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Clock(trial)

本当にあったとある話・春の特別短編 〜違和感〜

 
※このお話はフィクションであり、登場人物等をいつものメンバーにしています
※しかしながら大筋においては私が聞いた”実話”です
※色々な意味でガチ話が苦手な方はご遠慮下さい


――

レッサー「『フランスに死を!レイシズム国家のフランスを常任理事国から外すよう今こそ声を上げるべきですよ!』」

レッサー「あ、すいません間違えました。これ大使館前でシュプレヒコール用のヤツでした」

レッサー「では改めまして――『アメリカのマスコミは新型コロナがシナゴーグ(※ユダヤ教の教会施設)から拡散されたと報道するなー!』」

レッサー「『前から広がってた老人ホームは映さず、明らかに頻度の桁か違うだろー!』」

レッサー「あぁこれも違いますね。何かメインニュースでそればっかりやってたもんですから、半世紀ぶりにまた始まったのかと」

レッサー「てか不思議に思いませんか?あなたの隣人なり友人が、ある日突然政府から閉め出し喰らうとしましょう」

レッサー「私だったら『何やってんだテメー』とぶん殴ってでも止めますけど、そんな美談が皆無の時点で、ねぇ?」

レッサー「『いい加減にしろ』?『第二次世界大戦中に誰も止めなかったユダヤ人連行はなかったことになってる』?……あぁすいませんね!忘れてましたよ!」

レッサー「現代もどうかと思うんですよねぇ。だってユダヤ人迫害するムスリムを大量に入れて、彼らが放火したり暴行するのを黙って見てるんですから」

レッサー「まぁ細けぇこたぁいいとしまして!怖い話ですね!えぇもうそれはとっておきのがありますとも!」

レッサー「ただちょっと短いんですねー。どっちかって言えば都市伝説風?あぁいやまぁ実話なんで伝説ではないんですけど」

レッサー「それでもいいですか?……まぁいいっていうんだったらも私は構いませんけどね」

レッサー「ただまぁ?自己責任系のお話なんで、止めるのであればここですが……」

レッサー「……」

レッサー「よろしい!では私の友人が体験した恐怖の出来事に打ち震えなさいな……!」

レッサー「あれは……今から○年前ですかね。昔っていうぐらいではないですけど、まぁ最近でもないなーぐらいの前」

レッサー「友人さん――仮にJさんとしておきましょうか。その方はヨゴレ仕事をしています。ぶっちゃけエロい絵も描いて生計を立てている人です」

レッサー「ただ誤解はされないでくださいね。断っておきますが、エロい絵描くのだって超大変なんですから?」

レッサー「よく『エロい絵なんて画力画才のないヤツがするもんだろwwwwww』と、勘違いされている方がいますが、大いに違う」

レッサー「絵の勉強をされた方は理解して頂けると思いますけど、マッパ(全裸)もしくは半マッパ(半裸)ってのはちょーーー難しいんですよ」

レッサー「曲線が完全に出るためごまかしがきかない。下手な服を着せれば半脱ぎで笑われる。構図が単調だと飽きられる」

レッサー「なので資料は大量に仕入れておく必要がありまして。余談ですが。『最近一番参考になってるのはプレステー○のサンプル写真』だそうです」

レッサー「『エッラいブスを可愛く撮る技術(※フォトショ含む)は神がかってる』とのコメントをJさんから頂いています。私も同意見です」

レッサー「そして最近は業界全体の裾野が広がっているため、同業者との競争も激しいですよ。決して楽して稼げる商売ではありません」

レッサー「まぁ……同じ薄い本でも、肌色率が高いブースの方がお客様の財布の紐も緩いため、そういう意味ではまだプラスですかね」

レッサー「また非エロであっても上記の悩みはありますから、プラマイゼロぐらいに考えてください」

レッサー「そんなご職業の体験談なんですが……Jさんはあるとき大口の仕事を頂きました。ゲームでの原画デザインですね」

レッサー「とはいっても本決まりではなく、何人かの原画さんに依頼してサンプルを描いてもらい、その中から決める、という感じです」

レッサー「まぁ普通は『君に決めた!』とPかDが決めるんですけど、その仕事は割りと専門的な部分がありエロい絵だけ描ければいい、という訳ではないんですよ」

レッサー「あー名前は出せませんし……例えば『高校生っぽいキャラを数人分』ってのはまぁあり溢れたモチーフですよね?大抵キャラ描くんだったらその年代ですし、世界観も難しくはありません」

レッサー「でも『時代劇で!お姫様とニンジャ出てくるの!コワイ!』ってなったら、まぁうん?って人もいます。ゴスロリメインの絵描きさんに和服頼んでも難しいでしょうから」

