超獣戦隊ゲコレンジャー 「誕生！ゲコレンジャー！」
――学園都市 路上
浜面「……ったくなんで俺が買い出しなんてしなきゃいけないんだ」
滝壺「じゃけんで負けた……それがルール……」
浜面「納得いかないかなぁボカぁ！だって麦野さんが出したのはグーで俺はパーだったんだから！」
浜面「『よし勝ったー！これで買い出し免除だぜ！』って喜んでた俺に！珍しく実力勝利した俺にだ！」
浜面「あのアマ無言でグー突きだした時点でもうねっ！『あ、これ自発的に行かなきゃ殴られるな』って！」
滝壺「……それは……はまづらがそんたくしてるだけ……」
浜面「いやーチョキじゃなくてよかったわー、もしチョキだったらだったら今頃眼科直行だったんじゃねぇかなー」
滝壺「負けだよ？ちょきの時点でパーのはまづらは負けだからね……？パーのはまづらは」
浜面「おぉっとやめてください滝壺さん！俺がまるでパーみたいな言い方は！」
滝壺「ねぇ、パー」
浜面「そっち俺違う。ただちょっと昔から『仕上君は将来が気になるよぅ！』って言われてただけ！なんかつい最近も言われた！」
滝壺「むぎのてきには気を遣ってくれた、んじゃないの……？わたしもいっしょしてるし」
浜面「いーや違うぜ滝壺！どうせアイツらはそんな俺らを尾行して嘲笑ってるに違いない！」
滝壺「ひがいもうそう強っ……！？」
浜面「だからむしろここは逆に俺たちがキャッキャウフフしてる所を見せつけて大いに凹ましてやろうぜ！」
滝壺「あ、よかった……いつものはまづらだった……」
浜面「という訳で俺と腕を組んでください！たゆんたゆん接触プリーズ！」
上条「もう……ちょっとだけだからね？」 ｸﾞｯ
浜面「あー癒やされるわー。悪魔超○どもとの戦いで疲れた日々に染み渡るわー」む
浜面「もう、アレだよね。滝壺さんと腕組んだところからですね、こうムチ！っていうかね！幸せな感触が！」
上条「も、もうはまづらったら……！」
浜面「いやでも、あれ？これムチっとしてねぇな？ガチっとして硬ぇな？なんで筋肉質？」
上条「――よっ」
浜面「――ってバカっ！？滝壺しゃんじゃねぇじゃん！？なにあんた俺と腕組んでんの！？そっちの気あったの！？」
浜面「てか意外と筋肉質の体でビックリしたわ！伊達に色んなところで見切れてんじゃねぇのね！」
滝壺「見切れるのと筋肉質の関係は……？」
浜面「つーか、つーかな！誤字だと思っただろみんな！なんでこの展開でツンツン頭？って考えたんだからな！」
浜面「いやもてっきり俺こうも上手くイチャコラできるとは思ってなかったけど、初期の初期の段階で潰しに来やがって！」
上条「……あのさぁ、浜面君さぁ」 ｸﾞｯ
浜面「な、なんだよ。つーか腕離せてって、通行人に写メ撮られまくってっから」
滝壺 ﾊﾟｼｬｯ
浜面「まさかの裏切り！？通行人以外にも撮られてる！？」
上条「俺が入ろうとした時点でお前の彼女さんとは目が合ってるからな。ある意味公認的？」
浜面「違うもんっ！ウチの滝壺さんはっ彼氏が男にＮＴＲれるほど腐ってないもん！」
麦野・絹旗 ﾊﾟｼｬﾊﾟｼｬｯ
浜面「ほぉらやっぱりついてきやがってるじゃねーかてめーら！どうだ！俺のこの高度なトラップに引っかかった気分は！？」
絹旗「いえ、超レアショットだから接写で撮りたかっただけですし、まず浜面自身がトラップにかかった分際ですよね？」
麦野「出て来たのは事実だけね」
浜面「うるさいやいっ！ていいから離せよっ！」 ﾄﾞﾝｯ
上条「浜面君さぁ、あれ君あれだよねぇ？最近活躍してんじゃん？」
浜面「あん？あ、あぁまぁねっ！」
浜面「こう見えて昔はスキルアウトのヘッド！やってたからな！ヤンチャしてた経験が花開いたって言うかね！」
上条「だよねー。”無能力者なのに勇気と知力で乗り切る”ってやっぱスゲーわ。尊敬するわー」
浜面「いやぁそれほどでもな――」
上条「でもそれ俺とカブってね？」
浜面「――い？」
上条「あぁいや別に責めてる訳じゃない、そういう話じゃないんだよ。俺はただ事実を言ってるだけで」
浜面「そ、そうかな？なんか責めてる感がするもんだから！気のせいだったらいいんだ！」
上条「ただ人がラブホで女の子に貞操奪われそうになッてんのに、随分格好いいんですよねぇって思ってさ」
浜面「交代しろよ。そっちの方が男にとってはウェルカムじゃんよ！」
滝壺「……はまづら？」 ﾋﾟﾘｯ
浜面「――っていうのが一般論で！決して俺の個人的意見じゃなくて！」
上条「まぁ相手が元オッサン兼統括理事長兼ヘンタイじゃなかったら、そう悪い気はしなかったかもなんだが」
浜面「悪いドラが乗りすぎてる。俺だったら殴ってるわ」
上条「あとさぁ浜面君、アイドルグループのマネジャーもやってんだって？」
浜面「あー……い、いやまぁ、こいつらのオマケだし！バーターで出さしてもらってる感じだから！」
滝壺「……あ、はまづらくうき読んだ」
絹旗「そして大抵超手遅れなんですよね」
浜面「うるいなぁ外野！ボクが喋ってんだから外野はしーっで！」
上条「数えてみたんだよ、俺数えてみたら22コマあったんだよ浜面君の出番がさ」
麦野「病んでるわよね」
浜面「まぁ、台詞も少しあるし、そんなもんじゃねぇの！？」
浜面「た、たった22コマだし！ほとんど出てないのと一緒だって！」
上条「――4コマ」
浜面「……あい？」
上条「一巻は妄想2コマとシルエット1コマ、二巻は目なしで1コマ」
浜面「あー……」
上条「……なぁ、面白いだろ？笑っちまうだろ？たった4コマだぜ、4コマ。しかもその半分が影だけだったり目ぇ描かれてなかったりさ」
上条「笑っちまようなぁ！なぁ笑えよ、浜面君がほとんど出てないと一緒だって言うんだったら、俺なんか出てないよ！」
上条「しかもその半分ビリビリの妄想だぜ？つまり俺じゃないってことだな！バーターもいいとこだ！」
浜面「な、なぁ大、将？俺聞いてた話と大分違うんだけど、これ台本、うん台本にそんな台詞あったっけか？」
浜面「てか企画そのものが『日曜の朝にやってる子供向け番組ですから！』って聞いてたんけど」
浜面「なんかこう、ネットリとした、うんドス黒いドロドロ感じんだけど、これ大丈夫？放送できんの？」
上条「あぁ書いてあったなぁ。子供向け”風”番組だって」
浜面「まさかの一休さん的裏切り！？みりん風調味料的な意味だったの？」
絹旗「ツッコミが超細かくて伝わらないと思いますので説明しますと、調味料にはみりんとみりん”風”調味料があります」
絹旗「超雑にぶっちゃけますとみりんはアルコールが入ってて、”風”は入っていません」
麦野「その解説のどこに需要が……？」
上条「他にもさぁ、金髪少女の足をprprしたって疑惑もあるんだって？」
浜面「異議ありっ！”疑惑”ってつければどんなネガギャンも載せられる風潮に抗議したいと思いますっ！」
麦野「それっぽい事言ってるわ！」
絹旗「超直前に見たネットニュース情報でしょうね。それ言いたいだけ違うんか、と」
浜面「……あの、ごめんな大将？なんか俺は俺なりに頑張ったつもりが、なんか悪いことしちゃったみたいで？」
上条「いやごめんとか違うだろ。俺はただ浜面君最近頑張ってるよね！って応援してるだけでさ？」
上条「それともアレかなー？浜面君には俺が無理矢理難癖つけてるように見えるのかなー？」
絹旗「超質の悪いお局OLみたいな追い込み方してますよ、あの人」
麦野「ただ単に弱いものが更に弱いものを叩いてるだけだと思うわ」
滝壺「ばーい、とれいんとれい○……」
上条「つーか浜面君ね、噂で聞いたんだけどバニーさんが似合うって評判のカノジョさんいるらしいじゃない？」
絹旗「悪口ですよね。バニーさんが似合ってる噂されてる時点でもうそれ超悪口ですよね？」
麦野「つーか噂流したのも浜面でしょ。普通はバニーさん基準で喋れないし」
浜面「待てよ！？滝壺に手ぇ出すんじゃねぇ！」
上条「え、俺たちって友達じゃん？そんなことする訳ねぇよだって友達だもんよ」
浜面「だ、だよなっ！」
上条「でもやっぱさぁ、友達のカノジョさんにも仲良くしたいじゃん？分かる？変な意味はないって、ある訳ないじゃん？」
絹旗「一昔前のレディコミ、今の薄い本にありがちな超エゲツない追い込みかけてますけど、あれほっといていいんですかね？」
麦野「いやいくら浜面でもこんなバカげた話に乗んないでしょ。いっっっくら浜面だって」
浜面「てめぇ――言うことに書いて滝壺差し出せだぁ？……ふざけんなよ！俺がそんなこと言われて黙ってる訳ねーだろ！」
滝壺「はまづら……！」
浜面「俺にとって滝壺は命――いや、もっと大切な、そう――」
浜面「――いや、バニーさんだ……ッ！！！」
滝壺「ちょっと意味が分からないな……」
浜面「だから滝壺の代わりに俺を！遊びに行くんだったら俺を連れて行けよ！」
絹旗「字面だけ聞いてると超ダダこねてる子にも聞こえますよね。ここだけ聞いていると」
上条「じゃ浜面でいいや――来い」
浜面「待ってよぉ！？俺の見せ場なんだからもっと引っ張ってくれたっていいじゃない！？」
上条「だってほらアレ」
浜面「あい？」
監督【巻きで】
浜面「巻きにだってほどがあんぞ！？カップル襲撃するのは怪人のお約束だけど、ヤローの方だけ攫うって斬新！」
上条「えーっと……なんかこう、アレだ。男だけを攫えば女の子だけの楽園が築かれるのだブハハハハハハハハハハハハハハッ！」
浜面「大将？それ大将の趣味入ってないかな？まとめるにしたってそのまとめ方良くないんじゃ？」
上条「いいからこっちへ来い！これ以上ゴネても中の人イジりぐらいしか引き出しはないんだからな！」
浜面「きゃー助けてーそっちの方がタチ悪い！？」
絹旗「言ったじゃないですか、超言ったじゃないですか自分が代るって」
滝壺「はまづら……わたしのために……！」 ﾊﾟｼｬｯ
麦野「って割には撮ってるけど？」
滝壺「ふれめあにわたしの彼氏自慢する……！」
絹旗「子供と超張り合ってどうするんですか。ねぇ麦野？」
麦野「やだこのモブの仕事すっげー楽しいわね！なんて言っても楽だし！」
絹旗「……浜面のバーターみたいで私は超不快ですけど」
白井「――お待ちなさい」
上条「だ、誰だっ！？」
白井「ジャッジメン――もとい、アンチスキ――でもなくっ！警察ですの！ポリスですわっ！」
上条「ふっ！警察如きに負ける俺じゃないぜ！」
白井「――はい、15時22分。傷害未遂？の現行犯で、逮捕致しますわ」 ｶﾞﾁｬｯ
上条「……ふっふっふ！こんな手錠で俺が拘束できると思うなよ……！」 ｸﾞｯ
白井「そうですわね。続きは署で聞かせてくださいましね」
上条「そうやっていられるのも今のウチだぜ！こんな手錠、手錠で俺が！」 ｸﾞｯ
上条「……あれ？」
白井「さ、ちゃっちゃとハケますわ」
上条「い、いや手錠……？白井さん？ねぇ白井さん手錠、とけないんだけど？」 ｶﾞﾁｬｯ
白井「壊れたらお仕事になりませんもの、とーぜんですわ」
上条「いやいや！そうじゃなくてね！俺が怪人に変身して力をアピールするって場面は！？」
白井「怪人、まぁ怪人ですわね。ヒトだと相当怪しい部類のって意味では」
