プロジェクトX18 〜男たちは笑い、泣き、そしてまた泣いた〜
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ナレーション『――男たちは笑い、泣き、そしてまた泣いた』
ナレーション『これではいけない、このままだと業界が終わってしまう』
ナレーション『これは時代の理不尽と戦い、命をムダにした者達の声なき叫びである――』
……デデンデンデン、チャララーラーラーララー……
ナレーション『プロジェクトX18、挑戦者たち……ッ!!!』
上条「……」
上条「ん?カメラ回ってんの?」
ナレーション『今日のコメンテーターは学園都市からお越しになった上条当麻さんです。あけましておめでとうございます』
上条「あっはいどうも。おめでとうございま、す?」
上条「つーかこれ何の企画?年明けに呼び出されて来たんだけど、何も説明されてないんだが」
ナレーション『プロジェクト○という番組をご存じでしょうか?』
上条「風だったな!中島みゆ○の曲使ってたしモロパクリだって分かってたけどな!」
ナレーション『インスパイア的な意味で、プロジェクトX18という特別企画をですね』
上条「Xの後に余計なのついてんぞ。てか新年一発目から余所のパクリってどうよ?」
ナレーション『これは理不尽と戦った男たちの物語である……!』
上条「まぁ正月の特番らしいっちゃらしいけど。てかお前誰よ?」
レッサー(ナレーション)『くたばれフランス!今年こそケリつけてやりますよっ!』
上条「正月からするこっちゃねぇだろ。せめて一月中ぐらいは大人しくしとけや」
レッサー「いえいえ、今から始まる物語は少なからず上条さん、並びに我々にとっても関係あるお話です」
レッサー「むしろ私は言いたいですねっ、全てのお前らは一度この事実を知るべきだと!」
レッサー「私たちがどのような奇跡の上に成り立っているのかをきっちり勉強すべきです!」
上条「あー、なんかのエンジニアさんの話か?フラッシュメモリとか半導体とか」
レッサー「よりかは若干マニア向けですが、まぁそうですな。偉大なる先人達の歴史です」
上条「ラノベ系だったらちょっと興味あるな。スレイヤー○!とかザンヤルマの剣○とか!」
レッサー「ラノベがまだラノベと呼ばれてなかった頃のお話ですなー。懐かしいものですが――さて!」
――第一章 「全てはここから始まった」
ナレーション『――男たちは一つの課題に取り組んでいた』
ナレーション『それは――”ロ×が描きたい”と……ッ!!!』
上条「はい解散。お疲れ様でしたー!今年もよろしくねっ!」
上条「第三期のオフィシャルサイト、10月から更新してないけどやってやるぜ!頑張れ俺!」
レッサー『待って下さいよっ!?真面目なお話なんですから!?』
上条「テーマが不真面目すぎるわっ!ロ×ってなんだよロ×って!」
上条「業界の裏話するにしたって、もっと、こう別の方向から攻めろや!?なんでロ×!?他にまともな切り口だってあんのにロ×!?」
レッサー「待ってつかーさい!確かにテーマはおフザケに見えるかもですが、我々にも関係あるんですよ!」
上条「たったさっき言ったばかりだが、新年一発目に持ってくる話じゃねぇっつってんだよ!」
レッサー「いえなんか※欄で食い付きよかったんで……」
上条「蕩々とロ×の話したって引かれるだろだろうが!ただでさえ人減ってんだからな!」
レッサー「誰もいなくなったら別名義で東方SSブログ立ち上げるか、なろ○にオーク小説でも投稿しようかと思ってるそうですよ?」
上条「投稿する場所間違ってる、18禁行けよ節操ない……いやでもいなくなってくれた方が俺のツッコミ量が減る、か?」
レッサー「WEB上の”上条”ワードがごっそり減るだけだと思いますねぇ。伊達に台本形式ではないんで」
レッサー「ともあれ!文句を言うんでしたら最後まで聞いてから仰ってくださいなっ!映画も見ずに映画の批評するのと同じですよ!」
上条「そこまで興味ねぇし、業界っつっても狭い業界すぎて『あー、あるある!』みたいな共感得られる訳ねぇわ!」
レッサー「なお中身は8割盛ってます」
上条「もうフィクションだろ。登場人物の名前ぐらいだろ、原形留めてるの」
レッサー「では――その時、歴史は動いた……っ!」
上条「番組変わってる。そしてその番組にもこの番組にも謝れ」
ナレーション『1994年、セカイ系アニメや各種ゲームのお陰でサブカル系メディアの認知度は高まっていた』
ナレーション『古いタイプのヲタク像はある程度払拭され、アニメ・ゲームが一般的な趣味へと変貌を遂げていた中、嘆く男たちがいた』
ナレーション『――そう、ロ×成分の欠如である……ッ!』
上条「犯罪じゃん。欠如してる時点でもう、えっと」
レッサー「和○ってる?」
上条「ガチの人と一緒にするな!その人も、まぁ……アレだけど!漫画史に多大な影響を与えた人なんだからな!」
レッサー「黒岩よしひ○先生とどこでどう差がついたのでしょうか……」
上条「絵は好きなんだ、絵は。話が究極的につっまんないだけで黒○先生」
ナレーション『そんなペ×野郎どもに一筋に光が指した、それは――”ドラゴンナイト3”である!』
上条「実名出すなや。ググる人出てくるでしょーが!」
ナレーション『そのメインシナリオはユーザーの度胆を抜き、多分今でもプレイしたら「マジかこれ!?」的な出来である』
上条「まぁ昔のはな。思い出補正じゃんか、とも思うけど」
ナレーション『原画には某有名アニメーターを起用し、魅力的なキャラクターがこれでもかと描かれた一品だったが、それは、いた』
ナレーション『ジーナ(ロ×)である。世界にロ×神様が降臨したのだった……!』
上条「()の中身の補足情報が不穏すぎる。そこはボカして書けよ」
ナレーション『後にエロゲーライターとなったオーク鈴木(仮名)さんはこう述懐している――』
ナレーション『――”そうか!ホビットならロ×でもオッケーじゃんか!”と!』
上条「ちょっと意味が分からないですね。普通にアウト案件だからな?」
上条「てかエロゲー業界すげーな!1994年(24年前)から『人間種族じゃないからロ×じゃないもん!』やってのかよ!」
(※やってました)
レッサー「あくまでも個人の主観ですが、少なくともキャラとして残っているのは1994年です。他にあったら知りたい』
レッサー「補足しますと多少はロ×っぽいキャラは居ました。居たんですけど、一線を大きく踏み外したのはこのキャラからです」
レッサー「また当時のエルフは幼いというイメージはなく、フツーに成人女性として扱われていました」
上条「……じゃ、『エルフだから見た目若いけど合法』、的な発想の原典はエルフ違ったんかい」
レッサー「補足に補足を重ねますと、『ロ×を助けたらしばらく経って突然大人に成長→エッチあり』の、流れが一般的でした」
(※アリスソフトのハーフエルフ。謎設定です)
レッサー「ですので『なんで大きくしてんだっ!そのままでいいじゃんね!』というペ×野郎どもの魂の叫びが」
上条「昔って意外と良識あったのな。そして昔っからいたんだなお前ら」
レッサー「光ある所に闇あり、また闇ある所に光ありと申しますでしょう?」
上条「そうだね。イギリスが介入しているところには必ずフランスがいたし、その逆もそうだよな。お前ら戊辰戦争の時から代理戦争で俺らに迷惑かけてたよね?」
レッサー「イギリスが光でフランスが闇ですな!」
上条「ちったぁ反省したらどうだコノヤロー」
ナレーション『――世界は、変わった。ロ×は正しい、ロ×は恥ずべきことじゃないんだ』
ナレーション『男たちは、泣いた』
上条「泣いたのオッサンたちじゃなくて親御さんだろ。あとその性癖は、恥じろ」
