レッサー「あなたと出会えたのは。運命、なんて言うんじゃないですかね?」
――とある学校 校門前 夜
猟犬部隊A「こんばんは。お荷物を拝見しても宜しいでしょうか?」
上条「はい?俺ここの生徒なんですけど」
猟犬部隊A「危険物等持ち込まれないよう、どうか御協力ください」
上条「危険物て。ナイナイ<学校のイベントにそんなアホなもん持ち込むアホなんていな――」
上条「……」
上条「――さっ、よーく確認してくれよな!俺は何も持ち込んでないから見せたって平気さ!俺は何も持ってきてないから!」
猟犬部隊A「ではデイバッグを拝見します……未開封の水のペットボトルに携帯ゲーム機、ですか」
上条「夜だしペンライトも持って来たかったんだげとな。電池が切れてて」
猟犬部隊A「……私見を申し上げるのは禁じられているのですが、流石、としか」
上条「おぉう誉められた!でもなんか文脈で嫌な情報が小出しにされてるけど大丈夫かな!?」
猟犬部隊A「まだ始まってないいないにも関わらずその余裕……役者が違いますね」
上条「いやだから、何の話……?」
オッサン「おい犬っコロ、喋ってんじゃねぇよ」」
上条「そんな言い方ないだろ。おまわりさんが不審者チェックで『ちょっとお話いいですか?』って言うヤツだろ」
オッサン「職質慣れしてんじゃねぇよ」
上条「仕方がないだろ!?俺の友達が職質数ギネス狙ってんだから!?」
オッサン「何言ってんのか分かんねぇわ。あと大声出してねぇでさっさと進めこのガキが」
上条「口悪いぞオッサン!お前の子供も真似したら碌な育ち方しねぇんだからな!」
オッサン「もう手遅れだぜ」
――校内
招待者?「……」
上条「なんか……人多いな。ドッキリイベントだってのに、ドッキリ感はないが」
レッサー「おや?そちらにいらっしゃるのは上条さんじゃないですか」
上条「おう久しぶり――か?」
レッサー「微妙にニアミスしてますからねぇ私たち。『知っているのか雷○!?』と何度ボケたい衝動に駆られたことか」
上条「お前の存在自体イギリスのボケみたいなもんだからな。ずっとツッコミ待ちっていうか」
レッサー「まぁそれほどでもないですな!私のようなスケールの人間だと国家レベルってもんですよ!」
上条「くっ!アホには嫌味が通用しねぇ!」
レッサー「ていうか我々がイギリス発祥のクリケットではなく、なぜラクロスなんでしょうね?」
上条「自分で言うなよ!きっとそれもお前らがゲームとかに出たら、四人で一つの合体必殺技とかで伏線回収するさ!」
レッサー「てかご挨拶じゃないですか。誰がイギリスの味噌っかすですって!?」
上条「ほぼ正確に伝わっていてありがとう。そしてイギリスさんにもそろそろ同情するわ」
レッサー「で、前回オタクさんの国の人が迷惑かけた代金はいかほど頂けるんですか?」
上条「誰か払うか!その人も元を正せばイギリス人だしメイド悪魔☆5を住まわせてたのもお前らだろ!?」
レッサー「『世界で起きている紛争の約8割はイギリス』は、伊達じゃないですよねぇ」
上条「でも最近、スコットランドのラグビー協会のダメっぷりをみるに『イギリスと同化するとアレな民族になるんだ?』ってちょっと納得してんだよ!」
レッサー「にゃっはっはっはー!台風来てんのに試合やれよと急かした挙げ句、発言が問題視されて罰金と謝罪要求されているのに居直る連中はまだ甘いですな!」
(※これ書いた翌日に事態が変わりました)
レッサー「我々だったらもっと上手くやりますよ!外国の主席の部屋をトイレ近くにしたりして、ねっ……!」
上条「大丈夫か?俺お前に会う度似たような事言ってるけど、本当に大丈夫なのか?」
レッサー「ふっ!見くびらないで下さい、私ほど国家を愛している人間はいないと思いますよ!なんだったらフランス野郎の黒歴史数え歌でも歌いましょうかっ!?」
上条「お前が歌いたいだけだろそれ」
レッサー「では『ちいさい秋みつけた』の替え歌で『ちいさいペ×みつけた』、お聞きください」
(※サトウハチロー;作詞、中田喜直;作曲、替え歌;上司)
上条「なんて反社会的なタイトル……ッ!?」
レッサー「『ちーさいペー×ちーさいペー×みーつけーたー♪』
上条「放送できねぇよ!?てか小さいからペ×なんだよ!そういう癖(へき)の人だっているんだよ!」
レッサー「『みんな違ってみんないい』」
上条「ウルッサイわ!そういう主旨で言ったんじゃない!……と、思う!」
レッサー「なんてつれない言い方……!私は『上条さんに遭遇したっうわラッキー!』って思いましたのに!」
上条「だからそれやめろって言ってんだよ!お前の好意の裏には戸籍変更がセットになてるかと思えば!」
レッサー「いやでもモノの本では『取り敢えず一回してから考える』って書いてありましたけど?」
上条「まぁそれも真実っちゃあ真実だよ!これ以上ないぐらいで有史以来変わってないが!」
レッサー「あくまでも100%私の憶測ですが、人類が歴史を持つ以前からそうだったんじゃないかと。てか神話でもそんなんばっかですし」
上条「ギリシャ神話なんかアレだし、北欧神話はそこら辺の部族ごとの伝説がミックスされて訳分かんないんだよな。確か」
レッサー「まぁでも今言ったのは本当ですよ?やっぱり最初に上条さんと出会えたのは良かった――いや」
レッサー「――これもう運命、なんて言うんじゃないですかね?」
上条「レッサー……」
ピーンポーンパーンポーン
アナウンス【えー、マイクテストーマイクテストー、アメンボ赤いなあいうえお】
上条「それテストじゃなくて発声練習じゃね?」
レッサー「なんで声優トレーニングの初歩の初歩知ってんですか」
アナウンス【参加者が規定人数まで達したので、現時刻をもって以後の参加は打ち切りとなります。遅れた方は動画にてご観戦ください】
上条「観戦?遅れた?」
アナウンス【皆さんご承知の通りだと思いますが、まず全校全所モニターされています。全て採点の対象になると思ってください】
アナウンス【要所にある安全地帯、別名トイレと休憩所には設置してありません。ただしその意味を考えるのも大切ですかねぇ】
上条「……オイ。さっきから不吉な単語が乱舞していやがるんだが?」
レッサー「F○6のラスボス曲、『妖星乱○』ですか。名曲ですよねっ!」
上条「否定はしないが言ってねぇよ。てかこれドッキリイベントじゃなかったのかよ!?」
アナウンス【まぁ長々と言っても仕方がないので!さぁ皆さん張り切って参りましょう!それでは――】
アナウンス【――『とある魔術の禁書目録、第三部・主役決定デスゲーム』をここに開催します……ッ!!!】
レッサー「イエェェェーーーースッ!レッツ、ジェノサァアッィッ!!!!」
上条「本気で待てよゴラアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!?」
――モニタ室
佐天「――はい、っていう訳で始まりましたけども!」
御坂「いいのかな?そんなラジオの公開録音みたいな雑な入り方でいいの?」
佐天「なお!ここで選抜されても本決まりとはなりません!当たり前ですけど『出荷する前に腐ったミカンを箱から捨てておこう!』って感じですよね!」
御坂「暴動起きるわ!っていうかこれ全校にアナウンスしてるんでしょう!?」
佐天「え、はい。まぁ失格になった人のコールとかも担当していますから、さぁ御坂さんも落ちた方を遠慮なく笑ってあげませんと!」
御坂「趣味が悪いわ!てかイベント終わったあとにも人間関係にあと引くようなのはダメでしょうが!」
佐天「いや違います違います。これは『実は全部ギャグだった』、ということにして中身を不問にするっていう高等な技術がですね」
御坂「無理だと思うわ。デスゲーム参加させられといて殺し合った相手と笑い合う度量は……うん」
佐天「じゃまぁ見てみます?論よりって言いますし」
御坂「見たところで同じだと思うけど……」
――廊下一階 昇降口近く
レッサー「……くっくっく……!ここで上条さんに会えたのも運命ってヤツじゃないかと思うんですよ、私は」
レッサー「なんて言っても第一部の主人公を消してしまえば、第三部は私のターンだって確率が高まるじゃあないですか……!」
上条「うん、知ってた。お前はそういうヤツだって分かってたのに、一瞬期待した俺がアホだった」
上条「あと第二部も俺が主役だからな!ただこう、えっと……チームで戦ってたから、ちょっと出番が減って活躍が減って最後にポッとオイシイところをさらってるだけで!」
レッサー「自信ないじゃないですかーやだー」
上条「だがまぁ、そういうバトルなら俺も望むところだ!お前に世間様の厳しさってもんを教えてやるぜ!」
