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Clock(trial)

姫神秋沙と怪談の夜 -告死天使-

 
――とある高校 放課後

青ピ「――大変やんカミやん!ついに、ついに人類がAIに負けてもぉたんよ……ッ!!!」

上条「どうした急に?定期的に復活するMM○でも見たのか?」

土御門「昔は楽しい時代だったにゃー。マガジ○ミステリー調査班も、今やったらフェイクニュース扱いされるぜぃ」

上条「逆に新しくて楽しそうだよな。『どうしてこの人達は警察やマスコミに訴えないんだろう?』って総ツッコミが入る」

土御門「残念だけど俺が観察してる某国会議員は『11年前に元CIA局員から情報をリークされてた』ってつい先々週発言を」
(※某野党議員)

上条「なんでだよ。マウント取るにしても嘘ふかすにしてももっと穏当なやつあっただろ」

上条「てゆうか逆に怖くないか?普通なんか不正や違法行為があるんだったら、国内の政治家かジャーナリストへ暴露するのが先なんじゃ?」

土御門「いいかいカミやん君?世の中には『被創造物は創造者を越えない』という格言があるんだにゃー」

土御門「つまりアホが書いた賢者はアホの軛から逃れられないように、アホが考えた陰謀論もアホになるんだにゃー」

上条「だったら人類がアレなのも神様のせいか。俺ちょっと賢くなった」

青ピ「聞きぃやお前ら!アホの陰謀論なんざボクには関係ない話やで!」

上条「どうせお前も同じレベルだろ。『スカイネッ○は実在したんだ!』とかそういうレベルの」

青ピ「惜しい!系統的にはそっちや!」

上条「AIだからな。俺の知識では他にメタルマック○ぐらいしかないとも言う」

青ピ「てかChatGP○って知っとぉ?」

上条「……し、知ってるに決まってるだろ!ファミ○のからあげク○の新作だよな!」

土御門「からあげク○はローソンだにゃー。いよいよもってファミチ○の拡大線路が限界に達したんだにゃー」

青ピ「まぁまぁそう言わんとつちみー。学園都市では全然騒がれへんやったやないの。『お前らそれ何世代前の話やねん』って」

上条「あー……新しいAIだっけか?学生が課題やらせるとか問題になってんだっけ?」

土御門「こっちだと逆にAIが学校に通報するんだにゃー」

青ピ「それそれ。実はボクも興味があって使ってみとぉたんよ?グーグ○のアカウントあるからそっち使って」

上条「へー?あれって気軽に使えるもんなのか?」

土御門「メールアドレスと実際に使ってるケータイの番号で認証できるにゃー。正味10分ありゃできるぜぃ」

上条「俺もちょっとやってみっかな。てか人類が負けたとかいうんだったら、神回答来ちゃった?」

青ピ「それなんだ!気をしっかりしてから聞いてくれカミやん!実は――」

(※以下・要旨抜粋)
Q.上条当麻さんの脱童×はどうやったらできますか(´・ω・`)?
A.性的なのは個人のの勝手じゃね?
A.またフイクション作品の話なので、想像して楽しめば?
A.あとお前アタマおかしいから医者行ったら?
(※本当にChatGP○に聞きました)


青ピ「――倫理的に人類がAIに敗北した瞬間やんな……ッ!!!」
(※ここの運営<<<人格の壁<<<AI)

上条「お前だけだよ。なんで曲がりなりにも霊長類が倫理の面で無機物に劣ってんだよ」

青ピ「てかこれ凄いですやん!?AIに人類が『頭オカシイから病院行け』ってストレートにdisられるんやで!?」
(※感動しました)

上条「そういう意味じゃ……あぁでも『心のカウンセリング受けなよ』ってのは煽りっちゃ煽りか。参考になるわー」

上条「つーかお前これビッグデータとして残るんじゃねぇのか!?少ないとはいえ俺の名前が童×タグとともにに保存されるんだよ!?」

青ピ「そんなっ!?良かれと思ぉてアドバイスを求めたつもりやったのに!?」

上条「AIに俺のシモの話聞いて解決できると思ったのかコラ?テメー絶対にわざとやったんだろうがよ!?」

青ピ「善意ですやんか!解明できない謎を科学的に解き明かしたかっただけやって!」

上条「こんなイジメ流行りそうだよな。『○○がダメな理由を10個上げてください』的な」

土御門「既にジャンポ○の斎○は通った道だぜぃ。クラス担任が『斎○のダメなところを一人ずつ言ってみよう』ってやらかしたらしく」

上条「分かるか青ピ?お前がやってんのぱそういうことだぞ?」

青ピ「このボクの真心が不当に曲解されとぉよ!ボクは、ボクだけは世界全てが敵になってもカミやんの味方や……!」

上条「それもう一回ダメだってバレてんだわ。まぁありとあらゆる負のパラメータ入力されてんだから仕方がないとは思うが」

上条「つーかお前このネタのために登録したんか?もっと他に調べるものあっただろう」

青ピ「なあカミやん君知っとぉ?――エ×関係の質問ってNGやって……ッ!!!」
(※NGでした)

