とある逆転するかもしれない裁判 〜パチ条当麻冤罪事件〜
――とある法廷
アックア「――ただいまから法廷を開廷するのである。被告人は法と真実、そして自らの神に従って真実だけを述べると誓うのである」
上条「……」
アックア「どうしたのであるか被告人。無神論者ならば両親や良心に誓うか、宣誓をを拒否するのも自由である」
上条「あぁいや父さん母さんでも、俺をイジってくる神様(※鎌池先生)でもなんでも誓うよ。嘘は言わないって誓うけど、一つ聞いていいかな?」
アックア「本来であれば不規則発言は厳に慎むのであるが、開廷直後故に認めるのである」
上条「あぁありがとう。つーかさ、ここって裁判所だよね?よくテレビで裁判官の顔中心に引いて撮る感じの」
アックア「そうであるな。私が裁判官役である」
上条「うん、一番のお誕生日席に座っておいて『ただの傍聴人である!』って可能性はないと思ったよ。そこはいいんだ」
上条「ただその、俺がお前へ対して真っ正面、つーか嫌っつーぐらい見られてんだけどこの席の意味は?」
アックア「質問は一つでは無かったのであるか?」
上条「言葉の綾だよ!?つーか確認だわ!自分の置かれてる理不尽な状況からの逃避に決まってんだろうがゴラアァッ!?」
アックア「被告人は静かに席へ着くように。というかさっきから何度も被告人被告人呼んでいるのであるが」
上条「憶えが!だからなんかやった憶えがねぇんだよ!?悪い事っつーかどちらかといえば俺は正義側に居たような気もするしさ!?」
上条「最近アレだぞ!ダークヒーローが持て囃されてるようだけど、最初っから正義の味方がいてこそなんだからな!そこを忘れんなよ!?」
アックア「誰に対して遠隔ツッコミを入れているのであるか全然分からないのである。うん、全然スピンオフ批判とかしてないのである」
上条「てゆうかアンケート葉書にも書いてるけどさ!俺のスピンオフっていつになったらしてくれるんだよ!?もう何年待ったと思ってるんだ!」
アックア「何度も言うようだが斬新な意見であるな」
上条「――と、いうわけで俺はこの辺でお暇して。うん、今日は近所の裏山でタケノコを掘るって仕事がな。タケノコ王に俺は、なる……ッ!」
アックア「微妙に窃盗なのであるが、まぁ座るのである。疚しい所がなければ素直に裁判を受けられる筈だが?」
上条「お前が不正をしない保障は?」
アックア「私は基本的には公平な立場なのである。嘗てローマ正教に属していたときも、比較的良識派と言えるのであった」
上条「魔王軍にトロール、オーガー、ホブゴブリンとデュラハンがいてだ?『エロいことはしないよ!ただただ殲滅するだけだよ!』ってデュラハンが言ってるだけだわ、それ」
アックア「私が適任で無いのであれば別の裁判官に替るだけであるが……しかしな」
上条「ちなみに次の人は?」
アックア「名前は知らないのであるが、髪を青く染めていた若人である」
上条「――じゃ、裁判進めちゃって下さいアックアさん!俺、お前なら公平で公正な裁判をしてくれるって信じてるから!」
アックア「理解してくれてなによりである。では被告人は良心に宣誓した、と記録するのである」
上条「てかもうなんでいんだよ青ピ……!あいつが控え室でスタンバってる時点でフラグじゃねぇか……!」
アックア「では検察官と弁護人、入廷するのである」
御坂・レッサー「……」
上条「チェンジで」
レッサー「超失礼でいやがりますねコラ。人の顔を見た瞬間に!誰が接客を伴う夜の飲食店ですか!?」
上条「ごめんなさい裁判官さん。このアホは本気で不祥事やら問題発言を起こしかねないから封印した方がいいと思います。石をくくりつけて井戸の底にでも」
レッサー「だから誰が貞○ですか!全国津々浦々の貞子さんにエラい風評被害じゃないですかね!」
上条「てか二人とも味方に回したらそこそこ使えるけど、敵に回したら絶望的な二人じゃねぇか……!」
御坂「誰がそこそこ使えるのよ!メッチャ役に立つわ!むしろ主役奪う勢いだわ!」
上条「だからそーゆーとこだよ!どれだけの数の主人公がお前の(の中の人)に人気を取られていったのか……!」
レッサー「さっ、上条さん!今日こそはあのアマに目に物ブイブイ言わせてやりましょうよ!」
上条「余計な修飾つけてっから意味が変ってる。てか、あれ?お前まさか……敵じゃねぇの?」
レッサー「くっくっくっく、任せてつかーさい!この『世界の法被』とイギリス仕込みの弁論術を見せつけてやりますよ!」
上条「うん、あのな?多分読んでる人混乱してると思うから補足しておくけど、お前が言いたかったのは『法匪(ほうひ)』な?法を濫用するアホを指す言葉なんだけども」
上条「でもお前が言ったのは『法被(はっぴ)』だよな?お祭りで着るアレっていうかボケが細かいんだよ!?説明しなきゃ分かんないボケってスベってんのと大差ないわ!」
×法被(はっぴ)――祭りで着る服
○法匪(ほうひ)――法を濫用する悪い人や職業。狭義でイギリスとフランスを指す
御坂「……あたしが検察になったからには何が何でも罪を償ってもらうわよ!覚悟しなさいよ!」
上条「すいません。検察官と弁護人ってチェンジできませんか?」
レッサー「この見事な配役に物申すだなんて!?それぞれのキャラ的にはマッチしてるというのに!?」
上条「お前が味方につくと、うん……負けるっていうか、負けフラグっていうか?」
上条「敵に回せば超面倒臭い反面、味方にすれば観光ガイドか『知っているのか雷○!?』以上でも以下でもないって言うね!」
レッサー「心外ですな!ロシアではあんなに尽したっていうのに!?」
御坂「あ、そうなの?あたしはICBMの解体とかしてたんだけど、あなたは何を?」
レッサー「……くっ!あからさまに見せつけてくれやがりますねこのアマ……ッ!あーたのそれに比べれば大抵の人間の努力なんてちっぽけでしょうとも!」
上条「『もしかして;主役より役に立ってる』、なんだよな……!ビリビリさんはもう少し自重しようぜ!」
御坂「はいはい、いいから席に座りなさいこの犯罪者」
上条「裁判長!検察がまだ罪が確定してないのに犯罪者って言いやがったよ!」
アックア「話が進まないので言う通りにするのであるな。では検察官、被告にかけられている嫌疑を述べるのである」
御坂「はい、被告上条当麻はイギリス・ロンドンにてシスターへ対してエロいことをしようとしました」
上条「……はい?」
御坂「更にはメンタルがちょっとヘラってる巨乳女を騙してクーデター騒ぎを起こし、それについて余罪含めて数十件ほど」
レッサー「ちなみに有罪になるとどんだけ喰らいます?」
御坂「日本”ですら”有罪になれば内乱罪か外患誘致罪で最悪死刑、かな?」
上条「日本語なのに意味が分からない!?どういう罪だよ!?」
御坂「『クーデターか外国手引きして内戦起こそうとしただろ?なら殺されても文句言えないよな!』、ね」
上条「分かりやすい説明ありがとうございますコノヤロー」
レッサー「やったね上条さん!私たちと同じ罪状ですよ、よっこのエロテロリスト!」
上条「くっ……!今まで散々イジってきたのがブーメランで返ってくるとは……!」
上条「――いやいや待てよコラ!確かにその罪状は合ってるよ!最初のエロいことなんたらは別にして!」
御坂「当事者共に未成年だし、正確には罪に問われないのよね。現行制度じゃ」
上条「いやそれも違うが!そのアホをやったのはやったけど俺じゃねぇだろって話だよ!俺じゃなくて別の人!」
アックア「ほう、つまり被告人はそもそもが人違いであり、冤罪だと主張するのであるか?」
上条「そうです!俺じゃなくてあのアホがやったんですよ!」
御坂「裁判長、被告人に質問があります。質疑へ入る前の論点整理という意味で」
アックア「認めるのである」
御坂「ありがとうございます――では被告人は自らの犯行ではないと主張するのですか?」
上条「お前またこういうときに限って理路整然と攻めてくるな……!こっちの弁護士が百均の小物並の存在感なんだから少しは手を抜きなさいよ!」
レッサー「例えが微妙です。『値段の割にはそこそこ見栄えする』と捉えられなくもないかと」
御坂「分かりました。では冤罪だとして……仮に真犯人をパチ条と呼称しましょう」
上条「それだと俺がパチンコ中毒みたいで嫌なんですが……」
御坂「あなたの犯行ではなく全てはパチ条さん単独の犯行だと仰る訳でしょうか?あのちょっと頭がアレな胸部肥大症の女と主犯で?」
上条「パチ条の犯行だからあの子は関係ない――と、思うから!」
御坂「ほう?つまりあなたはパチ条さんが罪を犯したという認識で合っていますか?」
上条「お前の丁寧語が超怖い、なんか母さんが父さんの浮気(未遂)を追求しているときのような……!」
レッサー「まぁ刺されるか撃たれるかの違いですからねぇ」
御坂「だ、誰が将来の嫁にする予定なのよ!?あと4年待ちなさいよ!」
レッサー「お気の毒ですが、日本で結婚できる年齢は18歳になったため、あと4年ですね」
上条「おい弁護士。ボケにツッコむだけの仕事だったら間に合ってんだよ」
レッサー「え!?弁護士って法廷で検察のボケへツッコむ仕事じゃないんですか!?」
上条「合ってる……か?なぁそれ合ってるって言っていいのか?」
御坂「どうなんですか被告人!?」
上条「認めます」
御坂「では4年後に結婚するので、今日から婚約期間と言うことで……やった!」
上条「そっちじゃねぇよ。なんで法廷コントで婚約が認められるんだよ」
レッサー「裁判長、被告は『俺じゃないけどパチ条がやったじゃんね』との意見らしいです。まんまと罠に嵌まりましたね」