ナレーション『雫、痕――中学生が出るゲームが次々と大ヒットしていった……!』
上条「20年前でも行動パターン同じか!?」
ナレーション『しかし――光ある所には影あり、正義超人がいれば悪魔超人もまた存在するのだ!』
上条「そこ伏せ字でいいだろ」
ナレーション『業界団体の”自主”規制団体コンピュータソフトウェア倫理機構である』
ナレーション『最初は傍観を決め込んでいたが、規律の緩みまくったロ×ゲーに対し、彼らは死刑宣告を突きつけてきたのだった……ッ!!!』
上条「なぁ自業自得って言葉知ってるか?主にアホへ対して使われる言葉なんだが」
レッサー「知ってますとも!世界史でイギリスを勉強するときに何度も何度も使われる単語ですよねっ!」
上条「使われてる主旨は合ってる――つーか何?ここへ来て規制喰らっちまったの?」
レッサー「当時は年齢縛りがありませんでしたからねぇ。えーっと上条さんでもご存じのゲーム、ToHerat2って分かりますかね?」
上条「あぁなんかビリビリが幽霊役――」
レッサー「あ゛ーーーーーーーーーーーーーーーっ!あ゛あ゛あ゛ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!上条さんが何言ってるのかわっからないな゛ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!」
上条「うるっせぇな!確かに今のは俺も悪かったよ!」
レッサー「そのゲームの第一作、15〜7歳設定のキャラがビッシリ。つーか18歳以上一人もいません」
上条「舞台が高校なんだから、まぁ正しいは正しいだろうが……」
レッサー「まぁ世間様の目も厳しいっちゅーんで、『この物語に出ているのは18歳以上です☆』が始まったんです、えぇロ×にとっては不遇な時代が始まるのですよ」
上条「別に良くね?不遇も何も人生を生きにくくしているのはお前ら自身だよね?」
レッサー「いやマジ話ですね。同倫理機構の規制が強くなる以前の作品をリメイクしようとすると、規制の壁に阻まれる事態が多々ありまして」
レッサー「年齢は最たるものですが、他にも肉親同士のエロ禁止でシナリオの必然性が大幅に変わってしまう、ってなことも」
上条「同情はするがなぁ。あんま、うーんシナリオだからなぁとしか言えない」
レッサー「規制が一番強かったのが1999年前後。その時には『少女に見えるヒロイン禁止』なんつー縛りすらありましたよ」
上条「”見える”ってお前それ主観じゃねぇの?どうやって決めんの?」
レッサー「頭身です。何頭身とかあるでしょ?」
(※実話です)
上条「マジかっ!?そこまで規制強かったのかよ!?」
レッサー「ちなみにこの時代、どんなジャンルのエロゲーであってもほぼ必ず陵×シーンがありました。それがスタンダードだった時代です」
レッサー「そのリメイク前の作品もバッドエンドで少女二人が犯人に、というかなーりえげつないことになってしまうため、規制も必要っちゃ必要だったのかもしれませんね」
上条「住み分けすりゃいいじゃん。楽しくハッピーなのとダークなやつでさ」
レッサー「まぁそれがテンプレだった時代とだけ。今やったら円盤叩き割られて不買運動が始まるレベル」
レッサー「例えば今でこそ老舗かつ大手の一角担うオーガストですが、そのデビュー作は登場ヒロインほぼ全員に陵×シーンがあります」
上条「それもどうかと思うんだよ」
レッサー「だって上条さんだってそうでしょうが!?禁書目録さんや第三位さんが非処×だったら主人公降りますよねっ!?」
上条「そこは個人の交友関係であって俺が口出すような話じゃねぇよ」
上条「ただビリビリに関しては特大(720×1030mm)タペストリーが風呂場画像ってどうなの?下手なエロゲーより露出激しいよね?と思わなくもない」
レッサー「そのうち矢吹券発行されそうですなぁ。流されてきた上条さんのように」
上条「いやその人、何本か元エロゲーの原画描いてってから。あとあっちが先輩なんだから敬え」
レッサー「というかこのご時世、エロ商売しなかった人を探す方が難しいですよ。食えない時代にエロ同人から始り、出版社orメーカーにスカウトされて、ってのは今も定番ですしね」
上条「……そもそもお前なんでこの企画の司会進行やってんの?どうしてサブカルに詳しいの?」
レッサー「――が!こ、この冬の時代に立ち上がった男たちがいました!」
――第二章 「あの山脈を越えて」
ナレーション『ロ×に対して厳しい自主規制の数々。男たちは力なく笑った』
ナレーション『一人、そしてまた一人と健全な性癖へ戻っていく同士たち。男たちは追い詰められていった……』
上条「良いことだろ。ご近所的には安心だろ」
ナレーション『あるものは同人誌、またあるものはプリキュ○、またあるものはまい○ちゃんへと帰っていったのだった』
上条「戻っていってねぇな!?それ結局駅前のロータリーみたいに延々同じ場所グルグルしてるだけだな!」
上条「あと時系列おかしいぞ!クッキンアイド○はまだ10年経ってないはずだ1』
ナレーション『そんなある日、男は思いついた』
ナレーション『体型がダメ、幼く見えるようじゃ販売できない。それなら――』
ナレーション『ロ×巨乳なら行けるんじゃないか、と……ッ!!!』
上条「ロ×巨乳ってそんなしょーもないことから始まったの!?」
(※始めてはいませんが流行りました)
ナレーション『とある情報筋であるオーク鈴木さんはこのように書き残している』
ナレーション『”お前らそれロ×でもなんでもなくね?”、と!』
上条「言っていることは真っ当だけどさ!そこまでしてロ×出したかったのかよ!?」
レッサー「というかロ×信仰は根強く、それっぽいのを出せば売れたそこそこ時代でもありました。禁止されればされるほど萌えるってヤツですな!」
上条「すっげー狂ってる」
レッサー「この時代ロ×ではないんですけど、実妹にトライした果敢な作品があります。その名も”こころナビ”!」
上条「だから実名出すなよ……でも禁止されてんのに?」
レッサー「『肉親同士のエロ禁止……そうだ!だったらバーチャル空間でアバター使えばオッケーじゃね!?』、的な」
上条「姑息すぎる!『エルフだからセーフ!』並の欺瞞を感じるわ!」
レッサー「お言葉ですがこのゲームは『リアル世界で実妹の体を洗う』というシーンも実装され、当時としてはかぁなり素晴らしいものでしたよっ!」
(※今もプレミアついてます)
上条「ロ×も大概だが、いるんだ?実妹スキー?」
レッサー「そのブランドは社員二人(シナリオと原画)という超小さい会社ながら、コアなファンが多々あり今年で結成17年ですよ」
上条「堅実すぎる!俺らよりも年上じゃねぇか!」
レッサー「というかですね、この頃もう規制は結構しっちゃかめっちゃかになってまして」
上条「形だけ?」
レッサー「ではなく……『先生だーいすき!』というロ×ゲーも出たんですよ」
上条「またタイトルからして不穏極まりないな!」
レッサー「内容からしてご想像通りのブツなんですが……これ、当時の規制からしてもアウツッ!な、代物でした」
上条「でも出たんだろ?」
レッサー「……自主規制団体、ソフ倫の会長のやってるブランド系列だったんで……まぁまぁ、大人的な力が働いたんじゃ?」
上条「大人の力が働いて子供が出るってすげー矛盾してねぇか」
レッサー「なおソフ倫の他にメディア倫理機構という業界団体へ移ったブランドもあります。アージュとかニトロプラス、リリスとかですかね」
上条「ニトロは知ってる。でもそれ何が違うんだ?」
レッサー「中の人の仲が悪かったんでー、みたいな噂話がチラホラと。スポンサーの手前も色々あったりすると聞きます」
