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Clock(trial)

とある夏の怪談集

 
――とある学校 夕方

御坂「雌伏の時は終わったわ!あたしin the her happy marriageこと花嫁修業の場が帰って来たアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ」
(※間違い)

御坂「テーマが学校の怪談でまた性懲りもなくアンポンタンだけども!なんつーかたまたま入った食べ物屋さんの内装が神っててドン引きするレベルけども!」

御坂「流石に、ねぇ?流石にそこまで学校は広くない……わよね?怪談的な話だったらまぁまあるけど、マッ○のアレとかディズニ○は違ったっけ?」

御坂「あぁでも佐天さんのジャンルだから都市伝説系……まぁいいわ!大丈夫よね?信じるわよ?」

御坂「えーっと、指定された場所が……ここか。家庭科室、うん、料理実習とかって憧れるわよねー。なんかウチの学校だとテーブルマナーばっかで全然しないけど」

御坂「常盤台の子だっていつかは彼氏に料理ぐらい作るってことには……?全部使用人に任せるって発想……?」

御坂「――ま、いいわ!かかってきなさい今日の料理!本日の講師は一体誰が――」

ガチャッ

闇咲「――ようこそ。闇ちゃんねる主催者の闇咲だ」

御坂「出たわね邪悪な怪談おじさんその二!?ARISAと佐天さんに番組を乗っ取られてる寸前まで行ってる人が!」

闇咲「視聴者数が増えたのは増えたのだがね。私がメインの動画の再生回数は微動だにしないのだよ」

御坂「客層ちゃんと考えた?怪談好きとARISAのファンって被らないと思うわー」

闇咲「普通の放送ではおおよそ3万20回ぐらいの再生数がある」

御坂「そのぐらいだったら悪くないんじゃない?頑張ればもっと上も狙えるラインよ」

闇咲「評価してくれて感謝する。だがしかし一つ問題があってだな」

御坂「問題?何?」

闇咲「私だけが登場する回は20前後にまで減るのだ」

御坂「差分3万人!?もう諦めたら?試合終了のホイッスル鳴る前でもコールドゲームってあると思うのよね、いやマジで」

闇咲「もうそろそろ私が台本を書こうと提案したのだが、演者二人には断固拒否されてしまってね」

御坂「黒くてグロい話……まぁ正しいのかもしれないけど、もっと空気を読む努力を、うん、しようか?」

闇咲「さて、本日のテーマは禁忌とされる食文化だ。ではまず○○県の骨○○○について話をしようか」
(※無理)

御坂「本当に空気読みなさいよ!?それマジだからやめて実名出さないでって言われたでしょさっき!?」

闇咲「日本国内でも珍しい××食の○○だぞ?しかも個人がやっていたのではなく、集落単位で日常的に行っていたという証言がだな」
(※ガチ過ぎるので無理。まだ××××××にケンカ売る方がマシ)

御坂「都・市・伝・説、でっ!!!そういうガチなヤツじゃなくもっとフワっとした話をお願いしたいわね!」

闇咲「失敬した。七不思議などの学校の怪談の話だったか」

御坂「……あるの?食のタブー的な感じの?」

闇咲「割と有名なのがある。と、いうか学校の怪談の歴史は相当古いぞ?」

御坂「花子さんとかでしょ?サザ○さんのワカ○ちゃんっぽい衣装だから……半世紀ぐらい前?」

闇咲「最低100年だ」

御坂「古っ!?ヒマか!?」

闇咲「当時の社会状況が大いに関係している。まず学校が多くなかったため師範学校などは郷土から離れて遠方に住むしかなかった」

闇咲「また女工、今では義務教育の年齢であるにも関わらず、親元を離れて工場で働く児童も居た」

闇咲「そんな彼らが寮や寄宿舎で生活をし、その段階で『学校の怪談』が生まれていったと。同じ職場や寮の後輩達へ怪談が受け継がれていき……」

御坂「そこだけ聞くと壮大な話に聞こえるけど、要はただの暇潰しよね?」

闇咲「ふむ。ならば子供騙しではなく○○県の話に戻そうか。とある集落では葬儀の際に」

御坂「超興味あるわ!学校の怪談ってロマンがあるわよね!どんな暇潰しをしたのかって意味で!」

闇咲「元気な返事で結構だが――実は文化人類学的にもそこそこ価値があるのだ」

御坂「……子供たちの与太話でしょ?」

闇咲「まぁ聞きたまえ――ある寮の話。同じ部屋に暮らす少年たちが、ある暑い夏の日に肝試しをしようと言い出した」

闇咲「内容は灯りを持って墓地を一周してくるという単純なもの。勿論夜の外出は禁じられているし、誰かが止めてくれるのだろうと始めは思っていた」

闇咲「しかし誰も途中で止めようとは言い出せなかった。言い出そうものなら臆病者と笑われるのが分かっていたからだ」

闇咲「殆どが、ともすれば全員が乗り気でないまま肝試しをすることになる。一人がロウソクの灯りをを持って退出し……暫くすると、帰ってくる」

闇咲「『大したことなかった』という顔は青ざめており、虚勢であるのは誰の目にも明らかだった」

闇咲「一人、また一人と青い顔をして帰ってくると……その内の一人が変なことを言い出した。『俺、何か変なの見たかもしれない』と」

闇咲「『おいやめろよ、変なこと言うなよ、脅かすなよ』、まだ順番ではなかった少年が言う。『違う!そうじゃないんだ!』と彼は頑なに否定した」

闇咲「『俺が見たのは女だったんだ!墓地で音がしたんだ!』一瞬室内静まり返り、少しして失笑が漏れた」

闇咲「『音?幽霊だったら音はしないだろ、本当に誰かいたってことじゃないか』そう他の少年たちは笑った。きっと宿直の教師が見回っていたのだろうと」

闇咲「しかし少年は首を横に振った『……だから、違うんだ!ザックザックって――』」

闇咲「『――土を、掘っていたんだ……!』」

闇咲「少年達は静まり返った。墓地で墓を、しかも夜に掘り返すなんて尋常な行いではない。これはどうしたものだろうか、と」

闇咲「全員一様に黙ってしまうと辺りは静まり返る。まぁ深夜で起きている者もいるはずがない――が、誰かが小声でこう言った」

闇咲「『先生が来たぞ!寝たふりをしろ!』と全員が布団を被った」

闇咲「きぎぃ、と扉が開いた途端、室内に異様な臭いが立ちこめた。すえたような悪臭、鉄サビのような臭い、そして――」

闇咲「――土の、香りが」

闇咲「とてつもなく臭い”何か”は少年一人一人に顔を近づけ、血の臭いをさせながら、ボソボソ、ボソボソと呟いていく」

闇咲「『……じゃない……お前……』。その呟きは段々と近づき、件の目撃した少年にまで近づくと――」

闇咲「『見たのは――お前だ!!!』、と」

御坂「……」

闇咲「――以上、学校の怪談シリーズ・『肝試しで見てしまったもの』だ」

御坂「はい先生!最後の大声が怖かったです!予想以上にガチなのは反則だと思います!」

闇咲「あぁじゃあ台詞を『お前もダメ映画に超出演させましょうか!?』に交換すれば」

御坂「別の意味で怖いわー。ARISAが主に被害に遭ってるわー」

闇咲「まぁ要はアレだ、『結核を治すには人肉が特効薬だ』というデマを実践した者が居る――”という怪談”であり、作り話だ」

御坂「……実話じゃないのよね?」

闇咲「何を以て実話かどうかを判断するのは個人に任せる。昔は土葬が一般的だったので、なくはない、とだけ」

御坂「つーかこれ、あたしも聞いたことあるような話に似てるわ。何か見ちゃいけないものを見ちゃって、慌てて家まで逃げてきたら追い付かれて」

御坂「そんで寝たフリしていたら――『お前起きてるだろ!』で終わる話」

闇咲「類型の話が江戸時代からあるからな」

御坂「……は?なんでよ?」

闇咲「昔は丑の刻参りか。五寸釘を持って金輪を被ったクラシカルタイプの呪いなのだが」

御坂「新しいも古いもないでしょ。つーか江戸時代にあったんだ」

闇咲「それをたまたま目撃してしまった者が宿へと逃げ帰り、追跡してきた婆に同様のハラスメントを受ける話がある」

闇咲「まぁつまり江戸時代から明治を経て、現代にまで怪談が伝わってしまっている訳だ。人から人へと口伝で伝わる形でと」

闇咲「しかし時代に合わせて少しずつ形を変えていき、呪いだったものが墓荒らしに、そしてまた別のものへと変化するだろう」

御坂「……そんなもんなんだ、怪談って」

闇咲「江戸時代に創作怪談として流布されたものが、後年になって『これこれこういう事実があって……』というパターンは実に多い」

闇咲「有名どころでいえば、現代怪談の『もう落とさないでね』というものを知っているか?」

御坂「あー、佐天さんから聞いたわー。子供に保険金かけてフェリーに乗せて殺しちゃった後、何年かしてからまだ新しい子供ができて」

御坂「前の子供と同じようにフェリー乗ったら、その子が『今度はもう、落とさないでね』って言うヤツでしょ?」

闇咲「その通り。前世で殺めてしまった子が、新しい子として生まれ変わっていた、という都市伝説であり――日本霊異記にも『こんな晩(ばん)』という説話がある」

闇咲「ある旅の僧がある民家で一晩の宿を借りた。しかし夫婦は僧が小金を持っていそうだと、僧を殺して金を奪ってしまった」

闇咲「夫婦はその金を元手に事業を興して裕福になり、念願の子も授かった。しかしある夜、その子がむくりと起き上がり、夫婦へこう言った――」

闇咲「――『お前に殺されたのもこんな晩だったな』、と」

御坂「そっくり、よね?」

闇咲「まぁこれらの怪談は時代を変えて変遷しているパターンだが、同時に廃れていくものも数多い」

闇咲「同じく学校の怪談に『血染めの蚊帳(ちぞめのかや)』というものがある。聞いた事は……ある筈もないか」

御坂「カヤってどのカヤ?茅葺き屋根のカヤ?」

闇咲「時代的には近いが違う。昔の防疫道具の一種で、人がスッポリと入れるぐらいの蠅帳(はえちょう)だ」

御坂「ごめん、はえちょう自体が分からない」

闇咲「食品にハエがたからないように、ドーム状の網を被せておく器具だ」

御坂「あぁ見たことはあるわ使ったことはないけど」

闇咲「その巨大な版が蚊帳(かや)だ。主に寝室などで使われ、網で囲ってあるから虫も侵入を防ぎつつ空気が流れるから暑くない」

御坂「大昔はクーラーも扇風機もなかったもんね」

闇咲「で、その蚊帳が夜の学校を歩いていると……」

御坂「と?」

闇咲「上からグワーッと襲ってくる、らしい」
(※実在する怪談です)

