Category

Counter
Access Counter

On-line Counter



Clock(trial)

姫神「ほんのりと怖くない話選手権」

 
――とある高校 放課後

姫神「ちゃっちゃっちゃららちゃららちゃららー」

上条「なんでだよ。なんで開幕一発目から『世にも奇妙○』テーマなんだよ」

姫神「ご歓談中に失礼します。という定型文をよく聞くけれども。私だったらご歓談中に入っていける勇気が無い」

上条「シャイか。あと普段使いするような文言でもねぇし」

姫神「私は知っている――ここの運営が上条君のツッコミに違和感を覚えているということを……!」

上条「どういう理屈?ツッコミ無いまま流れていったら制御不能になるだけだよな?」

姫神「『最近ARISAがメインツッコミ回ばかりだったら。なんか。こう。ピンとこない』」

上条「俺の存在意義が危ぶまれている……!こうなったらARISAをアリサにするしか……!」

土御門「落ち着くんだにゃー。アイドルが歳喰っていけば段々とそうなってくぜぃ」

吹寄「あぁ……なんか最初は名前をカタカナにしてデビューしたのに、何年か経ってフルネームに改名みたいな人いるわよね」

青ピ「あれ事務所がテキトーに名前つけよるのが悪いんよ。郷ひろ○なんか最初レッツゴーひる○やったんやって」
(※らしい、本人談)

姫神「なので上条君もツッコミからの卒業。ボケデビューを」

土御門「それ結構前からやってるにゃー。つーかカミやんは『ツッコミの上手なボケ』がメインジョブ」

青ピ「やや天然入っとぉしな」

上条「アリサに負けないツッコミ……!そうだ、俺の筋肉を最大限に生かして筋肉ツッコミをすれば……!」

吹寄「なかやまきんにく○よね?初見殺しかつ最初の一回で『もう二回目はいいかな……』ってお腹一杯になるヤツ」

姫神「そしてARISAさんはボイトレで結構腹筋鍛えている。本人情報です」

上条「オイッ!肩にちっちゃいキャラメル乗せてるのかいっ!」

吹寄「テンポが致命的に悪いわよね?そっから長々とツッコミへ入るまでかかるんでしょ?」

姫神「上条君のレゾンテートルはさておくとして。本日はわざわざ居残って頂きありがとうございます。姫神です」

吹寄「そんな卑屈にならなくても。またあれするの?一人かくれんぼだっけ?」

姫神「ではない。あれは何か旬を逃した感がするのでもっとこう前向きな事をしたいと思います」

上条「あんときでも決して旬ではなかったんじゃねぇかな……」

姫神「皆さんには――これからほんのりと怖くない話をしてもらいます」

上条「怖くねぇの!?パターンから言えば怖い話だろ!?『意味が分かると〜』とかそういうの!?」

姫神「残念ながら私の怪談レベルはまだ1。怖い話にも慣れていないのに語るのは危険すぎる」

吹寄「あれ……?このあいだ幽霊っぽい能力者の人と……あれ?」

姫神「あの子はたまたま善良だっただけ。おばけを甘く見てはいけない……ッ!」

青ピ「ってぇ言ってますけど、どーなんすか土御門さん?」

土御門「俺は生きてるやつの方が怖いんだにゃー」

姫神「なので今日は事前に用意してもらったほんのりと怖くない話をしてもらいます。私の経験値にするので」

上条「……あぁまぁ異論はこれっつってないんだが……ほんのりと怖くない話の定義は?話の流れからして普通に怖い話とか超怖い話は駄目なんだよな?」

姫神「それはもうスライムベ○並なので」

吹寄「本当に妙に卑屈よね……私もそんなに得意かって言われれば、そうじゃないからいいんだけど」

姫神「だがしかしスライムベスはスライムから進化した直後の存在。逆に言えば未来がある」

上条「半公式設定だったような……スライムが虫とか喰って肉食化したって」

姫神「ではトップバッター行きます――あれはまだ私が実家に居た頃の話だった。特に何も変哲のない普通の集落」

吹寄「っていつも言うんだけど、姫神さんを育んでいる時点で普通かどうかは……」

姫神「イメージするならヒナミザ○?」

上条「超色ついてるわ。白川○をも巻き込んでイメージが悪くなるわ」

青ピ「あれ、よぉ告訴されへんかったよね。背景とか町の風景そのまんまやったのに」

土御門「厳密にいえば建物や土地の写真はプライバシーに引っかかるんだにゃー。ただ一々告訴してたら面倒だっちゅー話で」

姫神「私の故郷がイロモノみたいに言わないでほしい。ごくごく普通の山村」

吹寄「超不吉な例えにしたのは姫神さんじゃなかったかな!最近どこでも新シリーズ始まってるけど!」

姫神「何回でも言うけどふつーふつー。誰か行方不明になったりもしないし。殺人事件が起きたりもしない。ノットコナ○君」

上条「何人死んでんだよって話だよな。闇の組織だって『そろそろ悪目立ちしすぎない?場所変えない?』って判断するだろ」

姫神「まぁ山奥なので多少辺鄙なところではある。裏のおじいちゃんは死んだおばあちゃんとたまに会話していたし」

青ピ「怖っ!?イタコ的な何かが!?」

土御門「ご老人特有のアレだと思うにゃー。誰しもが一回は通る道だにゃー」

姫神「ともあれそんな田舎でも年に一回お祭りをやっていた。出店がある訳でもなく。私が神楽を舞って神様を慰撫するための」

吹寄「あれ……?なんかちょっと風向きが……?」

上条「待て!まだ慌てるような時間じゃない!きっとこれから俺たちの度胆を抜くような怖い習慣をサラッと言うはずだから!」

姫神「だから。何度だっていうけどそんな面白いものはない。デトックス村」

上条「姫神が創作ダンスの練習してるの見て、『邪神でも呼ぶのかな?』って噂があんだよ」

姫神「凄い失礼。神楽舞をアレンジしたダンスだっていうのに」

吹寄「あぁ、妙に洗練されてるなって思ってのはそれね……」

姫神「ちなみに由来があるらしいけれど――全く興味ないから聞き逃していた。反省はしていない」

上条「ギャップ!ガワと中身の落差考えろよ!ここは『一族にしか伝わっていない――』とか言うとこだろうが!」

姫神「いやいや本当にそんなのはなかった。一度神鈴の代わりに某魔法少女ステッキで舞ってみたとかしてたし」

上条「なんでだよ!?怒られるだろ!?