上条「ちょっと待って！？俺このままだと物語冒頭でヤロー相手に因縁つけてたタダの変態になっちゃうよ！？」
上条「特に理由もなく悪い事する悪の組織ですらなく！普通の犯罪者としてお縄につけってことか！？」
浜面「怖かった……！スッゲー怖かった！」
滝壺「よしよし、わたしはそんなはまづらを応援している……」
絹旗「展開、超逆じゃないですかね。侠気っぽいものの片鱗は見せましたが」
麦野「途中からあからさまに『助けて！ねぇ早く助けてよぅ！？』って視線送ってきたから、あえて無視してたんだけどね」
上条「制作っ、制作ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ！早く怪人に変身させて！じゃないと俺このまま男襲った変態案件で処理されちゃう！」
佐天（監督）【フレキシブルな対応をお願いします☆】
上条「おい誰か！世界で一番ゴール前でフリーにさせちゃいけない人間にメガホン持たせてんぞ！」
浜面「……いや、大将は途中楽しそうにしてたもん！あれ演技じゃなかったよマジで！」
ﾌｧﾝﾌｧﾝﾌｧﾝﾌｧﾝ……
――路上
御坂「――パトカー来てたわよね。事故でもあったのかしら」
佐天「えぇまぁ事故と言いましょうか、不幸な行き違いはどこにでもあるっつー感じで」
御坂「黒子の姿もチラッと見えたけど、警察のインターンも大変よね。こんな街だったら」
佐天「適材適所だと思いますよ。あれで正義感は強いんで」
御坂「てか初春さんも、なのよね？大丈夫かなー」
佐天「ウチの子はちょっとやそっとでくじける子じゃありませんよ、ねっ？」
御坂「そうね。初春さんは佐天さんが育てた訳じゃないし、全く関与はしてないけど立派な子よね！」
佐天「あーでもですな。さっき初春んとこに差し入れ持ってったんですよ、お疲れ様でーすって」
御坂「ダメ、とは言わないけど研修中なんだし、あんま目立つと学生気分だって言われるんじゃないの？」
佐天「ヘーキです！JC相手に強く出られる人は少数ですからっ！」
御坂「えーっと……まず、どこから話そうかな。佐天さんでも分かりやすく……」
御坂「フェミニズム論で必ず誰しもが一度は悩むが面倒臭いから見えなかったことにする、つまり人類の敵は人類的な話があってね」
佐天「問題ありませんっ！あたしらに激おこすると『あ、若さを僻んで……』みたいに見られるので、逆に安全でありますっ！」
御坂「その発想をまずやめなさいよ。色々な人に迷惑かかるから」
佐天「ま、研修終わったらまた一緒に遊べるんで、そんなに心配しないで下さいよ」
御坂「そんな心配はしてないわ！まるで他にあたしが友達いないような言い方は！」
佐天「……まぁ、ですね。あたしもそこそこ心配はしてるんですけど、別の意味で」
御坂「……そうね。第三次世界大戦もあったし、エレメント・テロ事件もあったわで、最近物騒になるばかりだしね」
佐天「なんつーかこう、フィクションとは違いますよねぇ。正義のヒーローが現われて万事解決！してくれたらいいのに」
御坂「似たような事をやってるバカに心当たりはあるっちゃあるわ……」
佐天「はい？なんです？」
御坂「し、知らない知らない！正義のヒーローなんていないと思うわ！フィクションだし！」
佐天「あ、じゃあ御坂さんなってみません？」
御坂「失うものが多そうでちょっと遠慮したいわね」
佐天「ですよねぇ」
――警察署前
上条「――いやすいませんでした。ほんっっっっとすいませんでした、えぇはい」
上条「なんだろうなー、テンション上がっちゃったっていうか、台本にこの段取り皆無だぞっつーか言いたいことは山ほどあるんですけど」
上条「まぁなんか相手が悪かったです」
白井「今回は初犯で未遂ですからお説教だけですけども、次はありませんわよ？」
上条「はい、お世話になりました……」 ｶﾞｼｭﾝｯ
上条「……」
上条「――あぁチクショウ！なんだよ！俺が何したって言うんだよ！」
上条「ただちょっと浮かれてハメ外しただけなのに！なんで誰も分かってくれねぇんだよ！」
上条「大体浜面君はギャグにも貪欲なんだよっ！まさか集合場所にパンイチ＆ダブルレイピア（傘の骨）で来るだなんてずっりーって！」
上条「その上美人のカノジョと管理人さん……！」
浜面（画面外）「その補足情報いるか？滝壺が美人なのはそうだけども、管理人さんって褒め言葉かな？」
上条「こんな世界――ぶっ壊したい……！」
アレイスター『――力が、欲しいかね？』
上条「誰だっ！？」
アレイスター『私が誰かなどと些細なことだね。それよりも今はもっと大事なことがある、だろう？』
アレイスター『君の前に差し出された手、救いの手なのか破滅の手なのかをよく吟味する。あぁ正しいとも、それは正しいさ』
アレイスター『詐欺師の囁きか、悪魔の企み――はたまた心の底からの善意の表れなの、か。判断するのは君だ』
アレイスター『だが、そういつまでもこの”手”が。君に復讐の手段を差し出す者の手が伸ばされているとは限らない』
上条「ごめん、ちょっと中二過ぎて何言ってるのか分からない」
アレイスター『助けて欲しいんだったらサッサと決めろバーカ』
上条「キャラ崩壊までしてバカって言いやがったなテメー！？……イヤイヤ、ツッコミどころは違う」
上条「本当か？本当になのか？お前の手を取ればこの世界に復讐が出来る、のか……？」
アレイスター『確約しよう。待っているのは栄光か破滅かは君次第だが、そこだけは間違いない』
上条「俺にも管理人さんが……？」
アレイスター『少しずつ願望を寄せていくスタイルはどうか思うんだよね。世界への復讐と管理人さんと同時進行でこなすって難しくないかな？』
上条「じゃ、じゃあ順番で！」
アレイスター『あー……うん、君の努力次第で叶う、かもしれないよ？』
上条「なら――その力、俺に寄越せ……ッ！！！ 」
アレイスター『管理人さん目的で？動機がしょーもないよね？』
――回転するベッドがあるホテル
アレイスター『じゃあ先にシャワーをだね』
上条「違くないか？なんかこれ俺の思ってた展開とかなーり違うんだけどさ」
上条「どっかのヒミツ基地みたいな場所へ連れてかれて、なんか台に縛られて『うわーやめろー！』的なあれじゃねぇの？」
アレイスター『そちらがお好みであれば、フロントに掛け合って部屋を変えるが？』
上条「同じだっつーの。部屋変わったって建物同じなんだからすること一緒だろうが」
上条「……あぁいや、実はここが偽装された悪の組織の基地で、手術専用の部屋とか」
アレイスター『いや？ただの民間の行きずりのラブ×だが？』
上条「改造関係ないじゃん！？なんで来たのっ！？」
アレイスター『軽くこう、ジャブから始まるのがだね』
上条「重いわ！幕の○選手の殺人ジャブ並にクッソ重いわ！」
上条「つーか俺は力をもらえる件について了承したんであって、別にコスプレ少女とエロいことする同意書にサインした憶えはねぇぞ！」
アレイスター『あぁ心配ないとも。まさかそんなことはさせまいよ』
上条「そ、そうか？だったら安心だけどさ」
アレイスター『絵がないから分からないのも仕方がないんだが、今のこのボディは成人男性型で』
上条「超安心出来ねぇ。男二人で堂々とラブ×入ってる時点でもう危険でしかないからな！」
アレイスター『軽いジョークはともかく、これに着替えたまえ』
上条「こ、これが……！？」
アレイスター『カナミンのコスプレだ』
上条「ちっげーわ！俺の望んでた力と方向性エッラい違うわ！」
上条「俺の『こ、これが……！？』を返せよ！真面目にリアクション取ったのに、手に持ってんのはカナミンのコスプレセットだろ！？」
アレイスター『これを街中で着ればきっと強くなれる……！』
上条「そりゃメンタルは打たれ強くなるかもだが、それ以上に失うものが多すぎる。主に世間体とか」
アレイスター『不服かね？ではプランBへ移るとしよう』
上条「真面目にやれ。芸人じゃねぇんだから笑いを取りに来るな！」
アレイスター『マジカル☆ババア、ローラ＝スチュアートの変身セットがだね』
上条「いるかボケっこんな弩ピンク色のシスター服着たやつ！？もうお店だろ！そっち向けの！」
アレイスター『私の言葉を疑うか。まぁそれも良しとしよう』
上条「なぁお前今度世界フワッフワ選手権でも主催して出たらどうだ？多分上位入賞間違しだぞ？」
上条「ただ優勝はガンジスが産んだ飛び道具か、柵中のデンドロが持っていくと思うが」
アレイスター『……ならプランCだ。この外部装甲風服をつけたまえ』
上条「前二つよりは大分マシだが……これ、あれじゃね？悪組織の下っ端が着るヤツじゃね？」
アレイスター『今日は初日だし、お試しで』
上条「思ったよりも親切！？……いやでも”風”？」
アレイスター『あぁこれを着れば筋力が10倍になった”風”になる』
上条「なってないよね？”風”だからエアパワーアップってことだよね？」
アレイスター『そしてスピードも10倍になった”体”で』
上条「言い方ちょい変えても結果は同じだぞコノヤロー。体裁であってもなってないもんはなってないんだからな！」
――路上
佐天「いっやー歌いましたねー久しぶりに！」
御坂「まぁ、たまには二人カラオケも悪くないわよね」
佐天「で、いつユニットデビューします？」
御坂「なんなの？佐天さんのチョロい人生設計はどこから出てくるの？」
佐天「いやぁマジ話、四人で組んだらオリコン54位ぐらいには入れると思うんですよねぇ」
御坂「言葉の意味は分からないけど、凄い自信は一体……？」
佐天「まぁあちらが軒並み3桁に対し、あたしらは2桁と地力を見せつけた訳ですなっ！」
御坂「佐天さん、慎め？ねっ？」
（※参考資料・オリコン調べ）
禁書目録アーカイブス1 最高201位
禁書目録アーカイブス2 最高152位
禁書目録アーカイブス3 最高255位
禁書目録アーカイブス4 最高225位
禁書目録Ⅱアーカイブス1 最高133位
禁書目録Ⅱアーカイブス2 最高176位
禁書目録Ⅱアーカイブス3 最高129位
禁書目録Ⅱアーカイブス4 最高100位
超電磁砲 アーカイブス1 最高78位
超電磁砲 アーカイブス2 最高54位
超電磁砲 アーカイブス3 最高82位
佐天「ただ四人だと別ユニットと被るので、まずは二人で活動するところから始めようかと」
御坂「具体的なプラン練らないで！今更、こう……なんかある程度一通りはやった感がするのよ！もうこれまでに！」
佐天「まぁ体感的に長いっスからねー――って御坂さん」
御坂「やらないわよ、黒子（事務所）通して」
佐天「や、その賢プ○より硬い鉄壁事務所じゃなくてですね、あれ」
御坂「あそこ、えっらい軽いって聞くけど」
佐天「るっく、ぷりーず？」
御坂「なんで英語」
戦闘員A『なんでやねん！なんでやねんな！』
戦闘員T『にゃー！』
御坂「――でね、こないだ見つけたお店がイイ感じなのよ、いやもうそれはそれはすっごく！」 ｸﾞｯ
佐天「御坂さん、現実を見ましょう。こう、見なかったフリをしつつ舞台を移そうとする前に』
御坂「いつものメンバーじゃない！名前は知らないけどこのあと誰が出てくるか容易に想像つく面子じゃないの！」
