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Clock(trial)

鳴護「『――佐天涙子ビッチムーブ裁判、開廷します!』」

 
――法廷

鳴護「えーっと……はい、現時刻をもちまして裁判を開廷したいと思います。それでは被告人、どうぞ前へ」

佐天「裁判長?異議しかないです」

鳴護「不用意な発言は慎んでくださいと注意されるところですが、基本的に不用意な発言だけで構成されているため、どうぞ?」

佐天「呼び出された意味が分かりません。あたしですか?上条さんではなく?」

鳴護「そうですねぇ。あたし的には当麻君も同罪っちゃ同罪だと思うんだけど、今日の主役は涙子ちゃんです」

佐天「えー……裁判ってことはジャッジされるんですよね?あたしが?」

鳴護「はい、残念ながら」

佐天「『ジャッジメントですよ!』」

鳴護「余裕だよね?でも果たして裁判が終わったあとにも余裕でいられるかな?」

佐天「なんだそれ超怖い」

鳴護「ちなみにあたしも裁判官役で話を聞いたとき、『あぁこれ……難しいかなぁ』って思いました」

佐天「そんなに!?あたしの与り知らぬ所で納得されるほど!?」

初春「――裁判官、被告へ予断を与える発言は慎んでください」

佐天「あ、初春。お疲れ」

初春「本当にお疲れさまです。弁護士役の初春飾利です」

佐天「じゃあ楽勝じゃんか」

初春「いえそれがですね……私も打診されたとき、『あ、これ負けるな』って」

佐天「なんで!?何か知らない間に法律変って犯罪でもしてたとか!?」

初春「私も、出来る限り全力で擁護をしますが、それでも望み薄だというのは覚悟しておいて下さい。いやマジで」

佐天「初春がそんな覚悟を決めただなんて一体あたしはどんな地雷を踏み抜いたのか……!」

初春「余談ですが、裁判で有罪になると佐天さん主演でイメージビデオ作成と相成りますので」

佐天「中一だよ?」

初春「ぶっちゃけその業界では珍しくもありません。しかも総監督・演出を絹旗監督がやろうと張りきっております」

佐天「それなんて罰ゲーム。あ、いや誰が撮ろうとヨゴレ仕事は嫌だけども!」

鳴護「すいません涙子ちゃん。そのヨゴレ仕事も適度にもらってる人がこの部屋に一人います。具体的はあたし」

佐天「すいませんっ全国のグラドルの方!決してバカにしてる訳じゃないんですけど!」

鳴護「そして予断を与えるなと言っておきながら余談を与えている飾利ちゃん」

初春「いい機会ですからぶっとい釘を刺そうだなんて思っていませんよ?えぇホントに」

佐天「的確にあたしの嫌がるところピンポイントで……はっ!?誰かが裏切った可能性が!毎日スカートめくってるのに!」

鳴護「そういうとこだよ?反省しよう?すっっっっっっっっっっっっごい痛い目にあってからじゃ遅いんだからね?」

佐天「まぁでもどうせ冤罪だよ!それ以外に心当たりがないしね!」

上条「くっくっくっく……!果たしてそう言い切れるかな……?」

佐天「あ、そういえばこの間やったゲームでね、『トロッコに一度乗ったら、ダンジョン出ても元に戻らず詰む』ってのがあってさ」

上条「無視しないで!?年がら年中壁打ちしてるSNSの寂しい人みたいになっちゃうから!」

