Category

Counter
Access Counter

On-line Counter



Clock(trial)

ほんとうになかったとある話

 
――

ルルール、ルールー、ルルール、ルールー(ほ○怖のテーマソング)

姫神「――どうも。姫神秋沙です」

姫神「突然ですけど。皆さんにはこんな経験はないでしょうか?」

姫神「とある放課後。秋も深まりもうすぐ冬になろうとしている今日この頃」

姫神「日が短くなった校内を意味もなくブラっていると。『夕○さん?(※黄昏少女アムネジ○)』と声をかけられる」

姫神「あんなにスタイルがよくないので。ちょっと複雑な気分になりつつ。同じぐらいちょっと嬉しい」

上条「違う違う違う違う、そういうこっちゃねぇよ。そして俺らの知らないところでスゲー体験してんのな」

姫神「どうせだったら『地獄少○さんですか?』と呼んでくれれば。迫真のモノマネができるのに」

上条「そりゃあな!世界で一番似てるっていうか本人と言っても差し支えないからな!」

姫神「えぇと。なんだっけ?」

上条「『本日は珠玉のオムニバスホラーをお届けします』」

姫神「だって」

上条「省エネか。カロリーどこに使ってんだよ」

姫神「本日はお日柄も良く。そしてとあるCRのチラシに上条君が全く載ってない件について」

上条「うん、正直それは覚悟してた。予想通り過ぎて『まぁそんなもんかな』ぐらいの感想しかねぇよ」

姫神「そこまで卑屈になるのもどうかと思うけ。まぁそんな感じで器用は恐怖のショートショートをするという企画らしい」

上条「まぁいつもと同じっちゃ同じだけどな!どうせ怖くはないんだろうし!」

姫神「……あれ?上条君。脚本読んでない?」

上条「え、怖いの?マジで?」

姫神「私の口からは何とも。まぁ見てみれば分かると思うよ」

上条「演者にも緊張感を持たせる番組……!ドキドキするぜ……!」



――第一話 「ようせいさん」

青ピ「――なぁカミやん、”ようせいさん”って知っとぉ?」

上条「『人類は衰退しまし○』の?」

青ピ「いやちゃうねんよ。あおきさや○さんのキラーコンテンツの話のぉて、マジモンの妖精の方や」

上条「ようせいさんも妖精だろ何言ってんだお前!あと小林由美○さんのようせいさんが至高だろ!」

土御門「いーやあいつらも正しくは”登場人物の殆どが旧人類だと思い込んでる妖精さん”って裏設定があるんだぜぃ」

上条「怖っ!?あぁだからじーちゃんが途中でお星様になったのな!」

青ピ「あぁ……そういや『自我が確定しない子供の時に、フラッといなくなってそれっきり』みたいな描写あったんか……!」

土御門「何この人たちリアクション良くて嬉しくなるにゃー」

上条「連載が終わってから数年後に明かされる事実……!なんか全体的にフワっとしてると思ったらそのせいだったのかよ……!」

青ピ「そやったんか……あ、でも待ぃや?そしたらあの世界の人類ってもう?」

土御門「人類だと思い込んでるようせいさんと人類でできるっぽいし、まぁある意味適応してるんだにゃー。色々な意味で手遅れだけど」

青ピ「……くっ!流石のボクもようせいさんやハクメイとミコ○相手にエ×いことは考えられへん……!」

上条「良かったわー。ねんどろい○同然の相手にどうこう考えるアホじゃなくて良かったわー」

青ピ「そんなカミやん、ボクも大人になっとぉよ?最近のマイブームは女装神○」

上条「まだやってんのかあのシリーズ。なんでそんな頑なに重箱の隅を突くようなラインナップばかり揃えるんだ……!」

青ピ「まぁメインストリームは乗っとけっちゅ話やね!次のコミ○じゃ鬼○が一番人気やで!」

上条「あんまそうやって流行りに乗っとけ!みたいなのはなぁ……ソシャゲー系から勢力範囲は変るんだろうか」

土御門「おいアホフレンドども。”ようせいさん”の話はどーしたんだにゃー?」

青ピ「おぉそやった!カミやん大変でっせ!出るっちゅー話や!」

上条「怪談かよ。てか信じたとしてもなんで日本で妖精が出るんだ?あれってヨーロッパ原産だろ?」

土御門「ですたい。ケルト発祥説や北欧神話にフォモール神話発祥説に現地の原始信仰もミックスされた闇鍋信仰だにゃー」

上条「旧い神様だっけ?日本の妖怪もそうだけど」

土御門「つっても後世の創作や風刺で造られた怪異もそこそこいるから注意が必要だゃー。正体見たり枯れ尾花ってな」

上条「って専門家が言ってんだよ。妖精がなんで超アウェイの日本で頑張んだよ」

青ピ「いや……それがなぁ、なんつーか流行っとるらしくて」

上条「流行る?怪談話が?」

青ピ「んー……まぁボクもSNSで流れただけやから、詳しくはよぉ知らへんのやけど」

土御門「あー、都市伝説の一つか?中高生が好きそうな話なら、分からなくもないが。あいつら神話とか設定とかガン無視だからな」

