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Clock(trial)

上条「――『地獄島の神隠し村殺人事件・湯煙に消えたゲコ太の謎……ッ!』」

 
――とある商店街

おばちゃん「あいよコロッケ三個おまちどおさん。シスターちゃん用に四つオマケしておいたからね」
(※×おまちどうさま、○おまちどおさま。『お待ち遠様』が正しい)

インデックス「ありがとーきれーなおねーさん!倍以上のオマケはなんか不安になるけど、ありがとうなんだよ!」

上条「すいません、いつもなんかありがとうございます」

おばちゃん「あとこれね、商店街でガラガラやってるから回していきなね」

インデックス「がらがら?すねーくかもん的な?」

上条「どこの国の商店街にガラガラヘビが常駐してんだよ。インドの観光地にはありそうだけど」

おばちゃん「あらいやだ!シスターちゃんったら福引きってやったことないのかい?」

インデックス「そ、そのぐらい知ってるもん!えーっと、幸運ばふの術式なんだよね?」

上条「すいませんこの子ゲームとかアニメとか大好きなんです」

おばちゃん「分かるわぁ。ウチの子もね、ノートいっぱいに能力がどうって書いて先生に叱られてたわぁ」

インデックス「ちゅうにと一緒くたに扱われるのは、流石にわたしのぷらいどがへし折れそうになるんだけどな……!」

おばちゃん「それで今度はね、同人ゲームで一発当てるって」

上条「別の症状が発生してませんか?前よりは現実的ちゃ現実的だけど」

インデックス「ねーとうまー、わたしがらがらってのやってみたいかも!」

上条「あー、悪いんだけど枚数が足りなくてなー。あと何枚かあれば」

インデックス「おねーさん、けんください!」

上条「インデックス、ハウスッ!無闇に人におねだりしない!」

おばちゃん「いいんだよ、残ってるの何枚かあげるからそれで足りるかい?」

インデックス「ありがとうなんだよ!」

上条「いやでも!」

おばちゃん「あ、いいのいいの。シスターちゃんたちはお得意様だからね、ひーのふーのみーの……これで足りるかい?」

上条「……すいません。ありがとうございます」

おばちゃん「二等の抱き枕、当たるといいね?」

上条「何で俺に言った?今まで抱き枕の話題あったか?なかったよね?してなかったよね?」

おばちゃん「ウチの息子のお手製だから、かな」

上条「おばちゃんち大丈夫か?一度黄泉川先生に進路相談してもらった方がいいんじゃねぇかな?」

インデックス「出世……うんまぁ、出世魚って意味では出世はしてるよね。ただ向ってる方向が下なのか上なのかは誰にも分からないんだよ」

……

土御門「――へいラッシャイ!ご飯にする?お風呂にする?それとも・わ・が・は・い☆」

上条「混乱する系の呪文喰らってる?一々拾ってくのが面倒なぐらいに混沌としてっけどそげぶしとくか?念のために全力で」

インデックス「ヘイ、おっちゃん!がらがら券にじゅうまいぶんきゃっしゅで!」

上条「こっちはこっちでシステム違げぇな?俺ここへ来るまで説明したよな?」

土御門「くっくっくっく……!誰とは言わないが、日本で稼ぎながら海外に家があるミュージシャンがキメてるっぽいお薬がこちらに……!」

上条「やめてくんない?こないだふなっし○見たさにテレビかけたら、どう考えても覚醒する系のお薬の症状出てる人が映ってたけど、それはただの
(※躁病っぽい症状)

インデックス「うん……?魔術的にはお薬使うのは珍しくもないんだよ?」

土御門「魔術結社へのイニシエーション(入社儀礼)でよく使われるぜぃ。まぁラリったところにつけ込もうってハラなんだにゃー」
(※「魔術を見せてあげるよ!ほーらこのお薬を使って瞑想するんだ!」的な。アメリカンネイティブがペヨーテ食べるような感じ)

インデックス「そういう側面もあったのは否定しないけど、それだけじゃなくて誰でも簡単に神秘体験ができるようにって考えもあったんだよ」

上条「やだこの人たち怖い」

土御門「まー、それはともかく福引き開場こと商店街外れの特設コーナーへようこそだにゃー!歓迎するぜぃ!」

上条「いつから商店街の一員になったんすか土御門さん。いや特に驚きは無いが」

土御門「舞夏から頼まれたんだにゃー。ガラガラ番してくれる暇そうなヤツに心当たりはないかーって」

上条「お前らの兄妹関係も雑……うーん、まぁいいか。それでおっちゃん、券二十枚あるんですけど何回ガラガラできんですか?」

土御門「十枚で一回だぜぃ。二人で一回ずつな」

インデックス「え、でもとうまが引いたら絶対にハズレだから、わたしがやったほうがいいんじゃないかな?」

上条「おぉっと言いやがるじゃねぇかインデックスさん。まぁ否定出来る要素は中々見つからないけどな!」

土御門「おめでとーカミやん!カミやんは二等の抱き枕が当たったんだぜぃ!」

上条「また引いてもねぇのに!?てか実質ハズレだろそれ!?」

インデックス「てゆうか……うすうす、このがらがらの主旨が見えてきたかも。要はざいこいっそう、なんだよね?」

上条「てか曲がりなりにも同居人と一緒なのに抱き枕は辛いな!どんな勇者だってこう、えっと肌色比率が高いのを堂々と使うのは、なっ?分かるだろ!?」

土御門「あ、大丈夫だぜぃ。これ肌色一切使ってねーんだにゃー」

上条「ク○にゃんだろ?どうせ褐色肌のマニア向けなんだろ?」

インデックス「おそーざい屋まのおばちゃんのむすこさん、大丈夫なんだよ……?」

土御門「あぁそっちじゃなくて、これ、ガンダ○の抱き枕」
(※実在します)

上条「なんっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっでだよ!?誰が使うんだ、つーか需要あんのかそれ!?」

