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Clock(trial)

『とある魔術の禁書目録 幻想収束』プレイベント

 
――学園都市 特設大ホール

上条「……」

土御門「おー、カミやんじゃねーかにゃー。なんか暫く姿見てなかった気もすっけど、お元気かにゃー?」

上条「あぁお陰様でなんとか生きてるよ!どっかの誰かが妹だけを掴んで逃げ出してくれやがったせいで苦労してっけどもだ!」

土御門「――なぁ、カミさん。俺は思うんだぜぃ」

上条「なんだよ」

土御門「『目の前の妹一人救えないのに世界を救える訳がねぇよ』、ってな」

上条「それ俺言ったわー。多分フィアンマんときに似たような事言った記憶があるわー」

上条「てか妹さんはそんなに救う必要あるか?前の話は知んないが、今は普通にメイドやって楽しそうだしさ」

上条「むしろヤク×な稼業に両足ツッコんでるアホな兄貴のせいで苦労してんだろ」

土御門「おぉっと上条当麻言葉を選べよ!それ以上言ったら千年戦争(サウザンドウォーズ)ですたい!」

上条「自覚あるじゃねぇか。まぁ足洗うって決めたんだからこれ以上は何もないけど」

上条「てか今日もなんの集まりだよ。半年前も集められて、アホの理事長からアニメが1クールなんで詰めました、的な企画やったばっかだろ」

土御門「アレもなんだかんだで途中で立ち消えになったんだにゃー。つーかあん時は『本当にこれ三ヶ月じゃね?』って戦々恐々だったんだぜぃ」

上条「……どうなんだろうな?結果的に立ち消えにはなったけど、あれはあれでツッコミどころが多かったからな」

上条「ご陽気なランシスに真面目なフロリス、そして若返って空飛びやがったベイロープさん」

上条「最近じゃ口に出してツッコんだのは『アニェーゼたちはローマ正教の出向組であって、対フランスで駆り出されたのはイギリス清教のシスターさんなんだよ!』ってのが」

上条「あそこでアニェーゼ舞台が出ちまうと、終盤に敵味方なく治療してまわってたってのが、『お前ら自分で怪我人増やしてただろ』ってツッコミがな」

土御門「ねーちんも魔術師ボコってドヤ顔してんのは、こう、えーっと、聖人としてどーかなーって」

上条「思えば聖人としての定義もフワッフワしてるよな。『昔の人と似てるから超パワー』って」

土御門「つーか魔術的の”聖人”が神の子としての特徴に似ているんだったら、結婚したら力が失われる可能性が大なんだぜぃ」

上条「おいゲスいぞ。身内だからって言って悪い事があるんだからな」

土御門「何を言ってるンですかァァァァァァァァァァッ!?カミやんは気にならないのかよっ!?」

上条「キャラ崩してまでは、ちょっと」

土御門「むしろカミやんが試せよ!気にならないとは言わせねぇぜ!」

上条「いやだから、俺の口からはちょっと」

土御門「アックアが童○失ったらどうなるんだろうな、ってな!!!」

上条「いや別に全然まったくこれっぽっちも興味無い。てゆうかその情報憶測だろ」

土御門「中二病が治ってない……ッ!」

上条「それで判別するのはどうかと思うな!この業界結構いるから!なんかこう、フワッフワした人が!」

上条「……つーかお前、今日は何のイベントだか知らないのか?俺はてっきり第三期の打ち上げのつまりでインデックスと来たんだよ」

土御門「禁書目録は……ヒューズ=カザキリと話してるな」

上条「でもなんか、第三期には出てない面子もチラホラと。ほれ、あっちにアウレオルス」

アウレオルス『――必然。昔のコンテンツの有効利用と言えよう』

土御門「本物の記憶あるバージョンだにゃー。つーかなんであいつまで呼ばれてんだ?」