上条「スポンサーってのは?」
レッサー「銀行だったり流通だったり同業他者だったり。そりゃ自前で一から全て会社運営できる時代じゃなかったですしねぇ」
上条「あれ?今は起業するのって楽になったんじゃなかったっけ?」
レッサー「”起業する”のと”資金調達する”のを一緒くたに語らないで頂きたい。それはもう『包丁さえあればスシ職人と同じことができる!』ぐらいの錯覚ですよ」
レッサー「実際にブランド立ち上げたのはいいものの大惨敗、出資してもらった金を返せずにフェードアウトする人間を何人見たか。と、オーク鈴木さんが」
上条「オーク某さんに出番多すぎだろ。もっと他にコメントしてくれる人居なかったのか?」
レッサー「まぁロ×ゲーに関してはビジュアルアーツやメビウス辺りの大手が堂々と出し始めました」
上条「自主規制どこ行ったよ?」
レッサー「……どっか行っちゃったんでしょうねぇ。未だ帰っては来ませんが」
レッサー「ともあれ、こうしてペ×野郎どもの雌伏の時は過ぎたのですな!」
上条「雌伏してねぇじゃん。割かし早めに復活したじゃん」
――第三章 「パンドラの筺は開かれた」
ナレーション『世紀末(1999年)を越え、数々の規制も形骸化した2005年』
ナレーション『ソフ倫は自主規制の軛を解き放ち、ロ×は再び男たちの元へ帰って来た……』
上条「待て!帰る場所おかしいぞ!」
ナレーション『頭身制限撤廃、実妹OK、ちょっとアクティブな表現描写解禁。最早男たちを阻む物はないのだ』
上条「なにその最後のフワッとした言い方」
レッサー「マジレスすると各種残虐表現です。前は多少隠していました。てかティンカーベルさん自重しましょうよ」
ナレーション『男たちの戦いは終わった――かのように見えた』
ナレーション『しかし。これが新たなる絶望の始りであることを、彼らの知る術はなかった……!』
上条「規制なくなったんだろ?だったらペ×大勝利!で、エンディングクレジット流れて終わりじゃね?」
レッサー「2004年、上条さんは何をされてましたか?」
上条「今から14年前かー――うんっ!学生やってたかな!丁度インデックスと出会った頃だ!」
(※とある無印一巻発売日=2004年4月)
レッサー「ナイスメタネタありがとうございました――と、エロゲー界でも『Fate』の発売した年になります。正しくは同人ですけど」
上条「あー……あの。ソシャゲーで超人気のヤツ」
レッサー「その前年には『結い橋』、更にその前年には『D.C』、その前に『みずいろ』が!ここで業界の流れが一気に変わります!」
レッサー「エロから萌えへ!エロから燃えへ!もうエロだけを前面に出しては食っていけない!これからは萌えの時代だ、と!」
上条「展開期なのな」
レッサー「大体これ以後は純愛ゲームではヒロインが主人公以外にエロいことされるなんて皆無!だってモブにナンパされただけで抗議のお手紙が来るんですもん!」
レッサー「逆にエロ目的ゲームでは実妹だろうがロ×だろうがお構いなしに!見たかヤポンの底力!」
上条「振れ幅が極端すぎる!本当に開きやがったな筺が!」
レッサー「まぁお陰様で18禁版からエロ抜いたコンシューマー版が売れる売れる。ヒロイン追加すりゃ旧来のファンは多々買う必要が!」
上条「なぁ?さっきから聞いてると業界全体がゲスくないかな?」
上条「というか本題であったはずのロ×の話はどこ行ったよ?あぁいや興味は全く無いんだが」
レッサー「お陰様でエロゲー業界はほぼ全ての縛り解禁。西日本じゃテレビ・新聞等々、各種メディアですら扱えない話をエロゲーにしやがったものまでフツーに売られています」
(※本当に言えません)
上条「お前余計な事言うなよっ!アレは業界でもなかったことにしたがってんだからな!」
レッサー「そういう意味では恐らく同人誌を除いて商業的に展開している、最もフリーダムな媒体であるのは間違いないです――が」
レッサー「やはりこの業界も過渡期を迎えまして」
上条「もう嫌な予感しかしないなっ!イギリスの歴史んときもそうだったけど!」
レッサー「増えすぎたんです。単純に」
上条「悪いことじゃないだろ。量が増えれば一個あたりの質はアレな感じだか、業界的には裾野が増えていい話じゃ?」
レッサー「商業的にはそうなんですけども……ジャンルは違いますが、21世紀を代表する名言の一つがこうあります――」
レッサー「『――俺が、俺たちがガンダ○だ……ッ!』」
上条「忘れてやれよ!それきっと『俺、俺たちガンダ○大好きー!』とか言おうとして噛んだだけだって!」
レッサー「同じようにロ×も増えに増えすぎてワッケ分からん状況になっちまったんですなー、あっはっはっはー!」
上条「こんなときどんな顔すればいいのか分からないの」
レッサー「笑えばいいと思いますよ?」
上条「待て待て。訳分からんってどういう意味だよ?」
レッサー「いえ、ですからね。規制なくなった訳じゃないですか?あ、より正確に言えば2015年頃に若干厳しくなりましたが、まぁ基本的には」
レッサー「そーしたらウチもウチもとなんかもう定番になったんですよ。各ゲームに一人ロ×入れとけ!みたいな」
上条「語呂ちょっといいじゃねぇか」
レッサー「その結果何が起ったかと言えば、多分もうメーカーもユーザーも混乱しやがったんです」
上条「だから、どういう話だって」
レッサー「そうですなぁ。例えばテンプレあるじゃないですか?こう幼馴染みは素直で可愛くて天然だとか、ライバルはツンデレだとかっての」
上条「まぁあるな。俺にはこれっぽっちも関係無い話だが!」
レッサー「あなたのお友達の第三位さんも、この業界のテンプレ形成にそりゃもう深く深く関わってるんですけど……まぁいいですよ。そこはスルーして」
レッサー「で、まぁまぁ2000年代前半ぐらいのテンプレはこんな感じ」
・幼馴染み(メインヒロイン、素直で良い子)
・義妹(主人公大好き、当時は規制で実妹NGだった)
・ライバル(クラスメイト、ケンカ友達、突っかかってくる後輩、部活仲間)
・ロ×(近所の子供、耳っ子)
・お姉さん(同居している親戚、教師、転校生)
上条「あー……分かるなぁ。なんか古さからしてそれっぽいわ」
レッサー「()内の属性から一つ、もしくは複数組み合わせるとキャラができます」
レッサー「だがしかし、これが後半以降になると……」
・妹(ロ×確率70%)
・ツンデレ(ロ×確率30%)
・先輩(ロ×確率25%)
・人外(ロ×確率50%)
・巨乳(ロ×確率10%)
上条「待てや!なんだこのロ×確率って不穏な数字は!?」
レッサー「いえですからね、需要と供給、それに作ってる人らの性癖が三神合体した挙げ句、全てのテンプレにロ×属性を持たすことが可能になったんですよ」
上条「持たす?」
レッサー「ですから妹枠にロ×属性入れてもいいですし、ツンデレ枠にロ×入れてもいいですし」
上条「いやいや!先輩と人外と巨乳にロ×はつかないだろ!?」
レッサー「いやつきますよ?年上のロ×先輩や教師のロ×先生みたいに?」
上条「ウチの担任小萌先生だった!言われてみればロ×枠だ!?」
レッサー「他にも『人じゃないからロ×ババア!持ってる力を使ったらロ×化する!』」
レッサー「なんかもう『特に深い意味はないし物語とも関係ないんだけどロ×にしとけ!』的な」
上条「一周以上回って振り切った訳だな」
レッサー「ちなみにこれはオーク鈴木さんが知り合いから聞いた話ですが」
上条「だから情報ソース偏りすぎてないか?」
レッサー「とあるメーカーへ持ち込んだ企画がボツったそうです。中身はごくごくスタンダードな学園モノだったんですが」
