フレンダ「そう?」
――コンクリートの部屋?
???「――……ハァハァ」
フレンダ「………………あえ?ここは――どっかの……?」
猟虎(???)「フレンダきゅんのニーソhrhr……!」
フレンダ「ヘンタイだーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!?」
猟虎「き、気がついたんですね!良かったぁ……」
フレンダ「まぁそうだけども!心配している体で悪い訳なんだけども!一個前のやりとりがデカ過ぎてスルーできない訳なんだけど!?」
猟虎「あ、危ないところでしたね!今ちょっと『ニーソペロペロ魔』がフレンダさんの脚線美を堪能していたのを追い払ってたところです!この私が全力で守りました!」
フレンダ「唾液からDNAって採取できる訳だっけ?法廷でキッチリ落とし前つけさせるからね!」
猟虎「ふっふっふっふ……!だがしかし日本の現行法では同性は適応外ですか何か!?」
フレンダ「あぁそれ別のもっと重い犯罪の方の誤解だけど、改正されて同性でも対象になった訳よ?」
猟虎「――危ないところでしたね!」
フレンダ「待って?あたしなんか出来の悪いAIと会話してんの?最近のbotでももっと性能良くない?」
猟虎「そんなことよりもフレンダさん大変です!ここはどこなんでしょう!?」
フレンダ「明らかに地下だけど、あたしよりも先に目覚めてた人が把握してないっておかしくない訳?何やってたの?」
猟虎「フレンダさんの未熟な果実を狙う人間どもから必死にガードしていました!」
フレンダ「一休さんの屏風トラ事件って知ってる?一言で言えば『お前だよ』って話な訳だけど」
猟虎「『バカ相手にはムキにならずに適当にあしらっとけば?』が、あのお話の最大の寓意だと思います!」
フレンダ「なんかもう結局かなりワヤになってんだけど……マジでここどこな訳よ?どっかの地下室、よね?」
猟虎「フレンダさんはどうしてここに……?私には思い当たる点がなくて……」
フレンダ「あー、あたしも正直覚えてない訳だけど、腹筋がエラい痛むから犯人は分かってる。うん、あの悪魔の子ね。一見ヤンママ母子家庭の娘の方」
猟虎「流石はフレンダさんですね!」
フレンダ「んじゃあんたは?ここへ来るまでの記憶とかない?」
猟虎「そう、ですね。今日も普通に起きて登校したのまでは覚えています」
フレンダ「あ、お高そうな制服。お嬢で『暗部』ってどんだけな訳よ」
猟虎「そして放課後になって、指示された建物へ向い――意識のないフレンダさんを搬入して現在に至る、と」
フレンダ「早々に自白!?まぁ結局そうじゃねぇかなって気はしてたけどぶっちゃけんの超早い訳だな!?」
猟虎「信じて下さい私を!」
フレンダ「犯人的な意味で?それともトラと同じ檻に入れられてるって意味?ねぇどっち?」
モニタ『くっくっくっく……!』 ジジッ
フレンダ「だ、誰よっ!?」
モニタ『予測変換で”くっくっ”と打ち込んだだけでもう変換されるんだぜどうしよう……!』
フレンダ「あたしの目の前にいるダメAIより学習能力高い訳。流石はATO○」
モニタ『ようこそ二人とも、歓迎しよう!君たちは選ばれた!』
フレンダ「絹旗さんのカップはAカップー」
モニタ『はい?』
フレンダ「あれ外した!?ネタ企画で糸引いてないの!?」
モニタ『――ふっ!フレンダ君は分かっていないな!Aカップの少女とDカップの少女、二人に告白されたら一般的な男子はどうすると思う!?』
フレンダ「超興味ない訳」
モニタ『片方と付き合うフリをしつつ陰でフタマタをかけるに決まってるじゃないか……!』
フレンダ『童貞力高っ!?でも確認できた訳、絹旗じゃなくて敵は童貞力の高いアホだってね!」
猟虎「確実に初日バレしますよ?女子同士の醜いマウント合戦のエジキになると思います」
モニタ『ともあれ女性の価値はカップで決まるものではないよ!ホ×でもない限りは等しく魅力的なのだ!」
フレンダ「決まってはないけど、あんたはキマってね訳か。ドラッグ的なものを主に」
フレンダ「つーかなんでさっさと解放しないよこのヘンタイ!今だったらまだ半殺しで済ませてあげるけど、早くしないと全殺しになるって訳よ!」
モニタ『フッ、口だけは達者だな!だが何も持たずにその地下迷宮から逃れられると思わないでくれたまえよ!』
