鳴護「『絹旗流心理学、目指せ！人間力アップ講座！』……えぇ……」
――
絹旗「はいどうもー、生徒の皆さんは着席してくださいねー。言う事聞かないとヒザの半月板を超コナゴナにしますよー」
鳴護「すいません監督。心の準備もなしに連れて来られて動揺が隠せそうにないんですけど」
絹旗「えぇまぁ突発的に始まったこの企画と言いますか、というかもう長編は前の長編を終わらせないことは始められないため、なんかこう超フワっとしてます」
鳴護「文脈も意味も通じないのがリアルで怖いです」
絹旗「まぁ、超はっきり言っちゃいますと、私はARISAの人生が不安です」
鳴護「誰のせいかな？誰のオモチャになったせいでヨゴレのイメージついたって思ってるのかな？」
絹旗「おやおや何を言ってるのか超分からないですね。星の数ほどいる自称アイドルの中から、あなたを選んだのが悪意であると？」
鳴護「他にいないからですよね？あえて言えば一一一さんも出てるっちゃ出てますけど、名前だけですもんね？」
絹旗「まぁ超悪意なんですけども」
鳴護「取り繕いませんか？せめて形だけでもいいからそこだけは死守しません？」
絹旗「その、私は超心配なのです。ARISAという無軌道なアイドルがこのまま超やっていけるのでしょうか！？」
鳴護「監督のサメマラソンに付き合わされる前は、はい、割りと順調な感じでしたよ？長いお仕事も終わりましたし」
絹旗「これがあと10年ぐらい経って『上条さんにマク×を強要されました！』とか超言うんでしょう？」
鳴護「何でもかんでもいっちょ噛みするのやめません？何かこう、事故物件の臭いがするんですよね」
絹旗「いや心配なのは超マジです。ダメ映画を愛する同志として、私たちの無双の絆がありますから」
鳴護「強いられてるからだね、うん。あたしや事務所が望んだわけでなく。最近ダメな映画はちょっとだけ好きになりましたけど」
絹旗「このあいだ、原題；『Maximum Overdrive（マキシマム・オーバードライブ）』という映画を超見まして」
鳴護「話聞いてる？このタイミングで映画の話かな？一応これ教室のセット借りてるんだけど自由だよね？」
鳴護「てゆうか、まきしまむ・おーばーどらいぶ……なんか格好いい名前だよね。アメコミ系？あ、ロボットが戦ったり？」
絹旗「邦題；『地獄のデビルトラック』」
（※マジです。1986年公開）
鳴護「嘘でしょ？」
絹旗「かのスティーブン＝キン○原作かつ初監督映画で、ご本人も失敗作だと」
（※盛っていません）
鳴護「日本語のタイトルつけた人に悪意があるとしか思えないよね！？逆にちょって見てみたいなその映画！」
絹旗「今回のテーマは別なので超簡潔に説明しますと、『彗星来る→機械が意志を持つ→トラックの群れにこき使われる人間』です」
鳴護「そのテーマって何回も映画になってたよね。先見性はあるんだけど……」
絹旗「私はその映画を見ていて超思ったのです――『いやこれつっまんねぇなぁ』と」
鳴護「分かってたよね？映画のレビューググってからって判断はなかったのかな？」
絹旗「つまりあなたの人生もこれと超同じですよ！」
鳴護「えぇっと、どこが？」
絹旗「いえ別にこれといって特には。ただ超言ってみたかっただけですけど？」
鳴護「だからそーゆーとこだよ！？付き合いもそこそこ長いのに信頼度が一ミリも上昇しないのって！」
絹旗「ぶっちゃけますとね、騙されそうなんですよARISAさん。超悪い意味で犯罪者ホイホイって言いますか」
鳴護「デビューイベントは勝利条件がないデスゲームだったし……まぁ、今も昔もスタッフさんに恵まれてはいないよね！」
絹旗「正直に言いますと、ARISAさんがこのまま芸能界残ってもハタチ超えたら超消えそうじゃないですか？」
鳴護「超失敬だな！？なんかこういい歳になっても残ってるよ！一発屋じゃなくて皆さんのレギュラーになるよ！」
絹旗「いや、私が問題視しているのはスター性ではなく、その人柄と言いますか」
鳴護「地獄の住人最愛ちゃんに人格を否定される日が来るとは……！」
絹旗「人格違います。あの、サインってあるじゃないですか？ファンとかの方が欲しがる方ではなく、『超気づいて！」 みたいなの」
鳴護「あー、空気読む的な能力ね。確かにちょっと……うん。業界慣れしてないからね」
絹旗「個人的には実年齢を考えれば超よくやってるとは思います――が！そこはそれ超ウマ娘の目で抜く芸能界！」
鳴護「意味が違くなるから弁えて、ねっ？『生き馬の目を抜く』って原形留めてないからね？」
絹旗「おっと超失礼。ARISAさんには空気を読む、つまり他人の言葉や態度から真意を推し量るスキルが必要なんじゃないかと！」
鳴護「おぉ……！結構まともな論になってるよ！凄いよ！初めてだよ！」
絹旗「ですので今から始める授業でよく復習し、今後の超糧にすることを望みます」
鳴護「うんあのね？最愛ちゃんの意見は正しいとは思うんだよね？あたしが若干対人不信になってるところも含めて、指摘はね？」
鳴護「ただのその講師役が最愛ちゃんなのが納得いかないっていうか、えーっと」
絹旗「分かります分かります。超可憐な私が世の中を上手く渡ってきたってイメージがない、こう言っているのでしょう？」
鳴護「形容詞はちょっと違うけど、まぁ大体は合ってる」
絹旗「ではまずレクチャーを受けてから判断されては超如何でしょうか？なんでしたら講師役チェンジもありますし」
鳴護「あ、そうなんだ？まだ誰か待機してるの？」
絹旗「はい。レッサーさんとやらが」
鳴護「迷うところだよね。最愛ちゃんは邪悪だけど人の心は持ってて、レッサーちゃんはイギリス魂って生まれながらにして混沌の種族の一員なんだしね」
絹旗「私もピーキーな性格の同僚と詰めの甘い淫乱ゴールドに昼間のカブトムシ、そしてでんでんむしむしかたつむりという時折覚醒するアホな部下の間で超苦労していますけど」
絹旗「特に『お前それできるんだったら最初っから超やっとけよコラ』というのが、まぁ」
鳴護「前半は何となく分かるけど、かたつむりってなに？」
絹旗「殻かぶりです。つまり」
鳴護「あ、もういいです。シモだって分かりましたから」
絹旗「かぶっているわけですね。何がとは言いませんが」
鳴護「言ってるのも同然なのでお腹いっぱいです」
絹旗「では超ご理解頂けたところで最初の動画をどうぞ。言葉の”裏”を考えてくださいね」
鳴護「まぁ……今回のは実害があたしに”は”かかって来ないし、いいかな。被害者が別にいれば」
……
上条（動画）『どうしたんだビリビリ。こんなところに呼び出して』
御坂（動画）『……ねぇ、この場所って憶えてる？』
上条（動画）『場所？ここってなんかあったっけ？』
御坂（動画）『あんたは憶えてないのね……ここは、昔あたしたちがつきあい始めたとき、おそろいのゲコ太ストラップをもらいに来た広場よ』
上条（動画）『それは憶えてるけど、あんとき別につきあっていなかったような……？』
御坂（動画）『あんたはいつもそうだったわ……大切なイベントに大切な記念日！あたしが楽しみにしていたのにすぐに忘れて！』
上条（動画）『あれそんな台詞台本にあったっけ？なかったよね？』
御坂（動画）『「愛してるぜ美琴☆」って言えば何でもかんでも許されると思わないでよ！？試しに言ってみなさいよ！』
上条（動画）『おいカメラ止めろ。情緒不安定になってる』