佐天「構ってほしいんだったら構ってほしいだけの態度があるんじゃないですかね」

上条「ふっふっふっふ……!余裕ぶっこいているのも今だけだからな……!」

佐天「他にも『階段を戻って降りてきたら全く別の場所へ出る』ってバグが」

上条「俺が悪かったから!せめてひとりごと的なものを言う可哀相な人にしないで!」

佐天「……」

上条「――ってもう一回やれよ!?二回までやったんだから責任持てよ!?」

鳴護「情緒不安定かな。うんまぁ検察の人は所定の位置へと戻って下さい」

上条「今日は覚悟しときなさいよ!よろくして!?」

佐天「なんでお嬢なんですか」

鳴護「では改めまして、こほん――」

鳴護「『――佐天涙子ビッチムーブ裁判、開廷します!』」

佐天「なんだその人聞き悪い裁判名!?」



――

佐天「すいません裁判長、『彼氏いない歴=年齢』の中一には荷が重いです」

鳴護「ま、まぁそうなんだけど!一応検察さんのお話も聞いてみようよ!ねっ!心当たりがあるかもだし!」

上条「えー、佐天涙子さんは日常生活において様々なビッチムーブをしたという嫌疑がかけられています」

佐天「だからなんて?」

上条「要はあれだよ!いたいけな全国100万人の俺たちを弄んだ罪だよ!何が資格とかはさておくとして!」

佐天「そっちの方が罪に問われませんか?」

鳴護「弁護人、反論は?」

初春「童×を抉らせて死ねばいいと思います」

上条「裁判長!弁護人が暴言を吐きました!」

佐天「いや、大体あたしも同じ感想なんだけど……てか、ビッチ?ムーブ?RPGのターン消費しない敏捷・回避力アップにありそう」

佐天「まだあたしがですよ?なんかこう白ギャルの格好してるんだったら、まぁ分からなくもないですけど!黒髪ロングのあたしのどこが!?」

上条「年貢の納め時が来たってことだよ!長かった!今まで散々イジられた者たちの恨みの声を聞くがいい!」

上条「俺とか浜面とかアリサとかフレなんとかさんとかにあと俺とか!の年を晴らしてやるぜ……!」

佐天「あ、すいません。よく聞き取れなかったんでもう一回言ってもらえませんか?」

上条「この距離で!?結構長い台詞だったんだけど途中で『あ、ちょっと』って口挟む時間あったよね?なんで最後まで言い終わったあとで言うの?」

初春「そして言っても確実にスベるでしょうからね。相変わらず押して良し引いて良しの万能プレイヤー」

上条「くっ!ボケもツッコミも一通りは出来っからツッコミ殺しのスキルも低くは無い……!」

鳴護「すいませんみなさん。お笑いの品評会をしているのではないので、そのぐらいに。特に検察の方は私情を交えないように、裁判の目的は有罪にすることではなく、反省を促すためのものですから」

佐天「その割りにペナルティがIV撮影って邪悪なような。何をどうしたら私情を交えずにそんな結果となるのか」

上条「私情……裁判長!確かに私情を挟むなと仰いましたが、これは私情以外のなにものでもありません!」

上条「我々感情を持つ生き物にとって私情とは大切なものであり、それによって愛憎が多くの犯罪を生む――その一方で!人と人の大切な信頼関係も感情によって築かれるものです!」