アックア「で、あるな」
上条「罠?」
御坂「あなたは全ての罪はパチ条当人にあると言い――では、質問を変えましょう。その方は今どこに?」
上条「今ってそりゃ俺と再合体してここに、ここ」 ポンッ
御坂「記録には『被告は自らの右腕を触りながら言った』と注釈を入れてくださいね」
上条「おい、だから俺じゃないってば!」
御坂「あー、では被告へ重ねて問います。仮の話ですが痴漢が捕まったとしましょう。電車の中で女性へ触れた容疑です」
上条「本当にやってんのなら捕まって当然だ」
御坂「しかしその痴漢はこう言い出しました――『俺が悪いんじゃない!俺の右手が勝手にやったんだ!』、と!」
上条「それは言い訳になんないだろ。だって右手だろうが左手だろうが、そいつの一部、なん、だか、ら――」
上条「……」
上条「――あ、ヤベ!?これ終わってるわ俺!?」
レッサー「長い長いノリツッコミ本当にありがとうございました。上条当麻さんの次回のご活躍をお楽しみにして下さい」
上条「zipma○みたいな終わり方しないよ!?まだ俺の活躍は続くんだから、ほら、えーっとゾンビっぽいのと同じで!」
レッサー「スモーカ○中尉が主人公のアレももう少しで終わりそうですよね」
御坂「例えばあなたの手が誰かの胸部にタッチした場合、お嫁さんにするのが妥当では無いでしょうか!?」
レッサー「裁判長!今の質問は明らかにギャグへ走っています!」
アックア「面白いから却下である。検察官は質問を続けるのであるな」
上条「面白い?お前今面白いって言ったか?なぁ?」
アックア「誰とは言わないが、とある高貴な方が裁判を傍聴されているのであるな」
上条「クソっ……!誰も彼も俺をオモチャとしか思ってない!」
御坂「さて――上条当麻さん、パチ条さんはあなたの一部であり、類する犯罪やその責任もあなたに帰する、という認識を理解していただけましたか?」
上条「異議あり!俺は無実だ!」
御坂「裁判長?」
アックア「法的には検察官の言が100%正しいのである。法的には」
アックア「ただし『右手が自由意志を持って行動できた』という特殊なケースであり、被告人が罪を問われるのもおかしな話ではある――が」
御坂「そうですね、検察官としても思うところがない訳ではないのです。ただ後々の影響を考えるとそうも言っていられず」
アックア「とは?」
御坂「パチ条の犯行であると共に『なぜか彼がそうしなければいけなかったのか?』と」
アックア「そうか……ならば仕方がないのであるな。続けるのである」
上条「ねぇ今あの人たち何つったの?なんか話噛み合ってなくなかったか?」
レッサー「要は『面白そうだからこのままで』、ですかね。閉廷するのもなんかアレですし」
上条「裁判長と検察がグルの時点でもう詰んでいる……!」
レッサー「大丈夫ですよ!最悪死刑は回避させますからね私が!」
上条「ネタじゃないんだよね?日本ですら極刑ありの犯罪なんだから、海外では洒落にならないんだよね?」
レッサー「死刑制度のない国でも『あ、確保するときに間違ってパパンしちゃった☆メンゴメンゴ☆』って事故が自動的に起きます」
上条「成文法で死刑が明記してある国より、現場の裁量で執行できる(と、噂されている)国の方が問題じゃないか……?」
レッサー「ご心配なく!我々は心に棚を複数用意し、舌を数枚装着することでこの矛盾を解消しているのですよ!」
上条「お前らもう文明人名乗るのやめろよ」
御坂「ではまず証人を呼びたいと思います――どうぞ!」
ガラガラガラガラ
上条「なに?ついたて?」
御坂「相手は未成年かつ女性なので仕方がないのよ。証人Aさん、話しても大丈夫ですか?辛かったらいつでも言ってくださいね?」
証人A『大丈夫なんだよ』
上条「何やってんすかインデックスさん」
証人A『ち、違うんだもん!』
アックア「被告人は不規則発言を禁じるのである!あと証人Aはもう少し演技を頑張るのであるな!」
上条「『だもん』ってお前……」
レッサー「違うかも知れませんよ上条さん!もしかしたらヤダモ○さんという可能性もあるじゃないですか!」
上条「オイだから誰が知ってんだよヤダモ○。今からざっと28年前にNH×で放送してた幼女(5歳)が主人公のアニメを誰が知ってんだよ!?」
レッサー「ハリガ○に出てくるパチモン王子並にネタ拾いますよね」
証人A『やだやだ、ヤダモン!』
レッサー「ねっ……ッ!?」
上条「後で誰が台本書いたか教えなさいよ!お前の記憶能力はアホ話を憶えるためにあるんじゃないんだよ!」
レッサー「あの理屈で言うのであれば、人類がパソコンを手にしてもエロいゲームとかエロくないゲームをするのにしか使ってないような」
上条「それで食ってる人もいるんだからいいんだよ!他にも動画を見たりマンガ読んだりしてるしさ!」
御坂「はいそこうるさい、証人Aさんが怯えるでしょうが……で、Aさん?何があったのか話してくれませんか?」
証人A『……』
上条「おいこれ大丈夫か?実は俺が乱入する前に空白の時間帯が1時間ぐらいあったけど、編集されてたって話じゃないよな?」
レッサー「それは文字通り神のみぞ知るってヤツですなぁ」
御坂「えっと……嫌な思いをしたのね、有り体に言えば?」
証人A『……うんまぁ、とらうまっていうかな。自分の家族が変装した誰かっていう感じだったんだよ……!』
レッサー「The thin○ですね!色々な意味で食べられるって言う!」
上条「慎め、なっ?」
証人A『いやぎゃぐで言ってるけども!「あれ?このとうまの中身ってどっち?」ってふと思い出してぱにっくになるんだよ!』
上条「そこはほら、えーっと、あれだ!ギャグだと軽く流しておけば!笑い話にしてなるべく深刻じゃないようにしておこうぜ!」
レッサー「……まぁあの件で大ケガしたのは上条さんですからねぇ。本来であれば裁判起こしたい側でしょうし」
御坂「……そっか、辛かったのねあなたも。ごめんなさい、言い辛いことを聞いてちゃって」
証人A『いいんだよ……いい気分じゃないけど、駄目なものは駄目なんだよ、ってはっきり言うのも仕事みたいなものなんだよ』
御坂「でも、ね?人の価値ってのはそう簡単に失われないものなのよ、それを忘れないで?」
御坂「例え穢されようと、そう、前向きに生きていこうって意志が!人を輝かせて見えるってこともあるの!例え穢れてしまっていても!」
証人A『なんで二回言ったのかな?二回言ったらまるでわたしがけが、っていうかまぁケガしたみたいに聞こえないかな?』
御坂「だから気を落さないで!騙されたのは事実だけどあなたに責任があるわけじゃないの!自分を責めないで!」
証人A『あれ?話が通じてないんだよ?』
レッサー「見てください上条さっ!あそこに悪魔がいますよ!隙を見せた相手を崖下へ今まさに突き落とそうとしてます!」
上条「俺は何も見てない……!コワイから何もなっ!」
御坂「――裁判長!これ以上の証言は彼女にとっても負担になります!どうか証言はこのぐらいで許してあげてください!」
証人A『まだ何も言ってないし、別に全部喋っても一向に構わないんだけど……』
御坂「いいのよ!あなたの勇気は伝わったから!これ以上同じ女として恥をかかせるわけにはいかないの!」
証人A『ちょっと待つんだよ!?その言い方だと何かあったみたいに聞こえ――はっ、まさか!?』
証人A『――短髪は最初からきせーじじつ的なものをでっち上げようと……ッ!?』
御坂「……ありがとう。あなたの勇気ある証言はきっと正義とあたしの糧になるわ、きっとね!」
証人A『ちょっ待っ――』
刑務官『――はい、失礼致しますの』
ヒュンッ
御坂「以上で検察の質問を終わりたいと思います」
上条「……ビリビリの闇を見た……!」
レッサー「何言ってんですか、この業界ヒロインが強くないとやっていけませんよ!」
上条「強いは強いでも意味が違うんだよ!どこの世界のヒロインが法廷戦術で相手の名誉を合法的に失墜させんだ!?」
アックア「では弁護人。証人Aへの質問か、新しい証人を呼ばないのであるか?」
レッサー「証人Aさんの傷を抉るようなことは、ちょっと……」
上条「おいインデックス!お前の敵がここにも一人いたぞ!」
レッサー「まぁ私からすれば『必要悪の教会』ですら敵っちゃあ敵ですからねぇ。半年以上同棲しているのに手を出さないとは!やはり年齢がネックなのかっ!?」
上条「うん、その台詞に共感はしない、しないんだけどもっと世間様は俺を誉めてくれてもいいと思うんだよ。俺の常識をだな」
レッサー「裁判長!弁護人は別の証人Bを要求するであります!」
上条「B?他に誰か被害者って……あぁあの常盤台の子か。能力使いまくってフラッフラしてた」
アクッア「許可するのである。証人B、入廷するのである」
証人B『――まいど!おおきに!』
上条「一枚も噛んできてねぇなお前!?つーか出番すらなかっただろ青ピ!?」
証人B『し、知らない人でんなぁ!そんなナイスガイの名前なんて知らへんよ!』
上条「ついたて越しでも分かるこの圧迫感!ドロドロした性欲がこっちにまで流れ込んでくるんだよ!」
証人B『ふっ、流石はカミやん、いや――別名ボクの宿命のライバルには隠し事できへんっちゅーことやんね……ッ!!!』
上条「なっ?このノリがもうウザいだろ?」
証人B『当たり強くあらへん?ボクとつちみーへ対してだけキツいのなんで?なんか悪い事してん?』
レッサー「照れてるんですよ、言わせないでくださいな恥ずかしい」
証人B『やんな!ボク実はそう思っとったわ!』
御坂「弁護人さん、なんなんだけどなんでこの人呼んだの?害にはならない、とは思うけど別にプラスにもならないような」