戦闘員A『ねーそこの可愛い子ちゃん、ボクと茶ぁしばかへん？あ、ムリ？生理的にダメ？』
戦闘員T『あ、すいません。このメイド服のS、えっと小学生高学年ぐらいのサイズは置いてないですたい？』
御坂「そして戦闘員になっても普段と行動パターン一緒か！迷惑は迷惑だけど、そこまでじゃないな！」
佐天「恐らく元が小市民だから、でしょうかね」
戦闘員A『あ、そこの常盤台の子ぉ、よかったらボクと遊びに行かへん？』
佐天「おぉっと矛先がこっちに！どう捌くか御坂選手っ！？」
御坂「……」
戦闘員A『……』
佐天「まさかの無視だっ！？人によっては逆ギレされるから女子は使いどころに注意しましょうねっ？」
戦闘員A『ボクが見えてない――ボクの新しい能力、「透明人間（インビジブル・マン）」が開花したんか……ッ！？』
佐天「ポジティブにも程がありますよ」
戦闘員A『じゃ早速男の夢をあばばばばばばばばばばばばばばばばっ！？』 ﾋﾞﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘｯ
御坂「――と、一人退治ね。あれ、もう一人いたわよね？」
佐天「そっちの人が近寄って来ると同時にダッシュで逃げていきました」
御坂「戦闘員服着た意味ないな！やったこともただのメイド服漁りだし！」
？？？『くっくっく！調子に乗るのもそこまでニンゲンよ……！』
御坂「まぁ取り敢えずバカは片付けたし、新しいお店へ行きましょう？」
佐天「嫌なフラグ立ってる現実から目を背けないでください！戦わないと！」
？？？『珍しくフォローありがとう少女よ。ただ個人的には台本の件まだ根に持ってますからねコノヤロー』
佐天「――さっ、帰りましょうか！あたし達の未来へっ！」
？？？『そうはさせぬ、とうっ！』
御坂「はいはいお疲れー」
？？？『あばばばばばばばばばばばっ……ッ！？』 ﾋﾞﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘｯ
佐天「あ、ガード忘れてモロ入りましたね」
御坂「さっ、行きましょう？」
佐天「あ、はい」
科学戦隊ゲコレンジャー 「誕生！ゲコレンジャー！」 -終-
？？？『――って待ちなさいよっ！俺まだ名乗ってないのに攻撃しやがって！名乗ってないのに！』
？？？『てか台本と違うじゃないのもおぉっ！これだから最近の若い子はっ！』
佐天「なんで乙女になるんですか」
御坂「なんだろう、このいつものやりとりしてる感は」
？？？『ふっ、驚愕するがよい――我が名は――』
カ・ミジョー（？？？）『カ・ミジョー！混沌帝国メシマーズの力を受け誕生した！』
御坂「こんとんていこくぅぅぅ……？」
カ・ミジョー『あぁそうあぶあぶあぶあぶあぶあぶあぶあぶあぶっ！？』 ﾋﾞﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘｯ
御坂「敵ね」
佐天「あの、御坂さん？相手がいくら気の違ってる方であっても、口上の途中で攻撃するのはちょっと……」
カ・ミジョー『だから聞けって！俺の話を！』 ﾊﾟｷｲｲﾝｯ
御坂「てかもう能力打ち消してる時点で出オチって言うかな」
佐天「それ以前に全タ（※全身タイツ）着てるのに顔出てますからね」
カ・ミジョー『我らは混沌から産み落とされ！混沌としたメシを好み！世界を混沌へ導く使徒！』
カ・ミジョー『我らが人類に代って世界を支配すべき時が来たのだっ！』
御坂「うん、まずイギリスの人に謝れ」
カ・ミジョー『イギリスは関係ないっ！魔術帝国メシマーズだ！』
佐天「さっき混沌帝国って言ってませんでしたっけ？」
カ・ミジョー『こ、混沌真魔術帝国だねっ！』
御坂「設定がフワフワしてんのよ！もっと練り込んでから構成切ってきなさい！プレゼンで刎ねられるわよっ！？」
佐天「概ね同意ですけど、ツッコミの方向性が、なんだろなー！」
御坂「で、具体的に何すんのよ？その帝国さんとやらは？」
カ・ミジョー『えっ？」
御坂・佐天「えっ？」
カ・ミジョー『あーっと……まずアレだな、こう愚かなニンゲンは世界から追放するのだ！』
御坂「ノープランかっ！？だからもっと設定作ってから持ってきなさいよ！」
カ・ミジョー『い、いやだって俺も今日が初めてだし？』
御坂「よーし分かったわ！あんたをボコにすればイギリスの命運は終わるのねっ！」
佐天「御坂さんイギリス違うメシマーズです。国際問題になるから、程々に」
カ・ミジョー『かかってくるがよいわ！お前の能力など打ち消してやるわブハハハハハハハハハハっ！』
御坂「ちょっと待っててね。適当な道路標識折るから」
カ・ミジョー『待って？ねぇ待ってよ？それで殴る気？まさかと思うけど道路標識で殴ったりはしないよね？』
御坂「だから磁力を打ち消しても、慣性で飛んでいく鉄柱だったら効果あるじゃない――つーかよ」
御坂「こっちは毎日毎日あんたとの戦闘シミュレートしてんのよ！いつまでも勝ち逃げされたら堪ったもんじゃないんだから！」
佐天「考え方が授業中に『ゾンビが入ってきたらこう動く』って妄想する男子と同じです。不毛極まりないですよ？」
――どっかの路上
カ・ミジョー『……』
御坂「……」
佐天「――あぁいっ！始まってますよお二人とも！あたしはてっきりこのままお蔵入りすると思っていましたが！」
カ・ミジョー『いやぁテンション上げたいけどさ、もう時間経っちゃってどうしたらいいのか分からないもの』
カ・ミジョー『てかもう俺さ、来月にはイギリス行かせられるらしいから、正直アホ企画に関わってるヒマは』
佐天「大丈夫！いつもと同じように大して中身の無い会話をすれば良いだけですから！」
カ・ミジョー『おいビリビリ。俺らの労組とかって作った方がいいんじゃねぇかな？そろそろ過労で誰が倒れると思うんだ』
御坂「そうよね。児童福祉法の絡みで然るべきところに相談した方がためになるんじゃないか、とは割と思うのよねー」
佐天「ノーライフノー意識高い系！学園都市は日本っぽい何かであって日本じゃないですから！」
カ・ミジョー『斬新すぎるだろその解釈』
御坂「あとね、”no life, no ○○”は『○○なしじゃ生きていけない』であって、それだと『意識高系なしだと生きていけないって意味に」
カ・ミジョー『地獄だろそれ』
佐天「こまけぇこたぁいいんですよ！与えられたお仕事をこなす！ぱーどぅん！？」
御坂「いれだから誤用であって逆ギレするときには持って来いだけど」
佐天「これ以上ゴネると次の企画にあたしもついていきます」
カ・ミジョー「――さっ！労組設立は次の機会にするとして！労働者は働くことが自由への第一歩ですよねっ！」
佐天「露骨に態度を変えてぶぶ漬け用意するのは、流石にあたしのハートもブロークンなんですけど……」
御坂「いやダメよ！ここはきちんと立ち上がってあたし達の権利を勝ち取らないと！」
佐天「あの、御坂さんはゴネても連れて行きませんからね？多分ゲームバランスが大幅に狂うんで」
御坂「え？敵（含む女子）はデストロイすればいいのよね？」
佐天「スプラだったら、まぁ笑い話で済むんですが、リアル緋色のはちょっと遠慮して下さると」
カ・ミジョー「そうだぞビリビリ！ワガママ言うのも程々にな！」
佐天「いえあの、新しい旅行にウッキウキなのも分からないでもないんですが、そっちはそっちでいつもの肌色と血とマジカルで彩られるんじゃね、的な」
佐天「あと未確認情報ですが、アメリカを敵に回した傭兵部隊の残党がいるとかいないとか――」
カ・ミジョー「俺やっぱ学園都市一本で食っていこうと思うんだよ。うん、浮気はよくないかなぁって」
佐天「企画の全否定はやめてくださいよ！どうせ居残ったってすることは同じなんですからねっ！」
カ・ミジョー「そこは否定してくれよ。そこだけは守ろうよ」
――どっかの路上
カ・ミジョー『――と、いった感じでなんかこう何事もなかった体でヨゴレ仕事を再開するのだブハハハハハハハハハハハ！』
カ・ミジョー『でも個人的にはどこ行ったって大変な思いするんだったら、たまには外行きたいぜグハハハハハハハハハッ！』
佐天「いや汚れって。純白には程遠いかもですけど」
御坂「無様よね」
カ・ミジョー『てかいい加減大声を張るのも辛くなってきたので決着つけませんかガハハハハハハハハハハハハハッ！』
御坂「オッケー分かったわ。それじゃ適当な鉄骨折るから待ってて」
カ・ミジョー『ビリビリさんビリビリさん、君脚本読んだ？違うよね？ガチ勝負するって書いてはいなかったよな？』
カ・ミジョー『つーか話の流れからしてレンジャー爆誕のために一回土つけるターンであって！俺に完勝したら必要性がグラッグラするから！耐震性的な意味で！』
御坂「あ、それじゃ何かを倒すからその破片で」
カ・ミジョー『あれおかしいな？道理を説いてるのに説得が通用しない相手ってどうすればいいんだ？』
佐天「や、あのですね。少し前に御坂さん男の娘に男の子扱いされたんで、ちょっと、はい」
カ・ミジョー『間違えねぇよ。どう見たって女の子だろうが」
御坂「――くっ！」
カ・ミジョー『おいまだ何もしてないのに倒れたぞあのヒロイン』
佐天「おかしいですよね。あたしの書いた脚本じゃこんな流れじゃなかったんですけど」
カ・ミジョー『やっぱ君が元凶かコノヤロー。あとで初春さんに叱ってもらうからな！』
御坂「む、胸が……」
佐天「病気ですか御坂さんっ！？誰か救急車を！」
御坂「突然乙女扱いされて、きゅんって……！」
佐天「なんだ天然か」
カ・ミジョー『なぁこれ俺が悪いのか？後から白井さんに闇討ちされたりしない？』
佐天「する・しないで言えばされる可能性は否定しきれませんが、まぁ今更嫌疑の一つや二つ増えたところで同じかと」
御坂「なんだったら女子力対決でも良いわよ！最近ちょっと腕を上げた感じだしねっ！」
佐天「御坂さん、仮にも男性相手に女子力で白黒つけようって時点で不思議に思わないと」
カ・ミジョー『よし！それだったら血は流れないな！受けて立つぜ！』
佐天「改造された体の人が家事勝負で乗り気になるって中々ないですよね？」
カ・ミジョー『何言ってんだよ！この世界には出身地の郷土料理出すと微妙な空気になるところだってあるんだからな！』
佐天「軽い国際問題ですね。いまあなたが混沌帝国メスマーズの人だって設定を忘れてあげないでください」
御坂「それじゃどこかキッチンでも借るわ！つーかこの日のために借りっぱな――」
佐天 ﾌｯ
御坂「――あうちっ」 ﾌﾗｯ
佐天「おおっと！なんたることでしょうか御坂さんがジゴロ怪人カミジョウトウマの卑劣な手にかかったぞ！」
カ・ミジョー『あ、あれ？佐天さん、ねぇ佐天さん？俺の名前そんなんじゃなかったよね？なにキミ全女性の敵にレベルアップさせてんの？』
佐天「このままだと危険がピンチだー！だれかー、だれかーたすけてくれるひとはいないのかー？」
カ・ミジョー『てゆうか卑劣も何もコン○君の麻酔銃使ったのって君だよね？味方が背中から撃ったのが原因だよね？』
佐天「このままだと御坂さんがジゴロ怪人のストライクゾーン触れ、地上波には流れないような薄い本的な展開に！」