インデックス「おそーざい屋まのおばちゃんのむすこさん、アタマ大丈夫――じゃないよね。だいぶておくれなんだよ」

土御門「いや勿論アンオフィシャルだにゃー!でも日本はまだマシの方で海外ではデッドプー○の抱き枕に比べたら大人しめの方だぜぃ!」
(※実在します。キャッ○とかサイ○とかもあります)

上条「なぁこれやっぱ不良在庫をハケさせようとしてねぇか?要は邪魔な物を名目つけて放出してるだけなんだよな?」

土御門「そう思うんだったらガラガラ回してみればいいんですたい!豪華賞品がお前らを待ってるんだぜぃ!」

上条「やってやろうじゃねぇかコノヤロー!行けインデックス!俺よりも若干強い引きを見せてやれ!」

インデックス「とうまよりはましだけど……わたしもまぁ幸か不幸が言えば、あんまりこう過去を振り返りたくはないんだよね」 ガラガラッ

土御門「なおガラガラの正式名称は『新井式回転抽選器』だぜぃ。超古くからあるんで特許は切れてるけども」

インデックス「出たんだよ!……って白いね。こういうときの色なしって大体は」

土御門「あー残念だにゃー。白は八等の肉まんセットたぜぃ」

インデックス「ありがとう、嬉しいけど季節的にどうかなー?」

上条「急に暑くなってきたからな。どう考えても在庫……まぁいいぜ!ならその肉まんを倍に増やしてやろう!」

インデックス「えー、とうまも引くの?」

上条「自分で言うのもなんなんだがどうせハズレで八等だろ?」

インデックス「ううん。こんなときにだけダメな運を呼び込んで、がんだ○の抱き枕を背負って帰る姿が見えるのかも……!」

上条「言うな言うな!『あ、確かにそういう流れだ』って思ったけど!口に出したら実現しちゃうってあるだろ!?」

インデックス「先に言うか言わないかだけで、結果的にはションボリするだけだと思うよ……」

土御門「まぁそう言わずに!信じてみるかい、可能性ってヤツをよ……!」

上条「土御門……!」

インデックス「もうそれが完全にフッてるんだよ?二人とも分かってやってるよね?」

上条「――よーし!折角だからはこの赤いガラガラを回すぜ!」 ガラガラッ

インデックス「一台しかないんだけど……あ、出た、けど」

上条「……くっ白か!あんだけフッたのに大して笑いをとるでもなく普通にハズレかよ!?」

上条「まいっか!やったぜ肉まんだよインデックス!酢醤油とカラしを乗せて食おうぜ!」

土御門「………………あれ?」

上条「どしたガラガラ屋さん?景品が切れたんだったら、後日貰えればそれで別に」

土御門「――はーいおめでとーだぜぃカミやん!一等の離島観光ツアーペアチケット当選だにゃー!」

上条・インデックス「……はい?」

土御門「やるなカミやん!俺は知ってた!カミやんがここぞってときはできる子だって分かってたぜぃ!」

上条「一等?白は八等だろ?」

土御門「ちっちっちっ、この玉をよく見るんだ!白じゃなくてアイボリーだぜぃ!」

上条「材質関係してんの?てか今時そんな高級品を商店街のガラガラへ入れるか!?」

インデックス「そして『あいぼりー』って項目もないし、一等賞は『金』ってうしろの張り紙に書いて」

土御門「――おっと手が滑ったんたぜぃ!」 ビリビリビリビリッ

上条「お、おいっ?」

土御門「はいコレ景品のバスとフェリーのチケットに宿泊先のパス!具体的なダイヤルとかも書いた紙があるから参考にしてくれよな!」

土御門「じゃあ俺はこの辺で失礼するぜぃ!先を急ぐんでね!」 ダッ

インデックス「……ね、とうま」

上条「……なに?」

インデックス「多分、なんだけど。これってできれーすなんだよね?詐欺っていうかズルっていうか、つちみかどが何かガラガラに細工して一等を当てようっていう」

上条「……まぁ、そうだろうなぁ」

インデックス「でも多分、とうまの運の悪さが邪魔をして、結局一番悪いのが出たっていう……」

上条「くっ……!俺の『不幸』は仕込みありのガラガラですら機能不全にさせちまうのかよ……!?」

インデックス「ある意味スゴいっちゃスゴいよねー……で、どうするんだよ?」

上条「一応行くだろ。ここで仮にスルーしたら、次に目が覚めたらフェリーの上とか普通にあったからな。あ、俺は高速旅客機だったけど」

インデックス「もう仙人みたいに達観してるんだねとうま!」



――フェリー船内

御坂「――ぐ、偶然よねっ!まさか一緒の便になるだなんて!」

上条「『――あ、もしもし警備委員ですか?はい、先日ご相談したストーカーについての、はい。担当の黄泉川さんに繋いで貰えますか』」

御坂「塩対応を通り越してストーカー扱い!?しかも既に担当の人と相談済みで!?」

上条「『何か興奮して、いえ、人の多い場所ですか?フェリーの中なんで逃げ場はちょっと』」

御坂「やめてくんない?心に来るから一回ボケたんだから続けて追い込んでくるのやめてくんないかな?」

インデックス「とうまもどうかと思うんだけど、これに関してはたんぱつの行動もどうかなって思うんだよ」

御坂「てかあんた達どうしたのよ?レジャーだなんて珍しいじゃない」

上条「あぁ俺たちは商店街の福引きで温泉ツアーが当たった、らしい」

御坂「へーよく当たったわね」

