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Clock(trial)

とある普通の日常生活 上条当麻編

 
――常盤台中学 ある空き教室

御坂「――お邪魔するわよー」 ガラッ

食蜂「……いらっしゃぁいぃバー――もとい、御坂さぁん」

御坂「バーバリアンと言おうとしなかった、今?」

食蜂「そんな酷いわぁ!御坂さんが気にしてることをずけずけ言うような子に見えるだなんてぇ!」

御坂「少なくともバーバリアンかどうかで悩んだ事実はないわよ!今の世の中じゃトップアスリートとしては得がたい資質だと思うけど!」

食蜂「私が言おうとしたのは『バーバリーの新作は縫製がイマイチよねぇ』って時候の挨拶をねぇ」

御坂「中学生の会話でブランドの善し悪しを出すんじゃない。ウチだったら『そうですわよねぇ』って平然と返されそうだとしても!」

食蜂「あ、御坂さん、御坂さんに丁度いいお洋服見つけたのよぉ。この『アマゾネスコスプレセット』ってぇブランドが熱くてぇ」

御坂「ダイレクトに毒吐きやがったなこの女!?言ってないとかもうそういうレベルじゃなく!」

食蜂「カタログを見るだけでも、ね?」 チラッ

御坂「ボストロー○が着てる蛮族力の高い服じゃない!片乳出てる時点で服とは認められない!」

食蜂「折角御坂さんにピッタリだと思ったんだけどぉ……貧乳だしぃ」

御坂「――よーしお望みならその蛮族力みせてやるわよ!丁度良いことに第三者の目もないことだしねっ!」 ドンッ

食蜂「ちょ、ちょっとぉ!ジョークじゃない!軽いジョークなのにぃ!」

御坂「……」

食蜂「な、なによぉ!」

御坂「今だったら……あぁいやいや、待てあたし。それは最終手段、まだ我慢、まだ頑張ろ、今はまだ証拠隠滅でケチがつく……!」

食蜂「怖いこと考えてなぃぃ!?そっちのほうがもっと悪質よねぇっっっ!?」

御坂「冗談、よ?うん、全然全然?そろそろマジ決着つけようかなって、そんな思惑は全く?」

食蜂「わ、私だって好きで意地悪してるんじゃない・ん・だ・ゾ☆」 キラッ

御坂「星飛ばすな鬱陶しい」

食蜂「そのリアクションがおかしいのよぉぉぉ!私の派閥だったら全員有り難がって『へへー!』ってなるのにぃ!」

御坂「派閥ってそういうもんだし、特にあんたンとこは異常よ。能力使ってんでしょ?」

食蜂「使ってるけどぉ、別に忠誠心まで刷り込んだ憶えはないわよぉ?そりゃ悪い考えで近寄ってきた子には、まぁその限りじゃないけどぉ」

御坂「信用できないわ」

食蜂「そうねぇ。そこはやっぱりお互い様よねぇ」

食蜂「てゆうかいい加減離しなさいよぉ。女の子にぃ壁ドンされるのは趣味じゃないのぉ」

御坂「あたしだってないわっ!つーか『御坂さん=男の娘』説が流れてんだけど、あんたの仕業じゃないのっ!?」

食蜂「多分それ白井さんの執着力がアレしてハッテンした妄想だと思うわぁ」

ガラッ

縦ロール「――『女王』!頼まれた物をお持ちしました、た……?」

食蜂「……」(※壁ドンされてる)

御坂「……」(※壁ドンしている)