上条「『おつかれさま』だっけ?どう考えても危ない儀式なのに、真に受けたやつが試しそうだよな……てか俺もインデックス居なかったらヤバかった!」

土御門「カミやんはある意味絶対大丈夫だぜぃ」

青ピ「そやねん。ボクも不用意に『いいね!』したり、リツイートして変に広がってもぉたら加害者側に回るやんな?やからどぉしたもかと」

土御門「まぁ話すだけ話してみるがいいぜぇ。陰陽博士と呼ばれた神童、土御門さんが真偽を見極めてやるんだにゃー」

上条「新堂なのに土御門?」

青ピ「神が愛した子ぉちゅー方の神童やよ……てかまぁ二人とも多分知っとぉと思うんやけども、、まず紙にこう五十音のひらがなを書くんよ」

上条「おい!それってこっくりさ――」

青ピ「そして紙の上の方に”はい”と”いいえ”、そして真ん中辺りに”全面的に俺が悪かったです!心を入れ替えます!もう許してください!”って書くんやって」

上条「――ん、ではないな!俺の知ってるこっくりさんとは一線を画す長台詞だな!」

土御門「俺も初めて聞く……なんだそれ?」

青ピ「他はこっくりさんそのものやんな。何人かの子ぉが集まって、十円玉に指乗して『ようせいさんようせいさん、おこしください』っちゅー感じの」

上条「文言だけが浮いてんな。なんかのマンガのネタとか?」

土御門「だったらその手の書き込みがされるんだ。例えば『この熱膨張格好良くしてくれ』、『もう格好良いだろ』的なやりとりが」

上条「俺関係ないだろ!事故に巻き込むんじゃないよ!」

青ピ「……だが、ボク俺がパッと調べた感じじゃそうはなってないような」 ピッ

上条「あ、ホントだ。そこそこの数が流れてて、ネタっぽいやりとりもない」

青ピ「他の縛りは『どんな質問にでも答えてくれる』、『面白半分でやってはいけない』、『途中でやめたら死人が出る』、って感じやんね」

上条「最後のって……こっくりさんにそんな重いペナルティーなかっただろ」

土御門「そこが気になるし、多分最大のポイントだと思うぜぃ。お前も気をつけろ、下手に一枚噛んだら片棒担いでるってこともあるぜぃ」

青ピ「わかったわ。運営に悪質なイタズラだって通報しとくんよ」



――

インデックス「あ、それ面白そうなんだよ!」

上条「大丈夫っすか魔導図書館さん。『人類を悪しき魔女から守るため』のコンプラ的に違反してないっすか」

インデックス「じゃあ逆に聞くけど、わたしが関わって無事解決できなかった案件ってあったかな?」

上条「それはインデックスさんがいる・いないに関わらず、俺・ステイル・土御門が――ってウソウソ!だからフォークを振り上げちゃいけませんよ!」

インデックス「ヴィジャ板なんかそうなんだよ、ってゆうかめいじいしんで日本へ持ち込まれたのが始まりで」

上条「へー、じゃあ日本に昔からあった遊びじゃないんだな?”こっくりさん”は”狐狗狸さん”だから、狐がどうって}

インデックス「それは当て字なんだよ。日本人のいめーじとして”憑く”んだったら、まぁ狐やタヌキ、犬(狗)神かなーみたいな?」

上条「海外では何を呼べるんだ?」

インデックス「大体は死んだ人、ってゆう触れ込みだったんだよね。こーれーじゅつの一種なんだよ」

上条「こーれー……降霊か」

インデックス「だから”ちゃんと返さないと祟られる”とか、でめりっとも多かったんで廃れちゃったんだよ」

上条「まぁなぁ。遊びにしても不謹慎だしな」

インデックス「ただねー……おかると的にはいにしえーしょんって側面もあってねー。日本語でいえば通過儀礼?」

インデックス「サムライが元服ってするよね?マゲを結って刀を差して一人前の大人って認められる儀式の」

上条「お前また変なドキュメント見たよね?後で俺ステイルに怒られないかな?」

インデックス「それと同じで魔術結社がおかるとの初手の初手、として体験させるのにもってこいだったんだよね」

上条「胡散臭せー……」

インデックス「まぁ実際にそうだっんただよ。そういう非日常の体験をさせて取り込む詐欺も多かったし、素人がやったって精々とらうまを負って終わりなのかも」

上条「だから軽いっすわインデックスさん。ギャンブル場デビューして、コンプラ的にはもう怖いものない的な感じになってるかもだが」

インデックス「まぁそれは地域差ってゆうか、ろーかるな信仰の差でもあるんだよね。わたし達の方だとポゼッションするのは悪霊で、日本は動物、しかも大抵生きている何かで」

インデックス「一見すると似ているようで根本的な所から全然違うんだよねー」

上条「あの……誰もついて行けてないので、その辺で」

インデックス「そういえばさ、あいさって姫神、つまりヒンナガミ(人形神)を崇める人たちなんだよね?関係があるとすればそ――」

上条「――はい、っていう訳でインデックスさんでしたけども!興味深いですか!ありがたいですね!」
(※長い上にテーマが重い)