上条「こう、主役なのに新衣装が出ないとか!レア度か不当に低いとかそういう厳しさをな!」
レッサー「すいません。本当に厳しいんでやめてもらってもいいですかね?こう、心にきます」
上条「最近じゃインデックスもだな。新しい衣装の合わせとか撮影に行くじゃん?でもそれって俺は呼ばれてない訳でさ?」
上条「『あれ?インデックス、どっか行くんだ?』って聞くと、『う、うん!ちょっと散歩にね!』って小さい嘘をつくようになったんだからな!」
レッサー「すいません本当に勘弁してください。あと撮影時に盛り上がるのは上条さんの悪口です」
上条「ほーらやっぱり扱い悪いじゃないですか−」
レッサー「共通の話題がそれぐらいしかないんで……」
上条「――と、いう訳でだ!俺が勝ったら高レアのスチールを撮って貰うからな!」
レッサー「具体的にはどんな?」
上条「み、水着?」
レッサー「誰が得するんですか」
上条「ナイチチにだって需要があるんだったら男だってある筈だろう!?なあぁっ!?」
レッサー「そりゃあるでしょうけどね、上条さんのファン層は歪んでいるので、『このスベりっぷりが逆にオイシイ』という少数派も」
上条「もうファンじゃないよね?俺が酷い目にあって喜ぶのは敵といって構わないよね?」
レッサー「ちなみに私も『ナイス上条さん!このまま5位キープを目指して!』って盛り上がった方です」
上条「よっしゃ分かった!お前とは前から決着つけなきゃいけないって思ってたんだよ!今日が因縁を終わらせる日だと思え!」
レッサー「ふっ、受けて立ちましょう!偉大なる詐欺師帝国、もとい!大英帝国の名の基に!」
上条「お前もしかして嫌いじゃね?なんかイギリスの評判落すためにテロ活動してないか?」
レッサー「まずはそちらかからどうぞ!ハンデぐらい差し上げましょう!」
上条「その自信が命取りになるぜ!――で?」
レッサー「はい?」
上条「デスゲーム?とは言ってたけど、これってどうやって勝負つけんの?」
レッサー「存じませんけど?なんかこう適当に話合うんじゃないですか?」
上条「何その行き当たりばったり!?」
レッサー「ちなみに優勝しようが勝ち残ろうが、本当に主役になれる保証はどこにもありませんが?」
上条「じゃあなんですんだよ!?存在意義からしてもうフワッフワしてるわ!」
レッサー「いえこれはですね。課外活動と同じですよ」
上条「課外って……」
レッサー「入試や就職のときに『こんな事やってましたよ!私って意識高いでしょ!?』ってマウントとるアレです」
上条「言い方。中には真っ当な動機でする人もいるわ」
レッサー「ですんで!このデスゲームで華麗な活躍を上げれば!きっとどこかで見てる神様(※鎌池先生)が『あ、レッサーちゃん頑張ってるなー』」
レッサー「『よし!じゃあ次のシリーズの主役ね☆』となる可能性は否定出来ないかと!?」
上条「神様そんなに頭悪くねぇよ。そして暇でもない」
レッサー「――ま、何にせよあなたもう引き返せないところにまで来ているんですよ……!この、デスゲームから逃れるには勝ち続けるしか、ねっ!」
上条「デス要素が今まで皆無な件について」
レッサー「なので!『どうすれば勝ちなのか?』、というのもまた主人公に求められるスキルなのではないかと私は思います!」
レッサー「自ら考え!勝利条件を見つけ出し!腕力・能力だけではなく頭も良い!それが主人公に求められる要素でしょう!」
上条「あー……まぁ、そうだな。お前が言うなや、とは思うが最近の主人公像ってそういうの多いよな」
レッサー「よって入り口で荷物検査されましたでしょう?そこで許可されたアイテムを有効に使えば勝利じゃねぇかなぁと」
上条「――そっか!良い事聞いたぜ!それじゃこれはこう使えばいいのか……ッ!」 スッ
レッサー「そ、それはっ!?最近ゲームが殆ど発売されないPS VITA!?」
上条「disった補足説明はいらん。SAG○3が出るまで待ちのファンだっているんだから!」
レッサー「もう新ハード来て欲しいですよね」
上条「『――来い、テムジン……ッ!!!』」
レッサー「……」
上条「……」
レッサー「あのですね上条さん、ボーカロイドってのはフィクションの世界でありまして、私たちが住んでいる場所とは次元がですね」
上条「知ってるけど知らないよ!てかお前もそっちに関しては一枚噛んで暴れたじゃねぇか!」
上条「あとボーカロイドじゃなくてバーチャロイドな!語呂似てるからたまに雑誌とかでも誤記を見かけるが!」
レッサー「私も一瞬『これ正解じゃね?』と思ったんですが、連中が来ないので違いますね」
上条「違うのかよ……!なんか声張ったのに!」
レッサー「では次はこちらのアイテムですよ!上条さん覚悟はいいですかー?」
上条「なんかシステムがよく分かってないから不安だよ!けどまぁ最悪死にはしないだろう!」
レッサー「『テレレッレレー!ぶんかぼぉちょう(文化包丁)!』」(ダミ声で)
上条「待てやゴラアァァァァァァァァァッ!?無茶振りだろ?!それもう俺に勝ち目ねぇって分かってたじゃんか!?」
レッサー「大丈夫!百均で姿変えて購入したんで逮捕はされません!」
上条「コイツ……!?逮捕されるようなことを今から俺にしようってのか……ッ!?」
レッサー「大丈夫!一回だけですから!ちょっとスパっと切るだけですから!」
上条「一つしかないよ!?お前が何切るのかは怖ろしくて想像できないけど、世の中のメンズが一つしか持ってないモノ切ろうって話だろ!?」
レッサー「さ、お覚悟を!イギリスの礎になる勇気を!」
上条「誰か助けてー!?ここで俺がロストしたら『上条当麻、新シリーズ目前で刺される!痴情のもつれか!?』ってスポーツ紙に載っちゃうよ!」
レッサー「『なお動機は二股がバレた模様。他にも被害者がいると思われるが、ファンは”やったぜ上条さん!永遠の童×卒業おめでとう!”とむしろ好意的の模様』」
上条「やめろ!一部のタチ悪いのは本当に言い出しそうだからやめろ!」
レッサー「なお魔術を一切使用してないのでそげぶは効きませんので悪しからず。では」
ピンポンパンポーン
アナウンス【イギリス出身のレッサーさん、アウトー。不適切行為により即失格となりまーす、フィールドから出てくださーい】
レッサー「なんでですかっ!?ホワッイ!?」
上条「そこで理由が分からないお前の感性がおかしい。もしくは病んでる」
アナウンス【理由は「時事的に叩かれそうだから自重しろ」だ、そうです。いや残念ですが】
レッサー「な、なーんちゃって!嫌ですよぉ上条さん、ジョークを真に受けて!」
上条「ありがとうレッサーさん。俺の中でイギリス人と不味いメシを種族は二度と信用しちゃいけないって固まったわ」
レッサー「我々以外にメシマズ国があるとでも仰るか!?」
上条「ツッコむところ違うわ。そして別にメシが美味くてもアレな国はそこそこの頻度であるからな」
――モニタ室
佐天「――っていう感じですかね」
御坂「うん……止めるのは正解だと思うんだけど、なんかこのフワっとした判定基準はどうなの?って感想なんだけど」
佐天「一応新シリーズ、ちゅーか第三部()の主人公なんで外道・非道の類はNGなんですよ」
御坂「そこで笑いをつけるな」
佐天「ほら、あれと一緒じゃないですか?アイドルが恋愛禁止的な?」
御坂「なんかもうツッコむのが面倒になってくるぐらいにボロッボロに破られるわよね、その禁止令」
御坂「というかあたしがこの手のアホ企画に付き合わされるの?そこからしてまず珍しくない?」
佐天「運営の方から聞いた話ですが、まず次代の主役っぽい人を勝手に選別するに至って大切な要素があると」
御坂「ほう」
佐天「つまり『別シリーズで主役やってる人は新主役に抜擢されないだろう』と」
御坂「あれ……?白いの……無印で……あれ?そう、だっけ?」
佐天「ってことになったのですよ!なので御坂さん達には審査員を務めて頂きたく!」
御坂「あー……うん、あたしが企画段階から呼ばれたの理由は分かったわ。でも、そうするといなきゃいけない人が二人ぐらいいるんじゃ?」
佐天「『暇じゃねェンだわ』。バーイ、学園都市第一位さんのメールの返事です」
御坂「ほ、帆風さんなら!あのクソアマ勢力の良心である帆風さんだったらナイスな提案をしてくれると思うわ!」
佐天「『夜遅い外出は認められておりませんので、またの機会にお誘いください』」
御坂「同じ内容なのにこんなにも当りが違う……!」
佐天「ですんで利害関係には全く当て嵌まらず、かつ唯一前向きな返信を頂いた御坂さんが必然的に審査員に……!」
御坂「……なんかゴメンね。あたしが謝る筋合いじゃないけども――」