縦ロール「――い」

御坂・食蜂「い?」

縦ロール「――言いません!まさか『女王』と御坂さんがそんなご関係でしたなんて!」

縦ロール「えぇもうっそれはお二人が対立しているのは高度な隠蔽工作だったんだーそうかそうか納得ですわーとか全然考えてませんし!」

御坂「おいっ!?あんたウブな設定どこ行った!?」

縦ロール「派閥の他メンバーからしっかり教えていただきましたの」

食蜂「後で名前教えなさぁい。オシオキするわぁ」

縦ロール「いいと思いますわ!お似合いの二人です!」

御坂「誉められてるのに貶されてるわ!似合いだと思われるのがショックよ!」

食蜂「いやほんと勘弁してほしいわぁ。アマゾネス力が前面に出て女子からモテモテの御坂さんとお似合いだなんてぇ」

縦ロール「そ、そんなことありませんよっ『女王』!『女王』も派閥の皆さんがprprしたいって言ってますし!」

食蜂「敵は身内だったのねぇ!油断も隙もないわぁ!」

御坂「……あー、あたしと黒子って外から見るとこういう風に見えるのねー。勉強になったわー」

縦ロール「お二人の場合ですと、白井さんがアクティブに噂を広めてらっしゃいますし……」

御坂「そんなネガティブな使い方されてるアクティブ初めて聞いたわ」

縦ロール「そうですか?海外ではネガティブな方々が積極的にキャンペーンしよう!って試みがあるとかないとか」

御坂「あれも『善良な性犯罪者』みたいに矛盾の多い修飾方よね」

食蜂「そ・ん・な!ことよりもぉっ!しっかり持ってきたんでしょうねぇ!?」 バッ

縦ロール「あ、はい『女王』。編集は終わりました」

御坂「編集?」

食蜂「ありがとぉ。編集してくれた子にも言っておいてねぇ」

縦ロール「はい『女王』っ」

御坂「直接言いなさいよ。あ、でもそういうプレイだから別にいいのか」

食蜂「人の派閥を女王様ゴッコみたいに……て、そのまんまよねぇ。余所から見たら内実はともかく」

縦ロール「意外にアットホームですよ、良かったら御坂さんも――」

御坂「断る!断ッッッッッッッッッッッッッッッッじて!断るッ!!!」

縦ロール「出世すれば『女王』のお体に触れられるんですよっ!?」

御坂「……ねぇ、いいの?これで?」

食蜂「派閥の今後はそのうち考えるとしてぇ。ご苦労様、あなたも帰っていいわよぉ」

縦ロール「分かりました。失礼致しますわ『女王』、御坂さん」

御坂「あ、はい。お疲れ様です」

縦ロール「……」

食蜂「……なぁにぃ?」

縦ロール「その、余計な事かもしれませんが」

食蜂「はい?」

縦ロール「どなたもここへ近寄らないよう、派閥全員で歩哨に立ちましょうか……?」

食蜂・御坂「「いいから帰れよ」」



――ある空き教室

御坂「苦労してんのね。あんたんとこも」

食蜂「みんな基本良い子なんだけどぉ……良い子なのよぉ、基本は」

御坂「まぁお嬢も多いし、能力至上主義のここじゃあなるべくしてなった、ってだけの気もするけどね」

食蜂「……余所だってこんなもんでしょお?能力が家柄や財産に取り替え力するだけであってぇ」

御坂「意外とリアリスト、っていうか冷めてるわよね。あんた」

食蜂「心配しないでぇ。あなたにだけは絶対に弱みは見せないからぁ」

御坂「正直あんたのことはいけ好かないヤツだと思ってるし、人間性もどうかと今でも思ってるわ」

食蜂「ありがとぉ。照れるわぁ」

御坂「――ただ、だからって心の底からのクズだとは考えてないし、派閥の子達だってそう悪くは扱ってない」

御坂「『助けて』って言われれば手も貸すわよ。借りを作るのが嫌だったら、前にあたしの身内を助けて貰った借りを返してもらう、とでも思いなさいよ」

食蜂「……ありがとう。照れるわぁ」

食蜂「ただねぇ御坂さん。仮にも学園都市の上位ランカーである私とあなた、あんまり仲良くするのも考え物じゃないのぉ?」

食蜂「藪を突いて蛇が出るのは困るのよねぇ。学園都市の逆鱗に触れるとか」

御坂「まさか――あんた、ワザと仲悪くっ!?」

食蜂「ううん。主に御坂さんを嫌いだからやって・る・ん・だ・ゾ☆」

御坂「ぶん殴るわよこのクソマア」

食蜂「べ、別に御坂さんが嫌いだからやってるのよぉ!?」

御坂「ただの暴言よね?いじめっ子がそれ言ったらグーパンする自信があるわ」

食蜂「ま、私たちの確執も横に置いてねぇ――とんでもない物を入手したんだけどぉ、私一人じゃ判断できなくってぇ」

御坂「あー……また学園都市の『暗部』?」

食蜂「とは、違うわぁ。暗いのは暗いけどぉ、心当たりでもぉあるとかぁ?」

御坂「デンド○装備をパチった……いやでもあれは誰にも見られてないはず。セーフよね、セーフ」

食蜂「下手な国を敵に回しても焦土殲滅出来そうなミサカ・エクステリアが隠蔽できるとでもぉ?」

食蜂「てゆーか超飛び回ってたじゃない、文字通り。人助けに出し惜しみしないセンスは誉めてあげるけどねぇ」

御坂「いやぁそれほどでも」

食蜂「一応聞いておくけどぉ、あれは人助けのためにやったのよねぇ?新しいオモチャを披露する男の子的な感覚じゃなくてぇ?」

御坂「……」

食蜂「黙るな。否定しなさいよぉ」

御坂「よ、よく自問自答したら否定出来ないかも、って!」

食蜂「あーはいはい。素直キャラはいいから、とにかく見てもらうわよぉ。どっちみち共犯者になってもらうんだからぁ」 ピッ

御坂「あコラ人の話を聞きなさいよ!……って、なにこれ?」

『……』

食蜂「よくあるタブレット端末だけどぉ?未開力の高い御坂さんには難しかったかしらぁ?」

御坂「誰だって分かるわっ!……そうじゃなくって。起動してる動画が、なんかこう」

上条『……』

御坂「部屋暗くてよく分かんないけど、知り合いに似てるわよねって思ったのよ!そう、知り合いのアンチクショウにねっ!」

食蜂「その予感は誤解じゃないと言っておくわぁ」

御坂「つーかバスタブ……?なんかこれお風呂のバスタブで一眠りって猟奇的な絵柄に見えるんだけど……?」

食蜂「その予感も誤解じゃないと言っておくわねぇ。紳士にもほどがあるってゆうか」

御坂「まさか――誘拐されてバスルームに監禁!?助けに行くターン!?あたしのルート確定!?」

食蜂「典型的なアレ犯罪のパターンだけどぉ、それは勘違いねぇ。出来れば私もこの絵面がウソであってほしかったんだけどぉ」

食蜂「てゆうか勝手にルート確変させてんじゃないわよぉこのアマ。どこまで調子ぶっこくのかしらぁ?」

御坂「……『俺、汚されちまったんだ……!もう、もうビリビリには相応しいキレイな体じゃない……ッ!』」

食蜂「どういうシチュ?台詞から察するに”ア゛ー!?ッ”されたっぽいけどぉ、評価過剰じゃないぃ?」

御坂「『平気よ!むしろあたしは興奮するわ!』」

食蜂「ね、ねぇ御坂、さン?御坂さんよねぇ?間違ってそっくりさん呼んじゃったとか、そういう企画じゃないわよね?」

食蜂「てゆうか比較的速やかに寮の部屋交換して貰った方がいいとの思うのよぉ。白井さんのが確実に伝染ってるからぁ」

御坂「『大丈夫!万が一記録が残っていてもあたしと初春さんで全部集めて……ゴニョゴニョ……するから!安心して!』」

食蜂「御坂さん、ねぇ御坂さぁん。いい加減に帰って来ないと好感度ガンガン下がっていくわよぉ。私的にはいいんだけどぉ」

御坂「……あれ?あたしは一体何を……?」

食蜂「その内クレーム来るかもしれないからぁ、注意した方がいいと思うわぁ。割とマジで」

御坂「愛があれば中古・新品に関係ないわ!」

食蜂「世の中の処×スキーに聞かせてあげたい台詞よねぇ」

御坂「――てか誰が、あ、あ、あ、愛よっ!?愛してなんかないんだからねっ!」

食蜂「テンプレツンデレなのに根強い人気があるのはムカつくわよねぇ。貫禄的には充分だけどぉ」

御坂「んで?これは一体なんの映像なのよ?レアっちゃあレアだけど」

食蜂「急にギア落されてもテンションがついてかないわぁ……これはある消息筋から仕入れた情報なんだけど、いつもここで寝てるらしいわよぉ」

御坂「いつも?ベッドすらない極貧生活を余儀なくされてんのっ!?」

食蜂「同棲してるシスターちゃんにベッド譲ってるらしいわぁ」

御坂「つまり――やっぱり監禁……ッ!?」

食蜂「うん、男女逆だったら人生ゲームアウツ!な、条件なんだけどぉ、そうじゃなくって紳士的な意味でよぉ」

御坂「あのバカ……!体壊すでしょうが!」

食蜂「同棲ってトコは御坂さん的にはいいのかしらぁ?」

御坂「多分行き場のないからって預かってんでしょ?大体想像はつくし、困ってる相手につけ込む真似はありえないわ」

食蜂「御坂さん男前よねぇ」

御坂「……つーかそんな甲斐性あったらあたしらここまで苦労してないわっ!!!」

食蜂「同意せざるを得ないわよねぇ。かなり」

御坂「つーかこれ見せて何がしたいのよ、あんた。あたしに児童相談所へ通報でもしろって?」

食蜂「……うーん。まぁ見た方が早いわねぇ、進めるわよぉ」 ピッ

御坂「てゆうかこれ大して広くもないバスタブで眠るって、ちょっとした修行より過酷よね……」

『PiPiPiPiPi……』

御坂「アラーム音。くもってる反響からして動画からね」

食蜂「目覚ましよぉ」

上条『――はぁ……ふ』

御坂「ごめんちょっと今の巻き戻してスクショ撮って保存していいかな?ちょっとだから、bmp出力させるだけでいいから!」

食蜂「後でマスターテープあげるから我慢しなさぁい。一々やってたら日が暮れるわぁ」

御坂「えっと……ジュースでも買ってこよう、か?」

食蜂「お気遣いどうぉも。いいから見なさい」

上条『……』 ジャバジャバ

御坂「顔洗ってる。ほぼ直で」

食蜂「ユニットバスで寝泊まりするのは効率的だけどぉ、見習いたくはないよねぇ」

上条 ジーッ

御坂「鏡とにらめっこ。意外としっかりしてんのね、頭ぼさぼさだから適当やってるもんだと思ったんだけど」

食蜂「しっ!大切なのはここよぉ!しっかり見て!」

御坂「うん?」

上条 スゥ

御坂「息吸ってー」

上条『なんでだよ!どうしてだよ!待て待て待て待て待て!』

御坂「」

上条『なんでだよ!どうしてだよ!待て待て待て待て待て!』

御坂「……なにこれ?」

食蜂「多分だけどぉ、ツッコミの練習をしてるんじゃなぁい?」

御坂「なんでよっ!?一介の学生が朝一で鏡に向かってする事じゃないでしょーがっ!?」

上条『てか自分の立場考えろよ!立場さんだってお前を乗せとくの辛いと思うぜ?』

御坂「声優さんの発声練習ぽく滑舌滑らかに言われてもな!」

食蜂「なんか見てると、存在しないボケてる人達が浮かぶのよねぇ」

御坂「伝説のエアギターか」

上条『よーし分かったお前ら全員俺の敵だなチクショー!かかって来いやその幻想まとめてぶっ殺したらぁ!』

御坂「これ……使用頻度の高い順にやってるのよ、ね?普段から言ってるって事?どんだけ追い込まれてんの?」

食蜂「あのツッコミスキルは不断の弛まぬ努力によって鍛えられたのねぇ……」

御坂「誰がちょっと上手いこと言えっつったのよ」

上条『聞いてないよ!まぁ事前に話されててもお断りしたんだがな!』

食蜂「やだぁ上条さんもツッコんでくれてるしぃ」

御坂「偶然よね?もしくは事前に見ててそのネタ仕込んでただけか」

上条『白井と書いてヘンタイと読む、ファンの業が深すぎる……!』

御坂「これ……使う?日常的に使ってるってこと?」

食蜂「白井さんは有名人よねぇ」

上条『熱膨張って知ってるか?』 ドヤァ

御坂「コメントは……うん、差し控えたいと思うわ」

食蜂「銃器は火薬をチェンバー内で爆発させてぇ、発生したガス圧で弾丸を撃ち出すんだけどぉ、内部熱は瞬間的に200℃まで高まる訳でぇ」

食蜂「対して標準的な旅客機の機材だと、テロ対策と訴訟回避のために最初から60℃までしか上がらない仕様に」

上条『いい加減しつこいんだよ!神様(※鎌池先生)は万能だけど俺は勘違いするんだからな!』

御坂「……ねぇこれLive映像じゃないの?ツッコまれてるわよ」

食蜂「ぐ、偶然じゃないのぉ?これだけツッコミリピートしてれば意味が通ることだってあるわよぉ」

御坂「てゆうかもうなんだってイジるわネタにするわ、怖いものないわよね!」

上条『お前とはもうコリゴリだよ……ッ!!!』

上条 ピタッ

上条『どーもー、ありがとうございましたー……』

御坂「漫才じゃない。締め方がお笑い演芸大会のオチじゃない」

上条『――よし……!』

御坂「……んで?このセルフツッコミ練習を見せてあたしにどうさせようって言うの?ちょっと楽しくなってきたけど」

食蜂「軽い……そう、軽い気持ちだったわぁ」

御坂「食蜂?」

食蜂「とある消息筋――『カミやんの日常生活が知りたいんだったら、お安くしたくにゃー?』という悪魔が、そう私に囁いたのよぉ!」

御坂「友達甲斐のない相手よね、ホンッッッッットに」

食蜂「『いやゴメン。マジで今は義妹と高飛びする資金がほしいんだぜぃ』と、言われて私は渋々情報をゲットしたのぉ!」

御坂「そのグラサンは自業自得……つーかこの死角のないカメラアングルは内部犯の犯行だったのね」

食蜂「か、軽い気持ちだったのぉ!本当に罪のないルパ○レンジャーみたいな軽い出来心でぇ!」

御坂「あたしもラテ欄見てビビったわ!『まさかの職業じゃなくて人物名レンジャー!?』って!」

食蜂「私一人で抱え込むには重すぎて!誰に相談したらいいのか分からないのよぉ!」

御坂「そっちの事故にあたしを巻き込まないで。氷山に当たったんなら一人で沈みなさいよ」

食蜂「あ、だったらマスターテープのコピーの話もナシってことでぇ――」

御坂「任せなさいよ!こう見えても伊達に昔っから出てないわよ!」

食蜂「私もぉ存在だけは示唆してたんですけどぉ?」



――ある空き教室

御坂「いやいやいやいや!なんか衝撃の映像っていうか、こう見てはいけない所を見ちゃった感で驚いてはいるけども!」

御坂「一日。まさか24時間この方向性で進むって訳じゃないでしょ、流石にさ」

食蜂「まぁ取り敢えず何もない一日をウォッチャーしたのぉ。そうしたらハードワーク過ぎて『これ大丈夫か?』ってぇ」

御坂「にゃるほど。そこであたしにどうしたもんかって言ってきたのも」

食蜂「一言でぶっちゃけるならば誰か共犯者がほ・し・い☆ってことなんだゾ」

御坂「言い方注意しなさいよこの女」

食蜂「それで続きを見てほしいわぁ」

上条 ジーッ、ゴソゴソ、ピッ

御坂「洗濯機に……あー、昨日の着替え入れて回してんのね」

食蜂「お母さん力高いわよねぇ」

御坂「なんか網に洗濯物入れてたけど、あれなに?お呪い?」

食蜂「……御坂さんも変な所でお嬢力を発揮するわねぇ。あれは洗濯物が洗濯機の中で痛まないようにするのよぉ」

御坂「いや知ってたけど。なんでヤローの服に必要」

食蜂「他にも『手洗い』タグを機械で洗えるようになるしぃ。大方シスターちゃんの下着を手合いしないようにって配慮じゃないのぉ?」

御坂「……」

食蜂「なにぃ?」

御坂「――セーフ!被ってないからセーフ!」

食蜂「ハードルを白井さんに置くのはやめなさぁい。地面スレスレに設置してあるから大抵のケースで跳べるわよぉ」

上条 ピッ

御坂「次はキッチンへ行って炊飯器のスイッチ入れたわ――てかこれ実況いらなくない?このペース配分だったら24時間かかるわよ」

食蜂「まぁ見なさいよぉ。私だってぇ正直目を疑ったんっだしぃ」

上条 トントントントントントントントントンッ

御坂「超早くキャベツとタマネギ切り始めた……!高校生の手つきじゃないわね!」

上条 ビリッ、ポン

御坂「……アルミホイル?食パンを上に乗せたわ」

上条 ポン、ポン、ポン

食蜂「ハムの上にキャベツとタマネギの千切り、最後に溶けるチーズをトッピングしてぇ」

上条 ソッ、カチッジジジジジジシッ

御坂「フライパンをガスコンロに乗せて火をつけてーの、具材の上へパン乗せて挟んだ、わね」

上条 ピッピッ、スッ

食蜂「アルミホイルを畳んで袋とじにぃ、温まったフライパンに置いてぇ」

上条『――ホットサンド。まず一品……!』

御坂「あー……炙ってる間に同じセットを四つ作ってくわー。プロの犯行だわー」

御坂「てかご飯炊いてホットサンド?!この家では何人住んでんのよ!?」

食蜂「そのツッコミは最後までとっといた方がいいと思うわよぉ」

御坂「……もうヤダ!全てにおいて予測がつかないのよこの生活!」

上条 ザーーーーーーーーッ

食蜂「大きなお鍋に水入れて火をかけてぇ」

御坂「その間にホットサンドをひっくり返して両面に火を通す。大体片面5分ぐらい?よね。早回しだけど」

上条 ビリッドポドポドポ、ガタッ

食蜂「沸騰したお鍋にパスタ投入、戸棚からボウルを出してぇ」

上条 コンコン、パカッ

御坂「別の小皿に卵割って殻が入らないようにしてる、わね」

食蜂「あぁら御坂さぁん。小賢しい知識かしらぁ?」

御坂「ウッサいわ!料理の腕以前にマナー的な問題よ!」

上条 ジュー……カッカッカッカッカッ

御坂「ホットサンドが終わったフライパンへ油敷きつつ、ボウルの中で卵を攪拌――ねぇこれ本当に隠し撮りなの?ドッキリさせようって企画じゃないのよね?」

食蜂「安心しなさぁい。もしドッキリだったらぁ私も騙されてるクチよぉ」

上条 ジュジュッ、ジューーーーッ!

食蜂「フライパンにタマネギとキャベツを入れてぇ、残ったハムも刻んで入れてぇ」

上条 クイッ

御坂「茹だったパスタを――入れたっ!?どんな料理よ!」

食蜂「あー……それねぇ。私もイミフだったしぃ、派閥の子に聞いてみたんだけどぉ」

食蜂「パスタ茹でて、余った分お皿に取って置いたら10分ぐらいでそのまま固まるでしょお?」

御坂「そ、そうよねっ!固まるわよねっ!」

食蜂「……固まるのよ。表面の水分吸ってそのままの形でね」

食蜂「でもこれに油を絡ませるとぉ滑りが良くなって冷めても固まらなかったりするよのよぉ」

御坂「ホテルのバイキングで朝作ったパスタ料理が夕方でも食べられる、的な?」

食蜂「……まぁ、あれも大量のソースと一緒だし、理屈は同じ……?」

上条 カッカッカッカ、ジューーーーッ

御坂「炒めたパスタをフライパンの半分ぐらいに寄せて、空いたスペースに溶いた卵を投入?」

上条 ジューッ

食蜂「少し固まったらパスタを卵の方へ乗せてぇ、また空いた所にぃ卵で膜を作ってぇ……」

上条『――ふんっ!』 ヒョイッ

御坂「フライパンを縦に回して具材を卵のサンドイッチに……!?」

食蜂「あぁそれ実はそうしない方がいいって」

上条『オムパスタ、完成……ッ!』 ドヤァ

食蜂「凄いイイドヤ顔で言い切ってるわねぇ」

上条 ジューーーーーッ

御坂「あ、今度は厚切りベーコン焼き出して、鍋の水捨ててからまた火にかけて――」

御坂「――って何品作ってんのよ!?寮かっ!?」

上条『オォォォォォォォォッ……!』

食蜂「同時進行でラップを御坂さん、じゃなかったまな板の上に敷いて、巻き寿司を作り始めるのよねぇ」

御坂「おいあんた今何つった?有り得ない言い間違いしなかったか?」

シスターちゃん?『ねーねー、とうまとうまー、ごはんまだー?』

御坂「あ、例のシスターっ娘ね」

食蜂「例のかどうかは知らないけどぉ、まぁシスターちゃんよぉ」

上条『ごはんは今作ってるから!インデックスは顔洗ってスフィンクスにご飯出してなさい!』 マキマキマキ

御坂「一応確認しておきたいんだけど」

食蜂「何よぉ」

御坂「自分の性癖のために幼女攫ってきてシスター服着せてる、なんて事はないのよね?」

食蜂「……仮に一万歩譲って、その疑いがないとは言わないけどぉ、まぁシスターちゃんが昼間自由行動して近所の子と遊んだり、学校行ったり」

食蜂「なんか2m近い真っ赤っか自己主張の強いバーコード神父さんとあってる時点で、可能性は低いと思うわぁ」

御坂「なにその神父怖い。アンデルセ○?」

シスターちゃん?『はーい……今日はなーに?』

上条『巻き寿司とオムパスタ!お昼はホットサンドだから!』

シスターちゃん?『えー……またそのめにゅー!?昨日も一昨日もそんなに代わり映えしなかったんだよ!』

上条『黙らっしゃい暴食シスター!葉物野菜が高い昨今、親船さんから自家菜園で採れた野菜貰ったんだから感謝しなさい!』

シスターちゃん?『じぇーえ○ってテープ貼ってあったんだけど……』

上条『そこは気づかないフリで!前に銃で撃たれてから親切にしてくれるし!』

シスターちゃん?『ねぇそれどういう展開なのかな?どえむのひと?』

御坂「……なんだろなー、なんっていうかな、こう、うん」

食蜂「まぁ気持ちは分からないでもないわねぇ。でも言っちゃダメだと思うわぁ、人生の先輩として」

御坂「今あたしが感じてる黒い感情は”殺意”よね?」

食蜂「言いやがったわねぇ。人が忠告してやってんのにぃ」

御坂「最初ね、『同棲』って聞いてね、場合によっては匿名で風紀委員に通報が行くかもしれないと思ったのよ」

御坂「あぁ別にあたしが!じゃなくて、犯罪を通報するのは国民の義務だし、匿名のタレコミがって意味でね!」

食蜂「別に取り繕わなくてもいいわよぉ。私も考えないでもなかったし、踏みとどまった方だからぁ」

御坂「違う!あたしの考えてたキャッキャウフフの同棲生活と違うじゃない!」

食蜂「フィクションじゃないし……まぁ、そういうのとは、なんか違うわよねぇ」

御坂「強いて言えば――『実家』?」

食蜂「もっとはっきり言えばシングルマザーよねぇ――あ、ちなみに」

食蜂「隣に住んでる情報屋さんのタレコミだとぉ、『男女の関係はない』ってぇ」

御坂「やだこわい近くにストーカー!」

食蜂「御坂さんも同じよねぇ?レベルはより高いわぁ」

御坂「だ、だって分からないじゃない!年頃の男女が同じ部屋で暮らせばTo LOV○るの一つや二つ!」

食蜂「これは未確認情報なんだけどぉ、KMJさん(仮名)にインタビューしたらぁこんな答えが返ってきたわぁ」

食蜂「『インデックス?そりゃ連れて行くよ、もう離れられないだろ。何言ってんだよ!』」

御坂「ほ、ほらっやっぱり!」

食蜂「『結婚相手にもきちんと確認はとるさ!最後まで面倒看るのがルールだろ、なっ?』」

御坂「……うん、ごめん。あの、えっと……今の下り、消してもらっていいかな?」

食蜂「私もどうかと思うんだけどぉ……まぁシスターちゃんにも問題はあると思うのよねぇ」

御坂「問題?」

食蜂「家事手伝いなりなんなりするんだったら、ま、”対等”なんだけどぉ、完全にこれお母さんと一人娘状態だしぃ」

食蜂「――まぁ、あえて”そうして”る可能性も無いじゃあないのんだけど、ねぇ?」

御坂「はい?」

上条『人様の善意につべこべ言わない!さぁインデックスさんはお仕事しなさい!』

シスターちゃん?『はーい……』

御坂「……これ、さ。一食いくらまでだったら出す?」

食蜂「一生作ってくれるんだったらぁ、まぁ全財産支払う覚悟はあるわよねぇ」

御坂「まぁ、ね」



※上条当麻の一日

06:00 起床。ツッコミの練習
06:20 洗濯をしつつインデックスの朝ご飯兼10時のおやつ兼お昼ご飯兼3時のおやつを作る←今ここ



――ある空き教室

御坂「で、まだ続けるのかこの不毛な盗撮を。延々料理作ってるの見てたらお腹空いてきたわよ!」

食蜂「私も腹ぺこキャラじゃないのにオヤツ食べたくなったわぁ。あ、今もってこさせるからぁ」 ピッ

御坂「というかファミレスくとか、別に場所移したってよくない?」

食蜂「私の風紀がって言うけどぉ、御坂さんが制服でそういうとこ行くのも常盤台的には宜しくないんじゃないかしらぁ?」

御坂「今時学生もファミレスぐらい行くでしょ。てかそもそも本物と思われてないからいいのよ」

食蜂「本物?」

御坂「制服自作してコスプレしてる子も居るし、噂では『常盤台喫茶』なるキワモノもあるらしいわ」

食蜂「どっちもイベントフラグよねぇ。絶対私たちに迷惑かかってくると思うの」

御坂「というかパッと見、食費が心配で心配で。ちょっとしたビッフェスタイル並の量作っといて、これマジで学生破産するんじゃ……?」

食蜂「情報提供者さん曰く、『ギャグシーンだからノーカン!』だそうよぉ」

御坂「頭悪くないのに進級ギリギリのって、勉強時間が皆無なせいじゃ……?」

食蜂「でも時々、百戦錬磨のその道のプロが数十年かけて見つからなかった解決方法をたった数時間で思いつくわよねぇ」

御坂「言葉気をつけなさいよ!あたし達にだって少しはあるじゃない!そういうとこ!」

食蜂「特にいいとは思わないけどぉ、あの学校が適正レベルかと言われればぁ、うーん、よねぇ」

御坂「やはりあたしがメイドになってお世話するしかないかー、それしかないわー、つらいわー」(棒読み)

