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Clock(trial)

月一連載・とある戦姫プロジェクト第一回――初春「出撃、電脳戦姫!」

 
――とある会議室

佐天「お邪魔しまーす……?」 ガチャッ

初春「ようこそ佐天さん!お待ちしていましたよ、さぁさぁどうぞこちらへ!」

初春「何かお飲み物は如何ですか?今日はですね、タピオカココナッツアロエティーって新作がですね!」

佐天「もう帰りたいかな。なんかもう面倒事を押しつけられる雰囲気がヒッドイんだよね」

初春「いえいえそんな面倒だなんて!いやもうそりゃアレですから!取り敢えずおかけください!話はそれからです!」

佐天「面倒事を明確に否定しない、だと……!?これきっとダメなヤツだな!」

初春「で、何か飲みます?なんでしたら良い銘柄らしい紅茶もありますよ?」

佐天「あ、いや初春と同じヤツで」

初春「タピオカココナッツアロエナタデココミルクティーですね?少々お待ちください」

佐天「やっぱ違うので!てか瞬間的に流行ったものを詰め込み過ぎだろ!」

初春「それじゃコーヒーでも。ホットでミルクとお砂糖二つでしたよね?」

佐天「アッハイそれで」

初春「どうぞどうぞ」

佐天「いただきます……あ、美味しい」

初春「そうでしょうそうでしょう!実はですね、これ偉い人から頂いたものでしてね!差し入れだって!」

佐天「偉い人?ふーん、警備員の人とか?」

初春「元統括理事長です」

佐天 ブッ

初春「どうしました!?風邪ですか!?」

佐天「あぁうん、まぁ寒気がしたって意味では似たようなモンかな」

初春「それは大変でしたねー。まあそれはさておき本題なんですが」

佐天「上っ面の心配しかしてくれない……!あぁヤベェ案件だなこれ!」

初春「前にお仕事でSEGAとタイアップ企画したの憶えますよね?バーチャロンの」

佐天「いやぁ流石に忘れようがないよー。キャンギャルみたいな服着たときの話でしょ?御坂さん白井さんと一緒に」

初春「ですね。実はその時のお仕事と言いますか、まぁ似たような感じで?続編っぽい何か?を作る感じで?」

佐天「おおっと!長年付き合ってきた相方が語尾上げて言質を取らせないようにしているぞ!要注意だね!」

佐天「え、ていうか続編?いい話じゃない!やろうよ!」

初春「まぁ続編と言いますか、今のところ企画だけと言いますか……まぁまぁまぁまぁそんな感じで」

佐天「でも前のって評判イマイチじゃなかったっけ?バランスもそうだけど、謎の調整入って一回販売も停止になったよね?」

佐天「てか年末ぐらいからバーチャロンのリバイバル企画やってんのに、なんかあたしたちだけ呼ばれてないよね……?」

初春「……」

佐天「ういはるー?」

初春「――だから、安易なタイアップはやめようって言ったんですよ。てゆうか言いましたよね?私言いましたよね企画始まる前に?」

初春「『バーチャロンのファン、つーか私たちはガチだから!タイアップとか入る余裕ありませんからね!』って!」

佐天「初春が闇春に……っ!?」

初春「えぇもうその結果商業的にはウーン?だったじゃないですか特に宣伝する訳でもなく!古参からは『ないわー』だし、新規からも『これ面白いの?』と蔑まれ!」

佐天「女子供が中途半端な覚悟でバーチャロイドに乗るんじゃない!男とか女とか!そういう甘い考えでライデン乗りが務まるか……ッ!?」 クワッ

佐天「『――ただいま発言の一部、もしくは全部に不適切な点がありました事を謝罪致します』」

佐天「『以上の内容はフィクションであり、実在する初春とは何の関係もございません!どうかご注意ください!』」

初春「――と、言うわけでですね。私が抜擢されてまして、次代のバーチャロンを作る的な?」

佐天「そっか!初春が付いていれば安心だね!ちょっと一般の人には厳しい内容になるかもだけど!」