姫神「ちなみに誰一人として特に反応はなかった」

上条「ユルいな思ったよりも!?何か人身御供でも捧げてそうな感じなのに!」

姫神「恐らくお年寄りばかりでよく見えなかったか。もしくは『何かピカピカ光るありがたや』とでも思ったのか」

吹寄「勇者よね?姫神さんって時々世界を救うレベルの勇気を見せつけるわよね?」

姫神「まぁそんな感じだったので。私は夏祭りが近づくと。毎年学校終わりに神楽殿へ行って練習をしていた」

姫神「ちなみに気取った言い方をしたけど。学校は子供たちの遊び場になっていたので場所が無かっただけ」

姫神「更にぶっちゃけると神楽殿も私が神楽舞するときぐらいしか使わない。正直『どう?』みたいな?存在意義を問われていた」

上条「本当に出オチの集大成みたいな村だな!ノリで作ったのはいいけど本末転倒みたいな!」

吹寄「……『外部へ漏らすのは絶対にだめ』とか期待してたのに……!」

姫神「排他的になるほど人が来ない。何故ならば交通の便が悪いから」

青ピ「もう怖い話になってへん?田舎あるあるやんね?」

土御門「本当の僻地は衛星写真ですら映せないんだにゃー。えっとまぁ、コンプラ的な問題なんだにゃー」

姫神「ともあれ。そんな訳で神社の神楽殿までわざわざ行くという面倒な苦行をしつつ。特に誰が指導する訳ではないため。練習サボってケンケンパをしてから私は自宅へ帰った」

上条「結局してねぇじゃねぇかよ練習!雑な生き方してんな!」

姫神「たまにサルとかタヌキとかと遭遇するけど。特に珍しくもないので割愛しました」

吹寄「もふもふ好きとしては凄い興味あるんだけど……!」

姫神「『ダニや寄生虫がいるので絶対に触るな』と物心つく前から言い聞かせられている。幻想は幻想」

姫神「そして私が家に帰ってからふと気づいてしまう。そういえば神楽殿の鍵を閉めた覚えがない」

姫神「仮に開いていてもいいかと。盗まれるようなものもないし誰かが入る事もない。だからまぁいいだろうとその事は忘れてしまっていた。しかし」

姫神「お母さんと食事の用意をしていたら。お母さんは私に向ってこう言った――」

姫神「『――さっき神楽殿見たら開いてたから、閉めておいたわよ』、って……ッ!!!」

上条「普通だろ。娘さんが鍵閉めるの忘れてたからお母さんがやっといたって話だろ」

吹寄「でも何か姫神さんのトーンで語られると凄い怖い話ってぽく聞こえなくも……!」

姫神「まぁこんな感じに。怖い話はダメです。私が恐がりだから」

上条「予想以上に怖くもねぇし笑えるような話でもなかったな!何かこうほんのりとしてはしているが、だからって何があるって話でもなく!」

青ピ「……これ、姫神ママンがこっそりケンケンパしとぉたの覗いてたってオチちゃいますのん?」

姫神「それはないと思う。お母さんだったら一緒に遊んでくる」

吹寄「淡々としているのなんてアットホームな家族……!」

土御門「姫神の家が……いやまぁいいんだにゃー。こんな話ぶっ込んできて内心超恐怖だけども。今がある程度楽しければ、まぁまぁ」

上条「(なぁなぁ土御門。姫神の実家って魔術的にはどうなん?魔術的には超有名とか?)」

土御門「(有名かどうかでいえば超無名。どっかのレッツゴー陰陽師の家系がご先祖様の名前名乗ってドヤってるに比べたら、全然だぜぃ)」

上条「(自虐が過ぎるわ。よく知らないけどそういう家系だったら別にいいし、妙な修飾語をつけんな)」

土御門「(フィクションの世界では分かりやすいエリート系悪役、ノンフィクションの世界では詐欺師ばっかりなのに?)」

上条「(あー……小学生ぐらいには超イジられそうだよな)」

土御門「(せめて自室が何割かでもあれば、まぁなんだけども。外飛ぶか、あと政治に介入できるんだったら現代でもアホども黙らしてるにゃー)」

上条「(やってないの?)」

土御門「(平安時代まではズブだぜぃ。しかし尊氏以後、『意見がある?そうか!表で殴りあうか!』って脳筋ども相手には……)」

上条「(やってんじゃねぇか。そして強いな足利尊氏)」

土御門「(んで途中からは距離取ってなぁなぁだぜぃ。今は……ちょっとこれ言うとカミやんに迷惑かかるから言えない)」

上条「(え、なに。言えよ気になるだろ)」

土御門「(どっかのバカどもが魔術フルオープンテロかました際の対応策や対抗策を練ってるぜぃ)」

上条「(お疲れさまです土御門さん!肩でも叩きましょうかっ!)」

土御門「(まぁそのぐらい持つものの義務だにゃー。そして本家直系がクッソ忙しいに対して、ドロップアウトした元春君はもう関係ないんだにゃー)」

上条「(俺の感動を返せ)」

土御門「(とまぁ俺らは大なり小なり時代に変化に合わせようとはしてるにゃー。合ってるかどうかは別にしても努力はそれなりに)」

土御門「(だが、まぁまぁ?日本の中にはいつの間にかドロップアウトした魔術師の系譜っちゅーのがいるんだにゃー)」

上条「(ドロップアウト?)」

土御門「(魔術師なんてのは自己中かつ個人主義の集まりなんだぜぃ?だから『こんなとこにはいられるか!俺は余所で生きる!』って外れる連中が)」

上条「(クローズドサークルの第二被害者か。あとその判断は嫌いじゃないし俺でもそうするわ、だって危ないから)」

土御門「(なので俺らも把握してないような魔術師が日本全国津々浦々にそこそこの数が。政治的な理由で追われたっちゅー理由とかもあるし)」

上条「(いいのか?好き勝手してんじゃねぇの?)」

土御門「(魔術使って悪さすれば取り締まるんだにゃー。ただそれ以外ふつーに暮らしてれば別に何もしないんだにゃー)」

土御門「(そもそも数代前まで魔術師やってたのに、『もう電気もガスもあるし魔術いらんわ!』って廃れる人らが大量発生してるんだぜぃ)」

上条「(成程。話の流れからすると姫神もそういう人らなんだな。昔魔術師やってたかもって)」

土御門「(なぁなぁカミやん、偶然ってあると思う?ちょっとした奇跡が何回も続くみたいな)」

上条「(その逆バージョンは毎日やってるわ。心底遺憾ながらな)」

土御門「(今はもう廃れてウチですら把握していない魔術師の一族がいる。これはまぁ偶然だ。他にも探せば絶対にある)」

土御門「(んでその血統の最奥、言っちまえば秘中の秘たる”アレ”を使える異能者が生まれた。多分一人だけ……悪い意味での消去法だが、まぁこれもまた偶然かもしれない)」

