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Clock(trial)

土御門「にゃっはっはっは……とあるクエスト、この挑戦を受けるんだぜぃ?」

 
――とある高校

上条「『VRRPG……?』」

土御門「そうだぜぃ。何故か現実世界へ戻って来られなくなるやつだにゃー」

上条「フィクションだけな?仮想現実でデスゲームしながら、元の世界の体もデスゲームのやつだろ?」

姫神「本当にその技術が実現したら犯罪が増えそう」

青ピ「大体人類の可能性はエ×い欲か顕示欲で発展するもんやし、まぁそこは」

土御門「なので俺たちが課金してどれだけ戦っても所詮はデータ!運営がトンズラしたら消える運命だぜぃ!」

上条「そういうことは言うな?例えそれが事実だとしても、なっ?分かるだろ?」

上条「あぁでもなんか懐かしいぜ!ずっとポッと出のお笑いアイドルに出番を取られていた感じだからな!」

青ピ「何かもう混沌としてもぉてるよね。外見ネタにして出て来とぉ子が封印したらどないなん?みたいな」

姫神「人よりも個性があるのは才能だというのに……ふふふ。私はどうせ」

吹寄「なんで姫神さんはいつも自信がないのかしら……?なんていうか、こう、アクはそこそこ強いのに」

上条「都会に出て来てもっとアクの強いっていうか、もうアクが本体なんじゃね?的な連中に囲まれて自信喪失した感じ?」

吹寄「貴様じゃないの。原因は?」

土御門「みんなカミやんを悪く言うな!最近の能力無効化さんは真っ先にやられたフリして闇落ちして帰ってくるんだぜぃ!」

上条「おっとやんのかテメーコラあぁ?それ以上俺をdisるんだったら出るとこ出るぜ?あ?お?あ?」

姫神「ぶっちゃけ無能なナ○のあの人の方が。濃い」

上条「だから言わないでよぉ!?俺だってちょっとき気にしてるしぃ!もっとなんかこうクセが強い方がいいかなって思うようになってんだからねっ!?」

吹寄「えっと……あぁ!この通販で買ったシックスパックになれるベルトが!」

上条「うん、割れてる腹筋には少しだけ興味がないわけでもないんだ。ただ意味を見出せないだけであって」

土御門「心配ご無用!ヴァーチャルの世界であれば君も私も即・英雄!勇者になってハーレムを作るのも良し!また魔王になってハーレムを作るのだってありだぜぃ!」

上条「それ実質一択じゃね?あと女子二人の前で露骨なエ×ネタは控えろ」

姫神「ある意味青ピ君で慣れてはいる」

吹寄「セクハラだけどね」

青ピ「ボクが!?リアルセクハラのカミやんに比べれば大人しい方ですやん!」

上条「――さっ、土御門説明を続けてくれ!決して分が悪いから話をスルーするんじゃないけどもだ!」

吹寄「清々しいまでに嘘が吐けないわよね」

姫神「しかしVRは興味がある。現実へ戻れないところまでがワンセット的な」

青ピ「学園都市謹製やったらホンマにありそうやん……」

土御門「いんやー?そこまで危険性はないっちゅー話だぜぃ!この俺を信じるんだ!」

上条「――はい、解散。あ、命を捨ててもいいやつは残ってもいいぞ!」

土御門「待ってくださいお願いします!?テスターの人数を揃えないと市場に出せないんだにゃー!」

上条「それ丸まんま帰って来れないかパターンだろ」

土御門「俺を信じるんだぜぃ!俺がカミやんに今まで嘘を吐いたことがあったか!?」

上条「人を梱包して常盤台の女子更衣室に配達した」

青ピ「なにそれ絶許」

吹寄「男子的には嬉しいかもだけど、それって結果的に人生終わらない?セキュリティ的にも法律的にも抹殺されないの?」

姫神「ギャグでなぁなぁにできる相手とガチな相手がある。常盤台はまさにそれ」

土御門「でもあれはカミやんを守りたかっただけなんだ!信じてくれ!あとでボコったけど本意ではなかったんだ!」

上条「一躍お前が学園都市豆腐メンタル番付上位へ登り詰めたときの話だよな。まぁ結果的に、うん、なんつーかこう、言わせんなよ!言えないだろ!?」

姫神「ちょっと何言ってるのかわからない」

土御門「俺は信じなくてもいいぜぃ!カミやんが信じる俺を信じれば、結果的にカミやん自身を信じることにもなる!」

上条「そっか!俺の信じるお前を信じれば……あれ?そのロジックって、あれ?なんか破綻してね?」

吹寄「前提がおかしいからね。理解できないのもどうかなって思うけど」

土御門「んで、カミやんのVRゴーグルはこれだぜぃ!終わったら返すもんだから大事に扱ってくれよな!」

上条「マジで!?『ツンツン頭に装着できるようにベルト固めに調整してあります』って注意書きがついてる!」

吹寄「もうこの時点で作為しか感じないわよね?業者が個人用に作ってあるってことだし?」

土御門「青ピにはこれだぜぃ!ゴーグルとおっぱ×マウスパッドが一体化した新商品!」

青ピ「こ、この発想はなかった……ッ!?」

吹寄「おっぱ×マウスパッド要素はどこに?マウス乗せないんだったら前提からして違ってるじゃない!」

