佐天「『――はい、どうもー!って訳で始まりました柵中放送局!』」
――柵中 職員室
初春「――すいませんでしたっ!佐天さんには私の方からキツーく言っておきますから、どうか許してあげてください!」
教頭「まだ何も言ってないよね?言ってないのに呼び出した第一声がまず謝罪ってどうなの?」
初春「むしろ佐天さん絡み以外で私が呼ばれると?」
教頭「うんまぁそうなんだけどね。体育以外は成績も優秀だし、風紀委員で素行も内申も開校以来のストップ高を記録してる初春さんにはないよね」
初春「あ、そうなんですか?なら帰っても?」
教頭「だから佐天さん案件なんだよね?取り敢えず東京ばな○出すから、座ってくれないかな?」
初春「今回はどのようなご迷惑を?お金で解決できますか?」
教頭「中学生の発想ではないよね?初春さんも佐天さんに隠れてはいるけど、実は本当にやらかしているのは君の方じゃないのかな?」
初春「まぁ、慣れですかねぇ……?人間頑張れば大抵のことには順応できますし」
教頭「君のその人生に疲れ切った主婦のような雰囲気は演技だけじゃ出せない領域にあるけど……まぁいいかな。えーっと今回はお叱りではありません」
初春「ついに前科が……っ!?」
教頭「でもないです。長期休暇の度に胃が痛くなるけど、それも違うんですね」
教頭「お昼の校内放送ってあるじゃない?放送部メインなのに、何故か佐天さんがたまに何の説明もなくMCやるやつ?」
初春「見るに見かねて先生が乱入してましたよね。その節は大変ご迷惑を……」
教頭「それはまぁ良くはないんだけど良いとしてね。今度は外部からのゲストを呼ぶんだって申請が」
初春「え、外からですか!?中学校なのに!?」
教頭「それがねぇ。有名人とかじゃなくって、他校の生徒を呼んでどんなカリキュラムがあるだとか、生活をしているとかそういう感じ」
初春「クッソつまんなさそう」
教頭「君も佐天さんの悪い影響受けてるよね?前はもっと丁寧な子だったよ?僕も同意だけれどね」
初春「まぁそれだったら別に問題ないんじゃないですか?あぁ見えて空気読むのは上手いですし、余所様に迷惑をお掛けするのは――」
初春「……そんなには、なかった、ような?」
教頭「嘘でもいいから断言してほしかったなー。君の正直さが僕の胃壁を削るんだな−」
初春「と言いますか、この件に関してはそちらの不手際では?申請を却下すればいいじゃないですか」
教頭「君がどの目線で誰に物を言っているのか、凄く凄く引っかかるけど。当校としても別に却下するよう案件じゃないし」
教師「そもそもゲストの方は一回ごとに申請する形だから、問題があればその都度適切に判断すればいいって思うよね?僕悪くないよね?」
初春「妥当かと。ただ相手が佐天さんですので……」
初春「……てか何となく想像つきますけど、先生がグダグダ言ってるのはゲストの人選に問題が?」
教頭「……知ってるかな?『常盤台のエース』とか言われてる子らしいんだけど」
初春「超知ってますね。むしろ昨日ダベった仲です」
教頭「噂だけど、街中でレベル0の学生へ対してレールガンぶっぱしたり、自販機と見るや破壊する子なんでしょ?」
初春「ハガ○市長かな?」
(※”ファイナルファイト 半裸”でググってみよう)
教頭「『胸囲力ゼロなのに脅威力た・か・め☆』ってネットニュースで」
初春「それは誰かが流した悪質なデマですね。半分ぐらいしか当たっていません」
教頭「半分でも後ろだったら僕らのような一般人には脅威なんだけどな……それでね、ぶっちゃけると申請を却下する理由がないんだよね」
初春「あー……知名度は裏腹に、相手は一介の学生ですからね。特別扱いもできなければ、逆に変に邪険な扱いもできないと」
教頭「あと御坂さんご自身から『是非やらせてください!』ってとても丁寧なお手紙が届いてるんだよね。当校宛てに」
初春「逃げ道を塞いでいますよね」
教頭「うん、だからこうどうしたもんかなぁって佐天さん係の初春さんへ相談しているんだよ」
初春「そんな係になった覚えはありませんが、まぁ概要は大体分かりました」
初春「ではまず学校側の本音をお伺いしたんですが、断らずに普通に来てもらうって選択肢はないんですか?悪い話はないと思うんですけど」
教頭「それはね、アリかナシで言えば大いにアリなんだよね。来年の入校パンフにも入れたいぐらいで」
初春「詐欺ですよね?オレンジの画が描いてあるのに果汁0パーみたいな」
教頭「ハゲ、もとい校長も乗り気で『是非!』とテンションはだだ上がりだし」
初春「はぁ。でしたらやめる必要はないのでは?」
教頭「――当校のグレンダイザ○が音頭を取っていなければ、ですが」
初春「校長の悪口からそれ連想しましたよね?パイルダーがオンする兄弟作」
教頭「断ればカドが立ち、了承すれば不安しかない。となれば、ね?分かりますよね?」
初春「私をモルグへ送っていい感じにやってくれと?」
教頭「いやそんなことは一言も言ってないよ?生徒の自主性を重んじるのが当校の気風だからね?」
初春「その生徒相手に黒いところを見せてる訳ですが……」
教頭「君の双肩には学園祭にARISAを呼べるかどうかがかかっているんだよ!?」
初春「あぁはい、佐天さんの謎人脈に負けたんですね。あと気持ち悪いです」
初春「……はぁ。まぁ学校側の本音は理解しました。私も友人達をフォローするのはやぶさかではないです――が」
初春「できれば佐天さんの内申を少しだけ、せめて平均ぐらいに近づけて頂ければなと」