土御門「(だがそこに、たまたま生まれた一人の異能者を、ピンポイントで”天敵”を襲撃をかける――ってのが偶然だと思うか?)」

上条「(……な、訳ないだろうな)」

土御門「(ついでに言えば時間は”連中”の味方だ。人間がどんなに頑張っても精々100年生きればいい方だ)」

土御門「(どれだけ強力な能力者が生まれても、戦わずに大人しくしていればどんな脅威だって潰える)」

土御門「(にも関わらず――俺たちですら掴んでいない情報を持ち、非効率極まりないかつ杜撰な方法で襲撃した上、その後に畳みかけてくる訳でもない)」

上条「(……何が起きてんだ?)」

土御門「(分からない、全てが不明瞭だ。”私”か禁書目録辺りを姫神の故郷へ連れて行けば多少は分かるんだろうが……)」

土御門「(最悪”連中”が待ってて鉢合わせすることだって充分あり得る。リスクが大きい――まっ!)」

土御門「(俺から言えるのはまだ何も終わってないってことだけだな。頑張りたまえよ、ヒーロー?)」



――

青ピ「すいませーんセンセー!。上条君と土御門君がイチャイチャしてまーす!」

上条「なんでだよ。俺らはちょっとこう、アレだ、世界情勢について話をだな」

土御門「やだ、噂とかされるの恥ずかしいんだにゃー」

姫神「青ピ君無粋はいけない。若い二人。ましてや親元から離れて監視する人間もいない壁一室隔てただけなのに何も起らないはずがなく」

吹寄「その関連性で言ったら大体の集合住宅が当て嵌まることになるんだけど……あと長尺喋りすぎ」

上条「そっか……!女子寮はやっぱり俺の想像通りだったんだな……!」

土御門「それなんてソドムの街。太古の時代からマニアは存在したんだにゃー」

姫神「ともあれ主旨は分かってくれたと思う。それでは次の方。お願いします」

吹寄「って言われても……誰かいる?」

青ピ「はーい!ボク行きまーす!」

上条「大丈夫か?怖い話やまともな話だったら駄目なんだぞ?」

青ピ「バッカカミやん!ボクを誰だと思って……」

上条「青ピ?」

青ピ「――あれ?ボクって誰やろ?」

上条「不安定か。いやまぁいっつも大体そうだけど不安定か」

青ピ「青ピってボクの名前ちゃうやん、怖っ!?なんで誰も名前呼んでくれへんの!?」

吹寄「うんまぁ、それはそうだし散々イジってたわたしたちも悪いんだけど」

青ピ「『――わたくしの名前はネオエクス青ピアス、虚無の力を得て生まれ変わった存在です』」

上条「虚無の力が青ピを呑み込んで……ッ!?」

青ピ「『ガラ○じーちゃん死んどぉのにハーレムパーティおいしいです』」

上条「ふービックリした。中身は青ピか」

吹寄「あの、ね?FF5のラスボスネタを誰が分かるんだって話であって」

青ピ「そんなことより俺のカメェェッー!をどう思うん?」

上条「仕舞っとけやそのチンアナゴの稚魚。あと露骨なシモはやめなさい。学校で唯一相手してくれる女子二人まで失ったらどうすんだよ」

青ピ「二次元に逃げる……ッ!!!」

上条「ちょっと格好い――くはないな。気のせいだったわ」

青ピ「ちゅー訳で二番手はボクが行きますわ!ほんのりと怖くない話を!」

姫神「お願いします」

上条「……青ピってこういうの得意だったっけ?」

姫神「あんまり聞かないわよね。しょーもないギャグ話だったらたまにするけど」

青ピ「任っせてぇな!ボクを誰だと思ぉてんのよ!?」

上条「ループすっからそのぐらいにしとけ。あと三人分控えてってから尺が足んねぇんだよ」

吹寄「私も計算に入ってるんの!?急に言われてもネタは無いわよ!」

姫神「大丈夫。通販の話をすれば。いつものように」

吹寄「微妙に毒を吐かれた?いつもしてる通販あるあるオチもない話って認識されてる?」」

青ピ「まぁまぁ吹寄!そないに些細なことはどーでもいいでっしゃろ――あれは、つい最近起きたことなんやけども!」

吹寄「微妙に対人関係にシコリを残しそうなんだけど……」

青ピ「アニメの設定資料集買ぉたんよ。塗り設定と衣装陰影の参考資料に」

上条「お前マジでなにやってんの?素人さんがそんなん買わないよね?俺たちに隠れて何しようとしてんの?」

吹寄「貴様らが何を言ってるのかが全く分からない。なに?」

姫神「昔のアニメ設定はファンブック要素が強かった。中の人のインタビューとか人気投票とか描き下ろしとか載ってて。あくまでもグッズの一つとしてのウェイトが」

姫神「しかし今のアニメ設定資料集は原画に色指定。果ては二面図にボツ衣装や絵コンテにポーズなど。クリエイターに配慮したマニアックな作りになっている……!」

吹寄「姫神さんの圧が強い。そこまで魂を込めて喋るような内容でもない」

上条「内容だけにー?」

吹寄「スベったギャグを押しつけるな!?社会問題的なアレに発展するわよ!?」

土御門「にゃーっはっはっはっは!気がついたらノット一般人あるあるだにゃー!」

青ピ「ボクはちゃうよ!エッチな気持ちで買ったんちゃうんからね!L○と同じてうさく○読みたいだけなんやから!」

上条「自白ありがとう。あとその人って連載したっけ?打ちきり喰らったって聞いたような……?」

土御門「それも含めての自虐ネタなんだにゃー。『もう終わってるだろ』ってツッコミ待ちとも言う」

青ピ「ほ、ホントに資料で買ぉたんやからねっ!」

吹寄「もう嘘だって分かるじゃない。ツンデレ文化は怖ろしいところにまで来たわよね」

青ピ「ネタ話はこれぐらいにしてエロ目的ちゃうんよマジで。つーか一般年齢向け&アニメの制作会社が監修しとぉさかい、下手な作りしてへんのよ」

上条「ますますお前がなんで買うのか疑問になってくるんだけど……」

青ピ「言うとるやん資料て。モノにもよるけどかなり参考になるんよ――って前置きが長ぉなったけと、話はここからや」

土御門「ちなみに何のアニメだにゃー?」

青ピ「『パパ活彼女、レンタルします』」
(※『彼女、お借りしま○』のテレビアニメ公式設定集)

上条「大体合ってるっちゃ合ってるし、主旨自体はまぁほぼ正確とも言える!けども言い方最悪だな!」

姫神「絶賛修羅場中で『丸く収めてんじゃねぇよ。仁○か』ってぐらいに修羅場らなかった。残念」

吹寄「姫神さんのスタンスがよく分からない。そしてそのアニメってどういう内容よ」

青ピ「『主人公カノジョにフラれます→よし!レンタル彼女だったらフラれないよ!』」

吹寄「ますます怪しい内容じゃない!?金銭の授受が絡むって相当よ!?」

青ピ「だってお金を払ってる間はカノジョなんよ!?つまり一生貢げば真のカノジョと代わりあらへん!」

上条「――そっか!やっと分かったぜ!街中に溢れてるカップルって金銭的な繋がりがあったんだな!」

上条「どうりでカネのない俺には縁遠い話だと思った!お金さえあれば全部解決してくれたんだな!」

吹寄「二人とも涙拭きなさいよ。そして聞いてる方が心にくるわ!」

姫神「だがしかし実際に付き合っているカップルも金の切れ目が縁の切れ目と言えなくもない」

吹寄「大分違うからね?生きていくのには絶対に必要なのがお金であって」

土御門「主人公のメンタルの弱さに爆笑するのもは楽しみ方だにゃー」

青ピ「ま、まぁ設定は中々ぶっ飛んどぉけども!中身自体は『両思いなんだから付き合っちゃえよお前ら』ってドキドキ感が!」

上条「そ、そうだぞ!進展しない二人の距離とか、他のヒロインとの関係とかが!」

吹寄「え?でも主人公とヒロインの子付き合ったとしても、ヒロインの子は彼女代行業続けるんでしょ?お金のために?」

青ピ「――ちょっと待ってぇな!家帰ってファングッズ全部El○してくる!」
(※”エルフ 下級生 お炊き上げ”でググってみよう)

姫神「なんて酷い現実を突きつけるのかと。まさに外道」

吹寄「私は悪くないでしょ!?家庭の事情か何か知らないけどそういうことなんでしょ!?」

土御門「何度も言うが現実を突きつけるのはよくないにゃー。例えフィクションであっても下手なリアリティはいらないんだにゃー」

青ピ「お炊き上げは後日日取りを決めるとして……まぁ設定資料集は超良ぉできとぉ。三面図って知っとぉ?」

吹寄「三面図……建築とかで使うんだっけ?前・横・上から見た感じの」

青ピ「ボクが買ぉたのにはヒロインの前面・横面・背面ってきちんと載っとぉんよ。やから造形とか立体とか起こすときにも使える――し」

青ピ「メインヒロインに限っては衣装ごとに19パターンも用意されてるんや……ッ!!!」

吹寄「もうそれ内部資料よね?なんでそこまで細かい設定を作った上、外部向けに売らないといけないの?」

青ピ「それだけ需要があるっちゅーことや!世の中には『あぁこういうバランスで』って層がいるねん!」

上条「理屈は理解したが、ほんのれと怖くない話はどこ行ったんだよ?ある意味ここで終わったら怖いわ」

青ピ「前置きがなっっっっっっっっっっっっっっっっっっがいねん!まぁそれだけ実用的な資料集やってことや!エロ目的ではなしに!」

青ピ「ほいでまぁボクもお勧めされて買ぉた本やし?ありがとな、ええ資料やんなぁって見返してたんよ」

青ピ「配色指定や光彩塗りとか!まぁそういうのに感心しながら読んどったんやけど……あれ?おかしいやんこれ?って気づいとぉ」

吹寄「おかしい?」

青ピ「おぅ。全部で130ページぐらいある中、まずアニメ雑誌とかに宣伝で載せとぉ描き下ろしが最初に。次に設定資料、んで背景資料にオマケ程度にあらすじやスタッフコメントやねん」