インデックス「や、別にどこ出身なのかって明かしても問題はないと思うんだけど……」

上条「それでどうして”ようせいさん”になったのか、ってことだな。こういうのは日本ローカライズされていくのに」

インデックス「うーん……最初に考えた人が『フワッとした方が流行るかも?』って思ったんじゃないかな?コワイ系だったらあんまり、だし」

上条「あ、俺もそう思った。都市伝説の『おつかれさま』と同じで、あんまりあからさま過ぎると怪しく思ってやったりはしないよな」

インデックス「あれはただの噂でしょ?本当にする人なんていないんだよね」

上条「こっくりさんも同じだよな。知名度だけは抜群だけど、マジでしたりしましたって話が殆どない」

インデックス「うん、じゃあやってみよっか」

上条「……はい?今なんて?」

インデックス「だからその”ようせいさん”をやってみたいんだよ、って言ってるんだけど?」

上条「いやでも呪いとか怖いし」

インデックス「とうまにかけられた呪いよりは……ううん!怖いよね!でもきっと大丈夫なんだよ!」

上条「なんで言葉濁しやがったんですかコノヤロー。あとで問い詰めるからな!絶対にだ!」

インデックス「むしろあれなんだよ、わたしがついていて万が一が起る方がおかしいかも!」

上条「オイ誰に習った!?そのあからさまな死亡フラグは誰に教わったのか言いなさい!」

インデックス「……とうまはわたしのことなんだと思ってるのかな?」

上条「スフィンクスの遊び相手」

インデックス「ぺっと感覚で!?ねこ好きとしては嬉しいような悲しいような!」

上条「いやでもなぁ。何かあったら怖いし、別に俺らが出張る必要はなくないか?」

インデックス「必要性はないんだけど、かんかするのもぢうかと思うんだよ。こういうのは『やってみましたー、でも何も起きなかったでーす』って否定するのが一番分かりやすいし」

上条「あぁそうか……こっくりさんや『おつかれさま』と同じで、実践する人間が皆無で誰も否定しないもんだから噂だけが一人歩きしちまうのか」

インデックス「なんだよ。で、どうかな?」

上条「まぁそこまで言うんだったら。実はちょっと興味あったりするし」

インデックス「うん、分かったんだよ。じゃあわたしは知り合いに声をかけておくんだよ」

上条「そっか、じゃあ俺は青ピや土御門に」

インデックス「――ううん、いいんだよ」

上条「いいって、何が?万が一何かあったらって意味で?」

インデックス「ま、まぁそんなかんじ?なのかな?」

上条「そっか。んじゃ姫神たちを誘わないことにして、土御門だけ」

インデックス「も、いいと思うんだよ。呼ぶ必要性はって意味で」

上条「うん……?なんで?」

インデックス「えっとね、その……わたしが!わたしが考え得る限りのべすとなめんばーをそろえておくんだよ!だからとうまは指定された時間に指定された場所へ来て貰えれば!」

上条「いやでもお前の知り合いって存在自体が都市伝説の風斬とか、歩く都市伝説製造器の姫神とか、最近は悪目立ちもしなくなったステイルと神裂しかなくね?」

インデックス「ま、まぁ任せて欲しいんだよ!とうまは大船に乗ったつもりで!」

上条「まぁそこまで言うんだったら、うん。お願いしようかな?」

インデックス「分かったんだよ!じゃあ明日午後7時に学校集合なんだよ!」

上条「……あれ?なんでお前――」

インデックス「……な、なーに?」

上条「――俺が動かなかったら、一人で、解決するつもりだったのか……ッ!?」

インデックス「良かったー、とうまはその綺麗な心を持っていてほしいんだよ」

上条「そうだよな!正義の心がないヒロインなんてもうヒロインじゃないもんな!」

インデックス「あれこれバレてるんだよ?すっごい皮肉なのかな?」



――とある高校 夜

上条「まさか昨日の今日でホントにセッティングされるとは……やったな!インデックス!」

インデックス「……まぁ、とうまがそう思うんだったらそうなんじゃないのかな?わたしにだって色々あったりするんだけど」

上条「一応これ録画とかしたりするんだろ?特定とかされないかな?」

インデックス「そこら辺は……うん、ぷろのひとに任せてあるので大丈夫なんだよ」

上条「誰かいたっけかな……?SUIK○で若干感動してたステイルがなんか……?」

初春「あ、どうもお疲れさまです」

上条「プロ過ぎるわ!?コジ○のミニ四○野良大会にジャパンカッ○優勝者が出るようなもんだぞ!?」

インデックス「あの、わたしが頼んだんじゃなくて、外注の外注だと思うんだけど……」

初春「ですね。まぁ立ち話もなんですから、どうぞ会場へ」

上条「あ、はいどうもすいません。てゆうか本当にごめんなさい、こんなしょーもないことで。しかも風紀委員の仕事も忙しいってのに」

初春「あぁいえそれは全然大丈夫ですよ?結果的に騒動が少なくなるのは歓迎ですから、さ、どうぞどうぞ。こちらの教室で」

上条「あっはい。どうも」

ガラガラガラガラガラッ、ガチャッガラガラガャコンッ!!!