教頭「え、裁判?当校の生徒が冤罪で吊し上げられるような事態なんてなかったよね?」
教頭「え、逮捕?当校の生徒が不法侵入で捕まるような事態なんてなかったよね?」
初春「その言葉が聞きたかったです。なお反故にしたら世界中にあなたと校長のエ×コラが拡散しますから」
教頭「需要ないと思うな、ハゲたオッサンとハゲそうなオッサンだから」
教頭「ちなみにその、前科部分についてはね、僕が何もしなくても真っ白だったから。偉い人から『何にもなかったよね?公的な記録にはなかったしね?』って直々に、うん……」
初春「どこのエースかHENTAIが手を回したんでしょうね。恐ろしいものがあります」
初春「ともあれ事情は分かりましたしフォローも承りました……あ、でも実際に御坂さん呼んで何するんですか?ただダベるのもそれはそれで人気出そうですが」
教頭「詳しくは聞いてないんだけど、テーマごとにゲストを呼んで質問を募るとか何とか」
初春「ほう。ちなみにテーマは?」
教頭「恋愛相談」
初春「公開処刑かな?」
――柵中放送室
初春「えー、という訳で急遽お目付役、もといストッパー、もといアシスタントを拝命した初春飾利です。本日はどうかよろしくお願いしますね」
御坂「ほぼ大半ぶっちゃけ訳だけど……まぁよろしく。いつものメンバーで安定感あっていいわよねっ!」
佐天「すいませんわざわざウチまでご足労頂いて!」
御坂「ぶっちゃけ興味はあったのよ。どんな伸び伸びとした校風が佐天さんを形作ったかって意味では」
初春「当校にその責任を負わせないでください。入学当時からこんな感じでしたし」
佐天「親戚からは『涙子ちゃんはお母さんにソックリだね』と言われます。そりゃ親子なのに何言ってんだろう的な」
初春「きっと含みがあるんじゃないですかね。深い深い諦めと共に」
御坂「一度家庭訪問したいわよね。きっと気が合うと思うし」
佐天「そん時ゃウェルカムですが、まずは本日の段取りを打ち合わせしましょう。今日は『ふつおた』と『ほめてくれ!』のコーナーはお休みです」
御坂「本格過ぎない?ネットラジオでそんなんなかったっけ?」
佐天「いや何故かこれがですね、あたしの声が超人気声優さんによく似てるらしく配信してくれって声が多数」
初春「引くぐらい再現度の高い織田信○さんですね。営業妨害じゃねぇかなと思わなくもないです」
御坂「あぁうん、あたしも誰かに似てるねってよく言われるけど、本人がいいんだったら別に」
佐天「で、今日はOPトークで軽く話して、リク曲流してからずっと御坂さんのコーナーとなります。正味10分ぐらいなので、質問自体は3・4個ぐらいかと」
御坂「事前に内容は教えてくれないの?」
佐天「できれば素のリアクションをお届けしたいので、このままで。変な質問は事前に取り除いた、というよりも収録したのを検閲喰らう予定ですんで……」
御坂「誰か?」
佐天「『他校の生徒さんに失礼があってはいけない!』、と本校の教師がですね。実に賢明な判断だと思います」
御坂「……えぇと、もしかして前にやらかした実績あり?」
初春「誰とは言いませんが、生放送でご自分の下着の色を発表して教頭先生が乱入してきました。誰とは言いませんが」
佐天「聞かれたから正直に答えただけなのに……!」
御坂「子供か」
佐天「中学生は子供では?」
御坂「まぁそうだけども!もっと慎みを、ねっ!?」
佐天「友人を毎日羞恥プレイしてる以上!あたしがしないで誰がすると言うんですかっ!?」
御坂「両方やめなさいよ!初春さんがまだ笑って許してくれてる間にね!」
――柵中放送室 放送ブース
佐天「『――はい、どうもー!って訳で始まりました柵中放送局!今日のお昼もヒアウィゴゥの精神で行きまっしょい!』」
佐天「『世間様ではもうすぐ夏休み!夏休みといえば怪談に肝試し!もしくはヤンチャして廃墟探険なんていいですよね!』」
佐天「『もし何か心霊体験、もしくは恐怖体験ありましたらメールどしどし送ってくださいね!番組で読まれた方には番組特製オリジナルグッズを差し上げます!』」
佐天「『えー、でまぁ今日は素敵なお客様が来ていますよー!事前に質問を募集したんで知らない方はいないと思いますが!』」
佐天「『まぁまぁお楽しみは曲の後で。”ゲコ太の大冒険〜トランスリミックス〜”です、聞いてくださいどうぞー』」
御坂「ねぇ、こなれすぎてない?『ホンモノかな?』ってぐらいにやり慣れてるわよね?」
初春「えぇはい、心霊番組と称したネタ番組なんかも配信している分、いつの間にかMCが超上手くなったそうで」
御坂「意外……ではないわね。むしろ天職とすら思うわ」
初春「叱ってあげてくださいよ。怪談収集のためだけにやってるんですよ、この人」
佐天「大丈夫だよ初春!なんといっても事前収録だから先生が乱入して来ないんだからね!」
御坂「あたしが止めるわよ?止めるような事態になるのがまず理解できないけど、殴ってでもやり遂げるからね?」
初春「その時はお手数を……」
佐天「放送コードを最低守ればそんなには止められないって分かりました!」
御坂「そんなにはなんだ……ちょっとは止められるんだ?」
初春「途中で入ってくる教頭先生との掛け合いも、一部マニアにはそこそこ人気です」
御坂「この学校大丈夫かな?気風が大らかすぎるのよね……」
佐天「あ、そろそろ曲明けまーす。んでは御坂さんよろしくお願いしますね」
御坂「不安だわー……一発ギャグフラれるぐらいに不安すぎるわー」