鳴護「あ、ごめん。ちょっと午後からのスケジュール確認してて聞いてなかった」 ピッ

上条「おいこれ本当に裁判中か?被告から裁判官まで検察役の話スルーって仕事してなくね?」

佐天「ボケで流さないと痛々しいからですね。提訴した理由も動機も基本しょーもないですし」

上条「い、いつまでそういっていられるかな!この動画を見ても!」

初春「ほぼ負けパターンへ入っていますが、まぁ見てみましょう」

佐天「あ、うん。どうせしょーもないヤツなんだろうけど」



――柵中 とある普通のクラス ホームルーム前

佐天『――よーっす、ちゃーっす……お?』

Aくん『――で、さ。やっぱ岸部露○だよなー。初見殺し系で応用力も高いし』

佐天『Aくん、おはようっす』

Aくん『あ、う、お、おはよう?』

佐天『てか寝癖ついてるよ?頭の右側』

Aくん『ま、マジで!?……カッコ悪いなぁ』

佐天『ちょい待ち』 ペタッ

Aくん『ちょっ!?さ、佐天!?』

佐天『あたしが手で押さえたぐらいじゃ……あー、駄目だなー。意外とクセっ毛?お父さんかお母さんもこんな感じ?』 ペタペタ

Aくん『と――親父が天パ。兄弟で俺だけだ、ぜ?』

佐天『ほーん?うちの弟と一緒だねー。えーっと、少ししゃがんでくれる?』

Aくん『……ん』 スッ

佐天『香料入ってるヘアスプレーだけど我慢してねー?はーい、いきますよー』 シュッシューッ

Aくん『……っ!』

佐天『あ、ついでだから全体やっちゃおっか?なんかリクある?あったら聞くよ?』

Aくん『え!?いいよ全部は!寝グセだけで!』

佐天『あぁい残念!手遅れちゃんでした!』 シューッ

Aくん『……もう好きにしてくれ……』

佐天『らじゃー!それじゃ、全体を盛ってやや遊びにある感じにっと――はいできた!どうよコレ!ほら鏡鏡!』 キラッ

Aくん『あー……いいんじゃない、か?』

佐天『うわリアクションうっす!?もっと喜んでくれてもいいでしょーが!?』

Aくん『た、頼んでねーし!』

佐天『うわキタこれですわー。人の善意を無碍にするタイプですわー。若者にありがちなヤツですなー』

Aくん『い、いやそういうつもりじゃ……!』

佐天『いやいやウソウソ、冗談だって。ま、これから気をつけてねー。あ、先生来るって』

Aくん『……あ、うん。サンキューな?』

佐天『うっす』

Aくん『……』

Bくん『――おい!』

Aくん(……ダメ!好きになっちゃう……!) キュンッ



――法廷

上条「――な……ッ!?どうよ、今日ばっかりはヒデーと思うわ!」

鳴護「……涙子ちゃん?今のはちょっと……うん!なんていうか表現に困るけど!えっとまぁ、ないよね!アリかナシかで言えばだけど!」

初春「可哀相に……こうやってまた道を踏み外す男子が出るんですね。わかります」

佐天「いえ、あの……あたし的には100パー善意で男子の寝癖直したのが、どんだけ騒いでんだよっちゅー話なんですけど」

上条「モブのAくんの気持ち考えたことがあんのか!?いたいけな男子中学生がいいこいいこフェ×になっちまっただろ!?責任取れんのか!?あぁっ!?」

初春「その前にあなたは暴露していい部分とそうじゃない部分を考えた方がいいですよ?」

鳴護「えーっと、あたしから見てもそこまで女子力っていうビッチムーブ力を発揮しなくてもいいかなぁって思うんだけど……」

佐天「なんすかその人聞きの悪すぎる力。いや!まぁ!確かにあたしも親切すぎたかなぁとか今思ったけどさ!」

上条「裁判長!補足情報ですが、このあと被告は『涙子ってAが好きなん?』って聞かれ、『いや別に?』って即答したそうです!これは公開処刑だ!」

初春「異議あり!脈がないんですからバッサリ斬るのも優しさだと思いますよ!」

鳴護「検察と弁護人、Aくんのためにもそれ以上控えてください。多分もう出て来ないでしょうが」

上条「このように!被告はそのビッチパワーで多くの少年を弄んでいるのです!」

初春「裁判官!えっと……強くは否定出来ません!」

佐天「裁判官、弁護人を解任して御坂さんか白井さんへ頼めませんか?頼りがいがないにも程があります」

上条「更に補足情報と致しまして、その日を境に男子の間でわざと寝癖をつけたままにするという怪現象が起きたそうです!」

佐天「あ、うん、なんかそんな週があったなーって。今にして思えばあったけども」

佐天「でもその内々の情報ってどっから仕入れたんですか?ニュースソースがあたしに近い人でないと出て来ませんよね?」

初春「……そうですねぇ。誰でしょうねぇ」

佐天「うい、はる……?目を見て言ってくれるかな?あたしの目を見て?」

鳴護「ま、まぁまぁ!確かにどうかなって思ったけど、涙子ちゃんも『ちょっとやりすぎた』みたいに言ってるから、実刑まですることはないんじゃないかなって」

上条「ヘイヘイヘイヘイ、裁判官ビビってるヘイヘイヘイヘイ!絹旗監督ビビってるーヘイヘイヘイ!」

鳴護「監督のクレイジーさは当麻君もよく知ってる筈だよ!?あたし達に邪悪な演技を強いるそのためだけに『事故物件の円盤まだですかねぇ』とか言う人だよ!?」

初春「なお、補足情報ですが現在監督は『こっくりさん映画マラソン』を決行しようと、諸情報を集めているそうです」
(※4〜5本出てる。そして大体つまらない)

佐天「弁護人その情報いるかな?あたしは指さして笑ってやろうって心に誓ったけど、裁判官の心証悪くなるだけじゃない?『どうせなら道連れに!』みたいな?」

鳴護「そこまで根性悪くな――」

鳴護「……」

鳴護「――検察の人、証拠は以上で終わりですか?」

佐天「またあっさり魂を悪魔へ売ったな!?まぁあたしも同じ立場だったら『オイシイね!』って即売りですけど!」

上条「ありがとうございます裁判官。それでは第二の刺客をご覧に入れましょう!