御坂「――ん?審査員?あたしが審査員って言った?」
佐天「はい。なんかこうフワッとした企画なので、判定基準は中立の方がいらっしゃると心強い――って御坂さん?」
御坂「……ふーん……?」
――屋上
土御門「……ここにいたか。探したぜ」
青ピ「――ふっ、ボクは迷わんかっけどね。土御門やったらここへ来る思うてましたわ」
青ピ「いやぁ――思ってた、ちゅーか確信してた?お前なら迷わず選ぶやろうな、って」
土御門「そりゃ決まってるだろ?――主人公ってのは屋上へ来る、ってテンプレがある……ッ!」
青ピ「あぁ……ええなぁ。屋上に侵入して『つれーわー、みんなとなじめない俺つれーわー』とボッチを誇る主人公像!あるあるやんね!」
土御門「そして給水塔の陰から登場するヒロイン!もしくは”やつら”との戦いで傷ついた少女がいたりな!」
青ピ「あるある!どっかで何回か読んだんだけど思い出せないやつやね!」
土御門「『目立つの嫌だわー、クラスにいるのがストレス溜るわー、よし!それじゃ屋上へ!』ってぐらいの悪目立ちするだろそれってな!」
青ピ「優等生なのにちょっとアレやったりな」
土御門「……なぁ青ピ、ここは黙って引いてくれないか?」
青ピ「ザッケンな、と言いたいところやけれど、まぁ理由ぐらいは聞いたるわ。なんやのん?」
土御門「俺は別に主人公になんかなりたくないんだ。正直面倒だし、余計なトラブルに巻き込まれるだけだ」
青ピ「アホか土御門!?やったらなんでここに来たんや!?」
土御門「俺はカミやんの負担を取り除きたいんだ……ッ!」
青ピ「……カミやんの?」
土御門「そうだ!アイツだけが傷つくなんてまっぴらだ!だから俺が上条当麻の負担を少しでも肩代わりしたい!」
青ピ「でもお前、終わりの方でバカンスしとらんかった?舞夏はんとイチャイチャしとったよね?カミやんを助けに行く事も無く?」
土御門「……し、シテナイヨ?」
青ピ「――ふっ、堕ちたなつちみー!お前の浅い動機なんぞボクにはまるっと見お見通しやで!」
土御門「そういうお前はどうなんだよ?どうせモテたいとか彼女ほしいとかしょーもない理由なんだろうからな!」
青ピ「ボクが主人公になったら――電撃文庫から富士○出版(※1)に移籍するわ!」
(※1美少女コミック誌・成人向け、ぶっちゃけ18禁)
土御門「お前……なんて怖ろしいことを……ッ!?」
青ピ「そうすれば!出版社の性格上必然的にえっちぃシーンを入れなくてはいけませんえ!あぁボクは別にしたくはないやけども!」
土御門「ふざけるなよ!全国のちびっ子が見れなくなるだろうが!」
青ピ「え?深夜アニメなのに?」
土御門「……」
青ピ「そして基本ファンはJC大好きなんや!やったら最初からウェルカムした方が正直ちゃいますのん!?」
土御門「一理、あるな……」
青ピ「やんな!?やったらボクらで新シリーズは富士○で会おうや!」
ピンポンパンポーン
アナウンス【えー、審査員に決定により土御門さんと青ナントカさん失格となりました。理由は「薄い本でやれ」だそうです】
青ピ「裁定の理由が偏見すぎやしませんかっ!?」
土御門「……俺の個人的な意見だけど、『まぁこれはこれで』って納得するファンも多いと思うんだ。富士○はともかく、キルタイ○ぐらいだったら」
――音楽室
絹旗「残念です、超残念ですよフレンダ。まさかあなたと敵対する日が来るとは……」
フレンダ「……あの、ここはさ?『フレンダとは超戦えません!』とか言う場面じゃない訳?あたしだって戦いたくないし?」
絹旗「あぁ残念です、超残念だなー。フレンダの詰めが甘いせいで私たちがピンチに陥ったあれやこれや、その借りを一気に精算できる日が来ようとは……!」
フレンダ「誰か助けてー!?フォースの暗黒○に堕ちたキヌハターがここにいる訳よー!?」
絹旗「ねぇ知っていますか、こういう話を。あぁ大した話ではないんですが」
フレンダ「どんな話よ」
絹旗「『MOM○は誰も御子○さんのことなんか見てないんじゃないか』、って」
フレンダ「本当に何の話よ!?それ確かヤンジャ○でやってるマンガの話じゃない!?」
絹旗「先週は元同僚が敵に回してしまったバンパイア主人公が、超苦悩を抱えながら戦うシーンだったんですよ。同僚の子も超可哀想に的な」
フレンダ「いいシーンな訳!まぁ王道っちゃ王道だしね!」
絹旗「なのに読後の感想が『この衣装エッロ!?』しか頭に残らないという……ッ!」
フレンダ「ねぇ、何があったの?その話のラストシーンに至るまでどんな展開があったの?」
絹旗「てゆうかもうバンパイヤなんてどうでもいいんですよきっと!エロい絵だけあればその他のことはどうだってね!」
フレンダ「それ以上、喋らないで。なんかあたしまで評価が下がっていく気がするわ」
絹旗「なんかこうそれっぽいやりとりをした方が主人公っぽいかな、と思ったんですが、超特にないので立ち読みした話を」
絹旗「あ、じゃあウィル=スミ○の新作が超クソだった話を小一時間ほどしましょうか?」
フレンダ「あたしを巻き込まないで!?そういう人生を浪費させるような話は浜面にしてあげて!」
絹旗「分かりました。では超始めましょうかね。何か言い残すことはありますか?」
フレンダ「いやだからね!?ここで『仲間とは戦えない訳!』って言い出すのが主人公じゃないの!?」
絹旗「『――私は!フレンダの死を無駄はしません!』」
フレンダ「殺る気を隠しなさいよもっと!てかあんた主人公狙ってるけど、どんな新シリーズにするつもりな訳!?」
絹旗「『絹旗ちゃんがこんなに可愛い訳はない』」
フレンダ「こいつ……!パクりの上に自分を萌えキャラ路線で売るつもりか……!?」
絹旗「そういうフレンダは何なんですか?復活するんですか?」
フレンダ「当ったり前でしょーが!ウチの子があんた達に教育されてるなんてどんだけよ!?」
絹旗「……」
フレンダ「な、なによ!反省したって遅いんだからね!?」
絹旗「いや……私や麦野とは別行動でしたし、浜面と滝壺さんとも一緒に行かなかったですし……どこに行っちゃったのかなぁ、って超思いまして」
フレンダ「そういうところよ!麦野も反省してるって言ってる割にはフレメア放り出して思い出しもしないし!そういうところがダメな訳!」
絹旗「だ、大丈夫ですとも!子供が好きで好きでたまらない白い分裂症(誤用)気味のカブトムシが超オプションについていますから!」
フレンダ「その説明で安心出来るわーってバカ、世界に何人いる訳か?あ?お?あ?」
絹旗「改心した第二位ですけど?」
フレンダ「負けたじゃん!?つーかあたしが/した原因作った元凶じゃん!」
絹旗「コミツクス版も次巻でフレ/ンダですからね。成仏してください成仏してください、なむー」
フレンダ「したいわ!あたしだって事ある度にネタ要員として使われたくはない訳だ!」
絹旗「あなたを復活させるためであれば、今ここであなたを【!見せられないよ!】するのも辞さない覚悟です!」
フレンダ「それ主人公じゃない。レイドボス倒すために周回プレイしてる人」
ピンポンパンポーン
アナウンス【えー、審査員に決定により絹旗さんとフレンダさん失格となりました。速やかにお近くの出口から退場して、係の者に菓子パンとポカリ貰って帰ってくださいねー】
フレンダ「た、助かった!あと参加賞が子供か!」
絹旗「なんでですかっ!?超主人公に相応しい『友の死を乗り越える!』って話なのに!?」
フレンダ「自作自演よね?」
アナウンス【バストアッパーの件忘れてねぇぞこのアマ、と審査員の方が】
絹旗「超完全な私怨ですよね!」
――教室
姫神「……」
鳴護「えーっと……こんばんは?」
姫神「こんばんは」
鳴護「あぁ良かった!都市伝説かと思った!」
姫神「出会い頭に失礼。しかし何故か冬服を着たらそんなリアクションが多い。どうしてだろう?」
鳴護「あなたの雰囲気が、ね。うん。なんか世界を操っていたり、世界の敵と人知れず戦っていそうな雰囲気が」
姫神「そう?誉められてるいる。やった」
鳴護「よ、良かったね?……あなたも新シリーズの主人公狙いですか?」
姫神「うん。魔法使いになりたい」
鳴護「それはなんか他の世界軸でなかったのかな!?”の夜”的なやつで!」
姫神「あなたは?髪ピンクをなんとかしたい?」
鳴護「いやそれは別に……てか『この色服と合わせづらいな!』とか結構思っていたけども!」
鳴護「主役とは言わないけど、できれば新シリーズで出たいかなー、なんて思ったり?」
姫神「それは良くない。人生。時には諦めるのも大事」
鳴護「あなたにそれを言われちゃうと、反論できる人はこの世界に皆無なんですけど……」