初春「呪うんだったら快諾したご自分をどうぞ。私も巻き込まれてますからね?」
佐天「はい、サン・ニー……『――はい、いい曲でしたね!では本日のメインイベンツッっ!つーかあたしもまさか来てもらえるとは思いもしませんでした!』」
佐天「『常盤台のエースにして孤高の存在!学園都市序列一位が塀の中で第二位が失踪中なので、最上位と言っても過言ではないぜ!』」
初春「『コンプラ守るって言いましたよね?五秒前に言ったことは守りましょうよ?』」
御坂「『そして確か繰り上がり制にはなってなかったわ。つーかあたしも何をどうやってランキングしてんのか、基準すら知らされてないし』」
佐天「『おぉっと紹介する前から喋っちゃいましたね!待ちきれなかったのかなー?』」
御坂「『待ちきれなかったんじゃない。ツッコミが足りてないのよ』」
初春「『御坂さんも基本はツッコミですからねぇ。たまーにホームランかっ飛ばしますが』」
佐天「『では改めましてご紹介いたします!こちらが御坂”ハズラット”美琴さんです!』」
御坂「『はいそこ勝手に名前を長くしない。そして縁起悪いわ!誰が余り者同士くっついた仲よ!?』」
初春「『悪くはないんですが、絶妙にモニョりますよね。リアルっちゃリアルですが』」
佐天「『無理言ってすいません!あたしの内申の養分になって頂けるとは!』」
御坂「『やっぱりそんな理由だったのねこのアマ。別に怒ったりしないから本番前に言いなさいよ』」
佐天「『やーでもあたしになりに考えがありましてね?ほに、やっぱりレベル5の皆さんって雲の上の人っていいますか、何かこう近寄りがたいじゃないですか?』」
御坂「『なんでよ。ナンパは別にして普通に声かけられたぐらいで暴れたりしないわ』」
初春「『ミサカー、暴れてんぞー』」
佐天「『はい、あたしは御坂さんがそんな事しないって分かってますよ!”街中でレールガンぶっぱした”とか”男装してチンピラしばいてた”とか!』」
佐天「『”ゲコ太のガチャガチャを子供と一緒に買っていたとミサカはお姉様の所業をチクります”とか根も葉もない噂が飛び交ってるじゃないですか!』」
初春「『佐天さん佐天さん、追い込むのはあんまり良くないかと』」
御坂「『そして誰が犯人か分かったわ。身内よね』」
佐天「『あたしはそんな”幻想”をぶっ飛ばしたいんですよ!今後このフレーズを多用したいと思います!』」
御坂「『調子ぶっこいてるわよね?人の台詞をパクるのはどうか思うわー』」
初春「『某所の人気投票でまさか勝ちましたからね。あの方的には”やったねある意味オイシイね!”て終わる話なんですが、勝った方が調子に乗るっていう』」
佐天「『ですんであたしは知ってほしいんですよ!決して雲の上の人ではない!普通に悩みもすれば美味しいものも食べる女子だって!』」
御坂「『あぁうん。それは素直にありがたいんだけど、よりにもよって恋愛相談っていうのが引っかかるのよね』」
佐天「『なんでしたらテーマ変えます?常盤台の特殊なカリキュラムでもいいですけど』」
御坂「『だからないってば。教室に座って先生の話を聞くぐらい?個々の能力開発もあるっちゃあるけど、別に特別な何かやってる訳じゃないからね?』」
佐天「『えぇ前にそれは伺ってたんで、なら親近感を持ってもらえるためには、同世代てのみんなが興味ある事かなーと』」
御坂「『んー、まぁそうかもね』」
初春「『あ、一応話題出たんでお伺いしますけど、何かこう超特殊な能力開発してるのはただの噂ですよね?』」
御坂「『そんな施設自体がないわ。基本と応用の反復、それだけだからね』」
御坂「『あと基本的にお嬢様が多いから、非人道的な人体実験やったらその瞬間に潰されると思うわ。色々な意味で』」
佐天「『その色々がスッゲ気になりますが、空気を読んで深くはツッコミません――さて!ダベっていてもしょうがないので早速御坂さんには恋愛相談をお願いしたいと思います!』」
初春「『なお”あぁこりゃヤベェな”と、私が判断した場合、発言部分がマルッとジングル音に変りますのでご注意ください』」
御坂「『だったらもう既に大分使ってない?結構かっ飛ばしたわよね?』」
佐天「『んではまず最初の質問です――”御坂さんこんにちは!自分はある人に片思いしているのですか、告白した方がいいんでしょうか?”だ、そうです』」
初春「『タイミングの問題でしょうかねぇ?あんまり詳細が分からないと詳しくは、なんですが』」
御坂「『タイミング……まぁそうね。悩むのは仕方がないわよね。他人からすればネタにできる程度の軽い話なのに、当事者にとっては重い話な訳で』」
御坂「『アドバイスになってないかもだけど、あたしから言えるのは”自分で決めなさい”ってことかな』」
佐天「『相談になってなくないですか?』」
御坂「『大抵こういうのは告白しても、先延ばしにしても後悔するでしょ?だったら他人に何か言われるよりは、自分で決めるのが筋だし――』」
御坂「『――ただ!待ってるばかりじゃ永遠に後悔し続けるんだけどね……ッ!!!』」 クワッ
佐天「『あ、あれ?湿度が急に上がった、かな?』」
初春「『最後の部分要らないですね。あとで編集しましょう』」
佐天「『ま、まぁ前半は良い事言ったしね!では続きまして二番目の相談――”こんにちは御坂美琴さん”』」
御坂「『こんにちは』」
佐天「『”私には片思いをしている人がいるのですが、その人は私の親友の恋人なのです”』」
御坂「『あー……』」
