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Clock(trial)

上条「そうだ。ハロウィンだしお菓子貰いに行こう」


――学校

青ピ「カミやん、つっちーおはよーさん!さぁ今日も元気にアイカ○せなアカンでこれしかし!」

上条「……」 グデー

青ピ「……カミやん、大分お疲れ様ですやん。まー、いつもの事っちゃ事やけども」

土御門「あー、カミやん、朝からあんな感じだぜぃ。どう見ても『話して!?誰か俺をカマってよ!?』オーラがぷんぷんと」

土御門「何かを察した姫神と吹寄はスルー、俺もあんま触りたくないにゃー」

青ピ「オンジーのバカっ!」 ペチッ

土御門「ハイジがオンジー殴るのは無理がひでぶっ!?」

青ピ「これは――ペーターの分!それがこれがペーターの分だっ!」 ペチッ、ペチペチペチペチペチッ

土御門「あばばばばばばばばばはばばばばばばばばっ!!!?」

青ピ「……」

土御門「……」

上条「……」

青ピ「ツッコんで来ぃへんね?」

青ピ「いつもだったらここで『ペーター配分多すぎだろ!つーかおんじードツいてんのペーターの私怨じゃねぇか!?』っちゅーツッコミが!」

土御門「あまりにボケが多くて、ツッコミスキル序列上位であっても捌ききれない、『柵中のボケ殺し』の異名を持つJCですら手に取った言うのに!」

青ピ「これはアレですなぁ、相当に深刻な悩みでんなぁ」

土御門「そうだにゃー――なー、カミやん」

上条「……ん?……あぁ土御門と…………………………………………お、おはよう」

土御門「おはー」

青ピ「待って?ねぇ待ちぃな?何で今ボクの顔見て10秒ぐらい黙ったん?」

青ピ「名前?もしかしてねぇ名前?ボクの名前なんて学級名簿確認したら分かりますやんか?」

青ピ「だってーのにいつまで経っても青ピ扱いて虐めちゃいますのん?ねぇ?」

上条「……」

土御門「……やっぱ、なぁ?」

青ピ「ボクの誘い受けにもツッコんで来ぃへんし、ホンマどないしたんでっか?」

上条「その、だな。えっと――」

上条「――食い物が、ないんだ……ッ!!!」

土御門「――はい解散。そういや掟○さん見た?」

青ピ「見たけども……冒頭から原作レイプあったんで変えたわ……あんな設定でレギュラー要らへんですやん……」

土御門「主役の子は、まぁビジュアル的には……あー、うん、金剛力ナントカさんに比べれば!まだなんとか!」

青ピ「そうかもしれへんけども!ウィッグが気になって気になって物語に集中出来へんよ!」

上条「ごめんなさいするから話聞いて下さい!俺にとっては深刻な事なんですっ!」

土御門「いや、聞かなくても分かるし。いつもの不幸でサイフ落としてラッキースケベなんだにゃー?」

上条「……まぁ、端的に言えばそうなんだけどさ」

青ピ「端的に言わないと?」

上条「昨日公園を通りかかったらさ、突然殺人事件の犯人だって疑われて」

青ピ「そりゃ難儀なお話やね」

上条「どうしたもんかと困っていたら、私立の探偵さんがギャラ次第で助けてあげますって」

土御門「……ふーん?」

上条「それが髪が白くて、記憶が寝るとなくな――」

土御門「はいストップー!カミやんそっちに踏み込んじゃいけない!クロスオーバーで俺達に出る幕はないぜぃ!」

青ピ「まだ、なぁ?『デュラララ!!』やったら、夢のタッグが見られたかも知れへんけどね。探偵ものには分が悪いわ−」

上条「よ、よく分からないが……その子に支払うので、今月分の出費が……!」

土御門・青ピ「「あー……」」

上条「……俺はこの先生き残れるか……!」

青ピ「えっとまぁ……あ、そうやカミやん!もう少しでハロウィンやないの!」

上条「ハロウィン……?ヨーロッパでカボチャ飾るお祭りだっけ?」

土御門「あれはジャックの模型であって、別に飾ってるんじゃ……それがどうしたんだにゃー?」

青ピ「そん時にありますやん?子供達が一軒一軒、他の家を回って『トリック・オア・トリート!』みたいなん!」

上条「……あー……お菓子貰えるんだっけ――って事はまさか!?」

青ピ「カミやんもやったらエエやないの!きっとシャレの分かってくれる相手ならお菓子をくれる筈や!」

上条「そっか……お前天才だなっ!」

青ピ「いやー、それほどでもないわー」

土御門「……」

上条「土御門?」

土御門「いやでも幾ら何でも――」

上条「俺頑張るから!数週間分の食料浮かせられように頑張るから!」

土御門「聞けよ話」

(※現在募集は停止しております。次の企画をご期待下さいませ)



〜三行で分かるここまでのあらすじ〜

1.「金がない。メシが食えない」
2.「だったらハロウィンの時にお菓子貰えればいいんじゃね?」
3.「その幻想を(以下略)



――フロリスのアパート(※『新たなる光』のアジトの一つ)