上条「当たったっつーか、どっちかっていえば食中毒に当たった的なニュアンスだと思ってくれて間違いない」

御坂「……体調悪いときは何をどうしたって当たる?」

上条「まぁな!常にそのコンディション最悪なのが俺の生き様だけどな!」

インデックス「とうまのじぎゃくが酷い事に……えぇっと、あなたはお一人様なのかな?」

御坂「結構毒吐くわねこのちっこいのも!?誰の影響とは言わないけどちゃんとしなさいよ!?」

上条「そうだぞインデックス?こういうときは気を遣って『良かったら一緒に行きませんか?』って、例え思ってなくてもそういうのがマナーなんだからな?」

御坂「人をボッチ前提で話進めないでくれるかしら?ちゃんと他の三人もいーまーすー!」

上条「そこに同級生が入って来ない時点でどうだろう……?」

御坂「いいじゃない!あたしは年下が好きなんだから!」

インデックス「それはそれではもんを呼びそうなんだよ……で、つあーなの?」

御坂「ん、まぁそんな感じね。ミステリーツアーって言って……分かんないかな」

上条「旅行会社が行き先をボカしてお客さん募集して、いざ目的地はついてのお楽しみだぜ!的な?」

インデックス「困るでしょ?海に行くのにみずぎ持ってこなかったりしたら地獄なんだよ?」

上条「まぁそこはそれ事前に『水着忘れないでね!』みたいに注意書きも。いや俺行ったことないから分からないんだが!」

御坂「そうよね?知らない人たちの中へ入れられるってちょっとしたハラスメントに等しいわよね!」

インデックス「にほんじんはそういうとこあるよね?おんげーとかでも同じ人種で固まったり、冒険に来てるのに冒険しないとかね?」

上条「知らない外人よりも知ってる他人でアニメや映画ネタで盛り上がった方が楽しい」

御坂「分かるわー。すごくよく分かるわー」

インデックス「とうまが陰に陰に籠っていくのはまぁ分からなくもないけど、あなたはもっと社交的だったかも!」

上条「趣味の時間にまで気を遣いたくないよな!分かる分かる!」

御坂「いや半分ぐらいは冗談……でもないかな。誰だってたまには気分展開とかしたいじゃない?キャラ変えたりとか知らない場所ヘ旅行したいだとか」

インデックス「おーえるか。げんだいしゃかいの闇を見ている気がするんだよ……!」

御坂「――だったんだけども。ちょろっと後悔してる感じなのよねー」

インデックス「あー、分かるんだよ。とうまとご一緒してる時点で事件ふらぐなんたよねー」

上条「君らどういうことですかコノヤロー?やった・ん・ゾ☆」

御坂「それも半分は冗談じゃないけど。船内見た?なんかヤクザっぽい人が乗ってんのよ。明らかに場違いっていう」

インデックス「じゃぱにーず反社だね!今時珍しいんだよ!」

上条「外見だけで勝手に判断するのは良くないぜ。リゾート地って大抵”っぽい”人いんじゃんか?」

御坂「いやあたしは言ってないわよ!?ただなんか周囲の人たちも距離置いてる感じで」

上条「ふーん?どの人だよ?」

御坂「あそこ、えっと、ジロジロ見ないでね?チラッと見るだけでチラッと」

上条「ただのぽい人だと思うけど」

闇咲『……』

御坂「ねっ?」

上条「あー……インデックスさん、審判をどうぞ」

インデックス「一般的な意味での”はんしゃ”ではない、ではないんだよ?そこはね?」

インデックス「ただ正直、へたなひっとまんよりも完全にヤってるよね!って意味では上だよね!しゅぞくちが高いのかも!」

御坂「え、反社とも知り合い……?」

上条「害はないから。えっとあの、日本のある業界の決まりみたいなのがあって、チンピラ度が高い人ほどベテランみたいな感じ?」

御坂「反社じゃない」

上条「だから違うんだよ!都市迷彩みたいなもんで、知り合いのにゃーにゃー言ってるのは金髪グラサンだしな!」

御坂「軽めの反社じゃない。てか何の業界か知らないけど、余計目立ってるじゃない」

インデックス「わ、わたしもしすたー服の自己主張が強い分、あんまり強くは否定出来ないんだよ……!」

上条「誰一人として隠そうとする努力の気配がないからな。神裂しかり建宮しかり。意外とアックアと五和がまともだったが」

ピーンポーンパーンポーン

???『えー、本日は斉天なり斉天なり−』

上条「字面がよくわかんねぇけど、お前それ斉天大聖ソンゴクウのニュアンスで言ってねぇか?晴(→)天(↓)じゃなくて斉(↑)天(↑)で?」

御坂「そんなのも拾うんだ……?船内アナウンスなのに……?」

インデックス「最近じゃテレビにもツッコんでるからね。まるでわかてのツッコミ修行してるみたいな感じなんだよ」

???『「オッス、オラ悟○!」』

上条「違う違う。元ネタはそうなんだろうが、最近ベジー○さんとニコイチ状態のアレじゃねぇよ」

???『――っていう台詞、実は原作では一度もなかった……ッ!!!』
(※本当です)

上条「マジでっ!?ほぼ全ての人がモノマネするのに使うフレーズが原作準拠じゃなかった!?」

???『元々アニメスタッフが「次回予告の仮撮りするから〜」と言われ、中の人がアドリブで言ったら『いいね!』ってことで使われ続けているそうです』
(※と中の人が言っていました)

