レッサー「ビキニアーマーの呪い……ッ!」
――とあるスタジオ
レッサー「超ハロウィンの季節ですねっ」
上条「すいませんレッサーさん。急に呼ばれてきた第一声がそれだと戦慄を禁じ得ません。ハロウィンメット被った殺人鬼がスタンバってそうで」
レッサー「あぁご心配なく!『ハロウィン用ダメ映画特集!』的なものは企画していません!ご要望が多ければバトンタッチする所存ではありますが!」
上条「やめてください。サメだけでお腹一杯なんだよ!」
レッサー「ピラニアとワニとコックリさんで超ローテ組めるそうですけど?」
(※加えてプレデタ○とエイリア○とゾン○、世界はダメ映画に満ち溢れています)
上条「『――あ、もしもし警察ですか?今俺の目の前にシベリア超特○の円盤持った不審者が』」
レッサー「むしろどんな容疑で警察が呼ばれるのか超興味ありますよね。まぁそう怯えないで、怖くない!」 ニチャアァッ
上条「巨神○の微笑みだよな。『コイツ笑ってやがるぜ!』みたいな」
レッサー「戯れ言はさておくとしまして、今週の企画は風刺的なヤツです!つい先月ぐらいですかね。アメコミの御大の一人がこう仰いました」
レッサー「『――日本のマンガはエ×があるから売れるんだ!俺も描いていいんだったらもっと売れるよ!』」
上条「なんて?つーか本当にそれ言ったの?言っちゃったの?」
レッサー「『テメーの画風じゃ誰も買わねぇよバーカバーカバーカ』と私は反射的にツッコんだのですが。まぁ全部が全部エ×いんじゃないですしね」
上条「正直アメコミのような独特の絵柄ではちょっと……中には好きな人もいるだろうが」
レッサー「しかしながら一概には否定しきれない部分もありますよね。大抵の雑誌には一本、もしくは複数のエ×担当マンガが載ってますし?」
上条「テーマが異世界転生なのに『こんな格好する必要ってある?』的な衣装とかあったりな。どれとは言わないが」
レッサー「となれば、全般的にエ×が多いというのも否定出来ない要素ですよねぇ。『何でコイツこんな鎧着てんだ』的な装備もありますし」
上条「あ、あれ?そう言われると御大さんの言い分は正しかったことに……?」
レッサー「ぶっちゃけ肌露出する要素は向こうさんよりも遙かに多いですな。てか20年ぐらい前までは『マンガ・アニメは子供の娯楽』ってぇ考えばっかだったんで、性的な要素はとんでもないと」
上条「あー、前に教えてもらったっけ?出版社が自主規制ルール作って厳守させてたって」
レッサー「ですです。今じゃ撤廃されましたけども、『倫理・道徳的に正しい』ってルールが適応されていました」
上条「それじゃその人が言うのも正しいのかなぁ」
レッサー「とはいえ、エ×に厳しいのはマンガの世界だけでありまして。微妙なエ×描写に関してはアメリカの方がよっぽど大らかです」
レッサー「『ゴッド・オブ・ウォ○』なんかググってみれば、日本版と海外版では結構差があったりします。多くは語りませんけど」
上条「……言われてみれば洋ゲーキャラって露出度高いの多いような?」
レッサー「ゲーム自体は後発ですから、まぁそれなりに自由なスタンスで開発されているようです。少なくとも日本のような徹底的なゾーニングはされていません」
上条「ゲームは比較的自由なのか?ドラク○のビキニアーマーも初見はビビったわ。『意味ねぇなこの鎧っ!?』って」
レッサー「えぇと、誠にもって申し上げにくいのですが……例のビキニアーマー、実はアメリカが発祥って説が一番有力でしてね」
上条「マジで!?あんなアホ鎧、絶対に日本のHENTAIの仕業だと思ってた!?」
レッサー「しかもあれ調べたところによると――なんと戦前に描かれたパルプ・マガジンには既に登場していたそうで」
上条「ハンパねぇわアメリカさん。そりゃ戦争したって誰も勝てねぇ……ん?あの、レッサーさん?ちょっと俺思っちゃったんですけど」
レッサー「なんです?」
上条「ビキニアーマーってまぁ、言っちゃアレだけどエ×目的というか、海外の俺らを釣るために考案されたんだよな?」
レッサー「ですな。雑誌の表紙を飾るのが散見されています」
上条「つまりアメリカの作家さんの超パイセン方だってエ×で読者を呼び込んでたってことになるんじゃ……?」
レッサー「――80年前に投げたブーメランがものの見事に返ってきましたねっ!」
上条「いい加減にしろやアメコミの御大」
レッサー「そもそも文句あるんだったら日本に来て描きゃいいだけの話ですからね。んでアメコミではなく日本コミックとして世界に流通すればいいですし」
上条「租税回避地のパナマ船籍じゃねぇんだから」
レッサー「名義変えてDLsit○辺りでダウンロード販売すりゃ現実が分かるかと」
上条「てかパルプなんとかって何?雑誌の名前?」
レッサー「あー、質の悪い紙を使った雑誌の総称ですな。今でいうジャン○みたいな?」
上条「中身もやっぱエログロばっか?」
レッサー「ピンキリです。ジョージ=ウェルズとジュール=ヴェルヌは流石にご存じですよね?」
上条「『宇宙戦争』と『海底二万里』の人だろ?超有名じゃんか」
レッサー「そのお二人の作品を載せた雑誌もまたパルプ・マガシンに分類されていますね」
上条「あぁじゃあスッゲーのか!?昔は無名だけど、後世に影響与えた人とか!