初春「で、まぁ取り敢えず佐天さんにはプロモーションに御協力頂きたいと思いまして、今日はそこら辺をお願いに」

佐天「あー、うん。するする、前と同じで中学生コンプラにあるまじき衣装を着てキャンペーンすれば良いんでしょ?」

初春「……いえ、それがですね。今度のは少し、少しだけ内容が変わるんで、それによって衣装も変わるって言いますか」

佐天「内容?バーチャロイドで戦う以外に何かあんの?」

初春「スプ○あるじゃないですか?イカがペイント弾で戦うの」

佐天「そういう内容じゃないけど、まぁあれは生身でサバゲーだよね」

初春「前回の反省をしたんですけど、やっぱり中途半端だったと思うんですよね。内容的にも突き抜けてないっていいますか」

佐天「そうかな?あたし的にはこれ以上ないぐらいのガチたったけど」

初春「ではなくて……まず私たちキャラクター陣、そしてバーチャロイドのロボット陣。二つに分かれてたじゃないですか?」

初春「イベントシーンは私たちが喋って動いて、バトルシーンはバーチャロイドが戦うのだと主軸がブレるって感じで」

佐天「あー……分かる気がする。ストーリー性が懲りすぎてて、昔からのファンの人の中には『なんかなぁ』って事?」

初春「そうですそうです。なのでそこら辺を改善したものがいいだろうと」

佐天「成程――なる、ほど?」

初春「なんですか」

佐天「あぁいや、バーチャロンのゲームなんだよね?てかあたしが呼ばれた理由が?」

初春「ですね」

佐天「前作が『とあるとロイドがゴッチャになっててイマイチ』って点を改善するんだったら……あたしら必要なくない?」

初春「何言ってるんですか!?そこ大事じゃないですか!むしろ主題といっても間違いじゃありませんよ!」

佐天「初春が何言ってるのか分からないよ。つまりどういうこと?」

初春「メカ少女ってご存じですか?」

佐天「あー知ってる知ってる。ロボットとかのコスプレしたっぽい……うん?」

初春「……」

佐天「……つまり、アレか?今度は戦うのがバーチャロイドじゃなくって、バーチャロイドの衣装というか、兵器で武装したあたしたち、ですか……?」

初春「流石佐天さん!話が早い!」

佐天「……いやぁ、どーかなー?」

初春「あれ?リアクションが悪いですね、前にサバゲーやってみたいって言ってませんでしたっけ?」

佐天「いや言ったよ?言ったし、したいのも事実だけどさ――逆に聞くよ?」

初春「なんでもどうぞ」

佐天「御坂さんや白井さんを相手に、あたしらが身体能力で何とかなるとでも?」

初春「本音を言えば『天地がひっくり返っても有り得ない』、ですね」

佐天「だよね!?御坂さんもう変身しないでもライダ○やプリキュ○とタイマンできる強さ持ってるよね!?」

初春「でもそこはご安心ください。身体能力が小学生に劣る私が統括理事長に直訴済みです!」

佐天「なんて悲しい直訴済み……!」

初春「『そこら辺はフィクションなので、別に本当に跳んだり跳ねたりするわけじゃないから大丈夫』だそうです」

佐天「VRなのに?」

初春「らしいですよ?」

佐天「ふーん?……まぁ、バランス調整きちんとしてくれるんだったらいいかな。うん!ちょっとやってみたいよ!」

初春「ありがとうございます」

佐天「後はやっぱり御坂さんたちも出るんでしょ?」

初春「………………えっ?」

佐天「なんだそのリアクション!?不安になるよ!?つーか出ないの!?」

初春「あぁいや出ます、よ?声は今からかけますし、多分出てくださると思いますね?」

佐天「前に病院で会ったカエル先生っぽいよね?別名リアルゲコ太先生」

佐天「前の演者さん達とは結構仲良くなったんだけどなー。神裂さん超可愛いかったー!また会いたいなー!」

初春「一応まぁ神裂さんにも声をかける方向です、ね?」

佐天「……ねぇ初春」

初春「なんでしょうか」

佐天「今決まってるキャストの一覧ってあるかな?あったら見せて欲しいんだけど」