猟虎「そ、そうですよフレンダさん!ボディチェックしたときには何もなかったじゃないですか!」
フレンダ「おい共犯」
モニタ『ちなみに「それ以上はコンプラ的にやめてあげて!」って止めておいわ、くっくっくっくっく……!』
フレンダ「純粋にありがとう。そこだけは素直に感謝しとく訳だわ」
フレンダ「だがしかしこの見なさいよこのHENTAIども!あたしの特技っちゅーかフワっとした能力っぽい何かさえあれば、ホォラ!この通り爆薬召喚も!」 ジャキンッ
ガチャッ
上条「――あ、すいません。ここ持ち込み禁止なんで」
フレンダ「っっっっっっっっっっっっっっっっっでだゴラアァッ!?普通にドアから入って来やがった訳だな!?」
フレンダ「つーか鍵ぐらいかけときなさいよ誰か知んないけど!?あたしがダッシュで開けようとしたら開いた訳よね今っ!?」
上条「あの、帰るときにお返ししますから。一旦預らせてもらいますね」 グッ
フレンダ「素直にはいそーですかって渡すアホはいない訳――よっ!?」 ガシッ
猟虎「フレンダさん……!これは、そうこれは違うんです!能力で私が操作いい臭いhrhrされているんです!」
上条「じゃあ、終わったら下のフロントにまで来てくださいね−」
フレンダ「って一個持っていったぐらいで無くなるかこのドアホ!ストックはまだあるっちゅー訳よ!」
上条「いや俺は別にいいですけど、そのですね。マズいんじゃないかと」
フレンダ「あぁ!?何がよ!?」
上条「お連れさんが徐々にヒートアップして……」
猟虎「――もう、ゴールしていいよねっ……?」
フレンダ「オッケーもう逆らわない!少なくとも調子ぶっこいて能力使ったりはしない訳だから離して!?操作してる体の能力何とかして!?」
上条「ステージ全部終われば帰れますんで、その、野良犬にでも噛まれたと思って」
フレンダ「生憎野良犬相手に貞操の危機を覚えた人はごく少数派だと思う訳!まだ喰い殺された方がマシよね!」
ガチャッ
上条『くっくっくっく!我が部下をあまり手間取らせないでくれたまえよ……!』
フレンダ「あんたじゃん。モザイク切れてんだけど」
モニタ『――あ、俺の能力の操作系能力が暴走してるわー』
猟虎「もう結婚していいですよね?」
フレンダ「その一見能力っぽいけどただの狂犬使役する脅迫止めなさいよ!?」
モニタ『こちらも探り探りやっているというのが分かっていただけたかな?苦しいのは自分だけだと思ってもらっては困るのだよ……!』
フレンダ「取り敢えず全部終わったら運営はぶち殺すからね?こう、監禁ゲームするんだったらもっと手際よくしなさいよ!?」
フレンダ「怖いっちゃあまぁ怖いんだけど、手際の悪さとグダグダ感に戦いてんよ!?分かる!?」
モニタ『それは失礼したね。さて、それでは君たちが今からしてもらう死のゲームの説明をするとしよう……!』
モニタ『なおゲームに失敗した場合、こちらの能力で君の相方を操作するかもしれない!しないかもしれない!』
フレンダ「ルール設定が超フワッフワしてる訳よね?せめて罰ゲームぐらいは確定させない?モチベの関係ってあるじゃん?」
モニタ『ではまず先程の青年がそちらへ持っていった物を見たまえ』
フレンダ「物って言われても、結局……あぁ、これか。ポカ○のペットボトル?」
モニタ『そう!それを半分ぐらい飲みたまえ!』
フレンダ「えー、封切ってないけど何入ってるか分かんない訳よー」
モニタ『ダイエットコーラがいいかね?』
フレンダ「柔軟性を発揮させる部分間違ってない?うん、確実に間違ってる訳だけとさ」
フレンダ「……まぁ飲めばいいんでしょ飲めば。このクソ狭い室内でサイコキラー相手にガチるのも無理っぽいし……」 カチッ、ゴクゴク
フレンダ「――はい、これでい――」 パシッ
猟虎 ゴッキュゴッキュゴッキュゴッキュゴッキュ
フレンダ・モニタ「『……』」
猟虎「――あ!ごめんなさい!これって間接キス、ですよね……っ!?」
フレンダ「なにこれ超怖い訳」
モニタ『なんだろうな……?俺が望んでいたシーンではあるけど、アオハル的な感じじゃ……あれ?』
フレンダ「そりゃある訳ないでしょーが!?まだ学校とかクラブだったら話は分かる訳だけど、うっちぱのコンクリの地下室だったらホラー以外の何物でもない訳よ!?」
猟虎「フレンダさんが、私の中へ入って……☆」
