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Clock(trial)

月一連載・戦姫プロジェクト第三回――???「電脳戦姫よ!永遠に!」

 



――?

上条「……ん、もう朝か。朝日がまぶしい……」

上条「……うん?朝日?バスルームになんで……?」

アレイスター「『おぉ、起きたのですね。私の可愛いトウマ』」

アレイスター「『今日は、あなたの17歳の誕生日。王様に、お目にかかるのですから、支度をしないとね』」

上条「臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前!消え去れ悪魔め!この世界はお前が住むべき場所ではない!」

アレイスター「第一声が私の全否定かね?まぁ今の私へ対する評価としては真っ当だが」

上条「何回殴れば正常に戻るのかな?試すだけ試してみようか!」

アレイスター「それ、ただの暴力。そちらの要望が聞き入れられるまで殴り倒そうって話だよね?」

上条「ウルセぇな!?『あ、タイトルからして今週休みなんだラッキー』って思ってたのに!のにっ!」

アレイスター「ここの運営も本人が全く関係無いところで戦っていたりするんだよ。残念なことにね」

上条「戦う?誰と?」

アレイスター「前の長編SSではARISAのロシアツアー(ロシア成教出演予定)がロシアのウクライナ侵攻で一章がバッサリなくなり」

アレイスター「今回の長編SSでも全世界での感染爆発と色々アレなため継続が難しい……!意外と戦っているのだ!!」

上条「謝れよ。全世界じゅうに向ってごめんなさいすればいいと思うよ」

アレイスター「うんまぁ、そんな感じでスケジュールが厳しいんだ。唐突に白紙へ戻ったと言っても過言ではないだろう」

上条「最初、というか数年前までは『まぁ多少不謹慎(※世界のどこかでは伝染病も起きてる)だけど、大流行ってほどじゃないからいいかな』って軽い気持ちだったらしいな」

アレイスター「という訳でね、うん。ゲームをね、つくって一儲けしようと思ったんだよ」

上条「また唐突だよな。多分邪な動機なんだろうな」

アレイスター「最初は佐天涙子君にいい返事をもらい、進めていたのだがここへ来て急に断られてね」

上条「どうせまた無理難題押しつけたんだろ」

アレイスター「『裸(ら)になるのはちょっと』、って」

上条「なんでその条件で引き受けてくれると思ったの?あの子は去年までランドセル背負ってたんだよ?初春さんもだけどさ」

アレイスター「しかしよく考えてほしい――バードウェイ君と一歳違いだ、ということにね」

上条「うんまぁそうだけど。だからボスと比較して何があんの?どういう意味なの?」

アレイスター「そして幼女が戦記するあの主人公とは同い年だからね」

上条「いやまぁ大人気だけども!珍しく主人公が人気総取りするけどもだ!」

アレイスター「いや特に深い裏は何も?同じ作者の別の作品は打ち切りコースに入っているとか全然?」

上条「慎め、なっ?『読者は基本幼女しか見てない』とか言うんじゃない!例えそれが正しいとしてもだ!」

