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Clock(trial)

姫神秋沙と怪談の夜 〜一人恋唄〜

 
――とある高校 夏休み

土御門「なぁなぁカミやんカミやん、いい話あるんだけどどう?一枚噛まないかにゃー?」

上条「ごめんなさい。お母さんから『にゃーにゃーいう人の話は聞いちゃいけないんだよ!』って言われてるんです」

土御門「そんなこと言わないで、ほら、にゃー?ホントは聞きたいんだろにゃー?素直になるぜぃ?」

上条「やめてください!私には子供も主人もいるんです!」

吹寄「どういう設定よ。お母さんから言われたんじゃなかったの」

姫神「お母さんにとっては娘もいつまでも娘。大事なのに変わりはない」

青ピ「なんつーかまぁ、一定の需要がない訳ではないねんな?ただニッチなのはニッチだけど、根強いマニアが一定数おってね?」

土御門「ちょっとだけだから!一回だけでいいぜぃ、俺を信じてくれよ!」 キリッ

上条「やだ……超胡散臭いこの金髪グラサン……!」

吹寄「まぁ、そうよね。街中で『おーい吹寄じゃにゃー!』って声かけられたときには、もう本気で殴ろうかと思うくらいには胡散臭いわよね」

青ピ「そやんなぁつちみー。人間中身も大事やけど、外見もそれ相応にキチっとしてかないとあかんよ?」

姫神「青ピ君も。うん。凄い青いよね。綾波レ○ちゃんかタバ○ちゃんかっていうぐらい青い」

上条「んで何か用か土御門?いい話ってバイト?」

土御門「……なぁ、カミやん。この世界には救われない子供たちがいるだろ?科学技術や社会インフラが進んでも、やはり悲惨な環境の子供たちはいるんだよ」

上条「大丈夫これ?出だしからしてクリック詐欺の広告みたいになってっけど大丈夫か?」

吹寄「あー、たまに動画見てると流れてくるのね。『そんな名前だったっけ?』っていう」

姫神「誤解すれば儲けもの。ドメイン名も高値で売買されてる」

土御門「カミやんのバカ!そういう人を疑う心が人類を荒んだ感じにしちまうんだぜぃ!」

土御門「昔は良かった!……人々がまだ素朴だった頃にはお互いに助け合ってたんだにゃー!」

上条「いつの時代?100年ぐらい前は大戦やってたし、半世紀前ぐらいは冷戦と植民地独立戦争で戦ってたよな?」

姫神「おぉ……!上条君がちょっと世界史に詳しくなっている……!」

吹寄「世界史の年表見れば分かるでしょ」

土御門「だから俺は!そんな恵まれない人たちのために楽に稼げるバイトを斡旋したいだけなんだ……!」

上条「流石は親友モトハル君だな!俺たちはホラ、なんかこう頑張ろうと思うよな!」

吹寄「親友要素が一個もないわね。ただただ打算繋がり」

青ピ「へっ、女子供には分からんだけやで?男同士の友情ってのはな、例え世界を敵に回したとしても戦うもんや!」

姫神「『お前が言うなや』……なんだろう?そんなツッコミを受信したような気がする」

上条「それでですね土御門さん?稼げてウハウハなお仕事って一体どのような感じに?」

土御門「簡単なお仕事ですたい。いいか?この世界には電子マネーが買えない人がたくさん居るんだぜぃ」

上条「電子マネーってお前。コンビニで発券して貰って代金払えばそれでいいんじゃね?」

土御門「いいや、それがそうのいかんのにゃー。何度も言うけどこの世界には自分では買えない人がいるんだぜぃ?」

土御門「21世紀にもなって!科学万能で電子ネットワークが張り巡らせた世界でそういうハンデを背負った人たちが居る!可哀相だとは思わないかねカミやん君!?」

上条「まぁ、そうかもな。どういう事情か分からないけど、大変そうだよなぁ」

土御門「そんな人たちを俺は助けたい!いいか?これはある意味慈善事業なんだ!」

上条「具体的に?」

土御門「前もって渡された現金でプリペ買いまくって、それを特定の口座へ移す簡単なお仕事だぜぃ?」

上条「お、おぉ?」

吹寄「なんかこう……あからさまに犯罪臭がするわね。何が、っては言えないけど」

姫神「青ピ名人。解説お願いします」

青ピ「マネロンやんね。多分振り込め詐欺かなんかでだまし取った現金の」