子供達「「「Trick or Treat!!!」」」

フロリス「あいよー、来やがったなガキ共。こっちは準備万端だ」

フロリス「手作りのジンジャークッキーをお見舞いしてやるぜ」

子供達「「「ありがとー、おねーちゃん!!!」」」

フロリス「つーかまだアンタら回んの?」

子供「ううん。今からジャックの家でパーティするんだ」

フロリス「だったら良し。町外れのババアの家には近寄んなよ?あっこは確か魔女で有名だった筈だ」

子供「おねーちゃん、魔女さんはいないんだよ、って先生が言ってた、よ?」

フロリス「おっと!そいつぁ罠だぜ!」

子供「な、なんで?」

フロリス「その先生も魔女かも知れない――し、ワタシだってそうかもしんないじゃん?」

子供「マジで!?」

フロリス「ウソに決まってるし。真に受けんなよ」

子供「おねーちゃんのイジワルー!子供をからかって何が楽しいんだー!」

フロリス「あー、ウッサイウッサイ。ガキはガキらしく精々今のウチにからかわれとけばいいサ」

子供「おねーちゃんのバーカ!クッキーありがとー!」

フロリス「ヘイヘイ、イジワルイジワル。いいからさっさと帰れっ――」

上条「おねーちゃんの逃走魔−、取り敢えず逃げ出しやがってー」

フロリス「……」

上条「体型は微妙だし、キャラもレッサーに喰われがちだなー。もう少し頑張って作らないと」

上条「ある意味中庸的な需要はあるし、こう、万能型のプレイヤーとしての活躍が期待したい所ですねっ!」

フロリス「……Hey(オイ)」

上条「あい?」

フロリス「なんでジャパニーズがハロウィンの子供達に混ざってんだよ!?」

上条「トリックオアトリート?」

フロリス「イヤ確かにそういうイベントだけどさ!?ガキに混ざってお菓子をねだる大人なんて居ないってマジで!」

上条「ここに居ますねー」

フロリス「ヨシ、歯ぁ食いしばれ。全力でチ××蹴るから」

上条「待って下さい!?歯を食いしばってもそこは防御できない所ですよねっ!?」

フロリス「……ナニ?お菓子?欲しいの?」

上条「欲しいですっ!わざわざここまで来ましたっ!」

フロリス「あー……まー、いいケドさ。ほれ」 ヒョイッ

上条「おぉ手作り!……手作、り?」

フロリス「なんだよ」

上条「誰が作ったの?おかーさ――待て待て待て待てっ!?玄関先の壺を振り上げようとすんな!」

フロリス「人からモノ貰うのにその態度で。Ah?」

上条「いや、意外は意外だけども、そういう事じゃなくってさ」

フロリス「アン?」

上条「お前、アリサのツアー護衛中、一回も手伝ってくれなかったよな?」

フロリス「家事出来るかって聞かなかったジャンか?」

上条「……うん、知ってた。お前がそーゆーキャラだって分かってた筈だ……!」

フロリス「マー、それにし事情があってだな。あんますんのもレッサーに悪ぃかなー、みたいな?」

上条「何一つ俺には理解できないんですけど……まぁいいや。これ、一つ食っていい?」

フロリスー「どぞー」

上条「人形の形をしたクッキーだね」

フロリス「ジンジャーマン、ジンガーマン。色々言われてるケド、ショウガ入りのクッキーだぜ」

上条 モグモグ

フロリス「ど、どうだね?味は?」

上条「俺が作った方が美味しい」

フロリス「Ja×, Go Home!!!」



――バチカン とある家

ヴェント「……」

チーン

ヴェント「ケーキは焼けたわ……あとは……切り分けて」

ヴェント トン、トン、トン、トン、トン……

ヴェント「……よし。できた」

ヴェント「随分と不格好……あの子は喜んでくれるかしら……?」

ヴェント「………………ふぅ」

ヴェント「こんな事をしても――」

コンコン、コンコン

ヴェント「客?――今日は誰も来る予定は」

コンコン、コン、コンコン

ヴェント「SOSのビートを刻むな。今開けるから」

ガチャッ

上条「イエーーーーイっ!ハッピーハロウィーーーーーーーーーーーーンっ!!!」

ヴェント「」

上条「お菓子をくれなきゃイタズラしちゃうぞ!つーかお菓子下さい!」

ヴェント「帰れ」

上条「「待って下さい!?ここまで来たんですから!せめてアメちゃんの一つでも恵んでくれないと!」

上条「明らかに飛行機代+車代でスンゴイ事になってるから!贅沢は言いませんから、何か!何かっ!」

ヴェント「……まぁ、上がりなさい」



――ヴェントの家 ダイニング

上条「おー、意外に綺麗だな。ブラウンと木目が目に優しいインテリアで統一してんのな」

上条「てっきりブラックサバ○とかマンソ○系でバッキバキに固めてあんのかと思ったら、まぁ普通ですよね」