上条「お前が知らないのに俺が分かる訳がない。まぁビリビリもいるし、子供さんには『見せられないよ!』って展開にはならないよ!きっと!」

土御門「深夜アニメが何か言ってるにゃー」

上条「おっ、ステージに誰か」

佐天『はーいどうもーお疲れ様でございますっ!本日はネットゲかソシャゲにお忙しいところをよくもまぁノコノコといらっしゃいました!』

上条「態度悪いぞ司会!中にはゲームするんじゃなくって作るやつもいるかもしれないじゃないか!」

土御門「擁護がニッチすぎるんだぜぃ。てか最近はそこそこの数いそうな感じだにゃー」

佐天『えーっと、司会を務めさせてもらいますのは『みんな大好きJC』でお馴染みの佐天涙子ですっ!かかって来いコノヤロー!』

上条「だからその紹介止めなさい。”みんな”がどの言葉を修飾するかによって、ガラっと意味が変っちまうんであってだな」

佐天『なお、会場へ着いてからデビットカード数枚を条件に押しつけられました!なので何をするのかはまだ分かっていません!』

上条「人選ミスだろ。あぁ中身をキッチリ説明しててもミスだけど、余計に見切り発車が酷い」

佐天『まずこの中に一番遠いところから来たぞーって方いらっしゃいます?いたら手を上げてもらえますか?』

上条「そして客をイジり始めるな。芸人の前説か」

土御門「てゆうか大体学園都市にお住まいの方ばっかなんだぜぃ」

オティヌス『――はい』

佐天『はい、じゃあそちらの等身大になったりならなかったりしてる方!』

オティヌス『まずどこから来たのかが分からない』

上条「おい、不幸な生い立ちをネタにし始めたら終わりだぞ」

佐天『人はどこから来てどこへ行くか――永遠の命題ですよねっ!』

上条「そして中二と相性がいいな!」

佐天『はい、準備は……オッケですね、はい、はーい分かりましたっ!』

佐天『では壇上をご覧ください!つーかここですけど、今回の主催者の方のゴトージョーですっ!』

パッパパーン

土御門「また安くてチープなSEだにゃ−。てかもう誰か分かった」

アレイスター『――やぁ、どうも。私の用意した趣向は楽しんでいただけたかな?』

上条「おいみんなステージの出入り口固めろ!あと能力か魔術使えるヤツはぶっ放せるように準備しとけ!」

アレイスター『ふっ、その反応は少し過剰ではないのかね?――あるいはこうも言い換えられるだろう』

アレイスター『この私を怖れてる、その事実を認めたようなものではないかな?』

上条「怖いに決まってんだろコノヤロー。お前の怖さは気の違ってる人が鉈持ってブラってる怖さなんだよ」

土御門「絵面かスプラッターホラーなんだにゃー。遭遇したらまず終わりだって言うか」

アレイスター『まぁそう警戒せずともいいじゃないか。今回は君たちにとっても悪くない話を持って来た』

アレイスター『イースターのプレゼントだと思いたまえ。少しばかり気は早いがね』

上条「イースター?」

土御門「十字教の神の子が復活したのを祝うイベントだぜぃ。クリスマスの次ぐらいに大事って位置づけ」

上条「くれるって言うんだったら――いや待てよ。一応何するか言ってみ?」

アレイスター『――なんと、君たちのゲーム出演が決まったのだ……ッ!!!』

上条「マジで……ッ!?あぁいや電脳戦機の続編がっ!?」

アレイスター『いいや?”基本”プレイ料金無料のソシャゲーだね。対応OSはAndroidかi-OS』

上条「……なんか大人の事情が透けて見えるんだけど?」

アレイスター『課金に関して言っているのであれば、それは大人ではなく常識というものだよ。優れたサービスを受けるためには対価が必要となる』