姫神「どうして?口座移し返せばいいんじゃないの?」

青ピ「これだから素人はダメなんよ。まずだまし取った口座から他の口座へ移し替えたら即止められてアウトですやん?履歴も残りぃの」

青ピ「やもんでまず全国一斉にだまし取った直後に口座から引き落として現金化するんよ。一度に100人とかホームレスのおっちゃんやバイトのアホ雇って」

吹寄「あぁ。たまにあるネット広告ってそういう……」

青ピ「んで現金化されとってもこれ回収しとったら、金の流れから動き掴まれる可能性もあるんよ。一気に使途不明金が動いたらバレバレやし」

青ピ「なので一回プリペ化して経由させれば――ちゅー話やね!みんなも気ぃつけてな!『犯罪やって分からへんかったんよ!』っつっても捕まるで!」

土御門「っていうわけで、どう?するよな?俺を信じてくれればきっと!」

上条「今の話を聞いてするやつがいたらおかしいと思うな?あとそんな話を俺に持ってきたお前もだよ!」

小萌「はいはーい席に着くのですよー、腐ったミカンwith良い子ちゃんの皆さーん」 ガラガラッ

上条「オイオイ言われてるぞ土御門?」

土御門「だってよ、なぁ青ピ?」

青ピ「大変やんねぇ腐ったミカン扱いは――なっ、吹寄はん?」

吹寄「お黙りなさい腐ったミカンinダンボール!貴様らのその態度がダメだって言われてんでしょーが!」

姫神「関係ないけどそんな駄菓子あったよね。ガム三つ入って一個だけすっぱいの」

吹寄「配色的キャラ的にも土御門そのまま。しょっぱいけどね」

土御門「お?やるんだにゃー吹寄?俺は女子だからって暴力を躊躇わないにゃー」

小萌「はいそこの男女平等を勘違いしているミカンその三は黙るのですよー☆先生の話を聞くのです」

上条「お前ら一体何やったんだ?あの女神のような小萌先生を怒らせるだなんて」

小萌「てか腐ったミカンその一、もとい上条ちゃん来てる、ん、ですね?」

上条「ヒッでぇ言い方されてんだな!一概に否定出来ないけどもだ!」

上条「てか今日何の集まり?土御門から『ガッコあるから行こうぜ!』って言われてそのままついてきたんだけど……」

吹寄「何度も何度も騙されてる割りには学習しないのよね……」

小萌「今日はですね、我がとある高校の『オープン・スクール』の日なのですよ」

上条「『開け学校』?」

小萌「オープンセサミじゃないのですよ。この時期に『オープン・カレッジ』的なオリエンテーション聞いた事ないですか?」

上条「あー、CMでよく見ますね。在校生が嫌々ダンスさせられてたり、学長が嬉々として全面に出て来たりするの」

小萌「なんでよりにもよって尖った例ばかりなのですか。まぁ、我が校もそんな訳で入学体験といいますか、校内案内的なものをするのですが――」

小萌「――上条ちゃん、このまま帰ったら単位一つあげるのですよ?」

上条「尊敬してる先生が露骨な裏取引を!?内容に心引かれるものがあります!」

土御門「騙されるなカミやん!どうせ今更単位が一つぐらい貰ったって焼け石に水だぜ!」

上条「ハッ!?――ふー、危なかったぜ!もう少しで騙されるところだった!」

姫神「限りなく不毛。そしてどこまでいっても涙なしでは語れない」

吹寄「どこまで本気なのか自虐なのか分からないのよね。まぁどうでもいいんだけど」

上条「俺の何がダメだって言うんですか!?あくまでもボランティアなのに自主的に参加することの何がダメだと!?」

小萌「……上条ちゃん。良い機会ですから言っておくのですが、先生は上条ちゃんは良い子だと思っているのですよ?」

上条「先生……!」

小萌「でもですね?同時にこう、神のような引きといいますか、『転ぶなよ?絶対に転ぶなよ?絶対だからな!?』ってフリで絶対に転ぶじゃないですか?」

小萌「それと同じで上条ちゃんが案内係をさせた日にゃ、どうせまた次から次へとトラブルが舞い込むに決まっているのですよ……ッ!」

上条「一言一句反論できないぜ……ッ!流石は小萌先生だ!」

吹寄「納得してどうすんのよ。反論しなさいよ」

小萌「なのでですね、上条ちゃんに置かれましてはね、こちらから排除したのではなくあくまでも自主的に、そう!自らが臨んでボイコットした体にして頂ければ幸いなのですね!」

