Category

Counter
Access Counter

On-line Counter



Clock(trial)

アニェーゼ「日本へ異世界転生しなかった件について」

 
――日本 某空港

アニェーゼ「――いや−、ここが空港ですかい。なんか……匂いますね。近くに飯屋でもあんですかね?」

アンジェレネ「し、シスター・アニェーゼ!アニェーゼ部隊先発隊50人整列しましたぁっ!」

アニェーゼ「はい、どうも。皆さんお元気でしたか?体調の悪い子は?」

アンジェレネ「い、いないようですっ!し、しいていえば機内食が少なかったかと!」

アニェーゼ「あなたには聞いてませんよ。確かに少ねぇなとは思いましたが、エコノミーですからね」

アニェーゼ「……」

アンジェレネ「な、なにか?」

アニェーゼ「あの環境女は絶対にエコノミー乗っていませんよね?人様のカネでビジネス乗ってますよね?」

アンジェレネ「せ、政治的な話はどうかなぁって……」

アニェーゼ「まぁいいですよ。ではあのアマ確保に行きましょうか、気は進みませんがねぇ」

アンジェレネ「そ、そうなんですかっ?」

アニェーゼ「お仕事ですからね。是非もない、ってヤツですよ――さて。ここからどうやって行けばいいんでしたっけ?」

アンジェレネ「ち、地図だとあっちの方になりますっ」

アニェーゼ「なら歩きで行きましょうか。下手すれば直ぐに見つかるもしれませんね、総員気を抜かねぇでくださいな」

アニェーゼ部隊「はいっ!」

アニェーゼ「……てか出口どこです?補導も途中で途切れてるようですけど」

アンジェレネ「お、おかしいですよねぇ?く、空港の地図にもそれっぽいのは書いてないですし……」

男「こんにちは小さなお嬢さんがた。何かお困りですか?」

アニェーゼ「おやご親切にどうも。ですが売りモンはねぇのでどっか行ってくださいな」

男「いやそういうのと違うから。てか条例的に厳しいし、私は妻一筋だしね」

アニェーゼ「興味無いです」

男「この間ね、息子と海水浴に行ったらね」

アニェーゼ「もっと興味無い。レベルが三つぐらいダウンしてます」

男「あー、じゃなくてさ。ここから徒歩では出られないよ?」

アンジェレネ「て、天空城ですか」

男「いやホントに。なんだったら聞いてもらっても構わないけど、バスかモノレールで移動しないと」

アニェーゼ「便利なのか不便なのか分かねぇですけど、まぁご親切にどうも」

男「いえいえ、どういたしまして。なんだったら送ろうか?」

アンジェレネ「き、気をつけてくださいシスター・アニェーゼ!つ、連れて行かれる先は黒のハイエー○ですよきっと!」

男「風評被害だよね、私もTOYOT○も?」

アニェーゼ「大丈夫ですよ。なんか甲斐性もないっぽいですし」

男「甲斐性以前にね、私には奥さんがいるし愛する息子もいるんだからね?」

アニェーゼ「ご厚意には感謝しますけど、ちっとばかり人数が多いんで無理ですよ」

男「あー、そうだね。四人ぐらいだったら乗せられるけど」

アニェーゼ「50人です」