御坂（動画）『付き合って一ヶ月記念！出会って二年記念！一緒に遊びに行って三週間記念もお祝いしてくれなかったわ！』
上条（動画）『怖いわー。彼女が重めで胃に来るわー』
御坂（動画）『――あたしたち、もう別れましょう？このままズルズル付き合ってても、ダメになると思うのよ」
御坂（動画）『だから！そうだからお互いに好きなままで！この大切な思い出だけで別れましょう！？』
上条（動画）『お、おぅ！分かったわ！ビリビリがそう言うんだったら別れよう、ぜ？』
御坂（動画）『……』
上条（動画）『じゃあ家の荷物はまとめておくから、何日か経ったら取りに来てな？嫌だったら送るけ――がっ！？』 ﾌﾞｽｯ
上条（動画）『お前……なんで刺し、た……っ！？』
御坂（動画）『……あ、あんたが悪いんだからね！あたしの気持ちも全然分かろうともしないで！』
御坂（動画）『そうよ――最初っからこうすれば良かったのよ！これであたしだけのものになるわ！』
上条（動画）『うん、だからな？その不規則発言やめてくれるかな？何かこう、真に迫ってて怖いんだわ』
御坂（動画）『……さようなら。直ぐにあたしも行くから、あっちで待っててね……？』 ｽﾞﾌﾟｯ
上条（動画）『て、てめ……ぇ……』 ﾊﾟﾀｯ
……
鳴護「すいません監督。視覚情報が楽しすぎて内容が入ってきません」
絹旗「我ながら超ナイスキャスティングですね。勿論脚本は私です」
鳴護「否定はしませんしむしろ面白いんですが、このギャグ修羅場から一体何を学べと？刺し方？それとも相手を油断させたところを襲えと？」
絹旗「まぁそれも学べますけど、今の動画は刺されない選択肢が隠されています。しかしそれをとらなかったため超バッドエンドになってしまいましたと」
鳴護「まずないですよね？痴情のもつれで刺されるってありますか？普通に生きてて発生するイベントですか？」
絹旗「ですからこれは対人関係向上プログラムです。今のは超極端な例えだと考えてください――さて、ではARISAさんは何が悪かったとお思いですか？」
鳴護「んー………………美琴ちゃんのヤンデレ属性？」
絹旗「ぶー、本質を突くのは控えてください。『まぁそうですけど』と口まで出かかりましたが、主旨とは違いますし目をつけられた時点で回避不可能です」
鳴護「監督、当麻君が何かすれば助かったってことですか？」
絹旗「はい。台詞だけで無難に超回避できます」
鳴護「美琴ちゃんは別れたいって言ってるんだから、慰謝料……も、違うよね。だったら荷物は自分で取りに来て貰うとか？逆に処分しちゃってOKとか？」
絹旗「超不正解です。他に何かありません？」
鳴護「……ギブアップします」
絹旗「分かりました。まぁクイズではないのでペナルティなどは超ないので残念ですが」
鳴護「ていうかこれ本当に正解、という刺されないルートってあります？」
絹旗「お疑いでしたら正解の動画を超ご覧ください。半分ぐらいは納得すると思います」
……
御坂（動画）『――あたしたち、もう別れましょう？』
上条（動画）『待ってくれよビリビリ！？急に何を言い出すんだよ！？』
御坂（動画）『仕方がないじゃない！このままズルズル行っても！』
上条（動画）『別れるなんてしない！絶対にだ！』
御坂（動画）『な、なんでよ！？どうしてあたしがここまで言ってるのに――』
上条（動画）『俺はお前が好きだからだ！！！』
御坂（動画）『……』
上条（動画）『………………次、お前の台詞』
御坂（動画）『――ハッ！？あ、ごめん。全く全然これっぽっちも聞こえなかったからもう一回言って貰える？』
御坂（動画）『次はもっと声を大にして！地球上に響かんばかりの声量で！』
上条（動画）『目の前にいるのに！？俺超恥ずかしいけどえっらい声張ってんのに入っていかなかったの！？』
御坂（動画）『な、なーんてね！ジョーダンよ、別れるなんてちょっと言ってみただけだってば！』
上条（動画）『そ、そうなんだー！驚かせやがって、こーいつー☆』
御坂（動画）『てへっ☆』
……
絹旗「超お分かりいただけたでしょうか？」
鳴護「トラップってことだよね？美琴ちゃんから言い出してるのに、それに乗っかったらダメってどんだけハードなのかな？」
鳴護「Reがゼロする異世界転生並に罠が重いよね？選択肢一個間違ったら友達から刺されるっていう」
鳴護「そしてそもそも美琴ちゃんはbring a knifeってことだよね？使ってないだけで持参してる時点で、あの場では逃れられただけでバックスタブの可能性は引き続きあるんでしょ？ねぇ？」
絹旗「乙女心は超複雑怪奇とも言いますからね。それよりも解説しましょうか」
鳴護「理不尽すぎるんですけど……」
絹旗「まず御坂さんの問い、『私たち別れましょう』が超全てのキーポイントになっています」
鳴護「修羅場だよね」
絹旗「しかしあの台詞はブラフであり、実際には『もっと私だけを見てよ！』というのが超本音です」
鳴護「怖っ！？」
絹旗「こう、別れ話を切り出すことにより相手に危機感を抱かせる、的な話だったのに、相手も超満更ではなかったというのが犯行動機になっています」
鳴護「あのー、監督質問です。美琴ちゃんは違いましたけど、本当に別れたくて別れ話を切り出したときはどうすればいいんですか？
絹旗「その場合も超同じ対応でいいと思います。男性側がやや嫌がる感じで」
鳴護「え、でもヨリを戻せるとは限らないんじゃないですか？中には別れたいのに、相手を傷つけたくなくてって人もいるでしょうし」
絹旗「まぁ99%ダメでしょうが、その場合もカノジョ側は『あぁこの男は私に未練タラッタラなんだーへー？』と優越感を与えることが出来るからです」
絹旗「今なんて？」
絹旗「男性側が内心『ラッキー！こっちから言い出す手間が省けた！』と思っていても、決して態度に出してはいけません。そうすることで超後腐れなく円満に別れられます」
絹旗「こう、別れるときですらマウントを取っておけば、次回会ったときもそう対応は悪くされないので、あえて超下手に出るようなものでしょうか」
鳴護「登場人物全員黒すぎませんか？打算だけで生きてますよね？」
絹旗「ですから、アレですよ。なんかこう親戚の家へ行ったら正座で座るじゃないですか？でも『どうか足を崩してください』と超すぐに言われる感じで」
絹旗「『礼儀として一回は引き留めるポーズを見せる』というのがまぁ超マナーです」
鳴護「マナー……」
絹旗「なお近くにいた男性一名に『実際にこんな駆け引きするカノジョってどう？』とアンケートを取ったのですが」
鳴護「当麻君だよね？匿名にする必要性がなくない？」
絹旗「『こんな大事なことで駆け引きする相手はどうかと思う。可愛くなければ許さない』とのご回答が」
鳴護「大概だよね？まぁそこ全てだけど！男子は男子で強かだけども！」
絹旗「また女性側の切り出し方にも何パターンかありまして、それによっては初見で超判別が可能となります」
鳴護「ボスキャラがランダムで撃ってくる必殺技じゃないんだから」
絹旗「一番なのが『他に……好きな人ができたの！』ですね。これは100%別れたいのを超前提に話を持ってきています」
絹旗「しかしここで『良かったわー！お前なんかもう好きじゃなかったわー！』なんて見栄を張るのは超愚策です」
鳴護「つまり……その場合は何が言いたかったんですか？
