Category

Counter
Access Counter

On-line Counter



Clock(trial)

(新)都市伝説紀行〜祓い屋・闇咲逢魔シリーズ Fourth season〜 「最終話、本当の敵とは」(終)

 
――

『……』

『ねぇ知ってる?……うん、うんそう――”それ”』

『夜中にさ……合わせ鏡――』

『学校の……忘れ物をとりに行ったら――』

『キャンプ中に……テントの中からこっそり覗いて――』

『「足はいらんか?足はいらんか?」って……ダメだよ、答えちゃ――』

『ムラサキ……ハタチまで憶えてたら死んじゃうんだって――』

『キヒヒッ』

『トイレの右から四番目……四回ノックしてから「はーなこさん、あっそびっまっしょー」――』

『はぁーあーいー』

『穴がね……真っ赤な部屋で――』

『封じられた扉を開けたら……クレヨンでビッシリと――』

『フジツボ……いや、ないない。人間の浸透圧考えろや』

『はーい六名様ご案内しまーす!……え?一人多い?またまたー!』

『暇を持て余した魔神たちの遊び』

『声をかけられてもね……うん、振り向いちゃってね、連れてか――』

『諦めろ。人に染みついた宿業だよ』

『いま、あなたのうしろにいるのよ』

『右を見て、左を見て』

『今も……探してるって――』

『今度は、落さないでね?』

『いや知らないよ!あたしに言われても!だってこれは――』

『――ともだちのともだちからきいたはなし』



――どこか深い森の中

ドルイド僧「――おや、如何なさいましたかな。異国の神官殿」

闇咲「貴様の企みは全て潰えた。大人しく自首するがいい」

ドルイド僧「はて、なんのことでしょうなぁ?私はただ旧き旧き神を崇めていただけの話でございますれば」

闇咲「……神を?ふ、笑わせるな。あんなものが神であろう筈がない」

ドルイド僧「それこそ見解の違い、いえ多様性とか申すのでしょうか?誰が何を信仰しようとも自由であると」

闇咲「否定はしない。この世界にはその手の自由が腐るほど溢れているからな」

闇咲「だが、そう、だがだ!貴様が殺した人間を供物に捧げるなど正気のそれではない!」

ドルイド僧「それもまた見解の違いでしょうな。そして私はこれ以上あなたと話す気には――ぐはっ!?」

闇咲「同感だな。私も実はそうしたいと思っていたところだ……私には帰るべき所が、ある」

ドルイド僧「く、くくく……っ!い、いいでしょう!私はここで終わりだ……!」

ドルイド僧「しかし神は!我が神はそこに既におわすのですよ……!」

闇咲「なん、だと……!?神霊の召喚に成功していたのか……ッ!?」

ドルイド僧「い、偉大なる御方……!冥府の王!獣の王よ!我が命を以て顕現させませい――!」

ドルイド僧「――有角神ケルヌンノス……ッ!!!」 パタッ

闇咲「貴様……これはっ!?」

ケルヌンノス【……】 ゴゴゴゴゴゴゴッ

インデックス「マジでっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっ!?すっごいんだよ!見て見てとうま!二千年以上もなぞの存在として崇められていたけるぬんのすだって!」

インデックス「なに喋るんだろー!?どの言語使うんだろう!?ラテン・ファリスク語群かな!?それともカナン語群!?まさかまさかのフリジア語群なのかも!?」

インデックス「歴史的にはどこのどんな文明とりんくしてるのかスッゴイ楽しみなんだよ!さぁどんと来るんだよ!わたしが全て解析してあげるんだからねっ!?」

ケルヌンノス【……】

インデックス「あぁ大丈夫大丈夫怖くないんだよ!いいから喋るんだよ!ほら早く早くハリーッ!」

インデックス「あ、てゆうか時間あるんだったらもっと近くでいふくとそうしんぐを見せてほしいんだよ!像とかじゃあ全然分からなかったし!」

インデックス「どの民族が何着てたってのかは大体私が分かるから安心して!なんだったらしぇりーとかにもお願いするし!」

インデックス「楽な姿勢を取って貰ってもいいかも!そっちから類似の神様を調べるから!さぁ頑張って!」

インデックス「あなたがどこから来たどんな存在かは私がかんっっっっっっっっっっっっっっっっっっぺきに解析してあげるんだよ!なんだったら注釈書もつけて恨み辛みもばくろしてあげるんだから!」

インデックス「さぁもうなんでもいいからりあくしょんするんだよ!」

ケルヌンノス【……】 ティウンティウン

ドルイド僧「神が――還っていく……!?」

インデックス「待ってよ!?なにやってんるんだよ!?これからがいいところなのに!?」

インデックス「せめて一言だけでも何か言ってほしいんだよ!ねぇお願いだから!ねえってば!?」

上条「ケルヌンノスがインデックスさんに怯えて逃げた……ッ!?」

闇咲「まぁつまり、こうなるんだ。インデックス先生がよくあるオカルトラノベに出るとこういう惨状を招いてしまうんだ」

上条「あの、逃げ道とかないのか?」

闇咲「はっきり言って、ない。古来の神々が日本語や英語で話し出したらダメ出しするだろうし、かといって翻訳魔法的なものを使えばそれはそれで仕組みがどうとなる」

闇咲「嫁をイビリ倒す鬼姑のように、微に入り細を穿ってありとあらゆる疑問・質問をぶつけて、な」

上条「なんてクソ迷惑な……!」

闇咲「どこぞでは『フィールドワーク先で呪われたらオイシイね!』感覚で、ゼミ生を危険地帯へ突貫させている研究室もない訳ではない」
(※フィクションです)

上条「最低か。あとこんなときにだけ逃げんなや」

インデックス「くっ!まだ匂いは嗅げるんだよ!どんな香(こう)を使っているとか体臭である程度にくしょくかそうしょくか解明できるんだからねっ!」 クンクンクンクンッ

上条「インデックスさんハウスッ!闇咲が次○で奢ってくれるっていうかそのぐらいで許してあげて!」


-終-
(※闇咲逢魔さんの今後の活躍にご期待ください)

inserted by FC2 system