上条「なんでだよ。何をどうしたらAIに人類がシモ関係の相談するんだよ」

青ピ「いやまぁ正直に言ぉたらアレやん?結構アレな感じのゲームのスクリプトが本題やったんよ?」

上条「ゲーム?AIがプログラミングしてくれんの?」

土門「手直しが必要だけど、そこそこの精度のを組んでくれるって話だにゃー」

上条「へー、どうだった?」

青ピ「まぁ二割ぐらいやなぁ。あんまり前提がデカいと『他のサイトを参照した方が早いです』って逃げよるし」

青ピ「『戦車のゲーム組んでくれへん?』って打ち込んどぉたら、あー、コンソールって知っとぉ?デバッグんときに出るDOSっぽいウインドゥやねんけど」

上条「どす……?」

青ピ「――まぁ結論から言えば『ゲーム本編には一切表示されず、コンソール画面だけで戦う謎の戦車ゲーができた』っちゅー話やな!」
(※例;指定されたスクリプトをぶち込むと、『戦車Aの攻撃・敵Bに5のダメージ、敵Bの攻撃・戦車Aに5のダメージ』みたいなのが表示されるだけの……)

上条「いつの時代だよ。人よりも人っぽいCGの時代でそれか」

土御門「事前の質問設定ミスったんだと思うぜぃ。あんまり大味だと答えも比例するにゃー」

青ピ「――まっ、何事も地道にするのが一番の近道やっちゅーことやんね!」

上条「聞かせてあげろよ。今までサウナのサの字もなかった言ってなかった人達に」

土御門「『サウナが人気……よし!ウチの施設にプラスすれば勝てる!』つって散っていく人も多いんだろうぜぃ。ナタデココ工場のように」

青ピ「流石にスイーツとサウナは別やと思うねんけど……」

上条「一番戸惑ってるのは先駆者として通ってたおっさん達じゃね?『え、サウナハット?頭熱い?だったら出れば?』って感じの」

土御門「古参が偉いっちゅー訳でもないし、新参が遠慮しろっちゅー話でもないにゃー」

上条「――よし!じゃあ次に何が流行るのか当てようぜ!俺は『サンシャイン池○』!」

青ピ「無理やんね?TONYは『たまたま生き残ってた一発屋が珍獣扱いでピックアップ』であって、珍獣枠も二人目はあらへんのよ?」

土御門「猫番組でテンション下げて普通に喋ってるのが……ファンはそれでいいのか!納得しているのかカミやん!?」

上条「俺に責任を求めるなよ。俺まだちゃんとしたネタ見てないんだから」

青ピ「――そうや!ここで一歩踏み込んどぉて混浴ブームが来れば……!」

上条「恐怖と犯罪臭しかしない。仮にお前の欲望が叶ったとしても、一秒後には通報されてるか美人局にあってるかの二択なんだわ」

土御門「江戸時代には混浴上等だったにゃー。今更懐古主義に戻っても困るだけだぜぃ」

上条「つーか姫神は?放課後残ってくれって言われたんだが……」

青ピ「掃除当番やったからそろそろ帰ってくるんやないの、って噂をすればやん」

姫神「お疲れさまです。四人とも残ってもらって申し訳ない」

上条「四人?」

土御門「姫神班の吹寄だにゃ−」

吹寄「あの……わたしは普通に帰りたいんだけど?どうせアレでしょ?時期的には怪談とかでしょ?」

上条「前回までのは怪談ですらなかったわ。ただそれっぽい話してただけだわ」

姫神「吹寄さん。正解。実は今日もブギーポッ○のコスを用意していた」

吹寄「意思疎通できてる?『怖い話、嫌だから帰りたい』って言ってるのに話続けるの?」

上条「ブギーポッ○は怖くなんかないよ!少年少女が成長したりしなかったりするだけの話であってだ!」

土御門「結構イッてるんだにゃー。どこぞの魔術+科学ラノベ並にはそこそこ死んでるんだぜぃ」

青ピ「よっしゃ吹寄!たまたまボクが小説全巻持っとぉて良かったわ!ほら持ってけや!布教用のやつやし返さんでもオッケーやわ!」

吹寄「グルよね?型に嵌める感じで来てない?」

姫神「まぁ。ブギーポッ○の良さは語り尽くせない。しかし今日は別件」

上条「あと別に同じ会社なんだから伏せ字にする必要性は……いやごめんなんでもない。続けて続けて?」

姫神「少し前にこの学校の七不思議について触れたと思う。憶えていない人は?」