上条「それだけどインパクト弱いわな。似たようなゲームが在る中で埋没しかねないって言うか」
レッサー「詳しくはアレなんで書けないんですけど、割と本人はそこそこ自信のあった企画でぶち切れてたそうなんですよ」
上条「まぁ、プレゼンなんてそんなもんじゃね?」
レッサー「でまぁ酒飲んで寝た翌日、次の企画を――と、その前にボツった企画で一笑いとろうと。折角なんで」
上条「発想が芸人と一緒だ。なんでそこでガツガツ笑いをとりに行く?」
レッサー「ヒロイン全員をロ×に書き直して企画書を出し直しましたが何かっ!?」
上条「病んでる。それで笑いが取れると思ってるヤツがどうかしてる」
レッサー「『お前これは流石にないわー、引くわー』、そう言われるだろうと思ってたんですが――」
上条「が?」
レッサー「見事採用の運びとなりましたテヘペロ☆」
(※実話です)
上条「もう企画関係無いじゃん!?ロ×だったらなんでもいいのかっ! この業界はっ!?」
レッサー「余談ですがそこそこ売れました」
(※マジです)
上条「業界だけじゃなく日本も終わってねぇかな?少子高齢化的な意味で」
レッサー「ちゅーかですなぁ。規制が取っ払われて全てのゲームがロ×ロ×しいものになると思いきや、いざ実際には精々中学生――」
レッサー「”ぽい”ぐらいで留まり、まぁ良心的っちゃ良心的な範疇であると言えなくもないです」
上条「いやその感性はおかしい。だってJCアウトだろ?」
レッサー「どこかのラノベでは主人公を置いてきぼりにしながら新年早々半裸タペストリーを販売すると聞きましたが!」
上条「おっとそれ以上意味不明の事実を並べるのはやめて貰おうか!俺には何のことか心当たりはないもののな!」
レッサー「まぁそんな訳でエロゲー界は安泰!……な、はずがなくてですね」
レッサー「我々ロ×ペ×野郎は様々なもののと戦ってきました。それが世間様であったり規制であったり」
レッサー「時には活動家と呼ばれる一派に騙され、反政府活動に荷担した方もおられますですなー」
上条「活動家言うなよ。別に政治運動したっていいだろうが」
レッサー「まぁそんなこんな紆余曲折を辿ってきたエロゲー業界とロ×なんですが――」
レッサー「――足りないんですよ、人材が」
上条「え?でもそっちの業界って下手すればアニメ化されて地上波に流れるぐらい景気良くなかったっけ?」
レッサー「月とスッポンの月の方ですね。そっちは”それなり”には景気よーくやってますけど、まぁ全部が全部とは限らない」
レッサー「この間出た某ゲームで恐ろしいのが出ました。あまりにも悲しくて名前は出せませんが!」
上条「お前が自重するんだからよっぽどなんだろ。ゲームが未完成だったりバグが酷かったり」
レッサー「原画家が逃げました!」
(※よくある話です)
上条「ダメじゃん。スタッフ逃げ出した時点でもう試合終了じゃん」
レッサー「ま、まだですよ!原画家なんて飾りみたいなもんです!外注さんに依頼すれば勝負は分からんのですよ!」
上条「宇宙空間で足端折ったモビルスー○みたいに言うなや!確かにいらないよなぁとは思うけどもだ!」
レッサー「ていうかスタッフが逃げるのはよくある話!どの業界でも特段珍しくないんですよ!」
上条「だったら別に例に出す必要皆無だろ」
レッサー「いえあのスッゲーと思ったのはこのメーカー、金がないのか納期がヤバかったのか」
レッサー「噂では事務員に絵描かせたって話が……しかもその噂の信憑性を裏付けるような下ッッッ手クソな出来で」
(※噂です)
上条「ロック過ぎるなこの業界!もうそれ出す必要が分からんわ!なんでそこまでして頑なに出そうとすんの!?」
レッサー「いえですから金借りてる場合、スポンサー側としては回収が絶対条件でして。しかも期限内に」
レッサー「よって多少未完成でも強行せざるを得ないんですなー。売れないと分かっていてもいくらかは回収できるでしょう?」
上条「凶行だろ。それ消費者庁に訴えられたら法的に負けるよな」
レッサー「まぁ……時代ですなぁ。エロゲー界黎明期はスタッフがバイトしながら完成するまでする、というのが一般的でした」
レッサー「原画家さんがコミケで薄い本売って資金源にしたり、シナリオあげた後のライターが治験やったり」
レッサー「時には他のメーカーの下請け(グラフィッカー・背景・スクリプト・デバッガー)したり、持ちつ持たれつでそこそこやってきました」
レッサー「文字通り”サークル”。学校や同人から始まった人が多く、しかし今は”企業”としての姿勢が前面に出ていますねぇ」
上条「……なんでロ×話から業界批判になってんだよ。真面目かっ」
レッサー「――と、かくいうこのように!エロゲーの歴史はロ×の歴史!ロ×の歴史はエロゲーの歴史と言い換えても過言ではないかと!」
上条「エロゲー作ってる人らに謝れ!ちょっと人様には胸張って言えない職業ではあるが!ペ×と一緒くたに語るんじゃない!」
レッサー「月に数本はロ×ゲー出てますけど?」
上条「それはアレだ、ほらえっと――売れるからだよ、資料としてねっ!」
レッサー「それ、逮捕されたペ×の方がよく使ういい訳ですよね」
上条「つーかだ。さっきから長々とエロゲーの歴史とペ×い人たちの苦難の歴史を聞かせられてきた訳だが」
レッサー「もう涙なしでは語れませんでしたな!」
上条「少なくともお前の目に涙はないようだが……そうでなく、プロジェク○Xのパクりなんだよね?」
レッサー「えぇ勿論ですとも。それが何か?」
上条「別に男たち戦ってなくね?」
レッサー「はい?」
上条「メーカーの中の人も『頑張って業界団体に認めさせました!』っつー話でもないし、そもそもペ×い人は唯々諾々と状況に流されただけっていうか」
上条「そもそも自主規制団体が規制緩めたのって『売り上げが落ちてるから』なんだろ?個人が頑張ってもないし、商業的な思惑があった訳で」
レッサー「……メーカーの中の人は表現の自由と戦い、そして彼らを待つペ×い人たちは別のものと戦っていたんですよ。そう、それは――」
レッサー「”世間”っていう敵とですね……ッ!!!」 ドヤァッ
上条「絵に描いたようなドヤ顔だが上手いこと言ってねぇからな?カメラ目線で目力入れてっとこ悪いけど」
上条「てゆうか世間って敵か?敵に回してまで貫く趣味か、これ?」
レッサー「ですが世の中にはフブ○さんよりもタツマ○さんの絶壁断崖に惹かれる方は数多く!」
上条「特定層だけな?特殊な人たちが集まる業界の中での話だからな?」
レッサー「だもんで業界は優秀な人材を募集しています!来たれ若人!いざエロゲーの地獄門を叩きやがれっ!」
レッサー「今でしたら最近多くなった意識高い系クリエーター気取りの地雷(プロデューサー)があちこちにいます!さー地雷を除けてまともなメーカーへ入れるかなー?」
(※実話です)
上条「それで入ろうって人、いると思うのか?」
レッサー「ヒット作はおろかゲーム一本出した実績しかないのに、ミリタリー系キャラグッズ量産して会社に大ダメージを与えるライター!」
(※実話です)
レッサー「会社に無断で設定資料をコミケで売りさばいて稼ごうとする原画家!まっ、給料未払いだったから仕方がないんですけどねっ!」
(※実話です)
レッサー「時には主要スタッフだけ抜けて別会社を起こすこともしばしば!社長一人がハブられて借金だけが残りますよっ!」
(※実話です)
レッサー「あなたはこのギリギリな人間関係で生き残れるかっ!?リアル風雲たけし○!」
上条「ムリだもの。だって職場が予想以上にブラックだわ将来はないわで、これで惹かれて入ってくる人いないもの」
レッサー「それではプロジェクトX18!次回は”ガチショ×黎明編”でお会いしましょう!」
(※しません)