姫神「厳しい背景設定の割りに放置されて10数年。多分このまま私の能力は日の目を見ない気がする」
鳴護「そ、そんなことないよっ!?きっと悪い吸血鬼さんがワーって出て来て活躍するよ!」
姫神「学園都市に来てもごく普通に殲滅されそう。時代の最先端を通り越して『やりすぎだろこれ』っていう兵器群に」
姫神「『バンパイア……?よっしゃ貴重なサンプルだ!生け捕りにしてラボ送りだぜ!』ってね」
鳴護「どっちかが加害者が分からないよね。向こうが悪いんだけど、限度ってモノが」
姫神「多分向こうもドン引きして手を出してこないのかと。私もたまに忘れる」
鳴護「ま、まぁね!ここまで話が進んでるのに影も形も出さないだなんて絶滅危惧種だからね!」
ピンポンパンポーン
鳴護「あ、まだ誰が失格になったのかな?」
アナウンス【鳴護さんと姫神さんアウトー。速やかに退場お願いしまーす】
姫神「まだバトってもいない。なぜ?」
鳴護「あ、あたし的には助かったけど」
アナウンス【見てて痛々しい、だそうです】
姫神「まだまだ序の口。これから主人公特有の『不幸レベルのマウント合戦』が始まるところだったのに」
鳴護「いやしないしない!?そして世の中の主人公さん達も好きでなったんじゃなくてね!?」
アナウンス【そしてCカップ以上は等しく滅びを、と顔に斜線が入ったまま宣っていまして】
姫神「魔王かな」
鳴護「そんな面白おかしい理由で世界にケンカ売った魔王さんだったら、歴史に名を残すと思うよ!」
アナウンス【あと生理的にちょっと、という点で以下の方々も失格となります。えーっと上条(引)さん、海原(真)さん、木原唯一さんに――】
アナウンス【――残った参加者の方は体育館へお集まり下さい】
――体育館
上条「なんか残っちまったなー……てか俺レッサーと漫才しかしてないのに」
上条「つーかここにいるのは俺一人――ってことは新シリーズの主人公も俺が……!」
佐天「そこで喜んでる時点でどうかと思います」
御坂「ぐ、偶然よねっ!」
上条「あぁ二人ともお疲れ。運営側だったのか」
佐天「えぇまぁ唯一の審査員の方の謎ジャッジにより、他の参加者がバッタバッタと振り落とされまして。残った参加者はここにいるだけです」
御坂「ぐ、偶然よねっ!」
上条「作為しか感じねぇよ。でもよくやったビリビリ!これで俺が主人公だな!」
佐天「――待ってください!参加者は”ここ”にいると言ったはずでしょう?」
上条「いやだから俺しかいないだろ?他には運営の二人だけだ」
佐天「いつ――あたしが運営だって言いました?」
御坂「……佐天さん?あなたまさか――」
佐天「そうですとも!このあたしも新シリーズの主役希望者に決まってるじゃあないですか!」
上条「ナ、ナンダッテー」
佐天「ふっ、参加者なのに運営側に混ざるだなんて昨今の賢い主人公にありがちですけど!」
上条「ありがちっていうな。最近量産気味のデスゲーで多い展開だが!」
上条「まぁ、いい度胸だ!二シリーズの主役の貫禄ってのを見せてやるぜ!」
御坂「ダメ――逃げてっ!勝ち目なんてないわ!」
上条「だからなんでだよ!?むしろ俺が負ける要素が皆無だわ!」
佐天「――ド級編隊エグゼロ○」
上条「いや俺は知らないけどえっちなマンガだろ?あれ本屋さんやネットカフェで『とある・ドリフター○・ド級〜』って並んでるヤツだろ?」
上条「いや俺は全く興味はないんだが来年アニメにもなるし、これ大丈夫か?って思ったりするんだがな!」
佐天「思っくそご存じですよね?まぁ話が早いっちゃ早いですが、人気投票やったんですよ。その男性主人公の順位はなんと――11位!」
上条「いやあの、あれ確か一位のキャラはエロい描き下ろしかなんかあるって話であって、最初から男キャラはほぼ無視されてたっていうか」
佐天「同じ××役としていいんですか……ッ!?」
上条「違うわ!あっちの人も俺もそれぞれ出来る範囲で頑張ってるわ!」
佐天「じゃあ逆にお聞きしますけどぉ!?同じ無能力者でもJC女子とグーパン男子高校生、どっちが主役の話を読みたいですかねっ!?」
上条「あ、やべ。これ完全に時代の流れはあっちだな!」
佐天「いいですか、上条さん。誰しもが”自分”っていう物語の主役じゃないですか?」
上条「そしてなんか長い勝利宣言しようとしてる!せめてなんかで勝負しようぜ!そのぐらいはあっていい筈だ!」
佐天「あ、じゃあ人気勝負します?」
上条「お、俺の方が上だしぃ!?なんていっても3位ですけど!?」
佐天「あぁいえ、そっちでもいいんですがもっとリアルな数字で勝負しましょうよ。具体的には売り上げで」
上条「売り上げって……何かあったっけ?」
佐天「何年か前にとあると超電磁砲のアーカイプスってドラマCD売りましたよね?その数字で」
上条「あー……あったなぁ。もう10年前だぞあれ」
佐天「で、その結果がこちらに」
禁書目録アーカイブス1 最高201位 上条&インデックス←
禁書目録アーカイブス2 最高152位 上条&姫神←
禁書目録アーカイブス3 最高255位 ステイル&神裂
禁書目録アーカイブス4 最高225位 御坂妹&風斬
禁書目録Uアーカイブス1 最高133位 インデックス&上条
禁書目録Uアーカイブス2 最高176位 オルソラ&アニェーゼ
禁書目録Uアーカイブス3 最高129位 御坂&白井
禁書目録Uアーカイブス4 最高100位 打ち止め&一方通行
超電磁砲 アーカイブス1 最高78位 御坂&白井
超電磁砲 アーカイブス2 最高54位 初春&佐天←
超電磁砲 アーカイブス3 最高82位 御坂&白井
(※参考資料・オリコン調べ。敬称略)
上条「やめろよおぉぉぉぉぉぉぉぉっ!?イジメ良くないと思うよ!?」
御坂「なんてリアルすぎる数字が……!」
佐天「まぁぶっちゃけ初春が一番ブイブイ言わせていた時期でしたし、あたしも乗っかった感がしないでもないのですが」
佐天「なお、某運営がSS書く資料としてオルソラさんのCD取り寄せたそうなんですが、『ファンの心意気が試される』という出来だったそうです」
上条「あぁうん花見の話な。寮に入ってから俺も聞いたよ」
佐天「――さぁ上条さん!購買力の絡んだリアルな数字であたしに負けるあなたが!本当に新シリーズでも主人公でいいんですかねっ!?」
上条「くっ……!なんか反論しづらいな!そこを持ち出されると!」
佐天「現にソシャゲではJCの方が枚数多い!この現実をどう見ますか!?」
上条「ま、まだだぜ!俺には奥の手がある!ビリビリだ!」
御坂「あ、あたし?」
上条「なんかこう不自然なジャッジで勝ち上がるかもしれないじゃないか!なぁっ!?」
御坂「え!?あー……うん、そうそう。やっぱりねー、こういうのはある程度の場数を踏んでないとダメと思うのよ?やっぱり体張るじゃない?」
佐天「(主人公から外れれば新ヒロインが追加されなくなりますよ?)」 ボソッ
御坂「――だからね、やっぱりここは佐天さんって新機軸も必要じゃないかな!?足りない部分はフォローすればいいし!」
上条「オイ審判なんか耳打ちした!その悪魔がなんか言ったよ!」
佐天「でしたらせめて同人になってから来てほしいですな!ほぼ全て御坂さんかあたしか初春か食蜂さんですけど!」
上条「違うかな?その人達もファンはファンなんだけどね、えっとこう、やっぱりお金は大事だねーって話であって」
???「――諦めるな、相棒」
佐天「だ、誰ですか!?もう参加者はいない筈なのに!」
上条「ふっ、俺としたことが忘れちまってたぜ!イギリスでヒロイン全員NTRられそうになったのに、唯一味方だったヤツをな!」
御坂「NTRれてないわね、失礼な」
佐天「もうあそこまで行くと食蜂さんとインデックスさんのヘイトですよね」
上条「来い、共犯者!俺の理解者っていうかいつまにかマスコット!」
オティヌス(???)「ふっ、照れるじゃないか。そんなに誉めるなよ」
佐天「妖精さん……!?それは確かにポイントが高いです!衣装がギリッギリなのにフィギュア化も睨んでのことだったんですね!」
上条「神様をdisるな。いやまぁ造形楽かな?と思わなくもないが」
佐天゜ちなみにあたしのフィギュアは二種類ほど出ているんですが、上条さんは何体ぐらいですか?」
上条「痛い痛い痛い!そうやってチクチク突くなよ!」
オティヌス「だから大丈夫だよ。私と萌えキャラが入った以上、その点で負ける要素が見当たらない……!」
上条「そっか……!なんかそれだと俺の存在価値に疑問符がつくけど、気づかないフリをすればいいんだな!」
上条「……あぁ、これで負けないぞ!素直に諦めて負けを認めるん――」
ピーッ、ピピーッ
上条「――だ?