カ・ミジョー『最近増えたよね、戦隊もののそういうのって。昔はメタモルファンタジ○ぐらいしかなかったんだけど』
――10年後
御坂『しかし色々あったわよねー』
カ・ミジョー『そうだな。俺もお前と出会ったときにはジゴロ怪人だなんてやってたもんな』
御坂『あの時のあなたも素敵だったけど、あの後超進化（ハイパーフュージョン）したラッキースケベ怪人はもっと良かったわよ？』
カ・ミジョー『止せって。それ言うんだったらお前が変身したゲコ太無限進化（インフィニットエボル）なんか、やっぱり惚れ直したね！』
御坂『も、もう！あなたったら！』
カ・ミジョー『ブハハハハハハハ！今夜も征服してやろうか！』
御坂『任せて！』
カ・ミジョー『台本、読め？俺も結構全身サブイボ立って辛いんだが、そこは守れ？』
少女『ぱぱー、ままー、どうしたのー？』
カ・ミジョー『うん、ちょっと今後の戦闘員の増強計画をだな――っていたたたた！？』
御坂『何言ってんのよパパ、じゃなかったラッキースケベ指令！人類は征服しちゃったでしょ！』
カ・ミジョー『……そうだな。俺たちの戦いは終わったんだよな』
カ・ミジョー『あとそのハレンチ極まりない地獄の罵倒名さ、いい加減なんとかならないかな？俺にだって人権ってものがさ』
御坂『でも太陽系外にも未知の惑星を見つけたんでしょ？そっちに大総統が進出するとかしないとか』
カ・ミジョー『宇宙船造るのもカネかかるしなぁ。ま、それでも外に敵を作るのは悪くないんだけど』
少女『ぱぱー？』
カ・ミジョー『お前が大きくなったら、混沌帝国ニマイジータの版図を広げに行ってくれるか？』
少女『うんっ！わたしぱぱとままみたいなおしごとするのよ！』
御坂『……幸せ、ね』
カ・ミジョー『あぁ、そうだな』
科学戦隊ゲコレンジャー 「誕生！ゲコレンジャー！」 -終-
――路上
佐天「ちょぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおっと待って下さい！何やってんですか！？何勝手にハッピーエンドにしてんですか！？」
カ・ミジョー『ハッピーか、あれ？悪の組織に支配されたらそれ以外の価値観が淘汰されるディストピアまっしぐらじゃなかったか？』
御坂「ま、まぁあぁいう世界もなってみれば悪くないわよね！一度ぐらいは！」
佐天「御坂さんが飛ぼうとしているハードルが低すぎます。そしてまだ昏倒してて下さい」
御坂「来ないで！麻琴ちゃんの将来は誰にも潰させやしないんだから！」
佐天「落ち着いて御坂さん！脳内でつけた名前がリアルすぎて引きます！」
カ・ミジョー『てか収拾つかないんだから、誰か場面転換用の――』
絹旗「超どうも」
カ・ミジョー『あ、浜面の友だ――そげぶっ！？』 ﾊﾞｽｯ
佐天「ナイス腹パン！」
絹旗「超何やってんですか。さっさと候補生を回収して下さいよ」
佐天「や－、妨害がね。どっちともから」
カ・ミジョー『お、お前が、素手で怪人倒せんだから、ゲコレンジャーは必要、な、い……！』 ﾊﾞﾀｯ
絹旗「それはそれ、これはこれ。鳩尾を腹パンで超撃ち抜かれつつもツッコむ気概は認めますが」
佐天「てか怪人を煙に巻く程度の能力が最初からあるんだったら、もうレンジャーいりませんよねー」
――ラボ？
御坂「――はっ！？ここは！？」
佐天「御坂さんっ！？……良かった、気がついたんですね！」
御坂「誰かに背後から麻酔銃で撃たれた気がしたんだけど、まぁ平気よね」
佐天「あーまだ記憶が混乱してますねー。そんな事実はありませんでしたねー」
御坂「そっか……あ、そうだ！娘を迎えに行かないと！学校終わってる頃だから！」
佐天「本格的に混乱してますよね？場面転換したんですから、そこはノーサイドで行くんじゃなかったんですか？」
御坂「こっちが非現実で、実は主婦のあたしが見ている夢だって可能性も！」
佐天「まぁ行間の飛沫未満の存在なのは認めないでもないですが、それ言ったら存在価値なんてないですから！」
初春「……御坂さん。体は大丈夫ですか？」
御坂「あぁうん、大丈夫――だけど、ここは、どこ？何かの研究施設っぽいんだけど」
初春「それは……」
御坂「それと初春さんは研修だって言ってたわよね？わざわざ駆けつけてくれたの？」
佐天「御坂さん、そんな言い方しなくたって」
初春「いいんですよ佐天さん、御坂さんが疑うのも仕方がないでしょうし、実際に駆けつけたとのも違いますから」
御坂「……ごめん。心配してくれてるのは分かってるつもりだけど、”ここ”は。この施設、ただの病院って訳じゃないのよね」
初春「『gene of the kooky terminal』」
御坂「はい？」
初春「聞き覚えはありますか？」
御坂「ジェネ……直訳すると『奇妙な末端の遺伝子』……？」
初春「略して――『ゲコ太因子』……ッ！」
御坂「……」
佐天「略して――げこ」
御坂「いやごめんリピートいらないから。聞こえてないとかじゃないから」
御坂「ただちょっと語呂合わせでもそれはないわーって思っただけで」
初春「『ゲコ太因子』、それ自体は別に大した事はないんですよ。特別な働きをするんじゃなく、ただの並びでしかありません」
初春「数百万人にたった数人、この遺伝子特性を持つ者が現われるのは現われるんですが、特に重要視はされずにいたんですよ――前までは、ですが」
御坂「前？」
初春「現物を見て下さい――」 ﾋﾟｯ
ｳｨｰﾝ、ｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｯ
佐天「下から大きな透明のカプセルが……？」
御坂「中に人――じゃない、このシルエットは……！？」
初春「学園都市の最新技術が造りだした超パワードスーツ。対刃対弾対爆対ガス、そして対核兵器戦をも念頭に置かれ、全てをクリアしたのです」
初春「その力は凄まじいの一言であり、実験機ですら戦車を薙ぎ倒しヘリの機動性を追い越し、白兵戦では『レベル5』に継ぐとまで評価されます」
初春「しかしあまりにもピーキーな仕様に被験者が耐えられず、何よりもこのスーツは致命的な欠点がありました」
初春「欠陥品と言っても過言ではありません、何故ならば――」
初春「――スーツが敵性勢力に奪われるのを怖れたあまり、特定の遺伝子配列を持つ人間にしか扱えなくなった、からです」
佐天「それじゃ――まさかっ！？」
初春「そう、その奇妙な因子によってアクセルできる人間こそ、それが御坂さんなのです……ッ！！！」
御坂「その研究チームにはアホしかいないの？アホじゃないとなれないチームなの？」
御坂「気づくわよね？『あ、これ使い勝手悪くない？』ってまず量産される前に考えるよね？」
御坂「てゆうか、そもそもパワードスーツ見たときから思ってたんだけど――」
御坂「――うん、ゲコ太よね？これゲコ太の着ぐるみよね？」
初春「通常、”ゲコ太スーツ”……！」
御坂「超目立つわー。これ着て歩いたら街中では写メ連射され戦場じゃRPG連射されるわー」
初春「と、都市迷彩？」
御坂「ミリタリーなめんな！都市迷彩色はきちんとあるのよ！若干緑が被ってなくはないけども！」
佐天「つまり、アレかな。今までのをザックリまとめると、『御坂さん、スーツ着て、戦え』かな？」
御坂「それ以外の解釈があったら聞かせて欲しいぐらいだけど……」
御坂「や、まぁまぁ着るけども！ゲコ太の着ぐるみだしむしろ率先して着るし、あたししか着られないんだったら逆にバッチコイだけど！」
佐天「ゲコラーのサカですね」
御坂「着るけど、戦うって誰と？さっきの怪人？」
初春「そうですね！混沌帝国メシマーズのユーロファイターを倒すためにも！」
御坂「イギリスの採用戦闘機出さないで！そこはフィクションの相手なんだから、もっとボヤかすところでしょう！？」
佐天「ユーロから離脱するのにユーロファイターwwwwwwwwww」
御坂「複数国で共同開発したからそういう名前になったってだけで、決してネタに走ったとかそういう意図はないと思うの。うん、多分ない」
初春「という訳で御坂さん！このスーツさえあれば怪人にだって抵抗出来ますよ！」
御坂「あたしらハケるときに出てきた女の子、スーツなしの素手で撃退したんたけども。それはツッコんじゃダメなのね？」
御坂「じゃあどうやって着ればいいの？つーか制服脱がないと超暑いって聞くわよね」
佐天「ふなっし○の中に手を入れた人曰く、『ジャングルの熱気』だそうですが」
御坂「そこまでしてなんで着てるのかと問いたいわ」
佐天「ただ耐寒性はかぁなり高いらしく、南極でもあの皮一枚で二時間ほど動きまわってスタッフを困らせたそうです」
御坂「知ってる。テンション上がって周囲を困らせる人、あたしの近くにもいるわー」
初春「後ろにチャックあるんでそこから入って下さい。あ、ちなみに学園都市の最新技術を使用してますから、中の温度は快適で暴れても熱がこもりません！」
御坂「なんつーしょーもない技術の無駄遣いを」 ｼﾞｰｯ
佐天「あ、閉めますね」 ｼﾞｰｯ
御坂inゲコ太スーツ「ありがと……あー、思ったよりも快適だけど、初春さん？」
初春「はい？」
御坂inゲコ太スーツ「ゲコ太スーツはパワードスーツ的なコンセプトなのよね？」
初春「はい、そうですよ。戦闘用だけじゃなく災害や防災、他にも児童啓発用マスコットでの運用が想定されていますね」
御坂inゲコ太スーツ「どう考えても最後のは切り離して考えるべきだったけど……まぁこのスーツ、スペシャリストが着るために開発された、と？」
初春「えぇ。ただちょっとセキュリティがですねー、残念ですねー、まさか御坂さんにしか扱えないなんてー」
御坂inゲコ太スーツ「そこもツッコみたい――じゃあ聞くけど、つーか根本的な問題なんだけど」
初春「はい？」
御坂inゲコ太スーツ「なんでスーツ、あたしのサイズピッタリに作ってあるの？」
初春「……はい？」
御坂inゲコ太スーツ「身長もそうだけど、腕周りや足の長さもまるでサイズを測ったかのようにフィットしてんの？」
御坂inゲコ太スーツ「まさかレスキューやレンジャーの第一線で働いてる人全員が、女子中学生と体格一緒っておかしくない？」
初春「そ、れは、ですね。えーっと」
佐天「……御坂さん」 ﾎﾟﾝ
御坂「肩に手を置かないで」
佐天「御坂さんがスーツを選んだんじゃなく、スーツが御坂さんを選んだんではないでしょうか……ッ！！！」
御坂「そっかースーツがあたしを選んだのねー、だったらしょうがないわよねー――」 ｼﾞｰｯ
佐天「あ、脱いだ」
御坂「――なんて言うかっ！？不自然でしょう！？不自然極まりないでしょうが！？」
御坂「というかね！ゲコ太はよく勘違いされるけどリブリーミトンってブランドの一種でゲコ太シリーズなんて言わないのよ！そもそもが！」
御坂「いくらピカチュ○の人気あったって『ピカラー』とか言わないでしょ！？そして流行りに乗ろうとして滑ってんのよ！あたしに言わせればね！」
佐天「あー……逆鱗突いてちゃいましたかー。あたしにとっちゃいつものことですが」
初春「ファンの人ならでは、って分からないでも……」
ﾋﾟｰｯﾋﾟｰｯﾋﾟｰｯﾋﾟｰｯﾋﾟｰｯﾋﾟｰｯﾋﾟｰｯ!!!
