鳴護「突貫ヒーローショー！明日のヒーローは君だ！」
――オービッド・ポータル芸能警備会社 事務所
鳴護「――おはようございまーす……？お疲れさまでーす……？」
マネージャー「あ、お疲れさまですARISAさん。先日のドッキリライブは一部のファンから大反響を頂きまして」
鳴護「まぁ前代未聞ですからね！ドッキリと思わせておいて実はホンモノだった訳ですからねっ！」
マネージャー「大泉○さんに比べれば、まぁ大丈夫ではないでしょうか。ローカルタレント時代に海外ドッキリでブンブンの旅をですね」
鳴護「てゆうかライブ翌日に気づいたんですけど、練習した『ご本人登場ドッキリ』って意味無くないですか？あたしは登場する側であって驚かせる側に回るってないですよね？」
マネージャー「――と、そんなARISAさんにスペシャルなゲストの方がいらしています！」
鳴護「あ、知ってます。当麻君かレッサーちゃんか最愛ちゃんの三択ですよね」
マネージャー「全くドッキリ特訓が反映されてないようで何よりです。リアクションマン一号さんの手前、何も言えなかったのですが、あまりオーバーアクションもまた引きますからね」
鳴護「当麻君のお仕事全否定ですよね？リアクション芸人の方の存在価値を失わせるような真似を……」
マネージャー「上条さんの持ちネタ『エア熱々おでん一気食い』、観客の皆さんドン引きでしたからね。なんでARISAさんのライブでそんなもん見せられるのかと」
鳴護「楽屋に立てこもったあたしの時間稼ぎではありますけどね。法的手段に訴えないだけマシだと思いませんか？」
マネージャー「キンタの大冒○（全年齢版）をレッサーさんが歌わなかったらどうなっていたことか……！」
鳴護「『あ、これあたしが出ていなかったら年齢制限あり版を歌うつもりだな』って脅迫でしたからね。そろそろ気づいて下さいマネージャーさん、あの子は手段のためだったら目的を選びません」
？？？『キン○マースカッツ！キン○マースカッツ！キン○・マース・カッツ！』
鳴護「ほーらこんな感じに。ネタ振ったら即ボケるってもうなんかおかしいですよね？」
マネージャー「社内なので歌はちょっと遠慮して頂きたいのですが。お呼びしても宜しいでしょうか？」
鳴護「どうぞどうぞ。嫌だって言っても吶喊してくれるでしょうし」
ﾊﾞﾀﾝｯ!!!
レッサー「『――スーパーマ○が実はバイセクシャル（どっちも行く）で日系男性と恋人だったんですよ……ッ！！！』」
（※マジです。現時点で最新設定）
鳴護「またなんかコメントしづらいネタぶっ込んできたよね！？あぁまぁフリーダムなのはいいことだけど！フリーダム過ぎるし過去はなんだったのかなってね！整合性って意味で！」
レッサー「アメリカさんでは『コミックス倫理規定委員会』ってのが戦後に発足しましてね。犯罪を助長するようなタイトルや狼男に吸血鬼にグールにゾンビなど”不道徳”な内容は流通に乗らなかったんですよ」
レッサー「その中に同性愛や黒人が主人公も含まれていまして、長らくDCやマーベルなど主要出版社では登場させられませんでした――が！」
レッサー「この規制、つー自主的な検閲団体？そいつがが撤廃されたっていいますか、有名無実化したのは精々ここ30年であり『お前らの方が規制してたんじゃんwwwwwwww』って超草生えますな！」
（※実話です）
鳴護「えっと、あの……コメントに困るからそのぐらいで勘弁してもらっていいかな？あたしにも立場ってものがあるんだよ、具体的には炎上したくないっていうかね？分かるよね？」
レッサー「という訳で呼ばれて飛び出てレッサーちゃんですが何かご不満でもっ！？」
鳴護「いっぱいあるかな。先週のライブドッキリがドッキリじゃなかった件についてとかについて」
レッサー「過去は振り返らない！それこそがイギリス紳士の嗜みですな！」
鳴護「あ、そう？じゃあ頑張ってね、あたしはこれからバイトの掛け持ちが――やめて離して！？男の人呼びますよ！？」 ｶﾞｼｯ
レッサー「まぁまぁ話だけでも聞きましょうや、ねぇ？あなたのファンサイトが荒されたくなければ、ですけど？」
鳴護「ねぇ大丈夫かなレッサーちゃんの悪キャラ化が進んでるけど、そろそろ怒られないかな？」
レッサー「あなたも国際指名手配にしてあげましょうか！？」
鳴護「すいませんマネージャーさん、サイコロ持っていませんか？そろそろSAN値チェックをしたいんです。サイコロ振れないぐらい下がってるかもですが」
マネージャー「ARISAさんもすっかり普通の女の子のように……成長しましたね」
鳴護「あなたがあたしの何を知ってるって言うんですか？マネージャーさん改めクロウ9さん、別名元誘拐犯その二さん」
マネージャー「すいませんね話が脱線してしまいまして。えぇと改めてましてご紹介致します、こちらが今回の企画のアドバイザーの方となります」
レッサー「こんにちわ、マイク＝デービスです！初めまして！」
鳴護「今更！？ここまで喋ってるのに偽名！？」
マネージャー「それでですね、次のお仕事はこうジャンルでいえばエンターテイナーであり、広義でいえばアクターとなるのですが」
鳴護「騙す気まんんまですよね？大人が回り道するときはほぼ必ず直では言えないんで言葉濁してるだけですよね？」
レッサー「アリサさん歌のお姉さんってご存じで？何かこう着ぐるみと一緒に歌ったり踊ったりするお仕事の方ですが」
鳴護「あー、よく見てたよー。年少さん達と一緒に」
レッサー「私も好きなんですよ。じゃじゃま○ピッコ○大王ぽろ○」
鳴護「大王はいなかったかな。あとそれは大昔のゆるキャラであって今は別の人になってるよ」
レッサー「まぁそんな感じのお仕事ですよ！さぁ私を信じて下さい！あなたが信じた私の事を！」
鳴護「『絶対になんかやらかすな』って意味では信じてるよ？涙子ちゃんがカラオケでマイク持ったときにようにね？」
レッサー「それでですね、その人選を今からオーディションで」
鳴護「待ってだから話を聞いて？はっきり仕事内容を言えないってことはそれだけの理由があるんだよね？違う？」
レッサー「いえいえそんなことは全くありませんとも！この私の目が黒い内にはね！」
鳴護「青いよね？今一応確認したけど黒くはなかったよね？」
レッサー「……くっ！散々騙されたせいで疑い深くなっていますね……ッ！」
鳴護「タヌキさんに大量の薪を背負わせておきながら、『罠じゃないですよ！カチカチ山ですよ！』っていうのと同じだと思う」
レッサー「あーっと、じゃあショーです！ショー！」
鳴護「舞台、ですか？ならちょっと――」
鳴護「……」
鳴護「――さっき着ぐるみがどうのって言ってたよね？ゆるキャラと一緒に出るショーって一体……」
レッサー「ぶっちゃけヒーローショーです！」
鳴護「アイドル部分ですらカスってないな！？こう、まだ歌を歌う部分とかあるんだったら自分を騙せるんだけど！」
鳴護「てかゆるキャラでもないよね！？歌のお姉さんが共演するような可愛い着ぐるみ登場しないしさ！？」
マネージャー「ヒーローショーのお仕事を頂いた、といいますか、まぁその、奪った？的な？」
鳴護「なんでそんな疑問形なんですか。何か裏のお仕事のアレですか」
マネージャー「シャットアウラ社長がですね、どういうコネかデパートの催事場のヒーローショーを受注してしまいまして」
鳴護「へー、お姉ちゃんがですか？珍しいですね−」
マネージャー「有志をこっそり募って強行しようとしたのがバレまして」
鳴護「なんて？」
マネージャー「したかったらしいんですよ、ヒーロー。悪い敵をやっつけろ的な」
鳴護「あー………………姉が多大なご迷惑を」
マネージャー「いえ、アホが引き受けた仕事をなんとかこなして頂ければ文句はありません」
鳴護「ま、まぁしますけど！でも待ってください！演目っていうかヒーローはどなたを予定しているんですか？」
マネージャー「未定です」
鳴護「……はい？」
マネージャー「社長はオリキャラが無双するのを予定していたらしく、どの版権元からも許諾を取っていません」
鳴護「つまり、我々はどうすれば……？」
マネージャー「ゼロベースでお願いします」
鳴護「それ全部設定から何からこっちでやれってことですよねぇ！？」
マネージャー「えぇ、ですのでそのためにプロを」
レッサー「プっロでーす☆自称でーす☆」
鳴護「失敗する予感しかしないなこれ！」
――オーディション会場
レッサー『はい、っていう訳で始まりましたヒーローショープレゼン大会！まさか私が司会に抜擢されるとは！』
鳴護「色々とおかしくないかな？普通こういうのって偉い人が枠組み決めてから、それに沿った演者さんを決めるんだよね？」
鳴護「まず家を建てるのに設定から何から人任せってそんなのある？ないよね？もう文化祭のノリだよね？」
レッサー『いいですかアリサさん？あなたが思っている以上に世間はしょーもない真実が溢れているものです、えぇもうそりゃ本当に』
レッサー『そうですね、スペインの女性作家で「カルメン＝モラ」という方がいまして。スリラー小説で高い評価を得ていた方なんですが』
鳴護「ねぇそれ聞かないとダメかな？あたしこれ以上世界の闇っていうか病みを知りたくないんだけど……」
レッサー『カルメン女子は顔出しNGで何本か書き、また雑誌のインタビューなどで私生活を語っておりました。そしてまぁ女流作家なのにエログロ描写がエグいことで有名でした』
レッサー『んで彼女はスペインの国王夫妻が主催するプラネタ賞を受賞しましてね。直接授賞式に出ないと超マズい状況へとなったのです』
鳴護「ペンネームで顔出しNGの人なんだったら、ビデオメッセージだけでもいいんじゃ？」
レッサー『同感ですけどまぁそれはお国柄ですなぁ。一応国家主催の賞ですし、まぁ何にせよカルメン女史は出席するハメになったのですが――』
レッサー『――なんと！先月の15日、授賞式の会場に現れたのはオッサンなのでした……ッ！！！』
（※実話です）
鳴護「えっ？……あぁ！心は女性の！」
レッサー『いいえ？知りませんけど多分ノーマルな癖（へき）のオッサンが、それも三人』
鳴護「多いね！？……弁護士さん？普通に考えれば旦那さんとか代理さんじゃないの？」
レッサー『どっちもノーです。答えは――実は！カルメン＝モラさんは非実在存在であり、テレビ脚本家の男性三人が共同で使っていたペンネームだったのです……ッ！！！』
（※実話です）
鳴護「設定が杜撰すぎるよ！そもそも女性名義で書く必要性が見当たらないよね！」
鳴護「あと仮にそうであったとしても代理人立てようよ！？女性を雇うとかなんだったら『一身上の都合で出席は……』みたいにボカしなよ！これ絶許案件じゃん！？」
レッサー『会場並びに国王夫妻は「ポカーン」状態だったらしいです！芸人としてはオイシイですよね！』
（※全部実話です。盛っていません）
鳴護「なんて言ったらいいのか……まぁ文学作品としては誰が書いても面白ければ、ってのは分からないでもないけど……うん、なんか、うんっ！」
レッサー『なんかこう反応に困りますよね。男性作家が実は超美女だった場合「おぉ……！」ってなるんでしょうけど、その真逆ですから』
レッサー『――と、いう感じで！この世界はアリサさんがお考えになっているよりもずっと斜め上なのですな！』
鳴護「滅ぶよね。あとちょっと見てみたいよその表彰式、当事者の三人から式の関係者まで全員が全員損をしたってことだよね」
レッサー『では改めまして”残念なプレゼン・ヒーローショーの明日はどっちだ！？”のレッツショータイッ！！！』
鳴護「そんな名前だったんだ。でも残念前提で話を進めるのはどうかなー？ざんねんないきものにも生きる権利はあるんだよー？」
レッサー『ほいではエントリーナンバー1ばーん！学園都市が生んだ悲しいモォンスタァァァァァァァァァァァァァー！』
鳴護「怒られるよ？そしてある意味全員がそうだよ？」
御坂「誰がモンスターよ。普通じゃない」
鳴護「美琴ちゃんが普通かどうかは議論が分かれるところだよね。『なんでだよ』って楽屋でツッコんでる人が少なくとも一人いるだろうけど」
御坂「えーとプレゼンだっけ？困ってるのよね？急な話で？」
鳴護「そうなんだよ、原因は身内なのが余計に困ってて。美琴ちゃんは助けてくれるの？」
御坂「べ、別に友達のためなんかじゃないのよっ！あたしの自己満足なんだからねっ！」
鳴護「美琴ちゃんは今日も可愛いよねぇ。当麻君がいつか差されればいいと思うよ」
レッサー『はいはいツンデレ乙ツンデレ乙。あざといツンはお腹いっぱいですんでちゃっちゃとアピールしてくださいな！ちゃっちゃとねぐぬぬぬぬぬぬぬっ！』
鳴護「ジェラシーが全く隠しきれてないね。あとこのプレゼンのシステムってどんな感じなのかな？裏でマネージャーさんが見てて点数つけてるとか？」
レッサー『あ、いえ特にそういうのはないです。面白そうだったら採用で』
鳴護「まぁ……ヒーローショーだしねー……」
レッサー『言い忘れましたが、あなたは司会進行のお姉さんですからね！自分が絡みやすい相手を選んでくださいな！』
鳴護「何気に責任重いな！？興行主さんに迷惑がかからないといいよねっ！」
御坂「あたしが推すのは『超獣戦隊ゲコレンジャー』です！」
鳴護「ごめんごめん、それ一回やった。あ、一回じゃないな。なんか変に楽しかったから短期連載してた」
御坂「待ってよ！？きちんと裏設定まで作ってきたんだから聞くだけは聞いてもらわないと！」
鳴護「もう自分で結成した方が早いんじゃないかな？ティーンエイジのミュータントなタートルさん達のように」
御坂「でもヒーローショーでしょ？ヒーローってことはゲコ太ってことじゃない？」
鳴護「ちょっと何言ってるのか分からないかな」
御坂「まぁまぁだから聞くだけ聞きなさいよ。現代の病巣をも取り扱ったエンタメに仕上がってるんだから」
鳴護「大抵コケるよね？主義主張が前面だけじゃなく全面に展開されて台無しにするパターンだよね？」
絹旗「超嫌いじゃないです。大コケしてから何年も何年も後ろ指刺されるまでが本番かと」
鳴護「今誰かいたな！？なんか懐かしいけどカマボコの臭いがするよ！」
（※お高いカマボコの原料＝サメ）
御坂「舞台は現代、能力者開発が一般的になって多様な犯罪が増えるのよ。既存の警察では対応しきれなくなって、民間の治安維持組織が活躍するような」
鳴護「あー……大御所のSFにある設定だねー。定番だけに面白い」
御坂「それで民間だから他よりも視線っていうか、一般人の認識が悪いの。こう『民間人のくせに！』みたいな？」
鳴護「警備会社だからね。スポンサー優先なんだろうけど」
御坂「そこで！ゲコ太型のパワードスーツを作るのよ！見た目も可愛いから、市民への安心させる効果もあるわ！」
鳴護「まぁ、辻褄は合うかな」
御坂「でも実際着たら汚れるじゃない？戦えば破損するじゃない？だからあたしが生身で粉砕するのよ！」
鳴護「あれ？急に辻褄が合わなくなって、あれ？」
レッサー『最終的にスーツ関係無いじゃないですかーやーだー』
鳴護「だよね！流されるところだったけどそうだよ生身だよ！」
御坂「まぁまぁ一号機ぱそうなんだけど、段々戦いとかもシビアになっていくの。敵が学習したりよく強い敵が出て来たり」
鳴護「なんでシリーズ化決めてんですか？ないよ？後はもうないよ？」
御坂「そうするとやっぱり一体じゃ足りないじゃない？だからゲコ太二号機が登場するのよ」
鳴護「シリーズ中盤でのキュ○戦士追加だね。白井さんが着て戦うんだ」
御坂「ううん？あたしが確保してから、あたしが倍戦うのよ？」
鳴護「ねぇ美琴ちゃん疲れてる？それとも憑かれてる？カエルのバケモノか何かに憑依されてない？大丈夫？」
闇咲「――カエルの怪異で最も有名なものと言えば、石川五右衛門の騎乗しているガマといえる。だがそれは日本の話だ」
闇咲「中国では『嫦娥奔月（じょうがほんげつ）』という伝説があり、まぁ元々不老の存在であった天女が地上へ降りてその権能を剥奪される」
闇咲「それを憂いた嫦娥（じょうが）は夫の不老の薬を飲んで月へと逃げ込んだ」
闇咲「しかしその薬を飲むと不老にはなるものの、姿がカエルに変ってしまった、という伝説だな」
鳴護「帰ってください！その話は終わったんだから怪談おじさんは帰って！」
闇咲「ちなみにこの嫦娥という天女、針仕事をする女性に信仰され、織姫と同じ役割を持つ神でもあり」
闇咲「西遊記の中で猪八戒が言い寄って袖にされた相手でもある」
鳴護「レッサーちゃん、ほら出番だよ！あなたの暴力はこういうときのためにあるんだからねっ！」
レッサー『タイマンだったら微妙に負け越しそうな相手です。フロリスでも居れば負けはないでしょうが……』
御坂「月にカエル……？」
闇咲「月の模様がウサギに見えるようにカエルに見える地域もある。また月見の風習も一説には地上に残された嫦娥の夫が、彼女を偲んでいるとも言われている」
御坂「現代中国では考えつかないぐらいのファンシーさね……ッ！」
鳴護「あの、本当に収集がつかなくなるんでそのぐらいにして頂けると……」
御坂「まぁそんな訳でゲコレンジャー！ゲコレンジャーをよろしく！」
レッサー『以上、エントリー1番さんのプレゼンでしたー！』
鳴護「ちょっと待って？美琴ちゃんの冒頭の『友達のためなんかじゃない』って言ってたの、あれはただ事実だった……ッ！？」
――プレゼン会場
レッサー『どうですかーアリサさん！初っ端から濃い感じでしたね！』
鳴護「美琴ちゃんの思惑はともかく、ゲコ太君は子供と子供の心を忘れないレディに大人気なので、まぁアリだと思います」
レッサー『でもそれってファンシーキャラのショーになりません？クマのモンスター略してくまモ○さんとかの？」
鳴護「ポケモ○じゃないよ？響きは似てるし誤解してる人も多いけどモンスターの略ではない」
