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Clock(trial)

娘々『上条当麻救済企画☆』,ネフテュス『夢の中へごしょーたーい……』

 
――夢の中

上条「……」

上条「『――あれビリビリじゃん、久しぶりー?元気してたー?』」

上条「『ん、俺はまぁまぁかな?梅雨だから髪がブワッとなるのが悩みっちゃ悩みで。セットに困るっていうか』」

上条「『あ、そうそう!最近ゲームやってんだけど、良かったらビリビリもどうだ?何か知り合い紹介したらガチャ貰えるんだけど』」

上条「『そっか悪いな!今そっちに送信するから、えーっと……これこれ!』」

上条「『――え?メダロッ○だけど?』」

上条「『なんか昔っからあるコンテンツらしいんだわ。俺もよく分かんねぇんだけど、実家の部屋探したら昔のさ?落書き帳みたいなの出てきてさ?』」

上条「『そこにさ?”ぼくのかんがえたメダロッ○”みたいなが描いてあってさ?いや、憶えてねぇんだけど、はは、笑っちまうよな!』」

上条「『子供の頃の夢だったらしいんだわ。何かこう、俺の機体ができたら、みたいな!』」

上条「『恥ずかしいよなぁ!誰がどんなに願っても、そんな機会なんざ来る筈ないってのにな!あは、ははははははははははははははははははっ!!!』」

上条「『……』」

上条「『ほら、笑えよ!?面白いだろ、なぁ!?笑えるだろ!?笑ってくれよ!笑えって言ってんだよ!?』」

上条「『俺を笑えよ!笑えばいいだろ!?どうせお前らは使わねぇだろ!?自分の機体なんか恥ずかしくてよ!』」

娘々『どうしようネフテュス。目の前で始まった一人芝居が、思いのほか、その、腹に来るんだけども』

ネフテュス『ここまで泣きそうになったのは久しぶりっちゃ久しぶり。芸術から一番遠そうな少年の一発芸、しかと見たわ』

娘々『タイミング的にガチ勢っぽい……あぁまぁあと一歩で、ってことだったんからまぁ、分かるっちゃ分かるけど』

ネフテュス『この子が○蟲だったら怒りの波動で世界を滅びに導いているわ……!』

娘々『でもそんなにダメージあっか?自分ソックリの機体って罰ゲームでしかなくね?』

ネフテュス『想像してご覧なさい――宝くじの列に横入りしてきた人が一等賞をとったようなものだ、と』

娘々『そりゃヤッベーわ。わたしだったら出るトコ出るか埋めるトコ埋めんぜ』

ネフテュス『本来だったら令和のダ○さんネタのオープニングトークするはずだったのに……不憫な子』

娘々『ほぼ同じじゃね?よりにもよってカンカンダ○が主人公のギャグマンガじゃんよ?』

ネフテュス『作中にね、”妹はヘビのような切れ長の目で気持ち悪い”って描写があるのね。それで両親と姉から疎まれていたんだけど』

娘々『ニンゲン、コワイ』

ネフテュス『でもよく考えて――「これよくよく考えたら昔の時代の美人の特徴じゃね?」ってね……!!!』
(※の属性の一つ)

娘々『あぁまぁそうだよな!浮世絵なんざ見たらな!』

ネフテュス『某宣教師が本国へ送った手紙の中にも「大きな目よりも目が細い方が美人だっていってるわ」って記録が!』
(※byルイス=フロイス)