初春「『うわぁ……』」
佐天「『”勿論、親友も好きなのですが、二人のためにも少し距離を置くべきでしょうか?”、だ、そうです』」
御坂「『あー、うん分かるわー。辛いわよねー、ホント辛いわ−』」
御坂「『お友達と好きな人が一緒いるのを見て、×したくて×したくて×したい気持ちは誰だって同じよね』」
初春「『御坂さん?』」
御坂「『でも――わざわざ離れる必要はないの思うよ?あなたがもしも親友さんの事を思っているんだったら、一番近く応援してあげるぐらいの気持ちじゃなきゃ!』」
佐天「『お、おぉ……!予想以上に真っ当なコメントだっ!』」
初春「『いやぁ……さっきから狂気の影がチラホラ見え隠れしてんですよねぇ』」
御坂「『良き隣人、良き友人としてのポジションを維持しつつ、温かく見守るの。二人のためだけにって私欲を見せずに信頼を重ねていって――』」
御坂「『――充分に”溜まった”ら、一気に裏切る……ッ!!!』」
佐天「『あ、確変モード入っちゃったねー。どうしよう?』」
初春「『どうせ全カットですから、気の済むように喋らせてあげてください。私もボタン押すの諦めました』」
御坂「『最初は小さなすれ違いを起こすだけでいいわ。”あれ?彼氏さんって昨日はお休みだったんじゃないの?”とか、”親友ちゃんの兄弟ってあんま似てないよねぇ”とかね――』」
御坂「『――大きな岩へ小さなヒビを入れていくの。ほんの小さな亀裂ができたら、タガネを打ち込んで修復できないように拡げて――』」
御坂「『――最終的に、そう最終的に彼の隣に立っているのがあなたであればいいのよ……ッ!!!』」 ニチャアァッ
初春「『すいませんスタッフの方、ブースの湿度が急上昇してるので除湿お願いできますか?』」
佐天「『あたしは寒気がするんだよね。風邪でも引いたのかな?』」
御坂「『そもそもあなたの親友が親友じゃないのよ!普通は空気読んで身を引くんじゃないの?』」
佐天「『……ねー、初春?ペルソ○3にこんなキャラ居なかったっけ?』」
初春「『続編ではキレッキレの狂気を見せつけるんですよね。お母さんの呪縛から逃れた途端それかい、的な』」
御坂「『次の質問は何!?あたしは誰の挑戦でも受けるわ!』」
佐天「『あーっと……”彼氏が浮気を”』」
御坂「『刺せば?それで永遠に彼氏はあなたのモノになるわよ?』」
初春「『御坂さんの後ろに”どす黒く燃える太陽”が見えます』」
佐天「『フェイスレス司○だよね』」
初春「『ここからどうやって立て直すんですか?殴って正気づかせる以外の方法で』」
佐天「『――はい、前半はここまでにしまして!後半は御坂さんの日常なんて聞きたいですねー!一体どんな生活を!』」
御坂「『え?別に大したことは、っていうか最初に言ったじゃない』」
佐天「『いやでも我々の認識とは違うと思うんですよ?こう常盤台では普通に思っていても、一般的な範囲じゃ違ったなー、みたいな』」
御坂「『あー……あるっちゃあるわね。ランチ頼んだら”え、学生それ食うんすか!?”って誰かにツッコまれたり』」
佐天「『いいですね!それ言ったのあたしですけど、ていうか葉っぱばっかりなのに桁が一つ違う定食には誰だってツッコミますが!』」
御坂「『いやアレ見た目は質素だけどね、値段相応のパフォーマンスを備えているのよ?オーガニックだからね』」
佐天「『オーガ……?あぁ知ってます知ってます、オークの親戚みたいなアレ?』」
御坂「『なんでよ。特定のジャンルで大活躍の豚じゃないわよ』」
初春「『もうここで収録する必要ないですよね?ていうかこのいつものグダグダっぷりをお届けするつもりで?』」
――職員室
教頭「――なんで呼ばれたか分かりますか?」
初春「校内放送ですね」
教頭「合ってますけど違います」
初春「呼ばれる理由が皆目見当がつかないんですが、これは県教育委員会へ訴えるべき案件でしょうか」
教頭「リアルな話になるからやめてくれませんか?例えそれ無実であっても影でコソコソ言われ続けるやつですよね?」
初春「勿論その前に友人同士で情報共有するつもりです」
教頭「仕事帰りにレールガンで狙撃されそうですよね。そして仮に重傷になったとしても一切報道されない」
初春「つまり――主導権がどちらにあるのか、もうお分かりですよね?」
教頭「私、教師歴そこそこ長いんですが、マウント取ろうとしてきた生徒は初春さんが始めてです」
初春「あ、それじゃ私はこの辺で」
教頭「まだ何も終わっていませんよ?文句がありますからね?」
初春「え?きちんと言われたとおりにお目付役としての仕事はしましたけど?」
教頭「……えぇまぁしてましたよ、してましたけどね?どこに出しても恥ずかしくない内容でしたよ?」
教頭「――ほぼ全て、雑談だけでしたがね!」
初春「当たり障りのない内容だったでしょう?」
教頭「……常盤台の学園長先生からとても丁寧なお礼状が届きましてね」
初春「それは初耳ですね。どのような?」
教頭「『こちらの生徒がご迷惑をおかけしてないか編集前のテープ出せよコラ』と」
初春「体裁は守りません?ほぼ脅しなんでしょうが」
教頭「……どうしましょうね?出すと確実に叱られる方が一人出ますが」
初春「良いんじゃないですかね?たまにはきちんとした大人に諭されるのも経験ですし?」
教頭「……分かりました。ではそのように」
初春「あー、あとですね。佐天さんが乗り気で、次のゲストの選定に入ってるって噂が」
教頭「来年度以降になりませんか?私、次はトバされ――もとい、移動になるんですよ?」