レッサー『そういえば昨年くまモ○さんのスタッフが新型コロナに罹患したら、何故かご本人が出て来なくなった時期がありましたね……！』
鳴護「中の人なんていないよ！ただ媒介するかも知れないから大事を取っただけだよ！」
レッサー『それでは続きましてーエェントリィー二番ーーーー！学園都市が生んだモンスターーーーーーーーっ！』
鳴護「呼び出しの文言変えよう？失礼なのもそうだけどそれ以前にモンスターしか言ってない」
絹旗「超どうも」
鳴護「やっぱり来てたんだね！さっきのは見間違いであってほしかったかな！」
絹旗「超心外ですよ。私はARISAさんのためを思ってダメサメ映画とこっくりさん映画を収集していたというのに！」
鳴護「あぁそれ忘れてくれなかったんだ……てっきりコックリさんはもうないもんだと思ってたのに」
絹旗「予想以上に資料を集めるのが超難航しています。多分来年中には形になるかと思います」
鳴護「なんで？カルト映画だから？」
絹旗「いえ、タイトルがただの”こっくり（コックリ）さん”なので、どれがどれだかの判別が超困難なだけです」
絹旗「そして映画のあらすじが『なんやかんやでこっくりさん試したら酷い目に遭った』ですので、熟読しないとどれがどれやら分からなくもあり」
鳴護「またしょーもない理由だね！そこまでして強行する必要はないんじゃないかな」
絹旗「まぁ多分いつかするのでお楽しみに――さて、今日はプレゼントいうことなので私も超一家言あります」
鳴護「あれ？ヒーローも好きなの？」
絹旗「何を仰いますか。子供向け映画には超多いじゃないですかヒーロー。流石の私もドラえも○やクレヨンしんちゃ○は見ませんが」
鳴護「何がどう違うのか分からない。まぁ、それで？」
絹旗「私が超提案するのは――『童話戦記アベンジャーズ・グリム』です……ッ！」
鳴護「あ、なんかちょっと面白そう」
絹旗「超主人公は不思議のアリス、白雪姫、赤ずきん人魚姫など童話世界の少女達です。現代風にアレンジします」
鳴護「その”現代風にアレンジ”っていうのが……うん、なんか恐怖なんだけど」
絹旗「まぁ色々あって世界を守るために、つーか童話世界がごっちゃにならないように力を合わせて戦ったり、逆に超反目したりをします」
鳴護「まずその超長そうな物語はヒーローショーぽくはないけど、まぁ、配役を絞ればできる、かな？」
絹旗「そしてその現代風アレンジですが、まず子供が戦うのは超いけません！悪影響があるんじゃないですか！」
鳴護「あー、まぁヒーローショーだからね。少女って年齢の子たちが戦うのはよくない、かも？」
絹旗「ですので演じる女優さんをほぼ全員30代まで引き上げましょうか！あぁ私の超感想でありあくまでも見た目はですが！」
（※実話です）
鳴護「少女の定義とは」
絹旗「そして服装も昔のペラい格好では超良くありません！現代風アレンジを加えてパンツスーツに革製品で超固めましょう！」
（※実話です）
鳴護「別人だよね？年格好が全然違うんだったら名前が同じだけの
絹旗「恐らく今の説明だけでは超分からないと思いますので、想像してみてください。ディズニ○がランドする浦安の遊園地あるじゃないですか」
鳴護「分からないっていうか、分かりたくないが正解だけど……」
絹旗「それであの耳がついたヘアバンドありますよね？小学生辺りがつけていれば微笑ましく、20代がつけていたら超おぞましいヤツ」
鳴護「それこそ自由だよ！？似合うか似合わないかはともかくね１」
絹旗「それを最初から最後まで装着した30代のオバハンがアリスだと言い張ってる感じです。超一言で言いますと視覚の暴力」
（※実話です）
鳴護「もうちょっと言葉選ぼうか？えっと、いくら脳内設定だからって言って良い事と悪い事がね？」
絹旗「そして超圧巻なのが戦闘シーン！敵味方全員が童話系存在で魔法が使えるはずなのに、手が出る足が出る赤ずきんは銃をぶっぱする！」
（※実話です。恐らく予算の都合）
鳴護「コンセプトはどこ行っちゃったの？せめて、そうせめて童話なんだから魔法を使おうよ！」
絹旗「さぁどうですか童話ヒロイン達の闘いは！？値を右採用間違いなしでしょうね！」
鳴護「美琴ちゃんに引き続いて憑かれてるんだよキヌハター。どんだけ世界を盛れば気が済む……？」
鳴護「……ちょ、ちょっと待って？さっきからちょいちょい行間ボケの”実話です”が挟まるってことは――」
絹旗「――っていう映画が超あります」
（※マジであります）
鳴護「ほんとにあった怖い話！？あぁいや違うけど違くなくて映画の話！？コンセプトは真面目だったら意外と楽しく聞いていたのにね！？」
絹旗「映画をオマージュしたんですけどそれが超何か悪いとでも？ゲコ太君なんか実在してるじゃないですか」
鳴護「もっとタチ悪いな！まだ想像上の産物だった方が気が楽だよ！」
絹旗「ちなみに余談ですが、今の作品はシリーズ第二作目で一作目は超そこそこ面白いです。超そこそこですが」
鳴護「そういうとこだよ？あえてダメな方ダメな方へと突き進むところだよ？」
絹旗「そして！この映画を作った会社の代表作が『シャークネー○』……ッ！！！」
（※サメ＋トルネードで変に売れて続編が作られまくった。東京ロケも敢行してる）
鳴護「助けて当麻君！？サメが！サメの呪いがあたし達を追いかけてくるよ！？」
――プレゼン会場
鳴護「……」
レッサー『えぇとその、大丈夫ですか？思わず私が気ぃ遣うほど大変だったとしか』
鳴護「……カルメンさんの話もそうだけど、胃に来るんだよ……！重いからほら！消化不良に！」
鳴護「……そして最愛ちゃんの無慈悲な扱き下ろしっぷりを聞くと、『なんか懐かしいなぁ』と思うのはマズいだろうか……？」
レッサー『手元の資料によりますと、自粛中にも関わらずせっせとクソ映画を見まくってレパートリーを増やしたそうですな』
鳴護「その資料必要？プレゼンで何を目的としたら書くところがあるの？」
レッサー『最近のオススメは”クワイエット・プレイ○2”、「一作目がスマッシュヒットで続編作ったら全スポイルの超見本」とのことです』
鳴護「修行なのかな？あえて集中できない映画を見て呪力を高める練習でもしてるの？」
レッサー『――私は、道になりたい』 ｷﾘｯ
鳴護「なんかいい事言ってるけど、誰の台詞？」
レッサー『数年前にヤポンで見た警察24○で側溝の中へ入って逮捕されたオッサンです』
鳴護「あぁHENTAI的な意味でね！やっぱり何を言うかよりも誰が言うのかも大切だよねっ！」
レッサー『同じ「殺生ダメ！」もブッダが言うのとゾディアックキラーが言うのでは意味合いが違いますからねぇ――さて！では気を取り直して次のモンスターをお呼びしましょうか！』
鳴護「確変はしないのかな？永遠にリプレイが出続けるんだったら、それはそれで時間を捨てているのと同義だよね？」
レッサー『エェントォッリー三ばーん！日本が生んだモンスターーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ！』
鳴護「失礼だよ？」
闇咲「――闇咲だ」
鳴護「テンション上げません？非公開とはいえオーディションやってんですから、こうもっと声張りません？」
闇咲「『――お分かりいただけただろうか。では、もう一度……ッ！』」
鳴護「涙子ちゃんだわね？絶対にその台詞仕込んだの涙子ちゃんしかいないよね？」
絹旗「今は無きジョリー・ロジャ○のドギュメント式ビデオ映画のナレーションで、柳ユーレ○さんが超連呼するヤツです」
鳴護「あの、あなたは終わったんで戻ってもらえませんか？さも審査員のように隣に座られても……」
絹旗「あぁ超続けてください。こちらは気にせずに」
鳴護「レッサーちゃん出番だよ！モンスターな人をつまみ出すにはあなたの暴力が必要なの！」
レッサー『おっと靴紐が！？』
鳴護「クロック○なのに？なんか宝石過多なパチモン履いてるのに？」
レッサー『いやこれは正式なメーカー品です。アクセサリーメーカーを買収して作ったものでありまして』
鳴護「いや知らないけど」
レッサー『なおクロック○の社長は公共プールでそのアクセサリー会社の娘（7歳）へ名刺を渡し』
レッサー『「僕に電話するようママに頼んでね」（ﾆﾁｬｱ）」と言ったんだそうで……！』
（※実話です）
鳴護「おまわりさん案件だよね？これで電話するとしても治安当局の方じゃないかな？」
絹旗「その話の超キモは『プールで七歳児がつけていたアクセサリーに目をつけた』ですね」
鳴護「本当に帰ってくれないかな？あたしレッサーちゃんと大喜利の対処だけでいっぱいいっぱいなんだよね。今もそうだけど」
闇咲「続けても？」
鳴護「あぁすいませんね！どうぞどうぞ１」
闇咲「――『呪術戦隊ムハムドオ○』……ッ！！！」
鳴護「名前がペケ。パクるにしてもゲームの呪文ってあります？もっと分かりづらいところにしません？」
闇咲「嫌だろう？」
鳴護「確かにマハムドオ○嫌ですけども！耐性ない仲間がバタバタ死んで戦闘後に蘇生させるのまで含めて面倒ですけども！」
闇咲「実は――呪術がブームになっている聞いた」
鳴護「呪術が廻戦するのですね。あれも……流行ってるのかどうか、うん。キャラクターグッズ出まくってますけど、結構売れ残りワゴンにインしてる率が……」
闇咲「啓発も込めて裏の技術が表に出てくるようだな」
鳴護「まぁ名前は変えるとして……どんな内容なんですか？式神的な感じで？」
闇咲「式神は陰陽道の系譜だな」
鳴護「あっはい、すいません？」
闇咲「まずは修行を積む」
鳴護「主旨分かってますか？ヒーローショーだってあたしがさっきからずっとノド涸らして言ってますよね？」
闇咲「魔術を素人が使わないようにするためだが？」
鳴護「何かマズいんですか？『まじかるー☆』みたいにパパっと唱えられたりはしないんですか？」
闇咲「あぁまぁその手の類の呪術もあるにはあるんだが、ただ代償がな」
鳴護「えっと……？レッサーちゃんはホイホイ使っているような？」
レッサー『私が使っているのは主に霊装ですな。言い方は悪いですが、使い手にカスタマイズされたもんなんで多少の心得と条件を満たせば使えます』
レッサー『しかしこの方は最初から全部ゼロから作れと……あー、百円ライターを使える人は多いですが、材料を渡されて「さぁ作れ！」って言ってる感じ？』
鳴護「無理ですよね？そもそも手作業で作れる人類っています？」
闇咲「難度が高いという意味でだ。よってそこら辺を全てスキップしてしまい安易に使うと大抵おかしくなる」
闇咲「例えば『次に振るサイコロ出目が分かる術式』があるとしよう。これが熟練の魔術師であれば的中率100%と価値も高い」
鳴護「そんなに有効ですかね？ギャンブル」
レッサー『カンタベリーで同じことを言ってみるといいんじゃ無いですかね。前よりも”遊び”がなくなった分だけ、苛烈に駈りまくってますよ』
闇咲「まぁそれが半々でも使えなくはない。10%ぐらいでもないよりはマシだが……それが素人が、どれだけ当たるのかも、いつ当たるのかも分からないのならばない方がマシだ」
絹旗「成程。本人は使いこなしてると超ぶっこいてしまっても、実はそれが逆に足引っ張るってことでしょうか」
鳴護「最愛ちゃんは黙ってて！」
闇咲「よってここはベテランがお互いに呪殺を仕掛けるという本場の凄みというものをだな」
鳴護「……どういう絵になります？」
闇咲「護摩行――儀式型の魔術で護摩を焚いてマントラを唱え呪詛を送り込む」
鳴護「あ、レッサーちゃんは正しかったんだね！人の話を聞いてないしそもそも主旨も理解してないし、本物のモンスターだったよ！ごめんねレッサーちゃん！」
絹旗「それはさておき、『最愛』ってドラマのCM流れる度に『呼びました？』って超なるんですけど」
鳴護「本当に自由だね！？場を収める訳でもなく自由にボケるってどうなのかな！？」
――プレゼン会場
鳴護「イロモノしか来てない……ッ！こんな中からどれ選んでも地獄……！」
レッサー『私も予想外のはしゃぎっぷりに引いてます。このままではゲコレンジャーが一番マシだったってことになりかねません』
鳴護「これでもう終わりなの？当麻君はスタンバってないの？」
レッサー『「百合戦隊シスターサン」という看板を作っておられたんですけど、控え室で御坂さんが天中を加えまして』
鳴護「あ、うん、じゃあいいです。真面目にする気がないって事だから」
レッサー『ですのでラス一に急遽出たいという方が』
鳴護「飛び入りかな？まぁ聞くだけ……聞いてみようかな」
絹旗「超どうもです。さっきぶりですね」
鳴護「ずっと同じ部屋にいたのに！？あたしの隣で審査員っぽくお茶とお茶請けまでもらっておきながら！？」
絹旗「実はこのヒーローは私が墓まで持っていこうと思っていたのですが……足りないというのであれば！禁を超解く他ないですね！」
鳴護「もう嫌な予感しかしないのでいいです。バイト代はマネージャーさんが全負担するので帰って下さい」
絹旗「時にARISAさん、今年の流行語大賞はなんだと思います？まだ超選考の段階ですが」
鳴護「そうだねー、まぁ普通に考えればコロナ関係じゃないかなー？」
絹旗「ですね、私も『トロピカって○ー』が受賞確定だと超思います」
鳴護「ねぇ聞いて？なんでどいつもこいつも人の話を聞きに来たのに聞く気がないのかな？」
絹旗「超乗りませんと！この超ムーブメントに！」
鳴護「それ言いたかっただけだよね？あと『トロピカって○』ってね？」
絹旗「ですので今年の流行りは海！夏！これで超行きましょう！」
鳴護「昨日冬になったばかりなんだけどな……そしてプリキュ○も折り返し地点過ぎてからかなり経つけど」
絹旗「私を超信じて下さい！フェィスブッ○主導のVRぐらいはヒットすると思います！」
鳴護「人は何回過ちを繰り返すんだろう……？セカンドライ○って昔あったよね」
御坂「一応科学の方からツッコむけど、ハゲのPVでぬるぬる動いてたディーラー型ロボット、あれ一台リアルタイムで動かすのにハイスペックパソコン数台は連結処理させないと無理よ」
御坂「VRのクオリティ上げるには端末含めた初期投資が高騰するし、逆に抑えればショッボイ感じになるし」
御坂「まぁ成功すればやったもん勝ちなんだけど、今起きてる社会問題がより酷くなりそうな未来しか思い浮かばない……！」
鳴護「解説ありがとう。でも美琴ちゃんまで来たの？あたしの味方はどこにもいないのかな？」
絹旗「と、いう訳で――『海洋戦隊シャークマン』！超見参です……ッ！！！」
鳴護「待って？どっからツッコんだからいいのか分からないぐらい待とう？」
絹旗「はい？超なんですか？」
鳴護「前にね、合体ロボの方でサメ型ってのは何かで見たんだよ。でも全員がサメってのは……？」
絹旗「まずはシャークレッド！シャークマンリーダーで単細胞ですが超熱血漢！正義を愛し悪を憎むヒーローです！」
鳴護「うん、絹旗ちゃんが声張るときって大概碌でもないときなんだよね。経験上」
絹旗「そして彼は『シャーク・オン！』のかけ声と共にシャークマンへと超変身するのです！」
鳴護「なんでサメ縛り？舞台が陸上だったら活躍できなくない？」
絹旗「なお必殺技が『シャークネー○』で、サメを伴った竜巻を超呼び出し相手をズタズタにするという……ッ！」
鳴護「リソースの無駄遣いだよね？それ技打ち終わった後、大量のサメの死体が打ち上げられてピクピクするってことだよね？」
絹旗「続いてはシャークブルー！普段はクールなナイスガイですが、戦闘になるとその魂を燃やしてしばしばレッドよりも超危うくなります！」
鳴護「あ、これはアレかな？全然興味無いんだけど、聞いている間にちょっと楽しくなってくるやつかな？」
絹旗「必殺技は『ディープ・ブル○』」
鳴護「それはなんかちょっと格好いいね。どんな必殺技なの？」
絹旗「超生き残ると思っていたヒロインがサメに食われます」
鳴護「本当の意味での必殺技！？正義のヒーローが技使ったらヒロインさん死んじゃうの！？」
絹旗「そして三番目はシャークイエロー！えっと……カレーが好き？多分好きなんじゃないですかね、きっと」
鳴護「もっと興味持とう？仮とはいえ自分の創作物なんだから責任持とうよ？」
絹旗「必殺技は『サンド・シャー○』。何かこう砂浜からサメが現れて喰い殺します」
鳴護「さっきからサメによる事故死が続いてるけど、飽きないかな？子供たち、『えっ？またサメ？』ってならない？」
絹旗「んでもって紅一点はシャークピンク！恋に恋する超乙女です！」
鳴護「てかさっきからキャラ設定が、昭和」
絹旗「必殺技は『ホーガ○の娘』。殺されず最後まで生き残り、海中のサメ相手に互角以上の戦いを見せます」
鳴護「サメ縛りから脱出できたのはいいけども！あたしがいいたかったのはそういうことじゃあなくてね！？」
絹旗「最後はニヒルな味方シャークブラック！なんか黒いです」
鳴護「緩急ありすぎじゃない？レッドとブルーのあとは明らかに飽きてきてるよね？」
絹旗「必殺技は『シャーク・ハウ○』。オススメされたので見てみたら超結構面白かったです。ありがとうございました」
鳴護「掲示板使いなよ！？ここでお礼言ってもな！」
絹旗「そしてヒーローがピンチになり！敵が巨大化しようものならば！全員がサメ合体してフィフスヘッドシャー○となって敵を超噛み砕くという……ッ！！！」
鳴護「ここだけじゃないかな？世界は広いし電子の海は広大だけど、サメでここまで盛り上がるのってここだけじゃない？違う？」
御坂「いいや違うわ！サメにこれだけバリエーションを持たせるだなんて凄いじゃない！」
鳴護「バ×だからだよ？制作会社が『まぁサメ作っとけ！』みたいにノリだからで、特に深くは何も考えていないよ？」
絹旗「なおこれは余談なのですが……」
鳴護「が？」
絹旗「前に扱き下ろした『犬鳴○』、ゲーム版が据え置き機で超出るのが決定しまして」