土御門「姫神は……見ろフレームを!俺たちのエターナル友情の証!こないだ撮ったプリが貼ってる特別仕様だ!」

姫神「お。おぉ。私たちの友情パワーは世界一」

吹寄「特製って設定は?もう青ピのゴーグル見た時点で『あれこれ市販のおっぱ×マウスパッドを貼っただけじゃ?』って思ってたけど、段々雑になっていくわよね?」

土御門「吹寄にはこれだ!ゴーグルとメガネが一体化した夢のゴーグルメガネを!」

吹寄「一番雑か!?せめてこう少しぐらいは騙そうっていう気概を見せなさいよ!?割り箸で補強する程度でもいいから!」

土御門「じゃあみんな、家帰ったらヴァーチャルの世界で会おうぜぃ!全員で冒険の旅へ出発だ!」



――上条のアパート

上条「――っていうことがあったんだが」

インデックス「フッてるよね?それもうげーむを起動するまでもなくきけんな匂いがするよね?」

上条「ほーら見ろインデックスさん!あなたの込みに合わせてゴーグルが作られていますよ!」

インデックス「口調がもう騙そうとする気ありありなんだよ?いくらわたしでも騙されないんだからね?」

上条「いや、そんなことないぞ!ちゃんとフレームに『シスターさんの腕や足が取れる機体はやっぱり納得いきません』って書いてあるだろ?」

インデックス「媚びる姿勢が感じられないんだよ!?せめてわたし用っていうんだったら、もっとこうしんじょー的にジャストフィットするの選んでほしいかも!?」

上条「しかもこれ顔を近づけるとバニラエッセンスの香りがだな」

インデックス「ごーぐるに必要な機能かな?てかぼつにゅうがたぶいあーるなのに、終始あいすの匂いがしてたら集中できないんだよ……ッ!」

上条「なんだ、プレイしたくないのか?だったら俺の遊んでるとこでも見学してる?」

インデックス「あー、他の人がゲームしてるのもきらいじゃないんだけど……できるの?」

上条「マスコット的なキャラクターでツッコミを入れる機能だって」

インデックス「今からでもやっぱりやめない?それってつまりつっこみが絶対に必要になるってことなんだよ?」

上条「俺は!異世界転生がしたいの!せめて気分だけでも俺TUeeeeeeeeeeしたいんだよ!」

インデックス「移住先で真面目に頑張ってる人たちもそこそこの数いると思うし、そもそも大した理由もなく力を得られるのは向こうの人の努力や文化をバカしているんだよ?」

上条「くっ!?思ったよりもロジカルに反論して来やがるぜ!」

インデックス「わたしもしょーじき『こんなところに日本○』的なのりであっちこっちにありとあらゆる人たちを送り込むのは、うん、なんかこう、ねっ?」

上条「それはそれとして『甲竜戦記ヴィルガス○』ってどう思う?」
(※30年ぐらい前の異世界転移モノ)

インデックス「ていばんだしいいじゃない!別に昔からあるっちゃあるてーまだしね!」

上条「頼むインデックス!お前の力が必要なんだ!」

インデックス「えー……魔導図書館として知識がふぃくしょんにまで通用するとは思えないんだよ……?」

上条「あ、そっちじゃないです。ここ数年全アニメを制覇してるインデックスさんの力です」

インデックス「うっさいんだよ!?わたしだってもうおウチで今季あにめのかんそうをえんえんつぶやく作業は飽きたんだよ!」

上条「フォロワー数が俺の100倍近いってのが納得できねぇ……!――だが逆に考えるんだインデックス!こんな状況でもないとその知識を生かすチャンスはないぞ!?」

インデックス「そう、かな……?あれ?それって結局わたしの本質的なこととは無関係なような、あれ?」

上条「じゃあ今からヘッドマウントディスプレイつけるけど暴れるなよー?インデックスさんは機械に弱いからな−」

インデックス「あ、うん。お手数お掛けします?なんだよ?」

上条「――はいできたっと!よーし、それじゃダイブ・イン!」

インデックス「かけ声がね、なんていうか昭和」

……ヴィーン……チャーチャチャチャチャ、チャッチャチャチャー、チャチャチャチャー♪

上条「おぉスゲー臨場感!タイトル前の音楽も!」

インデックス「……そぉ?なんかドラク○っぽくて、はんけん大丈夫なのかな?」

インデックス「てゆうかね、わたしもげーむ好きだし、なんだかんだでぶいあーるもぷれいしたかったんだよ?」

上条「ならいいじゃねぇか。つーかなんてあんなに渋ってんだ?」

インデックス「……このげーむのたいとるはなんていうのかな?」

上条「なんてって……あ、土御門に聞くの忘れてたわ。まぁでも今からタイトル出るだろ。あ、ほら下からスクロールして」

【――絹旗クエスト 〜ある意味伝説へ〜――】

チャチャチャンチャンチャンチャンチャンチャーン♪チャララララー、チャララーーラー♪

上条「ちょっと待てやゴラアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!?騙したなァァァァァァァァァァァァァッ!?騙しやがったなアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!?」