-終-
初春「――すいませんでしたっ!佐天さんには私の方からキツーく言っておきますから、どうか許してあげてください!」
教頭「まだ何も言ってないよね?言ってないのに呼び出した第一声がまず謝罪ってどうなの?」
初春「むしろ佐天さん絡み以外で私が呼ばれると?」
教頭「うんまぁそうなんだけどね。体育以外は成績も優秀だし、風紀委員で素行も内申も開校以来のストップ高を記録してる初春さんにはないよね」
初春「あ、そうなんですか?なら帰っても?」
教頭「だから佐天さん案件なんだよね?取り敢えず東京ばな○出すから、座ってくれないかな?」
初春「今回はどのようなご迷惑を?お金で解決できますか?」
教頭「中学生の発想ではないよね?初春さんも佐天さんに隠れてはいるけど、実は本当にやらかしているのは君の方じゃないのかな?」
初春「まぁ、慣れですかねぇ……?人間頑張れば大抵のことには順応できますし」
教頭「君のその人生に疲れ切った主婦のような雰囲気は演技だけじゃ出せない領域にあるけど……まぁいいかな。えーっと今回はお叱りではありません」
初春「ついに前科が……っ!?」
教頭「でもないです。長期休暇の度に胃が痛くなるけど、それも違うんですね」
教頭「お昼の校内放送ってあるじゃない?放送部メインなのに、何故か佐天さんがたまに何の説明もなくMCやるやつ?」
初春「見るに見かねて先生が乱入してましたよね。その節は大変ご迷惑を……」
教頭「それはまぁ良くはないんだけど良いとしてね。今度は外部からのゲストを呼ぶんだって申請が」
初春「え、外からですか!?中学校なのに!?」
教頭「それがねぇ。有名人とかじゃなくって、他校の生徒を呼んでどんなカリキュラムがあるだとか、生活をしているとかそういう感じ」
初春「クッソつまんなさそう」
教頭「君も佐天さんの悪い影響受けてるよね?前はもっと丁寧な子だったよ?僕も同意だけれどね」
初春「まぁそれだったら別に問題ないんじゃないですか?あぁ見えて空気読むのは上手いですし、余所様に迷惑をお掛けするのは――」
初春「……そんなには、なかった、ような?」
教頭「嘘でもいいから断言してほしかったなー。君の正直さが僕の胃壁を削るんだな−」
初春「と言いますか、この件に関してはそちらの不手際では?申請を却下すればいいじゃないですか」
教頭「君がどの目線で誰に物を言っているのか、凄く凄く引っかかるけど。当校としても別に却下するよう案件じゃないし」
教師「そもそもゲストの方は一回ごとに申請する形だから、問題があればその都度適切に判断すればいいって思うよね?僕悪くないよね?」
初春「妥当かと。ただ相手が佐天さんですので……」
初春「……てか何となく想像つきますけど、先生がグダグダ言ってるのはゲストの人選に問題が?」
教頭「……知ってるかな?『常盤台のエース』とか言われてる子らしいんだけど」
初春「超知ってますね。むしろ昨日ダベった仲です」
教頭「噂だけど、街中でレベル0の学生へ対してレールガンぶっぱしたり、自販機と見るや破壊する子なんでしょ?」
初春「ハガ○市長かな?」
(※”ファイナルファイト 半裸”でググってみよう)
教頭「『胸囲力ゼロなのに脅威力た・か・め☆』ってネットニュースで」
初春「それは誰かが流した悪質なデマですね。半分ぐらいしか当たっていません」
教頭「半分でも後ろだったら僕らのような一般人には脅威なんだけどな……それでね、ぶっちゃけると申請を却下する理由がないんだよね」
初春「あー……知名度は裏腹に、相手は一介の学生ですからね。特別扱いもできなければ、逆に変に邪険な扱いもできないと」
教頭「あと御坂さんご自身から『是非やらせてください!』ってとても丁寧なお手紙が届いてるんだよね。当校宛てに」
初春「逃げ道を塞いでいますよね」
教頭「うん、だからこうどうしたもんかなぁって佐天さん係の初春さんへ相談しているんだよ」
初春「そんな係になった覚えはありませんが、まぁ概要は大体分かりました」
初春「ではまず学校側の本音をお伺いしたんですが、断らずに普通に来てもらうって選択肢はないんですか?悪い話はないと思うんですけど」
教頭「それはね、アリかナシで言えば大いにアリなんだよね。来年の入校パンフにも入れたいぐらいで」
初春「詐欺ですよね?オレンジの画が描いてあるのに果汁0パーみたいな」
教頭「ハゲ、もとい校長も乗り気で『是非!』とテンションはだだ上がりだし」
初春「はぁ。でしたらやめる必要はないのでは?」
教頭「――当校のグレンダイザ○が音頭を取っていなければ、ですが」
初春「校長の悪口からそれ連想しましたよね?パイルダーがオンする兄弟作」
教頭「断ればカドが立ち、了承すれば不安しかない。となれば、ね?分かりますよね?」
初春「私をモルグへ送っていい感じにやってくれと?」
教頭「いやそんなことは一言も言ってないよ?生徒の自主性を重んじるのが当校の気風だからね?」
初春「その生徒相手に黒いところを見せてる訳ですが……」
教頭「君の双肩には学園祭にARISAを呼べるかどうかがかかっているんだよ!?」
初春「あぁはい、佐天さんの謎人脈に負けたんですね。あと気持ち悪いです」
初春「……はぁ。まぁ学校側の本音は理解しました。私も友人達をフォローするのはやぶさかではないです――が」
初春「できれば佐天さんの内申を少しだけ、せめて平均ぐらいに近づけて頂ければなと」