上条「だから未成年者をそういうコンテンツで稼ごうとしてたお前が悪いんだよ!反省しろや!」

アレイスター「でもそれを言うんだったら三次元の方がエグくないかな?こう性的な意味でも」

上条「まぁな!ただ三次元は芸能ヤ××が取り仕切ってるせいで中々踏み込めないんだけども!」

アレイスター「だからまぁ?もう君が戦姫になってもいいんじゃないかなと」

上条「ダメだろ。性別部分で盛大にコケてんだよ」

アレイスター「最近は魔法少女も少年だったりするし、なんとかするさ」

上条「あれ『もののがた○』読むついでに一応読んでるのは読んでんだけど、一体どんなニッチな層にアピールしてるんだろ……?」

アレイスター「十字教聖職者とか?」

上条「だから慎め?この騒ぎでウヤムヤにしようって頑張ってるだろ!いいに加減しろ!」

アレイスター「しかし、佐天涙子君にも言ったがね。そんなに無茶な仕様にしたわけではないのだよ?他にもある感じのゲームだった」

上条「……どんなの?」

アレイスター「バーチャロイ×のコスプレした女の子が跳んだり跳ねたり課金で衣装が薄くなる」

上条「ありがとうアレイスターさん。その一台詞で全てのソシャゲーにケンカ売りやがってありがとう」

上条「てか不思議な仕様ですよね。お金をかけて装甲が厚くなるんだったらまぁ分からないでもないのに、薄くなるっていうのはね」

アレイスター「……うん?言っている意味が分からない。他のゲームも多かれ少なかれこんな感じじゃないかな?」

上条「えっと……いやそんな澄んだ眼で聞かれてもだ。俺としては『そうですよね』以外に返せる返事はないんだが」

アレイスター「そうだよね。おかしいのは私ではないよね」

上条「だから俺としては『業界全体がおかしいからですよ』としか言えねぇんだよ!察しろや!」

アレイスター「だが――ピンチを悉くチャンスへ変えてきた私はこう思うのだよ。今が攻め時ではないかと」

上条「まぁ、ご時世的に外での遊びよりも中で、って感じだからな。その発想は悪いもんじゃねぇけど」

上条「ただ問題なのはノウハウもない素人がやりたいです、つってできるもんなの?てかどこで売ってんの?」

アレイスター「最近はストレージに基礎データをインストールして、ストリーミング方式が一般的だね」

上条「あぁ知ってる知ってる!ストレージがストリーミングだろ?こないだインデックスが言ってた気がするぜ!」

アレイスター「分からないのであれば素直にそう言いたまえ。偉そうに解説するほどの知識ですらないのだからね」

アレイスター「例えば君が持っている携帯用ゲームがあるだろう。そのソフト形式はなんだね?」

上条「SDカードだな。昔はCDだったけど」

アレイスター「媒体はどうでもいいんだ。ただそこからゲーム機へデータを読み込み、展開させている。それが数世代前の話だ」

アレイスター「しかし今ではゲーム機代わりにPCか携帯端末、それらがネットからデータを常時ダウンロードして展開させている。高速回線が成せる技……まぁ技術の無駄遣いのような気もするがね」

