世紀の今では透明のカバーをつけ、見やすくしているという配慮を……!」
(※実話です)

上条「いや違う違う違う違う。配慮自体は嬉しいし気持ちも分からないでもないけど、情緒ってもんがだな?あるよね?」

ランシス「そして反対に……石工さんたちが刻んだ星印は削って目立たせない配慮を……!」
(※未確認。参考資料の本曰く、ガイドブックの写真からも何故か消えていた、そうです)

上条「流石はレッサーを生んだカオスの国だな!歴史的に価値あんだから差別せずに残せや!?」

ランシス「まぁ……そんな感じで五芒星は大切にされてるし、されてないとも言える」

上条「雑か。大切にするんだったらやり通しなさいよ!現代の人の都合で削ったりせずにね!?」

ランシス「あぁ……大切な話を忘れていた。シヨン城……英語読みだとシロン城になる……」

上条「城だけにシロン城……いやごめん何でもない。忘れて忘れて」

ランシス「レッサーも同じボケをした……流石は魂の双子……」

上条「殺せよ。もう殺してくれよ」

ランシス「悪いとは言ってない……で、シロン城に来て、酷く感銘を受けたヤポン人が一人いたらしく……」

上条「ほう?落書きでもしてったのか?」

ランシス「いや……そっちはイギリス人の詩人バイロンが……地下室に自分の名前を彫っていった……」
(※実話です)

上条「だからその『実話です』芸もいい加減にしろや!?てか誰だよバイロン!?」

ランシス「イギリスでは割と有名で……ゲーテのファウストの投じよう人物のモデル説もある人……まぁ、ここでは関係ない。ヤポン人の話……」

ランシス「その人物は……ヤポンへ帰って商品名に『シロン』と命名し……同商品の後継は現代にまで残っている、らしい」

上条「シロン?俺でも知ってんの?」

ランシス「……胃薬」

上条「シロンってお前……パンシロ○ぐらいしか」

ランシス「……うん、正解」

上条「パンシロ○(ロー○製薬)ってそういうネーミングだったの!?安易っちゃ安易だけど、何かの成分の名前だと思ってたわ!?」
(※正確には『シロン』発売→改造して『パンシロ○』)

ランシス「……と、まぁ星印の聖印はどこでも使われている。日本にも結構多い……」

上条「よくある『日本人は失われたユダヤ氏族の一つだったんだよ……!』って説は?」

ランシス「所詮俗説の一つで根拠に乏しい……てかそれを言うんだったら中国やチベットでも星印が使われている……し?」

ランシス「最古の五芒星と言われているのは……チグリス・ユーフラテス川のジェムデット・ナスルで発掘された壺に刻まれてた……大体紀元前3,000年ぐらい、と言われている……」