初春「あります、けど。ですが一番最初に声をかけたのが佐天さんですので、他の方は追加ダウンロードコンテンツになる可能性が」

佐天「……なんか次から次へと新情報が……まぁいいや、そこは後でツッコむから、キャストプリーズ?」

初春「どうぞ。あと”――”の左側がDNA側、右側がRNA側になりますね」

佐天「あぁそこはちゃんとしてるんだ?どれどれー?」


○アファームド・S
佐天涙子――フレンダ=セイヴェルン

○グリスボッグ
初春飾利――ショチトル

○ライデン
御坂美琴――麦野沈利

○フェイエン・ザ・ナイト
白井黒子――バードウェイ

○エンジェラン
食蜂操折――風斬氷華

○バル
インデックス――ドリー

○スペシネフ
オティヌス――警策

○ドルドレイ
帆風潤子――絹旗最愛

○サイファー
レッサー――ランシス


佐天「あー……こんな感じ?へー?」

初春「私も知らない方が半分ぐらいいますけどね」

佐天「うん、悪くない。悪くないよ初春!なんであたしの友達がRNA側に配置されてんだよって疑問はあるけど、まぁそれはさておき!」

佐天「――これ、男の人いないよね?一人も居ないんだけど、どこ行ったの?」

初春「それは……まぁ、そういう方向性と言いますか」

佐天「そういう?」

初春「えっと……あ、そうだ!これ見てください、これ!佐天さんの新衣装ですよ!アファームド・Sの!」

佐天「まずはあたしの疑問に答えてほしいんだけど……いや、見るよ……?」

佐天「……」

初春「どうです?理事長も『これがいいよね!』って誉めてくれたんですよ!」

佐天「あー……うんまぁいいんじゃないかな。両肩の武器は外してファンネル的なので浮かしてるし、軽い感じでいいと思うよ?」

佐天「あとロケランはこのままだし、他の武装も体の大きさに合ったデザインでさ?確かに!これはいいよねっ!」

初春「ですよねっ!」

佐天「――で、聞きたいんだけどさ、あたしが着てるのって常盤台のスク水だよね?これのどこにバーチャロン要素があるの?」

初春「……」

佐天「ウチの体操着なら分かるよ?百歩譲って御坂さんが着てたエッロい常盤台の体操着でも、まぁ文句は言ったと思うけどさ?」

佐天「でもこれはダメだよね?学校違うし、『なんで?』ってなるよね?」

初春「…………仕方がないじゃないですか」

佐天「したがないって、何が?」

初春「確実に売れるためにはエロ要素を取り入れないと売れないに決まってるじゃないですか!?」

佐天「初春初春、逆ギレする場面違うよ?ここはあたしがブチギレてるシーンだよ?」

初春「他のメカ少女だってそうでしょう!?みんな基本的に水着に武装してるじゃないですか!?あれと何が変わるっていうんですか!?」

初春「全部エゲツなく売るために決まってますよ!ぶっちゃけ男キャラなんて必要ないんですよ!」

佐天「ぶっちゃけ方が酷すぎる。言って良い事と悪い事があるよ!」

初春「じゃあお聞きしますけど!万年制服の男子高校生と佐天さんのスク水!どっちがファンに喜ばれるんですか!?売れるんですか!?」

佐天「そ、それは……!」

初春「佐天さんだって分かってるでしょう!?主人公を差し置いてフィギュアをガンガン出してる佐天さんにはね!」

佐天「いや違う。あたし別に出したくて出してんじゃない。むしろ被害者」

佐天「てかどういうゲームなの?全員が水着っぽい服着て戦うんじゃないんだよね?」

初春「いやそんなことはありませよ。エロ装備で戦うモンハ○じゃないんですから」

佐天「初春?今日大丈夫?なんか発言がバグってるくさいよ?」

初春「まずこう学園都市の電脳空間に大量のバグが発生してしまいます。原因不明のそれらは侵食するという厄介な性質を持ちます」

初春「対抗するために(中略)なので、佐天さんはスク水で戦ってもらいます」

佐天「必然性が見当たらないなー。なんであたし?」