フレンダ「……ねぇ、通報したいんだけど電話だけ返してくれない?多分あんたも全部終わったら用済みとか言って消される訳だし、その前に消してやっから」
モニタ『ま、まだだ!まだゲームは第一ステージに過ぎない!きっとこれから百合の花が咲き乱れるはず!』
フレンダ「少なくともここまで切なさ要素は皆無な訳。LA○ルート目指してんのにガンガン善意を踏みにじってきたみたいな」
モニタ『だ、第二ステージ!』 ガチャッ
上条「あ、すいません。機材入れるんでちょっと移動してもらっていいですか?」
フレンダ「段取り悪っ!?つーかなんなのよあんた!?」
上条「すぐ終りますから!ホラ手伝って!」
猟虎「あ、配線しちゃいますねー」
フレンダ「あとアンタは隠す努力をしようか?ほぼ100%グルだしクロだって確信してるけど、せめてもっとこう隠匿する方向で、ねっ?」
上条「第二のステージ!ドキドキ☆デュエットーーーーーーーーーーーー!」
フレンダ「モニタを通せモニタを!?面倒だからってここでしないで帰りなさいよ!」
上条「いやどうせ機材ハケるんだったら面倒だしいいかなって」
フレンダ「ショートカットしないでよ!?そこはもっとこう遠慮しなさいよ!敵なんだからねっ!?」
猟虎「べ、別にフレンダさんの敵じゃないんですからねっ!」
上条「ナイス☆ヤンデレ」
フレンダ「病んでるってことは同意する訳……んーで?このカラオケで何歌えって訳よ?」
上条「えーっとお二人には今からこちらのカラオケで何かを一緒に歌ってもらいます」
フレンダ「はい?」
上条「はい?」
フレンダ「いや聞き返されてもな!?歌って終わりって訳じゃないんでしょ!?」
上条「えっと……曲、何にします?」
フレンダ「だから説明しなさいよ説明を!?歌うんだから点数つけるとか音程外したらなんかあるとかあるって訳じゃないの!?」
上条「って言ってんだけど、どうする?」
猟虎「そうですね。じゃあポッキ○ゲーム一回ずつで」
フレンダ「墓穴を掘った!?しかも見た目は浅いけど実は底がない訳だなこれ!?」
上条「はいじゃー、適当に歌ってくださいねー」
フレンダ「ちっくしょー!やったる訳よ!――『どーかーおーしーえーてくーれーのーせーんかー!』」
……
フレンダ「――あぁい終わり!なんか懐かしいED曲よね!」
上条「あ、はいお疲れさまでした−。今機材ハケちゃいますんで」
フレンダ「結果は?せめて良かったとか悪かったとか最低限の仕事はしなさいよ!?」
猟虎「フレンダさんと一種に歌っちゃった……キャッ!今日は記念日ですねっ!」
フレンダ「さっきから、つーかあんたと会話してない訳よね?キャッチボールしてない訳なんだけど大丈夫?」
モニタ『くっくっくっく……!見事な歌声だったな……!』
フレンダ「はぁ、どうも」
モニタ『それはそれとして次のステージなんだが』
フレンダ「ねぇ、『知性』って単語知ってる訳?多分意味知らないと思うから教えてあげる訳だけど、要はあんたらには持ってないものよ」
モニタ『ではまず部屋を出てもらおうか!』
フレンダ「さっきから開きっぱなしのドアね……つーか逃げてやろうかな、マジで」
モニタ『そのまま「非常出口」の矢印に従って進みたまえ!』
猟虎「あ、暗くて危ないから腕を組みましょうか?」
フレンダ「うん、大丈夫です。だからもっと離れて?……なんか内装がカラオケ店っぽいんだけど……?」
モニタ『そうすると一回の受け付け口につくと思う』
フレンダ「……あぁ着いたけど。おもっくそカラオケのカウンターな訳だけど」
上条「そこの脇に置いてあるプリクラで一緒に写って貰おうか!」
フレンダ「っっっっっっっっっっっっっっっっっっっでよ!?ほぼ外じゃない!?ガラス越しに普通の人が見えるんですけど!?」
フレンダ「ヒョイって出られるわ!出ようと思わなくてもロビーに順番待ちの子がいるんだからそっちに助け求められる訳だわ!?」
フレンダ「持って来さいなよ部屋まで!?せめてそこは守る訳!なんかこうデスゲーム的な雰囲気で始まったんだから!そこだけは死守しなさいよ!?」
フレンダ「つーか今日はノドに来る訳だな!なんかARISAが人柱にされて暫く出番なかった訳だけど、結局ノドを酷使する仕事な訳かゴラァ!?」
上条「ふっ、異な事を言う!プリクラの機材は重すぎて運べなかったのだ……ッ!」