御坂「なんでよ!?いや怖いっちゃ怖いけど網じゃない所詮は!?」

闇咲「私に言われても困るが、しかし今の子供たちは蚊帳の存在自体を知らないため、この怪談は今や昭和の文献にしか残されていない」

御坂「意外に打たれ弱いわね七不思議!?カルチャーギャップが致命傷って!」

闇咲「類型にノブスマというものがうる。夜道を歩いていると突然上から視界を防ぐように出現する」

御坂「怖い?ねぇそれ本当に怖いかな?自転車とか自動車とか運転中だったら凄い怖いけど、昔は基本徒歩移動よね?」

闇咲「あとは時代に流される怪談としては『時計屋』か。これはある師範学校の寮へ忍び込んだ泥棒の話なのだが」

闇咲「昔の時計は今と違って全てが貴重品であり、親が子に持たせるのは『万が一お金に困ったら時計を売りなさい』というメッセージ込みだった」

闇咲「子供としてもそんな大切なモノを盗まれて必死になり、寮総出で泥棒を追い回しあるトイレの個室にまで追い詰めた」

闇咲「扉を開けようとしても内側から押さえつけてるのかビクともしない。泥棒も必死だったんだろうが」

闇咲「頭に来た寮生が鈍器で扉を壊したところ、中で泥棒はクビを吊って死んでいた。その両腕には盗んだ時計がビッシリと巻かれたまま」

闇咲「以来その個室からは『チッ、チッ、チッ、チッ』と時計の音がするそうだ――」

御坂「ねぇ怪談おじさんって人を怖がらせるノルマでもあるの?畏れポイントでも蓄積して妖怪でも復活させようとか?」

闇咲「今は時計そのものが100均で買えるため、価値が暴落していまい怪談自体が成立しなくなってしまった」

闇咲「あと食にまつわるタブーといえば牛馬で生業を立てていた家系が、その子孫が牛肉・馬肉を食べないのはそこそこあるか」

御坂「牛馬……放牧、な訳はないわよね。昔は重機代わりだったんだっけ?」

闇咲「荷駄の運搬から開墾全般まで大活躍だ。だから”基本的”には飼っていた牛馬が死んでもその肉は食べなかった」

御坂「正直、現在の牧場関係者に聞かせてあげたいわよね。いっつも違和感があんのよ、『我が子のように育てました』ってキャッチフレーズ」

闇咲「あとは所謂ねこまんまか。あれも験を担ぐ職種からは嫌われている」

御坂「どうしてよ?お茶漬けは別に嫌われてないのに?」

闇咲「盛った飯を水分で崩す、というのが山崩れや崖崩れを連想させるそうだ。山師や猟師に鉱山で働く人間などが対象と言われている」

闇咲「派生して金融関係者が相場の暴落を防ぐとも」

御坂「そこまでスケールが大きくなると効果は期待できない……!」

闇咲「ただ某ラノベの影響で誤った認識が多少広がってしまったが、まぁあちらはフィクションだから許してあげてほしい」

御坂「ちょっと何言ってるのか分からないけど曳家(ひきや)のよね」

闇咲「――さて、そろそろ時間も少なくなってきたので本当に怖い話をしよう。これは日本で一番有名な怪談おじさんの話だ」

御坂「その人はおじさんっていうよりおじいさんじゃ……?ググってみたら74歳だったし」
(※誕生日が8/21、丁度ここを書いてるのが同じ日の午前1時過ぎ)

闇咲「怪談おじさんがいつものように気持ち良く怪談を話した後、事務所へ帰ったらしい。するとそこにはマネージャーが一つの封筒を手にして悩んでいた」

闇咲「『何かあったの?』と訊ねる怪談おじさん。マネージャーは黙ってその封筒を彼へ差し出し、そこに書かれていたものとは……!」

御坂「てかこの怪談ダメっぽいわよね?主人公が怪談おじさん言ってる時点でもう面白いもの」

闇咲「書かれていたものとは……ッ!!!」

御坂「あぁごめんなさい。とは?なんてあったの?」

闇咲「『あなたの語っている怪談の著作権はこちらにあるので、止めないと著作権侵害で訴えますよ』……ッ!!!」
(※かなり盛っていますが実話です)

御坂「しょーもないな!?つーか怖いっちゃ怖いけどそんなしょーもない理由で!?」
(※日本一の怪談おじさんが、他の人の怪談パクって無許可で語ってて問題になりました)

御坂「つーか怪談って『実話』よね!?あくまでも体裁はそうなんだから、誰が語ってもいいんじゃないの!?」

闇咲「なお、日本一の怪談おじさんは後日謝罪して事なきを得たそうだ」
(※by松竹芸○の怪談おじさん曰く)

御坂「てか料理は!?あたし久しぶりにまともに呼ばれたと思ったらしょーもない怪談聞かせられて終わりってないわよ!?」

闇咲「――数日間、肉料理が食べられなくな」

御坂「――はいって言うわけで今回の闇ちゃんねるは終わるけど!良い子のみんなは怪談ばっか聞かないようにしようね!人として歪むわ!」

闇咲「怪談おじさんの高年齢化が進み、結果的に怪異を語っても安全だったと言えるのではないだろうか?」

御坂「そうだけども!言って良い事と悪い事があるって学習しなさいよ!」


-終-
(※学校の怪談の闇は深く、年々高齢化しつつも特に日常生活に支障もなく蓄財している怪談おじさん達の闇もまた深く。ご応募ありがとうございました)



――とある高校 深夜

青ピ「……」 コツコツコツ

青ピ「……ここやな。学校三階の踊り場にある大鏡っちゅーんは」

青ピ「あとは0時0分0秒に触れれば!異世界へ行けるんや!」

上条「――止めるんだ青ピ!早まるな!」

青ピ「カミやん……!ダメや、ボクはいかへんといけないんよ!」

上条「大したことしゃないだろ!?いい加減クラス女子がぶち切れてオールシカトされたり!」

上条「風紀委員から学校に正式な抗議がきて!小萌先生も『そろそろ担任を……』って言ってるぐらいだろ!?」

青ピ「それもう学園生活詰んどぉよね?残りの二年弱ボクは男子や壁としかコミュニケーション取れヘんってことやもんね?」

上条「それに、ほら!俺たちがいるだろ!?友達……では、ないけど!知り合いとしての枠だったら大量に!」

青ピ「あれカミやんトドメ刺しに来たん?ボクが異世界行くの後押ししてるやんね?」

上条「あ、これ念のために俺と土御門で選んだ異世界旅行セット。水と食料と自決用の十徳ナイフ」

上条「あとこれクラスの寄せ書きな?時間が足りなかったから土御門と俺しか書いてないけど」

青ピ「もうエエわ!?カミやんのバカ!もう知らんで!」 ピトッ

上条「おいバカ!?ミイラのせいで不安定になっ――」

……

青ピ「――って変っとらやんけ!?何が異世界行けるんやっちゅー話やねんな!?」

青ピ「ってそれ言い出したのはボクやないかーい!ルネッサーーーーーー○!」

青ピ「……?」

青ピ「ツッコミがないねんな……?カミやんおらへんやん、なんやのー薄情なー!もうやめさせてもらうわ!」

〜翌日〜

青ピ「――おはよーさんマイ・クラスメイッ!お願いだからスルーはやめてぇな、やったらボケがだだ流れに――」 ガラッ

女子A「――青ピくんおはよー!今日も格好いいわー!」

女子B「おはよ青ピ君。ふふ、朝から元気ね」

青ピ「ボクの時代がやってキタァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!」

青ピ「苦節16年!キャリアが長い割にエ×同人でも暇人の書いたSSでも人気なかったボクが!ようやっと本気出したったわボケが!」

青ピ「……」

青ピ「――カメラはっ!?カメラはどこやっ!?悪質なドッキリやってんのはヌルっとお見通しやで!?」

土御門「信頼とは」

青ピ「おぉ土御門!どういうことやこれ!?ボクがなんどぉウエルカムされてんねん!?」

土御門「ちょっと何言ってるのか分からないでござるな」

青ピ「そう言わんと!見える地雷やったらカミやんと違って回避し……なんて?」

土御門「どうしたでござるか、青ピ氏はいつもと違って元気いっぱいでござるなドヒュフフフフフ」

青ピ「フィクションでしか見ないタイプのヲタ像やん?!レアっちゃレアだけどありがみ皆無のヤツぅ!」

上条「……」 ガラガラッ

土御門「おぉおはようでござるよ上条氏。青ピ氏の様子がおかしいのでござるなドヒュフフフフ」

青ピ「見てぇなカミやん!一晩見ぃひんうちに土御門が面白キャラに!」

上条「――俺に近寄るな!」

青ピ「んなっ!?か、カミやん……?どしたん?今までボクの悪行がついにテッペン来とぉたんか!?」

上条「封印が――俺の『右手』の封印が解ける……ッ!クッ!今のウチに逃げるんだ……ッ!」

青ピ「ふー、ビックリした。なんだいつも通りか」

土御門「青ピ氏、口調口調でござる」

青ピ「ってスルーせぇへんよ!?異物があまりにも大きすぎて呑み込めへんし!