上条「鉄格子トラップ!?ここまで周到に俺たちを出さないってなんかの刑罰が!?」

ヴィンッ

初春(プロジェクター画像)『――あ、すいません。依頼を受けた方の希望でして、万が一がないように、そして外へ被害が出ないようにという配慮だそうです』

上条「あ、あぁそう?俺たちがするのは動かないこっくりさんなんだけど、そこまでしなくってもいいんじゃないかなー、なんて……?」

初春『では予定の時間にまで少しありますので、被験者の方々はご歓談ください』

上条「って言われてもなぁ。インデックスと俺の他の誰が」

御坂「――き、奇遇よねっ!」

上条「もしそうだったらそっちの方が怖いわ。つまりなんの仕込みも事前連絡もなく、たまたまこっくりさんモドキをしようとしたら出くわしたってことだろ」

御坂「まぁ……あたしも思うところがない訳でないからね!覚悟しなさいよ!」

上条「ちょっと何言ってるのか分からないけど、まぁ頼むわ。他のメンツは、えっと……?」

バードウェイ「相変わらずバカがバカバカしい事をしてるようで何よりだ、このバカ」

上条「バカって言った方がバカなんですぅ!人に向って言っちゃいけないって教わらなかったんですかぁ!?」

御坂「子供か」

バードウェイ「子供だが?えっと……あぁすまない、ジュニアハイスクールだったな」 チラッ

御坂「オイコラどこ見て謝罪しやがったんだァァッラ!?」 バチッ!

バードウェイ「死ぬ覚悟のない奴は殺す覚悟もないということだ。その身に叩き込んでやろう」 ボゥッ!