鳴護「本当に余談だな！？大して興味も無いよ！？」
――
レッサー「『――ここまでのあらすじ！』」
レッサー「『トラックに撥ねられお掃除ロボに衝突した祭、またま居合わせたミョル子さんにベッドバッドを喰らって死んだ鳴護アリサさん！』」
レッサー「『しかし実はそれが神様の手違いだったと分かりさぁ大変！変えるべき肉体はマリアンが美味しく頂いたあとだったとさ！』」
レッサー「『見かねた神様が異世界転生させたものの、なんとその世界でアリサさんに課せられた役割とは――』」
レッサー「『悪の組織として転生者にさすおに要因！ぶっちゃけかませ犬だったのですな……ッ！！！』」
鳴護「全部違う。一言一句かすってすらいない」
レッサー「『先生質問です！どうして異世界の暗殺組織は可愛い女子ばかりなんでしょうかっ！？』」
鳴護「それはね、手っ取り早いハーレム要因たがらだよ。洗脳を解いた後に『やだ……ステキ！』みたいな」
レッサー「『先生質問です！どうして異世界の賢者は賢いはずなのに対人スキル皆無のコミュ障なんですかねっ！？』」
鳴護「それもね、手っ取り早いハーレム要因だからだよ。間に入って『やだ、ステキ……！』みたいな」
レッサー「『先生質問です！どうして異世界のどこの国もお姫様はバードや歌姫になって冒険者をしているのですかっ！？』」
鳴護「それはきっとね、現代でもそうだけど世界各国で人余りが増えているからかな」
レッサー「城外や国外の人間に頼る時点で詰んでますよね？」
鳴護「うん、あのね、それは別にいいんだけど始めていいかな？前回あまりのグダっぷりであたし達は予想以上に追い詰められているから」
レッサー「そうでしたねっ！まさか突如出てきたモブと将棋やったあとに、突然『完』とか新手のギャグかと思いましたもんね！」
鳴護「だからそれ誰が分かるネタなの？色々まさかとは思ったけど、全ての伏線をぶん投げてヒロイン確定すらままならず終わったアレだよね？」
レッサー「コミカライズどうするんだろうかとか、ノベルの続刊出るのかとか益々目が離せませんな……ッ！」
鳴護「一部だけね？闇よりもなお昏い楽しみ方をしているのはごく一部のユーザーだと思うな？」
レッサー「では引き続き、『全裸戦隊マッパーマン〜上条当麻は何故戦ったのか！？〜』をご覧ください！」
鳴護「当麻君が確実に可哀想なことに！？先週は名前しか出てなかったのが一躍抜擢！？」
――事務所
鳴護「……っていう現実逃避はやめようか、うん。何の解決にもならないからね」
レッサー「本当に役に立たない連中でしたね！サメ映画の魅力には危うく引きずりこまれかけましたが！」
鳴護「何なんだろうね、あの独特のしょーもない感は……？極めてごく稀にある面白いサメ映画に当たっちゃったときとか、逆に損をした気分になるんだよ……ッ！」
レッサー「いい感じであの方の悪影響が出ていますね」
鳴護「……」 ｼﾞｰｯ
レッサー「なんでしょうか？私の顔に目と鼻と口でもついてます？」
鳴護「それは大体の人が装備してる。そうじゃなくてね、ふと思ったんだけどレッサーちゃんってサメ映画に似てるよね？」
レッサー「――よーし何が似ているのか話し合いましょうね！安心してくださいなんだったら朝までじっくり付き合いますからね！」
鳴護「あぁごめんなさいごめんなさい！あたしが悪かったよ！」
レッサー「この間、イギリスで国際会議あったじゃないですか？環境問題を話し合う体でマウンティングするって主旨の？」
鳴護「あたしは知らないよ？あと言動には気をつけた方がいいよ？」
レッサー「そこのグラスゴーではウチのベイロープの出身っつーかクッコロなんですけとね！あのお嬢様！」
鳴護「日本語喋ってる？ちょっと何いってるのか分からないな−」
レッサー「そこでとある環境団体が近くの公園にお手製のネッシーを浮かべようとしたそうなんです。何かこう『絶滅させないで！』みたいな感じで」
鳴護「ネス湖も近くなんだよね。観光で行ってみたいよね」
レッサー「だがしかし無許可だったらしく即・警察に取り押さえられて撤去させられるっていうね……ッ！！！」 ｸﾜｯ
鳴護「うん、そーゆーとこ。多分その人達はイギリスとは関係ないんだろうけど、サメ映画っぽいんだよ。全体的に残念なところが」
レッサー「グレ×さんに煽られてそのまま煽り返す首相の国ですからね！実に誇らしいですな！」
（※「blah blah blah言ってんじゃない！」→ジョンソン首相「Blah!」。あんまり公の場では使わないっつーか、普通は文語体で-使うっつーか）
鳴護「うん、だからそーゆーフリーダムさがね？全体的に大人げないっていうかな」
レッサー「ではまず問題点を上げませんか？」
鳴護「『ここヒーロー多すぎじゃんね』が唯一にして最大の問題になってるんだけとな……」
レッサー「そうですなぁ。通常であれば物語的には主役多すぎるととっ散らかるもんですが、ここは一つ逆に考えましょう」
レッサー「一人にヒーローを求めるではなく、全員がヒーローだった、てねっ……ッ！！！」
鳴護「凄く良い事言ってる。レッサーちゃんで出会って一番良い事を言ってる――」
鳴護「――でもね！？何となくオチは読めるし展開『あぁどうせもうこの暴走列車からは途中下車できないんだろうなぁ』って諦めもあるけど！」
鳴護「一回立ち止まって考えてみようか！この道が果たして正解なのかなって！」
レッサー「何を仰いますやら！私のこのネス湖のように澄んだ瞳を見てつかぁさい！」
鳴護「あれ？ネス湖って生活排水が結構流れ込むから汚いって、ベイロープさんが言ってたような？」
（※かなり透明度低い）
レッサー「ならば我が名にかけて誓いますよ？！？それならばどうでしょうかっ！？」
鳴護「そこそこ付き合いも長いのにいまだ本名すら知らないんですけど」
レッサー「えっと、カルメン＝レッサー？」
鳴護「その人この間話題になってなかった？女性作家として売り出したら授賞式におじさん三人がノコノコ来た人だよね？」
レッサー「では作戦名――『ガンガンいこうぜ』でいきまっしょい！」
鳴護「一択だよね？レッサーちゃんの持ち札それ一枚しかないよね？今まで『いのちをだいじに』とか『みんながんばれ』すら聞いた事ないんだよ」
レッサー「『いのちをいこうぜ！』」
鳴護「複合的に！？遠回しに『散らすぐらいガンバ☆』ってことかな！？」
――学園都市某所 某総合デパート屋上 ミニステージ
鳴護「あー……」
マネージャー「お疲れさまですARISAさん。どうかしましたか？まるで放火でもしそうな雰囲気ですが」
鳴護「『世界が今終わらないかな』って思っています。お疲れさまです」
マネージャー「公演当日なのですから諦めてください。自分も正直計画の無軌道さに引き気味ですけど」
鳴護「あたしもまだ何やるののか聞かされてないんですよ！？レッサーちゃんが『プリンス・オブ・ウェールズに乗ったつもりで！』とか言って！？」
マネージャー「旧日本軍にマレー沖海戦で沈められた戦艦ですね。多分次の大戦までネチネチ言い続けるでしょうからご注意ください」
鳴護「つまり――沈める前に沈めろ、と？」
マネージャー「戻ってきてください。その領域は絹旗監督の得意分野です」
鳴護「姉の不始末が原因とはいえ、なんでここまであたしがカルマを引き継がねばいけないのかと……！」
マネージャー「そうですね……自分に言えることはあまりないのですが、ただ、一つだけいいですか？」
鳴護「……なんですか？」
マネージャー「シャットアウラ現会長兼社長の、まともで理性的な部分が鳴護アリサさんになったので、残りは――」
鳴護「一瞬『あぁ！』って思っちゃったけど違いますよきっと多分恐らくは！なんか距離感おかしいなって時々思いはしますけど！」
マネージャー「持ってる能力も含め、ある意味究極の対人共感能力ですからね。人々の願望を叶えるのですし」
鳴護「人をどこかの聖杯みたいに言わなくても……！」
マネージャー「聖杯って本当にあるんですかねぇ」
鳴護「前にちょっとだけ。マネージャーさんがリタイアした後に、はい、まぁ」
マネージャー「ともあれ。そろそろ開場と共にARISAさんの濃いファンの方が押し寄せるので、そろそろ退避しませんと」
鳴護「ウチの子たちを問題児みたいに言わないでください！いいこばっかりですよ基本的には！」
マネージャー「それでステージ衣装はこちになります」 ｶﾞｻｯ
鳴護「あ、可愛いですね。缶バッジが過剰なぐらいいっぱいのオーバーオールと帽子」
マネージャー「こちらは司会兼歌のおねーさんをイメージしておりまして。なんでしたら私服にもどうぞ」
鳴護「嫌い……はい、決して嫌いでないんですが、その、教育番組のおねーさんっぽい服は、ねっ？」
マネージャー「弊社所属のタレント曰く、『アリサはもっさい方がかえって可愛い』とのアドバイスを」
鳴護「もっさいって言われたけど誉めてもらって嬉しいよ当麻君！あとできれば直で聞きたかったかな！」
マネージャー「ちなみに彼も控え室でまるで死刑囚のような面持ちでした」
鳴護「良かったよ！あたし一人だけじゃなくてね！」
――学園都市某所 某総合デパート屋上 ミニステージ
鳴護「『みなさーん！こーんにーちわー！』」
ファンたち『こーんにーちわーッ！！！』
子供たち『……』
鳴護「『腹筋を使ったとてもいいお返事ありがとうっ！温度差に驚愕するし今からでもいいから最前列は他の子に譲って後ろに行ってもらえないかなっ！？』」
ファンたち『よし移動だ！ガキども前へ出ろ！ 』
鳴護「『そういうのやめよう？気持ちはありがたいんだけど、ここで暴力沙汰になろうもんなら危機として鎮圧する子が直ぐ近くにいるから！』」
絹旗「超お呼びで？」
鳴護「『ううん大丈夫だよ？なんでもないからスタンバってて？なんだったら帰ってもらってもいいし？』」
鳴護「『てか最愛ちゃんいるってことは昔はお姫様だった人たちかサメの二択だなこれ！どっちもハズレだよ！』」
鳴護「『えっと……はいっ、はじめましてこんにちは！司会のおねーさんことARISAですっ！よろしくねっ！』」
青ピ「アッリッサ！アッリッサ！」
鳴護「『応援ありがとう！でも名前コールは自重してね！』」
姫神「あいかたー」
鳴護「『無表情で淡々と！？そしてあたしに相方さんはいないよ！某人脈が無駄にいい仕事してるね！折角だから楽しんでいけばいいんじゃないかな！』」
鳴護「『本日はみんなが大好きなヒーローが来てまーす！誰かはあたしにも分かりませんが！』」
青ピ「あなたがボクのヒーロー――ぞげぶっ！？」
吹寄「あ、すいませんでした。続けてください」
鳴護「『往年のホーガ○のようなラリアットでしたねっ！是非ステージへ上がってツッコミを手伝って欲しいぐらいです！』」
姫神「――ピンマイを」 ｽﾀｯ
鳴護「『求めているのはノット・ボケ！これ以上場を混乱させない要員ですからお引き取りください！』」
姫神「『――そう。魔法少女に私はなりたい……ッ！』」
鳴護「『ホントにごめんなさい。なんだったらあとでバイト代も出すから降りて？あたしのツッコミ能力じゃ乱入してくる新しいヒーローまでは捌けないんだよね』」
土御門「おねーさーん！アホはいいから進めてほしいぜぃ！」
鳴護「『アホかどうかはさておきそうだね！前を向けて歩かないとね！……えーっと、それでですねー、あたしも誰かはまだ知らないんだけどヒーローさんが来ているみたいですよ！』」
鳴護「『っていうかまだそけっぽい人はいませんねー？本当にいらっしゃってるのかなー……？』」
チンピラ？『くっくっくっく……！いいじゃないですか！今からどっか行きましょうよ！』
通りすがり？『や、止めてください！』
鳴護「『って、見て！？あそこに誰かが！？』
レッサー（チンピラ？）『くっくっくっく！こっち来なさい通りすがりのJKその一！』
上条（通りすがり？）『くっくっくっく！きゃー助けてー！』
鳴護「『配役もっと何とかなんなかった？なんでレッサーちゃんが当麻君の腕引っ張って”くっくっくっく”言ってんの？』」
鳴護「『えっとその、決してこれは多様性を否定する訳じゃなくて、特定の意図はない純粋な疑問からだけど！逆の方が構図としては分かりやすかったんじゃないの！？』」
レッサー『いえ、この数年ですっかり様変わりしましたからねっ！そうアリサさんが言葉を選ぶほどには！』
鳴護「『はいそこ黙って！こっちも綱渡りしながらなんだから余計な爆弾放り込まないで！』」
鳴護「『あと当麻君も”くっくっくっく”言う必要はあったかな？ないよね？そしてレッサーちゃんのJKって何を見て言ってるの？フシアナなの？』」
レッサー『あぁこれは”自意識過剰な高校生”の略であり、大した意味ではありません！』
鳴護「『……あぁうんごめんね？茶番を続けて続けて？』」
上条『やめてください！警察呼びますよ！？』
レッサー『あ、すいません。そこまで嫌がるとは思わなくて』
御坂『――今のは動画に撮ったわよ！さぁ交番まで来なさい！』
レッサー『ちょっ！？待ってください！これは怪しいものではなくただのハニトラでありまして！』
上条『――ありがとうっ！助かりました！』
御坂『まず何かあったら即・通報！人通りの多いところにまで逃げてくるか、安全じゃない場所には行かない！いいわね、あたしとの約束よ！』
上条『やだ……ヒーロー』
鳴護「『……』」
鳴護「『――いや終わってないよ！？ヒーローが登場してすらいないし、何三人とも”いい演技したね”みたいな雰囲気出してんの！？』」
鳴護「『てかヒーローはどこに行ったの！？違うそうじゃない！ヒーローっちゃヒーローだし、啓発運動的には”動画を撮りつつ即・通報”も正しいは正しいんだけどね！』」
上条『――なぁ、司会のお姉さん。ヒーローがなんでヒーローって言われてるか知ってるかい？』
鳴護「『え？あ、いや知らないけど』」
上条『俺も知らない』
鳴護「『じゃあなんで聞いたの！？明らかに今説明する体で聞いてきたよねぇ！？』」
上条『いや単純に知らないからだけど？』
鳴護「『ホントこれノド殺しの脚本だよね！当麻君が前に”佐天さんの番組に出るとノドがやられる”って言ってたけどこっちも中々だよ！』」
レッサー『こ、ここは一体……！？』
鳴護「『レッサーちゃんなの？絡まれた方に動きがあると思ったらピントが合うのはそっちなの？』」
姫神「ありさー。司会司会ー」
鳴護「『ヤカラのおねーさんが変な所に来ちゃったぞー！逃っげってー！』」
レッサー『まさかここはっ！？誰しもが怖れるあの――』
レッサー『――入国管理○っ！！！』
鳴護「『訂正して！？今あたしコンプラ的に犯罪を助長する発言しちゃったから！』」
レッサー『政治的な理由で亡命したいです！母国ではテロリスト扱いを！』
鳴護「『ねぇ、いつも言ってるけどレッサーちゃんは誰と戦っているの？”そのネタだけはやめてくれ”って注意されたの全部入れるよね？盛るよね？』」
レッサー『ただちょっと”王室のヨゴレを綺麗にしたい！”ってやっちゃっただけなのに！』
鳴護「『そこだけ聞くと年末の大掃除……あと今更だけどパスポートって何使ってるの？どこ産の偽造？』」
上条『くっくっくっく……！よくぞ迷いこんだな一般人よ！』
レッサー『あ、あなたはっ！？さっき出会い系詐欺で騙そうとした幸薄そうな人ではないですか！？』
上条『気づかなかったのも仕方があるまい……！こちらには元アイドルのセカンドキャリアで大失敗したのがいるのだ……ッ！』
レッサー『な、なんですって！？一発屋に終わった元アイドルの行き着く先がそこですって！？』
鳴護「『二人ともあとでお話があります。特に脚本書いた方おぼえてやがれ』」
上条『騙されたのは貴様の方だったな！これが我ら自由フレンチ軍のやり方なのだ！』
レッサー『シイィッ！流石は自由フレンチ軍！やる事が汚いエゲツない！』
鳴護「『えー、業務連絡業務連絡ー。内容に偏向した物が多々見られます。アドリブで改善されないのであれば、強制的にステージを終了させますー』」
上条『――もとい、えっと……どうしよう？』
レッサー『大人げない結社ア・レイスター？』
鳴護「『あの、実在する人名は流石に……』」
上条『ア・レイスターの名の下に！貴様は改造人間ケッサー＝チャンとして生まれ変わるのだ！』
鳴護「『パチ物臭い名前……！キーボードだとよく間違ってそうだよ！』」
レッサー『やめなさい悪の組織め！やるんだったら条件を吊り上げますよ！』
鳴護「『そういう問題？均等になったらしないでもないの？』」
レッサー『バッタ型だったらワンチャンあり！イカ型でもネタになるのでそれはそれでありですな！』
鳴護「『メンタルの強さを発揮すべき局面を間違えてる。普通は改造された後に”だが正義の心は失わないのであった”じゃない？』」
レッサー『私が――私たちが正義なのです……ッ！』
鳴護「『うん、いるけどそういう人たち。ただね？こうなんでみんなしてステージへ上がっているのか思い出してあげて？』」
御坂『――そこまでよっ！』
レッサー『な、何ヤツっ！？』
鳴護「『それ悪い人の台詞。被害者が言う事じゃない』」
御坂『この世の悪を千切って投げる！誰かがやらねばあたしがするわ！』
御坂『あたしそっちのけで過去編がフレイル使いと巨大化の戦いになってて！チャン＝コーハ○とチン＝シンザ○の異種格闘技戦みたいになってるのはどういうことかっ！？』
（※”KOF 鉄球”と”餓狼 デブ”でググってみよう）
鳴護「『お嬢様学校だよね？能力使ってはいるけど基本マガジ○のヤンキーマンガと大差ないよね？』」
レッサー『ステゴロ経験だったら”上条さん＜御坂さん”説……ッ！』
上条『とある外伝・御坂最強伝説』
御坂『やめなさいよ。女の子を肉○扱いするのはね！』
レッサー『あの人にタイマンで勝利できるのは様々な意味でゴブリン・スレイヤ○さんぐらいしか……』
