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Clock(trial)

鳴護「『発進!ボクらを守るよミクス・ロボ!』」

 
――オービット・ポータル芸能警備会社 事務室

鳴護「おはようございまーす……?」 ガチャッ

マネージャー「おはようございますARISAさん。一昨日はお疲れさまでした」

鳴護「あぁいえいえこちらこそいつもお世話になっています。ラジオ出待ちのファンの子たちを武力制圧するのはどうか思いますが」

マネージャー「弊社のタレントでは力不足でしたので、まぁ緊急的な措置として致し方なく」

鳴護「その割には用意周到分かっててやってません?当麻君を駐車場前に一人で立たせた挙げ句、周囲には何故かコント用投擲パイが設置されてましたよね?」
(※コント用投擲パイ=シェービングクリームを紙皿に載せた環境にも優しいパイ)

マネージャー「まぁそこはそれ、サンシャインさんを遊ばせるのも忍びなく」

鳴護「本音は?」

マネージャー「会長の意向ですね。『意味もなくパイ投げられたら面白くないか?なぁ面白いだろ?面白いよなぁ?』とワーハラが」

鳴護「ちょっとアレな義姉がいつも本当に本当にご迷惑を……」

マネージャー「お気になさらず。部隊一堂、『情操教育間違ったな』と再確認する機会ですし」

マネージャー「まぁサンシャインさんにはお金で解決したので、結果的には誰も損をしていないかと」

鳴護「本当にタフだよね。ヘイトしかないお仕事なのに」

マネージャー「で、ARISAさんは連休如何でした?きちんと休憩されました?」

鳴護「はい、お陰様で。オフの日は割とのんびり出来ました」

マネージャー「そうですか、それは良かった。精神的にも厳しい仕事もありますので、どうかお体をお大事に」

鳴護「あたしのSAN値を削っているのは事務所です」

マネージャー「――それで新築のトンネルを舞台に霊現象で盛り上がる番組のご依頼が入っておりまして」

鳴護「流れでぶっ込もうとしても無理ですよ?異物感がありすぎてスルーしませんからね?」

鳴護「でか矛盾じゃないですかね?まず新築のってスタート地点から転んでいませんか?

マネージャー「工事完成記念で暇な動画配信者をお呼びして盛り上げようというスポンサーさんのご意向が」

鳴護「方向性間違えてません?炎上して有名になったところで、決してプラス評価ないですからね?」

鳴護「『炎上をコントロールしている』って言って炎上してお隠れになった芸人さんだっているんですからね?」
(※ドランクドラゴ○の特に気持ち悪い方)

マネージャー「いやでも連休中にもありませんでした?普段は車しか通れない道路を歩行者がウォーキング的な」

鳴護「いやまぁ見ましたけどニュース」

マネージャー「なので開通したばかりの霊道を歩行者が的な?」

鳴護「あたし達が通る道じゃなくないですか?むしろ自殺行為ですよね?」

マネージャー「話題性が上がって人が来ればありがたいと」

鳴護「だから炎上しません?浮かれて車とかに接触する子とか出ますよ?」

マネージャー「あくまでも私見ですが、心霊スポットの中には『あぁこれやってんな』的ななのがチラホラ……」

鳴護「嘘でしょ?そんなに人の業って深いんですか?」

マネージャー「怪談おじさん二号さんの知り合いの話ですが、某県某所の心霊スポットが『ここ俺遠足で何回も行ってんだけど……』っていう」
(※そして今も小学校の遠足の定番)

鳴護「ジワジワ来ますよねそれ。誰が一体何の目的で盛ってんですかそれ」

マネージャー「盛る盛らないの話ではなく、伝言ゲームが肥大化していった結果ではないかと」

鳴護「悪ふざけで話作る人もいるでしょうね――で、それにあたしも加担しろと?」

マネージャー「いえそんなことは一言も。ただこう心霊アイドルとしての地位も決して盤石ではないというのもまた事実でして」

鳴護「だから事実を捏造するのやめてもらえませんか?あたしに心霊要素入ってませんよね?アルバム曲に『ぶははははははは!吾が輩は悪魔である!』とか入れてないですもんね?」