教頭「え、裁判?当校の生徒が冤罪で吊し上げられるような事態なんてなかったよね?」
教頭「え、逮捕?当校の生徒が不法侵入で捕まるような事態なんてなかったよね?」
初春「その言葉が聞きたかったです。なお反故にしたら世界中にあなたと校長のエ×コラが拡散しますから」
教頭「需要ないと思うな、ハゲたオッサンとハゲそうなオッサンだから」
教頭「ちなみにその、前科部分についてはね、僕が何もしなくても真っ白だったから。偉い人から『何にもなかったよね?公的な記録にはなかったしね?』って直々に、うん……」
初春「どこのエースかHENTAIが手を回したんでしょうね。恐ろしいものがあります」
初春「ともあれ事情は分かりましたしフォローも承りました……あ、でも実際に御坂さん呼んで何するんですか?ただダベるのもそれはそれで人気出そうですが」
教頭「詳しくは聞いてないんだけど、テーマごとにゲストを呼んで質問を募るとか何とか」
初春「ほう。ちなみにテーマは?」
教頭「恋愛相談」
初春「公開処刑かな?」
――柵中放送室
初春「えー、という訳で急遽お目付役、もといストッパー、もといアシスタントを拝命した初春飾利です。本日はどうかよろしくお願いしますね」
御坂「ほぼ大半ぶっちゃけ訳だけど……まぁよろしく。いつものメンバーで安定感あっていいわよねっ!」
佐天「すいませんわざわざウチまでご足労頂いて!」
御坂「ぶっちゃけ興味はあったのよ。どんな伸び伸びとした校風が佐天さんを形作ったかって意味では」
初春「当校にその責任を負わせないでください。入学当時からこんな感じでしたし」
佐天「親戚からは『涙子ちゃんはお母さんにソックリだね』と言われます。そりゃ親子なのに何言ってんだろう的な」
初春「きっと含みがあるんじゃないですかね。深い深い諦めと共に」
御坂「一度家庭訪問したいわよね。きっと気が合うと思うし」
佐天「そん時ゃウェルカムですが、まずは本日の段取りを打ち合わせしましょう。今日は『ふつおた』と『ほめてくれ!』のコーナーはお休みです」
御坂「本格過ぎない?ネットラジオでそんなんなかったっけ?」
佐天「いや何故かこれがですね、あたしの声が超人気声優さんによく似てるらしく配信してくれって声が多数」
初春「引くぐらい再現度の高い織田信○さんですね。営業妨害じゃねぇかなと思わなくもないです」
御坂「あぁうん、あたしも誰かに似てるねってよく言われるけど、本人がいいんだったら別に」
佐天「で、今日はOPトークで軽く話して、リク曲流してからずっと御坂さんのコーナーとなります。正味10分ぐらいなので、質問自体は3・4個ぐらいかと」
御坂「事前に内容は教えてくれないの?」
佐天「できれば素のリアクションをお届けしたいので、このままで。変な質問は事前に取り除いた、というよりも収録したのを検閲喰らう予定ですんで……」
御坂「誰か?」
佐天「『他校の生徒さんに失礼があってはいけない!』、と本校の教師がですね。実に賢明な判断だと思います」
御坂「……えぇと、もしかして前にやらかした実績あり?」
初春「誰とは言いませんが、生放送でご自分の下着の色を発表して教頭先生が乱入してきました。誰とは言いませんが」
佐天「聞かれたから正直に答えただけなのに……!」
御坂「子供か」
佐天「中学生は子供では?」
御坂「まぁそうだけども!もっと慎みを、ねっ!?」
佐天「友人を毎日羞恥プレイしてる以上!あたしがしないで誰がすると言うんですかっ!?」
御坂「両方やめなさいよ!初春さんがまだ笑って許してくれてる間にね!」
――柵中放送室 放送ブース
佐天「『――はい、どうもー!って訳で始まりました柵中放送局!今日のお昼もヒアウィゴゥの精神で行きまっしょい!』」
佐天「『世間様ではもうすぐ夏休み!夏休みといえば怪談に肝試し!もしくはヤンチャして廃墟探険なんていいですよね!』」
佐天「『もし何か心霊体験、もしくは恐怖体験ありましたらメールどしどし送ってくださいね!番組で読まれた方には番組特製オリジナルグッズを差し上げます!』」
佐天「『えー、でまぁ今日は素敵なお客様が来ていますよー!事前に質問を募集したんで知らない方はいないと思いますが!』」
佐天「『まぁまぁお楽しみは曲の後で。”ゲコ太の大冒険〜トランスリミックス〜”です、聞いてくださいどうぞー』」
御坂「ねぇ、こなれすぎてない?『ホンモノかな?』ってぐらいにやり慣れてるわよね?」
初春「えぇはい、心霊番組と称したネタ番組なんかも配信している分、いつの間にかMCが超上手くなったそうで」
御坂「意外……ではないわね。むしろ天職とすら思うわ」
初春「叱ってあげてくださいよ。怪談収集のためだけにやってるんですよ、この人」
佐天「大丈夫だよ初春!なんといっても事前収録だから先生が乱入して来ないんだからね!」
御坂「あたしが止めるわよ?止めるような事態になるのがまず理解できないけど、殴ってでもやり遂げるからね?」
初春「その時はお手数を……」
佐天「放送コードを最低守ればそんなには止められないって分かりました!」
御坂「そんなにはなんだ……ちょっとは止められるんだ?」
初春「途中で入ってくる教頭先生との掛け合いも、一部マニアにはそこそこ人気です」
御坂「この学校大丈夫かな?気風が大らかすぎるのよね……」
佐天「あ、そろそろ曲明けまーす。んでは御坂さんよろしくお願いしますね」
御坂「不安だわー……一発ギャグフラれるぐらいに不安すぎるわー」