青ピ「って二人してボクを担ごうってハラやけどそうかいかへんよ!困ったときの吹寄カメェェェェェエン!」

吹寄「オイッ!肩にちっちゃい軽トラ載ってんかい!載っちゃってんのかい軽トラ、オイッ!」 グッ

青ピ「謎の筋肉キャラに?!しかも知識浅っさいわ!」

青ピ「まだ、まだ姫神はんがおる!吹寄やったら通販で脳まで筋肉サプリとか引いたんのかもしれへんけど、姫神はんやったら!」

姫神「うええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇい。サンシャイン姫神いえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇい」

青ピ「助けて誰か!?まさか、まさかここは――」

ガラガラッ

小萌「――オラ、腐ったミカンども席につけや!退学にすっぞアァンっ!?」

青ピ「――映し鏡の世界……ッ!?」

……

青ピ「――ちゅー話なんやけど、どう?信じてくれるん?」

土御門「ドヒュフフフフ、にわかには信じがたい話でござるなぁ」

上条「俺は信じるぜ……まさか、そうか!青ピが俺と同じ『変異点』の存在だったとはな!」

青ピ「カミやん、あの応援してくれるんやったらシーってしてくれへん?ここで中二設定持ってこられると余計に混乱するんよ、場が?」

吹寄「キレちゃってるのかいバルクっ!そんなにキレッキレで通り魔なのかいっ!」 グッ

青ピ「なぁ、吹寄とはどうやって会話したらエエの?ボクまだまともに一回も会話してへんのだけど」

姫神「吹寄さん。古典の予習やった?今日当たりそうだから教えてくれると嬉しいうぇーい」

吹寄「ちょっと待ってね。えぇっと葵上だからバイセップスが足りてないのよ?要はね?」

青ピ「普通に会話してるやんな?『ボクやっぱり異世界転生してなかった説』が持ち上がるぐらいに普通に流しとるよね?」

上条「いいか青ピ?この世界には二種類の人間がいるんだ」

青ピ「カミやんで無理矢理バランスとろうとしないけ?思わずどっかの方言の混じるぐらいにツッコむけど」

上条「それは……一つはこの世界が二種類だと思ってる人間、そしてもう一つは二種類じゃないと思っている人間、だな……ッ!」

青ピ「話が超ペラいですやん。傷害事件起こして栄転した野球選手の謝罪並にペラい」

姫神「しかし青ピ君のキャラが今日はいつもと違うのも事実シャイニング」

青ピ「姫神はんはサンシャインのネタ知らんよね?色々と間違っとぉよね?」

姫神「彼のメンタルは――二トン……ッ!」

青ピ「いや知ってんのかい!?使い方はそうやけどもだ!」

土御門「まぁまぁお二人とも。青ピ氏も普段と違ってエライ愉快な人格になってごさるな」

青ピ「あ、それちょっと聞きたいわー。ボクがモテモテになれるんはどうやったらエエんか知りたいわー」

土御門「仕ったでござる。まず青ピ氏は前髪をもっとこう下ろした感じでござったな」

青ピ「ホストかい」

土御門「次にもっと無口でござった。何も聞かれても『別に……』とか『そう……』と」

青ピ「アイタタタタタタタタタタタタタタタッ!それただの中二やん!?なんでそれでもモテんの!?」

土御門「まぁ……そのぐらいでござった。あとはこれといって特に何も」

青ピ「ねぇこれボクへのヘイトちゃいますのん?要はほぼ真逆ってことですやん」

土御門「そうとは言えないかもしれませんなぁ。映し鏡とはいえ、見ようによっては伸びたり縮んだりするのもまた事実でござるし」

吹寄「要は『喋ったり変態行動を慎め』ってことよねバルク」

青ピ「だからこれ本当に異世界かどうか怪しいねんけど……まぁエエわ!折角モテモテの世界に来たんやったら楽しまな!」

青ピ「ほな、まいどっ!ボクは急用を思い出したんで早退するわ!」 シュダッ

上条「待て!『特異点』の同志よ!」

青ピ「さっきと呼び方変ってへん?つーかボクは中二ちゃうから巻き込むのやめてぇな」

上条「こっちのお前はお前じゃなく、あっちのお前はこっちのお前じゃない!」

青ピ「ん?あぁまぁそうやけど、つまり?」

上条「つまり?」

青ピ「って自分の言動に責任持ちぃよ!?そんなフワッとしたカミやん見たくなかったわ!?」

青ピ「つーか今理解したわ!あっちのカミやんは『ツッコミの上手いボケ』やったけど、こちのカミやんは『フワッとしたボケ』なんやね!なんか新鮮でちょっと楽しくなってきたわ!」

……

上条「マズい……マズいぞ!このまま夜が開けちまったらあのアホは戻って来れなくなる!バーイ、オティヌス!」

上条「だからって俺まで行っちまったら帰ってこられる自信がない!……クッソ!どうしたらいいんだ!」

上条「あの直ぐに日和るし友達は裏切るし性欲に全振りしてるしお調子者でこれっつって友情エピもない青ピが!」

上条「青ピが、青ピが戻って来なかったら!風紀委員さんにかかる負担もグッと減っちまう……!」

上条「……」

上条「……うん?別に帰ってこなくても……?」

上条「――いやダメだダメだ!そういうこと考えたらダメだよ!仮にも友達に対してなんつーこと考えてるんだ俺は!」

上条「取り敢えず――そう、取り敢えず鏡は破壊しないとな!いや特に深い意味はないんだけど、何かムシャクシャしたからであって!」

上条「素手じゃまずいよな。えーっと、青ピの犯行に見せかけるためにも、あいつが置いてった異世界転生リュックで――」

青ピ「……何やってますのん、カミやん?」

上条「――青ピ、か?良かった!無事帰って来たんだな!チッ!」

青ピ「盛大に舌打ちしたやんね?そして振り上げたバッグで何割ろうとしてたん?もしかしてボクの退路?ねぇ?」

上条「もしかしたら鏡を割れば戻って来れなくなるかもしれないだろ?」

青ピ「もっとオブラートに包んでぇ!ボクのセンシティブなハートに配慮してぇな!」

上条「あ、間違った!鏡を割れば戻って来れるかもしれないって思っ――ってお前、どうしたんだよ?スッゲーボロボロになってっけど」

青ピ「へっ、大したことじゃあらへんよ」

上条「そっか。じゃあいいわ」

青ピ「カミやんのイケズ!なんでボクばっかそうスルーしますのん!?」

上条「よく分かんねぇけど夢でも見てたんだろ?鏡の中に入れるだなんて、そんな話ある訳がねぇしさ」

青ピ「お、おう?ボク確かに入っとったような……?」

上条「夢だよ夢。お前は俺と七不思議確認してに来てはしゃいで階段から落ちて気ぃ失ってただけだ」

青ピ「そないな……あぁ、そやんなぁ。そんなけったいな話あるはずもない、か」

上条「ほれ、肩貸すからトンズラすんぞ。先生に見つかったら面倒だ」

青ピ「おおきに……なぁ、カミやん」

上条「なんだよ」

青ピ「色々、ごめんな?ボクにも立場っちゅーもんがあんねん。よぉ言えんけど」

上条「あ?覚えてねぇよ一々、お前と土御門がやらかすのはいつものことだし」

青ピ「……ほうかい」

上条「まぁでも、人には色々あっかんな。その場面場面で最善のもんが選べる筈もねぇし、後からやらかして後悔するのもよくある話だけど」

上条「お前も他人様に迷惑かけるのは程々にしとけよ?いい加減初春さんがぶち切れてエ×コラが全言語のディズニ○のトップ画像に貼り付けられるからな?」

青ピ「なんて残酷な公開処刑!?でもちょっとそれで一回有名人になってみたいわ!」

上条「そんときは一緒に謝ってやっから、なっ?」

青ピ「やだ……好きっ!」

上条「止めろよバカ!?お前が言うとシャレになってねぇんだよ!?」

青ピ「しかし夢、夢かぁ……ちょっと楽しかったわ。カミやんが中二ボケで土御門がヲタになっとぉて、ボクが超モテモテやねん」

上条「異議あり。設定がおかしい」

青ピ「――それでボクは言ってやったんよ、『お前がママになるんだよ!』ってな……ッ!!!」

上条「ねぇお前マジ向こうで何やらかして来たの?もしかしてボロボロになってんのって、帰ってくるのに死にものぐるいになったんじゃなくて痴情のもつれ?」

青ピ「誰だってするやん!?モテるんやったら一回は試してみたいハーレムを!」

上条「今からでもいいから戻って行けよ。そしてフルボッコにされちまえ」

青ピ「いや!違うんやカミやん、ボクは真理に気づいたんよ!」

上条「あぁ、入れ替わっても外見同じだけの別人だからな」

青ピ「やのうて。誉められるより罵られる方がより興奮する、ってな……ッ!!!」

上条「お前もうホントにどうなの?誉めるところないよ?」

小萌「『――あ、もしもし警察ですか?はい、不法侵入者が二人ですね』」

青ピ「即通報!?ボクがボロボロなのに配慮もせんと!?」

小萌「黙るのですよこの腐ったミカンども!いい加減他に生徒ちゃんたちへの悪影響が大きいのです!」

青ピ「気をつけるんやカミやん!小萌先生に擬態した向こうのガイノイドかもしれへん!」

上条「お前ホントにどこ行って来たんだよ!?戦ったんかサイボーグと!?」


-終-
(※『真相;向こうで好き放題する→居場所がなくなる→よし帰ろう!→うわ何するお前らふじこふじこ!→ボロボロになりながらなんとか帰還』という流れ。ご応募ありがとうございました)