マネージャー「よく誤解されるのですが聖飢魔○は日本ヘビメタ界の大御所でありまして、決してネタに走ってるバンドではないです」

マネージャー「そして皮肉な話ですけど、全盛期のデーモン小○閣下はバラード歌わせたら宇多田ヒカ○並の声量と歌唱力だったというのも」

鳴護「マネージャーさんの意外な趣味が!?」

マネージャー「なおサブカル黎明期、うしおとと○のボーカル集の作曲をエース清○さんへ依頼して通るという暴挙にも出ています」
(※”楽曲名 獣の槍”でググってみましょう)

鳴護「すいません、意味がマルッと分からないです。辛うじてうしおとと○さんは分かるんですが……」

マネージャー「……トンネルイベントで失敗すれば、助けに来てくれるかも?」

鳴護「導入雑だな!?それで『じゃ、じゃあやってみようかな……!』って言うとでも思いましたか!?」

マネージャー「予算と社の都合上、ゲコ太君の着ぐるみを着せられた上条さんが代用できるかと」

鳴護「当麻君が凄い悲しそうな目をしてそう……!『もう殺せよ』って!」

マネージャー「例のサメスーツもなんだかんだで着てるんですし、意外と気に入っているのでは、という疑惑も」

鳴護「終わらないからですよ?あたしと当麻君がどれだけ正論を説いたとしても、暴力一択の相手にはするまで帰れないからですからね?」

マネージャー「と、いうわけで如何でしょうか?上条さんの可愛い着ぐるみ姿もなんでしたら用意しますし?」

鳴護「……ちなみに何着せるつもりです?」

マネージャー「ずーしーほっき○です」

鳴護「……なんです?何か有名な?」

マネージャー「北海道北斗市のご当地キャラでホッキ貝とバブルスライ○が悪魔合体したようなやつです」
(※実在するご当地キャラです)