アレイスター『フリーゲームでもあるまいし、趣味で作っているのではないのだから当然の帰結と言えようか』

土御門「まぁ理屈は分かるんだぜぃ。最初のハードルを低くして跳ばせた後、少しずつハマっていくことによりジャンキーを増やすんだ!」

土御門「一見優しく見える『基本無料』も実は壮大な罠なんだ……ッ!」

上条「うん、知ってる。どこの誰とは言わないけど、電子の海に数百万ツッコんだ猛者は英霊として登録されてもバチ当たらないと思うよ」

佐天『すいません。さっきからステージ下でツッコんでるお二人、他の方に迷惑なんでやめてもらっていいですか?』

上条「俺だって好きでやってんじゃねぇよ!ただ他の連中が疑問と不安に思っていることを代弁してるだけだ!」

アレイスター『まぁ、いいだろう。突然の話で戸惑う君たちの気持ちも理解出来ない訳ではない』

佐天『てか遅くないですかね?発表になってから二ヶ月以上経過してますし?』

上条「君が一番深く深く刺してんだよ!全員そうは思ってたのに空気読んで誰も言い出さなかっただけでさ!」

アレイスター『若さとは躊躇わないことだ。だが時として残酷でもある、つまり――』

上条「つまり?」

アレイスター『どういうことなのかな?』

上条「誰かツッコミ役替ってくんねぇかなぁ。そげぶするよりツッコミの頻度の方が目に見えて高いんだよ!」

上条「この間も夢の中で『そこはワンだろ!なんでニャーって鳴けばいいと思った!?』ってツッコんで目が覚めたんだ!」

佐天『職業病ですねー。別名ノイローゼ』

土御門「というかカミやんはどんな夢を見てたの?夢ぐらいは好きにしてもいいんじゃないの?」

アレイスター『これがまた盛ってないのがタチ悪いところだね。ともあれ開発中の動画をご覧に入れようか』

上条「でもテンション上がってきた!なんのジャンルか分からないけど、俺たちが、しかも大人数が活躍するって事だろ!」

土御門「そうだなカミやん!誰の何がとは言わないけども、あのゲームはほぼ人気投票上位陣+オマケだったから!」

土御門「一部のファンは怒ってたけど、大勢キャラが出ればそこら辺の不公平感も是正されるってもんですたい!」

佐天『だがしかし結局は一部の人気キャラクターだけに偏り、妹ではない方の御坂さんが大半を占める予感も……!』

上条「はいそこ余計な事言わないで。一応、うん、俺たちも空気を読んで盛り上げる方向でやってんだから」

上条「アホ(統括理事長)主導ってのがまた嫌なところだけども、まぁ俺以外の人らが関係するんだったら大失敗はしな――」

土御門(ゲーム動画)『はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!』 ドシューンッ

白井(ゲーム動画)『やあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!』 ピキーンッ

一堂「……」

アレイスター『……ふっ、どうだね!見事なメッシュの張り方に驚いて声も出ないかい!?』

上条「えっと……まぁ、そこもスゲーはスゲーんだけど、どうする?誰がツッコむ?」

佐天『ご本人が会場にいらっしゃいますし、直でぶっこんだ方が反省する可能性もゼロではないかもしれないかもしれないですかね』

上条「どっちだよ。そして多分何言われたって反省しないんだよ、この男は」

佐天『ではまず白井さんからお願いします。意外と知られてない情報かもですんで』

アレイスター『ふっ、この私が把握していないことがあるとでも?』

上条「あるから会場がザワついてんだろうが。言ってやってください白井さん、このアホにビシッと!」