――白い部屋

ネフテュス『ででででんでんでん、ででででんでんでん、でーでー』

上条「誰が知ってんだよこのBGM。真・女神転○Iの夢ん中の音楽だろ」

娘々『夢の中での第一声がツッコミとは大義だなコノヤロー』

上条「ウルセぇな!ついさっきまでアホもろとも説教されて疲れてんだよこっちは!」

ネフテュス『あぁそう。じゃあ巻きで神様伝えます、えぇっと日本一の童×の演技が上手い阿部○さん?』

上条「だから俺はイジってもそっちイジんのやめろっつってんだろ!?迷惑かかるから!予測変換とかで『日本一の童貞 阿部○』って!」

娘々『しょーもない人間よ、今から神がお前の未来を告げる心して聞くがよいぜ』

上条「七不思議的なアレは?お前らがしたらマジモンの神託じゃねぇの?」

娘々『まー、そう構えんなよ!恐怖新○的なアレだから!』

上条「あれって最後の方は幻魔大○みたいな超常バトルになってなかったか……?』

ネフテュス『そうよね。こっちも軽い気持ちでやってるのに真に受けた人がたまに出るのよ』

上条「へー、例えば」

娘々『そだなー、今から2021年前の話なんだけどなー』

上条「それ以上はやめてあげて!?主に俺の精神のためにも!」

ネフテュス『まぁそんなんで上面当上よ。今からあなたに悲惨な未来を見せます』

上条「誰に言ってんの?俺と浜面混じってるみたいだけど、西尾維○みたいになってるよ?」

上条「――って悲惨な未来!?そんなもん体験させて俺にどうしろっていうんだよ!?」

娘々『それは体験すれば分かるんじゃーん?悔い改めるのもいいし、悔い改めなくてもいいぜ?』

ネフテュス『では行ってらっしゃい浜条仕上よ、どーん……!』

上条「俺成分が25%しかねぇよ!?ぐおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ……!?」

……

上条「ここは……いつものアーケード?――よし!」

上条「すいませんおばちゃん!ワンピー○のスクラッチくじ10枚ください!」

おばちゃん「あいよ」

上条「うおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」 カリカリカリカリカリカリッ

上条「……ふー、全滅か。驚かせやがって、俺の不幸がどっか行ったのかと思ったぜ」

インデックス(ジャージ)「いいのかな?それ本当にいいことなのかな?」

上条「ある意味命題だよな!」

インデックス(ジャージ)「都合の悪いこと全部それで片付けようとしてるでしょ?分かってるんだからね、わたしは」

上条「あれインデックスさん……?ジャージ着てた、っけ?」

インデックス(ジャージ)「はい?とうまが着ろって言うから着てるんだよ?」

上条「いやでもそしたらお前のシスター成分が家出してるだろ」

インデックス(ジャージ)「失敬だよね!?どんなふくであってもわたしはシスターさんなんだよ!?」

インデックス(ジャージ)「それにほら!シスター服は上に着ればいいんであって問題ないでしょ!?」

上条「あぁそうだよな。何言ってんだろ、俺……?」

インデックス(ジャージ)「あぁあとそれよりさ、ありさがお泊まりしたいって言ってるんだけどいいかな?」

上条「あぁ勿論いいぜ。またエンゲル係数が天元突破しそうだが、それはステイルにたかるとして買いだし行ってくるわ」

インデックス(ジャージ)「あ、じゃあわたしもお手伝いするんだよ」

上条「俺一人で大丈夫だよ。それよりか部屋の掃除とか頼む」

インデックス(ジャージ)「分かったよ!じゃまた!」

上条「おー、車に気をつけてなー」

……

上条「買い出しは終わり、クリーニングも受け取ったと。つーかなんだよこれ、悲惨どころか普通だろ。大体いつもこんなもん――」

上条「――もしや!?インデックスとアリサが危ない!?俺がいない間に『デュフフフ、義理の妹っつーか舞夏たんhrhr』ってHENTAIが!」

上条「もう既に隣に住んでそうな気がしないでもないが!シスコン拗らせる可能性もない訳じゃない!」

上条「待ってろインデックスとアリサ!俺が行くまでは!」

……

上条「――大丈夫か!?ヒロインとしての資格を失っていないか!?」

インデックス(ジャージ)「あ、おかえりなさいなんだよ。ごはんまだー?」

鳴護(私服)「あ、お邪魔してます。これつまらないものですが」

上条「あれ?土御門は?」

インデックス(ジャージ)「今日は会ってないんだけど……待ち合わせでもしてたの?」

上条「そういうんじゃないが……いや、無事なら良かっ――ん?何かいい香りが……?」

鳴護(私服)「お風呂借りちゃいました。暑かったからねー、なんかお掃除中だった?」

上条「あぁいやそれはいいんだけど……あれ?何か違和感が?」

インデックス(ジャージ)「だからご飯まーだー?お腹が空いたんだよー?」

上条「あ、あぁ今作るから待ってな?まぁ、気づかない程度の悲惨だったら別にいい、か……?」

……

上条「………………夜、今何時……二時か。いつの間にか寝ちまってたな」

インデックス(パジャマ)「……もう食べられないんだよ……ぐー……」

上条「寝落ちしてんなインデックス。タオルケットは……」

鳴護(パジャマ)「監督……それだけは!アイドル生命を奪うようなことだけは……!」

上条「こう引き返せないところにまで来てると思うけど……こっちにもかけてっと」

上条「なんか喉渇いたなー……あぁ、たまにはコンピニでアイスでも買ってくるか」 ガチャッ

……

神裂(パンツスーツ)「こんばんは、いい夜ですね」

上条「あ、どもお疲れさまです。えっと偶然、じゃないんだよな?」

神裂(パンツスーツ)「夜の一人歩きは危険ですから、というのが建前で。あの子にあんな友達ができたのを嬉しく覚えます、と」

上条「あぁそれは別に俺が何かしたわけじゃないから、お礼言われてもな。てかお前もいるんだったら混ざったらいいのに」

神裂(パンツスーツ)「それは色々と立場上問題が」

上条「あぁカルチャーギャップが――って痛い痛い痛い!?耳から脳出ちゃう!?」 ギリギリギリギリッ

神裂(パンツスーツ)「聖人アイアンクローです。そして私は18歳ですので、たった数歳しか離れてませんからね!?」

上条「お前もステイルもどうなってんだってぐらいタッパあるしな。あとステイルは半分ぐらい身長欲しい」

神裂(パンツスーツ)「全くあなたって人は――っと危ない!」

上条「っと悪い!段差見えなかった、ありがとう」

神裂(パンツスーツ)「いいえ別に。この付近は街灯も少ないですからね」

上条「……」

神裂(パンツスーツ)「何か?」

上条「いや……なんか違和感がな。一応聞くけど、お前らがスッゲー敵と戦ってるとかそういうことはない?」

神裂(パンツスーツ)「なんですかそれ。仮に戦っていたとして、私が油を売ってるヒマはないでしょう?」

上条「だよな……あ、そうだファミ○の新商品のクッキーアイスって食べた?」

神裂(パンツスーツ)「いえ、あまりそういうのは……」

上条「じゃあ奢るから食べてもろよ!マジおすすめで――」

……

小萌「――はーい、それでは男子は体育館へ、女子は特別教室棟へ向うのですよー」

上条「あれ教室移動?なんかあるんですか?」

土御門「カミやんはダメダメだにゃー。緊急の健康診断があるって朝のHRで言ってたんだぜぃ?」

上条「だっけか?なんでまた急に?」

青ピ「最近流行っとるし、そっちのデータとるんちゃいますのん?何人こっそり罹ってるか−、みたいなの?」

上条「学園都市では全く関係無いって顔しているからな」

小萌「はいそこ疑わないで移動するのですよ−」

……

青ピ「……な、カミやんカミやん。ちょっとお話がありまんねや」

上条「どした?

青ピ「体育館ではむさ苦しい野郎どもが半裸でひしめき合っている中、あっちの棟では女子がキャッキャウフフの天国が!」

上条「そう来ると思ったわー。少しは予想裏切って欲しかったわー」

青ピ「行くで相棒!別名スケープゴート一号よ!」

上条「俺を見てる気満々じゃねぇか。行かねぇぞ?姫神も吹寄もいんのに失礼だわ」

青ピ「カミやんのバカ!?いつからめぞん一○派から葬送のフリーレ○派に鞍替えしとぉたん!?」

上条「カップ数で反応はしてない。あと俺は違うけど貧乳エルフ派の人が増えてると思う」

青ピ「ボクは一人で行くわ!見てさらせボケが!あとで画像シェアしたるわ!」

上条「洒落にならないから止めとけー……あぁマジで行ったな。勇者かアイツ」

土御門「なぁカミやん、悪いんだけどこの書類特別教室棟まで持ってってくれないにゃー?」

上条「あ、小萌先生が忘れていったのか……俺が?」

土御門「俺らは片付けあるし、置いていった後は先に戻っていいから、なっ?頼むんだにゃー?」

上条「お前と身体測定って罠にかけられた思い出しかないけど、分かったわ。んじゃお先に」

……

黄泉川「おっ、ノゾキ二号じゃん?」

上条「じゃないですよ、これ先生が忘れていった書類。あと一号はどこに?」

黄泉川「サンキューじゃんね。一号は災誤先生とデートしてるじゃん、多分」

上条「本当に懲りないよなぁアイツ。じゃ先に失礼します」

黄泉川「お疲れじゃんよー」

上条「良かった……いつもだったら俺がノゾキに間違われて、中に乱入させられる流、れ、なのに――」

上条「……?」

上条「『――もしもし師匠!?アンジェレネ師匠はいるかっ!?』」

アンジェレネ『も、もーなんだっていうんですかぁ?じ、時差を考えてくださいよぉ。こ、こっちはまだ早朝ですからねぇ?』

上条「『んなことはどうだっていい!それより今日のアニェーゼとルチアの格好を教えてくれ!』」

アンジェレネ『は、はいぃ?な、なんだって急にそんなことを?』

上条「『いいから!早く!』」

アンジェレネ『は、はぁ。ふ、二人もいつものシスター服でしたけど……』

上条「『もっと詳しく!今度お菓子でも送るから!』」

アンジェレネ『し、シスター・アニェーゼは厚底靴にロングスカート!し、シスター・ルチアも同じくロングでしたサー!』

上条「『……本当にか?ミニスカートとガーターベルトじゃなかったんだな?』」

アンジェレネ『な、なんですかぁそれ?り、立派な恥女じゃないですかぁ』

ピッ

上条「……」 ダッ

……

初春『……』

佐天『おっはよー、初春!元気して――』

上条「……なんてこった……!こんな、こんな残酷なこっとてあるかよ……!?」

上条「世界を敵に回したときも俺は戦えた!だってそれは俺には希望があったからだ!たったそれだけのために戦えたんだ!」

上条「でもこの悲惨な未来は違うだろ!?間違ってるよ!誰も得をしないだろ!?なんで、なんでことに……!」

上条「俺に待ってる悲惨な未来、それは――」

上条「――『ラッキースケベが起きなくなった世界』、だったなんて……ッ!!!」


-終-
(※普通と言えば普通、しかし存在価値が揺らぐほどの悲劇でしょうか。ご応募ありがとうございました)