娘々『まさかフロイスも数百年後にアホな話題で名前を使われるとは思ってなかっだろうなー』

ネフテュス『むしろ彼に聞きたい――「なんでヤポン人の性癖まで書く必要あったのか」、と』

娘々『ほんとそれな』

ネフテュス『ただそれ以外は鼻筋が通っているとか、髪が綺麗だとか、そこまで大きな差はなかったらしいの』

娘々『これまだ掘り下げるか?どこまでいっても泥しか埋まってなくね?』

上条「『――あれ白井さんじゃん?久しぶりー、どう?風紀委員の仕事忙しい?』」

娘々『まさかテメー全員分のパターン用意して……!?』

ネフテュス『本当に泥仕合よね。どれだけ深く掘ろうが泥しかない』

上条「『おっぱ×おっぱ×』」 キリッ

娘々『あ、これは考えてなかったパターンだな。語彙が類人猿レベルにまで落ちたぜ』

ネフテュス『いや、まだよ!可能性としては設定上憶えていられないから苦肉の策として……!』

上条「『あれ……?ここってもしかして……?』」

上条「『あぁゴメンゴメン、あんまり殺風景だから留置場だと思ったわ』」

娘々『当りが強いのが一人いる。誰とは言わないが』

ネフテュス『前三人はまぁ純粋なレギュラーだから納得するとして、最後の一人はまぁ、うん……中の人パワーよね』

娘々『つーかオマエ何やってんの?夢は夢はだけどなに喚んだ瞬間に一芝居始めたの?』

ネフテュス『目を覚ましなさい上条少年、もとい浜面のチンピラ友達略してピラ友よ……!』

娘々『汝が前には享楽の魔神と怠惰の魔神!さぁ平伏して命乞いをするがいいぜ、きひっ!』

上条「――くっ!どんなエッチな拷問だろうと俺は屈しないぜ!どんなにエッチだろうとな!」

娘々『外見で判断しやがっただろテメー?まぁ確かに野生の痴女×2は否定出来ないんだが』

ネフテュス『そしてエッチな拷問の定義とは。エッチな時点で拷問と呼べるのか議論が分かれるわね』

上条「お、俺は何もやっちゃいねぇよ!信じてくれ本当なんだ!アニキに誓ったっていい!」

娘々『組の資金をちょろまかしたチンピラか』

ネフテュス『よくあるシチュエーション……しかしそもそもチンピラに資金を任せている時点で、もうなんか組織としてはダメダメ』

上条「いいこと考えたんだ!俺今度ビリビリにメダロッ○の野試合仕掛けようって!」

娘々『それは是非喚んでくれよ私らを。コナン○さんがやってる推理ハラスメントばりのキッツイのを特等席で見せてくれよ』

ネフテュス『闇のピラミッドならぬ病みのピラミッドの神様、なう』

上条「あれ法的にはどうなんだろうな。犯罪した時点で人権は規制されるけど』

ネフテュス『現行犯であれば一般市民にも逮捕権はある……』

娘々『少なくとも”話数(-x)×傷害×薬物乱用”は確定してんだぜ。別々の罪で逮捕される上、おっさんの事務所の名声が地に落ちるぜ?』

上条「――嘘を吐くな!これはきっと灰○派が○ねーちゃん派を貶めるための罠に決まってる!」

娘々『いんのか○ねーちゃん派。マジで聞いたことねーんだけと』

ネフテュス『最大派閥はBL派じゃないかと……』

娘々『その中で血で血を洗う内紛をしてるんだから、結果的には全員敵っていうな!』

上条「あー怖いわー、俺にとってはギャルが怖いわー、ヲタに優しいなんて都市伝説だわー」

娘々『一周回って具体的な欲望伝えてきやがったぞコイツ』

ネフテュス『Terror Man-jyuuの精神ね。別名誘い受け』

上条「――くっ!俺は決して痴女に屈したりはしないぜ!決してな!」

娘々『そう言われると、その、なんだ?「たまには履こうかなパンツ?」ぐらいの微妙な気持ちに…… 」

ネフテュス『そして少年は勘違いをしている。私はこう見えて厚着をしている方』

娘々『え、マッジで?古代エジプトって痴女しかいねーの?』

ネフテュス『マッジで……基本男子も女子もトップレス』
(※嘘ではない、程度には本当。その時代の流行りにもよるが、かなーり大らかだった)