絹旗「訳すとこうなります――『い、今からよりを戻すつもりはないけど、可能な限り惨めったらしく超懇願してよね！』のサインです」
鳴護「監督？監督どっか病んでいませんか？それとも昔女性関係で何かあってトラウマになっていません？」
絹旗「まぁ男性諸氏はムカっ腹も立つでしょうけど、ここで下手にゴネたりケンカを売っても、『あぁこいつそこまで私と別れたくないんだな』と増長させる原因になります」
絹旗「ですので相手を傷つけないようにやんわりと、そして調子ぶっこかせない程度の加減で超ヨイショしてください。これが円満解消の秘訣です」
鳴護「あの……理屈は分かりましたし、『面倒臭いな』って感想なんですけど、それ、使ったり応用するタイミングってあります？ないですよね？」
――
絹旗「では引き続き人間力強化プログラムを超進める訳ですが」
鳴護「人間力って上がっていますか？こう、お互いの真意を知る事でよりレベルが下がりそうです」
絹旗「前に何回か出したネタなんですが、『男子がエ×いことなんて考えてないよ！』というとき。100%エ×いこと超考えていますよね？」
鳴護「そんな質問が出ません。そもそも男子に聞く事ってあります？『えっ×なこと考えてるでしょ！？』ってシーンありますか？」
鳴護「その質問が出ている時点である種ベクトルが固定されてますよね？既にもう『バッチ来い！』ってぐらい好感度カンストしてないとその台詞はないですよね？」
絹旗「超いいですねーARISAさん！早速プログラムの効果が現れていますよ！」
鳴護「ホントに大丈夫ですか？これ心理的なカウンセリングとかじゃないよね？どっちがしてるのかされてるのか微妙なところではあるけど」
鳴護「そしてもし効果があったとすれば去年のダメ映画マラソンによる副産物だからね！？ただあたしのツッコミが上手くなっただけで終わったっていう！」
絹旗「先日、ここの運営がこう漏らしていたそうです――『あれ？KMJさん（仮名）よりMIGさん（仮名）の方が書きやすくね？』と」
鳴護「戻って来て当麻君！あなたのお仕事はあたしには荷が重すぎるから！？」
絹旗「まぁ今の時代、男性主人公が不遇の時代ですからねぇ。個性が強すぎると『もう少し無個性にしてくれる？主役は彼じゃないんだからね』とクライアントから超注文が」
（※実話らしいです）
鳴護「おかしいですよねそれ？主人公なのに主役じゃないってどういうことですか？」
（※某メーカーの外注）
絹旗「パッケージに主人公の絵が一切乗ってない系のゲーム、とだけ超申しましょうか」
鳴護「あ、確かに男性主人公受難の時代かもしれない！？結構多いよそのスタイル！」
絹旗「あぁテロップにすると超こんな感じです」
【女子が主役のゲーム・マンガ・ラノベ→ジャケットや宣伝用の画像は主人公女子】
【年齢制限のある男性用ゲーム→ほぼ女子のみ】
【ハーレム系なろ○系→やっぱり女子中心】
【百合系→当然女子】
絹旗「超つまり、特定の業界は100%女子しかジャケ写に使われていないんですよ……ッ！！！」
鳴護「監督監督、データに偏りがあります。ジャン○とかBがラブする系とか意図的にハブいてますよね？あと刀剣が乱舞するアレとか」
絹旗「『涼宮ハルヒの憂○』なんで超酷いもんですよ。男子が主人公なのにフルネームが明らかにならないなんて、ヘイトかもしれません……！」
鳴護「キリがないよね？そして他人様が好きで読んでるネタを、部外者が一面だけ切り取って政治問題化するのって一番ファンから恨み買いますよ？」
絹旗「『――某ご長寿ラノベ、ファンの人は主役じゃなくてヒロインしか見てない説』……ッ！！！」 ｸﾜｯ
鳴護「わ、わーいっ！次のプログラムはなんだろうなーっ！楽しみだねーっ！」
絹旗「超ご理解頂いたようで嬉しいです。では次の面白動画をご覧ください」
鳴護「面白って言った？ねぇ言ったよね今？」
……
土御門（動画）『――いっせーの……イチ！よっしゃ俺抜けだにゃー！』
上条（動画）『あークソまた負けちまった！なんだよお前ら、裏で組んでるんじゃないだろうな？』
青ピ（動画）『せぇへんせぇへん。んなクソダサせぇへんでもカミやん普通に負けるやん』
上条（動画）『そうだな、俺普通に負けるから――ってより酷い事言ってないか？』
土御門（動画）『俺ウーロンだにゃー』
青ピ（動画）『コーラの炭酸割りで！』
上条（動画）『薄くなるだけだろ。姫神と吹寄は？』
吹寄（動画）『あー、ダイエットコークで。悪いわね』
姫神（動画）『私は緑茶で――あ。運ぶの手伝う』
上条（動画）『おー、ありがとなー』
……
上条（動画）『土御門はウーロンコーラでー、青ピはジャンジャーコーラっと』 ﾋﾟｯ
姫神（動画）『私の聞いていたのとちょっと違うかもしれない。しかしカラオケでは闇ドリンクバーは定番だと聞いた』
上条（動画）『洒落になる相手にしかしないから大丈夫。あ、吹寄の分はバナナオレにしてみようか？』
姫神（動画）『興味はある。けれどダイエット中の相手には武士の情けを適応してあげてほしい』
上条（動画）『ダイエット……必要かぁ？』
姫神（動画）『胸部パーツへ順調に栄養が行っているとみた。ふふふ。羨ましい……』
上条（動画）『センシティブな話で男には不用意に踏み込めないぜ……！』
姫神（動画）『上条君もおっぱ×大きくなりたいよね？』
上条（動画）『なぁ姫神よく覚えておけ――人はな、自分にないものを憧れるって事をだ……ッ！』
姫神（動画）『流石師匠。ボケへ対してボケ倒して返してきた』
上条（動画）『お陰様でな！無軌道な連中のお陰で右手が本業なのか、右手を使ったツッコミが本業なのか分からなくなってきたところだよ！』
姫神（動画）『むぅ……うちのお笑いグルーブにはもう一人ツッコミがいるから加入は難しい』
上条（動画）『アリサは納得してねーと思うな？あといつの間にか一人増えるんだけど、誰が被害者なの？』
姫神（動画）『地縛霊女子が』
上条（動画）『あー……うんっ、頑張ればいいと思うよ！』
姫神（動画）『鳴護さんに全部投げた感が。あ。バナナコーラが完成』 ﾋﾟﾋﾟｯ
上条（動画）『作ってんじゃん。武士の情けがどうっていいながら、高カロリー高濃度の、しかもカロリーオフじゃないコーラで作ってんじゃん』
姫神（動画）『これは流れ。じゃあお先に――そうだ。思い出したと姫神は声をかける』
上条（動画）『ビリビリの妹！？お前芸風増やすのもいい加減にしろよ！？』
姫神（動画）『実はこの間舞台のチケットを取った。抽選で当たったんだけど。間違ってペアだったので』
上条（動画）『おっ、デートのお誘い？』
姫神（動画）『うん。そう』
上条（動画）『だよなぁ！知って、た……？』
姫神（動画）『演目がちょっと素人さんには難しいかもしれない。なのでプロに頼んでみた』
上条（動画）『くっ……！表情が一ミリも変んないからリアクションに困るぜ！で、一体何の舞台だ！？』
姫神（動画）『刀剣乱○の舞台』
上条（動画）『ちょっと何かアレだな！大人気だし人を選ぶとは決して言わないけど、微妙に性別比が偏るよな！』
姫神（動画）『問題ない。ふなっし○さんもチケ当たって大喜びしてた』
上条（動画）『中の人オッサンだろ？つーかなんで、あれ？中の人って、えっとそっちなの？』
姫神（動画）『刀剣マニアで、20本近い真剣を購入したってツイッタ○で言ってた』