――とあるアパート

バードウェイ「――人類は月へ行き、火星圏までをも射程内へ収めるに至った。誇るが良い人類よ!よくもまぁウホウホ言ってた時代から成り上がったと!」

上条「なぁボス?なんでお前ってちっさいのに態度はビッグなの?なんかそういう固有結界でも持ってんの?」

バードウェイ「他にもなんかこう気持ち悪い上に鳴り物入りで流行らせようとして、結局バカの懐だけを寒くしたロボットが生産停止になったりもしたな」

上条「あの子の悪口は言うなよぉ!『あれあいつ名前何てったっけ?まぁいいか』ってググる気力すら分からない子の悪口は!」

バードウェイ「PS○にVRゲーなど、言わば科学万能時代と言ってもいいかもしれない」

上条「時代の徒花じゃね?『なんでそこに技術使った?もっと内容に使えよ!』的なさ?」

バードウェイ「だがしかし!戦慄せよ愚民が、光があれば闇があり、そしてまた強い光ができれば深い深い闇ができるということを……!」

バードウェイ「今はまだ科学というものが脚光を浴びているが、それもまた時間の問題だ!魔術サイドも同様に進化し続けている……!」

上条「それはちょっと興味ある。どんな感じなん?」

バードウェイ「えーっと、あー、あれだ。後継者不足による魔女の高齢化問題とかだ」

上条「進化してねぇよそれ!?むしろ過疎地みたいに衰退の一途を辿ってるわ!?」

バードウェイ「いやホントに後継者いないんだ。こう、結構美人で文字通り魔女の一族とかいるんだよ。昔は春と薬売って生計立てて連中とかが」

上条「12歳児がそんなこと言っちゃいけません!」

バードウェイ「今は『ヨガやりまーす!』つってユーチュー○にいかがわしい動画をアップさせた方が収益が出るんだそうだ」

上条「暗さが微塵もねぇな。そしてそこにお布施してんのは紛れもなく俺たちか!」

バードウェイ「なので貴様には現代の怪異というものを見せてやろう!感謝しろ!」

上条「ヲワコンを無理矢理見せられている気分だが……んで、具体的には何を?」

バードウェイ「『猫の集会』というものを聞いたこと――は、ないだろうな。無知だもんな、すまない」

上条「そこはボカしていいんじゃね?つーか俺だって知ってるわ、一応ウチはスフィンクスとインデックス飼ってんだから」

バードウェイ「素で言ってるのが何とも笑えるが、まぁそこそこ有名だよな。飼い猫だったり野良猫が集まってなんか情報交換っぽい野をしている、みたいな話だが」

上条「集まってひなたぼっこしてるだけだと思う」

バードウェイ「その類型の都市伝説に『ロ×の会談』というものがある」

上条「今なんて?」

バードウェイ「そこでは夜な夜なロ×が集まって、何やら四方山話をしているそうだ……ッ!」

上条「ジャンル違くね?ロ×ってあのロ×だろ?妖気じゃなくで幼気の方でしょ?」

バードウェイ「さぁ行くぞ!時間が惜しい!」

上条「退治した方がいいの?サバトっちゃサバトだけど、青ピみたいな目撃者がいたら被害者に変るかもだよね?」



――とある高校 深夜

バードウェイ「気をつけろ!幼気を感じる……ッ!」

上条「なぁボスこの企画大丈夫か?そろそろ鬼太○ファンの人に訴えられないかな?そんな都市伝説聞いた事ねぇよ?」

バードウェイ「まぁ『ロ×の会談』は流石に私もないのだが、類似の話はなくもない」

上条「相変わらず懐深いな都市伝説!できればもっと社会生活にも有効であって欲しいもんだが!」

バードウェイ「フェアリーリング、直訳すれば妖精の輪といってヨーロッパ全域に伝わる妖精、……うんまぁ、伝説のようなものだな」

上条「妖精の輪っか……あ、もしかして潜ると異世界行けるって話か!?」

バードウェイ「そういう伝承もある。またフェアリーリングは実際に妖精達が月夜の晩に踊った痕跡とも言われている」

上条「いいね!そういうファンタジーな話!」

バードウェイ「ただし見てはいけない。俺らの姿を見てしまうと、『一緒に踊ろうよ!』と誘われてしまうのだから」

上条「いいことだろ?」

バードウェイ「うん、だから貴様もいい加減学習した方がいいと思うんだが、フェアリーってよく子供を攫うんだよ」

上条「まっっっっっっっっっっっっっったそれかよ!?前のハーメルン事件のときも思ったけど、西洋って誘拐の話ばっかなのな!?」

バードウェイ「よってフェアリーリング自体も、異世界に通じているのではないかと恐怖の対象になっていた」

バードウェイ「まぁ大体は口減らしで売ってたか沈めてたんだが」

上条「闇咲どっかに隠れてんのか?エグい話の裏にはあいつがいっちょ噛みしてんだろ?」

バードウェイ「怪談おじさんのターンではないからいない。そして時代が時代だから仕方がないと言っておく――し」

バードウェイ「そもそもの話、妖精が親切な隣人だったならば”その手”の物語が実話・創作含めて数多く残っていなければいけないのに」
(※「実話=教会公認という意味」)

バードウェイ「日本のネタ妖怪どもと違って、致死性の妖精ばかり存在するという意味は、まぁつまりそういうことだ」

上条「助けて魔女さん!?倫理が息してないの!?」

バードウェイ「その魔女も狩られまくっていたがな。まぁ力が強くて邪悪な魔女はさっさと逃げていたらしいが」

上条「本当に救いがねぇなお前らの歴史」

バードウェイ「もしあったらローマ帝国は滅亡していないし、フランス的優しさでナポレオン戦争を起こしたりもしてない――さて、そろそろだ。気をつけろ」

上条「確認すっけどロ×が集まるだけなんだよね?ボスみたいな出会った瞬間に死ぬ、みたいな致死性の人ばっかじゃないんだよな?」

バードウェイ「……ほぅ?なんだったらしてやろうかこのバカが?」

上条「だってそうじゃない!?どう考えてもブラックマネー疑惑が出たお前らとかさ、危ないじゃないのよっ!?」

バードウェイ「ま、ぁ危険は危険でもそういう類じゃないさ――ほら、ついたぞ。階段だ……ッ!」

上条「何回でも言うが、意味が分からんわ」

打ち止め『それでねー、ミサカはミサカはテレビに映ったあの人を指さして思いっきり笑ってみたり!』

アンジェレネ『い、いやぁ、あんまり喜んでもいられないような……?』

アニェーゼ『何言ってんですか、他人の不幸を喜ばないでいつ喜ぶって言うんですかい?』

インデックス『同じシスターさんとしてどうか思うんだよ……』

上条「ただその筋の人たちが集まってるだけじゃねぇか。なんていうかこう、えっと言葉を選べば補導要員」

バードウェイ「どうだ?怖ろしいだろう!?」

上条「あぁうん、犯罪の臭いがするよな。する側じゃなくて巻き込まれる方」

黒夜「――おい、誰かいるぞ!捕まえろ!」

上条「マズいぞボス!?急いで逃げよ、う……ぜ?」

バードウェイ「ふっ、すまないな。悪く思わないでくれ、最初から騙す気はあったし悪気もあった、むしろ反省なんかこれっぽっちもしていないし、やりきった感がする」

上条「悪魔か!?どこぞのイギリス在住テロリストの方がまだ人の心があったわ!?」

バードウェイ「ちなみにそいつらの中のロ×担当はここにはいない。何故ならば……貧乳はロ×ではないからだ……ッ!」

上条「ごめん、超どうでもいい」

バードウェイ「ちなみに今のは”体”と”からだ”をかけたんであって」

上条「だからどうでもいいわそんなん!?それより離せ!ご時勢的に俺はロ×には屈しないぜ!」

バードウェイ「なんで異世界転生したら堂々とロ×ハーレムを構築するんだろうな?癖(へき)に忠実か」

上条「いいか、バードウェイ?どんなに賢い設定でも作者より賢い被創造物はいないんであってな?」

バードウェイ「マジレスやめてくれるか?それだと『説明台詞を大量に挟むため』って答えになるだろ?」

上条「――くっ、殺せ!」

バードウェイ「オッケー任せろ」

上条「冗談の通じない人がいまーす!そういうの良くないと思いまーす!」

バードウェイ「まぁ待て待て。私も好きで騙した……んではあるし、正直ざまぁと思わなくもないんだが」

上条「言い訳してないよね?現状の全肯定で反省の色がまずないよね?」

バードウェイ「取り敢えず新人を見てくれ。話はそれからだ」

上条「新人?あぁアメリカ行ったときに出会った」

ザシキワラシ『ザシキワラシでーす!幸運ょを呼びますが、出て行くと破滅するよ!そしてロ×だ!』

上条「世界観大丈夫か?全てのSS通してここまでオープンに妖怪って出て来たっけ?」

バードウェイ「まぁそこはそれヴィレッジ的なアレと世界が混線している的な解釈をしてくれたまえ。次、いけ」

クラボッコ「クラボッコでーす!蔵に住んでるザシキワラシの一種でーす!そしてロ×だ!』

アカシャグマ『アカシャグマでーす!髪が赤みがかってるザシキワラシの一種でーす!そしてロ×だ!』

ユキンコ『ユキンコでーす!雪女の眷族とか従者だったり、霰(あられ)女だったりしまーす!そしてロ×だ!』

上条「……またよく知らねぇのがワラワラ出て来たけど、こいつらがどうしたよ?」

バードウェイ「それがだな、意外な事実が判明してしまったんだ」

上条「言うだけ言ってみ?」

バードウェイ「妖怪のロ×って意外と少ないのな。期待を裏切ったようで、すまない」

上条「ウルセェわ!?超ウルセェし別にどうだっていいわその情報!?」

バードウェイ「擬人化や女体化された妖怪というか幼怪はかなりの数いるんだが、どうも最初からというのは、なっ?」

上条「妖怪がまず何かの自然現象かなんかが擬人化したもんだよね?擬人化の擬人化ってワッケ分からんわ!」

バードウェイ「なんていうかこう、童子は童子として統合されてしまってな。『○○小僧』的な妖怪はそこそこいるのに対し、ロ×に分類されるのは少数派でな?」

上条「いただけスゲーよ!?いや興味もねぇけど!?」

バードウェイ「まぁ基本的に女児は怪異を起こすのではなく、むしろ巻き込まれる方だからな。HENTAIという名の妖怪に」

上条「現代でもいるわー。闇に隠れたり隠れなかったりしてビッグサイ○とかに集まる習性があるわー」

バードウェイ「ちなみにこのままだと流石に頭が悪すぎるので、最もらしい理屈をつけるとだな。童子形の怪異とは子供の幽霊も兼ねているという説があるんだ」

上条「ザシキワラシなんかそのまんまだろ。妖怪っていうよりはかなり人寄りだし、話も通じそうだ」

バードウェイ「と、いう考え方は西洋にも存在する。フェアリーの話を先程少ししたが、あれも『洗礼前に亡くなった魂が転じる』という伝承が残る地方もある」

上条「……洗礼前だと、なんで妖精になるんだ?」

バードウェイ「十字教との絡みだな。要は『洗礼前は人に非ず、神の子となりて初めて人となりし』的な傲慢さなのだろう」
(※ウィル・オー・ウィスプが天国にも地獄にも行けないのも、「洗礼前に亡くなったため」という伝承もある)

上条「やめてくんないかな?不真面目な話してるのにちょいちょい真面目な話ぶっ込んでくるのなんとかしてくれねぇかな?」

バードウェイ「――で、だ。ここから本題なのだが、貴様にはとある怪異をどうにかしてほしい」

上条「あぁいいけど。集会に顔出すようなヤツだったら、そこまで危険じゃないだろうし」

バードウェイ「来るぞ!気をしっかり持て!呑まれたら本当に終わりだからな!?」

上条「なにを大げさな。妖怪だったらワンパンだし、幼怪だったら脅威度は低」

フレメア『――にゃあ、はまづらぁ、はまづらはどこなのだ……?』

上条・一堂「……」

フレメア『むぎのときぬはた、たきつぼもずっと一緒だって言ったのに……?どこに、行ったら……ぐすっ』

垣根(虫)『えぇ大丈夫ですよ。きっと今頃あのクソ野郎とクソビッチどもは、あなたを探し回ってるに違いありませんから』

フレメア『ほ、本当なの?』

垣根(虫)『当然です、決まってるじゃないですか。まさか自分や彼女の身の安全を最優先にして、大切な仲間の妹さんを放置なんてするはずなんてありませんとも』

垣根(虫)『最後まで思い出しもせずアウトオブ眼中だったなんて理不尽は、えぇまさか、ありませんとも』

フレメア『なのだ!はまづらはひーろーだからそんなことしないのだにゃあ!』

垣根(虫)『あのジェノザウラ○とシールドライガ○は私の最終形態でぬっ殺しますから』
(※垣根(人)→垣根(シザーストー○)→垣根(アルティメットセイス○))

フレメア『よくわからないけど、いいのだ!はまづらが来ないんだったら探しに行くのだ!』

垣根(虫)『はい、ではそのように。そういえば――今年の夏は暑かったんで電力不足になっているんですよね』

フレメア『にゃあ。いっかい涼しくなったらまた暑くなったのだ』

垣根(虫)『えぇ、ですのでたまたま停電になって、偶然にも運悪く非常用電源が落ちてICUが機能不全になったとしてもおかしくないですよねぇ』

フレメア『にゃあ?』

垣根(虫)『あぁ、いいんですいいんです。今更罪の一つや二つ。それよりも行きましょうか』

フレメア『にゃー、はまづらー?はまづらーーーーーーーっ?』

……

上条「………………えっと」

バードウェイ「あれが――陽性の妖精を捜し求め彷徨い続ける子供の怪異だ……ッ!」

上条「やかましいわ!あと最近ちょっとアレでまた使いづらくなったから自重しろよそのフレーズをな!」

上条「あと間接的な殺人予告してっけど大丈夫かあのカブトムシ?白くなってっけど中身は黒くねぇかな?」

バードウェイ「……まぁ、見て分かったと思うが。あれを何とかしてほしい。気持ちは分かるし立場的にも同情はするんだが、居たたまれなくてな」

上条「俺にも覚えがあるけど、みんなも友達は選ぼうぜ!調子のいい事言っている割に、緊急時には人間性が出るからなっ!」


-終-
(※本当にどうするんでしょうHAMADURA。ご応募ありがとうございました)



――???