青ピ「なんで卑屈やの?」

小萌「えぇまぁなんていいますか、ウチのハゲ校長より上の教育委員会より上の更に総合学区教育委員より更に更に上の理事会より上の更に更に更に統括理事長という方が」

小萌「『あァ悪ィンだけどォ、そのアホあンま留年とかなしにしてくれね?特別扱いしろっつってンじゃねェが』ってお達しが!」

小萌「それは忖度すればいいのですかぁ1?それとも進級させたらダメなんですか!?もっとこう具体的に言ってくれないと分からないのですよ!?」

姫神「また上条君の謎の人脈がぶっぱする」

吹寄「どういう繋がり……?」

上条「最初に一万人弱で囲んでフルボッコして、ロシアでタイマンして、デンマーク?だかで連戦した後になんとか勝った?」

吹寄「ちょっと何言ってるのか分からないわね!?関係性を聞いたのに!?」

上条「こちらが元同僚の元春君です」

土御門「こんにちは、元同僚です!元だけにねって!――ってこれスベってるだろ!?事故を俺に押しつけんなよ!?」

小萌「黙るのですよ☆腐ったミカンその一と三☆」

上条「誰が腐ったミカンだ!?言ってやれもう一人!」

青ピ「センセボクは!?ボクを仲間外れにしないで!?」

上条「違う。そうじゃない」

姫神「あぁ。そういえばこのネタが知らない人に解説しておく。数十年前の学校ドラマで『不良と真面目な生徒達を一緒にしておくと感化される』。という意味で使われている」

吹寄「大概その意味で合ってるのがどうも……」

黄泉川「あー、小萌センセ。ちょっといいじゃん?」 ガラガラッ

小萌「体験入学始まってますよね!?すいません黄泉川先生!」

上条「小萌先生を責めないであげてくれ!先生は悪くないんだ……ッ!」

土御門「そうだぜぃ!小萌先生を責めるんだったら俺たちを責めるがいいにゃー!」

青ピ「全くや!小萌先生は悪くないんよ!無実やよ!」

小萌「完全に謀っていますよね?『先生が全面的に悪いんだけど、幼気に庇う生徒』って設定なのですか?」

黄泉川「三バカは黙ってるじゃん。普段の素行が悪すぎて信頼度がゼロじゃんよ」

姫神「私が悪いのかもしれない?」

黄泉川「謝るじゃんよ!あの姫神が段々アホキャラになってるのは悪い友達の影響じゃん!?」

吹寄「いやあ、姫神さんは独特の間合い感が」

黄泉川「んなこたどうでもいいじゃん!小萌先生、ちょっと上条借りるじゃんね!」 ガシッ

上条「へ?」

小萌「あ、強制退去ですね。どうぞどうぞどうぞ」

上条「今日の先生のテンションおかしいぞ!?小萌先生はそんなこと言わない!」



――オープン・スクール受け付け会場(体育館)

御坂『……』

女生徒『あのー、良かったら校内案内しましょう、か?』

御坂『あ、いえ結構です』

女生徒『そ、そう?折角来たんだから、こう、見ていったらどうかなって思うんだけど…… 」

御坂『はい、ありがとうございます』

男生徒『あ、じゃあ俺と!俺が校内案内するよ!』

御坂『……』

男生徒『……あの?シカトされると辛いんですけど……? 」

御坂『あ、ごめんなさい!てっきり床の染みに話してるのかと思った!』

男生徒『――くっ!』

……

上条「モンスターがいるよ、先生!ハントしないと!」

黄泉川「そうじゃんね。ぶっちゃけあたしも非番だったらレッグラリアートが炸裂してるじゃんが、生憎教師として勤務中じゃん」

上条「……すいません。あのアホが他に何か?」

黄泉川「開場の一時間前から並んでて『あ、そんなにここの高校に興味あるじゃん!しかも常盤台じゃん!』って先生生徒、スタッフが超テンション上がってたじゃんよ」

上条「ですよねー、天下の常盤台ですもんねー」

黄泉川「しかしいざ開場したらコノザマじゃん。超ハードなクライミングだってもっととっかかりがあるじゃんよ」 

上条「通報した方が良いんじゃないですかね?業務妨害だかなんとかって」

黄泉川「ダメじゃんよ。Fラン高校の言い分が通るとは思えないじゃんし」

上条「思った以上にスクールカーストがキツい件について!これは白い人に改善を求めないとな!」

黄泉川「あのエエ格好しぃはあんたの協力の元にいつかシメるとして、問題は目の前のあの子じゃん。つーわけで君に決めたじゃん!」

上条「待ってくださいよ先生!?俺は丁度いま戦力外通告を受けてスゴスゴ帰ろうかと!」

黄泉川「いやいやよく考えるじゃん?目には目を歯には歯を、問題児には問題児じゃん?」

上条「相性同じだったら単純に力勝負になるじゃないですかーやーだー」

黄泉川「――ある女子のLin○アドレス」 ボソッ

上条「――任せて下さい先生!俺の手にかかれば最終手的に暴力に訴えてでも解決してやりますよ!」 グッ

黄泉川「やる気になってくれて良かったじゃんよ。そして誰がとは言わないけど、割りとデカめの瑕疵物件に興味あるじゃん?」

上条「――あの、すいませーん?ちょっといいですか?」

御坂「お、遅いじゃない!人を待たせておいてどういうつもり!?」

上条「あちらをご覧ください。当校の校門になります」

御坂「知ってるわよ。今通ってきたばかりだし」

上条「お帰りはあちらからとなります。げっほー!」

御坂「なんでよ!?オープン・スクールじゃないの!?」

上条「なに?お前俺の学校に興味あんの?」

御坂「か、勘違いししないでよね!?あたしはただフリーWIFIを探してここに迷い込んで来ただけなんだからねっ!?」

上条「俺の対応間違ってなくね?『お帰りはあちらです』ってボケた対応が合ってたってことだよね?」

御坂「でも折角だから案内して貰おうじゃない!できれば時間をかけてゆっくりとお願いしたいものね!」

上条「あ、そう?じゃあ係の人ーすいませーん!一名様ご案内でお願いしまーす!」

ガシッ

上条「あい?」

御坂「あ・ん・な・い・し・て・く・れ・る・か・し・ら?」 ギシギシギシギシッ

上条「助けて誰か!?大人の人呼んで来て!?」

女生徒・男生徒「……」

黄泉川「――さっ、オープン・スクールはまだ始まったばかりじゃんよ!」

上条「裏切ったなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?俺一人をモルグへ送って自分達は楽しく年下とキャッキャウフフしようってハラなんだろうが!?」