上条「へー知らなかった。そうなんだー」

???『では続けて第二問!――「ヤムチ○の存在価値とは何か?」』

上条「オイ酷い事言うなよ!序盤のライバル兼いいアニキキャラだったろ!?」

???『使う拳法が狼牙ナントカ拳――まさか本当に噛ませ犬になろうとは!』

上条「口を慎め、なっ?ヤムチ○さんだって人類だけでいえば最高クラスの使い手なんだから!」

御坂「ねぇ大丈夫なの?ツッコミと称してアナウンスと会話してるんだけど、大丈夫色々と?」

インデックス「……うん、このあいだもね。お風呂場から『――ってしゃんぷー切れてとんのかーい!るねっさーーーー○!』って叫びが聞こえてね」

御坂「か、会話が多くて素敵じゃない!」

???『とまぁ掴みもオッケーとなりましたので改めましてご挨拶をば!本日は我が”新たナルシスト観光”をご利用頂きまことにありがとうございます!』

上条「レッサーだよな?名前略すと『新たなる光』だもんな?」

???『このツアーは学園都市を発着致しまして、地獄島は神隠し村へ向っている最中でございます!』

上条「あ、目的地ってそんな演技悪い名前だったんだ!?絶対にこれ誰か失踪して事件になるパターンだ!」

???『なおフェリーは予定では地獄島へついた途端、エンジントラブルにより航行不能!文字通り孤島になりますので、皆様暫しご歓談下さいませ……!』

ピーンポーンパーンポーン

上条「――よーし!ちょっと主催者殴ってくる!」

御坂「いやいや、待ちなさいよ。そういうイベントってことでしょ」

インデックス「あー……たんぱつ、それもうふらぐなんだよ」

上条「お前は何も分かってないんだよ!あのアホは手段のためだったら目的を選ばない女だ!」

御坂「って言われてもさ?……あれ?それ逆じゃないの?普通は手段を選ばないんであって」

上条「自分がしたいことをするためだったら、どんなお題目だって引っ張ってくるってことだよ!あながち間違ってもねぇなコレ!」

闇咲「――闇が、動くか……ッ?」

上条「やめてくんない?出オチの一発ネタ要員だと思ったのにそうやって意味深な事言うのやめてくんないか?」



――地獄島 漁港

インデックス「予想以上に寂れ……ひなびた?感じの島なんだよ」

上条「あと排水量、つーか船底の深さの問題でただの漁港にフェリーが接岸できる訳がないってね!」

インデックス「あとこのいじょうに縁起悪い名前って改名しなかったのかな?よそでご出身は?って聞かれたら『地獄島です!』っていうの?」

上条「可能性としては『なんですかそれ!?』ってツッコまれて、掴みがオイシイってこともあるかもしれないぞ」

インデックス「うん、そんな発想はわかて芸人だけど思うな。だってきっと裏では『おに』ってあだ名がつくんだよ?」

上条「面白い苗字になるようなもんだもんな。インデックスも――あっ、ごめんなんでもない!」

インデックス「うん、わたしも余所で自己紹介するとき、『トップページ?』って聞かれるけども!もっとこう変った名前の人にはいりょする社会がうれしいんだよ!」

上条「てか今の船、結構人乗ってたんだけどツアー人数どうなってんだろ?まさかの俺ら以外全員エキストラ?」

レッサー「くっくっくっく……ようこそ地獄のツアーへ……!」

上条「何回でも言うけど主催者アタマ事故ってないか?どこの世界にクッソ縁起悪いツアー名つける商売人がいるんだよ」

インデックス「稲川が淳二する人の怪談いべんととか、やったらアレなのが多いよね」

レッサー「私がツアーのコンパニオンを勤めておりますレッサーと申します!気軽に『新型コロナでまた勝っちゃったイギリスからお越しのレッサーさん』とお呼びくださいね……ッ!」

上条「だから人の生き死にがかかってる時事ネタぶっ込んでくんなってさっき注意されてただろ!アレは振りじゃねぇって何回言ったら分かるんだ!?」

インデックス「そしてにほんの10倍以上おなくなりになってる国が、ここ二ヶ月ぐらい少なくなってるからってなんでドヤれるのか不思議なんだよね」

上条「トータルで追い抜いたんだったらまだしも、命の価値は変らないんだから過去一年分を蔑ろにしていいって話じゃないぞ」

レッサー「言ったもん勝ちなんですよ!今まで負けに負けてきたし世界中からざまあ言われ続けたんだからいいでしょう!?」

上条「そしてワクチンも自分とこ独り占めしたからヘイト溜めてるしな」

レッサー「ふっ、お言葉ですがこれ以上好感度が下がらないんで影響ないですけど何か!?」

上条「だから涙拭けよ。あと結構国別ランキングで高かっただろイギリス」

レッサー「とうま?あぁいうのってフランスでも取ってるのって知ってるかなっ!?」

上条「当り前だろ。つーかお前レッサーなのにインデックスの真似やめろや!?混乱するだろ!?」

インデックス「イラッとするよね」

レッサー「だがしかしそのフランスでもそこそこイギリスの好感度が高いということはつまり……ッ!?」

上条「盛ってるか本当の事言ってないだけなのな!流石はイギリスのお隣だけのことはあるぜ!」

レッサー「ふっ、ルースドッグ(負け犬)のファークライ(遠吠え)が心地良いですな!もっと言ってくださいもっと!」
(※両方間違い)