浜面「……ここは……?」

ローラ「『おぉ、ある意味勇者HAMADURAよ。死んでしまうとは情けない』」

浜面「待ってよぉ!?それ瀕死の人に向けて言っていい台詞じゃねぇよぉ!?」

ローラ「自分が手塩にかけて育てた組織が『好き好きHAMADURA部隊』なっていた件について」

浜面「それって俺の責任か?もっとこう暗躍して関係各位から恨みを大人買いしてた妖怪BBAのせいじゃん?」

浜面「つーかあんた超頭いいのに、どうして対決が回避できなかったの?」

ローラ「だって暇だったしぃ?」

浜面「マホカン○だよ。あんたのメラゾー○が反射してきてんだよ」

ローラ「いうことなかりしじゃない!そなただって反社のくせに!」

浜面「テメーで言ってて悲しいが、俺が反社だったら絹旗と麦野は魔王よ?それも逃げ出せないタイプの」

ローラ「まぁそんな訳でハマーは”生と死の淵を行ったきり来たり(ダンス)”っちまってなりかりしよ!」

浜面「遊んでねぇか?人の生死をネタにするんじゃないよ!」

ローラ「ではいい機会なので心霊ツアーを」

浜面「もう死んでんの俺!?どうしようどこのスーパー銭湯行こう!?」

ローラ「初手からノゾキに行く辺りゲスなのよな。ではなくハマーよ、心を強く保つのです。そうすれば肉体も引きずられてきっと快方へ向うでしょう」

浜面「解放……?課金すればレアキャラ貰える的な?」

ローラ「『大丈夫だって思い込めば怪我も早く治るよ』」

浜面「なんて分かりやすい説明あざーす!イギリス人に日本語選ばれてる俺ってどうかと思わなくもないが!」

ローラ「あ、今白い暴れカブトムシが病院近くの電線を軒並み倒し終わりけるな」

浜面「別の所から刺客が来てる!?心当たりがない分だけコワイ!助けて滝壺さぁん!」

ローラ「もう滝壺って彼女っていうよりもお母さんなりしな?」

浜面「やめろ。バブみがない訳ではない俺だが、なんかこう、一応は否定しておくわ。一応はな?」

ローラ「まぁ今のウチにできることはやっとけ的な感じであることよ――あ、折角だからLUC値を上げては如何なりしや?」

浜面「暴走カブトムシ排除が先じゃね?本当に俺なにしたん?樹液でも知らず知らずの間に踏んでた?」

ローラ「では今から心霊ツアーへ赴くわけだけど、ここまでで何か質問はありしか?」

浜面「もうちっと設定きちんとしようぜ?なに俺霊体のままどっか行こうとしてんのか?」

ローラ「私を信じなくてもいい、どうかアホ統括理事長を信じると良いわ……ッ!」

浜面「こないだ来たアマゾノからのDMかな?入った覚えのないプライム会員なんだけど、よくよく見たら返信先のアドレスが『amazono』ってなってんだよ」

ローラ「流石ははまーよな!『えっちなお姉さんからのお願いです』ってタイトルのメールを即開封した男よ!」

浜面「誰でも開けるぜ?例え99%が詐欺だとしても、残りの1%には真実が隠されているのだから……ッ!」

ローラ「100%ウイルスメールなのよな。ほらさっさと移動するのよ」

……

ローラ「という訳で我々取材班は超巻きで東北某所の古民家へとやってきたのだった……ッ!」

浜面「本当に早いし雑だなオイ、てか無理すんなよ。お前らちょっとしたリョウメンスクナ状態なんだから」

ローラ「聞きとぉないわ!?せめて今の時間ぐらいは現実逃避に勤しみたいわ!」

浜面「そんでここの民家がなんかしたん?匠の技でリフォームしそうな雰囲気なんだけど」

ローラ「そうそう、ここはザシキワラシの住もぉとる屋敷なりしな」

浜面「あー……俺ここ見たことあっかもしんねぇ。俳優が超ノリノリで泊まりロケした直後に不倫バレしたって」
(※原田龍○。ある意味オイシイ)

ローラ「ハマー、死体蹴りになるからそれ以上は控えてあげて。さぁそれよりも児童を見つけて運気を上げるが良いわ!そうすればきっと無事に生存あらざれりし!」

浜面「俺が古文できないからって超テキトーに言ってない?つーかザシキワラシをゲットして幸運になるって、どういう理屈なん?」

ローラ「んむ、良い質問なのよハマー。ぶっちゃけザシキワラシをチョイスしたのは、前のロ×サバトから特に深く考えず引っ張っただけなりしな」
(※検証してほしいのあれば掲示板までお寄せ下さい)

浜面「超怖いその集まり。見ただけで逮捕されそう」

ローラ「例題のテキストとしては至極簡単であり、まぁぶっちゃければ因果が逆転しておるのよ」

浜面「インガってなに?」

ローラ「原因と結果なのじゃが……例えばこうやって小石を池に投げたとする」 ポチャッ

ローラ「池には波紋が起き、少しだけ波が立った。これの原因が”石を投げた”で、結果が”波紋ができた”よな?」

浜面「俺をバカにしてんのか。そのぐらいは分かるわ、俺じゃなくたってな」

ローラ「じゃあ尋ねるが、池に波紋ができた。どうして?」

浜面「誰かが砂利でも投げたりしたとか、近くの木の実でも落ちてきた?あとは池の魚が呼吸してっかもしんねぇか」

ローラ「他にも風の都合で起きる場合もありしが……ザシキワラシも同じく、”逆”なりしな」

浜面「あぁん?えーっと、ザシキワラシが住んでる家は金持ちになる、の逆だから……金持ちの家だからザシキワラシが住む、か?」

ローラ「まぁ究極的にはその通りなのよ」

浜面「なんでだよ!?大将じゃねぇがなんでだよって言うわ!」

ローラ「はーいそれじゃーハマー、ザシキワラシの不思議な点を挙げてみたれば?」

浜面「不思議な点?あ−、確かいつまでも子供だったり、家の人には見えなかったりとかすんだっけか」

ローラ「じゃあ”どうして”?」

浜面「どうしてって言われても知らんぜ。実はその家で死んだご先祖様の幽霊だったりすんじゃ――」

浜面「……」

浜面「……あぁ、なんかおかしいわな?ご先祖様だったら逆にその子孫が見えてねぇとおかしくねぇか?」

浜面「つーかここって確か旅館やってんだよな?なんで親戚でもねぇし繋がりが存在しない”外”の人間には見えてたんだ……?」

ローラ「そこはこう考えられなかりしか?ザシキワラシは”いた”が、家人には見えない”ことになっていた”とか?」

浜面「だからどうしてだよ。幸福呼ぶ神様みたいなもんなんだろ?だったら家の人も見えてて当然……か?合ってるか?」

ローラ「じゃあもしザシキワラシが生きていたと仮定すれば?」

浜面「……家の人からは”いない”扱いを受けてて、逆に外の人から見れば”いた”……?何かのナゾナゾかよ」

ローラ「うむ。まぁこれはとある筋の学問においては一番最初に教わるイロハなりしが、『怪力乱心に逃げるな』と」

浜面「先生!意味が全く分かりません!」

ローラ「予想通りのリアクションよな!まぁ簡単に言えば『何でもかんでも妖怪の仕業にすんなや!』ってことなりし!」

浜面「ザシキワラシって妖怪じゃなかったっけ?」

ローラ「カテゴリー的には間違いなくそうだけども。私が言いたいのはそうではなく、『万物を超常現象で片付けてはいけない』、なのよ」

ローラ「大昔に立ち入り禁止とされる山があったのよ。そこでは大蛇の祟りがどーたらで、定期的に山へ入る者が命を失のぉておったと」

ローラ「が、しかし現代社会で調べてみれば、その山の盆地には二酸化炭素が溜まりやすい区画があり、そこへ入った者は酸欠で亡くなったり失神していただけだった」

ローラ「大抵の物事には歴とした原因と結果があり、いたずらに怪異の仕業と決めつけるのは”逃げ”だと」

浜面「すいません、コロなんとかさんなって悪魔じゃないでしたっけ?」

ローラ「一般的にはそうだっちゅー話なのよ!力なきニンゲンの間ではの!」

浜面「あー、なんか分かってきたわー。つまり今のザシキワラシ像みたいに、幽霊はいなかった――」

浜面「――ん、だけども。子供っぽい何かはいたっつーことか?家の人に『あの子誰?』って聞いても『子供?いないよ?』ってスルーされる感じの」

ローラ「ニートのオッサンみたいな扱いなりしよ!」

浜面「誰とは言わねぇけどいい歳のなのに職業開かせなくて、親戚の集まりでも『ニートです!』って言って事なきを得てるらしいぞ。誰とは言わないけど」
(※危ないところでした)

ローラ「そして事なきを得てないのよ。確実にボディへ入ってるのよな」

浜面「つーかそんな子供いるか?シカトされるなんて可哀相だろ」

ローラ「まぁハマーじゃ結論たどり着かないから答えを言うとな、多分障害児なのよ」

浜面「隠す――ような、時代だったか。昔は」

ローラ「勿論現代の価値観では限りなくアウト、しかし当時の価値観としては家で軟禁するのはままある話なりしな」

浜面「いやでもその説って間違ってないか?ザシキワラシは確かに子供だけどよ、生きてれば成長すんじゃん?大きくなったザシキワラシの話なんてあんのか?」

ローラ「それもまた因果が逆なのよ。”大きくなったザシキワラシはいない”のが結果。よって原因は」

浜面「……大きくなる前に死んじまう、か?」

ローラ「原因は様々なりしなー。先天的な遺伝疾患やもしれぬし、栄養状態の悪いまま軟禁されれば体調を崩して当然とも言えるし」

ローラ「もしも家人に何かがあれば、まぁ具体的には家を継ぐはずだった長子が事故で亡くなったりした場合、”いなかった”子供が急に”帰ってくる”という結果もありしもしれんなぁ?