上条「ってことはだ。基本的なOS上で動くだけのソフトとサーバーあれば大丈夫ってことか?」

アレイスター「昔はオンラインゲームといって別格扱いだったが、今は一人用のゲームもオンラインで繋がる、という話だね」

上条「それだったら、まぁ」

アレイスター「うん、だから取り敢えずcie○に登録してきた」

上条「違う違う違う違う!それエ×いゲームを作る人たちのサイト!」

アレイスター「――違うとも!私はエ×いゲームを作るつもりなどないんだ!」

上条「じゃあどういうことだよ」

アレイスター「結果として作ってしまったゲームがエ×いだけなんだ!信じてくれ!」

上条「同じだよ。どんなルート通ったとしてもゴールが同じだったらご近所の目も代わんねぇんだよ」

アレイスター「エ×いゲームに興味はないと?」

上条「興味あるよ。興味ない男子なんていないだろ何言ってんだお前ぶっ飛ばすぞ?」

アレイスター「では本人の了解も得たところでコンセプトを決めようじゃないか」

上条「コンセプト……ジャンル?何か決まってんの?」

アレイスター「大まかには決まっているんだ。異世界ものだ」

上条「千円弱で売ってそうだよな。RPGツクールM○で作成したもんだから無駄に重い感じの」

アレイスター「男子高校生が異世界へ行って酷い目に遭うんだ。人気だろう?」

上条「そっか男性高校生が異世界へ行っ――」

上条「……」

上条「ちょっと待ってくれ。今鈍器か先の尖ったものを探してくるから」

アレイスター「ふっ、君は心配性だな。君の心強い仲間は直ぐ側にいるというのに」

上条「ちょっと俺には見えないかな。俺以外でこの部屋にいるのは呪いのデー○ぐらいかな」

アレイスター「何を言ってるのか分からないが、まぁ安心したまえよ。こう見えて魔術の世界ではそこそこ顔が知れている存在だ」

上条「だから余計にな!俺が昨日眠った場所では全然別のところで目が覚めたせいでもあるけども!」

上条「見ろよコラ!この生活感溢れる部屋を!テレビもPCも冷蔵庫もない、見るからにファンタジー世界そのものって感じのだ!」

アレイスター「遠慮はいらないとも。存分に楽しんでくれるがいいさ」

上条「あ、今日はそういう企画なのな。JCでコンプラ的に厳しくなってきたから俺に押しつけやがって!」

アレイスター「ではまずファンタジー世界なので衣装を着替えるといい。勇者にピッタリのが用意してある」

上条「あ、勇者!それいいよ!テンション上がるよ!」

アレイスター「君も憧れるのかい?」

上条「そりゃあな!剣と魔法で冒険して、魔王と戦ったり仲間と友情を育んでってお姫様抱っこだぜ!」

アレイスター「重点をどこに置いてあるのか丸わかりの発言ありがとう。楽しみ方は人それぞれというものだ」

上条「一時期あったじゃん?『洋ゲーと違って話が一本道で楽しくない』って批判的な意見が多くてさ」

上条「でも予定調和って必要だと思う!悪いヤツがいたらぶっ倒して勝ちってしたいし!」

アレイスター「おっ、中々乗り気じゃないか。その意気だよ、上条当麻君」

上条「おう!任せろ!決してこの謎世界から一刻も早く脱出したいから適当に話合わせてるだけじゃないぜ!」

アレイスター「ではこの装備をつけたまえ。形から入るのは忌諱される場合も多いが、有効な手段だからね」

上条「あぁ装備――そう、び?」

アレイスター「見てくれたまえ。頑張って作ったんだ、大体一年ぐらいかけてコツコツとね」

上条「……」

アレイスター「一番苦労したのは肩部分だね。人体はどうやってもバーチャロイドとはスタイルが異なるんだ。ましてや中学生に装備させる予定だったから」

アレイスター「最初は肩アーマーを小型化させてつけていたのが、どうにも不格好でね。動くと他にパーツにも干渉するし、武器を乗せる必要もあるから外せないし」

アレイスター「よって最終的には独立させて、オプションのようにフワフワ浮かせることで整合性をつけた、つもりだ。どうだね?中々悪くない発想だろう?」

アレイスター「まぁこれは好みの別れるところではあるが、というか人の数だけ解釈があって然るべきだ。『これ!』というメカ少女がある訳ではない。全てが正しいのだよ」

アレイスター「かといってそのパーツパーツを全く別の物へ変えたり、原形を留めないほどアレンジするのは、どうもな。ロマンが足りないというか」

上条「――おいコラ、ハゲ」

アレイスター「『冥土帰し』の中傷かね」

上条「お前だよ脳みそハゲ!ツルッツルでシワの欠片もないだろ見せてみろや!」