上条「助けて初春さん!?大量破壊兵器とクラスター爆弾がかち合ったら周辺にいる人間は粉々になっちゃう!?」

初春『あぁいえ大丈夫ですよ?上条さんがおいでになる前までは誰かの悪口で散々盛り上がっていましたから』

上条「そっか、じゃあ安心だな……でも誰の?誰の悪口で盛り上がっていたの?共通の知人って――アレイスターだな!きっとそう!」

インデックス「あのね、とうま?現実ってのはえてして受け入れがたいものであってね」

上条「てかこのメンツおかしいだろ!?なんで都市伝説如きにオーバーキル過ぎる人選してんの!?」

初春『お題は上条さんでしたけど?』

インデックス「やめてあげて!聞こえないフリをしてるんだからトドメを刺さないであげて!」

上条「インデックスの友人関係だったら風斬とか姫神とかでいいじゃねぇかよ!」

インデックス「昨日はだめだししてくせに……」

上条「えぇいこんなところにいられるか!俺は部屋に帰る!」

インデックス「あれ?とうまもしかして楽しくなっちゃってる?それ確か『モブが部屋に帰って犯人にびーてぃっとされる』ってブラクなんだよ?」

上条「俺に味方は――あれ?アリサ?『はい、もしもし?』」 ピピピピピッ

鳴護(電話)『もしもし当麻君!?今どこにいるのかな!?』

上条「『インデックスと学校にいるけど。アリサも呼ばれてんのか?仕事で遅くなるとか?』」

鳴護(電話)『違うの!いいから早くそこから逃げて!それは罠――』

プッ、ツーッツーッツーッツーッツーッツーッ

上条「……」

インデックス「なーに?ありさがどうしたんだよ?」

上条「……なぁ、一応聞くけど、今日のイベントってアリサ呼んだの?」

インデックス「あ、うん。声はかけたんだけど、『ほらー映画はとらうまになってる』って」

上条「監督の所業じゃねぇか。片棒担いでたのも俺だが」

インデックス「わたしも正直ありさの負担が大きすぎると思うんだよ。特に今年は」

上条「いやでも今明らかに犯罪っぽい何かに巻き込まれた感が――あ、メール着た」

鳴護(メール)【ゴメンゴメン、今のはジョークだから気にしないでね。と、ミサカは隠蔽工作に勤しみます】

上条「ふービックリした。なんだギャグか」

ミサカ「えっと……ゴメンね?なんかこう空気読んでなくて」

上条「まぁ無事だったら特には何も。つーか大規模なセット組んでもらってて悪いけど、さっさと終わらせようぜ」

初春『はい、そうですね。今回”ようせいさん”を行うのはその部屋にいらっしゃる四人となっています』

初春『では始める前にルール説明をします。皆さんお聞き逃しのないようご静聴ください』

上条「ルール?」

初春『はい。万が一”何か”起ってしまった場合、外部への波及または逃走できないよう、実験中は完全な密室となります』

上条「聞いてないんだけど。まぁ魔術と科学のプロばっかりだし、これで自己解決できないんだったらよっぽどだろ」

初春『なので決着がつくまで一日でも二日でも、なんだったら数ヶ月でも困っていられるように食料と簡易じゃないトイレとバスも用意しています』

上条「なんでだよ!?数時間でケリつかないって相当だろ!?」

初春『いえですから、あくまでも最悪の最悪を想定したのだとご了承ください』

上条「あー……マジで体調が悪くなったら?」

初春『某病院と提携し、遠隔診療でドクターストップがかかる仕様になっています――あ、ちなみにそちらのお医者様から上条さんへ伝言が』

上条「うん?」

初春『「死ななければ治してあげるからね?」』

上条「おいホントになにさせるつもりだこれ!?こっくりさんモドキの他に何かあるのか!?」

初春『まぁ、いざとなったらそのメンツで立ち向かえばいいのでは?』

上条「あ、あぁそうだな!この四人だったら神裂ぐらいはシバけそうだよな!」

バードウェイ「そうなるといいな」

御坂「まぁ……手を組めばね。組めば」

上条「え?」

初春『ではまず”ようせいさん”のシート作成です。手順は分かっていますか?』

上条「じゃあ俺が。ひらがなを全部書きだして、”はい”と”いいえ”も書いて……性別も必要なんだっけ?」

初春『あ、それは結構です。ようせいさんですので』

上条「陽性の国から来た妖精はオッサン青年だったが……はい、できた」

初春『すいません。一番大事なのを書き忘れています』

上条「あぁ鳥居マークだっけ?」

初春『いいえ、”全面的に俺が悪かったです!心を入れ替えます!もう許してください!”です』

上条「だかになんなんだよその文言!?ようせいさんなのにファンシー要素ないわ!」

初春『書きましたか?そこを書き忘れるとようせいさんに大変なことが起りますよ?』

上条「……反省文書かされている感が……はい、書きました」

初春『では最後に縛りといいますか、ルール説明をどうぞ』

インデックス「『一つ、どんな質問にでも答えてくれる』」

バードウェイ「『二つ、面白半分でやってはいけない』」

御坂「『三つ、途中でやめたら死人が出る』――よね」

上条「なんて中高生向けなのにペナルティが厳しい……!念能力○か!」

初春『「鬼○はハンタ○後に始まった連載」と聞いて衝撃が走りましたからね。もういい加減打ち切りでもいいんじゃないでしょうか」』

上条「いやそれをされると喧嘩稼○が悪目立ち……ごめんなんでもない」

初春『それではシートを机の上に設置しまして、囲むように全員で着席してください。こちらで用意した十円玉へ指を乗せて』

上条「あ、そうだ。俺は左手使った方がいいかな」

初春『利き腕をそのままでお願いします。まぁ結果は同じでしょうから』

上条「大丈夫かな?触った瞬間『うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?』って声響いたりしない?」

バードウェイ「もししたらコインに宿った悪霊だろ。怖すぎるわ」

上条「じゃあみんな、いいか?せーのっ」

四人「――『ようせいさんようせいさん、お越しください……』」

ようせいさん?【……】

上条「動かないな。『いらっしゃいましたか?』みたいに聞くんだっけ?」

初春『いえ、それは省きましょうか。ではまずようせいさんの検証、「本当になんでも答えるのか?」についてです』

上条「そこ大事だよな。信憑性がないんだったらただのこっくりさんだし」

初春『はい。ですのでこちらで事前に調べた問題を出しますので、ようせいさんはそれにお答えくださいね』

上条「……しかし動かないかな。はいかいいえぐらいには移動しそうなもんだけど」

初春『では第一問――12世紀から13世紀にかけて成立した魔道書で、アラビアの魔術師を収めた書物の名前は?』

上条「はい?――あ!動いた!」

ようせいさん【ガーヤト、アル、ハキーム】

初春『――正解……ですって!?』

ようせいさん【別名ピカトリスクといって、アラビア語の原書からラテン語へ翻訳されているんだけど、後世で付け加えられたのもあるから注意するんだよ?】

初春『凄い……!これがようせいさんの実力……!?』

上条「ごめん初春さん、この茶番やめてもらっていいかな?」

初春『どうしてですか!?事前に調査した以上の細かい知識が披露されていますよ!』

上条「いやあの、なんだ?出来レースって言うか、もっとこうせめて口調を変える努力ぐらいしやがれっていうか、なっ!?分かるだろ!?」

初春『分かりませんので第二問、アインシュタインが相対性理論を思いついた元になった重力レンズ効果、それを発見したのは』

ようせいさん【アーサー=エディントン。皆既日食を観察中、太陽の近くにあるはずの星が曲がって見えたことで発見した】

初春『これは……本物かも!?』

上条「だから茶番だって言ってんだろ!?それぞれの得意分野でカバーしてんじゃねぇよ!?仲良しか!」

初春『第三問、学園都市の統括理事長と同姓同名の自称魔術師アレイスター=クロウリーをリスペクトした――』

ようせいさん【オジー=オズボー○】

初春『――楽曲をリリースしたのはオジー=オズボー○ですが』

上条「ひっかけ!?こっさりさんって引っかけするぐらい心の距離感が近いの!?」

初春『その曲が収録されているアルバムの名前は?』

ようせいさん【ブリザード・オブ・オズ】

初春『正・解……ッ!!!』

上条「やかましいわ!どこの世界の妖精さんがメタルに詳しいんだよ多分これボスなんだろうけどもだ!」

初春『あぁでは上条さん用に、えぇと……12+3は?』

上条「ナメてるだろ?俺用の質問に落差がありすぎる!」

初春『「男もす”なる”(A)日記といふものを、女もしてみむとてする”なり”(B)」の、ABの意味と全文を口語訳してください』
(※古文問題・高校)

ようせいさん【……】

上条「あ、ようせいさん帰っちまったみたいだな!じゃーしょうがないよ!俺は分かるけどようせいさんがいないのだから!」
(※A・伝聞、B・断定、「男も書くという日記というものを、女も書いてみようと思って書くのである」)

御坂「えっと……憶えるのが苦手だったら、教科書にね?出てくるのを口語訳で大体覚えてるとテストはそこそこ取れるわよ?」

バードウェイ「年下に教わる高校生。いや、いつかクラスメイトになるといいな?」

上条「いい加減にしなさいよ!俺だって傷つくんだからねっ!?」

御坂「そっか……その手があったか……!」

インデックス「ちょっとたんぱつが怖いんだよ……!」

初春『第四問、ネフテュス&娘々初遭遇で上条当麻がおっぱ×タッチしていたのはどっち?』
(※挿絵あり)