ローラ「それこそ神隠しから帰還した人間もそこそこおるし」

浜面「嫌な話だぜ……あぁでも質問。なんでまたそんな子供らが幸福の神様みたいに崇められてんだ?」

ローラ「ハマーは最初に答えを自身で言っとるが?」

浜面「なんか言ったっけ?」

ローラ「『金持ちの家だからザシキワラシが住む』と」

浜面「それもおかしくね?貧乏だからって条件はそんなに変らねぇよ。どこの家だって子供は大事なんだから」

ローラ「そこもまた逆でな。金持ちしか”できなかった”とも考えられる」

浜面「……文字通り、金の問題か……?」

ローラ「普通の農家だったらそんな余裕はないのでなぁ。そしてこれは過去の問題ではなく、途上国を含む世界で共通している問題でもあろうな」

ローラ「まぁまとめるとこうよな。多少なりとも裕福な家では余剰所得があり、不幸な子供一人をこっそりと育てることはできた」

ローラ「だがしかしそうやっていく内に余裕は失われていき、いつしか不幸な子供を育むことができずになり……」

浜面「外から第三者が見れば『あの家にはザシキワラシが住んでいたけど、いつのまにかいなくなって没落した』と」

ローラ「まさに原意と結果が逆転した話なのよ――あ、ちなみにハマー」

浜面「そのハマーっつーの止めね?俺そんな呼ばれ方してたっけ?」

ローラ「今のはあくまでもザシキワラシの諸説の一つであって、確定した事実では決してないので要注意なりしな!」
(※ただの仮説)

浜面「つまり何?」

ローラ「本当にザシキワラシが存在していて、今も私たちを『何言ってんだコイツ』と指さして笑っている可能性も……!」

浜面「だったら逆に嬉しいわ!不幸な子供たちがいなかったってことだからな!」

ローラ「勿論純粋にザシキワラシを福の神として信仰したり、氏神として奉っておる家や地域もある訳で!そこら辺は本当に注意すべし!」

ローラ「またそもそも回答が一つしかないかどうかも怪しかりしことなりて!」

浜面「探偵モンだったら読者キレるぜ。コナ○くんさんだって『真実はいつも一つじゃねぇの!?』って聞き返すわ」

ローラ「現代では失伝しているだけで、もしかしたら何かもっと他の別の意味があったんじゃ?的な話なのよな」

ローラ「例えばカーニバルなのよ、欧米ではパレードする日だったり、南米ではちゃんねーがほぼ全裸で練り歩く謎の祭りなのよ」

浜面「あれ実は俺も不思議に思ってた。『十字教のお祭りなのになんで性的な部分が前面に出てんだよ』って。あれのルーツってなんなん?」

ローラ「分からないのよ」

浜面「――はぁ!?あんなに堂々とやってんのに!?」

ローラ「十字教に取り込まれる以前の異教の文化なのは間違いないのよな。ただし何だったのかは現代になっても不明のままなのよ」

ローラ「そして同じ謝肉祭でも、地域によって全然別の様相を呈している異常、複数の原型があったのにそれらが全て雑にまとめられた的な?」

浜面「ちょっと何言ってるのか分かんないですよ?」

ローラ「あぁ……ハマーは残念な子なりしな。失念したおったわ」

ローラ「まぃ良いわ――さぁHAMADURAよ、お生きなさい。今だったらザシキワラシのご加護があるかも……!」

浜面「発見できてねぇよ!?それ以前にこんな話聞いちまったら、今日以降純粋な目でワラシさん見れねぇよマジで!?」

……

浜面「――ここは……ッ?」

滝壺「よかった、はまづら……目が覚めた……!」

浜面「良かった……!人の世界に戻ってこられた……!」

麦野「ちっ、浜面渾身の一発ギャグが見られるってきいた来たのに、的が外れたわよ」

絹旗「『――もしもし?すいません、式場は超キャンセルでお願いします。花火も、あーじゃあ文言だけ変えるってできます?”おかえり浜なんとか()”で』」

浜面「そしてそこの悪魔よりも情がない女どもが!麦野派まだ百歩譲ってヤンデレと言えなくもないが、絹旗オメー人の葬式に祝砲挙げようとしてんだゴラ!?」

絹旗「祝砲だなんて超滅相もない。ただ『浜面仕上・DTを失ってから死ぬ』と花火で文字を」

浜面「絶対に面白いやつだそれ!写メ撮られまくって『浜面って誰?』ってSNSで大人気に!」

フレメア「でもなー、本当に良かったのだ……」

浜面「あれ一人多くね?――あ、ザシキワラシか!?」

垣根(アルティメットセイス○)『――よし、殺す』


-終-
(※怪異は現実よりも優しいです。ご応募ありがとうございました)



――視聴覚室

建宮「――集まりが悪いのよ!一体どうしちまったのよな!?」

牛深「いえ仕方がないですよ教皇代理。野母崎は嫁さんいますし、諫早と香焼は年齢的に厳しいですから」

建宮「くっ!我ら生まれた日こそ違えども、死すときは共にと誓ったんではなかったのよ!?」

牛深「違っていません。教皇代理が酔った勢いで口走ってだけです」

建宮「他に誰かいないのよな!?もっとこうエロゲ×に命をかけた豪の者はよ!?」

佐天「――いるぜ!ここに一人な!」

建宮「お、お前さんはっ!?」

牛深「すいません、年齢的にアウトじゃないですか」

佐天「いいや違うさ!アウトとセーフはあたしが決めます!なんせホラーなのですから……ッ!」

建宮「その意気や良し!受けて立つのよな!」

牛深「アッハイ、そういう回ですね。まぁそんな感じで色々とスルーしてください」

……

建宮「それじゃまずコープスパーテ○の批評から始めるのよ」

佐天「お題からまず外れてやいませんか?年齢制限があったりなかったりするゲームのお話しするんでしたよね?」

建宮「考えるんじゃないのよ!心の目で見ればエ×いのよ!」

牛深「あれはグロいんであってエ×さは欠片もありません。特殊な癖(へき)の人以外は」

佐天「じゃあ最近お宅の偉い方が久々に出たアレな新シリーズのファンタジーものについて」

建宮「な、な、な、なーんのことだかわっからないのよな!鳴り物入りで出したのはいいが、思ったよりも『普通』って評判がオイシくなかったゲームの話は知らんのよ!」

牛深「超分かっていますよね?特定していませんか?」

佐天「あれ?ていうか建宮さんも葉っぱ系学園ゲームで共演、あれ?姉妹的な?」

建宮「――アァイこの話はもう終わりなのよ!脱線させた俺が悪かったからマジゴメンな!許してつかーさいなのよ!」

佐天「打たれ強い男の人って……」

牛深「あー、えっとホーラゲームの走りは『沙耶の歌』――」

建宮「『二重影』なのよ、走りっていうか最初は。ポッと出の奴らの『まぁ沙耶の歌出しとけば通』みたいな風潮は認められんのよ!」」

佐天「あくまでも個人の意見ですね☆」

牛深「てか初めて聞いたんですけど、『二重影』?」

佐天「ケロQが二番目に出したゲームですけど……リメイクするする詐欺がかなぁり長いやつです」

建宮「一作目はフロッピーディスクだったのよ!なので実質上はデビュー作と言えなくもないのよな!」

佐天「なんすかそのエッライ可愛らしい名前の記録媒体は」

牛深「教皇代理の実家の部屋の隅で埃被ってんですが、容量1.4MBぐらいでした……」
(※1GB=1,000MB)