上条「やめろ!俺を古代エジプトへ送るんじゃないぞ!絶対に送るよな!絶対だからな!」

娘々『またムチャ言い出したじゃねぇかテメー。できなくはねぇけども、つーかそれっぽい世界作って送り込むだけだけど』

ネフテュス『そして多分三日ぐらいで飽きる。だってただの恥ずかしみのない痴女の群れなのだから』

上条「『記者会見で涙ながらの被害者ムーブをしているのに、”耳にトウガラシ刺さってますよ?”って誰かいってあげてほしい』」

娘々『なぁそれ私らに関係あるか?見てたヤツ全員「誰がこんな酷いイジメを!?」ってツッコんだと思うけど、私らに関係なくね?』

ネフテュス『エゴサで子供たちが十字を背負う宿命なのです……あぁ、一生テッパン持ちの宿命を』

上条「親の不幸をギャグにしたら別の意味で尊敬するわ。いやまぁ当事者は全員必死なんだろうが」

娘々『おっ、正気に戻ってくれたんだぜ』

ネフテュス『おーまえーのとーちゃん−、キャーンドールジュー○……』

上条「『――はい、っていう訳でそろそろお別れのお時間となる訳ですが!ここでゲストのお二人から告知があるんですよね!』」

娘々『なんでだよ。何が何でも現実に向きあえよ、つーか観念しろらピラ友』

ネフテュス『邪神からは逃れられない……』

上条「帰れよテメェ!遊ぶんだったらHAMADURAと遊んでなさいよ!お前らの担当はあいつなんだからさ!」

娘々『いやぁ、最近ハマーつれねーじゃんよ?カノジョできた途端に守り入りやがってさーあー?』

ネフテュス『もっとこう、若き日のハマーは違った……インデ○=ジョーンズのように』

上条「お前らが浜面の何知ってんだよ。あと初対面のときには既に彼女いやがっだろあの野郎」

娘々『だから今日は違うっつってんだろテメー……あぁもう、口上からやり直す?』

上条「――くっ!どんなエッチな拷問だろうと俺は屈しないぜ!どんなにエッチだろうとな!」

ネフテュス『エッチな拷問とは』

娘々『わかったわ、これアレだ面倒くさいヤツだな?真面目にツッコんだ方が負けになるっていう』

上条「いや、俺だって鬼じゃない。取引をしよう――俺の代わりに浜面を好きにしていい!それでどうだ!?」

娘々『こいつ――なんて綺麗な目でダチを売るんだ……!?』

ネフテュス『言ってることは最低なのに、ついつい「そこまで言うんだったらそれで」って言いそうになるわね』

上条「だって考えてみろ!?浜面には彼女さんがいるんだ!」

娘々『まぁ、いるわな。なんつーかこう色々とアレな感じで無計画だから、そろそろクラスアップしそうな雰囲気ではあるが』

ネフテュス『そのときは祝福……そして名付け親になって子々孫々遊んでもらう』

上条「つまり死んでもいいって事だよな?」

娘々『アレなんかスキップしたか?それともお前ん中じゃ、カノジョできたら死に直結してんの?』

ネフテュス『頑張ればできそうだけど……?』

上条「嘘だ!それば出来るやつの理屈で出来ないやつはずっと出来ないんだ!」

娘々『逆に考えろ――浜面ですらどうにかなった、って』

上条「――今年一番の説得力……!!!」

ネフテュス『もう既に折り返し地点を過ぎているのだけれど』

上条「分かった!じゃあ俺は彼女作るのに出会い系に登録してくれるからまたな!」

娘々『だから逃げるんじゃねーよ。いい加減にしないと神様パンチで追い込むぜコラ?』

ネフテュス『ただの”たたかう”だから異能キャンセル不可』

上条「すいません俺が悪かったですごめんなさい」

娘々『あぁまぁ人気投票やメダロッ○何かの救済だと思ってくれて構わないぜ』

ネフテュス『信じる者は掬われる……足元を』

上条「人気投票関係なくない?だってまだやってもないんだから、それで俺に配慮するって負け決定って事?」

上条「まだ負けてないよ?何か間違って俺が一位になる可能性だってあるからね?そこ忘れないで?」

上条「戦う前から『なんて上条さんに酷い事を!!!』とか言ってんのって、俺のファンの過激派だけだからね?」
(※人気投票で負けても「やったね上条さん!(芸人的には)オイシイね!」と宣う一派)