青ピ「お、七不思議?そんなんあったん?」

上条「お前も見事にエントリーされてんだよ。あー、なんだっけ?『四人目』だっけか?」

姫神「そう。放課後。友達三人が残って楽しくお喋りしていると一人多いという……!」

土御門「ザシキワラシだにゃー」

青ピ「え、普通に混ざらへん?『こんにちは良い天気やんねそれではお話を!』みたいに言う?言わへんよね?」

吹寄「ムダにコミュ力は高いのよね。なんでこれでカノジョできないかしら?」

上条・姫神・土御門「気持ち悪いから」

吹寄「知ってた」

青ピ「失敬な!?ボクはむしろ誠意ある方やで!?お付き合いする前に正々堂々フルオープンしとぉだけで!?」

上条「まぁ変なサイコっぽい相手に引っかかるよりは、とは思うが……」

姫神「それでも見事に怪談一枠を占めていた。誇っていいと思う」

青ピ「あ、ありがとさん……?」

姫神「後は私の友人の幽霊さんがピアノを弾く。『音楽室の怪』」

姫神「上条君のフィギュア趣味が高じて完璧な腹話術をしているのがバレた。『放課後の傀儡師』」

姫神「小学校低学年にしか見えない小萌先生を誤認して始まった。『場違いな女の子』」

姫神「放課後の校門でブツブツ言いながら出待ちしてる常盤台の少女。声をかけようとすると背後に回り込まれる。『うしろに立つ少女』」

姫神「『ヴァニ○ソングを歌うと上条君が殴られる』。まぁこんな感じ」

吹寄「相変わらず100%身内で占められているわね!」

上条「あと風斬を幽霊扱いすんなよ。そういう能力者なんだから」

姫神「――で。実は今上げた全ての七不思議が別のものへと入れ替わっている」

上条「入れ替わった……?怪談が?こんな短期間にか?」

土御門「結構事件はあったっちゃあったんだにゃー。エレメントだったり突然の休校だったり」

青ピ「そういう土御門も死亡説流れてたですやん」

土御門「どっこい生きてる元春クンだにゃー!俺が死ぬのは妹の腕の中だと決まってるですたい!」

吹寄「愛が気持ち悪いわ。妹さんも一度児童相談所へ連れてった方がいいかも」

姫神「という訳で皆さんの支援を要請する」

上条「はい姫神さん、質問があります」

姫神「なんでしょうか上条さん」

上条「放置するって手はないんでしょうか?そもそも俺らが首突っ込む理由が?」

姫神「それはきちんとした理由がある。というか私達以外に誰がするかと言えば。キャシャー○ぐらいしかいない」

青ピ「キャシャー○さんヤッてくれるんやったら大抵の物事は解決できるような……」

土御門「『たたかう』以外の選択肢がない人だにゃー。ドラク○無印の勇者さんでももっと選択肢は広かったぜぃ」

吹寄「なんで出張ってくるのよ。そもそもの話として」

姫神「それだけ危機的状況ということ」

上条「てか俺らが知らなくて姫神が知ってる状況も珍しいよな。一人で調べてきた?」

姫神「まさかまさか。『来年のクラス替えどうしよう』と今から悩んでいる私に聞き込みが出来るとでも?」

吹寄「時々出るのよね、その謎の卑屈さが。普通に喋ればいいじゃない」

上条「あー……つーことはつまり、諜報員さんは」

姫神「ご紹介します。この学校の地縛霊さんです――」

姫神「……?」

吹寄「――本人にしか見えてないパターンだわ!上条、貴様の謎人脈で霊能者を早く!」

上条「えーっとですね、ウチでご紹介できるのは『すき○のうな牛・特々盛り五杯でイギリス清教のシスターさんによるパワハラ除霊コース』」

上条「次は『どう見てもヤク○か葬儀屋にしか見えないスジモノ除霊コース』。あ、こちらはお車代程度です。近くにいれば最低ロハにまで下がります」

上条「その次が『にゃーにゃー言ってる元神童の気休め除霊コース』は、まぁ先生のお気持ちで。今日はどのぐらいですか?」

土御門「今日は機嫌がいいからアルペジ○原画展の前売りチケットだけでいいにゃー」

上条「そして最後は『某十字教前教皇猊下そっくりさん悪魔祓いコース』。一切費用は発生しませんが、この人に関わると今後の人生で出会う全ての宗教関係者がザコに見えます」