食蜂「帰って来なさぁい。あなたが堂々と交戦協定破るんだったらぁ、ダース単位で追しかけ嫁が増えるわよぉ」

食蜂「仮に上手く行ったとしても、薄い本的な展開で愛欲の日々に溺れた結果、今よりもどうしようもなくなると思うのぉ」

御坂「そのときはあたしが養えば良くない?」

食蜂「もう面倒臭いから、『そうですね』とだけ言っておくわぁ」

御坂「……いざとなればあんただってするでしょーが」

食蜂「あ、ほらお料理終わったみたいよぉ」

御坂「てか今……7時半か。ほぼ一時間ご飯作ってたってこと!?」

食蜂「どんな専業主夫でも、朝の一時間料理マラソンを強いられたら実家帰ると思うわぁ」

御坂「学生的な爽やかさとは無関係だなこれ!実は先週からずっと思ってたけど!」

上条『――それじゃ召し上が――』

シスターちゃん『いただきモグバクガツガツガツガツガツっ!!!』

御坂「尋常じゃないスタートダッシュからいい食べっぷりよね」

食蜂「私のイメージするシスターさんだと、食べる前にお祈りするんだけどぉ……宗派が違うのかしらぁ?』

御坂「あーてかさ、最近料理するようになって思ったんだけど、作るの一時間で食べるの10分ってよくあるわよね」

御坂「それ毎日毎日やってる全国のお母さんに改めて尊敬するわ……」

食蜂「コンビニ弁当も対価の代わりに時間も売ってるんであってぇ、手料理もそのうち嗜好品の類になるんじゃないのぉ?」

御坂「アメリカなんかそうじゃないの?デリバリーと冷凍ワンプレートだけあれば生活できるって、なんか、うん」

食蜂「てゆうか御坂さぁん?家庭的なイメージをアピールしてるのぉ?イヤらしいわねぇ」

御坂「あくまでもこれは一般論だけど――誰かに自分の手料理食べてもらいたいって、そんなにおかしいこと?」

食蜂「……正論は眩しすぎるわねぇ。今の私には」

御坂「つーかあんたもあたしばっかイジるけど!あたし以上に行動も起こさない鈍ガメ&アナグマ囲い状態の誰かさんにチクチク嫌味言われる筋合いはないわよ!」

食蜂「あ、あーっ!言ったわねぇ御坂さぁん!言ってはいけないことをぉ!」

御坂「だって事実でしょうが!人の心配しやがる前に自分――って痛っ!?髪引っ張らないでよ!」

食蜂「あなたには分からないでしょおぉ!?人がどんな思いで過ごしてるかなんてぇ!」

御坂「人が――まさか、あんたって!?」

食蜂「……ちょっとぉ距離取らないでくれるぅ?どうゆう勘違いしたから察せるけど、それだけはないから安心しなさいよぉ」

御坂「や、でもあんたんとこの派閥にもアレな子が居るって聞いたことがある!」

食蜂「どこだっているわよぉ。だって常盤台だしぃ」

御坂「その『共学じゃないからいて当然』みたいな常識やめてくれる!?」

コンコン、コンコン

縦ロール「失礼いたしますわ、紅茶とスコーンをお持ちしました、今日のはイギリスの――」 ガチャッ

食蜂「ありがとぉ。そこ置いてってくれるかしらぁ」

御坂「聞いてあげなさいよ。イギリスのってつくと不安しかおぼえないけど」

縦ロール「イギリスのお菓子は見た目シンプルですけど、とても美味しいんですのよ?」

食蜂「散々ネタにされる食事もまぁ……オイシイ、わよね?芸人的に?」

御坂「誰がテンドンの話しろっつった、あぁ?」

縦ロール「まぁまぁお二人とも無理にケンカなどなさらなくても、ねっ?」

御坂「なんだその『分かってるから、分かってるからね!』みたいなやんわりとした言い方!」

食蜂「……こうゆうのは否定すれば『分かってる!』って怪しまれるしぃ、どっちみち噂が立った時点でどうしようないのよねぇ」

御坂「逃げ場ないじゃない。否定しようが肯定しようがってただのイジメじゃないの?」

食蜂「スクールカースト最上位なのに贅沢よねぇ御坂さんは」

縦ロール「あぁ、それと『女王』。先程『花園』の前に『女王』の知り合いを騙る不審者が」

食蜂「不審者ぁ?あー……なんかマジシャン崩れの外人さんかしらぁ?」

縦ロール「いえ違います。なんかツンツン頭の男子生徒が『壁ドンの写メだけでいいから俺にくれよ!』って」

御坂「相変わらず特定の性癖にピンポイントよね。近い内に公式から抗議されればいいのに」

食蜂「いやぁ、あっちでも妙に食いつきが良かったりするしぃ、設定に追い付いてきた可能性もなくはないわぁ」

縦ロール「では『女王』、御前失礼致します――が、本当に宜しいので?」

食蜂「なによぉ」

縦ロール「いえ、あの以前にも『一人で紅茶ぐらい入れられるわぁ』と仰ったのに、盛大にぶちまけた――」

食蜂 ピッ

縦ロール「――っていう事実なんてありませんでしたわよねっ!確か私がやったんでした!」

御坂「いやだからさ、こーゆーことすっからあたしの中での信頼度がグングン下がっていく訳で」

食蜂「御坂さんに好かれようとしたらおしまいだと思うわぁ」

縦ロール「――あ、成程!そういうことでしたか御坂さん!」

御坂「聞きたくないけど、なによ」

縦ロール「以前差し上げたインディアンポーカーを実現しよ――」

御坂「なんであたしがこのアマのメイドになんなきゃいけないのよっ!?あの夢は前半良かったけど後半最悪だったわ!」



――ある空き教室

食蜂「――って訳で、私も別に楽しくはないのよぉ?慕ってくれるのは嬉しいしぃ、有り難くもあるんだけどねぇ」

食蜂「ただそれがいつまでもここには居られないでしょお?だから『卒業してもずっと友達よねぇ!』って言ったら怖いじゃなぁい?」

食蜂「前にぃ、そう前によぉ。試しに言ってみたのよぉ、『あなた達ぃ卒業したらどぉするのぉ?』ってぇ」

食蜂「そしたらなんて言ったと思う?『まず上の学校に通いながらハウススーパーの免許を取得するため繚乱家政の通信科へ』ってぇ!」

食蜂「もうメイドになる気満々じゃぁないぃ!方向性が!なんでこう一生侍るのが前提で生涯プラン立ててるのよぉ!重いわよぉ!」

食蜂「だからぁ!一応私も『あこれマズいな』ってぇ言ったのぉ!自立するのも大切ですねぇみたいなぁ!割と直接!」

食蜂「そぉしたら『そうですね。「女王」にぴったりな宮殿を借りるためにも実家に頼りすぎるのは良くないですもんね』ってぇ!」

御坂「――ッッッッッッッ長いッ!そして悩みの内容があたしとどっこいどっこいだな!解決方法を教えて欲しいぐらいだわ!」

食蜂「もうなんかぁ、時々学園都市も全て捨ててぇ旅に行きたくなるわよねぇ」

御坂「あの……?もしかしてなんだけど、あんたって周囲の取り巻き使って楽してるゲス女ってイメージがあるのよ。あたしの中には」

食蜂「……ケンカなら高くても買うわよぉ?」

御坂「や、でも近くで見ると『”女王”って役を今更ながら辞めたくても辞められない』って感じが……」

食蜂「言わないでぇ……」

御坂「元宝○女優が散々ファンを養分にして生きてきたのに、いざ結婚しようとしたらファンから猛反発を受けて生涯独身を貫くハメに――」

食蜂「言わないでって言ってるでしょお!?御坂さんのイケズぅ!?」

御坂「そんな罵倒初めてされたわ。つーかあんたの中のお嬢様像少しズレてんのよ」

御坂「つーかむしろあんたはいいでしょう!?いざとなった全部リセットして逃げればいいだけなんだから!」

御坂「あたしなんか時間も距離も性別の壁すらテレポートして追いかけてくる相手が居んのよ!?」

食蜂「歌詞にありそうよねぇ、前半は。後半は斬新極まりないけどぉ」

御坂「……前向きに。うん、ポジティブに考えよう。いざとなったら学園都市後始末してくれる……!」

食蜂「私たちの最終的な敵もそれだと思うのよぉ。最近じゃ味方のフリすらしなくなったけどねぇ」

食蜂「その、えぇっとぉ……白井さんの能力も人格も否定はしないんだけどぉ、ショートカットしすぎ感はあるわよねぇ」

食蜂「距離を詰めるにしたってぇ、もっと時間をかけたり信頼作ってからぁ、なのに即・吶喊します!的なぁ」

御坂「ま、まぁいいわ!将来的なことは未来のあたしに投げっぱにするとして!」

御坂「多分上手く行くわよ!だってかれこれ中学生(二周目)するぐらい時間が経ってるのに何も変わってないんだし!」

食蜂「慎みなさぁい。一緒にBANされるのはごめんよぉ」

御坂「そんなことよりも!あいつがご飯食べ終わったところでリスタートよ!」

食蜂「……まだ朝の8時前じゃなぁい……この企画本当に終わるのかしらぁ……?」 ピッ

上条『じゃ行ってくるわ。メシとオヤツはいつも通りに』

シスターちゃん『分かったんだよ。お勉強頑張ってくるかも』

上条『ステイルが来たら「ここ何日もお粥しか食べてないんだよ……」って同情を引くんだ、いいなっ?』

シスターちゃん『シスターとして同業者に会った瞬間ペテンをかますのは如何なものかと思うんだよ……』

上条『バカ言うなよ!あいつお前に甘いからマッ○奢ってもえるかもしんねぇじゃねぇか!』

シスターちゃん『おっけーとうま!かうんたーでねばって少ないチャンスをものにするんだから……!』

御坂「いい感じで学園都市カスタマイズドされてるじゃない。主にたくましさ的な意味で」

食蜂「運営に責任押しつけるのもどうかと思うわぁ。その件に関しては無実っぽいわよぉ」

上条『あとメシが足りなかったら一方通行――白い人を探せ!ぶちぶちいいながらなんでも食べさせてくれるレアキャラその二だ!』

御坂「なんだろう。これ、今度会ったらお土産にカップメンでも差し入れようかなって衝動は……」

食蜂「人道的配慮よねぇ」

御坂「てかもう引っ張らなくてよくない?この後って登校して学校だし、そんなに見るようなシーンもないんじゃないの?」

食蜂「まぁ……それも見れば分かると思うわよぉ。誠に遺憾ながら」

御坂「いやいや別にさ、こう10分ぐらいスキップしたって特に代わり映えは」 ピッ

上条『――あぁ何度でも言ってやるぜ、お前は間違ってるってなッ!!!』

御坂「どうしてよっ!?なんでいきなりクライマックスになってんのよっ!たった10分早送りしただけで!』

食蜂「私も初見は椅子から落ちそうになったわぁ」

中二おじさん『そうか……そうか。是非もなし、語る言葉は既に失せた』

中二おじさん『ならば拳で語るも善かろう。周囲全てが敵であるが、卑怯などとは言うまいな』

御坂「……なんだろうな、こうあたしの中の中二心をくすぐる、なんかイベント会場のブースにいそうな格好したおじさんは!」

上条『周り全部が敵?あぁなんだいつも通りってことか』

上条『いつもの通りにぶち殺してやるよ――お前らのそのクソふざけた幻想をな……ッ!!!』

御坂「えっと……うん、食蜂、さん?この動画の画質はですね、基本フォーマットはどのぐらいの大きさなの?」

御坂「B判2サイズ、具体的にはポスターサイズまで引き延ばしても崩れないかなっ?」

食蜂「8Kだから問題ないわよぉ……ちっ、消せって言えば良かったわぁ」

御坂「聞こえてんぞコラ」

食蜂「……まぁ、巻き戻してみましょう。話も繋がらないしぃ」 ピッ

上条『……』

御坂「あ、バスの中――てかこれさっきから気になってんだけど、どうやって撮ってんのよ!?室内ならまだしも、ここまで正確に追尾するっておかしくない?」

食蜂「そういう能力者よぉ。味方にすれば便利よねぇ」

御坂「や、あのさ?その何か困ったら”取り敢えずそういう能力にしとけ!”的な解決法、あんま良くないと思うのよ。強くは言わないけど!」

食蜂「そういうところで点数稼ぎする御坂さんってば、素敵よねぇ」

御坂「あんた達が自由すぎるのよ!フォローするこっちの身にもなって!」

食蜂「貸し借りで言えば、私の人生御坂さんにかぁなぁりぃ貸してると思うんだけどねぇ」

少女『……ちょっと』

上条『はい?』

少女『この人――痴漢ですっ!』 ガシッ

御坂「あ、死刑宣告来た」

上条『ちょっ待ってくれよ!?俺かっ!?なんで俺がっ!?』

少女『降りて下さい!風紀委員の詰め所にまで

上条『違うって!俺じゃないって!位置的に触るのは難しいだろっ!?』

少女『いえあの、そこはそれなんかこう能力で?』

上条『確かに!エロ方面で異能あったら使いたくなるが!』

少女『ほらやっぱり!早く、早く降りて下さい!』 プシューッ

上条『一般論だ!男はみんな基本エロいんだよ!お前のとーちゃんだって満員電車載ったらエロい事考えてるよ!』

御坂「事件じゃない。これもしかして今頃留置場でメソメソ泣いて――はっ、こうしてはいられないわっ!」

食蜂「待ちなさぁい。終わった話だからぁ、てか何しようとしてるのよぉ?」

御坂「弁護士雇って示談に持ち込むわ」

食蜂「信じようとする気ゼロよねぇ。せめて建前上は信じてあげましょうよぉ」

御坂「こういうのって逮捕されたらもうヤバいって聞くんだけど、違うの?」

食蜂「いざって時は黒でも白にするから大丈夫よぉ。それより見なさぁい」

ドウゥゥゥンッ…………!!!

御坂「まさかのバスガス爆発!?」

食蜂「ガスは違う。多分電力よぉ」

上条『な――今の!』

少女『大丈夫、落ち着いて。あなたはもう心配しなくていいのよ』

上条『全っ然大丈夫なんかじゃねぇだろ!警備委員、あぁいや救急車呼ばないと!マッハで!』

少女『だから心配しなくていいって言ってるでしょ、あそこに乗っていたのは全員”人形”なんだから』

上条『人形ぉ?いや待て待てそんなバカな話って』

少女『これだけ大きな衝撃があったのに、また内側から爆発したのに中の人の肉片はおろか血一滴も飛んでこない』

上条『い、いやでも――助け、ないとっ!』

少女『あ、待てよバカ!』

サラリーマン『た、たすけ、て……!』

上条『待ってろ!今車の下から引き摺り出して――』

少女『――よっと』

ポキッ☆

上条『待てやゴラァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!?トドメ刺しやがったな!?まだ息がある人間ギャグ感覚で殺りやがったよコイツ!』

少女『だからよく見ろっつってんのよ。ほら』

サラリーマン『タスケ、ケッケッケッケッケッテ――』

サラリーマン『――筐体損傷率86%、スーサイドシークェンスを起動、カウントダウンを始め――』

少女『ダメ、早く離れて――』

サラリーマン『――よん、さん、ニ、イち……』 カチッ

ドォォオオンッ!!!

少女『うそ……守れなかった、また、わたしは……ッ!』

上条『ふービックリしたー。死ぬかと思ったわー』

少女『』

上条『てかカウントダウンっつってんのに四から始まんのって意味なくね?しかも日本語かよ、英語でいいだろそこ』

少女『なんで、あなた無事……なのよっ!?』

上条『一身上の都合で以下略。どら、行くか』

少女『行くって……どこに?』

上条『よく分かんねぇけど朝っぱらからバス爆発させるクソッタレがいるんだろ。取り敢えずぶん殴って止めないと、な」 

御坂「……」

食蜂「……」

御坂「ねぇ一つ言っていいかな」

食蜂「何よぉ」

御坂「ポッと出のモブのくせにキャラ立ってない?」

食蜂「ツッコむところ違うわぁ。あと人をモブ呼ばわりは良くないと思うのよぉ」

御坂「てかこれでもう8分ぐらい経ってんだけど、あと2分であのシーンに繋がるっておかしくない?無理よね、どんな無理スケジュールのラノベだってないわよね?」

食蜂「最難関のラストダンジョン四行スキップさせる人も居るしぃ、ないわけじゃないんじゃないぃ?」

御坂「……まぁ、見るけども!ここまで来たら逆に気になるし!」

テロップ――『長いので中略しました』

御坂「中略っ!?雑な編集しやがって!」

上条『――あぁ何度でも言ってやるぜ、お前は間違ってるってなッ!!!』

食蜂「立派に繋がったわねぇ」

御坂「おかしいでしょーが!なんで戦ってんのよ、なんでバトってんのよ朝一で!学校に着く前から!」

食蜂「い、いやぁねぇ!確かに編集は変な所でぶった切ってるけどぉ、脚色は一切してないわよぉ!」

少女『……ありがとう。あなたのお陰で”明王の檀”は守られたわ』

少女『それで、ね。よかったら私たちと一緒に――』

上条『あ、すまん!俺そろそろ行かないと!学校始まっちまうし!』

少女『学、校?』

上条『単位足りなくてっつーかもう足りないんだよ!これ以上ヤンチャしたらクラスメイトが先輩になる!』

少女『楽しそうね、それ』

上条『ウルセェよ、超ウルセェよ元凶その一!悪いと思ってんだったらタクシーかなんかで送ってくれよ!』

少女『待ってて。今手配するから』

上条『悪い!金は次のバイト入ったら返すから!』

少女『別にそれぐらいは』

上条『てかお前今何か言ってなかった?』

少女『ううん?大した事じゃ……ない、かな?』

上条『そっか。じゃあいい――あ、そうだ!』

少女『どうしたの?』

上条『”バスが爆発して原因作った魔術師殴って遅れました”って言えば、きっと許してもらえる!』

少女『やっぱ君わたしらと一緒に来なよ』

上条『あ、ごめん。フラグ面倒そうだから聞き流してたわ』

少女『聞いてたんじゃない!』

御坂「……なんか、このやりとり聞くと胸がチクチクするよねー、なんでかなー?」

食蜂「私も同意見だけどぉ、まぁ……無事、学校には着いたみたいよぉ」

御坂「お昼前ぐらいに?」

上条『ま、間に合ったー!』

子供先生『遅いのですよ上条ちゃん!ホームルームはもう始まっているのです!』

御坂「明らかに時系列おかしいわよねぇ!?どんな高速でイベント消化したら一時間足らずの間に終わらせられるのよっ!?」

食蜂「日常茶飯事なんじゃないのぉ?彼にとってみ・れ・ば☆」

御坂「納得行かないわよね!後日、本人呼んでキリキリ問い詰めるわよ!」



――ある空き教室

御坂「つか長い、長いのよ一々!どんだけハプニング連続の日々を送ってるのかとあたしは言いたい!」

食蜂「別にぃ狙ってやってるわけじゃないけどぉ、まぁ、うん」

御坂「いやでも流石に授業中までは、ねぇ?真面目に受けてるようだけどさ」

上条『……』

災誤『――以上により、アメリカは南北戦争終結と共に奴隷制度は廃止された』

災誤『しかし実際の所、人種が平等に扱われるのは100年以上後の公民権運動。キング牧師の時代まで待たなければならなかった訳だな』

災誤『というのもだ。そもそも南北戦争自体、北部の重工業化と南部の大規模農場の対立の解消が目的』

災誤『戦争後にはあれだけ解放に熱心だった政治家が、南部勢力を封じた途端下火になった、という――』

御坂「……何類?」

食蜂「人類だと思うわよぉ。ちょっと失礼よねぇ」

御坂「なんかツッコんだ世界史やってんのね。もっとこう、世界地図の暗記から始まる授業かと思ってたわ」

食蜂「高校でそれはちょっとぉ。私のビジネスパートナーのメル友の地元じゃ『高校に入ってまず習うのが九九』ってぇ」
(※実話です)