（※実話です）
上条（動画）『何やってんの！？まだ武士系のゆるキャラだったら分からなくもないけどさ！？』
姫神（動画）『単に日本刀マニアらしい。で。どうかな？』
上条（動画）『あぁ俺で良かったら是非。チケット代も出すよ、実は二次元原作の舞台って興味あったんだよ。血界が戦線するのとか』
姫神（動画）『おぉ。イケメンじゃないのにイケメンっぽいことを』
上条（動画）『失敬だな君は！？フォローしているんだからねっ一応は！？』
姫神（動画）『知っている。じゃあお先に。詳しくはあとからメールするから』 ﾀｯ
上条（動画）『お、おぁ。微妙に払う気が削がれたが』
上条（動画）『しかし……舞台かー。ちょっと楽しみ――』
ﾌﾞｽｯ
上条（動画）『痛っ！？……なんだぁ？釘かなんかでも、あっ……た……？』 ﾊﾟﾀｯ
上条（動画）『なん……だ……？血が……止まらな……い………………』
御坂（動画）『――あ、あんたが悪いんだからね！？手に入らないんだったらいっそ……！』
……
絹旗「いやー、超迫真の演技でしたね。まるで近々起きる未来を先取りしているようなリアリティが」
鳴護「監督、あたしもあっちがいいです。なんかこう演技でもいいからラブでコメっぽいのがしたいです」
絹旗「すいません。もう収録は終わったあとですし、尺的にももう少しでオチなので。超万が一好評だった場合には第二回があれば、是非」
鳴護「その場合の第一被害者は誰かなー……涙子ちゃんかインデックスちゃん、大穴で美琴ちゃんかなー」
絹旗「さて。今の動画は対処を少しだけ間違ってしまったがため、超起ってしまった悲劇です」
鳴護「悲劇っていうか喜劇っていうか微妙だけどね。てかこれ、回避ってできます？最初から断れってことなんですか？」
絹旗「その場合は被害者一号が鍵のかかった個室で超発見されるルートですね」
鳴護「なんないよ？外見だけでいえば呪われそうな感じだけど、秋沙ちゃんの中身は結構緩いよ？」
絹旗「参考までに超聞きますけど、被害者二号でしたらどう答えますか？」
鳴護「ARISAです。被害者二号って名前ではないです」
鳴護「えーっと……そうだね、その日は用事があるからダメだよって？」
絹旗「ちなみに誘った女子がチケットを直で見せなかったのは何故だと思いますか？これなんだけど、って一回見せますよね？」
鳴護「うん？わざわざ持ってこないからじゃないの？口頭で伝えればって判断で」
絹旗「ふっ、超甘いですね。相手の都合に会わせてチケット取るからに決まってるじゃないですか」
鳴護「怖っ！？あぁいやそういう子もいるかもだけど、秋沙ちゃんはそんな罠は仕掛けないよ！？」
絹旗「あくまでも”そういう場合もある”と考えていただければ。他に何かエスケープ案は？」
鳴護「……実家に帰る？」
絹旗「超最適解です。が、しかし帰った実家で――『あんた遅かったじゃない！彼女さんは先に来てるんだからね！』とお母様が」
鳴護「ストーカー映画のラストシーンだよねそれ？逃げたつもりが先回りみたいな？超怖いよ！？」
鳴護「あとね、美琴ちゃんはストーカーじゃないよ？本人はノリッノリで出てるけどもまぁ、うん、もっと自分を大切にしてほしいとか思わなくもないけど」
絹旗「そしてこの話、何が怖いかって手を出せば出したで尽くしてくれる上に従順で稼ぎのいい彼女が出来るので、一生超安泰だっていう……！」
鳴護「……監督、一応聞きますけど動画に出演されているアクターさんのギャラは？」
絹旗「友情出演です。事前に脚本を見せた上、ほぼ全員自分が出ているシーンを無編集でお渡しするだけでオッケーを頂きました」」
絹旗「それどころか一部の俳優さんは、私たちのダメ映画再現へ超出資してくださるそうです！」
鳴護「だからちょっといい役なんですね。そして監督の暴言の矛先が向わない人が一人いるぞっていう」
絹旗「では超スッキリ解決編をご覧ください。どうぞ」
……
姫神（動画）『どう。かな？』
上条（動画）『おっ、刀剣乱○だ！いいなこれインデックスも行きたがってたんだよ！』
上条（動画）『折角だから吹寄たちも誘っていこうぜ！みんなで見た方が楽しいって！』
姫神（動画）『確かに。それはそうかもしれない。私が悪かった』
上条（動画）『え？なんだって？』
姫神（動画）『いいえ別に。早く持っていこう』
上条（動画）『だなっ！』
……
御坂（動画）『――セーフ………………！』 ﾇﾙｯ
……
鳴護「なにこれ？少なくとも当麻君が美琴ちゃんの危険性を認識していないとおかしいよね？こうはならな――まさかっ！？」
鳴護「当麻君が今までことごと立ったフラグをへし折っていたのは、デリカシーがないんじゃなくて――」
絹旗「おぉっとそれ以上は口に出してはいけませんよ？真実は全て闇の中へ超葬り去られますからね？」
鳴護「ギャグだよ！？本当だったら会社が揺れるぐらいの不祥事になるからね！？」
絹旗「まぁ何にせよ、こうして危機を超脱したのです。皆さんは参考になったでしょうか。人間力が目に見えて超アップしましたね」
鳴護「『そうだね！分かる分かる！』って頷いている人は70億人中ですら精々数名だと思うよ！」
絹旗「さて、以上人間力強化プログラムは超以上となりますが、何か質問は？」
鳴護「もう一つぐらいコントがあってもいいような……尺がちょっと短くないですか？」
絹旗「それは文量の関係で祓い屋シリーズと超対になっています」
鳴護「あぁあの当麻君が全てを台無しにするやつ。思ったんだけど、あれって普通にするって選択肢はないのかな？オカルトだし、結構楽しそうだと思うんだけど」
絹旗「そうしたら普通のオカルト話になってしまうため、超つまらないじゃないですか？」
鳴護「そうだね……そう、だね？あれ？別にそれはそれで魔術師さんが活躍できるんだしいいんじゃないかな？」
絹旗「科学サイドにも言える事ですが、業界で上から数えた方が早い人たちがひしめく中、超生半な心霊現象で太刀打ちできるとでも？」
鳴護「あー……えっと、リョウメンスクナだっけ？呪術が廻戦するあれでお馴染みのとか？」
闇咲「――あれの原型となっているのはギリシャ神話の男女が合体しているヤヌス、また東南アジアのローカル神話だとされているのだが」
闇咲「確認できる限り二つ以上の身体が結合している最古の神はインド神話のハリ・ハラというものがある」
闇咲「知名度は放送コード的にアレな外見なため、サブカル的には低いものの。神話的にはヴィシュヌとシヴアが結合した姿の身体であり、破壊と想像を司っている」
闇咲「古くはアンコールワットにも像があり、今では廃れてしまったもののある程度の信仰を集めていた証左であり」
鳴護「怪談おじさんどこから来たんですか？」
絹旗「あぁ、ではARISAさん、超怪談オジサンの次のお仕事に同行するという企画は如何でしょう？責任持って取材すると」
鳴護「嫌だよ！？闇ちゃんねるで殆どオンアエできない回が何回かあったのに、実地でトラウマ植え付けられてくるんでしょ！？」
絹旗「オカルトはフィクションの部分が多分にある訳ですが、闇ちゃんねるの場合、『なんだったらソースつけましょうか？』ってぐらい実話なのです超闇が深いですよね」
闇咲「――では次回、『心霊アイドルARISAの事件簿シリーズ』で会おう……！」
鳴護「待ってください！？まだ監督の方が良かったですよ！だってガチじゃなかったから！」