ヴェント「いや何しに来たのよ?私の部屋の批評か?というよりも人を何だと思ってんだよ」

上条「ヤンデレ暴走サイコ女」

ヴェント「『神の右席』よっ!一応は聖職者なんだからな!」

上条「いやでもテッラにフィアンマとお前って、どんだけ『神の右席』はイロモン揃えてるんだって話」

上条「アックアも事情を聞いてみればイギリス清教――というか、王室派の個人的なスパイみたいなもんだし」

ヴェント「聖職者兼”魔術師”なのよ?分かる?」

上条「納得――つーかさつーかさ、ちょっと思ったんだけど、言っていい?」

ヴェント「何よ」

上条「お前、誰だよ?」

ヴェント「『右席』のヴェントだっクソ野郎!ていうか誰かも分からずに来たのかよ!?」

上条「あーいや、そういう意味ではなくてだ。格好っていうかな」

ヴェント「……あぁメイクもしてないし、服装も普段着だからね」

上条「髪をバッツンしたのんでもないし、セミロングで肩ぐらいまでのブロンド」

上条「ひぐら○の鷹○さんみたいな感じだな私服共々」

ヴェント「誰?」

上条「ていうかバチカンってハロウィンやってねぇんだな!いやーここへ来るまで視線が痛いのなんのって!」

ヴェント「当たり前――じゃないのか、日本人にとっては」

上条「何だろうな。阪○電鉄に巨×グッズでコーディネートして乗る感じ?

ヴェント「意味が分からないわね。えっと……」

ヴェント「ハロウィンは基本的に旧イギリスの植民地化で”しか”行われていない」

ヴェント「原義はケルト系の旧い神々、”有角金枝”の魔神ケルヌンノスを讃える秋のお祭りがルーツよ」

ヴェント「アイルランドとスコットランドで行われていたのが、イギリス清教に組み込まれた後。移民として世界へ散ったIrishとScotによって広められた」

ヴェント「だから”純粋な”カトリックからは嫌われるし、普通に無視されるのよねえ」

ヴェント「そもそも”Duck Apple”自体、嘗てのウィッカーマンの儀式を模倣して――」

上条「ねぇケーキ食っていい?」

ヴェント「話を聞け。そして素手で食べようとするんじゃない!今フォーク出すから!」

上条「ボケっぱなしの俺が言うのもなんなんだが、お前意外と面倒見はいいよな」

ヴェント「……ほら、今切ってあげるから」

上条「んで、そんな感じでローマ正教からも嫌われてるハロウィンなのに、ケーキとお菓子とジャックランタン作って準備してんのはどうして?」

ヴェント「……弟が」

上条「うん?」

ヴェント「弟が喜ぶと思ったんだよ!悪いか!?」

上条「いやいいだろ別に。好きにすりゃ」

ヴェント「え?」

上条「亡くなった人を大切にするののどこが悪いんだ?別に死んだ人に拘るのも生き方だと思う」

上条「今はもう無くなっちまったモンを大切にして、宝物のように仕舞っておくのだって悪い事な筈がねぇよ」

上条「現在は大事は大事だし、未来はもっと大切――なんていう話は良く聞くけど、過去ってのはその大切な二つに繋がる道であって」

上条「それを、それ”すら”大事に出来ないヤツは、どうせ現在も未来も碌なもんじゃねぇよ、と」

ヴェント「……」

上条「……おぉっ!?パンプキンケーキ超ウメェ!?なんだこれ、外はカリカリ、中はしっとりしている!」

上条「てかカヌレの皮にわざわざ砂糖漬けにしたカボチャを練り込んで……お菓子屋さんレベルじゃねーか!」

ヴェント「……ねえ」

上条「あ、ホラお前も食えって。俺だけ食ってんのは流石に悪いし」

ヴェント「……ん」



――30分後

上条「ごちそうさまでした!美味しかったです!」

ヴェント「それはどうも」

上条「んじゃ俺はこの辺でお暇を――あれ?何か主旨と違ってきてるような……?まぁいいか」

ヴェント「どんな企画よ」

上条「では本当にごちそうさまでした――と、そうそう」

ヴェント「うん?」

上条「学園都市に文句があんだったら、科学が気に入らないってんなら何回でも乗り込んで来やがれ。俺が相手になってやる」

ヴェント「それは……」

上条「ただ方法だけはもう少し考えろ。復讐するにしたって、ねーちゃん助けたかった子供が、自分とそう違わない子供らを虐殺して喜ぶと思うか?」

ヴェント「……この私に命令形はないわ」

上条「……そっか」

ヴェント「良い悪意。そして運も良い」

上条「あの術式は壊れたまんまだっけ」

ヴェント「そうじゃない。ただ」

上条「ただ?」

ヴェント「作りすぎたカヌレの処分に困っていた所よ。持っていきな」



――イングランド某所(バードウェイ家)