ようせいさん【両方】

初春『正解。いや別に何の感慨も湧かないですけどね』

上条「スゲーなようせいさん……!予想以上の精度でビックリしたぜ!」

上条「――って違う違う違う、そういう話じゃねぇよ。『これどうせ効果無いだろ?』って話なのに、何全員でマジになってんだよ!」

初春『いいえ、マジになるのはお一人だけですよ?』

上条「はい?」

御坂「……」 スッ

インデックス スッ

バードウェイ スッ

上条「うん?なんでお前ら全員指離してんだよ?これじゃようせいさんの意味がな」

御坂・インデックス・バードウェイ「ようせいさんようせいさん、お願いします――」

御坂・インデックス・バードウェイ「――上条当麻の好きな人を教えてください」

上条「………………はい?」

初春『ですって。さぁはりきってどうぞようせいさん』

上条「いやいや、ようせいじゃないから。十円玉に指乗せてるのって俺一人だけだからな、既に」

インデックス「ようせいさんルールその一、『どんな質問にでも答えてくれる』んだよ?とうま、分かってるよね?」

バードウェイ「そうだぞ。『面白半分でやってはいけない』って言ってあっただろ?」

御坂「そうね、しかも最後のルールは覚えてるわよね?」

上条「……お、おい冗談だよな?」

御坂「冗談?何言ってるのか分からないけど、分かっているのはただ一つだけ――」

御坂「――『途中でやめたら死人が出る』……分かってる、わよね?」

上条「お前ら――ハッ!?この異常に頑丈な警備は俺を逃がさないために……ッ!?」

バードウェイ「気にする必要はないぞ?”ようせいさん”の答えがきちんと出るまで、一日でも二日でも、なんだったら数週間でも付き合うからな?」

御坂「そうよね。今アンタに”ようせいさん”が憑依してる最中だし、不用意に外へ出すのはできないわよね?」

上条「な、何言ってんだよ、なぁ?冗談、なんだよな?」

インデックス「ねぇ、とうま。わたしもね、そろそろ結果を求められる時期に来てると思うんだよね」

上条「だから誰だよお前にしょーもない知識吹き込んだの!?そげぶすっから教えろや!」

御坂「ダメよ!今手を離したら途中でやめたことになるわ!そうすると――」

上条「そ、そうすると……?」

御坂「『死人が出る』、わね。本意ではないんだけど」

上条「こいつ……最悪俺を亡き者にしようと……!?」

バードウェイ「まぁ問題はない、ないぞ?これっぽっちもないんだよ」

バードウェイ「”ようせいさん”が上条当麻の心中の人の名前を教えてくれれば即解放だ、なぁ?」

御坂「そうね。簡単な話じゃない」

上条「い、いないんじゃないかなーとか、そういうのは」

インデックス「ようせいさんは知らないことはないんだよ?だったら本物を呼び出すまでするんだよね!」

上条「よ、よし!じゃあ、『し・す・たー』」

バードウェイ「あぁそうだ。嘘を書いたりジョークを入れたりしたら、それは『面白半分でやってはいけない』ってルールに反するよなぁ?」

御坂「そうね、その場合のペナルティはどうしよっかな……」

上条「あ、これあれだわ。RPGとかで『はい』を選ぶまで延々ループするヤツだわ」

御坂「さぁ!」

インデックス「さぁなんだよ!」

バードウェイ「さぁ!」

御坂・インデックス・バードウェイ「ようせいさんようせいさん、教えてください……ッ!!!」

上条「い、イヤアァアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!?」



――

姫神「これ以降、誰も上条君を見たものはいなかった……!」

上条「あれ俺もしかして幽霊になってんの?姫神にしか見えてない?」

姫神「このあとどうなったの?えっと……やっちゃった?全員?」

上条「俺の姫神はそんなゲスいことは言わない!」

姫神「上条君のではないけど。田舎でお年寄りが多いから下ネタはそこそこ耐性ある」

上条「……いや、俺もさ?今度ばかりはダメだと思ったんだぜ?清純派アイトルで行けるラインも限界があるからな?」

姫神「見えている世界が私と違う」

上条「でもよく考えてみてくれ。”ようせいさん”のシートには使われてない部分があったのを覚えているか?」

姫神「シーン……あぁ。なんかごめんなさいを物凄く一生懸命いってる感じのあれ」

上条「『全面的に俺が悪かったです!心を入れ替えます!もう許してください!』ってのを100回言えば――」

上条「――ようせいさんは自主的に帰してくれるって分かったんだ……ッ!!!」

姫神「それ泣きを入れただけだよね?物理的に上条君が『ごめんなさい!』って謝っただけだよね?」

上条「いやー危なかったぜ!父さん直伝のDOGEZAが久しぶりに火を吹いたな!できれば永遠に封印しておきたかったけども!」

姫神「――あなたもどうか注意してほしい。決して。そう決して面白半分で”ようせいさん”を呼んではいけないのだから……」

上条「まぁ好きにすればいいじゃね!そして俺と同じ嵌められ方をすればいいさ!」



――

姫神「どうも姫神秋沙です。皆さんにはこんな経験はないでしょうか?」

姫神「……」

姫神「特にこれといった小話を用意していなかった。というか普通に生きている私には。大して面白い日常話もないのだけど」