インデックス「ねぇとうま?わたしたちはもう元の世界へ帰れないの?すふぃんくすとはもう二度と会えないの?」

上条「ちょっと待て本当に外れねぇぞ!?俺らはともかく姫神と吹寄もいるんだぞあのボケが!」



――はじまりの国

上条「………………はーい、っていう訳でね、来ちゃったんですけど」

インデックス「なんだろうな……こう、見ていてとても責められないぐらい落ち込んでるんだよ……!」

上条「なお俺の格好はツンツン頭の勇者っぽく、インデックスさんはフェアリーさんっぽい格好になっております」

インデックス「街並みとかそこら辺歩いている人とか、とってもりあるで感動したいよ?感動したいんだけどね?」

インデックス「わたしは直で知らないんだけど、とうまがレ××目で帰ってきたときいつもブツブツ言ってる人の名前なんだよ……!」

上条「本当に気をつけろインデックス!邪悪……うん、邪悪っていうほど悪ではないんだ!悪いってほどでは!」

上条「でも性格がちょっとアレである意味病んでるから常人の思考が通じないと思え!HAMADURAも草葉の陰で泣いているんだ……ッ!」

インデックス「生きてるよね?とうま昨日その人と遊びに行ってたよね?」

上条「まぁでも警戒はしても心配はいらない!だってこういうものにはセオリーとかルールってあるから!」

インデックス「るーる?」

上条「そうそう。商業的な制約かもしれないが、勝てない敵はいないとかクリアできない迷路はないとか!」

インデックス「まぁ、そうなんだよね!くそげーだったら売れないしね!」

上条「取り敢えずお城へ行って王様からお金と装備を貰ってー、その後は仲間と合流して頭数を増やそうぜ?ソロプレイなんて無理ゲーにもほどがある」

インデックス「だねっ!たぷんさいていれべるの装備でお茶を濁されると思うけど!」

上条「あれ俺いつも思うんだけど楢山節考だと思うんだよ。口減らし的な意味で――っとごめん。前よく見てなかった」 トンッ

町娘「いいえ、お気になさらず。わたくしも前方不注意でしたのよ」

上条「いえいえ、こっちこそ……?お?なんか腹が冷た、い……?」 パタッ

インデックス「――とうま!?ナイフが、刺さっ――」

上条「ちょ……!?……なんで、街中で――」

町娘「あらあらごめんくださいませね。わたくしも好きで――まぁ、やっていたようなものですけれど」

上条「お、ま、えは……ッ!?」

町娘「冥土の土産に憶えておきなさいな。勇者カミジョーを殺したもの、それは――」

黒子ダイン(町娘)「――魔王軍六大将軍、獣王黒子ダインでしてよ……ッ!!!」



――はじまりのしろ

絹旗「おぉHAMADURAよ、しんでしまうとは超なさけない」

上条「それ言いたかっただけだろ。ただその一行のためにこの企画始めたようなもんじゃねぇのか?」

上条「てかなにあの子!?的確に俺のレバーを突きに来てるんだけど!?良心の呵責一切なしに!?」

絹旗「そこはそれ、超リアリティを追求しまして」

上条「つまり?」

絹旗「魔王軍も超アホではないので暗殺者を送るぐらいしますよね?」

上条「限度があるわ!?スタート地点にデストラップ置いといたら誰でも死ぬわ!男坂登る前だぞまだ!?」

インデックス「あの、その坂は登ろうとした瞬間にしんじゃうと思うんだよ?連載的な意味で」

上条「てか王様が復活させるのはいいけどさぁ!?世界観にクセがありすぎるわ!?王城へ向う最中に刺殺されたのって俺ぐらいじゃねぇの!?」

絹旗「あ、これ超記念のメダルです。『最速で死んだ勇者(笑)』の称号も」

上条「聞きなさいよ俺の話を!ヴァーチャルだから強い痛みはないけど衝撃ハンパ無かった俺のクレームを聞きなさいよ!」

インデックス「あ、でも集めるといいことがあるかもしれないし!」

絹旗「いえこれといって特には。闘技場に出場するとき、司会が超ランダムで呼んでくれますけど」

上条「恥だよ。たださえ見世物になってんのにせめて格好いい呼び方すらしてくれないのか……!」 ギュッ

インデックス「か、格好いい称号貰えばいいんだよ!だから手に持ったこんぼうを置くんだよ!早まらないで!」

絹旗「あぁそれで支度金がほしいんでしたっけ?この国の住人の超血税から出たお金を?」

上条「受け取りづらいなその言い方だと!?なんだったら借金でもいいから、魔物狩りが軌道に乗るまではなんとかしてくれよ!宿に泊まるのだってタダじゃないんだから!」

インデックス「ここ、はじまりのまちなんだよね?だったらゆうしゃの実家があるんじゃないの?」

絹旗「ありますよ?でも他の勇者が先に設定してしまいましたので、超ホームとして使うことはできません」

上条「くっ!余計な所だけリアリティ出しやがって!てか土御門のアホか青ピの仕業だろうがな!」

絹旗「私も雇われキャストで超ヒマではないんで、さっさと装備とお金を受け取ったら鉄砲玉に向ってください」

上条「勇者だよ?そこの体裁は守ってくれないかな?モチベ的にも、なんかこう街中で暴れそうなんだよ!」



――はじまりのまち

インデックス「……こんぼう一本とひのきのぼう二本に布の服二枚……」