初春「基本的には……えっと画面をご覧ください。こういう感じですね」

佐天「ゲコ太が大量に出現してるんだけど……まさか!?」

初春「バグを見える形にしたのでゲコ太君とは関係ありません。あくまでも体です!」

佐天「……御坂さんぶち切れるんじゃないかなぁ」

初春「あぁそれは大丈夫ですよ。既に敵の戦姫、正体不明のミサカ=ミ・コートという方にオファーを」

佐天「闇落ち決定なの?御坂さんはあたしたちよりもゲコ太を選ぶの?」

初春「説明を戻しますとゲコ太バグを退治しつつ、ステージをクリア。するとゲコ太コインことGコインをゲットできます」

初春「これはプラチナ、ゴールド、シルバー、カッパーの四種類ありまして、それぞれを使ってガチャを回せます」

佐天「ガチャ?」

初春「学園都市が用意した対デバッグ用の兵器――まぁ、ぶっちゃけ言いますと、他のバーチャロイドの武装だったりします」

初春「――そう!なんと今回のゲームは主人公の武装や衣装を自由に変更できるのですよ……ッ!!!」

佐天「ナ、ナンダッテー」

初春「ですので同じRWを両手に持ったり、佐天さんで言えばロケラン二刀流とかてすね」

初春「また他のバーチャロイドの武装、ドルドレイのドリルを佐天さんが装備したり」

佐天「うん、それは良いと思うんだけど衣装?衣装ってさっき言ったよね?そっちを聞かせて?」

初春「セーラー風の衣装だったり、ワイシャツだったり?」

佐天「エロだよね?エロに主軸を絞ってきてるよね?」

初春「だ、大丈夫です!ガチャですから確率はこっちでイジれますから!」

佐天「でもお寄せを積めばゲットできるって事だよね?より業が深くない?」

初春「そこはその、えっと……無課金のレギュラーメンバーと課金ありのプレミアムメンバーで差別化をですね」

佐天「おっとなんか胡散臭いワードが出て来たな!」

初春「最初にサービスを登録する際、年齢を認証するシステムになっています。これで安心ですね!」

佐天「安心出来ないよね?それって『そっちが年齢偽って課金したからそっちの責任』って逃げだよね?」

初春「でもレギュラーサービス専用のガチャもあるんですよ!見てくださいこのラインナップを!」


○レギュラーメンバー専用ガチャ(衣装)
上条当麻・制服(夏)
上条当麻・制服(冬)
上条当麻・制服(冬・パーカー付)
上条当麻・私服(夏)
上条当麻・私服(冬)
上条当麻・私服(冬・コート付)
上条当麻(笑)


佐天「悪意がある!でも何かコンプリートしたくて回しそう!」

初春「ですよねっ!『殆ど誤差じゃねぇか』って全部揃えて眺めたいですよねっ!」

佐天「てかこれ上条さんいないんでしょ?」

初春「男性は基本的に登場しませんが何か?」

佐天「もう潔いぐらいにガッツリ稼ごうって姿勢だし、なんかエロい服着せられるの決定だし……」

佐天「てか初春はそれでいいの!?こんなちょっとJCコンプラ的にアウツな案件に!?」

初春「……元統括理事長、量子コンピューターを触らせてくれるって……」

佐天「完全に我欲だな!?ちょっとあたしも触りたいけども!」

初春「という訳で!佐天さんは電脳戦姫になって戦ってもらいますからね!そのテストケースとしてまず一人!」

佐天「いやまぁ数々のヨゴレフィギュアをリリースした手前するけどさぁ……なんであたし?人気的にも上の人一杯いるでしょ?」

初春「……佐天さんは半公式と公式で何度か脱衣されてますし、まぁ適任じゃねぇかなぁって」

佐天「もっと別の形で人気か欲しい!」

佐天「ネンショーにスネークした回が掲載されたら、『警備員の服の下はどうなってるんですか?』って書き込みで埋まらないファンが欲しいかな!」

初春「諦めましょう?神様(※鎌池先生)は佐天さんの活躍を待っているんですから!」

佐天「いいのかなぁ……?」


−終−


(※ネタです)

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