アレイスター「CT画像に色をつけたやつで良ければ」

上条「いいわ気持ち悪っ!?どんだけ自分好きだったら内蔵写真持ってんだよ!?自撮り気分か!?」

アレイスター「ふむ、理不尽なことを言われてる気がするね。どうしたんだい急に、さっきまで乗り気だったんじゃないのか?」

上条「理不尽じゃねぇし俺以外でも言うわ!この装備見たら全力で突っ込むわ!」

アレイスター「とは?」

上条「――オッケじゃあ見やがれ!これソックスはなんだ?」

アレイスター「ニーソックスだね。ダッシュ中に特殊動作でスライディング耐性へ入るから、こう敢えて生足を強調させるようにしてみた」

上条「……じゃあこのスク水は?」

アレイスター「常盤台公式のだね。といってもデザインそのものはアスリートが着ているものに類似しているが」

上条「微妙に透けてんだけど、言い訳あるんだったら言ってみやがれ」

アレイスター「あぁそれはVアーマー、つまり遠距離攻撃をある程度弾く性能と比例していく」

上条「つまり?」

アレイスター「ダメージを受けたら作った私が引くぐらい、透ける」

上条「……うん、まぁお前の邪悪な構想は分かったよ。アファームド・Sのメカ少女のコス作って、佐天さんに着せようとしてNG喰らうのも当然だ。ここまで疑問点はない」

上条「だが、だ!だが!そのボツになったエロい服をどうして俺が着る展開になってんだゴラアァァッ!?」

上条「勇者は勇者でも勇気の配分間違ってるわ!なんで装備がスク水(っぽい)ヤツなんだよ!?」

アレイスター「ドラク○4の女勇者はそんな感じだろう?」

上条「得しねぇよ!?俺も含めて全員が事故だよ!アイタタタタだよ!」

アレイスター「いや、折角作ったのだからね。出番は欲しいじゃないか」

上条「せめてもっと人を選べや!なんでここで俺に話持ってきた!?」

上条「いるだろ他に適役が!具体的に名前は出さないけど男子から女子まで大人気の第三位さんとか!」

アレイスター「サイズがね」

上条「いや何とかなるよ!?別にこれアーマーだから内側にジャージ着せた上で上から装着すりゃいいじゃんかよ!」

アレイスター「――エロい要素がないだろ!何を言っているんだね、君は?」

上条「よし、ぶん殴る」



――とある同人ゲームの世界 勇者の部屋

アレイスター「……くくく、中々いいパンチを持っているじゃないか。癖になったらどうしてくれる?」

上条「――さて、お互いに殴り合って親睦を深めたところでだ」

アレイスター「非生産的だからね」

上条「じゃあ今までの企画で何か一つでも生産的な……いやごめん何でもない。ある筈がねぇよな思っただけで」

アレイスター「ゲーム自体が何かを生むかと言えば、重課金者ぐらいだしね」

上条「いいだろ別に!そういう趣味の人だっていたってさ!」

アレイスター「まぁ心に余裕がないとき、切羽詰まったときに軽い息抜きという意味ではいいのかも知れないね」

アレイスター「だがしかし本当に苦しいときはゲームやっている余裕すらないという……!」

上条「みんな薄々気づいてんのに黙っててくれてんだから言うなよ」

アレイスター「考えてもどうしようもない問題ほ延々悩むより、タイムスコアをどう出すか悩んだ方がマシだと思うがね」

上条「それはそれで……うんまぁ、ノイローゼになるよりはな」

アレイスター「と、いう訳で我々は人々の心の平穏のためにもゲームを作ろうと思うのだよ。丁度ボツになった衣装もある所だし」

上条「俺は着ないぞ!そんなアーマーブレイク前提の露出度高めの装甲なんて装備できるか!」

アレイスター「その辺についての調整は後程するとして、まず先人にあやかろうと思う」

上条「先人?」

アレイスター「うむ。他のゲーム、商業・同人の垣根なく成功した部分を貪欲に取り入れていこうと」

上条「パクリだろ」

アレイスター「リスペクトだよ。例えば今、大体のRPGでジョブ制や召喚獣スキルはあるだろう?」

上条「あぁそうだな。レトロゲー特集とかつべで見てると『あのシステムって何十年前からあったのかよ!?』って思うときがある」

アレイスター「温故知新ではないがね。ギリシャ文化盛んなときに全ての悲劇が語り尽くされた、と言う学者すらいるぐらいだ」

上条「まぁそれで言ったらRPGもサイコロ振って遊ぶボードゲームが最初なんだよな。今じゃ考えられないけど」

アレイスター「理解頂けたようで何より。ではまず自分でアーマーブレイクできるように、『裁ちバサミ』というアイテムをだね」
(※本当に某ゲーム内で存在します)