上条「おーまえのとーちゃん、イーギリスーじーん」 ボソッ

レッサー「っだテメコラかかってきなさいやってやりますよっ!?」

インデックス「なんでそこでキレるの?そしてとうまもれっさーって人も、打ち合わせしてるかのようにボケ倒すのやめてくれるかな?」

レッサー「おぉっとサーセン!ではお二人ともこちらへどうぞ!神隠し村の村営ロッジへご案内します!」

上条「だからネーミングセンス疑われてるよ?地獄に神隠しってどっちかに絞れよ!フワッとするんだよ!」

インデックス「てゆうかもし神隠しがあったとして、限られた住民が減っていったら死活問題じゃないのかな?」

佐天『イヤーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!?』

上条「って悲鳴!?アホ企画じゃなかったのか!?」

レッサー「あ、イベント発生ですね。チュートリアルですから必ず参加して下さい」

上条「だからそういうこと言うなよ!メタ的に萎えるだろ!?」



――地獄島 船着き場

上条「――どうした!?何かあったのか!?」

佐天「あ、あれっ!男の人が!」

浜面(死体役)『……』

上条「可哀相だろ浜面が!?俺の扱いもどうかと思うけど、いつもいつもこんなんさせられてる浜面にもスポットライト当ててやってよ!」

浜面(死体役)『いやいやいいから!俺は大将みたいに出突っぱでツッコむ方が面倒からこれでいい!』

佐天「ナチュラルに会話しないでください。折角のあたしの演技が台無しです」

上条「スタッフかよ」

佐天「の、人に頼まれました。『超景気いいのを一発カマしてやってくださいな』と」

上条「悪魔もいるな?そろそろ事故物○で出て来そうな人がな?」

佐天「そんなことより見てたくださいアレ!男の人が鈍器のようなもので撲殺されて……!」

上条「なんてこった……木の板、か?なんでこんなもので」

佐天「でも何か加工された感じですよね?あーっと、盾、じゃないですかこれ?」

上条「あぁRPGで最初の道具屋で売ってそうなのな。何か模様も描いてある……▲と▼か」

佐天「いいですねきっと見立て殺人ですよ!テンション上がってきました!」

上条「第一発見者が?もっとこう口だけでもいいから大人しくしようぜ?」

佐天「なんでですかっ!?嫌いじゃないでしょう!?」

上条「まぁ、そうだけども。謎解きとか探偵役って憧れるよな、金田○とかコナ○君さんとか」

佐天「一応写真を撮っておいて方がいいのかな−。あ、失礼しまーす」 パシャッ

上条「しかし木の盾か……一体これを何を意味し」

インデックス「――作りからすると古代ヴァイキング風にも見えるね。彼らも木の盾だったから」

闇咲「あぁ基本コンセプトは本邦も同じだ。鉄や青銅の盾も硬いは硬いのだが、取り回しに難がある上、船上では使いづらい」

闇咲「だから鉄部分を減らした上であえて木製にした」

インデックス「強度的には問題があるんじゃないの?」

闇咲「勿論大ありだとも。鉄製の武具で攻撃されたら深く刺さる――そして抜けなくなる」

インデックス「あ、そうか!相手の武器を使用不能にするって発想なんだね!」

闇咲「なのでこの▲は」

インデックス「ここは鈎(かぎ)なんだよね?」

闇咲「流石は禁書目録。呪術的な意味が込められているものだ。九州の古墳等からも出土されてるものと似通っている」

インデックス「そっか……そうするとその盾の持ち主はそっちの術式に精通してるじんぶつ、ってことだね」

闇咲「魔力の痕跡が残されている。あとはこちらで処理しておこう」

上条「待って?違くない?真相へ達するまで数秒ってどうなの?早くないかな?」

上条「もっと引っ張るよね?第二第三の犯行が重ねられたあと、『こ、これはっ!?』みたいな感じで真相が発覚してから、犯人当てパーティが始まるよね?」

上条「なのに何やってんのお前ら!?もっとこう情緒考えろ!あと溜めろ溜めろ!伏線とかあるんだから即解決してんなよ!」

上条「あれ、これもしかしてアレか?無人島に流れ着いた企画と同じで、俺たちが空気も展開も読まずに解決していくって話か……ッ!?」


――前回のあらすじ

御坂『キャッ!?』 グラッ

上条『ビリビリっ!』 ガッ

御坂『――手を放して!あたしだけだったら磁力で船体に張りつけば大丈夫だから!』

上条『あ、そうか。そうだったな、じゃ放すわ。はーい、さん、にー、いち』

御坂『葛藤は?キャッチ&リリースの感覚が早くない?凄い外道獲ったときよりも高速に処理しようとしてない?』
(※外道=ハズレの魚)

上条『違うんだ!とっさに手が出たからちょっと体勢が悪くて俺も落ちそうなんだよ!利き手じゃない方だし!』

御坂『あたしはいいから!あたし一人だけだったら何とかなるから!』

上条『オッケー、じゃあ放しますねー。にー、いち、はいっ』

御坂『だからリリースまでの時間が超早くないかな?秒って言葉が最近市民権を得つつあるけど、それじゃ形容できないぐらいに短いわよね?コンマよね?』

上条『いやだから左手一本じゃ無理だって!体重数十キロを持ち上げ』

御坂『――あ?』

上条『軽い軽い!まるでの羽のようだぜ!シー○さんみたい!』

御坂『そ、それほどでも?』

上条『てかマジでそろそろ現状維持も厳しくなってきたから一回放すな?三秒ぐらい持ち堪えれば両手使ってリフトアップできっから、少しだけ待って』

御坂『……』 グッ

上条『てか待て待て待て待って!?見捨てる訳じゃないから!?マジで体勢変えるだけだから待ってって!?』

御坂『あたしは……いいからっッ!!!』 ググッ

上条『いや知ってるわその情報!?ただその聖女みたいな言葉とは裏腹に船幽霊ばりに俺を道連れにしようとナウ!』

御坂『そんな――このままだと二人とも危ないわ!』

上条『俺だけだよ?お前はスパイデ○さんみたいに三次元移動できるけど、基本2Dの俺はスペランカ○ばりにただ落下して残機が減るんだよ?』

御坂『下は水面だから大丈夫じゃないの?』

上条『どうだろう……もしそんなんで平気だったら、もっと世界の色々なところでクッション的な水場が用意されてそうなもんだけど』

御坂『――あ』 グイッ

上条『ってお前ザッケンなコラ!?船尾近いからスクリューに巻き込まれ――ア゛ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!?』