上条「ショ×普及も業界が一枚噛んでんの!?エロゲー業界の業が深すぎるよなっ!」
(※噛んでます)
ナレーション『――男たちは笑い、泣き、そしてまた泣いた』
ナレーション『これではいけない、このままだと業界が終わってしまう』
ナレーション『これは時代の理不尽と戦い、命をムダにした者達の声なき叫びである――』
……デデンデンデン、チャララーラーラーララー……
ナレーション『プロジェクトX18、挑戦者たち……ッ!!!』
上条「……」
上条「ん?カメラ回ってんの?」
ナレーション『今日のコメンテーターは学園都市からお越しになった上条当麻さんです。あけましておめでとうございます』
上条「あっはいどうも。おめでとうございま、す?」
上条「つーかこれ何の企画?年明けに呼び出されて来たんだけど、何も説明されてないんだが」
ナレーション『プロジェクト○という番組をご存じでしょうか?』
上条「風だったな!中島みゆ○の曲使ってたしモロパクリだって分かってたけどな!」
ナレーション『インスパイア的な意味で、プロジェクトX18という特別企画をですね』
上条「Xの後に余計なのついてんぞ。てか新年一発目から余所のパクリってどうよ?」
ナレーション『これは理不尽と戦った男たちの物語である……!』
上条「まぁ正月の特番らしいっちゃらしいけど。てかお前誰よ?」
レッサー(ナレーション)『くたばれフランス!今年こそケリつけてやりますよっ!』
上条「正月からするこっちゃねぇだろ。せめて一月中ぐらいは大人しくしとけや」
レッサー「いえいえ、今から始まる物語は少なからず上条さん、並びに我々にとっても関係あるお話です」
レッサー「むしろ私は言いたいですねっ、全てのお前らは一度この事実を知るべきだと!」
レッサー「私たちがどのような奇跡の上に成り立っているのかをきっちり勉強すべきです!」
上条「あー、なんかのエンジニアさんの話か?フラッシュメモリとか半導体とか」
レッサー「よりかは若干マニア向けですが、まぁそうですな。偉大なる先人達の歴史です」
上条「ラノベ系だったらちょっと興味あるな。スレイヤー○!とかザンヤルマの剣○とか!」
レッサー「ラノベがまだラノベと呼ばれてなかった頃のお話ですなー。懐かしいものですが――さて!」
――第一章 「全てはここから始まった」
ナレーション『――男たちは一つの課題に取り組んでいた』
ナレーション『それは――”ロ×が描きたい”と……ッ!!!』
上条「はい解散。お疲れ様でしたー!今年もよろしくねっ!」
上条「第三期のオフィシャルサイト、10月から更新してないけどやってやるぜ!頑張れ俺!」
レッサー『待って下さいよっ!?真面目なお話なんですから!?』
上条「テーマが不真面目すぎるわっ!ロ×ってなんだよロ×って!」
上条「業界の裏話するにしたって、もっと、こう別の方向から攻めろや!?なんでロ×!?他にまともな切り口だってあんのにロ×!?」
レッサー「待ってつかーさい!確かにテーマはおフザケに見えるかもですが、我々にも関係あるんですよ!」
上条「たったさっき言ったばかりだが、新年一発目に持ってくる話じゃねぇっつってんだよ!」
レッサー「いえなんか※欄で食い付きよかったんで……」
上条「蕩々とロ×の話したって引かれるだろだろうが!ただでさえ人減ってんだからな!」
レッサー「誰もいなくなったら別名義で東方SSブログ立ち上げるか、なろ○にオーク小説でも投稿しようかと思ってるそうですよ?」
上条「投稿する場所間違ってる、18禁行けよ節操ない……いやでもいなくなってくれた方が俺のツッコミ量が減る、か?」
レッサー「WEB上の”上条”ワードがごっそり減るだけだと思いますねぇ。伊達に台本形式ではないんで」
レッサー「ともあれ!文句を言うんでしたら最後まで聞いてから仰ってくださいなっ!映画も見ずに映画の批評するのと同じですよ!」
上条「そこまで興味ねぇし、業界っつっても狭い業界すぎて『あー、あるある!』みたいな共感得られる訳ねぇわ!」
レッサー「なお中身は8割盛ってます」
上条「もうフィクションだろ。登場人物の名前ぐらいだろ、原形留めてるの」
レッサー「では――その時、歴史は動いた……っ!」
上条「番組変わってる。そしてその番組にもこの番組にも謝れ」
ナレーション『1994年、セカイ系アニメや各種ゲームのお陰でサブカル系メディアの認知度は高まっていた』
ナレーション『古いタイプのヲタク像はある程度払拭され、アニメ・ゲームが一般的な趣味へと変貌を遂げていた中、嘆く男たちがいた』
ナレーション『――そう、ロ×成分の欠如である……ッ!』
上条「犯罪じゃん。欠如してる時点でもう、えっと」
レッサー「和○ってる?」
上条「ガチの人と一緒にするな!その人も、まぁ……アレだけど!漫画史に多大な影響を与えた人なんだからな!」
レッサー「黒岩よしひ○先生とどこでどう差がついたのでしょうか……」
上条「絵は好きなんだ、絵は。話が究極的につっまんないだけで黒○先生」
ナレーション『そんなペ×野郎どもに一筋に光が指した、それは――”ドラゴンナイト3”である!』
上条「実名出すなや。ググる人出てくるでしょーが!」
ナレーション『そのメインシナリオはユーザーの度胆を抜き、多分今でもプレイしたら「マジかこれ!?」的な出来である』
上条「まぁ昔のはな。思い出補正じゃんか、とも思うけど」
ナレーション『原画には某有名アニメーターを起用し、魅力的なキャラクターがこれでもかと描かれた一品だったが、それは、いた』
ナレーション『ジーナ(ロ×)である。世界にロ×神様が降臨したのだった……!』
上条「()の中身の補足情報が不穏すぎる。そこはボカして書けよ」
ナレーション『後にエロゲーライターとなったオーク鈴木(仮名)さんはこう述懐している――』
ナレーション『――”そうか!ホビットならロ×でもオッケーじゃんか!”と!』
上条「ちょっと意味が分からないですね。普通にアウト案件だからな?」
上条「てかエロゲー業界すげーな!1994年(24年前)から『人間種族じゃないからロ×じゃないもん!』やってのかよ!」
(※やってました)
レッサー「あくまでも個人の主観ですが、少なくともキャラとして残っているのは1994年です。他にあったら知りたい』
レッサー「補足しますと多少はロ×っぽいキャラは居ました。居たんですけど、一線を大きく踏み外したのはこのキャラからです」
レッサー「また当時のエルフは幼いというイメージはなく、フツーに成人女性として扱われていました」
上条「……じゃ、『エルフだから見た目若いけど合法』、的な発想の原典はエルフ違ったんかい」
レッサー「補足に補足を重ねますと、『ロ×を助けたらしばらく経って突然大人に成長→エッチあり』の、流れが一般的でした」
(※アリスソフトのハーフエルフ。謎設定です)
レッサー「ですので『なんで大きくしてんだっ!そのままでいいじゃんね!』というペ×野郎どもの魂の叫びが」
上条「昔って意外と良識あったのな。そして昔っからいたんだなお前ら」
レッサー「光ある所に闇あり、また闇ある所に光ありと申しますでしょう?」
上条「そうだね。イギリスが介入しているところには必ずフランスがいたし、その逆もそうだよな。お前ら戊辰戦争の時から代理戦争で俺らに迷惑かけてたよね?」
レッサー「イギリスが光でフランスが闇ですな!」
上条「ちったぁ反省したらどうだコノヤロー」
ナレーション『――世界は、変わった。ロ×は正しい、ロ×は恥ずべきことじゃないんだ』
ナレーション『男たちは、泣いた』
上条「泣いたのオッサンたちじゃなくて親御さんだろ。あとその性癖は、恥じろ」
ナレーション『雫、痕――中学生が出るゲームが次々と大ヒットしていった……!』