青ピ「特にキャラクター設定資料は83ページで、ペース配分おかしいやろっちゅーぐらいしっかりしとぉ。それだけ絵コンテに力入れたってことなんやけども……」

青ピ「『お……?なんで?つーかなんでこれ……?』ってボクは何回も何回も資料集をめくって……気づいて、しまったんや……」

吹寄「えっと、何が?」

青ピ「それはな――」

青ピ「――設定資料83ページん中で主人公(男)はたった12ページしかなかったん……ッ!!!」
(※実話です)

青ピ「しかも順番が!順番もおかしいで!なんでヒロイン四人紹介した後で最後ってどうなん!?名前あるモブと同じやん!?」
(※ヒロインA・32ページ、ヒロインB・14ページ、ヒロインC・14ページ、ヒロインD・10ページ、で最後が主人公の12ページ)

青ピ「メインヒロインが!そうまだヒロインと主人公が等割やったらまだ分かるけども!メインヒロインにいたっては堂々の32ページよ!?こんなんおかしいやん!?主人公誰っちゅー話や!?」

上条「需要だよ。俺も悲しくなるからあんま深くは考えないようにしてっけど、需要がねぇんだよヤローには」

青ピ「しかも他のヒロインの三面図が2〜7枚!メインの子ぉに限っては19枚用意されとぉのに!主人校(男)はたった一枚しか……!」

青ピ「男女差別違うん!?ヤローやからって誰も興味ないからって正面図だけでいいってどうなん!?」

上条「だから需要ねぇし特もしねぇんだよ。俺だって似たような弁当のバラン扱いでここまでやって来てんだよ」

青ピ「あとこれをとあるで出しぃよ!なんで他の作品参考にしながらモデリングせねあかんねん!」

青ピ「『円盤の初回特典にしときゃエエか』やないんよ!運営ももっと力入れて稼がんと!」

姫神「それ以上はいけない青ピ君。体制批判になる」

青ピ「とにかく!ボクが言いたかったんは――」

青ピ「――『パパ活彼女、レンタルします』テレビ設定資料集、絶賛発売中やで!」
(※アニメ塗りの一級資料。結構有象無象多い中、「これどこの層向け?」ってぐらいしっかりしている)