……

御坂『……きて、ねぇ。起きなさいよ!』

上条『……ここ、は?』

御坂『べ、別にあんたのために起こしたんじゃないんだからね!』

上条『情緒不安定か。そしてお前のツンデレは一周回ってギャグとして成立するよな』

御坂『良かった……それだけツッコめるようだったら安心ね』

上条『起き抜け一番にツッコませたお前もどうかと思うけど……うっ、頭が!まるでモズ落としで水面に叩き付けられたような痛みが……!』

御坂『え、大丈夫よ?あたしが着水しても大丈夫な態度に衝撃を落としたから』

上条『道連れにしましたよねコノアマって言ってんですけど、伝わるかなー?伝わらないなー?』

上条『てかここどこよ?妙に開放的な見渡す限りの砂浜。まるでプライベートビーチみたいな豪華さ……分かったぜ!』

上条『なんか知らないけど俺が気絶している間に労をねぎらって運んでくれたんだな!ありがとうビリビリさん!』

御坂『現実逃避やめなさいよ。リアルガチと戦わないと』

上条『え!?マジで遭難してんの俺ら!?船から落っこちたのに助けてくれなかったの!?』

御坂『そうみたいね。大きい船だったら誰も気づかなかったみたい』

上条『……一応聞くけど、スマートフォン的なのはお持ちじゃないんですよね……?』

御坂『気を失った人間一人抱えながら、スクリューに巻き込まれないように泳ぎ切るのって大変だったわー』

上条『あざーすっ!海の藻屑にならないで済んだのはビリビリさんのお陰っす!あ、これからヒリヒリって呼ぼうか?』

御坂『どういうシステム?あたしが何いいことすれば破裂音消えるの?最終的にどうなるかはちょっとだけ知りたいわ』

上条『ビリー?』

御坂『もう意地でもあたしの名前まともに呼ばないつもりですかコノヤロー』

上条『――落ち着くんだ!サバイバルで生き残るためには正しい知識と行動を心がけろ!』

御坂『あ、男子の好きそうなやつ』

上条『まずは濡れた服着たままだとアッという間に体温が下がって低体温症に――うん?乾いてるな、俺何日も寝てたの?』

御坂『ううん。火をおこして乾かしておいたわ』

上条『お、おぅ?なんかありがとう――だが安心してはいけない!命の危険性はまだある!それは清潔な飲み物だ!』

上条『人間、食べなくても数日は生きていけるが水分だけはどうにもならない!かといって海水をそのまま飲んだら普通お腹を壊して脱水症状!ならこういうときは!』

御坂『あ、うん。お水飲む?水っていうか白湯だけど』

上条『……あの、どうやって?』

御坂『木の皮を剥いでポーチ状にしてから湧き水を沸騰させたのよ。あたしが先に飲んで大丈夫だったから、多分平気よ』

上条『えっと……夜も大切なんだけどな。獣とかいるかもしれないし、夜中なんか冷えるから……』

御坂『一応樹の上に簡易な板張っておいたわ。鳴子的なトラップも作ってみたんだけど、どうかな?』

上条『……』

御坂『な、なによ?』

上条『――憎い!お前のその万能チートっぷりで全ヒロインを持っていく主人公キャラが憎い……ッ!』

御坂『なんでよ。あとそれで一番被害受けてるのはあたしだわコノヤロー』

〜一週間後〜

上条『――名前分からない謎の魚獲ったぞー!』

御坂『お疲れさま。ちょっと待ってね、今捌いちゃうから』

上条『んじゃ俺は燻製の準備としちゃうな。竈に火を入れてっと』

御坂『え、できるのー?また失敗するんじゃ?』

上条『オイオイやめてくれよ。最初によく知らないで失敗したのは謝ったじゃねぇか』

御坂『冗談よ。頼りにしてるわ』

上条『任せろ――なぁ、ビリビリ』

御坂『ん、なーに?』

上条『……俺さ、つーかお前としちゃ不本意極まりないだろうが』

御坂『どうしたのよ。何かすっごい前置きだけど』

上条『流されたのがビリビリで良かったなって、思ってさ』

御坂『あ、また人を万能チート扱いしてるの?やめてよねー』

上条『あぁまぁそういう意味でも本当に大助かりなんだが、そうじゃなくてだな。こう俺一人だったらここまで余裕はなかったよなって話で』

御坂『ま、まぁね!一人よりは二人っていうし!』

上条『……いや、俺の”不幸”に巻き込んじまったってずっと悔やんでたからな……ビリビリ一人じゃこうはならな――』

御坂『何言ってんのよ!全部仮定の話じゃない!』

上条『かもしれないけど!』

御坂『あたしは良かったわよ、他の誰かじゃなくてあんたが――あんたと一緒で良かったって思うわ』

御坂『他の誰かだったりしたらストレスマッハで臨海突破してガーッって叫んでそうだしね!』

上条『ビリビリ……』

御坂『あ、気にしないでよ!?べ、別にあんたのためにサバイバった訳じゃないんだからね!』

上条『そこはいいだろ。ここで誰かのためだったらそれはそれで傷つくわ』

御坂『……まぁ、でもちょっと寂しいっちゃ寂しいわね。いつか帰ったら、この生活も終わりってことだから』

上条『そう、だな。なんだかんだで帰りたいのは帰りたい……けど、さ?』

上条『その、帰ってからだって。一緒に暮らすのは不可能って訳じゃないっていうか、アレだ!そういうのだ!』

御坂『……うん、帰ってからもずっと一緒よね』

上条『そう、だな!そうしよう!』

御坂『――あ、見てあれ!沖の方で船影が!』

上条『マジで!?よっしゃあ!全力で狼煙あげたらぁ!』

〜十年後〜

御坂『みてあなた!麻琴がハイハイしたのよ!きっとこの子は将来アスリートになるわね!』

上条『名前設定がそれっぽくて引くが、まぁそうな!逃げ足の速さが俺に似れば可能性は高いよな!』

御坂『しかしこうして海へ遊びに来ると10年前を思い出すわねー』

上条『あぁ付き合い始めたのはあれがきっかけだったよな。結果的にはオーライなんだけど――』

上条『――でさビリビリ?今だからっていうか、聞きたいことがあるんだけど』