佐天「何の音？」
初春「どうやら敵性体が出現したようです！御坂さ――いえ！御坂さん改めゲコ太レッド！あなたの力が必要ですよ！」
御坂「え？汚れるし嫌だけど？」
佐天「そして別に赤に塗ってる訳じゃなく、原作そのままなんで凄い……緑です……！」
初春「なんでですか！？そのスーツを着た人間は戦う宿命にあるんですよ！？」
御坂「いや着るとは言ったけど戦うとは一言も」
初春「もー！佐天さんと違ってノりにくい！」
佐天「初春、ここはあたしに任せて」
御坂「いくら佐天さんのお願いでも聞かないわよ？余程の事でもない限り、あたしはこのまま寮に帰って業者へクリーニングに出すんだからね！」
初春「既にもう借りパクする気満々ですか！」
佐天「まぁ初春も落ち着いて――御坂さん、ちょっとモニタ見てもらえません？」
御坂「うっ！暴れてるおバカな子を止めるのは、まぁ、うん！やるけど！せめてスーツは置いて行かせて！」
初春「パワードスーツのコンセプト全否定……」
佐天「いやあの、そうでなくてこの怪人さんがツンツン頭でどこで見覚えが――」
ゲコ太レッド（御坂）「――ゲコ太レッド！学園都市の治安を守るために緊急出動するわ！」
佐天「あたしからフッといてなんですが、引きます」
（※残念ながら続きます）
浜面「……ったくなんで俺が買い出しなんてしなきゃいけないんだ」
滝壺「じゃけんで負けた……それがルール……」
浜面「納得いかないかなぁボカぁ！だって麦野さんが出したのはグーで俺はパーだったんだから！」
浜面「『よし勝ったー！これで買い出し免除だぜ！』って喜んでた俺に！珍しく実力勝利した俺にだ！」
浜面「あのアマ無言でグー突きだした時点でもうねっ！『あ、これ自発的に行かなきゃ殴られるな』って！」
滝壺「……それは……はまづらがそんたくしてるだけ……」
浜面「いやーチョキじゃなくてよかったわー、もしチョキだったらだったら今頃眼科直行だったんじゃねぇかなー」
滝壺「負けだよ？ちょきの時点でパーのはまづらは負けだからね……？パーのはまづらは」
浜面「おぉっとやめてください滝壺さん！俺がまるでパーみたいな言い方は！」
滝壺「ねぇ、パー」
浜面「そっち俺違う。ただちょっと昔から『仕上君は将来が気になるよぅ！』って言われてただけ！なんかつい最近も言われた！」
滝壺「むぎのてきには気を遣ってくれた、んじゃないの……？わたしもいっしょしてるし」
浜面「いーや違うぜ滝壺！どうせアイツらはそんな俺らを尾行して嘲笑ってるに違いない！」
滝壺「ひがいもうそう強っ……！？」
浜面「だからむしろここは逆に俺たちがキャッキャウフフしてる所を見せつけて大いに凹ましてやろうぜ！」
滝壺「あ、よかった……いつものはまづらだった……」
浜面「という訳で俺と腕を組んでください！たゆんたゆん接触プリーズ！」
上条「もう……ちょっとだけだからね？」 ｸﾞｯ
浜面「あー癒やされるわー。悪魔超○どもとの戦いで疲れた日々に染み渡るわー」む
浜面「もう、アレだよね。滝壺さんと腕組んだところからですね、こうムチ！っていうかね！幸せな感触が！」
上条「も、もうはまづらったら……！」
浜面「いやでも、あれ？これムチっとしてねぇな？ガチっとして硬ぇな？なんで筋肉質？」
上条「――よっ」
浜面「――ってバカっ！？滝壺しゃんじゃねぇじゃん！？なにあんた俺と腕組んでんの！？そっちの気あったの！？」
浜面「てか意外と筋肉質の体でビックリしたわ！伊達に色んなところで見切れてんじゃねぇのね！」
滝壺「見切れるのと筋肉質の関係は……？」
浜面「つーか、つーかな！誤字だと思っただろみんな！なんでこの展開でツンツン頭？って考えたんだからな！」
浜面「いやもてっきり俺こうも上手くイチャコラできるとは思ってなかったけど、初期の初期の段階で潰しに来やがって！」
上条「……あのさぁ、浜面君さぁ」 ｸﾞｯ
浜面「な、なんだよ。つーか腕離せてって、通行人に写メ撮られまくってっから」
滝壺 ﾊﾟｼｬｯ
浜面「まさかの裏切り！？通行人以外にも撮られてる！？」
上条「俺が入ろうとした時点でお前の彼女さんとは目が合ってるからな。ある意味公認的？」
浜面「違うもんっ！ウチの滝壺さんはっ彼氏が男にＮＴＲれるほど腐ってないもん！」
麦野・絹旗 ﾊﾟｼｬﾊﾟｼｬｯ
浜面「ほぉらやっぱりついてきやがってるじゃねーかてめーら！どうだ！俺のこの高度なトラップに引っかかった気分は！？」
絹旗「いえ、超レアショットだから接写で撮りたかっただけですし、まず浜面自身がトラップにかかった分際ですよね？」
麦野「出て来たのは事実だけね」
浜面「うるさいやいっ！ていいから離せよっ！」 ﾄﾞﾝｯ
上条「浜面君さぁ、あれ君あれだよねぇ？最近活躍してんじゃん？」
浜面「あん？あ、あぁまぁねっ！」
浜面「こう見えて昔はスキルアウトのヘッド！やってたからな！ヤンチャしてた経験が花開いたって言うかね！」
上条「だよねー。”無能力者なのに勇気と知力で乗り切る”ってやっぱスゲーわ。尊敬するわー」
浜面「いやぁそれほどでもな――」
上条「でもそれ俺とカブってね？」
浜面「――い？」
上条「あぁいや別に責めてる訳じゃない、そういう話じゃないんだよ。俺はただ事実を言ってるだけで」
浜面「そ、そうかな？なんか責めてる感がするもんだから！気のせいだったらいいんだ！」
上条「ただ人がラブホで女の子に貞操奪われそうになッてんのに、随分格好いいんですよねぇって思ってさ」
浜面「交代しろよ。そっちの方が男にとってはウェルカムじゃんよ！」
滝壺「……はまづら？」 ﾋﾟﾘｯ
浜面「――っていうのが一般論で！決して俺の個人的意見じゃなくて！」
上条「まぁ相手が元オッサン兼統括理事長兼ヘンタイじゃなかったら、そう悪い気はしなかったかもなんだが」
浜面「悪いドラが乗りすぎてる。俺だったら殴ってるわ」
上条「あとさぁ浜面君、アイドルグループのマネジャーもやってんだって？」
浜面「あー……い、いやまぁ、こいつらのオマケだし！バーターで出さしてもらってる感じだから！」
滝壺「……あ、はまづらくうき読んだ」
絹旗「そして大抵超手遅れなんですよね」
浜面「うるいなぁ外野！ボクが喋ってんだから外野はしーっで！」
上条「数えてみたんだよ、俺数えてみたら22コマあったんだよ浜面君の出番がさ」
麦野「病んでるわよね」
浜面「まぁ、台詞も少しあるし、そんなもんじゃねぇの！？」
浜面「た、たった22コマだし！ほとんど出てないのと一緒だって！」
上条「――4コマ」
浜面「……あい？」
上条「一巻は妄想2コマとシルエット1コマ、二巻は目なしで1コマ」
浜面「あー……」
上条「……なぁ、面白いだろ？笑っちまうだろ？たった4コマだぜ、4コマ。しかもその半分が影だけだったり目ぇ描かれてなかったりさ」
上条「笑っちまようなぁ！なぁ笑えよ、浜面君がほとんど出てないと一緒だって言うんだったら、俺なんか出てないよ！」
上条「しかもその半分ビリビリの妄想だぜ？つまり俺じゃないってことだな！バーターもいいとこだ！」
浜面「な、なぁ大、将？俺聞いてた話と大分違うんだけど、これ台本、うん台本にそんな台詞あったっけか？」
浜面「てか企画そのものが『日曜の朝にやってる子供向け番組ですから！』って聞いてたんけど」
浜面「なんかこう、ネットリとした、うんドス黒いドロドロ感じんだけど、これ大丈夫？放送できんの？」
上条「あぁ書いてあったなぁ。子供向け”風”番組だって」
浜面「まさかの一休さん的裏切り！？みりん風調味料的な意味だったの？」
絹旗「ツッコミが超細かくて伝わらないと思いますので説明しますと、調味料にはみりんとみりん”風”調味料があります」
絹旗「超雑にぶっちゃけますとみりんはアルコールが入ってて、”風”は入っていません」
麦野「その解説のどこに需要が……？」
上条「他にもさぁ、金髪少女の足をprprしたって疑惑もあるんだって？」
浜面「異議ありっ！”疑惑”ってつければどんなネガギャンも載せられる風潮に抗議したいと思いますっ！」
麦野「それっぽい事言ってるわ！」
絹旗「超直前に見たネットニュース情報でしょうね。それ言いたいだけ違うんか、と」
浜面「……あの、ごめんな大将？なんか俺は俺なりに頑張ったつもりが、なんか悪いことしちゃったみたいで？」
上条「いやごめんとか違うだろ。俺はただ浜面君最近頑張ってるよね！って応援してるだけでさ？」
上条「それともアレかなー？浜面君には俺が無理矢理難癖つけてるように見えるのかなー？」
絹旗「超質の悪いお局OLみたいな追い込み方してますよ、あの人」
麦野「ただ単に弱いものが更に弱いものを叩いてるだけだと思うわ」
滝壺「ばーい、とれいんとれい○……」
上条「つーか浜面君ね、噂で聞いたんだけどバニーさんが似合うって評判のカノジョさんいるらしいじゃない？」
絹旗「悪口ですよね。バニーさんが似合ってる噂されてる時点でもうそれ超悪口ですよね？」
麦野「つーか噂流したのも浜面でしょ。普通はバニーさん基準で喋れないし」
浜面「待てよ！？滝壺に手ぇ出すんじゃねぇ！」
上条「え、俺たちって友達じゃん？そんなことする訳ねぇよだって友達だもんよ」
浜面「だ、だよなっ！」
上条「でもやっぱさぁ、友達のカノジョさんにも仲良くしたいじゃん？分かる？変な意味はないって、ある訳ないじゃん？」
絹旗「一昔前のレディコミ、今の薄い本にありがちな超エゲツない追い込みかけてますけど、あれほっといていいんですかね？」
麦野「いやいくら浜面でもこんなバカげた話に乗んないでしょ。いっっっくら浜面だって」
浜面「てめぇ――言うことに書いて滝壺差し出せだぁ？……ふざけんなよ！俺がそんなこと言われて黙ってる訳ねーだろ！」
滝壺「はまづら……！」
浜面「俺にとって滝壺は命――いや、もっと大切な、そう――」
浜面「――いや、バニーさんだ……ッ！！！」
滝壺「ちょっと意味が分からないな……」
浜面「だから滝壺の代わりに俺を！遊びに行くんだったら俺を連れて行けよ！」
絹旗「字面だけ聞いてると超ダダこねてる子にも聞こえますよね。ここだけ聞いていると」
上条「じゃ浜面でいいや――来い」
浜面「待ってよぉ！？俺の見せ場なんだからもっと引っ張ってくれたっていいじゃない！？」
上条「だってほらアレ」
浜面「あい？」
監督【巻きで】
浜面「巻きにだってほどがあんぞ！？カップル襲撃するのは怪人のお約束だけど、ヤローの方だけ攫うって斬新！」
上条「えーっと……なんかこう、アレだ。男だけを攫えば女の子だけの楽園が築かれるのだブハハハハハハハハハハハハハハッ！」
浜面「大将？それ大将の趣味入ってないかな？まとめるにしたってそのまとめ方良くないんじゃ？」
上条「いいからこっちへ来い！これ以上ゴネても中の人イジりぐらいしか引き出しはないんだからな！」
浜面「きゃー助けてーそっちの方がタチ悪い！？」
絹旗「言ったじゃないですか、超言ったじゃないですか自分が代るって」
滝壺「はまづら……わたしのために……！」 ﾊﾟｼｬｯ
麦野「って割には撮ってるけど？」
滝壺「ふれめあにわたしの彼氏自慢する……！」
絹旗「子供と超張り合ってどうするんですか。ねぇ麦野？」
麦野「やだこのモブの仕事すっげー楽しいわね！なんて言っても楽だし！」
絹旗「……浜面のバーターみたいで私は超不快ですけど」
白井「――お待ちなさい」
上条「だ、誰だっ！？」
白井「ジャッジメン――もとい、アンチスキ――でもなくっ！警察ですの！ポリスですわっ！」
上条「ふっ！警察如きに負ける俺じゃないぜ！」
白井「――はい、15時22分。傷害未遂？の現行犯で、逮捕致しますわ」 ｶﾞﾁｬｯ
上条「……ふっふっふ！こんな手錠で俺が拘束できると思うなよ……！」 ｸﾞｯ
白井「そうですわね。続きは署で聞かせてくださいましね」