建宮「まぁ江戸時代のバトルもんなんだけどよ!興味がある人間は”二重影 グロ”でググってみるのよ!」

佐天「それ確実にブラクラ踏むヤツですよね?斬るって指定されてんですから語りましょうよ」

建宮「和風ホラーバトルのジャンルで言えばこれを超える作品は出ていないのよな!文句は受け付けないのよな!」

牛深「本当にウチのアホがすいません……!外見以外はまともなんですけど、スイッチが入るとどうしても……」

佐天「てかエ×ゲーって全体的にホラゲー少なくないですか?沙耶の歌だって、ライターさんが有名になってから更に売れた感じですよね?」

建宮「あぁまぁなんちゅーか理由はあるっちゃああるんだけどよ。つーかニトロプラスなんかバグゲーも含めてホラーゲーム出してんだが」

建宮「基本難しいのよな。普通のゲームだったらシナリオライターに適当な本書かせて、エ×い原画用意して、声優さんの声取ってって感じなのよ」

建宮「ただホラーゲーだとその行程に加えてホラー要素をぶち込むって必要があるのよな」

佐天「当たり前の事しか言ってなくないですか?」

建宮「……いや、それが意外と難しいのよ。可愛い女の子は描けても、オッサンは描けない萌え絵師はごまんといるのよ――そして!」

建宮「更にグロや怖い原画を描けるのは極々一部!てゆうか萌え専門の人から大抵『無理です』って断られるのよ!」

佐天「あー、かもしれませんね。得手不得手ってありますもん」

建宮「そしてそのホラー要素にしても!まかり間違ってアホライターに手に渡ると――ギャグになるのよ……ッ!!!」

佐天「なんでだよ、つーかなんでですか」

建宮「2010年代中頃にはエ×猟奇ゲームがそこそこ豊作だったのよ。ただし出来はどれもこれも、なのよ」

牛深「もっと言うと『犯行動機が主犯の美意識的な』アレが多く、それお前なんでも片付けてんじゃねーぞ的なのですね」

佐天「『カルタグラ』と『殻の少女』あったじゃないですか?ホラーゲー、っていうか猟奇ゲーですけど」

建宮「イノセントグレイは全体の平均値は非常に高いのよな。ゲームの中身だったり演者さんの演技だったり」

建宮「んがクオリティを高めればそれだけのコストもかかり、一本当たりに遣う開発時間も長くなるのは残念なのよ」

佐天「『殻の少女』シリーズは、第一作があまりにも某小説と酷似してますからねぇ。あたしだったら訴えるレベルで」

佐天「そして何が皮肉かって、二作・三作と比べて第一作が一番シナリオ的には優れていると」

建宮「補足するならよ、同ブランドの他の作品よりもまだ辻褄が合ってるっちゅーな」

牛深「どんなのですかそれ」

建宮「あるクローズドサークルの探偵モノでは『一番人殺してる殺人鬼兼元凶が野放しのまま』って矛盾がよ」

牛深「成立してないですよね?13日の金曜日でジェイソ○放置して話進めるみたいな感じですよね?」

佐天「てかまずホラーゲーの定義を決めません?なんかフワっとし過ぎててどうにもでして」

建宮「犯罪や猟奇モノも何か違う気がするのよな。比較的最近で言えば『バタフライエフェクト』あったけどよ」

佐天「体験版だけプレイしましたけど、要はあれ『モルダ○捜査官になって犯罪者と戦え!』ですよね?」

建宮「もっと救いがないのよな。バッドエンドでは容赦なく殺しに来るし、選択肢一つでヒロイン失踪して終わるのよ」

建宮「ただまぁ主人公が犯罪者の心理を推測し、証拠の中から追い詰めていくのは面白かったのよな!」

佐天「ホラーっていうからには『怖い!』は絶対に必要な訳で、ただその種類って選びますよねー」

牛深「そんなに違いますか?一般人からすれば大差ないんじゃ?」

建宮「あーホラあれなのよ。映画でもゾンビモノと心霊モノはホラー映画なのよな?けど犯罪モノはスリラーとかサイコ映画なのよ!」

佐天「犯罪系の”怖い”と心霊系の”怖い”、どっちも同じ怖いんですけどそこは区別したいっていうか」

建宮「実話系怪談でも『山の牧場』何かは『多分犯罪じゃね?』って怖さなんだけどよ、心霊系ファンからすれば何か違う的な?」

佐天「本当に怖いのは電波に乗りませんからねぇ。勿論悪い意味で」

建宮「なんつってもホラーだからよ?幽霊や妖怪相手に『かかって来いお前ら!その幻想をコミットしてやる!』とか言ったらダメなのよな」

牛深「遠回しな体制批判ですか?」

佐天「そうじゃなくてジャンルの問題なんですよ!テーマが心霊でもスッゴい強い霊能力者が主人公だったら、能力バトルになるわけで!」

建宮「なので現代が舞台で、かつチート系ではない一般人が主役にして、こう怪異に巻き込まれて追い詰められていく、ってのがベストなのよ」

佐天「物語の導入部分で『人知を越えた怪現象に襲われる→力が覚醒!』は、ホラーではなくただのヒーローもんではないかと。あたしはそっちも大好きですが」

建宮「『地獄先生ぬーべー』はホラーっちゃホラーなんだけどよ。こう最終的には何とかしてくるんで緊張感に欠けるっちゅーか」

建宮「『学校怪談』の第一部や『絶叫教室』みたいに、安全地帯がない方がより恐怖ではある」

佐天「正直昨今の怪談話にも繋がるんですよねぇ。ゴッテゴテに盛りすぎてもなんか引きますし、逆にシンプルすぎても辛いです」

建宮「どこの誰とは言わないんだがよ。某怪談を語っているアイドルが『目を開けると実家の家にいた……!』とか、お前さんもうちょっと脚本しっかりしてから来いや!みたいな」

牛深「現代で妖怪だと……神楽シリーズでお馴染みのでぼの巣さんはどうです?」

建宮「小間切れ商法をなんとかしてほしいのよ。どうせデラックスパックでまとめ売りする……か?最近心配なってきたのよ」

佐天「神楽のローグシリーズは装備の継承が可能になってますんで、強い装備を頑張って作れば後は特に苦労しないんですよね。RPGの装備コンプリ部分やってどうすんだよ的な」

建宮「ヒーローシリーズの防具も追加したり、主人公によっては装備できる武器が違うんで、まぁ、なのよ。根っこ部分が全シリーズ変らないもんだから」

佐天「一応召喚できる妖怪の成長具合を変えてみたり、レベルリセットされるような変更はしてますよ?」

建宮「でかい妖怪化したりの、回を重ねるごとにマイナーチェンジはしてるのよ。ただ文字通りマイナーなだけであって」

建宮「そして最新シリーズ(と確か一本前)のは、タイトル画面のボタンをポチることで無条件回想全解放なのよな!」

佐天「純粋にローグライク好きから言わせて頂ければ『もうローグライク部分いらないってメーカー思っちゃったの?』と。あんまりこう夢を無くすような変更はしてほしくないです」

牛深「不満ばっかり言ってても仕方がないですし、逆にベストなのは――」

建宮「『あけいろ怪奇譚』なのよっ!!!」

牛深「また噛み気味で来ましたね!?」

佐天「主人公は男子高校生で、彼の通う学校では立て続けに女子四人が自殺しており、その裏ではこんな噂が」

佐天「『――ねぇ、知ってる?旧校舎の幽霊に殺されたらしいよ』、と」

建宮「調べていく間にも主人公は呪われてしまい、期限までに解かねばまた新たな怨霊になっちまうって話なのよ」

牛深「学園ホラーものですか?」

建宮「そうなのよ。ベタっちゃベタだけど、基本的に学園ホラーに必要なもん全ての要素が入ってると言っても過言ではないのよな」

建宮「シナリオは控えめに言っても最高峰。落とすべき所はきちんと落として、シリアスなシーンではちゃんと締める。ライターとしてはかくありたいのよな!」

佐天「同じ世界観の前作のキャラが途中で顔出してるんで、そういうのが気になる人は問題ですけど……まぁチョイ役ですし、大活躍するわけでは」

建宮「双子のロ×が好きな紳士諸君も楽しめるぞ!勿論エ×い意味でな!」

牛深「教皇代理、慎め?なっ?」

佐天「まぁあたしとしてもオススメですかねぇ。学園ホラーの正統派ですし」

佐天「ただし民俗学的な要素は殆どありませんし、どっちかっていえば都市伝説系の怪異とバトってる感じです」

建宮「エンディングの中には感動で泣きそうになるのも多々あるのよな!絶対にオススメだからDL販売でプレイするのよ!」

牛深「スタッフの方?教皇代理バイトとかしてましたが、もしかして?」

建宮「……ふっ、牛深よ。お前さんは考えが甘いのよ、この世界には二種類の人間が居るのよな」

建宮「一つは作ったエ×ゲーの名前を堂々と言える人間!もう一つは墓場まで持っていくしかない人間なのよ!」

牛深「あぁ確かにありますよね。『なんでこれ作った?』みたいな、存在価値を疑われるレベルの」

佐天「あぁ存在価値で思い出しましたが、『グリモ☆ラブ』という同じく学園ホラーがありましてね。クソゲー・オブ・ザ・イヤーの大賞候補にも選ばれた作品で」

牛深「ダメですよね?それダメなヤツですよね?」

佐天「いえまぁ世間様の評価はそうなんですけど、あたしもぶっちゃけ名作ではないと思いますが――まぁ凄いんですよ。何がって言われればシナリオの量が40本ぐらい」

佐天「大体1分から10分ぐらいで終わるショートショートが大量に収録されていまして。中には洒落にならないぐらい怖い話や、しょーもない話など、学園で起きたどーでもいい話ばっかです」

佐天「ゲーム自体の評価としては『なんだこれ?』なのですが、ある意味こう学園ホラーの本懐と言いますか、怖い話ってオチついてなかったり後味悪いの多いじゃないですか?」

佐天「そういう理不尽さを体現しているのが『グリモ☆ラブ』なんですよ!えぇプレイするのは時間の無駄だと思いますが、もしも売ってるのを見たら買ってみて下さい!きっと乾いた笑いを提供できると思います!」
(※適切価格500円ぐらい)

建宮「まぁホラーゲーと一概に言っても難しいのよ。オカルト的な知識をぶっ込めば怖いっつーもんでもないのよな」

建宮「仮にこう文化人類学的に正しいあれこれをぶっ込んだとしても、内容が全っ然つまらんかったらただの壮絶な自己満足に過ぎんのよな」

建宮「かといって既存の世界観から逸脱しちまうと、『うーん……?』的な、なのよ!」

牛深「それ、どう違うんですか?」

建宮「マンガやゲームとかで『タケミカヅチ!』って出したら超つおいレア度の高い神って分かるのよ?色々な媒体で出てるし、まぁそういう共通認識が構築されているのよな」

建宮「んがしかし『サンシャイン上条(神)!』とか訳分からんモンを出そうもんなら、まずその存在のバックボーンを語らねばならないのよ」

建宮「これこれこういう逸話があって、世界の人にはこう認識されているのよ、的な」

佐天「なので『八尺様の親戚の四尺さん』とか、ある程度流れを汲んだのを出すのが簡単なんですよねー」

牛深「ロ×ですよね?じゃなかったらただの人では?」

佐天「結局なにをしても『面白いが、正義!』に行き着くわけですが。売れたもん勝ちです」

建宮「ホラーゲーじゃないんだけどよ、『和香様の座する世界』ってぇのがあるのよ。弱グロでクトゥルーな感じで日本神話ぶち込んだような現代劇」

佐天「結標さん、うしろうしろー」

牛深「混沌としすぎていません?シム○シム○も含めて」

建宮「いやいや非常によくできてるのよな。伏線含めて、『ぬらりひょんの真の正体!』もその発想はなかったのよ!」

建宮「――が、主人公の側にいるのが世界三位、実質二番目と四番目の神的存在ヒロインなので悲壮感も恐怖感も皆無だっちゅー!」

佐天「面白いですし、はっきり言ってここ数年で一番の出来だとも思いますが……ホラー……うん、なんつーか、ホラー、ではないかな、うん」

建宮「OPでメインヒロインが伽耶○に首をむしり取られたら、そこから触手生やしてあっさり勝つシーンは爆笑ものなのよ!」

牛深「笑う要素ありますか?字だけ想像するとグロ極まったかのようなゲームですよね?」

佐天「体験版プレイしていただければ分かりますが、まぁ普通にギャグです。マンガで首飛ぶとか100トンハンマーでどつかれるとか、そういう扱いに近いです」

建宮「――さぁて牛深君!我らの教えはきちんと伝わったかなのよ!?感想をプリーズ!」

牛深「マニアは面倒臭いって思いました」

佐天「まぁどこの世界でもマニアっつーかヲタはそんなもんですよ」


-終-
(※ご応募ありがとうございました)

○ホラー成人ゲームのオススメ(現在入手できるもの)
1.あけいろ怪奇譚
2.なないろリンカネーション(1の前作。できればプレイしてほしい)
3.カルタグラ(インセントグレイのゲームを未プレイの人は)

○現在入手が非常に困難なもの
つくとり(××××××と北朝鮮にケンカ売ってる作品)

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