御坂『何よ』

上条『俺たちがデッキから転落したのって、あれ故意じゃないんだよな?ただの事故であって』

御坂『懐かしいわねー。あなたがあたしを庇ってくれて』

上条『あぁうんそうなんだけど、これ、なんだか分かるか?』

御坂『なに?リボン?』

上条『……あのとき以来、失踪してる白井さんのリボンだ』

御坂『黒子の!?なんであなたが』

上条『……島で、拾ったんだよ』

御坂『あー、じゃああたしの荷物に入ってたのかな?一緒の部屋だったしね』

上条『お前を探しに来てたんじゃないのか?』

御坂『だったら帰るでしょ?何言ってるのか分からな』

上条『……違うんだよな?信じていいんだよな?あの島での話はお前の自演じゃなかったんだよな?』

上条『だから必死で探してくれた白井さんを邪魔者だって消した、って話じゃない、よな……?』

御坂『……』

上条『……』

御坂『――――――決まってるじゃない、ねっ?』

上条『だ、だよなぁ!決まってる決まってる!うん、そうだ!分かってたよ!』

御坂『もうあなたったら!急に何言ってるのよ!』

上条『だな!どうかしたるかもしれないな俺!』

御坂『あとリボンは置いていってね?あたしが預っておくわ』

上条『はい、そうですね』

佐天(ナレーション)『――BadEnd12・”パンドラの筺”……ッ!!!』



――地獄島

上条「何一っっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっつ原形留めてねぇよ!?」

上条「なぁやったか?前回そんな話した憶えあるか?俺の目を見て言ってみろや!」

佐天「っていう風に無人島編へ持ち込めば、御坂さんもワンチャンならぬルート確定あったと思うんですよ」

インデックス「そして内容がおもしろいよね?とくに序盤の危機的状況なのに、コントかっていうかぐらいに余裕があったんだよ?」

レッサー「先週の話ではなく、前回のアホ無人島チート企画の話でしたね。『あぁこうすりゃ上条さん詰むな』って話で」

闇咲「そこそこ重めの罪を二つも三つも犯しているのであるな」

上条「言うなよ!?絶対にビリビリには言うなよ!?絶対だからな!?」

レッサー「よっしゃナイス振られてますよ!ダチョ○的な流れです!」

佐天「流石の御坂さんも実行には移さないんじゃ……あ、でも最大の障害は白井さんですが」

上条「しかし辛いよな!犯人がすぐ側にいるのに今後の人生を考えると中々言い出せないっていうのは!」

レッサー「まぁ頑張ってください!ファイトです!心が折れそうになったら『イギリスで食べたハギス』を思い出して下さい!」

インデックス「どういう意味で?がしんしょうたんの苦い思い出で?」

レッサー「では私はここいらでお暇を!お疲れさまでございました!」

上条「オイ待てよ実行犯。ちょっくら前回の回想兼ねて答え合わせしようぜ、なぁ?」 グッ

レッサー「やめてくださいよ!?あなた方よってたかって全力で潰しに来るなんて酷いじゃないですか!?」

上条「やっちゃってくださいインデックスさんと怪談おじさん」

インデックス「凶器の盾はヴァイキングっぽい呪的意味が込められているんだよ」

闇咲「日本の南方系をルーツを持つ一派にも共通したものだな」

佐天「怪談おじさんでいいんですか?それを疑問には思わないんですか?」

インデックス「なので犯人はそっち系のるーつをもつ人であり、恐らくひんとか何かだったんだろうね」

闇咲「という話をしていたら丁度いいところにノルマンディーの末裔がいるなと」

上条「そうかー、そっち系かー。おっと!こんなところにヴァイキングの末裔(を称している)国家の人がいたな!はい確保!」

レッサー「くっ!なんて身も蓋も空気もこのあとの展開も考えないランペエェェェェェェェェどもがッ!(※rampage)」

レッサー「ふっ、いいでしょう!この場は大人しく身を引きましょう!――だがしかし忘れないでくださいな!第二第三の『地獄の高○』が現れてストーカーになるということをね……ッ!」

佐天「言うにことかいて宿命のライバルキャラ名乗りだしてましたよ。37歳編では獄中ナウの人の」

インデックス「そして名前違うよね。どうけしなんだよなんだよ」

上条「てか戦えよ。犯人が逃走ルート残してるのって、計画バレ前提じゃね?」

レッサー「勇者(ある意味)と僧侶(まんま)とスジモン(ヤクザ)とJC(遊び人)相手にどうしろっていうんですか!?特にその聖杯使いそうなおっさんの戦闘力が未知数で突っかかれないんですよ!」

レッサー「まぁ私はこの辺で!あとから追いかけても無駄ですよアケチ少ね――」

美山「あ、犯人だ」

絹旗「はーい、じゃちょっと歯ぁ超食いしばってくださいねー。そいやっと」 ドバスッ!!!

レッサー「くいーんっえりざべふッ!?」 バタンッ

美山「ナイスファイトだ、お姉さん」

絹旗「いえいえそちらこそ超ナイス推理でした。悪は滅びましたね」

上条「おいこれこのあとどーすんだよ!?悪(イギリス)は滅びたかもだが、導入部分で犯人捕まったら事件解決良かったね、だろ!?」

インデックス「すなおに観光すればいいんじゃないかな……」



――地獄島

姫神「――この島に来てはいけない。何故ならばこの島では神隠しに遭うから」

上条「ごめんな姫神?よく分かんないけど観光ツアーの実行犯もう捕まえちまったから、あとは適当に一泊しながら帰るつもりなんだ」

姫神「この島では四年に一度。オリンピックが開催される年には必ず神隠しに遭うモノが出る……!」

上条「もうちょっとアドリブ効かせてもパチは当たらなくね?『最近じゃね?あぁでも近代オリンピックって戦前からあんだっけ?』って情報量がオリンピックに引っ張られるよ!」