上条「諦めろインデックス。古式ゆかしい仕様だからなそれが!」

インデックス「店売りしている装備の中から下から一番と二番目なんだよ……?」

上条「貰えるだけいいさ!俺たちの恨み辛みはモンスターへぶつければ!」

インデックス「まぁ、うん!前向きに行くんだよ!これよりしたはない訳だからね!」

上条「そ、そうだよな!折角綺麗な世界へ来たんだから、民家からカネとアイテムを接収しようぜ!」

インデックス「待つんだよ!?なにそのどろぼーさんの発想は!?」

上条「割りと定番、つーかじゃないと小さいっぽいメダルが手に入らないし?」

インデックス「あぁうんそれは知ってるんだけどね、ここのせかいかんじゃ酷い事になりそうなのかも」

上条「はは、まっさかー。いくら運営がアホでもまさかそこまでは」

衛兵A『――いいから来なさい!続きは城で聞くから!』

青ピ『無実や!?ボクはただ勇者として当然の権利をしたまでですやんっ!?』

少女『い、いきなり知らない男の人が入ってきて……!』

衛兵B『もう大丈夫だよ?悪い人間は魔物のエサになるからね?』

青ピ『誰か助けて――ハッ!?そこにいるのはマイ・ソウルメイトカミやん!ヘルプミー!』
 
上条「――さっ、俺たちの旅を続けようか。順番からすれば酒場で仲間の勧誘かな?」

インデックス「だね。あ、でもおんなのこばっかりかんゆーしちゃダメなんだよ?ばらんす的にあとあと困るから」

上条「昔のゲームはそうだったよなぁ。でも今のだと大体女子キャラの方が基本ステータスからスキルまで強いんだ」

青ピ『こんのハクジョーもんがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?』



――であいのさかば

インデックス「ひとり見捨ててきたけど、混んでるんだよ」

上条「ちょっと何言ってるのか分からないけど、まぁ混んでるよな」

インデックス「てすたー?だっけ?とうまやあいさ以外にも参加してる人がいるんじゃないの?」

上条「そりゃいるだろうな。こんだけ大規模なシステム作った上で採算見込むには――」

上条「――いやでも、うん?白井さんは魔王軍って名乗ってなかったっけか?そういうロールプレイでもしてんのかな?」

インデックス「ろーるぷれい?いましてるでしょ?」

上条「あぁRPGのR部分な。そういう意味じゃなくて、ゲームでも敵側についたり悪い事したりするプレイってあるじゃん?」

上条「それのなりきったヤツがロールプレイで、大抵オンラインゲームで姫やってるのはオッサンだな」

インデックス「あー……ん、まぁ!闇だよね!」

姫神「そして大抵オッサンの方が男子の心を掴みやすい。だって同性が異性へ対してどんな夢を抱いてるか分かるから」

吹寄「それいうんだったら大抵の映画や小説だって……ねぇ?ほら、最近じゃ違うけど基本オッサンが全部書いてる訳だし」

上条「あぁ二人ともお疲れ。デスゲームに巻き込まれた感想は?」

姫神「デスゲーム?教会でセーブしたら帰れる」

吹寄「チュートリアル見なかったの?全く貴様というやつは……」

上条「マジで!?だったら即帰ろうぜ!ここはヤバい世界なんだ!」

吹寄「フィクションの見過ぎ。さっき試しにログアウトしてみたけど、普通にできたわよ」

姫神「VR酔いかもしれない。酔い止め必須」

インデックス「そういう意味じゃなくて、精神を病むかもしれないんだよ。さっきもね、とうまがいきなり刺されて残機が減ったり」

吹寄「あ、妖精さん。始めまして、よね?PCの子だったら」

姫神「こちらインデックスさん。私の数少ないお友達の一人です」

インデックス「その紹介は悲しいよね?なんであいさは自分を傷つける方向に進んでいるの?」

吹寄「妙に卑屈になるときがあるのよね。奥ゆかしいと言えなくもないけど。あ、吹寄制理です。よろしくね」

上条「俺は上条当麻!取りすがりの勇者さ!」

インデックス「勇者言いたかっただけよね?自己紹介する必然性もなかったよね?」

姫神「あと全員初期ジョブは勇者。この上に大勇者とか超勇者とかあると見た」

吹寄「勇者ってそんなに量産されてるの?それでいいのこの世界?」

上条「悪い事は言わないから帰った方がいいぜ?俺は土御門を見つけた後、『こ・い・つ・め☆』って叱らないといけないからな」 ググッ

吹寄「硬く硬く握りしめた拳からはとてもそんなソフトな注意じゃ済まない気がするけど……まぁ、待ちなさいよ。ここって言うほど酷いの?」

姫神「私たちは仲間を求めにここへ来てずっと待機。なので街並みきれーぐらいの感想しかない」

上条「俺は一戻りしてるけど、なんでそんなに混んでんの?あぁあれか、タチ悪い冒険者に絡まれる的なイベントをやってるとか?」

吹寄「むしろ逆ね。見て、あれ」

小萌「あの、ですからね?何度言いますけど、大体の物事にはバランスというものがあるのですよ?」

浜面「だから何回も言ってるだろ!?バニーさんを三人紹介してくれよって!」

小萌「だからこちらも何回も言うのですけど、遊び人三人ではクリアできないのですよ!?最初は力もそこそこ強いし真面目に『たたかう』のですら後半は出来なくなるのです!」