数多「――はい上条当麻、アウト」
上条「なんでだよっ!?」
数多「事前に許可した持ち物以外の使用を確認。よって失格」
上条「いや違う違う!?オテイヌスは別枠だ!お前もなんか言ってやれ!」
オティヌス「所有物……私が所有物……!」
数多「満更でもねぇみてぇだけど?」
上条「お前肝心な時に天然炸裂するのな!?」
佐天「――と、言うわけで!新シリーズは『とある科学の佐天涙子・都市伝説かかって来いや』でお目にかかりましょう!それではさよーならー!」
上条「なにそのタイトル、ちょっと見たい」
御坂「深夜枠でありそうよな。短編がA・Bパートに一本ずつの」
−完−
猟犬部隊A「こんばんは。お荷物を拝見しても宜しいでしょうか?」
上条「はい?俺ここの生徒なんですけど」
猟犬部隊A「危険物等持ち込まれないよう、どうか御協力ください」
上条「危険物て。ナイナイ<学校のイベントにそんなアホなもん持ち込むアホなんていな――」
上条「……」
上条「――さっ、よーく確認してくれよな!俺は何も持ち込んでないから見せたって平気さ!俺は何も持ってきてないから!」
猟犬部隊A「ではデイバッグを拝見します……未開封の水のペットボトルに携帯ゲーム機、ですか」
上条「夜だしペンライトも持って来たかったんだげとな。電池が切れてて」
猟犬部隊A「……私見を申し上げるのは禁じられているのですが、流石、としか」
上条「おぉう誉められた!でもなんか文脈で嫌な情報が小出しにされてるけど大丈夫かな!?」
猟犬部隊A「まだ始まってないいないにも関わらずその余裕……役者が違いますね」
上条「いやだから、何の話……?」
オッサン「おい犬っコロ、喋ってんじゃねぇよ」」
上条「そんな言い方ないだろ。おまわりさんが不審者チェックで『ちょっとお話いいですか?』って言うヤツだろ」
オッサン「職質慣れしてんじゃねぇよ」
上条「仕方がないだろ!?俺の友達が職質数ギネス狙ってんだから!?」
オッサン「何言ってんのか分かんねぇわ。あと大声出してねぇでさっさと進めこのガキが」
上条「口悪いぞオッサン!お前の子供も真似したら碌な育ち方しねぇんだからな!」
オッサン「もう手遅れだぜ」
――校内
招待者?「……」
上条「なんか……人多いな。ドッキリイベントだってのに、ドッキリ感はないが」
レッサー「おや?そちらにいらっしゃるのは上条さんじゃないですか」
上条「おう久しぶり――か?」
レッサー「微妙にニアミスしてますからねぇ私たち。『知っているのか雷○!?』と何度ボケたい衝動に駆られたことか」
上条「お前の存在自体イギリスのボケみたいなもんだからな。ずっとツッコミ待ちっていうか」
レッサー「まぁそれほどでもないですな!私のようなスケールの人間だと国家レベルってもんですよ!」
上条「くっ!アホには嫌味が通用しねぇ!」
レッサー「ていうか我々がイギリス発祥のクリケットではなく、なぜラクロスなんでしょうね?」
上条「自分で言うなよ!きっとそれもお前らがゲームとかに出たら、四人で一つの合体必殺技とかで伏線回収するさ!」
レッサー「てかご挨拶じゃないですか。誰がイギリスの味噌っかすですって!?」
上条「ほぼ正確に伝わっていてありがとう。そしてイギリスさんにもそろそろ同情するわ」
レッサー「で、前回オタクさんの国の人が迷惑かけた代金はいかほど頂けるんですか?」
上条「誰か払うか!その人も元を正せばイギリス人だしメイド悪魔☆5を住まわせてたのもお前らだろ!?」
レッサー「『世界で起きている紛争の約8割はイギリス』は、伊達じゃないですよねぇ」
上条「でも最近、スコットランドのラグビー協会のダメっぷりをみるに『イギリスと同化するとアレな民族になるんだ?』ってちょっと納得してんだよ!」
レッサー「にゃっはっはっはー!台風来てんのに試合やれよと急かした挙げ句、発言が問題視されて罰金と謝罪要求されているのに居直る連中はまだ甘いですな!」
(※これ書いた翌日に事態が変わりました)
レッサー「我々だったらもっと上手くやりますよ!外国の主席の部屋をトイレ近くにしたりして、ねっ……!」
上条「大丈夫か?俺お前に会う度似たような事言ってるけど、本当に大丈夫なのか?」
レッサー「ふっ!見くびらないで下さい、私ほど国家を愛している人間はいないと思いますよ!なんだったらフランス野郎の黒歴史数え歌でも歌いましょうかっ!?」
上条「お前が歌いたいだけだろそれ」
レッサー「では『ちいさい秋みつけた』の替え歌で『ちいさいペ×みつけた』、お聞きください」
(※サトウハチロー;作詞、中田喜直;作曲、替え歌;上司)
上条「なんて反社会的なタイトル……ッ!?」
レッサー「『ちーさいペー×ちーさいペー×みーつけーたー♪』
上条「放送できねぇよ!?てか小さいからペ×なんだよ!そういう癖(へき)の人だっているんだよ!」
レッサー「『みんな違ってみんないい』」
上条「ウルッサイわ!そういう主旨で言ったんじゃない!……と、思う!」
レッサー「なんてつれない言い方……!私は『上条さんに遭遇したっうわラッキー!』って思いましたのに!」
上条「だからそれやめろって言ってんだよ!お前の好意の裏には戸籍変更がセットになてるかと思えば!」
レッサー「いやでもモノの本では『取り敢えず一回してから考える』って書いてありましたけど?」
上条「まぁそれも真実っちゃあ真実だよ!これ以上ないぐらいで有史以来変わってないが!」
レッサー「あくまでも100%私の憶測ですが、人類が歴史を持つ以前からそうだったんじゃないかと。てか神話でもそんなんばっかですし」
上条「ギリシャ神話なんかアレだし、北欧神話はそこら辺の部族ごとの伝説がミックスされて訳分かんないんだよな。確か」
レッサー「まぁでも今言ったのは本当ですよ?やっぱり最初に上条さんと出会えたのは良かった――いや」
レッサー「――これもう運命、なんて言うんじゃないですかね?」
上条「レッサー……」
ピーンポーンパーンポーン
アナウンス【えー、マイクテストーマイクテストー、アメンボ赤いなあいうえお】
上条「それテストじゃなくて発声練習じゃね?」
レッサー「なんで声優トレーニングの初歩の初歩知ってんですか」
アナウンス【参加者が規定人数まで達したので、現時刻をもって以後の参加は打ち切りとなります。遅れた方は動画にてご観戦ください】
上条「観戦?遅れた?」
アナウンス【皆さんご承知の通りだと思いますが、まず全校全所モニターされています。全て採点の対象になると思ってください】
アナウンス【要所にある安全地帯、別名トイレと休憩所には設置してありません。ただしその意味を考えるのも大切ですかねぇ】
上条「……オイ。さっきから不吉な単語が乱舞していやがるんだが?」
レッサー「F○6のラスボス曲、『妖星乱○』ですか。名曲ですよねっ!」
上条「否定はしないが言ってねぇよ。てかこれドッキリイベントじゃなかったのかよ!?」
アナウンス【まぁ長々と言っても仕方がないので!さぁ皆さん張り切って参りましょう!それでは――】
アナウンス【――『とある魔術の禁書目録、第三部・主役決定デスゲーム』をここに開催します……ッ!!!】
レッサー「イエェェェーーーースッ!レッツ、ジェノサァアッィッ!!!!」
上条「本気で待てよゴラアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!?」
――モニタ室
佐天「――はい、っていう訳で始まりましたけども!」
御坂「いいのかな?そんなラジオの公開録音みたいな雑な入り方でいいの?」
佐天「なお!ここで選抜されても本決まりとはなりません!当たり前ですけど『出荷する前に腐ったミカンを箱から捨てておこう!』って感じですよね!」
御坂「暴動起きるわ!っていうかこれ全校にアナウンスしてるんでしょう!?」
佐天「え、はい。まぁ失格になった人のコールとかも担当していますから、さぁ御坂さんも落ちた方を遠慮なく笑ってあげませんと!」
御坂「趣味が悪いわ!てかイベント終わったあとにも人間関係にあと引くようなのはダメでしょうが!」
佐天「いや違います違います。これは『実は全部ギャグだった』、ということにして中身を不問にするっていう高等な技術がですね」
御坂「無理だと思うわ。デスゲーム参加させられといて殺し合った相手と笑い合う度量は……うん」
佐天「じゃまぁ見てみます?論よりって言いますし」
御坂「見たところで同じだと思うけど……」
――廊下一階 昇降口近く
レッサー「……くっくっく……!ここで上条さんに会えたのも運命ってヤツじゃないかと思うんですよ、私は」
レッサー「なんて言っても第一部の主人公を消してしまえば、第三部は私のターンだって確率が高まるじゃあないですか……!」
上条「うん、知ってた。お前はそういうヤツだって分かってたのに、一瞬期待した俺がアホだった」
上条「あと第二部も俺が主役だからな!ただこう、えっと……チームで戦ってたから、ちょっと出番が減って活躍が減って最後にポッとオイシイところをさらってるだけで!」