レッサー「ジャンルは別ですが、ラヴクラフト御大とかもそっち出身ですし、文学としちゃバカにはできません。つーかバカにする方がバカにされる」
レッサー「なおSF小説の走りとなり、今もなお世界中で読まれているジュール=ヴェルヌ氏ですが。上条さんは氏についてどう思われます?」
上条「偉大な作家さんかなぁぐらいか。どんな人なのかまでは知らない」
レッサー「人格は私も興味がないので調べちゃいませんが、少なくとも評価について近年までは『所詮は児童文学』と低く見られていました」
レッサー「同世代に活躍したエドガー=アラン=ポー氏など、推理小説などからは明らかに角度といいますか、偏見ですよね」
上条「別に低くはないんじゃないか?子供向けだからって低俗って話でもないし、大人向けだから高尚って話でもない」
レッサー「ですが今はパイオニアとして高い評価をされています。難しい本を読んだから偉い的な風潮もいい加減にしてほしいもんです」
上条「少なくともオークが出てきてブヒブヒ言ってるのよりは……うん、大抵の物語の方が上なんじゃないかと……」
レッサー「余談ですが!このパルプ・マガジンには絶対的な掟がありました!それは『NoNude, NoSe○』です!」
上条「あー、子供も見るから?」
レッサー「当時は年齢的ゾーニングの概念すらないですからねぇ。まぁ不道徳なのはやめとけよ、的な軽い気持ちだったんでしょうが」
レッサー「だがしかぁし!当時の出版社は考えましたとも!同業他社が雨後タケのような映えまくる現状!どうすれば読者の手にとって貰えるかをねっ!」
レッサー「その結果生まれたのが――『Damsel in distress(ダムゼル・イン・ディストレス)』です……ッ!!!」
上条「ダム……?んな単語あったっけ?」
レッサー「正しい意味では『高貴な女性』ですが、俗には『未婚の女性』という少々皮肉な言い方が浸透しています。多分日常会話では使いません」
上条「未婚の女性がインしてるのは……?」
レッサー「まぁ言っちまいますと『捕らわれた姫君』、もしくは貴婦人というニュアンスです」
上条「うわぁ、なんかそれ一部のアレな人が騒ぎそう」
レッサー「騒ぎそうではなく騒いでいます。なので深くは突っ込みませんが、当時の編集はこう思ったんですよ」
レッサー「『なんとかして部数売りたいなー。でも女性の裸もエ×も載せられないしー、どうしたもんかなー?』」
レッサー「『――そうだ!だったら囚われの半裸の女性を表紙にすればいいんだ!』」
上条「戦前のアメリカの俺らもアホしかいねぇのか。発想自体がほぼ現代と同じだろそれ!?」
レッサー「いやまぁ、この概念自体は珍しくないんですよ?怪物や竜に攫われたお姫様だとか、絵画や神話のモチーフとしても取り上げられますしね?」
レッサー「ただ残念なことに、同パルプ・マガシン時代に半裸のねーちゃんが縛られてる的な表紙がゴロッゴロしてる以上、売り上げに直結していたようです」
上条「HotMil○か。今までコンビニでも売ってたから××を表紙に描けなかったけど、条例で禁止されたら解禁したところ、逆に売り上げが伸びたHotMil○か」
(※by HotMil○編集。実話です)
レッサー「なので件のビキニアーマーも、当時の絵描きさんが『如何に裸(ら)を出さずに頑張るか!』の産物だったのでありますな……ッ!」
上条「多分、世界で一番熱くビキニアーマー語ってるよな。それがエ×と妥協の産物だとしても」
上条「てかちょっと皮肉な話だよな。黎明期には『どうやってエ×載せよう?』って作家さんが頑張ってたのに、今じゃその正当な後継者が『エ×が解禁されてる日本はズリーわ!』って」