御坂「攻めすぎよねっ!今はどうか知らないけど!」

食蜂「ちなみにメル友は『授業中=静かにTRPGのシナリオ書く時間』って思ってたらしいわぁ」
(※実話です)

御坂「もう出て来ないでよ謎の人脈!そんな人でも社会人になれるんだってちょっと希望があるじゃない!」

御坂「い、いやいやいや!なんかこうさ、あいつが自虐ギャグで言うからさ。てっかり授業妨害上等のヤンキー校かと思ってたわ」

食蜂「……まぁ、方向性は違うけど合ってるわよねぇ」

御坂「……はい?」

金髪グラサン スッ

災誤『まぁ気をつけなければいけないのは、これが当時の価値観としては普通だったことだな。勿論現代では許されざることだが』 カキカキ

御坂「なんか……ゴリ――先生が板書してる間に、紙出したわよね。ズームで寄れる?」

食蜂「はぁい」 ピッ

金髪グラサン【第122回!チキチキ!笑ってはいけない授業中in災誤!!!】 パッ

御坂「ダメじゃない!方向性は違うけど学級崩壊してるじゃないの!?」

食蜂「私も初めて見たときは驚愕したわぁ。ドリ○コントのような現実って実在するのねぇ」

金髪グラサン【ルールは簡単!災誤に指されたヤツが試練にチャレンジ!叱られなかったらクリア、次の試練を出すんだ!】

金髪グラサン【しかし災誤にバレたらアウッ!諸君の健闘を祈る!】

御坂「……あ、でもちょっとこのクラスいいな、って思ったのは悪いことなのかな……?」

食蜂「勉強したい子は辛いでしょうけど、楽しそうよねぇ基本」

金髪グラサン【では最初のお題――”はい”を”ゴリ”に変わるっ!】

御坂「ハードル高っっっっっっっっっっか!?最初から跳ばす気ないでしょ!?」

食蜂「踏んだら即爆する地雷よねぇ」

御坂「つーかやめなさいよ!女子に当たったらどうするつもりなのよ!」

災誤『公民権運動の時代になり、アメリカで、初期の女性参政権を得た有名な作家の名前は誰だ?……あーっと、姫神』

普通っぽい子『ゴリ』

御坂「無茶しやがって!?超直球でぶん投げてったわねっなんか見た目普通なのに!」

食蜂「勇者よぉ……勇者が生まれたのよぉ……」

災誤『……ん?お前今』

普通っぽい子『ルイーザ。メイ。オルコットです』

災誤『あぁうん、そうだ、な?彼女自身がモデルになった代表作は?』

普通っぽい子『若草物語です』

災誤『正解。座っていいぞ』

普通っぽい子『……ゴリ』

御坂「押し通した……!どう考えてもアウトっぽいしキャラじゃないのにゴリで押し通したわ……ッ!」

食蜂「やるわねぇ。普通っぽい子なのに」

御坂「普段の行いがいいから?それとも先生から信頼されてるから?」

普通っぽい子【お題:無人島に持っていきたいグッズ】

災誤『アメリカ全土で認められたのが1920年。州によってはもっと早く行われているが、政治体制が違うのは”連邦”制だからな』

災誤『その名残で今も、というか去年あった大統領選挙の仕組みは――次、おいそこの青髪』

青ピ『ぐっさ○!』

災誤『はい、TOKI○は日本人だな。廊下に立ってろ』

御坂「ぐっさ○……?て、誰?」

食蜂「農家をしながらアイドル業をするジャニー○の人よぉ。確かにあの人一人居れば無人島でも楽に生きていけるわぁ」

御坂「説明されても意味分からないわ!どんなアイドルよ!」

金髪グラサン【青ピアウトー、続けて姫神お題プリーズ】 パッ

普通っぽい子『………………あ』

普通っぽい子【語尾に”髪切った?”】 パッ

御坂「キラーパス過ぎる!次の走者を確実に刺しに来てるな!」

食蜂「もうサッカーなんだか野球なんだか分からない例えよねぇ」

上条『それダメなヤツだよ!もう次のヤツ即死決定じゃ――』

災誤『上条、どうした?』

上条『あ……』

御坂「自ら死刑台に乗るのね……!」

食蜂「自己犠牲の精神だったらぁ素敵よねぇ」

上条『いえ別になんでも髪切った?』

御坂「律儀にルール厳守!ただ空気読め!そこまでしてリターンないのに!」

食蜂「まぁ……最初の女の子が頑張った分ねぇ、男子としては引くに引けなくなったチキンレースよぉ」

災誤『はい廊下。青髪と反省してろ』

上条『……ゴリ』

災誤『誰がゴリラだ。俺はちょっと空○先生に似てるだけだバカヤロー』

御坂「充分人外じゃない」

食蜂「出版社が違うのでコメントは差し控えたいと思うわぁ」

災誤『まぁアレだ。この時代の人物は過度に神格化されすぎるきらいがある。しかしその業績に反して清廉潔白とは程遠かったこともある』

災誤『なんにせよ現代の価値観で死人を墓から引き摺り出す行為は恥ずべきことであり――』

金髪グラサン【姫神さんナイスパス!笑ってはいけない授業中優勝!】 パッ

姫神【待って。窓に窓に】

御坂「窓?外の?」

食蜂「廊下側の天窓よぉ」

上条(無表情) スッ

御坂「なんだこれ?どういう世界観なの?つーかどうやってんのよ人の背丈じゃ届かないのに!」

食蜂「多分肩車してるんじゃなぁい。いや、そこまでして笑いを取ろうとする姿勢は……うーん」

上条(無表情) ササッ、ユーラユーラユーラ

御坂「だからどんな世界観よ!?上下に揺れる生首見たらSAN値チェックの対象だし!」

上条(無表情) スッ

御坂「あ、引っ込んだ」

青ピ(怒り) パッ

御坂「だから何がしたいの!?この生首は!?」

食蜂「なんて、なんて息の合ったコンビ芸……!」

御坂「ねぇマジでそう思うんだったら末期よ?流石にあたしの中でも好感度ちょっと下がってるからね?」

金髪グラサン【ドコドコドコドコドコドコ……】 パッ

御坂「伝わらない。ドラムロームをカンペにしたって細かすぎて伝わらないわよ」

青ピ(怒り) スッ

御坂「引っ込んで――と、分かるわよ。どうせこの後もっかい出てくるか、二人で顔並べるんでしょ?」

ウレアパディー(無表情) パッ

金髪グラサン【てってれー!!!】

御坂「なんっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっでだっ!?どっから現われたこのインド人!?」

御坂「なんで校内に!?つーか馬鹿二人のボケに荷担してんの!?意味が、意味が分からないわっ!」

食蜂「まさにインド人もビックリよねぇ」

御坂「どっから来た!?徹頭徹尾意味が分からん!!!」

災誤『――ん、どうした、騒がしいぞ』

御坂「そりゃあね!知らない女の人が授業中に無表情で天窓から覗いてたらホラーだからね!」

委員長?『あー、すいません先生。少し気分が悪いので保健室行ってきていいですか?』

災誤『あぁいいぞ。誰か付き添いは』

委員長?『あ、いえ一人で大丈夫です』 ガラッ

御坂「……まぁ頭も痛くなるわよね。やっぱ真面目な子にとっては邪魔だし――」

バスッバスッバスッ!!!(横隔膜を撃ち抜く音×3)

委員長?『すいません。気分がよくなったので戻って来ました』 ガラガラ

災誤『そ、そうか?いつも悪い、な?』

委員長?『いえ、仕事ですから』

御坂「えーっと……なに、今の?」

食蜂「やっぱり逞しくないと生けていけないってことかしらねぇ。生存競争は過酷だわぁ」

御坂「ま、まぁ投げっぱなしのボケへ対してツッコミが入ったと思えば悪くない、のかなぁ?」

金髪グラサン【優勝――吹寄】 パッ

姫神【いつも土御門君は制裁を免れるよね】 パッ

金髪グラサン【いやぁ、それほどでも】

委員長?【逃がさないわよ】

金髪グラサン『センセー!自分探しの旅に行きたいんですけど!』

災誤『探さなくてもそこにあるから大丈夫だ。座ってろ』

御坂「……なんだろ。こう、先生の手慣れてる感は」



※上条当麻の一日

06:00 起床。ツッコミの練習
06:20 洗濯をしつつインデックスの朝ご飯兼10時のおやつ兼お昼ご飯兼3時のおやつを作る
07:30 朝食。食べ終わってすぐ登校
07:48 魔術師結社の抗争に巻き込まれる
08:22 魔術師結社の抗争をスピード解決する
08:49 ホームルームに滑り込む
08:50 一時限目
09:50 二時限目
10:50 三時限目。”第122回!チキチキ!笑ってはいけない授業中in災誤!!!”で準優勝←今ここ



――ある空き教室

御坂「やー……うん、学校って勉強しに行く、のよね?大喜利の練習するとかじゃなく」

食蜂「まぁ、そうよねぇ。楽しそうでいいわよねぇ」

御坂「なんだろう、うん。あたしの将来設計が多少グラついた感が」

食蜂「不安になるわよねぇ。『ここ入って本当に大丈夫か!?』ってぇ」

御坂「そうよね。先生の質は悪くない、っていうかコント集団にもしっかり授業してる分だけ高評価よね」

御坂「ただもしあたしが教育実習生だったら初日には警察沙汰になってる自信があるわ」

食蜂「……うん。擁護しようにも無理があるよねぇ」

御坂「進級以前に跳ばなきゃいけない最低限のハードルがね」

食蜂「ま、まぁっ!上条さんの進路の話はいいとしてぇ!」

御坂「良くないわよ何言ってんのあんた。このままだとあいつ来年それはもうとてもとても切ないクラス編成に涙するんだからねっ!?」

食蜂「……二浪すれば同級生……」 ボソッ

御坂「――って思ったけども!時には人生にも回り道が必要よねっ!一年二年どうって事ないわよ!」

食蜂「御坂さんが張り切ると意地でも邪魔してやりたくなるわぁ」

御坂「それはそれで進級できるってことだから、まぁいいんじゃないの?」

食蜂「出来なくはないしぃ、やってもいいんだけどお――多分私がしなくたって、あの女がなんとかすると思うわぁ」

御坂「ごめんそれ以上聞きたくない。多分あたしの知らないフラグの話なんでしょ?」

食蜂「しかし多大な労力遣って観察してるのにぃ、イマイチ実りがないわよねぇ」

御坂「あたし的には奇妙な一日の既に午前中段階でお腹いっぱいなんだけど……」

食蜂「こう、好きな女の子タイプ、みたいなっ?そういうのは知りたくなぁい?」

御坂「いや別にそういう考えはないけど好きになったら好きになったのタイプっていうかあんまこう外野がとやかく言うよりも最終的にはあたしのところへきてほしいっていうかまぁまぁそこら辺はある種の諦念というか諦観みたいなみたいな感じでまぁとにかく何が言いたいかと言えば同意しないでもないわね……ッ!!!」