娘々『そいつらの方がヤバくね?推しの不幸ですら応援してんだろ?』

ネフテュス『ある意味ポジティブっちゃポジティブ』

上条「だから不幸なんかじゃねぇよ!ねぇけども救済措置があるんだったら話を聞かせてもらおうじゃねぇか!一応話だけはな!」

娘々『なんてヒーローにあるまじき掌の返しっぷり。嫌いじゃねーけども』

ネフテュス『生き残るためにはバーリトゥーダ。それが人生』

上条「じゃあまず俺のメダロッ○機体を用意してくれ!最弱で構わないから!」

娘々『だから泣きそうになるからやめろや。話が何回ループしてんだよ』

ネフテュス『でもきっと影で泣いている子がいる……シスターちゃんとか、今までやってきた中の人がガチメカ上等のお花畑の人とか』

上条「一応聞いておくけど、このまま何もしないで解散ってことは……?」

娘々『その場合は強制的に24時間耐久・怪談おじさん一号の都市伝説シリーズが始まるじゃん?』

ネフテュス『大切なのは二号じゃなくて一号というところ……自身が怪談の仲間入り』

上条「ただの人格がある拡散力場になってんじゃ……まぁいいわ。俺はなにをすれば果てに」

娘々『何かこうヘイトが溜まっているだろうから発散してほしいんだって。あぁ健全な意味で』

ネフテュス『右に同じく……ただし健全な意味で』

上条「各界を代表する痴女二人が来てる時点で説得力ねぇよ。逆ドレスコードか」

娘々『じゃあスク水を着てこようじゃんね!』

ネフテュス『そうすれば肌色率は確かに落ちる、健全健全』

上条「誰かに見られたら俺の世間体がマイナスになるんでやめてください。夢の中とはいえ安心できねぇんだよ」

娘々『納得してもらったところで、あーどうする?これ実際に体験した方が早くね?』

ネフテュス『まぁ……いいんじゃないかな。面倒』

上条「チュートリアルは!?最近は『スキップしますか?』って入れとかないと叱られるんだぞ!?」

娘々『あー、知らん知らん。いいから行ってこーい☆』 ドーン

ネフテュス『気をつけて……』

上条「ふざけんな!?怪おじと仲良くなんかできるか!?」
(※怪おじ=怪談おじさん)



――どこか

上条「ここは――学校、か?何かお城っぽい雰囲気だけど……外国?」

老人「――ん、どうしたかね?フラグ=ブレイカー君?」

上条「名前もうちょっとなんとかなんなかったのか。ちょっと『ブレイカー』って響きは中二マインドをくすぐられるものがあるが」

老人「豪華過ぎやしないか、というのは同意はするがね。まぁ、貴族の子息子女を預らねばならんのだ。それ相応の体裁というものもある」

上条「そうっすねー……あぁクソ嫌な予感しかしねぇチクショウ!」

老人「その物言いは控えてくれたまえよ。何せ、君はこれから教師になるのだから」

上条「教師?俺が?何の?」

老人「なんだ、その程度の説明すらしなかったのか。まったく、あいつときらたいつまでも学生気分で……!」

上条「やめろ!着々と新キャラのフラグ立てるのやめろ!?」

老人「『勇者』を育てられる人材は君をおいて他にはおらんのだ!だから頼む!」

上条「これ、まさか」

老人「……そうだ!君は勇者を導く先生になってもらいたい……ッ!!!」

〜3年後〜

上条「……ふー、終わった終わった」

老人「……お疲れさま、フラッグ=カンリシッパイ君」

上条「だから名前に悪意がある。誰がフラグ管理失敗してんだよ。まぁ俺だけども!」

老人「その、卒業式が終わったのに良かったのかね?」

上条「良かったって、何がです?」

老人「なんていうか、こう、君は生徒から随分と慕われていたのに、プロムパーティに誘われていたのでは、と」

上条「あぁはい呼ばれてましたね。全部断りましたけど」

老人「そう、か?……いやうん、平民の君が貴族と、というのは多分に問題が無くもないというか、逆に彼らは世界を救ったのであり、問題は解決済みというか」

老人「むしろアレだね!歳もそんなに変らないのだから、とか思ったりなんかしちゃったりするんだけどねワシは!?」

上条「ちょっと何いってるのか分かんないですね」

老人「正直に言おう――ペ×かね?」

上条「ぶっ殺すぞジジイ?もとい学園長」

老人「だよねぇ。だったらそっち担当の子もいたよねぇ?」

上条「エルフと飛び級の子いましたよね。『お前らに必要なのは勉強じゃなくて社会常識』ってしつけましたけど」

老人「なんだったらショ×担当の子もいたよねぇ?」

上条「だから殴るぞジジイ?ただちょっと女顔で原画さんが手を抜いたから体型までほぼ女性の男子だよ!」

老人「……結構言い寄られていたのに……その、君はそれでいいのかい?」

上条「え?親御さんから信頼して預ってる生徒に、性的な意味で手を出さないって人間として当然じゃないの?」



――夢の中

娘々『――酷い。なんつーかひっどいわー』

ネフテュス『なんだろう……某生徒育成ADVをやっていて、ステータス上げだけをやった三年間って感じ』
(※ウィザーズハーモニ○。アークシステムワーク○の汚点×3)