レッサー「まぁ言いたくなる気持ち分からないでもないですけど。今のアメリカは縛りが多すぎますよ。白人男性以外が悪役になったら非難されるんですよ?」
上条「もうサメでいいじゃないか。全部の悪役サメにしてCGで誤魔化せよ」
レッサー「ネタでなしに現実がそうなりつつあるっちゃあるんですが……まぁダメな話は映画界もありましてね」
上条「映画ぁ?アメリカの映画っつったら『これ、必要か?』ってぐらいのエ×シーンが――」
上条「……」
上条「……あれ?そういや最近少なくなってる、よな?自主規制でも始めたのか?」
レッサー「そこはまた何か妙な事になってまして。代表例として『レイア姫のビキ○』が挙げられますな」
上条「……どちらさん?レイ○姫ってどっかで聞いたような?」
レッサー「スターウォー○のお姫様ですよ。ヒロインと言いますか主人公の妹でもありますが、そのキャラが作中で体育教師の汚っさんのような異星人に捕まり、奴隷にされるんですな」
上条「そこはジャバ・ザ・ハッ○でよくね?……あー、なんかあったような気はするわ。踊り子っぽい服着てた」
レッサー「あれ、もう二度とできないんですよ。キャラもそうですが、グッズやフィギュアとして販売もされません」
上条「なんでまた?人気出そうなもんだけど」
レッサー「実際に人気もあり、旧経営ではガンガン売ってたんですが……スターウォー○の版権元のルーカス・フィル○、今から10年ぐらい前に買収されましてね」
上条「へー、どこに?」
レッサー「ディズニ○です」
上条「……へー……?何か急にここで打ちきりたい気分だけど、これ突っ込んでいい話か?」
レッサー「違法ではないですし、なんといっても向こうのFO○ニュースで取り上げられた話題でもありますから、問題はないと思われます」
上条「何となく想像つくけど……ディズニ○だとなんでビキニダメなの?人魚姫なんか着てなかったっけ?」
レッサー「『性的なものは会社の方針としてNG』だそうです。よって奴隷的な扱いも含めてダメーと」
上条「いやでも……まぁ元が元だから仕方がないっちゃない、か?そうか?いいのか?」
レッサー「是非は別にして、また会社の方針として”そう”であるのならば、まぁそうですか、しか言えませんしね。んで買収した会社は一つだけじゃないんですよ」
レッサー「古い順にピクサ○、ルーカス・フィル○、そして20世紀スタジ○なども傘下企業になっています」
上条「20世紀もなのか!?Xメ○とかやってる会社なのに!?」
レッサー「少し前までCMやってたでしょうが。『ディズニ○チャンネルでアイアンマ○が見放題!』みたいな」
レッサー「んで2009年の話ですが、マーベル・コミッ○も買収してますからねぇ。イケイケっすわ」
上条「……うん?てゆうかその最初のアメコミの某御大さんって、文句言う相手間違ってね?お前らを圧倒的なカネで買収した会社へ対して文句言えば?」
レッサー「それができないからこそルーサーズ・ハウリングムーブカマしているんじゃないかと推測されてます。言ったらポリコレ違反認定を喰らった上で干されますからね」
上条「自由なんてねぇんだなぁ」
レッサー「最初の頃のパルプ・マガジンの方が余程アドベンチャーだった、ってぇのも皮肉な話ですな」
レッサー「あとは……まぁアメリカの公立学校では『性教育に関する偏見を無くす』ために、異性愛だけでなく同性愛の教育もしています。いくつかの州ではですが」
レッサー「しかしながらスクリーンから『子供には不適切である』とエ×が消える反面、教育として強制するのはアリというのもなんだか、ですね」