食蜂「ブレス入れないで一気に喋るとプロの声優さんみたいよぉ?感情隠すの下手にも程があるわぁ」

御坂「いやそういうの知っちゃってもなぁ……ほら、全然違うタイプだったら、分かるでしょ?」

食蜂「……ねぇ想像してみて御坂さぁん」

御坂「な、なによ!」

食蜂「もし彼が『12歳児以上は女と認めない!』ってポリシーの人だったらどうするかしらぁ?」

御坂「あいつを殺してあたしも死ぬわ」

食蜂「重いわぁ!ま、まぁちょっと賛同しないでもないけどぉ、責任の取り方がオーバーキルよねえぇっ!?ゲッツーだしぃ!」

御坂「タイミングさえ合えば次に生まれ変わったとき幼馴染みか妹に収って、スタートダッシュでライバルに差をつけられると思うのよ」

食蜂「……あぁ転生先までしっかりとついてく気満々なのねぇ。一途って言うか、怖い」

御坂「中世ヨーロッパ設定なのに取り敢えず誰でも助ける意識高い系村人に生まれて、エロいことしか考えてないテンプレ悪人領主に目をつけられてね」

食蜂「主人公のカブ上げ用討伐前提の俺TUEEEEEEEEEEEEEEEE!!!要員に飛び火させるのやめなさぁい!生まれてこなければなんてぇ言っちゃダメよぉ!」

御坂「いやでも実際のヨーロッパはアレよね、第二次世界大戦終わって、収容所から命からがら故郷へ帰って来た人達が見たのは、家も財産も隣人に盗られてたって」

食蜂「そうだけどぉ!そういう話が多くてイスラエル建国したんだけどぉ!」

御坂「そもそもの話、あたしだったら友達やその家族が連行されそうになったら、国に掛け合って止めるし意地でも匿うんだけどそういう発想はなかったの?」

食蜂「誰でも一回はその考えに行き着くんだけど、あえて考えないようしているんだからぁ。あまり掘り下げないで!」

食蜂「てゆうか最近は幼馴染みの負けフラグだしぃ!そこはまぁ……パドック的には好位置だから、思い留まって、ねっ?」

御坂「もしくは、こう、アレよ。あいつの彼女とも仲良くなって、恋人にはなれないまでも友達&彼女のポジで長く付き合いをね」

食蜂「ストーカー。うんそれ、もうタチの悪いストーカー」

御坂「そうして夫婦のすれ違いが続いたとき、この時ばかりとあたしが牙を剥く……ッ!!!」

食蜂「御坂さぁん。ヒロインが絶対にやっちゃいけないわっっっっるい顔してわよぉ?」

御坂「え?でも黒子も『その路線でしたらいつまでも追いかけ続けられますわよ、えぇもう確実に!』って」

食蜂「白井さんと書いてヘンタイと読む、ファンの業が深すぎるわぁ。同じ路線で攻められてるのに気づきなさいよぉ」

御坂「夢を、諦めない……ッ!」

食蜂「マジで警告するけど白井さんのポジティブさが伝染してないかしらぁ?本当だったらスッゴくいい言葉なのに、本当だったら」

食蜂「上条さんのラスボスは統括理助長in the ビーカーでも、髪妖怪けうけげんでもなくて身近にいたのねぇ。こういう時に能力が通じないってタチ悪いわぁ」

御坂「最悪有志連合を立ち上げて、外人クランと全面戦争も辞さないわ!」

食蜂「それ、うん、オチがもう内ゲバからの同士討ちだって読めてるわぁ。まぁ一応ユニオン組むんだったらぁ、参加しないでもないけどぉ」

ピーンポーパーンポーン

食蜂「あ、やっとお昼になったみたいねぇ。ほ、ほら御坂さん、正気に戻ってVの続きを見ましょうよぉ!」

御坂「お昼休み……購買!一度見てみたかったのよ授業終わってからの猛ダッシュ!」

食蜂「発想がつくづくガキ大将よねぇ」

御坂「あんたは買いに行かせる根暗タイプ」

食蜂「根暗いるぅ?そりゃ自分で行くようなはしたない真似はしませんけどぉ!?」

御坂「斬新なヒロイン像よね……て、あれ?」

食蜂「あからさまに上から目線ムカつくんですけどぉ!て、どうしたのよぉ?」

御坂「あのこれ、走ってないんだけど」

上条『……あーしんどい。まさかあそこで1ゾロが出るとは』

御坂「あたしが雑談してる間になんかやってたっ!?普通に授業受けてただけに見えたのに!?」

食蜂「巻き戻して確認しようにも、ノートの切れ端でテーブルトークRPGやってるのまでは分からないわぁ」

普通っぽい子『上条君がスカウト職に就いてる時点で。爆発アフロオチは決まってた。ような気がしないでもない』

上条『おかしいだろっあの洞窟!?なんでゴブリン退治に行ったのにホブゴブリン出てくるんだっ!?』

委員長?『お約束だと思うんだが……購買走らなくていいの?』

上条『今日は余裕もあったし、冷蔵庫の残り物つめて弁当作ってきたんだ。一緒に食おうぜ』

普通っぽい子『それじゃ机。合体』 コン

委員長?『じゃこっちも。上条って料理得意なんだっけ?』 コンッ

上条『そこそこ家事はしてる方。まぁ別に学生ばっかのこの街じゃ珍しくなくね?』

委員長?『でもないんじゃない?大きい寮ではしてくれるんだって』

普通っぽい子『それ都市伝説。上の学校ほどより厳しい。らしい』

上条『繚乱でメイド量産してる割には一般への普及率が低い……くっ!あいつら隠れて囲ってやがるんだぜ!』

委員長?『普通に就職してるだけだろ』

普通っぽい子『そう?アーケードでビラ配ってたよ』

上条『あぁなんか俺も見たわそれ。蜜蜂色の毒々しい謎メイド』

委員長?『ニセモノでしょ。二人とも近寄らないで正解よ』

上条『誰が好き好んで地雷に近寄るかっ!?……じゃいただきます』

普通っぽい子・委員長?『いただきます――っておぉ!』

上条『何よ。俺の弁当見て――はっ!?狙ってる!?』

委員長?『いないいない。戦後でもない限り人様のお弁当狙うのはいない、はず』

普通っぽい子『上条君のとまらない女子力にジェラシー』

上条『女子力って。これただの作りおきを朝簡単にアレンジしただけだぜ?』

委員長?『その発想がもうね、女子……女子も違うわよね。主夫力かな』

上条『――俺、異世界転生したらメシの力で勇者になるっ!』

普通っぽい子『もうある。その日常四コマやメシ関係でKADOKAW○が好きそうな』

上条『作りおきメニューってそんなに珍しいか?鶏そぼろはまとめて塩コショウで味付けしちまうし、粗熱取って冷凍するだけだぜ?』

上条『市販の本だったら書店行けば幾らでもあるし、無料でレシピ載っけてるサイトだってよくあるじゃんか』

普通っぽい子『なんの。私のお弁当をみてほしい』 スッ

委員長?『うわキレイ!あ、でもなんかバラン多いわね』

上条『てかこれ冷凍食品の詰め合わせ』

普通っぽい子『これで”手料理”だと自分に嘘ついてる子に謝ってほしい……!』 ゴゴゴゴゴッ

委員長?『なんで?』

上条『ごめんなさい』

委員長?『だからなんで謝るの?気分を害したから?』

上条『いや、だからな?俺は食費がアレでアレな理由があるからであって、mustの事情がなければしない、と思う』

上条『財布を持てばすぐに底が抜けカードを作ればその場でスキミングされる体質だし、俺は?』 ドヤァ

委員長?『どうしてドヤ顔できるの?そんな悲しい事実を暴露してるだけなのに』

上条『だから大丈夫!料理出来ない系の女子も需要あるって!』

普通っぽい子『慰めてくれてありがとう。しかしその言葉は慰めにはなっていない』

上条『俺は言いたい!よくある残念日常系四コマに出てくる子は普通に可愛くアリ――』

女子A『あ、あのっ上条君!』

上条『だ、と?はい?』

女子A『これ、わたしの作ったおかずなんだけど、良かったら食べてみてくれないかなっ!』

普通っぽい子・委員長?『……』

ピッ

御坂「――ごめん、ちょっと用事思い出したから」 ビリッ

食蜂「座りなさぁい。あなたの考えてるようにはならないから、帯電しないでぇ」

御坂「フラグじゃない!誰がどう見たって立派なフラグじゃない!スルーできない系の!」

食蜂「まぁうん、そうなんだけどぉ、そうじゃないのよぉ。誠に遺憾ではあるんだけど」 ピッ

上条『おぉありがとう。いただきます』 モグモグ

女子A『ど、どう?』

上条『――味が濃い』

女子A『……えっ?』

上条『この筑前煮さ、具材の色が変わるのイヤで薄口醤油使ってんだよな?』

女子A『そ、そうだけど。よく分かった、ね?主旨分かってないのに』

上条『あれ薄いから勘違いしやすいんだけど、実は濃口醤油よりも塩分高めなんだよ。だからもうちょっと注意した方がいい、ってのがまず一つ』

上条『次に鶏肉が皮付きのまま入ってるんで、皮から余分な油が出て全体的に油分が多くなってる』

上条『そこは個人の好みだからまぁいいんだけど、他の具材にまで匂いが移ってダメって人もいるし、まず最初に塩か皮目を下にして軽い炙るだけでいい』

上条『全体的には切り方もきちんとメンドリしてあるし、ささがきもよく均一になってる――トータル82点ってとこかな?』

女子A『あ、ありがとう……?』

女子B『上条くん、これも食べてっ!』

上条『ありがとう。もらうな』 モグモグ

女子B『えーっと?』

上条『ぶりの照り煮……うん、中々美味しい』

上条『問題なのはちょっと味に深みがないこと、かな?調味料はみりんと醤油、あとショウガだけだよな?』

上条『隠し味に和風だし……じゃねえな。白湯系の鶏ガラスープの素?』

女子B『当たってる……!』

上条『照り煮には地域によってはカラメル入れるところもあるし、砂糖もしくは蜂蜜入れてるともっと美味しくなると思うぜ?』

女子B『甘くすんの!?』

上条『まぁ甘塩っぱい程度で。基本はマッ○の照り焼き味を家で出せれば主婦として一人前、あれ難しいんだわ意外と』

上条『とはいえ煮崩れしない程度に火を抑えてあるし、煮汁が出てもいいようにキッチンペーパーをさりげなく敷いてある!84点!』

女子B『あ、はい』

女子C『上条、これも食えよ!』

上条『おぉサンキューかかってこいや!』 モグモグ

女子C『かーちゃん直伝のいなり寿司だ!文句ねーだろボケが!』

上条『寿司酢が、キツい』

女子C『何言ってんだてめー。寿司に酢使わないってありえねーだろうが!』

上条『いや多分お前がかーちゃんの教えを正確に守ってないだけだと思うわ。砂糖入れるように言われなかったか?』

女子C『あー……なんか苦手でさ。甘いのっと酸っぱいのって、ほら、ミスマッチじゃん?』

上条『だからって濃い酢飯だけも良くはない。だったら柚子かカボス、どっちもなければミカン絞った汁入れてみ?』

女子C『えー、酢に入れんのかよ?』

上条『穀物酢や果実酢だってあるだろ。あーっと、バルサミコって聞いたことないか?』

女子C『あぁバルサミコの入った酢な!』

上条『ちっげーよ。ブドウの酢だよ。あれあんだから香りの強い甘い酢だってアリだって話だよ』

女子C『……』

上条『なんだよ?』

女子C『酢なのに素だって……ぷっ』

上条『はーいトータル70点!お前はかーちゃんによく聞いてから出直してきやがれ!』

女子D『――ふっ、真打ち登場ね、上条!この豚モヤシ炒めを食べるといいわっ!』

上条『あっはい、いただきます』 モグモグ

女子D『べ、べつにあんたのために作ったんじゃないんだからねっ!?』

上条『当たり前だよ。なんで自分の弁当に「これ、上条君に食べてもらうんだっ♪ 」って入れてくんだよ』

普通っぽい子『いるかもしれない。こともないかもしれない』

委員長?『どっちよ』

上条『んー……60点ぐらい?』

女子D『採点厳しっ!?』

上条『肉炒めてからモヤシ入れてんだろうが食感が悪い。少し火を通しすぎたな』

女子D『モヤシは足早いしちゃんと火を通すんじゃなかったの!?』

上条『それは正論、ただよーく考えてみろ。売ってる弁当や総菜にモヤシって入ってたか?』

女子D『……あんまりない、かな?』

上条『冬場だから今はいいけどモヤシは水分多いから足早いんだよ。だからってよーく火を通せばシャキシャキ感が損なわれるし』

上条『大体クタクタになるまで茹でて和え物、焼いて中華やきそば、ぐらいか』

女子D『そ、そうねっ。その通りかもしれないわねっ!』

委員長?『まぁ、引くよね普通は』

上条『だがそういうお悩みズバッと解決!実はモヤシは事前に塩を軽くかけておくと火が通りやすくなる……ッ!』

上条『しかも塩だから何かと傷みやすい夏場の食中毒予防にもまぁならない訳じゃない!気休め程度だが!』

上条『でも買ってきたモヤシはその日か次の日には使い切ろうぜ!殆ど水分だから悪くなりやすいんだアレ!』

普通っぽい子『うんまぁ。そんな感じだし。ガンバ』

女子D『アホ相手には通じない……!』

青ピ『きいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!あのエロガッパどこでもいつでもハーレム形成しやってからに!』

金髪グラサン『否定はできないにゃー。でもあれがモテてるかっていえば、微妙に違う気もするぜぃ』

青ピ『……なぁ土御門。どうしてこの日本じゃあモテるやつから殺していいって法律がないですのん?』

金髪グラサン『それやったら顔のいい順に死人が続出するから、だな。ただただ不毛だにゃー』

青ピ『モテる……モテるっつーのも何かちゃうし、なんつーか……料理の先生?おかん?』

金髪グラサン『高校生の青春とは何か?を考えさせられる、健全な姿だぜぃ』

青ピ『納得いくかいな!?つーか誰かツッコんで来ぃやマジで!?』

ウレアパディー『――任された』

青ピ『だからあんた誰よっ!?さっきも居たけどまぁ取り敢えず結婚して下さいっ!!!』

金髪グラサン『おいお前もう出オチなんだから帰れよ』

ピッ

御坂「……ねぇ」

食蜂「や、大体あたしの感想もあなたと同じだと思うわぁ」

御坂「女子Dとあたしのキャラカブってる」

食蜂「違ってたわぁ。かぁなり斜め上に吹っ飛んでる発想よねぇ」

御坂「つーか何者よあんっっっのインド人女っ!?出るトコ出てるのにウエストきゅってしまっててスタイル抜群ってどういうことよっ!?」

食蜂「なんで真冬のに日本でジプシー服?よねぇ」

食蜂「でもテンドンのお約束に習うんだったらもう一回は出てくるしぃ、注意した方がいいわよぉ」

御坂「あーもう頭痛いわー。今日一番疲れたわー」

食蜂「鈍感力もあそこまで行くと、もう安心したらいいのか、自分たちの番を考えたくもないわねぇ」

御坂「女の敵って意味じゃオシオキしたくはあるけどね。下手に意味伝えるのも……あー、ムシャクシャするわねっ!」

食蜂「御坂さんファイッ!一日もやっと折り返し地点に来てるわよぉっ!」

御坂「長いなこの一日!編集してんのに体感じゃ数週間やってる感じよねっ!」



――ある空き教室

御坂「つーかさ、そろそろ下校時間に差し掛かろうって話になんだけど、切り上げてもいいんじゃないの?もしくは河岸変えるとか」

食蜂「私たち仲良くしてたらぁ、公家が動かないかしらぁ?」

御坂「公安な?公家が来てzip寄越せって言われたら取り敢えず通報するわぁ」

食蜂「ごくごく一部の風紀委員は動くわよねぇ?」

御坂「黒子は……職権濫用しない、っては言い切れないところが辛いわよねっ!ないとは言いがたい!」

食蜂「あの子に関してはぁ、御坂さんが次々トラブル巻き込まれるから仕方がない面もあるでしょお?」

御坂「仕事に関しては真面目だし、尊敬できるのよ。そこに関しては、関してだけは」

食蜂「ま、まぁ白井さんのプライベートは御坂さんにお任せするとしてぇ、場所変えるって言われてもねぇ」

御坂「インディアンポーカーん時のカフェは――ってこの時間だと終わってるか」

食蜂「夕方からは店内で食事とアルコールを出すお店になるのよぉ……ってなに?」

御坂「……マジで、あんた幾つなの?」

食蜂「ちょっとおぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!?言うに事欠いて素で聞かなくたっていいわよねぇ!?」