白井「あなたに言われ筋はございませんが――統括理事長?こんな胡散臭い男が本当に?」

アレイスター『ご両親からこう習わなかったかね――胡散臭いと言った方が胡散臭い、と』

佐天『意外とナイーブな所が出てますよ、この人』

上条「そして全国津々浦々、自分の子へ胡散臭いって言ってる親は稀だと思うわ。ぶっちゃけ虐待」

白井「わたくしは風紀委員でのお仕事に誇りを持っておりますの。例えそれが根本的な解決にならずとも、街の学園生の笑顔を守れるお仕事ですし」

アレイスター『素晴らしい、君は善人なんだね』

白井「ありがとうございます。で、その一環と申しましょうか、わたくしなりの拘りと言いますか、根っからの悪人は早々いないと感じておりますの」

白井「ですから。わたくしが『能力』を振うときも可能な限り相手を傷つけないよう、不可抗力であっても決して再起不能な怪我をさせないようにしておりまして」

アレイスター『――成程。つまり君はこう言いたい訳なのかな?』

アレイスター『「この動画でバンバン攻撃してっけど、キャラじゃないよね?」、と?』

上条「作る前に分かっただろ。原作読めとは言わないから、超電磁砲一期二期見れば分かった事だろ。なぁ?あ?」

佐天『えっとあの、上条さん?流石に理事長相手にガンつけるのはどうかなぁって。はい』

白井「あと個人的にですが黒子は乙女ですのよ。フェイイェンさんの近接格闘二段目がヒップアタックだというのも、まだ納得はしてませんから!」

佐天『御坂さんが絡まなければ極めて善良な方ですからね』

上条「フェイイェンの中の人、つーかオリジナルのファイユーブさんも『どーかなー?サンマ○じゃないんだからなー?』って言ってる気がする」

土御門「本当になんでも拾うんだな、カミやん。20年前に出たモッサイ格ゲーキャラなんて誰が知ってんだぜぃ」」

上条「てゆうか土御門!お前も被害者なんだから言ってやれ!」

アレイスター『待ちたまえ、土御門君の場合は忠実に再現したつもりなのだよ。曲がりなりにも魔術を扱うものとして、ね』

土御門「あぁそれは認めるぜぃ。エンタメに手の内晒すのはどうかと思わないでもないが、まぁできるっちゃできる」

アレイスター『だろう?』

土御門「ただもっと程度の低い術式で死にかけてんだからな、PVみたいなの使っちまったら一発昇天するに決まってんだぜぃ」

上条「って言ってんですけど、理事長?」

アレイスター『――おっとすまないね。実はこれから重要な会議が』

上条「よっしそこを動くな。そして、正座しろ、なっ?」



――

アレイスター『話し合おうじゃないか。話せば分かる、と昔の偉い人も言っているように』

上条「だから問答無用で殺されてんだよその総理は」

一方通行「……もォこいつどォにかして解散しねェ?時間の無駄だわ」

麦野「激しく同感よね。白モヤシと同じなのは嫌なんだけど」

一方通行「――あァ?」

麦野「やんのかコラ?」

上条「助けてビリビリ!レベル5なんだからお前の管轄だよきっと!」

御坂「負担が重いわー。こういうときだけ頼るのやめて」

御坂「べ、別にあんたの都合の良い女になってる訳じゃないんだからねっ!?」

上条「なんでツンデレ?」

絹旗「見てくださいよ麦野。あれが第三位にあって麦野にはないものです。あのツンデレ力が超あれば順位もきっと……!」

麦野「このアホ理事長見るにありそうな話だけどないわー。流石に」

アレイスター『人が多すぎて何がなにやら分からないね?』

上条「お前は神妙にしてろ。『このボケは最悪どうなったっていい』ってのは全員の総意なんだから」

上条「つーか何?どういう状況?この手抜きっぷりっていうか、『コレジャナイ』感じは」