上条「20年前でも行動パターン同じか!?」
ナレーション『しかし――光ある所には影あり、正義超人がいれば悪魔超人もまた存在するのだ!』
上条「そこ伏せ字でいいだろ」
ナレーション『業界団体の”自主”規制団体コンピュータソフトウェア倫理機構である』
ナレーション『最初は傍観を決め込んでいたが、規律の緩みまくったロ×ゲーに対し、彼らは死刑宣告を突きつけてきたのだった……ッ!!!』
上条「なぁ自業自得って言葉知ってるか?主にアホへ対して使われる言葉なんだが」
レッサー「知ってますとも!世界史でイギリスを勉強するときに何度も何度も使われる単語ですよねっ!」
上条「使われてる主旨は合ってる――つーか何?ここへ来て規制喰らっちまったの?」
レッサー「当時は年齢縛りがありませんでしたからねぇ。えーっと上条さんでもご存じのゲーム、ToHerat2って分かりますかね?」
上条「あぁなんかビリビリが幽霊役――」
レッサー「あ゛ーーーーーーーーーーーーーーーっ!あ゛あ゛あ゛ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!上条さんが何言ってるのかわっからないな゛ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!」
上条「うるっせぇな!確かに今のは俺も悪かったよ!」
レッサー「そのゲームの第一作、15〜7歳設定のキャラがビッシリ。つーか18歳以上一人もいません」
上条「舞台が高校なんだから、まぁ正しいは正しいだろうが……」
レッサー「まぁ世間様の目も厳しいっちゅーんで、『この物語に出ているのは18歳以上です☆』が始まったんです、えぇロ×にとっては不遇な時代が始まるのですよ」
上条「別に良くね?不遇も何も人生を生きにくくしているのはお前ら自身だよね?」
レッサー「いやマジ話ですね。同倫理機構の規制が強くなる以前の作品をリメイクしようとすると、規制の壁に阻まれる事態が多々ありまして」
レッサー「年齢は最たるものですが、他にも肉親同士のエロ禁止でシナリオの必然性が大幅に変わってしまう、ってなことも」
上条「同情はするがなぁ。あんま、うーんシナリオだからなぁとしか言えない」
レッサー「規制が一番強かったのが1999年前後。その時には『少女に見えるヒロイン禁止』なんつー縛りすらありましたよ」
上条「”見える”ってお前それ主観じゃねぇの?どうやって決めんの?」
レッサー「頭身です。何頭身とかあるでしょ?」
(※実話です)
上条「マジかっ!?そこまで規制強かったのかよ!?」
レッサー「ちなみにこの時代、どんなジャンルのエロゲーであってもほぼ必ず陵×シーンがありました。それがスタンダードだった時代です」
レッサー「そのリメイク前の作品もバッドエンドで少女二人が犯人に、というかなーりえげつないことになってしまうため、規制も必要っちゃ必要だったのかもしれませんね」
上条「住み分けすりゃいいじゃん。楽しくハッピーなのとダークなやつでさ」
レッサー「まぁそれがテンプレだった時代とだけ。今やったら円盤叩き割られて不買運動が始まるレベル」
レッサー「例えば今でこそ老舗かつ大手の一角担うオーガストですが、そのデビュー作は登場ヒロインほぼ全員に陵×シーンがあります」
上条「それもどうかと思うんだよ」
レッサー「だって上条さんだってそうでしょうが!?禁書目録さんや第三位さんが非処×だったら主人公降りますよねっ!?」
上条「そこは個人の交友関係であって俺が口出すような話じゃねぇよ」
上条「ただビリビリに関しては特大(720×1030mm)タペストリーが風呂場画像ってどうなの?下手なエロゲーより露出激しいよね?と思わなくもない」
レッサー「そのうち矢吹券発行されそうですなぁ。流されてきた上条さんのように」
上条「いやその人、何本か元エロゲーの原画描いてってから。あとあっちが先輩なんだから敬え」
レッサー「というかこのご時世、エロ商売しなかった人を探す方が難しいですよ。食えない時代にエロ同人から始り、出版社orメーカーにスカウトされて、ってのは今も定番ですしね」
上条「……そもそもお前なんでこの企画の司会進行やってんの?どうしてサブカルに詳しいの?」
レッサー「――が!こ、この冬の時代に立ち上がった男たちがいました!」
――第二章 「あの山脈を越えて」
ナレーション『ロ×に対して厳しい自主規制の数々。男たちは力なく笑った』
ナレーション『一人、そしてまた一人と健全な性癖へ戻っていく同士たち。男たちは追い詰められていった……』
上条「良いことだろ。ご近所的には安心だろ」
ナレーション『あるものは同人誌、またあるものはプリキュ○、またあるものはまい○ちゃんへと帰っていったのだった』
上条「戻っていってねぇな!?それ結局駅前のロータリーみたいに延々同じ場所グルグルしてるだけだな!」
上条「あと時系列おかしいぞ!クッキンアイド○はまだ10年経ってないはずだ1』
ナレーション『そんなある日、男は思いついた』
ナレーション『体型がダメ、幼く見えるようじゃ販売できない。それなら――』
ナレーション『ロ×巨乳なら行けるんじゃないか、と……ッ!!!』
上条「ロ×巨乳ってそんなしょーもないことから始まったの!?」
(※始めてはいませんが流行りました)
ナレーション『とある情報筋であるオーク鈴木さんはこのように書き残している』
ナレーション『”お前らそれロ×でもなんでもなくね?”、と!』
上条「言っていることは真っ当だけどさ!そこまでしてロ×出したかったのかよ!?」
レッサー「というかロ×信仰は根強く、それっぽいのを出せば売れたそこそこ時代でもありました。禁止されればされるほど萌えるってヤツですな!」
上条「すっげー狂ってる」
レッサー「この時代ロ×ではないんですけど、実妹にトライした果敢な作品があります。その名も”こころナビ”!」
上条「だから実名出すなよ……でも禁止されてんのに?」
レッサー「『肉親同士のエロ禁止……そうだ!だったらバーチャル空間でアバター使えばオッケーじゃね!?』、的な」
上条「姑息すぎる!『エルフだからセーフ!』並の欺瞞を感じるわ!」
レッサー「お言葉ですがこのゲームは『リアル世界で実妹の体を洗う』というシーンも実装され、当時としてはかぁなり素晴らしいものでしたよっ!」
(※今もプレミアついてます)
上条「ロ×も大概だが、いるんだ?実妹スキー?」
レッサー「そのブランドは社員二人(シナリオと原画)という超小さい会社ながら、コアなファンが多々あり今年で結成17年ですよ」
上条「堅実すぎる!俺らよりも年上じゃねぇか!」
レッサー「というかですね、この頃もう規制は結構しっちゃかめっちゃかになってまして」
上条「形だけ?」
レッサー「ではなく……『先生だーいすき!』というロ×ゲーも出たんですよ」
上条「またタイトルからして不穏極まりないな!」
レッサー「内容からしてご想像通りのブツなんですが……これ、当時の規制からしてもアウツッ!な、代物でした」
上条「でも出たんだろ?」
レッサー「……自主規制団体、ソフ倫の会長のやってるブランド系列だったんで……まぁまぁ、大人的な力が働いたんじゃ?」
上条「大人の力が働いて子供が出るってすげー矛盾してねぇか」
レッサー「なおソフ倫の他にメディア倫理機構という業界団体へ移ったブランドもあります。アージュとかニトロプラス、リリスとかですかね」
上条「ニトロは知ってる。でもそれ何が違うんだ?」
レッサー「中の人の仲が悪かったんでー、みたいな噂話がチラホラと。スポンサーの手前も色々あったりすると聞きます」
上条「スポンサーってのは?」