男「多いね!?いやいいんだけども、天使がラブソングでも歌うのかい!?」

アニェーゼ「悪い映画の見過ぎですかい?あれ十字教とは違いますんで」

男「まぁ詳しくは聞かないけど……えっと、うーん……」

アンジェレネ「ま、まだなにか?」

男「いやぁ名刺でも渡そうとか思ったんだけどね。不心得者扱いはされたくないし、けどここで君らを放置するのもどうかなって思うしさ」

アニェーゼ「ご心配なく。こっちで案内人の野郎と合流る手はずになってますんで」

男「そうかい?ならいいかな――ようこそ日本へ、いい旅を」

アニェーゼ「そいつぁ向こうさん次第ですかねぇ」



――空港

アニェーゼ「――って訳で移動しましょう。はいはいバスに乗って」

アンジェレネ「し、敷地内からでるのはいいんですけどろ、どちらへ?」

アニェーゼ「全員一片に集まれる場所……取り敢えず公園で待機しましょうか。引率役はしっかりと」

シスターたち「了解しましたっ」



――公園

アニェーゼ「――はい、全員いまね。では今日の宿を決め」

警察官「――はい、ごめんなさい。ちょっとお話いいですか?」

アニェーゼ「はい、何か?」

警察官「これは何かのイベントですか?お祭りでもあるのかな?」

アニェーゼ「いえ、これは信仰上の理由で、というか職務ですかね。言っちまえばですが」

警察官「そうですか。ではパスポートを拝見しても?」

アニェーゼ「えー、うら若き少女の個人情報知ってどうするんですかい?」

警察官「『――はい、○○日○○時○○分、パスポートの提示を拒否。本部へ女性警察官を要請』」

警察官「『あと児童課も……はい、手が空いていればよろしく』」 チラッ

アンジェレネ「し、シスターアニェーゼ。お、思いっきり外見で判断されてますけどっ」

アニェーゼ「妥当っちゃ妥当ですが……しかしおかしいですね?」

アンジェレネ「そ、そうですよねぇ?わ、わたしたちが子供だからですかねぇ?」

アニェーゼ「いえ関係ねぇでしょう。今よりも昔の方がよく殴られましたけど」


(※日本あるある・「警官が殴ってこない」)


――公園

女性警察官「――はい、確認しました。それで?今日はどちらへ泊まるのかな?」

アンジェレネ「か、完全に家出してきた子供扱いか……っ」

アニェーゼ「癪に障りますが」

女性警察官「そうねー、誰か身元引受人か親族の方はいないの?大使館でもいいんだけど」

アンジェレネ「こ、こちらのイギリス清教の方にお願いするってのは」

アニェーゼ「ダメです。『子供扱いされて世話になった』ってのは流石に体裁が悪すぎます」

シスター「あの、シスター・アニェーゼ。これを」 スッ

アニェーゼ「これは……名刺ですね。どちらさんですかい?」

シスター「先程空港で親切な方が『困ったことがあったらここに連絡してください』と仰られまして……」

アニェーゼ「奇遇ですね。私たちも似たようなオッサンに声かけられしましたけど」

アンジェレネ「い、一応ダメ元で連絡してみましょうよぉ?」

アニェーゼ「ですね――すいません、こちらの方に連絡を」


(〜30分経過〜)