鳴護「面白そうちょっと見たいですね!」

マネージャー「言い出しておいてなんなんですが、上条さんの精神衛生上これ以上の負担はどうかと。昨日のパイ投げ祭りでダメージを負っておられますし」

鳴護「レッサーちゃんの謝罪会見で投擲用おでん用意するのと同じ暴挙ですよね」

マネージャー「あー……では別のお仕事にしますか?こちらはちょっと対象年齢が低めなんですけど」

鳴護「心霊イベントも低くないですか?オバケで盛り上がれる年齢もあると思うんですけど」

マネージャー「いえ、より低めだと思います。コマーシャルと言いますか、販促系ですので」

鳴護「あ、いいじゃないですかそっちの方が!一回きりのイベントよりもスポンサーさん付きますし!」

マネージャー「そこまでではなく……オモチャの販促動画はご覧になったことありますか?プラモデルを公式が組み立てる感じの動画ですが」

鳴護「あー、なんか見たことはあるかも――ってそれあたしがやるんですか?」

マネージャー「正確にはミニ番組のゲストですね。公式マスコットキャラと司会のおねーさん、そこにゲストとして入っていただいて、商品説明をという感じで」

鳴護「……具体的には何を?」

マネージャー「あぁ大丈夫ですよ?番組の主旨が『商品を知らない人にわかりやすく説明する』って体裁ですので、予備知識はむしろ不要と言いますか」

鳴護「あー、そういう感じのですか。だったらまぁやってもいいような」

マネージャー「それは何よりですね。ではそちらで進めておきますので」

鳴護「すいません、あと一つだけ質問してもいいですか?」

マネージャー「一つと言わずに幾らでもどうぞ」

鳴護「これ、最初から無理なヤツとやや無理なヤツ二つ用意して、後出しにしてる訳じゃないんですよね?」

マネージャー「……質問していいとは言いましたが、答えるとは一言も?」

鳴護「大人って汚いな!」

マネージャー「いえ、汚いのは事務所の方針でありまして、決して大人全般が卑怯な訳では全く」

鳴護「余計に人間不信になりそうです」



――とある撮影スタジオ

鳴護「へー、意外としっかりした現場なんですね

マネージャー「最小対象年齢が3歳からですので、ご家庭の子供部屋をイメージしてあるんだそうです。スポンサーも大手ですから」

鳴護「コマーシャル、とは違うんですか?」

マネージャー「メーカー公式のHP、並びに各種動画サイトで公開されます。大体10分程度のお時間でしょうか」

鳴護「あ、いいですよねそういうの!子供たち喜びそう!」

マネージャー「……まぁ、ある意味では喜ばれるんでしょうが」

鳴護「はい?」

マネージャー「あぁいやいや特に何も。それよりもお時間ですのでそろそろスタンバイを」

鳴護「え、いやでもあたし共演者の方にご挨拶まだしてない」

マネージャー「いえ問題ありません。このまま直ぐに本番です」

鳴護「……大丈夫なんですよね?当麻君とレッサーちゃんが『くっくっくっく……!ノコノコとようこそよう○……!』と言い出しませんよね?」

マネージャー「全く問題ありません。ほら、あそこを見てください」

上条(カンペ)【ようこそよう○のネタを使い回しすぎ】 サッ

鳴護「全然安心出来ないな!?だって我が事務所の問題児その一は既にいるってことですからね!?」

マネージャー「裏方として進行のアルバイトだそうです。あ、他のタレントさんを用意したのも上条さんのコネだそうで」

鳴護「……ちなみに、ここのスポンサーさんのお名前なんでしたっけ?」

マネージャー「TATARAコーポレーションですが」

鳴護「涙子ちゃんって猛獣をフリーダムにしている謎の結社が……!?」

マネージャー「まぁ、今からキャンセルは出来ませんし、覚悟を決めて頑張ってきてください。さ、早く」

鳴護「くっ……!お姉ちゃんのパシリなのに!」

上条『本番入りまーす!演者さんは指定の位置に立ってくださーい!』

……

浜面「『――みんなで遊ぼう!ミクスロボ!』」

滝壺「……」

鳴護「えっと……?」

浜面「『みんなで!遊ぼうぜ!ミクスロボ……ッ!!!』」

鳴護「わーーーー!」 パチパチパチパチッ

浜面「――はい、っていう訳で始まったぜこのコーナー!今日も元気なお兄さんの浜面だ!」

滝壺「……そらきれい……」

浜面「相棒のお姉さんの滝壺さんだ!みんなも街であったらスルーしてくれよなっ!」

鳴護「全部が雑。あとうん、このお姉さん外見は綺麗なんだけど地雷臭が……!」

浜面「アイドルのARISAこんにちは!よく来てくれたんだぜ!」

鳴護「どうもこんにちは。てかあたしも何が何だか理解できていません」

上条【ここでボケてください】 スッ

鳴護「無理だよ!?痛々しいキャラで食ってくつもりはないんだからねっ!?」