レッサー「銀行だったり流通だったり同業他者だったり。そりゃ自前で一から全て会社運営できる時代じゃなかったですしねぇ」
上条「あれ?今は起業するのって楽になったんじゃなかったっけ?」
レッサー「”起業する”のと”資金調達する”のを一緒くたに語らないで頂きたい。それはもう『包丁さえあればスシ職人と同じことができる!』ぐらいの錯覚ですよ」
レッサー「実際にブランド立ち上げたのはいいものの大惨敗、出資してもらった金を返せずにフェードアウトする人間を何人見たか。と、オーク鈴木さんが」
上条「オーク某さんに出番多すぎだろ。もっと他にコメントしてくれる人居なかったのか?」
レッサー「まぁロ×ゲーに関してはビジュアルアーツやメビウス辺りの大手が堂々と出し始めました」
上条「自主規制どこ行ったよ?」
レッサー「……どっか行っちゃったんでしょうねぇ。未だ帰っては来ませんが」
レッサー「ともあれ、こうしてペ×野郎どもの雌伏の時は過ぎたのですな!」
上条「雌伏してねぇじゃん。割かし早めに復活したじゃん」
――第三章 「パンドラの筺は開かれた」
ナレーション『世紀末(1999年)を越え、数々の規制も形骸化した2005年』
ナレーション『ソフ倫は自主規制の軛を解き放ち、ロ×は再び男たちの元へ帰って来た……』
上条「待て!帰る場所おかしいぞ!」
ナレーション『頭身制限撤廃、実妹OK、ちょっとアクティブな表現描写解禁。最早男たちを阻む物はないのだ』
上条「なにその最後のフワッとした言い方」
レッサー「マジレスすると各種残虐表現です。前は多少隠していました。てかティンカーベルさん自重しましょうよ」
ナレーション『男たちの戦いは終わった――かのように見えた』
ナレーション『しかし。これが新たなる絶望の始りであることを、彼らの知る術はなかった……!』
上条「規制なくなったんだろ?だったらペ×大勝利!で、エンディングクレジット流れて終わりじゃね?」
レッサー「2004年、上条さんは何をされてましたか?」
上条「今から14年前かー――うんっ!学生やってたかな!丁度インデックスと出会った頃だ!」
(※とある無印一巻発売日=2004年4月)
レッサー「ナイスメタネタありがとうございました――と、エロゲー界でも『Fate』の発売した年になります。正しくは同人ですけど」
上条「あー……あの。ソシャゲーで超人気のヤツ」
レッサー「その前年には『結い橋』、更にその前年には『D.C』、その前に『みずいろ』が!ここで業界の流れが一気に変わります!」
レッサー「エロから萌えへ!エロから燃えへ!もうエロだけを前面に出しては食っていけない!これからは萌えの時代だ、と!」
上条「展開期なのな」
レッサー「大体これ以後は純愛ゲームではヒロインが主人公以外にエロいことされるなんて皆無!だってモブにナンパされただけで抗議のお手紙が来るんですもん!」
レッサー「逆にエロ目的ゲームでは実妹だろうがロ×だろうがお構いなしに!見たかヤポンの底力!」
上条「振れ幅が極端すぎる!本当に開きやがったな筺が!」
レッサー「まぁお陰様で18禁版からエロ抜いたコンシューマー版が売れる売れる。ヒロイン追加すりゃ旧来のファンは多々買う必要が!」
上条「なぁ?さっきから聞いてると業界全体がゲスくないかな?」
上条「というか本題であったはずのロ×の話はどこ行ったよ?あぁいや興味は全く無いんだが」
レッサー「お陰様でエロゲー業界はほぼ全ての縛り解禁。西日本じゃテレビ・新聞等々、各種メディアですら扱えない話をエロゲーにしやがったものまでフツーに売られています」
(※本当に言えません)
上条「お前余計な事言うなよっ!アレは業界でもなかったことにしたがってんだからな!」
レッサー「そういう意味では恐らく同人誌を除いて商業的に展開している、最もフリーダムな媒体であるのは間違いないです――が」
レッサー「やはりこの業界も過渡期を迎えまして」
上条「もう嫌な予感しかしないなっ!イギリスの歴史んときもそうだったけど!」
レッサー「増えすぎたんです。単純に」
上条「悪いことじゃないだろ。量が増えれば一個あたりの質はアレな感じだか、業界的には裾野が増えていい話じゃ?」
レッサー「商業的にはそうなんですけども……ジャンルは違いますが、21世紀を代表する名言の一つがこうあります――」
レッサー「『――俺が、俺たちがガンダ○だ……ッ!』」
上条「忘れてやれよ!それきっと『俺、俺たちガンダ○大好きー!』とか言おうとして噛んだだけだって!」
レッサー「同じようにロ×も増えに増えすぎてワッケ分からん状況になっちまったんですなー、あっはっはっはー!」
上条「こんなときどんな顔すればいいのか分からないの」
レッサー「笑えばいいと思いますよ?」
上条「待て待て。訳分からんってどういう意味だよ?」
レッサー「いえ、ですからね。規制なくなった訳じゃないですか?あ、より正確に言えば2015年頃に若干厳しくなりましたが、まぁ基本的には」
レッサー「そーしたらウチもウチもとなんかもう定番になったんですよ。各ゲームに一人ロ×入れとけ!みたいな」
上条「語呂ちょっといいじゃねぇか」
レッサー「その結果何が起ったかと言えば、多分もうメーカーもユーザーも混乱しやがったんです」
上条「だから、どういう話だって」
レッサー「そうですなぁ。例えばテンプレあるじゃないですか?こう幼馴染みは素直で可愛くて天然だとか、ライバルはツンデレだとかっての」
上条「まぁあるな。俺にはこれっぽっちも関係無い話だが!」
レッサー「あなたのお友達の第三位さんも、この業界のテンプレ形成にそりゃもう深く深く関わってるんですけど……まぁいいですよ。そこはスルーして」
レッサー「で、まぁまぁ2000年代前半ぐらいのテンプレはこんな感じ」
・幼馴染み(メインヒロイン、素直で良い子)
・義妹(主人公大好き、当時は規制で実妹NGだった)
・ライバル(クラスメイト、ケンカ友達、突っかかってくる後輩、部活仲間)
・ロ×(近所の子供、耳っ子)
・お姉さん(同居している親戚、教師、転校生)
上条「あー……分かるなぁ。なんか古さからしてそれっぽいわ」
レッサー「()内の属性から一つ、もしくは複数組み合わせるとキャラができます」
レッサー「だがしかし、これが後半以降になると……」
・妹(ロ×確率70%)
・ツンデレ(ロ×確率30%)
・先輩(ロ×確率25%)
・人外(ロ×確率50%)
・巨乳(ロ×確率10%)
上条「待てや!なんだこのロ×確率って不穏な数字は!?」
レッサー「いえですからね、需要と供給、それに作ってる人らの性癖が三神合体した挙げ句、全てのテンプレにロ×属性を持たすことが可能になったんですよ」
上条「持たす?」
レッサー「ですから妹枠にロ×属性入れてもいいですし、ツンデレ枠にロ×入れてもいいですし」
上条「いやいや!先輩と人外と巨乳にロ×はつかないだろ!?」
レッサー「いやつきますよ?年上のロ×先輩や教師のロ×先生みたいに?」
上条「ウチの担任小萌先生だった!言われてみればロ×枠だ!?」
レッサー「他にも『人じゃないからロ×ババア!持ってる力を使ったらロ×化する!』」
レッサー「なんかもう『特に深い意味はないし物語とも関係ないんだけどロ×にしとけ!』的な」
上条「一周以上回って振り切った訳だな」
レッサー「ちなみにこれはオーク鈴木さんが知り合いから聞いた話ですが」
上条「だから情報ソース偏りすぎてないか?」
レッサー「とあるメーカーへ持ち込んだ企画がボツったそうです。中身はごくごくスタンダードな学園モノだったんですが」
上条「それだけどインパクト弱いわな。似たようなゲームが在る中で埋没しかねないって言うか」