初春「呪うんだったら快諾したご自分をどうぞ。私も巻き込まれてますからね?」
佐天「はい、サン・ニー……『――はい、いい曲でしたね!では本日のメインイベンツッっ!つーかあたしもまさか来てもらえるとは思いもしませんでした!』」
佐天「『常盤台のエースにして孤高の存在!学園都市序列一位が塀の中で第二位が失踪中なので、最上位と言っても過言ではないぜ!』」
初春「『コンプラ守るって言いましたよね?五秒前に言ったことは守りましょうよ?』」
御坂「『そして確か繰り上がり制にはなってなかったわ。つーかあたしも何をどうやってランキングしてんのか、基準すら知らされてないし』」
佐天「『おぉっと紹介する前から喋っちゃいましたね!待ちきれなかったのかなー?』」
御坂「『待ちきれなかったんじゃない。ツッコミが足りてないのよ』」
初春「『御坂さんも基本はツッコミですからねぇ。たまーにホームランかっ飛ばしますが』」
佐天「『では改めましてご紹介いたします!こちらが御坂”ハズラット”美琴さんです!』」
御坂「『はいそこ勝手に名前を長くしない。そして縁起悪いわ!誰が余り者同士くっついた仲よ!?』」
初春「『悪くはないんですが、絶妙にモニョりますよね。リアルっちゃリアルですが』」
佐天「『無理言ってすいません!あたしの内申の養分になって頂けるとは!』」
御坂「『やっぱりそんな理由だったのねこのアマ。別に怒ったりしないから本番前に言いなさいよ』」
佐天「『やーでもあたしになりに考えがありましてね?ほに、やっぱりレベル5の皆さんって雲の上の人っていいますか、何かこう近寄りがたいじゃないですか?』」
御坂「『なんでよ。ナンパは別にして普通に声かけられたぐらいで暴れたりしないわ』」
初春「『ミサカー、暴れてんぞー』」
佐天「『はい、あたしは御坂さんがそんな事しないって分かってますよ!”街中でレールガンぶっぱした”とか”男装してチンピラしばいてた”とか!』」
佐天「『”ゲコ太のガチャガチャを子供と一緒に買っていたとミサカはお姉様の所業をチクります”とか根も葉もない噂が飛び交ってるじゃないですか!』」
初春「『佐天さん佐天さん、追い込むのはあんまり良くないかと』」
御坂「『そして誰が犯人か分かったわ。身内よね』」
佐天「『あたしはそんな”幻想”をぶっ飛ばしたいんですよ!今後このフレーズを多用したいと思います!』」
御坂「『調子ぶっこいてるわよね?人の台詞をパクるのはどうか思うわー』」
初春「『某所の人気投票でまさか勝ちましたからね。あの方的には”やったねある意味オイシイね!”て終わる話なんですが、勝った方が調子に乗るっていう』」
佐天「『ですんであたしは知ってほしいんですよ!決して雲の上の人ではない!普通に悩みもすれば美味しいものも食べる女子だって!』」
御坂「『あぁうん。それは素直にありがたいんだけど、よりにもよって恋愛相談っていうのが引っかかるのよね』」
佐天「『なんでしたらテーマ変えます?常盤台の特殊なカリキュラムでもいいですけど』」
御坂「『だからないってば。教室に座って先生の話を聞くぐらい?個々の能力開発もあるっちゃあるけど、別に特別な何かやってる訳じゃないからね?』」
佐天「『えぇ前にそれは伺ってたんで、なら親近感を持ってもらえるためには、同世代てのみんなが興味ある事かなーと』」
御坂「『んー、まぁそうかもね』」
初春「『あ、一応話題出たんでお伺いしますけど、何かこう超特殊な能力開発してるのはただの噂ですよね?』」
御坂「『そんな施設自体がないわ。基本と応用の反復、それだけだからね』」
御坂「『あと基本的にお嬢様が多いから、非人道的な人体実験やったらその瞬間に潰されると思うわ。色々な意味で』」
佐天「『その色々がスッゲ気になりますが、空気を読んで深くはツッコミません――さて!ダベっていてもしょうがないので早速御坂さんには恋愛相談をお願いしたいと思います!』」
初春「『なお”あぁこりゃヤベェな”と、私が判断した場合、発言部分がマルッとジングル音に変りますのでご注意ください』」
御坂「『だったらもう既に大分使ってない?結構かっ飛ばしたわよね?』」
佐天「『んではまず最初の質問です――”御坂さんこんにちは!自分はある人に片思いしているのですか、告白した方がいいんでしょうか?”だ、そうです』」
初春「『タイミングの問題でしょうかねぇ?あんまり詳細が分からないと詳しくは、なんですが』」
御坂「『タイミング……まぁそうね。悩むのは仕方がないわよね。他人からすればネタにできる程度の軽い話なのに、当事者にとっては重い話な訳で』」
御坂「『アドバイスになってないかもだけど、あたしから言えるのは”自分で決めなさい”ってことかな』」
佐天「『相談になってなくないですか?』」
御坂「『大抵こういうのは告白しても、先延ばしにしても後悔するでしょ?だったら他人に何か言われるよりは、自分で決めるのが筋だし――』」
御坂「『――ただ!待ってるばかりじゃ永遠に後悔し続けるんだけどね……ッ!!!』」 クワッ
佐天「『あ、あれ?湿度が急に上がった、かな?』」
初春「『最後の部分要らないですね。あとで編集しましょう』」
佐天「『ま、まぁ前半は良い事言ったしね!では続きまして二番目の相談――”こんにちは御坂美琴さん”』」
御坂「『こんにちは』」
佐天「『”私には片思いをしている人がいるのですが、その人は私の親友の恋人なのです”』」
御坂「『あー……』」
初春「『うわぁ……』」