上条「ちょ待てや!?なんで俺ダメだしされてんだよ!?悪くないだろ!?むしろやりきっただろ!?」

上条「ちゃんと在学中に魔王は倒したし各種イベントも問題なくクリアしたんだよ!これ以上ないってぐらいの結末だったろうがよ!」

娘々『じゃあ聞くけどもだピラ友よ。お前なんで週末いつも学園にいたん?』

上条「一週間の反省と来週のカリキュラム作りだが?」

ネフテュス『真面目か。本当に真面目か』

上条「当り前だわボケ!?こっちは仮とはいえ余所の子の人生背負ってんだぞ!?」

娘々『背負ってねーよ。現実に限りなく近いVRだよ』

上条「てか教師ナメんなやゴラアァッ!?ちとら小萌先生の煤けてる背中ずっと見てきたからには中途半端できんわ!」

娘々『苦労している原因――もしかして;お前』

ネフテュス『でも教師冥利にはつきるかも。なんちゃって先生でリスペクトしてもらっているのだから』

上条「てかそもそもの話、年齢がタメであっても生徒に手ぇ出しちゃダメでしょーが!職業倫理的にも!勇者育成のためにも!」

娘々『やめろ。正論で殺しに来るのはやめろ』

ネフテュス『特定の作品への批判にも繋がっているわよね』

娘々『そして夢の世界で、その、三年近く教師の業務を見せられるのは流石の私らも苦痛っていうかな……』

ネフテュス『サラリーマンの日常生活を延々と……』

上条「いやまぁ、正直俺もエ×根性がなかったとは言わない。ラキスケはそこそこの頻度で起しているしな」

娘々『ある意味で生傷が絶えなかったよな。ビンタ痕とか』

ネフテュス『上位貴族に粗相をしたら斬首がデフォ……』

上条「だがしかしよく考えてほしい――知り合いが見ていると分かった上で、ハッスルできるのはHENTAIだけだ、と……!」

娘々『いや別に私らからすればお前らなんて虫みたいなもんだし?』

ネフテュス『もしくは愛玩動物?』

上条「でしょうね!ハマーの扱い見てたらな!」

娘々『ちゅーかまぁそこら辺は気にしなくていいぜ。何かこう良い雰囲気になったらメモ帳モードになっから』

ネフテュス『私達を信じて……!神に誓って……!』

上条「マッチポンプだろ。あと最近の若い子はメモ帳モードって言っても知らねぇからなマジで!」
(※”でぼの○ メモ帳モード”でググってみましょう。近年実装しているのはあそこぐらい)

娘々『なのでもっとこうギャラリーを意識してほしいにゃー。じゃないと手違いでガンヘッ○世界にぶち込むにゃー』

ネフテュス『見せプ推奨。でないと音声地雷(不良品)を延々拾う世界にご招待』
(※音声地雷=ほぼ死亡フラグ)