上条「主旨は?確かにどうでもいい話をしろとは言ったけども、フリーダム過ぎねぇかな?」

上条「つーかお前どの立場から物言ってんの?クリエイター気取り?」



――とある学校 放課後

土御門「――にゃーはっはっはっは!ヌルい、ヌルいんだにゃーお前ら!スーパー銭湯の『熱めですよ』ぐらいヌルいにゃー!」

姫神「私は知っている――『それ。ちょっと引くぐらい熱いよね』って」

青ピ「意外と評価してくれてんのよ!つちみーって素直にならへんシャボーイやし!」

土御門「『べ、別にお前らなんか大好きなんだからねっ!』」

上条「デレんの超速じゃねぇか」

吹寄「むしろツン要素皆無でしょ。かけっこでゴール地点に立ったままスタートした感じで」

土御門「お前らなってないにゃー!オチのないしょーもない話だってのにそこそこオチてるんだにゃー!」

姫神「主旨違う違う。大体合ってると言えなくもないけど」

土御門「『とある高校の五条シゲル』と呼ばれた俺を見習うんだぜぃ!この俺を!」

吹寄「……シゲル?誰?」

上条「ちょっとカブってるのを気にしてるらしくてだな。呪術がアレな感じのやつと」

土御門「正直『これ俺かな?』って」

吹寄「どっちかって言えば『余計なお世WIF○』の人の方が似てる……」

青ピ「キャラ的には『だがしか○』のグラサンやと思うわ」

土御門「――これは、俺がまだ子供だった頃の話だにゃー。実家の方は京都のド田舎で、近くのコンビニまでチャリ30分って感じだったぜぃ」

上条「30分ならそこそこ近いじゃ?姫神さん、お願いします」

姫神「一番近くのコンビニが――隣町」

土御門「すいませんしたっ!調子ぶっこいたんだにゃー!」

吹寄「どういう勝負よ。そして隣町のコンビニってどんだけ」

土御門「そんな訳でそこそこ都会と言えなくもない俺の実家で体験した話だにゃー。決して都会とは言えないが、街っつーか町?村の一歩手前って感じのとこだぜぃ」

吹寄「いい機会だから聞くけど、土御門ってあの土御門なの?親戚とかだったり?」

土御門「どの土御門かは知らないけど、親戚が空飛んだり式神行使してるって話は聞かないにゃー」

姫神「(嘘じゃ?)」

上条「(”どの土御門かは知らない”し”親戚は”だから。自分ちの話は一切してない、と思う)」

土御門「都会なんつって言ってみたりするものの、実際にはどいなかだにゃー。まぁ電車もバスも走ってるし、そこそこは」

土御門「でも夜になっちまうと何か娯楽施設があるっちゅー話でもなく、出るのもタヌキやムジナぐらいのもんですたい」

青ピ「ボクからしたらどっちもどっちっちゅー話やけどな。つーかムジナって何?のっぺらぼうやったっけ?」

吹寄「落語ではそうね。生物学的にはアナグマらしいけど、何か妖怪扱いに」

土御門「まー、姫神んとことは違って対人関係もクソだったんだぜぃ。昔は俺もヤンチャしてたしー?」

上条「金髪グラサンは?明らかにカタギじゃない格好はヤンチャじゃないの?」

姫神「え?昔は男子三人ともケンカばかりしてたって聞いた」

青ピ「昔の話やよ!?ボクらの黒歴史触れんといてぇな!?」

土御門「俺もこっちに来たばっかで荒れてた頃だにゃー。あそこでしょーもないマウント合戦してるよりか、拳で殴り合った方がまだ健全なんだぜぃ」

土御門「まぁ俺らの黒歴史はいつか語るとして、倉って知ってるにゃー?on馬じゃなくて、でっかい物置の方の倉」

上条「むしろ日本人で知らない人がいるのかと。入ったことあるかは……微妙か。社会科見学で行ったのかも?」

姫神「時代劇では絶対に見るよね。倉っていうほど立派なのはなかったかもしれない」

青ピ「なんでですのん?」

吹寄「えーっと確か、基本的には大量の物資を置いておく場所だから、今でいうと流通の盛んな場所で多い、んだっけ?」

土御門「旧家とかにも多いけどにゃー。が、俺は倉ってものが大好きだったんだぜぃ」

吹寄「廃墟マニア的な?」

土御門「いいや?『うしおとと○』的な?」

上条「何となく予想したけどやっぱそっちか!?『槍を抜いて少年の冒険始まっちゃうんだ!』的なワクワクかよ!?」

青ピ「つっちーにも中二的な時代があったんやねぇ」

土御門「『臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前!』」 シュシュッ

吹寄「またなんか本格的な孔雀○!?映画で見たことある!」

土御門「――ふっ!こう見えても一番のポープだった時期もあるんだぜぃ!まぁだから左遷されたんだけどな!」

上条「いいから涙拭けよ。あと多分お前にとっても妹さんにとっても結果的に良かっただろ」

土御門「そんな俺でも子供っぽいところはあったんだにゃー!現実逃避的な部分も否定出来ないがな!」

姫神「憧れるのはいいこと。私も○信兄さんがほしかった」

土御門「つってもまー言うてみ子供だし?なんぼ倉が好きだっていっても中へ入ったりしたら叱られるにゃー」

吹寄「自分の家なのに?」

土御門「いや俺も知らねぇんだにゃー。多分カマとかナタとか、尖った農機具とかあって危なねぇわ的な話だったんだと思うぜぃ」

姫神「子供好きそうだよね。私も子供の頃に日本刀見たら『炎の呼○』とか絶対にする」

土御門「それに後から社会の教科書見たら、大切なモン入ってる倉は閉めっぱになってるらしいにゃー」

上条「なんでだよ?換気とかしないとカビとか生えるんじゃ?」

土御門「モノにもよるらしいんだが、 解放厳禁な倉もあるんだにゃー。ほら、怖いじゃん火事?」

青ピ「今とは違うやんなぁ。出火すりゃ全部焼けっちまうんか」

土御門「人的被害も大事だが、まぁ倉は密閉性が高いもんだからきちんと閉めてさえいりゃ、周りか全部焼けちまっても大丈夫だったってこともある」

土御門「ただ逆に?引火しないながらも、中にはきっちり”熱”が溜まってるもんだから。慌てて倉を開けたら中から火がガーっと!みたいなケースもあったらしいぜぃ」

土御門「ともあれ――そんな感じで俺は倉スキーにも関わらず、文字通り指くわえて眺めるぐらいしかなかったんだゃー。まぁ普通に危ねぇしな」

土御門「ただ……今にして思えば、なんだが。屋敷の入り口からは絶対に見えなくて、他の建物の関係上、外部からは存在自体が分からないように建ってる倉もあったんだぜぃ」

青ピ「うえぇ……それ座敷牢ちゃいまんの?」

土御門「さぁ分からないにゃー。俺もあんま地雷突きたくないしちょっと調べる気にもならないんだにゃー」

土御門「でもなんかそういうのに子供って興味持つんだぜぃ?『何か特別なっぽい!』ってテンション上がる感じで」

土御門「だもんで大人になんか言われようが、俺は懲りもせずに通ってたんだぜぃ。そもそも鍵閉ってて危険性もないし、本気で止める気もなかったんだろうな」

土御門「そんな日が続いたあるとき、そろそろ俺もどっか別のところに引っ越す感じになったときだ。いつものように倉の前に立ってたんだにゃー」

土御門「なんか記念にケータイで写真撮っかなーとお気楽に考えてたら、つーか上を見上げたら開いてたんだわ、窓。いや窓って言い方が正しいのか分からんけど」

吹寄「あー……何となくは分かるわ」

土御門「『どうしたんだい誘ってんかいオイッ!』と」

上条「そんな子供はいない。回想話盛るな」

土御門「『もしかして鍵開きっぱ?』って扉を引っ張ったけど残念ながら閉ってたにゃー。俺がウロチョロしてたから警戒もしてたんだろうし」

土御門「でも、ここで俺は思ったにゃー。『ここって誰か住んでんだにゃー?』って。当時は倉なんてデッカイ家ぐらいの認識しかなかったし、日によって窓開いてたり閉ってたりしてたし」

土御門「だから――そう、俺は軽い気持ちで。特に何も考えず、それがやっていいことなのかどうかすら知らず」

土御門「こんこん、こんこん、って倉の扉をノックしちまったんだにゃー」

姫神「おぉ。ナイス判断」

青ピ「駄目なヤツですやん!ホラゲで一番最初に呪われて不特定多数へ被害出すタイプの駄目なヤツですやんか!」

土御門「拳越しに触れた鉄扉は思っていたよりも温かく人肌で。俺がノックした音も周囲へ響くことなく、中へ伝わったのかも不安になるぐらいに溶けて消えた」

土御門「『まさか、おかしいな、当然だ、いないにきまってる』――みたいな、子供心に矛盾した感情が次から次へと浮かんでは消える」

土御門「どれだけそうしてたのかは分からない。一秒二秒だったかもしれないし、数分だったのかもしれない。返事がないまま、俺は何となく倉の前で立ちすくんでいた」

土御門「……はいえだ。倉の中から音がするだとか、ましてや人の声がするとかそういうことはなかった。そう”中”からは何しもなかった」

土御門「だが俺の後ろ――遠くの方から、女の叫ぶがこう聞こえてきたんだッ……ッ!!!」

土御門「『――モトハルー!モトハルー!』って!

吹寄「え、やだ!?本当に怖い話じゃない!」

土御門「『ゴハンできたわよー!』って怖ろしい声が母屋から……ッ!!!」

上条「かーちゃんじゃねぇかよ!?『あ、これ怖くないって主旨なのに怖い話ぶっ込んできたなやるな土御門!』って思ってたのに!悪い意味で裏切りやがって!」

上条「てかちょっと期待したのに!フィクションで噂に名高い土御門本家だったら、洒落怖系あんだろうなーって!」

土御門「そして数年後のリフォームで倉があった場所は立派なガーデニングが!あ、写真コレだにゃー」 ピッ

青ピ「仮に何かおっても気軽には化けて出て来られないご陽気さやんね!わー、咲き乱れる四季の話キレーですわー!」

吹寄「こんなアホ相手に一瞬ビビった自分が情けない……!」

土御門「ちゅーか当り前だけどリスクマネジメントはフツーにやってるにゃー。ガキがホイホイ行けるような場所に危険物置く方がどうかしてるにゃー」

上条「やっぱりあったんじゃねぇかよ危険物。中身が知りたいような知りたくないような」

姫神「ついこの間殺生石も割れたっていうし。きっと『白面の○』はひそかに復活している……!」

土御門「それでカミやんが『槍』を抜いてさぁ行け冒険の旅へレッツゴー!」

青ピ「『まいどっ!ボクは獣っぽい槍!ボクと契約して魔法使い(の嫁の旦那)っぽい何かになりぃよ!』」

上条「分かった!俺に任せとけ!」 グッ

青ピ「『ぐああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?カラダが、溶けて――』」

上条「終わるじゃねぇか。俺主人校だったら触った瞬間に槍壊れるんだから、人類含めて第一話で終わるだろ。そして喰われるわ」

吹寄「打ち合わせしてんのか貴様ら」

姫神「『真由○が槍抜けばイージーモードだったんじゃね?』と真由○推しの私は言ってみたり」

青ピ「結果的には○さんが最適解やったけども、伝承者候補も秋○にーやん以外やったら割とエエ線行っとったと思うんよ!」



――

姫神「思ったよりも『うしおとと○』談義が長引いてしまった。最終的に『お外道さ○編いるか?』って総論にしたいと思います」

土御門「唐突に始まった割にはアッサリ終わったのは××××××とのアレやコレが確実にあったんだと思うにゃー。なんだったらHP閉鎖覚悟でやってやるにゃー」
(※特に考えず雑誌に載せる→××××××からクレームがかかる→予定していたプロットと大幅に変更→婢○さんたちの出番が極端に減ったりアニメ版ではいなくなった人がいたり地元エピやんなかったり)