-終-
絹旗「はいどうもー、生徒の皆さんは着席してくださいねー。言う事聞かないとヒザの半月板を超コナゴナにしますよー」
鳴護「すいません監督。心の準備もなしに連れて来られて動揺が隠せそうにないんですけど」
絹旗「えぇまぁ突発的に始まったこの企画と言いますか、というかもう長編は前の長編を終わらせないことは始められないため、なんかこう超フワっとしてます」
鳴護「文脈も意味も通じないのがリアルで怖いです」
絹旗「まぁ、超はっきり言っちゃいますと、私はARISAの人生が不安です」
鳴護「誰のせいかな？誰のオモチャになったせいでヨゴレのイメージついたって思ってるのかな？」
絹旗「おやおや何を言ってるのか超分からないですね。星の数ほどいる自称アイドルの中から、あなたを選んだのが悪意であると？」
鳴護「他にいないからですよね？あえて言えば一一一さんも出てるっちゃ出てますけど、名前だけですもんね？」
絹旗「まぁ超悪意なんですけども」
鳴護「取り繕いませんか？せめて形だけでもいいからそこだけは死守しません？」
絹旗「その、私は超心配なのです。ARISAという無軌道なアイドルがこのまま超やっていけるのでしょうか！？」
鳴護「監督のサメマラソンに付き合わされる前は、はい、割りと順調な感じでしたよ？長いお仕事も終わりましたし」
絹旗「これがあと10年ぐらい経って『上条さんにマク×を強要されました！』とか超言うんでしょう？」
鳴護「何でもかんでもいっちょ噛みするのやめません？何かこう、事故物件の臭いがするんですよね」
絹旗「いや心配なのは超マジです。ダメ映画を愛する同志として、私たちの無双の絆がありますから」
鳴護「強いられてるからだね、うん。あたしや事務所が望んだわけでなく。最近ダメな映画はちょっとだけ好きになりましたけど」
絹旗「このあいだ、原題；『Maximum Overdrive（マキシマム・オーバードライブ）』という映画を超見まして」
鳴護「話聞いてる？このタイミングで映画の話かな？一応これ教室のセット借りてるんだけど自由だよね？」
鳴護「てゆうか、まきしまむ・おーばーどらいぶ……なんか格好いい名前だよね。アメコミ系？あ、ロボットが戦ったり？」
絹旗「邦題；『地獄のデビルトラック』」
（※マジです。1986年公開）
鳴護「嘘でしょ？」
絹旗「かのスティーブン＝キン○原作かつ初監督映画で、ご本人も失敗作だと」
（※盛っていません）
鳴護「日本語のタイトルつけた人に悪意があるとしか思えないよね！？逆にちょって見てみたいなその映画！」
絹旗「今回のテーマは別なので超簡潔に説明しますと、『彗星来る→機械が意志を持つ→トラックの群れにこき使われる人間』です」
鳴護「そのテーマって何回も映画になってたよね。先見性はあるんだけど……」
絹旗「私はその映画を見ていて超思ったのです――『いやこれつっまんねぇなぁ』と」
鳴護「分かってたよね？映画のレビューググってからって判断はなかったのかな？」
絹旗「つまりあなたの人生もこれと超同じですよ！」
鳴護「えぇっと、どこが？」
絹旗「いえ別にこれといって特には。ただ超言ってみたかっただけですけど？」
鳴護「だからそーゆーとこだよ！？付き合いもそこそこ長いのに信頼度が一ミリも上昇しないのって！」
絹旗「ぶっちゃけますとね、騙されそうなんですよARISAさん。超悪い意味で犯罪者ホイホイって言いますか」
鳴護「デビューイベントは勝利条件がないデスゲームだったし……まぁ、今も昔もスタッフさんに恵まれてはいないよね！」
絹旗「正直に言いますと、ARISAさんがこのまま芸能界残ってもハタチ超えたら超消えそうじゃないですか？」
鳴護「超失敬だな！？なんかこういい歳になっても残ってるよ！一発屋じゃなくて皆さんのレギュラーになるよ！」
絹旗「いや、私が問題視しているのはスター性ではなく、その人柄と言いますか」
鳴護「地獄の住人最愛ちゃんに人格を否定される日が来るとは……！」
絹旗「人格違います。あの、サインってあるじゃないですか？ファンとかの方が欲しがる方ではなく、『超気づいて！」 みたいなの」
鳴護「あー、空気読む的な能力ね。確かにちょっと……うん。業界慣れしてないからね」
絹旗「個人的には実年齢を考えれば超よくやってるとは思います――が！そこはそれ超ウマ娘の目で抜く芸能界！」
鳴護「意味が違くなるから弁えて、ねっ？『生き馬の目を抜く』って原形留めてないからね？」
絹旗「おっと超失礼。ARISAさんには空気を読む、つまり他人の言葉や態度から真意を推し量るスキルが必要なんじゃないかと！」
鳴護「おぉ……！結構まともな論になってるよ！凄いよ！初めてだよ！」
絹旗「ですので今から始める授業でよく復習し、今後の超糧にすることを望みます」
鳴護「うんあのね？最愛ちゃんの意見は正しいとは思うんだよね？あたしが若干対人不信になってるところも含めて、指摘はね？」
鳴護「ただのその講師役が最愛ちゃんなのが納得いかないっていうか、えーっと」
絹旗「分かります分かります。超可憐な私が世の中を上手く渡ってきたってイメージがない、こう言っているのでしょう？」
鳴護「形容詞はちょっと違うけど、まぁ大体は合ってる」
絹旗「ではまずレクチャーを受けてから判断されては超如何でしょうか？なんでしたら講師役チェンジもありますし」
鳴護「あ、そうなんだ？まだ誰か待機してるの？」
絹旗「はい。レッサーさんとやらが」
鳴護「迷うところだよね。最愛ちゃんは邪悪だけど人の心は持ってて、レッサーちゃんはイギリス魂って生まれながらにして混沌の種族の一員なんだしね」
絹旗「私もピーキーな性格の同僚と詰めの甘い淫乱ゴールドに昼間のカブトムシ、そしてでんでんむしむしかたつむりという時折覚醒するアホな部下の間で超苦労していますけど」
絹旗「特に『お前それできるんだったら最初っから超やっとけよコラ』というのが、まぁ」
鳴護「前半は何となく分かるけど、かたつむりってなに？」
絹旗「殻かぶりです。つまり」
鳴護「あ、もういいです。シモだって分かりましたから」
絹旗「かぶっているわけですね。何がとは言いませんが」
鳴護「言ってるのも同然なのでお腹いっぱいです」
絹旗「では超ご理解頂けたところで最初の動画をどうぞ。言葉の”裏”を考えてくださいね」
鳴護「まぁ……今回のは実害があたしに”は”かかって来ないし、いいかな。被害者が別にいれば」
……
上条（動画）『どうしたんだビリビリ。こんなところに呼び出して』
御坂（動画）『……ねぇ、この場所って憶えてる？』
上条（動画）『場所？ここってなんかあったっけ？』
御坂（動画）『あんたは憶えてないのね……ここは、昔あたしたちがつきあい始めたとき、おそろいのゲコ太ストラップをもらいに来た広場よ』
上条（動画）『それは憶えてるけど、あんとき別につきあっていなかったような……？』
御坂（動画）『あんたはいつもそうだったわ……大切なイベントに大切な記念日！あたしが楽しみにしていたのにすぐに忘れて！』
上条（動画）『あれそんな台詞台本にあったっけ？なかったよね？』
御坂（動画）『「愛してるぜ美琴☆」って言えば何でもかんでも許されると思わないでよ！？試しに言ってみなさいよ！』
上条（動画）『おいカメラ止めろ。情緒不安定になってる』