上条「予算をぶっ込んで失敗したダメ映画の代表じゃねぇか。あの泥臭い世界観も嫌いじゃないが」

娘々『それじゃー行って来ーい☆』

ネフテュス『ガンバ……☆』

上条「やったんぞテメー!かかって来いや!」



――どこか

王太子「――以上の罪状により、ここに婚約破棄を宣言する!」

上条「あ、すいませーん。ちょっといいですかー?」

王太子「貴様は確か……ヤポン国からの留学生、テキ=オブザウーマンだったか」

上条「だから名前なんとかしろよ。今回は日帰りだけど、前のは体感時間で三年ずっと署名欄に『ブレイカー』って書かされてたんだぜ」

王太子「関係ない貴様が出しゃばるな!引っ込んでいろ!」

上条「いや、流石にそういう訳には。つーか皇太子殿下にも関係ある話なんで、聞くだけ聞いてもらえません?」

王太子「……見て分からないか?今は取り込み中なのだ」

上条「だからその取り込み中のヤツですよ。普通ここで『令和のダ○さん、実は妹の方が美人だった説!』とか言い出したらただのアホです」

王太子「ノダラ?レイワ?」

上条「俺の地元でニッチな癖(へき)をカミングアウトしている方の自伝です」

王太子「……早くしろよ?聞くだけ聞いてやる」

上条「ご寛恕ありがとうございます――で、まず司法権をご存じで?」

王太子「バカにしているのか?」

上条「はい」

王太子「してるな!?はいって言ったな!?」

上条「あぁすいません!今のは相づちであって肯定した訳じゃないです!」

王太子「それで?犯罪を取り締まる部署がどうした?」

上条「正確には裁判所と警察、こっちじゃ行政騎士団ですよね。悪い事したら捕まる的な」

王太子「子供でも知っている」

上条「はい――で?その子供でも知っている司法権の行使は殿下にはできないのです」

王太子「できない?それがなんだ?」

上条「つまり殿下の婚約者殿が何か犯罪を犯していも、あなたが裁くのは勿論、不当に拘束すればそちらの方が罪になります」

王太子「バカな!?私は次の王だぞ!?」

上条「その法を作られたのは殿下のお爺様で、改訂されたのはお父様です。これに逆らうのは両陛下に叛逆するのと同じになります」

王太子「何を愚かな!?目の前で犯罪があれば!」

上条「目の前?どこです?俺には女の子を囲んでるアホしか見えませんが?」

王太子「アホ!?」

上条「基本的にはこの国でも現行犯逮捕以外で逮捕権はないみたいですね。なのになんで殿下方はご令嬢一人を囲んでおられるのですか?お一人では声をかける勇気が無いと?」

王太子「だがこいつは様々な嫌がらせをしたのだぞ!身分を笠に着て!」

上条「嫌がらせ、つまり不法だったり違法行為があったと?」

王太子「そうだ!だから我々は正義の行いをだな」

上条「通報しなかったんですか、それ?」

王太子「あ?」

上条「ですから司法府へ通報を。騎士団や警備の皆さんに相談だったり連絡は?」

王太子「できなかったんだ!相手が上位貴族だったんだぞ!?」

上条「へー、しなかつたんじゃなくてできなかったんですか?より上位、というのであればほぼ最上位の殿下には相談できたのに?」

王太子「……私は特別だからだ!」

上条「それでは殿下はどうして通報されなかったんですか?殿下であれば相手にしない方が大問題でしょう?」

上条「つまり今の司法府やら騎士団は不正の温床であり、まともに機能しないからこのような暴挙に及んだと?」

王太子「そこまでは言っていない!」

上条「つーかはっきり言いますけど、『身分を笠に着て』と先程言ってたけど、今のあんたがやってるのはまさにそれっすわ」

上条「騎士団の人らがチラチラ見ながら踏み込んでこないのも、増員呼びに言ってるだけの話ですから」

王太子「これは断罪する行いだから構うまい!」

上条「ここまで来て理解してねぇのかアホ。あー……二番目の話になるけど、公の場で武装して集まったら罪になると思う?」

王太子「その程度では……ならないたせろう。冒険者など一々取り締まってはいれらん」

上条「まぁそうだな。普通の街ぐらいだっからスルーされるが、重要な施設だったら?王宮だったり後宮だったり?」

王太子「斬首相当だ。如何なる理由があろうとも、いや余程特別な理由でもない限りは罷り成ら、ん……」

上条「うん、そしてここは王立の教育機関なんだわ。ついでにいえば俺みたいな木っ端生徒はさておき、余所の国の王族なり貴族なり、なんだったらエルフだっけ?異種族も続々と」

上条「国の威信を賭けて運営している場所ヘ、武装した連中が乱入して、非武装のかつ抵抗すらしてねぇ女子一人吊り上げんのって、どんだけ国に泥塗ってるか理解できるか?あ?」