レッサー「詳しくはアレなんで書けないんですけど、割と本人はそこそこ自信のあった企画でぶち切れてたそうなんですよ」
上条「まぁ、プレゼンなんてそんなもんじゃね?」
レッサー「でまぁ酒飲んで寝た翌日、次の企画を――と、その前にボツった企画で一笑いとろうと。折角なんで」
上条「発想が芸人と一緒だ。なんでそこでガツガツ笑いをとりに行く?」
レッサー「ヒロイン全員をロ×に書き直して企画書を出し直しましたが何かっ!?」
上条「病んでる。それで笑いが取れると思ってるヤツがどうかしてる」
レッサー「『お前これは流石にないわー、引くわー』、そう言われるだろうと思ってたんですが――」
上条「が?」
レッサー「見事採用の運びとなりましたテヘペロ☆」
(※実話です)
上条「もう企画関係無いじゃん!?ロ×だったらなんでもいいのかっ! この業界はっ!?」
レッサー「余談ですがそこそこ売れました」
(※マジです)
上条「業界だけじゃなく日本も終わってねぇかな?少子高齢化的な意味で」
レッサー「ちゅーかですなぁ。規制が取っ払われて全てのゲームがロ×ロ×しいものになると思いきや、いざ実際には精々中学生――」
レッサー「”ぽい”ぐらいで留まり、まぁ良心的っちゃ良心的な範疇であると言えなくもないです」
上条「いやその感性はおかしい。だってJCアウトだろ?」
レッサー「どこかのラノベでは主人公を置いてきぼりにしながら新年早々半裸タペストリーを販売すると聞きましたが!」
上条「おっとそれ以上意味不明の事実を並べるのはやめて貰おうか!俺には何のことか心当たりはないもののな!」
レッサー「まぁそんな訳でエロゲー界は安泰!……な、はずがなくてですね」
レッサー「我々ロ×ペ×野郎は様々なもののと戦ってきました。それが世間様であったり規制であったり」
レッサー「時には活動家と呼ばれる一派に騙され、反政府活動に荷担した方もおられますですなー」
上条「活動家言うなよ。別に政治運動したっていいだろうが」
レッサー「まぁそんなこんな紆余曲折を辿ってきたエロゲー業界とロ×なんですが――」
レッサー「――足りないんですよ、人材が」
上条「え?でもそっちの業界って下手すればアニメ化されて地上波に流れるぐらい景気良くなかったっけ?」
レッサー「月とスッポンの月の方ですね。そっちは”それなり”には景気よーくやってますけど、まぁ全部が全部とは限らない」
レッサー「この間出た某ゲームで恐ろしいのが出ました。あまりにも悲しくて名前は出せませんが!」
上条「お前が自重するんだからよっぽどなんだろ。ゲームが未完成だったりバグが酷かったり」
レッサー「原画家が逃げました!」
(※よくある話です)
上条「ダメじゃん。スタッフ逃げ出した時点でもう試合終了じゃん」
レッサー「ま、まだですよ!原画家なんて飾りみたいなもんです!外注さんに依頼すれば勝負は分からんのですよ!」
上条「宇宙空間で足端折ったモビルスー○みたいに言うなや!確かにいらないよなぁとは思うけどもだ!」
レッサー「ていうかスタッフが逃げるのはよくある話!どの業界でも特段珍しくないんですよ!」
上条「だったら別に例に出す必要皆無だろ」
レッサー「いえあのスッゲーと思ったのはこのメーカー、金がないのか納期がヤバかったのか」
レッサー「噂では事務員に絵描かせたって話が……しかもその噂の信憑性を裏付けるような下ッッッ手クソな出来で」
(※噂です)
上条「ロック過ぎるなこの業界!もうそれ出す必要が分からんわ!なんでそこまでして頑なに出そうとすんの!?」
レッサー「いえですから金借りてる場合、スポンサー側としては回収が絶対条件でして。しかも期限内に」
レッサー「よって多少未完成でも強行せざるを得ないんですなー。売れないと分かっていてもいくらかは回収できるでしょう?」
上条「凶行だろ。それ消費者庁に訴えられたら法的に負けるよな」
レッサー「まぁ……時代ですなぁ。エロゲー界黎明期はスタッフがバイトしながら完成するまでする、というのが一般的でした」
レッサー「原画家さんがコミケで薄い本売って資金源にしたり、シナリオあげた後のライターが治験やったり」
レッサー「時には他のメーカーの下請け(グラフィッカー・背景・スクリプト・デバッガー)したり、持ちつ持たれつでそこそこやってきました」
レッサー「文字通り”サークル”。学校や同人から始まった人が多く、しかし今は”企業”としての姿勢が前面に出ていますねぇ」
上条「……なんでロ×話から業界批判になってんだよ。真面目かっ」
レッサー「――と、かくいうこのように!エロゲーの歴史はロ×の歴史!ロ×の歴史はエロゲーの歴史と言い換えても過言ではないかと!」
上条「エロゲー作ってる人らに謝れ!ちょっと人様には胸張って言えない職業ではあるが!ペ×と一緒くたに語るんじゃない!」
レッサー「月に数本はロ×ゲー出てますけど?」
上条「それはアレだ、ほらえっと――売れるからだよ、資料としてねっ!」
レッサー「それ、逮捕されたペ×の方がよく使ういい訳ですよね」
上条「つーかだ。さっきから長々とエロゲーの歴史とペ×い人たちの苦難の歴史を聞かせられてきた訳だが」
レッサー「もう涙なしでは語れませんでしたな!」
上条「少なくともお前の目に涙はないようだが……そうでなく、プロジェク○Xのパクりなんだよね?」
レッサー「えぇ勿論ですとも。それが何か?」
上条「別に男たち戦ってなくね?」
レッサー「はい?」
上条「メーカーの中の人も『頑張って業界団体に認めさせました!』っつー話でもないし、そもそもペ×い人は唯々諾々と状況に流されただけっていうか」
上条「そもそも自主規制団体が規制緩めたのって『売り上げが落ちてるから』なんだろ?個人が頑張ってもないし、商業的な思惑があった訳で」
レッサー「……メーカーの中の人は表現の自由と戦い、そして彼らを待つペ×い人たちは別のものと戦っていたんですよ。そう、それは――」
レッサー「”世間”っていう敵とですね……ッ!!!」 ドヤァッ
上条「絵に描いたようなドヤ顔だが上手いこと言ってねぇからな?カメラ目線で目力入れてっとこ悪いけど」
上条「てゆうか世間って敵か?敵に回してまで貫く趣味か、これ?」
レッサー「ですが世の中にはフブ○さんよりもタツマ○さんの絶壁断崖に惹かれる方は数多く!」
上条「特定層だけな?特殊な人たちが集まる業界の中での話だからな?」
レッサー「だもんで業界は優秀な人材を募集しています!来たれ若人!いざエロゲーの地獄門を叩きやがれっ!」
レッサー「今でしたら最近多くなった意識高い系クリエーター気取りの地雷(プロデューサー)があちこちにいます!さー地雷を除けてまともなメーカーへ入れるかなー?」
(※実話です)
上条「それで入ろうって人、いると思うのか?」
レッサー「ヒット作はおろかゲーム一本出した実績しかないのに、ミリタリー系キャラグッズ量産して会社に大ダメージを与えるライター!」
(※実話です)
レッサー「会社に無断で設定資料をコミケで売りさばいて稼ごうとする原画家!まっ、給料未払いだったから仕方がないんですけどねっ!」
(※実話です)
レッサー「時には主要スタッフだけ抜けて別会社を起こすこともしばしば!社長一人がハブられて借金だけが残りますよっ!」
(※実話です)
レッサー「あなたはこのギリギリな人間関係で生き残れるかっ!?リアル風雲たけし○!」
上条「ムリだもの。だって職場が予想以上にブラックだわ将来はないわで、これで惹かれて入ってくる人いないもの」
レッサー「それではプロジェクトX18!次回は”ガチショ×黎明編”でお会いしましょう!」
(※しません)
上条「ショ×普及も業界が一枚噛んでんの!?エロゲー業界の業が深すぎるよなっ!」
(※噛んでます)