フレンダ「……もう殺すか……あぁいや麦野と絹旗呼んでからかな」
猟虎「フレーム何にします?このメガテ○がいいですかー?」
フレンダ「あんたもせめて疑問に思うフリぐらいはしなさいよ!?一応はグルじゃないって設定なんだからねっ!?」
……
猟虎「――は、初めて一人じゃないプリクラをゲットしました……!」
フレンダ「もっかい言うけどこのゲームの趣旨って何?ある意味普通のデスゲームよりも緊張感は高い訳だけども!」
上条「あの、すいません。お部屋に戻って頂けると運営としても助かるんですけど……」
フレンダ「あ、じゃあドリンクバー寄ったら戻るわ――って言うかぁ!?出口目の前にしてんのに逃げないアホがどこにいるって訳だわ!?」
フレンダ「つーかあんたをここでシメてんのいいんだけどー?分かってんのかコラ?」
上条「――くっくっくっく!断っておくが俺を倒したとしても事態が良くなると思うなよ……!?」
フレンダ「あによ。悪の組織でも結成してて復讐でもしてくるっつーの?」
上条「そっちの子の暴走を止める人がいなくなんじゃね?」
フレンダ「結構リアルな理由よね!アイン○さん倒したら人類殲滅派の階層守護者が全力で暴走するみたいな!」
上条「軽い気持ちでこのバイト受けたんだけど、ある程度ガス抜きで付き合っていかないとヤヴァイ案件だと思うわ。俺関係ないけど」
フレンダ「くっ……!もし今ウチの連中に連絡して『たすけて』でも言おうもんなら、『ガンバwwww』とか『超モテモテっすねwwww』って嘲りのレスしか来ない自身がある訳!む
上条「つーことで部屋移動しなさいよ!あんまり酷いようだったらお電話するから俺が!」
フレンダ「あんたも逮捕させるからね?覚えときなさいよ?」
……
モニタ『くっくっくっく……!我が戦慄のデスゲームはご堪能頂けたかな……ッ!?』
フレンダ「うん、さっきも言ったけど戦慄はしてる。ゴールをどこに設定してるのか次第では暴れる訳だけどな」
モニタ『次はアレだ!部屋に設置されたテレビとDVDプレイヤーを注視したまえ!』
フレンダ「……あぁうん、ある訳だけど。これが何?」
猟虎「凄いですよフレンダさん!絶版になった映画『テケテケ1・2』ツインパックですって!」
フレンダ「チョイスに悪意がある。お腹がムズる訳」
モニタ『お菓子もジュースは用意してある!精々つかの間の平和を楽しむがいい!』
フレンダ「キャラがフワっとしてるけど大丈夫?それ言うのって敵の組織がウェーイしてるヒーローへ『油断しちゃダメだよ!』って言うときだけよね?」
猟虎「ビーズクッションも用意してありますけど、私とどっちに座りますか?」
フレンダ「その選択肢いる?『あ、じゃあ女子がいいかな』って言う人いる訳?」
モニタ『じょーーっし!じょーーっし!じょーーっし!』
フレンダ「やかましいわ百合厨!?そしてあんたが目論んでたような甘い展開にはならない訳よザマーミロ!」
猟虎「で、でも映画はちょっと楽しみ、じゃないですか?」
フレンダ「……タイトルだけは知ってる訳。ウチのダメ映画マニアがそれはもう楽しそうに超語ってたから」
猟虎「大丈夫ですよ!私はフレンダさんしか見てませんから!」
フレンダ「ちょっといい加減助けなさいよ運営!?最初っから危険がピンチだったけど、時間経過共にレベル上がってる訳だなこれ!?」
猟虎「私だけ見てよ!?もうフレンダさんが何を言ってるのか分からない……ッ!!!」
フレンダ「うん、あのね?恐らく今日初めて意見が一致した訳なのよ?意思疎通が極めて困難って意味でね?」
モニタ『そろそろ俺バイトに戻っていいかな?モニタ切っとくからあとはごゆっくり』
フレンダ「管理者責任ぐらいは果たしなさいよ!?このまま放置されても、その、困る訳!」
モニタ『心配すんなよ。映画が終わりそうになったらラッコ鍋持ってってやっから』
フレンダ「精がつくと評判のアレ!?あんなに可愛いのに食べられない訳!」
モニタ『くっくっくっく……!本物のラッコが入ってるのか、それとも本当の意味で猟虎さんが入ってるのかこうご期待……ッ!!!』
フレンダ「ウッサいわね!超ウッサイ訳だよ上手い事言ってないからねっ!?」
モニタ『アッハイ、ブースの延長時間になったらお電話しますんでごゆっくり』
フレンダ「ちょ待っ――」
……
上条「あーっと……『――あ、もしもしビリビリ?良かったらカラオケにでも』」