浜面「――いいか?バニーさん一人をパーティへ入れることで確かに戦力は低くなるかもしれねぇよ?」

浜面「だってバニーさんなのだから!パニー服はあんま戦闘に特化したとは言えないのだから!」

小萌「”あんまり”ではなく”致命的に”の間違いなのですよ?」

浜面「だが逆に考えてくれ!一人バニーさんが入ることで、俺の中のヴォーパル魂が倍になる!」

小萌「ヴォーパル魂って何なのですか?アホって意味ですか?」

浜面「ってことはバニーさん二人で4倍!三人で、えっと……8倍だぜ!」

小萌「ヴォーパル魂って何なのですか?アホって意味なのですよね?」

浜面「四人で一パーティを組んだとしても結局四人で4倍!つまりヴォーパル魂8倍の俺たちには叶わない計算だよな!」

小萌「ヴォーパル魂って何なのですか?然るべき病院へ通院中ってことなのですか?」

浜面「さぁこの世界を救うためにも受け付けのお嬢ちゃん、バニーさんを!名前は滝壺・麦野・フレンダでお願いします!」

上条「おいアホ、つーかそこのアホ、何やってんだよこのアホ」

小萌「そんな――お嬢ちゃんだなんて、若く見られたのですよ!」

上条「先生も目を覚まして!?アホのボケに乗っかっても未来はないよ!?」

浜面「おぉなんだテメーコラやんのかアァンッ!?」

上条「何か懐かしいな。悪い心の浜面だ」

浜面「あんただって趣味に走ってるでしょーが!俺の事をやいのやいの言える立場じゃないよ!譲らないからそこは!」

上条「趣味ってなんだよ。こっちにはまだ来たばっかだぜ?」

浜面「あんたのパーティメンバー黒髪ロング二人もいるじゃない!嘘吐くのはよくないと思うなぁボカァ!」

上条「違うわボケ!クラスメイトだ!」

浜面「みんな口ではそう言うんだよ!ただのクラスメイトでフラグなんか立っていませんってな!」

浜面「でも内心はどうせ違うんだろ!?ただなんかこう認めるのも今更だから気のフリをしてるんだろ!?」

浜面「他にもわざと自分をフツーフツー言って釣り合わない的に言って諦めようってハラなんだろナアァッ!?」

インデックス「――ごめんね、とうま?ご歓談中にあれなんだけど、今すぐそのひとそげぶしてもらえないかな?ちょっとじんぎ的にあれな感じでね?」

上条「お前らが何を言ってるのかが分からない」

小萌「上条ちゃんはいつか刺されると思うのですよ☆」

上条「ついさっき刺されたんですよ!?しかもRPGの本筋とはあんま関係ないっぽい所で!」

浜面「なぁ、大将……『幸せの王子様』って知ってるかい?」

上条「あー、宝石とかを散りばめられた王子様の像が、ツバメに頼んで貧しい人たちに分ける話だっけ?」

浜面「あ、そんな話なんだ?へー」

上条「ただの確認!?知らないで聞いただけ!?」

浜面「それと同じだぜ大将!金持ちは貧乏人の気持ちは分からない!」

上条「俺が言う資格はないと思うんだけど、『お前が言うなや』って言っておくわ」

小萌「てゆうかいい加減ハケてほしいのですよ。他の勇者ちゃんたちがパーティを組めないのです」

衛兵A「――あのー、すいません?こちらに勇者HAMADURAさんがいらっしゃると聞いたんですが?」

浜面「俺っす!」

衛兵B「あぁではお城へ来て頂けませんか?あなただけの専用イベントが用意されていますので」

浜面「おぉ……俺が報われる日がついに――じゃーな上条当麻!」 シュダッ

上条「お、おぉ?頑張れ?多分地下牢で青ピとお隣さんになるだろうけど」

小萌「上条ちゃん、あれは一体……?」

上条「気にしないで下さい先生。『なんで私の名前が超ねぇんですかぶっ飛ばしますよ』ってことだと思います」

姫神「公開処刑コース……いや爽快処刑コースかもしれない?」

吹寄「この国ブラックにも程があるわよね!」

インデックス「まおー軍と戦ってるんだから、多少強引じゃないと生き残れなかったり……」

小萌「まぁいいのですよー。次の勇者ちゃんはどうぞなのですー」

上条「あぁじゃあ俺いいっすか?すぐに終わりますんで」

小萌「まぁ追っ払ったのも上条ちゃんですし、すぐに終わるんでしたら他の勇者ちゃんも許してくれるのですよ」

上条「じゃあ未亡人と管理人さんとシスターでお願いします」

小萌「一昨日来やがるのですよー☆はい、次の方どうぞなのでーす☆」

上条「なんでだよ!?そりゃ全員僧侶系だけど攻撃は結果的にヴォーパル魂が8倍だから!」

姫神「ちょっと何言ってるのか分からない」

インデックス「そしてホンモノのしすたーさんは横にいるというのに……!帰ったら憶えておくといいんだよ……!」



――はじまりのそうげん

上条「『――こうして俺たちはモンスターとの戦いに身を投じたのだった……ッ!』」

吹寄「はいそこナレーション風に語らない!誰のせいだと思ってんのよ!?」

上条「おいよせよ!青ピのせいじゃないだろ!?」

吹寄「通じてない?酒場で散々グズった人がいるのに自覚がないの?」

インデックス「……なんかごめんね、なんだよ?ふだんは真面目なんだけど、はっちゃけるくせがついたようで……」

姫神「アリサさんも言ってた。『多分真面目な人ほど』って」

上条「だってさ?」 ポンッ

吹寄「顔面割るわよ?貴様が真面目だったことがあるかどうかよーく考えなさい?」

上条「た、確かに仲間はできなかった!俺が悪いのも自覚してる!だが逆にこう考えられないか!?」

上条「有象無象がいるより、選ばれた人間だけで世界を救おうじゃないかってな……ッ!!!」