レッサー「自信ないじゃないですかーやだー」
上条「だがまぁ、そういうバトルなら俺も望むところだ!お前に世間様の厳しさってもんを教えてやるぜ!」
上条「こう、主役なのに新衣装が出ないとか!レア度か不当に低いとかそういう厳しさをな!」
レッサー「すいません。本当に厳しいんでやめてもらってもいいですかね?こう、心にきます」
上条「最近じゃインデックスもだな。新しい衣装の合わせとか撮影に行くじゃん?でもそれって俺は呼ばれてない訳でさ?」
上条「『あれ?インデックス、どっか行くんだ?』って聞くと、『う、うん!ちょっと散歩にね!』って小さい嘘をつくようになったんだからな!」
レッサー「すいません本当に勘弁してください。あと撮影時に盛り上がるのは上条さんの悪口です」
上条「ほーらやっぱり扱い悪いじゃないですか−」
レッサー「共通の話題がそれぐらいしかないんで……」
上条「――と、いう訳でだ!俺が勝ったら高レアのスチールを撮って貰うからな!」
レッサー「具体的にはどんな?」
上条「み、水着?」
レッサー「誰が得するんですか」
上条「ナイチチにだって需要があるんだったら男だってある筈だろう!?なあぁっ!?」
レッサー「そりゃあるでしょうけどね、上条さんのファン層は歪んでいるので、『このスベりっぷりが逆にオイシイ』という少数派も」
上条「もうファンじゃないよね?俺が酷い目にあって喜ぶのは敵といって構わないよね?」
レッサー「ちなみに私も『ナイス上条さん!このまま5位キープを目指して!』って盛り上がった方です」
上条「よっしゃ分かった!お前とは前から決着つけなきゃいけないって思ってたんだよ!今日が因縁を終わらせる日だと思え!」
レッサー「ふっ、受けて立ちましょう!偉大なる詐欺師帝国、もとい!大英帝国の名の基に!」
上条「お前もしかして嫌いじゃね?なんかイギリスの評判落すためにテロ活動してないか?」
レッサー「まずはそちらかからどうぞ!ハンデぐらい差し上げましょう!」
上条「その自信が命取りになるぜ!――で?」
レッサー「はい?」
上条「デスゲーム?とは言ってたけど、これってどうやって勝負つけんの?」
レッサー「存じませんけど?なんかこう適当に話合うんじゃないですか?」
上条「何その行き当たりばったり!?」
レッサー「ちなみに優勝しようが勝ち残ろうが、本当に主役になれる保証はどこにもありませんが?」
上条「じゃあなんですんだよ!?存在意義からしてもうフワッフワしてるわ!」
レッサー「いえこれはですね。課外活動と同じですよ」
上条「課外って……」
レッサー「入試や就職のときに『こんな事やってましたよ!私って意識高いでしょ!?』ってマウントとるアレです」
上条「言い方。中には真っ当な動機でする人もいるわ」
レッサー「ですんで!このデスゲームで華麗な活躍を上げれば!きっとどこかで見てる神様(※鎌池先生)が『あ、レッサーちゃん頑張ってるなー』」
レッサー「『よし!じゃあ次のシリーズの主役ね☆』となる可能性は否定出来ないかと!?」
上条「神様そんなに頭悪くねぇよ。そして暇でもない」
レッサー「――ま、何にせよあなたもう引き返せないところにまで来ているんですよ……!この、デスゲームから逃れるには勝ち続けるしか、ねっ!」
上条「デス要素が今まで皆無な件について」
レッサー「なので!『どうすれば勝ちなのか?』、というのもまた主人公に求められるスキルなのではないかと私は思います!」
レッサー「自ら考え!勝利条件を見つけ出し!腕力・能力だけではなく頭も良い!それが主人公に求められる要素でしょう!」
上条「あー……まぁ、そうだな。お前が言うなや、とは思うが最近の主人公像ってそういうの多いよな」
レッサー「よって入り口で荷物検査されましたでしょう?そこで許可されたアイテムを有効に使えば勝利じゃねぇかなぁと」
上条「――そっか!良い事聞いたぜ!それじゃこれはこう使えばいいのか……ッ!」 スッ
レッサー「そ、それはっ!?最近ゲームが殆ど発売されないPS VITA!?」
上条「disった補足説明はいらん。SAG○3が出るまで待ちのファンだっているんだから!」
レッサー「もう新ハード来て欲しいですよね」
上条「『――来い、テムジン……ッ!!!』」
レッサー「……」
上条「……」
レッサー「あのですね上条さん、ボーカロイドってのはフィクションの世界でありまして、私たちが住んでいる場所とは次元がですね」
上条「知ってるけど知らないよ!てかお前もそっちに関しては一枚噛んで暴れたじゃねぇか!」
上条「あとボーカロイドじゃなくてバーチャロイドな!語呂似てるからたまに雑誌とかでも誤記を見かけるが!」
レッサー「私も一瞬『これ正解じゃね?』と思ったんですが、連中が来ないので違いますね」
上条「違うのかよ……!なんか声張ったのに!」
レッサー「では次はこちらのアイテムですよ!上条さん覚悟はいいですかー?」
上条「なんかシステムがよく分かってないから不安だよ!けどまぁ最悪死にはしないだろう!」
レッサー「『テレレッレレー!ぶんかぼぉちょう(文化包丁)!』」(ダミ声で)
上条「待てやゴラアァァァァァァァァァッ!?無茶振りだろ?!それもう俺に勝ち目ねぇって分かってたじゃんか!?」
レッサー「大丈夫!百均で姿変えて購入したんで逮捕はされません!」
上条「コイツ……!?逮捕されるようなことを今から俺にしようってのか……ッ!?」
レッサー「大丈夫!一回だけですから!ちょっとスパっと切るだけですから!」
上条「一つしかないよ!?お前が何切るのかは怖ろしくて想像できないけど、世の中のメンズが一つしか持ってないモノ切ろうって話だろ!?」
レッサー「さ、お覚悟を!イギリスの礎になる勇気を!」
上条「誰か助けてー!?ここで俺がロストしたら『上条当麻、新シリーズ目前で刺される!痴情のもつれか!?』ってスポーツ紙に載っちゃうよ!」
レッサー「『なお動機は二股がバレた模様。他にも被害者がいると思われるが、ファンは”やったぜ上条さん!永遠の童×卒業おめでとう!”とむしろ好意的の模様』」
上条「やめろ!一部のタチ悪いのは本当に言い出しそうだからやめろ!」
レッサー「なお魔術を一切使用してないのでそげぶは効きませんので悪しからず。では」
ピンポンパンポーン
アナウンス【イギリス出身のレッサーさん、アウトー。不適切行為により即失格となりまーす、フィールドから出てくださーい】
レッサー「なんでですかっ!?ホワッイ!?」
上条「そこで理由が分からないお前の感性がおかしい。もしくは病んでる」
アナウンス【理由は「時事的に叩かれそうだから自重しろ」だ、そうです。いや残念ですが】
レッサー「な、なーんちゃって!嫌ですよぉ上条さん、ジョークを真に受けて!」
上条「ありがとうレッサーさん。俺の中でイギリス人と不味いメシを種族は二度と信用しちゃいけないって固まったわ」
レッサー「我々以外にメシマズ国があるとでも仰るか!?」
上条「ツッコむところ違うわ。そして別にメシが美味くてもアレな国はそこそこの頻度であるからな」
――モニタ室
佐天「――っていう感じですかね」
御坂「うん……止めるのは正解だと思うんだけど、なんかこのフワっとした判定基準はどうなの?って感想なんだけど」
佐天「一応新シリーズ、ちゅーか第三部()の主人公なんで外道・非道の類はNGなんですよ」
御坂「そこで笑いをつけるな」
佐天「ほら、あれと一緒じゃないですか?アイドルが恋愛禁止的な?」
御坂「なんかもうツッコむのが面倒になってくるぐらいにボロッボロに破られるわよね、その禁止令」
御坂「というかあたしがこの手のアホ企画に付き合わされるの?そこからしてまず珍しくない?」
佐天「運営の方から聞いた話ですが、まず次代の主役っぽい人を勝手に選別するに至って大切な要素があると」
御坂「ほう」
佐天「つまり『別シリーズで主役やってる人は新主役に抜擢されないだろう』と」
御坂「あれ……?白いの……無印で……あれ?そう、だっけ?」
佐天「ってことになったのですよ!なので御坂さん達には審査員を務めて頂きたく!」
御坂「あー……うん、あたしが企画段階から呼ばれたの理由は分かったわ。でも、そうするといなきゃいけない人が二人ぐらいいるんじゃ?」
佐天「『暇じゃねェンだわ』。バーイ、学園都市第一位さんのメールの返事です」
御坂「ほ、帆風さんなら!あのクソアマ勢力の良心である帆風さんだったらナイスな提案をしてくれると思うわ!」
佐天「『夜遅い外出は認められておりませんので、またの機会にお誘いください』」
御坂「同じ内容なのにこんなにも当りが違う……!」
佐天「ですんで利害関係には全く当て嵌まらず、かつ唯一前向きな返信を頂いた御坂さんが必然的に審査員に……!」
御坂「……なんかゴメンね。あたしが謝る筋合いじゃないけども――」
御坂「――ん?審査員?あたしが審査員って言った?」