王太子「それは……!事情を説明すれば!」

上条「『法的根拠道義的根拠一切なく、なんかノリで武装して乗り込めるぐらいに警備ザルなんです』?」

王太子「わ、私は王族だぞ!?」

上条「や、むしろそっちの方がヤベーわ。『王族だからオッケー☆』なんて前例作ったら、この国の司法制度が終わってるって宣言するようなもんで」

王太子「だが虐めていたのの事実で!」

上条「目的が正しくても手段は正当化されない。きちんとした手続きを踏まなかった以上、それ相応のペナルティがあるのは当り前」

上条「特別扱いするのも、まぁ殿下の名前でするのもできるはできるが……”公平に”ってことは二度と言えなくなる。分かるよな?」

王太子「しかしだな!」

上条「そんで三つ目――爵位が足りない。単純に、つーか純粋に」

王太子「しゃ、爵位?」

上条「そっちのピンク髪の子嫁にしたいんだろ?男爵と王族がってのは流石に厳しい、つーか明文法でダメって決まってたわ」

王太子「私が望むのにか!?」

上条「いや、してもいいんだよ?いいんだけども、結婚ってのは貴族同士の縁繋ぎじゃん?ぶっちゃけ権力闘争の一種っていうか?」

上条「多分生涯のパートナーとして、ほぼ騎士同然の男爵しか後ろ盾がないのって厳しいと思うぜ?」

王太子「な、ならば他にも娶ればいいではないか!」

上条「『序列は低い上に愛しても何でもないけど、実家の力を借りたいから僕と結婚してください』って言うのか?ある意味勇者だと思うが」

王太子「王に仕えるのは当然のことだろうが!」

上条「じゃあなんでお前はさっきっから俺とサシで喋ってんだよ?」

王太子「……なに?」

上条「取り巻きがなんで黙ってんだよ、って言ってんだわ。『殿下に無礼だぞ!』的なムーブもなけりゃ、『コイツの事なんか信用できませんよ!』もなし」

上条「あーあれだわ。現実突きつけられてテンション下がってんだろうな。今更謝っても厳しいだろうが」

王太子「お前たち――まさか私を……?」

上条「まぁここまで来たら一蓮托生だし、黙ったところで何も変んないんだけども――と、あぁそろそろ近衛兵が来るみたいだ。逮捕されるんだろうなー」

上条「謹慎は確定、他の王位継承順も落ちるんじゃねぇかな?生きていればいいことあると思うよ!生きていればね!」

王太子「――嘘だ!」

上条「ここまで事がデカくなっちまってから無理じゃねぇかなぁ。良くて王位継承順降格、悪くて剥奪」

上条「最悪は罪人扱いだが……他にスペアがいるんだったらそれもアリかなー」

王太子「嘘だ……」

上条「てか学園だってお前だって王直轄の護衛なり影なりいるじゃん?悪く言えばお目付役か」

上条「そいつらがスルーしている時点でヤベーと思うわ。まともな親だったら『お前いい加減にしろよ』的なツッコミ入るのに、それがない」

上条「最初っから廃嫡狙いでやってんのか、それともいい歳したアホをフルイにかけるためにやってんのかも?まぁいいんだけどな」

王太子「……」

上条「で、最後の話なんだが――立てよ」 グッ

王太子「な、なにを……」

上条「どこの世界だろうが無抵抗な相手に暴力振うクズはぶん殴るに決まってんだろボケが!!!」 パキイィンッ

……

令嬢「……本当にありがとうございました。ツッター=サカナーニ=エサヲヤラナーイクソヤロー様」

上条「礼を言われてんのか罵倒されてんのか分かんないですよねコノヤロー。そして登場人物ごとに設定イジるのやめろよ」

令嬢「その、サカナーニ様には是非お礼を!」

上条「気持ちはありがたいけどその気持ちだけで充分ですよ。どうせ俺が間に入らなくても誰かが止めてただろうし」

令嬢「そんなことはありません!あなた様がいなかったらと思うと――ですので、是非一度きちんとした場所でお礼を!」

上条「いやごめん、そういうつもりは全然ないから!君の弱みにつけ込んだりは絶対にしないから!」

上条「安心してくれ!事前に何が起きるか分かっているのにわざと放置したり、逆に起してつけ込んだりとかそういうじゃないから!」

上条「たまたま出くわしただけで君には一切興味ないから、なっ?安心してくれよ!」

令嬢「――誰か!この無礼者の首を刎ねよ!」