青ピ「つちみーなら!それでもつちみーやったらやってくれるって信じとぉよ!」

上条「やめろお前ら。仮にやったとしてもなくなるんだから意味ねぇよ」

吹寄「キャラ設定がしっかりしているのに再登場が最終盤までなかった。まぁつまりそういうこと」

土御門「妖怪界のレジェンドこと水木しげ○先生ぐらいしか×物に関しての本出せてないんだから、まぁそういうことだにゃー」
(※『水木しげるの憑物百○』。「よくこんなん出せたな」と)

上条「――さっ!残りは俺と吹寄の二人になった訳だが!どっちから話す!?」

吹寄「都合が悪くなったら声を……や、あのね。期待してくれるのはありがたいけど、そんなに大した話じゃないから、トリはちょっと困るのよね」
 はすすすすすすすすすすす
上条「『――すると机の上にはサメのウロコが置いてあったんだ……ッ!!!』」

吹寄「嫌だって言ったのにトリは!?あとその話なんなのよ!?カマボコ工場でサメの恨みでも買ってたの!?」

姫神「最近のカマボコは材料がサメではない。高級品は違うらしいけど。相葉マナ○でやっていた」

吹寄「……姫神さんってJA提供の番組ばかり見てるわよね」

姫神「答えは簡単――『田舎の放送局は提供JAぐらい』という悲しい現実が」

上条「『何か、何か人の視線を感じるってバックミラーを覗いた!そこには――』」

上条「『――握力だけで車にヘバリついてるレッサー(仮名)の姿が……ッ!!!』」

吹寄「聞いて?オチだけでボケ倒す前に私の話を、聞け」

吹寄「後なんか逆に興味が出て来たわ!何をどうやったら人類が車に張りつく事態になる訳!?」

上条「『ロシ×大使館へオンリー・バイクロッサ○カノン(※原付を敷地内へぶん投げる)を敢行しようとしていたアホを置いて焼肉へ』」

吹寄「ちょっと情報量多すぎて分からないわね。あとプチ国際問題に発展しそうだから、それ以上は言わないで」

上条「だから俺は言ってやったんだ――『ロシ×人は強い酒と粘り強い泥炭が好きだから、油とガソリンも適度に混合しておこうぜ』って」

吹寄「フってないからね!?あと内容が理解できないけど怖いわ!」

土御門「実は焼夷系のハンドグレネードは一瞬で燃え上がるより、粘度の高い不純物を入れた方が飛び散ってヤッベェんだにゃー」
(※例;連合赤×)

上条「では、俺の怖くない話を始めたいと思う。これは俺の友達の姫神の友達のアリサの友達のインデックスの保護者の話なんだけど」

吹寄「ねぇ具体名言ったら特定できない?『友達の友達』って嘘でも言いなさいよ、ねぇ?」

上条「嘘吐いたらいけないだろうが!父さんと母さんにそう言われなかったのかよ!?」

青ピ「主旨考ぇや。あと吹寄が過剰ツッコミになっとぉ、カミやんは結構ボケ好きやねん」

姫神「あと”の”が多すぎで何が何だか」

上条「俺の話だよ!俺が体験した話だ!」

姫神「主旨的にはアリです。続いてください」

上条「――で、俺の知り合いが記憶を失ったときの話なんだが」

姫神「おい貴様。嘘よくないとか言ってときながらデッカイのやってるよな?」

土御門「まーまー姫神!カミやんなりに特定できないような気遣いだにゃー!」

上条「まぁ本人はそんなに気にしてないっていうか、そもそも色々あって頑張った結果だし、カエル先生も俺んちまで車で送ってってくれたし」

土御門「いやそういう生々しい話はいいにゃー。笑える部分だけでいいにゃー」

吹寄「あれ?もしかしてガチな話?」

姫神「そんなわけがない。上条君は昔こんな感じだった。昔馴染みの私が言うのだから間違いない」

吹寄「そ、そうよね?ついこのあいだ転校してきたばかりの姫神さんに言われるのは説得力皆無だけど!」

上条「まぁなんやかんやあって知人は家へ帰ったんだ。なんつーかフツーのアパートでさ?記憶はないんだが、懐かしいっていうか?」

青ピ「あー、部屋の感じとかやんね?実家帰ったときとかの」

上条「そうそれ!」

姫神「(そうなの?)」

土御門「(気のせいだにゃー。カミやんちは禁書目録が盛大にぶっぱしたし、大部分は取り替えてんだぜぃ)」

上条「『やっぱり自分ちはいいな、なんだ、記憶がなくたってそんなに困らないじゃないか』ってその人は思ったんだそうだ」

吹寄「前向きなのはまぁ、いいことよね。もう少し反省しろやとか思わなくもないけども」

上条「一通りどこに何があるか探して、特に『俺だったらここだな』って場所にクッキー缶に入った雑誌があるのを確認した。『あぁ本当に帰って来たんだ』って」

姫神「なにを?」

土御門「男の習性みたいなもんだな!フレーメン反応みたいなもんだにゃー!」

上条「『まぁよし、明日から頑張るぞ』ってバスタブへ横になったとき――気づいたんだ。とても小さな違和感を」

青ピ「ちょいちょいヘビィな違和感があるんやけど……誤字とか言い間違え、やんね?なんや極貧を極めるような生活ちゃうよね?」

上条「入院中にも実は軽く、そうほんの軽くだけど疑念はあったたんだ……でも、それを深く考えちまうと悪い方悪い方に行くんじゃないか?そう思って考えるのをやめていた」

上条「……ほら、子供の頃さ?『悪い事ばっかり考えてたら、本当に悪い事になるんじゃないか?』とか考えたりしなかった?俺はあるんだけど」

姫神「ある。てゆうか私もあんまり考えない派」

吹寄「同じく。考えてもしょうがないこともあるしね」

上条「……でも俺は駄目だったんだよ!怖いっていうのもそうだし!確かめなきゃいけない!このまま逃げるだけじゃダメだって!」

青ピ「……何の話?」

上条「持ってたケータイを!『折りたたみケータイじゃなかったっけか?』とか微妙にこう現実が歪んでるような気がしなくもないけど、それはさておきアドレスを調べた!」

土御門「余計なことは、言うな?なっ?」

上条「メール履歴とも調べた!着信も!当時Lin○はなかったけどあったかもしれないからそこだって見た!」

姫神「ほら。土御門君が振るのがイクナイ」

土御門「普通の注意だぜぃ」

上条「けどな!……何度も!ケータイに残ってるありとあらゆるデータを見ても!なんだったら机やそこら辺にあったプリント探ししても!俺が見つけたいものは出て来なかった!」