御坂『とにかくそっちの子を離しなさいよ！勝手に改造するだなんてマナー違反でしょうが！』
鳴護「『マナー……？』」
レッサー『某お嬢学校では能力使った私闘がしばしば起きる上、なぁなぁで済ませるため、常識がおかしくなってるのかと推測されます』
上条『ふっ、言葉で俺が止められるものか！旧型ではあるがパワードスーツを着た俺にな！』
レッサー『意訳；さっさと変身しなさいよ』
鳴護「『さー助けに来てくれた女の子のがピンチだぞー！どうするのかなー！？』
御坂『ちょいやー！』
ﾊﾞｽｯ
上条『げふっ！？く……えふっ、ゲホゲホゲホッ……！？――お、うおぉ………………――』
上条『……』
上条『な、生身での攻撃なんて、通用しないけどもう一回は止めてください死んでしまいますよ俺が！！！』 ｶﾞｸｶﾞｸｶﾞｸｯ
鳴護「『超効いてる。スッゴイ足に来てる』」
レッサー『私もやや引くぐらい綺麗に入りましたからね。生まれたての子鹿の如くバイブってます』
御坂『じゃあ絞め落とせばいいの？』
鳴護「『ヒーロー違う。なんで美琴ちゃんはダーティーな技に長けているの？そんな発想出る？』」
上条『その程度じゃ俺は倒せないぜ！ヒーロースーツを着ないことにはな！』
御坂『ヒーロー……スーツ……？』
鳴護「『ちょっと待って！？これ台本どうなってんの！？こんな展開だったの！？』」
レッサー『いや流石にこれは違いますよ！？ぶち壊すんだったらもっと致命的な場面で取り返しのつかない方法にしますし！』
鳴護「『なんて嫌な説得力ある言葉だね！ならどうして！？』」
上条『まさかお前は――ゲコ太ファクターを持つ人間、かっ！？』
レッサー『上条名人、軌道修正に入っています』
鳴護「『本当にお疲れさまだよね。あとレッサーちゃんはやんなくていいの？』」
レッサー『ここでパンピーが四の五の言い出したら収集つかなくなります』
御坂『そう――確かにあたしはゲコ太の刻印を持つ女……！ゲコ太スーツを着れば勇気100倍、ちょっと恥ずかしいのが欠点だけど強くはなるわ！』
鳴護「『”ちょっと恥ずかしい”？その見てないけど着ぐるみがそれだけ？』」
御坂『でも勘違いしないで！スーツがあるから戦うんじゃないのよ！戦う力かあるからヒーローって訳でもなくてね！』
御坂『人は――戦う意志を持った瞬間、誰しもがヒーローになるの……ッ！！！』
上条『やだ、超格好いい』
鳴護「『美琴ちゃん台本思い出して！言ってる事はもっともだし昨今のザコ戦闘員にも光が当たる感じだと主流的な考えだけども！今は基本に立ち返って！』」
御坂『ゲコ太レッドとあたしは一心同体……そう、決してスーツもらった直後に浮かれてクリーニング出したら予定外に伸びたとかそんなんじゃないの！』
鳴護「『超理由がしょーもないな！？あとそれせめて事前に言ってくれないかな！そうすれば多少こう配役変更とかできたと思うんだ！』」
御坂『え、普通は着る前に出さない？洗濯はするでしょ？』
鳴護「『普段着ならね？それとも普段着感覚で着る気だった？』」
？？？『――茶番はそのぐらいにおいたらどうだ？』
御坂『だ、誰よっ！？』
闇咲（？？？）『名乗るほどの者でもないが――呪術戦隊マハムドオ○、見参……ッ！』
鳴護「『…………うわぁ』」
闇咲『第一声が「うわぁ」は流石に傷つくのだが？』
レッサー『今のを翻訳しますと「うわぁ人殺してそう」ですね』
鳴護「『言ってはないよ！？似たような感想はなきにしもあらずだけど！』」
闇咲『光と闇は表裏一体、闇側の人間が善行をしてはいけないということもあるまい。その逆もまた然りだが』 ﾁﾗｯ
御坂『……何よ』
闇咲『変身しないのではなく、できない、の間違いではないのかね？ゲコ太レッド君』
鳴護「『あ、なんかそれっぽいね。当麻君よりも立て直しが上手い』」
レッサー『俳優としてのキャリアが違いますもん。方や悪役させたら日本一、もう方や日本一童貞（の演技が上手い）』
上条『何回でも言うけど俺をイジるのはいいげと中の人はやめろよ！迷惑かかるだろ！』
御坂『そ、そんなわけないじゃない！』
闇咲『ならばその身に集まる光輝の力！ゲコ太パワーがないのはどう釈明するつもりだ！？』
御坂『くっ！』
鳴護「『シリアスな演技中すいません。ファンシーな単語をいかついおじさんが連呼しているのでろ、違和感がヘヴィで内容が入って来ないんですけど』」
闇咲『戦士が戦士たり得るのはその身に力を宿すからだ！如何ともしがたい現実を変える力を！』
闇咲『小手先の力だけで乗り切ろうとする考えこそが――”悪”だ！立ち去るがいい！ゲコレンジャーへ変身できない貴様など、戦場にいる視覚などない……ッ！！！』
レッサー『このおっさんノリノリである』
鳴護「『別のドラマ？演技力っていうかベテラン力がハンパなさすぎて、その、引く』」
御坂『――嫌よ！あたしだって戦え――』
？？？『くっくっくっく……！果たして、超、ですかね？』
鳴護「『そうですかね、みたいな使い方はしないよ？』」
御坂『こ、今度は誰よ……っ！？』
闇咲『来たな――”混沌”が』
御坂『こん、とん……？カオスってことは？』
上条『あぁ……そうだぜ。俺が、俺たち闇の勢力がずっと戦いを挑み――散っていった元凶が！』
御坂『どういう、ことよ？あんた達がいつもやってるしょーもない陰謀、それには理由があったっていうの！？』
上条『そうだとも！この世界には幸福と不幸があって、その全体量が決まってる！だからコツコツと小さな不幸を積み上げていけば、大きな不幸が起きなくなる！』
上条『お前たちのせいだ、光の住人ども！お前らが俺たちを駆逐するから……！』
御坂『そんな……！？じゃあ、あたし達が戦ってきたのって……！』
？？？『――光と闇の二元論。まぁそれは超よくあることですね。どっちらが悪いということもなく、最近の物語じゃダークサイド側もスポットが当たってますけど』
？？？『しかし私、つまり”混沌”勢は違いますよ？そんな超幼稚な二択ではなく、ただ全てが混沌としています。超シンプルでしょう？』
闇咲『気を……強く持て！精神を持っていかれるぞ！』
御坂『マハムドオ○ですら怖れる相手って一体なんなのよ！？』
鳴護「『美琴ちゃん、名前は……うん、言わなくてもお話は進められるから。ピー音入るし、以後禁止ね？緊張感もなくなるから』」
？？？『そうですねぇ。昔から名前は超色々あるんですけどねぇ、”這い寄る混沌”、”膨れ女”、”燃え上がる三眼”。どれも私を意味しているんですが』
？？？『最近になってできた新しい呼び名、そう”混沌”を超体現するワードで呼ぶならば――』
ｶｯ!!!
？？？『私の名はカオス、別名――』
絹旗（？？？）『――シャーク・レッド！超推参です！』
鳴護「『混沌ってそういう意味で！？いや確かに最近の21世紀のサメ映画シリーズはニャルラトホテプも”もういいわ”ってぐらい混沌としてるれども！？』」
絹旗『そして全てがサメになる！地球温暖化で陸地が沈み、この地球は永遠の深い眠りへとつくのです……ッ！！！』
御坂『な、なんて強い混沌のオーラなの……ッ！』
闇咲『退けゲコレンジャー！貴様では時間稼ぎすらも難しい！』
御坂『マハ……ハマオ○！』
鳴護「『違う。神聖系呪文だったら言っていいってことじゃない』」
レッサー『そして何人がついてくるんでしょうか。ややニッチなメガテ○呪文ネタに対して』
御坂『でもっ！』
上条『……逃げよう！今は……！』
絹旗『私のシャーク・スキルは50を越えますが……さて、あなたは超どれだけ耐えられますかね……ッ！！！』
闇咲『まだ、だ！まだ終わらん！』
鳴護「『助けて当麻君！？ボケが多すぎてツッコミが追い付かないよ！？』」
レッサー『まぁ頑張ってくださいな。あ、民間人ハケるシーンなので私はお先に失礼しますよっと』
鳴護「『ねぇこのお芝居本当に大丈夫？学園祭レベルだったのが、おゆうぎ会ぐらいにまで落ちてない？』」
……
上条『……ふぅ、ここまで来れば一息つけるか。えぇっと、すまなかったな君』
レッサー『いえ、そういう理由があるんだったら』
上条『重ね重ね悪かった。ゲコレンジャーの君も』
御坂『戻らなきゃ……！』
上条『行くのか』
御坂『当然でしょ？あたしを誰だと思ってんのよ』
姫神「さっき初対面って言ってた」
鳴護「『マイクに入るからシーッでお願い。袖から見るのは許したけど、それ以上はちょっと』」
上条『君の正義は執行されないぞ。ゲコ太スーツなしに勝てる相手なんかじゃない！』
御坂『さっきも言ったけど勝てる勝てないじゃないのよ！スーツのあるなしじゃなくて、やるかやらないか！それだけよ！』
上条『いや違う！ヒーローにとって大切なものはそれだけじゃない！』
御坂『……なによ』
上条『ヒーローに必要なものは――圧倒的な暴力なんだ……ッ！！！』
御坂『な、なんですって！？』
鳴護「『あの、名言ではないよ？ぽく言ってるけども』」
上条『心だけで実力もなければ戦えないが、圧倒的暴力があれば心がなくたって戦える！むしろ軽い気持ちでできるんだよ！』
御坂『言われてみれば――確かに！』
鳴護「『これお芝居だよね？本当にそう思ってるってことじゃないんだよね？』
上条『第一強くなければ勝てないし、勝たなければスポンサーも付いてこない！ヒーローは絶対に勝たなきゃダメなんだ！』
上条『みんな負ける所なんて見たくないだろ！？だから強いホームに人気が集まるんだっ！』
鳴護「『それは一部のチームに失礼。ある意味正しいは正しいけど』」
御坂『でも、でも――！』
上条『……これを、持っていくんだ』
御坂『これって……あたしのゲコ太スーツ！？どうしてこれがここに！？』
上条『ステージから佐天さんに連絡して、初春さん経由で白井さんに持って来て貰ったゲコ太スーツだ』
鳴護「『本当にクリーニング出してたの？なんかこう全体的にフワッとしてふんわり仕立てにしてもらったみたいだけど』」
上条『殺ってこい。そして俺と戦うんだ！』
御坂『……誰に言ってんのよ。「ゲコ太――オン！」』
鳴護「『インじゃんない？上じゃなくて……あぁでもオンでもいいのかな……？』」
……
闇咲『……くっ！サメが、次から次へとサメが！』
絹旗『超多いでしょう？笑えるじゃないですか、ここまでサメ映画のバリエーションが多いだなんで、誰も知りませんよ』
闇咲『貴様は……何故だ！？以前は闇のヒーローとして戦っていたではないか！？』
絹旗『そう、ですね。超カオスに呑み込まれる者には知る権利があるかもしれませんね。前の私は「海洋戦隊ディープ・ブル○」でした』
鳴護「『だから名前に商標登録されてるのを使うのは……うん』」
絹旗『生まれては超消えていく数々のサメ映画の怨念、それらを糧に生まれた悲しき存在』
鳴護「『もう面白いよ？悲しいところが面白いよね？』」
絹旗『しかし生まれは生まれ！そんなものは関係ないと超叱咤して戦っていたんです！それが、それが――！』
闇咲『では、どうして……？』
絹旗『サメ映画の質が超変ってしまったのです！』
鳴護「『前から酷くなかった？ジョー○以後量産されまくって質は良くなかったよね？』
絹旗『以前は見た人間を超不幸にしていました！つまらないダメサメ映画を普及させることで、多くの人間が不幸になりバランスを取っていた！』
絹旗『ですが！あまりにも質が超低下してしまい、見た人間が「なんだこれ？」とカオスを感じるように……！』
鳴護「『なんで？』」
闇咲『……成程！やむにやまれぬ事情があったのだな……！』
鳴護「『ないよ？これといっては特に？』」
絹旗『まぁ、そんな感じで超お願いします！』
鳴護「『あ、面倒になったヤツだこれ。最愛ちゃんも長台詞もうイヤになったときのアレだ』」
御坂『――そう、事情は分かったわ！悪にも斟酌すべき理由はある……』
御坂『だがまぁそれはそれとしてぶっ飛ばすわよ！勝った方のいうことを聞きなさい！』
鳴護「『今更だけどヒーローの条件満たしてる？基本物理的にいわしてるだけじゃないかな？』」
御坂『全世界中に存在するゲコラーの力を、今、ここに！具体的にはこう大人買いして需要をもっと高めるのよ！』
鳴護「『まずゲコ太君じゃない？ファンの集金力に頼るのがスタートって』
御坂『そうして人気が少し出たらEテ○の児童番組にねじ込んで、サンエック○ばりのエゲツないマーケティングをすれば……！』
鳴護「『戦いなよ。目の前の現実と』」
御坂『そんなこんなでハリウッドデビューゲコ太キィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィクッ！！！』
鳴護「『絶対に無理かな。キテ○さんですらまだやれてないんだから』」
絹旗『ちょ、超見事ですよゲコ太レッド……あなたの勇気に、私は、負け、ました』
絹旗『だ、だかしかし！我らヒーローとは不滅の存在！ダメサメ映画がある限り、私はまた超復活します……！』
御坂『ん？まぁそうね、その時はもう一回一緒に戦いましょ？正気を失ってたらもう一回勝負ね！』
絹旗『……ふっ、超いいでしょう。約束、です――』
……
御坂『シャークレッドもまた、時代に踊らさせた被害者なのかもしれないわ』
闇咲『だが油断はできない。第二、第三のオルタ・シャークが出てくるのかも知れないのだからな』
御坂『何言ってんのよ！ゲコ太スーツも戻って来たし
レッサー『た、誰か助けて下さい！？全裸にマントのツンツン頭が！』
御坂『……ったく、感傷に浸ってる暇もない訳ね。行くわよ！』
闇咲『あぁ！』
御坂『闇を切り裂く正義の刃！ゲコ太がやらねば誰がする――』
御坂『超獣戦隊ゲコレンジャー、ゲコ太レッド！推・参ッ！！！』
闇咲『闇より出でて全てが闇に覆われる！暗黒より来たしり漆黒の呪縛！』
闇咲『呪術戦隊マハムド○、ムドレッド！見・参ッ！！！』
絹旗『世にはびこるダメ映画を千切って投げる！ネタにしようと超今日も蠢く世界各国のダメ人間！』
絹旗『海洋戦隊ディープ・ブル○、シャークレッド！顕・現ッ！！！』
鳴護「『今分かったけど全員レッドって色味もっと考えなよ！？』」
……
鳴護「『……』」
姫神「ありさー。仕切り仕切りー」
鳴護「『………………はい、っていう訳で長い長い拷問にお付き合いくださってありがとうございましたー。ヒーローの皆さんに盛大な拍手をお願いしまーす』」
鳴護「『このあと、30分後から各ヒーローと握手して記念写真が撮れる撮影会を予定しています。。良かったらどうぞ』」
鳴護「『なお、あまりにも人気が偏った場合には演者が超暴れ出すかもしれませんので、どうか大人の配慮をお願いしたいです。そりゃもうホント切実に』
青ピ「あ、すんまへん！司会のおねーさんとはできますかー！？」
鳴護「『空気次第です。ヒーロー三人の列に偏らなかったら考えます。はい他の質問は？』」
姫神「そろそろM1に予選大会が」
鳴護「『プライベートな質問はやめて！？そして出る予定もないな！』」
鳴護「『はい以上でヒーローショーは終わりになりますっありがとうございましたっ！！！』」
……
レッサー「いやー、お疲れさまでしたね！途中からほぼアドリブでしたが、皆さんベテラン俳優のように無難にこなされまして！」
鳴護「そういうお芝居あるからね。演者さんに負担がかかるからあんましないだけで」
レッサー「やっぱり時の本が良かったからですかね！」
鳴護「なんだかんだで自分を誉めるよね？まぁ読んではいないから強くは否定出来ないけど」
レッサー「まっ、そんな感じで午後からの第二ステージも頑張って下さいな！」
鳴護「表出ようか？今日こそ決着つけよう？もう暴力でいいよ、絶対に負けると分かってても戦うよ！」
-終-
鳴護「――おはようございまーす……？お疲れさまでーす……？」
マネージャー「あ、お疲れさまですARISAさん。先日のドッキリライブは一部のファンから大反響を頂きまして」
鳴護「まぁ前代未聞ですからね！ドッキリと思わせておいて実はホンモノだった訳ですからねっ！」
マネージャー「大泉○さんに比べれば、まぁ大丈夫ではないでしょうか。ローカルタレント時代に海外ドッキリでブンブンの旅をですね」
鳴護「てゆうかライブ翌日に気づいたんですけど、練習した『ご本人登場ドッキリ』って意味無くないですか？あたしは登場する側であって驚かせる側に回るってないですよね？」
マネージャー「――と、そんなARISAさんにスペシャルなゲストの方がいらしています！」
鳴護「あ、知ってます。当麻君かレッサーちゃんか最愛ちゃんの三択ですよね」
マネージャー「全くドッキリ特訓が反映されてないようで何よりです。リアクションマン一号さんの手前、何も言えなかったのですが、あまりオーバーアクションもまた引きますからね」
鳴護「当麻君のお仕事全否定ですよね？リアクション芸人の方の存在価値を失わせるような真似を……」
マネージャー「上条さんの持ちネタ『エア熱々おでん一気食い』、観客の皆さんドン引きでしたからね。なんでARISAさんのライブでそんなもん見せられるのかと」
鳴護「楽屋に立てこもったあたしの時間稼ぎではありますけどね。法的手段に訴えないだけマシだと思いませんか？」
マネージャー「キンタの大冒○（全年齢版）をレッサーさんが歌わなかったらどうなっていたことか……！」
鳴護「『あ、これあたしが出ていなかったら年齢制限あり版を歌うつもりだな』って脅迫でしたからね。そろそろ気づいて下さいマネージャーさん、あの子は手段のためだったら目的を選びません」
？？？『キン○マースカッツ！キン○マースカッツ！キン○・マース・カッツ！』
鳴護「ほーらこんな感じに。ネタ振ったら即ボケるってもうなんかおかしいですよね？」
マネージャー「社内なので歌はちょっと遠慮して頂きたいのですが。お呼びしても宜しいでしょうか？」
鳴護「どうぞどうぞ。嫌だって言っても吶喊してくれるでしょうし」
ﾊﾞﾀﾝｯ!!!