御坂（動画）『付き合って一ヶ月記念！出会って二年記念！一緒に遊びに行って三週間記念もお祝いしてくれなかったわ！』
上条（動画）『怖いわー。彼女が重めで胃に来るわー』
御坂（動画）『――あたしたち、もう別れましょう？このままズルズル付き合ってても、ダメになると思うのよ」
御坂（動画）『だから！そうだからお互いに好きなままで！この大切な思い出だけで別れましょう！？』
上条（動画）『お、おぅ！分かったわ！ビリビリがそう言うんだったら別れよう、ぜ？』
御坂（動画）『……』
上条（動画）『じゃあ家の荷物はまとめておくから、何日か経ったら取りに来てな？嫌だったら送るけ――がっ！？』 ﾌﾞｽｯ
上条（動画）『お前……なんで刺し、た……っ！？』
御坂（動画）『……あ、あんたが悪いんだからね！あたしの気持ちも全然分かろうともしないで！』
御坂（動画）『そうよ――最初っからこうすれば良かったのよ！これであたしだけのものになるわ！』
上条（動画）『うん、だからな？その不規則発言やめてくれるかな？何かこう、真に迫ってて怖いんだわ』
御坂（動画）『……さようなら。直ぐにあたしも行くから、あっちで待っててね……？』 ｽﾞﾌﾟｯ
上条（動画）『て、てめ……ぇ……』 ﾊﾟﾀｯ
……
鳴護「すいません監督。視覚情報が楽しすぎて内容が入ってきません」
絹旗「我ながら超ナイスキャスティングですね。勿論脚本は私です」
鳴護「否定はしませんしむしろ面白いんですが、このギャグ修羅場から一体何を学べと？刺し方？それとも相手を油断させたところを襲えと？」
絹旗「まぁそれも学べますけど、今の動画は刺されない選択肢が隠されています。しかしそれをとらなかったため超バッドエンドになってしまいましたと」
鳴護「まずないですよね？痴情のもつれで刺されるってありますか？普通に生きてて発生するイベントですか？」
絹旗「ですからこれは対人関係向上プログラムです。今のは超極端な例えだと考えてください――さて、ではARISAさんは何が悪かったとお思いですか？」
鳴護「んー………………美琴ちゃんのヤンデレ属性？」
絹旗「ぶー、本質を突くのは控えてください。『まぁそうですけど』と口まで出かかりましたが、主旨とは違いますし目をつけられた時点で回避不可能です」
鳴護「監督、当麻君が何かすれば助かったってことですか？」
絹旗「はい。台詞だけで無難に超回避できます」
鳴護「美琴ちゃんは別れたいって言ってるんだから、慰謝料……も、違うよね。だったら荷物は自分で取りに来て貰うとか？逆に処分しちゃってOKとか？」
絹旗「超不正解です。他に何かありません？」
鳴護「……ギブアップします」
絹旗「分かりました。まぁクイズではないのでペナルティなどは超ないので残念ですが」
鳴護「ていうかこれ本当に正解、という刺されないルートってあります？」
絹旗「お疑いでしたら正解の動画を超ご覧ください。半分ぐらいは納得すると思います」
……
御坂（動画）『――あたしたち、もう別れましょう？』
上条（動画）『待ってくれよビリビリ！？急に何を言い出すんだよ！？』
御坂（動画）『仕方がないじゃない！このままズルズル行っても！』
上条（動画）『別れるなんてしない！絶対にだ！』
御坂（動画）『な、なんでよ！？どうしてあたしがここまで言ってるのに――』
上条（動画）『俺はお前が好きだからだ！！！』
御坂（動画）『……』
上条（動画）『………………次、お前の台詞』
御坂（動画）『――ハッ！？あ、ごめん。全く全然これっぽっちも聞こえなかったからもう一回言って貰える？』
御坂（動画）『次はもっと声を大にして！地球上に響かんばかりの声量で！』
上条（動画）『目の前にいるのに！？俺超恥ずかしいけどえっらい声張ってんのに入っていかなかったの！？』
御坂（動画）『な、なーんてね！ジョーダンよ、別れるなんてちょっと言ってみただけだってば！』
上条（動画）『そ、そうなんだー！驚かせやがって、こーいつー☆』
御坂（動画）『てへっ☆』
……
絹旗「超お分かりいただけたでしょうか？」
鳴護「トラップってことだよね？美琴ちゃんから言い出してるのに、それに乗っかったらダメってどんだけハードなのかな？」
鳴護「Reがゼロする異世界転生並に罠が重いよね？選択肢一個間違ったら友達から刺されるっていう」
鳴護「そしてそもそも美琴ちゃんはbring a knifeってことだよね？使ってないだけで持参してる時点で、あの場では逃れられただけでバックスタブの可能性は引き続きあるんでしょ？ねぇ？」
絹旗「乙女心は超複雑怪奇とも言いますからね。それよりも解説しましょうか」
鳴護「理不尽すぎるんですけど……」
絹旗「まず御坂さんの問い、『私たち別れましょう』が超全てのキーポイントになっています」
鳴護「修羅場だよね」
絹旗「しかしあの台詞はブラフであり、実際には『もっと私だけを見てよ！』というのが超本音です」
鳴護「怖っ！？」
絹旗「こう、別れ話を切り出すことにより相手に危機感を抱かせる、的な話だったのに、相手も超満更ではなかったというのが犯行動機になっています」
鳴護「あのー、監督質問です。美琴ちゃんは違いましたけど、本当に別れたくて別れ話を切り出したときはどうすればいいんですか？
絹旗「その場合も超同じ対応でいいと思います。男性側がやや嫌がる感じで」
鳴護「え、でもヨリを戻せるとは限らないんじゃないですか？中には別れたいのに、相手を傷つけたくなくてって人もいるでしょうし」
絹旗「まぁ99%ダメでしょうが、その場合もカノジョ側は『あぁこの男は私に未練タラッタラなんだーへー？』と優越感を与えることが出来るからです」
絹旗「今なんて？」
絹旗「男性側が内心『ラッキー！こっちから言い出す手間が省けた！』と思っていても、決して態度に出してはいけません。そうすることで超後腐れなく円満に別れられます」
絹旗「こう、別れるときですらマウントを取っておけば、次回会ったときもそう対応は悪くされないので、あえて超下手に出るようなものでしょうか」
鳴護「登場人物全員黒すぎませんか？打算だけで生きてますよね？」
絹旗「ですから、アレですよ。なんかこう親戚の家へ行ったら正座で座るじゃないですか？でも『どうか足を崩してください』と超すぐに言われる感じで」
絹旗「『礼儀として一回は引き留めるポーズを見せる』というのがまぁ超マナーです」
鳴護「マナー……」
絹旗「なお近くにいた男性一名に『実際にこんな駆け引きするカノジョってどう？』とアンケートを取ったのですが」
鳴護「当麻君だよね？匿名にする必要性がなくない？」
絹旗「『こんな大事なことで駆け引きする相手はどうかと思う。可愛くなければ許さない』とのご回答が」
鳴護「大概だよね？まぁそこ全てだけど！男子は男子で強かだけども！」
絹旗「また女性側の切り出し方にも何パターンかありまして、それによっては初見で超判別が可能となります」
鳴護「ボスキャラがランダムで撃ってくる必殺技じゃないんだから」
絹旗「一番なのが『他に……好きな人ができたの！』ですね。これは100%別れたいのを超前提に話を持ってきています」
絹旗「しかしここで『良かったわー！お前なんかもう好きじゃなかったわー！』なんて見栄を張るのは超愚策です」
鳴護「つまり……その場合は何が言いたかったんですか？