インデックス「それ大丈夫かな?すとーりーてらー(進行役)としての適任なのかな?」

姫神「インデックスさん。久しぶり」

インデックス「いや別にちょくちょく遊んでるから久しいってこともないんだよ。一昨日ぶり?」

姫神「『爆走兄弟レッツ&ゴ○の新シリーズは?』ってお題で。まさか『ドルチェ&ガッバー○』という結論になるとは」

インデックス「最近推しなんだよね。歌で連呼されてるけど、しょーひょー的にどうなんだろうあれ……」

姫神「というか上条君は?」

インデックス「喉を痛めて今回はお休みをお願いしたいんだよ、だって」

姫神「プロローグからずっとツッコんでいた。元気かよ」

インデックス「元気っていうか、全部拾わないとボケがだだ流れになるし、前のお話もギャグって片付けておかないとただの猟奇事件だから……」

姫神「それはお大事に。では次の話はお休みということで――こほん。私たちは日々様々な場所を行き来している」

姫神「車であったり。電車であったり。飛行機やモノレール。バイクで移動することだってあるかもしれない。時間に追われていると言いながら。便利な移動手段があるのもま確かだ」

姫神「しかし――少しだけ考えてみてほしい。朝通り過ぎた普通の光景が。その中にいたたった一人の人物は果たして”そこ”だけだったのだろうか?」

姫神「何枚も何枚も。写真を撮るように記憶を振り返ったとき。そこには同じ顔の人物が何人もいたりしないだろうか?」

姫神「これは――そういうお話」



――第二話 「ストーカー・チェックシート」 とある風紀委員詰め所

御坂「えっと……『ストーカー啓発週間』……?」

佐天「ストーカーするように仕向けるの?」

初春「御坂さんにははい、佐天さんにはなんでだよ、ですね。ストーカーを啓発してどうするんですか」

佐天「いやまぁそりゃそうだけど、このチラシの字面で言ったらそうなんじゃんか」

御坂「まぁ流石に犯罪を助長したりはしないでしょうし、『ストーカー、だめ!ゼッタイ!』ってキャンペーンなんでしょ?」

初春・佐天「……」

御坂「なに?」

佐天「一応……分かってる、みたいだよ?」

初春「ですね――はい、はい、ではフェーズ2へ移行したいと思います」

御坂「なんかこう人体実験されてるような雰囲気なんだけど……」

佐天「で、ほんとはどんなキャンペーンなのかなー?」

初春「はい、それはですね。ストーキングというのは悪い事じゃないですか?男女問わず、好意を持った人間の後をつけ回すことです。男女問わず」

御坂「なんでそこ二回繰り返したの?」

初春「しかし残念なことに、私が過去お話を伺ったり白井さんが現行犯逮捕した方の中には、『悪い事だと思っていなかった』と仰る方が多かったのですよ」

御坂「怖いわね−。そういう思い込みで周囲に迷惑かける人って」

初春・佐天「……」

御坂「いやだからなによその沈黙は!?『コイツまじか!?』みたいになんでちょっと引いてんのよ!?」

佐天「や、引いてないっす。ただこう、恐怖を感じるだけっす」

御坂「それを引いてるって言うんだけども!」

初春「まぁまぁ、で、それでですね?そのストーカーさんやその予備軍の人を観察することで一つ気づいたんです」

初春「『これはストーキングが犯罪だという自覚さえすれば、真人間に御坂さんを戻せるんじゃないですかね?』って」

御坂「読み上げるテキスト間違ってない?なんで最後あたしの名前がついてんのよ」

初春「あぁ失礼、混線していたようで。ともかくチェックシートをストーカーさんにさせて自覚してもらうところからスタートしましょうね、と」

御坂「成程。とっかかり方としてはいいじゃない」

初春「そして期間中には『ストーカー・チェックシート』なるものを配布して啓蒙する予定です」

佐天「あたしと初春で作ったんですよ。御坂さんもやってみてくださいよ、ほらほらっ」

御坂「ふーん?ちょっと面白そうね、なになに……?」


【ストーカー・チェックシート・あなたのストーカー度をチェックしてみよう!】

□片思いしている相手の学校を知っている(教えてもらってないのに)
□片思いしている相手の家を知っている(教えてもらってないのに)
□片思いしている相手の実家を知っている(教えてもらってないのに)
□片思いしてる相手に「会えるかも」とアポなしで近所をウロつく
□片思いしている相手が心配だから自発的にパトロールをする
□片思いしている相手に悪い虫がつかないようにしたい
□そのためなら多少超法規的なことをしてもいいと思っている
□軽犯罪程度であれば「こーいつぅ☆」と許してくれるに違いない
□重犯罪でも「お前……そこまで俺の事を☆」と許してくれるに決まっている
□尽せば尽すほど愛が深まるのを肌で感じる

0――あなたは健全な人です。その素敵な心を忘れないでください
1〜3――ちょっと疲れているのかもしれません。あなたがされたとき、どう思うか考えてください
4〜6――やや思い込みが強い傾向にあります。一度近しい人に相談してみてください
7〜9――あなたは間違っていません。ですが少しだけ前のめりになっています。どうかご家族にご連絡を
10――このシートを持ったままお近くの風紀委員の詰め所までお越しください!啓発週間の記念品を差し上げます!