-終-
???「――……ハァハァ」
フレンダ「………………あえ?ここは――どっかの……?」
猟虎(???)「フレンダきゅんのニーソhrhr……!」
フレンダ「ヘンタイだーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!?」
猟虎「き、気がついたんですね!良かったぁ……」
フレンダ「まぁそうだけども!心配している体で悪い訳なんだけども!一個前のやりとりがデカ過ぎてスルーできない訳なんだけど!?」
猟虎「あ、危ないところでしたね!今ちょっと『ニーソペロペロ魔』がフレンダさんの脚線美を堪能していたのを追い払ってたところです!この私が全力で守りました!」
フレンダ「唾液からDNAって採取できる訳だっけ?法廷でキッチリ落とし前つけさせるからね!」
猟虎「ふっふっふっふ……!だがしかし日本の現行法では同性は適応外ですか何か!?」
フレンダ「あぁそれ別のもっと重い犯罪の方の誤解だけど、改正されて同性でも対象になった訳よ?」
猟虎「――危ないところでしたね!」
フレンダ「待って?あたしなんか出来の悪いAIと会話してんの?最近のbotでももっと性能良くない?」
猟虎「そんなことよりもフレンダさん大変です!ここはどこなんでしょう!?」
フレンダ「明らかに地下だけど、あたしよりも先に目覚めてた人が把握してないっておかしくない訳?何やってたの?」
猟虎「フレンダさんの未熟な果実を狙う人間どもから必死にガードしていました!」
フレンダ「一休さんの屏風トラ事件って知ってる?一言で言えば『お前だよ』って話な訳だけど」
猟虎「『バカ相手にはムキにならずに適当にあしらっとけば?』が、あのお話の最大の寓意だと思います!」
フレンダ「なんかもう結局かなりワヤになってんだけど……マジでここどこな訳よ?どっかの地下室、よね?」
猟虎「フレンダさんはどうしてここに……?私には思い当たる点がなくて……」
フレンダ「あー、あたしも正直覚えてない訳だけど、腹筋がエラい痛むから犯人は分かってる。うん、あの悪魔の子ね。一見ヤンママ母子家庭の娘の方」
猟虎「流石はフレンダさんですね!」
フレンダ「んじゃあんたは?ここへ来るまでの記憶とかない?」
猟虎「そう、ですね。今日も普通に起きて登校したのまでは覚えています」
フレンダ「あ、お高そうな制服。お嬢で『暗部』ってどんだけな訳よ」
猟虎「そして放課後になって、指示された建物へ向い――意識のないフレンダさんを搬入して現在に至る、と」
フレンダ「早々に自白!?まぁ結局そうじゃねぇかなって気はしてたけどぶっちゃけんの超早い訳だな!?」
猟虎「信じて下さい私を!」
フレンダ「犯人的な意味で?それともトラと同じ檻に入れられてるって意味?ねぇどっち?」
モニタ『くっくっくっく……!』 ジジッ
フレンダ「だ、誰よっ!?」
モニタ『予測変換で”くっくっ”と打ち込んだだけでもう変換されるんだぜどうしよう……!』
フレンダ「あたしの目の前にいるダメAIより学習能力高い訳。流石はATO○」
モニタ『ようこそ二人とも、歓迎しよう!君たちは選ばれた!』
フレンダ「絹旗さんのカップはAカップー」
モニタ『はい?』
フレンダ「あれ外した!?ネタ企画で糸引いてないの!?」
モニタ『――ふっ!フレンダ君は分かっていないな!Aカップの少女とDカップの少女、二人に告白されたら一般的な男子はどうすると思う!?』
フレンダ「超興味ない訳」
モニタ『片方と付き合うフリをしつつ陰でフタマタをかけるに決まってるじゃないか……!』
フレンダ『童貞力高っ!?でも確認できた訳、絹旗じゃなくて敵は童貞力の高いアホだってね!」
猟虎「確実に初日バレしますよ?女子同士の醜いマウント合戦のエジキになると思います」
モニタ『ともあれ女性の価値はカップで決まるものではないよ!ホ×でもない限りは等しく魅力的なのだ!」
フレンダ「決まってはないけど、あんたはキマってね訳か。ドラッグ的なものを主に」
フレンダ「つーかなんでさっさと解放しないよこのヘンタイ!今だったらまだ半殺しで済ませてあげるけど、早くしないと全殺しになるって訳よ!」
モニタ『フッ、口だけは達者だな!だが何も持たずにその地下迷宮から逃れられると思わないでくれたまえよ!』