上条「なんか……どっかで大コケしそうなんだよな。子供に教育とゾーニングするのは適切だけども、教育だからってどこまでも踏み込んでいいってのも何か違うような?」
レッサー「かと思えばエ×同人ゲームが世界展開し、海外でも結構売れるっちゅー謎の事態が起きたりしていますし」
上条「エ×同人は……まぁいいじゃないか!需要があるってことなんだからな!」
レッサー「んでもって、ここからは生物の話になりますが、ビキニアーマーって意味あると思います?」
上条「『なるべく生け捕りにするブヒ』って意味では有効だと思うよ。ただ殺されないのが幸せとは限らないだろうが」
レッサー「真似するアホはほぼいないと思いますが、あまり自然を舐めない方がいいですよ?肌出したまま野外活動した日には、虫刺されやひっかき傷でボロッボロになります」
上条「逆進化だよな。ニンジャぐらいだよ、鎧脱いで防御力上がるのって」
レッサー「えーと……アンボイナって巻き貝ご存じで?とある業界では有名なんですけど」
上条「アンモナイトっぽい名前だよな。そいつが何かしたのか?」
レッサー「貝なのに超猛毒の針を飛ばして狩りをするんです。貝なのに」
上条「なにそれ見たい!」
レッサー「喜んでる場合ではないんですよ。人間でも致死率20〜50%と言われており毎年被害が出るレベルの凶悪なヤツです」
上条「それ大丈夫か?異常発生したら人類の敵になるんじゃ?」
レッサー「いやそれが意外にもアンボイナの天敵はカニやエビなどだそうです。普通に喰われると」
上条「イメージが違うな。そんな凶悪な攻撃手段持ちだったら返り討ちになんねぇの?」
レッサー「いえ、それが甲殻類の持つ外骨格には針が通らないんですよ。結果的に無傷で頂かれるそうです――で!」
レッサー「つまり我々人類の肌はエビカニに劣るレベルで弱いため、決して全裸で行動しないように!私との約束ですよっ!」
上条「種類が違うんだよ。そういう癖(へき)持ってる人はここには来ねぇわ」
-終-
レッサー「超ハロウィンの季節ですねっ」
上条「すいませんレッサーさん。急に呼ばれてきた第一声がそれだと戦慄を禁じ得ません。ハロウィンメット被った殺人鬼がスタンバってそうで」
レッサー「あぁご心配なく!『ハロウィン用ダメ映画特集!』的なものは企画していません!ご要望が多ければバトンタッチする所存ではありますが!」
上条「やめてください。サメだけでお腹一杯なんだよ!」
レッサー「ピラニアとワニとコックリさんで超ローテ組めるそうですけど?」
(※加えてプレデタ○とエイリア○とゾン○、世界はダメ映画に満ち溢れています)
上条「『――あ、もしもし警察ですか?今俺の目の前にシベリア超特○の円盤持った不審者が』」
レッサー「むしろどんな容疑で警察が呼ばれるのか超興味ありますよね。まぁそう怯えないで、怖くない!」 ニチャアァッ
上条「巨神○の微笑みだよな。『コイツ笑ってやがるぜ!』みたいな」
レッサー「戯れ言はさておくとしまして、今週の企画は風刺的なヤツです!つい先月ぐらいですかね。アメコミの御大の一人がこう仰いました」
レッサー「『――日本のマンガはエ×があるから売れるんだ!俺も描いていいんだったらもっと売れるよ!』」
上条「なんて?つーか本当にそれ言ったの?言っちゃったの?」
レッサー「『テメーの画風じゃ誰も買わねぇよバーカバーカバーカ』と私は反射的にツッコんだのですが。まぁ全部が全部エ×いんじゃないですしね」
上条「正直アメコミのような独特の絵柄ではちょっと……中には好きな人もいるだろうが」