女性警察官「本当に大丈夫ですか?なんでしたらこちらで預っても構いませんのに」

男「――えぇ問題なんてありませんよ。彼女たちはこちらへ来てまだ日が浅いだけでして」

女性警察官「そうですか……あ、あとこれ本官の連絡先ですので、いつでもご連絡ください」

男「これはどうもご親切に」

アニェーゼ「さりげなくナンパされましたよ、オッサンが」

アンジェレネ「お、オッサンなのに。ね、ねぇ?」

男「君たちは人の厚意へ対してうがち過ぎだね!もっと大人に頼るのを憶えた方がいいと思うなっ!」

アニェーゼ「それは一身上の都合で以下略。それよりもご面倒をおかけしてすいませんでした」

男「いえそれは別にいいんだ。気にはなってたから」

アニェーゼ「私はローマ正教のシスター、アニェーゼ=サンクティスと申します」

アンジェレネ「あ、アンジェレネですっ」

サムライソード・ナイト(男)「ご丁寧にどうも。私は……サムライソード・ナイトと呼んでくれ」

アンジェレネ「う、うっわ超ダセェ……」

アニェーゼ「刀夜さんですよね?名刺にそう書いてあったんですが」

刀夜(サムライソート・ナイト)「そこはサムライさんで良かったんじゃないのかなっ!?私もちょっと呼んでほしかったよ!」

刀夜「まぁとにかくもうすぐ夕方だしさ、君らどこに泊まるの?近くまでは送っていくから」

刀夜「地下鉄が……まぁ一番早いかな。ただ構内が初見じゃ厳しくしてね。『ダンジョンか!?』って外人さんによくツッコまれるし」

アニェーゼ「えぇと。ここです」

刀夜「あぁこの近く?」

アニェーゼ「ではなく、ここ。この公園にご厄介になろうかと」

刀夜「………………なんで?その、失礼だけど、お金がないのかい?」

アニェーゼ「いえ、滞在費はきちんと頂いているのですが、出来る限り節約しようかと思いまして」

刀夜「『――あぁもしもし?うん、私私。この間はどうも』」 ピッ

刀夜「『それでね、借りを返してもらおうかと――いやだなぁ、そんな事言ってないよ私は。脅迫だなんて人聞きの悪い』」

刀夜「『たださぁ?立場ある人間が女性と二人っきりってのは外聞が良くないよねぇ、って話で』」

刀夜「『確か君は入り婿だったよね?奥さん凄い美人だけど怖いんだって?』」

アンジェレネ「あ、あのぅ?よ、邪な会話がされているような……」

アニェーゼ「シーッ。いま私たちはスルー力を試されているのです」

アンジェレネ「そ、そうですかねぇ?」

刀夜「『――うん、ホテルを50人分!ダブルでもツインでも構わないから!よろしく!はーい、またねー!』」 ピッ

刀夜「いやー、良かったよ!たまたま近くのホテルの部屋に空きがあるらしくてさ!格安で泊めてくれるって!ラッキーだったね!」

アニェーゼ「……いいんですかい?」

刀夜「ただ全員じゃなくて……あぁ四人ぐらいは私の家に来て貰えるかな。流石に全員分は厳しいらしくて」

アンジェレネ「(ど、どうですかね?)」

アニェーゼ「(エロいことされそうになったらぶん殴って身ぐるみ剥ぎましょう。そっちの方が効率的です)」

刀夜「聞こえてるよ?君ら一応の恩人になんてこと言うのかな?」

アニェーゼ「結構その手のクズはいますからねぇ。まぁそれじゃ全員適当に分かれて――」

シスター「し、シスター!」

アニェーゼ「どうしました?サイフでも落したんですか?」

シスター「そ、それがその……チケットを買ったときに」

アニェーゼ「マジですかい!?そいつぁ困りましたね……」

刀夜「あぁバスのね。つい横に置いちゃうんだよ、だったらこっちだね」

アニェーゼ「え、あのこっちって?」

刀夜「落とし物センターに届いてるから、行こう?」

アンジェレネ「そ、そんなの届いてるわけないじゃないですかー」


(〜20分後〜)


駅員「はい、次から気をつけて下さいね」

シスター「ありがとうございますっありがとうございますっ!」

アニェーゼ「ほ、本当に届いてた、だと……ッ!?」

アンジェレネ「し、しかも中身には手をつけられずに……!?」


(※日本あるある・「サイフを落してもそこそこの確率で返ってくる」)


――上条家・新築

刀夜「――ただいまー」

アニェーゼ「お、お邪魔します?」

アンジェレネ「し、しまーす?」

詩菜「あらお帰りなさい刀夜さん。そしていらっしゃいませ、可愛らしいお客様がた」

アニェーゼ「よろしくお願いします」

アンジェレネ「で、ですっ!」

女の子「うっわー可愛い!なにこれなんて生き物っ!?」

アンジェレネ「あ、あれ?お、奥さんだけってさっき言ってませんでしたっけ……?

乙姫(女の子)「上条乙姫です!乙姫って呼んでね!」

刀夜「いや違う違う違う違う。乙姫ちゃんウチの子と違う、てかなんでいるのかな?」

乙姫「詩菜さんにお料理習ってたの!上条家の味を今のうちから勉強しておこうと思って、ねーっ?」

詩菜「ねーっ」

刀夜「いや詩菜さんが年甲斐もなく『ねーっ』は似合わな」

詩菜「刀夜さん?」

刀夜「い、いやー当麻は幸せ者だなぁ!自分の与り知らぬ所で着々と外堀を埋められているだなんて!まるで豊臣秀頼だ!」

アニェーゼ「どなたさんで?」

乙姫「せっせと墓穴掘ってた人?二代目は甘やかすと育たないよね、って話かな。さっ、上がって上がって――ってちっょとタイム!クツ脱がないと!」

アニェーゼ「あ、はいすいません?そういう文化なんでしたっけ?」

アンジェレネ「あ、足がすーすーするんですけど」

詩菜「はい、そういうときにはスリッパをどうぞ。手洗いとうがいをしてくださいね。すぐにご飯にしますから」

アニェーゼ「手を、洗うんですか?別に汚れちゃいませんけど」

アンジェレネ「う、うがいってなんですか?」

乙姫「あー……そっからかー」


(※海外あるある・「室内で靴を脱がない、手洗いうがいの文化がない」)