御坂「……あれ?おかしいわね、10……あ、いや、そこそこの数引っかかるんだけど」

佐天「10って言いましたよね?なんでサバ読むんですか今更」

初春「普通の人は0回答なんですが……御坂さん?分かりますよね?」

御坂「あぁうん大丈夫よ?客観的に見て『これ該当するな』って判断できてるでしょ?」

佐天「良かった……!なら――」

御坂「でも別にあたしはストーカーじゃないわよ?将来付き合うためにデータ蓄積してるだけだし?」

佐天「怖いよ初春!御坂さんのキラッキラして澄んだ瞳が怖い!」

初春「えっと――なら、しょうがないんじやないですかね?うん、付き合うんでしたらいいんじゃないですか?」

佐天「成程ね!ストーカー犯罪や啓発運動はいっぱいやってるのに減らない原因はもっと根本的なところにあるんだよね!」



――

姫神「なんて怖ろしい……!」

インデックス「いや、怖いけど!怖いにしたって限度があるよね!?なんなのこのフラットな怖さは!?」

インデクッス「トリハ○とかJホラーにありがちなぬめっとした怖さじゃなくて!乾いた怖さたなんだよ!」

姫神「ようせいさんが思った以上に尺を使ってしまったので。まぁ短いのを一本と運営が」

インデックス「ようせいさんもようせいさんでサイコな話だったけど!これはこれでシャレにならない闇を抱えているのかも!」

姫神「まぁ自分で正しいと思っていても分からないよね。というお話。最初から正しいも正しくないも等価価値だという話もある」

インデックス「その『みんな違ってみんないい』を言い出したら、大抵の犯罪は肯定されちゃうんだよ!公共性を無視するから!」

姫神「なのでストーク・チェックシートで一つ以上心当たりがあった方はご注意ください。割とマジで」

インデックス「あれ一つでも引っかかったらはんざいしゃ予備軍だと思うんだよ……」

姫神「でも現実はギャグより過酷――あぁこれは運営の人が上司から聞いた話なんだけど」

インデックス「最後で披露するの?どうせ笑い話なんでしょ?」

姫神「前に付き合ってた彼氏の話。彼氏と旅行から帰ってきて一人でアパート帰ったんだって。そうしたら違和感が」

インデクッス「どんな?」

姫神「なにかとは言えないけど。何か気持ち悪いっていうか。だからこう旅行から帰ってきてテンションの調整がおかしいのかなと」

姫神「まぁでも誰かと話せば忘れるだろう。よしじゃあ彼氏と旅行の話でもしようって」

姫神「ピってこう。ケータイの電話をかけるマークを押したら――」

姫神「――すぐ下の非常口の方から。ラーラララーラーって彼氏の着メロが流れたんだって」
(※実話だそうです)

インデックス「助けてとうま!?現実はフィクションより怖いよ!?」

姫神「ね。怖いよね」

インデックス「そんな修羅場を淡々と話すあいさが怖いよ……!」

姫神「なお硬い物で殴ってから警察に突き出したそうです」

インデックス「あ、あれ?気持ちの切り替え方が早くないかな?」

姫神「その人もその人で『自分の彼氏にダーツを誤射して爆笑』という。まぁ情緒が壊れてる人らしい。怖いよね」

インデックス「実話系怪談が一番怖いのかも……!」

姫神「そしてインデックスさんから最後のお話があります」

インデックス「え、わたし!?さっきの話はしょーもなくてできればお墓まで待っていく覚悟だったんだけど」

姫神「段々短くなっている怪談もそれはそれであり。では。どうぞ」



――第三話 「星を見上げる青年」 上条のアパート 深夜二時

上条「……」 コソッ

インデックス「ぐー……?」

上条「……」 パタンッ、カチャ……コツコツコツコツコツ

インデックス「……とうま?こんな夜遅くにどうしたのかな……?」

……ギイィ――――――パタン……

インデックス「あれは……立て付けが悪くなってる屋上のどあ……?どうして――」



――屋上 深夜二時

上条『――戻って来い、俺の竜(※羽根つき)!本来いるべきお前の場所ヘ!』

上条『決して!そう決して無茶なことは言わない!お前の洗脳能力を悪用しようだとかって考えは微塵もない!あぁこれっぽっちもだ!』

上条『てかお前も水臭いよ!そんな素敵な能力あるんだったらもっと早く言ってくれないとさぁ!』

上条『でも俺は怒ってないぜ!だから帰ってこいドラゴーンーカムヒーアー!』



――

姫神「発音が良すぎて『ダイター○カムヒーア!』になってる」

インデックス「――ってゆう呪文をね。最近夜の二時ぐらいに屋上で」

姫神「あぁそれはきっと中二病の一つ。見て見ぬフリをしてあげるのがいい」

インデックス「ちゅーになのかな……わたしにはもっとこうドロっとした、人皮で作られた魔道書を夜一人で閲覧しているような感覚だったんだよ……」

姫神「まぁ大体は合っている。思春期にありがちなリビドーの発露」

インデックス「てゆうか今回のも特に怖くはないんだよ!ツインピーク○に集う変人達の宴だったね、って話だし!」

姫神「では最後のシメとなる背筋も凍る話を一つ。実は――」

姫神「――私はそれほど怖い話が得意ではない……ッ!!!」

インデックス「うん、知ってた。だって別にあいさが自分から話してくれたとかないしね」

姫神「キャラづけとしてやっている。今はかなり後悔している」

インデックス「だよね!『それっぽいから』ってだけで司会進行を任されたぐらいだしね!」


-終-

inserted by FC2 system