吹寄「選択肢が酷い。特に最後のはなんなのよ」

土御門「お高いお店の寿司を食べっちまうと、それ以外の寿司が『……これ、冷凍食品?』ってなっちまう現象だにゃー。本人に悪意は全く無い分だけタチが悪い」

姫神「というか来てくれないみたい。今日はきっと月の満ち欠けであるのかも」

青ピ「悪魔ですやん。メガテ○の」

上条「そして素でツッコむけど、どこの世界に友人を『幽霊でーす!』って呼び出すやつがいるんだよ。本人が否定してんだから」

姫神「という訳で。これから話す怪談は全て地縛霊さんが調べてもらいました」

吹寄「結構鋼のメンタルよね?多々矛盾点があったにも関わらず、淡々と進めるところがね?」



――とある高校・新怪談その一

風斬『――これはA君が実際に体験した話です』

風斬『A君はその日、職員室に呼ばれていました。日頃の生活態度が悪いため、生徒指導の先生に目をつけられてしまったのです』

風斬『先生の話は長く長く続き、「あぁこれ今日の部活には間に合わないだろうな」と内心凹んでいたとか』

風斬『A君の予想通り、先生の話が終わる頃には丁度部活が終わる時間だったそうです』

風斬『解放されたA君は無断で休んでしまった負い目もあり、「一応終わった後には教室へ行った」というアリバイを作るため、すっかり人気のない廊下を進むことにしました』

風斬『しかし時間も時間だったので、すれ違う生徒はおろか、どの部活や教室も人の気配はしませんでした』

風斬『当然、A君の部活の教室も、ガチャンと鍵は閉っており、仕方がなく下駄箱魔の方へ向おうとしました』

風斬『こつこつ、こつこつ、と誰もいないリノリウムの廊下に足音が響きます。誰もいない学校を独り占めしているようで微妙にテンションが上がっていたそうです』

風斬『こつん、こつん、と別の足音を聞くまではですが』

風斬『どうやらその人物は上の階から階段を降りてくるようです。こつん、こつんと少しずつ、しかし確実に音は近づいていました』

風斬『外へ行くのには当然同じ階段を使うのが一番の近道です。トイレに行くフリをするのも怖さに負けたようで嫌です』

風斬『かといってこのまま早歩きになるのも何か負けたようで。思春期特有のアレな感じがA君の足を遅くしてしまいました』

風斬『思っていた以上、そう、思っていたよりもずっと早く。足音の主はA君の背後へと迫っていたのです』

風斬『そして……A君は振り返ってしまいました。階段の上から、こつん、こつんと足音を響かせて降りてきたのは――』

姫神『――あ。まだ人がいた』

風斬『――下校時間ギリギリまで散歩をしていた姫神さんだったのです……ッ!!!』



――

姫神「怪談その一。『階段で出くわす幽霊』。だそうです」

上条「生きてんじゃねぇか。そして別に幽霊でもないし、ただ普通に校内を徘徊してただけじゃね?」

吹寄「あー………………うん、まぁ、ねっ!ビックリしちゃったのよね!」

姫神「正直悲鳴を上げられたのは地味にショック。『もしかして後ろにオバケいる?』って二回振り向いたのに。何もいなかったときの衝撃といったら」

青ピ「てかなんで姫神はんそんな時間まで何やっとぉ?怪談でも探しとったん?」

姫神「誰もいない校舎っていいよね。あの何とも言えない雰囲気が」

土御門「分かるにゃー。普段賑やかな場所ほど、なんか静かになると怖いんだぜぃ」

上条「廃墟マニアが身近に二人も……いや俺もテンション上がるわ。今度みんなで居残ろうぜ!」

吹寄「確実に問題起して先生に迷惑かけるからやめなさい」

上条「つーかマジで?姫神と遭遇したのが七不思議に登録されてんの?」

姫神「残念ながらマジらしい。ウチの地縛霊が調べてきたので確実」

青ピ「あー……そういや聞いたような気ぃするわ。なんか女の子ストーキングしとぉたら、『女子の幽霊が怪談で』みたいな?」

上条「その予備情報の方が恐怖だわー。巡り巡って俺が犯人にされる未来が見えるわー」

吹寄「それは流石に被害妄想……よね?ないわよね?」

土御門「とは言い切れないのがカミやんの面白人生クオリティだにゃ−」

上条「やめろ。俺の人生をUS○の新アトラクションみたいに言うのはやめろ」

姫神「怪談はこれだけではなく。他にもある」



――とある高校・新怪談その二

風斬『――これはBさんが実際に体験した話です』

風斬『あるときBさんはクラスの掃除をすることになりました。といってもクラスは広いので当然何人かで』

風斬『よくある話だと男子がふざけるパターンもありますが、普通はさっさと帰りたかったり部活へ行きたかったので、全員がテキパキと掃除を終わらせたそうです』

風斬『ですが問題になったのはゴミ出しです。裏の焼却炉、とは言っても今は業者が取りに来てくれるため、その前まで運ぶだけのお仕事です』

風斬『全員で行くほどでもなく一人でも済む用事ですが――当然行きたいと言い出す人間はいませんでした』

風斬『よって全員が公平に、ということでジャンケンをし……不運にもBさんが負けてしまい、一人でゴミを運ぶことになりました』

風斬『まぁ一人で持つには軽くはないのですが、という誰も手伝ってくれなかったのに軽くキレつつもさっさと運びます。時間の無駄ですから』

風斬『昔は使っていたであろう焼却炉、その前に設置してある檻の中へゴミを捨て、さぁ戻ろう――とした瞬間。何か音がします』

風斬『誰かが掃除をしているのか?と思いましたが、掃除をしている割りには何か変な音でした。シュッシュッという、何かを振り回しているような』

風斬『Bさんは好奇心に負け、音のする裏庭の方へ近づいてみると――』

姫神(※箒装備)『……大地を斬り。海を斬り。空を斬り。そして全てを斬る……』

姫神『それが――アバ○・ストラッシュ……ッ』

風斬『――掃除をサボってアバ○ストラッシュの練習をしていた姫神さんだったのです……!』



――

吹寄「だからなんでなのよ!?『あぁたまに掃除の時間いなくなるのはそういうことか!』ってちょいちょい引っかかってた疑問は解けたけどもね!}