レッサー「しかしながら一概には否定しきれない部分もありますよね。大抵の雑誌には一本、もしくは複数のエ×担当マンガが載ってますし?」
上条「テーマが異世界転生なのに『こんな格好する必要ってある?』的な衣装とかあったりな。どれとは言わないが」
レッサー「となれば、全般的にエ×が多いというのも否定出来ない要素ですよねぇ。『何でコイツこんな鎧着てんだ』的な装備もありますし」
上条「あ、あれ?そう言われると御大さんの言い分は正しかったことに……?」
レッサー「ぶっちゃけ肌露出する要素は向こうさんよりも遙かに多いですな。てか20年ぐらい前までは『マンガ・アニメは子供の娯楽』ってぇ考えばっかだったんで、性的な要素はとんでもないと」
上条「あー、前に教えてもらったっけ?出版社が自主規制ルール作って厳守させてたって」
レッサー「ですです。今じゃ撤廃されましたけども、『倫理・道徳的に正しい』ってルールが適応されていました」
上条「それじゃその人が言うのも正しいのかなぁ」
レッサー「とはいえ、エ×に厳しいのはマンガの世界だけでありまして。微妙なエ×描写に関してはアメリカの方がよっぽど大らかです」
レッサー「『ゴッド・オブ・ウォ○』なんかググってみれば、日本版と海外版では結構差があったりします。多くは語りませんけど」
上条「……言われてみれば洋ゲーキャラって露出度高いの多いような?」
レッサー「ゲーム自体は後発ですから、まぁそれなりに自由なスタンスで開発されているようです。少なくとも日本のような徹底的なゾーニングはされていません」
上条「ゲームは比較的自由なのか?ドラク○のビキニアーマーも初見はビビったわ。『意味ねぇなこの鎧っ!?』って」
レッサー「えぇと、誠にもって申し上げにくいのですが……例のビキニアーマー、実はアメリカが発祥って説が一番有力でしてね」
上条「マジで!?あんなアホ鎧、絶対に日本のHENTAIの仕業だと思ってた!?」
レッサー「しかもあれ調べたところによると――なんと戦前に描かれたパルプ・マガジンには既に登場していたそうで」
上条「ハンパねぇわアメリカさん。そりゃ戦争したって誰も勝てねぇ……ん?あの、レッサーさん?ちょっと俺思っちゃったんですけど」
レッサー「なんです?」
上条「ビキニアーマーってまぁ、言っちゃアレだけどエ×目的というか、海外の俺らを釣るために考案されたんだよな?」
レッサー「ですな。雑誌の表紙を飾るのが散見されています」
上条「つまりアメリカの作家さんの超パイセン方だってエ×で読者を呼び込んでたってことになるんじゃ……?」
レッサー「――80年前に投げたブーメランがものの見事に返ってきましたねっ!」
上条「いい加減にしろやアメコミの御大」
レッサー「そもそも文句あるんだったら日本に来て描きゃいいだけの話ですからね。んでアメコミではなく日本コミックとして世界に流通すればいいですし」
上条「租税回避地のパナマ船籍じゃねぇんだから」
レッサー「名義変えてDLsit○辺りでダウンロード販売すりゃ現実が分かるかと」
上条「てかパルプなんとかって何?雑誌の名前?」
レッサー「あー、質の悪い紙を使った雑誌の総称ですな。今でいうジャン○みたいな?」
上条「中身もやっぱエログロばっか?」
レッサー「ピンキリです。ジョージ=ウェルズとジュール=ヴェルヌは流石にご存じですよね?」
上条「『宇宙戦争』と『海底二万里』の人だろ?超有名じゃんか」
レッサー「そのお二人の作品を載せた雑誌もまたパルプ・マガシンに分類されていますね」
上条「あぁじゃあスッゲーのか!?昔は無名だけど、後世に影響与えた人とか!