――柵中 とある普通のクラス 授業中

教師『――で、ドレスデンは中立を宣言したにもかかわらず、連合軍から徹底的に爆撃された訳だ。まぁ軍の工場があったからな』

佐天『……』 カリカリカリ

Bくん『……あっ、消しゴム』 コロッ

佐天『お、とったげるよ』

チラッ

Bくん(あ、胸の谷間……!)

佐天『はい』

Bくん『あ、ありがとう……!』

佐天『――あ、今見た?』

Bくん『見――っ!?』

佐天『あの先生額拭くフリしてヅラの位置直したじゃん?増毛じゃないんだよねー、お金あるのに』

Bくん『そ、そっち!?』

佐天『ん、うん?他になんかあるっけ?』


いやなんいよ!ないから1

はいそこうるさいぞー

すいませんっ

はは、怒られちったねごめんもね

Bくん『……』

Bくん(……好き……!) キュンッ



――

上条「――どうよコレ!?」

佐天「リアクション乙女か。そしてあたしは被害者側だわ。あぁいや別にわざとって訳じゃないから不問にしますけど」

鳴護「あの、これ大丈夫かな?どうやってもAくんBくんの今後のクラスカーストに深刻が影響がありそうな感じが……」

上条「犯罪被害者というものは得てしてそういうものなんですよ!彼らも苦しいのに告白してくれたんです!」

初春「裁判長、弁護人がマウント取ろうとするのやめさせてください。犯罪に該当する告白は提訴する条件として当然のことです」

鳴護「あぁなんかギャグで流そうとしたけど、苦しいのに性別は関係ないんだよね」

上条「その通りだ!俺が全裸で歩いたら逮捕されるけどアリサだったら逮捕はされない!そんな世界間違ってる!」

鳴護「死ぬよね?ありとあらゆる信頼を裏切って社会的には死んだのと同義だよね?」

初春「それ以前に逮捕されます。えぇ確実に、初犯だったら不起訴になりはするでしょうが」

上条「君は反省すべきだ!前途有望な若者を手にかけておいて恥ずかしくはないのか……ッ!?」

佐天「谷間見られたあたしが一番恥ずかしいわ!あ、でもよく考えたらそんなにでもないか」

鳴護「そこは普通に恥ずかしがろう?涙子ちゃんもいい加減にしないと痛い目見るよ?薄い本が厚くなるんだよ?」

初春「まぁ中一同士のバカ話なのでそんなに騒ぐ必要はないでしょうが……これがもしどっちかが成人だった場合、窃視的な法に引っかかる可能性が」

上条「いい事言った弁護人!」

佐天「あたしちゃうわ!?捕まるにしたって被害者の方だし!?」

上条「なお余談ですが、この日を境に物を落とす男子が急増しました……ッ!」

鳴護「バカなのかな?あ、ごめんなさい。つい本音が」

初春「そしてそんな男子をゴミのような目で見る女子群がですね」

鳴護「やっぱりバカなのかな?……てか大丈夫?涙子ちゃん女子から『調子に乗ってねー?』みたいにイジワルされてない?相談に乗るよ?」

佐天「あぁそういうのは全然全然?何かあったら直で聞きに行きますし?」

上条「そういうところも良くないよ!男子的にはポイント高いんだからねっ!」

初春「どういうキャラですかそれ」

佐天「てか弁護人はもっとあたしの弁護してよぉ!補足情報もなんかこうあたし側じゃないし!」

初春「嘘は吐けませんからねぇ。そして裁判官もドン引きですし」

鳴護「や、まぁ、ねぇ?あたしもアイドルやってる分、つーか究極のサービス業と言っても過言じゃないし。こう色々とあるから」

上条「そうだぞ、抱き枕を売るとかそういうのがあるんだからな?」

鳴護「ないよ?少なくともあたしの住んでいる世界にはそういうのなかったよ?」

上条「なお余談ですが、『既婚者である事を強調するヤツの方が大抵ヤバい』……!」
(※by上司)

