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Clock(trial)

本当にあったとある話・冬の特別編 〜ホンモノ〜

 
※このお話はフィクションであり、登場人物等をいつものメンバーにしています
※しかしながら大筋においては私が体験した”実話”です
※色々な意味でガチ話が苦手な方はご遠慮下さい



――

青ピ「まいどっおおきに!いつもいつもお疲れさんやなぁ!まぁ大抵は大体の人間が何か疲れてるんやけど!」

青ピ「まぁ世間様では師走、かき入れ時でもあるしコミケもなんとかできそうやんねーっちゅー話ですわ。お前ら結局エ×かい。まぁそうやけど!」

青ピ「年末進行言うてもそないに関係なくない?つーかみんな何かはやっとぉし、普通は忙しいよねっちゅー感じで」

青ピ「ともあれ今日のお話はそんなときに起きてしまったとある話や」

青ピ「あれは……まぁ先週か。11月入っとぉ最初の週末、ちょいとヤボ用で地元帰っとぉたんだよ」

青ピ「大した用事やないし、目的自体は直ぐに終わっとぉ。地元のツレでも誘ぉか思ぉてん?けどご時世的にマズいしぃ、第一なんかあったらお互いに気まずいやろ?」

青ピ「やもんで帰って来たのに連絡とかはとらなかったんたよ。時期も中途半端やし、みんな忙しいのもあるやろうし」

青ピ「けど?まぁ?このまま何もなしで戻るのもアレやは?昔よぉ遊んどった場所の散策でもしょうかーと。折角やしお一人様やし、間がいいのか悪いのか分からんけど、人も少ないし」

青ピ「生まれ故郷っちゅーんは不思議な場所やね。『あぁ昔はこんなとこ来とぉたわ』とか、離れると思い出すんよ」

青ピ「でもまぁ別にわざわざ昔の記憶を確かめに帰省したりせぇへんし、何度も何度もこう、記憶をリピートするんやけど」

青ピ「ほんでもっていざ実際に帰ってみとぉたら『あれこんなんやったっけ?』って。ギャップっちゅーか、悲しいような寂しいようなそんなん」

青ピ「ボクの帰省も実にそんな感じやっとぉ。あぁ昔はここに八百屋さんあったなとか、ここの店先で駄菓子買ぉたとか。人並みぐらいには感慨に耽っとぉた」

青ピ「でも実際に何かある訳ないやん?『おぉお前青ピやんか!?元気!?』みとぉな、街ブラ系の出会いがある筈もなく、ただ一人で歩いとぉ」

青ピ「まぁ現実はそんなにドラマチック違ぉし、つーか普通の人らは普通に生きとぉのが忙しいしな。年末の休みやったらまた話は別やろうけど」

青ピ「そう、思ったんやけども――」

青ピ「……」

青ピ「……その、最初に感じたのは『思ってたよりか人が多い?』っちゅーことかな。寂れた商店街やら道路が想像しとったよりも、なんかこう妙に人が多いんよ」

青ピ「別に企業誘致に成功しとぉたとか、何かの聖地になったっちゅーことやないんよ。つーかやったらボクも知っとぉし」

青ピ「まぁ、それにしては?的な?新型コロナも一段落しとった頃やし、まぁまぁみんな気ぃ軽くなって寂れた観光地でも、的な空気になっとぉたんかな、って」

青ピ「そんなことを考えながらブラっとぉたが、まぁ別にそんなに見るもんもないわなぁ。元々が狭い街やし、あったら人が集まるわいな」

青ピ「やもんでそろそろ帰ろかぁとバスに乗ろうとしたら、ふと神社の階段が目に入っとぉたんよ」

青ピ「あぁいや言うてもそないに大層なもんちゃうよ?有名どころの『片道数百段!』やのぉて、精々30段ぐらいの散歩道程度の階段やで?」

青ピ「当然その先にあるお社も……まぁ、普通っちゅーか。神主さんもそれだけで食ぅてはいかへんから、サラリーマン兼業しとるような。まぁ常駐する人がいないようなお社なんよ」