レッサー「ジャンルは別ですが、ラヴクラフト御大とかもそっち出身ですし、文学としちゃバカにはできません。つーかバカにする方がバカにされる」
レッサー「なおSF小説の走りとなり、今もなお世界中で読まれているジュール=ヴェルヌ氏ですが。上条さんは氏についてどう思われます?」
上条「偉大な作家さんかなぁぐらいか。どんな人なのかまでは知らない」
レッサー「人格は私も興味がないので調べちゃいませんが、少なくとも評価について近年までは『所詮は児童文学』と低く見られていました」
レッサー「同世代に活躍したエドガー=アラン=ポー氏など、推理小説などからは明らかに角度といいますか、偏見ですよね」
上条「別に低くはないんじゃないか?子供向けだからって低俗って話でもないし、大人向けだから高尚って話でもない」
レッサー「ですが今はパイオニアとして高い評価をされています。難しい本を読んだから偉い的な風潮もいい加減にしてほしいもんです」
上条「少なくともオークが出てきてブヒブヒ言ってるのよりは……うん、大抵の物語の方が上なんじゃないかと……」
レッサー「余談ですが!このパルプ・マガジンには絶対的な掟がありました!それは『NoNude, NoSe○』です!」
上条「あー、子供も見るから?」
レッサー「当時は年齢的ゾーニングの概念すらないですからねぇ。まぁ不道徳なのはやめとけよ、的な軽い気持ちだったんでしょうが」
レッサー「だがしかぁし!当時の出版社は考えましたとも!同業他社が雨後タケのような映えまくる現状!どうすれば読者の手にとって貰えるかをねっ!」
レッサー「その結果生まれたのが――『Damsel in distress(ダムゼル・イン・ディストレス)』です……ッ!!!」
上条「ダム……?んな単語あったっけ?」
レッサー「正しい意味では『高貴な女性』ですが、俗には『未婚の女性』という少々皮肉な言い方が浸透しています。多分日常会話では使いません」
上条「未婚の女性がインしてるのは……?」
レッサー「まぁ言っちまいますと『捕らわれた姫君』、もしくは貴婦人というニュアンスです」
上条「うわぁ、なんかそれ一部のアレな人が騒ぎそう」
レッサー「騒ぎそうではなく騒いでいます。なので深くは突っ込みませんが、当時の編集はこう思ったんですよ」
レッサー「『なんとかして部数売りたいなー。でも女性の裸もエ×も載せられないしー、どうしたもんかなー?』」
レッサー「『――そうだ!だったら囚われの半裸の女性を表紙にすればいいんだ!』」
上条「戦前のアメリカの俺らもアホしかいねぇのか。発想自体がほぼ現代と同じだろそれ!?」
レッサー「いやまぁ、この概念自体は珍しくないんですよ?怪物や竜に攫われたお姫様だとか、絵画や神話のモチーフとしても取り上げられますしね?」
レッサー「ただ残念なことに、同パルプ・マガシン時代に半裸のねーちゃんが縛られてる的な表紙がゴロッゴロしてる以上、売り上げに直結していたようです」
上条「HotMil○か。今までコンビニでも売ってたから××を表紙に描けなかったけど、条例で禁止されたら解禁したところ、逆に売り上げが伸びたHotMil○か」
(※by HotMil○編集。実話です)
レッサー「なので件のビキニアーマーも、当時の絵描きさんが『如何に裸(ら)を出さずに頑張るか!』の産物だったのでありますな……ッ!」
上条「多分、世界で一番熱くビキニアーマー語ってるよな。それがエ×と妥協の産物だとしても」
上条「てかちょっと皮肉な話だよな。黎明期には『どうやってエ×載せよう?』って作家さんが頑張ってたのに、今じゃその正当な後継者が『エ×が解禁されてる日本はズリーわ!』って」
レッサー「まぁ言いたくなる気持ち分からないでもないですけど。今のアメリカは縛りが多すぎますよ。白人男性以外が悪役になったら非難されるんですよ?」
上条「もうサメでいいじゃないか。全部の悪役サメにしてCGで誤魔化せよ」
レッサー「ネタでなしに現実がそうなりつつあるっちゃあるんですが……まぁダメな話は映画界もありましてね」
上条「映画ぁ?アメリカの映画っつったら『これ、必要か?』ってぐらいのエ×シーンが――」
上条「……」
上条「……あれ?そういや最近少なくなってる、よな?自主規制でも始めたのか?」
レッサー「そこはまた何か妙な事になってまして。代表例として『レイア姫のビキ○』が挙げられますな」
上条「……どちらさん?レイ○姫ってどっかで聞いたような?」
レッサー「スターウォー○のお姫様ですよ。ヒロインと言いますか主人公の妹でもありますが、そのキャラが作中で体育教師の汚っさんのような異星人に捕まり、奴隷にされるんですな」