姫神「完全に勘違いしたマッドサイエンティストの台詞です。ありがとうございました」

インデックス「とうま……ぎゃぐだよね?ぎゃぐで言ってるんだよね?」

上条「いや動機は流石に嘘だけど、勇者だけのパーティって悪くないと思うんだよな。戦闘力は専門職よりかは若干低いけど、基本オールラウンダーじゃん?」

上条「専用装備は一個しかないから一人で使うのは諦めるとして、勇者専用の高火力魔法だったら三人で撃てば!」

吹寄「あぁそういうの。それぐらいだったらまぁ」

姫神「このゲームの勇者は攻撃・回復・移動全部の魔法を使える。戦士系から僧侶系まで装備できるほど多彩」

インデックス「まぁ……ぷれいすたいるはひとそれぞれだし、わたしとしても友達とかたまってた方が安心するんだよ」

上条「たまに変な所で人見知り発揮するよな――さて!じゃマスコットキャラクターであるスライムっぽいのを叩きまくってレベル上げを」

姫神「――しっ。隠れて」

上条「ってなんでだよ!?RPGで博愛精神出してもクリアできないぞ!?」

インデックス「つくりものとはいえ、ここまでりあるな敵とかは立場的にどうかなって言えなくもないんだけど」

吹寄「業界内の規制が厳しすぎて、最後はゾンビ一択に落ち着くとかね」

姫神「違う。そうじゃない。いいから木の陰に入る」 グッ

上条「お、なんだよ分かったから押すなって」

スライムっぽいの『……』 キラッ

……

上条「……行っちまったな。つーかどうしたんだ?あのモンスターが何かしたんか?」

姫神「じゃなくて。あれはキラキラしてたの分かった?金属っぽい質感の」

上条「ぽかったな。いやー流石VR!流体金属みたいでスゲーって思ったぜ!」

吹寄「……私は光が反射しててよく分からなかったけど、流体金属?てか金属ってそれ!」

姫神「そう。あれはメタルっぽいスライム……!」

上条「おいおい姫神、そんなモンスターがここら辺にいる訳が無い――」

上条「――筈なのに、いやがったよな……?あんな質感、見間違える筈がねぇわ!?」

インデックス「どういう話なのかな?」

吹寄「適正レベル以上の敵がいるのよ。えっと、少年野球に中学校の野球部が戦いを挑んできた、みたいな?」

インデックス「また絶妙に倒せそうで倒せないらいんなんだよ……!」

上条「バグ、だろ?あぁ一回戻って運営にメール――」 ズゥンズゥンッ

上条「って地震?」

姫神「ダメ」

ポスっぽいトロール『……』 ズゥンズゥンッ

……

上条「(ちょっと待てやゴラ!?イベント戦闘にしてもアレは無理だろ!?)」

姫神「(大変。アークなデーモンとかキングっぽいヒドラとかも集まっている)」

インデックス「(なんだかんだであいさも詳しいよね?)」

吹寄「(神秘的な外見に反してゲーム好きだわアニメは見るわお笑いに詳しいのよね)」

ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!

上条「はじまりのまちが、焼け落ちて……ッ!?」

姫神「……行こう上条君。このままここにいたら魔王軍に見つかる」

上条「ま、まだだ!まだ中には小萌先生や浜面が!」

吹寄「青ピは?一人忘れてるわよね?」

インデックス「ついでにいうとおうさまもなんだけど……なんとなく、業火の中で無双ぷれいしてそうなんだよね」

姫神「現実を見て!私たちがここで倒されたら全てが終わる……!」

上条「けどさぁ!?」

吹寄「そしてノリッノリでロールプレイする二人とつけていけない私。いや、いいんだけど、うん。冷めるっていうか冷静になるっていうか」

インデックス「あ、こういうのがろーるぷれいなんだね。分かったんだよ」

姫神「……私たち勇者はこの世界に残された最後の希望――」

姫神「――だから。苦しくても生き残らなければいけない……ッ!」

上条「そう、だな!うんっ、次の街へ行けばきっと立て直せる!なんだったらこの大陸を出て他の場所で再起したっていい!」

上条「俺達しかいないんだ!だったらするしかないじゃないか!」

吹寄「や、あの、ね?二人とも取り込み中に悪いんだけど、あれ見てもらえる?あれっていうかあっちの方っていうか」

上条「あっちってどっちだよ?次の村がある方角――って燃えてんな!?ガッツリ魔物に襲われてる!?」

インデックス「あとあっちのやまあいの方も、崖崩れっぽい音がしたんだよ……?」

上条「どうしよう勇者姫神!?俺たちの移動手段が全部潰されちまったぞ!?」

姫神「うん。諦めて投降しようか」

上条「諦めるのはっや!?それっぽい事言ってたのに!?」



――上条のアパート

上条「――ってやってられるかボケ!?鬱ゲーにしたって緩急がつき過ぎてんだよ!?」 ガスッ

インデックス「あ、外れた……まぁ、そうだよね。器具を外せば普通に停止するよね」

上条「なに魔王軍が人間の社会的インフラ積極的に破壊してんだよ!?まぁ正しいは正しいけども!各個撃破は基本だから!」

インデックス「勝てる見込みがかいむなんだよね。物量がほぼ無限の上、陸海空全てを制している以上手も足もでないねっていう」

上条「てか侵略スパン考えたら最悪勇者一族が寿命で死ぬまで潜ってればそれだけで勝てるしな!子孫が絶対に強いともかぎらないし!」

インデックス「せいりから聞いたんだけど、ばすたーそーど?伝説の武器並につよい一品を隠してある時点で、『あぁこれゆうしゃが勝ったら使いための武器なんだね』って」
(※超強い中ボスを一人で倒したら貰える。最初っから出せやと)