絹旗「訳すとこうなります――『い、今からよりを戻すつもりはないけど、可能な限り惨めったらしく超懇願してよね！』のサインです」
鳴護「監督？監督どっか病んでいませんか？それとも昔女性関係で何かあってトラウマになっていません？」
絹旗「まぁ男性諸氏はムカっ腹も立つでしょうけど、ここで下手にゴネたりケンカを売っても、『あぁこいつそこまで私と別れたくないんだな』と増長させる原因になります」
絹旗「ですので相手を傷つけないようにやんわりと、そして調子ぶっこかせない程度の加減で超ヨイショしてください。これが円満解消の秘訣です」
鳴護「あの……理屈は分かりましたし、『面倒臭いな』って感想なんですけど、それ、使ったり応用するタイミングってあります？ないですよね？」
――
絹旗「では引き続き人間力強化プログラムを超進める訳ですが」
鳴護「人間力って上がっていますか？こう、お互いの真意を知る事でよりレベルが下がりそうです」
絹旗「前に何回か出したネタなんですが、『男子がエ×いことなんて考えてないよ！』というとき。100%エ×いこと超考えていますよね？」
鳴護「そんな質問が出ません。そもそも男子に聞く事ってあります？『えっ×なこと考えてるでしょ！？』ってシーンありますか？」
鳴護「その質問が出ている時点である種ベクトルが固定されてますよね？既にもう『バッチ来い！』ってぐらい好感度カンストしてないとその台詞はないですよね？」
絹旗「超いいですねーARISAさん！早速プログラムの効果が現れていますよ！」
鳴護「ホントに大丈夫ですか？これ心理的なカウンセリングとかじゃないよね？どっちがしてるのかされてるのか微妙なところではあるけど」
鳴護「そしてもし効果があったとすれば去年のダメ映画マラソンによる副産物だからね！？ただあたしのツッコミが上手くなっただけで終わったっていう！」
絹旗「先日、ここの運営がこう漏らしていたそうです――『あれ？KMJさん（仮名）よりMIGさん（仮名）の方が書きやすくね？』と」
鳴護「戻って来て当麻君！あなたのお仕事はあたしには荷が重すぎるから！？」
絹旗「まぁ今の時代、男性主人公が不遇の時代ですからねぇ。個性が強すぎると『もう少し無個性にしてくれる？主役は彼じゃないんだからね』とクライアントから超注文が」
（※実話らしいです）
鳴護「おかしいですよねそれ？主人公なのに主役じゃないってどういうことですか？」
（※某メーカーの外注）
絹旗「パッケージに主人公の絵が一切乗ってない系のゲーム、とだけ超申しましょうか」
鳴護「あ、確かに男性主人公受難の時代かもしれない！？結構多いよそのスタイル！」
絹旗「あぁテロップにすると超こんな感じです」
【女子が主役のゲーム・マンガ・ラノベ→ジャケットや宣伝用の画像は主人公女子】
【年齢制限のある男性用ゲーム→ほぼ女子のみ】
【ハーレム系なろ○系→やっぱり女子中心】
【百合系→当然女子】
絹旗「超つまり、特定の業界は100%女子しかジャケ写に使われていないんですよ……ッ！！！」
鳴護「監督監督、データに偏りがあります。ジャン○とかBがラブする系とか意図的にハブいてますよね？あと刀剣が乱舞するアレとか」
絹旗「『涼宮ハルヒの憂○』なんで超酷いもんですよ。男子が主人公なのにフルネームが明らかにならないなんて、ヘイトかもしれません……！」
鳴護「キリがないよね？そして他人様が好きで読んでるネタを、部外者が一面だけ切り取って政治問題化するのって一番ファンから恨み買いますよ？」
絹旗「『――某ご長寿ラノベ、ファンの人は主役じゃなくてヒロインしか見てない説』……ッ！！！」 ｸﾜｯ
鳴護「わ、わーいっ！次のプログラムはなんだろうなーっ！楽しみだねーっ！」
絹旗「超ご理解頂いたようで嬉しいです。では次の面白動画をご覧ください」
鳴護「面白って言った？ねぇ言ったよね今？」
……
土御門（動画）『――いっせーの……イチ！よっしゃ俺抜けだにゃー！』
上条（動画）『あークソまた負けちまった！なんだよお前ら、裏で組んでるんじゃないだろうな？』
青ピ（動画）『せぇへんせぇへん。んなクソダサせぇへんでもカミやん普通に負けるやん』
上条（動画）『そうだな、俺普通に負けるから――ってより酷い事言ってないか？』
土御門（動画）『俺ウーロンだにゃー』
青ピ（動画）『コーラの炭酸割りで！』
上条（動画）『薄くなるだけだろ。姫神と吹寄は？』
吹寄（動画）『あー、ダイエットコークで。悪いわね』
姫神（動画）『私は緑茶で――あ。運ぶの手伝う』
上条（動画）『おー、ありがとなー』
……
上条（動画）『土御門はウーロンコーラでー、青ピはジャンジャーコーラっと』 ﾋﾟｯ
姫神（動画）『私の聞いていたのとちょっと違うかもしれない。しかしカラオケでは闇ドリンクバーは定番だと聞いた』
上条（動画）『洒落になる相手にしかしないから大丈夫。あ、吹寄の分はバナナオレにしてみようか？』
姫神（動画）『興味はある。けれどダイエット中の相手には武士の情けを適応してあげてほしい』
上条（動画）『ダイエット……必要かぁ？』
姫神（動画）『胸部パーツへ順調に栄養が行っているとみた。ふふふ。羨ましい……』
上条（動画）『センシティブな話で男には不用意に踏み込めないぜ……！』
姫神（動画）『上条君もおっぱ×大きくなりたいよね？』
上条（動画）『なぁ姫神よく覚えておけ――人はな、自分にないものを憧れるって事をだ……ッ！』
姫神（動画）『流石師匠。ボケへ対してボケ倒して返してきた』
上条（動画）『お陰様でな！無軌道な連中のお陰で右手が本業なのか、右手を使ったツッコミが本業なのか分からなくなってきたところだよ！』
姫神（動画）『むぅ……うちのお笑いグルーブにはもう一人ツッコミがいるから加入は難しい』
上条（動画）『アリサは納得してねーと思うな？あといつの間にか一人増えるんだけど、誰が被害者なの？』
姫神（動画）『地縛霊女子が』
上条（動画）『あー……うんっ、頑張ればいいと思うよ！』
姫神（動画）『鳴護さんに全部投げた感が。あ。バナナコーラが完成』 ﾋﾟﾋﾟｯ
上条（動画）『作ってんじゃん。武士の情けがどうっていいながら、高カロリー高濃度の、しかもカロリーオフじゃないコーラで作ってんじゃん』
姫神（動画）『これは流れ。じゃあお先に――そうだ。思い出したと姫神は声をかける』
上条（動画）『ビリビリの妹！？お前芸風増やすのもいい加減にしろよ！？』
姫神（動画）『実はこの間舞台のチケットを取った。抽選で当たったんだけど。間違ってペアだったので』
上条（動画）『おっ、デートのお誘い？』
姫神（動画）『うん。そう』
上条（動画）『だよなぁ！知って、た……？』
姫神（動画）『演目がちょっと素人さんには難しいかもしれない。なのでプロに頼んでみた』
上条（動画）『くっ……！表情が一ミリも変んないからリアクションに困るぜ！で、一体何の舞台だ！？』
姫神（動画）『刀剣乱○の舞台』
上条（動画）『ちょっと何かアレだな！大人気だし人を選ぶとは決して言わないけど、微妙に性別比が偏るよな！』
姫神（動画）『問題ない。ふなっし○さんもチケ当たって大喜びしてた』
上条（動画）『中の人オッサンだろ？つーかなんで、あれ？中の人って、えっとそっちなの？』
姫神（動画）『刀剣マニアで、20本近い真剣を購入したってツイッタ○で言ってた』
（※実話です）
