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Clock(trial)

短編・フリーハグで上条さんのリアクションがおかしかった件について

 
――とある通学路 夜

初春「……」 コツコツコツコツコツ

初春(やー、遅くなっちゃいましたねー。誰が悪いとは言いませんが、えぇ言いませんとも)

初春(謎のドラゴン襲来か!?とか、いやいないですって。東京がテロに遭ったときの写真で盛り上がられてもね、ですね)

初春(あーでも何か移動手段欲しいですよねー。原付……ぐらいだったら、まぁ免許も取れるでしょうし!きっと!)

???『……』 コツ、コツ、コツ、コツ

初春(――て、他に人いたんですね。こんな遅くに、しかも人通りのない場所で)

初春「……」

初春(うん?あれこれもしかして私ピンチですか?)

???『……』 コツ、コツ、コツ、コツ

初春(い、いやでも別に変質者だと決まった訳では!そもそも私がストーキングされてるって決まった訳じゃないですからね!) ピタッ

???『……』 ピタッ

初春(あー……タゲられてますねー……どこでヘイト管理間違ったのかなー)

初春(では、なく!どうしましょうか、私の足でダッシュしても振り切れないでしょうし……)

初春(格闘は……まぁ、ちょっと苦手……というか逆に怪我しそうな)

初春(でしたら――通報しつつ時間を稼ぐ、かな。うん!) クルッ

???『お?』

初春「――そこで立ち止まりなさい変質者!わ、私は風紀委員ですよ!」

上条(???)「え、変質者いるのか!?マジで!?よーしかかって来い変質者!俺が相手になってやる!」

初春「一休さんか。屏風の虎か」

上条「くくく……よくぞ見破ったな、俺は怪人フラグ立て男!お前とフラグを立ててやろうか!?」

初春「本気で怖いです。200m範囲へ入らないで下さい」

上条「しかもどんだけモテモテ(死語)でもその後の進展なんてクソほどもしないもんだから、フラグを立てる意味がないんだなこれがブハハハハハッ!」

初春「自虐過ぎません?」

上条「ちなみに撃退方法は『西葛西西葛西』って言うと逃げていくんだ」

初春「何度でも言いますけどしつこいですよね?『とあ電』で『Tom=西葛西=Fuc×』で大会にエントリーしようとしたら、ダメって言われた人もいますしヘイトですよね?」

上条「……あぁごめん初春さん。仕事帰りに押しかけちまって」

初春「一応伺いますけど、ストーカー的な案件じゃないんですよね?御坂さんを悲しませて白井さんを小躍りさせるようなことじゃないんですよね?」

上条「違うよ!犯罪じゃないよ!俺が来たのはむしろ逆で相談があったんだ!」

初春「えっと……聞きますけど、緊急ですか?風紀委員か詰め所にまで来て頂いてお話をする、というのは?」

上条「お、俺はいいんだけど!でも早く伝えないとピンチなんだ!佐天さんが!」

初春「佐天さんがですか!?話してください!」

上条「――つけてなかったんだ……ッ!!!」

初春「……はい?何が?」

上条「”ブ”で始まって”ラ”で終わるものが!」

初春「通報しますね☆」

上条「いや違うんだよ!?マジで心配だし俺からいう訳にも行かないから君に相談しに来たんだって!」

上条「もし俺がエロいだけだったら注意してもらいには来ないよ!良心的だから!」

初春「……まぁ詳しく聞かせてください。なんでまたそういう話に」

上条「前にさ、フリーハグの企画があったんだけど」

初春「あぁ不審者を通報した事件ですね」

上条「その際はご迷惑をおかけしました――けどもですね、そのときにハグをしてくれた女の子がいまして」

初春「あー……人畜無害っぽい相手にはガード低いんですよねぇ」

上条「で、そんときにね!こう、当たった感触が『あれ?俺はもう死んで天国に召されたの?』ってさ!」

初春「御坂さんの扱いだけで言えば地獄直送だと思いますが……そうですか?てか分かるもんですか?」

上条「信じてくれよ!数々のラッキースケベしてきた俺には分かるんだ!」

初春「もう通報したいところですけどね」

上条「俺が注意する訳にも行かないし!ましてや直で聞けないしさ!頼れるのは初春さんだけなんだ!」

初春「まぁ事実確認も含めてデリケートな案件ですからねぇ。多分あなたの誤解だと思うんですけど」

上条「そ、そうなの?」

初春「えぇまぁ下着といっても色々種類がありまして、中にはワイヤーが入ってなかったり、柔らか素材でできてるのがあるんですよ」

初春「だから多分それを着けてたんじゃないかなぁ、って」

上条「そっか……一方通行も柔らかかったのは、ワイヤーレスのを着けてたからだったのか……!」

初春「超問題発言です。もしもBLルートが存在するのであれば、あの人刺されるでしょうね。主に御坂さんに」

上条「てことはビリビリが硬いのは、鋼鉄のようなアレ装着してるから?」

初春「コメントは差し控えたいと思いますが、死にますよ?それもごく近日中に?」

上条「まぁ事情は分かったんだけどさ、君らの学校の後に別の場所行ったんだよ」

初春「本当に懲りねぇなこの犯罪者」

上条「そこで黄泉川先生、って黄泉川愛穂先生って知ってる?」

初春「はい、何度かご一緒に。頼れるお姉さんですよね」

上条「で、危うく俺の中のドラゴンが覚醒しそうになってさ?」

初春「『あ、これ中学生に話すようなこっちゃねぇな。だったらフワっと話せばいいや!』との判断は正しいと思います」

初春「ただ結果的により下ネタへ走っていますし、ここだけ聞くと『異世界行っちゃったのYOU?』疑惑が」

上条「俺の中のドラゴンは俺の言うことなんか聞きゃしねぇからな!俺もショックだぜ!」

初春「で?上条さんのチンアナゴがどうされたんです?」

上条「いや、そんときもなんかこう、似たような感じだったなぁって!まぁ俺の童×力が高いから判断がつかなかったってだけかもだけどさ!」

初春「黄泉川さんは警備員としてのお仕事がハードですからねぇ。邪魔にならないように、普通はカッツリまとめてあるはずですけど」

上条「いや逆に考えるんだ!いつも抑制されているからこそ解放を求めているって!」

初春「学園都市のクマ○くんは自重しなさい」

上条「あー、そっか分かったよ。種類があるんだよな。ごめんなさい、俺の勘違い&セクハラで」

初春「あぁいえ佐天さんの場合は『え、締め付けられんのヤだしいーじゃん?』って可能性も大ですので、ご注意自体はひっじょーにありがたいものでした」

上条「なら良かったけど。君のクラスの平和を守るためにも頑張ってくれ!それじゃ!」

初春「もう来ないでくださいねー……って行きましたか。有益っちゃ有益でしたが、なんだったんだ……」

御坂「……」 スゥッ

初春「御坂さん!?どうしたんですか!?」

御坂「――命拾い、したわね」

初春「何が!?てか誰がですか!?」


−終−

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