――校内

上条「えーっと、ここが男子トイレになります。一階から三階まで大体場所は同じな?」

御坂「うん、待って?初回から男子トイレってどうなの?『わぁ凄い!』ってなる?ならないわよね?なってもトイレの花子さんぐらいよね?」

上条「え!?花子さんって男子トイレに住んでんの!?意味合いが変るんじゃね!?」

御坂「都市伝説をそういう目で見るな。でも佐天さん情報だと女子の方が多いらしいのよね」

上条「そりゃアレだわ。小学生男子が『じゃ見に行こうぜ!』って盛り上がっても、女子トイレには絶対に入れないからだな」

御坂「それは別に小学生男子じゃなくても無理だろうけど……」

上条「そんで向こうに見えるのが理化学実験室だ。あんま実験した覚えないけど」

御坂「……あぁそう。それはいいんだけど、一つ聞いていい?っていう聞くわね?ダメって言われても」

御坂「さっきからなんで特に珍しくもない特別教室のプレート紹介してんの?」

御坂「まだ!そう!まだよ?中見せてもらって『あ、こんな感じなんだ、フツー』みたいなのだったらまだ分かるわよ!」

御坂「でもどうして中に入る訳でもないし外側だけ見せて完結してんのよ!?もっとこう親切に紹介しなさいよ!?」

上条「じゃあ我が学校の名物教師の災誤ことゴリラ先生を紹介するぜ!」

御坂「惜しい、そうじゃない!名物かもだけど!『うわー、ゴリラー?ヒトー?どっちかなー?』ってはならないわ!」

上条「じゃあなんかリクエストくれよ。できるだけ要望に添いたいとは思うから」

御坂「あ、あんたのクラスには行かないの?べ、別に気になってる訳じゃないんだからねっ!?」

上条「えー俺のクラス?行ってもいいけど……俺のクラスが分かったら爆弾とか毒ガスとか仕掛けるなよ?」

御坂「よく分かったわね!なんだったら今ここで戦争でも仕掛けて上げましょうかっ!?」



――上条のクラス

御坂「へー、ここがあんたのクラスなんだー?意外と普通ね」

上条「どんな教室想像してたんだよ……てかあいつらどっか行ったのか」

御坂「ねぇ、席は?やっぱり一番前?」

上条「やっぱりって何だよ!?……まぁ合ってるけどさ。そこだよ」

御坂「……なんか不思議な気分よねー。同じクラスだったらどうしてたんだろ?」

上条「スクールカースト最上位の人にそう言われても……」

御坂「違うわ!?何か知らないけど同級生から学園生まで怖れられてんのよ、あたしはね!」

上条「そりゃお前お嬢様の学校にノットお嬢様がいたら浮くだろ?」

御坂「言っとくけど別にお嬢様だけしか通ってないって訳じゃないわよ?黒子だって元は普通の子だし、あたしだってまぁ、その……そこそこ?ま、フツーフツー」

御坂「まぁでもちょっと憧れるっていうか、普通ってぽい学園生活に夢がなくもないのよね。分かる?」

上条「俺は逆だけどな。こう女子同士が仲良くするのを、壁のシミになって見守りたい気分はある」

御坂「それあたしの逆と違う。邪な念は、ない……つーかさ、同じクラスになったら楽しかったろうなー、みたいなの。ない?あり?」

上条「お前まさか裏で手を回して俺を二浪させようと……ッ!?」

御坂「高校で?よっぽどヤンキー高校でもない限り、一浪した時点で自主退学しない?だって後輩がタメになるのよ?そして抜かれるのよ?」

御坂「てかなんでこんなに信用ないのよ!?対応も適当だし!異議を申し立てるわ!」

上条「いや悪いんだけど、つーか別に意地悪してるつもりはないんだけど、つーか逆に問いたい」

御坂「な、なによ」

上条「これといって特色も無く生徒が優秀からは程遠く、強いて言えば問題児だらけの高校でどうしろと?」

御坂「じゃあなんで開いた!?オープンしても意味無いんだったら見学会なんてするんじゃないわよ!?」

上条「俺だって今日聞かされたばっかりだよ!むしろこの企画から俺は問題人物たってハブられてたぐらいだぜ!」

御坂「あぁ、そう?えっと、強く、生きてね?」

上条「そしてこのままスゴスゴ帰れば単位を貰える流れだったのに!返してよぉ!」

御坂「卑屈すぎる」

上条「悪いと思ったら常盤台のオープン・スクールの予約券かなんかで相殺ってことで」

御坂「多分やってると思うけど、事前に戸籍確認から身体スキャンまでありとあらゆる手段をもって男性はシャットアウトしてると思うわ」

上条「心は女性だけと宗教上の理由から性転換はできなくて、かつ同性愛者だから女性が好きって設定でもダメかな?」

御坂「うん、それね、イギリスの刑務所で同じような主張して収監された犯罪者が、予想通りの問題起こして話題になってたわ」

上条「あ、じゃあお帰りはあちらです」

御坂「ホンッッッッッッッッッッッッッッットにあたしに興味無いな!?脱ぐか!?もう他に方法はないの!?」

上条「――ダメだビリビリ!そんな自分を安売りするようなことはしちゃダメだ!」