姫神「島には亡霊たちの怨念がおんねん……ッ!!!」 クワッ

上条「くっ……誰だ姫神をアホキャラにしやがったのは!?どうせイギリスからきた悪魔の仕業なんだろう!?」

インデックス「あのー……あいさ?あくは滅びたから普通にしてくれてもいいんだよ?」

姫神「余所者は早く帰るといい。ごーほーむ」

インデックス「ゆうずう効かないよね!頑なに設定守るんだからね!」

上条「……てかゴール地点を教えてくれよ!何をどうやったら勝利するのかとか、

絹旗「さっきの死体役の浜面は超普通に歩いて戻ってましたしね。また死体役として登場するんでしょうか」

佐天「意外とリビングデッドになってたりするんじゃないですかね?『屍○』的なアレとか」

絹旗「――超ナイス発想です!今からトドメを刺してきますね!」

上条「おい大丈夫かこのパーティ?一気にChaos寄りになってきたぞ?仲魔の配分がちょっとアレで」

美山「喪服のおじさんはお土産を物色しに行ったみたいだよ。だから色的には明るくなったんじゃないかな」

上条「そして絡みづれぇな少年!今風の感じで主人公っぽいぜ!」

美山「いいかいお兄さん?人生の主人公というのは誰しもが自分であってだね?」

上条「オイオイ余裕あるじゃねぇか!その自信が男子高校生になっても残ってると思わないでよねっ!?」

佐天「また変な所で『男子高校生価値ない説』にソースがつきましたね。あと美山君は普通に勝ち組へ入ると思います」

美山「スポーツと違って人生の勝ち負けは本人が決めるものだ。だからそこまで卑屈にならなくてもいいんじゃないかな?」

上条「『――あ、もしもし青ピ?いやごめんな急に、ただ少し声が聞きたくなって』」

絹旗「自分よりも下を確認して超安心しようってハラですか。人間が問われていますね」

姫神「青ピ君はそういうんじゃない。ある意味超越してるいから」

上条「――よし、切り替えようぜ!これだけの面子が集まれば何だって出来る!この島の秘密を解き明かそう!」 ピッ

絹旗「いえ、我々はアホの統括理事長にお呼ばれしていまして。『探偵ゲームしちゃいなよユー』と」

美山「僕はオリエンテーションがどうって説明を受けたけどね。困ったことにクラスメイトが誰もいないんだ」

上条「序盤に悪は斬って捨てたからな。そうすると……あぁやっぱあんのか。宿泊先が」



――島唯一の洋館 『魔術屋敷』

上条「うっわー……なんか趣味悪い。教会っぽいんだけど、おどろおどろしいっていうか」

絹旗「そうですね。あ、超見てくださいよ。ドアのところに腕が」

上条「ホラー映画か!?超悪趣味なドアノッカーじゃねぇか!どんなウキウキな用事でこの家訪ねても、ノックするときには凹むわ!」

絹旗「あとこれ……赤い掌、っていうか手形?血ではないようですけど、超あちこちに押されますよね」

上条「お化け屋敷だろもう!もっとこう普通な感じのところに泊まらせてくれよ!?」

美山「僕もちょっと……敬遠したいな。お化けを信じてはないよ、ないけども、うん、なんかこう。イヤだよね」

上条「よし!だったらどっか民宿探そうぜ!いくらなんでもおどろおどろしすぎるわ!」

佐天「上条さん上条さん。あの、感慨に浸ってないでお連れの方を直視された方が」

上条「直視ってウチのシスターと闇ちゃんねるさんが何を?」

佐天「まぁぶっちゃけ、暴走?」

インデックス「――いいねこういうの!土着の信仰と術式に十字教があれんじどされて面白いんだよ!」

闇咲「少々悪趣味を感じるのだが?」

インデックス「じゃ、ないんだよ!見てあれ!『ファティマの手』!現物を見るのは初めてかも!」

闇咲「あの人の手首を模したドアノッカーがか?」

インデックス「あー、あなたは日本の術式ばかり勉強してるんでしょー!?だめなんだからねー、そういうのは視野が狭くなっちゃ運うんだから!」

闇咲「……勉強不足だ。ご教授願えないだろうか?」

インデックス「ん、いい態度なんだよ!最近はね、どいつもこいつもわたしが魔導図書館だって扱いじゃなくてね!」

闇咲「気を遣ってるのだろう。君が人であるとの周囲の優しさだ」

インデックス「ま、まぁそういうこともあるかもね!もっと普通扱いしてくれてもいいんだよ!」

闇咲「禁書目録殿、それよりも知見を伺いたい」

インデックス「うん、そーだね!これは『ファティマの手』なんだよ!」

闇咲「ファティマ、というのは十字教の予言者の娘だったか?」

インデックス「そうなんだよ。他にも旧十字教だと『ハムサ』って呼び方もされててね、要は『邪視』を防ぐお守りなんだよね」

闇咲「……この、あまり趣味の良くない腕が?」

インデックス「正しくは『手』ね。世の中には他人を邪な願望を込めて見るだけで呪いをかける、っていう考えあってだね」

インデックス「その防衛手段として『見ちゃダメですよー』って、視線を遮る『腕』型の護符として用いられているんだよ」
(※実話です。幸運のシンボルとして女性の腕を象った魔除けが贈答品になっています)

闇咲「視線で呪いか……何とも寓意がありそうな話だが」

インデックス「なんだよ。だから一部の過激派も異教の像の”目”を中心に壊したりするしねー」

闇咲「こちらの赤い手形も?」

インデックス「うん、そう。余所の人から一番”見”られる玄関とかにに、赤い手形をポンと押しておくとそれがおまじないになるんだって」

インデックス「まぁルーツを辿ればバッカスやフェニキアの聖印にまで遡るし、そこら辺は私見も入った考察になっちゃうんだけど……」

闇咲「では省くとして。こちらの洋館ではどのように使われていると見る?」

インデックス「普通に魔除けなんじゃないかなー?それも人の『目』に関する何かがあると思うよ」

闇咲「先程の『盾』と組み合わせると……『外』から来る何かから守ろうとしている?」

インデックス「だね。だから気持ち悪いとか言っちゃって、どこか余所に泊まったには呪的な防御一切なしでしょんぼりするんだよ」

上条「言ったよね?さっき俺『主催者の人が悲しむから瞬殺すんな?』って注意したよな?忘れたの?それとも無視したの?」

上条「つーかアレだわ。なんかこのシチュエーションに覚えがあるなと思ったら、買おうか悩んでたゲームググってたらネタバレサイト見ちまったときの気まずさだわ」

佐天「「あー、細かいギミックから考察まで全部載ってて、『まぁプレイした気になったしいいかな』みたいに買うのやめるんですよね」

インデックス「ひ、人の貴重な知識へ対してなんて扱いなんだよ!?」

ガチャッ

アレイスター「――もう帰ってくれないかな!?理事長ご立腹だよ本当に!」

上条「うん、なんかごめんなさい。前回に引き続き、俺らが勢揃いするとろくなことがねぇって分かったよ」

佐天「あ、じゃあ次は上条さん抜きで。美山君もいますし、未来予知もバッチリですよね!」

上条「ボケがだだ流れになるでしょーが!俺だってツッコミを頑張ってるんだよ!」

インデックス「うん、『右手』は?わたしも時々『あ、魔導図書館だった!』ってなるけど、とうまの方が深刻だからね?」


-終-

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