上条「でもなんでアバンストラッシ○!?掃除の時間にするのそれ!?」

姫神「え。でも男子は分かってくれる筈」

青ピ「分かるわー。男だったら剣一本でモンスター捌いてみたいもんやわー」

土御門「俺はヒュンケ○派だから!技の最終形態がブラッティースクライ○だにゃー!」

上条「俺はクロコダイ○さんだ!あの不屈かつ不遇の人生になんか共感が!」

姫神「ねっ?」

吹寄「戻って来い貴様ら。あと今のどこか怪談よ!?怖いっちゃあまぁそれなりにだけど!」

姫神「いや。それがどこをどうやったのかは分からないのだけれど……」

吹寄「ど?」

姫神「『夜な夜な日本刀を持って怪異と戦う』って怪談に昇華している。らしい」

吹寄「別口じゃないの?いくら何でもアバ○ストラッシュの素振りしてたのが、そこまで話が大きく――」

6吹寄「……」

吹寄「なる、かも……?」

土御門「『姫神・雰囲気ありすぎる説』だにゃー。変な風に噂が先行して、ワッケ分からん事態になってると推測されるにゃー」

青ピ「伝言ゲームなんてそんなもんやしねぇ。てか逆にそんなんあらへん?姫神以外に誰が長ドス振り回しとぉやついるん?」

上条「むしろ姫神のアバ○ストラッシュ見たいぐらいだわ。意外と……意外と力強いんだよな」

姫神「何故か病弱キャラに見られがち。しかし田舎の山育ちなので単純な体力はそこそこ」

上条「痴女(※オリアナ)事件のときにはぶっ倒れてたが……」

土御門「それ言い出すんだったら、元の怪談も俺達の身内ネタに近いもんだったにゃー。だからしょーもない出来事が一周回ってってのはある話だにゃー」

姫神「そう。そんな感じで第二の七不思議も入れ替わっている」

上条「俺らのアホ怪談も大概だったけど、姫神シリーズもどうなんだ?『やったな姫神!七不思議に二個登録オイシイな!』って喜ぶとか?」

姫神「……残念ながら。事態はもっと深刻」

上条「深刻?」



――とある高校新怪談・その三 【狩人】

風斬『これはC君が以下略。そこで見たものとは!』

姫神(※モップ装備)『――無論。死ぬまで』

風斬『――掃除をサボって牙○(※るろうに剣○)の練習をしていた姫神さんだったのです……!」



――とある高校新怪談・その四 【放課後の人形遣い】

風斬『これはD以下略』

姫神(※ゲコ太のぬいぐるみ装備)『……あ。もうこんな時間』

風斬『――コス研へぬいぐるみの裁縫を教わりに行った姫神さんだったのです……!』



――とある高校新怪談・その五 【ぴょんぴょん】

風斬『これはE以下略』

姫神(※けんけんぱをしながら)『けんけん。ぱ。けんけん。ぱ』

風斬『――廊下で意味もなくけんけんぱをしている姫神さんだったのです……!』



――とある高校新怪談・その六 【敵の攻撃】

風斬『これはF以下略』

姫神『気をつけて。陸にだってサメはいる』

風斬『――踊り場で「高いところから落ちたらサメに食べられる」という高鬼をしている姫神さんだったのです……!』



――とある高校怪談・その七 【暗闇に潜む……】

風斬『これはG以下略』

姫神『シャワー室の電気消し忘れてる』 パチッ

姫神『……?』

姫神『人の声がしたから中に居たみたい。点けておこう』 パチッ

風斬『――中に人がいるのにうっかりで灯りを落としてしまった姫神さんだったのです……!』



――

姫神「って感じらしい」

上条「この世界観嫌いじゃない!まさかの七不思議コンプリートだなんて流石は姫神さんだな!」

吹寄「えっと……どれもこれも大した話じゃなくない?なんでこれが怪談にまでなってんの?」

姫神「私はも詳しくは。例えば最後のシャワー室だと。男子がシャワーを浴びていたら灯りが消えて幽霊の声がする」

姫神「ゆっくり振り返ったり振り返らなかったりしたら。また灯りが点くとか点かないとか?」

青ピ「多分姫神が原因やないの、ってぇ感じはするような。他にも誰かが消しとぉたりもしてそぉやけれど」

土御門「怪談なんてのはそういうのの積み重ねなんだにゃー。誰かが『実はこの間――』って言い出したら、『それ私も体験してる!』とかだにゃー」

姫神「色々と言い訳はある。男子が入ってるシャワー室を覗く度胸はない」

青ピ「フィクションやったら夢が広がるんやけど、リアルやったらただの恐怖なんよね」

上条「あと姫神さんが意外とアクティブに活動してたのがショックです」

姫神「実はまともな学校に通うのが初めて。地元では全校生徒数人だったり。こっち来て最初の学校はクラス一人制だった」

吹寄「……いいじゃない!今はアレだけどアレな友達も一杯いるし!」

上条「誰がアレな友達だよ。言ってやれお前ら」

青ピ「どうも。アレな友達その一や」

土御門「アレな友達その二ですたい」

上条「違うそうじゃない。『この流れだとダチョ○だな』とは思ったけども、そうじゃないんだよ親愛なるアホども」

姫神「男子はそうやってすぐイチャイチャする。本で読んだとおり」

吹寄「絶対に違う。てゆうか滅ぶわ、種族として」

上条「てかどんだけ盛られてんだよ。押尾○伝説か」

姫神「こんな感じで七不思議全てが『あぁ。あれかな?』と心当たりがある状態になっている。助けてほしい」

上条「助けるのは問題ないんだが、具体的にどうすれば?青ピにマントでも羽織らせて夕方の校舎をダッシュさせてみる?」

青ピ「『――ぶははははっ!我が名は放課後の魔術○!なお、校長は不倫をしながらも中二病が治らなかった模様!』」

土御門「『犯人達の事件○』を読むと全く知らなかった原作を読みたくなるトラップが……!」

吹寄「真面目にしなさい、真面目に!一貫して不真面目な話だけど!」

姫神「それはそれで楽しそう。しかし今回の事件。私にも責任があった言えなくもない」

上条「そんなこと言うなよ!姫神に責任なんてない!」

上条「ただちょっと放課後意味もなくウロウロしてみたり掃除サボってアバンストラッシ○や牙○ごっこをしたりゲコ太を持って徘徊したりけんけんぱに高鬼と電気代カットをしただけじゃないか!」