上条「ほーら見ろ!敵側からも心配されてんだぞ!?主にお前の脳が!」
レッサー「それは私の腕の見せ所ですな!ブリテンの詐欺話術見せて差し上げましょう!」
レッサー「では証人Bさんにお聞きします。あなたの守備範囲、別名ストライクゾーンをお教えくださいな!」
上条・御坂「なんでだよ」
証人B『基本的に言葉は通じなくてもいいから意思疎通かある程度できて種族は人類以外もアリはアリで二次元から三次元までなんだったら可愛ければ性別の壁も越える覚悟で人妻からロ×までゆりかごから墓場までドンと来い的な?』
証人B『てゆうか、アレやん?愛があれば、愛の通じる相手って大事やん?』
御坂「超早口で怖いこと言ったのに、シメがまともだから、うーん……?」
上条「うんまぁ主張はただの不審者だけど、犯罪らしい犯罪は徘徊して声かけまくるくらいだから、うん。犯罪かどうかってのは、まだね、まだだけど」
アックア「迷惑某条例に引っかかりそうな感じであるな」
レッサー「素敵な回答ありがとうございます。ではそんな性的なバーリトゥーダの証人Bさんは中古物件についてどうお考えで?」
上条「待てやテメー!何急にシモの話になってんだよ!しかもエゲツナイやつだ!」
レッサー「いえそんなことは一言も?私はただ昨今の賃貸契約について聞いているだけですから」
上条「百歩譲ってその言い訳だったとしよう!だとしても俺の裁判で家賃がどうって話になんだよ!?」
レッサー「上条さん……私は今回の、つーかロンドンでの成り済まし事件について、ずっと不思議に思っていたんですよ」
上条「何がだよ?」
レッサー「まぁ酷使したツケであれば仕方がないとは思いますし、上条さんと入れ替わって『俺だったら失敗しないズェ!』も分かるんですけど」
レッサー「どうして最初の仕事がシスターに手をつけるところからだったのでしょうか?」
上条「俺が知りたいわ!俺だって『まずその仕事から手をつけんのか、早っ!?』って思ったよ!」
上条「てゆうか一番ショックだったのは俺だよ!世界を敵に回したり『しあわせなせかい』で心折られたり!ずっと前からのダチもポッと出の上里君にNTRれたり!」
(※青ピは抱かれていません)
上条「ずっと一緒にやってきた唯一の相棒だと思ってたのにさ……!最後の最後で裏切られるだなんて……!なんだよチクショウ……!」
レッサー「あー、すいません。お察ししますがそういうことじゃなくてですね、私が言いたかったのは動機ですよ、動機」
レッサー「今回の事件に関しては、パチ条さんの動機を知る事が解明の鍵だと思ったんですな。これが」
御坂「動機?だからパチ条が『自分でやってみたい』って事なんじゃないの?」
レッサー「全ての真実を当事者の口から完全に語られるども?つーかあの嘘吐きが動機についてだけは嘘を吐かなかった、と?」
御坂「……まぁ、そうね。信じられる話はなかったけど」
レッサー「あくまでも私の想像ですが、彼は何か隠していませんでしたか?私たちにも窺い知れない何かを」
上条「……俺のため、とは言わないけど、誰かか何かのためにわざと悪役を演じた、ってのか?」
レッサー「むしろそっちの方がストンストンと腑に落ちません?腐っても”上条”さんの一部ですし」
御坂「ストンは一回で充分よ。ない話じゃない、かな?聞いてみないことには分からないわ」
上条「否定しないし仮説っても聞いてみたいけどさ。何度も言うけど証人が証人だよ。他の人でも良かっただろ?」
レッサー「私の仮説が正しければ、ある意味上条さんよりもより”上条当麻”の本質を知る証人Bさへ聞いた方がいいと思います」
レッサー「ほら、あるでしょう?自分自身のことよりも俯瞰して見ている第三者の方が詳しい、なんてこと?」
アックア「質問の妥当性を認めるのである。弁護人は速やかに質問をするのであるな」
レッサー「分かりました、ではパチ条さんの本体部分、上条さんの好みのタイプは管理人さん、ぶっちゃけ言えば中古物件を好んで住むタイプの人間です」
上条「なんでだよ!?全国の『めぞん一○』ファンと『立花館To Lieあんぐ○』ファンに謝れやゴラアァッ!!!」
御坂「後半の例えがニッチすぎるわ。あれも寮ものだけど、うん、なんかこうね!」
証人B『ほら、カミやん百合モン好きだから?あれを純粋な百合モンと呼んでいいのか迷うけど』
レッサー「いえいえ別に責めているわけではないんですよ?中にはカプセルホテルが好きな方もいれば、豪邸に住むのを目的とする方もいます」 チラッ
御坂「なんで今カプセルっつった時点でこっち見たあぁごら!?」
上条「今はちょっと営業できないだろうな。てかあれのマニアはいないとは言わないが、少ないと思う」
御坂「これ、もしかしなくても物凄く失礼な事言ってるわよね?確実に?」
上条「い、いや!あくまでも賃貸や物件の話をしているんであって他意はないんだ!」
レッサー「ご理解いただけたのでしたら引き続き不動産の話へ戻りたいと思うのですが、証人Bさん」
レッサー「男性にとって中古物件とはどのような扱いでしょうか?できれば大きな視点から説明してもらえませんか?」
証人B「またプレッシャーやんなぁ。流石のボクも♂代表っちゅーんは気が引けるし、個人的な見解の域を出んよ?ええの?」
レッサー「はい。ならそれで」
証人B「まぁ中古や新古や事故物件や、そういう心ない呼び方をするアホもおる。ネタにするんもどうかと思うわ」
証人B「なんちゅーか人が人であるのを形作んのは”出会い”やとボクは思うんよ。両親と出会い、友達と出会い、恋人と出会い」
証人B「勿論幸せな出会いだけやないよ?傷つくのもあるし、最初は良くても結果的に傷つくってもある話やん?」
証人B「でも、そういう一つ一つの出会いが!結果的に人を成長させたり、人としての深みを出すってボクは思うんよ!」
上条「……いいぞ青ピ!思った以上にまともな意見だった!まるで『こう聞かれたら言うだけこう言っとけ』みたいなサンプルがあったかのような!」
御坂「知ってるんだった黙っときなさい」
レッサー「……ありがとうございました。私は確信を持てました――裁判長!」
アックア「しばらく話を振られないので忘れられたと思ったのであるな。どうしたのだ弁護人」
レッサー「パチ条さんは確かに罪を犯しました!じぽ案件にクーデター未遂!それは寄生先の上条さんも認めるところです!」
上条「帰省先みたいに言うなよ。誰が実家感覚だ」
レッサー「だがしかし!証人Bさんの証言で分かった事があります、それは――」
レッサー「――”優しさ”が犯行動機であり、パチ条さんには情状酌量の余地がある、と……ッ!!!」
上条「弁護人、お前疲れてんだよ。つーかお前に会う度言ってんだけどさ」
レッサー「いいえ疲れてなどいませんとも!私は大真面目ですよ!全ての原因は上条さんにあると言っても過言ではないでしょうし!」
レッサー「証人Bさん、上条さんの癖(へき)を一言で言えば?」
証人B「管理人・未亡人hrhr」
上条「おまっ裁判所に記録残んだぞ!?あぁいや否定はしないが!違うって訳でもないけど!」
レッサー「……えぇまぁ上条さんは残念ながら新品よりも中古物件がお好きな方です。それが悪いのではありません。悪いのはタイミングだったのです」
上条「タイミング?」
レッサー「そう、確かに証人Aさん過去に多くの男性遍歴があり、深く関わった人間全ての運命を狂わせてきました」
バタンッ
証人A『異議があるんだよ!?それはそうかもしれないけど、私がしたくてやったんじゃないんだし!』
アックア「異議を認めるのである。証人Aへ対する憶測を控えるように」
レッサー「というか証人Aさんはパチ条さんと半年以上暮らしてきて何もない。それは上条さんが誉められるべきか、今時の主人公にはあるまじきことと言うべきか」
上条「言っとくけど正しいのは俺の方だよ!最近のってヒロイン使い捨てだわさす主しか言ってねぇわ異世界行ったら奴隷買って即手を出すわって、お前らどっかおかしいのか!?エロゲーじゃねぇんだぞ!?」
レッサー「なんであれ売れればそれが正しいのです。そういう世界ですから」
レッサー「まぁ上条さんのモラルは素晴らしいと思います。人様から預った子を大切にしていますし、手放しで賞賛されるべき――」
レッサー「――しかしそれは本当に?」
上条「含みを持たせんな。確かになんかしたらステイルに生前葬されるって思いもあったけど、それだけじゃないぜ?」
上条「インデクッスは俺の大切な”友達”なんだ!”友達”をエロい目で見たり手を出したりはしないぜ!だって”友達”なんだからなっ!」
証人A『お、おおふ……!』
御坂「すいません被告人。あたしが可哀想に思うぐらい死体蹴りはやめてあげてください、いやマジで」
レッサー「異議あり!今の被告人は嘘を吐いています!」
上条「あれ?なんでウチの弁護士は俺を攻撃しているのかな?」
レッサー「被告人が好きなのは管理人!そしてパチ条さんが作ろうとしたのは中古物件!この二つから導き出される結論は――」
レッサー「――パチ条さんは上条さんの癖(へき)に合わせるため、敢えて手を出そうとしたと……ッ!!!」
上条「そっか……パチ条は俺のためにインデックスにエロいこと(未遂)して、バレたら逆ギレしてクーデター起こしたのか……!」
上条「――ては、ならねぇよ!?何をどうしたって擁護できる要素皆無だろ!?頭大丈夫か!?」
証人A『待って!?その結論だと一方的に損しかしないのは私なんだけど!なにその思いやり!?人類史上最低の気遣いじゃないかな!?