――上条家

アンジェレネ「ご、こちそうさまでしたぁ!い、いやーおいしかったです!」

アニェーゼ「……いてません。ツレが遠慮の欠片もなく」

詩菜「いいのよ?アンジェレネちゃん気持ち良く食べてくれるから、おばさん嬉しいわぁ」

刀夜「そうだよ。子供は食べて育つのが仕事だからね」

乙姫「おじさんおばさん?この子、5人分ぐらいパスタ食べてたんだけど、それでいいの?」

刀夜「10人分食べてた子に比べれば、ねぇ詩菜さん?」

詩菜「そうねぇ。当麻も大変よねぇ。家計的な意味で」

アンジェレネ「こ、このナポリタンというパスタおいしいですよねっ!い、イタリアでも作ったらいいのに!」

刀夜「イタリアにはないからね。ナポリっぽいのにナポリタンが」

アニェーゼ「あ、片付けはお手伝いさせてください」

詩菜「いいのよ、私がするから。二人は乙姫ちゃんと一緒にお風呂に入ってきなさい」

アニェーゼ「いえそんな!お世話になりっぱなしで悪いです!」

乙姫「いいからいいから、ね?行こう?」

アニェーゼ「はぁ……じゃあお先に頂きます」

刀夜「その前に部屋へ案内した方がいいんじゃないかな?お風呂が沸くまで時間も少しあるし」

アニェーゼ「部屋、ですかい?あの、私たちはここで充分なんですが」

刀夜「いいのいいの。息子の部屋なんだけど、その息子は家建ててから寄りつきもしないから」

詩菜「二人が使ってくれた方が痛まないのよねぇ」

乙姫「まぁいつもあたしが使ってるけどね!ホントはね!」

詩菜「はいそこお客様と張り合わない」

乙姫「いやでも詩菜ママ、こっちの子はあたしの敵レーダーに引っかかるような感じが……?」



――上条当麻の自室(予定)

乙姫「じゃあここが二人のお部屋だね。お風呂が沸いたら呼びに来るからのんびりしてて」

アニェーゼ「すいません。お世話になってばかりで」

PiPPiPiPi!!!

アニェーゼ「『――はい、もしもし私ですが』」

電話の声『――大変ですシスター・アニェーゼ!緊急事態です!』

乙姫「んじゃあとでね」

アンジェレネ「は、はい、お疲れ様ですっ!」

パタンッ

アニェーゼ「『何がありましたか?そちらでは手に負えないですか?』」

電話の声『い、いえそうではなく――お風呂が、あるのです……ッ!!!』

アニェーゼ「『……ぱーどぅん?』」

電話の声『ホテルの一室一室に!個別のトイレとお風呂が常備されているのです!?これは一体どういうことでしょうか!?神は我々をお試しになっているのでしょうか!?』

電話の声『また部屋にはゴミ一つ落ちていません!?ほ、本当にこの部屋を使ってもよろしいのでしょうか!?』

アニェーゼ「『あーっと……はい、神様に感謝して下さい』」

電話の声『……はい?』

アニェーゼ「『あなたがその部屋を使えるのも、豪華なサービスを受けられるのも、誰のお陰か分かりますよね?』」

電話の声『は、はいっ!勿論ですとも!』

アニェーゼ「『分かりましたね?ではそういうことで失礼します』」 ピッ

アニェーゼ「……これでもう安心ですね」

アンジェレネ「ち、違うと思うなぁ」


(※海外あるある・「ビジネスホテル(安いホテル)に前の人が捨ててったゴミが残っている」)


――お風呂

乙姫「はーい、じゃあまず体を洗ってね−」

アニェーゼ「あの、こちらのバスタブは?わざわざ私たちのために?」

乙姫「じゃないよ。毎日毎日」

アンジェレネ「す、水道代がエライことになるんじゃないですかね?」

乙姫「そうかな?シャワーだけよりも体も温まるしいいんじゃない?あ、背中洗ってあげるよ」

アニェーゼ「ちょっ!?そっちは前で!」

乙姫「あ、起伏が少ないから分からなかった」

アニェーゼ「――表へ出やがれ、戦争だ……ッ!!!」


(※海外あるある・「バスタブを使わずフロも毎日入らない」)