アレイスター『まぁ、アレだね。一言で言えば「見切り発車」だってことだね』

上条「……はい?なんで?」

アレイスター『言語化するのはいささか困難だな。人というものは誰も彼も自らの心を欺いている、故に何が正しいのかなど』

上条「俺たちがまだ笑ってる間に喋れ、なっ?」

アレイスター『……君にも、そして君たちにもあると思うんだ。つい、つい口が滑ってしまうことが』

上条「あ?」

アレイスター『「ゲームでも作ろっかなー」とツイッタ○で発信したが最後、次の日には「号外!ソシャゲー参戦決定!」だと』

アレイスター『――ふっ、全く現代社会というものは怖ろしくもある。だがその便利さから抜け出せられない我々は、鎖に捕らわれた囚人と何が違うのかね?』

上条「要点、三台詞で言え」

アレイスター『ネタで言ったら、引っ込みが、つかなくってこのザマだ』

上条「ありがとう。予想以上にしょーもないオチだったが、まぁ素直にゲロったところは評価しよう」

アレイスター『例など何も。私は常に自分の目的しか考えていないからね』

上条「それも知ってる。けどどうすんだよっ理事長!?話がデカくなってるのに構想フワッフワって!大勢に迷惑かけんだぞコラ!?」

アレイスター『問題ない。流石にこの私もプランを少々修正しなくてはならなかったがね』

上条「お前それ言っとけば誤魔化されると思うなよ?ペラッペラな人格とプランの中身がほぼバレちまってんだ」

アレイスター『私もゲームについて調べてみた。こう、流行りらしいじゃないか』

上条「流行りっつーか、もう生活の一部だよな」

佐天『今の時代じゃ「ゲームやったことないよ」ってお子さんを探す方が難しいかもですよね』

アレイスター『できれば、我々も最も流行ってるジャンルへいっちょ噛みし、勝ち馬に乗ろうと思うんだよ』

佐天『才能の尽きたタレントさんが社会問題にフワっとした知識だけで絡んでフルボッコにされる構図だ!』

上条「てかそんなんばっかやってっから、どのジャンルもワーッと流行った後、死屍累々になってんだよ!反省しろ会社は!」

アレイスター『待ってくれたまえ。私として人の心は持たないし、他人に同情なんて最初っからしてない外道だし』

アレイスター『そもそも学園生のことはいくらでも遣い潰しの効くモルモットぐらいにしか考えないんだが』

上条「何言ってんのお前?自分の罪を数えてんの?」

アレイスター『だが失敗は中々慣れなくてね。どうせ作るんだったら成功させたいじゃないか』

上条「今日初めてまもとな事言ったぞ。あまりにも遅いが」

アレイスター『だが流行りのものへ乗っかるとしても、やはり相性というものはあると思うんだよ。得手不得手というか』

上条「まぁ、そうだよな。司会の子や初春さん、あと一方通行んとこの小さい御坂が戦闘向けとは思えないしな」

アレイスター『なので最初はいくつか候補をこちらで用意した。まぁプレゼンという形で何人かのグループに分けて参加したのち』

アレイスター『「これならいけんじゃね?」というゲームに絞って開発する、のはどうだろうか?』

上条「意外とまともで俺も驚いてる」

アレイスター『なお超VR的な感じに仕上がっているので、当然生命の危機などはない。生徒の安全は確保してある』

上条「……って言ってんだけど、反対意見ある人ー?手を上げてー?」

全員「……」

佐天『取り敢えずは様子見、って感じですかね。クオリティ次第では暴動が起きそうですけど』

ステイル「……ここで渋って帰ったとしても、強制的に嫌な配役を割り振られたらもっと嫌だしね」

神裂「も、もう少しあなたは前向きに生きた方がよいかと……」