上条（動画）『何やってんの！？まだ武士系のゆるキャラだったら分からなくもないけどさ！？』
姫神（動画）『単に日本刀マニアらしい。で。どうかな？』
上条（動画）『あぁ俺で良かったら是非。チケット代も出すよ、実は二次元原作の舞台って興味あったんだよ。血界が戦線するのとか』
姫神（動画）『おぉ。イケメンじゃないのにイケメンっぽいことを』
上条（動画）『失敬だな君は！？フォローしているんだからねっ一応は！？』
姫神（動画）『知っている。じゃあお先に。詳しくはあとからメールするから』 ﾀｯ
上条（動画）『お、おぁ。微妙に払う気が削がれたが』
上条（動画）『しかし……舞台かー。ちょっと楽しみ――』
ﾌﾞｽｯ
上条（動画）『痛っ！？……なんだぁ？釘かなんかでも、あっ……た……？』 ﾊﾟﾀｯ
上条（動画）『なん……だ……？血が……止まらな……い………………』
御坂（動画）『――あ、あんたが悪いんだからね！？手に入らないんだったらいっそ……！』
……
絹旗「いやー、超迫真の演技でしたね。まるで近々起きる未来を先取りしているようなリアリティが」
鳴護「監督、あたしもあっちがいいです。なんかこう演技でもいいからラブでコメっぽいのがしたいです」
絹旗「すいません。もう収録は終わったあとですし、尺的にももう少しでオチなので。超万が一好評だった場合には第二回があれば、是非」
鳴護「その場合の第一被害者は誰かなー……涙子ちゃんかインデックスちゃん、大穴で美琴ちゃんかなー」
絹旗「さて。今の動画は対処を少しだけ間違ってしまったがため、超起ってしまった悲劇です」
鳴護「悲劇っていうか喜劇っていうか微妙だけどね。てかこれ、回避ってできます？最初から断れってことなんですか？」
絹旗「その場合は被害者一号が鍵のかかった個室で超発見されるルートですね」
鳴護「なんないよ？外見だけでいえば呪われそうな感じだけど、秋沙ちゃんの中身は結構緩いよ？」
絹旗「参考までに超聞きますけど、被害者二号でしたらどう答えますか？」
鳴護「ARISAです。被害者二号って名前ではないです」
鳴護「えーっと……そうだね、その日は用事があるからダメだよって？」
絹旗「ちなみに誘った女子がチケットを直で見せなかったのは何故だと思いますか？これなんだけど、って一回見せますよね？」
鳴護「うん？わざわざ持ってこないからじゃないの？口頭で伝えればって判断で」
絹旗「ふっ、超甘いですね。相手の都合に会わせてチケット取るからに決まってるじゃないですか」
鳴護「怖っ！？あぁいやそういう子もいるかもだけど、秋沙ちゃんはそんな罠は仕掛けないよ！？」
絹旗「あくまでも”そういう場合もある”と考えていただければ。他に何かエスケープ案は？」
鳴護「……実家に帰る？」
絹旗「超最適解です。が、しかし帰った実家で――『あんた遅かったじゃない！彼女さんは先に来てるんだからね！』とお母様が」
鳴護「ストーカー映画のラストシーンだよねそれ？逃げたつもりが先回りみたいな？超怖いよ！？」
鳴護「あとね、美琴ちゃんはストーカーじゃないよ？本人はノリッノリで出てるけどもまぁ、うん、もっと自分を大切にしてほしいとか思わなくもないけど」
絹旗「そしてこの話、何が怖いかって手を出せば出したで尽くしてくれる上に従順で稼ぎのいい彼女が出来るので、一生超安泰だっていう……！」
鳴護「……監督、一応聞きますけど動画に出演されているアクターさんのギャラは？」
絹旗「友情出演です。事前に脚本を見せた上、ほぼ全員自分が出ているシーンを無編集でお渡しするだけでオッケーを頂きました」」
絹旗「それどころか一部の俳優さんは、私たちのダメ映画再現へ超出資してくださるそうです！」
鳴護「だからちょっといい役なんですね。そして監督の暴言の矛先が向わない人が一人いるぞっていう」
絹旗「では超スッキリ解決編をご覧ください。どうぞ」
……
姫神（動画）『どう。かな？』
上条（動画）『おっ、刀剣乱○だ！いいなこれインデックスも行きたがってたんだよ！』
上条（動画）『折角だから吹寄たちも誘っていこうぜ！みんなで見た方が楽しいって！』
姫神（動画）『確かに。それはそうかもしれない。私が悪かった』
上条（動画）『え？なんだって？』
姫神（動画）『いいえ別に。早く持っていこう』
上条（動画）『だなっ！』
……
御坂（動画）『――セーフ………………！』 ﾇﾙｯ
……
鳴護「なにこれ？少なくとも当麻君が美琴ちゃんの危険性を認識していないとおかしいよね？こうはならな――まさかっ！？」
鳴護「当麻君が今までことごと立ったフラグをへし折っていたのは、デリカシーがないんじゃなくて――」
絹旗「おぉっとそれ以上は口に出してはいけませんよ？真実は全て闇の中へ超葬り去られますからね？」
鳴護「ギャグだよ！？本当だったら会社が揺れるぐらいの不祥事になるからね！？」
絹旗「まぁ何にせよ、こうして危機を超脱したのです。皆さんは参考になったでしょうか。人間力が目に見えて超アップしましたね」
鳴護「『そうだね！分かる分かる！』って頷いている人は70億人中ですら精々数名だと思うよ！」
絹旗「さて、以上人間力強化プログラムは超以上となりますが、何か質問は？」
鳴護「もう一つぐらいコントがあってもいいような……尺がちょっと短くないですか？」
絹旗「それは文量の関係で祓い屋シリーズと超対になっています」
鳴護「あぁあの当麻君が全てを台無しにするやつ。思ったんだけど、あれって普通にするって選択肢はないのかな？オカルトだし、結構楽しそうだと思うんだけど」
絹旗「そうしたら普通のオカルト話になってしまうため、超つまらないじゃないですか？」
鳴護「そうだね……そう、だね？あれ？別にそれはそれで魔術師さんが活躍できるんだしいいんじゃないかな？」
絹旗「科学サイドにも言える事ですが、業界で上から数えた方が早い人たちがひしめく中、超生半な心霊現象で太刀打ちできるとでも？」
鳴護「あー……えっと、リョウメンスクナだっけ？呪術が廻戦するあれでお馴染みのとか？」
闇咲「――あれの原型となっているのはギリシャ神話の男女が合体しているヤヌス、また東南アジアのローカル神話だとされているのだが」
闇咲「確認できる限り二つ以上の身体が結合している最古の神はインド神話のハリ・ハラというものがある」
闇咲「知名度は放送コード的にアレな外見なため、サブカル的には低いものの。神話的にはヴィシュヌとシヴアが結合した姿の身体であり、破壊と想像を司っている」
闇咲「古くはアンコールワットにも像があり、今では廃れてしまったもののある程度の信仰を集めていた証左であり」
鳴護「怪談おじさんどこから来たんですか？」
絹旗「あぁ、ではARISAさん、超怪談オジサンの次のお仕事に同行するという企画は如何でしょう？責任持って取材すると」
鳴護「嫌だよ！？闇ちゃんねるで殆どオンアエできない回が何回かあったのに、実地でトラウマ植え付けられてくるんでしょ！？」
絹旗「オカルトはフィクションの部分が多分にある訳ですが、闇ちゃんねるの場合、『なんだったらソースつけましょうか？』ってぐらい実話なのです超闇が深いですよね」
闇咲「――では次回、『心霊アイドルARISAの事件簿シリーズ』で会おう……！」
鳴護「待ってください！？まだ監督の方が良かったですよ！だってガチじゃなかったから！」
-終-