御坂「全国のグラドルとアイドルにケンカ売ってない?あぁいやまぁいいし、嬉しいんだけど」

上条「これはとあるソシャゲーの話なんだけど、毎年毎年夏になったら中学生を水着姿に、冬になってもサンタと言いつつ水着姿にするんだ!」

御坂「大体そんな感じよね?季節感なく肌色率高いっていうね?」

上条「そしてファンも『オイオイJCなのにwwwwwwwwwwww』って好意的に評価してお布施をしていたんだ!強いられていたんだ!」

御坂「ファンもおかしい」

上条「でも最近だと夏になったら水着になるのは当り前になっちまって、誰も騒がなくなった!むしろ『またっすかwww新鮮味ないんすけどwww』的な!」

上条「いいのか!?肌色比率大目にしてもどうせ飽きられるんだぞ!?最後は年齢制限がつくコンテンツに行くしか道がないんだ!」

御坂「えっと、要は体制批判ってことでいいのね?」

上条「――っていう意見もあるが俺は違うぞ!JC大好きな人を守りたい!俺はそうじゃないけど!癖(へき)は守られるべきじゃないのかっ!?」

御坂「あと身を削ってるのはあたし達だって分かってほしい。割りと本気で」

上条「えーと、このないだローソ○の前通ったんだよ。からあ○くん増量中の」

御坂「知らないけど」

上条「そしたら販促の旗ってあるじゃん?どうでしょ○だったりFT○だったり、映画とかの」

御坂「ローソ○はそういうのに力入れてるわよね。セブ○とかファミ○はノボリまで作らないし」

上条「んで何かアニメの女の子が二人ぐらい描かれてて、あぁ新作アニメでもあんのんかなって思ってたら――」

上条「――『艦こ○』だったわ!?いや、わっかんねぇよだって艦こ○の艦部分がねぇんだもん!?武装してないんだからただの人だろそれ!?」

御坂「まぁ、論評は避けたいと思うけど。それがどうしたのよ?」

上条「もしかして――『ファンの人、もう人間部分にしか興味無い説』……ッ!!!」

御坂「あー……まぁ、その!あのね!何言ってたらいいのかアレなんだけど、まぁね!」

上条「同じく――『とあるファンの人、もう女子にしか興味無い説』……ッ!!!」

御坂「な、何言ってんのよ!あんたも人気投票で頑張ったじゃない!」

上条「という訳で俺は帰る!帰って一人でワールドプロレスリン○でも見るぜ!」

御坂「今?オリンピックやってんのに超深夜のプロレス見る必要ある?なくない?」

御坂「つーかあんた!仮にもホスト役なんだからもっとちゃんとしなさいよ!?軽い気持ちでやったんじゃないでしょ!?」

上条「あぁいや俺は先生に頼まれてモンスターな人の対応にだな」

御坂「だとしてもよ!一度引き受けたからに責任もって最期までしなさいよ!じゃないとこの学校の評判も悪くなるんだからねっ!?」

上条「ぬぅ……そう言われると、納得せざるを得ない……!」

御坂「別に何か特色がなくたっていいのよ?そんなに個性的な学校だったら大した宣伝しなくても人が来るでしょうし、そもそももっとそこアピールしてるし」

御坂「と、すればあとはあんた達のアピール次第なのよ!『楽しい学生生活送ってます!』みたいな感じでいいでしょーが!分かる!?」

上条「えっと……はい、ビリビリさんの仰る通りです……」

御坂「じゃあ案内を続けなさいよ!もっと今度は本気でね!?」

上条「あっはい。じゃ次はどこにしようかな」

御坂「あと気になったんだけど、手を繋ぐのはオプション料金なの?」

上条「お前真面目にやれっつっといてそれか!?不真面目じゃん!超不真面目じゃん!ねぇよそんなの!?違法なエ×産業でしか聞いた事ないな!」

御坂「じゃあお姫様抱っこは、えぇとポイントカード的なものが必要とか?」

上条「お前ホント何しに来たの?学校説明でお姫様抱っこしながら回るってある?王子様の学校だってねぇよ?いや知らんけど。もしかしたらあっかもしんねぇけど。宝塚とか」

御坂「アレも王子様だけどね」

上条「てかお前も飽きてんだろ!?俺だって飽きてんだわ!だって特に変哲もない普通の学校だし、どうすりゃいいかとか知らねぇわ!?」

御坂「なんかこうオリエンテーションとかないの?『校内に隠された宝物を探せ!』みたいな?」

上条「お前俺の高校バカにしてね?学祭でやりそうだけど、流石にそれは……」

???「――ふっふっふっふ。お困りの様子」

上条「だ、誰だ!?」

姫神(???)「姫神秋沙です。どうも」 ガラッ

上条「いや分かるけど!あからさまに後ろの方から聞こえてたし!」

姫神「この学校にはこれといって特色が無いという根本的な問題に気づいてしまった。気持ちは分からないでもない」

姫神「だがしかし。これは私たちが自覚していないだけで実は誇れるものがある。それは――」

姫神「――我が校が誇るネタ怪談……まだ成立30年も経ってないのにそこそこの数がある……!
(※学園都市が「半世紀前に作られた」という設定)