佐天「はい。なんかこうフワッとした企画なので、判定基準は中立の方がいらっしゃると心強い――って御坂さん?」
御坂「……ふーん……?」
――屋上
土御門「……ここにいたか。探したぜ」
青ピ「――ふっ、ボクは迷わんかっけどね。土御門やったらここへ来る思うてましたわ」
青ピ「いやぁ――思ってた、ちゅーか確信してた?お前なら迷わず選ぶやろうな、って」
土御門「そりゃ決まってるだろ?――主人公ってのは屋上へ来る、ってテンプレがある……ッ!」
青ピ「あぁ……ええなぁ。屋上に侵入して『つれーわー、みんなとなじめない俺つれーわー』とボッチを誇る主人公像!あるあるやんね!」
土御門「そして給水塔の陰から登場するヒロイン!もしくは”やつら”との戦いで傷ついた少女がいたりな!」
青ピ「あるある!どっかで何回か読んだんだけど思い出せないやつやね!」
土御門「『目立つの嫌だわー、クラスにいるのがストレス溜るわー、よし!それじゃ屋上へ!』ってぐらいの悪目立ちするだろそれってな!」
青ピ「優等生なのにちょっとアレやったりな」
土御門「……なぁ青ピ、ここは黙って引いてくれないか?」
青ピ「ザッケンな、と言いたいところやけれど、まぁ理由ぐらいは聞いたるわ。なんやのん?」
土御門「俺は別に主人公になんかなりたくないんだ。正直面倒だし、余計なトラブルに巻き込まれるだけだ」
青ピ「アホか土御門!?やったらなんでここに来たんや!?」
土御門「俺はカミやんの負担を取り除きたいんだ……ッ!」
青ピ「……カミやんの?」
土御門「そうだ!アイツだけが傷つくなんてまっぴらだ!だから俺が上条当麻の負担を少しでも肩代わりしたい!」
青ピ「でもお前、終わりの方でバカンスしとらんかった?舞夏はんとイチャイチャしとったよね?カミやんを助けに行く事も無く?」
土御門「……し、シテナイヨ?」
青ピ「――ふっ、堕ちたなつちみー!お前の浅い動機なんぞボクにはまるっと見お見通しやで!」
土御門「そういうお前はどうなんだよ?どうせモテたいとか彼女ほしいとかしょーもない理由なんだろうからな!」
青ピ「ボクが主人公になったら――電撃文庫から富士○出版(※1)に移籍するわ!」
(※1美少女コミック誌・成人向け、ぶっちゃけ18禁)
土御門「お前……なんて怖ろしいことを……ッ!?」
青ピ「そうすれば!出版社の性格上必然的にえっちぃシーンを入れなくてはいけませんえ!あぁボクは別にしたくはないやけども!」
土御門「ふざけるなよ!全国のちびっ子が見れなくなるだろうが!」
青ピ「え?深夜アニメなのに?」
土御門「……」
青ピ「そして基本ファンはJC大好きなんや!やったら最初からウェルカムした方が正直ちゃいますのん!?」
土御門「一理、あるな……」
青ピ「やんな!?やったらボクらで新シリーズは富士○で会おうや!」
ピンポンパンポーン
アナウンス【えー、審査員に決定により土御門さんと青ナントカさん失格となりました。理由は「薄い本でやれ」だそうです】
青ピ「裁定の理由が偏見すぎやしませんかっ!?」
土御門「……俺の個人的な意見だけど、『まぁこれはこれで』って納得するファンも多いと思うんだ。富士○はともかく、キルタイ○ぐらいだったら」
――音楽室
絹旗「残念です、超残念ですよフレンダ。まさかあなたと敵対する日が来るとは……」
フレンダ「……あの、ここはさ?『フレンダとは超戦えません!』とか言う場面じゃない訳?あたしだって戦いたくないし?」
絹旗「あぁ残念です、超残念だなー。フレンダの詰めが甘いせいで私たちがピンチに陥ったあれやこれや、その借りを一気に精算できる日が来ようとは……!」
フレンダ「誰か助けてー!?フォースの暗黒○に堕ちたキヌハターがここにいる訳よー!?」
絹旗「ねぇ知っていますか、こういう話を。あぁ大した話ではないんですが」
フレンダ「どんな話よ」
絹旗「『MOM○は誰も御子○さんのことなんか見てないんじゃないか』、って」
フレンダ「本当に何の話よ!?それ確かヤンジャ○でやってるマンガの話じゃない!?」
絹旗「先週は元同僚が敵に回してしまったバンパイア主人公が、超苦悩を抱えながら戦うシーンだったんですよ。同僚の子も超可哀想に的な」
フレンダ「いいシーンな訳!まぁ王道っちゃ王道だしね!」
絹旗「なのに読後の感想が『この衣装エッロ!?』しか頭に残らないという……ッ!」
フレンダ「ねぇ、何があったの?その話のラストシーンに至るまでどんな展開があったの?」
絹旗「てゆうかもうバンパイヤなんてどうでもいいんですよきっと!エロい絵だけあればその他のことはどうだってね!」
フレンダ「それ以上、喋らないで。なんかあたしまで評価が下がっていく気がするわ」
絹旗「なんかこうそれっぽいやりとりをした方が主人公っぽいかな、と思ったんですが、超特にないので立ち読みした話を」
絹旗「あ、じゃあウィル=スミ○の新作が超クソだった話を小一時間ほどしましょうか?」
フレンダ「あたしを巻き込まないで!?そういう人生を浪費させるような話は浜面にしてあげて!」
絹旗「分かりました。では超始めましょうかね。何か言い残すことはありますか?」
フレンダ「いやだからね!?ここで『仲間とは戦えない訳!』って言い出すのが主人公じゃないの!?」
絹旗「『――私は!フレンダの死を無駄はしません!』」
フレンダ「殺る気を隠しなさいよもっと!てかあんた主人公狙ってるけど、どんな新シリーズにするつもりな訳!?」
絹旗「『絹旗ちゃんがこんなに可愛い訳はない』」
フレンダ「こいつ……!パクりの上に自分を萌えキャラ路線で売るつもりか……!?」
絹旗「そういうフレンダは何なんですか?復活するんですか?」
フレンダ「当ったり前でしょーが!ウチの子があんた達に教育されてるなんてどんだけよ!?」
絹旗「……」
フレンダ「な、なによ!反省したって遅いんだからね!?」
絹旗「いや……私や麦野とは別行動でしたし、浜面と滝壺さんとも一緒に行かなかったですし……どこに行っちゃったのかなぁ、って超思いまして」
フレンダ「そういうところよ!麦野も反省してるって言ってる割にはフレメア放り出して思い出しもしないし!そういうところがダメな訳!」
絹旗「だ、大丈夫ですとも!子供が好きで好きでたまらない白い分裂症(誤用)気味のカブトムシが超オプションについていますから!」
フレンダ「その説明で安心出来るわーってバカ、世界に何人いる訳か?あ?お?あ?」
絹旗「改心した第二位ですけど?」
フレンダ「負けたじゃん!?つーかあたしが/した原因作った元凶じゃん!」
絹旗「コミツクス版も次巻でフレ/ンダですからね。成仏してください成仏してください、なむー」
フレンダ「したいわ!あたしだって事ある度にネタ要員として使われたくはない訳だ!」
絹旗「あなたを復活させるためであれば、今ここであなたを【!見せられないよ!】するのも辞さない覚悟です!」
フレンダ「それ主人公じゃない。レイドボス倒すために周回プレイしてる人」
ピンポンパンポーン
アナウンス【えー、審査員に決定により絹旗さんとフレンダさん失格となりました。速やかにお近くの出口から退場して、係の者に菓子パンとポカリ貰って帰ってくださいねー】
フレンダ「た、助かった!あと参加賞が子供か!」
絹旗「なんでですかっ!?超主人公に相応しい『友の死を乗り越える!』って話なのに!?」
フレンダ「自作自演よね?」
アナウンス【バストアッパーの件忘れてねぇぞこのアマ、と審査員の方が】
絹旗「超完全な私怨ですよね!」
――教室
姫神「……」
鳴護「えーっと……こんばんは?」
姫神「こんばんは」
鳴護「あぁ良かった!都市伝説かと思った!」
姫神「出会い頭に失礼。しかし何故か冬服を着たらそんなリアクションが多い。どうしてだろう?」
鳴護「あなたの雰囲気が、ね。うん。なんか世界を操っていたり、世界の敵と人知れず戦っていそうな雰囲気が」
姫神「そう?誉められてるいる。やった」
鳴護「よ、良かったね?……あなたも新シリーズの主人公狙いですか?」
姫神「うん。魔法使いになりたい」
鳴護「それはなんか他の世界軸でなかったのかな!?”の夜”的なやつで!」
姫神「あなたは?髪ピンクをなんとかしたい?」
鳴護「いやそれは別に……てか『この色服と合わせづらいな!』とか結構思っていたけども!」
鳴護「主役とは言わないけど、できれば新シリーズで出たいかなー、なんて思ったり?」
姫神「それは良くない。人生。時には諦めるのも大事」
鳴護「あなたにそれを言われちゃうと、反論できる人はこの世界に皆無なんですけど……」
姫神「厳しい背景設定の割りに放置されて10数年。多分このまま私の能力は日の目を見ない気がする」
鳴護「そ、そんなことないよっ!?きっと悪い吸血鬼さんがワーって出て来て活躍するよ!」
姫神「学園都市に来てもごく普通に殲滅されそう。時代の最先端を通り越して『やりすぎだろこれ』っていう兵器群に」