上条「じゃあまぁ取り敢えずは参加する方向で。俺たちも成功はしてほしいって思ってはいるんだ、思っては」

上条「ただちょっと、直前まで撮ってた俺らのドラマも原作改変&ツッコミが要所要所にあったお陰で、もうなんか信用できなくなってる」

アレイスター『いい感じに人間不信になっているね。まぁ心配は要らないとも、期待は裏切るためにあると言っても過言ではない』

上条「良い意味でだよな?悪い意味だったらお前全員からフルボッコされるの分かってて、笑いを取りにいったりはしないんだよな?」



――特設会場 1ゲーム目

佐天『――はい、って訳で特設会場改め、いつもの大喜利会場からお送りしてますけどもねっ!』

上条「ぶっちゃけるのが早すぎる。まぁそういう主旨なんだけどな!」

佐天『まずメンバーが多すぎ、というかやりたい事が見事にバラけまして』

上条「バラける?」

佐天『パズルゲームが好きな方達とか、シューティングが好きな方達、みたいな感じです。脳筋とそれ以外と言い換えても問題ありません』

上条「あるよ。主に人間関係に支障を来すよ」

上条「つーか小萌先生や黄泉川先生はいないんだよなぁ。古株メンバーが多いってのに何故か」

佐天『流石に「教師が生徒をシバく」って絵面は理事長さんでも自重したんじゃないかと』

上条「その意味だとレギュラーの青ピと吹寄と風斬、あと海原も今んとこ姿見てないんだよ。わりと出番はあるのに」

佐天『じゃあまず浜面さんチームからいってみましょうか。なんでもバイオがハザードするアレだそうです』

上条「リメイク版2が出たばっかりのヤツか。超画質で見ると気持ち悪さが倍になってくるの」

佐天『極めて個人的にはサイコパ○に比べれば、ヌルーい感じですけどね』

上条「あんな悪夢量産機と比較すんな!ホラーサバイバルの草分け的なのだから!」

上条「あぁまぁでも浜面が主人公ってピッタリじゃんか。手先も器用だし行動力はあるし、銃も使えるんだっけ?」

上条「パワードスーツに乗って襲ってきたりもしてたし、まぁ妥当だよな!」

佐天『よく生きてましたね?そして重機のようなもので襲撃される関係は一般的に友達とは呼びません』

上条「その会場、つかー浜面達がプレイしてる動画はあんの?感想とかもプレイ動画的な感じで知りたい」

佐天『ですねー。なんか楽しそうであたしも実はそっち行きた』

浜面『――助けて!?誰か助けてよおぉぉぉぉぉぉぉもぅおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!』

佐天『第一声が号泣!?』

上条「あぁまぁ気持ちは分かる。モニタの中で戦うんだったらまだしも、VRで現実と変らないゾンビの群れに襲われたら誰だってそうなるって」

浜面『違げーんだよ!そうじゃねーんだよ!いいか!?俺の視点で見えるか!?』

佐天『切り替えますねー、ぴっと』 ピッ

理事長ゾンビ達『お、おぉぉぉぉぉぉぉぉぉ……?』

上条「……別に囲まれてはないよな、浜面。そして周囲がスプラッタな感じでもなくね?」

佐天『というよりかはむしろ数が少ないですよね。事前にもらったパンフと違います』

上条「つーかゾンビがアレイスター量産型の使い回し……」

絹旗『――はーい、それじゃ次は両手いっきますよー?いつまで超動けるかどうかチャレンジしましょーねー?』

上条・佐天「……」

麦野『ウッサいわよ。こっちは謎解きしてんだから気が散るわ』

滝壺『……なんで、館の中にパズルがあるの……?』

絹旗『そういう仕様だから超仕方がないですね。あ、多分解除に三回ミスったら即死罠発動するんで慎重にやってください』

麦野『えー、そういうの苦手――ってオラァッ手が滑った!』

ドォンッ!!!