初春「だからといってエ×目的を前面に出してくるチャラいのも、それはそれで獣と大差なく……」

上条「既婚者もダメ、かといって独身もダメ、ということは――」

上条「――つまり男は100%危険だって事だな……ッ!!!」

鳴護「当麻君ダメダメ。それだと絹旗理論に陥る」

絹旗「『芝刈り機を持っていないのはホ×だ』に繋がる暴言ですよね」

佐天「段々何が主旨なのか分からなくなってきたよね。まぁ最初からだけど」

上条「正直俺もボケすぎて情緒不安定な人になってる」

鳴護「まぁね!基本ツッコミの人がボケへ回ると不安に感じるよね!」

上条「まだ、まだだ!被告人の重ねた罪は重いぜ!」

初春「段々その定義も微妙になってきましたけどね」



――柵中 とある普通のクラス 昼休み

Cくん『――マキ○さん死んじまったわー。まさかあんなしょーもない手段で……』

Dくん『なぁ?デン○は好きなんだけど、ア○さんとパワ○死んじまったし投げやりになってんじゃね?』

Eくん『なんで最期までデビルハンター路線で良かったのに……』

佐天『あ、ごめん。ジャン○ある?よかったら貸してー?』

Cくん『あぁいいぜ。つーかチェンソ○今週号引くぜ?』

佐天『マジで?最終回かつアニメ決まってんのに?』

Dくん『アニメ化決まっててもダメなのはダメだよ!第二の鬼○狙ってんだろうけどさ!』

佐天『だねぇ。あたし的にはジャン○派だから次々とアニメ化すんのは嬉しいけど』

Eくん『あ、あれ?佐天さんってチャンピオ○も読んでるよね?』

佐天『入○って基本っしょ?てかよくEテ○でやってんなって思うけど――』

佐天『――って、あっちゃー……マジか。ナナミ○死んじゃったよー……うっわー……』

Cくん『あぁ呪○な。面白いんだけど、モブが死にまくるしモブじゃなくても死にまくるし』

佐天『早く来いー五○さん!間に合わなくなっても知らんぞー!』

Dくん『間に合わないよねぇ。てか呪霊瞬殺してた五○さんマジパネェっすわ』

Eくん『チート……にしては何か雑。調子ぶっこいててやられる感じで』

佐天『――と、ありがとー!面白かったねー、ナナミ○死んじゃってあたし的にはショックだけどさ』

Eくん『佐天さんってあぁいう人がタイプ?』

佐天『んー………………?どうかなー……どうだろーなー?』

Eくん『そんなに悩まなくても……』

佐天『頼りになるタイプはそりゃカッケーって思うけど−。だって男女問わずそうじゃね?』

Cくん『ん?まぁ、そうかな?』

佐天『オイ待て違うんかコラ?つーかCくんたちはどうよ?タイプとかってあるん?』

Cくん『俺は決まってる!悪魔の○より剣豪タイプだ!』

Dくん『俺は不死だ!絶対に死なないニヒルな男!』

Eくん『俺は……パンダ?謎の人形で可愛さアピール?』

佐天『違う、そうじゃねぇよ。あたしが聞いてんのは中二的な話じゃなく』 キーンコーンカーンコーン

Eくん『ま、まぁまぁ!予鈴鳴ったからこの話は終わりに!』

佐天『そこまで興味はないけど。んじゃどーもねー』

Cくん・Dくん・Eくん『……………………』

Cくん・Dくん・Eくん(――うん、君みたいな子が好き) キュンッ



――

上条「なんてかわいそうな君のクラスメイトたち……っ!?」

佐天「そうですね。内心をあたしの前でおもっくそぶちまけられてるのはかわいそうだと思います。かなりマジで」

上条「彼らは辛かったのです!自身の癖(へき)を暴露されてまて告発したかったのだと速記には残してください!」

鳴護「なんだろうね、こう女性の性被害は深刻だし、ぶっちゃけ最高刑を引き上げるぐらいには賛成なんだけど、立場を変えるとギャグになるってのは……」

初春「気にしないで下さい。どっちみち真面目に読んでる人なんて誰一人としていませんから」

鳴護「て、ゆうか涙子ちゃん好きって言われてるのと同じなんだけど、そこはいいのかな?」

佐天「あぁあたし何回かコクられてますけど、『ごめんなさい』してますし?」

上条「問題発言だ!被告人は発言を撤回してください!」

鳴護「……一応聞きますけど、なんで?」

上条「今の時代ヒロインに男の影があると抗議されるんだ!エ×ゲーに噛ませモブからの告白イベントを入れただけでアンケートハガキに長文でクレームが書かれるんだぞ!」
(※らしいです)