上条「――うん、責任あるなこれ!過失比はあえて言わないが、少なくとも0ではねぇよ!」

吹寄「奇行……いや、そこまでは。ただ胸を張って『悪くないです』とも言えるかとってのも微妙よ。うん、微妙」

青ピ「もらい事故も何件かありますやん?男子としては放課後に生徒の少なくなった廊下を歩く楽しみは分かるわ!」

土御門「んで?姫神は結局何をどうしたいんだにゃー?」

姫神「まぁ。私の無意味な行動は我慢してもらうとして」

上条「そこ直せよ。半分ぐらいはしっかり種蒔いてんだよ」

姫神「もらうとしてイメチェンを。私も流石に道を歩いているだけで悲鳴を上げられるのは少し悲しい」

吹寄・青ピ・土御門「あー……」

上条「え、なに?そんな失礼なことされてんの?」

青ピ「この学校あるある――姫神を初見の相手がビクッ!てなる……ッ!!!」

土御門「大体この季節になると姫神を見て、『あ、学校の怪談って実在したんだ』って」

吹寄「雰囲気が、ね。うん、なんていうか独特の雰囲気っていうか、にじみ出るラスボス感が」

姫神「夏服では若干被害が減る筈なのに。何故か変らない不思議」

青ピ「季節のせい違いますのん?夏っちゅーたら怪談やし」

姫神「冬は冬で黒ベースのセーラーに引かれる。私はただ立っているだけなのに不可解」

上条「人畜無害なんだがなぁ」

土御門「ねーねーカミやん。カミやんがたまに胸ポケットに入れてるフィギュアがデッカい頃にゃー、初見の感想ってどんなんだったにゃー?」

上条「『――あれ?……ちょっと待って、それ水着、だよな?なんで水着?どう見ても水着だよなそれ?』」

上条「『お前ら――誰も言わないってなんだよ!?イジメか!?イジメられてんのか!?』って」

土御門「うん、そーゆーとこだにゃー。世界の敵に普通はビビるのが普通の反応」

青ピ「よぉ分からんけど、水着に対する食いつきが凄いやんね。もっと他にないんかいっちゅーツッコミを」

姫神「上条君の鈍感力はそのままでいい。むしろそのままであってほしい」

吹寄「ちょっと何言ってるのか分からなかったんだけど……制服は変えようがないわよね。髪切ろうとするんだっらた何が何でも止めるわ」

姫神「私も切る度胸はない。邪魔だなーとは思う」 ドスンッ

上条「段ボール箱?」

姫神「ここにコスプレ研究会から借りてきた小物がある。これを私が装備することによりイメージチェンジを目論む」

上条「あっさいわー。業務用スーパ○の弁当セットのプレートよりもあっさい感じだわー」

吹寄「誰が分かるのよその例えで。『便利そうに見えるけど育ち盛りには足りないし、冷凍庫の場所を取るな』って誰が分かるのよ」

姫神「浅くはない。というか逆に制服コーデ前提なので縛りが」

青ピ「まぁ、校内やしな。拘束守らんとゴリラにシバかれるさかい。どっかの頭オカシイ金髪アフロは除くにしても」

土御門「にゃーはっはっはー!青髪ピアスに言われたくはないにゃー!」

姫神「と。このように当校のドレスコードはザルとはいえ。私には注目される勇気がない」

吹寄「下手に着崩ししてないから余計に目立つんじゃ……?」

姫神「よって小物で勝負をしてほしい。可能な限り目立たずに」

上条「なんて消極的なムチャ振りが来たんだ……!もう怪談関係ねぇしよ!」

吹寄「えぇと……姫神さんにとっては深刻な悩みだし、ねっ?助けてあげないと、ねっ?」

青ピ「『どうせ無理だろうけどやるだけやってみよう』感がエグいわー」

……

青ピ「――ではまずトップバッターは俺や!こう見えてセンスには定評があるんよ!」

吹寄「青髪ピアスのチョイスの時点でもう信用できない」

青ピ「おぉっと言いよんやん!だがしかしファッションなんちゅーのは着たい人が着たらええのよ!外野が口出すのなんか無視したったらええし!」

上条「まぁ間違ってはないよな。ただそれが校則ある学校ではやめとけよって話になるが」

青ピ「それではカモン・ヒメガーミ!完璧なコーデをお見せしようやないの……ッ!」

姫神(※黒カバン)「どうも。姫神です」 ガラッ

上条「知ってる。知って……る?」

姫神「なんで疑問系?私は姫神ではなかった説?」

上条「いやそういうフレキシブルな話じゃなく。てかこれ変ってなくね?登校中?」

吹寄「よね。なんか古っぽいカバン持ってるみたいだけど」

土御門「いや違うぜぃ!これは名のあるコンボだぜぃ!」

青ピ「――そうや!この組み合わせは『ぬらりひょんの○・千年○(女学生ver)』や……ッ!!!