上条「露骨すぎる。確かに敵の攻撃を延々防御しつつ、『あぁ面倒だな』って思うユーザーは多いけどもだ!」

上条「てか最初に出るシステムそこか!?もっと、こうジョブとかスフィアとかマルチスキルとか!鉄板のあるんじゃねぇのかよ!」

アレイスター「上条当麻君、私は常々思うのだよ――『これ別にRPGとして売る必要なくね?中身の無い一本道でCG集と大差ないのだから』と」

上条「お前が同人ゲーム……いやそんなに意外でもないな。暇を持て余してやってそうな雰囲気はあるな」

アレイスター「折角ゲームの形態をとっているのだから!ゲームでしか出来ないことをユーザーへお届けしたい!そう考えるのは不実かね!?」

上条「お前今世界で一番技術の無駄遣いしているぞ?ストリーミングもDirectXも多分思ってるわ、『そんなことのために生まれたんじゃないのに……』って」

アレイスター「5Gも結局ネットフィリック○見るのに使うだけだし、そんなに大差ないと私は思っているが?」

上条「まぁそうな!『ケータイ何に一番使ってる?』って聞かれりゃサッカー見るぐらいだし!」

アレイスター「ではまずアーマープレイクとセルフアーマーブレイクアイテムは作成っと。小さめのメダル景品でいいかな?店で売ってると値段がね」

上条「まず世界観も決まってねぇのにそっから話始めんの!?そんなんでいいの!?」

アレイスター「何度も言うようだが、ゲーム製作に『これをしなくてはならない』というものはない。システムから入るのもいいし、キャラクターや物語ありきもいい」

アレイスター「商用として目指すのであれば売れなければ失敗だろうけども、趣味でする分であればその縛りもない。自由なんだ」

上条「ちょっと良い事言ったな。ズブの素人が聞きかじりであろう知識じゃなかったらもっと良かった」

アレイスター「勿論ゲーム作りに有利なスキルもある。絵が上手かったりシナリオを書くのが苦にならなかったり、音楽やスクリプトもそう」

上条「まぁそこら辺は分業や他に人に頼んでもいい訳だが」

アレイスター「他にあると重宝するのは……製作進行度がゼロなのに、適当な素材を組み上げて偽のHPを作成してスポンサーを騙したり、とかかな?」
(※実話です)

上条「ごめん。ちょっと何言ってるのか分からない」

アレイスター「だからスポンサーをぶち切れさせないために、『ここまで完成しているんですよ!もう少しですね!』ってポーズをね」
(※何回かやりました)

上条「可哀想だろスポンサーの人!?何騙してんだよ!?」

アレイスター「原画は逃げてグラフィッカーは余所に引き抜かれて契約してたライターは小説家目指して蒸発したんだから仕方がなかったんだよ!」
(※何回かありました)

アレイスター「君に分かるか!?朝職場へ行ったら空になった部屋に私用のザブトンとマグカップだけ残ってたことがあると!?」
(※実話です)

アレイスター「初日は頭が理解を拒んで、霊の仕業かメンインブラックに誘拐されたかで議論をして、二日目には大ゲーム大会になって!」
(※実話です)

アレイスター「『あぁこれ本格的に夜逃げしやがったな社長』って理解するまで数日かかったんだよ!?」
(※実話です)