バードウェイ「……」 ボーッ

パトリシア「――さんっ!お姉さんってば!聞いているんですかっ!?」

バードウェイ「……ん?あぁ大丈夫、話はきちんと聞いてるさ」

バードウェイ「お前が盛大にコケて余所行きの服を汚した挙げ句、マークに泣きついて何とかして貰った話だったな」

パトリシア「違いますし!そんな事実はありませんでしたよっ金輪際!」

パトリシア「ていうか道で転ぶのはあるとしても、何でマークさんに泣きつくとか!」

バードウェイ「お互いの意見が対峙してしまったのは悲しい事だが、ここは一つ両論併記で落とし所としようじゃないか」

パトリシア「……あの、事実と捏造された事実を一緒くたに飾るのって、どう考えても詐欺だとしか……」

パトリシア「あとお姉さん、わたしを怒らせてウヤムヤにしようとしていませんか?ねぇ?」

バードウェイ「……ちっ」

パトリシア「今日はハロウィンですよっ!KOTATSUでボーッとしてる場合じゃないです!」

バードウェイ「ハロウィンなぁ?イタズラ好きのジャコーを弔ってやる必要などないよ」

パトリシア「いえ、そうではなくてお菓子を貰いにですね」

バードウェイ「近所のガキ共と行ってこい。私まで巻き込もうとするな」

パトリシア「そりゃ行きますけど。良い機会なのでお姉さんもご一緒に」

バードウェイ「パス、面倒臭い寒いガキっぽい」

パトリシア「……12歳児にガキっぽいって言われた……!」

パトリシア「いいですか?お姉さんはタダでさえコミュ障っぽい気があるんですから、たまには同年代のお友達を作った方がいいですよ?」

パトリシア「ていうかマークさんや他のお兄さん達とばかり遊んでないでですね」

バードウェイ「あー分かったから、気が向いたら行ってやるから」

パトリシア「お姉さん!」

バードウェイ「そのお友達とやらを待たせているのだろう?ならさっさと行ってこい」

パトリシア「……もう、絶対ですからね!?」

バードウェイ「勿論、”気が向いたら”行くさ」

パトリシア「……行ってきまーす」

ガチャッ

バードウェイ「……ふぅ」

バードウェイ「さて、もう一眠り――」

ピンポーン

バードウェイ「……ん?忘れ物でもしたのか?」

バードウェイ「鍵は保ってる筈だが……無くしたとかありそうだな……よっと」

ピピピ、ピピピ、ピピピ、ピンポーンッ

バードウェイ「チャイムで化物○のED曲のイントロを作るな。ハマっていたのは知ってるが」

バードウェイ「……そう言えばパトリシアではなく不審者かも知れないが……まぁ半殺しにすればいいか」

ガチャッ

上条「トリックオアトリート!!!」

バードウェイ「」

上条「お菓子をくれなきゃイタズラしちゃうぞっ!ぞっ!」

バードウェイ「よし、半殺しだ」

上条「ツッコミがキツ過ぎる!?もっとマイルド路線でっ!」

バードウェイ「何しに来たんだこの莫迦」

上条「言い方!……いや、見て分からないかな?」

バードウェイ「――もしやっ!?」

上条「あぁそうそう、それそれ。お菓子をくれなきゃイタズラしちゃうぞ、って企画に乗ってみた」

バードウェイ「――この、下衆め!」

上条「……なんで?なんで俺怒られてんの?」

バードウェイ「前からそうじゃないかとは薄々思っていたが、ここまでとはな!見下げ果てたぞ上条当麻!」

上条「待って?ねぇ待って?そんな主人公の元親友が、戦場で敵味方として再会したみたいなテンションになってんの?」

バードウェイ「お、お前はこういうのが好みなのか……!」 スッ

上条「おい本気で待てやコノヤロー!?何でお前ブラウスまくり上げようしてんだよっ!?」

バードウェイ「……い、イタズラしたいんだろ!?この私に!?」

上条「マァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァクっ!ツッコミ兼腹心のマークさんはどこ行った!?」

バードウェイ「……好きにすれば良いさ、この変態め!」

上条「いねーよ!どんなHENTAIさんでもハロウィンにかこつけて幼女に××しようなんてのは――」

上条「……」

上条「――ま、まぁそれはともかくとしてだ!」

バードウェイ「や、優しくするんだ!……いいな?」

上条「ヤダこの子人の話全然聞いてやがりません」

上条「てか絵面が危険だから!こんな所誰かに見られたらいい訳なんかできっこな――」

パトリシア「――ただいまー、お姉さんっ!一杯お菓子貰ったんで、一緒に食べ、ま――」

マーク「ボ――バードウェイさん、他の団員からハロウィンのプレゼントって、こ、れ、を――」

パトリシア・マーク「「……」」 ジーッ

上条「違うんだ!?これはそういう意味じゃないんだ!」

パトリシア「お兄、さん……?」

上条「よく状況を見てみよう!そうすれば誤解は解ける筈だ!」

パトリシア「状況、ですか?」

上条「そうっ!」

バードウェイ(※ブラウスを掴んであげようとしている)

上条(※止めようと手を伸ばしている)