上条「なぁ企画の主旨聞いてたか?寄せに行ってどうすんだよ」

姫神「あれはよくない。あの世界は男子と男子の友情を描いたドラマ。女子が入っていくのはイクナイ」

吹寄「それはそれでド偏見だけど」

上条「つーか自動的にコスプレになっちまうのはさておくとして。これ変ってないよな?古い学生鞄も『まぁ姫神だったら持ってるかな?』って思うし」

姫神「特にレトロ趣味はない。あと出来る限り目立ちたくない」

吹寄「本来であれば地味な年代物のカバンなんだけど、それが返って一周回って目立つのよね」

土御門「と、言うわけで青ピは失格だにゃー!もっと企画の主旨考えろ!」

青ピ「くっ!殺せ!」

上条「なんでだよ」

……

吹寄「それで私の番なんだけど……どうぞ」

姫神(※自転車用ヘルメット装備)「どうも。姫神です」 ガラガラッ

上条「だからなんでだよ。室内でヘルメット、あぁまぁたまーにパチられないように教室持ってくるのいっけども!常時装備してるアホはいねぇよ流石に!?」

吹寄「他に選択肢がなかったのよ!?どれもこれも装備させたらそれっぽい感じになるし!」

吹寄「だったらまだイロモノ枠を逸れて常識的な範囲に収めようとするじゃない!収まんなかったけどね!」

青ピ「いやぁ、でもこれはこれで、なぁ?つちみー?」

土御門「『旧クラブ棟の解体反対で活動するヒロイン』」

姫神「『私の居場所は――もう。ここしかない』」

上条「言いそう。なんか世界観が既に構築されている」

吹寄「見ようによってはゾンビものの『そんなんで防げるか?』ってヒロインにも……」

姫神「正直。ヘルメットが重くて邪魔です」

吹寄「でしょうね!珍しくなんか嫌そうな顔したから分かってたわ!」

……

土御門「ホンッッッッットにお前らは分かってないにゃー!この『土御門家の神童』と呼ばれた元春さんの仕事を勉強するがいいぜぃ!」

吹寄「高校生が『神童』の自慢するって……」

青ピ「言うてやるなや吹寄。ただの人ってことですやん?」

土御門「なんちゅーかパワーバランスで色々あったんだにゃー!それでは姫神入って来いや!」

姫神(※日本刀装備)「どうも。討魔士の姫神です」

上条「もう既に名乗ってんじゃねぇか。そうだよな!姫神がポン刀持ってたらそりゃ『あ、深夜の学校で戦う人だ!』って誰でも思うわ!ふざけんなよ!?」

姫神「『くっ……君だけは。私が守ってみせる』」

青ピ「姫神初段、満更でもない模様」

吹寄「似合う……まぁ似合うんだけどね。てか構える仕草がサマになってるし、剣道でもやってた?」

姫神「銀河刑○シリーズを少々」

上条「特撮じゃねぇか!お前の引き出しって結構広くて深いんだよな!」

上条「てかこれどういうこと?白井さんの姫神の初逮捕させんの?」

土御門「まぁふざけていないかどうかで言えばふざけてはいるんだが」

上条「おい、グラサン」

土御門「問題になってるのは『ビクッ!』ってする話であって、要はオバケか妖怪か幽霊かって思われて不安にさせたくないって事なんだぜぃ?」

上条「言葉選べや。友達なんだから」

土御門「だがしかし!ビクッとした相手が日本刀を所持していれば、その相手はきっとこう思う筈だにゃー――」

土御門「『――あぁなんだ、人類の味方の方か』ってな……ッ!!!」

上条「だからそれも相手選ばね?中二だったら『ふービックリしたー』で流すだろうけど」

……

上条「いい加減にしろお前ら!姫神で遊ぶな!俺をイジって遊べよ!」

吹寄「ちょっと何言ってるのか分からないわね」

上条「見とけ俺の完璧な設定を!コオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォルッ姫神!我が下へ!」

青ピ「なんでデビチ○?」

土御門「あれもリメイクしてくんねぇかにゃー」

姫神(※ポニーテール)「……」 ガラガラッ

上条「どうだ!?」

青ピ「いや、どうって言われましても……ポニテ?可愛い、けどもな」

上条「だって仕方がないだろ!?箒を持たせれば魔法使い!ハサミを持たせたら空間断裂系能力者!ペットボトル持たせたらアスカ12○%!」

土御門「最後のは誰も知らないんだにゃー。『フェノメンアタッ○!』とか女子だけの格闘ゲームの走りだなんて誰も憶えてないんだにゃー」
(※あすか120○)