佐天「『”勿論、親友も好きなのですが、二人のためにも少し距離を置くべきでしょうか?”、だ、そうです』」
御坂「『あー、うん分かるわー。辛いわよねー、ホント辛いわ−』」
御坂「『お友達と好きな人が一緒いるのを見て、×したくて×したくて×したい気持ちは誰だって同じよね』」
初春「『御坂さん?』」
御坂「『でも――わざわざ離れる必要はないの思うよ?あなたがもしも親友さんの事を思っているんだったら、一番近く応援してあげるぐらいの気持ちじゃなきゃ!』」
佐天「『お、おぉ……!予想以上に真っ当なコメントだっ!』」
初春「『いやぁ……さっきから狂気の影がチラホラ見え隠れしてんですよねぇ』」
御坂「『良き隣人、良き友人としてのポジションを維持しつつ、温かく見守るの。二人のためだけにって私欲を見せずに信頼を重ねていって――』」
御坂「『――充分に”溜まった”ら、一気に裏切る……ッ!!!』」
佐天「『あ、確変モード入っちゃったねー。どうしよう?』」
初春「『どうせ全カットですから、気の済むように喋らせてあげてください。私もボタン押すの諦めました』」
御坂「『最初は小さなすれ違いを起こすだけでいいわ。”あれ?彼氏さんって昨日はお休みだったんじゃないの?”とか、”親友ちゃんの兄弟ってあんま似てないよねぇ”とかね――』」
御坂「『――大きな岩へ小さなヒビを入れていくの。ほんの小さな亀裂ができたら、タガネを打ち込んで修復できないように拡げて――』」
御坂「『――最終的に、そう最終的に彼の隣に立っているのがあなたであればいいのよ……ッ!!!』」 ニチャアァッ
初春「『すいませんスタッフの方、ブースの湿度が急上昇してるので除湿お願いできますか?』」
佐天「『あたしは寒気がするんだよね。風邪でも引いたのかな?』」
御坂「『そもそもあなたの親友が親友じゃないのよ!普通は空気読んで身を引くんじゃないの?』」
佐天「『……ねー、初春?ペルソ○3にこんなキャラ居なかったっけ?』」
初春「『続編ではキレッキレの狂気を見せつけるんですよね。お母さんの呪縛から逃れた途端それかい、的な』」
御坂「『次の質問は何!?あたしは誰の挑戦でも受けるわ!』」
佐天「『あーっと……”彼氏が浮気を”』」
御坂「『刺せば?それで永遠に彼氏はあなたのモノになるわよ?』」
初春「『御坂さんの後ろに”どす黒く燃える太陽”が見えます』」
佐天「『フェイスレス司○だよね』」
初春「『ここからどうやって立て直すんですか?殴って正気づかせる以外の方法で』」
佐天「『――はい、前半はここまでにしまして!後半は御坂さんの日常なんて聞きたいですねー!一体どんな生活を!』」
御坂「『え?別に大したことは、っていうか最初に言ったじゃない』」
佐天「『いやでも我々の認識とは違うと思うんですよ?こう常盤台では普通に思っていても、一般的な範囲じゃ違ったなー、みたいな』」
御坂「『あー……あるっちゃあるわね。ランチ頼んだら”え、学生それ食うんすか!?”って誰かにツッコまれたり』」
佐天「『いいですね!それ言ったのあたしですけど、ていうか葉っぱばっかりなのに桁が一つ違う定食には誰だってツッコミますが!』」
御坂「『いやアレ見た目は質素だけどね、値段相応のパフォーマンスを備えているのよ?オーガニックだからね』」
佐天「『オーガ……?あぁ知ってます知ってます、オークの親戚みたいなアレ?』」
御坂「『なんでよ。特定のジャンルで大活躍の豚じゃないわよ』」
初春「『もうここで収録する必要ないですよね?ていうかこのいつものグダグダっぷりをお届けするつもりで?』」
――職員室
教頭「――なんで呼ばれたか分かりますか?」
初春「校内放送ですね」
教頭「合ってますけど違います」
初春「呼ばれる理由が皆目見当がつかないんですが、これは県教育委員会へ訴えるべき案件でしょうか」
教頭「リアルな話になるからやめてくれませんか?例えそれ無実であっても影でコソコソ言われ続けるやつですよね?」
初春「勿論その前に友人同士で情報共有するつもりです」
教頭「仕事帰りにレールガンで狙撃されそうですよね。そして仮に重傷になったとしても一切報道されない」
初春「つまり――主導権がどちらにあるのか、もうお分かりですよね?」
教頭「私、教師歴そこそこ長いんですが、マウント取ろうとしてきた生徒は初春さんが始めてです」
初春「あ、それじゃ私はこの辺で」
教頭「まだ何も終わっていませんよ?文句がありますからね?」
初春「え?きちんと言われたとおりにお目付役としての仕事はしましたけど?」
教頭「……えぇまぁしてましたよ、してましたけどね?どこに出しても恥ずかしくない内容でしたよ?」
教頭「――ほぼ全て、雑談だけでしたがね!」
初春「当たり障りのない内容だったでしょう?」
教頭「……常盤台の学園長先生からとても丁寧なお礼状が届きましてね」
初春「それは初耳ですね。どのような?」
教頭「『こちらの生徒がご迷惑をおかけしてないか編集前のテープ出せよコラ』と」
初春「体裁は守りません?ほぼ脅しなんでしょうが」
教頭「……どうしましょうね?出すと確実に叱られる方が一人出ますが」
初春「良いんじゃないですかね?たまにはきちんとした大人に諭されるのも経験ですし?」
教頭「……分かりました。ではそのように」
初春「あー、あとですね。佐天さんが乗り気で、次のゲストの選定に入ってるって噂が」
教頭「来年度以降になりませんか?私、次はトバされ――もとい、移動になるんですよ?」
-終-