パトリシア「……どう見ても性犯罪者にしか見えないんですけど……!」

マーク「――はっ!?」

マーク「――ささ、パトリシア嬢はこちらへ!実は美味しいスイーツのお店をですね」

上条「マークも気を遣うんじゃねぇよ!?何二人っきりにさせようとしたんだ!」

上条「くっ、殺せ!」

マーク「それ使い方間違ってます。あぁ合ってるような気がしますが、まぁ――」

パトリシア「お幸せにー」

上条「だぁぁぁぁぁぁぁぁぁかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁら――」

パタンッ



――学園都市某所

ピンポーン

鳴護「――はーい、どちら様でしょう、か」

上条「ハッピーハロウィーーーーーーンっ!」

鳴護「当麻君っ!?」

上条「……」

鳴護「……あ、あれ?どうしたの?なんか、お疲れ様みたいだけど……?」

上条「……お菓子でいいんです!他には何も要りませんからっ!」

上条「贅沢は言いません!だから、だからせめてペ×の汚名だけは勘弁して下さいっ!」

鳴護「そんな玄関口でDOGEZAされても、明らかにご近所さんの好感度が下がるんだけど……」

鳴護「ていうかサプライズで来られても……まぁいいや、とにかく上がって?ね?」

上条「……お邪魔しまーす……」 ガチャッ



――アリサの部屋

上条「アイドルの部屋っ!まさか現役アイドルの部屋には入れる日が来るとは……!」

鳴護「言い方、うん。現役アイドルって現役じゃなかったら、それはもうアイドルじゃないよねって、うん」

鳴護「今お茶入れるから、お座布団に座って――当麻君?」

上条「……」

鳴護「どうしたの――洗濯ロープ?あ、やだ下着干しっぱなしだった!」

上条「……鳴護アリサさん!」

鳴護「は、はい?」

上条「ブラになりたいです……ッ!!!」

鳴護「うん、当麻君あのね?それ多分安西先○でも『それはちょっと無理かな』って言うと思うよ?」

鳴護「ていうかハロウィンは?下着干してあるの見られて恥ずかしかったんだけど、ツッコミ側に回ってそんな余裕もなくなって言うか、ね?」

上条「あ、だったら俺が取り込んでおくから、アリサさんはお茶を」

鳴護「うん、それじゃその反対で」

上条「……へーい」

鳴護「……ていうか別に、ブラじゃなくてもいいんだけ、ど?」

上条「え?なんだって?」

鳴護「……まー、これだしなぁ」



――アリサの部屋

上条「どうぞ、粗茶ですが」

鳴護「あ、はい、ありがとうございます――ってなんか違くないかな?」

上条「つーかアリサの部屋感想言っていい?」

鳴護「ドンとこい!」

上条「うんまぁ、結構質素?」

鳴護「……当麻君はあたしをどう思っているのかな?ねぇ、一回聞きたいと思ってたんだけど」

上条「そうじゃなくって、えっと、ホラ。アイドルなんだし、ステージ衣装がクローゼットにズラー、的な?」

桂「ヅラじゃない桂だ!」

鳴護「……当麻君はアイドルに対して誤解がありすぎるよ」

上条「オイ今この部屋に何か出なかったか?」

鳴護「テレビじゃないかなー?長い事住んでるけど、オバケさんには会った事ないし」

上条「まぁいいか……良くないが」

鳴護「ていうかステージ衣装みたいなのは個人で管理出来ないし、事務所預かりになるから」

上条「そうなのか?結構ヒラヒラしてっから、てっきり家で洗濯とかしてんのかと」

鳴護「事務所と方針によって違うみたいだけど、最近のアイドルさんは歌って踊るから、かなり丈夫に作られてるよ」

鳴護「……あ、だったら今度見せたげようか?みんなに内緒で」

上条「え、あぁ悪いしいいよ。だって商売道具だろ?」

鳴護「……当麻君、フラグを立てに来たのか、悉くスルーしにきたのかハッキリさせて欲しいんだけど……」

上条「あぁいやだから、ハロウィンでお菓子くれないかなって企画で」

鳴護「お菓子……うーーーーーーん……」

上条「悩む事かい」

鳴護「お菓子、うんまぁ、自炊派だから作るのは作るんだよ、うん」

鳴護「けどパウンドケーキとか作るよね?こう、生地を練って材料を切って」

上条「パウンドケーキいいじゃないか。下手に小難しいケーキの名前出されるより、生活感あって『あ、本当に料理してんな』って感じで」

鳴護「だよね!?パウンドケーキ美味しいもんねっ!」

上条「美味しいどうかまでは分からないが……んで?」

鳴護「でもね、不思議な事があってさ」

上条「うん?」

鳴護「気がついたらいつの間にかお好み焼きを作ってたりするんだよっ!不思議だよねっ!」

上条「――はい、お疲れー。それじゃ俺はこの辺で失礼しまーす」

鳴護「待って当麻君!?」

上条「小麦粉と卵しか共通点ねーだろ!?確かにパウンドケーキ焼くより、お好み焼き焼いた方が腹に溜まるけどもだ!」

鳴護「生地を作る過程で、どうしても『あ、これ古いキャベツ入れたらお好み焼きになるな』って誘惑がね、うんっ」