上条「俺は運命を呪った!記憶を失ったのに、そこへ更に神は試練を与えるのかと神をも呪った!」

姫神「何か微妙に脱線してるっぽいけど。聞かせてほしい。その知人さんは一体どうしてそこまで慟哭しているのかを」

上条「………………なかったんだ」

吹寄「なかった?なにが?」

上条「『――俺、高校生になってんのにカノジョもいなかったのか!?』って……ッ!!!」

姫神「悲しすぎる。ほんのりとじゃなくて普通に聞いていて悲しい」

上条「何となくそうじゃないかって気はしてたんだよ!『あれ俺入院してんのに、カノジョ以前に誰一人として見舞いに来ねぇしLin○すら回ってこねぇな?』って時点で!」

吹寄「回答出てるじゃないその時点で」

上条「まっ!その直後にケータイ自体がぶっ壊れたからな!無事証拠隠滅は叶った訳だが!」

青ピ「ええの?バステは例えはステータス閲覧せぇへんでもバステ解除されへんのよ?」

吹寄「あと流石にクラスメイトが入院してたら見舞いに行くわよ。黙ってた方が悪いわ」

上条「痛いだろ!?『入院中なう』とか回ってきたら見舞いに来るように圧力かけてんのと同じだろうが!?」

姫神「程度のよるとは言っておく。もしくは『あぁ迷惑動画撮りに行ったのかな』とか」

上条「――これが俺のほんのりと怖くない話だ!どうだ!怖くなかっただろ?」

吹寄「ある意味怖くない?どの話もそうっちゃそうだけども、ある意味怖いわよね?」



――

上条「怪談あるある――『聞き手のリアクションが悪いと”実は今も……”』と盛る……ッ!」

土御門「素人さんあるあるだにゃー。『これどう考えても嘘だにゃー』って引いてんのに、更に盛ってドン引きする感じのやつ」

青ピ「気持ちは分かる、分かるんやけど引き際も大切だっちゅー話やんな」

吹寄「ねぇ順番は?私が語るんじゃないの?」

姫神「吹寄さんが自信ないときには上条君が頑張るって決意表明。私はそんな吹寄さんを応援している」

上条「おや?どっかからチンピラのカノジョの気配が……?」

土御門「デカビ○のパケに描いてあるひとだにゃー。『もうそろそろ……うん、いっかな』的な空気読めっちゅー話だにゃー」
 
吹寄「黙りなさい、なっ?……えーとそれで私の話なんだけど……みんなユーズドって気にしない方?する方?」

上条「ゆーずど?」

土御門「中古品の事にゃー。大体家具とか車には使うんだんだけど」

青ピ「個人オークションサイトが乱立しとぉし、一周回って定着してもぉた感じやんな」

姫神「基本的にはあんまり。ブックオ○ぐらいだったら。まぁ?」

土御門「古着はちょっと嫌だにゃー。マンガとかだったらよゆーよゆー」

青ピ「ビンテージもんは全部古着やんよ!まぁボクは着ぃひんへんど!」

上条「俺もマンガはありで雑貨は微妙。ホットサンドメーカーとノンフライヤーほしいが、食品関係は何かこう、心理的に戸惑うわ」

吹寄「まぁ中古品しかないんだったら何が何でもだけど、そうじゃなかったら迷うわよね」

土御門「だにゃー。昔だったら即買ってたのに、今は電子書籍の方が画質も保存性も上にだにゃー」

上条「でもさ、マンガとかだったらそうだけど、大っきな買い物するときは新品と中古の差額が大きくなるから迷わね?カメラとかキャンプ用品とか」

姫神「それもわかる。使いもしない一眼レフ。サイト覗いて比較するときが凄く楽しい」

吹寄「そうよねっ!何か肯定的なレビュー少なくて話し出すのが不安になったけど!分かってくれて嬉しいわ!」

上条「吹寄はユーズドアリ派?」

吹寄「やっぱりモノによるわよねぇ。古着とかはちょっと遠慮したい感じで、雑貨ならまぁまぁ?」

吹寄「……ただねー。私の好きな通販って流行り廃りが激しいのよ、分からないと思うけど」

青ピ「いやいや、そんぐらい分かりますわ。○グループの社長を見ぃひん日はないぐらい、毎日どっかで新商品出てますやん?」

吹寄「そうよ、そして――その裏には『飽きたから、イラネ』でオークションへ放流される哀れな子たちがどれだけいるのか……!!!」

上条「お?風向きが怪しくなってきたぞ?」

姫神「心配ない。吹寄さんは私がどれだけボケようとも。最後は全て持っていってしまう天然」

吹寄「心外極まりない評価よね!私は普通だから!」

青ピ「まぁまぁ吹寄、そんで通販の中古がどうしたん?」

吹寄「気づいたのよ――最近式の通販器具じゃなくても!ほんの少しだけ我慢すれば、値段も効果も変らない中古がお安く買えるじゃないって!」

姫  神「天才の所業。少し待てば他の通販マニアもレビューするからハズレはまず掴まない」

青ピ「知っとるわー。それ多分ボクでも気づくレベルの話やわー」

土御門「それすっと通販業者じゃなくてリサイクルショップにマージン取られっから、あんま経済的には良くないんだゃー」

上条「てか前から気になってんだけど。吹寄ってこうフィットネスマシンとか買うじゃん?たまに画像回ってくるが」

吹寄「どれもウチの可愛い子よ」

上条「フィットネス器具、一個あったらそれ以上増やす必要なくね?」

吹寄「どれもウチの可愛い子よ!」

土御門「あー、カミやんあれだにゃー。俺らが『ジ○だけ買えば陸戦型ジ○はいらないでしょ?』って言われてんのと同じだ」

上条「俺が全面的に悪かった!ゴメンナサイねっ!」

吹寄「分かってくれてありがとう!生産ロットによっても微妙に違うのよね!」

青ピ「ぶっちゃけ男子の魂と一緒にするんはどうかなって思うんやけど……」

姫神「どっちも非常に非生産的なお話です。ありがとうございました」

吹寄「それでまぁ中古でも欲しい物はゲットするようになったのよ。返品は難しいけど、他の人の使用感とか分かるしね」

吹寄「――で、気にならない?『本場の通販ってどうなんだろう?』って……ッ!!!」

上条「なんねぇよ。素に戻ってツッコむけど、この学校でも二人ぐらいだよ。何となく小萌先生も好きそうなイメージあるが」

姫神「元同居人は語る。深夜に帰宅してビール缶煽りながらテレビショッピングにツッコんでた」

青ピ「オッサンですやん」

吹寄「いやまぁ大して引っ張る話でもないしぶっちゃければ、海外で売ってる人から買ってみたのよ。なんか安かったしね」

上条「マジで?送料っつーか輸送代メッチャかかるんじゃね?」

吹寄「説明書きには『輸入代理店』って書いてあったわ。お金だけ取られていなくなりそうだし、そこはちゃんと事前に調べたわよ」

上条「そこまでして海外の通販に拘る意味が分からん」

吹寄「安い上に日本のモデルよりも半年以上先に手に入るの……ッ!!!」

姫神「ダイエット器具?」

吹寄「そうよ!これさえあれば!次こそはきっと私もスリムな体型に!」

青ピ「いや無理ですやん。吹寄の場合、全栄養がチチ行っとぉ――そげぶっ!?」 バスッ

吹寄「黙りなさいこの変質者!良い事なんて皆無だわ!どれだけ私が着たい服着れないでいることか!」

姫神「一回言ってみたい。ねっ?」

上条「残念姫神。俺たちは巨乳になりたいって願望はないんだ。一部のレアケースを除いては」

吹寄「それでまぁこれが……画像見た方が早いか、このエクササイズ器具を買ったのよ」

上条「パイプだけの衣装ケースみたいな感じだな。どうやって使うんだ?」

吹寄「こう、組み立ててからぶら下がると」