上条「気遣いっていうか気が違ってるっていうか」
レッサー「だって相手は上条さんの上条さんですよ!?ちょっと狂ってるぐらいがフツーじゃないですか!?」
御坂・アックア・証人A・証人B「あー……」
上条「だからやめろよ!?ここで納得する流れじゃないでしょうが!」
レッサー「彼も……パチ条さんも被害者だったのかもしれません。上条当麻に踊らされた犠牲者の一人に過ぎない」
レッサー「今にして思えばバレたあとの行動も完全にやっつけ。計画性があるとは思えないのですよ」
御坂「そう、ね。あのままだったとしても、あのアマが壊れていつか終わってたでしょうしね」
レッサー「彼は上条さんの右手に戻りもう物言うことはありません。なので動機も全てが推測にしか過ぎないのですが」
レッサー「しかし我々パチ条さんの心情を思いやることはできます。日々酷使され続け、切れたと思ったらまた繋がったり、アホの宿主を生かすために必死ですよ」
上条「アホって言ったか?なぁ?」
レッサー「他に、あー、あれじゃないですかね。パチ条さんも毎日毎日女体ではなく、上条さんの上条さんを××××させていたのがパチ条さんにとって屈辱だったんじゃないですかね?」
上条「やめて言わないで!?俺だけじゃないよ?!全世界の男子高校生だったらそんなもんだよ!」
上条「つーか『俺の右手には意志が宿ってる――尊重しないといけないな!』って真顔で言ってたら、お医者様案件だよ!」
レッサー「中二なら一回ぐらいは言ってもいいと思いますが。最近はスマフォで神様と連絡取ったり取らなかったりするそうですけど」
上条「あれこれヘイトじゃねぇのかな?
証人B「まるで将○やんな」
アックア「規則発言と問題発言は慎むのである」
上条「てかこいつ問題発言しかしてねぇだろ!?誰だこいつ弁護人にしたのは!?」
レッサー「――さて、では最後に証人Bさんへお聞きします。あなたは中古も新古物件もイケる口なのは分かりました」
レッサー「その上で敢えてもう一歩踏み込みますが!例え中古物件であってもヒロインは可の――」
証人B『あ、無理無理。ヒロインは無理やねんよ。ごめんなー』
レッサー「う、ですよね……?」
証人B『いやだから無理無理。ヒロインはちょっとアレやよ、前の男の影がチラつくようじゃ勤められへんし、ボクらの方でもちょっと今回はご縁がなかったことで、みたいな?』
証人B『ええのよ、昔何があったとしても?ただのお互いの価値観を大事にしようって思わへん?』
レッサー「え、えぇですから!」
証人B『でもボクと価値観が違ってたら、どっちか選べっちゅー話でもないと思んのよ。どっちかが我慢して、どっちかが優先されるとか、そんなに多文化共生でもなんでもあらへんし』
証人B『そこで大事なのがゾーニング!お互いに無理せぇへんのが大事やと思うね!ボクは!』
上条「おい……大丈夫か?ほんの少しだけ上がったお前の株がサーキットブレイカー発動するぐらいに落ちてんぞ?」
証人B『そんな――カミやんは嘘吐きや!ボクの方が本音言ってますぅ!』
証人B『誰でも!誰だって一生住むんやったら新築物件に決まっとるわ!アホかっちゅーねん!お城でもない限りは普通な!』
証人B『それは男女問わず新築に拘るっちゅーねん!言うやん、「ショ○は成長して迎えに来るまでかワンセット」ってな!』
レッサー「……確かにっ……!!!」
上条「一部だけな?ショ○ってジャンルそのものが全体としちゃニッチな層だって憶えとけコラ」
証人B『何も無理に価値観摺り合わせる必要ないですやんか!?お互いにそれぞれの世界で、それぞれの価値観を守って楽しくやりましょうや!?』
証人B『前に……とあるエロ○ーがあったんよ』
上条「だから待てよ。エロゲ○の例え話の時点でもう何も参考にならないだろ。あれ作ってんのって0.1が天才で、残りの99.9%は社会不適合者なんだぞ」
証人B『そのエロゲ○は全体的に良ゲーで、まぁシステムやバグも大してなくて、今出したら名作と呼ばれる感じやったん。ただ全体的に地味やけど』
証人B『……けど、ある日メーカーのHP見たら修正パッチが出とってな。「うん?バグってあったんや?」って解凍して付属のテキスト読んだら、そこに書かれていたのは――』
証人B『「このパッチをあてると○○(ヒロイン名)が処×になります」って但し書きがあったんよ……ッ!!!』
(※実話です)
上条「何があったんだよそのメーカー!?ユーザーからどんだけ抗議届いたんだ!?」
(※興味がある方は「はっぴぃ☆マーガレット○」で検索しましょう)
証人B『いや別にボクは拘らんけど!何かもうゲーム内容ほったらかしでそのネタばかりが先行しぃの、続編やファンディスクも出ぇへんかったわ!』
証人B『つまり!ボクは主張したいね!お互いに拘り持つのは自由なんやから、相手に押しつけるのはやめようって!』
証人B『萌え絵が嫌やったら見んのやめぇよ!ジェンダー論に結びつけるん、どっかおかしいわ!フィクションやでこっちは!?』
レッサー「すいません裁判長。私がシメへ入ってからの質問全てを議事から削除してください」
アックア「認めるのであるな。使用人B、いい加減にして下がるのである」
証人B『あんただってそうやろ!憧れの女の子がアレやったら引くやろ!?』
アックア「人によって違うのである。場合によってはフランスと戦争であるが」
レッサー「まぁこれに関してはどうかと思わないでもないですが……ともあれ!パチ条さんにも慈悲を!彼だって被害者なのです!」
上条「ねぇ俺は?下手すればドラゴンにジョブチェンジして、第二の人生を竜種としておくらなければいけなかった俺は被害者じゃないの?」
レッサー「(竜……少女……冒険……古代遺産……自己犠牲……!)」 ボソボソッ
上条「なんか素敵なワード!ジブ○でスッゲー美化されてありそうな!」
御坂「はいそこ簡単に騙されるな。最後のシーンで死ぬ役でしょうが」
アックア「えぇと随分センシティブな話題になってしまったのであるが、判決の前に一つだけ」
アックア「この世界の森羅万象、全ての事柄へ値札をつけるのは自分自身である」
アックア「よくある未開封商品がビンテージとして高値がつく。それはまぁいいのである。それもまた価値観の一つである故にな」
アックア「しかしながら物にせよワインにせよ、本来の目的である消費や使用せずに取っておくのが幸せだと言えるであろうか?」
アックア「極端な話、クマにぬいぐるみは子供の側で汚されるのが仕事であって、大切に保管してあるのが本懐では決してないのであるな」
アックア「――と、いうのもまた所詮は数多ある価値観の一つに過ぎないのである」
レッサー「(ねぇこれ議論すり替えてません?)」
上条「(レッサーさんはシーッで!折角それっぽくまとめたんだから乗らないと!)」
アックア「――では判決を言い渡すのである。被告人パチ条当麻と上条当麻には無罪を言い渡すのである」
証人B『友情、プライスレスやん?』
上条「お前のお陰じゃねぇよ!?最初っから当然の結論に落ち着いただけだよ!?」
アックア「とも、言い切れないのである。パチ条の行いは未だもって不明。善意なのか悪意なのか、それとも過失なのかは分からないのである」
アックア「またその過程において複数の少女の心を傷つけたのは許されざる行いである。それは絶対に」
証人A『いやあの、だからね?あんまこう深刻っぽくなっちゃうと、それはそれで「あぁ……そうだったんだ」みたいな空気になるから!ギャグで流してくれないと困るんだよ!』
上条「アックアは、まぁ何でも真面目な人だから」
アックア「しかしながらパチ条が居ない以上、上条当麻を代理で罰するのも理に反しているのである。少なくとも責が証明されない以上は」
上条「よっしゃ!当たり前だけど助かったぜ!」
レッサー「どうですか!報酬はフロリスと結婚する権利で結構ですよ!」
上条「他人をダシにすんなよ。あんなDV嫁はちょっと嫌だわ」
アックア「待つのである。付帯というか、傍論として付け加えることがあるのである」
上条「傍論?」
アックア「このまま無罪放免というのも何なので、パチ条には次回からも酷使される運命を与えるのである。罰として」
上条「あぁ俺が『右手』を使わなきゃいけないような騒動に巻き込まれ――」
上条「……」
上条「――それ結局被害者俺もだろ!?『右手』を酷使しなきゃなんなくなるのって相当ヤバいってことだよ!?」
アックア「――以上!当法廷は閉廷するのである!」
レッサー「あぁでも考えようによっては『なーんだ、今までと同じじゃん!』ってことじゃないですかね?」
上条「だから嫌なんだよ!いい加減俺も平和なスピンオフが来てもいいだろ……!」
-終-
アックア「――ただいまから法廷を開廷するのである。被告人は法と真実、そして自らの神に従って真実だけを述べると誓うのである」
上条「……」
アックア「どうしたのであるか被告人。無神論者ならば両親や良心に誓うか、宣誓をを拒否するのも自由である」
上条「あぁいや父さん母さんでも、俺をイジってくる神様(※鎌池先生)でもなんでも誓うよ。嘘は言わないって誓うけど、一つ聞いていいかな?」
アックア「本来であれば不規則発言は厳に慎むのであるが、開廷直後故に認めるのである」
上条「あぁありがとう。つーかさ、ここって裁判所だよね?よくテレビで裁判官の顔中心に引いて撮る感じの」