上条「そういややったなあの企画。ほぼ身内だけで完結したのが」

姫神「――ようこそ。『姫神秋沙と怪談の夜・その三』へ……ッ!」



――とある学校

姫神「えー業務連絡。業務連絡。青ピ君は『突然”イラッシャイマセーしか言えなくなる病”』を発症してしまった。早退です」

上条「ビリビリの顔見たら急に震えだしたんだよな……?何か常盤台でトラウマでもあったんかな?」

御坂「あたしが言えるのはただ一つだけ、やっぱり悪は滅ぶって運命なのよね」

姫神「えぇと改めましてこんにちは。姫神秋沙です。『ひとりかくれんぼ』のときはお世話になりました」

御坂「不思議の国のアリス風ゲコ太――ゲコ太の可能性は無限大よね!人類が火星に行くよりもロマンがあるわ!」

上条「一緒にすんなよ。『二年かけて行く必要ある?探査機で良くね?』ってぐらいには興味あるんだから!」

姫神「『もしかして;ほぼない』」

御坂「ロマンはあるのよ、ロマンは。ただそれ以外は何もないってだけで」

姫神「ともあれ常盤台の少女よ。全力でオモテナシをしろと指示が」

御坂「ど、どうも。でも別にあたしの意志で来てるわけだから、そんなに大事にして欲しくはないっていうか」

姫神「なので急遽我が校の七不思議ツアーを」

上条・御坂「そこがおかしい」

姫神「どこ?」

上条「まぁノープランで突っ込んでいった俺が言うのもどうかと思うが、もっとこう我が党の特色を前面に出すとか!」

上条「体育会系ではこの部活に力入れてたり、文化部ではどこそこの部が全国大会で入賞しました!的なね!」

御坂「あたしのケースでは欠片ほどもなかった配慮ですねコノヤロー」

姫神「残念ながらこの学校にこれといったウリはない。運動でも学業でも悪くはないけどそこそこ。まぁ普通」

姫神「――そう。人は普通の呪縛から逃れられない存在……ッ!」

上条「大体そうじゃね?普通の人は普通に生きてるけどオンリーワンだよ、世界に一つだけの花だよねって話じゃね?」

姫神「確かにそれは否定しない。全てが全て特別。しかし時には運も必要」

御坂「なんでよ。運も実力のうちっていうけど、実際には実力が伴ってないと幸運でも仕方がないじゃない」

上条「いいこと言ったぜビリビリ!もっと言ってやってくれよ!」

御坂「ま、まぁ極端に運が悪い場合はその限りではないけど」

姫神「その通り。実際には運もそこそこ大事――こんな話がある。明治時代に名付けられたある花のお話」

姫神「繁殖力が強く農家にとっては厄介者。しかし花はそこそこ可憐で綺麗。元々は北アメリカ原産の花なのだけど」

姫神「とある学者さんがその花を最初に見つけたのはゴミ捨て場。なので『和名;ハキダメギク』と命名されてしまった……!」
(※実話です)

上条「もっと語彙力なかったのかな?学者だよな?」

御坂「……あぁうん、その人は植物学の祖みたいな人なんだけど。その残した言葉の中には『雑草という名の植物はない』って言うのがね」
(※実話です)

上条「じゃあもっときちんとしたのをつけてあげてよ!?可哀相だよハキダメギクさんが!」
(※農家からは超嫌われています)

姫神「なのでオンリーワンであっても仕方がないっていうか。質は大事。決して普通だけではいくない」

御坂「それも極論だと思うんだけど……」

姫神「なので私は流行りの実話系怪談(創作)でチャレンジする。多様化を図って」

上条「多様化ってつけばなんだって許されると思うなよ?この学校が地味なのは否定出来ないが」

姫神「そう。なら『七不思議』って10回言ってほしい」

上条「斬新な10回クイズだな、『七不思議七不思議七不思議七不思議七不思議……』」

姫神「では改めて既存の七不思議を紹介する」

上条「俺はスルー!?ウルサイから言わせとけみたいな感じ!?」

姫神「言ってほしいとは言ったけど。オチがあるとも納得させるとも言った覚えはない」

御坂「気をつけて!この子佐天さんと同じタイプの能力者よ……ッ!!!」

上条「どっちもちょっしたタレントレベルの外見なのに、中身が駆け出し芸人のメンタルを持つ!なんて怖ろしいんだ!」

御坂「てか前から気になってたんだけど、この人『コープスパーテ○』に出て来なかった?」
(※長谷川香○)