鳴護「当麻君、あなた疲れてるんだよ」

初春「普段真面目っぽい人がはっちゃけると、なんかこう狂気の片鱗のようなものを感じさせますよね」

佐天「ていうか今回もあたしはただジャン○借りてお喋りしただけなんですが。ノットギルティ」

上条「じゃあ逆に被告へ聞きますが、仮に登場人物の性別が反対だったとしましょう!」

佐天「うん」

上条「……あ、問題ないわ!?こわっ!?」

初春「裁判官、検察が不安定です」

鳴護「弁護人はもうちょっと言葉をオブラートに包んで下さい。弁護人、何か補足情報がありましたらどうぞ」

上条「なお余談ですが、この男子三人はあやかしトライアング○の単行本(一・二巻)を買っています……ッ!」

鳴護「うん、それは自由じゃないかな?ただの個人情報の暴露だよね?」

初春「あぁ、控え室でなんか男子と騒いでると思ったらそういう」

上条「いや違うよ?俺たちが話していたのは『グ××さんはどうして民主主義国家のデモは支援するのに、世界最大の温暖化ガス排出国&独裁国家には何も言わないんだろう』って討論をだな」

初春「へー、それで出た結論は?」

上条「『律○くんの性癖がねじ曲がるよね』って意気投合したんだ!連絡先も交換したし!」

初春「あやかしトライアング○だろそれ」

佐天「裁判長、検察さんのボケが誰も彼も傷つけています。自分自身も深くエグっています」

鳴護「えっと……例のバレンタイン企画でブロンズ像が白い人になっていたのがショックらしく……」

上条「自分の中の理想を突き詰めていくと、それはやっぱり他人になるんだよなぁって事だな。ただしレッサーは近日中にシバき倒す」 

初春「そした最終的に『俺はこのままで最高!』って思っている人はいないって事ですよね。隣の芝生は青く見える」

上条「その通りだ。なろ○系主人公だっていざなってみれば理不尽な扱いばっかりだぞ!いやなったことないから分かんないけども!」

佐天「別ジャンルの先駆けの人がなんかいってるな。そして最近落ち目の学園設定」

初春「あれいつも思うんですが、余所の世界で転生者がご迷惑をお掛けするぐらいだったら、こっちで勝手に完結しろと」

上条「そうだね!色恋沙汰で他人に迷惑かけるのはよくないよ!」

鳴護「検察はそれ以上あたしの神経を逆撫でしたら極刑にします」

上条「誰かの悪い影響がモロに現れてる……!」

佐天「その筆頭がなんかいってるよ」



――柵中 とある普通のクラス 朝

佐天『おいっすー、おはよーFくん』 ポンッ

Fくん『あ、あぁおはよう……』

佐天『おっ、今日は何キャラ?』

Fくん『今すぐその手を離すがいい。さもなくば全てのバフ効果が無効化されるであろう……!』

佐天『あー、時期流行ったキャンセル系能力者かー。今だと『上○△』って言われて終わりじゃね?』

初春『あ、佐天さんおはようございます』

佐天『おっすー。んじゃねー』

Fくん『……』

Fくん(これが――これが、人のぬくもりだというのか……ッ!?) キュンッ



――

上条「な……ッっ!?」

佐天「『なっ?』じゃなく『何で?』的なのだったら同意です。ちょっと意味が分からなくなってきたんですけど」

鳴護「検察、説明してもらっても?」

上条「被告は事あるごとにさりげないボディタッチを繰り返し、無垢な少年達にアオハル的な開眼をさせてきました!これ以上の罪があるのでしょうかっ!?」

佐天「なんでですか。いやそりゃ肩ぐらい叩くでしょーが!?」

上条「ですから逆に考えていただきたい!男子が女子をタッチするのはダメならであれば、女子が男子をタッチするのはやめてください!」

上条「俺たちのMDFは低いんだから!すぐこう意識しちゃうんだから!」

初春「今我がクラスの男子総意と致しまして、『余計なこと言ってんじゃねぇぞテンプレ主人公のクセしやがって』って電波が」

鳴護「あとFくんの言動も心配だよね。確実に数年後には黒歴史なんだろうけど」

佐天「いや別に良くないですか?腕組んだりちゅーしたりする訳じゃないんですから」