アックア「そうであるな。私が裁判官役である」
上条「うん、一番のお誕生日席に座っておいて『ただの傍聴人である!』って可能性はないと思ったよ。そこはいいんだ」
上条「ただその、俺がお前へ対して真っ正面、つーか嫌っつーぐらい見られてんだけどこの席の意味は?」
アックア「質問は一つでは無かったのであるか?」
上条「言葉の綾だよ!?つーか確認だわ!自分の置かれてる理不尽な状況からの逃避に決まってんだろうがゴラアァッ!?」
アックア「被告人は静かに席へ着くように。というかさっきから何度も被告人被告人呼んでいるのであるが」
上条「憶えが!だからなんかやった憶えがねぇんだよ!?悪い事っつーかどちらかといえば俺は正義側に居たような気もするしさ!?」
上条「最近アレだぞ!ダークヒーローが持て囃されてるようだけど、最初っから正義の味方がいてこそなんだからな!そこを忘れんなよ!?」
アックア「誰に対して遠隔ツッコミを入れているのであるか全然分からないのである。うん、全然スピンオフ批判とかしてないのである」
上条「てゆうかアンケート葉書にも書いてるけどさ!俺のスピンオフっていつになったらしてくれるんだよ!?もう何年待ったと思ってるんだ!」
アックア「何度も言うようだが斬新な意見であるな」
上条「――と、いうわけで俺はこの辺でお暇して。うん、今日は近所の裏山でタケノコを掘るって仕事がな。タケノコ王に俺は、なる……ッ!」
アックア「微妙に窃盗なのであるが、まぁ座るのである。疚しい所がなければ素直に裁判を受けられる筈だが?」
上条「お前が不正をしない保障は?」
アックア「私は基本的には公平な立場なのである。嘗てローマ正教に属していたときも、比較的良識派と言えるのであった」
上条「魔王軍にトロール、オーガー、ホブゴブリンとデュラハンがいてだ?『エロいことはしないよ!ただただ殲滅するだけだよ!』ってデュラハンが言ってるだけだわ、それ」
アックア「私が適任で無いのであれば別の裁判官に替るだけであるが……しかしな」
上条「ちなみに次の人は?」
アックア「名前は知らないのであるが、髪を青く染めていた若人である」
上条「――じゃ、裁判進めちゃって下さいアックアさん!俺、お前なら公平で公正な裁判をしてくれるって信じてるから!」
アックア「理解してくれてなによりである。では被告人は良心に宣誓した、と記録するのである」
上条「てかもうなんでいんだよ青ピ……!あいつが控え室でスタンバってる時点でフラグじゃねぇか……!」
アックア「では検察官と弁護人、入廷するのである」
御坂・レッサー「……」
上条「チェンジで」
レッサー「超失礼でいやがりますねコラ。人の顔を見た瞬間に!誰が接客を伴う夜の飲食店ですか!?」
上条「ごめんなさい裁判官さん。このアホは本気で不祥事やら問題発言を起こしかねないから封印した方がいいと思います。石をくくりつけて井戸の底にでも」
レッサー「だから誰が貞○ですか!全国津々浦々の貞子さんにエラい風評被害じゃないですかね!」
上条「てか二人とも味方に回したらそこそこ使えるけど、敵に回したら絶望的な二人じゃねぇか……!」
御坂「誰がそこそこ使えるのよ!メッチャ役に立つわ!むしろ主役奪う勢いだわ!」
上条「だからそーゆーとこだよ!どれだけの数の主人公がお前の(の中の人)に人気を取られていったのか……!」
レッサー「さっ、上条さん!今日こそはあのアマに目に物ブイブイ言わせてやりましょうよ!」
上条「余計な修飾つけてっから意味が変ってる。てか、あれ?お前まさか……敵じゃねぇの?」
レッサー「くっくっくっく、任せてつかーさい!この『世界の法被』とイギリス仕込みの弁論術を見せつけてやりますよ!」
上条「うん、あのな?多分読んでる人混乱してると思うから補足しておくけど、お前が言いたかったのは『法匪(ほうひ)』な?法を濫用するアホを指す言葉なんだけども」
上条「でもお前が言ったのは『法被(はっぴ)』だよな?お祭りで着るアレっていうかボケが細かいんだよ!?説明しなきゃ分かんないボケってスベってんのと大差ないわ!」
×法被(はっぴ)――祭りで着る服
○法匪(ほうひ)――法を濫用する悪い人や職業。狭義でイギリスとフランスを指す
御坂「……あたしが検察になったからには何が何でも罪を償ってもらうわよ!覚悟しなさいよ!」
上条「すいません。検察官と弁護人ってチェンジできませんか?」
レッサー「この見事な配役に物申すだなんて!?それぞれのキャラ的にはマッチしてるというのに!?」
上条「お前が味方につくと、うん……負けるっていうか、負けフラグっていうか?」
上条「敵に回せば超面倒臭い反面、味方にすれば観光ガイドか『知っているのか雷○!?』以上でも以下でもないって言うね!」
レッサー「心外ですな!ロシアではあんなに尽したっていうのに!?」
御坂「あ、そうなの?あたしはICBMの解体とかしてたんだけど、あなたは何を?」
レッサー「……くっ!あからさまに見せつけてくれやがりますねこのアマ……ッ!あーたのそれに比べれば大抵の人間の努力なんてちっぽけでしょうとも!」
上条「『もしかして;主役より役に立ってる』、なんだよな……!ビリビリさんはもう少し自重しようぜ!」
御坂「はいはい、いいから席に座りなさいこの犯罪者」
上条「裁判長!検察がまだ罪が確定してないのに犯罪者って言いやがったよ!」
アックア「話が進まないので言う通りにするのであるな。では検察官、被告にかけられている嫌疑を述べるのである」
御坂「はい、被告上条当麻はイギリス・ロンドンにてシスターへ対してエロいことをしようとしました」
上条「……はい?」
御坂「更にはメンタルがちょっとヘラってる巨乳女を騙してクーデター騒ぎを起こし、それについて余罪含めて数十件ほど」
レッサー「ちなみに有罪になるとどんだけ喰らいます?」
御坂「日本”ですら”有罪になれば内乱罪か外患誘致罪で最悪死刑、かな?」
上条「日本語なのに意味が分からない!?どういう罪だよ!?」
御坂「『クーデターか外国手引きして内戦起こそうとしただろ?なら殺されても文句言えないよな!』、ね」
上条「分かりやすい説明ありがとうございますコノヤロー」
レッサー「やったね上条さん!私たちと同じ罪状ですよ、よっこのエロテロリスト!」
上条「くっ……!今まで散々イジってきたのがブーメランで返ってくるとは……!」
上条「――いやいや待てよコラ!確かにその罪状は合ってるよ!最初のエロいことなんたらは別にして!」
御坂「当事者共に未成年だし、正確には罪に問われないのよね。現行制度じゃ」
上条「いやそれも違うが!そのアホをやったのはやったけど俺じゃねぇだろって話だよ!俺じゃなくて別の人!」
アックア「ほう、つまり被告人はそもそもが人違いであり、冤罪だと主張するのであるか?」
上条「そうです!俺じゃなくてあのアホがやったんですよ!」
御坂「裁判長、被告人に質問があります。質疑へ入る前の論点整理という意味で」
アックア「認めるのである」
御坂「ありがとうございます――では被告人は自らの犯行ではないと主張するのですか?」
上条「お前またこういうときに限って理路整然と攻めてくるな……!こっちの弁護士が百均の小物並の存在感なんだから少しは手を抜きなさいよ!」
レッサー「例えが微妙です。『値段の割にはそこそこ見栄えする』と捉えられなくもないかと」
御坂「分かりました。では冤罪だとして……仮に真犯人をパチ条と呼称しましょう」
上条「それだと俺がパチンコ中毒みたいで嫌なんですが……」
御坂「あなたの犯行ではなく全てはパチ条さん単独の犯行だと仰る訳でしょうか?あのちょっと頭がアレな胸部肥大症の女と主犯で?」
上条「パチ条の犯行だからあの子は関係ない――と、思うから!」
御坂「ほう?つまりあなたはパチ条さんが罪を犯したという認識で合っていますか?」
上条「お前の丁寧語が超怖い、なんか母さんが父さんの浮気(未遂)を追求しているときのような……!」
レッサー「まぁ刺されるか撃たれるかの違いですからねぇ」
御坂「だ、誰が将来の嫁にする予定なのよ!?あと4年待ちなさいよ!」
レッサー「お気の毒ですが、日本で結婚できる年齢は18歳になったため、あと4年ですね」
上条「おい弁護士。ボケにツッコむだけの仕事だったら間に合ってんだよ」
レッサー「え!?弁護士って法廷で検察のボケへツッコむ仕事じゃないんですか!?」
上条「合ってる……か?なぁそれ合ってるって言っていいのか?」
御坂「どうなんですか被告人!?」
上条「認めます」
御坂「では4年後に結婚するので、今日から婚約期間と言うことで……やった!」
上条「そっちじゃねぇよ。なんで法廷コントで婚約が認められるんだよ」
レッサー「裁判長、被告は『俺じゃないけどパチ条がやったじゃんね』との意見らしいです。まんまと罠に嵌まりましたね」
アックア「で、あるな」
上条「罠?」
御坂「あなたは全ての罪はパチ条当人にあると言い――では、質問を変えましょう。その方は今どこに?」
上条「今ってそりゃ俺と再合体してここに、ここ」 ポンッ
御坂「記録には『被告は自らの右腕を触りながら言った』と注釈を入れてくださいね」
上条「おい、だから俺じゃないってば!」
御坂「あー、では被告へ重ねて問います。仮の話ですが痴漢が捕まったとしましょう。電車の中で女性へ触れた容疑です」