上条「そこはジャバ・ザ・ハッ○でよくね?……あー、なんかあったような気はするわ。踊り子っぽい服着てた」
レッサー「あれ、もう二度とできないんですよ。キャラもそうですが、グッズやフィギュアとして販売もされません」
上条「なんでまた?人気出そうなもんだけど」
レッサー「実際に人気もあり、旧経営ではガンガン売ってたんですが……スターウォー○の版権元のルーカス・フィル○、今から10年ぐらい前に買収されましてね」
上条「へー、どこに?」
レッサー「ディズニ○です」
上条「……へー……?何か急にここで打ちきりたい気分だけど、これ突っ込んでいい話か?」
レッサー「違法ではないですし、なんといっても向こうのFO○ニュースで取り上げられた話題でもありますから、問題はないと思われます」
上条「何となく想像つくけど……ディズニ○だとなんでビキニダメなの?人魚姫なんか着てなかったっけ?」
レッサー「『性的なものは会社の方針としてNG』だそうです。よって奴隷的な扱いも含めてダメーと」
上条「いやでも……まぁ元が元だから仕方がないっちゃない、か?そうか?いいのか?」
レッサー「是非は別にして、また会社の方針として”そう”であるのならば、まぁそうですか、しか言えませんしね。んで買収した会社は一つだけじゃないんですよ」
レッサー「古い順にピクサ○、ルーカス・フィル○、そして20世紀スタジ○なども傘下企業になっています」
上条「20世紀もなのか!?Xメ○とかやってる会社なのに!?」
レッサー「少し前までCMやってたでしょうが。『ディズニ○チャンネルでアイアンマ○が見放題!』みたいな」
レッサー「んで2009年の話ですが、マーベル・コミッ○も買収してますからねぇ。イケイケっすわ」
上条「……うん?てゆうかその最初のアメコミの某御大さんって、文句言う相手間違ってね?お前らを圧倒的なカネで買収した会社へ対して文句言えば?」
レッサー「それができないからこそルーサーズ・ハウリングムーブカマしているんじゃないかと推測されてます。言ったらポリコレ違反認定を喰らった上で干されますからね」
上条「自由なんてねぇんだなぁ」
レッサー「最初の頃のパルプ・マガジンの方が余程アドベンチャーだった、ってぇのも皮肉な話ですな」
レッサー「あとは……まぁアメリカの公立学校では『性教育に関する偏見を無くす』ために、異性愛だけでなく同性愛の教育もしています。いくつかの州ではですが」
レッサー「しかしながらスクリーンから『子供には不適切である』とエ×が消える反面、教育として強制するのはアリというのもなんだか、ですね」
上条「なんか……どっかで大コケしそうなんだよな。子供に教育とゾーニングするのは適切だけども、教育だからってどこまでも踏み込んでいいってのも何か違うような?」
レッサー「かと思えばエ×同人ゲームが世界展開し、海外でも結構売れるっちゅー謎の事態が起きたりしていますし」
上条「エ×同人は……まぁいいじゃないか!需要があるってことなんだからな!」
レッサー「んでもって、ここからは生物の話になりますが、ビキニアーマーって意味あると思います?」
上条「『なるべく生け捕りにするブヒ』って意味では有効だと思うよ。ただ殺されないのが幸せとは限らないだろうが」
レッサー「真似するアホはほぼいないと思いますが、あまり自然を舐めない方がいいですよ?肌出したまま野外活動した日には、虫刺されやひっかき傷でボロッボロになります」
上条「逆進化だよな。ニンジャぐらいだよ、鎧脱いで防御力上がるのって」
レッサー「えーと……アンボイナって巻き貝ご存じで?とある業界では有名なんですけど」
上条「アンモナイトっぽい名前だよな。そいつが何かしたのか?」
レッサー「貝なのに超猛毒の針を飛ばして狩りをするんです。貝なのに」
上条「なにそれ見たい!」
レッサー「喜んでる場合ではないんですよ。人間でも致死率20〜50%と言われており毎年被害が出るレベルの凶悪なヤツです」
上条「それ大丈夫か?異常発生したら人類の敵になるんじゃ?」
レッサー「いやそれが意外にもアンボイナの天敵はカニやエビなどだそうです。普通に喰われると」
上条「イメージが違うな。そんな凶悪な攻撃手段持ちだったら返り討ちになんねぇの?」
レッサー「いえ、それが甲殻類の持つ外骨格には針が通らないんですよ。結果的に無傷で頂かれるそうです――で!」
レッサー「つまり我々人類の肌はエビカニに劣るレベルで弱いため、決して全裸で行動しないように!私との約束ですよっ!」
上条「種類が違うんだよ。そういう癖(へき)持ってる人はここには来ねぇわ」
-終-