上条「心が痛い。俺が悪かったことにしていいから、もう勘弁してくださいお腹一杯です」

アレイスター「――という修羅場を潜ってきたらしい人間がアドバイザーについている。安心してくれたまえよ」

上条「その説明聞いて何人が安心するんですかコノヤロー」

アレイスター「そういえばその人間が話していたのだがね、この間こういうゲームを作ったら面白いんじゃないか、という話を同僚としていたそうだよ」

上条「この小話聞かなきゃダメか?どうせ先週のレッサーみたいなしょーもないオチなんだろ?」

アレイスター「不思議の国のアリスをモチーフにしたローグライクだね。勿論年齢指定ありの」

上条「それはどうかと思うが……ちゃんと作れれば面白いんじゃないのか?最近はポケモ○がダンジョン潜るのの一強だし、別口からあったっていいと思う」

アレイスター「残念ながら作るとすれば同人だからね、精々小遣い稼ぎできればいい、ぐらいの話だったのだが……敵はどうしようという話になった」

上条「物語でいえばトランプの兵士。あとは出てくるキャラが濃いからなんとでもなるんじゃね?」

アレイスター「先立つものがね。予算が潤沢にあれば外注もありだが、個人でする分には時間も手間もかかると」

上条「あー……だったらフリー素材とか?あんのか分かんないけど」

アレイスター「居合わせた人間もそう思ったそうで、『だったらザコ敵はオークやゴブリンでいいんじゃないですかね』と言ったそうだ」

アレイスター「そうしたら『でもそれじゃギャグになるだろー。ファンタジー世界にオークさん出してどうすんだよ』と。全員がですよねー、笑ってまた仕事に戻ったらしい」

上条「だなぁ……うん?あれ?」

アレイスター「その人物が家へ帰って風呂へ入り、軽く食事をとって寝床についた。電気を消して豆電球だけにした瞬間、こう思ったそうだよ――」

アレイスター「『――あぁ!オークもゴブリンもファンタジー世界の住人だったな!』とね……ッ!!!」

上条「デジャプかな?今の下り最近やったばっかだろ」

アレイスター「いやでも凄くないかな?オークたちもエロい方面で多用されすぎて、本来の世界観へ帰そうするとギャグになるって凄くないか?」

上条「大の大人が数人揃ってるのに、その矛盾に気づかなかった方が凄いわ。全員節穴か」

アレイスター「実に興味深い事象だよね。グラスランナーとかホビットなどと呼ばれている草原妖精が妖精界へ帰れなくなったのも……?」

上条「作者の都合だと思うよ?少なくとも数万キロ離れた極東の島国で下ネタのアイコンとして扱われてるとは、うん」

上条「てか話が進まねぇな!?そんなに盛り上がるようなネタでもないだろうが!」

アレイスター「余所のゲームの”良いトコ探し”だからね。悪い事では決してないよ」

上条「気をつけろよ?誉めてるようで崖へ崖へと背中押してるところあっかんな?ここの運営は特に」

アレイスター「では次に――『スラム街』」

上条「ゲーム性は?セルフアーマーブレイクが可能でスラム街が登場するゲームって、大分方向性が絞られてきてないかな?大丈夫?正気?」

アレイスター「続いて、『銭湯』」

上条「あー……最初は『なんでファンタジー世界なのに漢字の施設出てくんだよ』って思ってたのが、いつのまにか違和感がなくなってきてるアレか」

アレイスター「ある意味オークやゴブリンと同じ道を辿っているね」

上条「……なんだろうな。ギリシャ神話の神様たちも、こうやってしょーもないきっかけで没落していったんだろうか」

アレイスター「あっちは十字教が殺して殺して殺しまくったのが原因。そして一段落ついた頃にピューリタン革命十字新教の勃興でよりハードモードに」

アレイスター「メーデーって知ってるかい?5月1日のことだけど」

上条「そのぐらい知ってる。労働組合が集会して仕事やってる感を出す日だろ?」

アレイスター「それはアメリカで怒った労働祭だね。実は別の『五月祭』といって『五月の女王』という十字教よりも旧い神を奉る風習があった」

アレイスター「――の、だけども。残念ながら十字教徒が尖鋭化され、ヨーロッパ北西部で行われる以外で姿を見せなくなってしまったと」

上条「なぁ元理事長?しょーもない話の中へそこそこまともな話入れるのやめないか?これマジだろ?」

アレイスター「残念ながらとどっちの話も大体実話だからね。多少盛ってはいるが」

上条「……どんだけ盛ってるのか知りたくないよなぁ……」

アレイスター「最後に一つ、これだけは欲しいのが――『酒場で踊り子』」