姫神「その切り方は斬新。できれば『絶叫教○』と言ってほしかった」

上条「黄○さんは天パだし。キャラがこうジットリしてる分だけ、えっと、アレだな!Jホラーだよな!」

姫神「という訳で我が校が外部に誇りたい怪談の数々はこちら。ドドン」


○とある高校・七不思議
『四人目』
『音楽室の怪』
『うしろに立つ少女』
『放課後の傀儡師』
『場違いな女の子』
『七番目を知ってしまったら死神に殺される』


御坂「誇る……うん、何か聞いたことあるのが幾つか混ざってる時点で、誇れる……?どうかなー?」

上条「前にやったから俺は全部知ってる。つーかほぼ全部身内オチだろ」

姫神「それはしょうがない。だってまだ半世紀なのだから歴史が浅い」

御坂「それいうんだったらどこの学校もスタートラインは同じよね。こと学園都市に関していえば」

姫神「なので少しでも我が校を盛り上げるべく力を貸してほしい。常盤台の。えっと……エースコンバッ○?」

御坂「なに人をレベルアップさせてんのよ。ちょっと字数多くない?普通『コンバットってつくかなー?コンバット越○じゃないしつかないよなー?』って思うわよね?」

上条「それ以前に女子校でエースはどうよ?」

御坂「仕方がないじゃない!自分で名乗ってるわけじゃないし、どうせあのクサレ乳女が流した噂に決まってるわ!」

上条「お、俺だって負けてないぜ!『小萌先生んとこの三バカ』は伊達じゃないぜ!」

御坂「伊達じゃないんだったらバカを肯定してるってことになるんだけど、いいの?それで?」

姫神「学園都市の最先端を行く常盤台。そして”普通”要素を凝縮したような我が校では勝負にならない。せめて上条君の問題児っぷりが常盤台にまで轟くぐらいには」

上条「轟く前にクビになるよな?誰とは言わないけど元学園都市一の問題児さんのように?」

姫神「では早速ダメ出しをお願いしたい。プリーズ?」

御坂「その超和風ラスボス系雰囲気なのに英語使われると違和感しか……じゃあまず大体でいいから怪談の概要を教えてくれる?内容が分からないことには何ともいえないし」

姫神「了解。では順番に『四人目』から――これは私の友達の友達から聞いた話」

御坂「おっ、いいわねー。怖かったら佐天さんにも教えてあげないと」

上条「その心遣いは無駄に終わると思う……」

姫神「『放課後。女子三人でお喋りをしていた。話の内容がオカルトっぽいものへと変わり。一人一人どこかで聞いたような。しかしそこそこ怖い話を披露していった」

姫神「そうしていると見回りの先生がやって来る。一通り文句を言いつつ彼女たちは帰り道についた」

姫神「そしてついさっきした怖い話を思い出していると――ふと。誰かが気づいてしまった」

姫神「『一人一つずつ話したのに出た話は四つ……?』だと」

姫神「そう。つまり彼女たち三人の他に青ピ君が混じっていたのだった……ッ!!!」

御坂「急に固有名詞?なにそれ怪人かなんかなの?」

上条「我が党が誇る問題児の一人だな!詳しくは白井さんに聞けば職質歴が分かるぜ!」

姫神「暇を持て余した青ピ君がコッソリ入っていましたよ。というだけのお話」

御坂「ねぇそれ別の意味で怖くない?」

上条「いやだからそういうヤツなんだよ!外見がちょっとした不審者で中身がガチのストーカー一歩手前っていう!」

姫神「続けて七不思議その二。『音楽室の怪』。これは見てもらった方が早いかな」

御坂「これもベタっちゃあベタよね。『誰もいないのにピアノが!?』みたいな」

上条「うん、これもある意味チートではあるんだが。学園都市特有のアレさ加減っていうか」

姫神「話している間に件の現場にサッと到着。さぁ耳を澄ませてほしい」

御坂「これ別に普通に吹奏楽部だって可能性も……あぁまぁオープン・スクール中だし、もっと他の場所でやってるか」

御坂「てか本当に聞こえてくるわね。そこそこ上手なピアノね」

姫神「まぁプロではないので許してほしい。では中へレッツゴー」 ガラガラッ

御坂「失礼しまーす……?あ、ホントだ!誰もいない!」

御坂「ピアノも少し余韻が残ってるし隠れるような場所も無い!本格的な密室トリックね!」

上条「テンション上がってるところに悪いんだが、あんま期待しない方が……」

御坂「なんでよ?どうせ誰かの能力使ってやってんでしょーが」

御坂「イタズラ目的とはいえ、ここまで正確に能力を使いこなせるのはよっぽど練習したからに決まってるわ!そこは評価しないと!」

姫神「いいえ評価ではなく氷華さんです」

風斬「ど、どうも……」 スゥッ

御坂「まさかのホンモノ登場!?最近の怪談はよく本体が出るけどかなり堂々と露出しやがったわね!?」

風斬「いや違いますよぉ!?そういう能力だってだけで普通の学生です私!」

姫神「彼女を責めないでほしい。死んだときに色々混乱しているらしく。記憶が曖昧な地縛霊」

御坂「……どっちが正しいの?」

上条「少なくとも幽霊ではない。あちこちフラッフラしてんのは否定出来ないけど」

御坂そ、そう?だったらいいんだけど……まぁ、じゃあ聞くけど幽霊っぽい人はどうしてこんな真似を?」

風斬「よ、夜とか一人きりの校舎とか怖いから、伴奏憑きのピアノで気を紛らわせようと!」

御坂「聞いた側の迷惑を考えなさいよ!?あたしが当事者だったら超ビビる自信があるわ?!」

姫神「ホンモノだけに鉄板感はなくもない。ただこうできればアレンジがほしい」

御坂「是非はさておくとして、怪談の中じゃメジャーよね。で、なにをどうしろって?」

姫神「楽器をサックスフォーンに」

御坂「プロよね?いくら真夜中の校舎でもサキソフォン響いてきたら『あ、誰か居残って演奏してる』って思うわよね?」

姫神「そして楽曲をコナ○君のテーマに」

御坂「それはそれでプロよね?『あれこの曲流れてるってことは……近くでコナ○君が対決してる!?』って興味の方が先に来るわ!むしろ見に行くわ!」

御坂「てか改善する気持ちあんの!?あるんだったらもっと素材を生かしなさいよ!それっぽい能力者なんだから!」

姫神「あまり広まってしまうと地縛霊さんに迷惑になる。なので反対」

御坂「……あぁそっか。なんかトンチキな怪談広げてんのも彼女のためなのね?変な話が広がれば広がるほど彼女の噂も薄れるし」

姫神「えっ?」