上条「本当にやってんのなら捕まって当然だ」
御坂「しかしその痴漢はこう言い出しました――『俺が悪いんじゃない!俺の右手が勝手にやったんだ!』、と!」
上条「それは言い訳になんないだろ。だって右手だろうが左手だろうが、そいつの一部、なん、だか、ら――」
上条「……」
上条「――あ、ヤベ!?これ終わってるわ俺!?」
レッサー「長い長いノリツッコミ本当にありがとうございました。上条当麻さんの次回のご活躍をお楽しみにして下さい」
上条「zipma○みたいな終わり方しないよ!?まだ俺の活躍は続くんだから、ほら、えーっとゾンビっぽいのと同じで!」
レッサー「スモーカ○中尉が主人公のアレももう少しで終わりそうですよね」
御坂「例えばあなたの手が誰かの胸部にタッチした場合、お嫁さんにするのが妥当では無いでしょうか!?」
レッサー「裁判長!今の質問は明らかにギャグへ走っています!」
アックア「面白いから却下である。検察官は質問を続けるのであるな」
上条「面白い?お前今面白いって言ったか?なぁ?」
アックア「誰とは言わないが、とある高貴な方が裁判を傍聴されているのであるな」
上条「クソっ……!誰も彼も俺をオモチャとしか思ってない!」
御坂「さて――上条当麻さん、パチ条さんはあなたの一部であり、類する犯罪やその責任もあなたに帰する、という認識を理解していただけましたか?」
上条「異議あり!俺は無実だ!」
御坂「裁判長?」
アックア「法的には検察官の言が100%正しいのである。法的には」
アックア「ただし『右手が自由意志を持って行動できた』という特殊なケースであり、被告人が罪を問われるのもおかしな話ではある――が」
御坂「そうですね、検察官としても思うところがない訳ではないのです。ただ後々の影響を考えるとそうも言っていられず」
アックア「とは?」
御坂「パチ条の犯行であると共に『なぜか彼がそうしなければいけなかったのか?』と」
アックア「そうか……ならば仕方がないのであるな。続けるのである」
上条「ねぇ今あの人たち何つったの?なんか話噛み合ってなくなかったか?」
レッサー「要は『面白そうだからこのままで』、ですかね。閉廷するのもなんかアレですし」
上条「裁判長と検察がグルの時点でもう詰んでいる……!」
レッサー「大丈夫ですよ!最悪死刑は回避させますからね私が!」
上条「ネタじゃないんだよね?日本ですら極刑ありの犯罪なんだから、海外では洒落にならないんだよね?」
レッサー「死刑制度のない国でも『あ、確保するときに間違ってパパンしちゃった☆メンゴメンゴ☆』って事故が自動的に起きます」
上条「成文法で死刑が明記してある国より、現場の裁量で執行できる(と、噂されている)国の方が問題じゃないか……?」
レッサー「ご心配なく!我々は心に棚を複数用意し、舌を数枚装着することでこの矛盾を解消しているのですよ!」
上条「お前らもう文明人名乗るのやめろよ」
御坂「ではまず証人を呼びたいと思います――どうぞ!」
ガラガラガラガラ
上条「なに?ついたて?」
御坂「相手は未成年かつ女性なので仕方がないのよ。証人Aさん、話しても大丈夫ですか?辛かったらいつでも言ってくださいね?」
証人A『大丈夫なんだよ』
上条「何やってんすかインデックスさん」
証人A『ち、違うんだもん!』
アックア「被告人は不規則発言を禁じるのである!あと証人Aはもう少し演技を頑張るのであるな!」
上条「『だもん』ってお前……」
レッサー「違うかも知れませんよ上条さん!もしかしたらヤダモ○さんという可能性もあるじゃないですか!」
上条「オイだから誰が知ってんだよヤダモ○。今からざっと28年前にNH×で放送してた幼女(5歳)が主人公のアニメを誰が知ってんだよ!?」
レッサー「ハリガ○に出てくるパチモン王子並にネタ拾いますよね」
証人A『やだやだ、ヤダモン!』
レッサー「ねっ……ッ!?」
上条「後で誰が台本書いたか教えなさいよ!お前の記憶能力はアホ話を憶えるためにあるんじゃないんだよ!」
レッサー「あの理屈で言うのであれば、人類がパソコンを手にしてもエロいゲームとかエロくないゲームをするのにしか使ってないような」
上条「それで食ってる人もいるんだからいいんだよ!他にも動画を見たりマンガ読んだりしてるしさ!」
御坂「はいそこうるさい、証人Aさんが怯えるでしょうが……で、Aさん?何があったのか話してくれませんか?」
証人A『……』
上条「おいこれ大丈夫か?実は俺が乱入する前に空白の時間帯が1時間ぐらいあったけど、編集されてたって話じゃないよな?」
レッサー「それは文字通り神のみぞ知るってヤツですなぁ」
御坂「えっと……嫌な思いをしたのね、有り体に言えば?」
証人A『……うんまぁ、とらうまっていうかな。自分の家族が変装した誰かっていう感じだったんだよ……!』
レッサー「The thin○ですね!色々な意味で食べられるって言う!」
上条「慎め、なっ?」
証人A『いやぎゃぐで言ってるけども!「あれ?このとうまの中身ってどっち?」ってふと思い出してぱにっくになるんだよ!』
上条「そこはほら、えーっと、あれだ!ギャグだと軽く流しておけば!笑い話にしてなるべく深刻じゃないようにしておこうぜ!」
レッサー「……まぁあの件で大ケガしたのは上条さんですからねぇ。本来であれば裁判起こしたい側でしょうし」
御坂「……そっか、辛かったのねあなたも。ごめんなさい、言い辛いことを聞いてちゃって」
証人A『いいんだよ……いい気分じゃないけど、駄目なものは駄目なんだよ、ってはっきり言うのも仕事みたいなものなんだよ』
御坂「でも、ね?人の価値ってのはそう簡単に失われないものなのよ、それを忘れないで?」
御坂「例え穢されようと、そう、前向きに生きていこうって意志が!人を輝かせて見えるってこともあるの!例え穢れてしまっていても!」
証人A『なんで二回言ったのかな?二回言ったらまるでわたしがけが、っていうかまぁケガしたみたいに聞こえないかな?』
御坂「だから気を落さないで!騙されたのは事実だけどあなたに責任があるわけじゃないの!自分を責めないで!」
証人A『あれ?話が通じてないんだよ?』
レッサー「見てください上条さっ!あそこに悪魔がいますよ!隙を見せた相手を崖下へ今まさに突き落とそうとしてます!」
上条「俺は何も見てない……!コワイから何もなっ!」
御坂「――裁判長!これ以上の証言は彼女にとっても負担になります!どうか証言はこのぐらいで許してあげてください!」
証人A『まだ何も言ってないし、別に全部喋っても一向に構わないんだけど……』
御坂「いいのよ!あなたの勇気は伝わったから!これ以上同じ女として恥をかかせるわけにはいかないの!」
証人A『ちょっと待つんだよ!?その言い方だと何かあったみたいに聞こえ――はっ、まさか!?』
証人A『――短髪は最初からきせーじじつ的なものをでっち上げようと……ッ!?』
御坂「……ありがとう。あなたの勇気ある証言はきっと正義とあたしの糧になるわ、きっとね!」
証人A『ちょっ待っ――』
刑務官『――はい、失礼致しますの』
ヒュンッ
御坂「以上で検察の質問を終わりたいと思います」
上条「……ビリビリの闇を見た……!」
レッサー「何言ってんですか、この業界ヒロインが強くないとやっていけませんよ!」
上条「強いは強いでも意味が違うんだよ!どこの世界のヒロインが法廷戦術で相手の名誉を合法的に失墜させんだ!?」
アックア「では弁護人。証人Aへの質問か、新しい証人を呼ばないのであるか?」
レッサー「証人Aさんの傷を抉るようなことは、ちょっと……」
上条「おいインデックス!お前の敵がここにも一人いたぞ!」
レッサー「まぁ私からすれば『必要悪の教会』ですら敵っちゃあ敵ですからねぇ。半年以上同棲しているのに手を出さないとは!やはり年齢がネックなのかっ!?」
上条「うん、その台詞に共感はしない、しないんだけどもっと世間様は俺を誉めてくれてもいいと思うんだよ。俺の常識をだな」
レッサー「裁判長!弁護人は別の証人Bを要求するであります!」
上条「B?他に誰か被害者って……あぁあの常盤台の子か。能力使いまくってフラッフラしてた」
アクッア「許可するのである。証人B、入廷するのである」
証人B『――まいど!おおきに!』
上条「一枚も噛んできてねぇなお前!?つーか出番すらなかっただろ青ピ!?」
証人B『し、知らない人でんなぁ!そんなナイスガイの名前なんて知らへんよ!』
上条「ついたて越しでも分かるこの圧迫感!ドロドロした性欲がこっちにまで流れ込んでくるんだよ!」
証人B『ふっ、流石はカミやん、いや――別名ボクの宿命のライバルには隠し事できへんっちゅーことやんね……ッ!!!』
上条「なっ?このノリがもうウザいだろ?」
証人B『当たり強くあらへん?ボクとつちみーへ対してだけキツいのなんで?なんか悪い事してん?』
レッサー「照れてるんですよ、言わせないでくださいな恥ずかしい」
証人B『やんな!ボク実はそう思っとったわ!』
御坂「弁護人さん、なんなんだけどなんでこの人呼んだの?害にはならない、とは思うけど別にプラスにもならないような」
上条「ほーら見ろ!敵側からも心配されてんだぞ!?主にお前の脳が!」
レッサー「それは私の腕の見せ所ですな!ブリテンの詐欺話術見せて差し上げましょう!」