上条「なんてハレンチな!中には16年この業界でやっててちゅーしたのは最近って人もいるんだぞ!」

鳴護「なんて体を張ったギャグを……!」

初春「最近のは『これおかしいんじゃ?ゾーニングやってるの?』というのが多々ありまして。ケロロ軍○のあとに異世界ハーレ○載っていたり」

佐天「欲望にダイレクトすぎるよね」

上条「なお余談ですが、真っ先に俺(っぽい人)がヤられる『無能なナ○』のアニメは惨敗だったそうです……ッ!」

鳴護「補足情報要るかな?まぁ最初から疑問視はしてたんだけど、それもうただの悪口だよね?」

上条「――ふっ、何とでも言うがいい!こっちはもうラストにとんでもない物を用意している……できれば出したくなかったが!」

佐天「あっはい、このしょーもない裁判にもやっと終わりが見えて来たってことですね」



――柵中 とある普通のクラス

キーンコーンカーンコーン

Gくん『あれ……?』

佐天『どったの?お腹でも痛い?』

Gくん『いや痛くはないよ。やっちゃったなー』

佐天『うん、仕方がないよ。誰だって体調が悪いときもあるしさ』

Gくん『だからお腹の話じゃなくて』

教師『――はーいお前ら席に着けー、内申差っ引くぞー』

Gくん『……あー……マズった。借りに行けばよかった……』

佐天『あ、なんだ教科書忘れただけじゃん。いいよ、あたしの見れば?』

Gくん『ご、ごめんね?』

佐天『いいって。んじゃ机がっちゃんこして』 ガチャンッ

Gくん『う……近い』

佐天『なに?』

Gくん『なんでもないよ!気にしないでね!』

教師『おいそこぶち殺すぞ?お前の幻想ぶっ殺すからな?内申点的な意味で』

初春『先生、いいから授業を』

教師『ん、あぁ、では教科書の133ページからだな。カップルなんて死ねばいいのにな』

初春『おい中学生相手に何言ってんだ』

……

教師『――写真はよく嘘を吐く。有名な賞を受賞したカメラマンもいるが、その中身はデタラメだったりというのはよくある話だ』

教師『例えばベトナム戦争時にある将校が一般人を銃殺刑に処した、という写真がだ』

佐天『……』

Gくん『……』

佐天『……』 ツンツン

Gくん『……?』

佐天【古今東西;授業中に乱入してきたら嫌だ!シリーズ】 カキカキ

Gくん『――ぶっ!?』

教師『どしたーG?』

Gくん『なんでもないです!クシャミが中途半端に出ちゃって!』

教師『そうか。死ねばいいのにな』

初春『先生、という再現Vに出ているアクターさん、演技が雑です』

佐天【先攻あたし――ゾンビ】

Gくん【IKK○さん】

佐天【面白いな!?いやまぁどっちも似てるっちゃ似てるけどさ!】

Gくん【改造してそうって意味では……まぁ】

佐天【んじゃ、えっと、くまモ○?】

Gくん【……ソフバ○の犬】

佐天【あたしだったらどっちもモフりに行く!】

Gくん【くまモ○は腐っても中の人がいるんだけど……去年の秋頃に”関係者”が罹っちゃって活動お休みしてたよ】

佐天【カルガモ親子】

Gくん【通り道なの?春先になるとテレビで絶対にするけど、あれ運んでもいいよね?むしろ人が関わって運搬した方が確実だよね?】

佐天【初音ミ○】

Gくん【個人的にはサインを貰う、あと嬉しい】

佐天『……』

Gくん『……?』

佐天【ね】

Gくん【うん?】

佐天【誰か好きな子いる?】

Gくん『――先生!お腹が痛いんで保健室行って来ます!』

佐天『あ、やっぱ体調悪いんじゃん』

初春『違う、そうじゃない』



――

上条「なお余談ですが、この日を境に教科書を忘れる男子が急増しました……ッ!」

鳴護「嘘だよね?仮にそういう不心得者が出たとしても、涙子ちゃんに見せてもらえるのは隣のGくんだけだよね?」

初春「残念ながら『ワンチャンあるかも!』とバカをする男子がいない訳ではなく、ぶっちゃけ事実増えました」

鳴護「なんて頭の悪い男子のそろったクラス……!」

上条「……検察が法廷へ出せる証拠は以上となります――が!決して!そう決してこれらの証拠は氷山の一角であり!」