上条「ARISAさんの女子力高んだか低いんだか分からないですね?手料理が出来るのは高評価だが、どれもガッツリ系なのはどうだろ……?」

鳴護「ま、まぁアイドルは夢を売る商売だからねっ!」

上条「確かにヤローの願望という名のリビドーがお布施に繋がってんだとは思うが」

上条「でもハロウィン企画で来てる俺には、あんま関係ないっちゃない」

鳴護「……お好み焼き、あるけど?」

上条「お菓子、うん……まぁ、えっと……ありがとう」

鳴護「あ、あとこういうのもあったり?」

上条「どういうの?」

鳴護(カンペ棒読み)「『4月に発売したセカンドアルバムが爆発的な売れ行きにより、増販する事になってみたいなの』」

上条「どいつもこいつも商売上手くなったよなチクショーっ!」

鳴護(カンペ棒読み)「『続きはWEBでっ!』」

上条「ウッサいよ!?かこれ原稿書いたの佐天さんじゃねぇのか、なあぁっ!?」



――学園都市某所 某アパート

ピンポーン

姫神「……はい?」

上条「トリックオアトリート!お菓子をくれなきゃイタズラしちゃうぞっ!」

姫神「……」

上条「……」

姫神「オタフ○ソースの匂いが。ほのかに」

上条「……お菓子を下さい……ッ!誰か、誰かボクにお菓子を分けて下さい……ッ!!!」

姫神「そういう企画。なら作ってあるから」

上条「マジですか!?」

姫神「どうぞ。中へ」

上条「お邪魔しまーす!」



――姫神の部屋

上条「てか小萌先生の所に居なかったっけ?」

姫神「新しいお家が見つかるまでは。居たけど」

姫神「今先生は中々懐かない子に苦労しているらしい」

上条「へー……?あの小萌先生になぁ?」

姫神「今日はハロウィン。なのでこういうものを用意してみました」

上条「おおっ……!パンプキンプリンにジャックランタン型のクッキーか!やるじゃん姫神!」

姫神「こう見ても。女子力は高い。何故ならば――」

姫神「……友達が居なくて。時間は一杯あったから……」

上条「……」

姫神「……おかしい。大爆笑する予定だったのに。涙が」

上条「止めてあげて!?折角のハロウィンなのに自分を責めるのは止めてあげてよ!?」

上条「いやいやっ!いいと思うなお菓子作り!女の子っぽい趣味じゃんか、なっ?」

姫神「そう。かな?」

上条「フツーに女の子っぽいと思うぜ」

姫神「……」

上条「どした?」

姫神「ここでまた”普通”の呪いが……!」

姫神「あと”秋沙”と”アリサ”名前も被っててどうすれば……」

上条「すいません。戻ってきて貰っていいですかね?ていうかそこはツッコんじゃ駄目な所だろ。知らないが」

姫神「ていうか劇場版でネコよりも後にキャスティングされた私の立場は……!」

上条「制作に言え、もしくは神様(※鎌池先生)に直接言え」

姫神「コミックス版でバッサリ削られて、『将来への伏線』でもなかった私のエピソード……」

上条「美味しいなっこのクッキー!普通じゃなくて、凄く美味しいよ!まるでお菓子屋さんで作ったみたいだっ!」

姫神「そ。そうかな?そう言われるとまんざらでもない」

上条「良かった……戻ってきてくれた――っていうかさ」

上条「友達友達言うけど、吹寄はどうなんだ?仲良くしてるみたいに見えるけど」

上条「あんまりプライベート、つーか学校の外とかで遊んだりしないの?」

姫神「……うん。吹寄さんはとても良くしてくれる」

姫神「私の数少ない友達だと思っている。けど」

上条「けど?」

姫神「毎日毎日ダイエットグッズを試した話を振られているのに。流石に『私のお菓子を食べて』とは言えない……」

上条「あー……」

姫神「そしてあのぱいんばいんは凶器だと思う。食事を節制してるのに。どんだけだと」

上条「吹寄さんの場合、怪しい通販と健康グッズとは言え適度すぎる運動を取っているからな……俺達をしばき倒しても居るし!」

姫神「私も上条君達を殴れば成長する?」

上条「止めてあげて下さい。拳さんと俺達が可哀想ですから」

姫神「という訳で。ぼっち歴の長い私は料理に自信がある。どうかな?」

上条「あぁうん美味しい美味しい、フ――フントに美味しい!」

姫神「今”フツー”って言おうとしなかった?」

上条「き、気のせいじゃないですかね?……てか、そこまでネガティブになる必要はないと思うぜ」

上条「”フツー”ってのも尖った所がなくていい、って意味合いもあるし」

姫神「”ヤバイ”が褒め言葉になる。みたいな?」

上条「あれと一緒にすんのはどうかと思うが。まぁ、そうだな」

姫神「でも」

上条「うん?」

姫神「出来るなら『凄い美味しい』って言わせてみたい。かな」

上条「うーん……?どうだろうなぁ、好みの問題もあるし、やっぱり料理ってのは相対的なもんじゃね?」

姫神「相対的?」

上条「塩加減一つとっても、住む場所によって大まかな味付けは変わるだろ?西は薄くて、東は濃いのが好まれる」