レッサー「『――スーパーマ○が実はバイセクシャル（どっちも行く）で日系男性と恋人だったんですよ……ッ！！！』」
（※マジです。現時点で最新設定）
鳴護「またなんかコメントしづらいネタぶっ込んできたよね！？あぁまぁフリーダムなのはいいことだけど！フリーダム過ぎるし過去はなんだったのかなってね！整合性って意味で！」
レッサー「アメリカさんでは『コミックス倫理規定委員会』ってのが戦後に発足しましてね。犯罪を助長するようなタイトルや狼男に吸血鬼にグールにゾンビなど”不道徳”な内容は流通に乗らなかったんですよ」
レッサー「その中に同性愛や黒人が主人公も含まれていまして、長らくDCやマーベルなど主要出版社では登場させられませんでした――が！」
レッサー「この規制、つー自主的な検閲団体？そいつがが撤廃されたっていいますか、有名無実化したのは精々ここ30年であり『お前らの方が規制してたんじゃんwwwwwwww』って超草生えますな！」
（※実話です）
鳴護「えっと、あの……コメントに困るからそのぐらいで勘弁してもらっていいかな？あたしにも立場ってものがあるんだよ、具体的には炎上したくないっていうかね？分かるよね？」
レッサー「という訳で呼ばれて飛び出てレッサーちゃんですが何かご不満でもっ！？」
鳴護「いっぱいあるかな。先週のライブドッキリがドッキリじゃなかった件についてとかについて」
レッサー「過去は振り返らない！それこそがイギリス紳士の嗜みですな！」
鳴護「あ、そう？じゃあ頑張ってね、あたしはこれからバイトの掛け持ちが――やめて離して！？男の人呼びますよ！？」 ｶﾞｼｯ
レッサー「まぁまぁ話だけでも聞きましょうや、ねぇ？あなたのファンサイトが荒されたくなければ、ですけど？」
鳴護「ねぇ大丈夫かなレッサーちゃんの悪キャラ化が進んでるけど、そろそろ怒られないかな？」
レッサー「あなたも国際指名手配にしてあげましょうか！？」
鳴護「すいませんマネージャーさん、サイコロ持っていませんか？そろそろSAN値チェックをしたいんです。サイコロ振れないぐらい下がってるかもですが」
マネージャー「ARISAさんもすっかり普通の女の子のように……成長しましたね」
鳴護「あなたがあたしの何を知ってるって言うんですか？マネージャーさん改めクロウ9さん、別名元誘拐犯その二さん」
マネージャー「すいませんね話が脱線してしまいまして。えぇと改めてましてご紹介致します、こちらが今回の企画のアドバイザーの方となります」
レッサー「こんにちわ、マイク＝デービスです！初めまして！」
鳴護「今更！？ここまで喋ってるのに偽名！？」
マネージャー「それでですね、次のお仕事はこうジャンルでいえばエンターテイナーであり、広義でいえばアクターとなるのですが」
鳴護「騙す気まんんまですよね？大人が回り道するときはほぼ必ず直では言えないんで言葉濁してるだけですよね？」
レッサー「アリサさん歌のお姉さんってご存じで？何かこう着ぐるみと一緒に歌ったり踊ったりするお仕事の方ですが」
鳴護「あー、よく見てたよー。年少さん達と一緒に」
レッサー「私も好きなんですよ。じゃじゃま○ピッコ○大王ぽろ○」
鳴護「大王はいなかったかな。あとそれは大昔のゆるキャラであって今は別の人になってるよ」
レッサー「まぁそんな感じのお仕事ですよ！さぁ私を信じて下さい！あなたが信じた私の事を！」
鳴護「『絶対になんかやらかすな』って意味では信じてるよ？涙子ちゃんがカラオケでマイク持ったときにようにね？」
レッサー「それでですね、その人選を今からオーディションで」
鳴護「待ってだから話を聞いて？はっきり仕事内容を言えないってことはそれだけの理由があるんだよね？違う？」
レッサー「いえいえそんなことは全くありませんとも！この私の目が黒い内にはね！」
鳴護「青いよね？今一応確認したけど黒くはなかったよね？」
レッサー「……くっ！散々騙されたせいで疑い深くなっていますね……ッ！」
鳴護「タヌキさんに大量の薪を背負わせておきながら、『罠じゃないですよ！カチカチ山ですよ！』っていうのと同じだと思う」
レッサー「あーっと、じゃあショーです！ショー！」
鳴護「舞台、ですか？ならちょっと――」
鳴護「……」
鳴護「――さっき着ぐるみがどうのって言ってたよね？ゆるキャラと一緒に出るショーって一体……」
レッサー「ぶっちゃけヒーローショーです！」
鳴護「アイドル部分ですらカスってないな！？こう、まだ歌を歌う部分とかあるんだったら自分を騙せるんだけど！」
鳴護「てかゆるキャラでもないよね！？歌のお姉さんが共演するような可愛い着ぐるみ登場しないしさ！？」
マネージャー「ヒーローショーのお仕事を頂いた、といいますか、まぁその、奪った？的な？」
鳴護「なんでそんな疑問形なんですか。何か裏のお仕事のアレですか」
マネージャー「シャットアウラ社長がですね、どういうコネかデパートの催事場のヒーローショーを受注してしまいまして」
鳴護「へー、お姉ちゃんがですか？珍しいですね−」
マネージャー「有志をこっそり募って強行しようとしたのがバレまして」
鳴護「なんて？」
マネージャー「したかったらしいんですよ、ヒーロー。悪い敵をやっつけろ的な」
鳴護「あー………………姉が多大なご迷惑を」
マネージャー「いえ、アホが引き受けた仕事をなんとかこなして頂ければ文句はありません」
鳴護「ま、まぁしますけど！でも待ってください！演目っていうかヒーローはどなたを予定しているんですか？」
マネージャー「未定です」
鳴護「……はい？」
マネージャー「社長はオリキャラが無双するのを予定していたらしく、どの版権元からも許諾を取っていません」
鳴護「つまり、我々はどうすれば……？」
マネージャー「ゼロベースでお願いします」
鳴護「それ全部設定から何からこっちでやれってことですよねぇ！？」
マネージャー「えぇ、ですのでそのためにプロを」
レッサー「プっロでーす☆自称でーす☆」
鳴護「失敗する予感しかしないなこれ！」
――オーディション会場
レッサー『はい、っていう訳で始まりましたヒーローショープレゼン大会！まさか私が司会に抜擢されるとは！』
鳴護「色々とおかしくないかな？普通こういうのって偉い人が枠組み決めてから、それに沿った演者さんを決めるんだよね？」
鳴護「まず家を建てるのに設定から何から人任せってそんなのある？ないよね？もう文化祭のノリだよね？」
レッサー『いいですかアリサさん？あなたが思っている以上に世間はしょーもない真実が溢れているものです、えぇもうそりゃ本当に』
レッサー『そうですね、スペインの女性作家で「カルメン＝モラ」という方がいまして。スリラー小説で高い評価を得ていた方なんですが』
鳴護「ねぇそれ聞かないとダメかな？あたしこれ以上世界の闇っていうか病みを知りたくないんだけど……」
レッサー『カルメン女子は顔出しNGで何本か書き、また雑誌のインタビューなどで私生活を語っておりました。そしてまぁ女流作家なのにエログロ描写がエグいことで有名でした』
レッサー『んで彼女はスペインの国王夫妻が主催するプラネタ賞を受賞しましてね。直接授賞式に出ないと超マズい状況へとなったのです』
鳴護「ペンネームで顔出しNGの人なんだったら、ビデオメッセージだけでもいいんじゃ？」
レッサー『同感ですけどまぁそれはお国柄ですなぁ。一応国家主催の賞ですし、まぁ何にせよカルメン女史は出席するハメになったのですが――』
レッサー『――なんと！先月の15日、授賞式の会場に現れたのはオッサンなのでした……ッ！！！』
（※実話です）
鳴護「えっ？……あぁ！心は女性の！」
レッサー『いいえ？知りませんけど多分ノーマルな癖（へき）のオッサンが、それも三人』
鳴護「多いね！？……弁護士さん？普通に考えれば旦那さんとか代理さんじゃないの？」
レッサー『どっちもノーです。答えは――実は！カルメン＝モラさんは非実在存在であり、テレビ脚本家の男性三人が共同で使っていたペンネームだったのです……ッ！！！』
（※実話です）
鳴護「設定が杜撰すぎるよ！そもそも女性名義で書く必要性が見当たらないよね！」
鳴護「あと仮にそうであったとしても代理人立てようよ！？女性を雇うとかなんだったら『一身上の都合で出席は……』みたいにボカしなよ！これ絶許案件じゃん！？」
レッサー『会場並びに国王夫妻は「ポカーン」状態だったらしいです！芸人としてはオイシイですよね！』
（※全部実話です。盛っていません）
鳴護「なんて言ったらいいのか……まぁ文学作品としては誰が書いても面白ければ、ってのは分からないでもないけど……うん、なんか、うんっ！」
レッサー『なんかこう反応に困りますよね。男性作家が実は超美女だった場合「おぉ……！」ってなるんでしょうけど、その真逆ですから』
レッサー『――と、いう感じで！この世界はアリサさんがお考えになっているよりもずっと斜め上なのですな！』
鳴護「滅ぶよね。あとちょっと見てみたいよその表彰式、当事者の三人から式の関係者まで全員が全員損をしたってことだよね」
レッサー『では改めまして”残念なプレゼン・ヒーローショーの明日はどっちだ！？”のレッツショータイッ！！！』
鳴護「そんな名前だったんだ。でも残念前提で話を進めるのはどうかなー？ざんねんないきものにも生きる権利はあるんだよー？」
レッサー『ほいではエントリーナンバー1ばーん！学園都市が生んだ悲しいモォンスタァァァァァァァァァァァァァー！』
鳴護「怒られるよ？そしてある意味全員がそうだよ？」
御坂「誰がモンスターよ。普通じゃない」
鳴護「美琴ちゃんが普通かどうかは議論が分かれるところだよね。『なんでだよ』って楽屋でツッコんでる人が少なくとも一人いるだろうけど」
御坂「えーとプレゼンだっけ？困ってるのよね？急な話で？」
鳴護「そうなんだよ、原因は身内なのが余計に困ってて。美琴ちゃんは助けてくれるの？」
御坂「べ、別に友達のためなんかじゃないのよっ！あたしの自己満足なんだからねっ！」
鳴護「美琴ちゃんは今日も可愛いよねぇ。当麻君がいつか差されればいいと思うよ」
レッサー『はいはいツンデレ乙ツンデレ乙。あざといツンはお腹いっぱいですんでちゃっちゃとアピールしてくださいな！ちゃっちゃとねぐぬぬぬぬぬぬぬっ！』
鳴護「ジェラシーが全く隠しきれてないね。あとこのプレゼンのシステムってどんな感じなのかな？裏でマネージャーさんが見てて点数つけてるとか？」
レッサー『あ、いえ特にそういうのはないです。面白そうだったら採用で』
鳴護「まぁ……ヒーローショーだしねー……」
レッサー『言い忘れましたが、あなたは司会進行のお姉さんですからね！自分が絡みやすい相手を選んでくださいな！』
鳴護「何気に責任重いな！？興行主さんに迷惑がかからないといいよねっ！」
御坂「あたしが推すのは『超獣戦隊ゲコレンジャー』です！」
鳴護「ごめんごめん、それ一回やった。あ、一回じゃないな。なんか変に楽しかったから短期連載してた」
御坂「待ってよ！？きちんと裏設定まで作ってきたんだから聞くだけは聞いてもらわないと！」
鳴護「もう自分で結成した方が早いんじゃないかな？ティーンエイジのミュータントなタートルさん達のように」
御坂「でもヒーローショーでしょ？ヒーローってことはゲコ太ってことじゃない？」
鳴護「ちょっと何言ってるのか分からないかな」
御坂「まぁまぁだから聞くだけ聞きなさいよ。現代の病巣をも取り扱ったエンタメに仕上がってるんだから」
鳴護「大抵コケるよね？主義主張が前面だけじゃなく全面に展開されて台無しにするパターンだよね？」
絹旗「超嫌いじゃないです。大コケしてから何年も何年も後ろ指刺されるまでが本番かと」
鳴護「今誰かいたな！？なんか懐かしいけどカマボコの臭いがするよ！」
（※お高いカマボコの原料＝サメ）
御坂「舞台は現代、能力者開発が一般的になって多様な犯罪が増えるのよ。既存の警察では対応しきれなくなって、民間の治安維持組織が活躍するような」
鳴護「あー……大御所のSFにある設定だねー。定番だけに面白い」
御坂「それで民間だから他よりも視線っていうか、一般人の認識が悪いの。こう『民間人のくせに！』みたいな？」
鳴護「警備会社だからね。スポンサー優先なんだろうけど」
御坂「そこで！ゲコ太型のパワードスーツを作るのよ！見た目も可愛いから、市民への安心させる効果もあるわ！」
鳴護「まぁ、辻褄は合うかな」
御坂「でも実際着たら汚れるじゃない？戦えば破損するじゃない？だからあたしが生身で粉砕するのよ！」
鳴護「あれ？急に辻褄が合わなくなって、あれ？」
レッサー『最終的にスーツ関係無いじゃないですかーやーだー』
鳴護「だよね！流されるところだったけどそうだよ生身だよ！」
御坂「まぁまぁ一号機ぱそうなんだけど、段々戦いとかもシビアになっていくの。敵が学習したりよく強い敵が出て来たり」
鳴護「なんでシリーズ化決めてんですか？ないよ？後はもうないよ？」
御坂「そうするとやっぱり一体じゃ足りないじゃない？だからゲコ太二号機が登場するのよ」
鳴護「シリーズ中盤でのキュ○戦士追加だね。白井さんが着て戦うんだ」
御坂「ううん？あたしが確保してから、あたしが倍戦うのよ？」
鳴護「ねぇ美琴ちゃん疲れてる？それとも憑かれてる？カエルのバケモノか何かに憑依されてない？大丈夫？」
闇咲「――カエルの怪異で最も有名なものと言えば、石川五右衛門の騎乗しているガマといえる。だがそれは日本の話だ」
闇咲「中国では『嫦娥奔月（じょうがほんげつ）』という伝説があり、まぁ元々不老の存在であった天女が地上へ降りてその権能を剥奪される」
闇咲「それを憂いた嫦娥（じょうが）は夫の不老の薬を飲んで月へと逃げ込んだ」
闇咲「しかしその薬を飲むと不老にはなるものの、姿がカエルに変ってしまった、という伝説だな」
鳴護「帰ってください！その話は終わったんだから怪談おじさんは帰って！」
闇咲「ちなみにこの嫦娥という天女、針仕事をする女性に信仰され、織姫と同じ役割を持つ神でもあり」
闇咲「西遊記の中で猪八戒が言い寄って袖にされた相手でもある」
鳴護「レッサーちゃん、ほら出番だよ！あなたの暴力はこういうときのためにあるんだからねっ！」
レッサー『タイマンだったら微妙に負け越しそうな相手です。フロリスでも居れば負けはないでしょうが……』
御坂「月にカエル……？」
闇咲「月の模様がウサギに見えるようにカエルに見える地域もある。また月見の風習も一説には地上に残された嫦娥の夫が、彼女を偲んでいるとも言われている」
御坂「現代中国では考えつかないぐらいのファンシーさね……ッ！」
鳴護「あの、本当に収集がつかなくなるんでそのぐらいにして頂けると……」
御坂「まぁそんな訳でゲコレンジャー！ゲコレンジャーをよろしく！」
レッサー『以上、エントリー1番さんのプレゼンでしたー！』
鳴護「ちょっと待って？美琴ちゃんの冒頭の『友達のためなんかじゃない』って言ってたの、あれはただ事実だった……ッ！？」
――プレゼン会場
レッサー『どうですかーアリサさん！初っ端から濃い感じでしたね！』
鳴護「美琴ちゃんの思惑はともかく、ゲコ太君は子供と子供の心を忘れないレディに大人気なので、まぁアリだと思います」
レッサー『でもそれってファンシーキャラのショーになりません？クマのモンスター略してくまモ○さんとかの？」
鳴護「ポケモ○じゃないよ？響きは似てるし誤解してる人も多いけどモンスターの略ではない」
レッサー『そういえば昨年くまモ○さんのスタッフが新型コロナに罹患したら、何故かご本人が出て来なくなった時期がありましたね……！』
鳴護「中の人なんていないよ！ただ媒介するかも知れないから大事を取っただけだよ！」
レッサー『それでは続きましてーエェントリィー二番ーーーー！学園都市が生んだモンスターーーーーーーーっ！』
鳴護「呼び出しの文言変えよう？失礼なのもそうだけどそれ以前にモンスターしか言ってない」
絹旗「超どうも」
鳴護「やっぱり来てたんだね！さっきのは見間違いであってほしかったかな！」
絹旗「超心外ですよ。私はARISAさんのためを思ってダメサメ映画とこっくりさん映画を収集していたというのに！」
鳴護「あぁそれ忘れてくれなかったんだ……てっきりコックリさんはもうないもんだと思ってたのに」
絹旗「予想以上に資料を集めるのが超難航しています。多分来年中には形になるかと思います」
鳴護「なんで？カルト映画だから？」
絹旗「いえ、タイトルがただの”こっくり（コックリ）さん”なので、どれがどれだかの判別が超困難なだけです」
絹旗「そして映画のあらすじが『なんやかんやでこっくりさん試したら酷い目に遭った』ですので、熟読しないとどれがどれやら分からなくもあり」