上条「ユダヤ教も何も関係ないな。てかそんなに御利益あったんだ?俺もお守りでも持とうかな」

ランシス「素人さんが使うのは……オススメしない」

上条「何で?呪われっからとか?」

ランシス「……イタイ人だと思われる」

上条「まぁな!一般人からは『あ、魔法の星印だ!キミ魔法好きなんだね!』ぐらいの認識しかないだろうからな!」

ランシス「あとまぁオカルト的に言えば……あなたが神様だったら……昨日今日聖印を使い始めた人を守る……?」

上条「超ヒマしてない限りは、まずないかなぁ」

ランシス「他にもローカルな問題がなくはない……だから興味本位で試したら、ダメ。ゼッタイ……」

上条「ローカルな?」

ランシス「……んー……?怪談おじさん二号機の方が詳しいと思うけど……競合の問題……?」

上条「――サモン、闇咲逢魔!我は求め訴える!」 ピッ

上条「『――あぁもしもしお疲れさまです上条です。闇咲今ちょっと時間がある?』」

ランシス「現代の魔術……もうない時代には戻れない……」

上条「『あぁうん、なんか五芒星と六芒星の魔除けの話してて。そうそう、結構海外にもあるって』」

上条「『それで安易に使ったら競合するって……どういう意味?あ、スピーカーにしろ?了解』」 ピッ

闇咲(電話)『世界中、古今東西で様々な魔除け、もしくは魔寄せの印が使われている。魔術師的にはシンボリックウェポンと言えるか』

闇咲『ただ普遍的に使われていても、時代や地域によっては善にも悪にも転じる。ドイツの「悪魔の足跡」などが典型例だな』

ランシス「応用として……『天使の力』を使う魔術を無効化するときとか、堕天使だと解釈して、ってのとか……」

上条「多様性が超混雑してんじゃん」

闇咲『ある程度の普遍性や法則性があるだけマシだがな。まぁ、逆に言えばあるからこそ残ったかもしれないが』

闇咲『問題……というか厄介というか。競合すると非常に面倒なんだ』

上条「だから競合ってなんだよ?魔術がカブるって話か?」

闇咲『前に……某廃山になった鉱山へ行ったときの話だが。入り口に○に×印が彫ってあった』

上条「薩摩藩の家紋だっけ?ドリフター○で有名になった」

闇咲『あちらは十字で、見たのは×印だな。地理的にも関係があるとは思えない――さて、君はそれが何だと思う?』

上条「大体そういうのって悪いのが中に入って来ないようにするんだろ?」

闇咲『そうだな。ではどちらに?』

上条「どちら……?」

闇咲『鉱山の中”へ”入らないようにする。これはよくある。自分達の家へ良からぬモノが、という信仰だな』

闇咲『鉱山の中”から”出てこられないようにする。これもそこそこある。人の至らぬ地は神宿る地。故に御身御大事に、とだな』

闇咲『――と、いった具合にどちらとも解釈できる』

上条「それってお前……対応間違ったら大惨事ってレベルじゃ……?」

ランシス「まぁ……意味が分からずに放置されてる時点で……もうヤヴァイ……」

闇咲『二重三重に意味を持っていたり、他の地域でも使われたりしているのがあると、何がどうなっているのか分からない場合がある』

闇咲『”諸説あり”で終わればいい話だな。終われば、だが』

ランシス「ちなみに……その鉱山はなんだった、の……?」

闇咲『ただの神紋だったよ』

上条「異端審問?」

ランシス「じゃなく……神様の紋様って書いて、神紋……」

上条「へー、そんなのあるんだ?」

闇咲『家紋と同じだな。神官の一族が使っていたり、また神自体が使っていたり』

闇咲『要は「ここから先の坑道は人の地ではないので注意しろ」と。ただそれだけだな』

上条「……大丈夫か?その廃鉱山で奇妙な行方不明者が量産されたりしてない?」

闇咲『「立入禁止」と書かれた上、入り口を鉄の錠で閉じてある場所に入る人間はいないとも。たまに鍵が開いてはいるが、きっと経年劣化かなにかだろうな』
(※心霊スポット……えぇまぁ墓所、もとい某所の話ですが)

上条「偶然って怖いですよね!心霊写真も似たようなメカニズムだしな!」

ランシス「事故……うん、事故は怖い……」

闇咲『だから安易に変なモノを使わないように。信仰心の伴う宗教行為であればまだしも、その場のノリやファッション感覚では推奨しない』

上条「別に問題なくね?信心ないんだったらどうせまともにお守りも機能しないんだし?」

闇咲『オカルト的にはそうかもしれないが、持っている人間がノイローゼになる可能性がある。「悪魔の足跡」のように、後日あらましを聞かせられたりな』

ランシス「……動じない人間であれば、最初から下手なお守りには頼らない……」

上条「要らないで済むんだったらみんなそうしてるわ!追い詰められた人とか縋りたい人とか、お前らみたいにメンタル鋼の人間ばっかじゃねぇんだよ!」

闇咲『下手に余計なものに手を突っ込まないこと、という教訓だな。もういいか?』

上条「あぁうん、しょーもない話題で悪かったな。てか今何やってたんだ?」

闇咲『事故物件で除霊中だ』

上条「ホンッッッッッッッッッッッッッッッッットにお邪魔しちゃってゴ・メ・ン・ネ☆俺の事はいいから続けて続けて!?」

闇咲『それより電話口からボソボソとした少女の声が聞こえるが』

上条「心霊っぽいけど人だよ。そしてそういうキャラなんだよ」

ランシス「もしもし……私ランシス……今、日本にいるの……」

闇咲『――そこを離れろ!出番がほぼなくて恨みに思っているネタキャラの生き霊が……!』

上条「それ正解。そして多分逃げても逃げてもついてくる逆はぐれメタ○」

ランシス「おおかなづちで、ペシってやりたい……」

上条「あぁまぁ次があったらまたよろしく――それじゃ失礼しまーす」 ピッ

ランシス「中々楽しそうな職場……」

上条「本人だけな?人助けっちゃ人助けなんだが」

ランシス「そんなことより……カラオケ行きたい……あとアニメイ○も」

上条「なんでだよ。海外にもある……か?あんのか?」

ランシス「じぽ関係で勘違いされるので……」

上条「まぁそういうとこはるあるよな!設定書で実年齢と外見年齢が仕様として依頼が来る業界だし!」

ランシス「まぁ……結果的にはレッサーもオイシイ……これはこれでオーライ」

上条「変な復讐されそうで怖いんだよ。やるきゃやるアホだからな!」


-終-

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