レッサー「まぁそんな訳で何人かにギャラ出して描いてもらい、メインは誰それ、サブは誰それという感じで担当を分ける感じだったそうです」

レッサー「ただゲームは特殊な世界観であり、選考方法はコンペだったり原画ありきだったりしますんで」

レッサー「中にはスポンサーが『○○さんが原画だったらお金出してもいいよ』ってのもあります。それはレーターさんの実績ですね」

レッサー「で、Jさん含む何人かは最初にお呼ばれして企画書を貰いました。大体のあらすじがどうで、キャラクターはどうでとか世界観や設定などの説明を受けまして」

レッサー「企画書のキャラ設定ってありますよね?名前や性格に性別、どんな生い立ちで――というような感じのを」

レッサー「あぁ『正式なコンペ前なのに会社が情報出して大丈夫だったの?』とお思いかもしれませんが、似た感じのゲームなんて大量に存在してますんで」

レッサー「大手じゃあるまいし別に痛くも痒くもないでしょうね。むしろ宣伝になって株上がればラッキーぐらいの勢いです」

レッサー「さて当のJさんですが、この企画書を貰った時点で違和感を覚えていたそうです。『あれ?なんだろ?』みたいな感じの」

レッサー「何かおかしいな不思議だな、とは思うんですが、具体的に何がかは分からない」

レッサー「担当の方も普通に打ち合わせをして、それぞれの設定項目もきちんと説明され、不明な点はないにも関わらず」

レッサー「会社からの説明は30分もかからず終わりました。同じように集められたイラストレーターの方と少し世間話をして、その日は解散になったそうです」

レッサー「その後は特に大した事もなく、まぁこっちの方まで出て来たんだし画材かなんかでも見て帰ろうとしたそうです」

レッサー「――先程感じた”違和感”のことなんか忘れてしまったかのように」

レッサー「楽しい時間は早く過ぎるとは言いますが、Jさんは欲しかったものを一揃い手に入れ、帰宅することにしました。しかし」

レッサー「夜のホームで電車を待ちながらボーッと立っている最中に浮かんでくるのは昼間の違和感」

レッサー「『昼間のアレはなんだったんだろう?何かあったんだろうか?』」

レッサー「『資料として読み返しても全項目で不明な点はない。というか会社で口頭でもレクチャーを受けた』と」

レッサー「それでも何か大切なものを見落としてしまっている。気づかなければいけないのではないだろうか?そんな気持ちをJさんはしていたそうです」

レッサー「分からないのは気持ちが悪いし、とはいえ考えても仕方がないし。そう気持ちを切り替えて帰宅しました」

レッサー「借りているマンションの一室、一人暮らしなので当然の真っ暗な部屋へ帰りました。しかしここでも違和感が」

レッサー「窓の外で何か薄く光るものが。カーテンを開けてベランダから外を覗くと、向かい側にある別棟のマンションでチカッチカッと点滅しているものが目に入ります」

レッサー「構造は同じなのですから踊り場の蛍光灯が切れかかっている――そう、思いついた瞬間、Jさんはバッグをひっくり返して貰った設定資料を破らんばかりの勢いで開きました」

レッサー「『ここも違う!ここでもない!』と、ページを強くめくる度に違和感は強くなり、そして――」

レッサー「該当するページを再び開いたとき、ずっとJさんを追い立てていた違和感の正体へとたどり着いたのです……」

レッサー「Jさんを驚愕させたもの、それは――ッ!!!」


(※ゲーム・○○○○○○設定資料)
【名前】○○○
【性別】女
【実年齢】○○○歳
【外見年齢】○○歳←ここ


レッサー「――なんと、その設定資料には『外見年齢』と『実年齢』の二つが明記されていたのです……ッ!!!」
(※実話です)

レッサー「あまりにも自然にサラッと書いたあったもんですから、Jさんもスルーしてしまっていましたが!!!」
(※実話です)

レッサー「なんと恐ろしい業界でしょうか……ッ!年齢と外見年齢を分けて明示しなければいけないだなんて!!!」
(※よくあります)

レッサー「……こうしてJさんはコンペ用の資料を書き、メインではなくサブの一人として採用されました。そこそこ売れたらしく、追加で発注を受けたそうです」

レッサー「しかしJさんは今でも当時のことを振り返り、こう思うそうです――」

レッサー「――『この業界大丈夫か?』と……」

レッサー「……」

レッサー「まぁこれで私の話は終わりですが、皆さんもお気をつけくださいな。私たちの想像を絶する”何か”はどこにでもあるんですよ」

レッサー「代表作といえるような代表作がないのに、ゲーム予備校の講師をやってドヤ顔してみたり」
(※実話です)

レッサー「いざソイツをライターに起用したらツイッターでユーザーへケンカを売りまくって実売数を下げ、また自分の好みでグッズ出して会社に損失出したり」
(※実話です)

レッサー「そんな世にも恐ろしい相手がこの世に潜んでいるのですから……ッ!!!」
(※更にはここで書けないような悪行が掘り返されたり)

上条「うんまぁ、俺の『露天風呂の見える部屋』ネタもどうかと思ったけど、しょーもなさだけはそれ以上だよな!」

レッサー「時としてフィクションよりも現実の方がしょーもないものなのですよ、くっくっくっく……!」


−終−
(※実話です)

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