上条「だから自分で『これはウマイ!』ってを作ったとしても、他の人にはイマイチ反応が悪かったり」

姫神「味覚に問題がある?」

上条「それも違うと思う。人の個性と一緒で、ある程度共通項はあるだろ。普遍性っていうか」

上条「どこの料理でも大概は灰汁を取るんだから、ベースとなるもんはあるって事で」

上条「その共通項を見つけんのが『ウマイ』って事じゃねぇかなと」

姫神「ピンとこない」

上条「だからさ。まずは吹寄にウマイって言わせてみたらどうかな?」

上条「んでもって段々増やしていけばいいと思うよ」

姫神「……それなら。わかる」

上条「んじゃ良かった――と、ゴメン、そろそろ次の予定が」

姫神「ううん。こっちこそごめんなさい。少し愚痴っぽくなってしまったかも知れない」

上条「あー別にンな大したもんじゃない。人生相談みたいなもんだ。んじゃ」

姫神「あ。上条君」

上条「んあ?」

姫神「お菓子。本当はどうだった?」

上条「フツーに美味かった」

姫神「……もう」



――スコットランド某所の屋敷

ベイロープ「……」

侍女「――お嬢様、その、差し出がましいかも知れませんが、本当に宜しいのでしょうか?」

ベイロープ「何よ」

侍女「いえ、その、幾ら家のためとは言え、望まぬ相手と婚約するだなんて」

ベイロープ「時代後れ?」

侍女「……失礼を承知で言えば、はい」

ベイロープ「ま、仕方がないのだわ。スコットランドはポピュリズムに乗せられたバカどもに扇動されている」

ベイロープ「綺麗事にバターを垂らしてぶちまけたような毒物を、美味しい美味しいと有り難がるようなね」

侍女「……」

ベイロープ「このまま独立の機運だけが高まってみなさいな。最悪北アイルランドみたいな内戦状態にまでなるかも知れない」

ベイロープ「私一人が婚約するだけで回避出来るんだったら、それも安いものでしょう?」

侍女「ですが!」

ベイロープ「それにまだお見合いの話が出てだけで、本当に婚約まで至るのかは分からないし」

侍女「……そんなの当たり前に決まってるじゃないですか!会うだけとか言ってまとめるに決まっていますよ!」

ベイロープ「……まぁ、そうなのだけれど――で、私にどうしろって?」

ベイロープ「キャーリサ王女殿下のように奔放に振舞って自らの値段をつり上げる?そんな芸当は無理ね」

ベイロープ「それに……ま、この腐った家が多少若返るのであれば、それもまたいいでしょうね」

侍女「お嬢様……」

ベイロープ「はいこの話はおしまい。もうそろそろ先方がいらっしゃるわ、笑顔で迎えないとね」

家令「――お嬢様、お客様がいらしたようです」

ベイロープ「……今行くわ」



――ベイロープ家 玄関ロビー

ベイロープ「ようこそ当家へいらっしゃいまし――」

上条「――ハッピーハロウィーーーーーーーーーーーーーーーンッ!!!」

ベイロープ「」

上条「トリックオアトリート!出来れば満腹になって来たんで、そろそろ胃に優しいものがいいです!紅茶に合いそうなものが!」

ベイロープ「……な」

上条「はい?」

ベイロープ「なんで来たのよっ!?つーか居るの!?」

上条「ヒッチハイクで、こう」

ベイロープ「移動手段を聞いてるんじゃないのだわ!」

上条「えー、聞いてきたのそっちだしー……あ、そうたベイロープ」

ベイロープ「何よ!?」

上条「レッサーに教えて貰った住所通りに来たんだけど、最初門番の人に聞いたら『そんな人居ないよ』って言われたぞ?」

ベイロープ「偽名に来まってんでしょうが!ギ・メ・イに!」

ベイロープ「あのもふもふが『あ、ほなアンタベイリンの術式修めんやったら、名前ベイロープ名乗りぃ?』って言われてそのまんまなのよ!」

上条「あ、でも偶然通りかかったじーちゃんに訊ねたら、『あぁそりゃお嬢様に間違いありませんな』って」

ベイロープ「誰か!誰かローッソを呼んでくるのだわ!このバカを呼び込んだ元凶に!」

上条「てかお前もやる気満々じゃねぇか。ほれ、行くぞ」

ベイロープ「行くぞ、って」

上条「だって今日はハロウィンだろ?だったら楽しまないと」

ベイロープ「だから、その」

上条「よく似合ってんぞ、そのドレス」

ベイロープ「――え」

上条「お姫様のコスプレなんて、お前のじーちゃんも洒落てんじゃねぇか、なぁ?」



――スコットランド 夜の市街地

ベイロープ「……」

上条「……あのぅ、ベイロープさん?」

ベイロープ「……何よ」

上条「もしかして、怒ってらっしゃる、とか?」

ベイロープ「怒ってないわ」

上条「良かったー、気のせいだったんだー」

ベイロープ「怒ってるに決まってるのだわ!?客が来るって言うのに連れ出すなんて何考えてるのよ!?」

上条「やっぱ怒ってんじゃん!?ベイロープさんの嘘吐きー!」

ベイロープ「……ったく、どうすれば」