御坂「プラス3、ぐらい?いやでもそれだと異常発達した理由にはならない……!」

食蜂「人の外見的特徴を貶すの良くないと思うんですけどぉー?」

御坂「実は『心理掌握』の真の能力は周囲からの認識を阻害するものであり、真の姿を隠している……あり得る!」

食蜂「もうこれ以上ないってぐらい能力の無駄遣いよねぇ。いないとは言わないけどぉ」

御坂「寮の門限もあるしあんま遊んでられないのよ。つーか動画頂戴よ!zipで!」

食蜂「公家になってるわよぉ。主旨を思い出してぇ」

御坂「主旨?あぁなんか一人じゃ抱えきれないほどの変則イベントだっけ?もう充分見たでしょ」

御坂「あとは放課後か夕方だし、大したイベントもないんじゃないの?」

食蜂「まぁ……やっぱり場所変えましょうかぁ。御坂さんの行きつけのファミレスでいいわよぉ」

御坂「あたしが嫌なんだけど」

食蜂「立場を!一応あなた頼む立場なんだからぁ、もっと下っぽくしなさいよぉ!」

御坂「『心理掌握』使われた友達に会うかもしれないところへ連れてけ、と?」

食蜂「大丈夫よぉ。あの時は緊急事態で、あれ以降は何もしてないからぁ」

御坂「まぁ……うん、あんなの見せられたら、必死になるのも分からないでもないけど」

御坂「――ただ正直、ちょろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっとムカついてんのよね」

食蜂「な、なにかしらぁ御坂さぁん?顔がいつもに増して怖いわよぉ」

御坂「……まぁいいわ。今日の所は動画に免じて不問にしといてあげる!」

食蜂「今サラッと”お友達<動画”ってぇ非情力な選択しなかったぁ?」



――路上 夕方

御坂「どこか適当なとこ、って言われてもなぁ。門限あるし、かといって寮まで行くのは嫌……に、決まってるわよね」

食蜂「何度言うけどぉ、立場的に厳しいのよぉ。痛くもないお腹とか探られたくはないでしょお?」

御坂「……」

食蜂「なぁにぃ?人を顔をじっと見ちゃってぇ」

御坂「あぁいや、あのね、落ち着いて聞いてね?」

御坂「これはあくまでも客観的な視点であってさ、あたしの個人的な見解ではなくどこまでいってもただの事実なんだけどね」

食蜂「超前置くわねぇ。言うだけ言ってみなさいよぉ」

御坂「『会話を試みたらきちんとした言葉が返ってくるレベル5』――っていう点じゃ、あんたってばかなりまともな方、よね?」

食蜂「何言っても何聞いてもウゼェ』一択の第一位、ちょっと前までは発火点が何度か分からない地雷脳の第二位」

食蜂「なんかこう、生きとし生けるもの全てを破壊したい邪神が封じられてんじゃないかってぐらいの第四位。と、中二発症中の第六位」

食蜂「最後に『お前強そうだな!よーし俺とケンカしようぜ!』、が、大覇星祭の控え室開けたときの第一声だった第七位」

御坂「最後のなんだ。ジャン○にありがちな主人公か」

食蜂「よく分からないけどぉ、スタッフの男子生徒にケンカ売ってたわよぉ?たまたまそこへ入っちゃったみたいで」

御坂「説明されても意味が分からないわ……!」

食蜂「……と、まぁ私たち相対的に良い子ちゃんよねぇ。いやマジでぇ」

御坂「学園都市も序列に”人格”って項目は作らなかったのかしら……?」

食蜂「そんなんで序列つけてたら、上位狩りが激しくなるだけでしょお?」

御坂「そっか――って納得する自分も嫌よねっ!」

食蜂「まぁ自己批判はそのぐらいにしてぇ、どこか入るのぉ?寒いし目立つし早くしましょお?」

御坂「そうね。それじゃちょっといい感じのファミレスに行ってみようかな」

食蜂「いい感じの?」

御坂「うん、雰囲気がね。一回入ってみたいって思ってたのよ」

カランコロンッ

店員「いらっしゃいませー!お二人様ですかー、お好きな席へお進み下さーい!」

食蜂「確かに内装ファンシー……でも、ちょっとお客さん少なくなぁい?」

御坂「隙間だからじゃない?夕飯食べるには早いし、オヤツには遅――』

麦野『――だからダメだって言ってんだろうがこのクソがっ!!!』 ドォンッ

フレンダ『言ったじゃない!?だからあたし言った訳だし!』

麦野『聞いてねぇっつってんだろ!?少なくとも!私は!初耳だっつーの!』

フレンダ『いーや言った訳!超言った訳!乗り込む前にワンクッション入れるためにも注意した訳だし!』

麦野『乗り込む?いつよ?』

フレンダ『一昨日の話って訳!だからあたし――』

麦野『……昨日の話なんだけど――あぁもう殺すか』

フレンダ『短気イクナイ!もっと審議しましょう麦野んなかの天使さんと悪魔さんっ!』

麦野『満場一致で「もういいんじゃね?」って言ってる』

フレンダ『騙されちゃダメよ麦野!それは天使じゃなくてデュアルデビルシフトだからっ!』

絹旗『あのー、フレンダ?デュエルは決闘であって、デュアルが超二重って意味で』

フレンダ『言った!あたしデュエルって言った訳!』

滝壺『まぁ……むぎの的にはデュアルも間違いじゃない……』

麦野『という訳で、おいでーフレンダー?そんなに痛くしないから、ねっ?』

フレンダ『嘘よっ!その顔はどっかのアホと一緒にあたしを巻き込もうとした顔に――』

御坂・食蜂『……』

店員「あの、お客様?」

御坂「――はっ!?えっと、何?」

店員「お席の方決まりましたら、どうかそちらへ行かれ――」

御坂「じゃ、ないっ!なんで平然と応対してんのよっ!?」

店員「まぁ、いつものことですし?」

食蜂「……ごめんなさぁい。急用が出来たから、私たち帰るわねぇ」 コソッ

御坂「……ま、見つかったら絡まれそうだしね」 コソコソッ



――路上

御坂「あー時間帯の割に人が居なかったのはこういうトラップかー。もう行けない、つーか近寄りたくもないわー」

食蜂「微妙にパラレルかお盆っぽくなってるけどぉ、ま、そこは掘り下げないとしてぇ。離れましょうよぉ、ここから」

御坂「あんた、あの女とも因縁あんの?」

食蜂「”とも”ってのが納得しかねるけどぉ、直接会ったことはほぼないわよぉ?顔ぐらいは知ってるでしょうけどぉ」

御坂「んじゃ別に隠れなくたって」

食蜂「なんかこう、『一応潰しとっかぁ』とか言いながらレーザー撃ってきそうじゃなぁい?」

御坂「アレか、あたしらは対人類殲滅兵器か人型地雷かなんかと戦ってんのか」

食蜂「人間同士ですら共存できないんだから、種族が違えばアウトよねぇ」

御坂「いやでも次元の壁なんか越えられるって意見が。特に日本の一部の業界ではまことしやかに囁かれて」

食蜂「二次元規制しようとしてた元ユニセフのお偉いさんが途上国で児童買春してるのよぉ?国境と性癖に見境のない医師団の人もぉ」
(※実話です)

食蜂「何が言いたいかって、結果的には三次元しかダメだったんでしょお」

御坂「死ねばいいと思うわ。そいつら全員まとめて」

食蜂「というか”まことしやか”の時点で嘘だしねぇ。で、これからどうする訳ぇ?私だってヒマじゃないん・だ・ゾ☆」 キラッ

御坂「今日は解散したっていいんだけど、結構問題のシーンがあんのよね?」

食蜂「そうねぇ、実は御坂さんに見て欲しいシーンはこれからなのよねぇ」

御坂「そうねー。どうしよっか」

打ち止め「そうなの?だったらコンビニでファミキ○店員さんにヤキトリを注文するミッションをオススメですよ、ってミサカはミサカは言ってみたり!」

打ち止め「イートインコーナーでWi-Fi目当てに居座れ!ってミサカはミサカはネタにしてみるの!」

御坂「また出たな新型がっ!?プランは終わったんじゃなかったの!?」

食蜂「あ、あらぁ……?御坂さんか二人ぃぃぃ!?どっちが本物か分からないわぁ!」

御坂「おいテメー何が言いたい」

食蜂「平たい胸族が二人になって本物はどっち――ってギブギブ!すぐ暴力で締め上げるのはよくないわよぉ!」 ペシペシ

御坂「この子よりはあるわいっ!……よね?」

食蜂「そこは文字通り胸を張りなさいよぉ中学生。どことは言わないけどぉ年末に爆弾投下されたんだからぁ、検証は可能よぉ」

打ち止め「小さい胸には未来と希望が詰まっているのだ!ってミサカはミサカは近所に生息するオークさんの名言を言ってみる!」

御坂「通報しなさい。もしくは保護者にすぐ相談」

一方通行「――おイ」

御坂「げっ」

食蜂「あらぁ」

打ち止め「ねーねー、焼き鳥買ってねーってばねーっ!」

一方通行「キャラ忘れてンぞ。語尾つけろ語尾」

御坂「……どうも」

一方通行「あァ?あー……」

御坂「……待てやコラ。あんた覚えてないとか言わないでしょうねっ!?」

一方通行「いやァ憶えてる憶えてる。憶えてっけど、今ちょっとあれがあれしてあれだから、うン」

食蜂「……おっさん臭い第一位。見たくなかったわぁ……」

一方通行「えっと……あァはいはい、あの人な、あの人。水曜どうでしょ○のジャングルで」

御坂「なんでよ!?あの番組基本女の人出てないでしょっ!?」

一方通行「あーじゃアあれだわ。水曜どうでしょ○のユーコン川を」

御坂「ユーコンのヨ○さん出てるけども離れなさい!水曜どうでしょ○で検索したってあたしの名前は出て来ないんだから!」

一方通行「じゃアそういうことで」 ダッ

打ち止め「それじゃーまたねーおねーさま!ってミサカはミサカはバイバイするの!」

御坂「あっうん、ばいばい?ね?」

食蜂「情操教育に悪いことこの上ないわよねぇ。あ、もしかしてしてる方なのかしらぁ?」

御坂「待ちなさいよ!この流れだとレベル5全員登場する流れだな!?」



※上条当麻の一日

06:00 起床。ツッコミの練習
06:20 洗濯をしつつインデックスの朝ご飯兼10時のおやつ兼お昼ご飯兼3時のおやつを作る
07:30 朝食。食べ終わってすぐ登校
07:48 魔術師結社の抗争に巻き込まれる
08:22 魔術師結社の抗争をスピード解決する
08:49 ホームルームに滑り込む
08:50 一時限目
09:50 二時限目
10:50 三時限目。”第122回!チキチキ!笑ってはいけない授業中in災誤!!!”で準優勝
11:50 四時限目
12:40 昼休み。試食大会←今ここ



――いつものファミレス

御坂「いや危なかったわー。あれがあーしてあーしなかったらレベル5全員集合だったわー」

御坂「まさか白いカブトムシがキーアイテムだったとはねー。近所のイオ○のキッズコーナーでやたら見かけるのは、そういうことだったかー」

食蜂「ありもしない事実を捏造力するのはやめなさぁい。白いカブトムシの異常発生と生態には疑問が残るけど、そんな冒険してなかっだしょお?」

御坂「いいのよ!こうやって『端折ったけど実は何かありましたよ!』感を出しておけば、後から全員揃ってキャー大変的な惨事は避けられるんだから!」

食蜂「予防線張っとくのねぇ。姑息で素敵だけどぉ、そんな対策が通じるほど常識的な相手じゃないとの思うのぉ」

御坂「広い学園でこの遭遇率……!うち大半は偽物含めて誰かと顔見知りか友達の友達だし!」

食蜂「コミュ力は悪くないのにぃ、結果巻き込まれるトラブルで収支は差し引き大幅にマイナスよねぇ」

御坂「なんであたし以外は大概なのよ!」

食蜂「サラッとDisらないでぇ。私から見れば人のことは言えないわよぉ」

食蜂「てゆうかここでよかったのぉ?お友達と集まる場所にお呼ばれちゃっていいのかしらぁ?」

御坂「仕方がないでしょ。緊急避難的にここしか知らないし、適当にそこら辺のお店入ったとしても出くわす予感しかしないのよ!」

食蜂「たまーにあるわよねぇ。神様が仕組んでじゃないかってぇいうぐらい、ツいてる日」

御坂「そして仮にここが戦場になったとしても、悪いからの序列一位二位とは遭遇済みだし、最悪の展開は避けられると思うのよ」

食蜂「打算力よねぇ。確かにあの二人は常時バステ武器装備してんじゃないかってぐらい、アレな逸話の数々を」

食蜂「でも第一位も第四位も、大分円くなったって聞いたんだけどぉ……」

御坂「そうね……あぁ二人とも、道でバッタリ出くわしても、取り敢えず攻撃してこない程度には落ち着いた、らしいわよ?」

食蜂「……本当に行動は慎もうと思うわよねぇ。他人の振り見てナントカ力って」

御坂「あぁ第二位はかなり変わって、最近だと小学生女児の鞄のストラップにね」

食蜂「方向性が超変わったわよねぇ!?危険性じゃ前よりも如何なものかと思うのよぉ!」

御坂「困るわよね。一部の非常識な人のせいで色々な人に迷惑がかかるって」

食蜂「そうよねぇ。人ごとのようなツラしてる人もぉ、実は路上で電撃とか超電磁砲撃ったってぇ目撃情報があるんだけどねぇ」

御坂「た、他人のそら似じゃないかな?世の中には似てる人が1万人弱いるっていうし」

食蜂「あの子達のためにこれぽっちも自重するどころか罪状を押しつけるのは、流石にどうよぉ……?」

御坂「いいのよあれはっ!ギャグなんだからノーカンっ!」

食蜂「私もぉ大概だけどねえ、あなたも万が一照準ズレたら大惨事だから注意しなさいよぉ?」

御坂「あんたに心配されると気持ち悪いわね」

食蜂「ここの運営ならまず間違いなく、一番近くに居たうだつの上がらなさそうな一般人(無能力者)に全責任なすりつけるわよぉ?」

御坂「ごめんマジ反省するわ。今日からメッチャ注意するわ」

食蜂「本当に世話が焼けるわぁ……で?」

御坂「あぁ今日はあたしのオゴリだから」

食蜂「それは地味に嬉しいけどぉ、そうじゃなくてねぇ」

御坂「あ、ファミレスじゃ気になる?個室……だったらカラオケかビジネスホテルかなぁ」

食蜂「いやそれも別にV見ながらツッコもうって企画だからいいんだけどぉ――アレどうするのぉって」

御坂「アレ?なんのこと?」

食蜂「しむ○ー、うしろうしろぉ↓」

御坂「うしろ↓?」

佐天(後ろの席)「『あ、こちらスネーク潜伏を続けております。依然ターゲットには気づかれておりません』」

佐天(後ろの席)「『どうやら二人の密会はまだ続いてるようですドーゾ』」

御坂「……えぇーっと」

佐天(後ろの席)「『てゆうか目が合いました−、ターゲットMとバッチリ目が合ってしまいましたー』」

佐天(後ろの席)「『至急応援を要請しま――”バカめ”!?ちょっと初春バカめってなに、バカめって!?』」

御坂「おいそこのスネークごっこしてる柵中のヘリ空母いず○。怒んないから出て来なさい」

佐天「いず○はまごう事なき護衛艦なんですが……」

御坂「細かいことはいいのよ!他人のフリするんだったら薄い本に出てくるようなエロい目に遭わせるわよ――こいつが!」

食蜂「人の能力にケチつけるでくれるぅ?しないわよぉ」

御坂「もしくは薄い本で……なのに話題にもならないとか!」

佐天「すいません御坂さん、なんかまたあたし全部持ってったみたいで」

佐天「ですが個人的にはそろそろ神様も激おこしてもいいんじゃねぇかなって思わなくも次第でございます、えぇはい」

食蜂「あなた達はいいでしょうお?『ピンナップのお仕事ですから』って呼ばれてみれば、公式エ×コラ用って汚れ仕事もしてるんだからぁ」

佐天「定期的にはっちゃけますよね電○文庫。前もパンツ関係で数回あったって聞きますし」

御坂「てか25周年の集合写真持っていったじゃない!あたし呼ばれてすらいないんだからね!」

佐天「25年の中で約14年以上一線で戦っている立場としちゃ、どうなんだ的な感じではあるんですが……」

食蜂「あれもねぇ。実は他の子のグラビアと見比べてみたのよ、集合写真的なをね」

食蜂「そうしたら案の定同じ剥ぎコ×ポーズの子がチラホラいて、あぁこれ組織的な使い回しなのねぇって」

御坂「出版社の闇が深すぎる――」

御坂「んなこたぁいいのよ!てか佐天さんなんでここにいるのっ!?」

佐天「……」

御坂「……佐天さん?」

佐天「うっわスッゲーお嬢様がいるっ!なんかキラキラしてキラキラしてるっ!?」

食蜂「ど、どうもぉ……?」

御坂「あたしは?ねぇあたしも同窓なんですけど?」

佐天「見て下さいよっ御坂さん!白い手袋にガーターベルト!この格好で電車乗ったら痴×してくるっていってるようなもんじゃないですかっ!?」

食蜂「言ってない。超言ってないわぁ」

御坂「どんなヘンタイであっても、あからさまに猛毒が透けて見えるようなルアーには飛びつかないと思うわ」

佐天「てか……あー、あれ?なんで大人なのに常盤台の制服を着てるんですか?」

食蜂「通ってるからですけどぉ!紛れもなくぅ!」

御坂「世間様ってのは、まぁこういう反応が一般的なのよね」



――いつものファミレス

佐天「改めましてこんにちは。御坂さんのお友達やらせてもらっています、佐天涙子と申します」

食蜂「いたのねぇ御坂さんにもぉ……イマジナリーじゃないフレンドが」

御坂「表出ろ?壁がなきゃあたしの完勝だって思い知らせてやるから」

食蜂「じょ、ジョークじゃない!えっと、食蜂操折でぇす。御坂さんと同じ二年生だからよろしくねぇ」

佐天「あ、そうなんですか?やっだなぁもう御坂さん、こんな素敵な友達いるんじゃないですか!」

御坂・食蜂「いや友達だとは一言も……」

佐天「あたしも心配してたんですよねー。同級生のお友達が誰もいなくて、休み時間は机に突っ伏して寝たふりをし、お昼休みは部室へゴー」

佐天「『班を作ってください』って言われると、死刑宣告喰らったみたいな顔してんじゃねぇかと、それはもう心配で心配で」

御坂「あれかな?佐天さんはぶぶ漬け的意味での高度な情報戦を仕掛けてきてるのかな?」

食蜂「ほぼ初対面だけどぉこの子にそんな腹芸が出来る訳ないわぁ」

佐天「悪い子じゃないんで仲良くしてやってください。照れてるだけですから、ねっ?」

御坂「どの目線?佐天さんはどの立場からあたしをヨロシク的な事を言ってるの?」

佐天「御坂さ・ん・も!時代後れのツンデレ属性一本で戦ってないで、そろそろ属性を増やさないといけませんよ!」

御坂「デレた憶えは、ない。それとこいつを友達にて増える属性は精々百合色だと思うのよね」

食蜂「神様(※鎌池先生)の動向見るに、どうしてもそっち方向へ持って行きたがってる節すらあるわよねぇ」

PiPiPiPi

佐天「あ、すいません。今メールが」 ピッ

御坂「『すっこんでろ百合厨』って伝えといて」

食蜂「……」

御坂「……あによ」

食蜂「……罪悪感が、こう、ね。今更になって心が痛いわぁ」

御坂「あんたに一矢報いたのは何よりだけど、あたしはあたしでそれ以上のダメージ喰らってるから」

食蜂「……で、佐天さんだっけぇ?あんまり畏まらなくていいわよぉ、私は”御坂さんと同級生”だしぃ、”御坂さんと同い年”だからねぇ」

御坂「……このアマあたしと比較強調する方向に舵切りやがった……!?」

佐天「佐天涙子ですっ☆」(横ピース)