上条「被告と同じクラスの男子は結構苦労してると!マジで思って下さい!」

鳴護「えっと……涙子ちゃん、これは酷いよ?良くないよ?」

佐天「すいません裁判長、あたしが何故責められているのか分からないです」

上条「てかいい加減にしろや!そんなに俺たちの心を弄んで楽しいか!?ありがとうっ!」

佐天「すいません裁判長、責められているのか感謝されているのかより不明になってきました」

鳴護「当麻君も……まぁ困るような嬉しいなって気持ちは分かるけども……」

上条「てか中学時代にこんな荒い洗礼喰らったら後々まで影響残るわ!どノーマルなヤツだって抉らせるわ!」

佐天「えー……なんか言ってよ弁護人」

初春「裁判長、初犯ですのでどうか執行猶予付きで是非……!」

佐天「罪を全面的に認める方向で!?」

鳴護「えー、弁護人の言い分は分かりましたが、他に何か言いたいことがあればどうぞ」

上条「あぁじゃあ最後に一つだけ。言ってる事は理不尽だ思う、そして若いからこその無謀だし、意味を知らないからこその青春だと思う」

上条「まぁ究極的な話、抉らせるのは男子であって君の責任ではない、と言えなくもない」

佐天「なら無罪だろ」

初春「佐天さん、シーッでお願いします。その通りなんですが、それ言われると企画そのものが崩壊しますから」

上条「恋をするのは自由だし、中学生だからって好きになっちゃいけないだなんてのは違う。まぁ社会常識には沿ってほしいが、誰かを好きになるのは止められないからな」

上条「でも、なんだ。検察役じゃなく、そしてクラスの男子の代表でもなく、ただ一人の上条当麻として言わせてほしい。それは――」

上条「――君たちの恋愛は君たちの中だけで完結してほしい!そう願う人(を持っている癖(へき))だっているってことを忘れないでくれ……ッ!!!」

佐天「うっせーな百合厨!中の人含めてあたしらだって人間だし恋の一つや二つするわ!」

初春「佐天さんいいこと言いました!世界中の声ヲタは今の言葉を頭に叩き込んでください!中の人にだって自由はあるんですよ!」

上条「そこは我慢してほしい!夢を見続けるのがダメだっていうのかよっ!?」

鳴護「――はい、じゃあそろそろ出ないと午後のお仕事に間に合わないので、パッと判決を出します」

上条「年貢の納め時だな!長かった!散々イジられたアレコレが走馬灯のように……!」

鳴護「判決、被告佐天涙子は初犯かつ自覚がないため不起訴とします!」

佐天「よっしゃあ!」

上条「なんでだよ!?アリサ、悪い事は言わないから一回ぐらい痛い目見た方がいいって!じゃないとどっかで大ケガすっから!」

鳴護「あたしもそう思うんで、初春さんよーく説教しておいてください。割りとマジで」

初春「承りました。命に替えてもやりましょう」

佐天「ちっ!無罪放免にはならなかったか……!」

上条「クソ……っ!俺の頑張りは何だったんだ……?」

鳴護「なお、絹旗監督は呼んじゃってあるのでイメージビデオは当麻君のを撮ります、だって」

上条「なんっっっっっっっっっっっっっっっっっっでだよ!?悪いけど需要ねーわ!?俺だって分かるぐらい資源の無駄遣いだわ!?」

絹旗「――さっ、超行きましょうか?」 ポンッ

上条「待って!?ダメなの!心の準備がまだできていないの!?」

絹旗「超大丈夫ですよー。B級イメージビデオあるあるですから、モデルさんはどっちでも」

上条「まだ結婚までは清い体で――ア゛−−−−−−−−−−−−−−−┌(┌^o^)┐−−−−−−−−−−−−−−−−−ッ!?

佐天「――ふっ、悪は滅びた」 キリッ

初春「佐天さんは午後ずっとお説教ですよ?白井さんと御坂さんも呼んでありますからね?」

佐天「オゥフ……なんでこうなった……?」


-終-
(※あと数行で終わり、よりにもよって絹旗監督のオチの部分でドーン!と地震来ました。呪われてんのか監督)

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