上条「そうやっていられるのも今のウチだぜ！こんな手錠、手錠で俺が！」 ｸﾞｯ
上条「……あれ？」
白井「さ、ちゃっちゃとハケますわ」
上条「い、いや手錠……？白井さん？ねぇ白井さん手錠、とけないんだけど？」 ｶﾞﾁｬｯ
白井「壊れたらお仕事になりませんもの、とーぜんですわ」
上条「いやいや！そうじゃなくてね！俺が怪人に変身して力をアピールするって場面は！？」
白井「怪人、まぁ怪人ですわね。ヒトだと相当怪しい部類のって意味では」
上条「ちょっと待って！？俺このままだと物語冒頭でヤロー相手に因縁つけてたタダの変態になっちゃうよ！？」
上条「特に理由もなく悪い事する悪の組織ですらなく！普通の犯罪者としてお縄につけってことか！？」
浜面「怖かった……！スッゲー怖かった！」
滝壺「よしよし、わたしはそんなはまづらを応援している……」
絹旗「展開、超逆じゃないですかね。侠気っぽいものの片鱗は見せましたが」
麦野「途中からあからさまに『助けて！ねぇ早く助けてよぅ！？』って視線送ってきたから、あえて無視してたんだけどね」
上条「制作っ、制作ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ！早く怪人に変身させて！じゃないと俺このまま男襲った変態案件で処理されちゃう！」
佐天（監督）【フレキシブルな対応をお願いします☆】
上条「おい誰か！世界で一番ゴール前でフリーにさせちゃいけない人間にメガホン持たせてんぞ！」
浜面「……いや、大将は途中楽しそうにしてたもん！あれ演技じゃなかったよマジで！」
ﾌｧﾝﾌｧﾝﾌｧﾝﾌｧﾝ……
――路上
御坂「――パトカー来てたわよね。事故でもあったのかしら」
佐天「えぇまぁ事故と言いましょうか、不幸な行き違いはどこにでもあるっつー感じで」
御坂「黒子の姿もチラッと見えたけど、警察のインターンも大変よね。こんな街だったら」
佐天「適材適所だと思いますよ。あれで正義感は強いんで」
御坂「てか初春さんも、なのよね？大丈夫かなー」
佐天「ウチの子はちょっとやそっとでくじける子じゃありませんよ、ねっ？」
御坂「そうね。初春さんは佐天さんが育てた訳じゃないし、全く関与はしてないけど立派な子よね！」
佐天「あーでもですな。さっき初春んとこに差し入れ持ってったんですよ、お疲れ様でーすって」
御坂「ダメ、とは言わないけど研修中なんだし、あんま目立つと学生気分だって言われるんじゃないの？」
佐天「ヘーキです！JC相手に強く出られる人は少数ですからっ！」
御坂「えーっと……まず、どこから話そうかな。佐天さんでも分かりやすく……」
御坂「フェミニズム論で必ず誰しもが一度は悩むが面倒臭いから見えなかったことにする、つまり人類の敵は人類的な話があってね」
佐天「問題ありませんっ！あたしらに激おこすると『あ、若さを僻んで……』みたいに見られるので、逆に安全でありますっ！」
御坂「その発想をまずやめなさいよ。色々な人に迷惑かかるから」
佐天「ま、研修終わったらまた一緒に遊べるんで、そんなに心配しないで下さいよ」
御坂「そんな心配はしてないわ！まるで他にあたしが友達いないような言い方は！」
佐天「……まぁ、ですね。あたしもそこそこ心配はしてるんですけど、別の意味で」
御坂「……そうね。第三次世界大戦もあったし、エレメント・テロ事件もあったわで、最近物騒になるばかりだしね」
佐天「なんつーかこう、フィクションとは違いますよねぇ。正義のヒーローが現われて万事解決！してくれたらいいのに」
御坂「似たような事をやってるバカに心当たりはあるっちゃあるわ……」
佐天「はい？なんです？」
御坂「し、知らない知らない！正義のヒーローなんていないと思うわ！フィクションだし！」
佐天「あ、じゃあ御坂さんなってみません？」
御坂「失うものが多そうでちょっと遠慮したいわね」
佐天「ですよねぇ」
――警察署前
上条「――いやすいませんでした。ほんっっっっとすいませんでした、えぇはい」
上条「なんだろうなー、テンション上がっちゃったっていうか、台本にこの段取り皆無だぞっつーか言いたいことは山ほどあるんですけど」
上条「まぁなんか相手が悪かったです」
白井「今回は初犯で未遂ですからお説教だけですけども、次はありませんわよ？」
上条「はい、お世話になりました……」 ｶﾞｼｭﾝｯ
上条「……」
上条「――あぁチクショウ！なんだよ！俺が何したって言うんだよ！」
上条「ただちょっと浮かれてハメ外しただけなのに！なんで誰も分かってくれねぇんだよ！」
上条「大体浜面君はギャグにも貪欲なんだよっ！まさか集合場所にパンイチ＆ダブルレイピア（傘の骨）で来るだなんてずっりーって！」
上条「その上美人のカノジョと管理人さん……！」
浜面（画面外）「その補足情報いるか？滝壺が美人なのはそうだけども、管理人さんって褒め言葉かな？」
上条「こんな世界――ぶっ壊したい……！」
アレイスター『――力が、欲しいかね？』
上条「誰だっ！？」
アレイスター『私が誰かなどと些細なことだね。それよりも今はもっと大事なことがある、だろう？』
アレイスター『君の前に差し出された手、救いの手なのか破滅の手なのかをよく吟味する。あぁ正しいとも、それは正しいさ』
アレイスター『詐欺師の囁きか、悪魔の企み――はたまた心の底からの善意の表れなの、か。判断するのは君だ』
アレイスター『だが、そういつまでもこの”手”が。君に復讐の手段を差し出す者の手が伸ばされているとは限らない』
上条「ごめん、ちょっと中二過ぎて何言ってるのか分からない」
アレイスター『助けて欲しいんだったらサッサと決めろバーカ』
上条「キャラ崩壊までしてバカって言いやがったなテメー！？……イヤイヤ、ツッコミどころは違う」
上条「本当か？本当になのか？お前の手を取ればこの世界に復讐が出来る、のか……？」
アレイスター『確約しよう。待っているのは栄光か破滅かは君次第だが、そこだけは間違いない』
上条「俺にも管理人さんが……？」
アレイスター『少しずつ願望を寄せていくスタイルはどうか思うんだよね。世界への復讐と管理人さんと同時進行でこなすって難しくないかな？』
上条「じゃ、じゃあ順番で！」
アレイスター『あー……うん、君の努力次第で叶う、かもしれないよ？』
上条「なら――その力、俺に寄越せ……ッ！！！ 」
アレイスター『管理人さん目的で？動機がしょーもないよね？』
――回転するベッドがあるホテル
アレイスター『じゃあ先にシャワーをだね』
上条「違くないか？なんかこれ俺の思ってた展開とかなーり違うんだけどさ」
上条「どっかのヒミツ基地みたいな場所へ連れてかれて、なんか台に縛られて『うわーやめろー！』的なあれじゃねぇの？」
アレイスター『そちらがお好みであれば、フロントに掛け合って部屋を変えるが？』
上条「同じだっつーの。部屋変わったって建物同じなんだからすること一緒だろうが」
上条「……あぁいや、実はここが偽装された悪の組織の基地で、手術専用の部屋とか」
アレイスター『いや？ただの民間の行きずりのラブ×だが？』
上条「改造関係ないじゃん！？なんで来たのっ！？」
アレイスター『軽くこう、ジャブから始まるのがだね』
上条「重いわ！幕の○選手の殺人ジャブ並にクッソ重いわ！」
上条「つーか俺は力をもらえる件について了承したんであって、別にコスプレ少女とエロいことする同意書にサインした憶えはねぇぞ！」
アレイスター『あぁ心配ないとも。まさかそんなことはさせまいよ』
上条「そ、そうか？だったら安心だけどさ」
アレイスター『絵がないから分からないのも仕方がないんだが、今のこのボディは成人男性型で』
上条「超安心出来ねぇ。男二人で堂々とラブ×入ってる時点でもう危険でしかないからな！」
アレイスター『軽いジョークはともかく、これに着替えたまえ』
上条「こ、これが……！？」
アレイスター『カナミンのコスプレだ』
上条「ちっげーわ！俺の望んでた力と方向性エッラい違うわ！」
上条「俺の『こ、これが……！？』を返せよ！真面目にリアクション取ったのに、手に持ってんのはカナミンのコスプレセットだろ！？」
アレイスター『これを街中で着ればきっと強くなれる……！』
上条「そりゃメンタルは打たれ強くなるかもだが、それ以上に失うものが多すぎる。主に世間体とか」
アレイスター『不服かね？ではプランBへ移るとしよう』
上条「真面目にやれ。芸人じゃねぇんだから笑いを取りに来るな！」
アレイスター『マジカル☆ババア、ローラ＝スチュアートの変身セットがだね』
上条「いるかボケっこんな弩ピンク色のシスター服着たやつ！？もうお店だろ！そっち向けの！」
アレイスター『私の言葉を疑うか。まぁそれも良しとしよう』
上条「なぁお前今度世界フワッフワ選手権でも主催して出たらどうだ？多分上位入賞間違しだぞ？」
上条「ただ優勝はガンジスが産んだ飛び道具か、柵中のデンドロが持っていくと思うが」
アレイスター『……ならプランCだ。この外部装甲風服をつけたまえ』
上条「前二つよりは大分マシだが……これ、あれじゃね？悪組織の下っ端が着るヤツじゃね？」
アレイスター『今日は初日だし、お試しで』
上条「思ったよりも親切！？……いやでも”風”？」
アレイスター『あぁこれを着れば筋力が10倍になった”風”になる』
上条「なってないよね？”風”だからエアパワーアップってことだよね？」
アレイスター『そしてスピードも10倍になった”体”で』
上条「言い方ちょい変えても結果は同じだぞコノヤロー。体裁であってもなってないもんはなってないんだからな！」
――路上
佐天「いっやー歌いましたねー久しぶりに！」
御坂「まぁ、たまには二人カラオケも悪くないわよね」
佐天「で、いつユニットデビューします？」
御坂「なんなの？佐天さんのチョロい人生設計はどこから出てくるの？」
佐天「いやぁマジ話、四人で組んだらオリコン54位ぐらいには入れると思うんですよねぇ」
御坂「言葉の意味は分からないけど、凄い自信は一体……？」
佐天「まぁあちらが軒並み3桁に対し、あたしらは2桁と地力を見せつけた訳ですなっ！」
御坂「佐天さん、慎め？ねっ？」
（※参考資料・オリコン調べ）
禁書目録アーカイブス1 最高201位
禁書目録アーカイブス2 最高152位
禁書目録アーカイブス3 最高255位
禁書目録アーカイブス4 最高225位
禁書目録Ⅱアーカイブス1 最高133位
禁書目録Ⅱアーカイブス2 最高176位
禁書目録Ⅱアーカイブス3 最高129位
禁書目録Ⅱアーカイブス4 最高100位
超電磁砲 アーカイブス1 最高78位
超電磁砲 アーカイブス2 最高54位
超電磁砲 アーカイブス3 最高82位
佐天「ただ四人だと別ユニットと被るので、まずは二人で活動するところから始めようかと」
御坂「具体的なプラン練らないで！今更、こう……なんかある程度一通りはやった感がするのよ！もうこれまでに！」
佐天「まぁ体感的に長いっスからねー――って御坂さん」
御坂「やらないわよ、黒子（事務所）通して」
佐天「や、その賢プ○より硬い鉄壁事務所じゃなくてですね、あれ」
御坂「あそこ、えっらい軽いって聞くけど」
佐天「るっく、ぷりーず？」
御坂「なんで英語」
戦闘員A『なんでやねん！なんでやねんな！』
戦闘員T『にゃー！』
御坂「――でね、こないだ見つけたお店がイイ感じなのよ、いやもうそれはそれはすっごく！」 ｸﾞｯ
佐天「御坂さん、現実を見ましょう。こう、見なかったフリをしつつ舞台を移そうとする前に』
御坂「いつものメンバーじゃない！名前は知らないけどこのあと誰が出てくるか容易に想像つく面子じゃないの！」
戦闘員A『ねーそこの可愛い子ちゃん、ボクと茶ぁしばかへん？あ、ムリ？生理的にダメ？』