猟虎「そ、そうですよフレンダさん!ボディチェックしたときには何もなかったじゃないですか!」
フレンダ「おい共犯」
モニタ『ちなみに「それ以上はコンプラ的にやめてあげて!」って止めておいわ、くっくっくっくっく……!』
フレンダ「純粋にありがとう。そこだけは素直に感謝しとく訳だわ」
フレンダ「だがしかしこの見なさいよこのHENTAIども!あたしの特技っちゅーかフワっとした能力っぽい何かさえあれば、ホォラ!この通り爆薬召喚も!」 ジャキンッ
ガチャッ
上条「――あ、すいません。ここ持ち込み禁止なんで」
フレンダ「っっっっっっっっっっっっっっっっっでだゴラアァッ!?普通にドアから入って来やがった訳だな!?」
フレンダ「つーか鍵ぐらいかけときなさいよ誰か知んないけど!?あたしがダッシュで開けようとしたら開いた訳よね今っ!?」
上条「あの、帰るときにお返ししますから。一旦預らせてもらいますね」 グッ
フレンダ「素直にはいそーですかって渡すアホはいない訳――よっ!?」 ガシッ
猟虎「フレンダさん……!これは、そうこれは違うんです!能力で私が操作いい臭いhrhrされているんです!」
上条「じゃあ、終わったら下のフロントにまで来てくださいね−」
フレンダ「って一個持っていったぐらいで無くなるかこのドアホ!ストックはまだあるっちゅー訳よ!」
上条「いや俺は別にいいですけど、そのですね。マズいんじゃないかと」
フレンダ「あぁ!?何がよ!?」
上条「お連れさんが徐々にヒートアップして……」
猟虎「――もう、ゴールしていいよねっ……?」
フレンダ「オッケーもう逆らわない!少なくとも調子ぶっこいて能力使ったりはしない訳だから離して!?操作してる体の能力何とかして!?」
上条「ステージ全部終われば帰れますんで、その、野良犬にでも噛まれたと思って」
フレンダ「生憎野良犬相手に貞操の危機を覚えた人はごく少数派だと思う訳!まだ喰い殺された方がマシよね!」
ガチャッ
上条『くっくっくっく!我が部下をあまり手間取らせないでくれたまえよ……!』
フレンダ「あんたじゃん。モザイク切れてんだけど」
モニタ『――あ、俺の能力の操作系能力が暴走してるわー』
猟虎「もう結婚していいですよね?」
フレンダ「その一見能力っぽいけどただの狂犬使役する脅迫止めなさいよ!?」
モニタ『こちらも探り探りやっているというのが分かっていただけたかな?苦しいのは自分だけだと思ってもらっては困るのだよ……!』
フレンダ「取り敢えず全部終わったら運営はぶち殺すからね?こう、監禁ゲームするんだったらもっと手際よくしなさいよ!?」
フレンダ「怖いっちゃあまぁ怖いんだけど、手際の悪さとグダグダ感に戦いてんよ!?分かる!?」
モニタ『それは失礼したね。さて、それでは君たちが今からしてもらう死のゲームの説明をするとしよう……!』
モニタ『なおゲームに失敗した場合、こちらの能力で君の相方を操作するかもしれない!しないかもしれない!』
フレンダ「ルール設定が超フワッフワしてる訳よね?せめて罰ゲームぐらいは確定させない?モチベの関係ってあるじゃん?」
モニタ『ではまず先程の青年がそちらへ持っていった物を見たまえ』
フレンダ「物って言われても、結局……あぁ、これか。ポカ○のペットボトル?」
モニタ『そう!それを半分ぐらい飲みたまえ!』
フレンダ「えー、封切ってないけど何入ってるか分かんない訳よー」
モニタ『ダイエットコーラがいいかね?』
フレンダ「柔軟性を発揮させる部分間違ってない?うん、確実に間違ってる訳だけとさ」
フレンダ「……まぁ飲めばいいんでしょ飲めば。このクソ狭い室内でサイコキラー相手にガチるのも無理っぽいし……」 カチッ、ゴクゴク
フレンダ「――はい、これでい――」 パシッ
猟虎 ゴッキュゴッキュゴッキュゴッキュゴッキュ
フレンダ・モニタ「『……』」
猟虎「――あ!ごめんなさい!これって間接キス、ですよね……っ!?」
フレンダ「なにこれ超怖い訳」
モニタ『なんだろうな……?俺が望んでいたシーンではあるけど、アオハル的な感じじゃ……あれ?』
フレンダ「そりゃある訳ないでしょーが!?まだ学校とかクラブだったら話は分かる訳だけど、うっちぱのコンクリの地下室だったらホラー以外の何物でもない訳よ!?」
猟虎「フレンダさんが、私の中へ入って……☆」