絹旗『いやですから、トラップごと破壊するような超パワープレイはどうかと』

滝壺『きぬはたに言う資格はない、うん……あ、扉の上でたいきしてた、中ぼすがお亡くなりに……』

麦野『不幸な事故だったわね。って浜面ー!おいてくわよ!』

浜面『いやもうお前ら台無しなんだよ!バイオの醍醐味ってそういうんじゃねぇだろうがコラアアッ!?』

浜面『火力と悪趣味で押し切る洋ゲーじゃないんだから!もっとこう、「キャー怖い」的な人の気持ちは残ってねぇのか改造超人ども!ただし滝壺は除く!』

絹旗『最後の最後で「あ、言い過ぎちっゃたかな?」と滝壺さんは除外しましたね。超良い判断です』

麦野『人を灼くとの人っぽいものを灼くの、どう考えても後者の方が楽でしょうよ。何言ってんのよあんた』

滝壺『はまづら……げーむは、人それぞれに楽しみ方があってね』

浜面『あれ悪いの俺かよ!?』

上条「これはアレだな。一周目は1P側が浜面、2P側が浜面のカノジョさんに固定して他の二人は二周目以降に解禁されるようにしなきゃだな」

浜面『ふざけんなよ!滝壺がPCになったらエロい服着せて楽しむヤツが出てくるだろ!バニーさんとかバニーさん、あとバニーさんとかな!』

佐天『正しい意味での楽しみ方だと思います。てか初期から「これゾンビ相手に露出度高すぎね?」って衣装は多々あったんで』

上条「うん知ってた。だってつべに上がってるプレイ動画、妙にアレなアングルだったりアレな服着たヤツばっかりだったもの」

佐天『B級映画やホラーに通じた方がいたのも誤算でしたね。あんま仕掛けを難しくすると子供さんが解けないので、程々にアホっぽくする縛りがあるんで』

上条「ゲームって子供がするもんじゃ……いやごめん何でもない」

浜面『誰でもいいから助けて!この状況が続くと俺の存在価値がなくなるんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!』

佐天『姫プレイですね』

上条「言うなよ。本人気にして――って浜面!後ろっ!?』

浜面『え、なに?』

理事長ゾンビ『がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!』 ガブッ

絹旗『しまった!?初見殺しの超トラップです!』

滝壺『はまづらに……なにするの』 パァンッ

上条「カノジョさんも銃上手いな」

佐天『強度の高い方は、えてして人間的なレベルも高いですからね。特に身体能力』

浜面『た、助かったぜ、サンキュ――うっ!?』

佐天『おや?浜面さんの様子が……?』

上条「そのナレーション止しときなさい。合体して巨大ハマッヅラとかになりそうだから」

滝壺『……だめ、ウイルスが……!』

上条「あー、なんだっけ。有名なTウイルスか』

佐天『原作はそうなんですけど、それだと丸パクリなんで違うそうですよ。理事長ゾンビに噛まれた人間は――』

浜面『お、俺におっぱ○が……ッ!?』

佐天『TSウイルスですね』

上条「実害ほぼねぇな!あぁそりゃ局所的には大問題だけど、取り敢えず生命的な意味での危険性皆無だわ!」

佐天『むしろ嬉々として噛まれに行きそうな人を一人知っています。ほら、あそこ』

白井「――少々席を外しますの、お姉様。塾の時間が来てしまいましたので失礼致しますわ」

御坂「……言っとくけどね。同性だから辛うじて許容しているセクハラも、異性になったら本気で法定訴訟になるからね?」

佐天『ちゅーかVRでゲーム内の話なんですが……上条さん?』

上条「――おい、お前いいのかよ?そんなんで本当にいいのか?」

白井「な、何を急に仰るのですか」

上条「お前の気持ちはそんなんでいいのかよ、って聞いてんだよ!ビリビリが好きな気持ちは!性別なんかどうだっていい、そんな気持ちじゃなかったのか……ッ!?」

白井「それはまぁ、そうですけど」

上条「……あぁゴメン。ついカッとなっちまった。でもこれだけは、忘れてないでほしいんだよ」

上条「この世界には多様性に満ち溢れている。女の子が女の子を好きでも別にいいじゃねぇか。それは自然なことだって胸を張れよ」

白井「……上条さん」

上条「そしてその世界の片隅にはさ?女の子同士が仲良くしているところを見たい、そういう癖(へき)を持った人が一定数いるんだ」

佐天『台無しです上条さん。薄々そんな感じに持っていくんじゃないか、っては疑ってたんですが、まぁ台無しですよ』

浜面『女体化してまで体を張った俺のボケはスルーかよ。ってなに絹旗、さん?なんか目が怖いんですけど』

絹旗『意外にありますね。超不快なので削っておきましょうか』

浜面『待って!?ゲーム内だけど痛覚は残るって説明聞いて、ア゛ッーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!?』


(※多分続く)

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