――夢の中

上条「――ふー、ビックリした。まさか助けた悪役令嬢から処刑台へ直送されるとは……!恩を仇で返されるってこの事だな!」

娘々『リアクションとしてはほぼ正しいわ。その場で刺されなかっただけでもいいと思うよ』

ネフテュス『一応悪役令嬢なのだから……まぁ本領発揮』

上条「しかし予めレッサーと想定問答集を考えてて良かったぜ!こんなこともあろうかとな!」

娘々『あと推理ハラスメントがどうって言ってたのはどーしたよ。完全に逆ざまぁハラスメントになってた件について』

ネフテュス『元の世界の道徳観で殴りつける手法。いいと思う』

上条「え?悲劇が分かってるのに止めなかったり、弱みにつけこんで横からかっ攫うのって人間のクズじゃないの?」

娘々『だから正論で殺しに来んなや。分かっててもあえて、っていうか様式美みたいなもんがあんだよ!』

ネフテュス『入○君を読んでいたらドンケ○になってたぐらいの衝撃……』

上条「次は順番からすれば孤児院的なアレだろ?かかって来いや!巣作りドラゴ○で鍛えた俺のSLG魂が火を吹くぜ!」

娘々『あれそんな真っ当なもんじゃなくね?ゴキブ×ホイホイを超進化させたシステムだろ?』

ネフテュス『……ガンホー……』

上条「『――え?大人に食い物にされそうな子供を保護したのに、手を出したら結局その悪い大人と何が違うの?』」

娘々『オチを先に言うな言うな。そして不特定多数にケンカを売るな』

ネフテュス『ロマンはロマン……しかしモラルの観点からすればちょっと……』

上条「よーしかかって来いや!俺か全員面倒をみてやる!」

娘々『……なんかもう元気になったっぽいからよくね?解散っちゅーことで』

ネフテュス『――いや、ここで投げるのは素人。プロなら最後まで責任を持つ』



――どこか

佐天「『――サイダーの香りって言ったらいいんですかね。三ツ○サイダーの缶をプシュッと開けたときのような匂いがしたんですよ』」

佐天「『そのときは……まぁ正直言いまして何も考えてなすったんです。ですけども――』」

佐天「『家に帰って一人になって、あれは一体何だったんだろうか、と思い返していると……あぁ、あれだって!唐突に閃いたんですよ!』」

佐天「『――実はサイダーじゃなくてラムネの香りだったんですよ……ッ!!!』」

佐天「……」

佐天「え、いや終わりですけど?」

上条「違いが分からんわ!?呼び方の違いじゃねぇの!?」

佐天「ほぼ商品名では?ビー玉を使ってないラムネもありますし、タブレット錠型のお菓子もラムネですけどね」

上条「つーかなんだこの世界!?おっさんとマンツーマンで語り合うよりかなんぼかマシだが、オチのない話ばっかり……!」

佐天「『若年怪談士にありがちな、大してオチもなく作り込まれてもないゴミのような話を延々と聞かせられる世界』だそうです』」

佐天「なおあたしは一応本人です。スカウトされてきました!」

上条「くっ……!逆ギレして暴力に訴えても負ける……!」

佐天「若手が、というよりも新規参入者がどれもこれもショボイですよ!話の矛盾点やつまらないオチで二度楽しめますね!」
(※水子系の話が特に多い)

佐天「ご新規さんがダメダメなのはあたしも同意なんですけど、それってつまり現行の怪談士&大御所が『あのアホにできるんだったら俺達も?』とナメられてるだけですからねぇ」

上条「あんだけ呪い呪い言っときながら、それでメシ食ってんだからな」

佐天「年々裾野が広がってるんだから、ある意味ボロい商売ですが――実はですね、これはあたしの知り合いの知り合いの運営が体験した話なんですが」

上条「もう嫌だよ!?サメマラソンも脳に来るっけどダメ怪談は『あぁこれ本人は頑張って考えたんだよなぁ』って心が痛くなるんだ!」

佐天「問題ありませんとも。数をこなしていけば段々とダメ成分が裏返って薬に……!」

上条「君アレだよ?監督かレッサーの悪い影響受けているよ?友達は選ば……あぁうん、選んでビリビリなのはどうかなって思わなくもないが」


-終-

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