――上条当麻の部屋

乙姫「それじゃーお布団は敷いたから、あんまり夜遅くまで騒がないこと」

アニェーゼ「あ、はい。てゆうか寝る前にご挨拶をした方が……」

乙姫「あー、ダメダメ。おじさんとおばさんの邪魔は一番しちゃダメ!それだけは絶対に!」

アンジェレネ「ぐ、具体的には知りたくはないですねぇ」

乙姫「何かあったら隣にいるから、いつでも起こしてくれていいよ。それじゃおやすみー」

アニェーゼ「おやすみなさい」

アンジェレネ「な、なさーい」

パタンッ

アニェーゼ「……あー、なんか疲れますね。疲れちゃないんですが、ドッとこうくるものが」

アンジェレネ「あ、あぁ分かります分かります。『い、異世界転生でもしたのか!?』的な疎外感が」

アニェーゼ「いいんですけどねぇ。人様が宜しくやる分には、私らの処遇と比べて僻んでるだけですし」

アンジェレネ「そ、そういうの良くないですよぉ!ま、前向きに!」

……

アンジェレネ「な、何か音がしますねぇ?」

アニェーゼ「ご夫妻が神のご意向に忠実である、って音じゃないようですし。一応行ってみますか」



――玄関

乙姫「ありゃアニェーゼちゃん、どしたの?」

アニェーゼ「どうしたの、ではなくこっちの台詞ですよ。こんな時間にどうしたんですか?」

乙姫「いやまだ八時前だし。コンビニ行ってスイーツでも買ってこようかと」

アンジェレネ「し、死ぬ気ですかっ!?」

乙姫「なんでよ。外にゾンビでも溢れてない限りデッドオアコンビニにはなんないわよ」

アニェーゼ「――まさか?!何かの能力者とか!?」

乙女「お兄ちゃんみたいな事言わないで。都合が悪くなったら『敵の能力者の攻撃だ!』ってボケに入るような」

乙姫「あー……心配だったら一緒に来る?何か買ってFRY、プリンでも」

アンジェレネ「お、お供致しますっ!」

アニェーゼ「おいコラ」


(※日本あるある・「夜出歩いても襲われない」)


――コンビニ前

アンジェレネ「もぐもぐがつがつがつもぐもぐもぐもぐっ!!!」

乙姫「……なんだろう。さっきも大量にご飯食べてたのに、親の敵のようにファミチ○と戦ってる……!」

アニェーゼ「……重ね重ねすいません。お代は払いますんで」

乙姫「あ、いいのいいの。刀夜おじさんからぶんどるから。あぁ見えてスッゴイ稼いでるんだって?」

アニェーゼ「それはまぁ、そんな感じでしたが」

乙姫「それよりあんまん買って来たから食べなよ。ほら温かいうちに」

アニェーゼ「ありがとうございます、いただきます……あ、おいしい」

乙姫「んじゃ良かった」

アニェーゼ「その……聞かないんですね、私たちの事」

乙姫「聞いて欲しいんだったら聞くけど、困るでしょ?」

アニェーゼ「……まぁ、はい。正直には言えないですし……」

乙姫「ならいいんじゃない?おじさんも首突っ込もうと思って声かけたんじゃないから、多分」

乙姫「特に意味もなく助けようとして助けたいっていう、あの一族ホントノロ割れてんじゃねぇのか、ってたまに思うけど」

アニェーゼ「はぁ、そうですか」

乙姫「そうですよ」

アンジェレネ「あ、あーっ!?な、なにをされているんですかシスター・アニェーゼ!?そ、その食べているスイーツはまさか幻の!?」

アンジェレネ「だ、ダイフークと並び立つジャパニーズスイーツの一角を担う!ば、場合によってはヒロインも釣れるというアンマーンではないですか?!」

乙姫「お金あげるから買って来なよ、はい」

アンジェレネ「あ、ありがとうございますありがとうございますっ!き、きっとあなたに幸多かりしことを店員さんアンマン一つお願いします!」

アンジェレネ「そ、その奥に入りっぱなしでふやけているのではなく!て、手前のを希望します!」

アニェーゼ「本当にすいません。ちょっとあの子アレでして」

乙姫「あ……いいんじゃないかな。あとアンマンは少しふやけてるぐらいがジャスティスだと思う」



――公園

ステイル「………………」

ステイル「――来ない、ね……ッ!『助けて』ってメッセージが来たから来てみれば誰も!」

警察官「――すいませんお兄さん。ちょっとお話いいですか?」

ステイル「そしてまた職質だ!僕が一体何をしたっていうんだ!?」

警察官「その服と巨大な身長と喫煙ですね。ここは禁煙ゾーンだから、まず消して下さい」


-終-

inserted by FC2 system