青ピ「なんかこう気になったかっちゅーか、まぁまぁ紅葉が綺麗かってん。やもんでつい、気がついたら石段を登り始めとぉわ」

青ピ「……まぁ、今にして思えば、陳腐な言い方やけど”予感”みたいなものがあったのかもしれへん。あくまでも後付けやし」

青ピ「ただ一つ、今のボクが過去のボクに言えることは――『止めとけ』ってことやんな。後悔するからと」

青ピ「……」

青ピ「……あんま気ぃ進まへんのやけど……当時のボクは知る由もなく、まぁ特に大して何も考えずお社に前まで入ったんたよ」

青ピ「紅葉が怖いぐらいに綺麗やってん。やからケータイ起動して、SNSアップしよかーって構えとぉ――」

青ピ「――たらな、スゥーッと。人影が映ったんよ?」

青ピ「あぁいや最初に言っとくけどオバケちゃうよ?多分ボクの後か先にいたんやけど、気づかへんかっただけのことやで?」

青ピ「いやいやまだ終わりちゃうわ!ここで終わったら『うわビックリした来とったんかい自分!』ってだけの話やろ!怖くもなんともないわ!」

青ピ「つーかまぁ、あー……なんつったらエエかな。こう一人で見晴らしのいい展望台とか行ったことある?」

青ピ「ない?なかったらなんか海でも山でもええわ、スッゴイ自然やったり世界遺産やったり、感動するような場所に一人だけいるのって、なんかこうテンション上がらへん?」

青ピ「他の人は分からんけど、まぁボクはそうなんよ。ツレとつるむのも好きやけど、何かこう綺麗な場所を世界から切り取って独り占めしてるような、まぁそんな感覚、か」

青ピ「なんちゅーたらいいのか……超早起きして学校に一番乗りした時の、何か分からへんけどスカッとした気分?分からへんかなー、まぁボクもよく分からへんけど」

青ピ「まぁまぁとにかく。ボクもボク以外の人がいてちょっと驚いとぉたし、一人で満喫してたのを邪魔された感じで少しだけ、ほんの少しだけな?テンション下がっとぉたんよ」

青ピ「やからっちゅーて不満をぶつけたらアタマ痛い子ぉやし、何やタイミング悪かっとぉってお社を後にしようとしたん――」

青ピ「――や、けどもや。『ん?なんやおかしいな?なんやろこれ?』って」

青ピ「今の子を振り返っとぉたら……まぁ制服やねん。そんでそこそこ美人の高校生や。まぁそこまでは普通やし、別に何も思わへん」

青ピ「ただ、その子が着とぉ制服が真っ黒なんよ。『喪服!?』っちゅーぐらいのぶれざーのような?セーラーではありえへん」

青ピ「ほんで肩に何か布で包まれた棒っぽいのを担いでな。あー……剣道の竹刀って知っとぉ?あの袋に入れて持ち歩くあれ、あれやんなーって」

青ピ「やけども……やっぱおかしいんよ。普通竹刀だけ持ち歩こぉ思わへんやん?防具やらバッグやら一緒に持ち歩くやん?」

青ピ「それがその子ぉ、なんで竹刀とその袋だけ持って神社来とぉ?怖ない?ボクは怖かったわ」

青ピ「そして時間も時間や。平日の真っ昼間になんで学生さんがそんな場所ウロウロしとぉ?なんやこれ?って思ったわ」

青ピ「……」

青ピ「……あぁジブン、そやモニタの前のジブンやよ。ここまで話しといてなんやけど、もう聞くの止めた方がええんちゃう?」

青ピ「ここまでやったら『何か得体の知れへん不思議な話』で終わるんやけど……このあとは地獄やで?素人が首突っ込んでいい話ちゃうよ?マジで?」

青ピ「あ、素人言うて『なんやそれ』って思ったやろ?まぁボクも立場逆やったらそう思うかもしれへんけどもや!」

青ピ「悪い事は言わへん!こっちからはこっからは”プロ”の話や!素人さんが下手に知ったら――」

青ピ「……」

青ピ「……エエわ。ボクも誰かに伝えたくて喋ってんやし、そうそう悪い事も起きへんやろ」

青ピ「まぁ、そのな。実は見覚えあってん、その子の制服っちゅーか格好に。前に見た覚えが確実にあっとぉ」

青ピ「だけども……まさか故郷、それも寂れた神社の境内で見るとは思いもせず……頭ん中で同じものだって受け入れられへんかったんやろうなぁ。後出しジャンケンやけどそう思うわ」

青ピ「何故か、そう何故か……!ボクの頭の中にはその子の名前が分かっとぉ!」

青ピ「これは偶然や妄想やない!ボクが急におかしくなったんとも違うわ!やからボクは、ボクは確信を持ってその子にこう訊ねとぉ――」

青ピ「『――呪術廻○の禪院真○さんですか?』ってな……ッ!!!」
(※本当にそう聞きました)

青ピ「あぁいや紛れもなく本人やよ!だって『あ、はい、そうです!』って言ってくれたんやし!」
(※実話です)

上条「なぁ言うか?仮に一億歩譲って真○さんだったとして、『呪術廻○』って問にイエスって言うかな?言わないよな?」

青ピ「いやいやカミやん!これには悲しい裏話があるんよ!」

上条「大体オチは読めっけど、どんな?」

青ピ「ほら、コロナのアホで観光やらなんやら大幅に落ち込んどぉたやん?そんで新規顧客獲得のために何ややろうってことになったらしいんよ」

上条「それは普通に良い事だよな。アイディア次第だが」

青ピ「しかしどこをどう血迷ったのか、その街では『レイヤーさんが堂々とコスプレ姿で宿泊&観光できるツアー』的なものをやりおったん……!」
(※実話です)

上条「何やってんだよそこ!?俺的には嫌いじゃねぇが一般客が引くだろ!?」

青ピ「……そのあとどうなっとぉかは知らへん。年末年始でコロナ広がったし、まぁ今はストップしてるんちゃう……?」

上条「なんて悲しい話……!」

青ピ「当然この話もほぼ盛ってないんよ!怖ろしきは人の業やんね!」

上条「まぁそれで人が集まるんだったらいいっちゃいいけど」

青ピ「そして何が悲しいかって、ボクにとっては地元やからコスプレして混ざれへんっちゅーことかな!」

上条「晒されるだろ。知り合いばっかなんだから指さされるだろ」


-終-
(※実話です)

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