姫神「『バンパイア……?よっしゃ貴重なサンプルだ!生け捕りにしてラボ送りだぜ!』ってね」
鳴護「どっちかが加害者が分からないよね。向こうが悪いんだけど、限度ってモノが」
姫神「多分向こうもドン引きして手を出してこないのかと。私もたまに忘れる」
鳴護「ま、まぁね!ここまで話が進んでるのに影も形も出さないだなんて絶滅危惧種だからね!」
ピンポンパンポーン
鳴護「あ、まだ誰が失格になったのかな?」
アナウンス【鳴護さんと姫神さんアウトー。速やかに退場お願いしまーす】
姫神「まだバトってもいない。なぜ?」
鳴護「あ、あたし的には助かったけど」
アナウンス【見てて痛々しい、だそうです】
姫神「まだまだ序の口。これから主人公特有の『不幸レベルのマウント合戦』が始まるところだったのに」
鳴護「いやしないしない!?そして世の中の主人公さん達も好きでなったんじゃなくてね!?」
アナウンス【そしてCカップ以上は等しく滅びを、と顔に斜線が入ったまま宣っていまして】
姫神「魔王かな」
鳴護「そんな面白おかしい理由で世界にケンカ売った魔王さんだったら、歴史に名を残すと思うよ!」
アナウンス【あと生理的にちょっと、という点で以下の方々も失格となります。えーっと上条(引)さん、海原(真)さん、木原唯一さんに――】
アナウンス【――残った参加者の方は体育館へお集まり下さい】
――体育館
上条「なんか残っちまったなー……てか俺レッサーと漫才しかしてないのに」
上条「つーかここにいるのは俺一人――ってことは新シリーズの主人公も俺が……!」
佐天「そこで喜んでる時点でどうかと思います」
御坂「ぐ、偶然よねっ!」
上条「あぁ二人ともお疲れ。運営側だったのか」
佐天「えぇまぁ唯一の審査員の方の謎ジャッジにより、他の参加者がバッタバッタと振り落とされまして。残った参加者はここにいるだけです」
御坂「ぐ、偶然よねっ!」
上条「作為しか感じねぇよ。でもよくやったビリビリ!これで俺が主人公だな!」
佐天「――待ってください!参加者は”ここ”にいると言ったはずでしょう?」
上条「いやだから俺しかいないだろ?他には運営の二人だけだ」
佐天「いつ――あたしが運営だって言いました?」
御坂「……佐天さん?あなたまさか――」
佐天「そうですとも!このあたしも新シリーズの主役希望者に決まってるじゃあないですか!」
上条「ナ、ナンダッテー」
佐天「ふっ、参加者なのに運営側に混ざるだなんて昨今の賢い主人公にありがちですけど!」
上条「ありがちっていうな。最近量産気味のデスゲーで多い展開だが!」
上条「まぁ、いい度胸だ!二シリーズの主役の貫禄ってのを見せてやるぜ!」
御坂「ダメ――逃げてっ!勝ち目なんてないわ!」
上条「だからなんでだよ!?むしろ俺が負ける要素が皆無だわ!」
佐天「――ド級編隊エグゼロ○」
上条「いや俺は知らないけどえっちなマンガだろ?あれ本屋さんやネットカフェで『とある・ドリフター○・ド級〜』って並んでるヤツだろ?」
上条「いや俺は全く興味はないんだが来年アニメにもなるし、これ大丈夫か?って思ったりするんだがな!」
佐天「思っくそご存じですよね?まぁ話が早いっちゃ早いですが、人気投票やったんですよ。その男性主人公の順位はなんと――11位!」
上条「いやあの、あれ確か一位のキャラはエロい描き下ろしかなんかあるって話であって、最初から男キャラはほぼ無視されてたっていうか」
佐天「同じ××役としていいんですか……ッ!?」
上条「違うわ!あっちの人も俺もそれぞれ出来る範囲で頑張ってるわ!」
佐天「じゃあ逆にお聞きしますけどぉ!?同じ無能力者でもJC女子とグーパン男子高校生、どっちが主役の話を読みたいですかねっ!?」
上条「あ、やべ。これ完全に時代の流れはあっちだな!」
佐天「いいですか、上条さん。誰しもが”自分”っていう物語の主役じゃないですか?」
上条「そしてなんか長い勝利宣言しようとしてる!せめてなんかで勝負しようぜ!そのぐらいはあっていい筈だ!」
佐天「あ、じゃあ人気勝負します?」
上条「お、俺の方が上だしぃ!?なんていっても3位ですけど!?」
佐天「あぁいえ、そっちでもいいんですがもっとリアルな数字で勝負しましょうよ。具体的には売り上げで」
上条「売り上げって……何かあったっけ?」
佐天「何年か前にとあると超電磁砲のアーカイプスってドラマCD売りましたよね?その数字で」
上条「あー……あったなぁ。もう10年前だぞあれ」
佐天「で、その結果がこちらに」
禁書目録アーカイブス1 最高201位 上条&インデックス←
禁書目録アーカイブス2 最高152位 上条&姫神←
禁書目録アーカイブス3 最高255位 ステイル&神裂
禁書目録アーカイブス4 最高225位 御坂妹&風斬
禁書目録Uアーカイブス1 最高133位 インデックス&上条
禁書目録Uアーカイブス2 最高176位 オルソラ&アニェーゼ
禁書目録Uアーカイブス3 最高129位 御坂&白井
禁書目録Uアーカイブス4 最高100位 打ち止め&一方通行
超電磁砲 アーカイブス1 最高78位 御坂&白井
超電磁砲 アーカイブス2 最高54位 初春&佐天←
超電磁砲 アーカイブス3 最高82位 御坂&白井
(※参考資料・オリコン調べ。敬称略)
上条「やめろよおぉぉぉぉぉぉぉぉっ!?イジメ良くないと思うよ!?」
御坂「なんてリアルすぎる数字が……!」
佐天「まぁぶっちゃけ初春が一番ブイブイ言わせていた時期でしたし、あたしも乗っかった感がしないでもないのですが」
佐天「なお、某運営がSS書く資料としてオルソラさんのCD取り寄せたそうなんですが、『ファンの心意気が試される』という出来だったそうです」
上条「あぁうん花見の話な。寮に入ってから俺も聞いたよ」
佐天「――さぁ上条さん!購買力の絡んだリアルな数字であたしに負けるあなたが!本当に新シリーズでも主人公でいいんですかねっ!?」
上条「くっ……!なんか反論しづらいな!そこを持ち出されると!」
佐天「現にソシャゲではJCの方が枚数多い!この現実をどう見ますか!?」
上条「ま、まだだぜ!俺には奥の手がある!ビリビリだ!」
御坂「あ、あたし?」
上条「なんかこう不自然なジャッジで勝ち上がるかもしれないじゃないか!なぁっ!?」
御坂「え!?あー……うん、そうそう。やっぱりねー、こういうのはある程度の場数を踏んでないとダメと思うのよ?やっぱり体張るじゃない?」
佐天「(主人公から外れれば新ヒロインが追加されなくなりますよ?)」 ボソッ
御坂「――だからね、やっぱりここは佐天さんって新機軸も必要じゃないかな!?足りない部分はフォローすればいいし!」
上条「オイ審判なんか耳打ちした!その悪魔がなんか言ったよ!」
佐天「でしたらせめて同人になってから来てほしいですな!ほぼ全て御坂さんかあたしか初春か食蜂さんですけど!」
上条「違うかな?その人達もファンはファンなんだけどね、えっとこう、やっぱりお金は大事だねーって話であって」
???「――諦めるな、相棒」
佐天「だ、誰ですか!?もう参加者はいない筈なのに!」
上条「ふっ、俺としたことが忘れちまってたぜ!イギリスでヒロイン全員NTRられそうになったのに、唯一味方だったヤツをな!」
御坂「NTRれてないわね、失礼な」
佐天「もうあそこまで行くと食蜂さんとインデックスさんのヘイトですよね」
上条「来い、共犯者!俺の理解者っていうかいつまにかマスコット!」
オティヌス(???)「ふっ、照れるじゃないか。そんなに誉めるなよ」
佐天「妖精さん……!?それは確かにポイントが高いです!衣装がギリッギリなのにフィギュア化も睨んでのことだったんですね!」
上条「神様をdisるな。いやまぁ造形楽かな?と思わなくもないが」
佐天゜ちなみにあたしのフィギュアは二種類ほど出ているんですが、上条さんは何体ぐらいですか?」
上条「痛い痛い痛い!そうやってチクチク突くなよ!」
オティヌス「だから大丈夫だよ。私と萌えキャラが入った以上、その点で負ける要素が見当たらない……!」
上条「そっか……!なんかそれだと俺の存在価値に疑問符がつくけど、気づかないフリをすればいいんだな!」
上条「……あぁ、これで負けないぞ!素直に諦めて負けを認めるん――」
ピーッ、ピピーッ
上条「――だ?
数多「――はい上条当麻、アウト」
上条「なんでだよっ!?」
数多「事前に許可した持ち物以外の使用を確認。よって失格」
上条「いや違う違う!?オテイヌスは別枠だ!お前もなんか言ってやれ!」
オティヌス「所有物……私が所有物……!」
数多「満更でもねぇみてぇだけど?」
上条「お前肝心な時に天然炸裂するのな!?」
佐天「――と、言うわけで!新シリーズは『とある科学の佐天涙子・都市伝説かかって来いや』でお目にかかりましょう!それではさよーならー!」
上条「なにそのタイトル、ちょっと見たい」
御坂「深夜枠でありそうよな。短編がA・Bパートに一本ずつの」
−完−