上条「あ、ほら、ガキ共がハロウィンの仮装している」

ベイロープ「そうでしょうねっ!ハロウィンの日だからねっ!」

子供達「姫さま、おにーちゃん、トリックオアトリートー」

上条「マジで!?イタズラされんの?」

ベイロープ「……常套句に決まってるでしょ」

上条「オケオケ。それじゃ他の子から貰った、クッキーとお好み焼きとプリンをやろう」

ベイロープ「今明らかに異物が一つ入ってなかったか?」

上条「これは日本のお菓子で!電子レンジでチンして食べるんだぞ!いいなっ!」

子供達「ありがとー、おにーちゃん」 ペコッ

ベイロープ「炭水化物……素材はケーキと一緒だけど」

上条「――前にも言ったと思うけど」

ベイロープ「……はい?」

上条「人一人が犠牲になって、そのお陰でみんなが平和に暮らしました、ってなんか違うと思うぞ。俺は」

ベイロープ「あなた……知って――」

上条「俺は知らないさ。知ってたとしても、それはただの異邦人であって」

上条「この国の事を決めるのはお前らだし、決める資格を持つのもお前らしか居ない訳で」

ベイロープ「……」

上条「ただ誰が何と言おうが、どんな文句垂れようが」

上条「俺は俺の知り合いが不幸になるのを黙ってみていられる程、最低のバカにはなるつもりはねぇよって事だ」

ベイロープ「……」

上条「苦しいんだったら頼れよ。俺は……まぁただのガキだし、頼りになんねぇかも知んないけどさ」

上条「それでも、頼りにならないなりに、足りない智恵絞って解決策見つけられかも知れないし、さ?」

ベイロープ「……本当に」

上条「あい?」

ベイロープ「本当に――私は男運が悪いのだわ」

上条「はは、そうかもな」

ベイロープ「えぇ、本当にね」



――ベイロープ家 夜

上条「……いいのか、ここまでで?」

ベイロープ「ま、何とかなるでしょ。こっちはお父様――父以外、誰も乗り気じゃなかったしね」

上条「確かにお前のじーちゃんにはあっさり通されたしなぁ」

ベイロープ「あの人は家令であって、祖父ではないのだけれど……まぁ、家族には違いないわ」

上条「なんだったら、つーか確実にぶち壊すんだったら、ニセのフィアンセでもなんでもするよ?俺は?」

ベイロープ「それは――レッサーに悪いから、遠慮しておくわ……フェアじゃないしね」

上条「よく分からんが……んじゃ、また」

ベイロープ「えぇ、また――」

ドォーーーーンッ

上条「なんだっ!?爆発音が屋敷から……火事か?」

ベイロープ「いや違うわ!あれは魔術の炎よ!」

上条「マジでか!?ついに本気で敵の魔術師の攻撃が来ちゃったのか!?ネタじゃなくて!」

ベイロープ「……」

上条「ベイロープ、さん?」

ベイロープ「しっ静かに!何か聞こえるのだわ」

上条「聞こえるって、何が――」

レッサー『ヒャッハー!良いハイランドゥは×んだハイランドゥだけだぜ』

レッサー『私の友達をどこへ隠しやがりましたか!?あの最近おっぱいがまた成長し始めた女を!』

レッサー『あぁ今頃あのお高くとまった女は「くっ殺せ!」的な展開になっているに違いありません!出来れば動画を下さいな!4K動画でプリーズ!』

上条「……」

ベイロープ「……」

上条「あーっと、だな。なんて言ったらいいのか」

ベイロープ「あ、ごめんなさい?今少しする事があるから、今日は帰って貰えるかしら?」

上条「アッハイ。お疲れ様でしたー、今ホントに」

ベイロープ「……」

上条(屋敷の中へ乗り込むベイロープの後ろ姿はとても凜々しく、まるて死地へと赴く騎士のように気高い)

上条(数分後にはレッサーの『ゴメンナサイ!?だから公衆の面前でケツビンタだけは!?』という叫び声が聞こえてきたような、来なかったような)

上条(こうして、俺の長い長い微妙なハロウィンの旅は唐突に幕切れを迎えた――だかしかし!)

上条(我々人類は忘れてはいけない!こうしている間にも第二、第三のレッサーが現れるであろう事を!)


緊急特別企画 ハロウィン −完−










後記

佐天「次はバレンタインで、パイルダーーーーーーーーーーーーーーオン……ッ!!!」

上条「しないよ?うん、暫くはしないと思うよ?」

佐天「順番的にはクリスマスですねっ!」

上条「あー……あるなぁ、なんか」

佐天「今回、『どんな仮装をするか』も決めて貰った方が面白いんじゃね?と後から思い付いたそうなので」

佐天「きっと次は『誰か』へ『どんな』プレゼントを運ぶサンタさん役が出るんじゃないかなーと」

上条「あー……そういう裏方的なのは好きだけど」

上条「ビリビリにビリビリされて服がビリビリする未来しか見えない……!」

(※リクエスト下さった皆様、ご協力本当にありがとうございました。ではまた次の企画で)



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