浜面「昔々ある所に男がいたんだ」

鳴護「乗っかるの!?事故必至なのに受けて立つ勇気凄いけども!?」

浜面「男が初めてできた彼女の、その彼女の昔の彼氏が気になっていたらしい。それを見かねたダチはこう言ったんだ」

浜面「――『やっぱ二次元ってクソだわ』ってな……!!!」

鳴護「それでどすれば解決するの?敗北を受け入れろ的なことかな?」

鳴護「あと個人的に言わせて貰えるんだったら、多分忘れてると思うよ。だって良好だったら続いてる筈だしね」

上条【85点】 スッ

鳴護「点数が過剰評価!?大スベリはしてなかったけど小スベリぐらいの空気なのに!?」

浜面「90点以上が出れば一回休めるんだ……!」

鳴護「どういうシステム?そしてなんでスタッフに過ぎない当麻君が仕切ってんの?」

滝壺「……今日のげすとはARISAでしたー……」

鳴護「挨拶だけで戦力外通知!?いや帰りたいけども!ネタであってもこのまま帰って寝たいけどもね!?」

浜面「こすい(※小粋・カンペ読み間違え)な俺らの紹介が終わったんで本題だ!ARISAはプラモデルって作る方かなっ?」

鳴護「あー、いえあんまり。寮に入ってたときは、小さい子がいたんで作ってあげてたりしましたけど」

浜面「そっか!俺もあんまり興味ねぇ!」

滝壺「……」

鳴護「進行下手だな!?二人も居るんだったらせめてフォローぐらいはしてあげようよ!?いやまぁ乗っからず素で答えたあたしも悪かったけどね!」

浜面「そんな訳で今日紹介するのは――『ミクス・ロボ』だぜ!」

鳴護「へー……」

浜面「今日!紹介、すっるっのっはっ!」

鳴護「わー格好いい!何かこういかにも変形合体しそうなパトカーですねっ!」

浜面「その通りだ!これは『パーフェクトパトカーパッシブ!』別名PPPロボでミクス・コボの最初期にロールアウトされた機体なんだぜ!」

鳴護「それPPP言いたいだけじゃ……」

浜面「そもそもARISAはミクス・ロボの世界を知ってたかい?」

鳴護「いえあんまりは」

浜面「そうだな!俺もぶっちゃけ知らない!」

滝壺「……あ、東北東からでんぱ……」

鳴護「――あぁウソウソ知ってた知ってた!名前は分からないけどオモチャ売り場で見たような気がするよ!」

上条【必死かwwwwwwwww】

鳴護「そこウルサイな!?まともに話を成立させようとしてんのがあたし一人しかいないんだから仕方がないでしょ!?」

浜面「あーっと……『ミクス・ロボは人類の敵から平和を守るため、普段は別の形で待機しています』」

鳴護「ほぼほぼトランスフォーマ○かな。あとあれ人類を巻き込むのにも程がある」

滝壺「みくすろぼは平和を守るけど……」

鳴護「はい?」

滝壺「……家庭の平和は守れない……!」

鳴護「戦う種類が違う、かな?あ、ほら消防士さんは戦わないでしょ?」

滝壺「……ぞんびあいてには戦う、よ……?」

鳴護「フィクションがアリなんだったら何でもアリじゃないかな?そしてきっとそんな世界観だったらロボットさんも家庭を築きそう」

浜面「よーしじやあ作ってみようぜ!世界を守るためにレッツ・ミックス!」

鳴護「さっきから投げっぱなしが過ぎません?てか今までよくこれで司会進行が出来ていましたよね?」

上条【うん、だからせめてツッコミ役がほしくて……】 サッ

鳴護「当麻君は後でお話があるよ?主にあたしをどう認識しているかについて」

浜面「プラスチックでも手を切るかもしれないから、ちびっ子の皆は大人の人に開封してもらおうな!」

鳴護「だったら紙箱でもいいような……」

滝壺「売り場の面積を広く取るために……らっくに掛けるようなコンパクトさが、低価格商品にはもとめられる……!」

鳴護「うん、ですからお姉さんは何担当の人なんです?ボケが三人溜まると、ツッコミスキルが上昇したあたしでも持て余すんですが」

上条【アリサさん進行お願いします☆】

鳴護「あぁまぁ他にいないからね!アドリブも出来ないし事前の知識もない人たちしかいないから!」

鳴護「で、これが変形するんですか?」

浜面「いや、これ単独じゃ変形できない――が、しかし!キットに同封されているレモンメカをパトカーのお腹にくっつけ、ボタンを押すぜ!」 ガチャコンッ

鳴護「あーなんか開いたねドア」

浜面「変――!」 ガチャガチャ

鳴護「ドアの中に収納されている腕を引っ張り出して、運転席のカバー外して頭を持ち上げて」

浜面「――形――」 ガチャガチャ

鳴護「下のレモン部分を手動で割って、足を引き出して。あ、つま先も立たせるんだね」

浜面「――――と、完全変形なんて一瞬だったぜ!!!」

鳴護「一瞬の定義とは。そして世界の平和を守るのはいいんだけど、パトカー大のレモンの存在はどう解釈したら……」