上条「政変でタマとられる勇者なんて聞いた事ねぇよ!昨今のラノベで復讐系はそこそこ多いけど!」

インデックス「まぁ、もくてきとしゅだんが入れ替わってるような……」

上条「それいうんだったらVR全般そうじゃね?『最新のグラフィックですることがビーチバレー(意味深)』なんてよくあるしな!」

インデックス「ちょっと分からないかな」

上条「内容がゲームじゃないのに最新式のゲームエンジン」

インデックス「だから特定の業種だよね?えーすとかえむぶいとかいう、えっと、だうんろーどさいとでしか売ってない人のだよね?」

上条「俺が土御門から貰った型落ちノーパソじゃ動かないんだ……!」

インデックス「だからとうま、主旨がぶれっぶれになってる」

上条「俺ちょっと土御門に文句言ってくる!インデックスも来いよ!」

インデックス「ちょ、ちょっと待つんだよ!」



――土御門家の部屋

上条「……」

インデックス「あ、あれ……?もとはるとまいか、っていうか家具も荷物も全然なくなってるんだよ……っ!?」

上条「夜逃げ?いやたかがゲームでそこまではしない……何かがあった、んだろうな」

インデックス「けーさつ!けーさつにお電話しないと!」

上条「いや――その前に」 ガチャッ

インデックス「お風呂場?……血痕があったらいやかも」

上条「怖いこと言うなよ!?そうじゃなくて、ここの天井の通気口裏に、あぁやっぱりあった!」 ガタンッ

インデックス「とうまがエッチな本を隠してある場所と同じなんだよ!」

上条「隠してないよ?俺はただつむまがりすぷりん○の夢乃○先生のギャグが好きで買ってるだけだしぃ!」

インデックス「とっさにその言い訳が出てくるってことは、バレるのが前提で隠してるってことなんだよね」

上条「そんなことよりも土御門だ!こうしている間にも屈強なお姉さんにいいこいいこされてるかもしれない!」

インデックス「一瞬『なんで?』って思ったけど、もとはるにとってはそれが拷問なんだね。否定したいんだけど、何となく合っているような……」

上条「『もしもし、上条当麻様、禁書目録様』」

インデックス「もしもしって手紙に使うっけ?一行目からふざけてるよね?」

上条「『この度は多大なご迷惑をお掛けしてしまい誠に申し訳ありませんと思っているかもしれませんね?』」

インデックス「だからばかにしてるのかな?もしくは裁判に出たとき不利にならいようにしてるの?」

上条「『お二人が聞きたいのはゲームのことでしょうが……始め良かったらしいのです。開発チームは気の合う仲間同士、特にノルマもなくゲームは作られていったそうです』」

インデックス「伝聞、なんだね」

上条「『しかし段々と制作は行き詰まり、金融機関からの借り入れも難しくなりました。なのでチームはゲームの体験版を制作し、資金を集めようとしたのです』」

インデックス「へー、まぁ普通じゃないの?」

上条「『それが――ある集団に目をつけられてしまいました』」

インデックス「なんで?大体こういうときって国家がやくざが入ってくるけど、自分達が開発した方が早くないかな?」

上条「『スタッフは冗談のつもりで体験版を送ったのですが、それがドハマリしたらしく以前とは桁違いの予算を得られたそうです』」

インデックス「ハマってるぱたーんだよね?その時点で『あれこれおかしいなー』って分かるよね?」

上条「『そのあとはお二人もご存じの通り、敵と味方に分かれて戦うRPGが完成してしまいました』」

インデックス「敵……?」

上条「『私が頼むのも筋違いだと思いますし、ご迷惑をかけた分際でお願いするのは間違っていると分かります』」

上条「『しかし!暴走し続ける魔王軍を止められるのはあなた、上条当麻様の他にはいません!』」

上条「『どうかあの世界を、ひいてはスタッフを助けてやって下さい!お願いします!――±御鬥无舂』……だってさ」

インデックス「ねぇとうま、最後のなんて読んだの?±(プラスマイナス)御鬥(とう)无(む)舂(しょう)って誰のこと?似てるけど全然違うよね?」

上条「裁判沙汰になっても負けないようにだろうな」

インデックス「げーむの世界がどうなろうと知ったこっちゃないんだけど、すたっふさんも?」

上条「現時点で超難易度のクソゲーだからな。どんだけ絵が綺麗でも売れる訳ねぇよ」

インデックス「……あぁ、路頭に迷うって意味なんだね。でもとうまにどうにかなる問題もなくないかな?すっぱーはかー?お花の人にお願いした方がいいんじゃない?」

上条「……いいかインデックス?あのゲーム、魔王軍の進行が妙に早かったと思わなかったか?」

インデックス「でんこーせっかだったよね。全てが組織立ってて、ちーとでもないとたちうちできないんだよ」

上条「俺もそうは思うが――前提からして違ってたんだ!俺たちが戦っていたのは魔王軍じゃない!」