御坂「えっ?」

御坂・姫神「……」

姫神「――流石常盤台のハイエー○。全部まるっとお見通し」

御坂「ねぇこの人思ったよりもずっと天産なんだけど大丈夫?外見詐欺じゃない?」

上条「大丈夫だ!クラスメイト一堂が分かってる事だから!」

御坂「そして誰がエッラい風評被害を受けてるワゴン車よ!」

上条「青ピが言ってたんだけど、ある同人ゲームで拠点への帰還手段が『ハイエー○』ってのが……」

姫神「残り四つは大したことがないので巻きで行く。上条君のフィギュア趣味が高じて完璧な腹話術をしているのがバレた。『放課後の傀儡師』」

御坂「なにそれこわい」

上条「怖くないよ!だって生きてるんだからねっ!」

御坂「そこだけ聞くと末期のフィギュアヲタの台詞よね」

姫神「放課後の校門でブツブツ言いながら出待ちしてる常盤台の少女。声をかけようとすると背後に回り込まれる。『うしろに立つ少女』」

上条「なにそれこわい」

御坂「怖くないわよ!恋心が暴走しがちな乙女の所業に決まってるわ!」

姫神「そして小学生学年にしか見えない幼女先生を誤認して始まった。『場違いな女の子』」

上条「小萌先生を幼女言うな。最近アレで色々厳しいけどヘビースモーカーなんだからな!」

姫神「以上の怪談でどれもこれも身内ネタ。もっとこう新機軸がほしい」

御坂「作ってる時点でもう怪談じゃないわよね――あれ?もう一つなかった?」

姫神「『七番目を知ってしまったら死神に殺される』?数が足りないので加えてみました」

御坂「うん、極端過ぎるわよね?一人だけ限りなくホンモノに近いニセモノ入ってたけど、ほぼ100%デマよね?」

姫神「なので定期的にローテーションを変えて危機感を出させる。アドバイザーさんお願いします」

御坂「だからいいの?オカルト要素がここまで皆無なんだけど」

上条「俺からも頼む!せめて!そうせめて七不思議だけは他の学校にも負けたくないんだ……ッ!」

御坂「もっと力の入れ方あるでしょ?スポーツとか勉強とか、なんだったら課外活動でもいいのにそこに拘る理由ある?ないわよね?」

姫神「えー。ではまずエントリー一番。『知らない誰か』です。どうぞ」

御坂「既にあるの?あるんだったらランダム要素で適当に入れ替えれば?」

……

教師『――おい!ちょっと来い!』

男生徒『はい?なんすか先生――ってあイタっ!?ぶちましたね!?コンプラ的にも厳しいのに!?』

教師『やかましい!お前もいい加減しろよ!?分かったな!?』

男生徒『はぁ!?なんすか先生!先生!?』

……

姫神「という悲しい事件が」

上条「これ俺の話じゃねぇか。サイコ・ゴリラこと災誤に廊下でシバかれたときの」

御坂「――そいつ、潰せばいいのね?」

上条「姫神さんも言葉選んで!?ある意味レッサーよりもタチ悪いなんだから!」

上条「えっとホラ!災誤先生はツッコミだから!先生が適度に『何やってんだコラ』ってしてくれるお陰で『なんだギャグだったのか』ってね!?」

姫神「そういう痛ましい事件あるよね。ツッコミが同乗していれば『なんでやねん』で解決したかもしれない」

御坂「世界をツッコミとボケで二分するんだったら、警察官は前者だと思うんだけど……」

姫神「という訳で新七不思議候補。何もしてないのに先生から叱られる」

上条「冤罪だよ。まぁ俺が知らないところでやらかしちまった可能性はあるが、怪談として成立するか?」

姫神「問題ない。これには隠された裏話があって」

……

女生徒『あ。先生お疲れさまです』

教師『お前……それどうしたんだ?ぬいぐるみか?』

女生徒『ゲコ太郎です。ぬいぐるみではなく』

教師『いやそうじゃなくてだな』

女生徒『こんにちはゴリラ先生』

教師『ゴリラって言ったか?陰口じゃなくて堂々と腹話術の体で言ったな?』

女生徒『僕の名前はゲレゲレといいます。ゆっくりしていってね』

教師『ゲコ太郎は?演技するんだったらもっとこうせめて辻褄は合わせようか?』

女生徒『ゴリラは見回りですか?』

教師『せめて先生はつけようか?じゃないとゴリラが見回りって言ったら、園内をお散歩しているみたいに聞こえるからな?』

女生徒『うっ。僕の中での悪魔が暴れて』

教師『いるかその設定?ぬいぐるみの人格チェンジなんて濃い設定必要か?』

教師『――カミジョー!あのアホどもに関わったばかりに……!』

……

姫神「っていうね」

上条「お前じゃねぇか原因は!?てかよくゴリラにゴリラっつったよなぁ!?土御門ですらまだ言ってないのに!」

御坂「世界観がシュール過ぎてついて行けないんだけど……先生に暴言吐いても許されるの?その先生いい先生よ?」

姫神「他意はなかった。ただ災誤先生は外見で損をするタイプだからフレンドリーに接しただけ」

上条「そのしわ寄せが俺が来ること以外は良いことだと思うぜ!冤罪でぶん殴られる俺のやるせない気持ちが!」

姫神「以上『ヴァニ○ソングを歌うと上条君が殴られる』でした」

御坂「もう帰っていい?」

姫神「――と、いう訳で学校であった七不思議を募集します。具体的にはなんでもオッケー」

姫神「『カキクケコ言う白い影が廊下を歩いていた』や『ツインテが放課後にバスケの練習していた』とか意味不明なのでもアリです」

上条「『黒○のバスケ』であって白井さん関係ねぇよ」

姫神「またメジャーな七不思議を調査する賑やかしでも構いません。来たれ。我が校の精鋭達よ……ッ!」

上条「えーと、まぁそんな感じで一つ」


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※納涼・怖い話(っぽい)企画です。

【誰】が【何】を【どう】するのか、書くと良い事があるかも知れません

例)――
【佐天さん】が【トイレの花子さん】を【煽りまくる】
【レッサーさん】が【夜中に走るブロンズ像】を【ダッシュで完膚なきまで叩きのめす】
【HAMADURAさん】が【深夜のとある高校】で【絹旗さん考案の邪悪な怪異調査】

禁書キャラ限定で、お互いが知り合いかどうかや死亡フラグは無視します
〆切りは大体二週間ぐらい?では宜しければご参加下さい




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