戦闘員T『あ、すいません。このメイド服のS、えっと小学生高学年ぐらいのサイズは置いてないですたい？』
御坂「そして戦闘員になっても普段と行動パターン一緒か！迷惑は迷惑だけど、そこまでじゃないな！」
佐天「恐らく元が小市民だから、でしょうかね」
戦闘員A『あ、そこの常盤台の子ぉ、よかったらボクと遊びに行かへん？』
佐天「おぉっと矛先がこっちに！どう捌くか御坂選手っ！？」
御坂「……」
戦闘員A『……』
佐天「まさかの無視だっ！？人によっては逆ギレされるから女子は使いどころに注意しましょうねっ？」
戦闘員A『ボクが見えてない――ボクの新しい能力、「透明人間（インビジブル・マン）」が開花したんか……ッ！？』
佐天「ポジティブにも程がありますよ」
戦闘員A『じゃ早速男の夢をあばばばばばばばばばばばばばばばばっ！？』 ﾋﾞﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘｯ
御坂「――と、一人退治ね。あれ、もう一人いたわよね？」
佐天「そっちの人が近寄って来ると同時にダッシュで逃げていきました」
御坂「戦闘員服着た意味ないな！やったこともただのメイド服漁りだし！」
？？？『くっくっく！調子に乗るのもそこまでニンゲンよ……！』
御坂「まぁ取り敢えずバカは片付けたし、新しいお店へ行きましょう？」
佐天「嫌なフラグ立ってる現実から目を背けないでください！戦わないと！」
？？？『珍しくフォローありがとう少女よ。ただ個人的には台本の件まだ根に持ってますからねコノヤロー』
佐天「――さっ、帰りましょうか！あたし達の未来へっ！」
？？？『そうはさせぬ、とうっ！』
御坂「はいはいお疲れー」
？？？『あばばばばばばばばばばばっ……ッ！？』 ﾋﾞﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘｯ
佐天「あ、ガード忘れてモロ入りましたね」
御坂「さっ、行きましょう？」
佐天「あ、はい」
科学戦隊ゲコレンジャー 「誕生！ゲコレンジャー！」 -終-
？？？『――って待ちなさいよっ！俺まだ名乗ってないのに攻撃しやがって！名乗ってないのに！』
？？？『てか台本と違うじゃないのもおぉっ！これだから最近の若い子はっ！』
佐天「なんで乙女になるんですか」
御坂「なんだろう、このいつものやりとりしてる感は」
？？？『ふっ、驚愕するがよい――我が名は――』
カ・ミジョー（？？？）『カ・ミジョー！混沌帝国メシマーズの力を受け誕生した！』
御坂「こんとんていこくぅぅぅ……？」
カ・ミジョー『あぁそうあぶあぶあぶあぶあぶあぶあぶあぶあぶっ！？』 ﾋﾞﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘｯ
御坂「敵ね」
佐天「あの、御坂さん？相手がいくら気の違ってる方であっても、口上の途中で攻撃するのはちょっと……」
カ・ミジョー『だから聞けって！俺の話を！』 ﾊﾟｷｲｲﾝｯ
御坂「てかもう能力打ち消してる時点で出オチって言うかな」
佐天「それ以前に全タ（※全身タイツ）着てるのに顔出てますからね」
カ・ミジョー『我らは混沌から産み落とされ！混沌としたメシを好み！世界を混沌へ導く使徒！』
カ・ミジョー『我らが人類に代って世界を支配すべき時が来たのだっ！』
御坂「うん、まずイギリスの人に謝れ」
カ・ミジョー『イギリスは関係ないっ！魔術帝国メシマーズだ！』
佐天「さっき混沌帝国って言ってませんでしたっけ？」
カ・ミジョー『こ、混沌真魔術帝国だねっ！』
御坂「設定がフワフワしてんのよ！もっと練り込んでから構成切ってきなさい！プレゼンで刎ねられるわよっ！？」
佐天「概ね同意ですけど、ツッコミの方向性が、なんだろなー！」
御坂「で、具体的に何すんのよ？その帝国さんとやらは？」
カ・ミジョー『えっ？」
御坂・佐天「えっ？」
カ・ミジョー『あーっと……まずアレだな、こう愚かなニンゲンは世界から追放するのだ！』
御坂「ノープランかっ！？だからもっと設定作ってから持ってきなさいよ！」
カ・ミジョー『い、いやだって俺も今日が初めてだし？』
御坂「よーし分かったわ！あんたをボコにすればイギリスの命運は終わるのねっ！」
佐天「御坂さんイギリス違うメシマーズです。国際問題になるから、程々に」
カ・ミジョー『かかってくるがよいわ！お前の能力など打ち消してやるわブハハハハハハハハハハっ！』
御坂「ちょっと待っててね。適当な道路標識折るから」
カ・ミジョー『待って？ねぇ待ってよ？それで殴る気？まさかと思うけど道路標識で殴ったりはしないよね？』
御坂「だから磁力を打ち消しても、慣性で飛んでいく鉄柱だったら効果あるじゃない――つーかよ」
御坂「こっちは毎日毎日あんたとの戦闘シミュレートしてんのよ！いつまでも勝ち逃げされたら堪ったもんじゃないんだから！」
佐天「考え方が授業中に『ゾンビが入ってきたらこう動く』って妄想する男子と同じです。不毛極まりないですよ？」
――どっかの路上
カ・ミジョー『……』
御坂「……」
佐天「――あぁいっ！始まってますよお二人とも！あたしはてっきりこのままお蔵入りすると思っていましたが！」
カ・ミジョー『いやぁテンション上げたいけどさ、もう時間経っちゃってどうしたらいいのか分からないもの』
カ・ミジョー『てかもう俺さ、来月にはイギリス行かせられるらしいから、正直アホ企画に関わってるヒマは』
佐天「大丈夫！いつもと同じように大して中身の無い会話をすれば良いだけですから！」
カ・ミジョー『おいビリビリ。俺らの労組とかって作った方がいいんじゃねぇかな？そろそろ過労で誰が倒れると思うんだ』
御坂「そうよね。児童福祉法の絡みで然るべきところに相談した方がためになるんじゃないか、とは割と思うのよねー」
佐天「ノーライフノー意識高い系！学園都市は日本っぽい何かであって日本じゃないですから！」
カ・ミジョー『斬新すぎるだろその解釈』
御坂「あとね、”no life, no ○○”は『○○なしじゃ生きていけない』であって、それだと『意識高系なしだと生きていけないって意味に」
カ・ミジョー『地獄だろそれ』
佐天「こまけぇこたぁいいんですよ！与えられたお仕事をこなす！ぱーどぅん！？」
御坂「いれだから誤用であって逆ギレするときには持って来いだけど」
佐天「これ以上ゴネると次の企画にあたしもついていきます」
カ・ミジョー「――さっ！労組設立は次の機会にするとして！労働者は働くことが自由への第一歩ですよねっ！」
佐天「露骨に態度を変えてぶぶ漬け用意するのは、流石にあたしのハートもブロークンなんですけど……」
御坂「いやダメよ！ここはきちんと立ち上がってあたし達の権利を勝ち取らないと！」
佐天「あの、御坂さんはゴネても連れて行きませんからね？多分ゲームバランスが大幅に狂うんで」
御坂「え？敵（含む女子）はデストロイすればいいのよね？」
佐天「スプラだったら、まぁ笑い話で済むんですが、リアル緋色のはちょっと遠慮して下さると」
カ・ミジョー「そうだぞビリビリ！ワガママ言うのも程々にな！」
佐天「いえあの、新しい旅行にウッキウキなのも分からないでもないんですが、そっちはそっちでいつもの肌色と血とマジカルで彩られるんじゃね、的な」
佐天「あと未確認情報ですが、アメリカを敵に回した傭兵部隊の残党がいるとかいないとか――」
カ・ミジョー「俺やっぱ学園都市一本で食っていこうと思うんだよ。うん、浮気はよくないかなぁって」
佐天「企画の全否定はやめてくださいよ！どうせ居残ったってすることは同じなんですからねっ！」
カ・ミジョー「そこは否定してくれよ。そこだけは守ろうよ」
――どっかの路上
カ・ミジョー『――と、いった感じでなんかこう何事もなかった体でヨゴレ仕事を再開するのだブハハハハハハハハハハハ！』
カ・ミジョー『でも個人的にはどこ行ったって大変な思いするんだったら、たまには外行きたいぜグハハハハハハハハハッ！』
佐天「いや汚れって。純白には程遠いかもですけど」
御坂「無様よね」
カ・ミジョー『てかいい加減大声を張るのも辛くなってきたので決着つけませんかガハハハハハハハハハハハハハッ！』
御坂「オッケー分かったわ。それじゃ適当な鉄骨折るから待ってて」
カ・ミジョー『ビリビリさんビリビリさん、君脚本読んだ？違うよね？ガチ勝負するって書いてはいなかったよな？』
カ・ミジョー『つーか話の流れからしてレンジャー爆誕のために一回土つけるターンであって！俺に完勝したら必要性がグラッグラするから！耐震性的な意味で！』
御坂「あ、それじゃ何かを倒すからその破片で」
カ・ミジョー『あれおかしいな？道理を説いてるのに説得が通用しない相手ってどうすればいいんだ？』
佐天「や、あのですね。少し前に御坂さん男の娘に男の子扱いされたんで、ちょっと、はい」
カ・ミジョー『間違えねぇよ。どう見たって女の子だろうが」
御坂「――くっ！」
カ・ミジョー『おいまだ何もしてないのに倒れたぞあのヒロイン』
佐天「おかしいですよね。あたしの書いた脚本じゃこんな流れじゃなかったんですけど」
カ・ミジョー『やっぱ君が元凶かコノヤロー。あとで初春さんに叱ってもらうからな！』
御坂「む、胸が……」
佐天「病気ですか御坂さんっ！？誰か救急車を！」
御坂「突然乙女扱いされて、きゅんって……！」
佐天「なんだ天然か」
カ・ミジョー『なぁこれ俺が悪いのか？後から白井さんに闇討ちされたりしない？』
佐天「する・しないで言えばされる可能性は否定しきれませんが、まぁ今更嫌疑の一つや二つ増えたところで同じかと」
御坂「なんだったら女子力対決でも良いわよ！最近ちょっと腕を上げた感じだしねっ！」
佐天「御坂さん、仮にも男性相手に女子力で白黒つけようって時点で不思議に思わないと」
カ・ミジョー『よし！それだったら血は流れないな！受けて立つぜ！』
佐天「改造された体の人が家事勝負で乗り気になるって中々ないですよね？」
カ・ミジョー『何言ってんだよ！この世界には出身地の郷土料理出すと微妙な空気になるところだってあるんだからな！』
佐天「軽い国際問題ですね。いまあなたが混沌帝国メスマーズの人だって設定を忘れてあげないでください」
御坂「それじゃどこかキッチンでも借るわ！つーかこの日のために借りっぱな――」
佐天 ﾌｯ
御坂「――あうちっ」 ﾌﾗｯ
佐天「おおっと！なんたることでしょうか御坂さんがジゴロ怪人カミジョウトウマの卑劣な手にかかったぞ！」
カ・ミジョー『あ、あれ？佐天さん、ねぇ佐天さん？俺の名前そんなんじゃなかったよね？なにキミ全女性の敵にレベルアップさせてんの？』
佐天「このままだと危険がピンチだー！だれかー、だれかーたすけてくれるひとはいないのかー？」
カ・ミジョー『てゆうか卑劣も何もコン○君の麻酔銃使ったのって君だよね？味方が背中から撃ったのが原因だよね？』
佐天「このままだと御坂さんがジゴロ怪人のストライクゾーン触れ、地上波には流れないような薄い本的な展開に！」
カ・ミジョー『最近増えたよね、戦隊もののそういうのって。昔はメタモルファンタジ○ぐらいしかなかったんだけど』
――10年後
御坂『しかし色々あったわよねー』
カ・ミジョー『そうだな。俺もお前と出会ったときにはジゴロ怪人だなんてやってたもんな』
御坂『あの時のあなたも素敵だったけど、あの後超進化（ハイパーフュージョン）したラッキースケベ怪人はもっと良かったわよ？』
カ・ミジョー『止せって。それ言うんだったらお前が変身したゲコ太無限進化（インフィニットエボル）なんか、やっぱり惚れ直したね！』
御坂『も、もう！あなたったら！』
カ・ミジョー『ブハハハハハハハ！今夜も征服してやろうか！』