鳴護「またしょーもない理由だね！そこまでして強行する必要はないんじゃないかな」
絹旗「まぁ多分いつかするのでお楽しみに――さて、今日はプレゼントいうことなので私も超一家言あります」
鳴護「あれ？ヒーローも好きなの？」
絹旗「何を仰いますか。子供向け映画には超多いじゃないですかヒーロー。流石の私もドラえも○やクレヨンしんちゃ○は見ませんが」
鳴護「何がどう違うのか分からない。まぁ、それで？」
絹旗「私が超提案するのは――『童話戦記アベンジャーズ・グリム』です……ッ！」
鳴護「あ、なんかちょっと面白そう」
絹旗「超主人公は不思議のアリス、白雪姫、赤ずきん人魚姫など童話世界の少女達です。現代風にアレンジします」
鳴護「その”現代風にアレンジ”っていうのが……うん、なんか恐怖なんだけど」
絹旗「まぁ色々あって世界を守るために、つーか童話世界がごっちゃにならないように力を合わせて戦ったり、逆に超反目したりをします」
鳴護「まずその超長そうな物語はヒーローショーぽくはないけど、まぁ、配役を絞ればできる、かな？」
絹旗「そしてその現代風アレンジですが、まず子供が戦うのは超いけません！悪影響があるんじゃないですか！」
鳴護「あー、まぁヒーローショーだからね。少女って年齢の子たちが戦うのはよくない、かも？」
絹旗「ですので演じる女優さんをほぼ全員30代まで引き上げましょうか！あぁ私の超感想でありあくまでも見た目はですが！」
（※実話です）
鳴護「少女の定義とは」
絹旗「そして服装も昔のペラい格好では超良くありません！現代風アレンジを加えてパンツスーツに革製品で超固めましょう！」
（※実話です）
鳴護「別人だよね？年格好が全然違うんだったら名前が同じだけの
絹旗「恐らく今の説明だけでは超分からないと思いますので、想像してみてください。ディズニ○がランドする浦安の遊園地あるじゃないですか」
鳴護「分からないっていうか、分かりたくないが正解だけど……」
絹旗「それであの耳がついたヘアバンドありますよね？小学生辺りがつけていれば微笑ましく、20代がつけていたら超おぞましいヤツ」
鳴護「それこそ自由だよ！？似合うか似合わないかはともかくね１」
絹旗「それを最初から最後まで装着した30代のオバハンがアリスだと言い張ってる感じです。超一言で言いますと視覚の暴力」
（※実話です）
鳴護「もうちょっと言葉選ぼうか？えっと、いくら脳内設定だからって言って良い事と悪い事がね？」
絹旗「そして超圧巻なのが戦闘シーン！敵味方全員が童話系存在で魔法が使えるはずなのに、手が出る足が出る赤ずきんは銃をぶっぱする！」
（※実話です。恐らく予算の都合）
鳴護「コンセプトはどこ行っちゃったの？せめて、そうせめて童話なんだから魔法を使おうよ！」
絹旗「さぁどうですか童話ヒロイン達の闘いは！？値を右採用間違いなしでしょうね！」
鳴護「美琴ちゃんに引き続いて憑かれてるんだよキヌハター。どんだけ世界を盛れば気が済む……？」
鳴護「……ちょ、ちょっと待って？さっきからちょいちょい行間ボケの”実話です”が挟まるってことは――」
絹旗「――っていう映画が超あります」
（※マジであります）
鳴護「ほんとにあった怖い話！？あぁいや違うけど違くなくて映画の話！？コンセプトは真面目だったら意外と楽しく聞いていたのにね！？」
絹旗「映画をオマージュしたんですけどそれが超何か悪いとでも？ゲコ太君なんか実在してるじゃないですか」
鳴護「もっとタチ悪いな！まだ想像上の産物だった方が気が楽だよ！」
絹旗「ちなみに余談ですが、今の作品はシリーズ第二作目で一作目は超そこそこ面白いです。超そこそこですが」
鳴護「そういうとこだよ？あえてダメな方ダメな方へと突き進むところだよ？」
絹旗「そして！この映画を作った会社の代表作が『シャークネー○』……ッ！！！」
（※サメ＋トルネードで変に売れて続編が作られまくった。東京ロケも敢行してる）
鳴護「助けて当麻君！？サメが！サメの呪いがあたし達を追いかけてくるよ！？」
――プレゼン会場
鳴護「……」
レッサー『えぇとその、大丈夫ですか？思わず私が気ぃ遣うほど大変だったとしか』
鳴護「……カルメンさんの話もそうだけど、胃に来るんだよ……！重いからほら！消化不良に！」
鳴護「……そして最愛ちゃんの無慈悲な扱き下ろしっぷりを聞くと、『なんか懐かしいなぁ』と思うのはマズいだろうか……？」
レッサー『手元の資料によりますと、自粛中にも関わらずせっせとクソ映画を見まくってレパートリーを増やしたそうですな』
鳴護「その資料必要？プレゼンで何を目的としたら書くところがあるの？」
レッサー『最近のオススメは”クワイエット・プレイ○2”、「一作目がスマッシュヒットで続編作ったら全スポイルの超見本」とのことです』
鳴護「修行なのかな？あえて集中できない映画を見て呪力を高める練習でもしてるの？」
レッサー『――私は、道になりたい』 ｷﾘｯ
鳴護「なんかいい事言ってるけど、誰の台詞？」
レッサー『数年前にヤポンで見た警察24○で側溝の中へ入って逮捕されたオッサンです』
鳴護「あぁHENTAI的な意味でね！やっぱり何を言うかよりも誰が言うのかも大切だよねっ！」
レッサー『同じ「殺生ダメ！」もブッダが言うのとゾディアックキラーが言うのでは意味合いが違いますからねぇ――さて！では気を取り直して次のモンスターをお呼びしましょうか！』
鳴護「確変はしないのかな？永遠にリプレイが出続けるんだったら、それはそれで時間を捨てているのと同義だよね？」
レッサー『エェントォッリー三ばーん！日本が生んだモンスターーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ！』
鳴護「失礼だよ？」
闇咲「――闇咲だ」
鳴護「テンション上げません？非公開とはいえオーディションやってんですから、こうもっと声張りません？」
闇咲「『――お分かりいただけただろうか。では、もう一度……ッ！』」
鳴護「涙子ちゃんだわね？絶対にその台詞仕込んだの涙子ちゃんしかいないよね？」
絹旗「今は無きジョリー・ロジャ○のドギュメント式ビデオ映画のナレーションで、柳ユーレ○さんが超連呼するヤツです」
鳴護「あの、あなたは終わったんで戻ってもらえませんか？さも審査員のように隣に座られても……」
絹旗「あぁ超続けてください。こちらは気にせずに」
鳴護「レッサーちゃん出番だよ！モンスターな人をつまみ出すにはあなたの暴力が必要なの！」
レッサー『おっと靴紐が！？』
鳴護「クロック○なのに？なんか宝石過多なパチモン履いてるのに？」
レッサー『いやこれは正式なメーカー品です。アクセサリーメーカーを買収して作ったものでありまして』
鳴護「いや知らないけど」
レッサー『なおクロック○の社長は公共プールでそのアクセサリー会社の娘（7歳）へ名刺を渡し』
レッサー『「僕に電話するようママに頼んでね」（ﾆﾁｬｱ）」と言ったんだそうで……！』
（※実話です）
鳴護「おまわりさん案件だよね？これで電話するとしても治安当局の方じゃないかな？」
絹旗「その話の超キモは『プールで七歳児がつけていたアクセサリーに目をつけた』ですね」
鳴護「本当に帰ってくれないかな？あたしレッサーちゃんと大喜利の対処だけでいっぱいいっぱいなんだよね。今もそうだけど」
闇咲「続けても？」
鳴護「あぁすいませんね！どうぞどうぞ１」
闇咲「――『呪術戦隊ムハムドオ○』……ッ！！！」
鳴護「名前がペケ。パクるにしてもゲームの呪文ってあります？もっと分かりづらいところにしません？」
闇咲「嫌だろう？」
鳴護「確かにマハムドオ○嫌ですけども！耐性ない仲間がバタバタ死んで戦闘後に蘇生させるのまで含めて面倒ですけども！」
闇咲「実は――呪術がブームになっている聞いた」
鳴護「呪術が廻戦するのですね。あれも……流行ってるのかどうか、うん。キャラクターグッズ出まくってますけど、結構売れ残りワゴンにインしてる率が……」
闇咲「啓発も込めて裏の技術が表に出てくるようだな」
鳴護「まぁ名前は変えるとして……どんな内容なんですか？式神的な感じで？」
闇咲「式神は陰陽道の系譜だな」
鳴護「あっはい、すいません？」
闇咲「まずは修行を積む」
鳴護「主旨分かってますか？ヒーローショーだってあたしがさっきからずっとノド涸らして言ってますよね？」
闇咲「魔術を素人が使わないようにするためだが？」
鳴護「何かマズいんですか？『まじかるー☆』みたいにパパっと唱えられたりはしないんですか？」
闇咲「あぁまぁその手の類の呪術もあるにはあるんだが、ただ代償がな」
鳴護「えっと……？レッサーちゃんはホイホイ使っているような？」
レッサー『私が使っているのは主に霊装ですな。言い方は悪いですが、使い手にカスタマイズされたもんなんで多少の心得と条件を満たせば使えます』
レッサー『しかしこの方は最初から全部ゼロから作れと……あー、百円ライターを使える人は多いですが、材料を渡されて「さぁ作れ！」って言ってる感じ？』
鳴護「無理ですよね？そもそも手作業で作れる人類っています？」
闇咲「難度が高いという意味でだ。よってそこら辺を全てスキップしてしまい安易に使うと大抵おかしくなる」
闇咲「例えば『次に振るサイコロ出目が分かる術式』があるとしよう。これが熟練の魔術師であれば的中率100%と価値も高い」
鳴護「そんなに有効ですかね？ギャンブル」
レッサー『カンタベリーで同じことを言ってみるといいんじゃ無いですかね。前よりも”遊び”がなくなった分だけ、苛烈に駈りまくってますよ』
闇咲「まぁそれが半々でも使えなくはない。10%ぐらいでもないよりはマシだが……それが素人が、どれだけ当たるのかも、いつ当たるのかも分からないのならばない方がマシだ」
絹旗「成程。本人は使いこなしてると超ぶっこいてしまっても、実はそれが逆に足引っ張るってことでしょうか」
鳴護「最愛ちゃんは黙ってて！」
闇咲「よってここはベテランがお互いに呪殺を仕掛けるという本場の凄みというものをだな」
鳴護「……どういう絵になります？」
闇咲「護摩行――儀式型の魔術で護摩を焚いてマントラを唱え呪詛を送り込む」
鳴護「あ、レッサーちゃんは正しかったんだね！人の話を聞いてないしそもそも主旨も理解してないし、本物のモンスターだったよ！ごめんねレッサーちゃん！」
絹旗「それはさておき、『最愛』ってドラマのCM流れる度に『呼びました？』って超なるんですけど」
鳴護「本当に自由だね！？場を収める訳でもなく自由にボケるってどうなのかな！？」
――プレゼン会場
鳴護「イロモノしか来てない……ッ！こんな中からどれ選んでも地獄……！」
レッサー『私も予想外のはしゃぎっぷりに引いてます。このままではゲコレンジャーが一番マシだったってことになりかねません』
鳴護「これでもう終わりなの？当麻君はスタンバってないの？」
レッサー『「百合戦隊シスターサン」という看板を作っておられたんですけど、控え室で御坂さんが天中を加えまして』
鳴護「あ、うん、じゃあいいです。真面目にする気がないって事だから」
レッサー『ですのでラス一に急遽出たいという方が』
鳴護「飛び入りかな？まぁ聞くだけ……聞いてみようかな」
絹旗「超どうもです。さっきぶりですね」
鳴護「ずっと同じ部屋にいたのに！？あたしの隣で審査員っぽくお茶とお茶請けまでもらっておきながら！？」
絹旗「実はこのヒーローは私が墓まで持っていこうと思っていたのですが……足りないというのであれば！禁を超解く他ないですね！」
鳴護「もう嫌な予感しかしないのでいいです。バイト代はマネージャーさんが全負担するので帰って下さい」
絹旗「時にARISAさん、今年の流行語大賞はなんだと思います？まだ超選考の段階ですが」
鳴護「そうだねー、まぁ普通に考えればコロナ関係じゃないかなー？」
絹旗「ですね、私も『トロピカって○ー』が受賞確定だと超思います」
鳴護「ねぇ聞いて？なんでどいつもこいつも人の話を聞きに来たのに聞く気がないのかな？」
絹旗「超乗りませんと！この超ムーブメントに！」
鳴護「それ言いたかっただけだよね？あと『トロピカって○』ってね？」
絹旗「ですので今年の流行りは海！夏！これで超行きましょう！」
鳴護「昨日冬になったばかりなんだけどな……そしてプリキュ○も折り返し地点過ぎてからかなり経つけど」
絹旗「私を超信じて下さい！フェィスブッ○主導のVRぐらいはヒットすると思います！」
鳴護「人は何回過ちを繰り返すんだろう……？セカンドライ○って昔あったよね」
御坂「一応科学の方からツッコむけど、ハゲのPVでぬるぬる動いてたディーラー型ロボット、あれ一台リアルタイムで動かすのにハイスペックパソコン数台は連結処理させないと無理よ」
御坂「VRのクオリティ上げるには端末含めた初期投資が高騰するし、逆に抑えればショッボイ感じになるし」
御坂「まぁ成功すればやったもん勝ちなんだけど、今起きてる社会問題がより酷くなりそうな未来しか思い浮かばない……！」
鳴護「解説ありがとう。でも美琴ちゃんまで来たの？あたしの味方はどこにもいないのかな？」
絹旗「と、いう訳で――『海洋戦隊シャークマン』！超見参です……ッ！！！」
鳴護「待って？どっからツッコんだからいいのか分からないぐらい待とう？」
絹旗「はい？超なんですか？」
鳴護「前にね、合体ロボの方でサメ型ってのは何かで見たんだよ。でも全員がサメってのは……？」
絹旗「まずはシャークレッド！シャークマンリーダーで単細胞ですが超熱血漢！正義を愛し悪を憎むヒーローです！」
鳴護「うん、絹旗ちゃんが声張るときって大概碌でもないときなんだよね。経験上」
絹旗「そして彼は『シャーク・オン！』のかけ声と共にシャークマンへと超変身するのです！」
鳴護「なんでサメ縛り？舞台が陸上だったら活躍できなくない？」
絹旗「なお必殺技が『シャークネー○』で、サメを伴った竜巻を超呼び出し相手をズタズタにするという……ッ！」
鳴護「リソースの無駄遣いだよね？それ技打ち終わった後、大量のサメの死体が打ち上げられてピクピクするってことだよね？」
絹旗「続いてはシャークブルー！普段はクールなナイスガイですが、戦闘になるとその魂を燃やしてしばしばレッドよりも超危うくなります！」
鳴護「あ、これはアレかな？全然興味無いんだけど、聞いている間にちょっと楽しくなってくるやつかな？」
絹旗「必殺技は『ディープ・ブル○』」
鳴護「それはなんかちょっと格好いいね。どんな必殺技なの？」
絹旗「超生き残ると思っていたヒロインがサメに食われます」
鳴護「本当の意味での必殺技！？正義のヒーローが技使ったらヒロインさん死んじゃうの！？」
絹旗「そして三番目はシャークイエロー！えっと……カレーが好き？多分好きなんじゃないですかね、きっと」
鳴護「もっと興味持とう？仮とはいえ自分の創作物なんだから責任持とうよ？」
絹旗「必殺技は『サンド・シャー○』。何かこう砂浜からサメが現れて喰い殺します」
鳴護「さっきからサメによる事故死が続いてるけど、飽きないかな？子供たち、『えっ？またサメ？』ってならない？」
絹旗「んでもって紅一点はシャークピンク！恋に恋する超乙女です！」
鳴護「てかさっきからキャラ設定が、昭和」
絹旗「必殺技は『ホーガ○の娘』。殺されず最後まで生き残り、海中のサメ相手に互角以上の戦いを見せます」
鳴護「サメ縛りから脱出できたのはいいけども！あたしがいいたかったのはそういうことじゃあなくてね！？」
絹旗「最後はニヒルな味方シャークブラック！なんか黒いです」
鳴護「緩急ありすぎじゃない？レッドとブルーのあとは明らかに飽きてきてるよね？」
絹旗「必殺技は『シャーク・ハウ○』。オススメされたので見てみたら超結構面白かったです。ありがとうございました」
鳴護「掲示板使いなよ！？ここでお礼言ってもな！」
絹旗「そしてヒーローがピンチになり！敵が巨大化しようものならば！全員がサメ合体してフィフスヘッドシャー○となって敵を超噛み砕くという……ッ！！！」
鳴護「ここだけじゃないかな？世界は広いし電子の海は広大だけど、サメでここまで盛り上がるのってここだけじゃない？違う？」
御坂「いいや違うわ！サメにこれだけバリエーションを持たせるだなんて凄いじゃない！」
鳴護「バ×だからだよ？制作会社が『まぁサメ作っとけ！』みたいにノリだからで、特に深くは何も考えていないよ？」
絹旗「なおこれは余談なのですが……」
鳴護「が？」
絹旗「前に扱き下ろした『犬鳴○』、ゲーム版が据え置き機で超出るのが決定しまして」
鳴護「本当に余談だな！？大して興味も無いよ！？」