フレンダ「……ねぇ、通報したいんだけど電話だけ返してくれない?多分あんたも全部終わったら用済みとか言って消される訳だし、その前に消してやっから」
モニタ『ま、まだだ!まだゲームは第一ステージに過ぎない!きっとこれから百合の花が咲き乱れるはず!』
フレンダ「少なくともここまで切なさ要素は皆無な訳。LA○ルート目指してんのにガンガン善意を踏みにじってきたみたいな」
モニタ『だ、第二ステージ!』 ガチャッ
上条「あ、すいません。機材入れるんでちょっと移動してもらっていいですか?」
フレンダ「段取り悪っ!?つーかなんなのよあんた!?」
上条「すぐ終りますから!ホラ手伝って!」
猟虎「あ、配線しちゃいますねー」
フレンダ「あとアンタは隠す努力をしようか?ほぼ100%グルだしクロだって確信してるけど、せめてもっとこう隠匿する方向で、ねっ?」
上条「第二のステージ!ドキドキ☆デュエットーーーーーーーーーーーー!」
フレンダ「モニタを通せモニタを!?面倒だからってここでしないで帰りなさいよ!」
上条「いやどうせ機材ハケるんだったら面倒だしいいかなって」
フレンダ「ショートカットしないでよ!?そこはもっとこう遠慮しなさいよ!敵なんだからねっ!?」
猟虎「べ、別にフレンダさんの敵じゃないんですからねっ!」
上条「ナイス☆ヤンデレ」
フレンダ「病んでるってことは同意する訳……んーで?このカラオケで何歌えって訳よ?」
上条「えーっとお二人には今からこちらのカラオケで何かを一緒に歌ってもらいます」
フレンダ「はい?」
上条「はい?」
フレンダ「いや聞き返されてもな!?歌って終わりって訳じゃないんでしょ!?」
上条「えっと……曲、何にします?」
フレンダ「だから説明しなさいよ説明を!?歌うんだから点数つけるとか音程外したらなんかあるとかあるって訳じゃないの!?」
上条「って言ってんだけど、どうする?」
猟虎「そうですね。じゃあポッキ○ゲーム一回ずつで」
フレンダ「墓穴を掘った!?しかも見た目は浅いけど実は底がない訳だなこれ!?」
上条「はいじゃー、適当に歌ってくださいねー」
フレンダ「ちっくしょー!やったる訳よ!――『どーかーおーしーえーてくーれーのーせーんかー!』」
……
フレンダ「――あぁい終わり!なんか懐かしいED曲よね!」
上条「あ、はいお疲れさまでした−。今機材ハケちゃいますんで」
フレンダ「結果は?せめて良かったとか悪かったとか最低限の仕事はしなさいよ!?」
猟虎「フレンダさんと一種に歌っちゃった……キャッ!今日は記念日ですねっ!」
フレンダ「さっきから、つーかあんたと会話してない訳よね?キャッチボールしてない訳なんだけど大丈夫?」
モニタ『くっくっくっく……!見事な歌声だったな……!』
フレンダ「はぁ、どうも」
モニタ『それはそれとして次のステージなんだが』
フレンダ「ねぇ、『知性』って単語知ってる訳?多分意味知らないと思うから教えてあげる訳だけど、要はあんたらには持ってないものよ」
モニタ『ではまず部屋を出てもらおうか!』
フレンダ「さっきから開きっぱなしのドアね……つーか逃げてやろうかな、マジで」
モニタ『そのまま「非常出口」の矢印に従って進みたまえ!』
猟虎「あ、暗くて危ないから腕を組みましょうか?」
フレンダ「うん、大丈夫です。だからもっと離れて?……なんか内装がカラオケ店っぽいんだけど……?」
モニタ『そうすると一回の受け付け口につくと思う』
フレンダ「……あぁ着いたけど。おもっくそカラオケのカウンターな訳だけど」
上条「そこの脇に置いてあるプリクラで一緒に写って貰おうか!」
フレンダ「っっっっっっっっっっっっっっっっっっっでよ!?ほぼ外じゃない!?ガラス越しに普通の人が見えるんですけど!?」
フレンダ「ヒョイって出られるわ!出ようと思わなくてもロビーに順番待ちの子がいるんだからそっちに助け求められる訳だわ!?」
フレンダ「持って来さいなよ部屋まで!?せめてそこは守る訳!なんかこうデスゲーム的な雰囲気で始まったんだから!そこだけは死守しなさいよ!?」
フレンダ「つーか今日はノドに来る訳だな!なんかARISAが人柱にされて暫く出番なかった訳だけど、結局ノドを酷使する仕事な訳かゴラァ!?」
上条「ふっ、異な事を言う!プリクラの機材は重すぎて運べなかったのだ……ッ!」
フレンダ「……もう殺すか……あぁいや麦野と絹旗呼んでからかな」