食蜂「違う違う。畏まらなくていいってそういうことじゃないのよぉ。初対面の相手に横ピース☆お見舞いしていいとか、そういう、ね」

御坂「ボケが一人増えただけなのに、もうツッコミが追い付かなくなってるわよねー」

食蜂「この子ブレーキがあるなしじゃなくて、アクセル踏むか踏まないかの二択になってるわぁ」

佐天「んで今日はどったんですか?珍しい組み合わせが珍しくない場所で」

佐天「遠慮しようか迷ったんですが、てかここ使ってんだからあたしらバレしてもいいんだろうなー、って首突っ込んじゃいましたけど?」

食蜂「……微妙に賢いのよねぇ」

佐天「あ、すいません嘘でした!遠慮しようとか一切考えませんでした!後から考えただけです!」

御坂「知ってた。そんな気はしてた」

食蜂「これ……素?計算じゃなくてぇ」

御坂「人類が強運だけで生き抜けるのかの可能性を模索してるのよ……!」

食蜂「ちょっと意味が分からないわねぇ」

佐天「あぁいえですね、なんか危ないことをしてらっしゃるようでしたら、大人しく引っ込もうと表面上は同意したフリをしながら白井さんにチクろうかと」

御坂「脅迫よね?『混ぜてくれないと白井さんにバラしますよが何か?』って

御坂「んー、まぁ人間観察?」

食蜂「間違ってないけど、それ言う人の本来の主旨(ナンパ)とは大分変わってるわよぉ」

佐天「……マジお取り込みでしたら遠慮しますけど?」

御坂「あーうん。そういうのは全然邪魔だなんて思ってないわよ」

御坂「むしろこのアマがさっさと動画データ渡して帰ってくれればいいになー、なんて思っては」

食蜂「本音がダダ漏れよぉ。てゆうか別に私も御坂さんと一緒したいんじゃなくてぇ」

佐天「かーらーのー?」

食蜂「……絡みづらいわぁ。なんかこう、うんっ!」

御坂「諦めなさい。ここ来て佐天さんにボケを捌くか、他のレベル5のフワッフワした世界観に呑まれるかの二択なんだから」

食蜂「なにその地獄の二択」

佐天「てかこのタブの動画、どう見てもアングルからして盗撮なんですけど、それはいいんですかね?」

御坂「も、問題はないわ!多分!」

食蜂「――まぁ丁度良かった、と言えば良かったわよねぇ。第三者もいるし、ここは公平な視点から判断してもらおうかしらぁ」

食蜂「私たちはある検証動画を見ているんだけど、その中に信じられないよう光景が……!」

佐天「はぁ。あたしでいいんだったらジャッジでも何でもしますけど」

御坂「つーか見始めたときからそれ言ってるけど、本当に大変なものなの?どうせ大したことないオチが待ってんでしょ?」

御坂「散々引っ張った挙げ句、しょーもない話だったら……分かってるわよね?」

食蜂「まぁ見なさいよぉ。本題はここからなんだからぁ」

キーンコーンカーンコーン

上条『終わったー……今日も長かったー……』

金髪グラサン『長く感じるのは授業に集中してない証拠ですたい。カミやんはもうちっと真面目にしなきゃダメだにゃー』

上条『そうだな。お前が授業中に大喜利フッて来なかったらもっと勉強できたと思うけどな!」

金髪グラサン『乗って来るヤツは自己責任じゃないかにゃー』

上条『いや俺は親譲りの芸人の血がな』

金髪グラサン『あの親にしてこの子ありとはよく言ったモンですたい!』

上条『やめろ。俺の親がリアクション芸人だなんて言うんじゃない!』

金髪グラサン『自分でフッといてこのハシゴの外しっぷり……』

青ピ『まいど!いやぁ今日も疲れましたな!』

上条『お前サイコロ振ってただけじゃねぇか。よりにもよって中央の最前列って立地なのに、先生方の心折るような真似しやがって!』

青ピ『だって男のセンセやぁとやる気出ぇへんもん。それしゃーないわー』

上条『勉強頑張って小萌先生に誉めてもらおうってルートはないんかい』

青ピ『あーダメダメ。ボクがワザと赤点量産してんのバレてしもぉたさかい、もう相手にしてくれへんのよ』

金髪グラサン『前から相手にはされてなかったんぜぃ』

上条『”ワザと”?素で勉強してなかったんじゃなかったのか?』

青ピ『つーかボクがどないに頑張っても、その上を軽々跳ぶ問題児がねっ!誰とは言いしまへんけど!』

上条『俺の方こそ不可抗力だよ!やむにやまれない事情があったんだよ!』

金髪グラサン『……いやぁ、カミやんの場合、半分ぐらいは回避できたと思うにゃー』

上条『てかお前ら!アホ二人だけじゃなくてクラスのお前ら全員に言ってやるぜ!』

上条『俺がロシアでテレビ見切れた事件だって、全員がLIN○で回しただろ!?俺知ってんだからな!?』

青ピ『あれ超笑ったわー。「なんてロシア!?」って全員でツッコんだログも残っとるよ』

上条『にも関わらず!「上条君。大丈夫?」的なメッセージ入れたのが姫神と吹寄だけってのはどういうこったっアァン!?』

上条『お前ら心配じゃないんですかーー!仮にも一年仲良くやってきた仲間が!ロシアで決死のダイ・ハー○してるってのに!』

金髪グラサン『クラスの総意としちゃ、「まぁ、いつもの通り帰ってくるだろ」で一致してたんだぜぃ』

青ピ『ついでに「小萌センセに迷惑かけんのも大概にしろこのバカ野郎」も追加しとぉよ』

上条『ごめんなさい小萌先生っ、クラスの皆にも迷惑かけてすいませんねっ!』

普通っぽい子『みんな上条君に厳しい』

上条『流石クラスの良心!お前ら姫神さんを見習えよ!』

普通っぽい子『でも毎日毎日。上条君のいないホームルームでそれはもう深く長く溜息をつく小萌先生を見ていると。なんかもう。いいかなって』

上条『あれ?イジメかな?』

委員長『イジメ、ありません!』

上条『そっか!なら良かったよ!だって俺の教室なのにアウェイになってんのは幻想ってことだからな!』

青ピ『カミやん、ちょくちょく挟んで来ぃへんかなそのフレーズ?流行らそうとしてんの?』

金髪グラサン『かれこれ14年やってきて「幻想()」がカッコ笑いポジに落ち着いたかと思えば、片やポッと出の「お疲れーるがん」がフツーにファンに受け入れられ』

金髪グラサン『なんかもうヤケになってんだから、そっとしてあげようぜぃ。なっ?』

上条『優しさに偽装して刺しに来てますよねコノヤロー。つーかそまで正確に把握してるんだったら、嘘でもいいから「流行ってるよ!」ぐらいは言ったらどうだ!』

金髪グラサン『ムリムリ。使いどころが難しい、てか使わないもの』

普通っぽい子『使う……かもしれない』

上条『た、例えば?』

普通っぽい子『……SNSで煽るとき?』

上条『必然性は、ない。それ知らない人にも伝わるから、周り周りって肩身が狭くなるヤツだ!』

青ピ『じゃあ台詞変えたらエエんちゃいます?もっとこう今風なんが流行りますわ』

上条『今風なぁ。何が今流行ってんの?トレンドにしたいのはいつもあるけど、大体長続きしないで消えてくじゃん』

青ピ『そやねぇ、今やったら――「何気ないぶっ殺が上条師匠をきずつけた」?』

上条『意味が分からねぇよ!?何だよ、結局ネタとして使われてるってことかよ!?』

金髪グラサン『今も大体そんな感じだにゃー』

上条『もうお前らとは一緒にいられるかっ!俺は帰る!』

青ピ『アッハイ!ボクも帰りますわ!』

金髪グラサン『じゃー俺も!俺も帰るぜ!』

上条・青ピ・金髪グラサン ジーッ

姫神『……え、えっと。ぞゃあ私も。帰ろうかなって』

上条・青ピ・金髪グラサン『どうぞどうぞどうぞ』

委員長?『どんな世界観?放課後なのに帰らないの?』

ピッ

佐天「あの、いいですかね?」

御坂「言わないで」

佐天「なんかもう既に放送事故ですが」

御坂「うん、もうこのシーン要らないしね!特に有益な情報なんてなかった訳だし!」

食蜂「それは編集してくれた子に言って貰わないとぉ困るわぁ」

佐天「この後どうせ『遊びに行こうぜー』みたいな流れだったら、まぁ、とは思うんですが」

佐天「知り合いがダベってるのを見てるだけで一喜一憂できるほど、あたしもリアクションの引き出しねーぞって感じなんですが」

御坂「ま、まぁまぁ!面白くなるのはここからだから!もう少しだけ、ねっ?」

佐天「御坂さんも見てもないのに断言するのはどうかと思いますが……はい」

御坂「んー……あー……」

佐天「……御坂さん?どうしたんです、なんか若干キョドってんですけど?」

食蜂「ふぅん?別にここで終わってもいいのよぉ?」

御坂「見るわよ!どうせだったら最後までねっ!」 ピッ

金髪グラサン『――という訳で俺たちは件の場所へとやって来たのだった……ッ!』

青ピ『なぁつちみー、誰に言うとぉの?そっちには誰もおらへんよ?』

佐天「カメラ目線でなんか言ってますね」

食蜂「自己主張の強すぎるスネークも考えものよねぇ」

佐天「件の場所、ハッテン的なあれではなくファンシーショップ、でしょうか?」

御坂「あぁ、違う違う。ここはXX学区にあるメガネショップね」

御坂「『魔法少女からメカ少女まで!』をキャッチコピーにした、実用よりもデザイン重視のフレームが揃っているわ」

御坂「XX学区だけじゃなく、最近は生徒向け以外にも研究者用に出店を――」

佐天「……」

御坂「――って、なに?」

佐天「あぁいえお詳しいんですね、メガネ。御坂さん、実はコンタクトしてるんでしたっけ?」

御坂「ううん、特につけてないわよ。裸眼でも充分見えるし、コンタクトって怖そうじゃない?」

佐天「……あっ!じゃあゲコ太さん関係で詳しく――」

御坂「このお店にはないのよグッズ。まぁ低年齢層向けキャラと目が悪くなる時期って、ちょっとタイミング合わないし」

御坂「あ、でもねでもね!ゲコ太ファミリーの中には『グラス伯爵』ってモノクルつけた子が出てくるし、きっと作れば飛ぶように売れると思うの!」

佐天「お、おう」

食蜂「……帰ってきなさぁい。ゲコ太談義になると長くなるわぁ」

御坂「あ、うんっ!その話はまた今度ねっ!」

佐天「いえ結構です。ファンの語らいはファンだけで完結していただきたくっ!」

食蜂「賢明な判断ねぇ」

佐天「てゆうか、あの、ゲコ太さんの話はさておき、謎のままって言いますか、釈然としねぇぞって言いましょうか」

御坂「何が?」

佐天「……ツッコんだら負けなんですかね?そういうルールで?」

食蜂「……その闇はこれから明らかになるわぁ。見ましょうかぁ――」 ピッ

上条『俺もどんなもんか興味かあったからいいものの、しかしお前メガネなんかつけてたっけか?』

青ピ『あるぇ?言ぉてませんでしたっけ、土御門だけ?』

金髪グラサン『俺も詳しくは聞いてないぜぃ。お前がどうしてもっつーから』

青ピ『ま、そんなに大したこっちゃないんやけども――』

青ピ『――やっぱホムンクルスやったら目ぇ赤くないとあきませんやん?』

上条『――はい、解散っ!』

青ピ『ちょっ!?早いーって!まだ本題にすら入ってへんのに!?』

金髪グラサン『お前の過去のアホ言動から察するに、大体見当はつくんだにゃー……』

青ピ『ボクまだ彼女いませんやん?』

上条『幸いなことにな』

青ピ『カミやんとつっちみーには何度も何度も付き合ぉそぉて分かると思うんやけど、出会いの場は充分にあんねんよ』

金髪グラサン『街角で手当たり次第に声をかけるのを出会いって呼ぶんだったら、まぁ、あるぜぃ』

青ピ『自分で言うのもなんなんやけど、ボクも外見は悪ぅはないですやん?』

上条・金髪グラサン『いや、お前まずその浮いてる青髪なんとかしないと』

青ピ『悪くはないでしょー!?これは、アレや!生まれながらこうやったんよ!』

上条『お前四月頃、俺とケンカする前は金髪だったじゃねぇか』

青ピ『それはっ、土御門とカブるってボクが変えたんやないの!』

金髪グラサン『その時点で生まれながら設定どっか行ってるな』

青ピ『まぁ確かに!これはいかんこれはいかんでぇ、と一念発起して考えた!そりゃもう今日の授業中ずっと!』

上条『ついさっきだろ。しかもお前も俺たちと遊んでた時間除いたら精々数時間ないだろ』

青ピ『二人言うこともそりゃもっとも!確かにボクの青髪は多少浮くかもしれへん!』

青ピ『やけども!逆にこれを生かせばそれもまた個性!世界に一つだけのオリジナリティを発揮しとぉやん!?』

上条『キャラが濃いのは、確かに人に憶えてもらいやすいだろうけど。んで?』

青ピ『明日からボク、青髪赤目のホムンクルスになろうと思うてん』

ピッ

佐天「こっちはこっちで闇よりも拗らせてますよね。そしてタチが悪い」

御坂「……いやぁ。クローン作るにしても、別に色素が欠ける個体にする訳じゃないし、そもそもの生存率考えたらそんなリスク負わないのよねー……」

佐天「はい?」

御坂「――っていうサブカル本をね!最近ハマってて!」

食蜂「……二人とも、注意してぇ。本題はここからよぉ」

佐天「いや本題てなに――」

BGM【ルルール、ルールー、ルルール、ルールー……】

御坂「物悲しい口笛の音が……!?」

佐天「ほ○怖ですね。あれの一番怖いと囁かれているテーマ曲ですが何か」

ナレーション【……この世界には私たち以外にも闇の住人が住んでいる……】

佐天「ここでまさかの心霊番組風!?そういう企画だったんですかっ!?」

佐天「御坂さん!話が急すぎてあたしにも何が何だか――って御坂さん?」

御坂「……」

佐天「どう、したんですか?顔色が、あまり」

食蜂「……静かにぃ!よく見てないと見逃すわよぉ!」

上条『ホムンクルスは古いだろー。今だったら英霊で良くないか?』

青ピ『まぁ、ボクも初めはそう考えたんやけどね。やっぱ独創性、必要ですやん?』

金髪グラサン『キャラ作りを二次元に頼ってる時点で独創性もクソもねーんだぜぃ』

上条『殺したいよ。お前のそのふざけた幻想をぶっ殺したいわ』

佐天「前言通りぶっ込んできましたね上条師匠。あからさま過ぎて逆にスルーするほどに」

食蜂「だぁから、そこじゃなくてぇ」

ナレーション【……お分かり頂けただろうか】 クワッ

ナレーション【鏡に映る霊の姿を、あの世から恨めしそうに少年たちを見つめる様を、我々取材班は捉えてしまったのだ……!】

ナレーション【では、もう一度……ッ!】

金髪グラサン『キャラー作りをー二次元にー頼ってーるー時点でー独創性もークソもーねーーーーんだぜーーーぃ』

佐天「巻き戻してスロー再生……あたしがよく見る系の編集です、が」

上条『殺したいよー。お前のーそのーふざけたー幻想をーぶっ殺したいわーーー』

佐天「よりにもよってこのスベってるシーンで映っちゃいましたかー……でもどこに……?」

御坂・食蜂「……」

ナレーション【では、拡大画面をご覧頂こう……ッ!】 クワッ

佐天「あー……鏡、眼鏡屋さんに置いてある、フレームを合わせるのにズーム、しました」

佐天「あ!映ってる!なにか鏡に反射して――」

御坂(inメガネ屋)『……』 ジーッ

佐天「――ってお前やないかーーーーーーーーーーーーーーーーーいっ!?」