滝壺「そういうのをツッコまないやさしいせかい……なお、同シリーズには、ショベルカー大のトマトや救急車を凌ぐほーるけーきもある」

鳴護「ちょっと何言ってるのか分からないかな?不自然だよね?対象年齢を低くしてあるから世界観は手を抜いてるのかな?」

浜面「俺達と一緒に地球の平和を守ろうぜ!約束だな!」

鳴護「間が持たないからってシメに入るのが早すぎるよ。そうじゃなくて、あたし達も『かわいいー!』とか、『すごーい!』とかって感想いるでしょ?」

浜面「あー……へ、変形するね?」

鳴護「レビュー下手だな!?なんでこのお仕事来ちゃったの!?あたしのノドへダメージを与えるため!?」

滝壺「なお……これを見ている子供たちに注意がある」

鳴護「あぁ口に入れちゃダメだとか、細かいパーツを踏んだら痛いとか?」

滝壺「……一度かいふうしてしまうと、まんだら○に売るとき価格が下がる……!」

鳴護「邪悪な楽しみ方じゃないかな?メーカー側としてもお子さんには封切って手に取って遊んで欲しいよ!思い出はお金じゃ買えないから!」

上条【そろそろシメに入ってください】 サッ

鳴護「まだ何もしてないのに!?不自然過ぎるスケールに文句言っただけって視聴者には伝わってない!」

浜面「さぁ皆もヘリコとイチゴが合体してトリケラトプスになるギミックを体験しようぜ!」

鳴護「スケールが……まぁいいや。滝壺お姉さんからもコメント頂けますか?」

滝壺「ねぇ、はまづら……?はまづらが打ち合わせだっていうけど、いつもいつもお酒を呑んで帰ってくるのはなんで?」

滝壺「どうして他の女のニオイがするのねぇなんでどうしてはまづらははまづらははまづらは……ッ!!!」 クワッ

鳴護「――はい、っていう訳で如何でしたでしょうかミニ番組!『いいね!』と思った方は動画の下にあるボタンをクリックしてくださいねっ!」

浜面「や、やめてくださいよ滝壺さぁんっ!?PPPは人を傷つけるための道具じゃないんだ……ッ!!!」

鳴護「あ、ロボット開発者の主人公が言いそうな台詞」

滝壺「この腕も、私も、まだ生きる意味があるように……おまえにも未来がある筈だ……!」

鳴護「ゲシユタル○の名台詞!?もしかして仲良いのかな!?」



――オービット・ポータル芸能警備事務所

鳴護「――と、危うく刃傷沙汰寸前にまで」

マネージャー「流石上条さんの謎人脈ですよね。報告書には『笑顔の絶えない職場でした』と記載しておきます」

鳴護「事務所はあたしを追い込もうとしていませんか?自主的に芸能生活を辞めるようにとか?」

マネージャー「何を仰いますか。誰にだって下積み時代があり、それが長ければ長いほど綺麗な花を咲かせるというものです」

鳴護「普通はそのまま腐るんですけどね。芽も出ずに人知れず鉢植えの中で枯れて、土を入れ替えるときに『あ、なんか球根入ってた』って」

マネージャー「あぁ鉢植えで思い出しましたが、最近は家庭菜園が趣味で」

鳴護「話の逸らし方下手だな!?ロボットが土いじりってやっていいものなんですか!?」

マネージャー「義体率が少々高いだけで人間ですけど。学園都市の中では比較的マシな部類でもありますし」

鳴護「そうじゃなくて事務所ヘイトの可能性を否定してくださいよ!」

マネージャー「――ねぇARISAさんご存じですか?『ヨゴレ』っていう名前のサメがいるんですよ……!」
(※実在するサメです)

鳴護「ピッタリじゃないですか。今の世紀の『サメ映画=ヨゴレ』って概念を先取りしている感じ」

鳴護「……」

鳴護「――まさか、サメが……!?」

マネージャー「『2022年のサメ映画マラソンは超そろそろですね』と、先日メールを頂きまして……」

鳴護「サメ好きな人達は当麻君とだけ遊んで!あたしを巻き込まないでください!」

マネージャー「つきましては今からヨゴレ仕事をしておくことにより、耐性や免疫的なパッシブスキルを得て頂きたく」

鳴護「……なんとか、他の方をモルグへ送って難を逃れる方法とか……?」

マネージャー「絹旗さんは大層お冠らしくてですね、『ヒゲの映画が面白かったのが超面白くないです』だそうで」
(※もしかして;マリ○。未見)

鳴護「世界で一人じゃないですかね?公開される映画がダメであればダメな分だけ喜ぶっていう人は」

マネージャー「まぁ、ダメ映画も人知れず朽ちていくよりは、ダメ要素だけでも後世にまで語り継がれた方が……」

鳴護「そんな残り方はしたくないです」

マネージャー「ともあれどうか心構えだけはしておいてくださいね。レイドボスと同じなので逃走が出来ません」

鳴護「……せめて!せめてこう歌のお仕事がついてくるんだったら頑張れるんですけどね!」


-終-

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