――
レッサー「『――ここまでのあらすじ！』」
レッサー「『トラックに撥ねられお掃除ロボに衝突した祭、またま居合わせたミョル子さんにベッドバッドを喰らって死んだ鳴護アリサさん！』」
レッサー「『しかし実はそれが神様の手違いだったと分かりさぁ大変！変えるべき肉体はマリアンが美味しく頂いたあとだったとさ！』」
レッサー「『見かねた神様が異世界転生させたものの、なんとその世界でアリサさんに課せられた役割とは――』」
レッサー「『悪の組織として転生者にさすおに要因！ぶっちゃけかませ犬だったのですな……ッ！！！』」
鳴護「全部違う。一言一句かすってすらいない」
レッサー「『先生質問です！どうして異世界の暗殺組織は可愛い女子ばかりなんでしょうかっ！？』」
鳴護「それはね、手っ取り早いハーレム要因たがらだよ。洗脳を解いた後に『やだ……ステキ！』みたいな」
レッサー「『先生質問です！どうして異世界の賢者は賢いはずなのに対人スキル皆無のコミュ障なんですかねっ！？』」
鳴護「それもね、手っ取り早いハーレム要因だからだよ。間に入って『やだ、ステキ……！』みたいな」
レッサー「『先生質問です！どうして異世界のどこの国もお姫様はバードや歌姫になって冒険者をしているのですかっ！？』」
鳴護「それはきっとね、現代でもそうだけど世界各国で人余りが増えているからかな」
レッサー「城外や国外の人間に頼る時点で詰んでますよね？」
鳴護「うん、あのね、それは別にいいんだけど始めていいかな？前回あまりのグダっぷりであたし達は予想以上に追い詰められているから」
レッサー「そうでしたねっ！まさか突如出てきたモブと将棋やったあとに、突然『完』とか新手のギャグかと思いましたもんね！」
鳴護「だからそれ誰が分かるネタなの？色々まさかとは思ったけど、全ての伏線をぶん投げてヒロイン確定すらままならず終わったアレだよね？」
レッサー「コミカライズどうするんだろうかとか、ノベルの続刊出るのかとか益々目が離せませんな……ッ！」
鳴護「一部だけね？闇よりもなお昏い楽しみ方をしているのはごく一部のユーザーだと思うな？」
レッサー「では引き続き、『全裸戦隊マッパーマン〜上条当麻は何故戦ったのか！？〜』をご覧ください！」
鳴護「当麻君が確実に可哀想なことに！？先週は名前しか出てなかったのが一躍抜擢！？」
――事務所
鳴護「……っていう現実逃避はやめようか、うん。何の解決にもならないからね」
レッサー「本当に役に立たない連中でしたね！サメ映画の魅力には危うく引きずりこまれかけましたが！」
鳴護「何なんだろうね、あの独特のしょーもない感は……？極めてごく稀にある面白いサメ映画に当たっちゃったときとか、逆に損をした気分になるんだよ……ッ！」
レッサー「いい感じであの方の悪影響が出ていますね」
鳴護「……」 ｼﾞｰｯ
レッサー「なんでしょうか？私の顔に目と鼻と口でもついてます？」
鳴護「それは大体の人が装備してる。そうじゃなくてね、ふと思ったんだけどレッサーちゃんってサメ映画に似てるよね？」
レッサー「――よーし何が似ているのか話し合いましょうね！安心してくださいなんだったら朝までじっくり付き合いますからね！」
鳴護「あぁごめんなさいごめんなさい！あたしが悪かったよ！」
レッサー「この間、イギリスで国際会議あったじゃないですか？環境問題を話し合う体でマウンティングするって主旨の？」
鳴護「あたしは知らないよ？あと言動には気をつけた方がいいよ？」
レッサー「そこのグラスゴーではウチのベイロープの出身っつーかクッコロなんですけとね！あのお嬢様！」
鳴護「日本語喋ってる？ちょっと何いってるのか分からないな−」
レッサー「そこでとある環境団体が近くの公園にお手製のネッシーを浮かべようとしたそうなんです。何かこう『絶滅させないで！』みたいな感じで」
鳴護「ネス湖も近くなんだよね。観光で行ってみたいよね」
レッサー「だがしかし無許可だったらしく即・警察に取り押さえられて撤去させられるっていうね……ッ！！！」 ｸﾜｯ
鳴護「うん、そーゆーとこ。多分その人達はイギリスとは関係ないんだろうけど、サメ映画っぽいんだよ。全体的に残念なところが」
レッサー「グレ×さんに煽られてそのまま煽り返す首相の国ですからね！実に誇らしいですな！」
（※「blah blah blah言ってんじゃない！」→ジョンソン首相「Blah!」。あんまり公の場では使わないっつーか、普通は文語体で-使うっつーか）
鳴護「うん、だからそーゆーフリーダムさがね？全体的に大人げないっていうかな」
レッサー「ではまず問題点を上げませんか？」
鳴護「『ここヒーロー多すぎじゃんね』が唯一にして最大の問題になってるんだけとな……」
レッサー「そうですなぁ。通常であれば物語的には主役多すぎるととっ散らかるもんですが、ここは一つ逆に考えましょう」
レッサー「一人にヒーローを求めるではなく、全員がヒーローだった、てねっ……ッ！！！」
鳴護「凄く良い事言ってる。レッサーちゃんで出会って一番良い事を言ってる――」
鳴護「――でもね！？何となくオチは読めるし展開『あぁどうせもうこの暴走列車からは途中下車できないんだろうなぁ』って諦めもあるけど！」
鳴護「一回立ち止まって考えてみようか！この道が果たして正解なのかなって！」
レッサー「何を仰いますやら！私のこのネス湖のように澄んだ瞳を見てつかぁさい！」
鳴護「あれ？ネス湖って生活排水が結構流れ込むから汚いって、ベイロープさんが言ってたような？」
（※かなり透明度低い）
レッサー「ならば我が名にかけて誓いますよ？！？それならばどうでしょうかっ！？」
鳴護「そこそこ付き合いも長いのにいまだ本名すら知らないんですけど」
レッサー「えっと、カルメン＝レッサー？」
鳴護「その人この間話題になってなかった？女性作家として売り出したら授賞式におじさん三人がノコノコ来た人だよね？」
レッサー「では作戦名――『ガンガンいこうぜ』でいきまっしょい！」
鳴護「一択だよね？レッサーちゃんの持ち札それ一枚しかないよね？今まで『いのちをだいじに』とか『みんながんばれ』すら聞いた事ないんだよ」
レッサー「『いのちをいこうぜ！』」
鳴護「複合的に！？遠回しに『散らすぐらいガンバ☆』ってことかな！？」
――学園都市某所 某総合デパート屋上 ミニステージ
鳴護「あー……」
マネージャー「お疲れさまですARISAさん。どうかしましたか？まるで放火でもしそうな雰囲気ですが」
鳴護「『世界が今終わらないかな』って思っています。お疲れさまです」
マネージャー「公演当日なのですから諦めてください。自分も正直計画の無軌道さに引き気味ですけど」
鳴護「あたしもまだ何やるののか聞かされてないんですよ！？レッサーちゃんが『プリンス・オブ・ウェールズに乗ったつもりで！』とか言って！？」
マネージャー「旧日本軍にマレー沖海戦で沈められた戦艦ですね。多分次の大戦までネチネチ言い続けるでしょうからご注意ください」
鳴護「つまり――沈める前に沈めろ、と？」
マネージャー「戻ってきてください。その領域は絹旗監督の得意分野です」
鳴護「姉の不始末が原因とはいえ、なんでここまであたしがカルマを引き継がねばいけないのかと……！」
マネージャー「そうですね……自分に言えることはあまりないのですが、ただ、一つだけいいですか？」
鳴護「……なんですか？」
マネージャー「シャットアウラ現会長兼社長の、まともで理性的な部分が鳴護アリサさんになったので、残りは――」
鳴護「一瞬『あぁ！』って思っちゃったけど違いますよきっと多分恐らくは！なんか距離感おかしいなって時々思いはしますけど！」
マネージャー「持ってる能力も含め、ある意味究極の対人共感能力ですからね。人々の願望を叶えるのですし」
鳴護「人をどこかの聖杯みたいに言わなくても……！」
マネージャー「聖杯って本当にあるんですかねぇ」
鳴護「前にちょっとだけ。マネージャーさんがリタイアした後に、はい、まぁ」
マネージャー「ともあれ。そろそろ開場と共にARISAさんの濃いファンの方が押し寄せるので、そろそろ退避しませんと」
鳴護「ウチの子たちを問題児みたいに言わないでください！いいこばっかりですよ基本的には！」
マネージャー「それでステージ衣装はこちになります」 ｶﾞｻｯ
鳴護「あ、可愛いですね。缶バッジが過剰なぐらいいっぱいのオーバーオールと帽子」
マネージャー「こちらは司会兼歌のおねーさんをイメージしておりまして。なんでしたら私服にもどうぞ」
鳴護「嫌い……はい、決して嫌いでないんですが、その、教育番組のおねーさんっぽい服は、ねっ？」
マネージャー「弊社所属のタレント曰く、『アリサはもっさい方がかえって可愛い』とのアドバイスを」
鳴護「もっさいって言われたけど誉めてもらって嬉しいよ当麻君！あとできれば直で聞きたかったかな！」
マネージャー「ちなみに彼も控え室でまるで死刑囚のような面持ちでした」
鳴護「良かったよ！あたし一人だけじゃなくてね！」
――学園都市某所 某総合デパート屋上 ミニステージ
鳴護「『みなさーん！こーんにーちわー！』」
ファンたち『こーんにーちわーッ！！！』
子供たち『……』
鳴護「『腹筋を使ったとてもいいお返事ありがとうっ！温度差に驚愕するし今からでもいいから最前列は他の子に譲って後ろに行ってもらえないかなっ！？』」
ファンたち『よし移動だ！ガキども前へ出ろ！ 』
鳴護「『そういうのやめよう？気持ちはありがたいんだけど、ここで暴力沙汰になろうもんなら危機として鎮圧する子が直ぐ近くにいるから！』」
絹旗「超お呼びで？」
鳴護「『ううん大丈夫だよ？なんでもないからスタンバってて？なんだったら帰ってもらってもいいし？』」
鳴護「『てか最愛ちゃんいるってことは昔はお姫様だった人たちかサメの二択だなこれ！どっちもハズレだよ！』」
鳴護「『えっと……はいっ、はじめましてこんにちは！司会のおねーさんことARISAですっ！よろしくねっ！』」
青ピ「アッリッサ！アッリッサ！」
鳴護「『応援ありがとう！でも名前コールは自重してね！』」
姫神「あいかたー」
鳴護「『無表情で淡々と！？そしてあたしに相方さんはいないよ！某人脈が無駄にいい仕事してるね！折角だから楽しんでいけばいいんじゃないかな！』」
鳴護「『本日はみんなが大好きなヒーローが来てまーす！誰かはあたしにも分かりませんが！』」
青ピ「あなたがボクのヒーロー――ぞげぶっ！？」
吹寄「あ、すいませんでした。続けてください」
鳴護「『往年のホーガ○のようなラリアットでしたねっ！是非ステージへ上がってツッコミを手伝って欲しいぐらいです！』」
姫神「――ピンマイを」 ｽﾀｯ
鳴護「『求めているのはノット・ボケ！これ以上場を混乱させない要員ですからお引き取りください！』」
姫神「『――そう。魔法少女に私はなりたい……ッ！』」
鳴護「『ホントにごめんなさい。なんだったらあとでバイト代も出すから降りて？あたしのツッコミ能力じゃ乱入してくる新しいヒーローまでは捌けないんだよね』」
土御門「おねーさーん！アホはいいから進めてほしいぜぃ！」
鳴護「『アホかどうかはさておきそうだね！前を向けて歩かないとね！……えーっと、それでですねー、あたしも誰かはまだ知らないんだけどヒーローさんが来ているみたいですよ！』」
鳴護「『っていうかまだそけっぽい人はいませんねー？本当にいらっしゃってるのかなー……？』」
チンピラ？『くっくっくっく……！いいじゃないですか！今からどっか行きましょうよ！』
通りすがり？『や、止めてください！』
鳴護「『って、見て！？あそこに誰かが！？』
レッサー（チンピラ？）『くっくっくっく！こっち来なさい通りすがりのJKその一！』
上条（通りすがり？）『くっくっくっく！きゃー助けてー！』
鳴護「『配役もっと何とかなんなかった？なんでレッサーちゃんが当麻君の腕引っ張って”くっくっくっく”言ってんの？』」
鳴護「『えっとその、決してこれは多様性を否定する訳じゃなくて、特定の意図はない純粋な疑問からだけど！逆の方が構図としては分かりやすかったんじゃないの！？』」
レッサー『いえ、この数年ですっかり様変わりしましたからねっ！そうアリサさんが言葉を選ぶほどには！』
鳴護「『はいそこ黙って！こっちも綱渡りしながらなんだから余計な爆弾放り込まないで！』」
鳴護「『あと当麻君も”くっくっくっく”言う必要はあったかな？ないよね？そしてレッサーちゃんのJKって何を見て言ってるの？フシアナなの？』」
レッサー『あぁこれは”自意識過剰な高校生”の略であり、大した意味ではありません！』
鳴護「『……あぁうんごめんね？茶番を続けて続けて？』」
上条『やめてください！警察呼びますよ！？』
レッサー『あ、すいません。そこまで嫌がるとは思わなくて』
御坂『――今のは動画に撮ったわよ！さぁ交番まで来なさい！』
レッサー『ちょっ！？待ってください！これは怪しいものではなくただのハニトラでありまして！』
上条『――ありがとうっ！助かりました！』
御坂『まず何かあったら即・通報！人通りの多いところにまで逃げてくるか、安全じゃない場所には行かない！いいわね、あたしとの約束よ！』
上条『やだ……ヒーロー』
鳴護「『……』」
鳴護「『――いや終わってないよ！？ヒーローが登場してすらいないし、何三人とも”いい演技したね”みたいな雰囲気出してんの！？』」
鳴護「『てかヒーローはどこに行ったの！？違うそうじゃない！ヒーローっちゃヒーローだし、啓発運動的には”動画を撮りつつ即・通報”も正しいは正しいんだけどね！』」
上条『――なぁ、司会のお姉さん。ヒーローがなんでヒーローって言われてるか知ってるかい？』
鳴護「『え？あ、いや知らないけど』」
上条『俺も知らない』
鳴護「『じゃあなんで聞いたの！？明らかに今説明する体で聞いてきたよねぇ！？』」
上条『いや単純に知らないからだけど？』
鳴護「『ホントこれノド殺しの脚本だよね！当麻君が前に”佐天さんの番組に出るとノドがやられる”って言ってたけどこっちも中々だよ！』」
レッサー『こ、ここは一体……！？』
鳴護「『レッサーちゃんなの？絡まれた方に動きがあると思ったらピントが合うのはそっちなの？』」
姫神「ありさー。司会司会ー」
鳴護「『ヤカラのおねーさんが変な所に来ちゃったぞー！逃っげってー！』」
レッサー『まさかここはっ！？誰しもが怖れるあの――』
レッサー『――入国管理○っ！！！』
鳴護「『訂正して！？今あたしコンプラ的に犯罪を助長する発言しちゃったから！』」
レッサー『政治的な理由で亡命したいです！母国ではテロリスト扱いを！』
鳴護「『ねぇ、いつも言ってるけどレッサーちゃんは誰と戦っているの？”そのネタだけはやめてくれ”って注意されたの全部入れるよね？盛るよね？』」
レッサー『ただちょっと”王室のヨゴレを綺麗にしたい！”ってやっちゃっただけなのに！』
鳴護「『そこだけ聞くと年末の大掃除……あと今更だけどパスポートって何使ってるの？どこ産の偽造？』」
上条『くっくっくっく……！よくぞ迷いこんだな一般人よ！』
レッサー『あ、あなたはっ！？さっき出会い系詐欺で騙そうとした幸薄そうな人ではないですか！？』
上条『気づかなかったのも仕方があるまい……！こちらには元アイドルのセカンドキャリアで大失敗したのがいるのだ……ッ！』
レッサー『な、なんですって！？一発屋に終わった元アイドルの行き着く先がそこですって！？』
鳴護「『二人ともあとでお話があります。特に脚本書いた方おぼえてやがれ』」
上条『騙されたのは貴様の方だったな！これが我ら自由フレンチ軍のやり方なのだ！』
レッサー『シイィッ！流石は自由フレンチ軍！やる事が汚いエゲツない！』
鳴護「『えー、業務連絡業務連絡ー。内容に偏向した物が多々見られます。アドリブで改善されないのであれば、強制的にステージを終了させますー』」
上条『――もとい、えっと……どうしよう？』
レッサー『大人げない結社ア・レイスター？』
鳴護「『あの、実在する人名は流石に……』」
上条『ア・レイスターの名の下に！貴様は改造人間ケッサー＝チャンとして生まれ変わるのだ！』
鳴護「『パチ物臭い名前……！キーボードだとよく間違ってそうだよ！』」
レッサー『やめなさい悪の組織め！やるんだったら条件を吊り上げますよ！』
鳴護「『そういう問題？均等になったらしないでもないの？』」
レッサー『バッタ型だったらワンチャンあり！イカ型でもネタになるのでそれはそれでありですな！』
鳴護「『メンタルの強さを発揮すべき局面を間違えてる。普通は改造された後に”だが正義の心は失わないのであった”じゃない？』」