ナレーション【少女が見つめる先には楽しそうに語らう少年達の姿が……タチかネコかを想像しているのだろう……】 クワッ

佐天「ナレーションもおかしいな!最低の結び方してますよ!」

食蜂「ツッコむところ違うわぁ、でしょ?御坂さぁん?」

御坂「い、いや違うのよ!これには訳があって!きちんとした正当な理由がね!あるのよっ!」

佐天「落ち着いて御坂さん!正統性を強調すればするほど胡散臭くなりますから!」

御坂「こ、この日はね。えーっと、なんかこうメガネがかけたい気分で」

佐天「どんな気分!?『あー、今日はなんかメガネかけたいなー』ってなるんですかっ!?」

御坂「そ、そうね?たまたま!見た映画の影響で!」

佐天「あー……それでたまたまメガネ屋さん行って、こうフレーム合わせてみた、的な感じでしょうか?」

御坂「そうよっ!そうしたらアイツ――知り合いが来ちゃったもんだから出るに出られなくて!」

御坂「困ったのはこっちの方よ!被害者と言えなくもないわよねっ!」

食蜂「って言ってるけどぉ、どうかしらぁ?」

佐天「へ?あたしですか?」

食蜂「ジャッジみたいなことしてくれるっていったでしょお?あなた的にはアリ?それともナシ?」

佐天「まぁ……知り合いと突然バッタリ出くわして隠れるのはどーかと思わなくもないですが、アリナシで言えばアリ、じゃないですかね」

御坂「ありがとう佐天さんっ!あたしたち友達よねっ!」

食蜂「……まぁそうよねぇ。その判断自体は私も同じ”だった”と言っておくわぁ」

佐天「ですよねっ!……ですよね……?」

食蜂「まだ動画は終わってないわよぉ」 ピッ

金髪グラサン『――ステーェェジトゥー!第二のミッション、スタォォトッ!』

佐天「あ、場面変わりましたね。どこでしょうか、ショッピングモール?」

御坂「XX学区にできたばかりのショッピングモールよ。さっきのお店から徒歩20分、バスで5分ぐらいの近さね」

御坂「元々は外の系列店だったんだけど、景気がいいからこっちの店舗は独立したんだって」

御坂「オススメは地下の総菜店で、お弁当屋さんがやってるサラダがまた美味しくてねー」

佐天「……あれ?またなんか、不自然なアレが」

御坂「何よ?」

佐天「お詳しいんですね?よく行かれるんですか?」

御坂「行くか行かないで言えば一回だけかなー」

佐天「いやあの、そーゆーこっちゃなくてですね」

食蜂「ま、これも見た方が早いわぁ。物的証拠を突きつけるまでは白を切ると思うしぃ」 ピッ

青ピ『……』

上条『どーすかホムンクルスさん。デパ地下来た感想は?』

青ピ『ボクの思ってた反応とちゃう、ような……?』

上条『うん、そりゃそうだよね。だってリアルな青髪&赤目なんて警戒色以外の何物でもないからね』

金髪グラサン『現実社会じゃ頭イタイやつか意識高い系デモしてる子に多いんだにゃー。いや偏見だけど』

青ピ『どうして人類はボクたちに不寛容なんや……!?』

上条『なりきるなよ。形から入ったのに目的見失ってんじゃねぇぞ』

金髪グラサン『視線が痛いぜぃ』

上条『いやお前も分別すればアイタタタな方……』

金髪グラサン『おっ!見ろよカミやん、あっこで繚乱JCが売り子さんやってるんだぜぃ!』

上条『俺がJCに騙されると思うなよ……いや正直、あのメイド服の制服は好きだが』

青ピ『――ボク、人類と亜人とを繋ぐ架け橋になるんよ……ッ!!!』 ダッ

上条『あっバカ待て!また出禁食らうから大人しくしてろ!せめて俺たちが距離取って他人のフリできるまでは!』

金髪グラサン『中々最低なこと言ってるにゃー』

BGM【ルルール、ルールー、ルルール、ルールー……】

佐天「また流れてきましたね、ほん○。お好きなんですか?」

食蜂「編集頼んだの私だけどぉ、こんな愉快な演出にしろとは一っっっっっっっっっっっっっっっっ切言ってないわぁ」

ナレーション【この世界には以下略】

佐天「あたし的には好感が持てる端折り方したな!?ま、まぁ長いし初見も『これ要るか?』って思いましたけど!」

ナレーション【巻き戻して見てみよう】

金髪グラサン『おーっ!見ろよカミやんー、あっこでー繚乱JCがー売り子さんーやってるんだーぜぃーー!』

上条『俺ーがJCにー騙されると思うなよー……いや正直ー、あのメイド服のー制服はー好きだーがー』

佐天「また悪意のあるシーンをチョイスしてませんか?これだと上条師匠がメイド服のJC好きだって問題発言リフレインしてるだけにしか見えません」

ナレーション【では、拡大画面をご覧頂こうか……ッ!】 クワッ

佐天「えーと、デパ地下フードコーナーの繚乱の子達のズームですね。実習で作ったメイド弁当を手売りしてます……メイド弁当?」

佐天「あ、でも一人だけ学園都市のお掃除ロボットに乗った子がいるなー、その後ろに――」

御坂(inデパ地下)『……』 ジーッ

佐天「なんかいるっ!?また超見切れてますよ御坂さんが!?」

御坂「いや違うのよこれには理由があってまずあたしは繚乱の舞夏って子と友達なだけで!」

御坂「てゆうか繚乱の制服って借りられるのか舞夏に聞かないと!舞夏の借りるには上背がちょっと足りないのよ!」

佐天「オーケー落ち着け御坂さん。本音がダダ漏れになってますから」

食蜂「……えーと、まぁ今のだけである程度分かったけどぉ、御坂さん的にはお友達に会いに行ったらぁたまたま出くわした、と?」

御坂「ま、そうよねっ!むしろそれ以外に有り得ないわねっ!」

佐天「いやでも今のVメッチャ隠れてましたが、そこまでしてスネークする必要は……」

御坂「き、急に会ったから!驚いただけなんだからねっ!」

食蜂「判決はぁ?」

佐天「んーーー……む、まぁまぁシロ、でしょうかね。偶然は重なるって言いますし」

御坂「偶然だし!別に他の意味なんてない――」

BGM【チャッチャ、チャカチャカチャ、チャカチャカチャッ、チャッッチャ、ウッ!】

佐天「あのー……タブから超有名なマンボの曲流れてますが?」

御坂「マンボNo.○ね。よくテレビでネタにするとき使われる」

上条『それでさー、俺は言ってやったんだよ。原画家だってやっていいこと悪い事があるだろ、って!』

御坂(in路上)『……』 パッ

上条『おっ、今日はイベリコ安いのか。脂肪と赤みがよく混ざってて美味しいんだよなー』

御坂(inスーパー)『……』 パッ

上条『すいません。コロッケの割引クーポン券使えますか?』

御坂(inコンビニ)『……』 パッ

佐天「――すいません。あたしのHPはもうゼロなんで、動画止めて貰っていいですか?」

佐天「てゆうか結論から先に言いますと、クロです。超クロですからね御坂さん。もう言い訳が出来ないほどに」

御坂「い、いやこの日はね!たまたま行き先が被っただけで!尾行したい気分だったのよ!」

佐天「引きます。普通に引きますよ」

食蜂「……まぁ、なんで私がこれ見せたかったのは分かったと思うけどぉ、自重しなさぁい。ごくごく普通にスキャンダルだからぁ」

御坂「……はい、ごめんなさい」

食蜂「あなたにはねぇ、もっと常盤台以前に淑女としても嗜みを持たなきゃダメよぉ?いーいぃ?」

御坂「……はい、あたしが悪かったです」

食蜂「ある程度は、うん、ある程度だったら私も改竄力出来るけどぉ、前にあなたが言ってた様に、無闇に使っちゃいけないのよねぇ?」

御坂「……はい、そのときはお願いします」

佐天「ま、まぁまぁ食蜂さんもそのぐらいにしてあげてください。御坂さんも突然の暴露で反省しました、よね?もう、しませんよね?」

御坂「う、うんっ!必要がなかったら、もうしない――と、思うわ!」

食蜂「全っ然反省してやがらないわねぇ。まぁ風紀のお世話になるのは私じゃないからいいんですけどぉ」

佐天「てゆうかこれ気づかない方もおかしいですよ!?なんで半径2m以外に何度も何度も入ってるのにノーリアクションなんですか!?」

食蜂「ねぇ。気づいて欲しいわよねぇ?」

御坂「まぁ……そこはあたしもモニョるっていうか」

ナレーション【彼に取り憑いた少女の霊、スタッフは彼の消息を必死で探索している……!】

佐天「つーか上条師匠失踪してることになってますね。あ、犯人わかっちゃいました!」

御坂「してないっ!あたしは何もしてないわよっ、この日はあいつがバスに乗ったところで帰ったし!」

佐天「てかまだ動画の尺少し残ってますけど、まだ御坂さんなんかやらかしたんですか?」

食蜂「……………………ぁっ」

佐天「どうかされましたか?」

食蜂「――い、いや別にぃ!?御坂さんもぉ反省したみたいだしぃ、今日はここで解散しましょ――」

BGM【チャーララー、チャラッラーラッラー、チャーララーララーッ】

佐天「またエッラいご陽気な音楽流れてきましたね!」

御坂「西城秀○のヤンングメ○。あれも実は海外の曲カバーなんだけどね」

佐天「つーかこのセンス、編集した子と仲良くなれそうな確信があります」

御坂「同系統よね。何となくだけど風系の能力もカブってると思うわ」

食蜂「い、いや終わり!もう終わりだからぁ」

ガシッ

食蜂「み、御坂さぁん?」

御坂「まだ残ってるみたいだし、見ましょう?」

食蜂「で、でもぉ!」

上条『あー……なんか今日は混んでんなぁ』

佐天「イントロ中に切り替わりましたね。どうやらバスの中です」

御坂「……この時間ってこんなに混むっけ?なんか乗車率100%越えてんだけど」

佐天「朝だったら止むなしでしょうが、なんか不自然ですね」

ガタンッ、キキィィイッ!!!

???『きゃあっ☆』

上条『――っと、大丈夫か?』 ガシッ

???『ごめんなさぁい。バスが急に揺れてぇ』

上条『あぁいや別にぃ――!?』

???『どおしたのぉ?』 タユン

上条『い、いやちょっと!離れてくれると嬉し』

???『きゃあっ☆人が多くて身動き取れないわぁ☆』 ムニュンムニュン

佐天「……あの、すいませんこれ。もしかしてなんですけど」

御坂「いい仕事しているわよねぇ、この編集の子。気を遣ってズームかつノイズ軽減処理まできっちりやってくれたせいで、はっきり誰か分かるわー」

ナレーション【クゥイイイイイイイイイイイインッ!!!登・場☆】

食蜂(in満員バス)『やだー、エッチなことしたら、だめ・だ・ゾ☆』

佐天「恥女ですね。まごう事なきHENTAIですね」

御坂「おい脳グサレ女。あんた恥を知りなさいよ!あたしに説教できるような立場じゃないでしょーが!?」

御坂「あたしはまだ小学生男子が好きな女子の自宅を調べるような感じだけど、あんたはガチじゃない!」

佐天「それ小学生でもアウツ!な案件ですよ?相対的に罪が軽くなったんじゃないですからね?」

食蜂「『ちゃんと編集してね☆』って言ったのよぉ?!みーちゃんったらどぉして悪意ある編集するのよぉ!?」

佐天「いや多分、『ちゃんと(面白可笑しいレベルで済ませられるように)編集してね☆』、との意図を受け取ったとだけかと」

御坂「はっ、ざまぁないわねあんたの派閥も!ホウレンソウもこの程度だし!」

食蜂「取り巻きもいないコミュ障に言われたくないんですけどぉ?」

御坂「つーかあれよね。あんたの派閥、『食蜂さんを慕って遊ぶ会』なのよね?」

食蜂「当たり前じゃなぁい」

御坂「でも遠くから離れて見ると『食蜂さんをイジって遊ぶ会』にブレて映るのよね−。割とマジで」

食蜂「そんな訳――ゎハッ!?今にして思えばあの時のあれも実は……っ!?」

御坂「しかも実は『心理掌握』なんて能力はなく、他の人があんたの心を読み取って演技をしている可能性すら……ッ!」

食蜂「た、だから私をイジる気がない御坂さんには能力が聞かなかったのねぇ!?」

佐天「サトラ○怖いですよねぇ。誰しもが中二時代に『俺の心が読まれてるっ!?』的な妄想しますとも、えぇ人によってはアラフォーでも」

ナレーション?【ねーねーみーちゃんみーちゃん!さきちゃんがぎゅっ!ってしてもらってるよ!ぎゅって!】

ナレーション【そうね。一般的には恥女っていうのよ】

ナレーション?【ちじょ?ちじょってどういう意味なの!?】

ナレーション【さきちゃんみたいな子のことをいうのね。コワイナー】

ナレーション?【そっか!さきちゃんはちじょだったんだ!】

食蜂 orz

佐天「……なんかもうこれ以上ないってぐらい凹んでますけど、どうしたんですか?」

御坂・食蜂「……」

佐天「あの、お二人ともテンションが元に戻ってきて、『知られたくない相手に』みたいな空気になってますけど、その」

佐天「言っときますけど今回一番割を食ったのはあたしですからね?てっきり追加の賑やかしと呼ばれたものの、途中からはですね完全にツッコミのお仕事を」

御坂「あー……うん、なかった!」

佐天「御坂さんもですね、いつまでもワンパク小僧的な行動力は――ってはい?」

御坂「あたしは何も見てない!だから何も起きてないわよっ!」

佐天「いやぁムリですよ。てかそんな――」

食蜂「おやすみぃ☆」 ピッ



――いつものファミレス

御坂「――佐天さん、ねぇ佐天さんってば!」

佐天「え、あーはいはい聞いてます聞いてますっ!教科書の何ページから読めばいいんでしたっけ?」

御坂「今の台詞だけで授業態度がよく分かるわよね……」

佐天「あれ?今、あるぇ?」

御坂「注文どうするの、って聞いたらフリーズしたんだけど大丈夫?」

佐天「あー……ボーッとしちゃった?みたいで?」

御坂「まぁ温かくなってきたのに朝晩は寒いし、風邪だって引くかもよね。うんうん」

佐天「あの、こっちのシートが今まで人座ってたんじゃないかってぐらい温かいんですが?」

御坂「幽霊かな。怖いわよね」

佐天「食蜂さんはもう帰っちゃったんですか?」

御坂「やっぱやりがったなあのアマ!」

佐天「正確には”やってない”んですけどね」



※上条当麻の一日

06:00 起床。ツッコミの練習
06:20 洗濯をしつつインデックスの朝ご飯兼10時のおやつ兼お昼ご飯兼3時のおやつを作る
07:30 朝食。食べ終わってすぐ登校
07:48 魔術師結社の抗争に巻き込まれる
08:22 魔術師結社の抗争をスピード解決する
08:49 ホームルームに滑り込む
08:50 一時限目
09:50 二時限目
10:50 三時限目。”第122回!チキチキ!笑ってはいけない授業中in災誤!!!”で準優勝
11:50 四時限目
12:40 昼休み。試食大会
13:20 五時限目
14:20 六時限目
15:20 放課後。ホムンクルスとメガネ屋へ
15:56 ホムンクルスとデパ地下へ
16:30 私服警備員につまみ出される
16:43 スーパーでお買い物
17:17 コンビニでクーポンを使ってコロッケを買う
17:34 バスに乗ったら恥女に遭遇
18:00 心身ともにボロボロになって帰宅


−終−

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