レッサー「では証人Bさんにお聞きします。あなたの守備範囲、別名ストライクゾーンをお教えくださいな!」
上条・御坂「なんでだよ」
証人B『基本的に言葉は通じなくてもいいから意思疎通かある程度できて種族は人類以外もアリはアリで二次元から三次元までなんだったら可愛ければ性別の壁も越える覚悟で人妻からロ×までゆりかごから墓場までドンと来い的な?』
証人B『てゆうか、アレやん?愛があれば、愛の通じる相手って大事やん?』
御坂「超早口で怖いこと言ったのに、シメがまともだから、うーん……?」
上条「うんまぁ主張はただの不審者だけど、犯罪らしい犯罪は徘徊して声かけまくるくらいだから、うん。犯罪かどうかってのは、まだね、まだだけど」
アックア「迷惑某条例に引っかかりそうな感じであるな」
レッサー「素敵な回答ありがとうございます。ではそんな性的なバーリトゥーダの証人Bさんは中古物件についてどうお考えで?」
上条「待てやテメー!何急にシモの話になってんだよ!しかもエゲツナイやつだ!」
レッサー「いえそんなことは一言も?私はただ昨今の賃貸契約について聞いているだけですから」
上条「百歩譲ってその言い訳だったとしよう!だとしても俺の裁判で家賃がどうって話になんだよ!?」
レッサー「上条さん……私は今回の、つーかロンドンでの成り済まし事件について、ずっと不思議に思っていたんですよ」
上条「何がだよ?」
レッサー「まぁ酷使したツケであれば仕方がないとは思いますし、上条さんと入れ替わって『俺だったら失敗しないズェ!』も分かるんですけど」
レッサー「どうして最初の仕事がシスターに手をつけるところからだったのでしょうか?」
上条「俺が知りたいわ!俺だって『まずその仕事から手をつけんのか、早っ!?』って思ったよ!」
上条「てゆうか一番ショックだったのは俺だよ!世界を敵に回したり『しあわせなせかい』で心折られたり!ずっと前からのダチもポッと出の上里君にNTRれたり!」
(※青ピは抱かれていません)
上条「ずっと一緒にやってきた唯一の相棒だと思ってたのにさ……!最後の最後で裏切られるだなんて……!なんだよチクショウ……!」
レッサー「あー、すいません。お察ししますがそういうことじゃなくてですね、私が言いたかったのは動機ですよ、動機」
レッサー「今回の事件に関しては、パチ条さんの動機を知る事が解明の鍵だと思ったんですな。これが」
御坂「動機?だからパチ条が『自分でやってみたい』って事なんじゃないの?」
レッサー「全ての真実を当事者の口から完全に語られるども?つーかあの嘘吐きが動機についてだけは嘘を吐かなかった、と?」
御坂「……まぁ、そうね。信じられる話はなかったけど」
レッサー「あくまでも私の想像ですが、彼は何か隠していませんでしたか?私たちにも窺い知れない何かを」
上条「……俺のため、とは言わないけど、誰かか何かのためにわざと悪役を演じた、ってのか?」
レッサー「むしろそっちの方がストンストンと腑に落ちません?腐っても”上条”さんの一部ですし」
御坂「ストンは一回で充分よ。ない話じゃない、かな?聞いてみないことには分からないわ」
上条「否定しないし仮説っても聞いてみたいけどさ。何度も言うけど証人が証人だよ。他の人でも良かっただろ?」
レッサー「私の仮説が正しければ、ある意味上条さんよりもより”上条当麻”の本質を知る証人Bさへ聞いた方がいいと思います」
レッサー「ほら、あるでしょう?自分自身のことよりも俯瞰して見ている第三者の方が詳しい、なんてこと?」
アックア「質問の妥当性を認めるのである。弁護人は速やかに質問をするのであるな」
レッサー「分かりました、ではパチ条さんの本体部分、上条さんの好みのタイプは管理人さん、ぶっちゃけ言えば中古物件を好んで住むタイプの人間です」
上条「なんでだよ!?全国の『めぞん一○』ファンと『立花館To Lieあんぐ○』ファンに謝れやゴラアァッ!!!」
御坂「後半の例えがニッチすぎるわ。あれも寮ものだけど、うん、なんかこうね!」
証人B『ほら、カミやん百合モン好きだから?あれを純粋な百合モンと呼んでいいのか迷うけど』
レッサー「いえいえ別に責めているわけではないんですよ?中にはカプセルホテルが好きな方もいれば、豪邸に住むのを目的とする方もいます」 チラッ
御坂「なんで今カプセルっつった時点でこっち見たあぁごら!?」
上条「今はちょっと営業できないだろうな。てかあれのマニアはいないとは言わないが、少ないと思う」
御坂「これ、もしかしなくても物凄く失礼な事言ってるわよね?確実に?」
上条「い、いや!あくまでも賃貸や物件の話をしているんであって他意はないんだ!」
レッサー「ご理解いただけたのでしたら引き続き不動産の話へ戻りたいと思うのですが、証人Bさん」
レッサー「男性にとって中古物件とはどのような扱いでしょうか?できれば大きな視点から説明してもらえませんか?」
証人B「またプレッシャーやんなぁ。流石のボクも♂代表っちゅーんは気が引けるし、個人的な見解の域を出んよ?ええの?」
レッサー「はい。ならそれで」
証人B「まぁ中古や新古や事故物件や、そういう心ない呼び方をするアホもおる。ネタにするんもどうかと思うわ」
証人B「なんちゅーか人が人であるのを形作んのは”出会い”やとボクは思うんよ。両親と出会い、友達と出会い、恋人と出会い」
証人B「勿論幸せな出会いだけやないよ?傷つくのもあるし、最初は良くても結果的に傷つくってもある話やん?」
証人B「でも、そういう一つ一つの出会いが!結果的に人を成長させたり、人としての深みを出すってボクは思うんよ!」
上条「……いいぞ青ピ!思った以上にまともな意見だった!まるで『こう聞かれたら言うだけこう言っとけ』みたいなサンプルがあったかのような!」
御坂「知ってるんだった黙っときなさい」
レッサー「……ありがとうございました。私は確信を持てました――裁判長!」
アックア「しばらく話を振られないので忘れられたと思ったのであるな。どうしたのだ弁護人」
レッサー「パチ条さんは確かに罪を犯しました!じぽ案件にクーデター未遂!それは寄生先の上条さんも認めるところです!」
上条「帰省先みたいに言うなよ。誰が実家感覚だ」
レッサー「だがしかし!証人Bさんの証言で分かった事があります、それは――」
レッサー「――”優しさ”が犯行動機であり、パチ条さんには情状酌量の余地がある、と……ッ!!!」
上条「弁護人、お前疲れてんだよ。つーかお前に会う度言ってんだけどさ」
レッサー「いいえ疲れてなどいませんとも!私は大真面目ですよ!全ての原因は上条さんにあると言っても過言ではないでしょうし!」
レッサー「証人Bさん、上条さんの癖(へき)を一言で言えば?」
証人B「管理人・未亡人hrhr」
上条「おまっ裁判所に記録残んだぞ!?あぁいや否定はしないが!違うって訳でもないけど!」
レッサー「……えぇまぁ上条さんは残念ながら新品よりも中古物件がお好きな方です。それが悪いのではありません。悪いのはタイミングだったのです」
上条「タイミング?」
レッサー「そう、確かに証人Aさん過去に多くの男性遍歴があり、深く関わった人間全ての運命を狂わせてきました」
バタンッ
証人A『異議があるんだよ!?それはそうかもしれないけど、私がしたくてやったんじゃないんだし!』
アックア「異議を認めるのである。証人Aへ対する憶測を控えるように」
レッサー「というか証人Aさんはパチ条さんと半年以上暮らしてきて何もない。それは上条さんが誉められるべきか、今時の主人公にはあるまじきことと言うべきか」
上条「言っとくけど正しいのは俺の方だよ!最近のってヒロイン使い捨てだわさす主しか言ってねぇわ異世界行ったら奴隷買って即手を出すわって、お前らどっかおかしいのか!?エロゲーじゃねぇんだぞ!?」
レッサー「なんであれ売れればそれが正しいのです。そういう世界ですから」
レッサー「まぁ上条さんのモラルは素晴らしいと思います。人様から預った子を大切にしていますし、手放しで賞賛されるべき――」
レッサー「――しかしそれは本当に?」
上条「含みを持たせんな。確かになんかしたらステイルに生前葬されるって思いもあったけど、それだけじゃないぜ?」
上条「インデクッスは俺の大切な”友達”なんだ!”友達”をエロい目で見たり手を出したりはしないぜ!だって”友達”なんだからなっ!」
証人A『お、おおふ……!』
御坂「すいません被告人。あたしが可哀想に思うぐらい死体蹴りはやめてあげてください、いやマジで」
レッサー「異議あり!今の被告人は嘘を吐いています!」
上条「あれ?なんでウチの弁護士は俺を攻撃しているのかな?」
レッサー「被告人が好きなのは管理人!そしてパチ条さんが作ろうとしたのは中古物件!この二つから導き出される結論は――」
レッサー「――パチ条さんは上条さんの癖(へき)に合わせるため、敢えて手を出そうとしたと……ッ!!!」
上条「そっか……パチ条は俺のためにインデックスにエロいこと(未遂)して、バレたら逆ギレしてクーデター起こしたのか……!」
上条「――ては、ならねぇよ!?何をどうしたって擁護できる要素皆無だろ!?頭大丈夫か!?」
証人A『待って!?その結論だと一方的に損しかしないのは私なんだけど!なにその思いやり!?人類史上最低の気遣いじゃないかな!?