上条「ただのぶら下がり健康器じゃねぇのそれ!?最新でもなんでもねぇし、そもそも器具必要かそれ!?」

吹寄「これには持ち運びできるっていう利点があるのよ!斬新でしょ!?」

土御門「『公園行けや』ってツッコミは無粋だからしないんだにゃー」

吹寄「本当に凄いのに……あぁそれでね、まぁ買ったのはいいし実際に使ってみても良かったのよね。他のぶら下がり健康器と遜色ない効果っていうか」

上条「やっぱりさっきの例えに異議があるんですけど。ジ○に謝れ!みんな性能は違うんだい!」

吹寄「やかましいぞ上条。で、これは一昨日の話なんだけど――『カサ』って音がしたのよ。ぶら下がってたら」

姫神「個人的にGの話はやめてほしい」

吹寄「あぁいや違うわ。もっとこう落ち葉?ビニールとかでもなく、紙っぽいのがクシャってなる系の音っていうか」

吹寄「初めは、ね。うん初めは『隣の子が帰ってきたのかな?』って気にもしなかったんだけど……するのよ、やっぱり。『カサ』って音が」

吹寄「その度にぶら下がるのをやめて、音の出所を探すんだけど……ない訳。ちょっと気味悪いわよね?」

姫神「除霊はどの業者に?上条君の知り合いに何人か」

上条「えーっと除霊コース内容はですね、『牛丼爆盛り五個でローマ正教のシスターさんによる除霊セット』、『にゃーにゃー言ってる元神童の気休めセット』、そして『ヤク×っぽいオッサンの無料コース』がありますね」

吹寄「いやそう言う話じゃないから!?あとなにその胡散臭さしかないコースは!?」

土御門「ってことは特定したのかにゃー?」

吹寄「うん、そのぶら下がり健康器具の中だったわ」

上条「中?なんでまたそんなところから音してんだよ?」

吹寄「正しくはパイプの中ね。前の持ち主の人が入れてたみたい」

上条「……何を?」

吹寄「んー、よく分からなかったわ。何かジップロッ○に入ってたし、勝手に開けるのも気持ち悪いし」

土御門「もっと具体的に」

吹寄「な、なんで?私の話はここで終わりなんだけど。『変な通販はやめましょうね』ってだけで」

姫神「いいから。続けて」

吹寄「……ビニールに包まれた黒いハッパっぽいの?包まれてるのに接着剤っぽい匂いがしたのよね」

上条「ちなみに、その健康器具と中身は……?」

吹寄「家よ。あ、でも見せられないわよ?」

土御門「なんでですたい?」

吹寄「今晩ね、カスタマーサービスの人が交換しに来てくれるん――」

上条「『――あーもしもしアリサ?唐突で悪いんだけど、事務所の人で手ぇ開いてる人いる?うん、超速で』」 ピッ

上条「『闇咲は……ジャンル違うんだわ。頼めば首突っ込んでくれると思うけど、単純な暴力が――そうそう、特殊な警備会社の方の』」

吹寄「え、なに?どうしたのよ?」

土御門「青ピ、ダッシュで黄泉川先生かゴリラ呼んでくるんだにゃー。用件はなんでもいいにゃー」

青ピ「いえっさー!お前も気ぃ抜きんときぃや!」

吹寄「いや、だから説明を」

土御門「あー、アレだにゃー。吹寄は海外の空港で『すいません、もし良かったらなんですけど日本まで私の荷物を運んでくれませんか?』って言われたらどうするんだぜぃ?」

吹寄「なんでよ」

土御門「相手は超困ってそうで悪い人には見えないんだにゃー」

吹寄「いやでもそれって普通の人騙して違法薬物を運ばれるんじゃなかった?何年か前に啓発動画見たわ」

土御門「うん、そうだにゃー。そして似たようなことやってるアホがいるんだにゃー」

吹寄「空港で荷物のすり替えでもしてるの?」

土御門「そういうのもあんだけど、国内へ持ち込むとき適当なブツに紛れ込ますんだにゃー」

土御門「ワックスん中に入れたり溶かして熱帯魚用の水にしたり、中には建材に埋めたりとアホみたいなイタチごっこしてるにゃー」

吹寄「もっとその労力を別の所に使いなさいよ」

土御門「全く以て仰る通りなんだけどにゃー。問題なのはその手口の中に、通販に紛れ込ませるっちゅー手があって」

吹寄「……え」

土御門「『業者ですよ、輸入代行ですよ』とかいって大量に仕入れるんだにゃー。んでその中にはランダムで違法なアレコレを仕込むと」

土御門「同時に普通に商売してるから、一般人に普通に売ってるってポーズを取る必要があって、一見フツーの会社に見えるんだにゃー」

吹寄「…………じゃ、まさか……?」

土御門「おめでとう吹寄!アホどもが回収し忘れた『アタリ』引いちまったな!」

吹寄「嘘でしょ――い、いや信じないわよ!」

上条「『――あ、回収した?終わり?あとそっちで……あぁすいません、今回は借り一でお願いします。失礼しまーす』」 ピッ

吹寄「貴様からも言ってやってくれ!」

上条「ごめん吹寄、ケータイ貸してくれる?緊急で」

吹寄「ん、いい、けど。なんで?」

上条「いやもう来たっていうから。あ、借りるな」 ガラガラッ

吹寄「おい窓開けて人のケータイどうするつもり」

多脚戦車『――はい、お借りしますね』 ブゥン

吹寄「攻殻機動○!?」

上条「すいません、お願いします」

多脚戦車『あぁいえ気になさらず。弊社の社員とも間接的なお友達ですし、自分も思うところがありますので――では』 ブブゥンッ

吹寄「何が起きてんのよ!?光学迷彩ってまともな――」

黄泉川「――どうしたんじゃんお前ら!緊急って何の話じゃん!」

吹寄「いやあの、私も何が何だか」

上条「先生それが、吹寄のマンションで火事があったらしくてですね」

吹寄「……え?」

黄泉川「そうなんじゃん?」

上条「マジです。ほらネットニュースで」

吹寄「あ、なんで……?」

黄泉川「大変じゃん!ちょっと待ってるじゃんよ、今晩泊まるところどうするじゃんよ!?」

吹寄「あ、いえまだ決めては。っていうかこれドッキリ」

黄泉川「あ、じゃあウチ来るじゃんよ!白いのがどっか行ったし丁度いいじゃん!なっ?」

吹寄「は、はい……?」

黄泉川「じゃあちょっと待ってるじゃん!今帰る支度するからここで待ってるじゃんね!」 ダッ

吹寄「な、なんで……?」

上条「どうだった?」

青ピ「そりゃもう二つ返事でオーケーやったわ。流石はこの高校のママンの名は伊達やないで!」

吹寄「てゆうかケータイ、は?」

上条「吹寄何言ってんだ?お前家に忘れてきたって言ってただろ、なぁ?」

土御門「だにゃー。そう言ってたぜぃ」

青ピ「やんね。フキヨセー、あなた疲れてるんやー」

吹寄「……よく分からないけど、大丈夫なのね?」

上条「ちょっと何言ってるのか分からないけど、火事はボヤで被害は窓ガラス割れるぐらいだし、ケータイも自宅で見つかるんじゃね?」

吹寄「――ありがとう!考えると怖いから考えないことにするわね!」

上条「そうだ!大体世の中の事なんてそれでいいと思うぜ!」

姫神「――以上。『第一回ほんのりと怖くない話』は吹寄さんの反則負けと言うことで。決まり手は『ちょっと怖い』」

吹寄「何でよ!?男子の手慣れた感が怖いわ!?」


-終-
(※吹寄さん→黄泉川先生のところで一日お泊まり)
(※吹寄さんのアパートでボヤ騒ぎ。件の健康器具だけが消える)
(※学園都市郊外で業者のトラックが事故で大破しているのが発見される)
(※翌日戻って来たケータイは何故か新しくなっている)
(※絹旗監督のサンドバッグがおニューになる)

inserted by FC2 system