上条「スリッパを持たせれば学校の怪談!ケータイを持たせたらデスゲームの運営側!何をどうやってもスキがなさ過ぎるんだ!」

吹寄「人で遊ぶな。失礼でしょ」

姫神「『永遠はあるよ』」

青ピ「やめるんだ姫神!ボクの中のトラウマが目を覚ますから!」

土御門「リメイク……旧来のファンは買うだろうが、ご新規さんはどうだろうにゃー?『あ、これどっか見たパクリかな?』って一周回っちまうんだろうかにゃー?」

上条「だろ!?だからここは小道具に頼ることなく髪型チェンジで全体的に明るめの雰囲気にしましたけど!?」
 
吹寄「あー……まぁ言わんとすることは分かるわね。確かに全体的な雰囲気が軽くなってるわ」

青ピ「あぁ言われてみれば。確かにこれで『ラスボスかな?』って感じはせぇへんよ」

土御門「雰囲気があるのあるにゃー。大分軽減されてるんだぜぃ」

姫神「体育の時間にぐらいしかしなかったけど。夏は涼しくていいかも」

上条「だろ?決して俺がポニテ萌えとかそういうことじゃない!決してな!」

上条「管理人さんがポニテ多いとかそういうことでもない!俺の父さんの貞操に誓うぜ!」

吹寄「嘘吐きが一人……」

青ピ「カミやんのパパンってボク知らへんよ?知らへんけどもきっと……」

土御門「正解だにゃー。カミやんに甲斐性と財力とヤンデレ気味の奥さんをプラスした感じ?」

上条「お前に父さんの何が分かるんだよ?まぁ息子の目から見ても、特に補足する必要性を認めないがな!」

姫神「と。言うわけで『第一回・姫神秋沙に似合う小道具』の優勝者は上条君に決定しました。拍手−」 パチパチパチ

青ピ「よっカミやん!ナイスバルクッ!」

上条「いやぁ、それほどでも。あと別にポージンクしてはねぇよ」

土御門「そんなカミやんにはこの小道具ダンボールをコス研へ返してくる栄誉を授けようだにゃー!」

姫神「え。私が行くのに」

上条「おぅっ任せとけ!ダッシュで行ってきてやる!」 シュタッ



――とある高校 放課後の廊下

上条「……」

上条(誰もいない廊下を歩きながら、「はめられた!?」と気づいたのはついさっき)

上条(まぁいつもの事と言えばその通りではあるし、片付けぐらいは誰がしたって構わないとは思うがあの二人後で絞める)

上条「……」

上条(しかし何を持たせてもラスボス感とカタギじゃない感がするのは、もうなんか才能だと思う。モデルが自撮りにでもなればいいのに、と)

上条(本人のダンゴムシのような反・陽光性を思うと、適材適所とは言いがたい。つーかアリサ、もといARISAの方の仕事を見てると、前へ前へって態度だからな)

上条(あの性格でどうして芸能界と思わなくもないが……)

上条「……」

上条(まぁそれはそれとして。一つだけ気になっていることがある)

上条(後ろを歩いてた姫神にビックリする。それはある。掃除の時間だったり、謎の一人遊びにビックリするのもある)

上条(俺たちの年代的に、怖がるというよりもネタ的に盛ったりする感じか。雰囲気のある姫神だったら、という感じで)

上条(ただ――逆にだ?『夜な夜な日本刀を持って怪異と戦う』って設定になるか?フィクションでありがちな設定だが)

上条(でもありがちだからこそ、誰かへ話したときに『それ○○じゃねーの?』って鼻で笑われかねないのに、どうしてそんな話になったんだろう?)

上条(いくら姫神が雰囲気があるからって、そんなことがあるか?)

上条(何か別の、俺の知らないところで誰かが何かをしているんじゃないか、って――)

上条「……つーかコス研の部室ってどこよ……?」

???『――』 フッ

上条「うわビックリした!?かゴメンな!通路の真ん中で立ち止まった俺が悪いわ!」

カチューシャの少女『――いいえ、どういたしまして、だね。ぶつかった訳でもないのだから』

上条「てか名前、名前って……あぁなんだっけ?』

カチューシャの少女『さあ?それはどうにもぼくにもわからないんだがね』

上条「調べようってはいつも思うんだけど、なんか忘れっちまうんだよな」

カチューシャの少女『まあ、そういうものだからね。思い出さなくても仕方がない――それで?きみはまだこんなところで何をしているのかな?』

上条「あぁネタで使った小道具を返しに。そうだ、コスプレ研究会って知ってる?」

カチューシャの少女『知っているとも。というかぼくの用事もそれだね、ほら』

上条「SPALDINGのバッグ?」

カチューシャの少女『きみのお友達が置き忘れたそうだよ。そちらの小道具と交換だ』

上条「借りたんだし俺が持っていくよ」

カチューシャの少女『ついでだからね。アフターケアというやつさ』

上条「アフターケア?」

カチューシャの少女『人の噂も七十五日、人じゃない場合はもっと増えるのかな?それとも減る?』

上条「そんな増減システムは知らんわ。あぁでも怪談の噂はずっと残るんだから、プラス方向っちゃプラスか」

カチューシャの少女『そんなものかもしれないね』

上条「交換してくれてありがとうな。それじゃまた教室で」

カチューシャの少女『こちらこそ交感してくれてありがとう。どうにか野暮用も終わらせられたしね』


-終-

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