上条「気遣いっていうか気が違ってるっていうか」
レッサー「だって相手は上条さんの上条さんですよ!?ちょっと狂ってるぐらいがフツーじゃないですか!?」
御坂・アックア・証人A・証人B「あー……」
上条「だからやめろよ!?ここで納得する流れじゃないでしょうが!」
レッサー「彼も……パチ条さんも被害者だったのかもしれません。上条当麻に踊らされた犠牲者の一人に過ぎない」
レッサー「今にして思えばバレたあとの行動も完全にやっつけ。計画性があるとは思えないのですよ」
御坂「そう、ね。あのままだったとしても、あのアマが壊れていつか終わってたでしょうしね」
レッサー「彼は上条さんの右手に戻りもう物言うことはありません。なので動機も全てが推測にしか過ぎないのですが」
レッサー「しかし我々パチ条さんの心情を思いやることはできます。日々酷使され続け、切れたと思ったらまた繋がったり、アホの宿主を生かすために必死ですよ」
上条「アホって言ったか?なぁ?」
レッサー「他に、あー、あれじゃないですかね。パチ条さんも毎日毎日女体ではなく、上条さんの上条さんを××××させていたのがパチ条さんにとって屈辱だったんじゃないですかね?」
上条「やめて言わないで!?俺だけじゃないよ?!全世界の男子高校生だったらそんなもんだよ!」
上条「つーか『俺の右手には意志が宿ってる――尊重しないといけないな!』って真顔で言ってたら、お医者様案件だよ!」
レッサー「中二なら一回ぐらいは言ってもいいと思いますが。最近はスマフォで神様と連絡取ったり取らなかったりするそうですけど」
上条「あれこれヘイトじゃねぇのかな?
証人B「まるで将○やんな」
アックア「規則発言と問題発言は慎むのである」
上条「てかこいつ問題発言しかしてねぇだろ!?誰だこいつ弁護人にしたのは!?」
レッサー「――さて、では最後に証人Bさんへお聞きします。あなたは中古も新古物件もイケる口なのは分かりました」
レッサー「その上で敢えてもう一歩踏み込みますが!例え中古物件であってもヒロインは可の――」
証人B『あ、無理無理。ヒロインは無理やねんよ。ごめんなー』
レッサー「う、ですよね……?」
証人B『いやだから無理無理。ヒロインはちょっとアレやよ、前の男の影がチラつくようじゃ勤められへんし、ボクらの方でもちょっと今回はご縁がなかったことで、みたいな?』
証人B『ええのよ、昔何があったとしても?ただのお互いの価値観を大事にしようって思わへん?』
レッサー「え、えぇですから!」
証人B『でもボクと価値観が違ってたら、どっちか選べっちゅー話でもないと思んのよ。どっちかが我慢して、どっちかが優先されるとか、そんなに多文化共生でもなんでもあらへんし』
証人B『そこで大事なのがゾーニング!お互いに無理せぇへんのが大事やと思うね!ボクは!』
上条「おい……大丈夫か?ほんの少しだけ上がったお前の株がサーキットブレイカー発動するぐらいに落ちてんぞ?」
証人B『そんな――カミやんは嘘吐きや!ボクの方が本音言ってますぅ!』
証人B『誰でも!誰だって一生住むんやったら新築物件に決まっとるわ!アホかっちゅーねん!お城でもない限りは普通な!』
証人B『それは男女問わず新築に拘るっちゅーねん!言うやん、「ショ○は成長して迎えに来るまでかワンセット」ってな!』
レッサー「……確かにっ……!!!」
上条「一部だけな?ショ○ってジャンルそのものが全体としちゃニッチな層だって憶えとけコラ」
証人B『何も無理に価値観摺り合わせる必要ないですやんか!?お互いにそれぞれの世界で、それぞれの価値観を守って楽しくやりましょうや!?』
証人B『前に……とあるエロ○ーがあったんよ』
上条「だから待てよ。エロゲ○の例え話の時点でもう何も参考にならないだろ。あれ作ってんのって0.1が天才で、残りの99.9%は社会不適合者なんだぞ」
証人B『そのエロゲ○は全体的に良ゲーで、まぁシステムやバグも大してなくて、今出したら名作と呼ばれる感じやったん。ただ全体的に地味やけど』
証人B『……けど、ある日メーカーのHP見たら修正パッチが出とってな。「うん?バグってあったんや?」って解凍して付属のテキスト読んだら、そこに書かれていたのは――』
証人B『「このパッチをあてると○○(ヒロイン名)が処×になります」って但し書きがあったんよ……ッ!!!』
(※実話です)
上条「何があったんだよそのメーカー!?ユーザーからどんだけ抗議届いたんだ!?」
(※興味がある方は「はっぴぃ☆マーガレット○」で検索しましょう)
証人B『いや別にボクは拘らんけど!何かもうゲーム内容ほったらかしでそのネタばかりが先行しぃの、続編やファンディスクも出ぇへんかったわ!』
証人B『つまり!ボクは主張したいね!お互いに拘り持つのは自由なんやから、相手に押しつけるのはやめようって!』
証人B『萌え絵が嫌やったら見んのやめぇよ!ジェンダー論に結びつけるん、どっかおかしいわ!フィクションやでこっちは!?』
レッサー「すいません裁判長。私がシメへ入ってからの質問全てを議事から削除してください」
アックア「認めるのであるな。使用人B、いい加減にして下がるのである」
証人B『あんただってそうやろ!憧れの女の子がアレやったら引くやろ!?』
アックア「人によって違うのである。場合によってはフランスと戦争であるが」
レッサー「まぁこれに関してはどうかと思わないでもないですが……ともあれ!パチ条さんにも慈悲を!彼だって被害者なのです!」
上条「ねぇ俺は?下手すればドラゴンにジョブチェンジして、第二の人生を竜種としておくらなければいけなかった俺は被害者じゃないの?」
レッサー「(竜……少女……冒険……古代遺産……自己犠牲……!)」 ボソボソッ
上条「なんか素敵なワード!ジブ○でスッゲー美化されてありそうな!」
御坂「はいそこ簡単に騙されるな。最後のシーンで死ぬ役でしょうが」
アックア「えぇと随分センシティブな話題になってしまったのであるが、判決の前に一つだけ」
アックア「この世界の森羅万象、全ての事柄へ値札をつけるのは自分自身である」
アックア「よくある未開封商品がビンテージとして高値がつく。それはまぁいいのである。それもまた価値観の一つである故にな」
アックア「しかしながら物にせよワインにせよ、本来の目的である消費や使用せずに取っておくのが幸せだと言えるであろうか?」
アックア「極端な話、クマにぬいぐるみは子供の側で汚されるのが仕事であって、大切に保管してあるのが本懐では決してないのであるな」
アックア「――と、いうのもまた所詮は数多ある価値観の一つに過ぎないのである」
レッサー「(ねぇこれ議論すり替えてません?)」
上条「(レッサーさんはシーッで!折角それっぽくまとめたんだから乗らないと!)」
アックア「――では判決を言い渡すのである。被告人パチ条当麻と上条当麻には無罪を言い渡すのである」
証人B『友情、プライスレスやん?』
上条「お前のお陰じゃねぇよ!?最初っから当然の結論に落ち着いただけだよ!?」
アックア「とも、言い切れないのである。パチ条の行いは未だもって不明。善意なのか悪意なのか、それとも過失なのかは分からないのである」
アックア「またその過程において複数の少女の心を傷つけたのは許されざる行いである。それは絶対に」
証人A『いやあの、だからね?あんまこう深刻っぽくなっちゃうと、それはそれで「あぁ……そうだったんだ」みたいな空気になるから!ギャグで流してくれないと困るんだよ!』
上条「アックアは、まぁ何でも真面目な人だから」
アックア「しかしながらパチ条が居ない以上、上条当麻を代理で罰するのも理に反しているのである。少なくとも責が証明されない以上は」
上条「よっしゃ!当たり前だけど助かったぜ!」
レッサー「どうですか!報酬はフロリスと結婚する権利で結構ですよ!」
上条「他人をダシにすんなよ。あんなDV嫁はちょっと嫌だわ」
アックア「待つのである。付帯というか、傍論として付け加えることがあるのである」
上条「傍論?」
アックア「このまま無罪放免というのも何なので、パチ条には次回からも酷使される運命を与えるのである。罰として」
上条「あぁ俺が『右手』を使わなきゃいけないような騒動に巻き込まれ――」
上条「……」
上条「――それ結局被害者俺もだろ!?『右手』を酷使しなきゃなんなくなるのって相当ヤバいってことだよ!?」
アックア「――以上!当法廷は閉廷するのである!」
レッサー「あぁでも考えようによっては『なーんだ、今までと同じじゃん!』ってことじゃないですかね?」
上条「だから嫌なんだよ!いい加減俺も平和なスピンオフが来てもいいだろ……!」
-終-