インデックス「え、で、でも!」

上条「魔王軍として活動していたプレイヤーだったんだ……ッ!!!」

インデックス「いや、それは知ってるよ?ついんての人に刺されてたよね?」

上条「魔王軍として活動していた――」

インデックス「いや分かるから!?そんなにリピートしなくたって別にね!?」

上条「開発スタッフが送った連中も想像はつく!きっと少年の心と体型を持ったあいつがハマり、周囲に拡散していった!」

上条「そしてそういう俗っぽいものに免疫がなかったお嬢様が次々とハマり、プレイヤーは強固な魔王軍としてのロールプレイをしてしまったんだよ!」

インデックス「そ、それじゃあまおーは!?」

上条「……あぁ!俺だけがこの世界で唯一止められる!」



――魔王城 謁見の間

魔王「――それで?信仰はどうなっているの?」

将軍「はい、ランシールっぽい地方は陥落。サマンオサっぽい国も降伏。ほぼ全ての地域において我が魔王軍が優勢となっております」

魔王「ほぼ?」

将軍「唯一劣勢に立たされているのがイシスっぽい地方です。そのレジスタンスに……」

魔王「あぁ、確か『褐色肌サイコー青年団!』とかいう不愉快な連中だっけ?」

将軍「はい。ただふざけた名前にも関わらず、ピラミッド地下でラスボス急に強いまものっぽいかげ相手に訓練を積んでいるらしく……」

魔王「ま、いいんじゃないの?あっさり世界が支配されてしまってもそれはそれで興醒めだしね」

将軍「まぁ常盤台の皆様方がこんなことで仲良くなれるとは思いもしませんでしたが……あ、そうそう」

将軍「はじまりのまちで捕まえた勇者が、魔王様に謁見を望んでいらっしゃいますけど、どういたしましょう?」

魔王「どうもこうもないでしょ?どうせ『世界の半分をください!』とかいう根性なしの勇者でしょ?」

将軍「いえそれが、『ビリビリを出せ』と」

魔王「即連れてきなさい!あと全員謁見の間から離れた場所で待機しなさい、いいわねっ!?」



――魔王城 謁見の間

御坂(魔王)「――よく来たわね勇者よ!世界の半分とあたしをあげるから仲間になりなさいよ!」

上条「『いいえ』」

御坂「じゃ、じゃあ世界全部とあたしをあげるから!これ以上はまからないわよ!」

上条「『いいえ』」

御坂「え、世界なんていらないから、あたしだけがほしい……?し、仕方がないわねっ!じゃあちょっと待ってなさいよ!今世界を滅ぼしてくるから!」

上条「バグってんぞ?いやまぁ前からそーゆーとこあったけども」

上条「てかお前何やってんの?つーか何やってんだよ!?常盤台のお嬢様巻き込んでスタッフに迷惑かけんなよ!?」

御坂「ふっ、よくあたしが魔王だって分かったわね!」

上条「黒○みてーに丁寧に人類殲滅してたからな!几帳面でヘタレなとこがお前しかいねぇわ!白井さんも私怨で刺してきたしな!」

御坂「いやぁ、それが他の子に話したらハマっちゃてね?何かこういうRPGもやったこともないし、悪い方でプレイできるのが楽しいらしくってさ?」

上条「丁寧すぎるだろ!?もっと加減考えないとオンゲーの寿命なんかすぐ終るんだぞ!?」

御坂「あ、それだったらウチから有志が寄付するから大丈夫じゃない?親御さんにも話が行っててね、このぐらいだったらまぁ許容範囲だって」

上条「……ビリビリ」

御坂「な、何よ!?そんな顔されたってあたしはやめないんだからねっ!?こう最初に誘った責任もあるし、PC屠るのも楽しいし!」

御坂「ち、力尽くでなんてダメなんだからねっ!?あたしがオンしてる間だったら抵抗できないけど力尽くだなんて!」

御坂「待ってなさい今タクシー呼んであんたの家の前まで呼ぶから!指定された場所にまで来ればいいんだからねっ!?」

上条「佐天さんも持て余すわ!?あのボケの申し子が唯一勝てないって言ってたのは『御坂さんが乙女に入ってボケを拾ってくれない』だぞ!?」

御坂「乙女はボケ倒さないと思う」

上条「まぁそうだけど!拾いもしないと思うが!」

御坂「と、止められるものなら止めてみなさいよ!その覚悟があるんだったらね!」

上条「――それより最近俺どうぶつの○始めようと思うんだけど一緒やらないか?後発の初心者だし、一人でするのがなんか怖くてさ?」

上条「てか実はSwitc○も持ってなくてなー。あー、どっかに買いに行かないとなー」

御坂「あ、じゃあこれからタクシーで向うから!あたしも丁度やってみたかったのよね!」

御坂「じ、実は本体も持っていなかったのよね!だから!たまたま!偶然にも同じカラーになっちゃったら奇跡ってことよね!?」

上条「相変わらず何言ってるのか分からないな!」

将軍「そして弾け飛べリア充ども」

御坂「来週には常盤台でうぶつ○が流行るわ!」



-終-

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