猟虎「フレーム何にします?このメガテ○がいいですかー?」
フレンダ「あんたもせめて疑問に思うフリぐらいはしなさいよ!?一応はグルじゃないって設定なんだからねっ!?」
……
猟虎「――は、初めて一人じゃないプリクラをゲットしました……!」
フレンダ「もっかい言うけどこのゲームの趣旨って何?ある意味普通のデスゲームよりも緊張感は高い訳だけども!」
上条「あの、すいません。お部屋に戻って頂けると運営としても助かるんですけど……」
フレンダ「あ、じゃあドリンクバー寄ったら戻るわ――って言うかぁ!?出口目の前にしてんのに逃げないアホがどこにいるって訳だわ!?」
フレンダ「つーかあんたをここでシメてんのいいんだけどー?分かってんのかコラ?」
上条「――くっくっくっく!断っておくが俺を倒したとしても事態が良くなると思うなよ……!?」
フレンダ「あによ。悪の組織でも結成してて復讐でもしてくるっつーの?」
上条「そっちの子の暴走を止める人がいなくなんじゃね?」
フレンダ「結構リアルな理由よね!アイン○さん倒したら人類殲滅派の階層守護者が全力で暴走するみたいな!」
上条「軽い気持ちでこのバイト受けたんだけど、ある程度ガス抜きで付き合っていかないとヤヴァイ案件だと思うわ。俺関係ないけど」
フレンダ「くっ……!もし今ウチの連中に連絡して『たすけて』でも言おうもんなら、『ガンバwwww』とか『超モテモテっすねwwww』って嘲りのレスしか来ない自身がある訳!む
上条「つーことで部屋移動しなさいよ!あんまり酷いようだったらお電話するから俺が!」
フレンダ「あんたも逮捕させるからね?覚えときなさいよ?」
……
モニタ『くっくっくっく……!我が戦慄のデスゲームはご堪能頂けたかな……ッ!?』
フレンダ「うん、さっきも言ったけど戦慄はしてる。ゴールをどこに設定してるのか次第では暴れる訳だけどな」
モニタ『次はアレだ!部屋に設置されたテレビとDVDプレイヤーを注視したまえ!』
フレンダ「……あぁうん、ある訳だけど。これが何?」
猟虎「凄いですよフレンダさん!絶版になった映画『テケテケ1・2』ツインパックですって!」
フレンダ「チョイスに悪意がある。お腹がムズる訳」
モニタ『お菓子もジュースは用意してある!精々つかの間の平和を楽しむがいい!』
フレンダ「キャラがフワっとしてるけど大丈夫?それ言うのって敵の組織がウェーイしてるヒーローへ『油断しちゃダメだよ!』って言うときだけよね?」
猟虎「ビーズクッションも用意してありますけど、私とどっちに座りますか?」
フレンダ「その選択肢いる?『あ、じゃあ女子がいいかな』って言う人いる訳?」
モニタ『じょーーっし!じょーーっし!じょーーっし!』
フレンダ「やかましいわ百合厨!?そしてあんたが目論んでたような甘い展開にはならない訳よザマーミロ!」
猟虎「で、でも映画はちょっと楽しみ、じゃないですか?」
フレンダ「……タイトルだけは知ってる訳。ウチのダメ映画マニアがそれはもう楽しそうに超語ってたから」
猟虎「大丈夫ですよ!私はフレンダさんしか見てませんから!」
フレンダ「ちょっといい加減助けなさいよ運営!?最初っから危険がピンチだったけど、時間経過共にレベル上がってる訳だなこれ!?」
猟虎「私だけ見てよ!?もうフレンダさんが何を言ってるのか分からない……ッ!!!」
フレンダ「うん、あのね?恐らく今日初めて意見が一致した訳なのよ?意思疎通が極めて困難って意味でね?」
モニタ『そろそろ俺バイトに戻っていいかな?モニタ切っとくからあとはごゆっくり』
フレンダ「管理者責任ぐらいは果たしなさいよ!?このまま放置されても、その、困る訳!」
モニタ『心配すんなよ。映画が終わりそうになったらラッコ鍋持ってってやっから』
フレンダ「精がつくと評判のアレ!?あんなに可愛いのに食べられない訳!」
モニタ『くっくっくっく……!本物のラッコが入ってるのか、それとも本当の意味で猟虎さんが入ってるのかこうご期待……ッ!!!』
フレンダ「ウッサいわね!超ウッサイ訳だよ上手い事言ってないからねっ!?」
モニタ『アッハイ、ブースの延長時間になったらお電話しますんでごゆっくり』
フレンダ「ちょ待っ――」
……
上条「あーっと……『――あ、もしもしビリビリ?良かったらカラオケにでも』」
-終-