レッサー『私が――私たちが正義なのです……ッ！』
鳴護「『うん、いるけどそういう人たち。ただね？こうなんでみんなしてステージへ上がっているのか思い出してあげて？』」
御坂『――そこまでよっ！』
レッサー『な、何ヤツっ！？』
鳴護「『それ悪い人の台詞。被害者が言う事じゃない』」
御坂『この世の悪を千切って投げる！誰かがやらねばあたしがするわ！』
御坂『あたしそっちのけで過去編がフレイル使いと巨大化の戦いになってて！チャン＝コーハ○とチン＝シンザ○の異種格闘技戦みたいになってるのはどういうことかっ！？』
（※”KOF 鉄球”と”餓狼 デブ”でググってみよう）
鳴護「『お嬢様学校だよね？能力使ってはいるけど基本マガジ○のヤンキーマンガと大差ないよね？』」
レッサー『ステゴロ経験だったら”上条さん＜御坂さん”説……ッ！』
上条『とある外伝・御坂最強伝説』
御坂『やめなさいよ。女の子を肉○扱いするのはね！』
レッサー『あの人にタイマンで勝利できるのは様々な意味でゴブリン・スレイヤ○さんぐらいしか……』
御坂『とにかくそっちの子を離しなさいよ！勝手に改造するだなんてマナー違反でしょうが！』
鳴護「『マナー……？』」
レッサー『某お嬢学校では能力使った私闘がしばしば起きる上、なぁなぁで済ませるため、常識がおかしくなってるのかと推測されます』
上条『ふっ、言葉で俺が止められるものか！旧型ではあるがパワードスーツを着た俺にな！』
レッサー『意訳；さっさと変身しなさいよ』
鳴護「『さー助けに来てくれた女の子のがピンチだぞー！どうするのかなー！？』
御坂『ちょいやー！』
ﾊﾞｽｯ
上条『げふっ！？く……えふっ、ゲホゲホゲホッ……！？――お、うおぉ………………――』
上条『……』
上条『な、生身での攻撃なんて、通用しないけどもう一回は止めてください死んでしまいますよ俺が！！！』 ｶﾞｸｶﾞｸｶﾞｸｯ
鳴護「『超効いてる。スッゴイ足に来てる』」
レッサー『私もやや引くぐらい綺麗に入りましたからね。生まれたての子鹿の如くバイブってます』
御坂『じゃあ絞め落とせばいいの？』
鳴護「『ヒーロー違う。なんで美琴ちゃんはダーティーな技に長けているの？そんな発想出る？』」
上条『その程度じゃ俺は倒せないぜ！ヒーロースーツを着ないことにはな！』
御坂『ヒーロー……スーツ……？』
鳴護「『ちょっと待って！？これ台本どうなってんの！？こんな展開だったの！？』」
レッサー『いや流石にこれは違いますよ！？ぶち壊すんだったらもっと致命的な場面で取り返しのつかない方法にしますし！』
鳴護「『なんて嫌な説得力ある言葉だね！ならどうして！？』」
上条『まさかお前は――ゲコ太ファクターを持つ人間、かっ！？』
レッサー『上条名人、軌道修正に入っています』
鳴護「『本当にお疲れさまだよね。あとレッサーちゃんはやんなくていいの？』」
レッサー『ここでパンピーが四の五の言い出したら収集つかなくなります』
御坂『そう――確かにあたしはゲコ太の刻印を持つ女……！ゲコ太スーツを着れば勇気100倍、ちょっと恥ずかしいのが欠点だけど強くはなるわ！』
鳴護「『”ちょっと恥ずかしい”？その見てないけど着ぐるみがそれだけ？』」
御坂『でも勘違いしないで！スーツがあるから戦うんじゃないのよ！戦う力かあるからヒーローって訳でもなくてね！』
御坂『人は――戦う意志を持った瞬間、誰しもがヒーローになるの……ッ！！！』
上条『やだ、超格好いい』
鳴護「『美琴ちゃん台本思い出して！言ってる事はもっともだし昨今のザコ戦闘員にも光が当たる感じだと主流的な考えだけども！今は基本に立ち返って！』」
御坂『ゲコ太レッドとあたしは一心同体……そう、決してスーツもらった直後に浮かれてクリーニング出したら予定外に伸びたとかそんなんじゃないの！』
鳴護「『超理由がしょーもないな！？あとそれせめて事前に言ってくれないかな！そうすれば多少こう配役変更とかできたと思うんだ！』」
御坂『え、普通は着る前に出さない？洗濯はするでしょ？』
鳴護「『普段着ならね？それとも普段着感覚で着る気だった？』」
？？？『――茶番はそのぐらいにおいたらどうだ？』
御坂『だ、誰よっ！？』
闇咲（？？？）『名乗るほどの者でもないが――呪術戦隊マハムドオ○、見参……ッ！』
鳴護「『…………うわぁ』」
闇咲『第一声が「うわぁ」は流石に傷つくのだが？』
レッサー『今のを翻訳しますと「うわぁ人殺してそう」ですね』
鳴護「『言ってはないよ！？似たような感想はなきにしもあらずだけど！』」
闇咲『光と闇は表裏一体、闇側の人間が善行をしてはいけないということもあるまい。その逆もまた然りだが』 ﾁﾗｯ
御坂『……何よ』
闇咲『変身しないのではなく、できない、の間違いではないのかね？ゲコ太レッド君』
鳴護「『あ、なんかそれっぽいね。当麻君よりも立て直しが上手い』」
レッサー『俳優としてのキャリアが違いますもん。方や悪役させたら日本一、もう方や日本一童貞（の演技が上手い）』
上条『何回でも言うけど俺をイジるのはいいげと中の人はやめろよ！迷惑かかるだろ！』
御坂『そ、そんなわけないじゃない！』
闇咲『ならばその身に集まる光輝の力！ゲコ太パワーがないのはどう釈明するつもりだ！？』
御坂『くっ！』
鳴護「『シリアスな演技中すいません。ファンシーな単語をいかついおじさんが連呼しているのでろ、違和感がヘヴィで内容が入って来ないんですけど』」
闇咲『戦士が戦士たり得るのはその身に力を宿すからだ！如何ともしがたい現実を変える力を！』
闇咲『小手先の力だけで乗り切ろうとする考えこそが――”悪”だ！立ち去るがいい！ゲコレンジャーへ変身できない貴様など、戦場にいる視覚などない……ッ！！！』
レッサー『このおっさんノリノリである』
鳴護「『別のドラマ？演技力っていうかベテラン力がハンパなさすぎて、その、引く』」
御坂『――嫌よ！あたしだって戦え――』
？？？『くっくっくっく……！果たして、超、ですかね？』
鳴護「『そうですかね、みたいな使い方はしないよ？』」
御坂『こ、今度は誰よ……っ！？』
闇咲『来たな――”混沌”が』
御坂『こん、とん……？カオスってことは？』
上条『あぁ……そうだぜ。俺が、俺たち闇の勢力がずっと戦いを挑み――散っていった元凶が！』
御坂『どういう、ことよ？あんた達がいつもやってるしょーもない陰謀、それには理由があったっていうの！？』
上条『そうだとも！この世界には幸福と不幸があって、その全体量が決まってる！だからコツコツと小さな不幸を積み上げていけば、大きな不幸が起きなくなる！』
上条『お前たちのせいだ、光の住人ども！お前らが俺たちを駆逐するから……！』
御坂『そんな……！？じゃあ、あたし達が戦ってきたのって……！』
？？？『――光と闇の二元論。まぁそれは超よくあることですね。どっちらが悪いということもなく、最近の物語じゃダークサイド側もスポットが当たってますけど』
？？？『しかし私、つまり”混沌”勢は違いますよ？そんな超幼稚な二択ではなく、ただ全てが混沌としています。超シンプルでしょう？』
闇咲『気を……強く持て！精神を持っていかれるぞ！』
御坂『マハムドオ○ですら怖れる相手って一体なんなのよ！？』
鳴護「『美琴ちゃん、名前は……うん、言わなくてもお話は進められるから。ピー音入るし、以後禁止ね？緊張感もなくなるから』」
？？？『そうですねぇ。昔から名前は超色々あるんですけどねぇ、”這い寄る混沌”、”膨れ女”、”燃え上がる三眼”。どれも私を意味しているんですが』
？？？『最近になってできた新しい呼び名、そう”混沌”を超体現するワードで呼ぶならば――』
ｶｯ!!!
？？？『私の名はカオス、別名――』
絹旗（？？？）『――シャーク・レッド！超推参です！』
鳴護「『混沌ってそういう意味で！？いや確かに最近の21世紀のサメ映画シリーズはニャルラトホテプも”もういいわ”ってぐらい混沌としてるれども！？』」
絹旗『そして全てがサメになる！地球温暖化で陸地が沈み、この地球は永遠の深い眠りへとつくのです……ッ！！！』
御坂『な、なんて強い混沌のオーラなの……ッ！』
闇咲『退けゲコレンジャー！貴様では時間稼ぎすらも難しい！』
御坂『マハ……ハマオ○！』
鳴護「『違う。神聖系呪文だったら言っていいってことじゃない』」
レッサー『そして何人がついてくるんでしょうか。ややニッチなメガテ○呪文ネタに対して』
御坂『でもっ！』
上条『……逃げよう！今は……！』
絹旗『私のシャーク・スキルは50を越えますが……さて、あなたは超どれだけ耐えられますかね……ッ！！！』
闇咲『まだ、だ！まだ終わらん！』
鳴護「『助けて当麻君！？ボケが多すぎてツッコミが追い付かないよ！？』」
レッサー『まぁ頑張ってくださいな。あ、民間人ハケるシーンなので私はお先に失礼しますよっと』
鳴護「『ねぇこのお芝居本当に大丈夫？学園祭レベルだったのが、おゆうぎ会ぐらいにまで落ちてない？』」
……
上条『……ふぅ、ここまで来れば一息つけるか。えぇっと、すまなかったな君』
レッサー『いえ、そういう理由があるんだったら』
上条『重ね重ね悪かった。ゲコレンジャーの君も』
御坂『戻らなきゃ……！』
上条『行くのか』
御坂『当然でしょ？あたしを誰だと思ってんのよ』
姫神「さっき初対面って言ってた」
鳴護「『マイクに入るからシーッでお願い。袖から見るのは許したけど、それ以上はちょっと』」
上条『君の正義は執行されないぞ。ゲコ太スーツなしに勝てる相手なんかじゃない！』
御坂『さっきも言ったけど勝てる勝てないじゃないのよ！スーツのあるなしじゃなくて、やるかやらないか！それだけよ！』
上条『いや違う！ヒーローにとって大切なものはそれだけじゃない！』
御坂『……なによ』
上条『ヒーローに必要なものは――圧倒的な暴力なんだ……ッ！！！』
御坂『な、なんですって！？』
鳴護「『あの、名言ではないよ？ぽく言ってるけども』」
上条『心だけで実力もなければ戦えないが、圧倒的暴力があれば心がなくたって戦える！むしろ軽い気持ちでできるんだよ！』
御坂『言われてみれば――確かに！』
鳴護「『これお芝居だよね？本当にそう思ってるってことじゃないんだよね？』
上条『第一強くなければ勝てないし、勝たなければスポンサーも付いてこない！ヒーローは絶対に勝たなきゃダメなんだ！』
上条『みんな負ける所なんて見たくないだろ！？だから強いホームに人気が集まるんだっ！』
鳴護「『それは一部のチームに失礼。ある意味正しいは正しいけど』」
御坂『でも、でも――！』
上条『……これを、持っていくんだ』
御坂『これって……あたしのゲコ太スーツ！？どうしてこれがここに！？』
上条『ステージから佐天さんに連絡して、初春さん経由で白井さんに持って来て貰ったゲコ太スーツだ』
鳴護「『本当にクリーニング出してたの？なんかこう全体的にフワッとしてふんわり仕立てにしてもらったみたいだけど』」
上条『殺ってこい。そして俺と戦うんだ！』
御坂『……誰に言ってんのよ。「ゲコ太――オン！」』
鳴護「『インじゃんない？上じゃなくて……あぁでもオンでもいいのかな……？』」
……
闇咲『……くっ！サメが、次から次へとサメが！』
絹旗『超多いでしょう？笑えるじゃないですか、ここまでサメ映画のバリエーションが多いだなんで、誰も知りませんよ』
闇咲『貴様は……何故だ！？以前は闇のヒーローとして戦っていたではないか！？』
絹旗『そう、ですね。超カオスに呑み込まれる者には知る権利があるかもしれませんね。前の私は「海洋戦隊ディープ・ブル○」でした』
鳴護「『だから名前に商標登録されてるのを使うのは……うん』」
絹旗『生まれては超消えていく数々のサメ映画の怨念、それらを糧に生まれた悲しき存在』
鳴護「『もう面白いよ？悲しいところが面白いよね？』」
絹旗『しかし生まれは生まれ！そんなものは関係ないと超叱咤して戦っていたんです！それが、それが――！』
闇咲『では、どうして……？』
絹旗『サメ映画の質が超変ってしまったのです！』
鳴護「『前から酷くなかった？ジョー○以後量産されまくって質は良くなかったよね？』
絹旗『以前は見た人間を超不幸にしていました！つまらないダメサメ映画を普及させることで、多くの人間が不幸になりバランスを取っていた！』
絹旗『ですが！あまりにも質が超低下してしまい、見た人間が「なんだこれ？」とカオスを感じるように……！』
鳴護「『なんで？』」
闇咲『……成程！やむにやまれぬ事情があったのだな……！』
鳴護「『ないよ？これといっては特に？』」
絹旗『まぁ、そんな感じで超お願いします！』
鳴護「『あ、面倒になったヤツだこれ。最愛ちゃんも長台詞もうイヤになったときのアレだ』」
御坂『――そう、事情は分かったわ！悪にも斟酌すべき理由はある……』
御坂『だがまぁそれはそれとしてぶっ飛ばすわよ！勝った方のいうことを聞きなさい！』
鳴護「『今更だけどヒーローの条件満たしてる？基本物理的にいわしてるだけじゃないかな？』」
御坂『全世界中に存在するゲコラーの力を、今、ここに！具体的にはこう大人買いして需要をもっと高めるのよ！』
鳴護「『まずゲコ太君じゃない？ファンの集金力に頼るのがスタートって』
御坂『そうして人気が少し出たらEテ○の児童番組にねじ込んで、サンエック○ばりのエゲツないマーケティングをすれば……！』
鳴護「『戦いなよ。目の前の現実と』」
御坂『そんなこんなでハリウッドデビューゲコ太キィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィクッ！！！』
鳴護「『絶対に無理かな。キテ○さんですらまだやれてないんだから』」
絹旗『ちょ、超見事ですよゲコ太レッド……あなたの勇気に、私は、負け、ました』
絹旗『だ、だかしかし！我らヒーローとは不滅の存在！ダメサメ映画がある限り、私はまた超復活します……！』
御坂『ん？まぁそうね、その時はもう一回一緒に戦いましょ？正気を失ってたらもう一回勝負ね！』
絹旗『……ふっ、超いいでしょう。約束、です――』
……
御坂『シャークレッドもまた、時代に踊らさせた被害者なのかもしれないわ』
闇咲『だが油断はできない。第二、第三のオルタ・シャークが出てくるのかも知れないのだからな』
御坂『何言ってんのよ！ゲコ太スーツも戻って来たし
レッサー『た、誰か助けて下さい！？全裸にマントのツンツン頭が！』
御坂『……ったく、感傷に浸ってる暇もない訳ね。行くわよ！』
闇咲『あぁ！』
御坂『闇を切り裂く正義の刃！ゲコ太がやらねば誰がする――』
御坂『超獣戦隊ゲコレンジャー、ゲコ太レッド！推・参ッ！！！』
闇咲『闇より出でて全てが闇に覆われる！暗黒より来たしり漆黒の呪縛！』
闇咲『呪術戦隊マハムド○、ムドレッド！見・参ッ！！！』
絹旗『世にはびこるダメ映画を千切って投げる！ネタにしようと超今日も蠢く世界各国のダメ人間！』
絹旗『海洋戦隊ディープ・ブル○、シャークレッド！顕・現ッ！！！』
鳴護「『今分かったけど全員レッドって色味もっと考えなよ！？』」
……
鳴護「『……』」
姫神「ありさー。仕切り仕切りー」
鳴護「『………………はい、っていう訳で長い長い拷問にお付き合いくださってありがとうございましたー。ヒーローの皆さんに盛大な拍手をお願いしまーす』」
鳴護「『このあと、30分後から各ヒーローと握手して記念写真が撮れる撮影会を予定しています。。良かったらどうぞ』」
鳴護「『なお、あまりにも人気が偏った場合には演者が超暴れ出すかもしれませんので、どうか大人の配慮をお願いしたいです。そりゃもうホント切実に』
青ピ「あ、すんまへん！司会のおねーさんとはできますかー！？」
鳴護「『空気次第です。ヒーロー三人の列に偏らなかったら考えます。はい他の質問は？』」
姫神「そろそろM1に予選大会が」
鳴護「『プライベートな質問はやめて！？そして出る予定もないな！』」
鳴護「『はい以上でヒーローショーは終わりになりますっありがとうございましたっ！！！』」
……
レッサー「いやー、お疲れさまでしたね！途中からほぼアドリブでしたが、皆さんベテラン俳優のように無難にこなされまして！」
鳴護「そういうお芝居あるからね。演者さんに負担がかかるからあんましないだけで」
レッサー「やっぱり時の本が良かったからですかね！」
鳴護「なんだかんだで自分を誉めるよね？まぁ読んではいないから強くは否定出来ないけど」
レッサー「まっ、そんな感じで午後からの第二ステージも頑張って下さいな！」
鳴護「表出ようか？今日こそ決着つけよう？もう暴力でいいよ、絶対に負けると分かってても戦うよ！」
-終-