上条「もう限定されてるよな?ゲーム作りたいんじゃなくて、お前がエロいという思うシーンを作りたいだけだよな?」

アレイスター「――ふっ、青いな上条当麻君」

上条「あ?」

アレイスター「劇作家は自身が感動”しない”物語を書き綴るだろうか――いや、しないね。自分ですら感動しないもので他人が感動する訳がない」

アレイスター「音楽家が自分が満足”しない”演奏をするだろうか――これも、しない。自分ですら満足しないのだから、他人もそう思うと分かっているから」

アレイスター「それと同様の話だ。何も難しいことなどない――」

アレイスター「――自分自身がエロいと”思わない”シーンを書くだろうか?いや、書くわけがない!」

上条「なんかいい話っぽくしようとしてるけど、それってただの癖(へき)だよな?そして自分の欲望に素直なだけだよね?」

アレイスター「君は否定ばかりだね。若者の特権ではあるが、私としてはそう甘やかすのもどうかと思うのだよ」

上条「暴走すっから止めてんだよ俺は!?今までの必要要素言ってみろや!それだけ盛り込んでも特定の人間だけに需要があるゲームになるだけだろ!?」

アレイスター「あとは適当にキャラクターデザインを1×歳にしか見えないようにだね」

上条「そこは争わないぞ?だって他のも似たり寄ったりだからな!敢えて俺が苦言を呈する必要性がないだけだ!」

アレイスター「あと付け加えるとすれば妖精かな?勇者の近くにはマスコット兼説明役兼ヒロインとして必要だ」

上条「ヒロインは兼ねなくね?万能包丁じゃないんだから、サイズ的にも難しい……って大きいのか?俺はてっきり羽生えてパタパタ飛ぶ小さいのかと思ってた」

アレイスター「その通りだとも?ただエンディングで大きくなる」
(※グローランサ○。コンシューマーですが)

上条「ホンッッッッッッッッッッッッットに節操ねぇな!外人を『スーツ着た蛮族』って言うのもアレだけどこっちの世界観もどうかしてるぜ!」

アレイスター「なおとある人間は『なんて大っきくなってんだよ!』とマジギレした模様」

上条「病んでるわー。かれこれ20以上前の話なのにエッラい病んでるわー」

アレイスター「まぁ丁度君のお供、というか相方役の妖精が来ているから会うだけ会ってみるかい?」

上条「結構です。ウチにはもうオティヌスさん飼ってますんで」

アレイスター「まぁそう言わずに、ね?会うだけ、そう会うだけだから!」

上条「どんなバケモンが控えているのかは興味あるが……まぁ、そこまで言うんだったら」

ハマッヅラ『――やぁ、トーマ!久しぶりヅラね!』

上条「妖精じゃねぇよコイツ陽性だろうがよおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!?」

上条「つーか言われてたじゃん!コメ欄で『陽性ネタは使い難くなるね』みたいな感じだったのに!やんのか!?不謹慎でも笑いをとりに行くのか!?」

アレイスター「え?あれってフリじゃなかったのかな?『押すなよ、絶対に押すなよ!絶対だからな!?』という意味では?」

上条「そんな邪悪なユーザーいねぇよ!……い、いたとしてもちょっとぐらいだよ!半分ぐらいだ!」

アレイスター「まぁ取り敢えず施設はいくつか作ってみたので、現地をめぐって説明するとしようか。いい加減君も着替えたまえ」

上条「だからなんで執拗に俺に着せようとすんだメカ少女の衣装!?俺が言うのもなんなんだけど需要は確実にねぇぞ!悪いがな!」

アレイスター「うん?そんなことないだろう?君も人気投票第三位なのだしね?」

上条「だから俺が一番信用してねぇんだよその数字!地域交流には呼ばれもしねぇしグッズも出ない!」

上条「スペシャルカードはログインボーナスで自動的についてくるし!公式が票盛ってんじゃねぇかってガクブルしてんだよこっちはな!」

アレイスター「大丈夫だとも!君が本当に人気があれば!人気者であるならきっとこのゲームも売れる!安心したまえ!」

上条「――よし、分かった。テメーあれだ、俺に恥ずかしい思いをさせて笑うつもりなんだな?表出ろコラ!ぶっ飛ばしてやっから!」

アレイスター「ふっ、受けてて立とうとも!ここにいるのは統括理事長アレイスターではなく、それも――」

アレイスター「――元・統括理事長アレイスター=クロウリーだ……ッ!!!」

上条「無職にジョブ変更しただけだろ。変更っていうか失ったっていうか」

上条「てか溜めてから言い直す必要あったか?別に知ってるわ!」


-戦姫プロジェクト 完-

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