御坂『任せて！』
カ・ミジョー『台本、読め？俺も結構全身サブイボ立って辛いんだが、そこは守れ？』
少女『ぱぱー、ままー、どうしたのー？』
カ・ミジョー『うん、ちょっと今後の戦闘員の増強計画をだな――っていたたたた！？』
御坂『何言ってんのよパパ、じゃなかったラッキースケベ指令！人類は征服しちゃったでしょ！』
カ・ミジョー『……そうだな。俺たちの戦いは終わったんだよな』
カ・ミジョー『あとそのハレンチ極まりない地獄の罵倒名さ、いい加減なんとかならないかな？俺にだって人権ってものがさ』
御坂『でも太陽系外にも未知の惑星を見つけたんでしょ？そっちに大総統が進出するとかしないとか』
カ・ミジョー『宇宙船造るのもカネかかるしなぁ。ま、それでも外に敵を作るのは悪くないんだけど』
少女『ぱぱー？』
カ・ミジョー『お前が大きくなったら、混沌帝国ニマイジータの版図を広げに行ってくれるか？』
少女『うんっ！わたしぱぱとままみたいなおしごとするのよ！』
御坂『……幸せ、ね』
カ・ミジョー『あぁ、そうだな』
科学戦隊ゲコレンジャー 「誕生！ゲコレンジャー！」 -終-
――路上
佐天「ちょぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおっと待って下さい！何やってんですか！？何勝手にハッピーエンドにしてんですか！？」
カ・ミジョー『ハッピーか、あれ？悪の組織に支配されたらそれ以外の価値観が淘汰されるディストピアまっしぐらじゃなかったか？』
御坂「ま、まぁあぁいう世界もなってみれば悪くないわよね！一度ぐらいは！」
佐天「御坂さんが飛ぼうとしているハードルが低すぎます。そしてまだ昏倒してて下さい」
御坂「来ないで！麻琴ちゃんの将来は誰にも潰させやしないんだから！」
佐天「落ち着いて御坂さん！脳内でつけた名前がリアルすぎて引きます！」
カ・ミジョー『てか収拾つかないんだから、誰か場面転換用の――』
絹旗「超どうも」
カ・ミジョー『あ、浜面の友だ――そげぶっ！？』 ﾊﾞｽｯ
佐天「ナイス腹パン！」
絹旗「超何やってんですか。さっさと候補生を回収して下さいよ」
佐天「や－、妨害がね。どっちともから」
カ・ミジョー『お、お前が、素手で怪人倒せんだから、ゲコレンジャーは必要、な、い……！』 ﾊﾞﾀｯ
絹旗「それはそれ、これはこれ。鳩尾を腹パンで超撃ち抜かれつつもツッコむ気概は認めますが」
佐天「てか怪人を煙に巻く程度の能力が最初からあるんだったら、もうレンジャーいりませんよねー」
――ラボ？
御坂「――はっ！？ここは！？」
佐天「御坂さんっ！？……良かった、気がついたんですね！」
御坂「誰かに背後から麻酔銃で撃たれた気がしたんだけど、まぁ平気よね」
佐天「あーまだ記憶が混乱してますねー。そんな事実はありませんでしたねー」
御坂「そっか……あ、そうだ！娘を迎えに行かないと！学校終わってる頃だから！」
佐天「本格的に混乱してますよね？場面転換したんですから、そこはノーサイドで行くんじゃなかったんですか？」
御坂「こっちが非現実で、実は主婦のあたしが見ている夢だって可能性も！」
佐天「まぁ行間の飛沫未満の存在なのは認めないでもないですが、それ言ったら存在価値なんてないですから！」
初春「……御坂さん。体は大丈夫ですか？」
御坂「あぁうん、大丈夫――だけど、ここは、どこ？何かの研究施設っぽいんだけど」
初春「それは……」
御坂「それと初春さんは研修だって言ってたわよね？わざわざ駆けつけてくれたの？」
佐天「御坂さん、そんな言い方しなくたって」
初春「いいんですよ佐天さん、御坂さんが疑うのも仕方がないでしょうし、実際に駆けつけたとのも違いますから」
御坂「……ごめん。心配してくれてるのは分かってるつもりだけど、”ここ”は。この施設、ただの病院って訳じゃないのよね」
初春「『gene of the kooky terminal』」
御坂「はい？」
初春「聞き覚えはありますか？」
御坂「ジェネ……直訳すると『奇妙な末端の遺伝子』……？」
初春「略して――『ゲコ太因子』……ッ！」
御坂「……」
佐天「略して――げこ」
御坂「いやごめんリピートいらないから。聞こえてないとかじゃないから」
御坂「ただちょっと語呂合わせでもそれはないわーって思っただけで」
初春「『ゲコ太因子』、それ自体は別に大した事はないんですよ。特別な働きをするんじゃなく、ただの並びでしかありません」
初春「数百万人にたった数人、この遺伝子特性を持つ者が現われるのは現われるんですが、特に重要視はされずにいたんですよ――前までは、ですが」
御坂「前？」
初春「現物を見て下さい――」 ﾋﾟｯ
ｳｨｰﾝ、ｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｯ
佐天「下から大きな透明のカプセルが……？」
御坂「中に人――じゃない、このシルエットは……！？」
初春「学園都市の最新技術が造りだした超パワードスーツ。対刃対弾対爆対ガス、そして対核兵器戦をも念頭に置かれ、全てをクリアしたのです」
初春「その力は凄まじいの一言であり、実験機ですら戦車を薙ぎ倒しヘリの機動性を追い越し、白兵戦では『レベル5』に継ぐとまで評価されます」
初春「しかしあまりにもピーキーな仕様に被験者が耐えられず、何よりもこのスーツは致命的な欠点がありました」
初春「欠陥品と言っても過言ではありません、何故ならば――」
初春「――スーツが敵性勢力に奪われるのを怖れたあまり、特定の遺伝子配列を持つ人間にしか扱えなくなった、からです」
佐天「それじゃ――まさかっ！？」
初春「そう、その奇妙な因子によってアクセルできる人間こそ、それが御坂さんなのです……ッ！！！」
御坂「その研究チームにはアホしかいないの？アホじゃないとなれないチームなの？」
御坂「気づくわよね？『あ、これ使い勝手悪くない？』ってまず量産される前に考えるよね？」
御坂「てゆうか、そもそもパワードスーツ見たときから思ってたんだけど――」
御坂「――うん、ゲコ太よね？これゲコ太の着ぐるみよね？」
初春「通常、”ゲコ太スーツ”……！」
御坂「超目立つわー。これ着て歩いたら街中では写メ連射され戦場じゃRPG連射されるわー」
初春「と、都市迷彩？」
御坂「ミリタリーなめんな！都市迷彩色はきちんとあるのよ！若干緑が被ってなくはないけども！」
佐天「つまり、アレかな。今までのをザックリまとめると、『御坂さん、スーツ着て、戦え』かな？」
御坂「それ以外の解釈があったら聞かせて欲しいぐらいだけど……」
御坂「や、まぁまぁ着るけども！ゲコ太の着ぐるみだしむしろ率先して着るし、あたししか着られないんだったら逆にバッチコイだけど！」
佐天「ゲコラーのサカですね」
御坂「着るけど、戦うって誰と？さっきの怪人？」
初春「そうですね！混沌帝国メシマーズのユーロファイターを倒すためにも！」
御坂「イギリスの採用戦闘機出さないで！そこはフィクションの相手なんだから、もっとボヤかすところでしょう！？」
佐天「ユーロから離脱するのにユーロファイターwwwwwwwwww」
御坂「複数国で共同開発したからそういう名前になったってだけで、決してネタに走ったとかそういう意図はないと思うの。うん、多分ない」
初春「という訳で御坂さん！このスーツさえあれば怪人にだって抵抗出来ますよ！」
御坂「あたしらハケるときに出てきた女の子、スーツなしの素手で撃退したんたけども。それはツッコんじゃダメなのね？」
御坂「じゃあどうやって着ればいいの？つーか制服脱がないと超暑いって聞くわよね」
佐天「ふなっし○の中に手を入れた人曰く、『ジャングルの熱気』だそうですが」
御坂「そこまでしてなんで着てるのかと問いたいわ」
佐天「ただ耐寒性はかぁなり高いらしく、南極でもあの皮一枚で二時間ほど動きまわってスタッフを困らせたそうです」
御坂「知ってる。テンション上がって周囲を困らせる人、あたしの近くにもいるわー」
初春「後ろにチャックあるんでそこから入って下さい。あ、ちなみに学園都市の最新技術を使用してますから、中の温度は快適で暴れても熱がこもりません！」
御坂「なんつーしょーもない技術の無駄遣いを」 ｼﾞｰｯ
佐天「あ、閉めますね」 ｼﾞｰｯ
御坂inゲコ太スーツ「ありがと……あー、思ったよりも快適だけど、初春さん？」
初春「はい？」
御坂inゲコ太スーツ「ゲコ太スーツはパワードスーツ的なコンセプトなのよね？」
初春「はい、そうですよ。戦闘用だけじゃなく災害や防災、他にも児童啓発用マスコットでの運用が想定されていますね」
御坂inゲコ太スーツ「どう考えても最後のは切り離して考えるべきだったけど……まぁこのスーツ、スペシャリストが着るために開発された、と？」
初春「えぇ。ただちょっとセキュリティがですねー、残念ですねー、まさか御坂さんにしか扱えないなんてー」
御坂inゲコ太スーツ「そこもツッコみたい――じゃあ聞くけど、つーか根本的な問題なんだけど」
初春「はい？」
御坂inゲコ太スーツ「なんでスーツ、あたしのサイズピッタリに作ってあるの？」
初春「……はい？」
御坂inゲコ太スーツ「身長もそうだけど、腕周りや足の長さもまるでサイズを測ったかのようにフィットしてんの？」
御坂inゲコ太スーツ「まさかレスキューやレンジャーの第一線で働いてる人全員が、女子中学生と体格一緒っておかしくない？」
初春「そ、れは、ですね。えーっと」
佐天「……御坂さん」 ﾎﾟﾝ
御坂「肩に手を置かないで」
佐天「御坂さんがスーツを選んだんじゃなく、スーツが御坂さんを選んだんではないでしょうか……ッ！！！」
御坂「そっかースーツがあたしを選んだのねー、だったらしょうがないわよねー――」 ｼﾞｰｯ
佐天「あ、脱いだ」
御坂「――なんて言うかっ！？不自然でしょう！？不自然極まりないでしょうが！？」
御坂「というかね！ゲコ太はよく勘違いされるけどリブリーミトンってブランドの一種でゲコ太シリーズなんて言わないのよ！そもそもが！」
御坂「いくらピカチュ○の人気あったって『ピカラー』とか言わないでしょ！？そして流行りに乗ろうとして滑ってんのよ！あたしに言わせればね！」
佐天「あー……逆鱗突いてちゃいましたかー。あたしにとっちゃいつものことですが」
初春「ファンの人ならでは、って分からないでも……」
ﾋﾟｰｯﾋﾟｰｯﾋﾟｰｯﾋﾟｰｯﾋﾟｰｯﾋﾟｰｯﾋﾟｰｯ!!!
佐天「何の音？」
初春「どうやら敵性体が出現したようです！御坂さ――いえ！御坂さん改めゲコ太レッド！あなたの力が必要ですよ！」
御坂「え？汚れるし嫌だけど？」
佐天「そして別に赤に塗ってる訳じゃなく、原作そのままなんで凄い……緑です……！」
初春「なんでですか！？そのスーツを着た人間は戦う宿命にあるんですよ！？」
御坂「いや着るとは言ったけど戦うとは一言も」
初春「もー！佐天さんと違ってノりにくい！」
佐天「初春、ここはあたしに任せて」
御坂「いくら佐天さんのお願いでも聞かないわよ？余程の事でもない限り、あたしはこのまま寮に帰って業者へクリーニングに出すんだからね！」
初春「既にもう借りパクする気満々ですか！」
佐天「まぁ初春も落ち着いて――御坂さん、ちょっとモニタ見てもらえません？」
御坂「うっ！暴れてるおバカな子を止めるのは、まぁ、うん！やるけど！せめてスーツは置いて行かせて！」
初春「パワードスーツのコンセプト全否定……」
佐天「いやあの、そうでなくてこの怪人さんがツンツン頭でどこで見覚えが――」
ゲコ太レッド（御坂）「――ゲコ太レッド！学園都市の治安を守るために緊急出動するわ！」
佐天「あたしからフッといてなんですが、引きます」
（※残念ながら続きます）